JP2002313535A - 被処理物保持体 - Google Patents

被処理物保持体

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JP2002313535A
JP2002313535A JP2001115450A JP2001115450A JP2002313535A JP 2002313535 A JP2002313535 A JP 2002313535A JP 2001115450 A JP2001115450 A JP 2001115450A JP 2001115450 A JP2001115450 A JP 2001115450A JP 2002313535 A JP2002313535 A JP 2002313535A
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temperature
heating element
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JP2001115450A
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Hiroshi Hiiragidaira
啓 柊平
Masuhiro Natsuhara
益宏 夏原
Hirohiko Nakada
博彦 仲田
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 保持部における良好な均熱性を有し、かつ急
昇温と急冷却を行なっても割れやクラックなどの問題の
ない被処理物保持体を提供する。 【解決手段】 本発明の被処理物保持体は、熱伝導率が
50W/mK以上のセラミックス基体2を有し、かつ被
処理物10を保持する部分の厚みTが5mm以上10m
m以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被処理物保持体に
関し、より具体的には、埋設された発熱体の発熱により
被処理物(半導体ウェハや液晶用基板)を加熱する機能
を有する半導体製造装置用ウェハ保持体あるいは液晶製
造装置用基板保持体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】被処理物(半導体ウェハや液晶用のガラ
ス基板)の表面をエッチングしたり、その表面に膜を形
成する際、複数のエッチング装置や成膜装置を並べて、
それらの装置間をローダを用いて被処理物を自動送りで
1枚ずつ処理する枚葉式が主流となっている。枚葉式の
製造装置を用いる場合、ローダでエッチング装置や成膜
装置のチャンバ内の保持体の上に被処理物を搬送し、そ
の保持体に静電チャック用電極で被処理物を固定した状
態で、または保持体の被処理物保持面の面精度を上げて
被処理物を静置密着させた状態で、保持体に熱を直接与
えて被処理物を均一に加熱する方法が採用されている。
【0003】したがって、被処理物保持体を構成する材
料は、少なくとも被処理物に接する部分が、膜形成用の
反応ガスやエッチングガスとしての腐食性の高いハロゲ
ンガスなどのガスに対する耐食性を有する材料で構成さ
れる必要がある。さらに反応させる高温に耐える耐熱性
が必要である。
【0004】また保持体自身に静電チャック機能や機械
固定機能、および発熱体機能を付与して用いるために
は、電気的にショートしないための電気絶縁性が必要と
される。
【0005】半導体製造装置や液晶製造装置で要求され
る反応ガスやクリーニングに用いられるハロゲン系のガ
スに対する耐食性と、発熱体としての耐熱性、耐食性お
よび耐久性との観点から金属や樹脂の保持体は使えない
ため、セラミックス製の保持体の実用化が進められてい
る。このセラミックスの中でも酸化アルミニウムは作り
やすく安価であるため、この酸化アルミニウム製の保持
体が実用化されている。
【0006】しかし酸化アルミニウムの熱伝導率が30
W/mK程度と低いため、保持部の均熱性を上げるため
には発熱体と保持面との間の距離をできるだけ長くとっ
て、保持面と平行方向への熱の拡散を行なうことによっ
て、保持面上での均熱性を得ていた。
【0007】そこで保持面での均熱性を得るためには保
持体の材料としては、上記特性以外に高い熱伝導率を有
する材料であることが好ましい。
【0008】この窒化アルミニウム製の保持体は、現
在、窒化アルミニウム粉末からなる成形体の間にモリブ
デンなどの高融点金属のコイルやワイヤを挟み込んで、
これらをホットプレス焼結することで、発熱体、静電チ
ャック用電極、RF(Radio Frequency)電極などの導
電層を埋設するように製造されていた。たとえば、発熱
体を埋込んだ保持体として、特許第2604944号に
は、発熱面でより均熱化を図るための埋設発熱体構造が
開示されている。
【0009】近年、半導体のコスト低減を目的にウェハ
サイズの大口径化が進められており、エッチングや形成
される膜の品質のばらつきに影響を及ぼす均熱性の要求
がますます厳しくなっている。また同じコスト低減を目
的として処理速度の向上化が要求され、処理における昇
温〜冷却の高速化が要求されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】半導体や液晶製造工程
におけるコスト低減の要求は年々強くなってきており、
被処理物径を大きくして処理効率を上げるということも
進められている。大口径になると被処理物全面における
エッチングや形成される膜の厚みのばらつきが大きくな
りやすくなるため、均熱性を得ることが難しくなる。処
理温度におけるウェハ全面における温度分布(温度のば
らつき)が±1%以内が要求されている。
【0011】一方ではスループットを向上させ、設備効
率を上げてコストを低減することも要求されている。設
備スループットの要求から必要とされる昇温速度は30
℃/分以上であり、降温速度は7℃/分以上である。
【0012】しかし、従来のヒータのように熱伝導率が
低い場合、保持部表面の均熱性を得るため発熱体と保持
面との間の距離をとって、保持面と平行方向に熱を拡散
させて保持面での均熱性を得ざるを得ない。酸化アルミ
ニウムのような熱伝導率の低い(30W/mK)セラミ
ックスの場合は、保持部表面の均熱性を得るために約5
0mm以上といったかなりの厚みが必要であった。それ
でも保持部表面の均熱性を±1%以内にすることは難し
かった。
【0013】しかし保持部を厚くすると熱容量が大きく
なるため急昇温や急冷却が難しくなり、発熱体に無理に
大電力を供給して急昇温したり、冷却モジュールなどを
用いて急冷却しようとすると、熱応力により保持体が割
れたりクラックが入ったりしていた。
【0014】それゆえ、本発明の目的は、保持部におけ
る良好な均熱性を有し、かつ急昇温と急冷却とを行なっ
ても割れやクラックなどの問題のない被処理物保持体を
提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の被処理物保持体
は、被処理物を保持するための被処理物保持体におい
て、熱伝導率が50W/mK以上のセラミックス基体と
発熱体とを有し、被処理物を保持する部分の厚みが5m
m以上10mm以下であることを特徴とするものであ
る。
【0016】本発明の被処理物保持体は、以下の検討を
鋭意行なった結果得られたものである。
【0017】熱容量の大きな厚い保持部に無理に大電力
を与えて急昇温すると熱応力で保持体が割れたりクラッ
クが入ったりし、また熱容量の大きさから発熱体の発熱
を切っても保持体を急冷却することができなかった。ま
た冷却モジュールなどを用いて保持体を無理に急冷する
と熱応力により、保持体にクラックが入ったりしてい
た。
【0018】たとえば現在用いられている窒化アルミニ
ウム保持体のような20mm程度の厚みの保持体を、半
導体製造設備のスループットの要求から必要とされる3
0℃/分以上の昇温速度で700℃まで急昇温しようと
すると割れやクラックが入ってしまう。検討の結果、上
記昇温速度30℃/分以上を問題なく達成するために
は、保持部を10mm以下の厚みにすることが必要であ
ることがわかった。
【0019】保持体が厚いと熱容量が大きくなる。この
ため、たとえば現行の窒化アルミニウム保持体のような
20mm程度の厚みの保持体では、発熱体の発熱を完全
に切ってしまっても7℃/分の冷却速度は得られない。
これを冷却モジュールなどを設置して強引に冷却する
と、保持体に割れやクラックを生じてしまう。
【0020】検討の結果、冷却速度を設備スループット
から要求される7℃/分以上を問題なく達成するために
も、保持部の厚みを10mm以下にすることが必要であ
ることがわかった。
【0021】しかし、保持体の厚みを薄くしすぎると発
熱体から発生した熱が、被処理物保持面に対して平行方
向の拡散が十分に起こらないため、要求される被処理物
加熱時の保持体の均熱(温度のばらつき)を±1%以内
にすることが難しくなる。保持部表面でこの均熱を得る
ためには、発熱体と被処理物保持面との間を占めるセラ
ミックスの熱伝導率が、50W/mK以上の条件を満た
す材質で構成した上で、保持部の厚みを5mm以上にす
ることが必要であることがわかった。
【0022】また被処理物保持部の強度上の問題から5
mm未満にすると、被処理物保持体製造過程でのハンド
リングあるいは使用時の圧力変動による応力によって、
被処理物保持部が破損してしまったり、昇温や冷却時の
熱の不均一により反りを生じてしまうため、5mm以上
の厚みにする必要があることがわかった。
【0023】なお、50W/mK以上の熱伝導率を有す
るセラミックス基体を得るためには、不純物や格子欠陥
の少ない原料を用いる、焼結時に高温・長時間加熱によ
り不純物や格子欠陥を消滅させるなどの工夫をする必要
がある。
【0024】上記の被処理物保持体において好ましく
は、セラミックス基体が、窒化アルミニウム、炭化珪素
および窒化珪素よりなる群から選ばれた1種以上のセラ
ミックスを含む。
【0025】このように窒化アルミニウム、炭化珪素お
よび窒化珪素を単独でまたは任意の組合せで含有するこ
とにより、耐食性、耐熱性を具備した上で高い熱伝導率
を持つ被処理物保持体を得ることができる。
【0026】上記の被処理物保持体において好ましく
は、発熱体が、厚膜メタライズ層、コイル、ワイヤおよ
び箔よりなる群から選ばれる1種以上である。
【0027】このように発熱体として各種類を、その使
用用途や設計上から適宜に選択することが可能であり、
またこの発熱体をセラミックス中に埋設することによ
り、被処理物の処理時に用いられる反応ガスから保護す
ることもできる。
【0028】上記の被処理物保持体において好ましく
は、発熱体が高融点金属を含む材質よりなっている。
【0029】このように発熱体の材質として高融点金属
を用いることは、耐熱性の観点から望ましい。
【0030】上記の被処理物保持体において好ましく
は、発熱体がタングステンを含む厚膜メタライズ層であ
る。
【0031】このようにタングステンを含む厚膜メタラ
イズを用いることにより、厚みが5mm以上10mm以
下の保持部内に発熱体を埋設して電気抵抗値の制御など
を厳密に行なうことができる。
【0032】上記の被処理物保持体において好ましく
は、発熱体に電圧を印加して室温から所定温度(たとえ
ば700℃)まで加熱したときの昇温速度が30℃/分
以上であり、かつ被処理物を保持する面における温度分
布(温度のばらつき)が±1%以内である。
【0033】上述したように熱伝導率が50W/mK以
上のセラミックス基体を用いた被処理物の保持部の厚み
を5mm以上10mm以下とすることにより、30℃/
分以上と速い昇温速度においても割れやクラックが生じ
ず、かつ均熱が±1%以内と極めて良好な被処理物保持
体を得ることができる。
【0034】上記の被処理物保持体において好ましく
は、発熱体への電力供給を停止して所定温度(たとえば
700℃)から室温まで冷却したときの降温速度が7℃
/分以上である。
【0035】上述したように、熱伝導率が50W/mK
以上のセラミックス基体を有する被処理物保持体の保持
部の厚みを5mm以上10mm以下とすることにより、
7℃/分以上と速い降温速度においても割れやクラック
が生じない被処理物保持体を得ることができる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図に基づいて説明する。
【0037】図1は、本発明の一実施の形態における被
処理物保持体を有する処理装置の構成を概略的に示す断
面図である。図1を参照して、本実施の形態の被処理物
保持体に対応するセラミックスモジュール1は、セラミ
ックス基体2と、そのセラミックス基体2中に埋設され
た発熱抵抗体3aとを有している。
【0038】セラミックス基体2は、熱伝導率が50W
/mK以上のセラミックス材料よりなっている。このセ
ラミックスモジュール1の被処理物10を保持する部分
の厚みTは5mm以上10mm以下である。
【0039】このセラミックスモジュール1の被処理物
保持面2aには被処理物10が保持され、被処理物保持
面2aの裏面中央部にはパイプなどの円筒状支持部5が
接合されている。この円筒状支持部5を介してセラミッ
クスモジュール1はチャンバ4に支持されている。また
円筒状支持部5内には、発熱抵抗体3aに電気的に接続
された給電用導電部材6が、チャンバ4外へ延びるよう
に配置されている。
【0040】セラミックス基体2は、窒化アルミニウ
ム、炭化珪素および窒化珪素の単体もしくは任意の組合
せからなるセラミックス材料であることが好ましい。
【0041】また発熱抵抗体3aは厚膜メタライズ層、
コイル、ワイヤおよび箔の単体およびそれらの任意の組
合せよりなることが好ましい。またこの発熱抵抗体3a
は、高融点金属を含む材質よりなることが好ましく、さ
らにタングステンを含む厚膜メタライズ層であることが
好ましい。ここで、厚膜メタライズ層とは、5μm以上
100μm以下の厚みを有するメタライズ層のことを意
味する。
【0042】また本実施の形態の被処理物保持体1は、
室温から所定の温度(たとえば700℃)までの昇温速
度が30℃/分以上であり、均熱(温度のばらつき)が
±1%以内であり、かつ所定の温度(たとえば700
℃)から室温までの降温速度が7℃/分以上である。
【0043】なお図1においては、発熱抵抗体3aのみ
を埋設した構成について示したが、図2に示すように発
熱抵抗体3aだけでなく、RF電極3bや静電チャック
用電極3cも埋設されていてもよい。この埋設される電
気回路の組合せとしては、発熱抵抗体3aとRF電極3
bとの組合せ、発熱抵抗体3aと静電チャック用電極3
cとの組合せ、および発熱抵抗体3aとRF電極3bと
静電チャック用電極3cとの組合せがある。
【0044】また発熱抵抗体3aは、たとえば図3に示
すような平面パターンを有している。つまり、発熱抵抗
体3aは、円弧状にパターニングされた発熱部3a
2と、その発熱部3a2の両端部に配置された端子部3a
1とから構成されている。この発熱抵抗体3aがコイル
やワイヤよりなる場合には、図4に示すように一方のセ
ラミックス基体2aに溝2cを設けたうえで、その溝2
c内に嵌め込まれる。さらに、別のセラミックス基体2
bを接合することにより、発熱抵抗体3aをセラミック
ス中に埋設することができる。
【0045】また、発熱抵抗体3aにコイルを用いた場
合には、たとえば図5に示すような構成となる。
【0046】また、セラミックス基体上に形成された発
熱抵抗体3aの表面上は、別のセラミックス基体で被覆
されていてもよいが、セラミックス以外の材質よりなる
保護膜で被覆されていてもよい。この被処理物保持体1
は一般に室温〜1200℃で用いられる。
【0047】次に、発熱抵抗体3aを被処理物保持体1
中に埋設する方法について説明する。
【0048】発熱抵抗体3aをセラミックス中に埋設す
る手法として、1つの方法では、まずタングステンやモ
リブデンのような高融点金属、銀−パラジウム(Ag−
Pd)、白金(Pt)、白金−金(Pt−Au)などを
主成分とする発熱抵抗体用の粉末に、焼成促進用の助剤
を添加したものあるいは無添加のものが、溶媒やバイン
ダ中に分散された後にセラミックス焼結体に厚膜塗布さ
れて焼付けられる。あるいは焼結体上にそのままあるい
は溝を設けて、そこに発熱抵抗体3aとしてコイルやワ
イヤや箔が形成される。発熱抵抗体3aが形成されたセ
ラミックス焼結体上に、別の焼結体が、接合剤を塗布し
た状態あるいは塗布なしの状態で重ね合わされて加熱接
合される。あるいは発熱抵抗体3a上に耐食性の保護膜
としての厚膜が塗布されて焼付けられる。これにより、
発熱抵抗体3aが被処理物保持体1中に埋設された構成
が得られる。
【0049】発熱抵抗体3aを被処理物保持体1中に埋
設するもう1つの方法では、高融点金属粉末に焼成促進
用の助剤を添加したものあるいは無添加のものが、溶媒
やバインダ中に分散された後にセラミックス成形体に厚
膜塗布される。あるいは成形体上にそのままあるいは成
形体に溝を設けてそこに発熱抵抗体3aとしてのコイル
やワイヤや箔が形成される。発熱抵抗体3aが形成され
たセラミックス成形体上に、別のセラミックス成形体が
接合剤を塗布した状態あるいは塗布なしの状態で重ね合
わされて同時焼成される。あるいはセラミックス成形体
上に高融点金属層を塗布して同時焼成により焼付けた
後、耐食性の保護膜としての厚膜が塗布されて焼付けら
れる。このとき、発熱抵抗体3aの焼付けと保護膜の焼
付け温度とを同じになるように調整することで、発熱抵
抗体3aと保護膜とが同時に焼付けられてもよい。
【0050】なお、モリブデンやタングステンなどの高
融点金属線は、厚みが10mm以下の被処理物保持部に
埋込めるような太さや巻き径にして被処理物保持体1に
埋設して焼結されてもよい。
【0051】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0052】(実施例1)窒化アルミニウム粉末に焼結
助剤としてイットリア(Y23)を0.5質量%、バイ
ンダとしてポリビニルアルコールを添加してエタノール
を溶媒としてボールミルによって分散混合した。この混
合粉末をスプレードライ乾燥した後、焼結後の形状が直
径350mmφ、厚み6mmになるようにプレス成形し
た。この成形体を温度800℃の窒素ガス中で脱脂した
後、温度1800℃で6時間焼結することによって窒化
アルミニウム焼結体を得た。得られた窒化アルミニウム
焼結体の上下面をダイヤモンド砥粒によって研磨した。
【0053】タングステン(W)粉末と焼成助剤とをエ
チルセルロースバインダにて混練したものを窒化アルミ
ニウム焼結体の一方の表面上に印刷塗布した。渦巻き状
パターンを窒化アルミニウム焼結体のほぼ全面にわたっ
て形成した。上記の線状パターンに接続する2つの端子
電極を窒化アルミニウム焼結体の裏面に形成した。この
ようにして窒化アルミニウム焼結体上に形成した導電体
を温度800℃の窒素ガス中で脱脂した後、温度177
0℃の窒素ガス中で焼成した。ウェハ保持面を研磨して
ウェハ保持体を製造した。このようにして導電層として
発熱体回路パターンが形成された窒化アルミニウム焼結
体を準備した。焼結体の熱伝導率は150W/mKであ
った。
【0054】さらに耐食性と耐電圧性を付与することを
目的として、導電層の上へ窒化アルミニウム粉末とイッ
トリア粉末0.5質量%、アルミナ粉末0.5質量%を
エチルセルロースバインダで混練したものを印刷塗布し
た。これを温度900℃で窒素中脱脂した後、温度17
50℃の窒素ガス中で加熱することにより焼付けた。こ
のようにしてウェハ保持体を製造した。
【0055】以上のようにして得られたウェハ保持体の
裏面に形成した2つの電極から、200Vの電圧で発熱
体回路に電流を流すことによって、70℃/分でウェハ
保持体の表面は700℃まで昇温した。その際にウェハ
保持体の上に載せた厚み0.8mm、直径300mmの
シリコンウェハの表面の温度分布(均熱)は±0.45
%以内であった。温度分布の測定は輻射表面温度計によ
って行なった。その後、電力供給を止めたところ、25
℃/分で冷却された。保持体に割れやクラックは認めら
れなかった。これらの結果を表1に示す。
【0056】
【表1】
【0057】(実施例2および3)ウェハ保持体の厚み
を上の表1のように変えた以外は実施例1と同じ方法で
保持体を作製した。実施例1と同じ評価を行なったとこ
ろ特性は表1のとおりであった。
【0058】(実施例4)窒化アルミニウム原料粉末に
不純物含有量が多く熱伝導率の上がりにくい原料粉末を
用いて、焼結体が100W/mKである以外は実施例1
と同じ方法で保持体を作製した。実施例1と同じ評価を
行なったところ特性は上の表1のとおりであった。
【0059】(実施例5)炭化珪素原料粉末に酸化ベリ
リウム(BeO)を0.5質量%、バインダとしてポリ
ビニルアルコールを添加してエタノールを溶媒としてボ
ールミルによって分散混合した。この混合粉末をスプレ
ードライ乾燥した後、焼結後の形状が直径350mm
φ、厚み6mmになるようにプレス成形した。この成形
体を温度900℃の窒素ガス中で脱脂した後、温度19
50℃で5時間焼結することによって炭化珪素焼結体を
得た。得られた炭化珪素焼結体の上下面をダイヤモンド
砥粒によって研磨した。
【0060】タングステン粉末と焼成助剤とをエチルセ
ルロースバインダにて混練したものを炭化珪素焼結体の
一方の表面上に印刷塗布した。渦巻き状パターンを炭化
珪素焼結体のほぼ全面にわたって形成した。上記の線状
パターンに接続する2つの端子電極を炭化珪素焼結体の
裏面に形成した。このようにして炭化珪素焼結体上に形
成した導電体を温度900℃の窒素ガス中で脱脂した
後、温度1950℃の窒素ガス中で焼成した。このよう
にして導電層として発熱体回路パターンが形成された炭
化珪素焼結体を準備した。焼結体の熱伝導率は150W
/mKであった。
【0061】さらに耐食性と耐電圧性を付与することを
目的として、導電層の上へ炭化珪素粉末と酸化ベリリウ
ム粉末0.5質量%をエチルセルロースバインダで混練
したものを印刷塗布した。これを温度900℃で窒素中
脱脂した後、温度1950℃の窒素ガス中で加熱するこ
とにより焼付けた。ウェハ保持面を研磨してウェハ保持
体を製造した。焼結体の熱伝導率は150W/mKであ
った。
【0062】実施例1と同じ評価を行なったところ特性
は上の表1のとおりであった。 (実施例6)窒化珪素粉末に、イットリアを2質量%、
アルミナ(Al23)を1質量%、バインダとしてポリ
ビニルアルコールをそれぞれ添加してエタノールを溶媒
としてボールミルによって分散混合した。この混合粉末
をスプレードライ乾燥した後、焼結後の形状が直径35
0mmφ、厚み6mmになるようにプレス成形した。こ
の成形体を温度900℃の窒素ガス中で脱脂した後、温
度1600℃で4時間焼結することによって窒化珪素焼
結体を得た。得られた窒化珪素焼結体の上下面をダイヤ
モンド砥粒によって研磨した。
【0063】タングステン粉末と焼成助剤とをエチルセ
ルロースバインダにて混練したものを窒化珪素焼結体の
一方の表面上に印刷塗布した。渦巻き状パターンを窒化
珪素焼結体のほぼ全面にわたって形成した。上記の線状
パターンに接続する2つの端子電極を窒化珪素焼結体の
裏面に形成した。このようにして窒化珪素焼結体上に形
成した導電体を温度900℃の窒素ガス中で脱脂した
後、温度1600℃の窒素ガス中で焼成した。このよう
にして導電層として発熱体回路パターンが形成された窒
化珪素焼結体を準備した。焼結体の熱伝導率は150W
/mKであった。
【0064】さらに耐食性と耐電圧性を付与することを
目的として、導電層の上へ窒化珪素粉末と、イットリア
粉末1.0質量%と、アルミナ粉末1.0質量%とをエ
チルセルロースバインダで混練したものを印刷塗布し
た。これを温度900℃で窒素中脱脂した後、温度16
00℃の窒素ガス中で加熱することにより焼付けた。ウ
ェハ保持面を研磨してウェハ保持体を製造した。焼結体
の熱伝導率は150W/mKであった。
【0065】実施例1と同じ評価を行なったところ特性
は上の表1のとおりであった。 (実施例7)窒化アルミニウム粉末に焼結助剤としてイ
ットリアを0.5質量%、バインダとしてポリビニルア
ルコールを添加してエタノールを溶媒としてボールミル
によって分散混合した。この混合粉末をスプレードライ
乾燥した後、焼結後の形状が直径350mmφ、厚み3
mmになるように2枚プレス成形した。成形体の発熱体
を這わす箇所に溝を掘った。この溝にモリブデンコイル
(径:φ0.7mm、巻き径:φ4.5mm)を這わ
せ、もう1枚の成形体を重ね合わせた。この成形体を温
度900℃の窒素ガス中で脱脂した後、温度1800℃
で一軸加圧力9.8MPaで4時間焼結することによっ
て窒化アルミニウム焼結体を得た。得られた窒化アルミ
ニウム焼結体のウェハ保持面をダイヤモンド砥粒によっ
て研磨し、保持体を得た。焼結体の熱伝導率は150W
/mKであった。
【0066】実施例1と同じ評価を行なったところ特性
は上の表1のとおりであった。 (実施例8)モリブデンコイルの代わりにφ0.5mm
のモリブデンワイヤとそれに合った溝を形成し、保持体
の厚みを10mmとする以外は実施例7と同じ方法で保
持体を作製した。
【0067】実施例1と同じ評価を行なったところ特性
は上の表1のとおりであった。 (比較例1〜3)酸化アルミニウム粉末に焼結助剤とし
てマグネシア(MgO)を1質量%、バインダとしてポ
リビニルアルコールを添加してエタノールを溶媒として
ボールミルによって分散混合した。この混合粉末をスプ
レードライ乾燥した後、焼結後の形状が直径350mm
φ、厚み50mmになるようにプレス成形した。この成
形体を温度700℃の大気中で脱脂した後、温度160
0℃で4時間焼結することによって酸化アルミニウム焼
結体を得た。得られた酸化アルミニウム焼結体の上下面
をダイヤモンド砥粒によって研磨した。
【0068】タングステン粉末と焼成助剤とをエチルセ
ルロースバインダにて混練したものを酸化アルミニウム
焼結体の一方の表面上に印刷塗布した。渦巻き状パター
ンを窒化アルミニウム焼結体のほぼ全面にわたって形成
した。上記の線状パターンに接続する2つの端子電極を
窒化アルミニウム焼結体の裏面に形成した。このように
して窒化アルミニウム焼結体上に形成した導電体を温度
800℃の窒素ガス中で脱脂した後、温度1600℃の
窒素ガス中で焼成した。ウェハ保持面を研磨してウェハ
保持体を製造した。このようにして導電層として発熱体
回路パターンが形成された窒化アルミニウム焼結体を準
備した。焼結体の熱伝導率は30W/mKであった。
【0069】酸化アルミニウム粉末とマグネシア粉末1
質量%とをエチルセルロースバインダで混練したものを
印刷塗布した。これを温度700℃で大気脱脂した後、
温度1550℃の窒素ガス中で加熱することにより焼付
けた。このようにしてウェハ保持体を製造した。
【0070】実施例1と同じ評価を行なったところ特性
は表2のとおりであった。
【0071】
【表2】
【0072】(比較例4および5)保持体の厚みを12
mmにした以外は実施例1と同じ方法で保持体を作製し
た。実施例1と同じ評価を行なったところ特性は上の表
2のとおりであった。
【0073】(比較例6)保持体の厚みを4mmにした
以外は実施例1と同じ方法で保持体を作製した。実施例
1と同じ評価を行なったところ特性は上の表2のとおり
であった。
【0074】(比較例7)窒化珪素原料粉末に不純物含
有量が多く熱伝導率の上がりにくい原料粉末を用いて焼
結体が30W/mKである以外は実施例6と同じ方法で
保持体を作製した。実施例1と同じ評価を行なったとこ
ろ特性は上の表2のとおりであった。
【0075】上記表1および表2の結果より、熱伝導率
が50W/mK以上のセラミックス基体を用い、かつ保
持部の厚みを5mm以上10mm以下にすることによ
り、均熱性(±1%以内)、昇温速度および冷却速度に
優れた被処理物保持体が得られることがわかった。
【0076】今回開示された実施の形態および実施例は
すべての点で例示であって制限的なものではないと考え
られるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではな
くて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と
均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれるこ
とが意図される。
【0077】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の被処理物
保持体によれば、熱伝導率50W/mK以上のセラミッ
クス基体を用い、被処理物保持体の保持部の厚みを5m
m以上10mm以下としたことにより、均熱性を±1%
以内にすることができるとともに、30℃/分以上の昇
温速度と7℃/分以上の降温速度を有する被処理物保持
体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態における被処理物保持
体を備えた処理装置の構成を概略的に示す断面図であ
る。
【図2】 被処理物保持体の電気回路として発熱抵抗
体、RF電極および静電チャック用電極を備えた構成を
示す概略断面図である。
【図3】 発熱抵抗体の平面パターンを示す図である。
【図4】 コイルまたはワイヤをセラミックス基体に溝
を設けて配置した様子を示す概略断面図である。
【図5】 発熱抵抗体にコイルを用いた場合の様子を示
す図である。
【符号の説明】
1 セラミックスモジュール、2 セラミックス基体、
3a 発熱抵抗体、3b RF電極、3c 静電チャッ
ク用電極、4 チャンバ、5 円筒状支持体、6 給電
用導電部材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 仲田 博彦 兵庫県伊丹市昆陽北一丁目1番1号 住友 電気工業株式会社伊丹製作所内 Fターム(参考) 3K092 PP20 QA05 QB02 QB26 QB30 QB31 QB44 RF03 RF11 RF17 RF19 RF27 SS12 TT28 VV15 VV22 5F031 CA02 CA05 HA02 HA03 HA17 HA37 HA38 MA23 MA28 MA32 PA18 PA30 5F045 BB02 BB08 DP02 EB03 EJ03 EK05 EK08 EM02 EM05

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理物を保持するための被処理物保持
    体において、 熱伝導率が50W/mK以上のセラミックス基体と発熱
    体とを有し、前記被処理物を保持する部分の厚みが5m
    m以上10mm以下であることを特徴とする、被処理物
    保持体。
  2. 【請求項2】 前記セラミックス基体が、窒化アルミニ
    ウム、炭化珪素および窒化珪素よりなる群から選ばれた
    1種以上のセラミックスを含むことを特徴とする、請求
    項1に記載の被処理物保持体。
  3. 【請求項3】 前記発熱体が、厚膜メタライズ層、コイ
    ル、ワイヤおよび箔よりなる群から選ばれる1種以上で
    あることを特徴とする、請求項1または2に記載の被処
    理物保持体。
  4. 【請求項4】 前記発熱体が、高融点金属を含む材質よ
    りなることを特徴とする、請求項3に記載の被処理物保
    持体。
  5. 【請求項5】 前記発熱体が、タングステンを含む前記
    厚膜メタライズ層であることを特徴とする、請求項4に
    記載の被処理物保持体。
  6. 【請求項6】 前記発熱体を室温から所定温度まで加熱
    したときの昇温速度が30℃/分以上で、かつ前記被処
    理物を保持する面における温度分布が±1%以内である
    ことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の被
    処理物保持体。
  7. 【請求項7】 前記発熱体への電力供給を停止して所定
    温度から室温まで冷却したときの降温速度が7℃/分以
    上であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに
    記載の被処理物保持体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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