JP2002313724A - 半導体膜のレーザーアニール方法 - Google Patents

半導体膜のレーザーアニール方法

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JP2002313724A JP2002039682A JP2002039682A JP2002313724A JP 2002313724 A JP2002313724 A JP 2002313724A JP 2002039682 A JP2002039682 A JP 2002039682A JP 2002039682 A JP2002039682 A JP 2002039682A JP 2002313724 A JP2002313724 A JP 2002313724A
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謙秀 尾方
Masaru Wakita
賢 脇田
Kiyoshi Yoneda
清 米田
Yoshihiro Morimoto
佳宏 森本
Tsutomu Yamada
努 山田
Kazuhiro Imao
和博 今尾
Takashi Kuwabara
隆 桑原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 p−SiTFTLCDのp−Siを形成する
エキシマレーザーアニール(ELA)において、結晶性の
良好なp−Siを得るためのELAを提供する。 【解決手段】 レーザービームの走査進行方向におい
て、ビームプロファイルの比較的前方においてグレイン
サイズを最大にする閾値エネルギーEthを越えるエネル
ギー領域を有し、且つ、十分後方において閾値エネルギ
ーを越えないエネルギー領域を有する。ビームが進行す
るに従って照射エネルギーが閾値Ethエネルギーより上
から下へと移行していき、その過程で閾値エネルギー直
下のグレインサイズを十分に大きくするエネルギー領域
において最良のアニールが行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置、特
に、液晶表示装置(LCD:liquid crystal display)
であって、多結晶半導体層を用いた薄膜トランジスタ
(TFT:thin filmtransistor)を表示部及び周辺部
に形成した周辺駆動回路一体型LCDの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、LCDは、小型、薄型、低消費電
力などの利点から、OA機器、AV機器等の分野で実用
化が進められており、特に、各画素に画像情報の書き換
えタイミングを制御するスイッチング素子としてTFT
を配置したアクティブマトリクス型は、大画面、高精細
の動画表示が可能となるため、各種テレビジョン、パー
ソナルコンピュータなどのディスプレイに用いられてい
る。
【0003】TFTは、絶縁性の基板上に金属層ととも
に半導体層を所定形状に形成することにより得られる電
界効果型トランジスタ(FET:field effect transis
tor)である。アクティブマトリクス型LCDにおいて
は、TFTは、液晶を挟んだ一対の基板間に形成され
た、液晶を駆動する画素である各キャパシタの一方の電
極に接続されている。
【0004】特に、半導体層として、それまで多用され
てきた非晶質シリコン(a−Si)に代わって、多結晶
シリコン(p−Si)を用いたLCDが開発され、p−
Siの結晶粒(グレイン)の形成あるいは成長のために
レーザービーム照射を用いたアニールが行われている。
一般に、p−Siはa−Siに比べて移動度が高く、T
FTが小型化され、高開口率及び高精細化が実現され
る。また、ゲートセルフアライン構造による微細化、寄
生容量の縮小による高速化が達成されるため、n−ch
TFTとp−chTFTの電気的相補結線構造即ちCM
OSを形成することにより、高速駆動回路を構成するこ
とができる。このため、駆動回路部を同一基板上に表示
画素部と一体形成することにより、製造コストの削減、
LCDモジュールの小型化が実現される。
【0005】絶縁性基板上へのp−Siの成膜方法とし
ては、低温で生成したa−Siを高温でアニールするこ
とによる再結晶化、あるいは、高温での固相成長法等が
あるが、いずれの場合も、900℃以上の処理となるた
め、耐熱性の点で、絶縁性基板として安価な無アルカリ
ガラス基板を使うことができなかった。このため、基板
として高価な石英ガラス基板が必要となり、コストがか
かっていた。これに対し、レーザーアニールを用いて、
基板温度600℃以下の比較的低温でのシリコン結晶化
処理を行うことで、絶縁性基板として、無アルカリガラ
ス基板を用いる方法が開発されている。TFT基板製造
の全工程において処理温度を600℃以下にしたプロセ
スは、低温プロセスと呼ばれ、低コストのLCDの量産
には必須のプロセスである。
【0006】図22は、このようなレーザーアニールを
行うためのレーザー光照射装置の構成図である。図中、
(51)はレーザー光発振源、(52,61)はミラ
ー、(53,54,55,56)はシリンドリカルレン
ズ、(57,58,59,62,63)は集光レンズ、
(60)はライン幅方向のスリット、(65)はライン
長方向のスリットである。(64)は表面にa−Siが
形成された被処理基板(70)を支持するステージであ
る。
【0007】レーザー光は、例えば、エキシマレーザー
であり、レーザー光発振源(51)から射出されたレー
ザー光は、シリンドリカルレンズ(53,55)及び
(54,56)からなる2組のコンデンサーレンズによ
り、各々上下左右方向に対して照射エネルギーの出力分
布がフラットな平行光に変形される。この平行光は、図
23に示すように、レンズ(58,59,62,63)
により一方向に収束されるとともに、図24に示すよう
に、レンズ(57)により他の一方向に引き延ばされ、
被照射領域が帯形のライン状に整形されて被処理基板
(70)に照射される。また、スリット(60,65)
は、各々ライン幅及びライン長方向の両端部分を遮断し
て被照射領域形状を明瞭に規定し、有効照射領域の強度
を一定にするものである。被処理基板(70)を載置し
たステージ(64)は、(X,Y)方向に可動で、照射
ラインビームが走査され、大面積処理が行われ、高スル
ープットでのレーザーアニールが実現される。なお、本
装置においては、レンズ等の光学系の設計により被照射
領域を長方形、更には正方形等に整形したシートビーム
照射も可能となる。
【0008】図25に、図22に示される装置を用いた
エキシマレーザーアニール(以下、ELAと称する)に
おける、被処理基板の状態を示している。被処理基板
(1)は、普通の無アルカリガラス基板であり、その表
面には、a−Siが形成されている。基板(1)は、表
示画素がマトリクス状に配置されることになる画素部
(2)と、画素部(2)周辺に配置されることになるゲ
ートドライバー(3)及びドレインドライバー(4)と
からなるLCDを構成するアクティブマトリクス基板
(5)を複数枚含んだマザーガラス基板である。画素部
(2)では、液晶を駆動する画素キャパシタの一方の電
極である表示電極がマトリクス状に配置形成され、これ
らに各々TFTが接続形成されることになる。ゲートド
ライバー(3)は主にシフトレジスタからなり、ドレイ
ンドライバー(4)は、主に、シフトレジスタ及びサン
プル・ホールド回路からなっている。これらドライバー
は、CMOS等のTFTのアレイにより形成される。
【0009】各TFTは、図26に示すように、ELA
によりa−Siから結晶化されて得られたp−Siを動
作層に用いて形成される。即ち、島状にエッチングされ
たp−Si(11)中に、ノンドープのチャンネル領域
(CH)、ライトドープのLD領域(LD)及びヘビー
ドープのソース・ドレイン領域(S,D)が形成され、
チャンネル領域(CH)上には、ゲート絶縁膜を挟ん
で、ゲート電極(13)が配されている。そして、ソー
ス及びドレイン領域(S,D)には、各々ソース電極及
びドレイン電極が接続形成され、周辺駆動回路部におい
てCMOS等の配線、画素部において、信号線、画素電
極への接続構造が形成される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】図22の装置により生
成されたラインビームは、図25において、その基板
(1)上への帯形の被照射領域のエッジラインをCで示
すように、各照射レーザーパルスを所定のオーバーラッ
プ量をもってずらしていくことにより、矢印で示す如
く、走査が行われ、全体がアニールされる。ところが、
このようなラインビームが走査された後、形成されたp
−Si中に図のRに示すような、結晶化が十分に行われ
ずに、グレインが小さいままに残った結晶化不良領域
が、被照射領域のラインの長方向に沿ったライン状に生
じ、縞模様を呈して存在していた。この結晶化不良領域
(R)は、移動度が低く、高抵抗であるため、この領域
で形成されたTFTは、特性の悪いものなる。TFTの
特性が悪化すると、画素部にあっては、画素キャパシタ
への充電が十分に行われずコントラスト比が低下した
り、周辺駆動回路部においては、誤動作を招くなど、表
示へ悪影響を及ぼす。
【0011】このような、結晶化不良領域(R)が生じ
るのは、図27に示すような照射レーザービームのエネ
ルギーのばらつきに起因していると推測される。図は、
レーザービームの走査進行方向における照射位置に関す
るエネルギープロファイルを示している。ライン幅Aの
うち、その両端部は、光の回折等により、エネルギーが
下がって幅Bにわたってエッジがぼやけている。レーザ
ーアニールにおいては、グレインサイズは照射エネルギ
ーが高いほど大きくなるが、ある値を越えると急激に小
さくなる。このため、照射レーザーエネルギーのばらつ
きのために、図のXで示すような、グレインサイズが急
激に小さくなるエネルギーEuを越えると、これに対応
する領域は結晶化不良領域(R)となる。
【0012】図22に示すような、複数のレンズからな
る光学系においては、レンズ表面に存在する微小な凹凸
や、異物等により、光の回折、散乱、干渉等が起こり、
更にこれがライン幅方向に集光されるとともに、ライン
長方向に引き延ばされることにより、ライン状の被照射
領域の中に、更に細いライン状の結晶化不良領域が生じ
るものと考えられる。例えば、レンズ表面に付着するよ
うな異物は、クリーンルーム内に僅かに存在していて
も、レーザーアニール時には、大きな影響を及ぼすこと
になる。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明はこの課題を解決
するために成され、基板上の半導体膜にレーザービーム
を照射して膜質を改良する半導体膜のレーザーアニール
方法において、前記レーザービームの被照射領域におい
て、高エネルギー部が照射された後、逐次的に、それよ
りも小さなエネルギーの低エネルギー部が照射され、前
記低エネルギー部の照射によって前記高エネルギー部照
射によって生じた残存結晶化不良領域の結晶化を行うも
のである。
【0014】また、基板上の非晶質半導体膜にレーザー
ビームを照射して多結晶半導体膜を得る半導体膜のレー
ザーアニール方法において、前記レーザービームの被照
射領域において、高エネルギー部が照射された後、逐次
的に、それよりも小さなエネルギーの低エネルギー部が
照射され、前記低エネルギー部の照射によって前記高エ
ネルギー部照射によって生じた残存結晶化不良領域の結
晶化を行うものである。
【0015】これにより、レーザービームを照射して形
成される半導体膜において生じた残存結晶化不良領域を
良好な結晶膜に回復することができるため、特性の良好
な膜を得ることができる。
【0016】また、本発明の半導体膜のレーザーアニー
ル方法は、基板上の半導体膜にレーザービームを照射し
て膜質を改良する半導体膜のレーザーアニール方法にお
いて、前記レーザービームの被照射領域において、高エ
ネルギー部が照射された後、逐次的に、それよりも小さ
なエネルギーの低エネルギー部が照射され、前記低エネ
ルギー部のエネルギーは、レーザーエネルギーのばらつ
きが生じてもグレインサイズを急激に小さくする閾値エ
ネルギーEthを越えないものである。また、基板上の
非晶質半導体膜にレーザービームを照射して多結晶半導
体膜を得る半導体膜のレーザーアニール方法において、
前記レーザービームの被照射領域において、高エネルギ
ー部が照射された後、逐次的に、それよりも小さなエネ
ルギーの低エネルギー部が照射され、前記低エネルギー
部のエネルギーは、レーザーエネルギーのばらつきが生
じてもグレインサイズを急激に小さくする閾値エネルギ
ーEthを越えない。これにより、低エネルギー部で照
射されたレーザービームによって膜質が改良された半導
体膜のグレインサイズが急激に小さくなることが防止で
きるので、良好な具レインサイズの半導体膜を得ること
ができる。
【0017】更に、本発明の半導体膜のレーザーアニー
ル方法は、基板上の半導体膜にレーザービームを照射し
て膜質を改良する半導体膜のレーザーアニール方法にお
いて、前記レーザービームの被照射領域において、高エ
ネルギー部が照射された後、逐次的に、それよりも小さ
なエネルギーの低エネルギー部が照射され、前記高エネ
ルギー部のエネルギーは、結晶粒径を最大にするエネル
ギーと同程度か、または、これを越えるものである。
【0018】また、基板上の非晶質半導体膜にレーザー
ビームを照射して多結晶半導体膜を得る半導体膜のレー
ザーアニール方法において、前記レーザービームの被照
射領域において、高エネルギー部が照射された後、逐次
的に、それよりも小さなエネルギーの低エネルギー部が
照射され、前記高エネルギー部のエネルギーは、結晶粒
径を最大にするエネルギーと同程度か、または、これを
越えるものである。
【0019】また、基板上の半導体膜にレーザービーム
を照射して膜質を改良する半導体膜のレーザーアニール
方法において、前記レーザービームの被照射領域におい
て、高エネルギー部が照射された後、逐次的に、それよ
りも小さなエネルギーの低エネルギー部が照射され、前
記高エネルギー部のエネルギーは、結晶粒径を最大にす
るエネルギーと同程度か、または、これを越え、前記低
エネルギー部のエネルギーは、レーザーエネルギーのば
らつきが生じてもグレインサイズを急激に小さくする閾
値エネルギーEthを越えないものである。
【0020】更にまた、基板上の非晶質半導体膜にレー
ザービームを照射して多結晶半導体膜を得る半導体膜の
レーザーアニール方法において、前記レーザービームの
被照射領域において、高エネルギー部が照射された後、
逐次的に、それよりも小さなエネルギーの低エネルギー
部が照射され、前記高エネルギー部のエネルギーは、結
晶粒径を最大にするエネルギーと同程度か、または、こ
れを越え、前記低エネルギー部のエネルギーは、レーザ
ーエネルギーのばらつきが生じてもグレインサイズを急
激に小さくする閾値エネルギーEthを越えないもので
ある。
【0021】これにより、高エネルギー部で結晶粒径を
最大にするエネルギーのレーザービームを照射すること
により大きなグレインサイズの半導体膜を得ることがで
き、その高エネルギー部のレーザービームのエネルギー
が結晶粒径を最大にするエネルギーよりも大きい場合に
はグレインサイズが急激に小さくなる場合があるが、そ
の場合でも、低エネルギー部におけるグレインサイズを
急激に小さくする閾値エネルギーEthを越えないレー
ザービーム照射により、グレインサイズを大きく回復さ
せることができるので良好な特性の半導体膜を得ること
ができる。
【0022】半導体層には、レーザービームの進行方向
の比較的前方に位置する高エネルギー部が通過した後
に、逐次的に、それよりも小さなエネルギー部が通過す
ることになる。このため、初めに大きなエネルギーで大
きな結晶粒が形成された後、比較的小さなエネルギーに
より、先に形成された大きな結晶粒を保ちながら、残存
結晶化不良領域の結晶化が成され、結晶性の向上が図ら
れる。
【0023】また、前記レーザービームの被照射領域に
おける位置に関するエネルギーは、前記レーザービーム
が走査される進行方向における十分後方位置において、
結晶粒径を最大にするエネルギー値よりも十分に小さい
構成であるので、半導体層上を通過する照射レーザービ
ームの、進行方向の十分な後方において、エネルギーが
結晶粒径を最大にする値を越えて半導体結晶を再非晶質
化させることを防ぐとともに、結晶性の悪い領域の結晶
化がある程度成されるので、全域にわたってほぼ結晶粒
径の均一な多結晶半導体層が得られる。
【0024】また、前記レーザービームの被照射領域に
おける位置に関するエネルギーは、前記レーザービーム
が走査される進行方向における比較的前方位置におい
て、結晶粒径を最大にするエネルギーと同程度か、また
は、これを越える構成であるので、半導体層上を通過す
る照射レーザービームは、先に結晶粒径を最大にする閾
値付近以上のエネルギーを越えてアニールされるが、そ
の後、逐次エネルギーが低下していき、閾値エネルギー
を越えない十分に高い最適エネルギーによるアニール、
即ち、結晶粒径を十分に大きくするエネルギー範囲での
最良のアニールが行われる。従って、結晶粒径が大き
く、かつ、均一性の優れた多結晶半導体層が形成され
る。
【0025】特に、前記レーザービームは、発振源から
射出されたレーザーを複数のレンズからなる光学系によ
りその被照射領域を所定の形状に整形して得られ、前記
基板上の非晶質半導体膜と前記光学系の焦点位置との距
離を調節することで、前記レーザービームの被照射領域
における位置に関するエネルギーが制御されている構成
である。
【0026】これにより、レーザーアニールすべき非晶
質半導体膜が形成された基板と、光学系の焦点位置との
距離を変えることで、好適な被照射位置−エネルギー分
布を有したレーザービームが得られ、良好なレーザーア
ニールが行われる。
【0027】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の形態であ
る、ELAにおける被処理基板の状態を示す平面図であ
る。被処理基板(1)は、普通の無アルカリガラス基板
であり、その表面には、a−Siが形成されている。基
板(1)は、表示画素がマトリクス状に配置形成される
画素部(2)と、画素部(2)周辺に配置形成されるゲ
ートドライバー(3)及びドレインドライバー(4)か
らなるLCDを構成するアクティブマトリクス基板
(5)を6枚含んだマザーガラス基板である。画素部
(2)では、液晶を駆動する画素キャパシタの一方の電
極である表示電極がマトリクス状に配置され、これらに
各々TFTが接続形成された構造とされる。ゲートドラ
イバー(3)は主にシフトレジスタからなり、ドレイン
ドライバー(4)は、主に、シフトレジスタ及びサンプ
ル・ホールド回路からなっている。これらドライバー
は、CMOS等のTFTのアレイにより形成され、各T
FTは、本発明のELA法により形成されたp−Siを
チャンネル及びソース・ドレイン層に用いて形成され
る。
【0028】ELAは図22に示されるレーザー光照射
装置により実現されるライン(シート)ビームの照射及
びその走査である。ラインビームは、図1において、そ
の基板(1)上への帯形の被照射領域のエッジラインを
Cで示すように、ライン状の各照射レーザーパルスを所
定のオーバーラップをもって基板(1)上で順次ずらし
ていくことで、図の矢印で示す如くに走査が行われ、全
面がアニールされる。図22に示すELA装置におい
て、例えば、ラインビームは、ライン長が80〜300
mm、ライン幅が0.1〜1mm程度であり、このライ
ンを、被処理基板(1)上で移動し、ライン幅方向に複
数回(ここでは2回)走査することにより、被処理基板
(1)の全域がアニールされ、大面積処理を可能として
いる。
【0029】本発明の実施の形態にかかる照射ライン
(シート)ビームの、ライン(シート)幅方向における
位置−エネルギー関係を表すビームプロファイルを図2
から図5に示す。図2は、基本的なビームプロファイル
を台形に整形した場合、図3は同じく台形のビームプロ
ファイルにおいて、一方のエッジをぼかした場合、図4
及び図5はビームプロファイルを明瞭に規定しない場合
を示している。いずれの場合も、ビームが走査される進
行方向の比較的前方において、シリコン粒を微結晶化さ
せる閾値エネルギーEthを越えているとともに、それよ
りも後方では閾値エネルギーEthを越えることのない形
状となっている。このため、閾値エネルギー直下の、十
分大きなグレインサイズを得るエネルギー範囲内にある
ビームの最適領域(GR)により、最も良好なレーザー
アニールが行われる。
【0030】図6は、ELAにおいて、結晶性がレーザ
ー照射時の膜温度に依存する関係を表している。温度
は、パイロメーター等、周知である格子状態の光学的観
察による測定値であり、ELAのエネルギーに関係して
いる。図では、出発膜であるa−Siの結晶化態様を、
各々照射開始後、時間が経過するに従って膜温度が上昇
し、照射終了後、膜温度が下がっていく様子が示されて
いる。図のaでは、膜温度の最高到達点が、グレインが
形成され始める膜温度である多結晶化温度Tgを越える
ことが無く、膜温度が下がって不活性化後もa−Siの
ままとなっている。bでは、膜温度の最高到達点が多結
晶化温度Tgを越え、膜温度が下がって不活性化後、グ
レインサイズの小さなp−Si(S)が形成される。c
では、膜温度の最高到達点が更に高く、大きなグレイン
サイズのp−Si(L)が形成される。そしてdでは、
照射開始後、多結晶化温度Tgを越えた後、更に、グレ
インが小さくなる微結晶化温度TMを越えており、温度
が下がって不活性化後、微結晶シリコン即ちマイクロク
リスタル(M−cry)が形成される。これら、a,
b,c,dの差異はELAエネルギーにより現れる。良
好なアニールを行ってグレインサイズの大きなp−Si
(L)を得るには、膜温度TMを越えない範囲で、でき
るだけ高い温度まで上昇させる必要があることが分か
る。
【0031】図7に、照射時間、即ち、照射レーザーパ
ルスのショット数とグレインサイズの関係を示す。図6
における微結晶化温度TM以下であれば、ショット数及
びELAエネルギーが上昇するに従ってグレインサイズ
が大きくなる。但し、グレインサイズの増大は、初めの
数ショットまでが大きく、その後は、緩やかにグレイン
サイズが大きくなっていく。
【0032】このようなELAの性質は、以下の実験及
びその考察により導かれた。
【0033】まず、後で詳述するような、比較的高エネ
ルギーのELAで形成したp−Si膜にセコエッチを行
い、SEM、光学顕微鏡等により、膜状態を調べた結
果、図8に示すようなELAの性質が分かった。図の上
段は、レーザービームの照射位置−エネルギーの関係を
示すビームプロファイルであり、位置はラインビームの
幅方向、即ち、進行方向に関する前後位置、温度は格子
状態の光学的観察により測定される膜温度であり、ビー
ムエネルギーに関係している。図の下段は、前記ビーム
プロファイルに対応したELA被処理膜の状態図であ
る。ビームプロファイルは台形を呈しており、その頂上
部が微結晶化温度TMを越えており、これに対応する膜
状態はマイクロクリスタル(M−cry)となってい
る。また、台形のプロファイルの側面では、膜温度が直
線あるいは緩やかな曲線状の急傾斜になっており、位置
に関して、頂上部即ちマイクロクリスタル領域に近づく
従って膜温度が上昇し、多結晶化温度Tg、次いで微結
晶化温度TMを越えている。そして、ビームプロファイ
ルの多結晶化温度Tg以下の温度領域に対応する、最も
外側の被処理膜状態はa−Siとなっており、多結晶化
温度Tgから微結晶化温度TMまでの温度領域に対応す
る被処理膜状態はp−Siとなっている。但し、p−S
iのグレインサイズは、a−Si領域から連続的に、膜
温度がTgを越えて上昇するに従って大きくなってい
る。最も特徴的な点は、膜温度TMまではグレインサイ
ズは温度の上昇に従って大きくなるが、膜温度TMを越
えると急激に小さくなってマイクロクリスタルとなると
ころである。そして、膜温度TMを越えない最も高い温
度領域MXにおいて、最大のグレインサイズが得られる
ことが分かる。
【0034】図9は、図8に示すエネルギープロファイ
ルを呈するラインビームを走査して被処理膜を光学顕微
鏡で観察することにより判明した膜状態図(中段)と、
これに対応するビーム走査進行方向位置とグレインサイ
ズとの関係図(下段)である。エネルギープロファイル
を上段に示すラインビームは、図の左側から各照射レー
ザーパルス位置が順次ずらされて進んできて、現時点で
図示の位置にあることを示している。本実験では、ライ
ンビーム走査は、95%レーザーパルスオーバーラップ
による20ショット重ね打ちで行われている。レーザー
パルスの各ショットにおいて、ビームプロファイルエッ
ジ部のMX領域に当たる膜は、順次、十分大きなグレイ
ンサイズGMのp−Siが形成されていくが、同時に、
エネルギープロファイルのMX領域より進行方向前方に
ある膜温度TM以上の温度領域においてM−cryが形
成されて、縞模様を呈している。即ち、より先のショッ
トにおいて形成されたM−cryは、それに続くショッ
トにより結晶化が図られるが、最大のグレインサイズG
Mを得るための温度領域MXは、膜領域においては細線
状に形成されたp−Siとなるに過ぎず、それ以外の領
域では、先に形成されたM−cryのグレインサイズを
更に増大するほどのエネルギーは与えられないことがわ
かる。なお、ビームプロファイルの走査進行方向前方側
エッジにも十分大きなグレインサイズGMを得るMX領
域があるが、その後のビームプロファイルの頂上部が通
過する間に、M−cryが形成される。
【0035】また、比較的低エネルギーのELAで形成
されたp−Si膜にセコエッチを施してSEM、光学顕
微鏡等の光学的観察を行った結果、図10に示すELA
の性質が分かった。図8と同様に、図の上段は、レーザ
ービーム走査の進行方向における照射位置に関するエネ
ルギープロファイルであり、下段は、このビームプロフ
ァイルに対応したELA被処理膜の状態図である。ビー
ムプロファイルは台形を呈しているが、エネルギーは比
較的低いので、その頂上部が微結晶化温度TMを越える
ことはなく、多結晶化温度Tgを越える温度領域に対応
する膜領域でそれほど大きくはないグレインサイズのp
−Siが形成されている。多結晶化温度Tg以下ではa
−Siの領域となっている。
【0036】図11は、図10に示すエネルギープロフ
ァイルを呈するラインビームを走査して被処理膜を光学
顕微鏡で観察することにより判明した膜状態図(中段)
と、これに対応するビーム走査進行方向位置とグレイン
サイズとの関係図(下段)である。図の上段にそのエネ
ルギープロファイルを示すようなラインビームは、図9
と同様、95%レーザーパルスオーバーラップの20シ
ョット重ね打ち走査により、図の左側から進んできて図
示の位置にある。この場合、レーザーエネルギーは、微
結晶化温度TMを越えることはないので、再非晶質化に
よるマイクロクリスタルが形成されることはなく、ショ
ット数が増えるにつれて結晶化され、グレインサイズが
大きくなっていく。初めの4ショットで、グレインサイ
ズGgを示すp−Siが形成された後、更に、ショット
が重ねられるに従って比較的緩やかにグレインサイズが
大きくなっている。そして、12ショット目でほぼこの
ELAエネルギーにより得られる最大のグレインサイズ
Gpとなり、その後は大きな変化はない。
【0037】以上の実験より次のことが分かった。EL
Aにおいて、シリコンのグレインサイズを大きくするた
めには、エネルギーを上げればいいが、あるエネルギー
値よりも大きくなると、再非晶質化が起こり、グレイン
サイズが急激に小さくなってマイクロクリスタルが生成
される。即ち、図12にELAエネルギーとグレインサ
イズとの関係を示すように、エネルギーが高くなるにつ
れてグレインサイズは大きくなっていき、十分大きなグ
レインサイズGMを得るエネルギーEdを越えて更に高
くなると、グレインサイズは最大となる。更にエネルギ
ーが高くなると、グレインサイズは小さくなり、やがて
急激に小さくなる。ここで、このような閾値エネルギー
と、グレインサイズを最大にするエネルギーが厳密に一
致するかどうかは分かっていないが、グレインサイズを
最大にするエネルギーは、閾値エネルギーに極めて近
く、かつ、閾値エネルギーの方が大きくなっているの
で、以下の記述では、グレインサイズを最大にするエネ
ルギーと、グレインサイズを急激に小さくする閾値エネ
ルギーを実施上一致するものとみなし、主に、閾値エネ
ルギーに関して説明していく。
【0038】図12より、グレインサイズGM以上を得
るためには、エネルギーはEdとEuの間の範囲内にあれ
ば良く、特に、最大のグレインサイズを得るためには、
図の関係曲線の形状からして、再非晶質化閾値エネルギ
ーを越えない範囲内で、レーザーエネルギーをできるだ
け大きくすればよいことがわかる。しかし、図27に示
すように、照射レーザーエネルギーのばらつきは免れな
いため、局所的にも、グレインサイズが急激に小さくな
る閾値エネルギーを越えると、これに対応する領域が結
晶化不良領域となって、この領域に形成されるTFTの
特性を悪化させてしまう。
【0039】従って、図2から図5に示すように、グレ
インサイズを急激に小さくする閾値エネルギーEthに関
して、照射レーザービームの走査進行方向の前方から後
方に向かって、エネルギーが緩やかに低下し、プロファ
イルエッジが閾値エネルギーEthよりも上側の領域から
下側の領域へと交差するエネルギープロファイルとする
ことにより、良好なELAが行われる。即ち、ビームプ
ロファイルの前方において、閾値エネルギーEthを越え
ていることにより、プロファイルエッジの閾値エネルギ
ーEthとの交差部直後の領域(GR)で、閾値エネルギ
ーEthを越えない最大のエネルギーによるアニールが行
われ、最大のグレインサイズを有するp−Si膜の形成
が行われる。言い換えれば、グレインサイズを急激に小
さくする閾値エネルギーEth直下のエネルギー領域にお
いて、グレインサイズを最も大きくするエネルギー領域
(GR)が存在する。このGR領域よりも前方の閾値エ
ネルギーEthを越えた領域では、マイクロクリスタルが
形成されることになるが、その後、GR領域が通過する
ことで、グレインサイズは最大にされる。また、GR領
域よりも後方において、閾値エネルギーEthを越えない
ので、いったん形成されたグレインが微結晶化すること
はない。従って、GR領域が被処理膜の同一領域におい
て、所定回数ショットされるべく、オーバーラップ量及
びパルス周波数を設定することで、被処理膜の全域にわ
たって良好なアニールが行われ、最大のグレインサイズ
を有するp−Si膜の形成が可能となる。
【0040】
【実施例】まず第1の実施例として、図13は、図22
のELA装置において、レーザービームの焦点位置と被
処理基板の距離を300μmに設定した時のビームプロ
ファイルである。プロファイルの左側においてエネルギ
ーが跳ね上がった形状を呈している。図14は、図13
のエネルギープロファイルを呈したラインビームの進行
方向を、図13の左方向にして走査した時の光学顕微鏡
写真である。セコエッチを行ってグレインサイズの違い
から生じる干渉光が異なっ色を表すようにすることで、
膜状態を調べることができる。図14の(a)(b)
(c)は、各々エネルギー390mJ/平方cm、40
0mJ/平方cm、410mJ/平方cmの時のもので
ある。また、図15には、同じく図13のラインビーム
の進行方向を右方向にして走査した時の同様の光学顕微
鏡写真である。図14では、概ね膜質の良好なp−Si
膜が得られていることが分かる。これに対して、図15
では、(a)及び(b)で結晶化不良領域が縦に筋状に
黒くなっているのが認められる。(c)では更に、結晶
化不良領域が黒く目立っており、膜質がかなり悪いこと
が分かる。
【0041】これらの観察から次のことが推察される。
即ち、図13にエネルギープロファイルを示すラインビ
ームでは、エネルギーが跳ね上がった部分が微結晶化温
度即ちグレインサイズを急激に小さくする閾値エネルギ
ーEthを越えやすくなっており、特に、レーザーエネル
ギーが高くなればなるほど、その確率は高まる。このた
め、図13の右方向に進行するラインビームでは、照射
領域の最後部で微結晶化を行いながらアニールされるの
で、ビームの前方で形成されたp−Siが、ビームの後
方でマイクロクリスタルになって図15に示されるよう
に結晶化不良領域として残ってしまう。このようなこと
は、エネルギーが高い程起こりやすく、大きなグレイン
サイズを得ようとすると、かえってマイクロクリスタル
を生成してしまうという問題を招く。
【0042】これに対して、ラインビームの進行方向を
図13の左方向にとると、ビームの前方でマイクロクリ
スタルが生成されやすくなるが、その後、ビームが通過
している間に閾値エネルギー直下のエネルギー領域によ
り良好な結晶化が行われて、グレインサイズの大きなp
−Siが形成される。図14(c)では、僅かに結晶化
不良域が黒く生じているのが認められ、レーザーエネル
ギーが410mJ/平方cmの付近に、グレインサイズ
を急激に小さくする閾値エネルギーEthがあることが分
かる。
【0043】従って、図13にエネルギープロファイル
を示すラインビームは、そのエネルギーを410mJ/
平方cm程度に設定し、かつ、図の左方向に進行方向を
とって走査することにより、最良の結晶化アニールが行
えることが分かる。即ち、この時、ビームの前方でマイ
クロクリスタルが形成されるが、その後、ビームの中央
部から後方にかけて、グレインサイズを急激に小さくす
る閾値エネルギーEthよりも高いエネルギー領域から、
閾値エネルギーEthよりも低いエネルギー領域へと移行
する部分があり、図4に示すような、最も良好なアニー
ルが行われる最適ビーム領域(GR)が存在している。
本実施例では、20ショット重ね打ちを行っており、最
適ビーム領域(GR)によるショット数はそれよりも減
るが、図6、図7及び図11に示しているように、グレ
インの形成は初めの数ショットでほぼ完成されるので、
所望のショット数が得られるように、レーザーパルスの
オーバーラップ量と周波数を最適に設定することで、良
好なアニールを行うことができる。
【0044】次に第2の実施例として、図16は、図2
2のELA装置において、レーザービームの焦点位置と
被処理基板の距離を600μmに設定した時のビームプ
ロファイルである。このように、焦点距離を変えること
で、回折及び干渉時の極微の光のずれを利用してビーム
プロファイルを変形することができる。また、図17
は、図16にエネルギープロファイルを示すラインビー
ムの進行方向を図の左方向にとった場合の顕微鏡写真、
図18は、同じく右方向の顕微鏡写真である。図17及
び図18において、(a)(b)(c)は、レーザーエ
ネルギーが各々390mJ/平方cm、400mJ/平
方cm、410mJ/平方cmの場合である。両図と
も、(a)(b)では良好な結晶状態が示されている
が、(c)を比べると、図17において結晶化不良領域
が目立っている。即ち、エネルギー410mJ/平方c
m付近に、グレインサイズを急激に小さくなる閾値エネ
ルギーがある。このビームプロファイルは、図16に示
すように、比較的右側にエネルギーが高くなった領域が
あるので、左方向に走査した場合は、レーザービームの
後の方でマイクロクリスタルが形成され、その後、グレ
インサイズを急激に小さくする閾値エネルギーEth直下
の良好なアニールを行う最適ビーム領域(GR)が短く
なり、マイクロクリスタルの結晶化が十分に行われずに
図17に示すように結晶化不良領域が生成してしまう。
【0045】これに対して、ラインビームを右方向に走
査した場合は、レーザーエネルギー照射の初めの方で、
グレインサイズを急激に小さくする閾値エネルギーEth
を越えたアニールが行われ、その後、図4と同様、閾値
エネルギーEth直下の最良のアニールが行われる最適ビ
ーム領域(GR)が十分に長くなるので、図18に示さ
れるような結晶性の良好な膜がp−Si膜が得られる。
【0046】続いて、第3の実施例として、図19は、
レーザーの焦点位置と被処理基板の距離を900μmと
した時のビームプロファイルである。また、図20及び
図21は、図19のエネルギープロファイルを呈するラ
インビームの進行方向を各々左方向及び右方向にとった
場合の顕微鏡写真である。(a)(b)(c)は、先の
実施例と同様、レーザーエネルギーが各々390mJ/
平方cm、400mJ/平方cm、410mJ/平方c
mの場合である。図20及び図21のいずれも良好な結
晶性が示されている。図19のビームプロファイルを見
ると、中央やや右にエネルギーが突出した部分があり、
これを頂点として、その両側で緩やかにエネルギーが低
下した、図5に類似の形状となっている。このため、ラ
インビームの走査方向を左方向あるいは右方向のいずれ
にとっても、グレインサイズを最大にするエネルギーE
thよりも高い領域からエネルギーEthよりも低い領域へ
と移行する、グレインサイズを十分に大きくする最適ビ
ーム領域(GR)が存在しており、良好なアニールが行
われている。
【0047】
【発明の効果】以上の説明から明らかな如く、本発明
で、基板上に形成された非晶質半導体層をレーザーアニ
ールにより結晶化して得られる多結晶半導体層を用いた
半導体装置の製造方法において、照射レーザービームの
走査進行位置に関して、比較的前方において、グレイン
サイズを最大にする閾値エネルギーを越えるエネルギー
領域が存在し、かつ、十分後方において、グレインサイ
ズを最大にする閾値エネルギーを越えないエネルギー領
域が存在する位置−エネルギー関係のプロファイルを呈
したレーザービーム照射を行う。これにより、閾値エネ
ルギー直下の、グレインサイズを十分に大きくするエネ
ルギー領域において最良のアニールが成され、結晶性の
極めて良好な多結晶半導体層を形成することができる。
従って、画素部とともに、周辺駆動回路部を同一基板上
に形成した駆動回路一体型液晶表示装置において、画素
部及び駆動回路部を構成する多結晶シリコン薄膜トラン
ジスタの特性が向上され、表示品位の良い表示装置が得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかるELA時の被処理
基板の平面図である。
【図2】本発明の実施の形態にかかるレーザービームの
走査進行方向の位置−エネルギー関係を表すビームプロ
ファイルである。
【図3】本発明の実施の形態にかかるレーザービームの
走査進行方向の位置−エネルギー関係を表すビームプロ
ファイルである。
【図4】本発明の実施の形態にかかるレーザービームの
走査進行方向の位置−エネルギー関係を表すビームプロ
ファイルである。
【図5】本発明の実施の形態にかかるレーザービームの
走査進行方向の位置−エネルギー関係を表すビームプロ
ファイルである。
【図6】本発明の実施の形態にかかるELAにおける照
射時間(パルスショット数)−膜温度の関係図である。
【図7】本発明の実施の形態にかかるELAにおける照
射時間(パルスショット数)−グレインサイズの関係図
である。
【図8】本発明の実施の形態にかかるELAにおけるビ
ームプロファイルと膜状態との対応関係図である。
【図9】本発明の実施の形態にかかるELAにおけるビ
ームプロファイル、膜状態及び位置−グレインサイズ関
係の対応関係図である。
【図10】本発明の実施の形態にかかるELAにおける
ビームプロファイルと膜状態との対応関係図である。
【図11】本発明の実施の形態にかかるELAにおける
ビームプロファイル、膜状態及び位置−グレインサイズ
関係の対応関係図である。
【図12】本発明の実施の形態にかかるELAにおける
レーザーエネルギー−グレインサイズの関係図である。
【図13】本発明の第1の実施例にかかるELAにおけ
る位置−エネルギーの関係を表すビームプロファイルで
ある。
【図14】本発明の第1の実施例にかかるELAにより
形成されたp−Si膜の顕微鏡写真である。
【図15】本発明の第1の実施例にかかるELAにより
形成されたp−Si膜の顕微鏡写真である。
【図16】本発明の第2の実施例にかかるELAにおけ
る位置−エネルギーの関係を表すビームプロファイルで
ある。
【図17】本発明の第2の実施例にかかるELAにより
形成されたp−Si膜の顕微鏡写真である。
【図18】本発明の第2の実施例にかかるELAにより
形成されたp−Si膜の顕微鏡写真である。
【図19】本発明の第3の実施例にかかるELAにおけ
る位置−エネルギーの関係を表すビームプロファイルで
ある。
【図20】本発明の第3の実施例にかかるELAにより
形成されたp−Si膜の顕微鏡写真である。
【図21】本発明の第3の実施例にかかるELAにより
形成されたp−Si膜の顕微鏡写真である。
【図22】従来のELAにおける被処理基板の平面図で
ある。
【図23】ELA装置の構成図である。
【図24】ELA装置の光学系の原理図である。
【図25】ELA装置の光学系の原理図である。
【図26】TFT部の平面図である。
【図27】ELAにおける照射位置−エネルギー関係を
表すビームプロファイルである。
【符号の説明】
1 被処理基板 2 画素部 3 ゲートドライバー 4 ドレインドライバー 5 アクティブマトリクス基板 CH チャンネル領域 D ドレイン領域 S ソース領域
フロントページの続き (72)発明者 米田 清 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 森本 佳宏 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 山田 努 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 今尾 和博 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 桑原 隆 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 Fターム(参考) 2H092 JA24 JB69 NA25 PA07 5F052 AA02 BA01 BA02 BA04 BA07 BA12 BB07 DA01 JA01 5F110 AA01 AA30 BB02 BB04 DD02 GG02 GG13 NN72 PP03 PP05 PP06

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上の半導体膜にレーザービームを照
    射して膜質を改良する半導体膜のレーザーアニール方法
    において、前記レーザービームの被照射領域において、
    高エネルギー部が照射された後、逐次的に、それよりも
    小さなエネルギーの低エネルギー部が照射され、前記低
    エネルギー部の照射によって前記高エネルギー部照射に
    よって生じた残存結晶化不良領域の結晶化を行うことを
    特徴とする半導体膜のレーザーアニール方法。
  2. 【請求項2】 基板上の非晶質半導体膜にレーザービー
    ムを照射して多結晶半導体膜を得る半導体膜のレーザー
    アニール方法において、前記レーザービームの被照射領
    域において、高エネルギー部が照射された後、逐次的
    に、それよりも小さなエネルギーの低エネルギー部が照
    射され、前記低エネルギー部の照射によって前記高エネ
    ルギー部照射によって生じた残存結晶化不良領域の結晶
    化を行うことを特徴とする半導体膜のレーザーアニール
    方法。
  3. 【請求項3】 基板上の半導体膜にレーザービームを照
    射して膜質を改良する半導体膜のレーザーアニール方法
    において、前記レーザービームの被照射領域において、
    高エネルギー部が照射された後、逐次的に、それよりも
    小さなエネルギーの低エネルギー部が照射され、前記低
    エネルギー部のエネルギーは、レーザーエネルギーのば
    らつきが生じてもグレインサイズを急激に小さくする閾
    値エネルギーEthを越えないことを特徴とする半導体
    膜のレーザーアニール方法。
  4. 【請求項4】 基板上の非晶質半導体膜にレーザービー
    ムを照射して多結晶半導体膜を得る半導体膜のレーザー
    アニール方法において、前記レーザービームの被照射領
    域において、高エネルギー部が照射された後、逐次的
    に、それよりも小さなエネルギーの低エネルギー部が照
    射され、前記低エネルギー部のエネルギーは、レーザー
    エネルギーのばらつきが生じてもグレインサイズを急激
    に小さくする閾値エネルギーEthを越えないことを特
    徴とする半導体膜のレーザーアニール方法。
  5. 【請求項5】 基板上の半導体膜にレーザービームを照
    射して膜質を改良する半導体膜のレーザーアニール方法
    において、前記レーザービームの被照射領域において、
    高エネルギー部が照射された後、逐次的に、それよりも
    小さなエネルギーの低エネルギー部が照射され、前記高
    エネルギー部のエネルギーは、結晶粒径を最大にするエ
    ネルギーと同程度か、または、これを越えることを特徴
    とする半導体膜のレーザーアニール方法。
  6. 【請求項6】 基板上の非晶質半導体膜にレーザービー
    ムを照射して多結晶半導体膜を得る半導体膜のレーザー
    アニール方法において、前記レーザービームの被照射領
    域において、高エネルギー部が照射された後、逐次的
    に、それよりも小さなエネルギーの低エネルギー部が照
    射され、前記高エネルギー部のエネルギーは、結晶粒径
    を最大にするエネルギーと同程度か、または、これを越
    えることを特徴とする半導体膜のレーザーアニール方
    法。
  7. 【請求項7】 基板上の半導体膜にレーザービームを照
    射して膜質を改良する半導体膜のレーザーアニール方法
    において、前記レーザービームの被照射領域において、
    高エネルギー部が照射された後、逐次的に、それよりも
    小さなエネルギーの低エネルギー部が照射され、前記高
    エネルギー部のエネルギーは、結晶粒径を最大にするエ
    ネルギーと同程度か、または、これを越え、前記低エネ
    ルギー部のエネルギーは、レーザーエネルギーのばらつ
    きが生じてもグレインサイズを急激に小さくする閾値エ
    ネルギーEthを越えないことを特徴とする半導体膜の
    レーザーアニール方法。
  8. 【請求項8】 基板上の非晶質半導体膜にレーザービー
    ムを照射して多結晶半導体膜を得る半導体膜のレーザー
    アニール方法において、前記レーザービームの被照射領
    域において、高エネルギー部が照射された後、逐次的
    に、それよりも小さなエネルギーの低エネルギー部が照
    射され、前記高エネルギー部のエネルギーは、結晶粒径
    を最大にするエネルギーと同程度か、または、これを越
    え、前記低エネルギー部のエネルギーは、レーザーエネ
    ルギーのばらつきが生じてもグレインサイズを急激に小
    さくする閾値エネルギーEthを越えないことを特徴と
    する半導体膜のレーザーアニール方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010541250A (ja) * 2007-09-25 2010-12-24 ザ トラスティーズ オブ コロンビア ユニヴァーシティ イン ザ シティ オブ ニューヨーク 横方向に結晶化した薄膜上に作製される薄膜トランジスタデバイスにおいて高い均一性を生成する方法
KR20210122783A (ko) 2019-01-31 2021-10-12 브이 테크놀로지 씨오. 엘티디 레이저 어닐링 방법, 레이저 어닐링 장치 및 결정화 실리콘막 기판

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