JP2002316942A - 細菌からラクトフェリン受容体タンパク質を分離及び精製する方法並びにこれを含有するワクチンを調製する方法 - Google Patents

細菌からラクトフェリン受容体タンパク質を分離及び精製する方法並びにこれを含有するワクチンを調製する方法

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JP2002316942A
JP2002316942A JP2002054731A JP2002054731A JP2002316942A JP 2002316942 A JP2002316942 A JP 2002316942A JP 2002054731 A JP2002054731 A JP 2002054731A JP 2002054731 A JP2002054731 A JP 2002054731A JP 2002316942 A JP2002316942 A JP 2002316942A
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lactoferrin
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transferrin
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Bernard Schryvers Anthony
アンソニー バーナード シュリヴァーズ
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、ラクトフェリン受容体タン
パク質を利用して、細菌性病原体に対するワクチンを提
供することである。 【解決手段】 本発明により、細菌性病原体からラクト
フェリン受容体タンパク質を分離及び精製するための方
法、並びに精製ラクトフェリン受容体タンパク質及び/
又はこれらの誘導体を含有するワクチンが提供された。
ラクトフェリン受容体は細菌性病原体の成長や生存、ま
たは感染を引き起こすために不可欠な鉄獲得の機構に関
与しており、本発明のワクチンはその機構を利用した新
規なものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、細菌性病原体から
ラクトフェリン受容体タンパク質を分離及び精製するた
めの方法、並びに精製ラクトフェリン受容体タンパク質
及び/又はこの誘導体を含有するワクチンに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】ヒト及び動物に疾患を引き起こす多数の
重要な細菌性病原体に対して、有効なワクチンが存在し
ないか又は不充分である。これらの病原体のうち多く
は、自然感染を引き起こす能力について、比較的宿主特
異的である。髄膜炎菌(Neisseria meningitidis),イ
ンフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)及び淋菌
(Neisseriea gonorrhoeae)のような細菌は、髄膜炎、
耳炎、喉頭蓋炎、琳疾及び尿道炎のようなヒトの風土病
及び流行病の重要な原因であり続けている。同様に、ウ
シにおいては、パスツレラ へモリティカ(Pasteutell
a haemolytica),へモフィルス ソムヌス(Haemophil
us somnus)及びパスツレラ ムルトシダ(Pasteurella
multocida)が、肺炎性のパスツレラ症及び感染力を持
つ血栓塞栓性の髄膜脳炎の重要な作因である.ブタにお
いては、アクチノバシラス(へモフィルス)プルロニュ
ーモニア(Actinobacillus (Haemophilus)pleuropneumo
niae)が、感染力を持つ肺炎の重要な作図である。家禽
類においては、トリへモフィルス(Haemophili)、特に
へモフィルス バラガリナルム(Haemoplilus paragall
inarum)が、感染力を持つコリーザの原因である。
【0003】インフルエンザ菌(Haemophilus influenz
ae)及び髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)は、幼児
の細菌性髄膜炎の最も一般的な原因である。有効な抗生
物質治療が得られるにもかかわらず、髄膜炎の感染から
著しい死亡率と羅患率とがもたらされている。この感染
の流行性が、年齢二歳以下の子供に存在する臨床的兆候
が乏しいという性質と和まって、死亡率及び羅怠率を継
続するのに寄与する主要因子であろう。
【0004】抗莢膜抗体の存在と全身性態膜炎感染に対
する抵抗との問に相関が観察された後に、髄牒炎菌(Ne
isseria meningitidis)の英膜多糖に基づいたワクチン
が開発された。これらの英膜多糖ワクチンは、髄膜炎菌
のA,C,Y 及びW−135 莢膜血清群からの微生物によ
って引き起こされた感染に対して有効である。しかし、
最も普通の血清群B髄膜炎菌に対して有効なワクチンは
ない。流行病に対して最も感染の危険が高い年令二歳以
下の子供においては、莢膜多糖ワクチンに対する液性応
答は乏しい。更に、莢膜ワクチンは免疫記憶を与えず、
免疫の持続は比較的短い。化学修飾と破傷風トキソイド
ヘの結合とによって乏しい免疫原性を克服する試みは幾
らかの有望性を示したが、これらの結果は、ヒト胎児及
び乳児の神経組織と血清群B莢膜との免疫学的交差反応
性が示されたという観点から考察すべきである。この考
察からみると、風土性の髄膜炎菌性疾患の予防を充分広
範にカバーするような多価多糖ワクチンが開発されるこ
とは、ありそうにない。
【0005】淋菌(Neisseria gonorrhoeae)が引き起
こす淋疾は、世界に流行性の割合で伝染している。淋菌
性ワクチンの開発は高い優先度を持つ。ウシ肺炎性パス
ツレラ症は、育牛産業における経済的積失の主原因であ
るが、主としてパスツレラ へモリティカ(Pasteurell
a haemolytica)によっている。P.Haemolyticaを含
有するワクチンを用いた実験的研究及びフィールド実験
は、この疾患の発生及び激しさを低減するという点では
一定しなかった。感染力を持つ血栓塞栓性の髄膜脳炎
は、牛の飼育単位に死亡をもたらす重要な席因である
が、へモフィルス ソムヌス(Haemophilus somnus)に
よって引き起こされる。現在のところ、この疾患を予防
する有効なワクチンはない。アクチノバシラス(へモフ
ィルス)プルロニューモニア(Actinobacillus(Haemop
hilus)pleuropneumoniae)は豚に伝染性肺炎を引き起
こし、世界中の養豚産業にとって重大問題となってい
る。粗ワクチン調製物によるワクチン投与は、異種血清
型の保護が制限されていることから成功しなかった。家
禽に感染力を持つコリーザは、主としてヘモフィルス
パラガリナルム(Haemoplilus paragallinarum)によっ
て引き起こされるが、家禽産業における生産性を著しく
減少させている。
【0006】鉄を獲得することは、宿主における細菌性
病原体の成長及び生存のために、また感染を引き起こす
ために不可欠である。哺乳類の宿主中の細菌性病原体
は、鉄のレベルが極端に低いという環境に直面する。菌
体外の部分では、血清及び粘液分泌中でそれぞれ優先す
る、タンパク質トランスフェリン及びラクトフェリンに
よって、鉄が分離される。鉄についてラクトフェリン及
びトランスフェリンと競合する能力は、多くの細菌性感
染の病原に不可欠であると考えられる。多くの細菌は、
その環境からの鉄の獲得を容易にするため、シデロフォ
ア(siderophores)として知られる鉄キレート化合物を
製造する。しかし、髄膜炎菌(Neisseria meningitidi
s),淋菌(Neisseria gonorrhoeae)及びインフルヱン
ザ菌(Haemophilus influenzae)のようないくつかの病
原性細菌は、シデロフォアを製造せず、むしろ試験管中
で成長のために直接にラクトフェリン鉄及びトランスフ
ェリン鉄を獲得する。
【0007】B.E.ホルバイン(Ho1bein),IW.デボ
ー(DeVoe)及びF.P.スパーリング(Sparling)及び
共同研究者による髄膜炎菌及び淋菌の初期の観察が示す
所では、これらの細菌は、トランスフェリン及びラクト
フェリンタンパク質の存在下に成長でき、成長用の鉄の
唯一の源としてこれらのタンパク質からの鉄を使用しう
る。更に確認されたところでは、透析膜によって細胞か
らこれらのタンパク質を分離すると、トランスフェリン
又はラクトフェリン鉄の使用が排除され、ラクトフェリ
ン又はトランスフェリンから鉄を除去する可溶性因子が
含まれないことが示されており、従って細胞の接触が必
要なことが示唆された.F.P.スパーリング(Sparlin
g)及びD.W.ダイア−(Dyer)による研究の示すとこ
ろでは、トランスフェリンから鉄を獲得するのに特異的
に欠損した突然変異体は、結合においても欠損してい
る。
【0008】細菌であるパスツレラ へモリティカ,へ
モフィルス ソムヌス,パスツレラムルトシダ(Pasteu
rella multocida),アクチノバシラス(へモフィル
ス)ブルロニューモニア(Actinobacillus(Haemophilu
s)pleuropneumoniae),ブタインフルエンザ菌(Haemo
philus suis),へモフィルス バラガリナルム(Haemo
philus paragallinarum)又はへモフィルス アビウム
(Haemophilus avium)において、トランスフェリン及
びラクトフェリンから鉄を獲得する機構は、従来研究さ
れなかった。
【0009】これらの作用の効力によって、トランスフ
ェリン及びラクトフェリン受容体タンパク質は宿主中で
細菌の表面上に位置し、大タンパク質に近づきうる。従
って、この受容体は、抗体に媒介された宿主防衛機構に
近づきうるであろう。このトランスフェリン及びラクト
フェリンタンパク質受容体は、成長のため及び生存のた
めに鉄を得るのに不可欠である。従って、この病原体
は、そのトランスフェリン及び/又はラクトフェリン受
容体を失って、こうした受容体タンパク質を含有するワ
クチン抗原によって与えられる免疫を逃れることはでき
ない。こうした逃避技術についていかに試みても、宿主
中での生存は失敗に終わるであろう。
【0010】この鉄摂取プロセスの性質は従来知られて
おらず、ラクトフェリン及びトランスフェリン受容体タ
ンパク質の同定と特徴付けとは従来不可能であった。ラ
クトフェリン及びトランスフェリン受容体タンパク質
は、従来分離も精製もされなかった。更に、これらの受
容体タンパク質を含有するワクチンは、従来開発されな
かった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】(発明の概要)本発明
は、ラクトフェリン受容体タンパク質を分離及び精製
し、これによりラクトフェリン受容体タンパク質を含有
するワクチンの製造を容易にするための方法を提供する
ことによって、従来技術の問題点と不利益とを克服する
ものである。
【0012】本発明の目的は、細菌性病原体中のラクト
フェリン受容体タンパク質を同定し、これを分離及び精
製するための方法を提供することである。
【0013】また、本発明の目的は、ラクトフェリン受
容体タンパク質を含有する細菌性病原体によって引き起
こされる疾患の予防に有効な単成分ワクチン抗原を提供
することである。
【0014】更に、本発明の目的は、幼児における細菌
性病原体疾患を予防するのに有効なワクチン抗原を提供
することである。
【0015】本発明の更なる目的は、現在の多糖莢膜ワ
クチンよりも優れた免疫記憶を示すワクチン抗原を提供
することである。
【0016】本発明の更なる目的と利益とは、続く記述
に一部は記載されるであろうし、一部はその記述から明
らかであろうし、また本発明の実施によって学びうる。
本発明の目的と利益とは、特に添付した請求の範囲内に
指摘したような手段と組み合わせとによって実現され、
達成されるであろう。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の目的を達成する
ため及び本発明の目的に従い、ここで体現され広く記載
されているように、本発明は、ここで記載したアフイニ
ティークロマトグラフィー法によって、ラクトフェリン
結合活性を形質発現する菌株からの膜調製物中のラクト
フェリン結合タンパク質を分離及び精製するための方法
を提供する。
【0018】また、本発明は、精製されたラクトフェリ
ン受容体タンパク質の調製物からなるワクチン抗原を提
供する。
【0019】(1)クローニングされたラクトフェリン
受容体遺伝子を発現する細菌又は微生物から分離された
精製ラクトフェリン受容体タンパク質、(2)精製ラク
トフェリン受容体タンパク質の誘導体、(3)ラクトフ
ェリン受容体遺伝子の暗号配列の全部又は一部を含む融
合タンパク質、及び(4)合成ペプチドのアミノ酸配列
が、精製ラクトフェリン受容体のアミノ酸配列か又はク
ローニングされた受容体遺伝子のヌクレオチド配列に基
づいている合成ペプチドからなる群より選ばれた調製物
を含有するラクトフェリン受容体ワクチン抗原を提供す
る。この調製物は、典型的には、0.15M の塩化ナトリ
ウム、0.05Mのリン酸ナトリウム、約7.4のpHを有す
る緩衝液、チメロサール及び必要に応じて補助剤中に懸
濁される。
【0020】また、本発明で提供するトランスフェリン
受容体ワクチン抗原は、(1)少なくとも一種のクロー
ニングされたトランスフェリン受容体遺伝子を発現する
細菌又は微生物から分離された一種以上の精製トランス
フェリン受容体タンパク質、(2)精製トランスフェリ
ン受容体タンパク質の誘導体、(3)少なくとも一種の
トランスフェリン受容体遺伝子の暗号配列の全部又は一
部を含む融合タンパク質、及び(4)合成ペプチドのア
ミノ酸配列が、精製トランスフェリン受容体タンパク質
のアミノ酸配列か又はクローニングされた受容体遺伝子
のヌクレオチド配列に基づいているところの合成ベプチ
ドからなる群より選ばれた調製物を含有する。この調製
物は、0.15Mの塩化ナトリウム、0.05Mのリン酸ナトリ
ウム、約7.4のpHを有する緩衝液、チメロサール及
び必要に応じて補助剤中に懸濁させることができる。
【0021】本発明の単成分ワクチン抗原は、トランス
フェリン及び/又はラクトフェリン受容体を通して直接
に鉄を獲得する細菌性病原体に対して有効である。ま
た、このワクチン抗原は、幼児に免疫を付与するのに適
している。
【0022】添付図面は、この明細書中に包含されてそ
の一部をなすものであり、本発明の実施例を図示し、そ
の説明と共に本発明の原理を説明するためのものであ
る。
【0023】
【発明の実施の形態】(好適な態様の説明)ここで本発
明の好適な本態様を詳細に参照する。ラクトフェリン受
容体は、表面に近接しうる外膜タンパク質である。淋菌
及び髄膜炎菌においては、約106,000の分子量を有して
いることを発見した。この受容体は、結合ラクトフェリ
ンに対して特異的である。これは、トランスフェリン又
は他のいかなる鉄結合タンパク質にも結合しない。更
に、ナイセリア(Neisseria)及びブランハメラ(Branh
amella)種からの受容体は、ヒトラクトフェリンには高
い親和性をもって結合するが、他種からのラクトフェリ
ンには特異的に結合しない。この受容体の形質発現は、
この受容体を有する細菌に入手可能な鉄のレベルによっ
て調節される。充分な鉄の存在下では、非常に少量のタ
ンパク質が製造される。鉄が制限されるときには、製造
される受容体タンパク質の量が大きく増大する。この受
容体は、他の種から得られるラクトフェリンからの鉄獲
得又は鉄に依存した成長を媒介しないであろう。これ
は、鉄が飽和したヒトラクトフェリン及びヒトアポラク
トフェリンに同等の親和性をもって結合する。髄膜炎菌
中のラクトフェリン受容体は、次のラクトフェリン受容
体特異的モノクローナル抗体に結合することを発見し
た:Nos.33−15−4,33−188−2,33−75−6,33−36
−16及び33−19−3。
【0024】トランスフェリン受容体は、この受容体を
有する細菌に入手可能な鉄のレベルによって形質発現が
やはり調節されるタンパク質からなる。充分な鉄の存在
下では、非常に少量のタンパク質が製造される。鉄を制
限したときには、製造される受容体タンパク質の量が劇
的に増大する。ヒト病原体である髄膜炎菌、淋菌、イン
フルエンザ菌及びブランハメラ カタラーリス(Branha
mella catarrhalis)中のトランスフェリン受容体は、
ヒトトランスフェリンからの鉄の獲得と鉄に依存した成
長とは媒体するが、他の種から得られるトランスフェリ
ンからは媒介しないであろう。ウシ病原体であるパスツ
レラ へモリティカ,へモフィルス ソムヌス(Haemop
hilus Somnus)及びパスツレラ ムルトシダ(Pasteure
lla multocida)においては、トランスフェリン受容体
は、ウシトランスフェリンからの鉄に依存する成長は媒
介するが、他の種から得られるトランスフェリンからは
媒介しないであろう。ブタ病原体であるアクチノバシラ
ス プルロニューモニア(Actinobaccilus pleuroneumo
niae),アクチノバシラス スイス(Actinobaccilus s
uis)及びブタインフルエンザ菌においては、トランス
フェリン受容体はブタトランスフェリンからの鉄に依存
した成長を媒介するが、他の種から得られたトランスフ
ェリンからは媒介しないであろう。家禽においては、病
原体であるヘモフィルス パラガリナルム(Haemophilu
s paragallinarum)(へモフィルスガリナルム(Haemop
hilus gallinarum))及びへモフィルス アビウム(Hae
mophilus avium)が有するトランスフェリン受容体は、
家禽(鶏又は七面鳥)トランスフェリンを用いた鉄に依
存する成長を媒介するが、哺乳類種、即ちヒト、ウシ又
はブタについてのトランスフェリンによっては媒介しな
い。
【0025】トランスフェリン受容体は、二つの外膜タ
ンパク質からなる。(1)髄膜炎菌、淋菌及びインフル
エンザ菌中の約100,000の高分子量タンパク質;及び
(2)種々の菌株及び種中の約65,000〜約90,000の、
分子量が小さい方のタンパク質。髄膜炎菌のようないく
つかの種においては、分子量が小さい方のタンパク質
が、ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミド電気泳
動及びエレクトロブロッティングの後に、トランスフェ
リン結合活性を部分的に再構成しうる。髄膜炎菌からの
精製受容体タンパク質は両方共に、グアニジン塩酸塩を
用いたアフイニティーカラムからの溶出及びこのグアニ
ジン塩酸塩の除去の後に、トランスフェリン結合活性を
部分的に再構成しうる。
【0026】トランスフェリン受容体はトランスフェリ
ンに結合するが、他の鉄結合タンパク質には結合しな
い。ヒト病原体である髄膜炎菌、淋菌、ブランハメラ
カタラーリス(Branhamella catarrhalis)及びインフ
ルエンザ菌においては、受容体は、ヒトトランスフェリ
ンに高い親和性をもって結合するが、他の種からのトラ
ンスフェリンには特異的に結合しない。ウシ病原体であ
るパスツレラ へモリティカ,へモフィルス ソムヌス
(Haemophilus somnus)及びパスツレラ ムルトシダ(Pa
steurella multocida)においては、受容体はウシトラ
ンスフェリンには結合するが、他の種からのトランスフ
ェリンには結合しない。ブタ病原体であるアクチノバシ
ウス ブルロニューモニア,アクチノバシラス スイス
(Actinobaccilus suis)及びブタインフルエンザ菌(Hae
mophilus suis)においては、受容体はブタトランスフ
ェリンと結合するが、他の種からのトランスフェリンに
は結合しない。家禽の病原体であるヘモフィルス パラ
ガリナルム(Haemophilus paragallinarum)(へモフィ
ルス ガリナルム(Haemophilus gallinarum))及びへ
モフィルス アビウム(Haemophilus avium)において
は、受容体は、家禽(鶏又は七面鳥)トランスフェリン
には結合するが、哺乳類種からのトランスフェリンには
結合しない。ヒト病原体からのトランスフェリン受容体
は、ヒトアポトランスフェリンと結合するよりも約10倍
も高い親和性をもって、鉄が飽和したヒトトランスフェ
リンと結合し、部分的に及び充分に脱グリコシル化され
たヒトトランスフェリンに同等の親和性をもって結合す
るが、穏やかな過ヨウ素酸酸化で処理したヒトトランス
フェリンとは結合しない。このトランスフェリン受容体
は、次のモノクローナル抗体と結合する:Nos.36−4,
36−6,36−104及び32−58−5。
【0027】幾つかの髄膜炎菌の菌株、淋菌、ナイセリ
ア ラクタミカ(N.1actamica)及びプランハメラ カ
タラーリス(B.catarrhalis)中のラクトフェリン結合活
性を、固相結合アッセイを用いて西洋ワサビベルオキシ
ダーゼ接合ヒトラクトフェリンによって測定するか、又
はその代わりに、ビオチニル化されたヒトラクトフェリ
ンに続いて西洋ワサビペルオキシダーゼ接合ストレプタ
ビジン(streptavidin)を用いることによって測定し
た。ラクトフェリン結合活性が、試験したすべての髄膜
炎菌の菌株中に存在していることを発見した。ラクトフ
ェリン結合活性の形質発現は、トランスフェリン結合活
性の形質発現に密接に並行している。結合はヒトラクト
フェリンに対して特異的である。ウシラクトフェリン
も、ヒトトランスフェリンも、ヒトヘモグロビンも、西
洋ワサビペルオキシダーゼの接合されたヒトラクトフェ
リンの結合をブロックしない。鉄が飽和したラクトフェ
リン及びアポラクトフェリンは、競合結合アッセイにお
いてHRP−ラクトフェリンの結合を阻害するのに同程度
に有効であるので、ラクトフェリンの結合は、鉄飽和の
レベルに依存しない。
【0028】幾つかの細菌菌珠において、ビオチニル化
されたヒトラクトフェリン及びストレプタビジン−アガ
ロースを用いたバッチアフイニティークロマトグラフィ
ーによって、ラクトフェリン結合タンパク質を同定し
た。ビオチニル化されたラクトフェリンを手つかずの全
膜に結合させ、次いで遠心分離によって遊離ラクトフェ
リンを分離した。次いで、ラクトフェリン受容体複合体
を膜から溶解させ、不溶解物質から分離し、ラクトフェ
リンに付いているビオチン部分の作用によってストレプ
タビジン−アガロース樹脂に結合させた。この樹脂を洗
浄した後、試料緩衝液中で煮沸して結合タンパク質を溶
出させ、SDS−PAGEで分析した。代わりに、グアニジン
塩酸塩の濃度を増大させることによって、ラクトフェリ
ン受容体タンパク質を溶出させることができた。
【0029】鉄に飢えた髄膜炎菌B16B6、群X及び群W1
35からの全膜を使用したとき、約105,000の分子量を有
するタンパク質をラクトフェリン親和性樹脂に結合させ
た。
【0030】髄膜炎菌中のトランスフェリンから鉄を獲
得する機構は、細菌の表面上の受容体によって結合する
ことを含み、125I−トランスフェリンの蓄積が欠けて
いるのは、摂取がトランスフェリン−受容体複合体のイ
ンターナリゼーションによるものでないことを示してい
る。トランスフェリンからの鉄の除去とアポトランスフ
ェリンの放出とは、摂取機構において引き続いて起こる
過程であると考えられる。アポトランスフェリンに対し
てよりも鉄飽和トランスフェリンに対して、トランスフ
ェリン受容体の親和性が高い。ラクトフェリンから鉄を
獲得することもまた表面受容体を含むので、ラクトフェ
リン受容体に対しても類似の摂取機構が存在しているも
のと考えられる。
【0031】試験した髄膜炎菌、インフルエンザ菌、淋
菌、ナイセリア ラクタミカ(N.1actamica)及びブレ
ンハメラ カタラーリスのすべての菌株において、トラ
ンスフェリン結合活性を検出した。試験したすべての分
離体におけるトランスフェリン結合活性は、西洋ワサビ
ペルオキシダーゼの接合されたヒトトランスフェリンの
結合をヒトトランスフェリンのみが有効にブロックでき
るようなヒトトランスフェリンに対して特異的であっ
た。
【0032】このトランスフェリン受容体は、SDS−PAG
E及びウェスタンブロット分析によって、約75,000〜約
88,000の分子量を有するタンパク質として既に同定し
た。しかし、純粋なトランスフェリン受容体は、この手
頓によっては分離されなかった.また、より高い分子量
のトランスフェリン結合タンパク質は、この手順によっ
ては同定されなかった。本発明者は、ビオチニル化され
たトランスフェリンおよびストレプタビジン−アガロー
スを用い、純粋なトランスフェリン受容体の分離をもた
らすアフイニティー分離法を開発した。トランスフェリ
ン結合タンパク質は、約58,000〜約98,000に亘る低い
方の分子量と約94,000〜約106,000の高い方の分子量
のタンパク質とを有し、上記の菌珠中で分離された。
「Neisseriaceae」属においては、ビオチニル化された
トランスフェリンを用いたアフイニティー分離により、
すべての試験種において少なくとも二つのタンパク質が
もたらされ、ナイセリアのすべての分離体において高い
方の分子量のタンパク質が約98kdであり、ブランハメラ
カタラーリスにおいては約105kdであった。
【0033】本発明者が発見した所では、試験したすべ
てのインフルエンザ菌分離体においてはヒトトランスフ
ェリン受容体が存在していたが、他のへモフィルス種
や、パスツレラ又はアクチノバシラス種からの代表的な
分離体においては検出されなかった。他のへモフィルス
種において、またアクチノバシラス及びパスツレラにお
いてヒトトランスフェリン受容体が存在しないのは、こ
れらの細菌がヒトに侵入性疾患をまれにしか引き起こさ
ない理由に関連があるかもしれない。同様に、本発明者
は、試験したAl型のパスツレラ へモリティカ及びへモ
フィルス ソムヌス(Haemophilus sommus)のすべての
分離体において及びパスツレラ ムルトシダ(Pasteure
lla multocida)の分離体のうち幾かにおいて、ウシト
ランスフェリン受容体を検出した。また、本発明者は、
試験したアクチノバシラス プルロニューモニア(Acti
nobacillus pleuropneumoniae)のすべての分離体にお
いて、ブタトランスフェリン結合を検出した。このよう
に、受容体の存在が、それらの受容体宿主中に疾患を引
き起こすそれらの微生物の能力と良く相関している。
【0034】本発明のワクチン抗原は、疾患を引き起こ
す細菌性病原体から分離したラクトフェリン及び/又は
トランスフェリン受容体タンパク質から調製できる。も
し、調製物が充分に免疫原性ではないことを見出したな
ら、水酸化アルミニウムのような適当な補助剤をワクチ
ン調製物中に含有させることができる。
【0035】ラクトフェリン及び/又はトランスフェリ
ン受容体タンパク質の分離体を、本発明のワクチン抗原
中に、充分な免疫原性を達成するのに薬剤学上有効な量
で含有させる。
【0036】本発明のワクチン抗原は、本技術分野にお
いて通常の技術を有する者に良く知られた有効な投与方
法、例えば、皮下的又は筋肉内的に、投与することがで
きる。
【0037】本発明は、本発明を例示することのみを意
図した次の実施例によって、更に明らかにされるであろ
う。
【0038】
【実施例】例1:髄膜炎菌からのヒトラクトフェリン結
合タンパク質の同定及び特徴付け (細菌菌株及び成長条件)髄膜炎菌(N.meningitidi
s)B16B6、標準免疫型菌株を、C.フラッシュ(Frasc
h)から得た。群X及び群W135の髄膜炎菌菌株を、アル
バータカルガリーのフーシルス(Foothills)病院から
得た。5%CO2を含有する雰囲気中で、CVA 強化剤(GIB
COラボラトリーズ、グランド アイランド ニューヨー
ク)を追加したチョコレート寒天平板上で、髄膜炎菌を
成長させた。チョコレート平板からの新しい成長菌を、
通例のように用いて液状ミュラー−ヒントン培養液(Mu
eller−Hinton broth:MHB)に0.04の初期A600まで植
菌し、集菌に先立って16時間振盪して培養した。鉄に飢
えたMHBは、通常35μmMのEDDA(エチレンジアミン ジ
−オルソ−ヒドロキシフェニル酢酸)を含有する。形質
発現実験に用いた培養液及び培養条件を表1に示す。 化学物質
【0039】西洋ワサビペルオキシダーゼの接合された
ヒトラクトフェリンを、ペンシルバニア州アヴォンーデ
ール(Avondale)のジャクソン イムノ リサーチ ラ
ボラトリーズから得た。ウシラクトフェリンをニューヨ
ーク州、ウエストベリー(Westbury)のアキュレート
ケミカルス(Accurate Chemicals)から得、ヒトラクト
フェリン(L−8010)、ヒトトランスフェリン(T2252)
及びヒトヘモグロビン(H7379)をミズーリ州セントル
イス(St.Louis)のシグマケミカルコーポレーション
(Sigma Chemical Co.)から得、ビオチン−X−NHS
(ビオチニル−ε−アミノカプロン酸N−ヒドロキシス
クシンイミド エステル)をカリフォルニア州サンディ
エゴのカルバイオケム(Calbiochem)から得、ストレプ
タビジン−アガロースをメリーランド州ベテスダのベテ
スダ リサーチ ラボラトリーズ(Bethesda Research
Laboratories)から得、アクリルアミドゲル排除カラム
を、カリフォルニア州フラートン(Fullerton)のベッ
クマン インスツルメント(Beckman Instruments)か
ら得た。
【0040】(鉄結合タンパク質の調製)ヒトトランス
フェリン及びラクトフェリンの鉄飽和及びアポタンパク
質の調製を、既に記述された方法によって達成した
(A.B.シュライバーズ(Schryvers)及びL.モリス(Mo
rris),モルキュラー マイクロバイオロジー(Molecu
lar Microbiology),2:281〜288頁)。ただし、アポ
ラクトフェリンを更に調製するときは、マズリエ及びス
ピク(Mazurier and Spik)(「Biochim.Biophys.Act
a.」629:399〜408頁)によって用いられた緩衝液で調
製した。タンパク質調製物を0.2μm膜を通して無菌濾
過するのに先立って、「アミコン セントリフロ(Amic
on centriflo)」膜コーン(アミコン社、ミネソタ州デ
ンバー(Danvers))を用いて、限外濾過によって濃縮
した。この調製物の鉄の飽和を、465nmの吸収を測定す
ることによってチェックした。
【0041】ラクトフェリンのビオチニレーション 鉄が飽和したヒトラクトフェリンの調製物を、ゲル濾過
及び限外濾過のサイクルによって、50mMトリス塩酸塩
(pH7.5)緩衝液で平衡させ、1mg/mlに希釈した。ジ
メチルホルムアミド16μ1中に250μgのビオチン−X−N
HSを溶解させたものを、タンパク質溶液各1ミリリッタ
ー毎に加え、この混合物を穏やかに攪拌しながら4℃で
2時間培養した。100μ1の10mg/mlグリシンを各1ml部分
毎に添加して反応を停止させ、この混合物を攪拌しなが
ら4℃で2時間更に培養した。この試料を、50mMのトリ
ス塩酸塩、pH8.0、100mM のNaClを3回交換して、50
mMのトリス塩酸塩、pH7.5を1回交換して透析し、
「アミコン セントリフロ」膜コーンを用いた限外濾過
で濃縮し、4℃で貯蔵した。
【0042】(膜の調製)菌体を集菌し、50mMのトリス
塩酸塩、pH7.5の緩衝液中で洗浄し、1ml当り50μgの
フェニルメチルスルホニルフルオライドを含有する緩衝
液中で、1ml当り0.2gの菌体濃度で再懸濁した。この菌
体を1125kg/cm2(16,000 1b/in2)でフレンチプレッ
シャーセルを通して2回通過させることで溶菌させた
後、菌体残澤を8,000xgで15分間遠心分離して除去し
た。粗全膜を140,000xgで1時間遠心分離して回収し、
上記の緩衝液中に懸濁させた。「サルコシル(Sarkosy
l)NL97」を用いた選択的洗剤抽出によって、粗全膜か
ら外膜を調製した。全膜を1ml当り5mgのタンパク質とな
るまで希釈し、「サルコシル(Sarkosyl)」を0.5%ま
で加えた。この混合物を氷上で30分間培養し、外膜を、
遠心分離によって180,000xgで10分間回収した。このペ
レットを緩衝液中で再懸濁し、上記のように再抽出し、
最後の洗浄済みペレットを単独で緩衛液中に再懸濁させ
た。
【0043】(結合タンパク質のバッチアフイニティー
分離)20μgのビオチニル化されたヒトラクトフェリン
又はトランスフェリンを、50mMのトリス塩酸塩、100mM
のNaCl,pH8.0の緩衝液1ml中の0.75mgの全膜タンパ
ク質と混合し、37℃で60分間穏やかに攪拌しながら培養
した。この膜を、エッペンドルフ(Eppendorf)微遠心
分離機中で10分間16,000xgで遠心分離によってペレッ
ト化し、1mlの緩衝液申で再懸濁した。EDTAを10mMまで
加え、サルコシル(Sarkosyl)を0.75%まで加え、続
いてストレプタビジン−アガロース(ベテスダリサーチ
ラボラトリーズ,メリーランド州ベテスダ)の1/2希
釈物100μ1を加えた。22℃で60分間培養した後、この混
合物を750xgで3分間遠心分離し、その上澄液を除去し
た。この親和性樹脂ペレットを、3つの異なる洗浄レジ
メンス(regimens)のうちの1つに供し、ここで異なる
組成の緩衝液をペレットヘと加え、10分間22℃で培養
し、この混合物を上記のように遠心分離し、この上澄液
を除去した。異なる洗浄方法についての洗浄工程の回数
と緩衝液組成とは、次のとおりであった。洗浄方法1:1
0mMのEDTA及び0.5%の「サルコシル(Sarkosyl)」を
含有する、50mMのトリス塩酸塩、100mMのNaCl、PH8.
0の緩衛液で3回洗浄し、続いてEDTAや洗剤のない緩衝液
で2回洗浄する。洗浄方法2:10mMのEDTAと0.5%の
「サルコシル(Sarkosyl)」を含有する、50mMのトリス
塩酸塩、1MのNaCl、pH8.0の緩衝液で3回洗浄し、続い
てEDTAや洗剤のない上記緩衝液で1回洗浄し、最後に50m
Mのトリス塩酸塩、100mMのNaCl、pH 8.0で洗浄した。
洗浄方法3:10mMのEDTA及び0.5%の「サルコシル(Sar
kosyl)」を含有する、50mMのトリス塩酸塩、1MのNaC
l、250mMのグアニジン塩酸塩、pH8.0で3回洗浄し、続
いてEDTAや洗剤のない緩衛液で1回洗浄し、最後に50mM
のトリス塩酸塩、100mMのNaCl、pH8.0の緩衛液で洗浄
した。最後の洗浄工程の後、200μ1の試料緩衛液(0.2
Mのトリス塩酸塩、pH 6.81、2%のドデシル硫酸ナト
リウム、30%のグリセロール、0.1%のブロモフェノー
ルブルー)中に試薬を減少させずにペレットを懸濁さ
せ、100℃で5分間加熱し、結合タンパク質を溶出させ
た。煮沸の後、試料を1分間氷上で急速に冷却させ、次
いで750xgで3分間遠心分離した。この上澄液を直ちに分
離管に移し、ベータメルカプトエタノールを1.4Mの最
終濃度となるまで添加した。この試料の50μ1分を10%S
DS−PAGEゲルに適用し、ラエンムリ(Laemmli)の方法
に従って電気泳動を実施した(ネイチャー,227:680〜
685頁、1970年)。このSDS−PAGEゲルを、オークレー
(Oakley)等の方法(「Anal.Biochem.」105:361〜3
63頁、1980年)に従って、次の若干の変更を加えて銀色
に染色した。最初に、ゲルを25%イソプロパノール、7
%酢酸の溶液で終夜固定した。展開液を除去した後、
0.35%の酢酸溶液で1時間展開を停止し、次いでゲルを
水で洗浄した。
【0044】(ラクトフェリン結合アッセイ)基本的に
トランスフェリン結合活性用に既に記述されたようにし
て、ラクトフェリンのドット結合アッセイを実施した
(A.B.シュライバーズ(Schryvers)及びL.モリス
(Morris),モルキエラー マイクロバイオロジー(Mo
lecular Microbiology),2:281〜288頁,1988年)。
但し、接合されたラクトフェリン(250〜500ng/ml)を
結合混合物中に含有させた。商業的に入手したヒトラク
トフェリンは、ペルオキシダーゼ対ラクトフェリンの比
率が1:1.5である。従って、使用する接合ラクトフェ
リンの濃度は、通例約1.8〜3.6nMで変動する(接合ラ
クトフェリンの平均分子量は140,000である。)。競合
実験においては、膜への適用に先立って、非接合タンパ
ク質と接合ヒトラクトフェリンとの混合物を調製した。
【0045】定量が必要な形質発現実験のためには、菌
体懸濁液を10のA600に調製し、一連の9個の2倍希釈液を
調製し、紙の上へとスポットさせた。顕著な結合タンパ
ク質の形質発現が予期される試料においては、最初の希
釈液を10倍希釈液とした。接合ヒトラクトフェリンの希
釈系列もまた、同じ紙に直接に適用した。基質による展
開と紙の乾燥との後に、スポットを、反射率設定を用い
ることによって「バイオラッド(Bio-rad)モデル620ビ
デオデンシトメーター」で測定し、「バイオラッド(Bi
o−Rad)1−Dアナリストソフトウェア パッケージ」
(バイオラッド(Bio−Rad)ラボラトリーズ、カリフォ
ルニア州リッチモンド)を用いてマイクロコンピュータ
にインターフェースした。接合体の希釈に対するピーク
の下にある面積(エリア)から標準曲線を構成した。試
料の希釈に対するピークの下側にある測定面積を用い、
結合された接合体の量を決定した。標準曲線を構成する
のに用いた値の範囲内にその面積が入るピークのみを、
計算のために用いた。ローリー(Lowry)等のアッセイ
(「J.Biol.Chem.193:265〜275頁,1951年」によっ
て測定した、菌体懸濁液のタンパク質濃度を用いて、全
菌体タンパク質1ミリグラム当りに結合した結合タンパ
ク質の量を計算し、初期A600指数を用いて、培養菌容量
1ミリリットル当りで形質発現された結合タンパク質の
量を計算した。
【0046】(タンパク質濃度の測定)ローリー(Lowr
y)等の方法によって、ウシ血清アルブミンを用いて通
常のようにタンパク質を評価した。予備タンパク質濃度
を、ライラット(Rylatt)等によって記載された迅速法
(「Anal.Biochem.」121:213〜214頁,1982年)によ
ってウシ血清アルブミンを用いて通常のように測定し、
後にローリー(Lowry)等のアッセイによって検証し
た。
【0047】
【表1】 ラクトフェリン結合活性の形質発現 成長培地aに対する 最終A600 b 結合活性c 添加(μM) なし 3.8 <22 <43 EDDA(40) 1.8 5,800 3,300 EDDA(60) 1.4 7,000 4,100 EDDA(80) 1.1 7,000 3.400 EDDA(100) 0.9 7,600 2,700 +FeC13(120) 3.6 <30 <50 +HHb(0.1) 1.7 7,600 5,200 +HHb(0.5) 2.3 7,800 6,400 +HHb(2.0) 2.6 280 330 +HHb(5.0) 3.7 <29 <43 +HHb (20) 3.8 <24 <44 +HTr(1.0) 1.8 7,100 4,100 a.成長培地は、表示された添加物を有するプレインハ
ートインフュージョン培養液からなる。HHB.ヒトヘモ
グロビン,HTr,鉄が飽和したヒトトランスフェリン。 b.培養菌を、新鮮な成長から再懸濁した菌体によって
チョコレート平板上に初期A600 0.04まで植菌し、37℃
で16時間培養した。最終のA600を、ブランクとして表示
された添加物を含有する培地によって16時間成長させた
後に測定した。 c.全菌体タンパク質1ミリグラム当り、又は原培養菌容
量1ミリリットル当りに結合された接合ラクトフェリン
のナノグラム数として表示された結合活性を、本テキス
トに記載したようにして測定した。
【0048】結 果 (ラクトフェリン結合活性の形質発現)髄膜炎菌中のラ
クトフェリン結合活性の形質発現の調節を評価するため
に、菌体B16B6を、種々の異なる添加物を含有する培養
液中で成長させた。ペルオキシダーゼに接合されたヒト
ラクトフェリン(HRP-ラクトフェリン)を用いて、生存
中の髄膜炎菌菌株のラクトフェリン結合活性を検出し
た。表1に示したように、ラクトフェリン結合活性の形
質発現のレベルは、培養液中で単独で成長する菌体にお
いて低いが、合成鉄キレート剤EDDAを添加すると顕著に
増大した。過剰の鉄を添加すると形質発現のレベルがも
との低レベルに戻る結果となったことから、形質発現が
増加したのは鉄のレベルが減少したことによるように見
えた。ラクトフェリン結合活性の形質発現は、トランス
フェリン結合活性の形質発現に密接に並行していた。
【0049】前の研究(A.B.シュライバーズ(Schryv
ers)及びL.モリス(Morris),「モルキュラー マイ
クロバイオロジー(Molecular Microbiology)」,2:2
81〜288頁,1988年)に報告されたトランスフェリン結
合活性の形質発現の時間経路に基づく実験を、重複して
実施し、このラクトフェリン結合アッセイから基本的に
同じ結果を得た(データは示していない)。これらの条
件下に、12〜16時間の培養の後に最高の結合活性を達成
した。
【0050】また、表1の結果が示すところでは、添加
したEDDAが中間レベルで、最高に近いレベルの形質発現
を達成した。この実験で観察したラクトフェリン結合活
性のレベルは、菌体が第2の鉄制限成長サイクルに曝さ
れるときに起こるような(データは示していない。)、
もっと緊縮された鉄制限条件下に達成されたレベルに匹
敵していた。表1に示したように、ヘモグロビン又はヒ
トトランスフェリンの形で複合鉄を貯蔵すると、高レベ
ルのEDDAによって課される成長制限が、結合活性を劇的
に減少させることなしに部分的に逆転する。しかし、よ
り高いレベルのヘモグロビンを添加すると、結合活性の
形質発現が検出不能なレベルにまで抑制される。
【0051】試験した20の髄膜炎菌菌株のうち20におい
て、ラクトフェリ結合活性を検出し(データは示してい
ない)、これは、試験したすべての髄膜炎菌菌種が成長
のためにラクトフェリン鉄を用いうるという前記の観察
と符号している。
【0052】(ラクトフェリン結合タンパク質の同定)
ビオチニル化されたヒトラクトフェリン及びストレプタ
ビジン−アガロースを用いたアフィニティークロマトグ
ラフィーのバッチ法を使用して、幾つかの異なる髄膜炎
菌菌株中のラクトフェリン結合タンパク質を同定した。
鉄に飢えた髄膜炎菌B16B6からの全膜を用いた場合は、
約105,000の分子量を有するタンパク質がラクトフェリ
ン親和性樹脂に特異的に結合した。ビオチニルされたラ
クトフェリンをこの手順から省略したときは、バンドは
存在せず、ラクトフェリンヘの特異的結合が含まれてい
たことを示す。また、鉄が充分な菌体からの全膜を使用
したときにはバンドは存在せず、これは、ラクトフェリ
ン結合活性の形質発現が鉄によって強力に抑制されると
いう観察(表1)と符号している。また、穏やかな洗浄
を実施したときには、70,000及び38,000の分子量のタ
ンパク質が105,000の分子量のバンドと共に精製されて
いるのが観察されたけれども、続く一層集中的な洗浄手
順によってこれらは除去された。この溶出条件の下で
は、非常に少量のビオチニル化ラクトフェリンが樹脂か
ら放出されたが(分子量80,000)、煮沸に先立って試
料混合物中に還元剤を含ませることにより、SDS−PAGE
によって観察してこのバンドの増大がもたらされた。実
質的にすべての試料において、分子童37,000の小さな
バンドを観察した。群X及び群W135の髄膜炎菌菌疎から
の全膜を用いたアフィニティークロマトグラフィーによ
って、同様の分子量のラクトフェリン結合タンパク質を
同定した。これらの試料のうち70,000Mlで観察される
バンドは、洗浄が不充分なことに起因し、37,000のバ
ンドは、対照例を含むすべての試料において見られる通
常の汚染バンドであった。
【0053】アフィニティークロマトグラフィーによっ
て全膜から分離された分子量105,000のタンパク質は、
鉄が欠損したB16B6から調製した外膜中に観察される高
分子量クンパク質に対応する。このタンパク質は、B16B
6中及び群X中で鉄調節されていた。105キロドルトンの
ラクトフェリン結合タンパク質と共に精製された70キロ
ドルトン(KDa)のタンパク質は、鉄が欠損したB16B6か
ら外膜中に見出される優勢なタンパク質の位置に移動し
た。このタンパク質は、B16B6中及び群X中で鉄調節さ
れていた。このタンパク質は、ビオチニル化トランスフ
ェリンを用いて分離された低い方のタンパク質バンドで
あった、既に同定したB16B6中のトランスフェリン結合
タンパク質とは異なっていた。この低い方の分子量のト
ランスフェリン結合タンパク質は、異なる髄膜炎菌菌株
の間で分子量が変動し、またSDS−PAGE及びエレクトロ
ブロッティングの後でも結合活性を保持する唯一のタン
パク質であった。ビオチニル化されたトランスフェリン
と分離された分子量が低い方の結合タンパク質に加え、
これらの試料は高分子量結合タンパク質と、煮沸工程の
問に放出されたビオチニル化トランスフェリン(80XDa
にバンド)とを含有していた。菌珠B16B6における分子
量が低い方のトランスフェリン結合クンパク質と70KDa
のタンパク質との分離は、8〜10%の勾配でゲル中で最
適化されたが、これらのタンパク質は標準の10%アクリ
ルアミドSDS−PAGEゲル上で共に移動した。
【0054】例2:ヒトトランスフェリン又はヒトラク
トフェリン受容体の精製及びワクチン調製物中への移入 (a)鉄が欠損した全膜の調製 チョクレート平板上で新しい培養菌から再懸濁した髄膜
炎菌菌株を使用して、100μMのEDTAを初期A600 0.02ま
で含有する予熟されたプレインハートインフエュジョン
培養液に植菌した。得られた培養菌を37℃で振盪しなが
ら16時間培養した後、9,000xgで15分間遠心分離によっ
て集菌した。この菌体を、50μg/mlのフェニルメチル
スルホニルフルオライドを含有する、50mMのトリスHC
l,pH8の緩衛液中に0.2gm/mlまで再懸濁した。1125k
g/cm2(16,000 1b/in2)でフレンチプレッシャーセ
ルに懸濁萄液を通過させることによって菌体を溶菌し、
9,000xgで15分間遠心分離によって菌体残滓を除去し
た。粗全膜を、140,000xgで1時間の遠心分離によって
回収し、50mMのトリスHCl,pH8の緩衛液中に再懸濁さ
せた。
【0055】(b)受容体タンパク質のアフイニティー
分離 例1に記載したようにして調製した、0.9mgのビオチニ
ル化されたヒトトランスフェリン又はビオチニル化され
たヒトラクトフェリンを、50mMのトリスHCl,100mMのNa
Cl,pH8 の緩衝液60ml中の72mgの粗全膜タンパク質と
混合し、22℃で1時間培養した。この混合物を9,000xg
で15分間遠心分離して膜を収集し、このペレットを60ml
の上記緩衝液中に再懸濁し、22℃で10分間培養した。ED
TAを10mMまで添加し、「サルコシル(Sarkosyl)」を
0.75%まで添加し、この混合物を室温で更に10分間培
養し、次いで9,000xgで15分間遠心分離した。この上澄
液を、5mlのストレプタビジン−アガロース(樹脂1ml当
り1〜2mgのストレプタビジン)と混合し、室温で穏やか
に混合しながら1時間培養した。この樹脂を、500Xgで1
0分間の遠心分離によって回収し、50mMのトリスHCl,1M
のNaCl,10mMのEDTA,0.75%の「サルコシル(Sarkos
yl)」,pH8の緩衛液80ml中に再懸濁させた。この樹
脂を再び遠心分離によって収集し、上記の緩衛液中で2
回以上洗浄した。最後の洗浄の後に、樹脂を上記緩衝液
20ml中に再懸濁し、1cm直径のクロマトグラフィーカラ
ム中へと注いだ。充填した樹脂を、50mMのトリスHCl,1
MのNaCl,10mHのEDTA,0.5%の「サルコシル(Sarkosy
l)」10mlで更に洗浄し、受容体タンパク質を、50mMの
トリスHCl,1MのNaCl,10mMのEDTA,0.05%の「サルコ
シル(Sarkosyl)」中に0〜3M勾配でグアニジン塩酸塩を
含む60mlを適用することによって溶出させた。受容体タ
ンパク質を含有する留分をプールし、50mMのトリスHC
l,pH7.5の後衛液3リットルを2回変えて透析し、リン
酸緩衝溶液(50mMのリン酸ナトリウム、150mMのNaCl,p
H7.4)を1回変えて透析し、限外濾過によって最終容量
1mlまで濃縮した。
【0056】(c)ワクチンの調製 1mlのリン酸緩衝溶液中の100μgの精製受容体タンパク
質を、0.01%のチメロサールを含有するリン酸緩衝溶
液中で2.5mlまで希釈し、0.2μmのフィルターを通過
させることによって無菌化し、無菌ガラスびんへと無菌
的に移した。リン酸緩衛溶液中の20mgの水酸化アルミニ
ウムからなる無菌調製物を、使用に先立って各ガラスび
んへと添加した。代わりに、動物研究用には、50μlの
通常の生理的食塩水中の50μgのムラミルジペプチドを
添加した。
【0057】例3:髄膜炎菌からのヒトトランスフェリ
ン用の細菌性受容体が有効なワクチン抗原であることの
予備的証拠 重量約20g、年齢6〜了週間の16匹の雌のスイスウエブス
ター種のマウスを、無作為に4つの処理群に分け、下の
表3に示した免疫化プロトコルに供した。表示された物
質を含有する1mlの無菌の生理的食塩水(150mM,NaCl)
を、1日目、9日目、16日目及び26日目に腹腔内注射し
た。30日目に、35μMのEDDAを含有するミュラー−ヒン
トン(mueller−Hinton)寒天平板上の終夜成長体から1
×10の髄膜炎菌を再懸濁し、各マウス中へと腹腔内注
射した。20分後、1mlの無菌生理的食塩水中の20mgの充
分に鉄が負荷されたヒトトランスフェリンを、挑戦細菌
に既に曝されたのと同じマウスへと腹腔内注射した。こ
れらのマウスを72時間の全期間に亘って観察し、死亡し
たマウス及び生き残ったマウスの数を記録した。
【0058】
【表2】 群♯ 免疫化 抗原 外因製の ♯共存数/ 一次 2番目/3番目/4番目 hTf 全数 ** 1 なし なし あり 0/4 2 MDP なし あり 0/4 3 MDP+受容体 受容体 あり 4/4 4 MDP+OM OM あり 4/4 *MDP−50μgのムラミルジベプチド、受容体−例2で記載したようにして髄膜炎 菌菌株B16B6から分離された約10μgのトランスフェリン受容体、OM−「サルコシ ル(Sarkosyl)」を用いた選択的洗剤抽出によって髄膜炎菌から分離された、50 μgの鉄が欠損した外膜。 **35μMのEDDAを含有するミュラー−ヒントン(Mueller−Binton)寒天平板上 で成長した髄膜炎菌菌株B16B6の菌体1×10個に、マウスが挑戦された。この挑 戦細菌を注射して20分後に、20mgの充分に鉄を負荷させたヒトトランスフェリン を、外因性の鉄源として腹腔内注射した。
【0059】本発明の他の態様は、本技術分野に習熟し
た者であれば、明細書を考慮すれば、またここで開示し
た本発明の実施から明らかであろう。本明細書と例とは
単なる例として考えるべきことを意図しており、本発明
の真の範囲と精神とは、続く請求の範囲によって示され
る。
【0060】
【発明の効果】本発明により、細菌性病原体からラクト
フェリン受容体タンパク質を分離及び精製するための方
法、並びに精製ラクトフェリン受容体タンパク質及び/
又はこれらの誘導体を含有するワクチンが提供された。
【図面の簡単な説明】
【図1】図面は、本発明によるアフイニティークロマト
グラフィー法の流れ図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07K 14/22 C07K 14/22 (72)発明者 シュリヴァーズ アンソニー バーナード カナダ国 アルベルタ ティー3エイ 3 エイ3 カルガリー エヌ ダブリュー エドフォース ロード 39 Fターム(参考) 4C076 AA11 BB15 BB16 CC06 DD23 DD26 DD30 DD62 FF39 FF61 4C085 AA03 BA16 CC21 EE01 EE05 FF02 GG03 GG04 4H045 AA10 BA10 CA11 DA50 EA31 FA72 GA26

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラクトフェリン受容体の調製物を含有す
    るワクチン。
  2. 【請求項2】 細菌性病原体に対する防御免疫を与える
    ワクチンであって、このワクチンが、細菌性病原体に対
    する防御免疫を付与するのに有効な量のラクトフェリン
    受容体と、その薬剤学上許容される担体とを含有してお
    り、ラクトフェリン受容体が、ドデシル硫酸塩ナトリウ
    ムポリアクリルアミドゲル電気泳動法で測定して約10
    5,000の分子量を有するタンパク質からなる、ワク
    チン。
  3. 【請求項3】 細菌性病原体に対する防御免疫を与える
    ワクチンであって、このワクチンが、細菌性病原体に対
    する防御免疫を付与するのに有効な量のラクトフェリン
    受容体と、その薬剤学上許容される担体とを含有してお
    り、ラクトフェリン受容体が、ラクトフェリンへの結合
    活性を形質発現する細菌株から膜調製物を分離し、前記
    ラクトフェリン受容体を前記膜調製物からアフィニティ
    ー法によって精製し、このアフィニティー法が、前記細
    菌性病原体の前記膜中の前記ラクトフェリン受容体へと
    ラクトフェリンを予め結合させること、この膜を可溶化
    すること、前記ラクトフェリンを固定化すること、およ
    びこの固定化されたラクトフェリンから前記ラクトフェ
    リン受容体を分離することを含んでいる方法によって産
    生されている、ワクチン。
  4. 【請求項4】 塩化ナトリウム、リン酸ナトリウム、緩
    衝液およびチメルソルを更に含有している、請求項1−
    3のいずれか一つの請求項に記載のワクチン。
  5. 【請求項5】 更に補助液を含有する、請求項1−3の
    いずれか一つの請求項に記載のワクチン。
  6. 【請求項6】 前記補助液が水酸化アルミニウムであ
    る、請求項5記載のワクチン。
  7. 【請求項7】 前記ラクトフェリン受容体が、髄膜炎菌
    (Neisseria meningitidis), 淋菌(Neisseria gonorrh
    oeae),ナイセリア ラクタミカ(Neisseria lactamica)
    およびブランハメラ カタラーリス(Branhamella catar
    rhalis)菌株からなる群より選択された少なくとも一種
    の菌株から調製されている、請求項1−3のいずれか一
    つの請求項に記載のワクチン。
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