JP2021124343A - 演算方法、演算装置、および演算プログラム - Google Patents

演算方法、演算装置、および演算プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】既存のpF値センサを使用せずに、安価で且つ簡便にpF値を推定できる方法を実現する。【解決手段】本発明の一態様に係る演算方法は、実測飽和含水率または推定飽和含水率、実測体積含水率および実測pF値に基づき決定された、注目圃場についての体積含水率と水分張力値との関係式を準備する関係式準備工程と、前記関係式と、注目圃場が存する地点の気象データから算出した推定体積含水率とに基づき、注目圃場の土壌の推定pF値を算出する推定水分張力値算出工程とを含む。【選択図】図1

Description

本発明は、演算方法、演算装置、および演算プログラムに関する。
栽培において土壌水分の管理が重要な農作物を対象に、土壌水分環境を評価する手法が提案され、農業現場で実用化されている。例えば、非特許文献1には、基準蒸発散量と作物係数から圃場の蒸発散量を推定し、土壌水分(体積含水率)の変化を推定する手法が開示されている。非特許文献1に開示された手法を活用したかん水支援システムは、非特許文献2に記載のアメリカネブラスカ州における大豆の灌水支援システム「Soywater」や、非特許文献3に記載の栽培管理支援システムにおける大豆の灌水支援情報に採用されている。
しかし、作物の水分ストレスや吸水量を評価するには、体積含水率よりも土壌水分張力(以下、「pF値」と称する。)の方が有用である。pF値は、土壌間隙の水を保持しようとする力、または土壌中の水が間隙内にとどまろうとする力を表す。水分ストレスにより糖が上昇するウンシュウミカンの栽培管理おいては、土壌水分の管理は非常に重要であることから、ウンシュウミカンの産地を有する公設試験場等において、土壌水分評価技術に対する関心は非常に高く、適切な土壌水分管理による高品質果実生産技術の開発が進められている。
pF値は、既存のセンサを用いて測定することができるが、センサは高価であり、その維持管理にも労力と時間がかかる。そこで、pF値を推定する方法が研究されている。例えば、非特許文献4には、気象データから、土壌水分の変化量を評価すると共に、pF水分特性曲線を用いて土壌水分の変化量を評価することが開示されている。非特許文献5では、基準蒸発散量から土壌の体積含水率を評価するとともに、加圧板法で求めたpF水分特性曲線を用いてpF値を推定することが開示されている。
Allen, R.G. et al., 1997, FAO Irrigation and Drainage Paper No.56 熊谷悦史ら 2016、農業および園芸 第91巻 第6号、p.608−p.617 農研機構 農業環境変動研究センター 2019、栽培管理支援システム Ver.1.0. 利用マニュアル p.120−p.127 清野豁 1990、土壌の物理性 第61号、p.11−p.18 伊藤大雄ら 2013、東北の農業気象 vol.57、p.1−p.6
非特許文献4および5に開示された手法でpF値を推定するには、体積含水率とpF値との関係を示すpF水分特性曲線を作成する必要があるが、このpF水分特性曲線は、同じ種類の土壌であっても、物理性が異なる圃場毎に作成する必要がある。
さらに、このpF水分特性曲線を作成するには、pF値の範囲や大きさに応じて異なる手法(例えば、砂柱法、加圧板法、遠心法等)を適用する必要があるが、いずれのpF値の測定法であっても、高価な機械と長い計測時間を要する。このため、pF水分特性曲線の作成は、専門知識を有する技術者と特殊な装置を有する、一部の研究機関等でのみ実施可能であり、研究現場を超えて、一般の農業現場に従来技術を導入するのは困難である。
本発明は係る背景に鑑みて成されたものであり、本発明の一態様は、高価で且つ維持管理に労力および時間がかかる既存のpF値センサを使用せずに、安価で且つ簡便にpF値を推定できる方法を実現することを目的とする。
前記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る演算方法は、下記(1)に係る実測飽和含水率または推定飽和含水率、下記(2)に係る実測体積含水率、および下記(3)に係る実測水分張力値に基づき決定された、注目圃場についての体積含水率と水分張力値との関係を示す関係式を準備する関係式準備工程と、
(1)前記注目圃場の土壌について予め測定された実測飽和含水率、または前記注目圃場の土壌以外の土壌を含む複数の土壌の実測飽和含水率と、当該土壌の実測乾燥密度との回帰式を用いて、前記注目圃場の土壌の実測乾燥密度の測定値から算出された推定飽和含水率;
(2)前記注目圃場の土壌について予め測定された実測体積含水率;
(3)前記注目圃場の土壌について予め測定された実測水分張力値;
前記関係式準備工程において準備された関係式と、前記注目圃場が存する地点の気象データに基づき算出した前記注目圃場の土壌の推定体積含水率とに基づき、前記注目圃場の土壌の推定水分張力値を算出する、推定水分張力値算出工程と、を含む方法である。
また、前記の課題を解決するために、本発明の他の一態様に係る演算装置は、下記(1)に係る実測飽和含水率または推定飽和含水率、下記(2)に係る実測体積含水率、および下記(3)に係る実測水分張力値に基づき決定された、注目圃場についての体積含水率と水分張力値との関係を示す関係式を準備する関係式準備部と、
(1)前記注目圃場の土壌について予め測定された実測飽和含水率、または前記注目圃場の土壌以外の土壌を含む複数の土壌の実測飽和含水率と、当該土壌の実測乾燥密度との回帰式を用いて、前記注目圃場の土壌の実測乾燥密度の測定値から算出された推定飽和含水率;
(2)前記注目圃場の土壌について予め測定された実測体積含水率;
(3)前記注目圃場の土壌について予め測定された実測水分張力値;
前記関係式準備部において準備された関係式と、前記注目圃場が存する地点の気象データに基づき算出した前記注目圃場の土壌の推定体積含水率とに基づき、前記注目圃場の土壌の推定水分張力値を算出する、推定水分張力値算出部と、を備えている構成である。
本発明の一態様によれば、高価で且つ維持管理に労力および時間がかかる既存のpF値センサを使用せずに、安価で且つ簡便にpF値を推定することができるという効果を奏する。
本発明の一態様に係る演算方法の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施形態1に係る演算装置の要部構成を示すブロック図である。 本発明の他の一態様に係る演算方法の一例を示すフローチャートである。 16種類の異なる性質を有する土壌の飽和含水率を示す図である。 16種類の異なる性質を有する土壌についての飽和含水率と乾燥密度との関係を示す相関図である。 本発明の実施例の結果を示し、圃場Aについての推定飽和含水率、実測体積含水率および実測水分張力値から得られる曲線およびvan Genuchtenのモデルによる推定pF値の算出式から得られる曲線を示す図である。 本発明の実施例の結果を示し、圃場Aの裸地区の土壌の体積含水率およびpF値を経時的に調査した結果を表す図である。 本発明の実施例の結果を示し、圃場Aのマルチ区の土壌の体積含水率およびpF値を経時的に調査した結果を表す図である。
〔演算方法〕
本発明の一態様に係る演算方法は、下記(1)に係る実測飽和含水率または推定飽和含水率、下記(2)に係る実測体積含水率、および下記(3)に係る実測水分張力値に基づき決定された、注目圃場についての体積含水率と水分張力値との関係を示す関係式を準備する関係式準備工程と、
(1)前記注目圃場の土壌について予め測定された実測飽和含水率、または前記注目圃場の土壌以外の土壌を含む複数の土壌の実測飽和含水率と、当該土壌の実測乾燥密度との回帰式を用いて、前記注目圃場の土壌の実測乾燥密度から算出された推定飽和含水率;
(2)前記注目圃場の土壌について予め測定された実測体積含水率;
(3)前記注目圃場の土壌について予め測定された実測水分張力値;
前記関係式準備工程において準備された関係式と、前記注目圃場が存する地点の気象データに基づき算出した前記注目圃場の土壌の推定体積含水率とに基づき、前記注目圃場の土壌の推定水分張力値を算出する、推定水分張力値算出工程と、を含む構成である。
本発明の一態様に係る演算方法では、前記実測体積含水率と、当該実測体積含水率を測定した時点での前記注目圃場が存する地点の気象データに基づき算出した前記注目圃場の土壌の第1推定基準蒸発散量と、に基づき決定された、前記注目圃場の作物係数を準備する作物係数準備工程と、
水分張力値算出時点での前記注目圃場が存する地点の気象データに基づき前記注目圃場の土壌の第2推定基準蒸発散量を算出する、第2推定基準蒸発散量算出工程と、
前記第2推定基準蒸発散量算出工程によって算出された前記第2推定基準蒸発散量と、前記作物係数準備工程において準備された前記作物係数とに基づき、前記注目圃場の推定実蒸発散量を算出する推定実蒸発散量算出工程と、
前記推定実蒸発散量算出工程によって算出された前記推定実蒸発散量に基づき、前記注目圃場の土壌の推定体積含水率を算出する推定体積含水率算出工程と、をさらに含み、
前記推定体積含水率算出工程によって算出された前記推定体積含水率を、前記推定水分張力値算出工程において用いる構成とすることができる。
ここで、本発明の一態様に係る演算方法について図1および図2を用いて説明する。図1は、本発明の一態様に係る演算方法の一例を示すフローチャートであり、図2は、当該フローチャートに示す処理を実行する演算装置の一態様を示すブロック図である。
まず、ステップS101において、関係式準備部11は、下記(1)に係る実測飽和含水率または推定飽和含水率、下記(2)に係る実測体積含水率、および下記(3)に係る実測水分張力値に基づき決定された、注目圃場についての体積含水率と水分張力値との関係を示す関係式を準備する(関係式準備工程):
(1)前記注目圃場の土壌について予め測定された実測飽和含水率、または前記注目圃場の土壌以外の土壌を含む複数の土壌の実測飽和含水率と、当該土壌の実測乾燥密度との回帰式を用いて、前記注目圃場の土壌の実測乾燥密度から算出された推定飽和含水率;
(2)前記注目圃場の土壌について予め測定された実測体積含水率;
(3)前記注目圃場の土壌について予め測定された実測水分張力値。
具体的には、関係式データベース(DB)4から、注目圃場についての体積含水率と水分張力値(以下、「pF値」ともいう)との関係を示す関係式を取得することによって注目圃場についての前記関係式を準備する。関係式準備部11は、取得した前記関係式を推定水分張力値算出部14に供給する。
前記注目圃場についての体積含水率とpF値との関係を示す関係式(以下、「推定pF値の算出式」と称する)のデータは、例えば、関係式DB4のようなデータベースに格納されている。関係式DB4には、注目圃場についての推定pF値の算出式を含む複数種類の圃場についての推定pF値の算出式のデータが格納されていてもよい。関係式準備工程では、関係式準備部11が、必要に応じて、関係式DB4から注目圃場についての推定pF値の算出式のデータを取得することによって、注目圃場についての推定pF値の算出式を準備する。関係式DB4は、演算装置1のハードディスクに保存されていてもよく、サーバ上に保存されていてもよい。
注目圃場についての推定pF値の算出式は、前記実測飽和含水率または前記推定飽和含水率と、前記実測体積含水率と、前記実測pF値とに基づき予め決定される。注目圃場についての推定pF値の算出式の決定に用いる飽和含水率の値は、実測値である実測飽和含水率であってもよく、推定値である推定飽和含水率であってもよい。
ここで、前記「実測飽和含水率」は、土壌の飽和含水率の実測値である。土壌の飽和含水率は、例えば、採土管で採取した100mlの土壌の飽和重量(g)および乾燥重量(g)をそれぞれ測定し、以下の式(1)から飽和含水率(%)を算出することができる。前記「実測飽和含水率」の測定方法はこの方法に限定されない。
Figure 2021124343
また、前記「推定飽和含水率」は、注目圃場の土壌以外の土壌を含む複数の土壌の実測飽和含水率と、当該土壌の実測乾燥密度との回帰式を用いて、前記注目圃場の土壌の実測乾燥密度の測定値から算出された値である。前記「実測乾燥密度」は、土壌の乾燥密度の実測値である。前記「乾燥密度」は、一定体積当たりの土壌の乾燥重量を表している。土壌の乾燥密度は、例えば、後述する実施例に示す方法によって測定することができる。
後述する実施例で具体的に説明するが、本発明者らは、土壌の飽和含水率と乾燥密度とが相関していることを見出し、飽和含水率と乾燥密度との関係を示す回帰式を用いることにより、土壌の乾燥密度に基づき飽和含水率を推定できることを明らかにした。従来の飽和含水率の測定方法は工程が多く、飽和含水率を取得するために手間と時間がかかる。一方で、乾燥密度は、一定体積当たりの土壌の乾燥前後の重さを量るだけで簡単に求めることができる。このため、この飽和含水率と乾燥密度との関係を示す回帰式を用いて土壌の実測乾燥密度に基づきの飽和含水率を算出することにより、土壌の乾燥密度を測定するだけで飽和含水率を簡便に且つ迅速に推定し得る。
前記「実測体積含水率」は、土壌の体積含水率の実測値である。土壌の体積含水率は、例えば、既存の水分センサ、土壌水分計等を用いて測定することができる。
前記「実測pF値」は、土壌のpF値の実測値である。土壌のpF値は、例えば、既存のテンシオメータ、pFセンサ等を用いて測定することができる。後述する実施例で具体的に説明するが、本発明の一態様に係る演算方法によれば、推定pF値の算出式の作成には、テンシオメータを用いて測定したpF値を好適に利用することができる。そして、そのようにして作成した推定pF値の算出式を用いてpF値を精度よく推定できる。テンシオメータは、既存の高価なpFセンサよりも入手が容易であり且つ研究者以外でも容易に取扱いできることからより好ましい。
前記「推定pF値の算出式」は、具体的には、van Genuchtenのモデル(参考文献1:van Genuchten, M. Th. 1980, Soil Sci. Soc. Am. J., VOL. 44:892-898)による推定pF値の算出式(以下の式(2))である:
Figure 2021124343
(前記式(2)中、Seは、次式(3)で表される相対水分率である。
Figure 2021124343
前記式(3)中、θは体積含水率、θsは飽和含水率、θrは残留水分率を表す。)。
推定pF値の算出式中のパラメータα、n、mおよびθrは、前記実測飽和含水率または前記推定飽和含水率と、前記実測体積含水率と、前記実測pF値とに基づき決定される。具体的には、前記実測飽和含水率または前記推定飽和含水率と、前記実測体積含水率と、前記実測pF値とから得られる曲線と、前記推定pF値の算出式に前記実測飽和含水率または前記推定飽和含水率と前記実測体積含水率とを代入して得られる曲線とが一致するように、推定pF値の算出式中の各パラメータの値を調整すればよい。
注目圃場についての推定pF値の算出式を決定するために用いる前記実測体積含水率および前記実測pF値のデータセットは、それぞれ、注目圃場の土壌について、湿潤状態から乾燥状態に至る異なる水分条件で取得すればよい。例えば、テンシオメータで計測可能な0<pF≦2.7の範囲の水分条件で、注目圃場の土壌の前記実測pF値および前記実測体積含水率の実測データのセットを数点(例えば、3〜4点)測定すればよい。前記実測体積含水率および前記実測pF値の実測データのセット数は、特に制限されないが、少なくとも2点以上取得することで信頼性のあるデータを取得することができる。
関係式準備部11は、図示しない入力部を介してユーザによる指示ないし入力を受け付けて、ステップS101の処理を開始してもよいし、予め設定された期間毎に定期的にステップS101の処理を開始してもよい。前記「ユーザによる指示ないし入力」としては、例えば、注目圃場の名称、注目圃場の位置情報、pF値の算出日時等であり得る。
次いで、ステップS102において、作物係数準備部12は、実測体積含水率と、当該実測体積含水率を測定した時点での注目圃場が存する地点の気象データに基づき算出した注目圃場の土壌の第1推定基準蒸発散量と、に基づき決定された、注目圃場の作物係数を準備する(作物係数準備工程)。具体的には、作物係数準備部12は、作物係数データベース(DB)3から、注目圃場についての作物係数を取得することによって注目圃場についての作物係数を準備する。作物係数準備部12は、取得した作物係数をパラメータ算出部13に供給する。
注目圃場についての作物係数のデータは、例えば、作物係数DB3のようなデータベースに格納されている。作物係数DB3には、注目圃場についての作物係数を含む複数種類の圃場の作物係数のデータが格納されていてもよい。作物係数準備工程では、作物係数準備部12が、必要に応じて、作物係数DB3から注目圃場についての作物係数のデータを取得することによって、注目圃場についての作物係数を準備する。作物係数DB3は、演算装置1のハードディスクに保存されていてもよく、サーバ上に保存されていてもよい。
注目圃場についての作物係数は、前記実測体積含水率と、当該実測体積含水率を測定した時点での前記注目圃場が存する地点の気象データに基づき算出した前記注目圃場の土壌の第1推定基準蒸発散量とに基づき予め決定される。
ここで、前記「実測体積含水率」は、前述の関係式準備工程において、推定pF値の算出式を決定する際に用いた実測体積含水率である。
前記「第1推定基準蒸発散量」は、前記実測体積含水率を測定した時点での注目圃場が存する地点の気象データに基づき算出された、注目圃場の土壌の推定基準蒸発散量である。前記「基準蒸発散量」は、潜在的な蒸発散の基準値(mm)を表している(非特許文献3:農研機構 農業環境変動研究センター 2019、栽培管理支援システム Ver.1.0. 利用マニュアル p.120−p.127)。FAOの灌水に関するガイドライン(非特許文献1:Allen, R.G. et al., 1997, FAO Irrigation and Drainage Paper No.56、通称「FAO−56」)では、Reference evapotranspiration(ETo)として説明されている。
気象データからの基準蒸発散量の算出方法としては、例えば、下記式(4)を用いるPriestly-Taylor法(PT法)を用いる方法を挙げることができる。
Figure 2021124343
(前記式(4)中、s:飽和水蒸気圧曲線の勾配、γ:乾湿計定数、G:地中伝熱量、Rn:純放射量である。)
このモデル式(4)の各係数(純放射量、乾湿計定数、飽和水蒸気圧曲線の勾配)は、FAO−56に記載の式を用いて、気温と日射量とから算出することができる。地中伝熱量については無視してもよい。FAO−56では、基準蒸発散量として、Penman-Monteith法(PM法)による蒸発散量を推奨しているが、(i)PM法は風速のデータが必要であること、(ii)PT法のような放射法(Radiation methods)は、湿潤な気候では良い結果が得られること、(iii)PT法は、PM法を含む他の手法に比べ、最も観測値に近かったという報告がある(Douglas et al. 2009, J Hydrology 373)ことから、基準蒸発散量は、PT法を用いて算出することが好ましい。
また、気象データからの基準蒸発散量を算出する別の方法としては、例えば、西日本農業研究センターが提供している農地環境推定システムを利用することができる(参考文献2:「中山間地の精密な気象データをアメダス等から推定する農地環境推定システム」,西日本農業研究センター 2017年 研究成果情報;参考文献3:植山ら 2018、生物と気象、vol.18、p.76−p.85)。農地環境推定システムによれば、近隣のアメダスポイントの観測値等の公共データから、対象地の気象データ(日最高気温、日最低気温、日平均気温、日平均相対湿度、日積算日射量、日積算降水量、当該時間までの日積算降水量、6時間先降水量、日積算基準蒸発散量)を取得することができる。
第1推定基準蒸発散量の算出に用いる気象データとしては、例えば、日最高気温、日最低気温、日積算日射量、風速等を挙げることができ、日最高気温、日最低気温および日積算日射量を組み合わせて用いることが好ましい。日最高気温、日最低気温および日積算日射量の組合せから、PT法で用いる純放射量の算出に必要な短波放射収支(下向き短波放射量と上向き短波放射量との差)と長波放射収支(下向き長波放射量と上向き長波放射量との差)を推定することができる。短波放射収支および長波放射収支の推定式は、FAO−56に記載の式を用いて算出することができる。短波放射収支は、地表面の日射量の反射率であるアルベドと日積算日射量から算出する。長波放射収支は、日最高気温、日最低気温、日積算日射量、水蒸気圧(日最高気温と日最低気温とから推定)、晴天日射量(標高と大気外日射量から推定)から算出する。これらの推定式において、推定値の代わりに実測値を用いることも可能である。FAO−56の推定式の採用は、日最高気温、日最低気温および日積算日射量という一般的な気象データのみで純放射量を算出し得ることから、実用的である。なお、気象データから第1推定基準蒸発散量を算出する例を説明したが、第1推定基準蒸発散量は、降雨量または潅水量に基づき算出することも可能である。
前記「作物係数」は、作物毎に固有の係数であり、生育ステージに応じて変動する。FAO−56では、Crop coefficient(Kc)として説明されている。前記「作物係数」は、前記実測体積含水率から実蒸発散量を算出し、得られた実蒸発散量を前記第1推定基準蒸発散量で除することで算出することができる。
次いで、ステップS103において、パラメータ算出部13は、気象データ測定装置2から、注目圃場が存する地点の気象データを受け付ける。
次いで、ステップS104において、パラメータ算出部13は、水分張力値算出時点での注目圃場が存する地点の気象データに基づき、注目圃場の土壌の第2推定基準蒸発散量を算出する(第2推定基準蒸発散量算出工程)。具体的には、パラメータ算出部13は、ステップS103で取得した気象データに基づき注目圃場の土壌の第2推定基準蒸発散量を算出する。
前記「第2推定基準蒸発散量」は、pF値算出時の注目圃場が存する地点の気象データに基づき算出された、注目圃場の土壌の推定基準蒸発散量である。気象データから注目圃場の基準蒸発散量を算出する方法は、前記「作物係数準備工程」の項でも説明したが、PT法を用いた算出方法や、西日本農業研究センターが提供している農地環境推定システムを利用することができる。なお、第2推定基準蒸発散量についても、第1推定基準蒸発散量と同様に、降雨量または潅水量に基づき算出することも可能である。
次いで、ステップS105において、パラメータ算出部13は、第2推定基準蒸発散量算出工程によって算出された第2推定基準蒸発散量と、作物係数準備工程において準備された作物係数とに基づき、注目圃場の推定実蒸発散量を算出する(推定実蒸発散量算出工程)。具体的には、パラメータ算出部13は、ステップS104で算出した第2推定基準蒸発散量と、ステップS102で取得した作物係数とに基づき、注目圃場の推定実蒸発散量を算出する。
前記「実蒸発散量」は、作物の生育ステージや作土の乾燥状態を加味した実際の蒸発散の推定値(mm)を表している(非特許文献3:農研機構 農業環境変動研究センター 2019、栽培管理支援システム Ver.1.0. 利用マニュアル p.120−p.127)。FAO−56では、Crop evapotranspiration under non-standard conditions(ETc adj)として説明されている。
注目圃場の推定実蒸発散量は、ステップS104で算出された第2推定基準蒸発散量に、ステップS102で取得した作物係数を乗ずることで、推定実蒸発散量を算出することができる(非特許文献1を参照)。
次いで、ステップS106において、パラメータ算出部13は、推定実蒸発散量算出工程によって算出された推定実蒸発散量に基づき、注目圃場の土壌の推定体積含水率を算出する(推定体積含水率算出工程)。具体的には、パラメータ算出部13は、ステップS105で算出した推定実蒸発散量に基づき、注目圃場の土壌の推定体積含水率を算出する。パラメータ算出部13は、算出した推定体積含水率を推定水分張力値算出部14に供給する。
推定体積含水率の算出方法としては、具体的には、まず、pF測定対象日をt日とすると、t日の注目圃場における降水量(mm)からステップS105で算出された推定実蒸発散量(mm)を減じることで、t日の注目圃場の表層の土壌水分増加量(mm)を算出する。次いで、t日の注目圃場の表層の土壌水分増加量を、注目圃場の表層の厚さ(mm)で除し、これを、pF測定対象日の前日(t−1日)の体積含水率に加えることで、t日の推定体積含水率を算出することができる。
次いで、ステップS107において、推定水分張力値算出部14は、関係式準備工程において準備された関係式と、注目圃場が存する地点の気象データに基づき算出した注目圃場の土壌の推定体積含水率とに基づき、注目圃場の土壌の推定水分張力値を算出する(推定水分張力値算出工程)。具体的には、推定水分張力値算出部14は、ステップS101で取得した前記関係式と、ステップS106で算出した推定体積含水率とに基づき、注目圃場の土壌の推定pF値を算出する。推定水分張力値算出部14は、算出した推定pF値のデータを出力制御部16に供給する。
次いで、ステップS108において、出力制御部16は、取得した推定pF値のデータを出力する。出力制御部16は、インターネット等の通信を介して、ステップS107において算出した注目圃場の土壌の推定pF値を、ディスプレイ、スマートフォン、タブレット端末等の外部の表示装置に出力してもよい。これにより、ユーザが表示装置に表示された注目圃場の土壌の推定pF値を把握することができる。得られた推定pF値は、灌水のタイミングを決めるなど、農産物の品質管理に用いることができる。高糖度の果実とpF値の関係もあるといわれており、pF値を把握することは、農産物の品質管理において重要である。
本発明の一態様に係る演算方法によれば、高価で且つ維持管理に労力および時間がかかる既存のpF値センサを使用せずに、安価で且つ簡便にpF値を推定することができるので、一般の農業現場において、pF値等の土壌水分データに基づく高度な栽培管理の実現が可能となる。
また、本発明の一態様に係る演算方法によれば、注目圃場についての推定pF値の算出式を決定する際に体積含水率とpF値を測定すれば、その後は、pF値を測定しなくとも、注目圃場についての推定pF値の算出式を用いて、気象データからpF値を推定することができるという利点を有している。また、推定pF値の算出式の決定のために用いる体積含水率とpF値は、水分センサやテンシオメータ等の安価な計測装置にて容易に測定可能であり、高価なセンサを必要としない。さらには、本発明の一態様に係る演算方法によれば、従来のテンシオメータでは測定することができなかったpF2.7以上のpF値も推定することが可能となるという優れた効果を奏する。
(演算方法の変形例)
本発明の他の一態様に係る演算方法は、前記推定水分張力値算出工程によって算出した前記推定pF値に基づいて、前記注目圃場の土壌の水分変化量を推定する土壌水分変化量推定工程をさらに含む構成としてもよい。
かかる構成とすることにより、pF値に基づく注目圃場の土壌の水分変化量を推定することができるので、推定pF値の変化に応じた高度な栽培管理の実現が可能となる。
本発明の他の一態様に係る演算方法について図2および図3を用いて説明する。図3は、本発明の他の一態様に係る演算方法の一例を示すフローチャートである。この変形例では、ステップS107で算出した推定pF値のデータをステップS108で出力する代わりに、ステップS107で算出した推定pF値に基づいて、注目圃場の土壌の水分変化量を推定し(ステップS301)、推定した水分変化量を出力する(ステップS302)点が、図1に示した演算方法と異なっている。そこで、ステップS301およびステップS302について説明し、それ以外のステップS101〜ステップS107については、その説明を省略する。
ステップS301において、土壌水分量推定部15は、ステップS107で算出した推定pF値に基づいて、注目圃場の土壌の水分変化量を推定する。土壌水分量推定部15は、水分変化量推定結果のデータを出力制御部16に供給する。
次いで、ステップS302において、出力制御部16は、取得した水分変化量推定結果のデータを表示装置(図示しない)に出力する。注目圃場の土壌の水分変化量を推定する方法としては、後述する実施例に示すように、pF値を経時的に推定し記録することにより、注目圃場の土壌の水分量がどのように変化しているかを推定することができる。
〔演算装置〕
本発明の各態様に係る演算方法は、演算装置1によって実施することができる。以下、本発明の一態様に係る演算装置について説明する。但し、上述した演算方法において説明した内容と重複する内容に関しては、その説明を簡略化または繰り返さないこととする。
図2は、本発明の実施形態1に係る演算装置1の要部構成を示すブロック図である。図2に示すように、演算装置1は、関係式準備部11、作物係数準備部12、パラメータ算出部13、推定水分張力値算出部14、土壌水分量推定部15および出力制御部16を備えている。演算装置1は、注目圃場の土壌の推定pF値を算出する装置である。演算装置1は、例えば、演算部(プロセッサ、CPU(Central Processing Unit)等)及び記憶部(RAM等のメインメモリ、HDD/SDD等のストレージ、レジスタ及びキャッシュメモリ等)から構成される。記憶部は、データベース(DB)から取得したデータなど、各処理で必要なデータを記憶するものであってもよい。演算装置1は、ユーザの指示を受け付ける入力部(図示しない)をさらに備えていてもよい。
演算装置1は、気象データ測定装置2、作物係数データベース3(以下「作物係数DB3」)および関係式データベース4(以下、「関係式DB4」)と、無線接続または有線接続されている。
気象データ測定装置2は、注目圃場が存する地点の気象データを測定する。作物係数DB3には、少なくとも注目圃場の作物係数を含む1つ以上の作物係数のデータが格納されている。関係式DB4には、少なくとも注目圃場についての体積含水率とpF値との関係を示す関係式を含む1つ以上の関係式のデータが格納されている。また、図示は省略したが、演算装置1、気象データ測定装置2、作物係数DB3および関係式DB4は、無線接続または有線接続を実現するための通信部または接続部を備えている。
関係式準備部11は、注目圃場についての体積含水率とpF値との関係を示す関係式を関係式DB4から取得することによって注目圃場についての前記関係式を準備する。具体的には、関係式準備部11は、図1または図3のステップS101の処理を行う。また、関係式準備部11は、取得した注目圃場についての関係式を推定水分張力値算出部14に供給する。
作物係数準備部12は、注目圃場についての作物係数を作物係数DB3から取得することによって注目圃場についての作物係数を準備する。具体的には、作物係数準備部12は、図1または図3のステップS102の処理を行う。また、作物係数準備部12は、取得した注目圃場についての作物係数をパラメータ算出部13に供給する。
パラメータ算出部13は、注目圃場の土壌の推定基準蒸発散量、推定実蒸発散量および推定体積含水率を算出する。具体的には、パラメータ算出部13は、図1または図3のステップS103〜ステップS106の処理を行う。パラメータ算出部13は、これらのパラメータを算出するために、注目圃場が存する地点の気象データを気象データ測定装置2から取得し、注目圃場についての作物係数を作物係数準備部12から取得する。また、パラメータ算出部13は、算出した推定体積含水率を推定水分張力値算出部14に供給する。
推定水分張力値算出部14は、関係式準備部11から注目圃場についての推定pF値の算出式を取得し、当該推定pF値の算出式を用いて推定体積含水率から推定pF値を算出する。具体的には、推定水分張力値算出部14は、図1または図3のステップS107の処理を行う。また、推定水分張力値算出部14は、算出した推定pF値を土壌水分量推定部15に供給する。
土壌水分量推定部15は、推定pF値に基づいて、注目圃場の土壌の水分変化量を推定する。具体的には、土壌水分量推定部15は、図3のステップS301の処理を行う。
出力制御部16は、演算装置1からの演算結果の出力を制御する。具体的には、土壌水分量推定部15は、図1のステップS108または図3のステップS302の処理を行う。出力制御部16は、演算装置1からの演算結果を、演算装置1に無線接続または有線接続されている表示装置(図示しない)に表示させてもよく、または演算装置1からの演算結果のデータを出力してもよい。前記演算結果としては、パラメータ算出部13が算出した各パラメータの数値、推定水分張力値算出部14が算出した推定pF値および土壌水分量推定部15が推定した水分変化量が含まれる。
〔ソフトウェアによる実現例〕
演算装置1の制御ブロック(特に関係式準備部11、作物係数準備部12、パラメータ算出部13、推定水分張力値算出部14、土壌水分量推定部15および出力制御部16)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
後者の場合、演算装置1は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば1つ以上のプロセッサを備えていると共に、前記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えている。そして、前記コンピュータにおいて、前記プロセッサが前記プログラムを前記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。前記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。前記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、前記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、前記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して前記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、前記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る演算方法は、下記(1)に係る実測飽和含水率または推定飽和含水率、下記(2)に係る実測体積含水率、および下記(3)に係る実測水分張力値に基づき決定された、注目圃場についての体積含水率と水分張力値との関係を示す関係式を準備する関係式準備工程と、
(1)前記注目圃場の土壌について予め測定された実測飽和含水率、または前記注目圃場の土壌以外の土壌を含む複数の土壌の実測飽和含水率と、当該土壌の実測乾燥密度との回帰式を用いて、前記注目圃場の土壌の実測乾燥密度から算出された推定飽和含水率;
(2)前記注目圃場の土壌について予め測定された実測体積含水率;
(3)前記注目圃場の土壌について予め測定された実測水分張力値;
前記関係式準備工程において準備された関係式と、前記注目圃場が存する地点の気象データに基づき算出した前記注目圃場の土壌の推定体積含水率とに基づき、前記注目圃場の土壌の推定水分張力値を算出する、推定水分張力値算出工程と、を含む方法である。
本発明の態様2に係る演算方法は、前記の態様1において、前記実測体積含水率と、当該実測体積含水率を測定した時点での前記注目圃場が存する地点の気象データに基づき算出した前記注目圃場の土壌の第1推定基準蒸発散量と、に基づき決定された、前記注目圃場の作物係数を準備する作物係数準備工程と、
水分張力値算出時点での前記注目圃場が存する地点の気象データに基づき前記注目圃場の土壌の第2推定基準蒸発散量を算出する、第2推定基準蒸発散量算出工程と、
前記第2推定基準蒸発散量算出工程によって算出された前記第2推定基準蒸発散量と、前記作物係数準備工程において準備された前記作物係数とに基づき、前記注目圃場の推定実蒸発散量を算出する推定実蒸発散量算出工程と、
前記推定実蒸発散量算出工程によって算出された前記推定実蒸発散量に基づき、前記注目圃場の土壌の推定体積含水率を算出する推定体積含水率算出工程と、をさらに含み、
前記推定体積含水率算出工程によって算出された前記推定体積含水率を、前記推定水分張力値算出工程において用いる方法としてもよい。
本発明の態様3に係る演算方法は、前記の態様1または2において、前記気象データは、日最高気温、日最低気温および日積算日射量である方法としてもよい。
本発明の態様4に係る演算方法は、前記の態様1〜3のいずれかにおいて、前記推定水分張力値算出工程によって算出した前記推定水分張力値に基づいて、前記注目圃場の土壌の水分変化量を推定する土壌水分変化量推定工程をさらに含む方法としてもよい。
本発明の態様5に係る演算装置は、下記(1)に係る実測飽和含水率または推定飽和含水率、下記(2)に係る実測体積含水率、および下記(3)に係る実測水分張力値に基づき決定された、注目圃場についての体積含水率と水分張力値との関係を示す関係式を準備する関係式準備部と、
(1)前記注目圃場の土壌について予め測定された実測飽和含水率、または前記注目圃場の土壌以外の土壌を含む複数の土壌の実測飽和含水率と、当該土壌の実測乾燥密度との回帰式を用いて、前記注目圃場の土壌の実測乾燥密度から算出された推定飽和含水率;
(2)前記注目圃場の土壌について予め測定された実測体積含水率;
(3)前記注目圃場の土壌について予め測定された実測水分張力値;
前記関係式準備部において準備された関係式と、前記注目圃場が存する地点の気象データに基づき算出した前記注目圃場の土壌の推定体積含水率とに基づき、前記注目圃場の土壌の推定水分張力値を算出する、推定水分張力値算出部と、を備えている構成である。
本発明の各態様に係る演算装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを前記演算装置が備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより前記演算装置をコンピュータにて実現させる演算装置の演算プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
[飽和含水率と乾燥密度と関係性についての事前調査]
本願発明者らは、日本の農地土壌の物理的性質データベースSolphyJ(参考文献4:農研機構農業環境変動研究センター平成22年度主要研究成果,[令和2年1月28日検索],インターネット<URL:https://www.naro.affrc.go.jp/archive/niaes/sinfo/result/result27/result27_60.html>)に収録されている、土壌の飽和含水率および乾燥密度のデータに着目した。図4は、SolphyJに収録されている16種類の異なる性質を有する土壌の飽和含水率を示すグラフである(データ数N=706)。
そこで、図4に示した706個の土壌サンプル中689個の土壌サンプルについて、飽和含水率と乾燥密度との関係を図5の相関図に示したところ、飽和含水率と乾燥密度との関係を示すプロットは、ほぼ一直線上にのっており、土壌の乾燥密度と飽和含水率とに高い相関があることが明らかになった。そして、土壌の飽和含水率と乾燥密度とを回帰分析することにより以下の回帰式(5)を求めた。
飽和含水率(%)=−0.359×乾燥密度+0.972・・・(5)
従来の飽和含水率の測定方法は工程が多く、飽和含水率を取得するために手間と時間がかかる。これに対して、飽和含水率と乾燥密度との関係を示す前記回帰式を用いることにより、乾燥密度を測定するだけで飽和含水率を簡便に且つ迅速に推定し得ることが明らかになった。
〔実施例1〕
注目圃場として、独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構の四国研究拠点の柑橘圃場(以下、「圃場A」と称する。)を選出し、圃場Aの土壌水分変化量を推定した。
[事前調査の手順]
圃場Aの土壌水分変化量を推定するための事前調査として、下記(A)〜(E)の手順で、圃場Aについての推定pF値の算出式のパラメータおよび作物係数を決定した。
<(A)圃場Aの土壌の体積含水率およびpF値の測定>
圃場Aの土壌(マルチ区または裸地区)について、それぞれ、湿潤状態から乾燥状態に至る異なる水分条件における体積含水率とpF値を測定し、3〜4点のデータセットを得た。
体積含水率は、水分センサ(株式会社A・R・P製、型番WD−3−W−5Y)を用いて測定した。pF値は、テンシオメータ(株式会社竹村電機製作所製、型番DM−8HG−100)を用いて測定した。水分条件は、テンシオメータにより測定可能な乾燥程度(pF2.7程度以下)とした。体積含水率およびpF値を測定すると同時に、圃場Aの土壌の基準蒸発散量の観測も行った。
<(B)圃場Aの土壌の乾燥密度の算出>
採土管(100ml)で採取した100mlの土壌を乾燥させ、乾燥重量から乾燥密度(g/cm)を算出した。その結果、圃場Aのマルチ区の実測乾燥密度は1.432g/cmであり、圃場Aの裸地区の実測乾燥密度は1.638g/cmであった。
<(C)圃場Aの飽和含水率の算出>
前記(B)で得られた実測乾燥密度と、前記「飽和含水率と乾燥密度との関係性についての事前調査」の項で準備した飽和含水率と乾燥密度との関係を示す以下の回帰式(5)とから、圃場Aの土壌の飽和含水率(推定飽和含水率)を算出した。
飽和含水率(%)=−0.359×乾燥密度+0.972・・・(5)
その結果、圃場Aのマルチ区の推定飽和含水率は0.458(45.8%)であり、圃場Aの裸地区の推定飽和含水率は0.384(38.4%)であった。なお、飽和含水率の実測値は、マルチ区43.1%、裸地区36.1%であり、回帰式(5)を用いて算出した推定飽和含水率と実測値との間に大きなずれは生じなかった。このことから、飽和含水率と乾燥密度との関係を示す以下の回帰式(5)と実測乾燥密度とから、土壌の推定飽和含水率を簡便に且つ精度よく推定できることが証明された。
<(D)圃場Aについての推定pF値の算出式の準備>
前記(C)で得られた推定飽和含水率、前記(A)で得られた実測体積含水率および前記(A)で得られた実測水分張力値から得られる曲線(図6に示す実線のグラフ)と、van Genuchtenのモデル(参考文献1:van Genuchten, M. Th. 1980, Soil Sci. Soc. Am. J., VOL. 44:892-898)による推定pF値の算出式(以下の式(2))に、前記推定飽和含水率と前記実測体積含水率とを代入して得られる曲線(図6に示す破線のグラフ)とが一致するように、推定pF値の算出式中のパラメータを決定した。なお、図6の1061に示す実線のグラフは、圃場Aのマルチ区の推定飽和含水率、実測体積含水率および実測水分張力値から得られる曲線を表し、図6の1062に示す実線のグラフは、圃場Aの裸地区の推定飽和含水率、実測体積含水率および実測水分張力値から得られる曲線を表している。
Figure 2021124343
(前記式(2)中、Seは、次式(3)で表される相対水分率である。
Figure 2021124343
前記式(3)中、θは体積含水率、θsは飽和含水率、θrは残留水分率を表す。)
その結果、圃場Aのマルチ区についての推定pF値の算出式中のパラメータは、α:0.32、θr:0.05、n:1.32、m:0.242に決定した。また、圃場Aの裸地区についての推定pF値の算出式中のパラメータは、α:0.15、θr:0.09、n:1.35、m:0.259に決定した。
以上の結果から、圃場Aのマルチ区についての推定pF値の算出式は以下の式(6)に決定した。
Figure 2021124343
(前記式(6)中、Seは、次式(7)で表される相対水分率である。)
Figure 2021124343
また、圃場Aの裸地区についての推定pF値の算出式は以下の式(8)に決定した。
Figure 2021124343
(前記式(8)中、Seは、次式(9)で表される相対水分率である。)
Figure 2021124343
<(E)圃場Aの作物係数の準備>
前記(A)で測定した圃場Aの土壌の実測体積含水率と、圃場Aが存する地点の気象データより求めた基準蒸発散量(第1推定基準蒸発散量)とから、圃場Aについての作物係数を算出した。なお、水分状態が異なっても適用できる数値を出すため、作物係数は、1日のデータではなく、雨が降っていない28日間の観測値の平均値として算出した。但し、研究目的ではなく、普及員等が実際の農業現場でこの手法を活用する場合は、土壌の乾燥状態が異なる数日(もしくは数か所)の観測値の平均値として作物係数を算出すればよい。
気象データからの基準蒸発散量の算出は、西日本農業研究センターが提供している農地環境推定システムを用いて行った(参考文献2:「中山間地の精密な気象データをアメダス等から推定する農地環境推定システム」,西日本農業研究センター 2017年 研究成果情報)。気象データとしては、前記(A)で実測体積含水率を測定時に観測した圃場Aが存する地点の日最高気温、日最低気温および日積算日射量を用いた。日最高気温、日最低気温および日積算日射量の実測値から、FAO−56の式を用いて、純放射量を算出した。その結果、圃場Aのマルチ区、裸地区ともに、第1推定基準蒸発散量は1.58mm/日であった。また、圃場Aのマルチ区の実測体積含水率は11.9%であり、圃場Aの裸地区の実測体積含水率は17.5%であった。
作物係数は、前記(A)で測定した実測体積含水率から実蒸発散量を算出し、得られた実蒸発散量を、前記第1推定基準蒸発散量で除することで算出した。その結果、圃場Aのマルチ区の作物係数は0.18であり、圃場Aの裸地区の作物係数は0.94であった。
[実施手順]
次いで、下記(a)〜(d)の手順で、圃場Aのマルチ区および裸地区の土壌の体積含水率およびpF値を算出し、圃場Aのマルチ区および裸地区の土壌の体積含水率およびpF値を15日間にわたって経時的に調査した。
<(a)圃場Aの基準蒸発散量の算出>
前記「(E)圃場Aの作物係数の準備」の項で説明した方法により、pF値の算出を実施時の圃場Aが存する地点の気象データから、各調査日の圃場Aの基準蒸発散量(第2推定基準蒸発散量)を算出した。なお、各調査日の第2推定基準蒸発散量の数値の開示は割愛するが、圃場Aのマルチ区、裸地区ともに、第2推定基準蒸発散量の15日間の平均値は、1.59mm/日であった。
<(b)圃場Aの実蒸発散量の算出>
前記(a)で取得した第2推定基準蒸発散量と、前記(E)で準備した作物係数とから、各調査日の圃場Aの実蒸発散量(推定実蒸発散量)を算出した。実蒸発散量の算出は、FAO−56に記載された方法に従って行った。なお、各調査日の実蒸発散量の数値の開示は割愛するが、実蒸発散量の15日間の平均値は、圃場Aのマルチ区では0.28mm/日であり、圃場Aの裸地区では1.48mm/日であった。
<(c)圃場Aの体積含水率の算出>
前記(b)で算出した推定実蒸発散量から、各調査日の圃場Aの土壌の体積含水率(推定体積含水率)を算出した。なお、各調査日の推定体積含水率の数値の開示は割愛するが、推定体積含水率の15日間の平均値は、圃場Aのマルチ区では11.2%であり、圃場Aの裸地区では15.9%であった。
<(d)圃場Aの土壌の推定pF値の算出>
前記(c)で算出した推定体積含水率と、前記(D)で準備した推定pF値の算出式とから、各調査日の圃場Aの土壌の推定pF値を算出した。
圃場Aの裸地区の土壌の体積含水率およびpF値を経時的に調査した結果を図7に示す。図7の1071には、上述の実施手順によって気象データから推定した圃場Aの裸地区の土壌の推定pF値と、推定pF値の精度を検証するためにpFセンサ(METER社製、型番TEROS−21)を用いて測定した圃場Aの裸地区の土壌の実測pF値とを示した。検証用に使用したpFセンサは、前記(A)でpF値の測定に使用したテンシオメータとは異なり、pF3.5程度まで測定可能な高性能なセンサである。
また、図7の1072には、上述の実施手順によって気象データから推定した圃場Aの裸地区の土壌の推定体積含水率と、水分センサを用いて測定した圃場Aの裸地区の土壌の実測体積含水率とを示した。
図7に示すように、体積含水率については、推定値と観測値(実測値)との間に大きなずれは生じなかった。また、pF値についても、推定体積含水率から推定した推定値と観測値との間に大きなずれは生じなかった。
このことから、既存の高価なpFセンサを使用せずに、入手が容易であり且つ研究者以外でも容易に取扱いできるテンシオメータを用いて、推定pF値の算出式が作成可能であり、また、そのようにして作成した推定pF値の算出式と推定体積含水率とからpF値を精度よく推定できることが証明された。なお、pF値が高い範囲では、推定値と観測値との間の差が大きくなる傾向が認められたが、これは、pFセンサの測定限界(pF3.5)を超えていることが要因となり推定値と観測値との間の差が大きくなっていると考えられた。以上の結果から、本発明の一態様に係る演算方法によって、既存の高価なpFセンサを使用せずに、気象データから精度よく土壌の体積含水率およびpF値を推定し得ることが明らかになった。
また、圃場Aのマルチ区の土壌の体積含水率およびpF値を経時的に調査した結果を図8に示す。図8の1081には、上述の実施手順によって気象データから推定した圃場Aのマルチ区の土壌の推定pF値と、推定pF値の精度を検証するためにpFセンサ(METER社製、型番TEROS−21)を用いて測定した圃場Aのマルチ区の土壌の実測pF値とを示した。
また、図8の1082には、上述の実施手順によって気象データから推定した圃場Aのマルチ区の土壌の推定体積含水率と、水分センサを用いて測定した圃場Aのマルチ区の土壌の実測体積含水率とを示した。
図8に示すように、圃場Aのマルチ区についても、土壌の体積含水率およびpF値を経時的に調査した結果、体積含水率およびpF値ともに推定できた。体積含水率については、推定値と観測値との間に大きなずれは生じなかった。一方、pF値については、マルチ区は、常に土壌がかなり乾いた状態(含水率12%以下)である上、変化も小さいためか、観測値と推定値とがあまりよく合わなかった。しかし、pFセンサは、pF3.5程度以下までしか精度が保障されておらず、pF3.5を超えるpFセンサの観測値は参考にならないため、図8に示すpF値の観測値と推定値との間の差は、pF値の推定値の精度を示すものではない。
本発明は、作物の水分ストレスや吸水量を評価することによって作物の栽培管理を行う公設試験場、農業現場等で利用することができる。
1 演算装置
2 気象データ測定装置
3 作物係数データベース
4 関係式データベース
11 関係式準備部
12 作物係数準備部
13 パラメータ算出部
14 推定水分張力値算出部
15 土壌水分量推定部
16 出力制御部

Claims (6)

  1. 下記(1)に係る実測飽和含水率または推定飽和含水率、下記(2)に係る実測体積含水率、および下記(3)に係る実測水分張力値に基づき決定された、注目圃場についての体積含水率と水分張力値との関係を示す関係式を準備する関係式準備工程と、
    (1)前記注目圃場の土壌について予め測定された実測飽和含水率、または前記注目圃場の土壌以外の土壌を含む複数の土壌の実測飽和含水率と、当該土壌の実測乾燥密度との回帰式を用いて、前記注目圃場の土壌の実測乾燥密度から算出された推定飽和含水率;
    (2)前記注目圃場の土壌について予め測定された実測体積含水率;
    (3)前記注目圃場の土壌について予め測定された実測水分張力値;
    前記関係式準備工程において準備された関係式と、前記注目圃場が存する地点の気象データに基づき算出した前記注目圃場の土壌の推定体積含水率とに基づき、前記注目圃場の土壌の推定水分張力値を算出する、推定水分張力値算出工程と、
    を含むことを特徴とする、演算方法。
  2. 前記実測体積含水率と、当該実測体積含水率を測定した時点での前記注目圃場が存する地点の気象データに基づき算出した前記注目圃場の土壌の第1推定基準蒸発散量と、に基づき決定された、前記注目圃場の作物係数を準備する作物係数準備工程と、
    水分張力値算出時点での前記注目圃場が存する地点の気象データに基づき前記注目圃場の土壌の第2推定基準蒸発散量を算出する、第2推定基準蒸発散量算出工程と、
    前記第2推定基準蒸発散量算出工程によって算出された前記第2推定基準蒸発散量と、前記作物係数準備工程において準備された前記作物係数とに基づき、前記注目圃場の推定実蒸発散量を算出する推定実蒸発散量算出工程と、
    前記推定実蒸発散量算出工程によって算出された前記推定実蒸発散量に基づき、前記注目圃場の土壌の推定体積含水率を算出する推定体積含水率算出工程と、
    をさらに含み、
    前記推定体積含水率算出工程によって算出された前記推定体積含水率を、前記推定水分張力値算出工程において用いることを特徴とする、請求項1に記載の演算方法。
  3. 前記気象データは、日最高気温、日最低気温および日積算日射量であることを特徴とする、請求項1または2に記載の演算方法。
  4. 前記推定水分張力値算出工程によって算出した前記推定水分張力値に基づいて、前記注目圃場の土壌の水分変化量を推定する土壌水分変化量推定工程をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の演算方法。
  5. 下記(1)に係る実測飽和含水率または推定飽和含水率、下記(2)に係る実測体積含水率、および下記(3)に係る実測水分張力値に基づき決定された、注目圃場についての体積含水率と水分張力値との関係を示す関係式を準備する関係式準備部と、
    (1)前記注目圃場の土壌について予め測定された実測飽和含水率、または前記注目圃場の土壌以外の土壌を含む複数の土壌の実測飽和含水率と、当該土壌の実測乾燥密度との回帰式を用いて、前記注目圃場の土壌の実測乾燥密度から算出された推定飽和含水率;
    (2)前記注目圃場の土壌について予め測定された実測体積含水率;
    (3)前記注目圃場の土壌について予め測定された実測水分張力値;
    前記関係式準備部において準備された関係式と、前記注目圃場が存する地点の気象データに基づき算出した前記注目圃場の土壌の推定体積含水率とに基づき、前記注目圃場の土壌の推定水分張力値を算出する、推定水分張力値算出部と、
    を備えていることを特徴とする、演算装置。
  6. 請求項5に記載の演算装置としてコンピュータを機能させるための演算プログラムであって、前記関係式準備部、および前記推定水分張力値算出部としてコンピュータを機能させるための演算プログラム。
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