JP2002317284A - バルブ・管継手等の銅合金製配管器材 - Google Patents
バルブ・管継手等の銅合金製配管器材Info
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Abstract
の使用に際して、従来の基準と比較して鉛溶出量を大巾
に削減することを低コストで可能とした技術を提供する
こと。 【解決手段】 ボディ・ボンネット等の銅合金製
の少なくとも接液部品のN個分を1ユニットとし、この
1ユニット分を、酸を含有する洗浄液に同時に浸漬して
酸洗浄した後に、配管器材を組み立てるようにしたバル
ブ・管継手等の銅合金製配管器材である。この場合、洗
浄液は、硝酸とインヒビターとして塩酸を添加したもの
である。
Description
ブ・管継手等の銅合金製配管器材に関し、詳しくは、例
えば、鉛を含有する青銅、黄銅等の銅合金製の水道用バ
ルブ、給水給湯用バルブや管継手、ストレーナ或はその
他の配管器材を酸洗浄して水道水などの流体が接液して
も鉛が溶出しないようにして鉛溶出基準を満たすように
した配管器材に関する。
バルブ、管継手、ストレーナ或はその他の配管器材が設
けられており、これらの配管器材は、鋳造性、機械加工
性並びに経済性に優れた青銅や黄銅などの銅合金製のも
のが多く用いられている。
銅にあっては鋳造性や機械加工性を、黄銅にあっては切
削性や熱間鍛造性等の特性を良好にするため、鉛(P
b)を所定量添加した合金が使用されている。しかし、
このような鉛を含有した青銅・黄銅製のバルブに水道水
などの流体を供給すると、バルブの接液部表面層に析出
している鉛含有金属の鉛部分が水道水に溶出することが
考えられる。そこで、従来より飲用に供せられる水道水
は、特定の方法によって行う評価検定方法によって、鉛
溶出の水質基準が規定され、これに適合するものでなけ
ればならない。
の溶出量は、極力少なくする必要があり、最近は、バル
ブ等の配管器材における鉛溶出の水質基準の規制が更に
厳しくなりつつある。
を満足するバルブ等の配管器材の開発が切望されている
が、これまでは上記の課題点を有効に解消するような鉛
溶出防止方法は提案されていない。更に、鉛の新たな代
替元素として、毒性が無いとされるビスマス(Bi)、
又はテルル(Te)を少量添加し、上記特性を鉛含有の
銅合金並みに向上させた技術も知られているが、希少金
属であるため製造コストが高く、汎用的ではない。
結果開発に至ったものであり、鉛を含有した銅合金製の
配管器材の使用に際して、従来の基準と比較して鉛溶出
量を大巾に削減することを低コストで可能とした技術を
提供することを目的としたものである。
め、請求項1に係る発明は、ボディ・ボンネット等の銅
合金製の少なくとも接液部品のN個分を1ユニットと
し、この1ユニット分を、酸を含有する洗浄液に同時に
浸漬して酸洗浄した後に、配管器材を組み立てるように
したバルブ・管継手等の銅合金製配管器材である。この
場合、洗浄液は、硝酸とインヒビターとして塩酸を添加
したものである。
トとした配管器材を、酸を含有する洗浄液で洗浄して、
前記配管器材の少なくとも接液部表面層を脱鉛化するよ
うにしたバルブ・管継手等の銅合金製配管器材である。
この場合、洗浄液は、硝酸とインヒビターとして塩酸を
添加したものである。
を青銅・黄銅製のバルブに適用した実施の形態を図面に
従って説明する。図1は、バルブ3の酸洗浄を工程毎に
示した図であり、単位時間当りN個のバルブ3がバルブ
製造工程10より製造されると、N個のバルブ3は1ユ
ニットとして、次工程の脱脂・洗浄工程11へ搬送され
る。脱脂・洗浄工程11において、有機溶剤液が満たさ
れた容器に1ユニットのバルブ3を浸漬し、超音波洗浄
を行い、乾燥工程12でバルブ3の表面に付着した油脂
分を取り除くことで、後述する酸洗の効果を高めてい
る。乾燥工程12では、脱脂・洗浄工程11で脱脂後の
バルブ3を自然乾燥、或は強制乾燥を行い、有機溶剤を
充分揮発させる。これは、後段の酸洗浄工程13に有機
溶剤が混入することで、バルブ3の表面に疎水性の油膜
が残り、部分的に鉛溶出除去を阻害したり、酸濃度を変
化させ適切な酸洗浄が行われなくなることを防止するた
めである。なお、脱脂・洗浄工程11の終了後、有機溶
剤がただちに揮発するのであれば、この工程は省略でき
る。
バルブ3を酸洗し、表面の鉛を除去するもので、これに
ついては後述する。酸洗浄工程13で鉛を除去した後
に、水洗工程14で1ユニットのバルブ3に付着してい
る酸を洗い流す。なお、本工程は、水洗のかわりに酸を
中和させる薬剤を使用した中和工程であっても同様な効
果を奏する。そして、1ユニット分の水洗が終了したタ
イミングで、バルブ製造工程10では、次の1ユニット
のバルブ3が製造され、以後、上述した工程を繰り返
す。このように、バルブ3の表面の鉛を除去する鉛侵食
工程15の各工程は、1ユニットを同時に処理するバッ
チ処理を行っている。特に、酸洗浄工程13では、N個
分のバルブ3を一度に浸漬する大容量容器を設けている
ため、洗浄液2の濃度バラツキが少なくなり、品質を一
定にすることが可能となる。また、鉛侵食工程15のバ
ッチ処理は、バルブ製造工程の生産能力や表面鉛の除去
程度に応じて調整されている。調整の対象としては、例
えば、1ユニットのN個数や酸洗浄工程13の洗浄時間
である。
図5を用いて以下に詳述する。図2は、バッチ式酸洗浄
を示す概略工程図である。同図において、容器1内に酸
を含有する洗浄液2(以下、単に洗浄液という)を入
れ、一対の棒状のバルブ保持部材5に1ユニット分の鉛
を含有した青銅・黄銅製のバルブ3のハンドル部を掛止
し、更に、バルブ保持部材5の両端部を容器1の両壁に
掛止することで、洗浄液2内に浸漬する。この状態で、
バルブ3はハンドル及びステムの一部を除いて殆どが液
中に浸漬するように洗浄液2の液面高さを調整してい
る。
音波洗浄4、或いはバブリング(図示せず)を行って、
鉛の侵食を促進させる。そして、予め設定された時間の
酸洗浄が終了すると、バルブ保持部材5を引き上げて1
ユニット分のバルブ3を洗浄液2から取り出し、次工程
へ搬送する。
酸洗浄するため、既存するバルブについても対応可能
で、新しい鉛溶出基準に準拠した変更も低コストででき
る。また、一度に1ユニット分のバルブ3を同時に酸洗
浄するので、製品バラツキがないという利点がある。な
お、本実施形態では、パッキンやガスケット等金属以外
の部品も洗浄液2に浸漬されるため、酸洗浄時間や酸濃
度によっては、上記部品の劣化も考慮され、その場合に
はフッ素ゴム等の耐薬品性材質の部品を用いれば良い。
のように行われる。容器1内の使用済み洗浄液2を一定
量抜き取り、加熱処理を行い濃縮状態にすることで硝酸
鉛(Pb(NO3)2)等の鉛化合物を沈殿させ、フィルタ
等で濾過して固体の硝酸鉛を産業廃棄物として処理す
る。一方、濾過後の洗浄液2に水道水或いは純水と共に
硝酸を加えて設定濃度及び設定液量に調整し、新規の洗
浄液2として容器1内へ戻して次の酸洗浄に備える。
一定量の洗浄液2をメンテナンスして、洗浄液を品質管
理する。この方法によれば、洗浄液2をリサイクルでき
るので、製造コストを安価にできるほか、産業廃棄物を
大幅に少なくすることができる。
示している。同図において、図2と同じ構成について
は、同符号を記している。本実施形態では、バルブ製造
工程10内で製造されたバルブ3を構成する接液部品、
例えば、ボディ3a、ボンネット3b等を仕切りのある
カゴ6に入れ、洗浄液2内に浸漬して酸洗浄する。そし
て、予め設定された時間の酸洗浄の後、カゴ6を引き上
げて1ユニット分の接液部品を洗浄液2から取り出し、
一連の鉛侵食工程15の終了の後、最後にバルブ3を組
み立てる。これによれば、バルブ3内に組み込まれる標
準ゴム材質のNBRやEPDMで形成されたパッキンや
ガスケットの酸洗浄による劣化を一切考慮することがな
く、品質管理が容易になる利点がある。
る。個別式酸洗浄は、バルブ製造工程10で順次製造さ
れるバルブ3を1ユニット分蓄積することなく、そのま
ま鉛侵食工程15で処理するものである。図4は、酸洗
浄工程13の概略工程図であるが、他の工程も基本的に
同様の構造である。同図において、矢線方向に送り出さ
れるバルブ保持ベルト7にバルブ3が釣り下げられて搬
送され、容器1内の洗浄液2に順次浸漬され、予め設定
された時間の酸洗浄が行われる。即ち、バルブ下面が浸
漬してから最後に引き上げられるまでの時間が酸洗浄時
間となるよう調整されている。なお、容器1は容量を十
分に大きなものとするか、或いは常時、洗浄液2のメン
テナンスをすることで洗浄液2の厳密な濃度管理を行っ
ている。
している。同図において、左方のバルブ搬送ベルト9に
よって搬送されてきたバルブ3が、取り付け位置で一対
のバルブ保持部材8aに取り付けられると、ハブ8から
配管8bを通して供給される洗浄液2がバルブ保持部材
8aを介してバルブ3の流体流路を流れて内面の接液部
分のみを酸洗浄する。ハブ8は、所定の角速度で矢印方
向に回転し、取り外し位置に達すると、そこでバルブ3
はバルブ保持部材8aから取り外され、右方にあるバル
ブ搬送ベルト9で次工程へ搬送される。ここで、バルブ
3が取り付けられてから取り外されるまでの1サイクル
時間は、酸洗浄時間となるよう調整され、ハブ8の角速
度もこの時間によって規定されている。なお、バルブ保
持部材8aはフッ素ゴムを使用し、配管8bはテフロン
(登録商標)ライニングされ、耐酸性となっている。
スペース化を図ることが可能となるほか、バルブ3の流
体流路の接液部分のみを酸洗浄することができるので、
製造コストを低減し、かつ廃液量も極力少なくできる利
点がある。また、酸洗浄によって変色が生じても美観を
損なわず、後述するインヒビターを不要とすることがで
き、その場合は、一層のコスト低減を図ることができ
る。以上説明した実施形態は、製造コストや品質管理等
の製造条件、或いは産業廃棄物処理等の外部環境への対
応を総合的に勘案して適宜選択するか組み合わせること
が可能である。
よる鉛の溶出の促進作用について説明する。バブリング
は、例えば二酸化炭素(CO2)や酸素(O2)の気泡を
洗浄液2内で発生させるものであり、酸洗浄によって生
じるPb(NO3)2)、PbO2の他にPbOやPbCO3
としてもバルブ3の表面から鉛を溶出させているため、
洗浄液2の有効濃度の持続に貢献する。また、超音波洗
浄4は、洗浄液2中の反応で生じた種々の鉛化合物をバ
ルブ表面から速やかに除去させる効果があり、バブリン
グと並用すると良い。特に、洗浄液2中の溶存酸素濃度
を高めることで、鉛との化合物を形成して鉛が溶出し易
くなり、また、紫色光から遠紫外光の波長領域の電磁波
を照射する等して、酸素を原子化するとその効果が促進
され好ましい。
のゲートバルブとBC6のグローブバルブを用い、黄銅
製はC3771のゲートバルブとC3771のグローブ
バルブを用いた。この洗浄液2は、硝酸や酢酸等の鉛を
侵食する酸を水道水或いは純水に混入したものを使用し
たり、又は、硝酸にインヒビター効果をもつ塩酸を混合
した混酸を水道水或いは純水に混入したものを使用す
る。この場合、塩酸のCl−イオンが銅表面に均一に膜
を作りながら侵食するので、光沢面を保持しながら侵食
する。このとき鉛部分では、塩酸鉛、硝酸鉛が形成さ
れ、そしてこれらはともに混酸に溶解性であるから、侵
食が持続する。
する。一般に酸は、鉛を腐食(酸化)させることが知ら
れているが、鉛は酸との反応で酸化皮膜を形成し易いた
め、連続的な腐食をおこしにくい。しかし、硝酸、塩酸
及び有機酸等の酢酸は鉛を連続的に腐食し、中でも硝酸
(HNO3)の腐食速度が最も高い値を示す。一方、塩
酸(HCl)は、硝酸に比して鉛の腐食速度は遅いもの
の、銅との化合力が高いため、硝酸との混酸で酸洗した
場合、硝酸と銅が化学反応して酸化銅(Cu2O又はC
uO)を形成する以前に、バルブ3の表面に塩化銅(C
uCl)皮膜を形成し、硝酸による銅の腐食を抑制する
いわゆるインヒビター効果を奏する。従って、塩酸が含
まれることで、バルブ3の表面の銅の酸化が無くなり、
黒く変色するといった不具合を防止して、金属の光沢を
維持できる。硝酸と塩酸の混酸で酸洗浄した場合のテス
トピース表面の鉛分を測定した結果は、次の通りであ
る。なお、この測定には、蛍光X線分析法を使用してい
るため、約0.1mmの分析面積直径で最大10μm程度の分析
深さの鉛のwt%を求めている。
%)
色に関し、BC6及びC3771とも硝酸濃度が7wt%
以上のテストピースについて多く確認されている。ま
た、硝酸濃度7wt%以上としても鉛除去度合は、大きく
向上しないことから、洗浄液2のコストや量産性等工業
条件を考慮すれば、硝酸濃度は7wt%未満が好ましい。
また、硝酸濃度が7wt%以下であれば、変色を抑制で
き、少量の塩酸の混入によりインヒビター効果を奏し、
一層変色を抑制できる。しかしながら、硝酸濃度に対す
る塩酸濃度の比率が5%より低いものでは変色が確認さ
れたものがあった。これは、インヒビター効果が減少し
たためである。一方、塩酸濃度が高くなりすぎると、応
力腐食割れを生じることが確認されていることから、塩
酸濃度の比率は下限値を0.05%とし、応力腐食割れ
を考慮した上限値の間が適正範囲である。また、上記の
ように硝酸等の鉛を侵食する酸を単独に使用する場合、
インヒビターとして塩酸の代わりにベンゾトリアゾール
(benzotriazole,BTA)などを混入しても良い。ベンゾ
トリアゾールは、特に一価の状態にある銅及び銀に対す
るキレート試薬であり、これら金属の変色及び腐食の抑
制に用いられている。なお、鉛の侵食に酢酸を用いる場
合には、酢酸は銅と化学反応しないので、インヒビター
は混入しなくてよい。
結果について説明する。バルブ3をアルコール等の有機
溶媒で脱脂後、図2に示す洗浄液2内にバルブ3を浸漬
すると共に、超音波洗浄4により洗浄した。なお、本例
の洗浄液は、純水に混入したもので、単位はwt%であ
る。この場合の洗浄液とバルブ材料の種類は、次の通り
である。
洗浄で、の場合(4wt%硝酸+1wt%ベンゾトリアゾ
ール)による酸洗浄の表面鉛除去は、当初、表面鉛含有
量4.6wt%であったものが、20分の洗浄で極減し、そ
の後、40分、60分の酸洗浄で除減することが確認さ
れた。また、の場合、(4wt%硝酸+0.4wt%塩酸)
による酸洗浄の表面鉛除去は、当初4.6wt%であったも
のが、同様な特性を示しながら除減することが確認され
た。当初の表面鉛含有量がとで異なるのは、BC6
のテストピースが異なる理由による。これら表面鉛含有
量は蛍光X線分析法により測定している。
71への酸洗浄で、の場合(2wt%硝酸+1wt%ベン
ゾトリアゾール)による酸洗浄の表面鉛除去は、当初、
表面鉛含有量2.4wt%であったものが、10分の洗浄で
極減し、その後、30分、60分の酸洗浄で除減するこ
とが確認できた。の場合(2wt%硝酸+0.2wt%塩
酸)による酸洗浄の表面鉛除去は、当初2.4wt%から同
様な特性を示しながら除減することが確認された。な
お、C3771は、図に示すように酸洗浄後の表面鉛含
有量が0.84wt%までしか減少していない。これは、蛍光
X線分析法では、深さ10μm程度中に存在する鉛量を評
価するのに対し、今回テストに用いたC3771は、B
C6に比して鉛が非常に微細(10μm以下)に分散して
いるため、表面に存在する鉛を除却しても、更に深いと
ころに存在する鉛を分析してしまうためである。
S(オーストラリア)規格に基づいて実施した鉛の評価
検定の溶出結果を示す。先ず、酸洗浄したバルブ3を取
り出して、バルブ3の両端にステンレス継手の栓をした
状態で蒸留水を入れ、手でこれを振って洗浄を3回行っ
て、試験前の調整をする。次いで、抽出テストを行うに
は、上記のバルブ3の両端接続部にステンレス継手をし
て密閉した状態で、上記と同様に蒸留水を入れて24時
間以上放置し、これを4回繰り返して6日間経過させ
る。その後、このステンレス継手を外してバルブ3内の
蒸留水を捨て、新しい蒸留水を満たして再び両端部にス
テンレス継手をして24時間以上放置した後に、継手を
外して取り出した蒸留水を分析水として評価する。
図7における「酸洗浄による鉛溶出防止効果」のグラフ
に示す。図6はBC6による評価結果であり、図7はC
3771による評価結果のバルブによる。図6による
と、本発明における酸洗浄処理をしなかった場合、鉛溶
出量は2500μg/lであり、表2における洗浄液の場
合、120μg/lで、洗浄液の場合、760μg/lであり、
洗浄液の場合は、330μg/lであった。BC6が上述
したように、一定の表面鉛除去効果があったにもかかわ
らず、AS規格の基準(分析水中の鉛許容濃度50μg/
l)を満たさなかったのは、そもそも鉛の含有量がC3
771に比して非常に多いためで、酸洗浄の時間を長く
設定すれば、更なる鉛除去を期待できる。
去がバルブ3表面にとどまらず、深層部にも至り、バル
ブ3自体の強度が低下し、高圧流体の封止機能を損なう
おそれがある。この問題に対しては、例えば、金属材料
の製造過程で結晶微細化剤(ホウ素、チタン等)を混入
する等して、C3771のように金属結晶が微細で、し
かも鉛が分散する金属組織のバルブ3とすれば深層部で
の鉛溶出を極減させることが可能となる。
鉛溶出量は370μg/lであり、表1における洗浄液の
場合は14μg/lで、の場合は84μg/l、の場合は45
μg/lであった。この処理条件によると、洗浄液と
の例が、上記のAS規格の基準(分析水中の鉛許容濃度
50μg/l)を満たすものであった。
して塩酸を添加すると、バルブの表面の変色もなく、実
用上極めて有効であることを確認した。加えて、ベンゾ
トリアゾールに比して、厳密な洗浄条件(濃度、洗浄時
間、洗浄液温等)の管理を要しないため、量産性の点か
らも塩酸の方が好適である。このように、C3771は
鉛溶出防止について、極めて良好な特性を示し、また、
製造コストについても本実施形態による酸洗浄処理を行
っても、処理を行わないBC6よりも更に安価であり、
最も適した材料である。
す欠点があるため、本願出願人が開発した銅基合金(特
開平7−207387号)を用いることで、耐脱鉛及び
耐脱亜鉛特性を有するバルブ3を提供することができ
る。この銅基合金は、Cu59.0〜62.0%、Pb0.5〜4.5
%、P0.05〜0.25%、Sn0.5〜2.0%、Ni0.05〜0.30
%を含有し、残りがZnと不可避不純物からなる組成
(以上重量%)を有することを特徴とする耐食性及び熱
間加工性に優れた銅基合金であり、又は、Cu59.0〜6
2.0%、Pb0.5〜4.5%、P0.05〜0.25%、Sn0.5〜2.
0%、Ni0.05〜0.30%、Ti0.02〜0.15%を含有し、
残りがZnと不可避不純物からなる組成(以上重量%)
を有し、α+β組織を均一に細分化することを特徴とす
る耐食性及び熱間加工性に優れた銅基合金である。
平9−105312号)を用いれば、上記特性の他、熱
間加工性及び耐応力腐食割れ特性を有するバルブ3を提
供することができる。この銅基合金の特徴は、Cu58.0
〜63.0%、Pb0.5〜4.5%、P0.05〜0.25%、Sn0.5
〜3.0%、Ni0.05〜0.30%を含有し、残部がZnと不
可避不純物からなる組成(以上重量%)を有し、α+β
組織を均一に細分化して耐食性及び熱間加工性に優れた
銅基合金であり、更に、適切な抽伸加工及び熱処理を施
すことにより、引張り強さ、耐力、伸び等の機械的性質
を向上させ、かつ十分な内部応力を除去することによ
り、耐応力腐食割れ性にも優れた性質を有する合金であ
り、又は、Cu58.0〜63.0%、Pb0.5〜4.5%、P0.05
〜0.25%、Sn0.5〜3.0%、Ni0.05〜0.30%、Ti0.
02〜0.15%を含有し、残部がZnと不可避不純物からな
る組成(以上重量%)を有し、α+β組織を均一に細分
化して耐食性及び熱間加工性に優れた銅基合金であり、
更に、適切な抽伸加工及び熱処理を施すことにより、引
張り強さ、耐力、伸び等の機械的性質を向上させ、かつ
十分な内部応力を除去することにより、耐応力腐食割れ
性にも優れた性質を有する合金であることを特徴とする
銅基合金であり、また、上記銅基合金でPとSnの組成
比をP(%)×10=(2.8〜3.98)(%)−Sn(%)となるよ
うに配分した銅基合金である。
酸洗浄の前後を、バルブと同材であるBC6の板で比較
した写真である。図10は、板表面の洗浄前の顕微鏡写
真(×1000)であり、図11は同上の洗浄後の写真であ
り、板表面の鉛が侵食され、鉛が除去されていることが
確認できた。
線マイクロアナライザ)による鉛の分布を示したもの
で、図13は同上の洗浄後の鉛の分布を示したもので、
板表面層の鉛が侵食されていることが確認された。
単酸或は混酸、又は酸とインヒビターとしての反応制御
剤との混合により鉛の溶出防止と金属の変色防止が可能
となることが確認された。
によると、バルブ・管継手等の銅合金製配管器材の鉛溶
出量を大巾に削減することが可能となり、また、金属面
の変色もなく、鉛溶出量が削減され、本発明は、配管器
材としてその実用的価値が極めて高く、しかも、現状の
製品に本発明をそのまま適用することができる等の有用
な効果を有する。
ある。
説明図である。
ある。
る。
ラフである。
すグラフである。
C6の洗浄)のグラフである。
3771の洗浄)のグラフである。
ある。
て示した写真である。
Claims (3)
- 【請求項1】 ボディ・ボンネット等の銅合金製の少な
くとも接液部品のN個分を1ユニットとし、この1ユニ
ット分を、酸を含有する洗浄液に同時に浸漬して酸洗浄
した後に、配管器材を組み立てるようにしたことを特徴
とするバルブ・管継手等の銅合金製配管器材。 - 【請求項2】 N個分を1ユニットとした配管器材を、
酸を含有する洗浄液で洗浄して、前記配管器材の少なく
とも接液部表面層を脱鉛化するようにしたことを特徴と
するバルブ・管継手等の銅合金製配管器材。 - 【請求項3】 前記洗浄液は、硝酸とインヒビターとし
て塩酸を添加したものである請求項1又は2に記載のバ
ルブ・管継手等の銅合金製配管器材。
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