JP2011254722A - 不透水面上に敷設された緑化地盤の潅水システム - Google Patents

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Abstract

【課題】屋上緑地へ植物が必要とするだけの量を潅水するようにすることで、潅水量を大幅に減少させ、それに伴って水道代のランニングコストを大幅に削減可能な屋上緑化潅水システムの提供。
【解決手段】電磁弁又は電動弁213を開閉制御することで緑化地盤200に対して潅水を実行可能な、不透水面上に敷設された緑化地盤200の潅水システムにおいて、潅水対象である当該緑化地盤200と離隔した管理部100には、当該緑化地盤200での降水量を一ファクタとして当該緑化地盤200の土壌水分量をシミュレーションにより算出し、当該算出結果に基づいて潅水タイミング及び/又は潅水量を決定する潅水内容決定手段と、潅水内容決定手段が決定した内容に基づき、遠隔操作で電磁弁又は電動弁213を起動する潅水制御手段とが備えられていることを特徴とする潅水システム210。
【選択図】図1

Description

本発明は、都市環境の改善に有効であるビルや工場等の屋上緑化施設や人工地盤等のコンクリート等の不透水面上に敷設された緑化地盤に適用される、最適な環境を自動的に構築可能な屋上緑化用潅水システムに関する。
近年、都市部の気温がその周辺地域よりも上昇するヒートアイランド現象が問題となっている。このヒートアイランド現象を緩和すべく、建物の屋上で植物を栽培し、該植物の蒸散や日射遮蔽効果により屋上の温度上昇を抑制する屋上緑化の試みがなされている。
ここで、屋上緑化を行う場合、緑化施設を設けた屋上の耐荷重の観点から地盤(土壌)を薄くすることが通常である。そして、屋上緑地は下層がコンクリートであることに加えて前述のように地盤の厚さが薄いため、雨水だけに水を頼ると、年に一度あるかないかの乾燥により植物が枯れてしまう場合がある。そこで、このような屋上緑化施設には潅水設備を加えるのが一般的である。そして、このような緑化施設の潅水設備の稼動に際しては、管理者等の負担軽減のためにタイマ等による自動潅水設備が採用されていることが多い。
特開2009−189355 特開2009−100733
しかしながら、タイマ制御で自動潅水を実施する場合、雨中や土壌が湿潤時にも潅水してしまう。このため、大過剰に潅水しているのが現状であり、植物の生育維持のための潅水にかかる水道代のランニングコストが大きいことが普及を阻む原因の1つとされている。より詳細に説明すると、タイマ潅水は、従来から一般的に用いられている潅水方式であり、装置及びその操作方法が最も簡便であるという利点を持つ。その反面、土壌水分量を一切認知せずに潅水を実施するため、降雨の有無にかかわらず植栽植物の消費水量に見合うだけの潅水をする目的で、潅水量を過剰に多くしなければならないという欠点がある。このタイプの潅水装置では、人手又はプログラムで潅水量を季節ごとにその季節の最大消費水量に合わせて変更したとしても、安全に(植栽植物を枯死させる心配なしに)運用するためには、日本においては年間1400mm程度の潅水(例えば100mの緑化地で年間140mの潅水)が必要である。更に、タイマ潅水の潅水量を低減する従来技術として雨センサ付きタイマ潅水がある。原理的には雨センサにより毎日の降雨量を監視し、潅水予定日の前日に降雨があった場合当日の潅水を抑止し、潅水を翌日に延期するというものである。このタイプの潅水装置で潅水量を季節に合わせて変更しても、日本においては年間で推定1100〜1200mm程度の潅水(例えば100mの緑化地で年間110〜120mの潅水)が必要である。
タイマ潅水の潅水量を大幅に低減する方式として、植栽土壌の水分量を検知しその値により潅水を制御して植物が正常に生育する上で必要最低限の水量を潅水する(以下、最適潅水と呼ぶ)方式が最良と考えられ、従来からこの方式について様々な研究がなされ多くの特許も出願されており、成功例を報告する文献も多い。にもかかわらず、ある程度以上の規模を持つ屋上緑化地に実際に設置、稼動実績のあるこの方式による潅水装置で市販されているものは数例しか見ず、その設置台数も限られている。
このように設置台数が伸び悩んでいるのは、装置のコスト上の問題の他に、装置を安定・安全に稼動させることが困難なことに起因すると理解される。そこで、本発明は、屋上緑地において植物が正常に生育する上で必要最低限の水量を潅水するようにすることで、潅水量を大幅に減少させ、それに伴って水道代のランニングコストを大幅に削減可能な屋上緑化潅水システムにして容易に安定稼動可能なシステムを提供すること、即ち、屋上緑化等の不透水面上に設置された緑化地盤に植栽された植物に対し、安価な手段で安全に(植栽植物を枯死させる心配なしに)潅水量を大幅に低減する手段を提供することを目的とする。
本発明者らは、最適潅水方式が良いと判っていて且つ試験成功報告例も多いにも拘わらず実績が伸びない理由について検証した結果、水分センサの安定性に主要原因があることを見出した。ここで、従来のこのタイプの潅水装置は、植栽土壌の水分量の検知に関し全て水分センサを使用している。水分センサには種々のタイプのものがあるが、概して土壌の種類及び複数の土壌成分の混合比率、土壌の固まり具合、土壌とセンサの密着性、植栽植物の根の張り具合等により測定値が変動する。これらが原因で同じ土壌水分量でも、(1)センサ設置当初、土壌の条件、状態により水分量測定値が変動し、(2)センサ設置後時間の経過とともに、水分量測定値に変動が生ずる。特に(2)が致命的で、装置設置当初は潅水装置が正しく機能しても、数ヶ月後には潅水過多になり潅水量が異常に増加したり、逆に潅水量不足に陥り植栽植物が枯死する場合もあり得る。これらを克服するためにはセンサの改良とともに、センサ設置・調整に関する技術と長年の経験から得られるノウハウが必要であり、潅水制御装置側での対応が必要になる場合も出てくる。また万一これらのセンサ異常が発生した場合、いかにしてその異常を検出し装置管理者に警告するかも重要な問題である。
ところで、土壌水分量を検知する方法として、センサ方式以外に過去の気象データを基にシミュレーションにより算出する方法が従来から存在する。しかしながら、当該方式はある程度の広さを持つ地域における水の収支に関するものが主で、ビルの屋上の一部のような狭い範囲における土壌の水分量をシミュレーションで求め、これを基に潅水制御を行うという発想はなかった。簡単なシミュレーションでは、狭い範囲の土壌水分量を潅水制御に必要な精度で求めることは無理だと考えられていた。本出願人も当初は水分センサ方式を採用していた。ところが水分センサ方式の最適潅水装置が完成しその実地試験を行うに当り、装置の正常性を如何にして検証するかという問題が発生した。離れた場所にある試験用屋上緑化地に毎日通い、土壌水分計で水分量を測定するのは大変であるし、土壌水分計自身の測定ばらつきもある。そこで植栽土壌の水分量をシミュレーションで求め、これを基に予測した潅水発生日と実機の動作を比較検討することで該装置の正常性検証の一助とすることを考えた。ところが、気象庁発表の日毎の地点降雨量(装置設置地点の近傍の地点を選択)と一般に言われている計画日消費水量及び植栽土壌の総迅速有効水分量を基にした簡単な土壌水分量シミュレーションを行い潅水発生日を予測してみると、実機の潅水状況とよく合うことが判明した。これを他の地点でも実施し数年間比較検討するとともに植栽植物の状態を観察することで、シミュレーションによる土壌水分量の算出、潅水発生日(植栽植物にとって潅水が必要な日)の予測の妥当性が確認できた。即ち、不安定で取扱の難しい水分センサに頼るよりも、シミュレーションで潅水日を決定したほうが安定性、安全性において優れることが確認できたのである。
ここで、農林水産省構造改善局「土地改良事業計画設計基準」によれば、総迅速有効水分量とは、土層内の平均土壌水分が24時間容水量から成長阻害水分点まで低下した時点で有効土層内で消費された全水分量をいう。消費水量とは、作物が正常に生育し得る状況下で消費される有効土層中の水分量であり、原則として実測により定める。日消費水量とは、1日当たりの消費水量をいう。計画日消費水量は、消費水量に気象因子を加味し、適正に定める。成長阻害水分点とは、成長阻害が起こり正常な生育を行い得なくなるときの水分量をいい、このときの水分はpF値で3.0前後である場合が多い。(土壌の違いにより前後する。)日消費水量は日々の気象要因により変動するので、ある栽培管理上のステージで同一とみなし得る期間の日消費水量の平均値を計画日消費水量と呼び、潅水計画の策定に使用する。シミュレーションの一ファクタとして使用する日消費水量は、この計画日消費水量としてもよい。計画日消費水量は同基準に準拠し、屋上緑化地の土壌特性及び水分調査に基づき決定する。
以上のように、従来の水分センサ方式の土壌水分量検知型・潅水装置に関する以上のような問題点を一挙に解決したのが、本発明によるシミュレーション方式の土壌水分量検知型・潅水装置である。
まず、本発明(1)は、電磁弁又は電動弁を開閉制御することで緑化地盤に対して潅水を実行可能な、不透水面上に敷設された緑化地盤の潅水システムにおいて、
潅水対象である当該緑化地盤と離隔した管理部には、
当該緑化地盤での降雨量を一ファクタ(他の好適ファクタとして、例えば、当該緑化地盤の総迅速有効水分量、当該緑化地盤における計画日消費水量)として当該緑化地盤の土壌水分量をシミュレーションにより算出(推定)し、当該算出(推定)結果に基づいて潅水タイミング及び/又は潅水量を決定する潅水内容決定手段と、
潅水内容決定手段が決定した内容に基づき、遠隔操作で電磁弁又は電動弁を起動する潅水制御手段と
が備えられていることを特徴とする潅水システムである。
本発明(2)は、
潅水制御手段は、シミュレーションにより算出された土壌水分量が、当該緑化地盤における植栽植物が正常に生育する上で必要とする量以下{成長阻害水分点、即ちpF値で3.0前後以上(例えば3.0以上)}であり且つ該植栽植物が枯死しない量以上(永久しおれ点、即ちpF値で4.2以下)の土壌水分量を維持できるよう、潅水タイミング及び/又は潅水量を決定する(以下、減水潅水と呼ぶ)、前記発明(1)の潅水システムである。
本発明(3)は、
潅水システムは、
電磁弁又は電動弁の開放時間を計測するタイマ
を更に有しており、
潅水制御手段は、タイマに開放時間をセットすることで潅水量を設定する、前記発明(1)又は(2)の潅水システムである。
本発明(4)は、
緑化地盤側には、
フローセンサ、流量計及び水圧計から選択される一種以上である潅水実行状況確認手段と、
潅水実行状況確認手段による確認結果に関する情報を管理部側に送信する管理部側情報送信手段と
が備えられている、前記発明(1)〜(3)のいずれか一つの潅水システムである。
本発明(5)は、屋上緑化潅水システムである、前記発明(1)〜(4)のいずれか一つの潅水システムである。
ここで、本発明(1)等が、これまでの一般常識に反して、ビルの屋上の一部のような狭い範囲における土壌の水分量を何故シミュレーションで正確に予測可能なのかという点に関して考察する。まず、植栽地盤が屋上緑化地等の不透水面上に設置された地盤であるため、土壌深部への水分の浸透及び土壌深部からの水分の供給を考慮せずに済む結果、降雨又は潅水で与えられた水分量の減少は消費水量だけに限られるためと考えられる。また、消費水量は一般に温度、湿度、風速、日射量、日照時間等に影響されるため、正確に求めるためにはこれらを変数とした複雑なシミュレーションが必要であると認識されがちである。ところが、実際には上記のとおり適切に定めた期間毎の計画日消費水量を使用することで十分である。これは、潅水日決定のための土壌水分量予測にはこの程度の精度でよいことを意味し、潅水日が1〜2日前後しても植栽植物への影響は少ないこと、10日程度の範囲で考えると上記変数の変動に伴うばらつきは平均化してくるためと推測される。
また、本発明(2)における減水潅水も、本発明者らの実験による新知見に基づくものである。本発明者らは、水分センサ方式最適潅水装置の実地試験(植栽植物は芝)にて水分センサの感度を調節することにより、潅水が発生し易く(潅水を起動する土壌水分レベルを土壌水分量0mm以上に設定)したり、潅水が発生しにくく(潅水を起動する土壌水分レベルを土壌水分量0mm以下に設定)した場合の動作確認を実施した。この結果、土壌水分レベル0mm以上の潅水においては実潅水回数が上記土壌水分量シミュレーション(消費水量は土壌水分量により変動しないと仮定)による潅水予測結果と一致するのに対し、土壌水分レベル0mm以下の潅水においては実潅水回数がシミュレーションによる潅水予測結果と合わない(予測以上に実潅水回数が減少する)という現象が発生した。そこで植栽した芝を観察してみると、夏季無降雨時に芝の葉の色が悪くなり葉が尖っているのが認められたため芝の消費水量が減少しているのではないかと考え、土壌水分量が0mm以下になるとその程度に応じて消費水量が減少すると仮定した。これを踏まえてシュミレーションしてみると、実機とシミュレーションによる潅水回数が略一致することが判明した。これを複数年継続して実施した結果、同様の結果が得られ、この仮定が正しいことが結論付けられた。
ここで、土壌水分量0mmとはシミュレーションで用いる土壌水分量の概念である。人工地盤上の緑化地盤の総迅速有効水分量は、不透水層より上の層が持つ水分量なので実用的な精度で算出あるいは測定可能である。したがって、その地盤の総迅速有効水分量から消費水量を差し引くことにより地盤の有効水分量を算出できる。土壌水分量0mmとは、シミュレーションにおいて緑化地盤の総迅速有効水分量から計画日消費水量に日数を乗じた値を差し引き、地盤の水分量が計算上0mmになった状態(成長阻害水分点に相当)をいう。しかし、現実には地盤の水分量が十分あるときは植物は多く水分消費するため地盤の水分量は計画日消費水量に応じて急速に減じるが、地盤の水分量が少なくなってくると、植物は気孔を閉じるなどして水分消費を減らし土壌水分の消費を少なくする。このため、計画日消費水量が消費されているとして算出された土壌水分量0mmあるいは0mm以下はあくまでも計算上の値であって、実際には地盤は保水していることになる。その水分を植物は消費水量を減らしながらも吸収するので生存しうる。計算上の土壌水分量0mm時以降の生存期間は、植物の種類に依存する。
本発明(1)によれば、潅水対象となる緑化地盤と離隔した管理部にて、潅水される緑化地盤毎に、当該地盤での降雨量を考慮した上で、より好適には当該緑化地盤自体の性質(少なくとも、地盤の種類等に応じた緑化地盤の総迅速有効水分量)と当該緑化地盤を取り巻く環境(少なくとも、降雨量及び消費水量)とを考慮した上で、シミュレーションにより土壌水分量を推定し、当該推定結果に基づいて当該緑化地盤にとって適切なタイミング及び/又は量で潅水するよう構成されているので、コンクリート等不透水面上に敷設された緑化地盤に対して植物が必要とするだけの量が潅水される結果、潅水量を大幅に減少させることができるという効果を奏する。更に、本発明(1)によれば、屋上緑化等の不透水面上に設置された緑化地盤に植栽された植物に対し、該植栽植物が正常に生育する上で必要最小限の水量の潅水(潅水を起動する土壌水分レベルは土壌水分量0mm)を容易かつ安全、安価に実現することが可能となるという効果をも奏する。尚、「土壌水分量0mm」とは、前述のとおり植栽植物が正常に生育する上で必要とする最低量の土壌水分量を意味し、土壌の絶乾状態を示すものではない。本方式による潅水では降雨状況によって潅水量が変化するため年によって年間潅水量が変動するが、上記土壌水分量シミュレーションによる潅水量予測によれば、過去10年間の平均年間潅水量は東京における屋上緑化地において、地盤の総迅速有効水分量が50mmの場合で年間推定150mm程度(例えば100mの緑化地で年間15mの潅水)、総迅速有効水分量が25mmの場合で年間推定300mm程度(例えば100mの緑化地で年間30mの潅水)と予測される。尚、上記水分センサ方式の最適潅水装置における過去数年間の稼動実績も略同程度の潅水量を示している。一例ではあるが、月間1,000m以上の水道を使うビルで屋上緑地への潅水を減らすと、削減量1mあたり約750円削減できる。
本発明(2)によれば、シミュレーションにより算出された土壌水分量が、当該緑化地盤における植栽植物が正常に生育する上で必要とする量以下(成長阻害水分点、即ちpF値で3.0前後以上)であり且つ該植栽植物が枯死しない量以上(永久しおれ点、即ちpF値で4.2以下)の土壌水分量を維持できるよう、潅水タイミング(潅水を起動する土壌水分レベルは土壌水分量0mm以下、例えば−10mm)及び/又は潅水量が決定されるように構成されているので、植栽植物を枯らすこと無く更に潅水量を減少させることが可能になるという効果を奏する。本減水潅水方式による潅水も年によって年間潅水量が変動するが、上記土壌水分量シミュレーションによる潅水量予測によれば、過去10年間の平均年間潅水量は東京における屋上緑化地において芝植栽の場合、最適潅水の1/2〜1/3以下の潅水量になるものと予測される。上記水分センサ方式の実機稼動状況もこれを実証している。
本発明(3)によれば、前記効果に加え、電磁弁又は電動弁の開放時間を計測するように構成されているので、潅水装置の潅水点がカバーする潅水面積及び土壌の総迅速有効水分量、植物の消費水量等に応じ、適切な水量を潅水できるという効果を奏する。
本発明(4)によれば、前記効果に加え、水流等を測定することで潅水が実行されているかどうかを確認する手段を更に有しているので、遠隔操作(例えば無線)による潅水制御が適切に働いているか否かを判断することができるという効果を奏する。
本発明(5)によれば、前記効果に加え、屋上緑化という、土壌をより軽量化する必要がある、即ち、土壌の使用量が極めて限定されるエリアに適用するよう構成したので、土壌の使用量が少なく乾燥しやすい状況にも拘わらず最少の潅水量で常に適した水分を維持させることが可能になるという効果を奏する。
図1は、本最良形態に係る屋上緑化潅水システムの一例である。 図2は、ROM102の一時記憶領域の一例である。 図3は、本最良形態に係るユーザ経時データ更新・潅水タイミング判定処理の一例である。 図4は、本最良形態に係る潅水コマンド送信処理の一例である。 図5は、本最良形態に係る潅水エラー確認処理の一例である。 図6は、本最良形態に係る潅水実行処理の一例である。 図7は、実施例に係る芝地潅水シミュレーションの一例である。
以下、潅水対象として屋上緑化地盤を例に採り、本発明を実施するための最良形態を参照しながら、本発明を具体的に説明する。尚、以下の最良形態はあくまで一例に過ぎず、本発明を何ら限定するものではない。
《屋上緑化潅水システムのシステム構成》
まず、本発明に係る屋上緑化潅水システムは、複数の緑化地盤における潅水を一元的に管理する管理部と、管理部からの制御に従い潅水を実行する緑化地盤部と、から構成される。以下、図1及び図2を参照しながら順に説明する。
(管理部)
まず、管理部100は、本システムを実行して各種制御を行うためのCPU101と、本システムの実行に係るプログラム等が記憶されているROM102と、本システムを実行する際に必要な情報を一時記憶するためのRAM103と、から構成されている。このような管理部100としては、一般に市販されているパーソナルコンピュータが使用可能である。ここで、管理部100は、電話回線(携帯電話等の無線電話を含む)、インターネット回線、有線等を介して、外部との情報の送受信が可能な情報送受信部104を更に有している。ここで、RAM103には、後述する演算を実行して潅水タイミング及び/又は潅水量を決定し且つ当該決定に基づいて潅水制御するために必要な情報が一時記憶されている。尚、どのような情報が一時記憶されるかに関しては後述する。
(緑化地盤部)
次に、緑化地盤部200は、緑化地盤が配されている場所である。ここで、本最良形態で対象とする場所は、典型的にはマンションやビル等の、コンクリート地盤を有する建造物の屋上や屋根である。ここで、コンクリート地盤上には、以下で列記する要素が配置又は設置されている。
・土壌
本最良形態に係る緑化地盤用土壌としては、例えば屋上緑化の場合であれば、一般的に屋上緑化に用いられている自然土壌、人工土壌のいずれでもよい。例えば、パーライト、バーミキュウライト、ピートモス、バーク堆肥、チャフコン、木質腐朽有機物、ゼオライト、下水或いは浄水場から発生する汚泥、或いは汚泥の焼却灰等を挙げることができる。
・植物
本最良形態に係る植物は、特に限定されず、例えば屋上緑化の場合であれば、一般的に屋上緑化に用いられているものであればよい。
・潅水システム
図1に示すように、本最良形態に係る潅水システム210は、水を供給可能な水道又は貯水タンク(例えば雨水を貯水するタンク)211と、水道等からの水を緑化地盤まで導く水管212と、水管212に設けられた電磁弁又は電動弁213と、電磁弁又は電動弁213の開閉を駆動する弁駆動手段(例えばソレノイド)214と、を有している。ここで、水道の場合はもともと加圧された状態で送られているので不要であるが、貯水タンクから水を導く場合には送液ポンプを取り付けることが好適である。また、図1では電磁弁等は一つしか表示されていないが、実際には複数(例えば10個)備えられているものとする。
図1に示すように、本最良形態に係る潅水システム210は、弁駆動手段(例えばソレノイド)214の駆動(ソレノイドの場合には励磁・消磁)を制御する弁駆動制御手段215を更に有している。この弁駆動制御手段は、管理部100から送信される潅水開始情報(本例では潅水量情報)に基づいて弁駆動手段214を制御する。また、本最良形態に係る潅水システム210は、潅水時間を管理するタイマ217を有している。当該タイマにより、弁の駆動時間、即ち、潅水量が調整される。
図1に示すように、本最良形態に係る潅水システム210は、水管212から水が緑化地盤に供給されているかを確認するための潅水実行状況確認手段216を更に有している。ここで、潅水実行状況確認手段216は、潅水用の電磁弁或いは電動弁を開状態とした際、その結果起きる水流を検知して、システムの作動状況を確認可能な手段であれば特に限定されず、例えば、液体が流動しているか否かを検知可能なフローセンサ(水流センサ)、流体の流量を計測可能な流量計(流量センサ)、水が加圧状態にあるかどうかを計測可能な水圧計(水圧センサ)が挙げられる。尚、潅水実行状況確認手段216の種類により、その取り付け位置は変わり得る。例えば、本例では水管212の電磁弁又は電動弁213の下流側に備えている。
図1に示すように、本最良形態に係る潅水システム210は、管理部100側から、弁駆動制御に関する情報を受信すると共に、潅水実行状況確認手段からの確認情報を送信する制御情報送受信手段218を更に有している。
次に、図2を参照しながら、管理部100のRAM103に一時記憶されている情報内容について説明する。尚、図2に示す一時記憶内容はあくまで例示に過ぎず、これに限定されるものではない。まず、当該RAM103には、ユーザの緑化地盤に関する基礎データと経時変化データがユーザ毎に一時記憶されている。以下、各データを詳述する。
ここで、ユーザの基礎データは、当該潅水システムサービスを提供するに先立ち、事前調査の上で取得したデータである。また、この基礎データは、経時変化データとは異なり基本的には更新されない情報である(尚、当該情報を更新する場合には、基礎データ更新用処理を実行した上で、更新情報を入力することで実行される)。ここで、図2に例示したものとしては、ユーザnの緑化地盤が存在する地域データ(図2では、理解の容易上、エリアIDの代わりに具体的エリアを記載)、ユーザnの緑化地盤に植えられている植物の種類、ユーザnの緑化地盤における土壌厚さ、ユーザnの緑化地盤の土壌種類、ユーザnの緑化地盤の総迅速有効水分量、ユーザnの底面貯水量等が挙げられる。尚、これらのデータは、ユーザnの緑化地盤の総迅速有効水分量の算出に用いられる。
次に、ユーザの経時変化データは、定期的に更新される情報であり、特に重要なものとして推定含水量データ(W)を含む。後述するように、この推定含水量データは定期的に更新され、当該推定含水量を踏まえ、潅水タイミングや潅水量が決定される。その他、前回の潅水日や前回の潅水量が一時記憶されている。
また、当該RAM103には、後述する処理(ステップ1000のユーザ経時データ更新・潅水タイミング判定処理、ステップ2000の潅水コマンド送信処理、ステップ3000の潅水エラー確認処理)が実行されている際の情報やフラグが一時記憶されている処理情報一時記憶領域を更に有している。
次に、本最良形態に係る屋上緑化潅水システムにおける具体的制御手法を説明する。ここで、まず、具体的制御の前に、本最良形態で目指す減水潅水を説明した上で、潅水タイミング(潅水時期)と潅水量を決定する際の基本的手法を説明する。
《減水潅水》
土壌中の水分量が減少し植物が正常に生育する上で必要とする量(成長阻害水分点)以下になると、植物には気孔を閉じるなどして自身の消費水量を減らし自己の生存を図ろうとする性質がある。植物の種類によってこの性質の強さは異なるが、芝はこの性質が強いことで知られている。芝の例でみると、水分が不足してくると葉の色が瑞々しさを失い葉が丸まって尖ってくる、更に乾燥すると葉の色が更に悪くなる。この時点で降雨等により水分が与えられると芝は瑞々しい緑を回復する。更に乾燥が進むと葉が枯れる。しかしこの時点では芝の根は生きており、降雨等により水分が与えられるとすぐに新芽が出て緑を回復する。更に乾燥が進むと(永久しおれ点)芝はついに完全に枯死してしまう。水分量が不足すると、芝はこのような過程を通して自身の消費水量を減らし自己生存を図るわけである。この性質(自然現象)を利用して植物が枯死しない範囲で、土壌水分量が成長阻害水分点以下になるまで潅水しないことにより更に潅水量を減らす試みが減水潅水である。尚、減水潅水は植物の性質(自然現象)を利用した新しい潅水方式であって潅水量低減効果も大きく、最適潅水とは異なる潅水方式といえる。
尚、屋上緑化においては芝が植栽されることが多いが、その目的により維持管理方法に差があって然るべきである。即ち、観賞用の場合は常に葉が瑞々しい緑であることが望ましいが(最適潅水が適当)、ヒートアイランド現象の緩和が目的の場合はたとえ葉が枯れても降雨等により水分が与えられると緑が回復するのであれば、潅水量が少なく維持費が安い方が望ましいケースが多い。また夏季に十分水を与えて葉が伸び放題になり見苦しくなるより、多少葉の色が悪くなってもあまり葉が伸びない方が好都合ということもある。更に夏季長期間無降雨の場合に潅水量低減が期待できるため、後述の通り雨水利用潅水方式として最適である。このように減水潅水の利用範囲は広いといえる。
ここで、最適潅水方式に関しては、無降雨の状態が長く続いた場合には、タイマ潅水とあまり変らない量の潅水が発生する(後述する実施例2参照)。潅水用の水として水道水を利用する場合はこれでもあまり大きな問題にはならないが(もちろんコストの面からは少ないほうが良い)、潅水用の水としてタンクに溜めた雨水を利用する雨水利用潅水の場合は必要なタンク容量との関係で無降雨の時ほど潅水量を減らしたいわけであり、最適潅水ではこの要求に合わない。将来、屋上緑化面積が増加した場合無制限に水道水を使用することは許されなくなり、雨水利用潅水の必要性が高まるのは明らかであろう。このとき、無降雨の状態が長く続いた場合に植栽植物が枯死しない範囲で潅水量を低減可能な、本最良形態による減水潅水が重要な潅水技術になると推測する。減水潅水の場合、最適潅水の場合より高い精度での土壌水分量検知が必要になるが、上記のとおり安定性の悪い水分センサにたよって土壌水分量を検知したのでは危険が大きくなることが想定される。シミュレーション方式の土壌水分量検知型・潅水装置の重要性が増すものと考える。
《潅水タイミングと潅水量を決定する際の要素》
潅水タイミングと潅水量を決定するに際しては、最適潅水方式、減水潅水方式とも植栽土壌の水分量に即して潅水を実施する方式であるため、植栽土壌の水分量を正確に(潅水実施の判定を下すために必要十分な精度で)知る必要がある。ここで、植栽土壌の水分量を正確に知るためには、該植栽土壌中に水分センサを設置して土壌水分量を測定する方法(水分センサ方式)と、過去の気象情報を基に現在の土壌水分量をシミュレーションして求める方式(シミュレーション方式)が想定される。これらの内、水分センサを採用した場合には前述した問題を招くため、本最良形態では後者を採用している。以下、本最良形態で採用するシミュレーション手法を一例として挙げる。
屋上緑化地では土壌深部への水分の浸透及び土壌深部からの水分の供給がないことと、薄い地盤中に根がほぼ満遍なく張っており乾燥時には地盤中の水をほぼ全て吸収し尽くすため、土壌の総迅速有効水分量、降雨量、消費水量及び1回当たり潅水量等をファクタとして、土壌水分量を推定することが可能で、これ以上乾燥すると植物に成長阻害が起こり正常な生育を行い得なくなる時点(成長阻害水分点)をシミュレーションで決定し、適切な時期に適切な量の潅水を実施することができる。以下、本最良形態で潅水タイミングを決定する各要素を詳述する。
(緑化地盤の総迅速有効水分量)
緑化地盤の総迅速有効水分量は、土壌厚さと有効水分量及び底面貯水量を調べて決定する。尚、自然地盤での有効水分量はpF1.5〜1.8とpF3.0との間の水分量であるが、一般的な屋上緑地の厚さは薄いのでpF1.0〜pF3.0の間の水分量とする。ここで、pF値とは、土壌の湿潤状態を測定する土壌水分吸引力計(pF計)で測定された値である。これは、土壌から水分を引き離すのに必要な力を水柱の高さ(cm)の対数で表したものである。そして、pF値は、0〜7の範囲で0は飽和状態で、数字が大きくなるほど水分が少なくなる。
(降雨量データ)
本最良形態で利用する降雨量データとしては、気象庁等が発表している日毎の地点降雨量のうち該緑化地に最も近い地点のものを利用する。この場合、隣接地域のデータより極めて多量な降雨量が記載されている場合、計測地点周辺のみに集中的に降雨した可能性があるので、少ない降雨量を採用する。
(消費水量)
1日当たりの消費水量として計画日消費水量を用いる。計画日消費水量は農林水産省構造改善局制定の「土地改良事業計画設計基準」に準拠し、屋上緑化地盤の土壌特性及び水分調査に基づき決定する。
(土壌水分量シミュレーション例)
シミュレーションを簡便に実行するため、土壌水分量は土壌中の水分量を水柱mmで考える。すなわち、植栽地盤1m当たりに1Lの水を加えた時の土壌水分量を1mmとする。これに合わせ、総迅速有効水分量,降雨量,計画日消費水量,潅水量も水柱mmで表すものとする。降雨又は下記により潅水が発生すると、土壌水分量はその時点の土壌水分量に降雨量又は潅水量を加えた値になる。この時、地盤の総迅速有効水分量とその時点での土壌水分量との差以上の降雨量があると地盤は総迅速有効水分量となりそれ以上の水は排水される。それ以降無降雨の日が続くと、土壌水分量は毎日計画日消費水量に相当する水量だけ減少していく。計算上の土壌水分量が0mm以下(負数)になると、その程度に従って1日当たりの土壌水分量の減少量は低減する。尚、ここでいう土壌水分量0mmとは前述のとおりあくまでも計算上のものであり、成長阻害水分点に相当すると考えられる。
《潅水タイミング(潅水時期)の決定例》
最適潅水においては、上記土壌水分量シミュレーションにて計算上の土壌水分量が0mmとなった時点を潅水タイミングとする。減水潅水においては、上記土壌水分量シミュレーションにて計算上の土壌水分量が0mm以下(例えば−10mm)となった時点を潅水タイミングとする。この場合潅水タイミングの判定基準となる土壌水分量の数値(負数、上記の例では−10mm)は、植栽する植物の種類及び許容される成長阻害症状の発生程度により定められる数値であり、実験によって決定される。
(潅水量)
一回の潅水量(総潅水量を減らすため一回の潅水量を減らすとよい)は、年間総潅水量を少なくしつつ、屋上で良好に植物を生育させ続けることができる量とする。屋上緑化地盤への潅水量を少なくする上で考慮しなければならない点は、屋上緑化地盤はコンクリートの上に薄い地盤を盛って作られているため、総迅速有効水分量が少ないことと総迅速有効水分量以上の水を一時に潅水するとコンクリート表面を通って余剰水として排水されてしまうこと、一時に多量の潅水をすると潅水後すぐに雨が降った場合潅水が無駄になる点である。しかし、一回当たり潅水量を少なくしすぎると、潅水点周辺のみが濡れ全体に水が行き渡らない。このため地盤中で少なくとも10〜20cmの範囲内に濡れている土壌があるように土壌を濡らすことができる水量を潅水する必要がある。
《潅水制御処理》
次に、図3〜図6を参照しながら、本潅水システムでの処理例を説明する。尚、以下で示す処理は一例に過ぎず、本発明は当該処理に限定されない。ここで、図3〜図5は、本潅水システムの、管理部100側で実行される処理であり、図6は、本潅水システムの、緑化地盤200側で実行される処理である。以下、まず、管理部100側で実行される処理から説明する。
まず、図3のフローチャートを参照しながら、本最良形態に係るユーザ経時データ更新・潅水タイミング判定処理について説明する。はじめに、ステップ1005で、管理部100は、RAM103の処理情報一時記憶領域中のn値(ユーザID)として1をセットする。次に、ステップ1010で、管理部100は、RAM103のユーザ情報一時記憶領域にアクセスし、n値に対応するユーザの基礎データを読み込む。ここで、読み込まれたこれら基礎データは、後述する推定含水量(ユーザnの緑化地盤の土壌の、当該処理時点での推定含水量)を算出する際に利用される。次に、ステップ1015で、管理部100は、RAM103のユーザ情報一時記憶領域にアクセスし、n値に対応する経時変化データを読み込む。次に、ステップ1020で、管理部100は、ユーザnの緑化地盤が存在する地域データを踏まえ、例えば気象庁のホームページにアクセスし、所定期間(例えば、前回の処理から今回の処理までの期間)における当該地域における総雨量データを取得する。そして、ステップ1025で、管理部100は、ステップ1020で取得した総雨量に基づいて算出された推定含水量の増加分(ΔW)を、前回の処理時に算出された推定含有量(W)に加えた上、前回の処理から今回の処理の間の推定消費水量(ΔW;計画日消費水量×前回の処理から今回の処理の間の日数)を減じたもの(即ち、W+ΔW−ΔW)を現在の推定含水量として更新する。次に、ステップ1030で、管理部100は、潅水タイミングに到達したか否か、例えば、現在の推定含水量(W)が所定含水量以下(所定の潅水レベル)になったか否かを判定する。ステップ1030でYesの場合、ステップ1035で、管理部100は、ユーザnの緑化地盤の総迅速有効水分量を踏まえ、ユーザnの緑化地盤に散布されるべき潅水量を決定し、RAM103の処理情報一時記憶領域にセットする。そして、ステップ1037で、管理部100は、今回の潅水量を踏まえ、n値に対応するユーザの経時変化データ中の推定含水量データを更新する。次に、ステップ1040で、管理部100は、RAM103の処理情報一時記憶領域にアクセスし、ユーザ番号nの潅水タイミング到達フラグをオンにする。そして、ステップ1045で、管理部100は、RAM103の処理情報一時記憶領域中のn値(ユーザID)が最終値(nfin)であるか否かを判定する。ステップ1045でYesの場合には当該処理を終了する。他方、ステップ1045でNoの場合には、ステップ1050で、管理部100は、RAM103の処理情報一時記憶領域中のn値(ユーザID)に1を加算し、ステップ1010に移行する。また、ステップ1030でNoの場合にはステップ1045に移行する。
次に、図4のフローチャートを参照しながら、本最良形態に係る潅水コマンド送信処理について説明する。はじめに、ステップ2005で、管理部100は、RAM103の処理情報一時記憶領域中のn値(ユーザID)として1をセットする。次に、ステップ2010で、管理部100は、RAM103の処理情報一時記憶領域にアクセスし、ユーザ番号nの潅水タイミング到達フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ2010でYesの場合、ステップ2015で、管理部100は、RAM103の処理情報一時記憶領域にセットされている潅水量情報を、n値のユーザIDに対応した緑化地盤部側に送信する。そして、ステップ2025で、管理部100は、RAM103の処理情報一時記憶領域にアクセスし、ユーザ番号nに対応した潅水タイミング到達フラグをオフにする。そして、ステップ2030で、管理部100は、RAM103の処理情報一時記憶領域にアクセスし、ユーザ番号nに対応した潅水エラー確認フラグをオンにする。そして、ステップ2035で、管理部100は、RAM103の処理情報一時記憶領域中のn値(ユーザID)が最終値(nfin)であるか否かを判定する。ステップ2035でYesの場合には当該処理を終了する。他方、ステップ2035でNoの場合には、ステップ2040で、管理部100は、RAM103の処理情報一時記憶領域中のn値(ユーザID)に1を加算し、ステップ2010に移行する。また、ステップ2010でNoの場合にはステップ2035に移行する。
次に、図5のフローチャートを参照しながら、本最良形態に係る潅水エラー確認処理について説明することとする。まず、ステップ3005で、管理部100は、RAM103の処理情報一時記憶領域中のn値(ユーザID)として1をセットする。次に、ステップ3010で、管理部100は、RAM103の処理情報一時記憶領域にアクセスし、ユーザ番号nの潅水エラー確認フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ3010でYesの場合ステップ3015で、管理部100の送受信部は、所定時間内(少なくとも、ユーザ番号nにおけるすべての弁が開放した後)に、ユーザ番号nの弁正常開放情報(図6のステップ11040参照)を受信できなかったか否かを判定する。ステップ3015でYesの場合、ステップ3020で、管理部100は、ユーザ番号nに対応した緑化地盤部で潅水エラーが発生した旨を報知する。尚、当該潅水エラー報知を受けて、システム管理者は潅水エラーの対応をすることになる。そして、ステップ3025で、管理部100は、RAM103の処理情報一時記憶領域にアクセスし、ユーザ番号nの潅水エラー確認フラグをオフにする。そしてステップ3030で、管理部100は、RAM103の処理情報一時記憶領域中のn値(ユーザID)が最終値(nfin)であるか否かを判定する。ステップ3030でYesの場合には当該処理を終了する。他方、ステップ3030でNoの場合には、ステップ3035で、管理部100は、RAM103の処理情報一時記憶領域中のn値(ユーザID)に1を加算し、ステップ3010に移行する。また、ステップ3015でNoの場合にはステップ3025に移行する。ステップ3010でNoの場合は直接ステップ3025に移行する。
次に、図6のフローチャートを参照しながら、本最良形態に係る緑化地盤側における潅水実行処理について説明する。まず、ステップ11005で、制御情報送受信手段218は、管理部100から潅水量情報を受信したか否かを判定する。ステップ11005でYesの場合、ステップ11010で、弁駆動制御手段215は、図示しない処理情報一時記憶手段内のj値として1をセットする。次に、ステップ11015で、弁駆動制御手段215は、j番目の弁駆動手段214を駆動してj番目の電磁弁又は電動弁213を開放する。次に、ステップ11020で、制御情報送受信手段218は、j番目の潅水実行状況確認手段(例えば水量計)216から、潅水が正常に実行されているか否かの情報を取得する。ここで、ステップ11020でNoの場合、即ち、j番目の弁開放が確認できなかった場合には、ステップ11020に戻り、弁開放をリトライする。他方、ステップ11020でYesの場合、ステップ11025で、弁駆動制御手段215は、ステップ11005で受信した潅水量情報に基づき、j番目の弁を介して供給されるべき潅水量と対応した時間(「j番目の弁を介して供給されるべき潅水量」/「j番目の弁をオンにした際に供給される単位時間当たりの流量」)をタイマ217にセットする。そして、ステップ11030で、弁駆動制御手段215は、タイマ217をスタートさせる。このように、本最良形態では、水流確認がなされた後にタイマをセットするように構成されている(尚、タイマをセットしスタートした後に水流確認をし、水流確認ができない場合にはタイマの進行を停止させるように構成しても、或いは、水流確認ができた時点でタイマに予定時間を再セットするように構成してもよい)。次に、ステップ11035で、制御情報送受信手段218は、j番目の弁が正常に開放した旨の情報を管理部100に送信する。次に、ステップ11040で、弁駆動制御手段215は、タイマ217を参照し、セットした終了時間に到達したか否かを判定する。ステップ11040でYesの場合、ステップ11045で、弁駆動制御手段215は、弁駆動手段214を駆動してj番目の電磁弁又は電動弁213を閉鎖する。尚、ステップ11040でNoの場合、即ち、j番目の電磁弁又は電動弁213を介して予定されていた潅水終了時間にまだ到達していない場合には、潅水終了時間に到達するまで当該処理をループする。そして、ステップ11050で、弁駆動制御手段215は、j値が最終値(jfin)か否か、即ち、最後の電磁弁まで開放動作が終了したか否かを判定する。ステップ11050でYesの場合、ステップ11055で、制御情報送受信手段218は、今回予定していたすべての潅水が完了した旨の情報を管理部100に送信し、当該処理を終了する。他方、ステップ11050でNoの場合、即ち、まだ開放していない弁が存在する場合には、ステップ11060で、弁駆動制御手段215は、j値に1を加算し、ステップ11015に移行する。尚、この潅水実行処理は、所定期間毎(例えば、毎朝7時から1時間のみ)に実行されるように構成してもよい。
以下、本発明の実施例を参照しながら、本発明を更に具体的に説明する。下記で述べる実証試験は、本最良形態に係る屋上緑化潅水システムを用いて実施された。
《実施例1(実測データ)》
本最良形態に示したシステムを用い、下記条件にて実際に自動潅水を実施した。その結果を図7に示す。ここで、図7上段は、潅水レベル(灌水を起動する土壌水分量)を0mmとした場合(最適灌水)、また、図7中段は、潅水レベルをより低く−15mmと設定した場合(減水灌水)、図7下段は、潅水レベルを更に低く−28mmと設定した場合の結果である。ここで、図7上段及び図7中段は、潅水が適切にされたために芝が枯れなかった例であり、図7下段は、潅水が適切にされなかったために芝が枯れてしまった例である。このように、図7上段の場合だと、ほぼ無降雨であった8月〜9月初めにかけて潅水7回しか実施しないにも拘わらず芝が枯れることを防止でき、図7中段の場合だと、この期間にわずか潅水4回しか実施しないにも拘わらず芝が枯れることを防止できることが確認された。
実施場所:東京渋谷
実施期間:2007年の1年間
緑化地盤:ヤシ成型型平板状人工土壌(ガーデンマット)
植物:高麗芝
その結果、本実施例に係る屋上緑化潅水システムを使用した場合、潅水量は従来の雨センサ付タイマ潅水装置における潅水量の2割以下に激減した。この削減結果は、上下水の使用に伴う炭酸ガス発生量を約8割削減したと見做すことができる数値である。例えば、1000mの屋上緑地へ通常ほぼ1100m3の潅水をしているので、当該屋上緑化潅水システムを用いれば潅水料金は最適潅水の場合年間約66万円以上、減水潅水の場合74万円以上安くなる。
《実施例2:3種類の潅水手法による潅水量の違い(シミュレーション)》
以下に、不透水面上に設置された総迅速有効水分量25mmの緑化地盤に芝を植栽する場合について一般のタイマ潅水、最適潅水、減水潅水の差(シミュレーション)を、概略数値を挙げて説明する。説明を簡便にするため夏季の1日当りの計画日消費水量を5mm/日、1回の潅水量を計画日消費水量に合わせて5mm/回と仮定し、初期土壌水分量25mm、夏季に30日間無降雨のケースを考える。尚、最適潅水、減水潅水とも、基本的には降雨を有効に利用することにより潅水量を減らす方式であるため、長期間無降雨の当該ケースはこれらの潅水方式にとって最も厳しい(タイマ潅水との差がでにくい)条件である。
(タイマ潅水)
タイマ潅水は、土壌水分量とは無関係に潅水を実行するため、常に計画日消費水量に見合うだけの潅水を行う必要があり、30日間に毎日5mm潅水を30回、即ち、30回×5mm/回=150mmの潅水が必要である。ただし当潅水法においては、安全を見込んで1日の潅水量として最大計画日消費水量(例えば夏季には7mm/日)とするべきであろう。したがって実際の必要潅水量はこれよりも多くなる。
(本最良形態1:最適潅水)
最適潅水では、初期土壌水分量25mmが植栽植物の水分消費により5mm/日ずつ減少していき、25mm/5mm/日=5日後には土壌水分量は0mmとなり、最初の潅水が発生する。降雨が無いため、以後タイマ潅水と同様毎日の蒸発散量に見合うだけの潅水が必要になり、30日間には 30日−5日=25日間、毎日5mm潅水を25回、即ち、25回×5mm/回=125mmの潅水が必要である。
(本最良形態2:減水潅水)
減水潅水については、夏季に土壌水分量が−10mmになった時点で潅水するものとすると(この程度の乾燥度になると芝の葉は色が悪くなり丸まって尖ってくる。土壌水分量0mmから更に無降雨3〜4日後の状態と推定され、この時点における芝の消費水量は通常の1/2と仮定する)、最初の潅水は5日+3日=8日後、それ以降は潅水が必要になるが芝からの
日消費水量が通常の1/2(夏季で5mm/日 / 2=2.5mm/日)に減っているから、1回の潅水で 5mm/回 / 2.5mm/日=2日もつことになる。したがって、この30日間の潅水は(30日−8日)/2日=11回、即ち、11回×5mm/回=55mmの潅水量で済むことになる。
以上の検討から本条件下では、夏季30日間無降雨の場合の潅水量は、タイマ潅水:150mm、本最良形態1(最適潅水):125mm、本最良形態2(減水潅水):55mm程度と推測され、特に減水潅水を採用した場合には、非常に大きな効果が得られることが判る。
100 管理部
101 CPU
102 ROM
103 RAM
200 緑化地盤部
210 潅水システム
211 水道又は貯水タンク
212 水管
213 電磁弁又は電動弁
214 弁駆動手段
215 弁駆動制御手段
216 潅水実行状況確認手段
218 制御情報送受信手段

Claims (5)

  1. 電磁弁又は電動弁を開閉制御することで緑化地盤に対して潅水を実行可能な、不透水面上に敷設された緑化地盤の潅水システムにおいて、
    潅水対象である当該緑化地盤と離隔した管理部には、
    当該緑化地盤での降雨量を一ファクタとして当該緑化地盤の土壌水分量をシミュレーションにより算出し、当該算出結果に基づいて潅水タイミング及び/又は潅水量を決定する潅水内容決定手段と、
    潅水内容決定手段が決定した内容に基づき、遠隔操作で電磁弁又は電動弁を起動する潅水制御手段と
    が備えられていることを特徴とする潅水システム。
  2. 潅水制御手段は、シミュレーションにより算出された土壌水分量が、当該緑化地盤における植栽植物が正常に生育する上で必要とする量以下(成長阻害水分点、即ちpF値で3.0前後以上)であり且つ該植栽植物が枯死しない量以上(永久しおれ点、即ちpF値で4.2以下)の土壌水分量を維持できるよう、潅水タイミング及び/又は潅水量を決定する、請求項1記載の潅水システム。
  3. 潅水システムは、
    電磁弁又は電動弁の開放時間を計測するタイマ
    を更に有しており、
    潅水制御手段は、タイマに開放時間をセットすることで潅水量を設定する、請求項1又は2記載の潅水システム。
  4. 緑化地盤側には、
    フローセンサ、流量計及び水圧計から選択される一種以上である潅水実行状況確認手段と、
    潅水実行状況確認手段による確認結果に関する情報を管理部側に送信する管理部側情報送信手段と
    が備えられている、請求項1〜3のいずれか一項記載の潅水システム。
  5. 屋上緑化潅水システムである、請求項1〜4のいずれか一項記載の潅水システム。
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