JP2002316433A - リライタブル記録媒体の記録装置における記録消去方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 第１の熱エネルギーの印加により顕色性を呈
し、第２の熱エネルギーの印加により退色性を呈する記
録層を支持体面に有するリライタブル記録媒体は、記録
を行うに際して、その都度、既に施されている記録を消
去してから記録を行うことになり、記録を行うに要する
時間が消去時間を含む時間となって極めて長い時間が必
要となる問題がある。さらに、リライタブル記録媒体に
既に記録されている記録内容は一定ではなく多様である
ために、それぞれの消去に要する時間はばらばらであ
り、消去と記録を連続して行うと所要時間がばらばらと
なって時間の設定ができないという問題がある。 【解決手段】 記録を行う前に予め複数枚のリライタブ
ル記録媒体の記録を消去することにより記録時間を一定
にすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、リライタブル記録
媒体の消去方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】リライタブル記録媒体は、図５に示す如
く、支持体１上に、ロイコ染料と熱の作用によってロイ
コ染料に対して顕色性を呈する基と、減色性を呈する基
を同一分子内に有する化合物である顕減色剤およびバイ
ンダー等からなる記録層２を形成し、その表面に必要に
応じて耐久性を向上させる保護層、紫外線保護層あるい
は耐磨耗用の保護層等の保護層３を重ねて構成してあ
る。上記支持体１は、一般的には合成樹脂フィルム状体
である。

【０００３】一般に、ロイコ染料は、フェノール性化合
物と熱的に反応してロイコ染料のラクトン環が開環し、
無色から有色に色変化をする。しかし、ラクトン環を開
環した有色化合物は塩基性物質にふれると閉環してもと
のラクトン環のある無色の化合物にもどる。このよう
に、顕減色剤とロイコ染料の可逆性によって、顕減色剤
は無色のロイコ染料を、熱エネルギーの制御のみでラク
トン環を開環して有色化合物にしたり、閉環して無色の
ロイコ染料にもどしたりすることが複数回繰り返してで
きる性質を利用してリライタブル記録媒体としてある。

【０００４】このような構成のリライタブル記録媒体
は、高温、短時間の第１の熱エネルギー、例えば１５０
〜１８０°Ｃで１〜３ｍｓｅｃの熱エネルギーを与える
とその個所が例えば黒色（他に青色、赤色等がある。）
になる。つぎに、低温、長時間の第２の熱エネルギー、
例えば１３０〜１５０°Ｃで５ｍｓｅｃ〜２ｓｅｃの熱
エネルギーを与えるとその個所の黒色は消去されること
になる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】このようなリライタブ
ル記録媒体は、広告装置、宴会場の表示装置、案内装置
等として使用されたり会議等の資料等として多量に使用
され、そのリライタブル記録媒体の記録を消去して再び
記録することができるが、使用に際しては必ず前の記録
を消去してからでないと次の記録ができない。

【０００６】そこで、記録を行うに際して、その都度、
既に施されている記録を消去してから記録を行うことに
なり、記録を行うに要する時間が消去時間を含む時間と
なって極めて長い時間が必要となる問題がある。さら
に、この消去時間は記録時間より低速であり、消去に連
続して記録を行うと消去時間に記録速度が支配されてし
まうという問題がある。

【０００７】また、リライタブル記録媒体に既に記録さ
れている記録内容は一定ではなく多様であるために、そ
れぞれの消去に要する時間はばらばらであり、消去と記
録を連続して行うと所要時間がばらばらとなって時間の
設定ができないという問題がある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】そこで本発明は、第１の
熱エネルギーの印加により顕色性を呈し、第２の熱エネ
ルギーの印加により退色性を呈する記録層を支持体面に
有するリライタブル記録媒体に記録を行う記録手段およ
びその記録を消去する消去手段を有するたリライタブル
記録媒体の記録装置における記録消去方法において、記
録を行う前に予め複数枚のリライタブル記録媒体の記録
を消去しておくことを特徴とし、これによって記録時間
を一定にすることを目的とする。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態例を図
面を用いて説明する。本発明で用いるリライタブル記録
媒体は、図５に示す如く、透明な支持体１の片面もしく
は両面に、ロイコ染料と熱の作用によってロイコ染料に
対して顕色性を呈する基と、減色性を呈する基を同一分
子内に有する化合物である顕減色剤およびバインダー等
からなる記録層２を形成し、その表面に必要に応じて耐
久性を向上させる保護層、紫外線保護層あるいは耐磨耗
用の保護層等の保護層３を重ねて構成してある。上記支
持体１は、合成樹脂フィルム状体がよく、本実施の形態
例では耐久性および資源性を考慮してＰＥＴ材としてあ
る。

【００１０】一般に、ロイコ染料は、フェノール性化合
物と熱的に反応してロイコ染料のラクトン環が開環し、
無色から有色に色変化をする。しかし、ラクトン環を開
環した有色化合物は塩基性物質にふれると閉環してもと
のラクトン環のある無色の化合物にもどる。このよう
に、顕減色剤とロイコ染料の可逆性によって、顕減色剤
は無色のロイコ染料を、熱エネルギーの制御のみでラク
トン環を開環して有色化合物にしたり、閉環して無色の
ロイコ染料にもどしたりすることが複数回繰り返してで
きる性質を利用してリライタブル記録媒体としてある。

【００１１】このような構成のリライタブル記録媒体
は、高温、短時間の第１の熱エネルギー、例えば１５０
〜１８０°Ｃで１〜３ｍｓｅｃの熱エネルギーを与える
とその個所が例えば黒色（他に青色、赤色等がある。）
になる。つぎに、低温、長時間の第２の熱エネルギー、
例えば１３０〜１５０°Ｃで５ｍｓｅｃ〜２ｓｅｃの熱
エネルギーを与えるとその個所の黒色は消去されること
になる。

【００１２】そこで、本実施の形態例を図面を用いて説
明する。 第１実施の形態例 図１は消去の行程を示すフローチャートである。記録手
段および消去手段を有する記録装置において、まず、装
置の電源をＯＮさせる。そこで、所望枚数のリライタブ
ル記録媒体をセットして消去手段のスイッチをＯＮする
ことにより、リライタブル記録媒体に記録されている内
容を順次消去し、消去が終了するとスイッチをＯＦＦに
して終了する。

【００１３】このように記録前に予め、施されている記
録を消去して記録可能な状態にしておくことにより、記
録に際して実質の記録に要する時間だけで記録を行うこ
とができ、記録時間を一定にすることができる。 第２実施の形態例 本実施の形態例は、消去時の誤動作を防止するものであ
る。

【００１４】図２は消去の行程を示すフローチャートで
ある。記録手段および消去手段を有する記録装置におい
て、まず、装置の電源をＯＮさせる。そこで、所望枚数
のリライタブル記録媒体をセットして消去手段のスイッ
チをＯＮすることにより、リライタブル記録媒体に記録
されている内容を消去する。このとき、その消去手段の
スイッチをＯＮによってもしくは別に設けたスイッチＯ
Ｎによって表示手段としての稼働表示ランプを点灯させ
る。これによって消去が行われていることが表示され
る。消去すべきすべてのリライタブル記録媒体を順次消
去し、消去が終了すると、消去手段のスイッチをＯＦＦ
にし、これによって稼働表示ランプも消灯して終了が確
認される。なお、稼働表示ランプを別のスイッチで点灯
させたときには、そのスイッチによって稼働表示ランプ
を消灯して終了が確認される。

【００１５】これによって、第１実施の形態例に示した
効果に加えて、消去時には稼働表示ランプが点灯してい
るために、記録等の誤った操作を行うことを防ぐことが
できる。 第３実施の形態例 本実施の形態例も、消去時の誤動作を防止するものであ
る。

【００１６】図３は消去の行程を示すフローチャートで
ある。記録手段および消去手段を有する記録装置におい
て、まず、装置の電源をＯＮさせる。そこで、所望枚数
のリライタブル記録媒体をセットすることにより消去稼
働表示ランプを点灯するかもしくは別に設けたスイッチ
ＯＮによって稼働表示ランプを点灯させる。

【００１７】つぎに、消去手段のスイッチをＯＮするこ
とにより、リライタブル記録媒体に記録されている内容
を消去する。ここで、その消去手段のスイッチをＯＮし
なかった場合は、予め設定してある時間が経過した後、
タイムアウトを検出して稼働表示ランプを消灯、点滅も
しくは変色して記録待機として記録指示を待つ。これに
よって、第１実施の形態例に示した効果に加えて、消去
時には稼働表示ランプが点灯しているために、記録等の
誤った操作を行うことを防ぐことができる。

【００１８】これによると、稼働表示ランプが点灯して
いないときは記録が可能な状態であることになり、誤っ
た操作を行うことを防ぐことができる。 第４実施の形態例 本実施の形態例も、消去時の誤動作を防止するものであ
る。図４は消去の行程を示すフローチャートである。

【００１９】記録手段および消去手段を有する記録装置
において、まず、装置の電源をＯＮさせる。そこで、複
数数のリライタブル記録媒体をホッパにセットする。カ
ウントボタンを消去枚数分だけ押下もしくはキーボード
等で枚数を入力し、その枚数を表示する。消去手段のス
イッチをＯＮすることにより、その指定枚数だけ消去し
て終了する。

【００２０】このようにして消去は指定された設定枚数
だけ行われ、その他のリライタブル記録媒体はホッパに
セットされていてもそのまま残る。これによって、第１
実施の形態例に示した効果に加えて、記録等の誤った操
作を行うことを防ぐことができる。また、リライタブル
記録媒体は、消去した白紙状態で長期間放置しておくと
多少着色変化を起こす。そのために、記録直前に消去す
ることが望ましく、このように記録に必要な枚数を限定
し消去することによって記録品質を保つことができる。

【００２１】

【発明の効果】以上詳細に説明した本発明によると、第
１の熱エネルギーの印加により顕色性を呈し、第２の熱
エネルギーの印加により退色性を呈する記録層を支持体
面に有するリライタブル記録媒体に記録を行う記録手段
およびその記録を消去する消去手段を有するたリライタ
ブル記録媒体の記録装置における記録消去方法におい
て、記録を行う前に予め複数枚のリライタブル記録媒体
の記録を消去しておくようにしたことにより、記録に際
して記録を行うに要する時間だけにすることができ、一
定の記録時間の設定が可能となる効果を有する。

【００２２】また、消去中であること表示手段によって
表示することにより、消去中に記録を行う等の誤動作を
なくすことができる効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１実施の形態例を示すフローチャート

【図２】第２実施の形態例を示すフローチャート

【図３】第３実施の形態例を示すフローチャート

【図４】第４実施の形態例を示すフローチャート

【図５】リライタブル記録媒体の説明図

【符号の説明】

１ 支持体 ２ 記録層 ３ 保護層

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 第１の熱エネルギーの印加により顕色性
   を呈し、第２の熱エネルギーの印加により退色性を呈す
   る記録層を支持体面に有するリライタブル記録媒体に記
   録を行う記録手段およびその記録を消去する消去手段を
   有するたリライタブル記録媒体の記録装置における記録
   消去方法において、記録を行う前に予め複数枚のリライ
   タブル記録媒体の記録を消去しておくことを特徴とする
   リライタブル記録媒体の記録装置における記録消去方
   法。
2. 【請求項２】 請求項１において、消去中を表示する表
   示手段を設けたことを特徴とするリライタブル記録媒体
   の記録装置における記録消去方法。
3. 【請求項３】 請求項１において、リライタブル記録媒
   体をホッパにセットして表示手段の作動後に、消去スイ
   ッチを押下することを特徴とするリライタブル記録媒体
   の記録装置における記録消去方法。
4. 【請求項４】 請求項１において、消去するリライタブ
   ル記録媒体の枚数分の消去回数を予めセットしてその指
   定枚数だけ消去することを特徴とするリライタブル記録
   媒体の記録装置における記録消去方法。