JP2002315456A - 屋上及び地上緑化システム用灌水制御装置 - Google Patents

屋上及び地上緑化システム用灌水制御装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 テンシオメータ法によらないで、土壌の保水
性を調べる方法を利用して土壌のpF値を測定し、それ
に基づく自動灌水制御装置を提供する。 【解決手段】 屋上及び地上緑化用培地として粒状軽石
を用いた緑化システムにおいて、点滴かけ流し式の培養
液点滴装置と、粒状軽石培地の体積含水率の出力結果に
基づく、演算装置から出力された粒状軽石のpF値に基
づいて、点滴装置への送出水量制御手段を備え、自動灌
水制御を行うことを特徴とする緑化システム用自動灌水
制御装置。また、粒状軽石培地の含水率を電気的に連続
検知するセンサーが、ADR法、TDR法又はFDR法
のセンサであることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建造物の屋上及び
地上緑化システム用のpF値による灌水制御装置に関
し、特に土壌の管理を容易にし、節水、省資源及び省労
力を可能とするために、土壌の水分量を測定し、これを
pF値に換算して土壌のpF値を決定する方法、並びに
測定されたpF値に基づいて土壌への水又は培養液の供
給を制御する灌水制御方法及びその装置に関する。な
お、ここでいう土壌とは、植物体の根、地下茎等の地中
部位を支持するものであり、粗い粒子からなる土壌、例
えば溶液栽培等において使用されている多孔質表面を有
する粗大な粒子の固形培地、すなわち、軽石粒子のよう
な固形培地などを意味する。
【0002】
【従来の技術】この百年間で、東京の平均気温は2.9
℃も上昇した。こんな都心の「ヒートアイランド現象」
に歯止めをかけようと、東京都は自然保護条令を改正
し、国内で始めて、新改築ビルに「屋上緑化」を義務づ
けることを決定した。これは、利用可能な屋上スペース
の20%に、樹木や芝、草花などを植えることを義務づ
けるものである。従来、建築物であるビルの屋上に土を
乗せ、樹木を植えたり、また大きなビルでは屋上などに
庭園を作る例があるが、土を乗せて樹木を植えことは大
きな重量が掛かることになり、屋根からの水漏れの原因
となることから、建造物を傷めることになるので、個人
所有の小さいビルに限られ、庭園を作る場合には営業関
係のものに限られていた。そのため、「屋上緑化」のた
めの特別な技術というものがそれほどあるわけではなか
った。また、最近は建築物に限らず、人工地盤など大が
かりな建造物が作られ、その上に建築物を建てることが
行われており、この場合屋上緑化だけではなく、建造物
の地上部分の土壌がないコンクリート製部分に緑化域を
形成する必要が出てきているが、その部分に単に土を入
れることが行われているレベルである。
【0003】土壌における農作物の栽培では、土壌の含
水量が農作物の成長に大きく影響しているので、含水量
の高い土地では排水を良くし、また含水量の低い土地で
は灌水をしており、天候が雨の少ない時期には灌水をす
るなどの工夫をしている。このため、農作物の成長を良
好に行わせるようにするには、土壌中の含水量を正確に
知る必要がある。
【0004】養液栽培は、大きく分類すると、水耕、噴
霧耕及び固形培地耕の3種に分けられ、その中、固形培
地耕の栽培方式では、点滴掛流しが多く用いられてい
る。この点滴掛流しの方式では、一般にタイマー等によ
る自動灌水が主流であるが、必ずしも最適な灌水がなさ
れているわけではない。これは、栽培作物による培養液
の吸収量は、日射量や温室の温度及び湿度等に左右され
るからである。例えば、日射量が多くて、温室の温度が
高く、湿度が低ければ、栽培作物からの蒸散量が極めて
多くなる。また、逆に雨の日などは、栽培作物からの蒸
散量は減少する。また、栽培作物の成長過程により培養
液の吸収量が大きく左右され、栽培作物が成長すると培
養液の吸収量が非常に大きくなる。また、果実類など
は、ある程度まで成長したら水の供給量を抑えて栽培す
ると、糖度の高い高品質のものが得られることが知られ
ている。しかしながら、タイマー等による自動灌水で
は、このような栽培作物の環境条件及び成長過程に追従
することはできず、忠実に追従できるようにするために
は、灌水回数、灌水開始時刻や、灌水時間を、日々設定
し直さなければならない。
【0005】これでは、タイマー等による自動灌水とは
言っても用をなさないし、最適灌水がなされているかど
うか疑わしい。このような理由から、タイマー等による
自動灌水においては、作物のしおれなどが起こらないよ
うに過剰気味に灌水されていることが多く、過剰灌水に
よる根腐れや、排水量の増大(即ち廃棄される養液及び
水の量の増大)などの問題を避けることができなかっ
た。
【0006】ところで、土壌中の含水量と農作物の栽培
との関係をみると、土壌中にある水がすべて農作物に利
用できるものではなく、例えば土の中の結合水は農作物
の生育には利用できない。また天候変化による土壌の含
水量の変化を考えると、大雨が降ったときには土壌に水
が一杯になるが、その後、水が徐々に下に吸い込まれて
いって、土壌の含水量が低下する。土壌に水が一杯にな
った状態は水耕栽培と同様の状態で、通気性が悪く、必
ずしも露地栽培には適しない。次に土壌の含水量が低下
する段階では、かなり下がってある限界以下まで低下し
たときには、根が水を吸い上げることができなくなり、
根の毛管連絡が切断されるようになって、根枯れの状態
に入ることになる。この状態となると、その後に水を供
給しても根枯れは回復しないので、この状態を下限とし
てこれより上に土壌の含水量が保たれるようにすること
が必要である。このような土壌の含水状態は、土壌に含
まれる水のポテンシャルによって決まるので、農作物の
栽培と関係する土壌の含水状態は、単純に土壌の含水量
で表わすことは適当でないと考えられている。そこで、
土壌の水ポテンシャルに基づいた含水状態を表わす方法
が好ましい。
【0007】ところで、土壌の含水状態を表す因子の一
つに「pF値」がある。pF値とは、R.K.Scho
fieldによって1935年に提案されたもので、土
壌の水ポテンシャルの内のマトリックスポテンシャルに
関する指標値である。マトリックスポテンシャルとは、
毛管力、分子間力、クーロン力など水の土壌粒子との相
互作用に基づく化学ポテンシャルの低下量である。要す
るにマトリックスポテンシャルとは、土壌粒子が水分子
を引きつける力の強弱を示す。水柱単位(cm)で示さ
れたマトリックスポテンシャルの絶対値の常用対数を
「pF値」と呼んでいる。水柱(cm)の単位で表され
た土壌水のポテンシャルφとpF値とは、pF=log
(−10.2φ)の関係にある。
【0008】pF値は、土壌中に含まれる水(養液栽培
では培養液である)の質を表わす量である。pF値が0
近傍の場合は、土壌が水で満たされている状態を表す。
降雨や灌漑の24時間後に土壌中に残った水分(圃場容
水量)はpF1.7程度であり、ここから作物がしおれ
始める初期しおれ点(pF3.8)までが有効水と呼ば
れている。しかしながら、作物の生育は初期しおれ点よ
りも水分が多い時点で支障が出始める。それは、作物の
根の毛管連絡が切れて作物の根から水の移動が止まる状
態の時で、これを毛管連絡切断点とよび、pF2.7程
度である。したがって、一般に作物を栽培する場合、p
F値はpF1.7〜pF2.7の間が適しているとされ
ている。これらのことから、pH1.7〜pF2.7の
間の水分を易効水と呼び、土壌における農作物の栽培に
は、このpF1.7〜pF2.7の易効水の状態を保つ
ことが必要である。なお、pF値及び土壌の水ポテンシ
ャルについては、例えば、「土壌環境分析法」、日本土
壌肥料学会監修、土壌環境分析法編集委員会編、博友社
刊、1997年第1刷発行、48〜51頁;「土の環境
圏」、岩田進午ら監修、(株)フジテクノシステム発
行、1997年、72〜76頁;「土壌診断の方法と活
用」、藤原俊六郎ほか著、社団法人の農山漁村文化協会
発行、1996年、72〜77頁;「最新土壌学」、久
馬一剛編、朝倉書店発行、1997年、101〜107
頁;などに説明されている。
【0009】土壌での農作物の栽培においては、このp
F値を基準にして灌水等の作業を行うことが望ましい。
pF値の測定法には、野外で土壌に対して直接行うこと
のできる測定法としてテンシオメータ法が知られてい
る。実際の栽培での灌水制御において有効に使用できる
測定法としては、圃場において土壌の容水量をそのまま
測れるものでなければならない。したがって、一般圃場
においては、テンシオメータ法が土壌のpF値を簡単に
測れる方法として、最適灌水などの管理を行うのに用い
られている。テンシオメータ法とは、素焼きカップ(プ
ローブ)と硬質透明塩化ビニル管から構成されるテンシ
オメータを土壌に埋設し、テンシオメータを水で満たし
て、素焼きカップ(プローブ)壁を通して土壌水分と管
内の水とを水理的に連続させ、土壌のマトリックスポテ
ンシャルと管内の圧力とを平衡状態にして管内の圧力を
土壌のマトリックスポテンシャルとして読み取るという
ものである。「テンシオメータ法」の詳細については、
例えば、上述の「土壌環境分析法」、59〜62頁など
に記載されている。
【0010】しかしながら、従来使用されているテンシ
オメータ法は、その場で装置内への水分の補給を必要と
するため、センサー(テンシオメータ)の管理が大変
で、より簡単な手段、あるいは簡単な装置で土壌のpF
値を測定できるようにすることが望まれている。また、
土壌でもその質によってはテンシオメータ法を使用する
に適しない場合がある。すなわち、粗い粒子からなる土
壌、例えば養液栽培等において使用されている軽石粒子
などのような多孔質表面を有する粗大な粒子の固形培地
においては、このテンシオメータ法を使用することはで
きない。これは、培地が粗いため、培地粒子がテンシオ
メータのプローブの表面の全体に密着せず、したがって
培地粒子の水がプローブの表面に密着しないので、正確
な測定ができないからである。そのため、従来では粗大
粒子の固形培地耕においてもpF値による灌水制御が望
ましいとされながらも、pF値を指標とする灌水制御は
全く行えなかったのが実情であった。
【0011】現在、土壌中のpF値を直接測定すること
のできる方法として、テンシオメータ法に代わる手段は
見当たらない。ところで、土壌の保水性を調べる手段と
して、最近注目されている方法の中に、土壌の誘電率を
測定し、これから土壌の体積含水率を求める方法が注目
されており、電気パルスの伝播時間から土壌の誘電率を
求めるTDR(Time Domain Reflec
tometry)法、電気パルスの周波数領域における
特性から土壌の誘電率を求めるFDR(Frequen
cy Domain Reflectometry)法
が実用化されている。また、より簡便且つ安価に土壌の
体積含水率を測定する方法としてインピーダンス測定に
よるADR(Amplitude Domain Re
flectometry)法が提案されている。これら
の方法については、上述の「土壌環境分析法」、62〜
64頁;Topp, G.C.et.al.(198
0):Electromagnetic determ
ination of soil water con
tent: Measurements in coa
xial transmission lines.
Water Resources Research,
16, 574−582; 堀野治彦・丸山利輔(19
93):3線式プローブによる土壌水分のTDR計測、
農業土木学会論文集、168,119〜120頁; 北
平ほか(1996):FDR法による現地土壌水分の測
定、農業土木学会論文集、182,31〜38頁;中島
誠ほか(1997):ADR法を用いた土壌水分量の測
定、日本地下水学会1997年春季講演要旨集18〜2
3頁;などに記載されている。特に、ADR法を用いる
と、測定が非常に簡便であり、相関性も高く、測定装置
が簡単な構造で保守が容易であり、取扱いも容易であ
り、連続的な測定ができ、いわゆるメンテナンスフリー
である。しかしながら、これらの方法は土壌の体積含水
率を求めるもので、土壌のpF値を直接求めることはで
きない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、都市のヒー
トアイランド現象を防ぐために、建築するすべてのビル
の屋上を緑化するために、屋上に樹木を植えるようにす
るとなると、従来のようにビルの屋上を防水して、そこ
に土を入れ、樹木を植えるというやり方では非常な問題
を起こすことになる。特に高層ビルでは柱に掛かる重量
を少しでも減らすために多くの軽量化材料を使用してい
るのに、屋上に重い土を乗せたのでは、建物の強度上の
問題を起こし、耐震性にも問題を起こすことになる。ま
た、建造物の中の建築物に限らず、大型の建造物では周
囲の土を除いてしまう関係で、周囲がコンクリート製の
地上部分となることが多いが、その場合景観上などから
その地上部分を緑化する必要があるが、下がコンクリー
ト製部分である関係で、防水や重量の問題などがあり、
緑化をすることが容易ではない。
【0013】すなわち、建造物の屋上や地上部分を緑化
するために、建造物の屋上や地上部分に植物を植えるた
めの土壌を保持するときには、その土壌の重量で建造物
に負担が掛かる問題、及び保持している土壌に植えた植
物を生存させるために水や培養液を供給する際に、水等
の供給量が多すぎたり、あるいは大雨が降ったりする
と、土壌の下の建造物の基盤に漏水の問題を起こした
り、また土壌の重量がさらに増して、前記の建造物に負
担が掛かることが一層深刻になる問題があり、それを防
ぐのには建造物の強度を一層増大させたり、また建造物
の屋上の基盤の防水構造を一層強化する必要がある。さ
らに、ビルの屋上では地上よりも日当たりが強く、ビル
全体の熱容量も大きく、また風も強いために、土壌を植
物の生育に適した条件になるよう、また土壌が飛ばない
ようにに水の供給条件などを設定したりすることは難し
いことであった。
【0014】本発明は、建造物の屋上や地上部分を緑化
するために、前記した問題点を解消して、建造物の屋上
や地上部分に植物を植えるための培地を保持するときに
は、その培地が建造物に負担を掛かける重量が少なく、
及び保持している培地に植えた植物を生存させるために
水や培養液を供給する量が少なくて、培地の下の建造物
の基盤に漏水の問題を起こしたり、また水等の供給によ
り培地の重量がさらに増して、前記の建造物に負担が掛
かることが一層大きくならないようにして、建造物に強
度の増大をする必要がほとんどなく、また建造物の屋上
の屋根部分の防水構造が複雑にならないような緑化シス
テムの灌水制御装置を提供することを課題とするもので
ある。
【0015】また、本発明は、その緑化システムの灌水
制御装置を可能とする手段として、従来のテンシオメー
タ法によらないで、土壌の保水性を調べる方法を利用し
て培地のpF値を測定できる手段を提供することを目的
とするものである。また、本発明は、土壌の保水性を調
べる方法を利用して即時にかつ連続的に培地のpF値を
測定し、その測定値を用いて灌水を制御する方法及び装
置を提供することを目的とするものである。
【0016】さらに、本発明は、テンシオメータ法等
で、土壌のpF値を直接測定できない場合においても、
その土壌のpF値を測定できる手段、特に連続的に測定
できる手段を提供し、その測定値を用いて灌水を制御す
る方法及び装置を提供することを目的とするものであ
る。本発明は、更に、固形培地耕での養液栽培におい
て、テンシオメータが使用できないような土壌、特に軽
石のような多孔質の大径粒子の場合において、測定が簡
単かつ容易な保水性の測定方法を利用しながら、pF値
による灌水制御を可能にする土壌の水分量を測定する方
法及び装置を提供することを目的とするものである。さ
らに、本発明は、固形培地耕での栽培においてpF値に
よる灌水制御を可能にする技術を利用して屋上等の緑化
システムの灌水制御装置を提供することを目的とするも
のである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、建造物への重
量をなるべく軽減するため、培地として軽い粒状軽石培
地を採用し、かつ上述のADR法などによって比較的簡
単に測定することのできる土壌の体積含水率とpF値と
の間に、土壌の種類、即ち土性に依存する相関関係があ
ることに着目し、予め測定対象の培地に関する体積含水
率とpF値との相関関係を求めた上で、培地の体積含水
率を測定することによって、これからpF値を求め、こ
の値によって灌水制御を行うことにより、植物の生育に
影響がなく、かつ粒状軽石培地が保持し、かつそれに供
給する水量が非常に少なくてすみ、それにより建造物へ
かかる水の重量を最小限にすることができることを見出
し、本発明を完成するに至った。以下で「培養液」とい
うのは水だけの場合も含むものである。
【0018】すなわち、本発明は、下記の手段により前
記の課題を解決した。 (1)建造物の屋上及び地上に培地を保持し、そこに植
物を植える緑化システムにおいて、緑化用培地として粒
状軽石を用い、前記培地へ培養液を供給する点滴かけ流
し式点滴装置と、粒状軽石培地の体積含水率を測定する
測定装置、前記測定装置の出力に基づいて粒状軽石のp
F値を算出する演算装置、前記演算装置からの粒状軽石
のpF値に基づいて、前記点滴装置への送出水量制御手
段を備え、培養液の自動灌水制御を行うことを特徴とす
る緑化システム用自動灌水制御装置。 (2)前記の粒状軽石培地の体積含水率を測定する測定
装置が、粒状軽石培地の含水率を電気的に連続検知する
センサとして、ADR法、TDR法又はFDR法のセン
サを有することを特徴とする請求項1記載の緑化システ
ム用自動灌水制御装置。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明では、緑化用培地として粒
状軽石を用いるが、その粒径の範囲としては1〜5.6
mmのものが好ましい。また、粒状軽石としては、飽和
透水係数が0.3〜0.8cm/sec、通気係数が乾
燥試料及び湿潤試料で15〜40cm/secの性質の
ものが好ましく、さらにイオン交換容量が3.0〜4.
0meq/100gのものが好ましい。培地として粒状
軽石を用いる場合には、培地の保水性がよいため、屋上
に積層する場合、通常の土壌に比して薄くても樹木の生
育に問題がなく、たとえば樹高が3mの松の場合で、厚
さが40cmあればよく、またさつきとかつつじ類では
厚さが20cmあればよいので、後者の場合1m2 当た
り90kgの重量が屋上の屋根に掛かる程度ですむ。さ
らに、粒状軽石は透水性がよいので、大雨が降っても、
水の大半は排水されて、厚さが20cmの粒状軽石の場
合、1時間後の粒状軽石層は重量が1m2 当たり約10
kg増加している程度ですむ。
【0020】次に、本発明の灌水制御装置で用いる、粒
状軽石培地の体積含水率の測定結果から粒状軽石のpF
値を求めて、それに基づいて点滴装置の送出水量を制御
する手段について詳しく説明する。本発明に係わる方法
は、土壌の体積含水率を測定し、その体積含水率を土壌
のpF値に求めるという概念に基づいている。土壌の保
水性は色々の因子で表わすことができ、体積含水率、p
F値などもその一つである。体積含水率を測定する方法
としては、土壌サンプルを採取してその水分重量を測定
する重量法なども挙げることができるが、現場でその土
壌の体積含水率を直接測定するには、サンプルを採取し
て測定する方法は連続測定ができないなどの点から使用
できない。土壌の体積含水率を圃場の現場で直接測定す
る手段として、最近特に注目されている測定方法とし
て、電気パルス方式により土壌の誘電率を測定して土壌
の体積含水率を求める方法がある。この方法は土壌のあ
る範囲を測定することから、測定値に変動が少なく、測
定作業も簡単で優れている。また、測定が非常に早くで
き、連続測定が容易で、電気的出力信号と体積含水率と
の相関性も高いものである。ただし、この電気パルス方
式で測定できるのは土壌の体積含水率であり、これによ
って植物が利用可能な水分量の指標であるpF値を求め
る手段は開発されていない。
【0021】電気パルス方式の代表的な方法にTDR法
があり、その測定原理は、水の比誘電率は81で、土壌
固形物質の比誘電率が約4、空気の比誘電率の1と比べ
て著しく大きく、土壌のみかけの比誘電率と水分量との
間に経験相関が成り立つことを利用して、土壌の体積含
水率を測定するものである。具体的測定手段は、土壌内
に2又は3針の平行電極を差し込み、それにマイクロ波
を与え、その干渉反射波の伝播時間を測定する。電極の
長さをL、反射波の伝播時間をtとすると、マイクロ波
の伝播速度Vは、V=2L/tで与えられる。理論的に
比誘電率Kaはマイクロ波の伝播速度Vの2乗に反比例
するので、Ka=(C/V)2 によって比誘電率を求め
ることができる。なお、ここでCは真空中の光速度で
あ。類似する方法として、干渉反射波の周波数領域にお
ける特性から土壌の誘電率を求めるFDR法もある。こ
れらの方法は、土壌の体積含水率を測定することがで
き、本発明方法において利用することができる方法であ
る。しかし、これらの方法は、パルスの伝播速度を測定
するための高価なオシロスコープなどを必要とする欠点
がある。
【0022】最近、これらの方法に匹敵する性能を有
し、しかもより簡単に測定できる方法としてADR法が
開発されている。このADR法は、簡単なインピーダン
ス測定により簡単かつ安価に土壌の体積含水率を測定す
る方法である。したがって、本発明において用いるのに
より好ましい方法である。ADR法は、土壌の比誘電率
Kaは体積含水率(θ)に大きく左右されるという原理
を利用してKa−θの関係からθを求めるものである点
においては、上述のTDR法及びFDR法と同様である
が、ADR法は、比誘電率Kaの測定手段として、高周
波の電気パルスが土壌中のプローブを通過して往復する
際の伝送線のインピーダンス(Z)を測定してKaを求
める点で異なる。図2は、ADR法に基づく土壌水分セ
ンサー1の概要図である。(a)はその正面図であり、
(b)は平面図である。このセンサープローブは、本体
部2に100MHzのシヌソイド発振器、同軸伝送線区
域及び測定電子回路を内蔵し、センサー部3は4本の平
行なステンレス製のロッドからなる。(b)に示すよう
に、センサー部3のロッドは中央の1本が信号ロッド5
であり、外側の3本は信号ロッドの周囲に電気的な遮断
を形成するシールドロッド6である。このセンサー部
は、伝送線の付加的な区域としてふるまい、シールドロ
ッド6に取り囲まれた直径26.5mmの範囲における
土壌の誘電率にほぼ依存するZをもつ。
【0023】発振器の信号は、センサープローブの中を
伝送線に沿って伝播し、センサー部3のZが本体部の同
軸伝送線におけるZと異なる場合には、ある大きさの信
号が信号ロッドと伝送線の接続部4から反射されて戻っ
てくる。この反射されて戻ってくる信号の割合を反射係
数ρという。反射係数は、入射波と反射波が干渉して生
じる電圧定在波の原因である入射信号、すなわち送電線
の長さに沿った電圧の振幅に干渉される。そして、伝送
線の初期のピーク電圧v0 と接続部でのピーク電圧vj
が一定の関係にあるように設計されているため、振幅の
差は伝送線のインピーダンスと土壌マトリックス中にお
けるプローブのインピーダンスを関数とする関係式で表
される。
【0024】この振幅の差を測定することにより、セン
サー部の相対的なインピーダンスが評価され、次式:
【0025】
【式1】
【0026】により誘電率Kaが求められる。上式にお
いて、r1 とr2 は信号電極と遮断電極の半径であり、
Fは形状因子である。求められた土壌の比誘電率Kaか
ら次式: θ=-5.3 ×10-2+2.92 ×10-2Ka-5.5×10-4Ka2+4.3 ×10
-6Ka3 の経験式によって、体積含水率θ(m3 ・m-3)を求め
めることができる。なお、電圧定在波の振幅は、土壌水
分が多くなる(比誘電率が大きくなる)と小さくなる特
性をもつ。この場合、その土壌の含水量を別に重量法な
どにより測定しておき、ADR法などで測定を行ってそ
の出力信号値(例えば出力電圧)を求め、前記の土壌の
含水量を変化させて測定を繰り返せば、土壌の含水量か
らの体積含水率と出力電圧との較正された関係線を得る
ことができ、現場でのADR法による測定で土壌の正確
な体積含水率を得る手段が得られる。このようにして、
ADR法などの誘電率に基づく方法により土壌の体積含
水率を求めることができる。ADR法におけるセンサー
の出力電圧と体積含水率θとの関係を図2に示す。両者
に相関関係があることが分かる。
【0027】上記したように、誘電率に基づく方法、特
にADR法によれば、簡単かつ容易に土壌の体積含水率
を求めることができ、しかもADR法では、ある直径の
円筒上部分の土壌の平均誘電率の測定に基づいているの
で、センサーのプローブが土壌の粒子に密着していなく
てもよく、軽石粒子などのような粒子の粗い土壌につい
ても体積含水率を測定できるという利点がある。なお、
上記並びに下記においては、ADR計によって電圧を出
力させてこれに基づいて体積含水率を求める方法を説明
しているが、本発明方法においては、ADR計による他
の出力信号値に基づいて体積含水率を求めてもよいし、
或いはTDR計やFDR計のような他の形式のセンサー
の出力信号値に基づいて体積含水率を求めてもよい。
【0028】しかしながら、このような測定で得られる
土壌の体積含水率、つまり含水量は、土壌の結合水など
の植物に利用できない水の量も含んでいるので、植物に
利用し得る水の量と良く対応しているpF値とは異なっ
ている。本発明においては、このようにしてADR法な
どにより得られる土壌の体積含水率の測定結果を、土壌
のpF値に換算することによって、土壌のpF値を求め
る。
【0029】土壌試料のマトリクスポテンシャル(pF
値)と体積水分率とは、その土性に依存して特有の相関
関係があり、これを水分保持曲線と呼ぶ。土壌試料の水
分保持曲線、即ちマトリクスポテンシャルと体積水分率
との相関関係を測定する方法としては、砂柱法、吸引
法、加圧板法、加圧膜法などが知られている。これらの
方法のうち、砂柱法を除く他の方法はいずれも、所定の
圧力を土壌試料にかけて平衡状態に達した際の土の重量
を測定することにより、そのマトリクスポテンシャルに
対応する体積含水率を求め、これを種々の圧力において
行うことにより、その土壌試料についての水分保持曲線
を得るというものである。また、砂柱法は、土壌試料に
圧力をかける代わりに、砂柱上に載置された土壌試料に
所定の位置ポテンシャルを与えることによって、同様の
測定を行うものである。
【0030】本発明においては、このように、土壌の体
積含水率とpF値との間に土性に依存する相関関係が存
在することに着目し、測定対象の土壌について予め水分
保持曲線(相関線)を求めておき、上記のADR法など
の方法によって求められた土壌の体積含水率の値から、
相関線によりその土壌のpF値を求める。なお、相関線
は、表としたときには換算表に基づいてもよいし、可能
であれば近似式としてもよい。相関線によって土壌の体
積含水率の値から土壌のpF値を求める手段としては、
例えば、予め求めた相関線を組み込んだ演算装置にAD
R計の出力信号を入力して土壌のpF値に対応する信号
を出力するというプログラムを組み込んだマイコンなど
の演算装置を利用する手段を用いることが好ましいい。
【0031】以下において、土壌について、体積含水率
とpF値との相関を調べて関係線を作り、誘電率に基づ
いてその土壌の体積含水率を求め、作成された関係線に
基づいて、求められた体積含水率から土壌のpF値を求
める本発明に係る手法について説明する。まず、体積含
水率とpF値との関係線(水分保持曲線)を作るための
基礎データとなる。土壌の種々の体積含水率に対応する
pF値を、当該技術において公知の方法により求める。
pF値の測定は正確性が必要であるから、室内で行う測
定法を採用する。公知の室内で行うpF値測定法として
は、砂柱法、加圧板法、吸引法、加圧膜法、蒸気圧法を
挙げることができる。この中で、砂柱法はpF値が0.
5〜1.4の範囲、加圧板法はpF値が1.6〜2.7
の範囲の測定に適しているといわれている。また、pF
値の測定方法として「遠心法」という方法も提案されて
いるが、この方法はまだ十分に実用化されていない。し
たがって、pF=1.7〜2.7の易効水の範囲内に土
壌の含水量を保つという本発明の目的に合致する方法と
しては、加圧板法が最も適しているということができ
る。しかしながら、砂柱法などの他の方法も本発明にお
いて用いることができる。
【0032】例えば、加圧板法により土壌のpF値を測
定する場合には、次のように行う。まず、図4を用いて
加圧板法の技術内容について簡単に説明する。加圧板装
置10は加圧チャンバー12と加圧板13で構成されて
おり、加圧板13は素焼板14の下側にスクリーン15
をはさみ、それをゴム膜16で覆う構造になっている。
加圧チャンバー12には圧力ゲージ18が設けられてい
て、チャンバー内の空気圧が読み取られる。水で飽和し
た素焼板14の上に土壌試料11を載せ、加圧装置連通
管17から空気圧を加えると、その空気圧と平衡するマ
トリックスポテンシャルより大きいポテンシャルで保持
されている土壌水は素焼板14を通して排水される。土
壌水は金属製排水孔19から耐圧チューブ20、排水口
21を通り、ピンチコック22を有する排水チューブ2
3から排水ビン24に入る。加圧チャンバー12の減圧
のために排気バルブ25を設ける。空気圧を段階的に変
えることにより、各マトリックスポテンシャルに対応し
た水分保持量を測定できる。サンプルの土壌は、その空
気圧の大きさ毎に、加圧板ごと取り出して計量する。こ
の測定された土壌試料の重量と乾燥状態の土壌試料の重
量との差を算出することによって、含水量が求められ
る。ここで求められた含水量は、そのときの空気圧に対
応するもの、すなわちその時の水分ポテンシャルに対応
するものであるから、あるpF値に対応する含水量が求
められる。また、土壌の嵩比重に基づいて、体積含水率
も求められることになる。この操作を、空気圧を段階的
に変えて繰り返して行うことにより、種々のpF値とそ
れに対応する体積含水率との対比表が作成される。表の
値を、横軸がpF値、縦軸が体積含水率のグラフにプロ
ットすると、水分保持曲線が得られる。
【0033】また、同様に土壌のpF値を測定する方法
である砂柱法の原理を図5を参照して説明する。図5
は、砂柱法装置51の概要を示す図である。通常、25
0μm以下のふるいを通過した細砂や300〜180μ
mに粒径を調整した石英砂が用いられる。事前に水洗い
した砂52をカラムに充填し、コック60を開放して給
水口59から水道水58を流入させて、砂を水で飽和さ
せる。なお、カラムの底部には支持台61及びブラスス
クリーン62が配置されて、砂柱を保持するようになっ
ている。そして、周囲をたたくなどして振動を与え、粒
子配列を安定させる。砂柱上面からの蒸発を防ぐため
に、ポリエチレンシート又は蓋53をかぶせておく。彩
土円筒54にも蓋をつけておくと更に効果的である。土
壌試料(彩土円筒)54を砂柱52の上に載置し、可動
式の排水口55の高さを砂柱上端に固定して、土壌試料
54へ水を飽和させる。次に、可動排水口55を所定の
位置まで下げ、コック56を開放して余剰水57を排水
することによって、砂柱中の自由水面の水位を下げ、こ
れにより土壌試料からの脱水を行わせる。水位Lは水位
計63によって読取る。脱水が完了したらその時の土壌
試料の質量を測定して、体積含水率を求める。この時点
での、土壌試料のマトリクスポテンシャル(cm)は、
土壌試料の厚さを1とすると、−(L+1/2)で示さ
れる。これにより、所定のpF値における土壌試料の体
積含水率が求められる。
【0034】この操作を、水位Lを段階的に変えて繰り
返して行うことにより、種々のpF値とそれに対応する
体積含水率との対比表が作成される。表の値を、横軸が
pF値、縦軸が体積含水率のグラフにプロットすると、
水分保持曲線が得られる。
【0035】一方、同じ土壌について、体積含水率の分
かったサンプルに関して例えばADR計でその出力信号
値、例えば出力電圧を測定して、出力電圧と土壌の体積
含水率との較正された換算表を作成する。この結果を、
横軸が出力電圧、縦軸が体積含水率のグラフにプロット
すると、図3のような関係線が得られる。
【0036】このように予め関係線を作成しておき、一
般圃場の現場で例えばADR計を用いて土壌の含水量を
測定すると、第1の工程として、ADR計の出力電圧か
ら、予め作成された出力電圧と体積含水率との関係線に
基づいて土壌の体積含水率が求められ、次に第2の工程
として、求められた土壌の体積含水率から、予め作成さ
れた水分保持曲線(体積含水率とpF値との関係線)に
基づいて土壌のpF値を求めることができる。前記した
2つの関係線を演算装置へ入れておけば、電子回路を用
いてADR計の出力電圧の信号からその土壌のpF値を
演算してその数値をディスプレイに表示することがで
き、測定作業が極めて簡便となる。あるいはさらに、そ
の演算で得た土壌のpF値の信号を灌水装置の制御回路
に送り、灌水装置の給水装置を作動させるようにするこ
ともできる。
【0037】本発明の方法によれば、従来用いられてい
たテンシオメータ法に比べて、遙かに簡便に土壌のpF
値を直接且つ連続的に測定することができ、この測定結
果を利用して灌水制御を行うことができる。また、テン
シオメータ法では、軽石等のような多孔質表面を持つ粗
い粒子からなる培地についてはpF値の測定を行うこと
ができなかったが、本発明方法によれば、ADR法など
のような多孔質培地にも適用可能な方法によって体積含
水率の測定を行うことにより、pF値を求めることがで
きる。
【0038】なお、本発明においてpF値と体積含水率
との相関(水分保持曲線)を測定する方法として使用さ
れる加圧板法や砂柱法などによっては、特殊な土壌や培
地、特に多孔質表面を有する粒子からなる土壌(培地)
を測定することができない。これは、例えば培地として
粒径が1〜5.6mmの軽石を使用した場合、加圧板法
では、粒子間に圧力をかけても含有水が連続していない
ために正確なpF値を測定することができないからであ
る。即ち、軽石粒子培地などでは含有水が連続して存在
していないために、毛管現象の毛管水がつながらないの
で正しいpF値を測定することができない。また、砂柱
法では、軽石培地の場合、水の液絡がないので、正確な
pF値を測定することができない。そこで、本発明方法
によって、多孔質表面を有する粒子からなる土壌につい
てpF値の測定を行う場合には、更なる工夫が必要とな
る。以下、この点について詳しく説明する。
【0039】本発明者らは、加圧板法や砂柱法によっ
て、軽石培地のpF値を測定することができないかどう
かを検討したところ、粗い培地粒子のみの試料ではpF
値の正確な測定はできないが、粗い培地粒子に細かい培
地粒子を混合したものについてはそのpF値を測定でき
ることが分かった。そして、粗い培地粒子の土壌試料
と、当該培地試料を粉砕して作成した培地微粒子試料と
を用意し、更に、粗い培地粒子の土壌試料と培地微粒子
試料とを混合して分散させた混合土壌試料を用意し、こ
の培地微粒子試料と混合土壌試料とについてpF値の測
定を行い、得られた結果を以下に説明する「減算処理」
にかけることにより、粗い培地粒子の土壌試料のpF値
を求めることができることを見出した。以下において、
この方法に関して詳細に説明する。
【0040】まず、粗い培地、例えば粒径1〜5.6m
mの軽石粗粒子からなる培地を用意する。次に、この粗
粒子培地を粉砕して微粒子とした培地微粒子を調製す
る。また、上記の軽石粗粒子と培地微粒子とを混合して
分散させた混合土壌試料を調製する。この場合、軽石粗
粒子と培地微粒子とは、等重量ずつ混合することが好ま
しいが、必ずしも等重量である必要はない。但し、その
場合には混合重量比を確認する。
【0041】このようにして得られた培地微粒子試料と
混合土壌試料について、加圧板法などの方法によってp
F値と体積含水率との関係、即ち水分保持曲線を求め
る。この方法について以下に説明する。以下の説明にお
いては、便宜上、軽石粗粒子培地試料を試料B、軽石粗
粒子から調製した培地微粒子試料を試料A、試料Aと試
料Bとを混合して得られた混合土壌試料を試料Cと呼
び、加圧板法によるpF値測定を例として挙げる。
【0042】培地微粉末からなる試料Aは加圧板法によ
りpF値を測定することができるが、軽石粗粒子試料B
は加圧法によりpF値を測定することができない。しか
しながら、混合土壌試料CについてはpF値を測定する
ことができる。これは、粗い粒子の間隙に細かい微粒子
が入り込むことにより、ブロースルーが起きないためで
あると考えられる。したがって、混合土壌試料の調製に
用いる培地微粒子試料の粒径は、微粒子が粗粒子の間隙
に入り込むようなものであることが望ましい。更には、
微粒子が多孔質粗粒子の孔に入り込まない程度の大きさ
である必要がある。これは、微粒子が多孔質粗粒子の孔
に入り込んでしまうと、挙動が変化してしまい、正確な
pF値を計測することができなくなってしまうからであ
る。一般に微粒子試料の粒径は、50〜200μm程度
であることが好ましいが、この数値に限定されるもので
はない。
【0043】上述のように、粗粒子試料Bについてはp
F値の測定を行うことができないが、微粒子試料A及び
混合土壌試料CについてはpF値の測定を行うことがで
きる。そこで、混合土壌試料Cについての測定結果と微
粒子試料Aについての測定結果から、試料Bについての
測定結果を以下に説明する「減算処理」によって求め
る。混合土壌試料C及び微粒子試料Aについて、加圧板
法により、pF値と体積含水率との関係、即ち水分保持
曲線を測定する。これらの測定は、各試料の含水状態を
変えて幾通りにも測定する。
【0044】あるpF値における混合土壌試料Cの体積
含水率をxc (v/v%)、所定容量の混合土壌試料の
含水量をc(g)とすると、その混合土壌試料のうち微
粒子が保持する水の量[ca (g)]は、同じ容量の培
地微粒子試料AがそのpF値において有する含水量[a
(g)]に、混合土壌試料中の培地微粒子の重量割合を
乗じた値となる。即ち、上記所定容量の混合土壌試料中
の培地微粒子の重量をzca(g)、同容量の培地微粒子
試料の重量をza (g)とすると、ca =a×(zca
a )となる。次に、混合土壌試料Cの含水量[c
(g)]から混合土壌試料中の培地微粒子が保持する水
の量[ca (g)]を減じれば、混合土壌試料C中の粗
粒子が保持する水の量[cb (g)]が求められる。即
ち、cb =c−ca となる。そして、この水の量を、混
合試料における粗い培地の割合で割ると、粗粒子培地試
料Bの含水量を算出することができる。即ち、同容量の
粗粒子培地試料Bの重量をzb (g)、粗粒子培地試料
Bの含水量をb(g)とすると、b=c×(zb
cb)となる。これにより得られた粗粒子培地試料の含
水量b(g)から、粗粒子培地試料bの体積含水率(v
/v%)を求めることができる。
【0045】上述の測定においては試料はすべて重量で
測定されている。なお、混合試料中の粗い培地粒子がそ
の周囲を培地微粒子により囲まれることによって粗い培
地粒子の表面での水分ポテンシャルが減少する。しかし
ながら、粗い培地粒子が多孔質であるため、培地微粒子
によって囲まれる表面積が粗い培地粒子が全体として有
する表面積に比して僅かなものであるため(1/100
以下)、無視することができる程度のものである。この
ようにして求められた粗粒子培地試料の体積含水率は、
そのpF値に対応していると考えることができる。そし
て、このような測定/計算を、種々の圧力において繰り
返せば、粗粒子培地の体積含水率とpF値との相関関係
(水分保持曲線)を作成することができる。
【0046】また、同様に、砂柱法についても、粗粒子
試料については水の液絡が遮断されるために正確なpF
値の測定ができないが、粗粒子を粉砕して得られる微粒
子試料及び粗粒子試料にこの微粒子試料を混合して得ら
れる混合土壌試料については、正確なpF値の測定を行
うことができることが分かった。これは、粗粒子の間隙
に微粒子が入り込んで水の液絡が形成されるためである
と考えられる。したがって、砂柱法によっても、上述の
ような手順をとることによって、軽石などのような粗い
粒子の土壌についても、pH値と体積含水率との関係、
即ち水分保持曲線を求めることができる。このようにし
て求められた水分保持曲線と、上述の方法で得られたA
DR計の出力電圧値と体積含水率と較正された相関関係
とを用いて、ADR計で土壌の測定を行うことにより、
その体積含水率を経てpF値を求めることができる。
【0047】即ち、本発明によって土壌のpF値の測定
する方法は、以下のような構成をとる。 (1)測定対象の粗粒子土壌の粉砕して微粒子試料を成
形し、また、粗粒子土壌試料と微粒子試料と混合した混
合土壌試料を形成し、同容量の粗粒子土壌試料、微粒子
試料及び混合土壌試料を用意して、その重量を計測す
る。次に、微粒子試料及び混合土壌試料について、加圧
板法や砂柱法などの方法によって、pF値と体積含水率
との関係である水分保持曲線を求める。次に得られた結
果から、上述した「減算処理」によって粗粒子土壌につ
いての水分保持曲線を求める; (2)土壌について、ADR法などのような電気パルス
式土壌誘電率測定法によって、土壌における出力信号値
(ADR法の場合には出力電圧)を計測して、出力電圧
と体積含水率との関係から、土壌の体積含水率を求め
る。なお、測定対象の土壌に関する出力信号値と体積含
水率との関係(較正値)は、予め求めておく; (3)上記(2)工程で求められた体積含水率から、上
記(1)工程で作成された水分保持曲線に基づいて、土
壌のpF値を求める;という手順によって土壌のpF値
を測定する。
【0048】本発明にしたがって、上記に説明したよう
に土壌の水分量を測定する方法によってpF値を求め、
得られたpF値によって灌水を制御することによって、
最適条件下で作物の栽培を行うことができる。即ち、上
記のように土壌のpF値を一定時間毎に測定し、測定さ
れたpF値と目標とするpF値とを比較して、作物の栽
培に最適の条件であるpF1.7〜2.7の域を出ない
ように灌水又は培養液の供給量を制御することができ
る。これは、例えば、目標pFを、2.0と設定し、こ
れより高いpF値が測定されたら灌水又は培養液の供給
を行い、これより低いpF値が測定されたら灌水又は培
養液の供給を停止するという方法によって行うことがで
きる。
【0049】本発明は、かかるpF値の測定に基づいて
灌水制御を行うための装置を建造物の屋上や地上部分の
緑化システムに適用した灌水制御装置を提供する。即
ち、本発明は、培地として粒状軽石を用いた緑化システ
ムの自動灌水制御装置であって、点滴式培養液かけ流し
装置と;培養液流路弁を有する点滴装置の送出水量制御
手段と;培地の体積含水率を測定する体積含水率測定器
と;栽培培地について予め求められたpF値と体積含水
率との相関関係が取り込まれており、体積含水率測定器
によって測定された培地の体積含水率からpF値への換
算を演算処理して、体積含水率測定器の出力結果に基づ
いて培地のpF値の信号を出力する演算装置と;該演算
装置から出力されたpF値信号に基づいて点滴装置への
送出水量を抑制する点滴装置制御手段;とを有すること
を特徴とする自動灌水制御装置を提供する。
【0050】更に、本発明の他の好ましい自動灌水制御
装置であって、点滴式培養液かけ流し装置と;培養液流
路弁を有する点滴装置の送出水量制御手段と;培地の含
水率を電気的に検知するセンサとしてのADR法、TD
R法又はFDR法センサと;栽培培地について予め求め
られたpF値と体積含水率との相関及び前記センサの検
知出力信号と体積含水率との相関関係が取り込まれてお
り、前記センサの検知出力信号から培知の体積含水率へ
の換算及び培地の体積含水率からpF値への換算を演算
処理して、前記センサ計の検知出力信号に基づいて培地
のpF値の信号を出力する演算装置と;該演算装置から
出力されたpF値信号に基づいて点滴装置への送出水量
を制御する点滴装置制御手段;とを有することを特徴と
する緑化システム用自動灌水制御装置を提供する。
【0051】即ち、上記のような灌水制御を行う方法を
実施するための装置として、例えば、点滴式培養液かけ
流し装置と、培地に挿入されるプローブを有するADR
計と、該ADR計の出力電圧に追従して点滴装置への送
出水量を制御する手段とを有するように構成して、固形
培地耕式養液栽培装置を構成して、ADR計の出力電圧
についての追従をタイマーにより一定時間間隔毎に行う
ようにした固形培地耕式自動灌水制御養液栽培装置を構
成することができる。なお、ADR計の出力電圧に追従
して点滴装置への送出水量を制御することは、好ましく
は、対象の栽培培地について予め求められたpF値と体
積含水率との相関及びADR計出力電圧と体積含水率と
の相関関係を演算装置に予め取り込んでおき、ADR計
の出力電圧から培地の体積含水率への換算及び培地の体
積含水率からpF値への換算を演算装置によって演算処
理して、ADR計の出力電圧に基づいて培地のpF値の
信号が出力されるように構成し、この出力pF値信号に
基づいて点滴装置への送出量を制御する点滴装置制御手
段を設けることによって行うことができる。pF値の測
定値に基づいて培養液流路弁の開閉度を調整する周期に
ついては、どの程度の厳密さで制御が求められているか
どうかに依存し、これは栽培する作物の種類などによっ
ても異なるが、一般に、10分〜2時間、好ましくは1
0分〜30分毎に、pF値の測定に基づいて灌水又は培
養液供給の制御を行うことが好ましい。
【0052】なお、上記の測定では体積含水率を求める
方法としてADR法を使用したが、誘電率に基づいて体
積含水率を測定できる計器であればTDR計、FDR計
などのその他の測定計器を用いることができることは上
述した通りである。また、土壌の体積含水率を測定する
方法は、誘電率に基づく計測方法でなくとも、土壌の体
積含水率を圃場で直接測定することのできる方法であれ
ば、本発明において用いることができる。本発明装置に
よってpF値を測定できる培地は、屋上緑化システムを
主対象とするために、土壌の流亡防止が最重要視され、
必然的に粗大な粒子の軽石が挙げられ、中でも軽石とし
てはシラス軽石培地について精度よく測定することがで
きる。なおここで「シラス軽石」については、例えば、
上記の「土の環境圏」、30〜32頁にその定義と共に
説明がなされている。これによれば、「シラス」とは、
「後期更新世の大規模なカルデラ火山から噴出した火砕
軽石流堆積物の非溶結部またはその2次堆積物」の総称
であり、我が国においては、南九州のものがよく知られ
ている。また、これ以外にも、屈斜路湖、十勝岳、支笏
湖、洞爺湖、十和田湖、阿蘇山などのカルデラ火山周辺
に同様のシラスが分布するが、国土庁の土地分類基本調
査等の表層地質図では軽石流堆積物として図示されてい
る。
【0053】本発明に係る自動灌水制御装置によって自
動灌水制御養液栽培を行うことのできる植物としては、
建造物の屋上や地上部分であることを考慮すると、各種
園芸用の樹木が適するが、栽培をする作物や草花類でも
よい。栽培できる作物の例としては、果菜類、例えば、
トマト、ミニトマト、キュウリ、ナス、ピーマン、パプ
リカ、ジャンボシシトウ、オクラ、インゲン、エンド
ウ、ニガウリ、ヘチマ、スイカ、メロンなど;葉菜類、
例えば、サラダナ、ホウレンソウ、コマツナ、ミョウ
ガ、モロヘイア、エンサイ、チンゲンサイ、リーフレタ
ス、コリアンダー、アロエ、ミツバ、ミニセロリ、パセ
リ、シュンギク、ラディシュなど;果実類、例えば、パ
インアップル、パッションフルーツ、パパイア、イチゴ
など;花卉類、例えばカーネーション、キク、バラ、サ
ボテン、テッポーユリ、トルコキキョウ、クルクス、ラ
ン、パンジーなど;を挙げることができる。
【0054】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明す
る。ただし本発明はこの実施例のみに限定されるもので
はない。 実施例1(ADR法による体積含水率の測定) 粒径が1〜5.6mmの範囲にある鹿児島県産出のシラ
ス軽石培地を用いて、その含水状態を変化させてADR
法により測定を行ってその出力電圧を計り、出力電圧と
軽石培地の体積含水率との関係を調べた。その関係を、
横軸がADR計の出力電圧、縦軸が体積含水率のグラフ
にプロットすると、図3に示すグラフが得られた。
【0055】実施例2(体積含水率からpF値の算出) 1.試料の調製 粒径が1〜5.6mmの範囲にある鹿児島県産出のシラ
ス軽石試料と、前記軽石を粉砕して粒径が凡そ50〜2
00μmの範囲にある軽石微粒子試料とをそれぞれ用意
した。軽石試料と軽石微粒子試料とを100ミリリット
ルずつ秤量した。その重量は軽石試料が53gであり、
軽石微粒子試料が79.4gであった。次に、軽石試料
と軽石微粒子試料とをほぼ等重量ずつ混合することによ
って、混合土壌試料を調製した。混合土壌試料100ミ
リリットルの重量は72.5gであり、その内訳は、軽
石試料が35.2g、軽石微粒子試料が37.3gであ
った。
【0056】2.混合土壌試料等のpF値及び体積含水
率の測定 混合土壌試料について、加圧板法により種々のpF値に
対応する体積含水率を測定した。また、軽石微粒子試料
についても、同様に加圧板法により種々のpF値に対応
する体積含水率を測定した。これらの測定は、各試料の
含水状態を変えて幾通りにも測定した。なお、pF値の
測定に加圧板法を使用したのは、加圧板法で測定できる
pF値の範囲が実際の好適な栽培条件のpF値範囲に良
く入るためである。 3.混合結果によると、第1表に示すように、混合試料
Mの体積含水率が44.8(v/v%)のとき、pF値
は1.6であった。また、このpF値において、軽石微
粒子試料Pの体積含水率は53.3(v/v%)であっ
た。この混合試料Mの含水量(g)から、混合試料の軽
石微粒子分の含水量を減ずることにより、混合試料中の
軽石分の含水量を求め、それから軽石試料の体積含水率
を算出する。
【0057】100ミリリットルの混合試料Mの含水量
〔A3〕は、その体積含水率〔A2〕から44.8gで
あることが分かる。このうち、混合試料100ミリリッ
トル中の軽石微粒子成分(37.3g)が保持する含水
量〔A4〕は、[53.3×(37.3/79.4)]
=25.1gと計算される。そうすると、混合試料M中
の軽石成分が保持する含水量〔A5〕は、(〔A3〕−
〔A4〕)=(44.8−25.1)=19.7gとな
る。これは、35.2gの軽石試料が保持する含水量で
あるから、これを容積100ミリリットルを軽石全部で
満たした場合(軽石重量は53gである)に換算する
と、[19.7×(53/35.2)]=29.7gと
なる。この含水量は、容積100ミリリットルの軽石試
料に含まれるものであるから、その軽石試料の体積含水
率は29.7(v/v%)ということになる。したがっ
て、この軽石試料は、pF1.6において29.7(v
/v%)の体積含水率を有すると考えることができる。
【0058】同様の作業を幾つかのpF値について行
い、pF値と体積灌水率との相関関係を求めた。得られ
た結果を第1表に示す。第1表には、上記の試料につい
て、pF11.6;1.8;2;2.2;2.5及び
2.7における結果を示すものであるが、軽石微粒子試
料及び土壌試料について、それぞれpF0.4〜2.8
の範囲について測定して得られた結果をグラフとして示
した図6(a)及び(b)であり、この結果から算出さ
れた軽石試料の水分保持曲線のグラフを図6(c)とし
て示す。図6(c)のグラフで示される軽石試料のpF
値と体積含水率との関係をみると、本実施例の場合に
は、pF値1.6〜2.0の間ではグラフが平らなため
十分には使えないが、pF値2.0〜2.7の間ではp
F値と体積含水率との間に一定の相関関係が認められ、
これを基にして培地の灌水制御に使用することができ
る。実施例2で得られた水分保持曲線を用いて、実施例
1で得られたADR法による体積含水率の値を換算する
ことによって、その培地のpF値を容易に算出すること
ができる。
【0059】
【表1】
【0060】実施例3(ADR法による灌水制御) 粒径が1〜5.6mmの範囲にある鹿児島県産出のシラ
ス軽石培地を用いて、サラダナの栽培を行った。培養液
としては園芸試験所標準処方の培養液(「園試処方」と
略称されているもので、成分濃度N:16meq/リッ
トル(以下同じ)、P:4、K:8、Ca:8、Mg:
4)を用いた。まず、セルトレーにそれぞれサラダナの
種子を1粒播種して育苗した。育苗21日後に葉菜用栽
培ベッドに、栽培密度42株/m2 で定植した。栽培面
積は4m2 であった。灌水は、育苗、定植栽培共に、図
1に示すような自動制御によって行った。即ち、ADR
センサ36で培地の誘電率を測定し、上記実施例1及び
2で得られた相関関係をインプットした演算・制御装置
38によって誘電率定値から換算されたpF値に基づき
信号37、39を送り、灌水の制御を行った。具体的に
は、設定pF値を2.0に定め、測定されたpF値がこ
の値を上回ったら、演算・制御装置38によって電源盤
48を操作してポンプ33及び電磁弁34を作動させ、
培養液タンク32から培養液を点滴チューブ35に供給
して栽培ベッド31に滴下させて灌水を行い、pF値が
2.0になったら灌水を停止するという自動灌水制御を
行った。定植35日後に収穫とたところ、収穫量は32
03g/m2 であった。また、定植から収穫までの培養
液の使用量は84.6リットル/m2 であった。
【0061】比較例1(タイマーによる灌水制御) 実施例3と同様の方法で、実施例3の試験と並行してサ
ラダナの栽培を行った。但し、灌水はタイマーにより午
前9時及び午後3時の2回行い、それぞれ、栽培ベッド
から余剰の培養液が排出されるまで灌水を継続した。収
穫は2694g/m2 、定植から収穫までの培養液の使
用量は148.6リットル/m2 であった。また、収穫
時近くには栽培ベッドの表面に苔様のものが発生してい
たことがみとめられた。これは、実際の生育に必要な量
よりも多い量の培養液が供給されていたことを示すもの
である。実施例3と比較例1とを比較すると、本発明に
係る灌水制御方法を用いた栽培方法によれば、従来のタ
イマーによる灌水制御方法と比較して、より少ない培養
液量でより高い収穫量を得ることができた。即ち、本発
明方法によれば、作物が実際に必要としている量の培養
液を正確に制御して供給することが可能になるので、排
液等となる余分な供給を防ぐことができる。
【0062】実施例4 高さ20mのビルの屋上に縦10000mm、横500
0mm、高さ400mm、中の広さが45m2 の四角い
枠を設け、その底に防水シートを敷き、この中に粒径が
1〜5.6の粒状軽石(シラス)を厚さ200mmに入
れ、直径が約700mm、高さ約700mmのさつきを
50株、縦方向に5列(10株)になるように植えた。
中に入れた粒状軽石の重量は搬入時4050kgであっ
た。それに、給水管から培養液を送る点滴掛け流し方式
の点滴装置を設置した。ADR法で粒状軽石の含水率を
測定して、そのpF値を算出して、それに基づいて灌水
を行う自動灌水制御装置を設置して前記点滴装置に接続
し、前記点滴装置から自動的に灌水を行った。
【0063】
【発明の効果】本発明によれば、屋上及び地上緑化用緑
化システムにおいて、培地として粒状軽石を用い、かつ
粒状軽石のpF値に基づいて、自動灌水制御を行う緑化
システム用自動灌水制御装置を使用することにより、建
造物に対して重量の負担が小さくてすみ、かつ灌水にお
いて水(培養液)の量だけでなく、pF値という水(培
養液)の質までコントロールすることができる。pF値
は連続的電気的に計測できるので、逐次pF値を読みに
行って木目細かく灌水することができる。このことによ
り、肥料及び水の使用量を半減させることができる。し
かも、水(培養液)の廃液も出ないシステムになる。こ
のため、屋上の屋根のような培地を支持する支持部の痛
みも少なく、建造物の寿命を縮めるようなことがない。
【0064】屋上及び地上緑化用培地は、温室の培地と
違い、夏暑く、冬は地上より更に低温となり、過酷な環
境下におかれるが、各条件に適するように培地の体積含
水率を設定して、植物の生育に支障がないようにするこ
とができる。大量にに雨が降った場合でも、培地の透水
性がよいため、培地に過剰の水が満ち溢れることがな
く、屋根に大きな重量が急に掛かることがない。しかも
このような雨が降った場合は、土壌に含まれている肥料
成分が流れ出して、環境を汚染することがあるが、この
粒状軽石培地はもともとCECが低いので、流れ出す肥
料成分が少ない。このように、ADR法等のセンサでの
pF値に基づく自動灌水制御装置は、あらゆる環境条件
下で、素早く追従して灌水を行うので、極めて優れた効
果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例において用いた灌水自動制御栽
培装置の概略を示す図である。
【図2】ADR法による測定計の概要説明図である。
(a)は正面図、(b)は平面図である。
【図3】実施例1において行ったADR法によるシラス
軽石土壌の測定におけるセンサーの出力電圧と体積含水
率θとの関係を表すグラフである。
【図4】pF値と体積含水率との相関関係(水分保持曲
線)の測定に使用される加圧板法の概要説明図である。
【図5】水分保持曲線の測定に使用される砂柱法の概要
説明図である。
【図6】培地の体積含水率とpF値との関係を表わすグ
ラフであり、(a)は粉末試験試料についてのグラフ、
(b)は混合試料についてのグラフ、(c)は軽石試料
についてのグラフである。
【符号の説明】
1 土壌水分センサー 2 本体部 3 センサー部 4 接続部 5 信号ロッド 6 シールドロッド 10 加圧板装置 11 土壌試料 12 チャンバー 13 加圧板 14 素焼板 15 スクリーン 16 ゴム膜 17 加圧装置連通管 18 圧力ゲージ 19 金属排水孔 20 耐圧チューブ 21 排水口 22 ピンチコック 23 排水チューブ 24 排水ビン 31 栽培ベッド 32 培養液タンク 33 ポンプ 34 電磁弁 35 点滴チューブ 36 ADRセンサ 37、39 信号 38 演算・制御装置 40 電源盤 51 砂柱法装置 52 水洗いした砂 53 ポリエチレンシート又は蓋 54 採土円筒 55 排水口 56 コック 57 余剰水 58 水道水 59 給水口 60 コック 61 支持台 62 ブラススクリーン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A01G 31/00 606 E04D 13/00 Z E04D 13/00 A01G 27/00 502M Fターム(参考) 2B022 AA05 AB04 BA04 BB01 2B314 MA33 MA51 MA52 MA63 PB08 PB19 PB38 PB44 PC18 PC19 PC29

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建造物の屋上及び地上に培地を保持し、
    そこに植物を植える緑化システムにおいて、緑化用培地
    として粒状軽石を用い、前記培地へ培養液を供給する点
    滴かけ流し式点滴装置と、粒状軽石培地の体積含水率を
    測定する測定装置、前記測定装置の出力に基づいて粒状
    軽石のpF値を算出する演算装置、前記演算装置からの
    粒状軽石のpF値に基づいて、前記点滴装置への送出水
    量制御手段を備え、培養液の自動灌水制御を行うことを
    特徴とする緑化システム用自動灌水制御装置。
  2. 【請求項2】 前記の粒状軽石培地の体積含水率を測定
    する測定装置が、粒状軽石培地の含水率を電気的に連続
    検知するセンサとして、ADR法、TDR法又はFDR
    法のセンサを有することを特徴とする請求項1記載の緑
    化システム用自動灌水制御装置。
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