JP2002313380A - 固体高分子電解質型燃料電池の排水特性評価装置および排水特性評価方法 - Google Patents

固体高分子電解質型燃料電池の排水特性評価装置および排水特性評価方法

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JP2002313380A
JP2002313380A JP2001116038A JP2001116038A JP2002313380A JP 2002313380 A JP2002313380 A JP 2002313380A JP 2001116038 A JP2001116038 A JP 2001116038A JP 2001116038 A JP2001116038 A JP 2001116038A JP 2002313380 A JP2002313380 A JP 2002313380A
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space
solid polymer
fuel cell
electrode
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Hikari Okamoto
光 岡本
Atsushi Tomita
淳 冨田
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Aisin Corp
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Aisin Seiki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃料電池の排水特性を実際の運転状態に近い
状態で正確に評価する。 【解決手段】 固体高分子電解質膜6と電極7の接合体
8を、固体高分子電解質膜6と接する第1空間部11を
有する第1部材12と電極7と接する第2空間部13を
有する第2部材14で挟持し、第1空間部11に水を供
給し、第2空間部13にガスを流して、第1空間部11
から第2空間部13に流れる水量を測定するように構成
されたことを特徴とする固体高分子電解質型燃料電池の
排水特性評価装置およびこの装置を使用し、第2空間部
13に所定量のガスを流し、第1空間部11に存在する
水に所定圧力を付加したときの、第1空間部11から第
2空間部13に流れる水量を測定することを特徴とする
固体高分子電解質型燃料電池の排水特性評価方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は固体高分子電解質型
燃料電池の排水特性評価装置および排水特性評価方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】固体高分子型燃料電池は、プロトン導電
性の固体高分子電解質膜をその構成部品として有するこ
とを特徴としており、水素等の燃料ガスと酸素等の酸化
剤ガスを電気化学的に反応させることによって、その際
に生ずる起電力を得る装置である。
【0003】燃料ガスとして水素を、酸化剤ガスとして
酸素を用いた際の電極反応は、アノード極側では、 2H → 4H+ +4e ・・・(1) なる反応が起こり、生成したプロトンは固体電解質膜の
中を通り、カソード極で、 4H +4e +O → 2HO ・・・(2) なる反応が起こり、両極間に最大で1.23Vの起電力
が生ずる。
【0004】図1は燃料電池単セルの断面概略図であ
り、図1(a)は全体の断面概略図、図1(b)は電極
部の拡大部分断面を概略図である。膜・電極接合体10
は、固体高分子電解質膜3を一対の電極(カソード極1
とアノード極2)で挟持して接合されている。この膜・
電極接合体10をセパレータ4とセパレータ6で挟んで
単セル20が構成されている。
【0005】セパレータ4には酸化剤ガス供給口4a、
酸化剤ガス通流溝4b、酸化剤ガス排出口4cが設けら
ている。セパレータ5には燃料ガス供給口5a、燃料ガ
ス通流溝5b、燃料ガス排出口5cが設けらている。酸
化剤ガス供給口4aより酸化剤ガス通流溝4bを介して
カソード極1に酸化剤ガスが、燃料ガス供給口5aより
燃料ガス通流溝5bを介してアノード極2に燃料ガスが
供給される。
【0006】カソード極1およびアノード極2は、それ
ぞれ導電性繊維1b、2bと撥水材1c、2cから構成
され、それぞれの固体高分子電解質膜に当接する側には
触媒層1a、2aが設けられている。カソード極1およ
びアノード極2の触媒層1a、2a以外の部分は、燃料
ガス、酸化剤ガス、水蒸気を拡散する機能を有するガス
拡散層であり、このため燃料電池用電極はガス拡散電極
と呼ばれる。
【0007】燃料電池の上記反応をスムーズかつ効率的
に進めるために電極は非常に重要な役割を担っている。
燃料電池を発電させるためには、触媒面に燃料ガスおよ
び酸化剤ガスを触媒面まで供給する必要があるが、燃料
電池のカソード極1側では、反応式(2)に従い、触媒
層1aで水が生成する。その生成した水は触媒層1aを
覆い、酸化剤ガスの触媒層1aへの供給を妨げる、いわ
ゆる、フラッディング現象を起こす。そのフラッディン
グ現象を防止するために、通常、電極内にPTFE(ポ
リ四弗化エチレン)等の撥水材1bを混合し、排水特性
を向上させる技術が良く用いられる。撥水材1bの混合
により、生成した水は微水滴化され、ガスの供給を妨げ
ないのと同時に、水の表面積は非常に大きいものとなる
ので、過剰の酸化剤ガスの供給により、乾燥させやすく
する効果があるものと考えられる。
【0008】しかしながら、撥水材の多量の添加は、電
極内部および表面の電気抵抗の増加や、ガス透過率の減
少を引き起こす。また、電極の撥水性が強すぎると、逆
に、固体高分子電解質膜の加湿が困難となったり、固体
高分子電解質膜に含水された水が燃料ガスや酸化剤ガス
の供給時に持ち去られ、固体高分子電解質膜が乾燥化す
る問題が起こる。
【0009】また、触媒を3次元的にに利用し、触媒の
利用効率を上げるために、固体高分子電解質膜を溶媒に
溶かした溶液を、触媒と共に電極のガス拡散層に含浸す
る方法が良く知られているが、その際は、電極にプロト
ン導電性を付与すると同時に、親水性が付与される。
【0010】以上のように、ガス拡散層の特性として、
親水性と撥水性の適度なバランスが必要であり、より高
性能電極の開発のためには、その評価が非常に重要であ
る。従来、一般的に電極の撥水性の評価方法として、水
滴との接触角の大きさにより評価することが良く行われ
てきた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術では、電極最表面の性質しか評価できないという問題
点と、水滴と接している非常に局所的な部分の撥水性し
か測定しておらず、非常に測定のばらつきが大きいとい
う問題点がある。
【0012】また、その接触角の大きさは、表面エネル
ギーの大きさのみならず、表面形状によっても影響を受
ける。これは、表面形状により、電極表面と水滴との間
に空気層が形成される効果であると考えられるが、実際
の燃料電池を構成する場合、電極は電解質膜とホットプ
レス等で接合され用いられるので、電極表面の形状は乱
され、空気層が形成されないため、実際の電池での排水
特性と電極単体で測定される接触角のデータとの相関が
得られにくいという問題点がある。
【0013】さらに、電極の排水特性は、ガスの流れに
よる乾燥の効果にも非常に影響を受けるので、電極の撥
水性のみならずガス透過率にも影響を受け、非常に複雑
な要因のもとで決定され、従来技術の方法では正確な評
価ができない。
【0014】以上のように、電極の排水特性は、その開
発過程および品質管理において、非常に重要であるに関
わらず、これまで適切に評価する方法が存在しなかっ
た。
【0015】本発明は、固体高分子電解質型燃料電池の
排水特性を、燃料電池の実際の運転状態に近い状態で正
確に評価できる固体高分子電解質型燃料電池の排水特性
評価装置および排水特性評価方法を提供する。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記技術的課題を解決す
るために、本発明の請求項1において講じた技術的手段
(以下、第1の技術的手段と称する。)は、固体高分子
電解質膜と電極の接合体を、前記固体高分子電解質膜と
接する第1空間部を有する第1部材と前記電極と接する
第2空間部を有する第2部材で挟持し、前記第1空間部
に水を供給し、前記第2空間部にガスを流して、前記第
1空間部から前記第2空間部に流れる水量を測定するよ
うに構成されたことを特徴とする固体高分子電解質型燃
料電池の排水特性評価装置である。
【0017】上記第1の技術的手段による効果は、以下
のようである。
【0018】すなわち、固体高分子電解質膜と電極の接
合体の状態で排水特性を評価するので、固体高分子電解
質型燃料電池の排水特性を燃料電池の実際の運転状態に
近い状態で正確に評価できる。これにより、電極の排水
特性、固体高分子電解質膜の保水性など燃料電池の排水
特性を様々な環境下で正確に評価できる。
【0019】上記技術的課題を解決するために、本発明
の請求項2において講じた技術的手段(以下、第2の技
術的手段と称する。)は、前記第2空間部の開口面が鉛
直上方を向くように前記第2部材が配置され、長手方向
が略鉛直方向になるように前記第1空間部に連結された
目盛付の透明管が前記第1部材に設けられていることを
特徴とする請求項1記載の固体高分子電解質型燃料電池
の排水特性評価装置である。
【0020】上記第2の技術的手段による効果は、以下
のようである。
【0021】すなわち、第2空間部の開口面が鉛直上方
を向くように第2部材が配置されているので、接合体が
略水平にセットされ、第1空間部に供給された水の高さ
が圧力として働くとともに、この圧力が固体高分子電解
質膜の測定面に均一にかかり、正確な排水特性を簡単に
評価できる。また透明管の目盛で排水量が測定できるた
め、簡単に排水量が測定できる。水に圧力をかけるため
の特別な装置が必要なく、また排水量を測定するために
特別な装置が必要ないので、低コストな評価装置を提供
できる。
【0022】上記技術的課題を解決するために、本発明
の請求項3において講じた技術的手段(以下、第3の技
術的手段と称する。)は、前記第2部材が固体高分子電
解質型燃料電池のセパレータであり、前記第2空間部が
前記セパレータの前記電極にガスを供給するガス供給部
であることを特徴とする請求項1記載の固体高分子電解
質型燃料電池の排水特性評価装置である。
【0023】上記第3の技術的手段による効果は、以下
のようである。
【0024】すなわち、第2部材が固体高分子電解質型
燃料電池のセパレータであり、第2空間部がセパレータ
の電極にガスを供給するガス供給部であるので、セパレ
ータのガス供給部の排水特性を評価できる。これによ
り、ガス供給部の構造と排水特性の関係を研究できる、
最適なガス供給部の設計指針が得られる。
【0025】上記技術的課題を解決するために、本発明
の請求項4において講じた技術的手段(以下、第4の技
術的手段と称する。)は、請求項1〜3のいずれかに記
載の固体高分子電解質型燃料電池の排水特性評価装置を
使用し、前記第2空間部に所定量のガスを流し、前記第
1空間部に存在する水に所定圧力を付加したときの、前
記第1空間部から前記第2空間部に流れる水量を測定す
ることを特徴とする固体高分子電解質型燃料電池の排水
特性評価方法である。
【0026】上記第4の技術的手段による効果は、以下
のようである。
【0027】すなわち、請求項1と同様、固体高分子電
解質膜と電極の接合体の状態で排水特性を評価するの
で、固体高分子電解質型燃料電池の排水特性を燃料電池
の実際の運転状態に近い状態で正確に評価できる。これ
により、電極の排水特性、固体高分子電解質膜の保水性
など燃料電池の排水特性を様々な環境下で正確に評価で
きる。
【0028】上記技術的課題を解決するために、本発明
の請求項5において講じた技術的手段(以下、第5の技
術的手段と称する。)は、前記第2空間部に流すガスが
加湿されていることを特徴とする請求項4記載の固体高
分子電解質型燃料電池の排水特性評価方法である。
【0029】上記第5の技術的手段による効果は、以下
のようである。
【0030】すなわち、第2空間部に流すガスが加湿さ
れているので、燃料電池の実際の運転状態で排水特性を
評価できる。これにより、固体高分子電解質膜や電極の
諸物性や第2空間部(セパレータのガス供給部)と性質
を研究し、最適な物性や構造についての指針が得られ
る。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、図面に基づいて説明する。図2は、本発明の実施形
態の排水特性評価装置の概略説明図である。本実施形態
は電極の排水特性を評価するものである。評価サンプル
として、固体高分子電解質膜6の片側だけに電極7をホ
ットプレスにより接合した半膜電極接合体(以下、半M
EAと称する)8を使用する。固体高分子電解質型燃料
電池では、図1のように固体高分子電解質の両面を電極
で挟持して接合した膜電極接合体(MEA)が用いられ
るが、本評価サンプルでは固体高分子電解質の片面のみ
に電極が接合されているので、半MEAと呼んでいる。
【0032】また、実際の電極の排水特性は、電極の撥
水性、親水性のみならず、固体高分子電解質膜とホット
プレス等で接合して用いられるため、固体高分子電解質
膜の界面での構造に大きな影響を受ける。したがって、
固体高分子電解質膜と接合した状態で電極の排水特性を
評価する必要があるので、評価サンプルとして半MEA
8を使用した。
【0033】サンプルフォルダ19は、第1空間部11
を有する第1部材12と第2空間部13を有する第2部
材14などから構成されている。第1部材12には、バ
ルブ18を有する透明管(ガラス管)16と目盛付の透
明管(ガラス管)17が第1空間部11に連通するよう
に設けられている。透明管16と透明管17は、その長
手方向が鉛直方向になるように設けられている。
【0034】第2部材14を第2空間部13の開口面が
上になるように置き、その上に半MEA8を固体高分子
電解質膜6が上側になるように水平に配置する。このと
き、電極7は第2空間部13内に挿入された状態にな
る。第2空間部13の開口面形状は電極7の平面形状に
ほぼ等しくなっている。
【0035】固体高分子電解質膜6の上側から第1部材
12を第1空間部11が下になるように、すなわち第1
空間部11を固体高分子電解質膜6側に向けてセットす
る。第2部材14には電極の外径よりやや大きいOリン
グ9がセットされている。ボルト15a、ナット15b
により第1部材12と第2部材14を締結する。Oリン
グ9により電極7の周辺の固体高分子電解質膜6が押さ
せられ、周辺からのガスシールされている。
【0036】第2部材14には、第2空間部に連通する
入口部21と出口部22が設けられている。入口部21
はマスフローコントローラ24を介して空気ボンベ23
と連結されている。空気ボンベ23中には高純度の空気
が貯蔵されている。出口部22は、電極7より排水され
た水で加湿された空気を排出するものである。
【0037】サンプルフォルダ19に半MEA9をセッ
トした後、バルブ18を開け透明管16から徐々に水を
第1空間部11に供給する。水は、第1空間部11を充
填後、水面が透明管17の目盛の上部にくるまで、すな
わち水の容量変化を読み取れるレベルまで上昇させる。
その後、透明管16と透明管17の水位レベルが一致し
たらバルブ18を閉める。
【0038】この際、第1空間部11の内部に気泡が巻
き込まれていないことが重要であり、その確認のため
に、サンプルフォルダ19は、アクリル、ガラス等の透
明な材質で作られていることが好ましい。
【0039】第1空間部11の内部に水を充填すると、
水は固体高分子電解質膜6内を拡散し、固体高分子電解
質膜6に到達する。その際の電極7と固体高分子電解質
膜6の界面における水の存在状態は、実際の燃料電池の
運転状況に非常に近いと考えられる。
【0040】一方、第2空間部13の入口部21には、
マスフローコントローラ24で制御して、一定量の流量
の乾燥した空気等のガスを流すことにより電極7を乾燥
させる。これにより、電極7中の水分が蒸発して出口部
22から排出される。電極7からの排水に伴い透明管1
7の水面が減少する。一定時間間隔で、透明管17につ
けられている目盛により水面の減少を読み取り、電極7
の単位面積当りの排水速度を求める。
【0041】以下、サンプルを用いて本発明の効果を説
明する。カーボンファイバー(平均径12.5μm、平
均長さ3mm)と木材パルプを6:4で混合し、湿式の
抄紙法でカーボンファイバー/パルプの混合紙を作製す
る。カーボンブラックにエチレングリコール、イソプロ
ピルアルコールを混合してペースト化したものを、スク
リーン印刷機により、上記の混合紙に両面から内部まで
均一に含浸させる。その後、大気中、85℃でエチレン
グリコールとイソプロピルアルコールを完全に除去し乾
燥させて、カーボンブラック含浸混合紙を作製する。
【0042】次に、上記作製したカーボンブラック含浸
混合紙を濃度の異なったPTFEデスパージョン溶液に
浸漬することで異なった含浸量でPTFEを混合紙に含
浸させる。その後、大気中、380℃で1時間焼成する
ことで、PTFEを溶融し定着させる。この際、抄紙バ
インダーとして用いた木材パルプ成分は灰化・焼失し、
その跡の空孔はガス通気孔として機能する。
【0043】以上の結果、PTFEの担持量が異なった
電極のサンプル(a)と(b)のガス拡散層が作製され
る。サンプル(a)と(b)は、それぞれ3wt%、1
2wt%のPTFE濃度のPTFEデスパージョン溶液
を使用したものである。重量変化より測定したサンプル
(a)、(b)のPTFE担持量は、電極の単位面積あ
たり0.88mg/cm、3.42mg/cmであ
った。
【0044】また、ガス透過率の異なる電極サンプルを
用意するために、サンプル(b)と同様に作製した電極
を200℃、10MPaのもとでホットプレスを行い、
空孔率を変化させたサンプル(c)のガス拡散層を作製
した。サンプル(a)、(b)、(c)のガス拡散層の
ガス透過係数を測定したところ、それぞれ422μm/
Pa・s、415μm/Pa・s、33μm/Pa・s
であった。
【0045】次に、白金担持カーボン(ジョンソンマッ
セイ社製、FC−40)と固体高分子電解質膜溶液(旭
化成社製、Aciplex溶液)と水とイソプロピルア
ルコールを1:15:2:2の重量比で混合したペース
トを片側表面に塗布(厚さ300μm)したのち、真空
中、80℃で乾燥し電極を作製した。
【0046】サンプル(a)、(b)、(c)の電極を
それぞれ径44mmのサイズに切断し、固体高分子電解
質膜(ゴアテックス社製、Gore Select、厚
さ40μm、径60mm)の片面に、触媒層を固体高分
子電解質膜側にして160℃、3MPa、1.5min
保持の条件でホットプレスして半MEAを作製した。
【0047】作製したサンプル(a)、(b)、(c)
をサンプルフォルダ19にセットし、第2空間部13に
高純度の乾燥空気を2L/minの流速で流して排水速
度を測定した。一方、触媒層を形成する前のサンプル
(a)、(b)、(c)について、図3に示すA〜Eの
各点における水の接触角を接触角計(協和界面科学社
製、CA−A型)を用いて測定した。
【0048】また、固体高分子電解質膜(ゴアテックス
社製、Gore Select、厚さ40μm、径60
mm)の両面にサンプル(a)、(b)、(c)の電極
を、触媒層を固体高分子電解質膜側にして160℃、3
MPa、1.5min保持の条件でホットプレスしてM
EA(膜電極接合体)を作製し、図1のように燃料電池
単セルを作製し、セパレータ4とセパレータ5の電気端
子から発電した電気を取り出し、外部の可変抵抗6で抵
抗を変えて電流密度とセル電圧を測定して発電性能試験
を実施した。
【0049】燃料ガスとして2atmの純水素、酸化剤
ガスとして2atmの空気を用いた。純水素/空気のス
トイキは1.2/4とした。それぞれのガスは、バブラ
ーと呼ばれる温度を制御された水の中を通じることで加
湿されている。すなわち、その温度における飽和蒸気相
当分の水がセル内に導入されることになる。セル温度を
80℃、純水素側のバブラー温度を85℃とし、空気側
のバブラー温度を65℃または90℃で測定した。
【0050】表1に各電極サンプルの排水速度を示し、
表2に各電極サンプルの接触角を示す。排水速度は、サ
ンプル(b)>(c)>(a)の順であった。接触角に
よる測定結果は、各測定点でのばらつきは大きく、しか
も平均値もPTFE担持量と相関関係が見られない。ま
たホットプレスによりガス透過率を減少させたサンプル
(c)については、ホットプレスしていないサンプル
(a)、(b)よりも接触角は小さくなっている。この
ことは、ホットプレスによ、表面の平滑性が向上してお
り、表面形状に起因する撥水性が減少していることによ
るものと考えられる。
【0051】
【表1】
【表2】 図4は、空気側のバブラー温度を65℃の場合のI−V
特性である。PTFE担持量の最も少ないサンプル
(a)に関して、1.3A/cmを越えた電流密度の
領域において、その出力電圧が急激の落ち込む現象が観
測された。これは、電流密度が高くなるに伴い、空気極
側で生成する水の量は多くなるが、電極の排水処能力を
越えており、触媒層が水に覆われるフラッディング現象
が発生し燃料電池反応を阻害したためであると考えられ
る。一方、サンプル(b)およびサンプル(c)に関し
ては、この加湿条件においては、ほとんど差が見られな
かった。
【0052】図5は、空気側のバブラー温度を90℃の
場合のI−V特性である。図4より空気極側の加湿量が
増加している。この場合には、サンプル(a)ではフラ
ッディング現象がさらに強く現れ、しかもサンプル
(c)にも高電流密度でのフラッディング現象が認めら
れるようになった。これは、空気側のバブラー温度を9
0℃にした場合、セル内に供給された、空気中の水分は
過飽和の状態となり、サンプル(c)に対しても、ガス
の流れによる乾燥の効果が得られなくなったためと考え
られる。
【0053】一方,サンプル(b)については、その出
力挙動には変化が見られなかった。これらの結果から、
サンプル(b)>(c)>(a)の順にフラッディング
現象が起こりにくいこと、すなわち電極の排水特性が優
れていることがわかる。この結果は、本発明の排水評価
装置で評価した排水特性の結果と良く一致しており、本
発明により、実際に燃料電池を構成しなくても水の排水
特性に関する情報が得られることを示している。
【0054】このように、本発明は、実際の膜電極接合
体とほぼ同じ状態で排水特性を評価できるので、固体高
分子電解質型燃料電池の排水特性を燃料電池の実際の運
転状態に近い状態で正確に評価できる。
【0055】なお、効果の説明においては、電極の排水
特性で説明したが、電極の種類を固定して、固体高分子
電解質膜の種類を変えることで、固体高分子電解質膜の
保水性の評価を行うこともできる。また、第2部材14
として、セパレータまたはセパレータを模した部材を使
用して、セパレータのガス通流溝構造と排水特性の関係
を評価することもできる。さらに、常温、常圧下で、第
2部材14に乾燥空気を流して評価したが、セルフォル
ダ19をヒータで加熱したり、空気の温度、圧力、湿度
を変えたりすることにより、測定環境を変えて排水特性
を評価することができる。
【0056】本実施形態では、半MEAを、固体高分子
電解質膜が水平で上側になるように配置でき、かつ目盛
付の透明管で排水量を測定する排水特性評価装置で説明
したが、これに限定されない。固体高分子電解質膜を鉛
直に配置する評価装置でもよい。これは燃料電池スタッ
クを構成した場合によく用いられる実際の燃料電池に近
い評価ができる。この場合、排水量の測定は、鉛直で第
1空間部に連結した目盛付の透明管を使用できるし、第
2空間部から排出されるガスから分離された水分を測定
するなどの他の方法でもよい。
【0057】固体高分子電解質膜が水平で上側になるよ
うに配置して測定する本実施形態の場合、第1空間部に
供給された水の高さが圧力として働くとともに、この圧
力が固体高分子電解質膜の測定面に均一にかかり、かつ
透明管の目盛で排水量が測定できるので、正確な排水特
性を簡単に評価できる。しかも装置の構造が簡単である
ので、低コストな評価装置を提供できる。透明管を2本
設け、一方から水を供給することにより第1空間部の内
部に気泡が入ることを防止できる。
【0058】
【発明の効果】以上のように、本発明は、固体高分子電
解質膜と電極の接合体を、前記固体高分子電解質膜と接
する第1空間部を有する第1部材と前記電極と接する第
2空間部を有する第2部材で挟持し、前記第1空間部に
水を供給し、前記第2空間部にガスを流して、前記第1
空間部から前記第2空間部に流れる水量を測定するよう
に構成されたことを特徴とする固体高分子電解質型燃料
電池の排水特性評価装置およびこの排水特性評価装置を
使用し、前記第2空間部に所定量のガスを流し、前記第
1空間部に存在する水に所定圧力を付加したときの、前
記第1空間部から前記第2空間部に流れる水量を測定す
ることを特徴とする固体高分子電解質型燃料電池の排水
特性評価方法であるので、固体高分子電解質型燃料電池
の排水特性を、燃料電池の実際の運転状態に近い状態で
正確に評価できる固体高分子電解質型燃料電池の排水特
性評価装置および排水特性評価方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】燃料電池単セルの断面概略図であり、図1
(a)は全体の断面概略図、図1(b)は電極部の拡大
部分断面を概略図である。
【図2】本発明の実施形態の排水特性評価装置の概略説
明図
【図3】ガス拡散層の接触角測定点を示す図
【図4】空気側のバブラー温度を65℃の場合のI−V
特性
【図5】空気側のバブラー温度を65℃の場合のI−V
特性
【符号の説明】
4…セパレータ 4b…酸化剤ガス通流溝(ガス供給部) 6…固体高分子電解質膜 7…電極 8…半MEA(接合体) 11…第1空間部 12…第1部材 13…第2空間部 14…第2部材 17…透明管

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体高分子電解質膜と電極の接合体を、
    前記固体高分子電解質膜と接する第1空間部を有する第
    1部材と前記電極と接する第2空間部を有する第2部材
    で挟持し、前記第1空間部に水を供給し、前記第2空間
    部にガスを流して、前記第1空間部から前記第2空間部
    に流れる水量を測定するように構成されたことを特徴と
    する固体高分子電解質型燃料電池の排水特性評価装置。
  2. 【請求項2】 前記第2空間部の開口面が鉛直上方を向
    くように前記第2部材が配置され、長手方向が略鉛直方
    向になるように前記第1空間部に連結された目盛付の透
    明管が前記第1部材に設けられていることを特徴とする
    請求項1記載の固体高分子電解質型燃料電池の排水特性
    評価装置。
  3. 【請求項3】 前記第2部材が固体高分子電解質型燃料
    電池のセパレータであり、前記第2空間部が前記セパレ
    ータの前記電極にガスを供給するガス供給部であること
    を特徴とする請求項1記載の固体高分子電解質型燃料電
    池の排水特性評価装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の固体高
    分子電解質型燃料電池の排水特性評価装置を使用し、前
    記第2空間部に所定量のガスを流し、前記第1空間部に
    存在する水に所定圧力を付加したときの、前記第1空間
    部から前記第2空間部に流れる水量を測定することを特
    徴とする固体高分子電解質型燃料電池の排水特性評価方
    法。
  5. 【請求項5】 前記第2空間部に流すガスが加湿されて
    いることを特徴とする請求項4記載の固体高分子電解質
    型燃料電池の排水特性評価方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006228671A (ja) * 2005-02-21 2006-08-31 Toyota Motor Corp 燃料電池の性能評価装置及び性能評価方法
JP2007213932A (ja) * 2006-02-08 2007-08-23 Toyota Motor Corp 燃料電池のガス流路評価方法および装置

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