JP2002312783A - 画像処理装置および方法、並びにプログラム - Google Patents

画像処理装置および方法、並びにプログラム

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JP2002312783A
JP2002312783A JP2001111438A JP2001111438A JP2002312783A JP 2002312783 A JP2002312783 A JP 2002312783A JP 2001111438 A JP2001111438 A JP 2001111438A JP 2001111438 A JP2001111438 A JP 2001111438A JP 2002312783 A JP2002312783 A JP 2002312783A
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Tetsujiro Kondo
哲二郎 近藤
Takashi Sawao
貴志 沢尾
Junichi Ishibashi
淳一 石橋
Takahiro Nagano
隆浩 永野
Naoki Fujiwara
直樹 藤原
Toru Miyake
徹 三宅
Seiji Wada
成司 和田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 動きボケを除去する。 【解決手段】 平坦部抽出部801は、領域情報、およ
び前景成分画像に基づいて、前景領域における画素デー
タであって、隣接する画素データとその値がほぼ等しい
画素データからなる均等部を検出する。動きボケ除去部
803は、検出された均等部に基づいて、前景領域に生
じている動きボケを除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像処理装置およ
び方法、並びにプログラムに関し、特に、センサにより
検出した信号と現実世界との違いを考慮した画像処理装
置および方法、並びにプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】現実世界における事象をセンサで検出
し、センサが出力するサンプリングデータを処理する技
術が広く利用されている。
【0003】例えば、静止している所定の背景の前で移
動する物体をビデオカメラで撮像して得られる画像に
は、物体の移動速度が比較的速い場合、動きボケが生じ
ることになる。
【0004】従来、このような動きボケを抑制するの
に、例えば、電子シャッタの速度を速め、露光時間を短
くするようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うにシャッタ速度を速める方法は、撮像を行う前にビデ
オカメラのシャッタ速度を調整する必要がある。従っ
て、既に得られたボケた画像を補正して、鮮明な画像を
得ることはできない課題があった。
【0006】本発明はこのような状況に鑑みてなされた
ものであり、ボケた画像に含まれる動きボケを除去する
ことができるようにすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の画像処
理装置は、時間積分効果により画像データに形成され
た、前景オブジェクトを構成する前景オブジェクト成分
からなる前景領域、および背景オブジェクトを構成する
背景オブジェクト成分からなる背景領域により構成され
る非混合領域、並びに前景オブジェクト成分および背景
オブジェクト成分が混合されてなる混合領域を特定する
領域情報、並びに画像データに基づいて、前景領域にお
ける画素データであって、隣接する画素データとその値
がほぼ等しい画素データからなる均等部を検出する均等
部検出手段と、検出された均等部に基づいて、前景領域
に生じている動きボケを除去する動きボケ除去手段とを
含むことを特徴とする。
【0008】画像処理装置は、均等部の位置に基づい
て、複数の前景オブジェクト成分からなる処理単位を決
定する処理単位決定手段をさらに設け、動きボケ除去手
段は、処理単位毎に前景領域の動きボケを除去するよう
にすることができる。
【0009】処理単位決定手段は、均等部の画素データ
以外の画素データであって、1つの直線上の、混合領域
または前景領域に属する画素データに対応する処理単位
を決定するようにすることができる。
【0010】画像処理装置は、前景領域、背景領域、ま
たは混合領域を特定する領域特定手段をさらに設けるこ
とができる。
【0011】均等部検出手段は、画素データの差分とし
きい値とを比較することにより、均等部を検出するよう
にすることができる。
【0012】均等部検出手段は、前景オブジェクトの動
き量に対応する画素の数以上の数の隣接する画素データ
からなる均等部を検出するようにすることができる。
【0013】動きボケ除去手段は、動きベクトルに対応
した演算を適用することにより、記前景領域に生じてい
る動きボケを除去するようにすることができる。
【0014】動きボケ除去手段は、処理単位および動き
ベクトルに対応するモデルを取得するモデル取得手段
と、取得したモデルに基づいて、処理単位の画素データ
と、処理単位に含まれる前景オブジェクト成分との関係
に対応する方程式を生成する方程式生成手段と、生成さ
れた方程式に基づいて、処理単位に含まれる前景オブジ
ェクト成分を演算する演算手段と含むようにすることが
できる。
【0015】請求項9に記載の画像処理方法は、時間積
分効果により画像データに形成された、前景オブジェク
トを構成する前景オブジェクト成分からなる前景領域、
および背景オブジェクトを構成する背景オブジェクト成
分からなる背景領域により構成される非混合領域、並び
に前景オブジェクト成分および背景オブジェクト成分が
混合されてなる混合領域を特定する領域情報、並びに画
像データに基づいて、前景領域における画素データであ
って、隣接する画素データとその値がほぼ等しい画素デ
ータからなる均等部を検出する均等部検出ステップと、
検出された均等部に基づいて、前景領域に生じている動
きボケを除去する動きボケ除去ステップとを含むことを
特徴とする。
【0016】画像処理方法は、均等部の位置に基づい
て、複数の前景オブジェクト成分からなる処理単位を決
定する処理単位決定ステップをさらに含み、動きボケ除
去ステップでは、処理単位毎に前景領域の動きボケが除
去されるようにすることができる。
【0017】処理単位決定ステップでは、均等部の画素
データ以外の画素データであって、1つの直線上の、混
合領域または前景領域に属する画素データに対応する処
理単位が決定されるようにすることができる。
【0018】画像処理方法は、前景領域、背景領域、ま
たは混合領域を特定する領域特定ステップをさらに含む
ようにすることができる。
【0019】均等部検出ステップでは、画素データの差
分としきい値とを比較することにより、均等部が検出さ
れるようにすることができる。
【0020】均等部検出ステップでは、前景オブジェク
トの動き量に対応する画素の数以上の数の隣接する画素
データからなる均等部が検出されるようにすることがで
きる。
【0021】動きボケ除去ステップでは、動きベクトル
に対応した演算を適用することにより、記前景領域に生
じている動きボケが除去されるようにすることができ
る。
【0022】動きボケ除去ステップは、処理単位および
動きベクトルに対応するモデルを取得するモデル取得ス
テップと、取得したモデルに基づいて、処理単位の画素
データと、処理単位に含まれる前景オブジェクト成分と
の関係に対応する方程式を生成する方程式生成ステップ
と、生成された方程式に基づいて、処理単位に含まれる
前景オブジェクト成分を演算する演算ステップとを含む
ようにすることができる。
【0023】請求項17に記載のプログラムは、時間積
分効果により画像データに形成された、前景オブジェク
トを構成する前景オブジェクト成分からなる前景領域、
および背景オブジェクトを構成する背景オブジェクト成
分からなる背景領域により構成される非混合領域、並び
に前景オブジェクト成分および背景オブジェクト成分が
混合されてなる混合領域を特定する領域情報、並びに画
像データに基づいて、前景領域における画素データであ
って、隣接する画素データとその値がほぼ等しい画素デ
ータからなる均等部を検出する均等部検出ステップと、
検出された均等部に基づいて、前景領域に生じている動
きボケを除去する動きボケ除去ステップとを含むことを
特徴とする。
【0024】プログラムは、均等部の位置に基づいて、
複数の前景オブジェクト成分からなる処理単位を決定す
る処理単位決定ステップをさらに含み、動きボケ除去ス
テップでは、処理単位毎に前景領域の動きボケが除去さ
れるようにすることができる。
【0025】処理単位決定ステップでは、均等部の画素
データ以外の画素データであって、1つの直線上の、混
合領域または前景領域に属する画素データに対応する処
理単位が決定されるようにすることができる。
【0026】プログラムは、前景領域、背景領域、また
は混合領域を特定する領域特定ステップをさらに含むよ
うにすることができる。
【0027】均等部検出ステップでは、画素データの差
分としきい値とを比較することにより、均等部が検出さ
れるようにすることができる。
【0028】均等部検出ステップでは、前景オブジェク
トの動き量に対応する画素の数以上の数の隣接する画素
データからなる均等部が検出されるようにすることがで
きる。
【0029】動きボケ除去ステップでは、動きベクトル
に対応した演算を適用することにより、記前景領域に生
じている動きボケが除去されるようにすることができ
る。
【0030】動きボケ除去ステップは、処理単位および
動きベクトルに対応するモデルを取得するモデル取得ス
テップと、取得したモデルに基づいて、処理単位の画素
データと、処理単位に含まれる前景オブジェクト成分と
の関係に対応する方程式を生成する方程式生成ステップ
と、生成された方程式に基づいて、処理単位に含まれる
前景オブジェクト成分を演算する演算ステップとを含む
ようにすることができる。
【0031】請求項1に記載の画像処理装置、請求項9
に記載の画像処理方法、および請求項17に記載のプロ
グラムにおいては、時間積分効果により画像データに形
成された、前景オブジェクトを構成する前景オブジェク
ト成分からなる前景領域、および背景オブジェクトを構
成する背景オブジェクト成分からなる背景領域により構
成される非混合領域、並びに前景オブジェクト成分およ
び背景オブジェクト成分が混合されてなる混合領域を特
定する領域情報、並びに画像データに基づいて、前景領
域における画素データであって、隣接する画素データと
その値がほぼ等しい画素データからなる均等部が検出さ
れ、検出された均等部に基づいて、前景領域に生じてい
る動きボケが除去される。
【0032】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る信号処理装
置の一実施の形態の構成を示すブロック図である。CPU
(Central Processing Unit)21は、ROM(Read Only
Memory)22、または記憶部28に記憶されているプロ
グラムに従って各種の処理を実行する。RAM(Random Ac
cess Memory)23には、CPU21が実行するプログラム
やデータなどが適宜記憶される。これらのCPU21、ROM
22、およびRAM23は、バス24により相互に接続さ
れている。
【0033】CPU21にはまた、バス24を介して入出
力インタフェース25が接続されている。入出力インタ
フェース25には、キーボード、マウス、マイクロホン
などよりなる入力部26、ディスプレイ、スピーカなど
よりなる出力部27が接続されている。CPU21は、入
力部26から入力される指令に対応して各種の処理を実
行する。そして、CPU21は、処理の結果得られた画像
や音声等を出力部27に出力する。
【0034】入出力インタフェース25に接続されてい
る記憶部28は、例えばハードディスクなどで構成さ
れ、CPU21が実行するプログラムや各種のデータを記
憶する。通信部29は、インターネット、その他のネッ
トワークを介して外部の装置と通信する。この例の場
合、通信部29はセンサの出力を取り込む取得部として
働く。
【0035】また、通信部29を介してプログラムを取
得し、記憶部28に記憶してもよい。
【0036】入出力インタフェース25に接続されてい
るドライブ30は、磁気ディスク51、光ディスク5
2、光磁気ディスク53、或いは半導体メモリ54など
が装着されたとき、それらを駆動し、そこに記録されて
いるプログラムやデータなどを取得する。取得されたプ
ログラムやデータは、必要に応じて記憶部28に転送さ
れ、記憶される。
【0037】次に、センサにより取得されたデータか
ら、有意情報が埋もれている領域を特定したり、埋もれ
た有意情報を抽出する処理を行う信号処理装置について
より具体的な例を挙げて説明する。以下の例において、
CCDラインセンサまたはCCDエリアセンサがセンサに対応
し、領域情報や混合比が有意情報に対応し、混合領域に
おいて、前景と背景が混合していることや動きボケが歪
みに対応する。
【0038】図2は、信号処理装置を示すブロック図で
ある。
【0039】なお、信号処理装置の各機能をハードウェ
アで実現するか、ソフトウェアで実現するかは問わな
い。つまり、本明細書の各ブロック図は、ハードウェア
のブロック図と考えても、ソフトウェアによる機能ブロ
ック図と考えても良い。
【0040】ここで、動きボケとは、撮像の対象とな
る、現実世界におけるオブジェクトの動きと、センサの
撮像の特性とにより生じる、動いているオブジェクトに
対応する画像に含まれている歪みをいう。
【0041】この明細書では、撮像の対象となる、現実
世界におけるオブジェクトに対応する画像を、画像オブ
ジェクトと称する。
【0042】信号処理装置に供給された入力画像は、オ
ブジェクト抽出部101、領域特定部103、混合比算
出部104、および前景背景分離部105に供給され
る。
【0043】オブジェクト抽出部101は、入力画像に
含まれる前景のオブジェクトに対応する画像オブジェク
トを粗く抽出して、抽出した画像オブジェクトを動き検
出部102に供給する。オブジェクト抽出部101は、
例えば、入力画像に含まれる前景のオブジェクトに対応
する画像オブジェクトの輪郭を検出することで、前景の
オブジェクトに対応する画像オブジェクトを粗く抽出す
る。
【0044】オブジェクト抽出部101は、入力画像に
含まれる背景のオブジェクトに対応する画像オブジェク
トを粗く抽出して、抽出した画像オブジェクトを動き検
出部102に供給する。オブジェクト抽出部101は、
例えば、入力画像と、抽出された前景のオブジェクトに
対応する画像オブジェクトとの差から、背景のオブジェ
クトに対応する画像オブジェクトを粗く抽出する。
【0045】また、例えば、オブジェクト抽出部101
は、内部に設けられている背景メモリに記憶されている
背景の画像と、入力画像との差から、前景のオブジェク
トに対応する画像オブジェクト、および背景のオブジェ
クトに対応する画像オブジェクトを粗く抽出するように
してもよい。
【0046】動き検出部102は、例えば、ブロックマ
ッチング法、勾配法、位相相関法、およびペルリカーシ
ブ法などの手法により、粗く抽出された前景のオブジェ
クトに対応する画像オブジェクトの動きベクトルを算出
して、算出した動きベクトルおよび動きベクトルの位置
情報(動きベクトルに対応する画素の位置を特定する情
報)を領域特定部103および動きボケ抽出部106に
供給する。
【0047】動き検出部102が出力する動きベクトル
には、動き量vに対応する情報が含まれるている。
【0048】また、例えば、動き検出部102は、画像
オブジェクトに画素を特定する画素位置情報と共に、画
像オブジェクト毎の動きベクトルを動きボケ調整部10
6に出力するようにしてもよい。
【0049】動き量vは、動いているオブジェクトに対
応する画像の位置の変化を画素間隔を単位として表す値
である。例えば、前景に対応するオブジェクトの画像
が、あるフレームを基準として次のフレームにおいて4
画素分離れた位置に表示されるように移動していると
き、前景に対応するオブジェクトの画像の動き量vは、
4とされる。
【0050】なお、オブジェクト抽出部101および動
き検出部102は、動いているオブジェクトに対応した
動きボケ量の調整を行う場合に必要となる。
【0051】領域特定部103は、入力された画像の画
素のそれぞれを、前景領域、背景領域、または混合領域
のいずれかに特定し、画素毎に前景領域、背景領域、ま
たは混合領域のいずれかに属するかを示す情報(以下、
領域情報と称する)を混合比算出部104、前景背景分
離部105、および動きボケ調整部106に供給する。
【0052】混合比算出部104は、入力画像、および
領域特定部103から供給された領域情報を基に、混合
領域63に含まれる画素に対応する混合比(以下、混合
比αと称する)を算出して、算出した混合比を前景背景
分離部105に供給する。
【0053】混合比αは、後述する式(3)に示される
ように、画素値における、背景のオブジェクトに対応す
る画像の成分(以下、背景の成分とも称する)の割合を
示す値である。
【0054】前景背景分離部105は、領域特定部10
3から供給された領域情報、および混合比算出部104
から供給された混合比αを基に、前景のオブジェクトに
対応する画像の成分(以下、前景の成分とも称する)の
みから成る前景成分画像と、背景の成分のみから成る背
景成分画像とに入力画像を分離して、前景成分画像を動
きボケ調整部106および選択部107に供給する。な
お、分離された前景成分画像を最終的な出力とすること
も考えられる。従来の混合領域を考慮しないで前景と背
景だけを特定し、分離していた方式に比べ正確な前景と
背景を得ることが出来る。
【0055】動きボケ調整部106は、動きベクトルか
らわかる動き量vおよび領域情報を基に、前景成分画像
に含まれる1以上の画素を示す処理単位を決定する。処
理単位は、動きボケの量の調整の処理の対象となる1群
の画素を指定するデータである。
【0056】動きボケ調整部106は、信号処理装置に
入力された動きボケ調整量、前景背景分離部105から
供給された前景成分画像、動き検出部102から供給さ
れた動きベクトルおよびその位置情報、並びに処理単位
を基に、前景成分画像に含まれる動きボケを除去する、
動きボケの量を減少させる、または動きボケの量を増加
させるなど前景成分画像に含まれる動きボケの量を調整
して、動きボケの量を調整した前景成分画像を選択部1
07に出力する。動きベクトルとその位置情報は使わな
いこともある。
【0057】選択部107は、例えば使用者の選択に対
応した選択信号を基に、前景背景分離部105から供給
された前景成分画像、および動きボケ調整部106から
供給された動きボケの量が調整された前景成分画像のい
ずれか一方を選択して、選択した前景成分画像を出力す
る。
【0058】次に、図3乃至図18を参照して、信号処
理装置に供給される入力画像について説明する。
【0059】図3は、センサによる撮像を説明する図で
ある。センサは、例えば、固体撮像素子であるCCD(Cha
rge-Coupled Device)エリアセンサを備えたCCDビデオ
カメラなどで構成される。現実世界における、前景に対
応するオブジェクトは、現実世界における、背景に対応
するオブジェクトと、センサとの間を、例えば、図中の
左側から右側に水平に移動する。
【0060】センサは、前景に対応するオブジェクト
を、背景に対応するオブジェクトと共に撮像する。セン
サは、撮像した画像を1フレーム単位で出力する。例え
ば、センサは、1秒間に30フレームから成る画像を出
力する。センサの露光時間は、1/30秒とすることが
できる。露光時間は、センサが入力された光の電荷への
変換を開始してから、入力された光の電荷への変換を終
了するまでの期間である。以下、露光時間をシャッタ時
間とも称する。
【0061】図4は、画素の配置を説明する図である。
図4中において、A乃至Iは、個々の画素を示す。画素
は、画像に対応する平面上に配置されている。1つの画
素に対応する1つの検出素子は、センサ上に配置されて
いる。センサが画像を撮像するとき、1つの検出素子
は、画像を構成する1つの画素に対応する画素値を出力
する。例えば、検出素子のX方向の位置は、画像上の横
方向の位置に対応し、検出素子のY方向の位置は、画像
上の縦方向の位置に対応する。
【0062】図5に示すように、例えば、CCDである検
出素子は、シャッタ時間に対応する期間、入力された光
を電荷に変換して、変換された電荷を蓄積する。電荷の
量は、入力された光の強さと、光が入力されている時間
にほぼ比例する。検出素子は、シャッタ時間に対応する
期間において、入力された光から変換された電荷を、既
に蓄積されている電荷に加えていく。すなわち、検出素
子は、シャッタ時間に対応する期間、入力される光を積
分して、積分された光に対応する量の電荷を蓄積する。
検出素子は、時間に対して、積分効果があるとも言え
る。
【0063】検出素子に蓄積された電荷は、図示せぬ回
路により、電圧値に変換され、電圧値は更にデジタルデ
ータなどの画素値に変換されて出力される。従って、セ
ンサから出力される個々の画素値は、前景または背景に
対応するオブジェクトの空間的に広がりを有するある部
分を、シャッタ時間について積分した結果である、1次
元の空間に射影された値を有する。
【0064】信号処理装置は、このようなセンサの蓄積
の動作により、出力信号に埋もれてしまった有意な情
報、例えば、混合比αを抽出する。信号処理装置は、前
景の画像オブジェクト自身が混ざり合うことによる生ず
る歪みの量、例えば、動きボケの量などを調整する。ま
た、信号処理装置は、前景の画像オブジェクトと背景の
画像オブジェクトとが混ざり合うことにより生ずる歪み
の量を調整する。
【0065】図6は、動いている前景に対応するオブジ
ェクトと、静止している背景に対応するオブジェクトと
を撮像して得られる画像を説明する図である。図6
(A)は、動きを伴う前景に対応するオブジェクトと、
静止している背景に対応するオブジェクトとを撮像して
得られる画像を示している。図6(A)に示す例におい
て、前景に対応するオブジェクトは、画面に対して水平
に左から右に動いている。
【0066】図6(B)は、図6(A)に示す画像の1
つのラインに対応する画素値を時間方向に展開したモデ
ル図である。図6(B)の横方向は、図6(A)の空間
方向Xに対応している。
【0067】背景領域の画素は、背景の成分、すなわ
ち、背景のオブジェクトに対応する画像の成分のみか
ら、その画素値が構成されている。前景領域の画素は、
前景の成分、すなわち、前景のオブジェクトに対応する
画像の成分のみから、その画素値が構成されている。
【0068】混合領域の画素は、背景の成分、および前
景の成分から、その画素値が構成されている。混合領域
は、背景の成分、および前景の成分から、その画素値が
構成されているので、歪み領域ともいえる。混合領域
は、更に、カバードバックグラウンド領域およびアンカ
バードバックグラウンド領域に分類される。
【0069】カバードバックグラウンド領域は、前景領
域に対して、前景のオブジェクトの進行方向の前端部に
対応する位置の混合領域であり、時間の経過に対応して
背景成分が前景に覆い隠される領域をいう。
【0070】これに対して、アンカバードバックグラウ
ンド領域は、前景領域に対して、前景のオブジェクトの
進行方向の後端部に対応する位置の混合領域であり、時
間の経過に対応して背景成分が現れる領域をいう。
【0071】このように、前景領域、背景領域、または
カバードバックグラウンド領域若しくはアンカバードバ
ックグラウンド領域を含む画像が、領域特定部103、
混合比算出部104、および前景背景分離部105に入
力画像として入力される。
【0072】図7は、以上のような、背景領域、前景領
域、混合領域、カバードバックグラウンド領域、および
アンカバードバックグラウンド領域を説明する図であ
る。図6に示す画像に対応する場合、背景領域は、静止
部分であり、前景領域は、動き部分であり、混合領域の
カバードバックグラウンド領域は、背景から前景に変化
する部分であり、混合領域のアンカバードバックグラウ
ンド領域は、前景から背景に変化する部分である。
【0073】図8は、静止している前景に対応するオブ
ジェクトおよび静止している背景に対応するオブジェク
トを撮像した画像における、隣接して1列に並んでいる
画素の画素値を時間方向に展開したモデル図である。例
えば、隣接して1列に並んでいる画素として、画面の1
つのライン上に並んでいる画素を選択することができ
る。
【0074】図8に示すF01乃至F04の画素値は、静止し
ている前景のオブジェクトに対応する画素の画素値であ
る。図8に示すB01乃至B04の画素値は、静止している背
景のオブジェクトに対応する画素の画素値である。
【0075】図8における縦方向は、図中の上から下に
向かって時間が経過する。図8中の矩形の上辺の位置
は、センサが入力された光の電荷への変換を開始する時
刻に対応し、図8中の矩形の下辺の位置は、センサが入
力された光の電荷への変換を終了する時刻に対応する。
すなわち、図8中の矩形の上辺から下辺までの距離は、
シャッタ時間に対応する。
【0076】以下において、シャッタ時間とフレーム間
隔とが同一である場合を例に説明する。
【0077】図8における横方向は、図6で説明した空
間方向Xに対応する。より具体的には、図8に示す例に
おいて、図8中の”F01”と記載された矩形の左辺か
ら”B04”と記載された矩形の右辺までの距離は、画素
のピッチの8倍、すなわち、連続している8つの画素の
間隔に対応する。
【0078】前景のオブジェクトおよび背景のオブジェ
クトが静止している場合、シャッタ時間に対応する期間
において、センサに入力される光は変化しない。
【0079】ここで、シャッタ時間に対応する期間を2
つ以上の同じ長さの期間に分割する。例えば、仮想分割
数を4とすると、図8に示すモデル図は、図11に示す
モデルとして表すことができる。仮想分割数は、前景に
対応するオブジェクトのシャッタ時間内での動き量vな
どに対応して設定される。例えば、4である動き量vに
対応して、仮想分割数は、4とされ、シャッタ時間に対
応する期間は4つに分割される。
【0080】図中の最も上の行は、シャッタが開いて最
初の、分割された期間に対応する。図中の上から2番目
の行は、シャッタが開いて2番目の、分割された期間に
対応する。図中の上から3番目の行は、シャッタが開い
て3番目の、分割された期間に対応する。図中の上から
4番目の行は、シャッタが開いて4番目の、分割された
期間に対応する。
【0081】以下、動き量vに対応して分割されたシャ
ッタ時間をシャッタ時間/vとも称する。
【0082】前景に対応するオブジェクトが静止してい
るとき、センサに入力される光は変化しないので、前景
の成分F01/vは、画素値F01を仮想分割数で除した値に等
しい。同様に、前景に対応するオブジェクトが静止して
いるとき、前景の成分F02/vは、画素値F02を仮想分割数
で除した値に等しく、前景の成分F03/vは、画素値F03を
仮想分割数で除した値に等しく、前景の成分F04/vは、
画素値F04を仮想分割数で除した値に等しい。
【0083】背景に対応するオブジェクトが静止してい
るとき、センサに入力される光は変化しないので、背景
の成分B01/vは、画素値B01を仮想分割数で除した値に等
しい。同様に、背景に対応するオブジェクトが静止して
いるとき、背景の成分B02/vは、画素値B02を仮想分割数
で除した値に等しく、B03/vは、画素値B03を仮想分割数
で除した値に等しく、B04/vは、画素値B04を仮想分割数
で除した値に等しい。
【0084】すなわち、前景に対応するオブジェクトが
静止している場合、シャッタ時間に対応する期間におい
て、センサに入力される前景のオブジェクトに対応する
光が変化しないので、シャッタが開いて最初の、シャッ
タ時間/vに対応する前景の成分F01/vと、シャッタが開
いて2番目の、シャッタ時間/vに対応する前景の成分F0
1/vと、シャッタが開いて3番目の、シャッタ時間/vに
対応する前景の成分F01/vと、シャッタが開いて4番目
の、シャッタ時間/vに対応する前景の成分F01/vとは、
同じ値となる。F02/v乃至F04/vも、F01/vと同様の関係
を有する。
【0085】背景に対応するオブジェクトが静止してい
る場合、シャッタ時間に対応する期間において、センサ
に入力される背景のオブジェクトに対応する光は変化し
ないので、シャッタが開いて最初の、シャッタ時間/vに
対応する背景の成分B01/vと、シャッタが開いて2番目
の、シャッタ時間/vに対応する背景の成分B01/vと、シ
ャッタが開いて3番目の、シャッタ時間/vに対応する背
景の成分B01/vと、シャッタが開いて4番目の、シャッ
タ時間/vに対応する背景の成分B01/vとは、同じ値とな
る。B02/v乃至B04/vも、同様の関係を有する。
【0086】次に、前景に対応するオブジェクトが移動
し、背景に対応するオブジェクトが静止している場合に
ついて説明する。
【0087】図10は、前景に対応するオブジェクトが
図中の右側に向かって移動する場合の、カバードバック
グラウンド領域を含む、1つのライン上の画素の画素値
を時間方向に展開したモデル図である。図10におい
て、前景の動き量vは、4である。1フレームは短い時
間なので、前景に対応するオブジェクトが剛体であり、
等速で移動していると仮定することができる。図10に
おいて、前景に対応するオブジェクトの画像は、あるフ
レームを基準として次のフレームにおいて4画素分右側
に表示されるように移動する。
【0088】図10において、最も左側の画素乃至左か
ら4番目の画素は、前景領域に属する。図10におい
て、左から5番目乃至左から7番目の画素は、カバード
バックグラウンド領域である混合領域に属する。図10
において、最も右側の画素は、背景領域に属する。
【0089】前景に対応するオブジェクトが時間の経過
と共に背景に対応するオブジェクトを覆い隠すように移
動しているので、カバードバックグラウンド領域に属す
る画素の画素値に含まれる成分は、シャッタ時間に対応
する期間のある時点で、背景の成分から、前景の成分に
替わる。
【0090】例えば、図10中に太線枠を付した画素値
Mは、式(1)で表される。
【0091】 M=B02/v+B02/v+F07/v+F06/v (1)
【0092】例えば、左から5番目の画素は、1つのシ
ャッタ時間/vに対応する背景の成分を含み、3つのシャ
ッタ時間/vに対応する前景の成分を含むので、左から5
番目の画素の混合比αは、1/4である。左から6番目の
画素は、2つのシャッタ時間/vに対応する背景の成分を
含み、2つのシャッタ時間/vに対応する前景の成分を含
むので、左から6番目の画素の混合比αは、1/2であ
る。左から7番目の画素は、3つのシャッタ時間/vに対
応する背景の成分を含み、1つのシャッタ時間/vに対応
する前景の成分を含むので、左から7番目の画素の混合
比αは、3/4である。
【0093】前景に対応するオブジェクトが、剛体であ
り、前景の画像が次のフレームにおいて4画素右側に表
示されるように等速で移動すると仮定できるので、例え
ば、図10中の左から4番目の画素の、シャッタが開い
て最初の、シャッタ時間/vの前景の成分F07/vは、図1
0中の左から5番目の画素の、シャッタが開いて2番目
のシャッタ時間/vに対応する前景の成分に等しい。同様
に、前景の成分F07/vは、図10中の左から6番目の画
素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vに対応
する前景の成分と、図10中の左から7番目の画素の、
シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vに対応する前
景の成分とに、それぞれ等しい。
【0094】前景に対応するオブジェクトが、剛体であ
り、前景の画像が次のフレームにおいて4画素右側に表
示されるように等速で移動すると仮定できるので、例え
ば、図10中の左から3番目の画素の、シャッタが開い
て最初のシャッタ時間/vの前景の成分F06/vは、図10
中の左から4番目の画素の、シャッタが開いて2番目の
シャッタ時間/vに対応する前景の成分に等しい。同様
に、前景の成分F06/vは、図10中の左から5番目の画
素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vに対応
する前景の成分と、図10中の左から6番目の画素の、
シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vに対応する前
景の成分とに、それぞれ等しい。
【0095】前景に対応するオブジェクトが、剛体であ
り、前景の画像が次のフレームにおいて4画素右側に表
示されるように等速で移動すると仮定できるので、例え
ば、図10中の左から2番目の画素の、シャッタが開い
て最初のシャッタ時間/vの前景の成分F05/vは、図10
中の左から3番目の画素の、シャッタが開いて2番目の
シャッタ時間/vのに対応する前景の成分に等しい。同様
に、前景の成分F05/vは、図10中の左から4番目の画
素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vに対応
する前景の成分と、図10中の左から5番目の画素の、
シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vに対応する前
景の成分とに、それぞれ等しい。
【0096】前景に対応するオブジェクトが、剛体であ
り、前景の画像が次のフレームにおいて4画素右側に表
示されるように等速で移動すると仮定できるので、例え
ば、図10中の最も左側の画素の、シャッタが開いて最
初のシャッタ時間/vの前景の成分F04/vは、図10中の
左から2番目の画素の、シャッタが開いて2番目のシャ
ッタ時間/vに対応する前景の成分に等しい。同様に、前
景の成分F04/vは、図10中の左から3番目の画素の、
シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vに対応する前
景の成分と、図10中の左から4番目の画素の、シャッ
タが開いて4番目のシャッタ時間/vに対応する前景の成
分とに、それぞれ等しい。
【0097】動いているオブジェクトに対応する前景の
領域は、このように動きボケを含むので、歪み領域とも
言える。
【0098】図11は、前景が図中の右側に向かって移
動する場合の、アンカバードバックグラウンド領域を含
む、1つのライン上の画素の画素値を時間方向に展開し
たモデル図である。図11において、前景の動き量v
は、4である。1フレームは短い時間なので、前景に対
応するオブジェクトが剛体であり、等速で移動している
と仮定することができる。図11において、前景に対応
するオブジェクトの画像は、あるフレームを基準として
次のフレームにおいて4画素分右側に移動する。
【0099】図11において、最も左側の画素乃至左か
ら4番目の画素は、背景領域に属する。図11におい
て、左から5番目乃至左から7番目の画素は、アンカバ
ードバックグラウンドである混合領域に属する。図11
において、最も右側の画素は、前景領域に属する。
【0100】背景に対応するオブジェクトを覆っていた
前景に対応するオブジェクトが時間の経過と共に背景に
対応するオブジェクトの前から取り除かれるように移動
しているので、アンカバードバックグラウンド領域に属
する画素の画素値に含まれる成分は、シャッタ時間に対
応する期間のある時点で、前景の成分から、背景の成分
に替わる。
【0101】例えば、図11中に太線枠を付した画素値
M'は、式(2)で表される。
【0102】 M'=F02/v+F01/v+B26/v+B26/v (2)
【0103】例えば、左から5番目の画素は、3つのシ
ャッタ時間/vに対応する背景の成分を含み、1つのシャ
ッタ時間/vに対応する前景の成分を含むので、左から5
番目の画素の混合比αは、3/4である。左から6番目の
画素は、2つのシャッタ時間/vに対応する背景の成分を
含み、2つのシャッタ時間/vに対応する前景の成分を含
むので、左から6番目の画素の混合比αは、1/2であ
る。左から7番目の画素は、1つのシャッタ時間/vに対
応する背景の成分を含み、3つのシャッタ時間/vに対応
する前景の成分を含むので、左から7番目の画素の混合
比αは、1/4である。
【0104】式(1)および式(2)をより一般化する
と、画素値Mは、式(3)で表される。
【0105】
【数1】 ここで、αは、混合比である。Bは、背景の画素値であ
り、Fi/vは、前景の成分である。
【0106】前景に対応するオブジェクトが剛体であ
り、等速で動くと仮定でき、かつ、動き量vが4である
ので、例えば、図11中の左から5番目の画素の、シャ
ッタが開いて最初の、シャッタ時間/vの前景の成分F01/
vは、図11中の左から6番目の画素の、シャッタが開
いて2番目のシャッタ時間/vに対応する前景の成分に等
しい。同様に、F01/vは、図11中の左から7番目の画
素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vに対応
する前景の成分と、図11中の左から8番目の画素の、
シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vに対応する前
景の成分とに、それぞれ等しい。
【0107】前景に対応するオブジェクトが剛体であ
り、等速で動くと仮定でき、かつ、仮想分割数が4であ
るので、例えば、図11中の左から6番目の画素の、シ
ャッタが開いて最初の、シャッタ時間/vの前景の成分F0
2/vは、図11中の左から7番目の画素の、シャッタが
開いて2番目のシャッタ時間/vに対応する前景の成分に
等しい。同様に、前景の成分F02/vは、図11中の左か
ら8番目の画素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ
時間/vに対応する前景の成分に等しい。
【0108】前景に対応するオブジェクトが剛体であ
り、等速で動くと仮定でき、かつ、動き量vが4である
ので、例えば、図11中の左から7番目の画素の、シャ
ッタが開いて最初の、シャッタ時間/vの前景の成分F03/
vは、図11中の左から8番目の画素の、シャッタが開
いて2番目のシャッタ時間/vに対応する前景の成分に等
しい。
【0109】図9乃至図11の説明において、仮想分割
数は、4であるとして説明したが、仮想分割数は、動き
量vに対応する。動き量vは、一般に、前景に対応するオ
ブジェクトの移動速度に対応する。例えば、前景に対応
するオブジェクトが、あるフレームを基準として次のフ
レームにおいて4画素分右側に表示されるように移動し
ているとき、動き量vは、4とされる。動き量vに対応
し、仮想分割数は、4とされる。同様に、例えば、前景
に対応するオブジェクトが、あるフレームを基準として
次のフレームにおいて6画素分左側に表示されるように
移動しているとき、動き量vは、6とされ、仮想分割数
は、6とされる。
【0110】図12および図13に、以上で説明した、
前景領域、背景領域、カバードバックグラウンド領域若
しくはアンカバードバックグラウンド領域から成る混合
領域と、分割されたシャッタ時間に対応する前景の成分
および背景の成分との関係を示す。
【0111】図12は、静止している背景の前を移動し
ているオブジェクトに対応する前景を含む画像から、前
景領域、背景領域、および混合領域の画素を抽出した例
を示す。図12に示す例において、前景に対応するオブ
ジェクトは、画面に対して水平に移動している。
【0112】フレーム#n+1は、フレーム#nの次のフレー
ムであり、フレーム#n+2は、フレーム#n+1の次のフレー
ムである。
【0113】フレーム#n乃至フレーム#n+2のいずれかか
ら抽出した、前景領域、背景領域、および混合領域の画
素を抽出して、動き量vを4として、抽出された画素の
画素値を時間方向に展開したモデルを図13に示す。
【0114】前景領域の画素値は、前景に対応するオブ
ジェクトが移動するので、シャッタ時間/vの期間に対応
する、4つの異なる前景の成分から構成される。例え
ば、図13に示す前景領域の画素のうち最も左側に位置
する画素は、F01/v,F02/v,F03/v、およびF04/vから構成
される。すなわち、前景領域の画素は、動きボケを含ん
でいる。
【0115】背景に対応するオブジェクトが静止してい
るので、シャッタ時間に対応する期間において、センサ
に入力される背景に対応する光は変化しない。この場
合、背景領域の画素値は、動きボケを含まない。
【0116】カバードバックグラウンド領域若しくはア
ンカバードバックグラウンド領域から成る混合領域に属
する画素の画素値は、前景の成分と、背景の成分とから
構成される。
【0117】次に、オブジェクトに対応する画像が動い
ているとき、複数のフレームにおける、隣接して1列に
並んでいる画素であって、フレーム上で同一の位置の画
素の画素値を時間方向に展開したモデルについて説明す
る。例えば、オブジェクトに対応する画像が画面に対し
て水平に動いているとき、隣接して1列に並んでいる画
素として、画面の1つのライン上に並んでいる画素を選
択することができる。
【0118】図14は、静止している背景に対応するオ
ブジェクトを撮像した画像の3つのフレームの、隣接し
て1列に並んでいる画素であって、フレーム上で同一の
位置の画素の画素値を時間方向に展開したモデル図であ
る。フレーム#nは、フレーム#n-1の次のフレームであ
り、フレーム#n+1は、フレーム#nの次のフレームであ
る。他のフレームも同様に称する。
【0119】図14に示すB01乃至B12の画素値は、静止
している背景のオブジェクトに対応する画素の画素値で
ある。背景に対応するオブジェクトが静止しているの
で、フレーム#n-1乃至フレームn+1において、対応する
画素の画素値は、変化しない。例えば、フレーム#n-1に
おけるB05の画素値を有する画素の位置に対応する、フ
レーム#nにおける画素、およびフレーム#n+1における画
素は、それぞれ、B05の画素値を有する。
【0120】図15は、静止している背景に対応するオ
ブジェクトと共に図中の右側に移動する前景に対応する
オブジェクトを撮像した画像の3つのフレームの、隣接
して1列に並んでいる画素であって、フレーム上で同一
の位置の画素の画素値を時間方向に展開したモデル図で
ある。図15に示すモデルは、カバードバックグラウン
ド領域を含む。
【0121】図15において、前景に対応するオブジェ
クトが、剛体であり、等速で移動すると仮定でき、前景
の画像が次のフレームにおいて4画素右側に表示される
ように移動するので、前景の動き量vは、4であり、仮
想分割数は、4である。
【0122】例えば、図15中のフレーム#n-1の最も左
側の画素の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの
前景の成分は、F12/vとなり、図15中の左から2番目
の画素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vの
前景の成分も、F12/vとなる。図15中の左から3番目
の画素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vの
前景の成分、および図15中の左から4番目の画素の、
シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの前景の成分
は、F12/vとなる。
【0123】図15中のフレーム#n-1の最も左側の画素
の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vの前景の
成分は、F11/vとなり、図15中の左から2番目の画素
の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vの前景の
成分も、F11/vとなる。図15中の左から3番目の画素
の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの前景の
成分は、F11/vとなる。
【0124】図15中のフレーム#n-1の最も左側の画素
の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vの前景の
成分は、F10/vとなり、図15中の左から2番目の画素
の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの前景の
成分も、F10/vとなる。図15中のフレーム#n-1の最も
左側の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間
/vの前景の成分は、F09/vとなる。
【0125】背景に対応するオブジェクトが静止してい
るので、図15中のフレーム#n-1の左から2番目の画素
の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの背景の成
分は、B01/vとなる。図15中のフレーム#n-1の左から
3番目の画素の、シャッタが開いて最初および2番目の
シャッタ時間/vの背景の成分は、B02/vとなる。図15
中のフレーム#n-1の左から4番目の画素の、シャッタが
開いて最初乃至3番目のシャッタ時間/vの背景の成分
は、B03/vとなる。
【0126】図15中のフレーム#n-1において、最も左
側の画素は、前景領域に属し、左側から2番目乃至4番
目の画素は、カバードバックグラウンド領域である混合
領域に属する。
【0127】図15中のフレーム#n-1の左から5番目の
画素乃至12番目の画素は、背景領域に属し、その画素
値は、それぞれ、B04乃至B11となる。
【0128】図15中のフレーム#nの左から1番目の画
素乃至5番目の画素は、前景領域に属する。フレーム#n
の前景領域における、シャッタ時間/vの前景の成分は、
F05/v乃至F12/vのいずれかである。
【0129】前景に対応するオブジェクトが、剛体であ
り、等速で移動すると仮定でき、前景の画像が次のフレ
ームにおいて4画素右側に表示されるように移動するの
で、図15中のフレーム#nの左から5番目の画素の、シ
ャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの前景の成分は、
F12/vとなり、図15中の左から6番目の画素の、シャ
ッタが開いて2番目のシャッタ時間/vの前景の成分も、
F12/vとなる。図15中の左から7番目の画素の、シャ
ッタが開いて3番目のシャッタ時間/vの前景の成分、お
よび図15中の左から8番目の画素の、シャッタが開い
て4番目のシャッタ時間/vの前景の成分は、F12/vとな
る。
【0130】図15中のフレーム#nの左から5番目の画
素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vの前景
の成分は、F11/vとなり、図15中の左から6番目の画
素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vの前景
の成分も、F11/vとなる。図15中の左から7番目の画
素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの前景
の成分は、F11/vとなる。
【0131】図15中のフレーム#nの左から5番目の画
素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vの前景
の成分は、F10/vとなり、図15中の左から6番目の画
素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの前景
の成分も、F10/vとなる。図15中のフレーム#nの左か
ら5番目の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ
時間/vの前景の成分は、F09/vとなる。
【0132】背景に対応するオブジェクトが静止してい
るので、図15中のフレーム#nの左から6番目の画素
の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの背景の成
分は、B05/vとなる。図15中のフレーム#nの左から7
番目の画素の、シャッタが開いて最初および2番目のシ
ャッタ時間/vの背景の成分は、B06/vとなる。図15中
のフレーム#nの左から8番目の画素の、シャッタが開い
て最初乃至3番目の、シャッタ時間/vの背景の成分は、
B07/vとなる。
【0133】図15中のフレーム#nにおいて、左側から
6番目乃至8番目の画素は、カバードバックグラウンド
領域である混合領域に属する。
【0134】図15中のフレーム#nの左から9番目の画
素乃至12番目の画素は、背景領域に属し、画素値は、
それぞれ、B08乃至B11となる。
【0135】図15中のフレーム#n+1の左から1番目の
画素乃至9番目の画素は、前景領域に属する。フレーム
#n+1の前景領域における、シャッタ時間/vの前景の成分
は、F01/v乃至F12/vのいずれかである。
【0136】前景に対応するオブジェクトが、剛体であ
り、等速で移動すると仮定でき、前景の画像が次のフレ
ームにおいて4画素右側に表示されるように移動するの
で、図15中のフレーム#n+1の左から9番目の画素の、
シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの前景の成分
は、F12/vとなり、図15中の左から10番目の画素
の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vの前景の
成分も、F12/vとなる。図15中の左から11番目の画
素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vの前景
の成分、および図15中の左から12番目の画素の、シ
ャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの前景の成分
は、F12/vとなる。
【0137】図15中のフレーム#n+1の左から9番目の
画素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vの期
間の前景の成分は、F11/vとなり、図15中の左から1
0番目の画素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時
間/vの前景の成分も、F11/vとなる。図15中の左から
11番目の画素の、シャッタが開いて4番目の、シャッ
タ時間/vの前景の成分は、F11/vとなる。
【0138】図15中のフレーム#n+1の左から9番目の
画素の、シャッタが開いて3番目の、シャッタ時間/vの
前景の成分は、F10/vとなり、図15中の左から10番
目の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/v
の前景の成分も、F10/vとなる。図15中のフレーム#n+
1の左から9番目の画素の、シャッタが開いて4番目の
シャッタ時間/vの前景の成分は、F09/vとなる。
【0139】背景に対応するオブジェクトが静止してい
るので、図15中のフレーム#n+1の左から10番目の画
素の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの背景の
成分は、B09/vとなる。図15中のフレーム#n+1の左か
ら11番目の画素の、シャッタが開いて最初および2番
目のシャッタ時間/vの背景の成分は、B10/vとなる。図
15中のフレーム#n+1の左から12番目の画素の、シャ
ッタが開いて最初乃至3番目の、シャッタ時間/vの背景
の成分は、B11/vとなる。
【0140】図15中のフレーム#n+1において、左側か
ら10番目乃至12番目の画素は、カバードバックグラ
ウンド領域である混合領域に対応する。
【0141】図16は、図15に示す画素値から前景の
成分を抽出した画像のモデル図である。
【0142】図17は、静止している背景と共に図中の
右側に移動するオブジェクトに対応する前景を撮像した
画像の3つのフレームの、隣接して1列に並んでいる画
素であって、フレーム上で同一の位置の画素の画素値を
時間方向に展開したモデル図である。図17において、
アンカバードバックグラウンド領域が含まれている。
【0143】図17において、前景に対応するオブジェ
クトは、剛体であり、かつ等速で移動していると仮定で
きる。前景に対応するオブジェクトが、次のフレームに
おいて4画素分右側に表示されるように移動しているの
で、動き量vは、4である。
【0144】例えば、図17中のフレーム#n-1の最も左
側の画素の、シャッタが開いて最初の、シャッタ時間/v
の前景の成分は、F13/vとなり、図17中の左から2番
目の画素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/v
の前景の成分も、F13/vとなる。図17中の左から3番
目の画素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/v
の前景の成分、および図17中の左から4番目の画素
の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの前景の
成分は、F13/vとなる。
【0145】図17中のフレーム#n-1の左から2番目の
画素の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの前景
の成分は、F14/vとなり、図17中の左から3番目の画
素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vの前景
の成分も、F14/vとなる。図17中の左から3番目の画
素の、シャッタが開いて最初の、シャッタ時間/vの前景
の成分は、F15/vとなる。
【0146】背景に対応するオブジェクトが静止してい
るので、図17中のフレーム#n-1の最も左側の画素の、
シャッタが開いて2番目乃至4番目の、シャッタ時間/v
の背景の成分は、B25/vとなる。図17中のフレーム#n-
1の左から2番目の画素の、シャッタが開いて3番目お
よび4番目の、シャッタ時間/vの背景の成分は、B26/v
となる。図17中のフレーム#n-1の左から3番目の画素
の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの背景の
成分は、B27/vとなる。
【0147】図17中のフレーム#n-1において、最も左
側の画素乃至3番目の画素は、アンカバードバックグラ
ウンド領域である混合領域に属する。
【0148】図17中のフレーム#n-1の左から4番目の
画素乃至12番目の画素は、前景領域に属する。フレー
ムの前景の成分は、F13/v乃至F24/vのいずれかである。
【0149】図17中のフレーム#nの最も左側の画素乃
至左から4番目の画素は、背景領域に属し、画素値は、
それぞれ、B25乃至B28となる。
【0150】前景に対応するオブジェクトが、剛体であ
り、等速で移動すると仮定でき、前景の画像が次のフレ
ームにおいて4画素右側に表示されるように移動するの
で、図17中のフレーム#nの左から5番目の画素の、シ
ャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの前景の成分は、
F13/vとなり、図17中の左から6番目の画素の、シャ
ッタが開いて2番目のシャッタ時間/vの前景の成分も、
F13/vとなる。図17中の左から7番目の画素の、シャ
ッタが開いて3番目のシャッタ時間/vの前景の成分、お
よび図17中の左から8番目の画素の、シャッタが開い
て4番目のシャッタ時間/vの前景の成分は、F13/vとな
る。
【0151】図17中のフレーム#nの左から6番目の画
素の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの前景の
成分は、F14/vとなり、図17中の左から7番目の画素
の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vの前景の
成分も、F14/vとなる。図17中の左から8番目の画素
の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの前景の成
分は、F15/vとなる。
【0152】背景に対応するオブジェクトが静止してい
るので、図17中のフレーム#nの左から5番目の画素
の、シャッタが開いて2番目乃至4番目のシャッタ時間
/vの背景の成分は、B29/vとなる。図17中のフレーム#
nの左から6番目の画素の、シャッタが開いて3番目お
よび4番目のシャッタ時間/vの背景の成分は、B30/vと
なる。図17中のフレーム#nの左から7番目の画素の、
シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの背景の成分
は、B31/vとなる。
【0153】図17中のフレーム#nにおいて、左から5
番目の画素乃至7番目の画素は、アンカバードバックグ
ラウンド領域である混合領域に属する。
【0154】図17中のフレーム#nの左から8番目の画
素乃至12番目の画素は、前景領域に属する。フレーム
#nの前景領域における、シャッタ時間/vの期間に対応す
る値は、F13/v乃至F20/vのいずれかである。
【0155】図17中のフレーム#n+1の最も左側の画素
乃至左から8番目の画素は、背景領域に属し、画素値
は、それぞれ、B25乃至B32となる。
【0156】前景に対応するオブジェクトが、剛体であ
り、等速で移動すると仮定でき、前景の画像が次のフレ
ームにおいて4画素右側に表示されるように移動するの
で、図17中のフレーム#n+1の左から9番目の画素の、
シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの前景の成分
は、F13/vとなり、図17中の左から10番目の画素
の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vの前景の
成分も、F13/vとなる。図17中の左から11番目の画
素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vの前景
の成分、および図17中の左から12番目の画素の、シ
ャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの前景の成分
は、F13/vとなる。
【0157】図17中のフレーム#n+1の左から10番目
の画素の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの前
景の成分は、F14/vとなり、図17中の左から11番目
の画素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vの
前景の成分も、F14/vとなる。図17中の左から12番
目の画素の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの
前景の成分は、F15/vとなる。
【0158】背景に対応するオブジェクトが静止してい
るので、図17中のフレーム#n+1の左から9番目の画素
の、シャッタが開いて2番目乃至4番目の、シャッタ時
間/vの背景の成分は、B33/vとなる。図17中のフレー
ム#n+1の左から10番目の画素の、シャッタが開いて3
番目および4番目のシャッタ時間/vの背景の成分は、B3
4/vとなる。図17中のフレーム#n+1の左から11番目
の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの
背景の成分は、B35/vとなる。
【0159】図17中のフレーム#n+1において、左から
9番目の画素乃至11番目の画素は、アンカバードバッ
クグラウンド領域である混合領域に属する。
【0160】図17中のフレーム#n+1の左から12番目
の画素は、前景領域に属する。フレーム#n+1の前景領域
における、シャッタ時間/vの前景の成分は、F13/v乃至F
16/vのいずれかである。
【0161】図18は、図17に示す画素値から前景の
成分を抽出した画像のモデル図である。
【0162】図2に戻り、領域特定部103は、複数の
フレームの画素値を用いて、前景領域、背景領域、カバ
ードバックグラウンド領域、またはアンカバードバック
グラウンド領域に属することを示すフラグを画素毎に対
応付けて、領域情報として、混合比算出部104および
動きボケ調整部106に供給する。
【0163】混合比算出部104は、複数のフレームの
画素値、および領域情報を基に、混合領域に含まれる画
素について画素毎に混合比αを算出し、算出した混合比
αを前景背景分離部105に供給する。
【0164】前景背景分離部105は、複数のフレーム
の画素値、領域情報、および混合比αを基に、前景の成
分のみからなる前景成分画像を抽出して、動きボケ調整
部106に供給する。
【0165】動きボケ調整部106は、前景背景分離部
105から供給された前景成分画像、動き検出部102
から供給された動きベクトル、および領域特定部103
から供給された領域情報を基に、前景成分画像に含まれ
る動きボケの量を調整して、動きボケの量を調整した前
景成分画像を出力する。
【0166】図19のフローチャートを参照して、信号
処理装置による動きボケの量の調整の処理を説明する。
ステップS11において、領域特定部103は、入力画
像を基に、入力画像の画素毎に前景領域、背景領域、カ
バードバックグラウンド領域、またはアンカバードバッ
クグラウンド領域のいずれかに属するかを示す領域情報
を生成する領域特定の処理を実行する。領域特定の処理
の詳細は、後述する。領域特定部103は、生成した領
域情報を混合比算出部104に供給する。
【0167】なお、ステップS11において、領域特定
部103は、入力画像を基に、入力画像の画素毎に前景
領域、背景領域、または混合領域(カバードバックグラ
ウンド領域、またはアンカバードバックグラウンド領域
の区別をしない)のいずれかに属するかを示す領域情報
を生成するようにしてもよい。この場合において、前景
背景分離部105および動きボケ調整部106は、動き
ベクトルの方向を基に、混合領域がカバードバックグラ
ウンド領域であるか、またはアンカバードバックグラウ
ンド領域であるかを判定する。例えば、動きベクトルの
方向に対応して、前景領域、混合領域、および背景領域
と順に並んでいるとき、その混合領域は、カバードバッ
クグラウンド領域と判定され、動きベクトルの方向に対
応して、背景領域、混合領域、および前景領域と順に並
んでいるとき、その混合領域は、アンカバードバックグ
ラウンド領域と判定される。
【0168】ステップS12において、混合比算出部1
04は、入力画像および領域情報を基に、混合領域に含
まれる画素毎に、混合比αを算出する。混合比算出の処
理の詳細は、後述する。混合比算出部104は、算出し
た混合比αを前景背景分離部105に供給する。
【0169】ステップS13において、前景背景分離部
105は、領域情報、および混合比αを基に、入力画像
から前景の成分を抽出して、前景成分画像として動きボ
ケ調整部106に供給する。
【0170】ステップS14において、動きボケ調整部
106は、動きベクトルおよび領域情報を基に、動き方
向に並ぶ連続した画素であって、アンカバードバックグ
ラウンド領域、前景領域、およびカバードバックグラウ
ンド領域のいずれかに属するものの画像上の位置を示す
処理単位を生成し、処理単位に対応する前景成分に含ま
れる動きボケの量を調整する。動きボケの量の調整の処
理の詳細については、後述する。
【0171】ステップS15において、信号処理装置
は、画面全体について処理を終了したか否かを判定し、
画面全体について処理を終了していないと判定された場
合、ステップS14に進み、処理単位に対応する前景の
成分を対象とした動きボケの量の調整の処理を繰り返
す。
【0172】ステップS15において、画面全体につい
て処理を終了したと判定された場合、処理は終了する。
【0173】このように、信号処理装置は、前景と背景
を分離して、前景に含まれる動きボケの量を調整するこ
とができる。すなわち、信号処理装置は、前景の画素の
画素値であるサンプルデータに含まれる動きボケの量を
調整することができる。
【0174】以下、領域特定部103、混合比算出部1
04、前景背景分離部105、および動きボケ調整部1
06のそれぞれの構成について説明する。
【0175】図20は、領域特定部103の構成の一例
を示すブロック図である。図20に構成を示す領域特定
部103は、動きベクトルを利用しない。フレームメモ
リ201は、入力された画像をフレーム単位で記憶す
る。フレームメモリ201は、処理の対象がフレーム#n
であるとき、フレーム#nの2つ前のフレームであるフレ
ーム#n-2、フレーム#nの1つ前のフレームであるフレー
ム#n-1、フレーム#n、フレーム#nの1つ後のフレームで
あるフレーム#n+1、およびフレーム#nの2つ後のフレー
ムであるフレーム#n+2を記憶する。
【0176】静動判定部202−1は、フレーム#nの領
域特定の対象である画素の画像上の位置と同一の位置に
あるフレーム#n+2の画素の画素値、およびフレーム#nの
領域特定の対象である画素の画像上の位置と同一の位置
にあるフレーム#n+1の画素の画素値をフレームメモリ2
01から読み出して、読み出した画素値の差の絶対値を
算出する。静動判定部202−1は、フレーム#n+2の画
素値とフレーム#n+1の画素値との差の絶対値が、予め設
定している閾値Thより大きいか否かを判定し、差の絶対
値が閾値Thより大きいと判定された場合、動きを示す静
動判定を領域判定部203−1に供給する。フレーム#n
+2の画素の画素値とフレーム#n+1の画素の画素値との差
の絶対値が閾値Th以下であると判定された場合、静動判
定部202−1は、静止を示す静動判定を領域判定部2
03−1に供給する。
【0177】静動判定部202−2は、フレーム#nの領
域特定の対象である画素の画像上の位置と同一の位置に
あるフレーム#n+1の画素の画素値、およびフレーム#nの
対象となる画素の画素値をフレームメモリ201から読
み出して、画素値の差の絶対値を算出する。静動判定部
202−2は、フレーム#n+1の画素値とフレーム#nの画
素値との差の絶対値が、予め設定している閾値Thより大
きいか否かを判定し、画素値の差の絶対値が、閾値Thよ
り大きいと判定された場合、動きを示す静動判定を領域
判定部203−1および領域判定部203−2に供給す
る。フレーム#n+1の画素の画素値とフレーム#nの画素の
画素値との差の絶対値が、閾値Th以下であると判定され
た場合、静動判定部202−2は、静止を示す静動判定
を領域判定部203−1および領域判定部203−2に
供給する。
【0178】静動判定部202−3は、フレーム#nの領
域特定の対象である画素の画素値、およびフレーム#nの
領域特定の対象である画素の画像上の位置と同一の位置
にあるフレーム#n-1の画素の画素値をフレームメモリ2
01から読み出して、画素値の差の絶対値を算出する。
静動判定部202−3は、フレーム#nの画素値とフレー
ム#n-1の画素値との差の絶対値が、予め設定している閾
値Thより大きいか否かを判定し、画素値の差の絶対値
が、閾値Thより大きいと判定された場合、動きを示す静
動判定を領域判定部203−2および領域判定部203
−3に供給する。フレーム#nの画素の画素値とフレーム
#n-1の画素の画素値との差の絶対値が、閾値Th以下であ
ると判定された場合、静動判定部202−3は、静止を
示す静動判定を領域判定部203−2および領域判定部
203−3に供給する。
【0179】静動判定部202−4は、フレーム#nの領
域特定の対象である画素の画像上の位置と同一の位置に
あるフレーム#n-1の画素の画素値、およびフレーム#nの
領域特定の対象である画素の画像上の位置と同一の位置
にあるフレーム#n-2の画素の画素値をフレームメモリ2
01から読み出して、画素値の差の絶対値を算出する。
静動判定部202−4は、フレーム#n-1の画素値とフレ
ーム#n-2の画素値との差の絶対値が、予め設定している
閾値Thより大きいか否かを判定し、画素値の差の絶対値
が、閾値Thより大きいと判定された場合、動きを示す静
動判定を領域判定部203−3に供給する。フレーム#n
-1の画素の画素値とフレーム#n-2の画素の画素値との差
の絶対値が、閾値Th以下であると判定された場合、静動
判定部202−4は、静止を示す静動判定を領域判定部
203−3に供給する。
【0180】領域判定部203−1は、静動判定部20
2−1から供給された静動判定が静止を示し、かつ、静
動判定部202−2から供給された静動判定が動きを示
しているとき、フレーム#nにおける領域特定の対象であ
る画素がアンカバードバックグラウンド領域に属すると
判定し、領域の判定される画素に対応するアンカバード
バックグラウンド領域判定フラグに、アンカバードバッ
クグラウンド領域に属することを示す”1”を設定す
る。
【0181】領域判定部203−1は、静動判定部20
2−1から供給された静動判定が動きを示すか、また
は、静動判定部202−2から供給された静動判定が静
止を示しているとき、フレーム#nにおける領域特定の対
象である画素がアンカバードバックグラウンド領域に属
しないと判定し、領域の判定される画素に対応するアン
カバードバックグラウンド領域判定フラグに、アンカバ
ードバックグラウンド領域に属しないことを示す”0”
を設定する。
【0182】領域判定部203−1は、このように”
1”または”0”が設定されたアンカバードバックグラ
ウンド領域判定フラグを判定フラグ格納フレームメモリ
204に供給する。
【0183】領域判定部203−2は、静動判定部20
2−2から供給された静動判定が静止を示し、かつ、静
動判定部202−3から供給された静動判定が静止を示
しているとき、フレーム#nにおける領域特定の対象であ
る画素が静止領域に属すると判定し、領域の判定される
画素に対応する静止領域判定フラグに、静止領域に属す
ることを示す”1”を設定する。
【0184】領域判定部203−2は、静動判定部20
2−2から供給された静動判定が動きを示すか、また
は、静動判定部202−3から供給された静動判定が動
きを示しているとき、フレーム#nにおける領域特定の対
象である画素が静止領域に属しないと判定し、領域の判
定される画素に対応する静止領域判定フラグに、静止領
域に属しないことを示す”0”を設定する。
【0185】領域判定部203−2は、このように”
1”または”0”が設定された静止領域判定フラグを判
定フラグ格納フレームメモリ204に供給する。
【0186】領域判定部203−2は、静動判定部20
2−2から供給された静動判定が動きを示し、かつ、静
動判定部202−3から供給された静動判定が動きを示
しているとき、フレーム#nにおける領域特定の対象であ
る画素が動き領域に属すると判定し、領域の判定される
画素に対応する動き領域判定フラグに、動き領域に属す
ることを示す”1”を設定する。
【0187】領域判定部203−2は、静動判定部20
2−2から供給された静動判定が静止を示すか、また
は、静動判定部202−3から供給された静動判定が静
止を示しているとき、フレーム#nにおける領域特定の対
象である画素が動き領域に属しないと判定し、領域の判
定される画素に対応する動き領域判定フラグに、動き領
域に属しないことを示す”0”を設定する。
【0188】領域判定部203−2は、このように”
1”または”0”が設定された動き領域判定フラグを判
定フラグ格納フレームメモリ204に供給する。
【0189】領域判定部203−3は、静動判定部20
2−3から供給された静動判定が動きを示し、かつ、静
動判定部202−4から供給された静動判定が静止を示
しているとき、フレーム#nにおける領域特定の対象であ
る画素がカバードバックグラウンド領域に属すると判定
し、領域の判定される画素に対応するカバードバックグ
ラウンド領域判定フラグに、カバードバックグラウンド
領域に属することを示す”1”を設定する。
【0190】領域判定部203−3は、静動判定部20
2−3から供給された静動判定が静止を示すか、また
は、静動判定部202−4から供給された静動判定が動
きを示しているとき、フレーム#nにおける領域特定の対
象である画素がカバードバックグラウンド領域に属しな
いと判定し、領域の判定される画素に対応するカバード
バックグラウンド領域判定フラグに、カバードバックグ
ラウンド領域に属しないことを示す”0”を設定する。
【0191】領域判定部203−3は、このように”
1”または”0”が設定されたカバードバックグラウン
ド領域判定フラグを判定フラグ格納フレームメモリ20
4に供給する。
【0192】判定フラグ格納フレームメモリ204は、
領域判定部203−1から供給されたアンカバードバッ
クグラウンド領域判定フラグ、領域判定部203−2か
ら供給された静止領域判定フラグ、領域判定部203−
2から供給された動き領域判定フラグ、および領域判定
部203−3から供給されたカバードバックグラウンド
領域判定フラグをそれぞれ記憶する。
【0193】判定フラグ格納フレームメモリ204は、
記憶しているアンカバードバックグラウンド領域判定フ
ラグ、静止領域判定フラグ、動き領域判定フラグ、およ
びカバードバックグラウンド領域判定フラグを合成部2
05に供給する。合成部205は、判定フラグ格納フレ
ームメモリ204から供給された、アンカバードバック
グラウンド領域判定フラグ、静止領域判定フラグ、動き
領域判定フラグ、およびカバードバックグラウンド領域
判定フラグを基に、各画素が、アンカバードバックグラ
ウンド領域、静止領域、動き領域、およびカバードバッ
クグラウンド領域のいずれかに属することを示す領域情
報を生成し、判定フラグ格納フレームメモリ206に供
給する。
【0194】判定フラグ格納フレームメモリ206は、
合成部205から供給された領域情報を記憶すると共
に、記憶している領域情報を出力する。
【0195】次に、領域特定部103の処理の例を図2
1乃至図25を参照して説明する。
【0196】前景に対応するオブジェクトが移動してい
るとき、オブジェクトに対応する画像の画面上の位置
は、フレーム毎に変化する。図21に示すように、フレ
ーム#nにおいて、Yn(x,y)で示される位置に位置するオ
ブジェクトに対応する画像は、次のフレームであるフレ
ーム#n+1において、Yn+1(x,y)に位置する。
【0197】前景のオブジェクトに対応する画像の動き
方向に隣接して1列に並ぶ画素の画素値を時間方向に展
開したモデル図を図24に示す。例えば、前景のオブジ
ェクトに対応する画像の動き方向が画面に対して水平で
あるとき、図22におけるモデル図は、1つのライン上
の隣接する画素の画素値を時間方向に展開したモデルを
示す。
【0198】図22において、フレーム#nにおけるライ
ンは、フレーム#n+1におけるラインと同一である。
【0199】フレーム#nにおいて、左から2番目の画素
乃至13番目の画素に含まれているオブジェクトに対応
する前景の成分は、フレーム#n+1において、左から6番
目乃至17番目の画素に含まれる。
【0200】フレーム#nにおいて、カバードバックグラ
ウンド領域に属する画素は、左から11番目乃至13番
目の画素であり、アンカバードバックグラウンド領域に
属する画素は、左から2番目乃至4番目の画素である。
フレーム#n+1において、カバードバックグラウンド領域
に属する画素は、左から15番目乃至17番目の画素で
あり、アンカバードバックグラウンド領域に属する画素
は、左から6番目乃至8番目の画素である。
【0201】図22に示す例において、フレーム#nに含
まれる前景の成分が、フレーム#n+1において4画素移動
しているので、動き量vは、4である。仮想分割数は、
動き量vに対応し、4である。
【0202】次に、注目しているフレームの前後におけ
る混合領域に属する画素の画素値の変化について説明す
る。
【0203】図23に示す、背景が静止し、前景の動き
量vが4であるフレーム#nにおいて、カバードバックグ
ラウンド領域に属する画素は、左から15番目乃至17
番目の画素である。動き量vが4であるので、1つ前の
フレーム#n-1において、左から15番目乃至17番目の
画素は、背景の成分のみを含み、背景領域に属する。ま
た、更に1つ前のフレーム#n-2において、左から15番
目乃至17番目の画素は、背景の成分のみを含み、背景
領域に属する。
【0204】ここで、背景に対応するオブジェクトが静
止しているので、フレーム#n-1の左から15番目の画素
の画素値は、フレーム#n-2の左から15番目の画素の画
素値から変化しない。同様に、フレーム#n-1の左から1
6番目の画素の画素値は、フレーム#n-2の左から16番
目の画素の画素値から変化せず、フレーム#n-1の左から
17番目の画素の画素値は、フレーム#n-2の左から17
番目の画素の画素値から変化しない。
【0205】すなわち、フレーム#nにおけるカバードバ
ックグラウンド領域に属する画素に対応する、フレーム
#n-1およびフレーム#n-2の画素は、背景の成分のみから
成り、画素値が変化しないので、その差の絶対値は、ほ
ぼ0の値となる。従って、フレーム#nにおける混合領域
に属する画素に対応する、フレーム#n-1およびフレーム
#n-2の画素に対する静動判定は、静動判定部202−4
により、静止と判定される。
【0206】フレーム#nにおけるカバードバックグラウ
ンド領域に属する画素は、前景の成分を含むので、フレ
ーム#n-1における背景の成分のみから成る場合と、画素
値が異なる。従って、フレーム#nにおける混合領域に属
する画素、および対応するフレーム#n-1の画素に対する
静動判定は、静動判定部202−3により、動きと判定
される。
【0207】このように、領域判定部203−3は、静
動判定部202−3から動きを示す静動判定の結果が供
給され、静動判定部202−4から静止を示す静動判定
の結果が供給されたとき、対応する画素がカバードバッ
クグラウンド領域に属すると判定する。
【0208】図24に示す、背景が静止し、前景の動き
量vが4であるフレーム#nにおいて、アンカバードバッ
クグラウンド領域に含まれる画素は、左から2番目乃至
4番目の画素である。動き量vが4であるので、1つ後
のフレーム#n+1において、左から2番目乃至4番目の画
素は、背景の成分のみを含み、背景領域に属する。ま
た、更に1つ後のフレーム#n+2において、左から2番目
乃至4番目の画素は、背景の成分のみを含み、背景領域
に属する。
【0209】ここで、背景に対応するオブジェクトが静
止しているので、フレーム#n+2の左から2番目の画素の
画素値は、フレーム#n+1の左から2番目の画素の画素値
から変化しない。同様に、フレーム#n+2の左から3番目
の画素の画素値は、フレーム#n+1の左から3番目の画素
の画素値から変化せず、フレーム#n+2の左から4番目の
画素の画素値は、フレーム#n+1の左から4番目の画素の
画素値から変化しない。
【0210】すなわち、フレーム#nにおけるアンカバー
ドバックグラウンド領域に属する画素に対応する、フレ
ーム#n+1およびフレーム#n+2の画素は、背景の成分のみ
から成り、画素値が変化しないので、その差の絶対値
は、ほぼ0の値となる。従って、フレーム#nにおける混
合領域に属する画素に対応する、フレーム#n+1およびフ
レーム#n+2の画素に対する静動判定は、静動判定部20
2−1により、静止と判定される。
【0211】フレーム#nにおけるアンカバードバックグ
ラウンド領域に属する画素は、前景の成分を含むので、
フレーム#n+1における背景の成分のみから成る場合と、
画素値が異なる。従って、フレーム#nにおける混合領域
に属する画素、および対応するフレーム#n+1の画素に対
する静動判定は、静動判定部202−2により、動きと
判定される。
【0212】このように、領域判定部203−1は、静
動判定部202−2から動きを示す静動判定の結果が供
給され、静動判定部202−1から静止を示す静動判定
の結果が供給されたとき、対応する画素がアンカバード
バックグラウンド領域に属すると判定する。
【0213】図25は、フレーム#nにおける領域特定部
103の判定条件を示す図である。フレーム#nの判定の
対象となる画素の画像上の位置と同一の位置にあるフレ
ーム#n-2の画素と、フレーム#nの判定の対象となる画素
の画像上の位置と同一の位置にあるフレーム#n-1の画素
とが静止と判定され、フレーム#nの判定の対象となる画
素の画像上の位置と同一の位置にあるフレーム#n-1の画
素と、フレーム#nの画素とが動きと判定されたとき、領
域特定部103は、フレーム#nの判定の対象となる画素
がカバードバックグラウンド領域に属すると判定する。
【0214】フレーム#nの判定の対象となる画素の画像
上の位置と同一の位置にあるフレーム#n-1の画素と、フ
レーム#nの画素とが静止と判定され、フレーム#nの画素
と、フレーム#nの判定の対象となる画素の画像上の位置
と同一の位置にあるフレーム#n+1の画素とが静止と判定
されたとき、領域特定部103は、フレーム#nの判定の
対象となる画素が静止領域に属すると判定する。
【0215】フレーム#nの判定の対象となる画素の画像
上の位置と同一の位置にあるフレーム#n-1の画素と、フ
レーム#nの画素とが動きと判定され、フレーム#nの画素
と、フレーム#nの判定の対象となる画素の画像上の位置
と同一の位置にあるフレーム#n+1の画素とが動きと判定
されたとき、領域特定部103は、フレーム#nの判定の
対象となる画素が動き領域に属すると判定する。
【0216】フレーム#nの画素と、フレーム#nの判定の
対象となる画素の画像上の位置と同一の位置にあるフレ
ーム#n+1の画素とが動きと判定され、フレーム#nの判定
の対象となる画素の画像上の位置と同一の位置にあるフ
レーム#n+1の画素と、フレーム#nの判定の対象となる画
素の画像上の位置と同一の位置にあるフレーム#n+2の画
素とが静止と判定されたとき、領域特定部103は、フ
レーム#nの判定の対象となる画素がアンカバードバック
グラウンド領域に属すると判定する。
【0217】図26は、領域特定部103の領域の特定
の結果の例を示す図である。図26(A)において、カ
バードバックグラウンド領域に属すると判定された画素
は、白で表示されている。図26(B)において、アン
カバードバックグラウンド領域に属すると判定された画
素は、白で表示されている。
【0218】図26(C)において、動き領域に属する
と判定された画素は、白で表示されている。図26
(D)において、静止領域に属すると判定された画素
は、白で表示されている。
【0219】図27は、判定フラグ格納フレームメモリ
206が出力する領域情報の内、混合領域を示す領域情
報を画像として示す図である。図27において、カバー
ドバックグラウンド領域またはアンカバードバックグラ
ウンド領域に属すると判定された画素、すなわち混合領
域に属すると判定された画素は、白で表示されている。
判定フラグ格納フレームメモリ206が出力する混合領
域を示す領域情報は、混合領域、および前景領域内のテ
クスチャの無い部分に囲まれたテクスチャの有る部分を
示す。
【0220】次に、図28のフローチャートを参照し
て、領域特定部103の領域特定の処理を説明する。ス
テップS201において、フレームメモリ201は、判
定の対象となるフレーム#nを含むフレーム#n-2乃至フレ
ーム#n+2の画像を取得する。
【0221】ステップS202において、静動判定部2
02−3は、フレーム#n-1の画素とフレーム#nの同一位
置の画素とで、静止か否かを判定し、静止と判定された
場合、ステップS203に進み、静動判定部202−2
は、フレーム#nの画素とフレーム#n+1の同一位置の画素
とで、静止か否かを判定する。
【0222】ステップS203において、フレーム#nの
画素とフレーム#n+1の同一位置の画素とで、静止と判定
された場合、ステップS204に進み、領域判定部20
3−2は、領域の判定される画素に対応する静止領域判
定フラグに、静止領域に属することを示す”1”を設定
する。領域判定部203−2は、静止領域判定フラグを
判定フラグ格納フレームメモリ204に供給し、手続き
は、ステップS205に進む。
【0223】ステップS202において、フレーム#n-1
の画素とフレーム#nの同一位置の画素とで、動きと判定
された場合、または、ステップS203において、フレ
ーム#nの画素とフレーム#n+1の同一位置の画素とで、動
きと判定された場合、フレーム#nの画素が静止領域には
属さないので、ステップS204の処理はスキップさ
れ、手続きは、ステップS205に進む。
【0224】ステップS205において、静動判定部2
02−3は、フレーム#n-1の画素とフレーム#nの同一位
置の画素とで、動きか否かを判定し、動きと判定された
場合、ステップS206に進み、静動判定部202−2
は、フレーム#nの画素とフレーム#n+1の同一位置の画素
とで、動きか否かを判定する。
【0225】ステップS206において、フレーム#nの
画素とフレーム#n+1の同一位置の画素とで、動きと判定
された場合、ステップS207に進み、領域判定部20
3−2は、領域の判定される画素に対応する動き領域判
定フラグに、動き領域に属することを示す”1”を設定
する。領域判定部203−2は、動き領域判定フラグを
判定フラグ格納フレームメモリ204に供給し、手続き
は、ステップS208に進む。
【0226】ステップS205において、フレーム#n-1
の画素とフレーム#nの同一位置の画素とで、静止と判定
された場合、または、ステップS206において、フレ
ーム#nの画素とフレーム#n+1の同一位置の画素とで、静
止と判定された場合、フレーム#nの画素が動き領域には
属さないので、ステップS207の処理はスキップさ
れ、手続きは、ステップS208に進む。
【0227】ステップS208において、静動判定部2
02−4は、フレーム#n-2の画素とフレーム#n-1の同一
位置の画素とで、静止か否かを判定し、静止と判定され
た場合、ステップS209に進み、静動判定部202−
3は、フレーム#n-1の画素とフレーム#nの同一位置の画
素とで、動きか否かを判定する。
【0228】ステップS209において、フレーム#n-1
の画素とフレーム#nの同一位置の画素とで、動きと判定
された場合、ステップS210に進み、領域判定部20
3−3は、領域の判定される画素に対応するカバードバ
ックグラウンド領域判定フラグに、カバードバックグラ
ウンド領域に属することを示す”1”を設定する。領域
判定部203−3は、カバードバックグラウンド領域判
定フラグを判定フラグ格納フレームメモリ204に供給
し、手続きは、ステップS211に進む。
【0229】ステップS208において、フレーム#n-2
の画素とフレーム#n-1の同一位置の画素とで、動きと判
定された場合、または、ステップS209において、フ
レーム#n-1の画素とフレーム#nの同一位置の画素とで、
静止と判定された場合、フレーム#nの画素がカバードバ
ックグラウンド領域には属さないので、ステップS21
0の処理はスキップされ、手続きは、ステップS211
に進む。
【0230】ステップS211において、静動判定部2
02−2は、フレーム#nの画素とフレーム#n+1の同一位
置の画素とで、動きか否かを判定し、動きと判定された
場合、ステップS212に進み、静動判定部202−1
は、フレーム#n+1の画素とフレーム#n+2の同一位置の画
素とで、静止か否かを判定する。
【0231】ステップS212において、フレーム#n+1
の画素とフレーム#n+2の同一位置の画素とで、静止と判
定された場合、ステップS213に進み、領域判定部2
03−1は、領域の判定される画素に対応するアンカバ
ードバックグラウンド領域判定フラグに、アンカバード
バックグラウンド領域に属することを示す”1”を設定
する。領域判定部203−1は、アンカバードバックグ
ラウンド領域判定フラグを判定フラグ格納フレームメモ
リ204に供給し、手続きは、ステップS214に進
む。
【0232】ステップS211において、フレーム#nの
画素とフレーム#n+1の同一位置の画素とで、静止と判定
された場合、または、ステップS212において、フレ
ーム#n+1の画素とフレーム#n+2の同一位置の画素とで、
動きと判定された場合、フレーム#nの画素がアンカバー
ドバックグラウンド領域には属さないので、ステップS
213の処理はスキップされ、手続きは、ステップS2
14に進む。
【0233】ステップS214において、領域特定部1
03は、フレーム#nの全ての画素について領域を特定し
たか否かを判定し、フレーム#nの全ての画素について領
域を特定していないと判定された場合、手続きは、ステ
ップS202に戻り、他の画素について、領域特定の処
理を繰り返す。
【0234】ステップS214において、フレーム#nの
全ての画素について領域を特定したと判定された場合、
ステップS215に進み、合成部205は、判定フラグ
格納フレームメモリ204に記憶されているアンカバー
ドバックグラウンド領域判定フラグ、およびカバードバ
ックグラウンド領域判定フラグを基に、混合領域を示す
領域情報を生成し、更に、各画素が、アンカバードバッ
クグラウンド領域、静止領域、動き領域、およびカバー
ドバックグラウンド領域のいずれかに属することを示す
領域情報を生成し、生成した領域情報を判定フラグ格納
フレームメモリ206に設定し、処理は終了する。
【0235】このように、領域特定部103は、フレー
ムに含まれている画素のそれぞれについて、動き領域、
静止領域、アンカバードバックグラウンド領域、または
カバードバックグラウンド領域に属することを示す領域
情報を生成することができる。
【0236】なお、領域特定部103は、アンカバード
バックグラウンド領域およびカバードバックグラウンド
領域に対応する領域情報に論理和を適用することによ
り、混合領域に対応する領域情報を生成して、フレーム
に含まれている画素のそれぞれについて、動き領域、静
止領域、または混合領域に属することを示すフラグから
成る領域情報を生成するようにしてもよい。
【0237】前景に対応するオブジェクトがテクスチャ
を有す場合、領域特定部103は、より正確に動き領域
を特定することができる。
【0238】領域特定部103は、動き領域を示す領域
情報を前景領域を示す領域情報として、また、静止領域
を示す領域情報を背景領域を示す領域情報として出力す
ることができる。
【0239】なお、背景に対応するオブジェクトが静止
しているとして説明したが、背景領域に対応する画像が
動きを含んでいても上述した領域を特定する処理を適用
することができる。例えば、背景領域に対応する画像が
一様に動いているとき、領域特定部103は、この動き
に対応して画像全体をシフトさせ、背景に対応するオブ
ジェクトが静止している場合と同様に処理する。また、
背景領域に対応する画像が局所毎に異なる動きを含んで
いるとき、領域特定部103は、動きに対応した画素を
選択して、上述の処理を実行する。
【0240】図29は、領域特定部103の構成の他の
例を示すブロック図である。図29に示す領域特定部1
03は、動きベクトルを使用しない。背景画像生成部3
01は、入力画像に対応する背景画像を生成し、生成し
た背景画像を2値オブジェクト画像抽出部302に供給
する。背景画像生成部301は、例えば、入力画像に含
まれる背景のオブジェクトに対応する画像オブジェクト
を抽出して、背景画像を生成する。
【0241】前景のオブジェクトに対応する画像の動き
方向に隣接して1列に並ぶ画素の画素値を時間方向に展
開したモデル図の例を図30に示す。例えば、前景のオ
ブジェクトに対応する画像の動き方向が画面に対して水
平であるとき、図30におけるモデル図は、1つのライ
ン上の隣接する画素の画素値を時間方向に展開したモデ
ルを示す。
【0242】図30において、フレーム#nにおけるライ
ンは、フレーム#n-1およびフレーム#n+1におけるライン
と同一である。
【0243】フレーム#nにおいて、左から6番目の画素
乃至17番目の画素に含まれているオブジェクトに対応
する前景の成分は、フレーム#n-1において、左から2番
目乃至13番目の画素に含まれ、フレーム#n+1におい
て、左から10番目乃至21番目の画素に含まれる。
【0244】フレーム#n-1において、カバードバックグ
ラウンド領域に属する画素は、左から11番目乃至13
番目の画素であり、アンカバードバックグラウンド領域
に属する画素は、左から2番目乃至4番目の画素であ
る。フレーム#nにおいて、カバードバックグラウンド領
域に属する画素は、左から15番目乃至17番目の画素
であり、アンカバードバックグラウンド領域に属する画
素は、左から6番目乃至8番目の画素である。フレーム
#n+1において、カバードバックグラウンド領域に属する
画素は、左から19番目乃至21番目の画素であり、ア
ンカバードバックグラウンド領域に属する画素は、左か
ら10番目乃至12番目の画素である。
【0245】フレーム#n-1において、背景領域に属する
画素は、左から1番目の画素、および左から14番目乃
至21番目の画素である。フレーム#nにおいて、背景領
域に属する画素は、左から1番目乃至5番目の画素、お
よび左から18番目乃至21番目の画素である。フレー
ム#n+1において、背景領域に属する画素は、左から1番
目乃至9番目の画素である。
【0246】背景画像生成部301が生成する、図30
の例に対応する背景画像の例を図31に示す。背景画像
は、背景のオブジェクトに対応する画素から構成され、
前景のオブジェクトに対応する画像の成分を含まない。
【0247】2値オブジェクト画像抽出部302は、背
景画像および入力画像の相関を基に、2値オブジェクト
画像を生成し、生成した2値オブジェクト画像を時間変
化検出部303に供給する。
【0248】図32は、2値オブジェクト画像抽出部3
02の構成を示すブロック図である。相関値演算部32
1は、背景画像生成部301から供給された背景画像お
よび入力画像の相関を演算し、相関値を生成して、生成
した相関値をしきい値処理部322に供給する。
【0249】相関値演算部321は、例えば、図33
(A)に示すように、X4を中心とした3×3の背景画
像の中のブロックと、図33(B)に示すように、背景
画像の中のブロックに対応するY4を中心とした3×3
の入力画像の中のブロックに、式(4)を適用して、Y
4に対応する相関値を算出する。
【0250】
【数2】
【0251】
【数3】
【0252】
【数4】
【0253】相関値演算部321は、このように各画素
に対応して算出された相関値をしきい値処理部322に
供給する。
【0254】また、相関値演算部321は、例えば、図
34(A)に示すように、X4を中心とした3×3の背
景画像の中のブロックと、図34(B)に示すように、
背景画像の中のブロックに対応するY4を中心とした3
×3の入力画像の中のブロックに、式(7)を適用し
て、Y4に対応する差分絶対値和を算出するようにして
もよい。
【0255】
【数5】
【0256】相関値演算部321は、このように算出さ
れた差分絶対値和を相関値として、しきい値処理部32
2に供給する。
【0257】しきい値処理部322は、相関画像の画素
値としきい値th0とを比較して、相関値がしきい値th0以
下である場合、2値オブジェクト画像の画素値に1を設
定し、相関値がしきい値th0より大きい場合、2値オブ
ジェクト画像の画素値に0を設定して、0または1が画素
値に設定された2値オブジェクト画像を出力する。しき
い値処理部322は、しきい値th0を予め記憶するよう
にしてもよく、または、外部から入力されたしきい値th
0を使用するようにしてもよい。
【0258】図35は、図30に示す入力画像のモデル
に対応する2値オブジェクト画像の例を示す図である。
2値オブジェクト画像において、背景画像と相関の高い
画素には、画素値に0が設定される。
【0259】図36は、時間変化検出部303の構成を
示すブロック図である。フレームメモリ341は、フレ
ーム#nの画素について領域を判定するとき、2値オブジ
ェクト画像抽出部302から供給された、フレーム#n-
1、フレーム#n、およびフレーム#n+1の2値オブジェク
ト画像を記憶する。
【0260】領域判定部342は、フレームメモリ34
1に記憶されているフレーム#n-1、フレーム#n、および
フレーム#n+1の2値オブジェクト画像を基に、フレーム
#nの各画素について領域を判定して、領域情報を生成
し、生成した領域情報を出力する。
【0261】図37は、領域判定部342の判定を説明
する図である。フレーム#nの2値オブジェクト画像の注
目している画素が0であるとき、領域判定部342は、
フレーム#nの注目している画素が背景領域に属すると判
定する。
【0262】フレーム#nの2値オブジェクト画像の注目
している画素が1であり、フレーム#n-1の2値オブジェ
クト画像の対応する画素が1であり、フレーム#n+1の2
値オブジェクト画像の対応する画素が1であるとき、領
域判定部342は、フレーム#nの注目している画素が前
景領域に属すると判定する。
【0263】フレーム#nの2値オブジェクト画像の注目
している画素が1であり、フレーム#n-1の2値オブジェ
クト画像の対応する画素が0であるとき、領域判定部3
42は、フレーム#nの注目している画素がカバードバッ
クグラウンド領域に属すると判定する。
【0264】フレーム#nの2値オブジェクト画像の注目
している画素が1であり、フレーム#n+1の2値オブジェ
クト画像の対応する画素が0であるとき、領域判定部3
42は、フレーム#nの注目している画素がアンカバード
バックグラウンド領域に属すると判定する。
【0265】図38は、図30に示す入力画像のモデル
に対応する2値オブジェクト画像について、時間変化検
出部303の判定した例を示す図である。時間変化検出
部303は、2値オブジェクト画像のフレーム#nの対応
する画素が0なので、フレーム#nの左から1番目乃至5
番目の画素を背景領域に属すると判定する。
【0266】時間変化検出部303は、2値オブジェク
ト画像のフレーム#nの画素が1であり、フレーム#n+1の
対応する画素が0なので、左から6番目乃至9番目の画
素をアンカバードバックグラウンド領域に属すると判定
する。
【0267】時間変化検出部303は、2値オブジェク
ト画像のフレーム#nの画素が1であり、フレーム#n-1の
対応する画素が1であり、フレーム#n+1の対応する画素
が1なので、左から10番目乃至13番目の画素を前景
領域に属すると判定する。
【0268】時間変化検出部303は、2値オブジェク
ト画像のフレーム#nの画素が1であり、フレーム#n-1の
対応する画素が0なので、左から14番目乃至17番目
の画素をカバードバックグラウンド領域に属すると判定
する。
【0269】時間変化検出部303は、2値オブジェク
ト画像のフレーム#nの対応する画素が0なので、左から
18番目乃至21番目の画素を背景領域に属すると判定
する。
【0270】次に、図39のフローチャートを参照し
て、領域判定部103の領域特定の処理を説明する。ス
テップS301において、領域判定部103の背景画像
生成部301は、入力画像を基に、例えば、入力画像に
含まれる背景のオブジェクトに対応する画像オブジェク
トを抽出して背景画像を生成し、生成した背景画像を2
値オブジェクト画像抽出部302に供給する。
【0271】ステップS302において、2値オブジェ
クト画像抽出部302は、例えば、図33を参照して説
明した演算により、入力画像と背景画像生成部301か
ら供給された背景画像との相関値を演算する。ステップ
S303において、2値オブジェクト画像抽出部302
は、例えば、相関値としきい値th0とを比較することに
より、相関値およびしきい値th0から2値オブジェクト
画像を演算する。
【0272】ステップS304において、時間変化検出
部303は、領域判定の処理を実行して、処理は終了す
る。
【0273】図40のフローチャートを参照して、ステ
ップS304に対応する領域判定の処理の詳細を説明す
る。ステップS321において、時間変化検出部303
の領域判定部342は、フレームメモリ341に記憶さ
れているフレーム#nにおいて、注目する画素が0である
か否かを判定し、フレーム#nにおいて、注目する画素が
0であると判定された場合、ステップS322に進み、
フレーム#nの注目する画素が背景領域に属すると設定し
て、処理は終了する。
【0274】ステップS321において、フレーム#nに
おいて、注目する画素が1であると判定された場合、ス
テップS323に進み、時間変化検出部303の領域判
定部342は、フレームメモリ341に記憶されている
フレーム#nにおいて、注目する画素が1であり、かつ、
フレーム#n-1において、対応する画素が0であるか否か
を判定し、フレーム#nにおいて、注目する画素が1であ
り、かつ、フレーム#n-1において、対応する画素が0で
あると判定された場合、ステップS324に進み、フレ
ーム#nの注目する画素がカバードバックグラウンド領域
に属すると設定して、処理は終了する。
【0275】ステップS323において、フレーム#nに
おいて、注目する画素が0であるか、または、フレーム#
n-1において、対応する画素が1であると判定された場
合、ステップS325に進み、時間変化検出部303の
領域判定部342は、フレームメモリ341に記憶され
ているフレーム#nにおいて、注目する画素が1であり、
かつ、フレーム#n+1において、対応する画素が0である
か否かを判定し、フレーム#nにおいて、注目する画素が
1であり、かつ、フレーム#n+1において、対応する画素
が0であると判定された場合、ステップS326に進
み、フレーム#nの注目する画素がアンカバードバックグ
ラウンド領域に属すると設定して、処理は終了する。
【0276】ステップS325において、フレーム#nに
おいて、注目する画素が0であるか、または、フレーム#
n+1において、対応する画素が1であると判定された場
合、ステップS327に進み、時間変化検出部303の
領域判定部342は、フレーム#nの注目する画素を前景
領域と設定して、処理は終了する。
【0277】このように、領域特定部103は、入力さ
れた画像と対応する背景画像との相関値を基に、入力画
像の画素が前景領域、背景領域、カバードバックグラウ
ンド領域、およびアンカバードバックグラウンド領域の
いずれかに属するかを特定して、特定した結果に対応す
る領域情報を生成することができる。
【0278】図41は、領域特定部103の他の構成を
示すブロック図である。図41に示す領域特定部103
は、動き検出部102から供給される動きベクトルとそ
の位置情報を使用する。図29に示す場合と同様の部分
には、同一の番号を付してあり、その説明は省略する。
【0279】ロバスト化部361は、2値オブジェクト
画像抽出部302から供給された、N個のフレームの2
値オブジェクト画像を基に、ロバスト化された2値オブ
ジェクト画像を生成して、時間変化検出部303に出力
する。
【0280】図42は、ロバスト化部361の構成を説
明するブロック図である。動き補償部381は、動き検
出部102から供給された動きベクトルとその位置情報
を基に、N個のフレームの2値オブジェクト画像の動き
を補償して、動きが補償された2値オブジェクト画像を
スイッチ382に出力する。
【0281】図43および図44の例を参照して、動き
補償部381の動き補償について説明する。例えば、フ
レーム#nの領域を判定するとき、図43に例を示すフレ
ーム#n-1、フレーム#n、およびフレーム#n+1の2値オブ
ジェクト画像が入力された場合、動き補償部381は、
動き検出部102から供給された動きベクトルを基に、
図44に例を示すように、フレーム#n-1の2値オブジェ
クト画像、およびフレーム#n+1の2値オブジェクト画像
を動き補償して、動き補償された2値オブジェクト画像
をスイッチ382に供給する。
【0282】スイッチ382は、1番目のフレームの動
き補償された2値オブジェクト画像をフレームメモリ3
83−1に出力し、2番目のフレームの動き補償された
2値オブジェクト画像をフレームメモリ383−2に出
力する。同様に、スイッチ382は、3番目乃至N−1
番目のフレームの動き補償された2値オブジェクト画像
のそれぞれをフレームメモリ383−3乃至フレームメ
モリ383−(N−1)のいずれかに出力し、N番目の
フレームの動き補償された2値オブジェクト画像をフレ
ームメモリ383−Nに出力する。
【0283】フレームメモリ383−1は、1番目のフ
レームの動き補償された2値オブジェクト画像を記憶
し、記憶されている2値オブジェクト画像を重み付け部
384−1に出力する。フレームメモリ383−2は、
2番目のフレームの動き補償された2値オブジェクト画
像を記憶し、記憶されている2値オブジェクト画像を重
み付け部384−2に出力する。
【0284】同様に、フレームメモリ383−3乃至フ
レームメモリ383−(N−1)のそれぞれは、3番目
のフレーム乃至N−1番目のフレームの動き補償された
2値オブジェクト画像のいずれかを記憶し、記憶されて
いる2値オブジェクト画像を重み付け部384−3乃至
重み付け部384−(N−1)のいずれかに出力する。
フレームメモリ383−Nは、N番目のフレームの動き
補償された2値オブジェクト画像を記憶し、記憶されて
いる2値オブジェクト画像を重み付け部384−Nに出
力する。
【0285】重み付け部384−1は、フレームメモリ
383−1から供給された1番目のフレームの動き補償
された2値オブジェクト画像の画素値に予め定めた重み
w1を乗じて、積算部385に供給する。重み付け部38
4−2は、フレームメモリ383−2から供給された2
番目のフレームの動き補償された2値オブジェクト画像
の画素値に予め定めた重みw2を乗じて、積算部385に
供給する。
【0286】同様に、重み付け部384−3乃至重み付
け部384−(N−1)のそれぞれは、フレームメモリ
383−3乃至フレームメモリ383−(N−1)のい
ずれかから供給された3番目乃至N−1番目のいずれか
のフレームの動き補償された2値オブジェクト画像の画
素値に予め定めた重みw3乃至重みw(N-1)のいずれかを乗
じて、積算部385に供給する。重み付け部384−N
は、フレームメモリ383−Nから供給されたN番目の
フレームの動き補償された2値オブジェクト画像の画素
値に予め定めた重みwNを乗じて、積算部385に供給す
る。
【0287】積算部385は、1乃至N番目のフレーム
の動き補償され、それぞれ重みw1乃至wNのいずれかが乗
じられた、2値オブジェクト画像の対応する画素値を積
算して、積算された画素値を予め定めたしきい値th0と
比較することにより2値オブジェクト画像を生成する。
【0288】このように、ロバスト化部361は、N個
の2値オブジェクト画像からロバスト化された2値オブ
ジェト画像を生成して、時間変化検出部303に供給す
るので、図41に構成を示す領域特定部103は、入力
画像にノイズが含まれていても、図29に示す場合に比
較して、より正確に領域を特定することができる。
【0289】次に、図41に構成を示す領域特定部10
3の領域特定の処理について、図45のフローチャート
を参照して説明する。ステップS341乃至ステップS
343の処理は、図39のフローチャートで説明したス
テップS301乃至ステップS303とそれぞれ同様な
のでその説明は省略する。
【0290】ステップS344において、ロバスト化部
361は、ロバスト化の処理を実行する。
【0291】ステップS345において、時間変化検出
部303は、領域判定の処理を実行して、処理は終了す
る。ステップS345の処理の詳細は、図40のフロー
チャートを参照して説明した処理と同様なのでその説明
は省略する。
【0292】次に、図46のフローチャートを参照し
て、図45のステップS344の処理に対応する、ロバ
スト化の処理の詳細について説明する。ステップS36
1において、動き補償部381は、動き検出部102か
ら供給される動きベクトルとその位置情報を基に、入力
された2値オブジェクト画像の動き補償の処理を実行す
る。ステップS362において、フレームメモリ383
−1乃至383−Nのいずれかは、スイッチ382を介
して供給された動き補償された2値オブジェクト画像を
記憶する。
【0293】ステップS363において、ロバスト化部
361は、N個の2値オブジェクト画像が記憶されたか
否かを判定し、N個の2値オブジェクト画像が記憶され
ていないと判定された場合、ステップS361に戻り、
2値オブジェクト画像の動き補償の処理および2値オブ
ジェクト画像の記憶の処理を繰り返す。
【0294】ステップS363において、N個の2値オ
ブジェクト画像が記憶されたと判定された場合、ステッ
プS364に進み、重み付け部384−1乃至384−
Nのそれぞれは、N個の2値オブジェクト画像のそれぞ
れにw1乃至wNのいずれかの重みを乗じて、重み付けす
る。
【0295】ステップS365において、積算部385
は、重み付けされたN個の2値オブジェクト画像を積算
する。
【0296】ステップS366において、積算部385
は、例えば、予め定められたしきい値th1との比較など
により、積算された画像から2値オブジェクト画像を生
成して、処理は終了する。
【0297】このように、図41に構成を示す領域特定
部103は、ロバスト化された2値オブジェクト画像を
基に、領域情報を生成することができる。
【0298】以上のように、領域特定部103は、フレ
ームに含まれている画素のそれぞれについて、動き領
域、静止領域、アンカバードバックグラウンド領域、ま
たはカバードバックグラウンド領域に属することを示す
領域情報を生成することができる。
【0299】図47は、混合比算出部104の構成の一
例を示すブロック図である。推定混合比処理部401
は、入力画像を基に、カバードバックグラウンド領域の
モデルに対応する演算により、画素毎に推定混合比を算
出して、算出した推定混合比を混合比決定部403に供
給する。
【0300】推定混合比処理部402は、入力画像を基
に、アンカバードバックグラウンド領域のモデルに対応
する演算により、画素毎に推定混合比を算出して、算出
した推定混合比を混合比決定部403に供給する。
【0301】前景に対応するオブジェクトがシャッタ時
間内に等速で動いていると仮定できるので、混合領域に
属する画素の混合比αは、以下の性質を有する。すなわ
ち、混合比αは、画素の位置の変化に対応して、直線的
に変化する。画素の位置の変化を1次元とすれば、混合
比αの変化は、直線で表現することができ、画素の位置
の変化を2次元とすれば、混合比αの変化は、平面で表
現することができる。
【0302】なお、1フレームの期間は短いので、前景
に対応するオブジェクトが剛体であり、等速で移動して
いると仮定が成り立つ。
【0303】この場合、混合比αの傾きは、前景のシャ
ッタ時間内での動き量vの逆比となる。
【0304】理想的な混合比αの例を図48に示す。理
想的な混合比αの混合領域における傾きlは、動き量vの
逆数として表すことができる。
【0305】図48に示すように、理想的な混合比α
は、背景領域において、1の値を有し、前景領域におい
て、0の値を有し、混合領域において、0を越え1未満
の値を有する。
【0306】図49の例において、フレーム#nの左から
7番目の画素の画素値C06は、フレーム#n-1の左から7
番目の画素の画素値P06を用いて、式(8)で表すこと
ができる。
【0307】
【数6】
【0308】式(8)において、画素値C06を混合領域
の画素の画素値Mと、画素値P06を背景領域の画素の画素
値Bと表現する。すなわち、混合領域の画素の画素値Mお
よび背景領域の画素の画素値Bは、それぞれ、式(9)
および式(10)のように表現することができる。
【0309】 M=C06 (9) B=P06 (10)
【0310】式(8)中の2/vは、混合比αに対応す
る。動き量vが4なので、フレーム#nの左から7番目の
画素の混合比αは、0.5となる。
【0311】以上のように、注目しているフレーム#nの
画素値Cを混合領域の画素値と見なし、フレーム#nの前
のフレーム#n-1の画素値Pを背景領域の画素値と見なす
ことで、混合比αを示す式(3)は、式(11)のよう
に書き換えられる。
【0312】 C=α・P+f (11) 式(11)のfは、注目している画素に含まれる前景の
成分の和ΣiFi/vである。式(11)に含まれる変数
は、混合比αおよび前景の成分の和fの2つである。
【0313】同様に、アンカバードバックグラウンド領
域における、動き量vが4であり、時間方向の仮想分割
数が4である、画素値を時間方向に展開したモデルを図
50に示す。
【0314】アンカバードバックグラウンド領域におい
て、上述したカバードバックグラウンド領域における表
現と同様に、注目しているフレーム#nの画素値Cを混合
領域の画素値と見なし、フレーム#nの後のフレーム#n+1
の画素値Nを背景領域の画素値と見なすことで、混合比
αを示す式(3)は、式(12)のように表現すること
ができる。
【0315】 C=α・N+f (12)
【0316】なお、背景のオブジェクトが静止している
として説明したが、背景のオブジェクトが動いている場
合においても、背景の動き量vに対応させた位置の画素
の画素値を利用することにより、式(8)乃至式(1
2)を適用することができる。例えば、図49におい
て、背景に対応するオブジェクトの動き量vが2であ
り、仮想分割数が2であるとき、背景に対応するオブジ
ェクトが図中の右側に動いているとき、式(10)にお
ける背景領域の画素の画素値Bは、画素値P04とされる。
【0317】式(11)および式(12)は、それぞれ
2つの変数を含むので、そのままでは混合比αを求める
ことができない。ここで、画像は一般的に空間的に相関
が強いので近接する画素同士でほぼ同じ画素値となる。
【0318】そこで、前景成分は、空間的に相関が強い
ので、前景の成分の和fを前または後のフレームから導
き出せるように式を変形して、混合比αを求める。
【0319】図51のフレーム#nの左から7番目の画素
の画素値Mcは、式(13)で表すことができる。
【0320】
【数7】 式(13)の右辺第1項の2/vは、混合比αに相当す
る。式(13)の右辺第2項は、後のフレーム#n+1の画
素値を利用して、式(14)のように表すこととする。
【0321】
【数8】
【0322】ここで、前景の成分の空間相関を利用し
て、式(15)が成立するとする。
【0323】 F=F05=F06=F07=F08=F09=F10=F11=F12 (15) 式(14)は、式(15)を利用して、式(16)のよ
うに置き換えることができる。
【0324】
【数9】
【0325】結果として、βは、式(17)で表すこと
ができる。
【0326】 β=2/4 (17)
【0327】一般的に、式(15)に示すように混合領
域に関係する前景の成分が等しいと仮定すると、混合領
域の全ての画素について、内分比の関係から式(18)
が成立する。
【0328】 β=1-α (18)
【0329】式(18)が成立するとすれば、式(1
1)は、式(19)に示すように展開することができ
る。
【0330】
【数10】
【0331】同様に、式(18)が成立するとすれば、
式(12)は、式(20)に示すように展開することが
できる。
【0332】
【数11】
【0333】式(19)および式(20)において、
C,N、およびPは、既知の画素値なので、式(19)お
よび式(20)に含まれる変数は、混合比αのみであ
る。式(19)および式(20)における、C,N、およ
びPの関係を図52に示す。Cは、混合比αを算出する、
フレーム#nの注目している画素の画素値である。Nは、
注目している画素と空間方向の位置が対応する、フレー
ム#n+1の画素の画素値である。Pは、注目している画素
と空間方向の位置が対応する、フレーム#n-1の画素の画
素値である。
【0334】従って、式(19)および式(20)のそ
れぞれに1つの変数が含まれることとなるので、3つの
フレームの画素の画素値を利用して、混合比αを算出す
ることができる。式(19)および式(20)を解くこ
とにより、正しい混合比αが算出されるための条件は、
混合領域に関係する前景の成分が等しい、すなわち、前
景のオブジェクトが静止しているとき撮像された前景の
画像オブジェクトにおいて、前景のオブジェクトの動き
の方向に対応する、画像オブジェクトの境界に位置する
画素であって、動き量vの2倍の数の連続している画素
の画素値が、一定であることである。
【0335】以上のように、カバードバックグラウンド
領域に属する画素の混合比αは、式(21)により算出
され、アンカバードバックグラウンド領域に属する画素
の混合比αは、式(22)により算出される。
【0336】 α=(C-N)/(P-N) (21) α=(C-P)/(N-P) (22)
【0337】図53は、推定混合比処理部401の構成
を示すブロック図である。フレームメモリ421は、入
力された画像をフレーム単位で記憶し、入力画像として
入力されているフレームから1つ後のフレームをフレー
ムメモリ422および混合比演算部423に供給する。
【0338】フレームメモリ422は、入力された画像
をフレーム単位で記憶し、フレームメモリ421から供
給されているフレームから1つ後のフレームを混合比演
算部423に供給する。
【0339】従って、入力画像としてフレーム#n+1が混
合比演算部423に入力されているとき、フレームメモ
リ421は、フレーム#nを混合比演算部423に供給
し、フレームメモリ422は、フレーム#n-1を混合比演
算部423に供給する。
【0340】混合比演算部423は、式(21)に示す
演算により、フレーム#nの注目している画素の画素値
C、注目している画素と空間的位置が対応する、フレー
ム#n+1の画素の画素値N、および注目している画素と空
間的位置が対応する、フレーム#n-1の画素の画素値Pを
基に、注目している画素の推定混合比を算出して、算出
した推定混合比を出力する。例えば、背景が静止してい
るとき、混合比演算部423は、フレーム#nの注目して
いる画素の画素値C、注目している画素とフレーム内の
位置が同じ、フレーム#n+1の画素の画素値N、および注
目している画素とフレーム内の位置が同じ、フレーム#n
-1の画素の画素値Pを基に、注目している画素の推定混
合比を算出して、算出した推定混合比を出力する。
【0341】このように、推定混合比処理部401は、
入力画像を基に、推定混合比を算出して、混合比決定部
403に供給することができる。
【0342】なお、推定混合比処理部402は、推定混
合比処理部401が式(21)に示す演算により、注目
している画素の推定混合比を算出するのに対して、式
(22)に示す演算により、注目している画素の推定混
合比を算出する部分が異なることを除き、推定混合比処
理部401と同様なので、その説明は省略する。
【0343】図54は、推定混合比処理部401により
算出された推定混合比の例を示す図である。図54に示
す推定混合比は、等速で動いているオブジェクトに対応
する前景の動き量vが11である場合の結果を、1ライ
ンに対して示すものである。
【0344】推定混合比は、混合領域において、図48
に示すように、ほぼ直線的に変化していることがわか
る。
【0345】図47に戻り、混合比決定部403は、領
域特定部103から供給された、混合比αの算出の対象
となる画素が、前景領域、背景領域、カバードバックグ
ラウンド領域、またはアンカバードバックグラウンド領
域のいずれかに属するかを示す領域情報を基に、混合比
αを設定する。混合比決定部403は、対象となる画素
が前景領域に属する場合、0を混合比αに設定し、対象
となる画素が背景領域に属する場合、1を混合比αに設
定し、対象となる画素がカバードバックグラウンド領域
に属する場合、推定混合比処理部401から供給された
推定混合比を混合比αに設定し、対象となる画素がアン
カバードバックグラウンド領域に属する場合、推定混合
比処理部402から供給された推定混合比を混合比αに
設定する。混合比決定部403は、領域情報を基に設定
した混合比αを出力する。
【0346】図55は、混合比算出部104の他の構成
を示すブロック図である。選択部441は、領域特定部
103から供給された領域情報を基に、カバードバック
グラウンド領域に属する画素および、これに対応する前
および後のフレームの画素を推定混合比処理部442に
供給する。選択部441は、領域特定部103から供給
された領域情報を基に、アンカバードバックグラウンド
領域に属する画素および、これに対応する前および後の
フレームの画素を推定混合比処理部443に供給する。
【0347】推定混合比処理部442は、選択部441
から入力された画素値を基に、式(21)に示す演算に
より、カバードバックグラウンド領域に属する、注目し
ている画素の推定混合比を算出して、算出した推定混合
比を選択部444に供給する。
【0348】推定混合比処理部443は、選択部441
から入力された画素値を基に、式(22)に示す演算に
より、アンカバードバックグラウンド領域に属する、注
目している画素の推定混合比を算出して、算出した推定
混合比を選択部444に供給する。
【0349】選択部444は、領域特定部103から供
給された領域情報を基に、対象となる画素が前景領域に
属する場合、0である推定混合比を選択して、混合比α
に設定し、対象となる画素が背景領域に属する場合、1
である推定混合比を選択して、混合比αに設定する。選
択部444は、対象となる画素がカバードバックグラウ
ンド領域に属する場合、推定混合比処理部442から供
給された推定混合比を選択して混合比αに設定し、対象
となる画素がアンカバードバックグラウンド領域に属す
る場合、推定混合比処理部443から供給された推定混
合比を選択して混合比αに設定する。選択部444は、
領域情報を基に選択して設定した混合比αを出力する。
【0350】このように、図55に示す他の構成を有す
る混合比算出部104は、画像の含まれる画素毎に混合
比αを算出して、算出した混合比αを出力することがで
きる。
【0351】図56のフローチャートを参照して、図4
7に構成を示す混合比算出部104の混合比αの算出の
処理を説明する。ステップS401において、混合比算
出部104は、領域特定部103から供給された領域情
報を取得する。ステップS402において、推定混合比
処理部401は、カバードバックグラウンド領域に対応
するモデルにより推定混合比の演算の処理を実行し、算
出した推定混合比を混合比決定部403に供給する。混
合比推定の演算の処理の詳細は、図57のフローチャー
トを参照して、後述する。
【0352】ステップS403において、推定混合比処
理部402は、アンカバードバックグラウンド領域に対
応するモデルにより推定混合比の演算の処理を実行し、
算出した推定混合比を混合比決定部403に供給する。
【0353】ステップS404において、混合比算出部
104は、フレーム全体について、混合比αを推定した
か否かを判定し、フレーム全体について、混合比αを推
定していないと判定された場合、ステップS402に戻
り、次の画素について混合比αを推定する処理を実行す
る。
【0354】ステップS404において、フレーム全体
について、混合比αを推定したと判定された場合、ステ
ップS405に進み、混合比決定部403は、画素が、
前景領域、背景領域、カバードバックグラウンド領域、
またはアンカバードバックグラウンド領域のいずれかに
属するかを示す、領域特定部103から供給された領域
情報を基に、混合比αを設定する。混合比決定部403
は、対象となる画素が前景領域に属する場合、0を混合
比αに設定し、対象となる画素が背景領域に属する場
合、1を混合比αに設定し、対象となる画素がカバード
バックグラウンド領域に属する場合、推定混合比処理部
401から供給された推定混合比を混合比αに設定し、
対象となる画素がアンカバードバックグラウンド領域に
属する場合、推定混合比処理部402から供給された推
定混合比を混合比αに設定し、処理は終了する。
【0355】このように、混合比算出部104は、領域
特定部103から供給された領域情報、および入力画像
を基に、各画素に対応する特徴量である混合比αを算出
することができる。
【0356】図55に構成を示す混合比算出部104の
混合比αの算出の処理は、図56のフローチャートで説
明した処理と同様なので、その説明は省略する。
【0357】次に、図56のステップS402に対応す
る、カバードバックグラウンド領域に対応するモデルに
よる混合比推定の処理を図57のフローチャートを参照
して説明する。
【0358】ステップS421において、混合比演算部
423は、フレームメモリ421から、フレーム#nの注
目画素の画素値Cを取得する。
【0359】ステップS422において、混合比演算部
423は、フレームメモリ422から、注目画素に対応
する、フレーム#n-1の画素の画素値Pを取得する。
【0360】ステップS423において、混合比演算部
423は、入力画像に含まれる注目画素に対応する、フ
レーム#n+1の画素の画素値Nを取得する。
【0361】ステップS424において、混合比演算部
423は、フレーム#nの注目画素の画素値C、フレーム#
n-1の画素の画素値P、およびフレーム#n+1の画素の画素
値Nを基に、推定混合比を演算する。
【0362】ステップS425において、混合比演算部
423は、フレーム全体について、推定混合比を演算す
る処理を終了したか否かを判定し、フレーム全体につい
て、推定混合比を演算する処理を終了していないと判定
された場合、ステップS421に戻り、次の画素につい
て推定混合比を算出する処理を繰り返す。
【0363】ステップS425において、フレーム全体
について、推定混合比を演算する処理を終了したと判定
された場合、処理は終了する。
【0364】このように、推定混合比処理部401は、
入力画像を基に、推定混合比を演算することができる。
【0365】図56のステップS403におけるアンカ
バードバックグラウンド領域に対応するモデルによる混
合比推定の処理は、アンカバードバックグラウンド領域
のモデルに対応する式を利用した、図57のフローチャ
ートに示す処理と同様なので、その説明は省略する。
【0366】なお、図55に示す推定混合比処理部44
2および推定混合比処理部443は、図57に示すフロ
ーチャートと同様の処理を実行して推定混合比を演算す
るので、その説明は省略する。
【0367】また、背景に対応するオブジェクトが静止
しているとして説明したが、背景領域に対応する画像が
動きを含んでいても上述した混合比αを求める処理を適
用することができる。例えば、背景領域に対応する画像
が一様に動いているとき、推定混合比処理部401は、
背景の動きに対応して画像全体をシフトさせ、背景に対
応するオブジェクトが静止している場合と同様に処理す
る。また、背景領域に対応する画像が局所毎に異なる背
景の動きを含んでいるとき、推定混合比処理部401
は、混合領域に属する画素に対応する画素として、背景
の動きに対応した画素を選択して、上述の処理を実行す
る。
【0368】また、混合比算出部104は、全ての画素
について、カバードバックグラウンド領域に対応するモ
デルによる混合比推定の処理のみを実行して、算出され
た推定混合比を混合比αとして出力するようにしてもよ
い。この場合において、混合比αは、カバードバックグ
ラウンド領域に属する画素について、背景の成分の割合
を示し、アンカバードバックグラウンド領域に属する画
素について、前景の成分の割合を示す。アンカバードバ
ックグラウンド領域に属する画素について、このように
算出された混合比αと1との差分の絶対値を算出して、
算出した絶対値を混合比αに設定すれば、信号処理装置
は、アンカバードバックグラウンド領域に属する画素に
ついて、背景の成分の割合を示す混合比αを求めること
ができる。
【0369】なお、同様に、混合比算出部104は、全
ての画素について、アンカバードバックグラウンド領域
に対応するモデルによる混合比推定の処理のみを実行し
て、算出された推定混合比を混合比αとして出力するよ
うにしてもよい。
【0370】次に、混合比算出部104の他の処理につ
いて説明する。
【0371】シャッタ時間内において、前景に対応する
オブジェクトが等速で動くことによる、画素の位置の変
化に対応して、混合比αが直線的に変化する性質を利用
して、空間方向に、混合比αと前景の成分の和fとを近
似した式を立てることができる。混合領域に属する画素
の画素値および背景領域に属する画素の画素値の組の複
数を利用して、混合比αと前景の成分の和fとを近似し
た式を解くことにより、混合比αを算出する。
【0372】混合比αの変化を、直線として近似する
と、混合比αは、式(23)で表される。
【0373】 α=il+p (23) 式(23)において、iは、注目している画素の位置を
0とした空間方向のインデックスである。lは、混合比
αの直線の傾きである。pは、混合比αの直線の切片で
ある共に、注目している画素の混合比αである。式(2
3)において、インデックスiは、既知であるが、傾きl
および切片pは、未知である。
【0374】インデックスi、傾きl、および切片pの関
係を図58に示す。
【0375】混合比αを式(23)のように近似するこ
とにより、複数の画素に対して複数の異なる混合比α
は、2つの変数で表現される。図58に示す例におい
て、5つの画素に対する5つの混合比は、2つの変数で
ある傾きlおよび切片pにより表現される。
【0376】図59に示す平面で混合比αを近似する
と、画像の水平方向および垂直方向の2つの方向に対応
する動きvを考慮したとき、式(23)を平面に拡張し
て、混合比αは、式(24)で表される。
【0377】 α=jm+kq+p (24) 式(24)において、jは、注目している画素の位置を
0とした水平方向のインデックスであり、kは、垂直方
向のインデックスである。mは、混合比αの面の水平方
向の傾きであり、qは、混合比αの面の垂直方向の傾き
である。pは、混合比αの面の切片である。
【0378】例えば、図49に示すフレーム#nにおい
て、C05乃至C07について、それぞれ、式(25)乃至式
(27)が成立する。
【0379】 C05=α05・B05/v+f05 (25) C06=α06・B06/v+f06 (26) C07=α07・B07/v+f07 (27)
【0380】前景の成分が近傍で一致する、すなわち、
F01乃至F03が等しいとして、F01乃至F03をFcに置き換え
ると式(28)が成立する。
【0381】 f(x)=(1-α(x))・Fc (28) 式(28)において、xは、空間方向の位置を表す。
【0382】α(x)を式(24)で置き換えると、式
(28)は、式(29)として表すことができる。
【0383】 f(x)=(1-(jm+kq+p))・Fc =j ・(-m・Fc)+k・(-q・Fc)+((1-p)・Fc) =js+kt+u (29)
【0384】式(29)において、(-m・Fc)、(-q・
Fc)、および(1-p)・Fcは、式(30)乃至式(32)
に示すように置き換えられている。
【0385】 s=-m・Fc (30) t=-q・Fc (31) u=(1-p)・Fc (32)
【0386】式(29)において、jは、注目している
画素の位置を0とした水平方向のインデックスであり、
kは、垂直方向のインデックスである。
【0387】このように、前景に対応するオブジェクト
がシャッタ時間内において等速に移動し、前景に対応す
る成分が近傍において一定であるという仮定が成立する
ので、前景の成分の和は、式(29)で近似される。
【0388】なお、混合比αを直線で近似する場合、前
景の成分の和は、式(33)で表すことができる。
【0389】 f(x)=is+u (33)
【0390】式(13)の混合比αおよび前景成分の和
を、式(24)および式(29)を利用して置き換える
と、画素値Mは、式(34)で表される。
【0391】 M=(jm+kq+p)・B+js+kt+u =jB・m+kB・q+B・p+j・s+k・t+u (34)
【0392】式(34)において、未知の変数は、混合
比αの面の水平方向の傾きm、混合比αの面の垂直方向
の傾きq、混合比αの面の切片p、s、t、およびuの6つ
である。
【0393】注目している画素の近傍の画素に対応させ
て、式(34)に、画素値Mおよび画素値Bを設定し、画
素値Mおよび画素値Bが設定された複数の式に対して最小
自乗法で解くことにより、混合比αを算出する。
【0394】例えば、注目している画素の水平方向のイ
ンデックスjを0とし、垂直方向のインデックスkを0と
し、注目している画素の近傍の3×3の画素について、
式(34)に示す正規方程式に画素値Mまたは画素値Bを
設定すると、式(35)乃至式(43)を得る。
【0395】 M-1,-1=(-1)・B-1,-1・m+(-1)・B-1,-1・q+B-1,-1・p+(-1)・s+(-1)・t+u (35) M0,-1=(0)・B0,-1・m+(-1)・B0,-1・q+B0,-1・p+(0)・s+(-1)・t+u (36) M+1,-1=(+1)・B+1,-1・m+(-1)・B+1,-1・q+B+1,-1・p+(+1)・s+(-1)・t+u (37) M-1,0=(-1)・B-1,0・m+(0)・B-1,0・q+B-1,0・p+(-1)・s+(0)・t+u (38) M0,0=(0)・B0,0・m+(0)・B0,0・q+B0,0・p+(0)・s+(0)・t+u (39) M+1,0=(+1)・B+1,0・m+(0)・B+1,0・q+B+1,0・p+(+1)・s+(0)・t+u (40) M-1,+1=(-1)・B-1,+1・m+(+1)・B-1,+1・q+B-1,+1・p+(-1)・s+(+1)・t+u (41) M0,+1=(0)・B0,+1・m+(+1)・B0,+1・q+B0,+1・p+(0)・s+(+1)・t+u (42) M+1,+1=(+1)・B+1,+1・m+(+1)・B+1,+1・q+B+1,+1・p+(+1)・s+(+1)・t+u (43)
【0396】注目している画素の水平方向のインデック
スjが0であり、垂直方向のインデックスkが0であるの
で、注目している画素の混合比αは、式(24)より、
j=0およびk=0のときの値、すなわち、切片pに等しい。
【0397】従って、式(35)乃至式(43)の9つ
の式を基に、最小自乗法により、水平方向の傾きm、垂
直方向の傾きq、切片p、s、t、およびuのそれぞれの値
を算出し、切片pを混合比αとして出力すればよい。
【0398】次に、最小自乗法を適用して混合比αを算
出するより具体的な手順を説明する。
【0399】インデックスiおよびインデックスkを1つ
のインデックスxで表現すると、インデックスi、インデ
ックスk、およびインデックスxの関係は、式(44)で
表される。
【0400】 x=(j+1)・3+(k+1) (44)
【0401】水平方向の傾きm、垂直方向の傾きq、切片
p、s、t、およびuをそれぞれ変数w0,w1,w2,w3,w4、およ
びw5と表現し、jB,kB,B,j,k、および1をそれぞれa0,a1,
a2,a3,a4、およびa5と表現する。誤差exを考慮すると、
式(35)乃至式(43)は、式(45)に書き換える
ことができる。
【0402】
【数12】 式(45)において、xは、0乃至8の整数のいずれか
の値である。
【0403】式(45)から、式(46)を導くことが
できる。
【0404】
【数13】
【0405】ここで、最小自乗法を適用するため、誤差
の自乗和Eを式(47)に示すようにに定義する。
【0406】
【数14】
【0407】誤差が最小になるためには、誤差の自乗和
Eに対する、変数Wvの偏微分が0になればよい。ここ
で、vは、0乃至5の整数のいずれかの値である。従っ
て、式(48)を満たすようにwyを求める。
【0408】
【数15】
【0409】式(48)に式(46)を代入すると、式
(49)を得る。
【0410】
【数16】
【0411】式(49)のvに0乃至5の整数のいずれ
か1つを代入して得られる6つの式からなる正規方程式
に、例えば、掃き出し法(Gauss-Jordanの消去法)など
を適用して、wyを算出する。上述したように、w0は水平
方向の傾きmであり、w1は垂直方向の傾きqであり、w2は
切片pであり、w3はsであり、w4はtであり、w5はuであ
る。
【0412】以上のように、画素値Mおよび画素値Bを設
定した式に、最小自乗法を適用することにより、水平方
向の傾きm、垂直方向の傾きq、切片p、s、t、およびuを
求めることができる。
【0413】ここで、切片pが、インデックスi,kが0の
点、すなわち中心位置における混合比αとなっているの
で、これを出力する。
【0414】式(35)乃至式(43)に対応する説明
において、混合領域に含まれる画素の画素値をMとし、
背景領域に含まれる画素の画素値をBとして説明した
が、注目している画素が、カバードバックグラウンド領
域に含まれる場合、またはアンカバードバックグラウン
ド領域に含まれる場合のそれぞれに対して、正規方程式
を立てる必要がある。
【0415】例えば、図49に示す、フレーム#nのカバ
ードバックグラウンド領域に含まれる画素の混合比αを
求める場合、フレーム#nの画素のC04乃至C08、およびフ
レーム#n-1の画素の画素値P04乃至P08が、正規方程式に
設定される。
【0416】図50に示す、フレーム#nのアンカバード
バックグラウンド領域に含まれる画素の混合比αを求め
る場合、フレーム#nの画素のC28乃至C32、およびフレー
ム#n+1の画素の画素値N28乃至N32が、正規方程式に設定
される。
【0417】また、例えば、図60に示す、カバードバ
ックグラウンド領域に含まれる画素の混合比αを算出す
るとき、以下の式(50)乃至式(58)が立てられ
る。混合比αを算出する画素の画素値は、Mc5である。
【0418】 Mc1=(-1)・Bc1・m+(-1)・Bc1・q+Bc1・p+(-1)・s+(-1)・t+u (50) Mc2=(0)・Bc2・m+(-1)・Bc2・q+Bc2・p+(0)・s+(-1)・t+u (51) Mc3=(+1)・Bc3・m+(-1)・Bc3・q+Bc3・p+(+1)・s+(-1)・t+u (52) Mc4=(-1)・Bc4・m+(0)・Bc4・q+Bc4・p+(-1)・s+(0)・t+u (53) Mc5=(0)・Bc5・m+(0)・Bc5・q+Bc5・p+(0)・s+(0)・t+u (54) Mc6=(+1)・Bc6・m+(0)・Bc6・q+Bc6・p+(+1)・s+(0)・t+u (55) Mc7=(-1)・Bc7・m+(+1)・Bc7・q+Bc7・p+(-1)・s+(+1)・t+u (56) Mc8=(0)・Bc8・m+(+1)・Bc8・q+Bc8・p+(0)・s+(+1)・t+u (57) Mc9=(+1)・Bc9・m+(+1)・Bc9・q+Bc9・p+(+1)・s+(+1)・t+u (58)
【0419】フレーム#nのカバードバックグラウンド領
域に含まれる画素の混合比αを算出するとき、式(5
0)乃至式(58)において、フレーム#nの画素に対応
する、フレーム#n-1の画素の背景領域の画素の画素値Bc
1乃至Bc9が使用される。
【0420】図60に示す、アンカバードバックグラウ
ンド領域に含まれる画素の混合比αを算出するとき、以
下の式(59)乃至式(67)が立てられる。混合比α
を算出する画素の画素値は、Mu5である。
【0421】 Mu1=(-1)・Bu1・m+(-1)・Bu1・q+Bu1・p+(-1)・s+(-1)・t+u (59) Mu2=(0)・Bu2・m+(-1)・Bu2・q+Bu2・p+(0)・s+(-1)・t+u (60) Mu3=(+1)・Bu3・m+(-1)・Bu3・q+Bu3・p+(+1)・s+(-1)・t+u (61) Mu4=(-1)・Bu4・m+(0)・Bu4・q+Bu4・p+(-1)・s+(0)・t+u (62) Mu5=(0)・Bu5・m+(0)・Bu5・q+Bu5・p+(0)・s+(0)・t+u (63) Mu6=(+1)・Bu6・m+(0)・Bu6・q+Bu6・p+(+1)・s+(0)・t+u (64) Mu7=(-1)・Bu7・m+(+1)・Bu7・q+Bu7・p+(-1)・s+(+1)・t+u (65) Mu8=(0)・Bu8・m+(+1)・Bu8・q+Bu8・p+(0)・s+(+1)・t+u (66) Mu9=(+1)・Bu9・m+(+1)・Bu9・q+Bu9・p+(+1)・s+(+1)・t+u (67)
【0422】フレーム#nのアンカバードバックグラウン
ド領域に含まれる画素の混合比αを算出するとき、式
(59)乃至式(67)において、フレーム#nの画素に
対応する、フレーム#n+1の画素の背景領域の画素の画素
値Bu1乃至Bu9が使用される。
【0423】図61は、推定混合比処理部401の構成
を示すブロック図である。推定混合比処理部401に入
力された画像は、遅延部501および足し込み部502
に供給される。
【0424】遅延回路221は、入力画像を1フレーム
遅延させ、足し込み部502に供給する。足し込み部5
02に、入力画像としてフレーム#nが入力されていると
き、遅延回路221は、フレーム#n-1を足し込み部50
2に供給する。
【0425】足し込み部502は、混合比αを算出する
画素の近傍の画素の画素値、およびフレーム#n-1の画素
値を、正規方程式に設定する。例えば、足し込み部50
2は、式(50)乃至式(58)に基づいて、正規方程
式に画素値Mc1乃至Mc9および画素値Bc1乃至Bc9を設定す
る。足し込み部502は、画素値が設定された正規方程
式を演算部503に供給する。
【0426】演算部503は、足し込み部502から供
給された正規方程式を掃き出し法などにより解いて推定
混合比を求め、求められた推定混合比を出力する。
【0427】このように、推定混合比処理部401は、
入力画像を基に、推定混合比を算出して、混合比決定部
403に供給することができる。
【0428】なお、推定混合比処理部402は、推定混
合比処理部401と同様の構成を有するので、その説明
は省略する。
【0429】図62は、推定混合比処理部401により
算出された推定混合比の例を示す図である。図62に示
す推定混合比は、等速で動いているオブジェクトに対応
する前景の動きvが11であり、7×7画素のブロック
を単位として方程式を生成して算出された結果を、1ラ
インに対して示すものである。
【0430】推定混合比は、混合領域において、図48
に示すように、ほぼ直線的に変化していることがわか
る。
【0431】混合比決定部403は、領域特定部101
から供給された、混合比が算出される画素が、前景領
域、背景領域、カバードバックグラウンド領域、または
アンカバードバックグラウンド領域のいずれかに属する
かを示す領域情報を基に、混合比を設定する。混合比決
定部403は、対象となる画素が前景領域に属する場
合、0を混合比に設定し、対象となる画素が背景領域に
属する場合、1を混合比に設定し、対象となる画素がカ
バードバックグラウンド領域に属する場合、推定混合比
処理部401から供給された推定混合比を混合比に設定
し、対象となる画素がアンカバードバックグラウンド領
域に属する場合、推定混合比処理部402から供給され
た推定混合比を混合比に設定する。混合比決定部403
は、領域情報を基に設定した混合比を出力する。
【0432】図63のフローチャートを参照して、推定
混合比処理部401が図61に示す構成を有する場合に
おける、混合比算出部102の混合比の算出の処理を説
明する。ステップS501において、混合比算出部10
2は、領域特定部101から供給された領域情報を取得
する。ステップS502において、推定混合比処理部4
01は、カバードバックグラウンド領域に対応するモデ
ルによる混合比推定の処理を実行し、推定混合比を混合
比決定部403に供給する。混合比推定の処理の詳細
は、図64のフローチャートを参照して、後述する。
【0433】ステップS503において、推定混合比処
理部402は、アンカバードバックグラウンド領域に対
応するモデルによる混合比推定の処理を実行し、推定混
合比を混合比決定部403に供給する。
【0434】ステップS504において、混合比算出部
102は、フレーム全体について、混合比を推定したか
否かを判定し、フレーム全体について、混合比を推定し
ていないと判定された場合、ステップS502に戻り、
次の画素について混合比を推定する処理を実行する。
【0435】ステップS504において、フレーム全体
について、混合比を推定したと判定された場合、ステッ
プS505に進み、混合比決定部403は、領域特定部
101から供給された、混合比が算出される画素が、前
景領域、背景領域、カバードバックグラウンド領域、ま
たはアンカバードバックグラウンド領域のいずれかに属
するかを示す領域情報を基に、混合比を設定する。混合
比決定部403は、対象となる画素が前景領域に属する
場合、0を混合比に設定し、対象となる画素が背景領域
に属する場合、1を混合比に設定し、対象となる画素が
カバードバックグラウンド領域に属する場合、推定混合
比処理部401から供給された推定混合比を混合比に設
定し、対象となる画素がアンカバードバックグラウンド
領域に属する場合、推定混合比処理部402から供給さ
れた推定混合比を混合比に設定し、処理は終了する。
【0436】このように、混合比算出部102は、領域
特定部101から供給された領域情報、および入力画像
を基に、各画素に対応する特徴量である混合比αを算出
することができる。
【0437】混合比αを利用することにより、動いてい
るオブジェクトに対応する画像に含まれる動きボケの情
報を残したままで、画素値に含まれる前景の成分と背景
の成分とを分離することが可能になる。
【0438】また、混合比αに基づいて画像を合成すれ
ば、実世界を実際に撮影し直したような動いているオブ
ジェクトのスピードに合わせた正しい動きボケを含む画
像を作ることが可能になる。
【0439】次に、図63のステップS502に対応す
る、カバードバックグラウンド領域に対応するモデルに
よる混合比推定の処理を図64のフローチャートを参照
して説明する。
【0440】ステップS521において、足し込み部5
02は、入力された画像に含まれる画素値、および遅延
回路221から供給される画像に含まれる画素値を、カ
バードバックグラウンド領域のモデルに対応する正規方
程式に設定する。
【0441】ステップS522において、推定混合比処
理部401は、対象となる画素についての設定が終了し
たか否かを判定し、対象となる画素についての設定が終
了していないと判定された場合、ステップS521に戻
り、正規方程式への画素値の設定の処理を繰り返す。
【0442】ステップS522において、対象となる画
素についての画素値の設定が終了したと判定された場
合、ステップS523に進み、演算部173は、画素値
が設定された正規方程式を基に、推定混合比を演算し
て、求められた推定混合比を出力する。
【0443】このように、推定混合比処理部401は、
入力画像を基に、推定混合比を演算することができる。
【0444】図63のステップS153におけるアンカ
バードバックグラウンド領域に対応するモデルによる混
合比推定の処理は、アンカバードバックグラウンド領域
のモデルに対応する正規方程式を利用した、図64のフ
ローチャートに示す処理と同様なので、その説明は省略
する。
【0445】なお、背景に対応するオブジェクトが静止
しているとして説明したが、背景領域に対応する画像が
動きを含んでいても上述した混合比を求める処理を適用
することができる。例えば、背景領域に対応する画像が
一様に動いているとき、推定混合比処理部401は、こ
の動きに対応して画像全体をシフトさせ、背景に対応す
るオブジェクトが静止している場合と同様に処理する。
また、背景領域に対応する画像が局所毎に異なる動きを
含んでいるとき、推定混合比処理部401は、混合領域
に属する画素に対応する画素として、動きに対応した画
素を選択して、上述の処理を実行する。
【0446】次に、前景背景分離部105について説明
する。図65は、前景背景分離部105の構成の一例を
示すブロック図である。前景背景分離部105に供給さ
れた入力画像は、分離部601、スイッチ602、およ
びスイッチ604に供給される。カバードバックグラウ
ンド領域を示す情報、およびアンカバードバックグラウ
ンド領域を示す、領域特定部103から供給された領域
情報は、分離部601に供給される。前景領域を示す領
域情報は、スイッチ602に供給される。背景領域を示
す領域情報は、スイッチ604に供給される。
【0447】混合比算出部104から供給された混合比
αは、分離部601に供給される。
【0448】分離部601は、カバードバックグラウン
ド領域を示す領域情報、アンカバードバックグラウンド
領域を示す領域情報、および混合比αを基に、入力画像
から前景の成分を分離して、分離した前景の成分を合成
部603に供給するとともに、入力画像から背景の成分
を分離して、分離した背景の成分を合成部605に供給
する。
【0449】スイッチ602は、前景領域を示す領域情
報を基に、前景に対応する画素が入力されたとき、閉じ
られ、入力画像に含まれる前景に対応する画素のみを合
成部603に供給する。
【0450】スイッチ604は、背景領域を示す領域情
報を基に、背景に対応する画素が入力されたとき、閉じ
られ、入力画像に含まれる背景に対応する画素のみを合
成部605に供給する。
【0451】合成部603は、分離部601から供給さ
れた前景に対応する成分、スイッチ602から供給され
た前景に対応する画素を基に、前景成分画像を合成し、
合成した前景成分画像を出力する。前景領域と混合領域
とは重複しないので、合成部603は、例えば、前景に
対応する成分と、前景に対応する画素とに論理和の演算
を適用して、前景成分画像を合成する。
【0452】合成部603は、前景成分画像の合成の処
理の最初に実行される初期化の処理において、内蔵して
いるフレームメモリに全ての画素値が0である画像を格
納し、前景成分画像の合成の処理において、前景成分画
像を格納(上書き)する。従って、合成部603が出力
する前景成分画像の内、背景領域に対応する画素には、
画素値として0が格納されている。
【0453】合成部605は、分離部601から供給さ
れた背景に対応する成分、スイッチ604から供給され
た背景に対応する画素を基に、背景成分画像を合成し
て、合成した背景成分画像を出力する。背景領域と混合
領域とは重複しないので、合成部605は、例えば、背
景に対応する成分と、背景に対応する画素とに論理和の
演算を適用して、背景成分画像を合成する。
【0454】合成部605は、背景成分画像の合成の処
理の最初に実行される初期化の処理において、内蔵して
いるフレームメモリに全ての画素値が0である画像を格
納し、背景成分画像の合成の処理において、背景成分画
像を格納(上書き)する。従って、合成部605が出力
する背景成分画像の内、前景領域に対応する画素には、
画素値として0が格納されている。
【0455】図66は、前景背景分離部105に入力さ
れる入力画像、並びに前景背景分離部105から出力さ
れる前景成分画像および背景成分画像を示す図である。
【0456】図66(A)は、表示される画像の模式図
であり、図66(B)は、図66(A)に対応する前景
領域に属する画素、背景領域に属する画素、および混合
領域に属する画素を含む1ラインの画素を時間方向に展
開したモデル図を示す。
【0457】図66(A)および図66(B)に示すよ
うに、前景背景分離部105から出力される背景成分画
像は、背景領域に属する画素、および混合領域の画素に
含まれる背景の成分から構成される。
【0458】図66(A)および図66(B)に示すよ
うに、前景背景分離部105から出力される前景成分画
像は、前景領域に属する画素、および混合領域の画素に
含まれる前景の成分から構成される。
【0459】混合領域の画素の画素値は、前景背景分離
部105により、背景の成分と、前景の成分とに分離さ
れる。分離された背景の成分は、背景領域に属する画素
と共に、背景成分画像を構成する。分離された前景の成
分は、前景領域に属する画素と共に、前景成分画像を構
成する。
【0460】このように、前景成分画像は、背景領域に
対応する画素の画素値が0とされ、前景領域に対応する
画素および混合領域に対応する画素に意味のある画素値
が設定される。同様に、背景成分画像は、前景領域に対
応する画素の画素値が0とされ、背景領域に対応する画
素および混合領域に対応する画素に意味のある画素値が
設定される。
【0461】次に、分離部601が実行する、混合領域
に属する画素から前景の成分、および背景の成分を分離
する処理について説明する。
【0462】図67は、図中の左から右に移動するオブ
ジェクトに対応する前景を含む、2つのフレームの前景
の成分および背景の成分を示す画像のモデルである。図
67に示す画像のモデルにおいて、前景の動き量vは4
であり、仮想分割数は、4とされている。
【0463】フレーム#nにおいて、最も左の画素、およ
び左から14番目乃至18番目の画素は、背景の成分の
みから成り、背景領域に属する。フレーム#nにおいて、
左から2番目乃至4番目の画素は、背景の成分および前
景の成分を含み、アンカバードバックグラウンド領域に
属する。フレーム#nにおいて、左から11番目乃至13
番目の画素は、背景の成分および前景の成分を含み、カ
バードバックグラウンド領域に属する。フレーム#nにお
いて、左から5番目乃至10番目の画素は、前景の成分
のみから成り、前景領域に属する。
【0464】フレーム#n+1において、左から1番目乃至
5番目の画素、および左から18番目の画素は、背景の
成分のみから成り、背景領域に属する。フレーム#n+1に
おいて、左から6番目乃至8番目の画素は、背景の成分
および前景の成分を含み、アンカバードバックグラウン
ド領域に属する。フレーム#n+1において、左から15番
目乃至17番目の画素は、背景の成分および前景の成分
を含み、カバードバックグラウンド領域に属する。フレ
ーム#n+1において、左から9番目乃至14番目の画素
は、前景の成分のみから成り、前景領域に属する。
【0465】図68は、カバードバックグラウンド領域
に属する画素から前景の成分を分離する処理を説明する
図である。図68において、α1乃至α18は、フレー
ム#nにおける画素のぞれぞれに対応する混合比である。
図68において、左から15番目乃至17番目の画素
は、カバードバックグラウンド領域に属する。
【0466】フレーム#nの左から15番目の画素の画素
値C15は、式(68)で表される。
【0467】 C15=B15/v+F09/v+F08/v+F07/v =α15・B15+F09/v+F08/v+F07/v =α15・P15+F09/v+F08/v+F07/v (68) ここで、α15は、フレーム#nの左から15番目の画素の
混合比である。P15は、フレーム#n-1の左から15番目
の画素の画素値である。
【0468】式(68)を基に、フレーム#nの左から1
5番目の画素の前景の成分の和f15は、式(69)で表
される。
【0469】 f15=F09/v+F08/v+F07/v =C15-α15・P15 (69)
【0470】同様に、フレーム#nの左から16番目の画
素の前景の成分の和f16は、式(70)で表され、フレ
ーム#nの左から17番目の画素の前景の成分の和f17
は、式(71)で表される。
【0471】 f16=C16-α16・P16 (70) f17=C17-α17・P17 (71)
【0472】このように、カバードバックグラウンド領
域に属する画素の画素値Cに含まれる前景の成分fcは、
式(72)で計算される。
【0473】 fc=C-α・P (72) Pは、1つ前のフレームの、対応する画素の画素値であ
る。
【0474】図69は、アンカバードバックグラウンド
領域に属する画素から前景の成分を分離する処理を説明
する図である。図69において、α1乃至α18は、フ
レーム#nにおける画素のぞれぞれに対応する混合比であ
る。図69において、左から2番目乃至4番目の画素
は、アンカバードバックグラウンド領域に属する。
【0475】フレーム#nの左から2番目の画素の画素値
C02は、式(73)で表される。
【0476】 C02=B02/v+B02/v+B02/v+F01/v =α2・B02+F01/v =α2・N02+F01/v (73) ここで、α2は、フレーム#nの左から2番目の画素の混
合比である。N02は、フレーム#n+1の左から2番目の画
素の画素値である。
【0477】式(73)を基に、フレーム#nの左から2
番目の画素の前景の成分の和f02は、式(74)で表さ
れる。
【0478】 f02=F01/v =C02-α2・N02 (74)
【0479】同様に、フレーム#nの左から3番目の画素
の前景の成分の和f03は、式(75)で表され、フレー
ム#nの左から4番目の画素の前景の成分の和f04は、式
(76)で表される。
【0480】 f03=C03-α3・N03 (75) f04=C04-α4・N04 (76)
【0481】このように、アンカバードバックグラウン
ド領域に属する画素の画素値Cに含まれる前景の成分fu
は、式(77)で計算される。
【0482】 fu=C-α・N (77) Nは、1つ後のフレームの、対応する画素の画素値であ
る。
【0483】このように、分離部601は、領域情報に
含まれる、カバードバックグラウンド領域を示す情報、
およびアンカバードバックグラウンド領域を示す情報、
並びに画素毎の混合比αを基に、混合領域に属する画素
から前景の成分、および背景の成分を分離することがで
きる。
【0484】図70は、以上で説明した処理を実行する
分離部601の構成の一例を示すブロック図である。分
離部601に入力された画像は、フレームメモリ621
に供給され、混合比算出部104から供給されたカバー
ドバックグラウンド領域およびアンカバードバックグラ
ウンド領域を示す領域情報、並びに混合比αは、分離処
理ブロック622に入力される。
【0485】フレームメモリ621は、入力された画像
をフレーム単位で記憶する。フレームメモリ621は、
処理の対象がフレーム#nであるとき、フレーム#nの1つ
前のフレームであるフレーム#n-1、フレーム#n、および
フレーム#nの1つ後のフレームであるフレーム#n+1を記
憶する。
【0486】フレームメモリ621は、フレーム#n-1、
フレーム#n、およびフレーム#n+1の対応する画素を分離
処理ブロック622に供給する。
【0487】分離処理ブロック622は、カバードバッ
クグラウンド領域およびアンカバードバックグラウンド
領域を示す領域情報、並びに混合比αを基に、フレーム
メモリ621から供給されたフレーム#n-1、フレーム#
n、およびフレーム#n+1の対応する画素の画素値に図6
8および図69を参照して説明した演算を適用して、フ
レーム#nの混合領域に属する画素から前景の成分および
背景の成分を分離して、フレームメモリ623に供給す
る。
【0488】分離処理ブロック622は、アンカバード
領域処理部631、カバード領域処理部632、合成部
633、および合成部634で構成されている。
【0489】アンカバード領域処理部631の乗算器6
41は、混合比αを、フレームメモリ621から供給さ
れたフレーム#n+1の画素の画素値に乗じて、スイッチ6
42に出力する。スイッチ642は、フレームメモリ6
21から供給されたフレーム#nの画素(フレーム#n+1の
画素に対応する)がアンカバードバックグラウンド領域
であるとき、閉じられ、乗算器641から供給された混
合比αを乗じた画素値を演算器643および合成部63
4に供給する。スイッチ642から出力されるフレーム
#n+1の画素の画素値に混合比αを乗じた値は、フレーム
#nの対応する画素の画素値の背景の成分に等しい。
【0490】演算器643は、フレームメモリ621か
ら供給されたフレーム#nの画素の画素値から、スイッチ
642から供給された背景の成分を減じて、前景の成分
を求める。演算器643は、アンカバードバックグラウ
ンド領域に属する、フレーム#nの画素の前景の成分を合
成部633に供給する。
【0491】カバード領域処理部632の乗算器651
は、混合比αを、フレームメモリ621から供給された
フレーム#n-1の画素の画素値に乗じて、スイッチ652
に出力する。スイッチ652は、フレームメモリ621
から供給されたフレーム#nの画素(フレーム#n-1の画素
に対応する)がカバードバックグラウンド領域であると
き、閉じられ、乗算器651から供給された混合比αを
乗じた画素値を演算器653および合成部634に供給
する。スイッチ652から出力されるフレーム#n-1の画
素の画素値に混合比αを乗じた値は、フレーム#nの対応
する画素の画素値の背景の成分に等しい。
【0492】演算器653は、フレームメモリ621か
ら供給されたフレーム#nの画素の画素値から、スイッチ
652から供給された背景の成分を減じて、前景の成分
を求める。演算器653は、カバードバックグラウンド
領域に属する、フレーム#nの画素の前景の成分を合成部
633に供給する。
【0493】合成部633は、フレーム#nの、演算器6
43から供給された、アンカバードバックグラウンド領
域に属する画素の前景の成分、および演算器653から
供給された、カバードバックグラウンド領域に属する画
素の前景の成分を合成して、フレームメモリ623に供
給する。
【0494】合成部634は、フレーム#nの、スイッチ
642から供給された、アンカバードバックグラウンド
領域に属する画素の背景の成分、およびスイッチ652
から供給された、カバードバックグラウンド領域に属す
る画素の背景の成分を合成して、フレームメモリ623
に供給する。
【0495】フレームメモリ623は、分離処理ブロッ
ク622から供給された、フレーム#nの混合領域の画素
の前景の成分と、背景の成分とをそれぞれに記憶する。
【0496】フレームメモリ623は、記憶しているフ
レーム#nの混合領域の画素の前景の成分、および記憶し
ているフレーム#nの混合領域の画素の背景の成分を出力
する。
【0497】特徴量である混合比αを利用することによ
り、画素値に含まれる前景の成分と背景の成分とを完全
に分離することが可能になる。
【0498】合成部603は、分離部601から出力さ
れた、フレーム#nの混合領域の画素の前景の成分と、前
景領域に属する画素とを合成して前景成分画像を生成す
る。合成部605は、分離部601から出力された、フ
レーム#nの混合領域の画素の背景の成分と、背景領域に
属する画素とを合成して背景成分画像を生成する。
【0499】図71は、図67のフレーム#nに対応す
る、前景成分画像の例と、背景成分画像の例を示す図で
ある。
【0500】図71(A)は、図67のフレーム#nに対
応する、前景成分画像の例を示す。最も左の画素、およ
び左から14番目の画素は、前景と背景が分離される前
において、背景の成分のみから成っていたので、画素値
が0とされる。
【0501】左から2番目乃至4番目の画素は、前景と
背景とが分離される前において、アンカバードバックグ
ラウンド領域に属し、背景の成分が0とされ、前景の成
分がそのまま残されている。左から11番目乃至13番
目の画素は、前景と背景とが分離される前において、カ
バードバックグラウンド領域に属し、背景の成分が0と
され、前景の成分がそのまま残されている。左から5番
目乃至10番目の画素は、前景の成分のみから成るの
で、そのまま残される。
【0502】図71(B)は、図67のフレーム#nに対
応する、背景成分画像の例を示す。最も左の画素、およ
び左から14番目の画素は、前景と背景とが分離される
前において、背景の成分のみから成っていたので、その
まま残される。
【0503】左から2番目乃至4番目の画素は、前景と
背景とが分離される前において、アンカバードバックグ
ラウンド領域に属し、前景の成分が0とされ、背景の成
分がそのまま残されている。左から11番目乃至13番
目の画素は、前景と背景とが分離される前において、カ
バードバックグラウンド領域に属し、前景の成分が0と
され、背景の成分がそのまま残されている。左から5番
目乃至10番目の画素は、前景と背景とが分離される前
において、前景の成分のみから成っていたので、画素値
が0とされる。
【0504】次に、図72に示すフローチャートを参照
して、前景背景分離部105による前景と背景との分離
の処理を説明する。ステップS601において、分離部
601のフレームメモリ621は、入力画像を取得し、
前景と背景との分離の対象となるフレーム#nを、その前
のフレーム#n-1およびその後のフレーム#n+1と共に記憶
する。
【0505】ステップS602において、分離部601
の分離処理ブロック622は、混合比算出部104から
供給された領域情報を取得する。ステップS603にお
いて、分離部601の分離処理ブロック622は、混合
比算出部104から供給された混合比αを取得する。
【0506】ステップS604において、アンカバード
領域処理部631は、領域情報および混合比αを基に、
フレームメモリ621から供給された、アンカバードバ
ックグラウンド領域に属する画素の画素値から、背景の
成分を抽出する。
【0507】ステップS605において、アンカバード
領域処理部631は、領域情報および混合比αを基に、
フレームメモリ621から供給された、アンカバードバ
ックグラウンド領域に属する画素の画素値から、前景の
成分を抽出する。
【0508】ステップS606において、カバード領域
処理部632は、領域情報および混合比αを基に、フレ
ームメモリ621から供給された、カバードバックグラ
ウンド領域に属する画素の画素値から、背景の成分を抽
出する。
【0509】ステップS607において、カバード領域
処理部632は、領域情報および混合比αを基に、フレ
ームメモリ621から供給された、カバードバックグラ
ウンド領域に属する画素の画素値から、前景の成分を抽
出する。
【0510】ステップS608において、合成部633
は、ステップS605の処理で抽出されたアンカバード
バックグラウンド領域に属する画素の前景の成分と、ス
テップS607の処理で抽出されたカバードバックグラ
ウンド領域に属する画素の前景の成分とを合成する。合
成された前景の成分は、合成部603に供給される。更
に、合成部603は、スイッチ602を介して供給され
た前景領域に属する画素と、分離部601から供給され
た前景の成分とを合成して、前景成分画像を生成する。
【0511】ステップS609において、合成部634
は、ステップS604の処理で抽出されたアンカバード
バックグラウンド領域に属する画素の背景の成分と、ス
テップS606の処理で抽出されたカバードバックグラ
ウンド領域に属する画素の背景の成分とを合成する。合
成された背景の成分は、合成部605に供給される。更
に、合成部605は、スイッチ604を介して供給され
た背景領域に属する画素と、分離部601から供給され
た背景の成分とを合成して、背景成分画像を生成する。
【0512】ステップS610において、合成部603
は、前景成分画像を出力する。ステップS611におい
て、合成部605は、背景成分画像を出力し、処理は終
了する。
【0513】このように、前景背景分離部105は、領
域情報および混合比αを基に、入力画像から前景の成分
と、背景の成分とを分離し、前景の成分のみから成る前
景成分画像、および背景の成分のみから成る背景成分画
像を出力することができる。
【0514】図73は、動きボケ調整部106の構成を
示すブロック図である。
【0515】平坦部抽出部801は、領域特定部103
から供給された領域情報を基に、前景背景分離部105
から供給された前景成分画像から、隣接する画素であっ
て、その画素値の変化量が少ない平坦部を抽出する。平
坦部抽出部801により抽出される平坦部は、画素値が
均等な画素からなる。以下、平坦部は、均等部とも称す
る。
【0516】例えば、平坦部抽出部801は、領域特定
部103から供給された領域情報を基に、前景背景分離
部105から供給された前景成分画像から、隣接する画
素であって、その画素値の変化量が、予め記憶している
閾値Thf未満である平坦部を抽出する。
【0517】また、例えば、平坦部抽出部801は、前
景成分画像の隣接する画素であって、その画素値の変化
量が1%以内である平坦部を抽出する。平坦部の抽出の
基準となる、画素値の変化量の割合は、所望の値とする
ことができる。
【0518】または、平坦部抽出部801は、前景成分
画像の隣接する画素であって、その画素値の標準偏差
が、予め記憶している閾値Thf未満である平坦部を抽出
する。
【0519】さらに、例えば、平坦部抽出部801は、
前景成分画像の隣接する画素であって、その画素値に対
応する回帰直線を基準として、回帰直線と各画素値との
誤差の和が、予め記憶している閾値Thf未満である平坦
部を抽出する。
【0520】閾値Thfまたは画素値の変化量の割合など
の平坦部の抽出の基準の値は、所望の値とすることがで
き、本発明は、平坦部の抽出の基準の値によって限定さ
れない。平坦部の抽出の基準の値は、適応的に変化させ
ることができる。
【0521】平坦部抽出部801は、抽出した平坦部に
属する画素について、平坦部に属する旨を示す平坦部フ
ラグを設定して、前景成分画像および平坦部フラグを処
理単位決定部802に供給する。さらに、平坦部抽出部
801は、平坦部に属する画素のみから成る平坦部画像
を生成して、動きボケ除去部803に供給する。
【0522】処理単位決定部802は、平坦部抽出部8
01から供給された前景成分画像および平坦部フラグ、
並びに領域特定部103から供給された領域情報を基
に、前景成分画像から平坦部を取り除いた画素を指定す
るデータである処理単位を生成し、生成した処理単位を
平坦部フラグと共に、動きボケ除去部803に供給す
る。
【0523】動きボケ除去部803は、処理単位決定部
802から供給された平坦部フラグを基に、前景背景分
離部105から供給された前景成分画像から、平坦部に
属する画素に含まれる前景の成分を算出する。
【0524】動きボケ除去部803は、領域特定部10
3から供給された領域情報、および処理単位決定部80
2から供給された処理単位を基に、前景背景分離部10
5から供給された前景成分画像から平坦部に対応する前
景の成分を除去する。動きボケ除去部803は、領域特
定部103から供給された領域情報、および処理単位決
定部802から供給された処理単位を基に、処理単位で
指定される画素に含まれる、残りの前景の成分を算出す
る。
【0525】動きボケ除去部803は、算出した処理単
位で指定される画素に含まれる前景の成分を基に生成し
た画素、および平坦部抽出部801から供給された平坦
部画像の画素を合成して、動きボケを除去した前景成分
画像を生成する。
【0526】動きボケ除去部803は、動きボケを除去
した前景成分画像を動きボケ付加部804および選択部
805に供給する。
【0527】図74は、動きボケ除去部803の構成を
示すブロック図である。前景背景分離部105から供給
された前景成分画像、処理単位決定部802から供給さ
れた処理単位、並びに動き検出部102から供給された
動きベクトルおよびその位置情報は、モデル化部821
に供給される。
【0528】モデル化部821は、動きベクトルの動き
量vおよび処理単位を基に、モデル化を実行する。より
具体的には、モデル化部821は、動き量vおよび処理
単位を基に、画素値の時間方向の分割数および画素毎の
前景の成分の数を決定し、画素値と前景の成分のとの対
応を指定するモデルを生成する。モデル化部821は、
予め記憶している複数のモデルの内、動き量vおよび処
理単位に対応するモデルを選択するようにしてもよい。
モデル化部821は、生成したモデルを前景成分画像と
共に方程式生成部822に供給する。
【0529】方程式生成部822は、モデル化部821
から供給されたモデルを基に、方程式を生成し、生成し
た方程式を前景成分画像と共に足し込み部823に供給
する。
【0530】足し込み部823は、方程式生成部822
から供給された方程式に、処理単位に対応する前景成分
画像の画素値を設定し、画素値を設定した方程式を演算
部824に供給する。処理単位で指定されたる画素は、
平坦部に対応する画素を含まない。
【0531】演算部824は、足し込み部823により
画素値が設定された方程式を解いて、前景の成分を算出
する。演算部824は、算出した前景の成分を基に、処
理単位に対応する、動きボケを除去した画素を生成し、
生成した処理単位に対応する画素を合成部825に出力
する。
【0532】合成部825は、演算部824から供給さ
れた処理単位に対応する画素、および平坦部抽出部80
1から供給された平坦部画像の画素を基に、動きボケを
除去した前景成分画像を生成して、生成した前景成分画
像を出力する。
【0533】次に、図75乃至図80を参照して、動き
ボケ調整部106の動作を説明する。
【0534】図75は、前景背景分離部105から出力
され、平坦部抽出部801に入力される前景成分画像の
動きベクトルに対応する直線上の画素の画素値を時間方
向に展開したモデル図である。C01'乃至C23'は、前景成
分画像のそれぞれの画素の画素値を示す。前景成分画像
は、前景の成分のみから構成される。
【0535】平坦部抽出部801は、閾値Thfを基に、
前景背景分離部105から供給された前景成分画像に含
まれる画素の内、その画素値の変化量が閾値Thf未満で
ある連続する画素を抽出する。閾値Thfは、十分に小さ
な値である。平坦部抽出部801により抽出される連続
した画素の数は、1フレーム内における、前景オブジェ
クトの動き量vより大きくなければならない。例えば、
1フレーム内における、前景オブジェクトの動き量vが
5のとき、平坦部抽出部801は、5つ以上の、画素値
にほとんど変化の無い連続した画素、すなわち平坦部を
抽出する。
【0536】例えば、図76に示す例において、式(7
8)が成立するとき、前景の成分F06/v乃至F14/vは、式
(79)乃至式(83)の関係より、その値が等しいこ
とがわかる。
【0537】 C10'=C11'=C12'=C13'=C14' (78) C10'=F06/v+F07/v+F08/v+F09/v+F10/v (79) C11'=F07/v+F08/v+F09/v+F10/v+F11/v (80) C12'=F08/v+F09/v+F10/v+F11/v+F12/v (81) C13'=F09/v+F10/v+F11/v+F12/v+F13/v (82) C14'=F10/v+F11/v+F12/v+F13/v+F14/v (83) すなわち、前景の成分F06/v乃至F14/vは、式(84)に
示す関係が成立する。
【0538】 F06/v=F07/v=F08/v=F09/v=F10/v=F11/v=F12/v=F13/v=F14/v (84)
【0539】従って、その後の前景の成分を算出する処
理においては、図77に示すように、前景の成分F06/v
乃至F14/v以外の残りの前景の成分F01/v乃至F05/vおよ
び前景の成分F15/v乃至F19/vを算出すれば良いことがわ
かる。
【0540】平坦部抽出部801は、このような処理に
必要な画素値が均等な平坦部を抽出し、平坦部の抽出に
対応して、平坦部に属する画素であるか否かを示す平坦
部フラグを生成し、処理単位決定部802に供給する。
また、平坦部抽出部801は、平坦部に属する画素のみ
から成る平坦部画像を動きボケ除去部803に供給す
る。
【0541】処理単位決定部802は、前景成分画像に
含まれる直線上の画素のうち、平坦部を取り除いた画素
を示すデータである処理単位を生成し、処理単位を平坦
部フラグと共に動きボケ除去部803に供給する。
【0542】動きボケ除去部803は、処理単位決定部
802から供給された平坦部フラグを基に、平坦部に属
する画素に含まれる前景の成分を算出する。動きボケ除
去部803は、平坦部フラグを基に、前景成分画像か
ら、平坦部に属する画素に含まれる前景の成分を除去す
る。
【0543】動きボケ除去部803は、処理単位決定部
802から供給された処理単位を基に、前景成分画像に
含まれる直線上の画素のうち、平坦部を取り除いた画素
について画素値から残りの前景の成分を算出するための
式を生成する。
【0544】例えば、図76に示すように、前景成分画
像の直線上の23個の画素の内、左から10番目乃至1
4番目の画素が平坦部に属する場合、左から10番目乃
至14番目の画素に属する前景の成分を前景成分画像か
ら取り除くことができるので、図77に示すように、残
った前景の成分、すなわち前景の成分F01/v乃至F05/v、
および前景の成分F15/v乃至F19/vについて式(85)乃
至式(102)を生成すれば良い。
【0545】 C01''=F01/v (85) C02''=F01/v+F02/v (86) C03''=F01/v+F02/v+F03/v (87) C04''=F01/v+F02/v+F03/v+F04/v (88) C05''=F01/v+F02/v+F03/v+F04/v+F05/v (89) C06''=F02/v+F03/v+F04/v+F05/v (90) C07''=F03/v+F04/v+F05/v (91) C08''=F04/v+F05/v (92) C09''=F05/v (93) C15''=F15/v (94) C16''=F15/v+F16/v (95) C17''=F15/v+F16/v+F17/v (96) C18''=F15/v+F16/v+F17/v+F18/v (97) C19''=F15/v+F16/v+F17/v+F18/v+F19/v (98) C20''=F16/v+F17/v+F18/v+F19/v (99) C21''=F17/v+F18/v+F19/v (100) C22''=F18/v+F19/v (101) C23''=F19/v (102)
【0546】式(85)乃至式(102)に、上述した
最小自乗法を適用して、式(103)および式(10
4)を導く。
【0547】
【数17】
【0548】
【数18】
【0549】動きボケ除去部803の方程式生成部82
2は、式(103)および式(104)に例を示す、処
理単位に対応した方程式を生成する。動きボケ除去部8
03の足し込み部823は、平坦部に属する画素に含ま
れる前景の成分が除去された前景成分画像に含まれる画
素値を、方程式生成部822により生成された方程式に
設定する。動きボケ除去部803の演算部824は、画
素値が設定された方程式にコレスキー分解などの解法を
適用して、平坦部に属する画素に含まれる前景の成分以
外の、前景成分画像に含まれる前景の成分を算出する。
【0550】演算部824は、図78に例を示す、動き
ボケが除去された画素値であるFiから成る、動きボケが
除去された前景成分画像を生成する。
【0551】なお、図78に示す動きボケが除去された
前景成分画像において、C04''乃至C05''のそれぞれにF0
1乃至F05のそれぞれが設定され、C18''乃至C19''のそれ
ぞれにF15乃至F19のそれぞれが設定されているのは、画
面に対する前景成分画像の位置を変化させないためであ
り、任意の位置に対応させることができる。
【0552】演算部824は、平坦部抽出部801から
供給された平坦部画像を基に、処理単位で除去された前
景の成分に対応する画素を生成して、生成した画素を図
78に示す動きボケが除去された前景成分画像に合成す
ることにより、例えば、図79に示す前景成分画像を生
成する。
【0553】なお、動きボケ除去部803は、式(8
4)により算出される前景の成分F06/v乃至F14/vを基
に、平坦部に対応する画素を生成するようにしてもよ
い。
【0554】動きボケ付加部804は、動き量vとは異
なる値の動きボケ調整量v'、例えば、動き量vの半分の
値の動きボケ調整量v'や、動き量vと無関係の値の動き
ボケ調整量v'を与えることで、動きボケの量を調整する
ことができる。例えば、図80に示すように、動きボケ
付加部804は、動きボケが除去された前景の画素値Fi
を動きボケ調整量v'で除すことにより、前景成分Fi/v'
を算出して、前景成分Fi/v'の和を算出して、動きボケ
の量が調整された画素値を生成する。例えば、動きボケ
調整量v'が3のとき、画素値C02''は、(F01)/v'とさ
れ、画素値C03''は、(F01+F02)/v'とされ、画素値C0
4''は、(F01+F02+F03)/v'とされ、画素値C05''は、
(F02+F03+F04)/v'とされる。
【0555】動きボケ付加部804は、動きボケの量を
調整した前景成分画像を選択部805に供給する。
【0556】選択部805は、例えば使用者の選択に対
応した選択信号を基に、演算部805から供給された動
きボケが除去された前景成分画像、および動きボケ付加
部804から供給された動きボケの量が調整された前景
成分画像のいずれか一方を選択して、選択した前景成分
画像を出力する。
【0557】このように、動きボケ調整部106は、選
択信号および動きボケ調整量v'を基に、動きボケの量を
調整することができる。
【0558】なお、動きボケ調整部106は、前景背景
分離部105から背景成分画像を取得し、混合領域に属
する画素に対応する背景の成分を調整するようにしても
よい。
【0559】図81は、動きボケ調整部106による背
景の成分の補正の処理を説明する図である。背景成分画
像に含まれる画素の内、分離される前に混合領域に属し
ていた画素は、前景背景分離部105により、前景の成
分が除去される。
【0560】動きボケ調整部106は、領域情報および
動き量vを基に、背景成分画像に含まれる画素の内、混
合領域に属していた画素に、対応する背景の成分を加え
るように補正する。
【0561】例えば、動きボケ調整部106は、画素値
C02'''が4つの背景の成分B02/vを含むとき、画素値C0
2'''に1つの背景の成分(B02/V)'(背景の成分B02/vと
同じ値)を加え、画素値C03'''が3つの背景の成分B03/
vを含むとき、画素値C03'''に2つの背景の成分(B03/
V)'(背景の成分B03/vと同じ値)を加える。
【0562】動きボケ調整部106は、画素値C23'''が
3つの背景の成分B23/vを含むとき、画素値C23'''に2
つの背景の成分(B23/V)'(背景の成分B23/vと同じ値)
を加え、画素値C24'''が4つの背景の成分B24/vを含む
とき、画素値C24'''に1つの背景の成分(B24/V)'(背景
の成分B24/vと同じ値)を加える。
【0563】次に、図73に構成を示す動きボケ調整部
106による処理の結果の例について説明する。
【0564】図82は、静止している黒い四角を撮像し
た画像である。これに対して、図83は、図82の画像
で撮像された黒い四角を移動させて撮像した画像であ
る。図83に示す画像において、黒い四角の画像は、動
きボケによって互いに干渉している。
【0565】図83において点線で示す直線上の画素を
対象に、図73に構成を示す動きボケ調整部106が処
理を実行した結果の例を図84に示す。
【0566】図84において、実線は、図73に構成を
示す動きボケ調整部106が処理を実行し得られた画素
値を示し、点線は、図83に示す直線上の画素値を示
し、一点鎖線は、図82に示す対応する直線上の画素値
を示す。
【0567】図84に示す点線において、図中の両端の
画素値がほぼ一定で平坦(均等)なので、動きボケ調整
部106は、これを平坦部と見なして除去し、残った画
素値に対して上述した処理を実行した。
【0568】図84に示す結果より、動きボケ調整部1
06が、動いている黒い四角を撮像することにより、干
渉して画素値が埋もれてしまっている画像から、静止し
ている黒い四角を撮像した画像とほぼ同等の画素値を生
成していることがわかる。
【0569】図84に示す結果は、CCDにより撮像さ
れ、入射される光量と画素値との間に線形な関係が確保
されている、ガンマ補正が適用されていない画像につい
て本発明を適用したものである。同様に、ガンマ補正が
適用された画像に対する本発明の有効性は、実験により
確認されている。
【0570】次に、図85のフローチャートを参照し
て、図73に構成を示す動きボケ調整部106による動
きボケの量の調整の処理を説明する。
【0571】ステップS801において、平坦部抽出部
801は、前景背景分離部105から供給された前景成
分画像から、隣接する画素であって、その画素値が均等
である平坦部を抽出し、抽出した平坦部に対応する平坦
部フラグを処理単位決定部802に供給すると共に、平
坦部に属する画素から成る平坦部画像を動きボケ除去部
803に供給する。
【0572】ステップS802において、処理単位決定
部802は、平坦部フラグを基に、前景成分画像に含ま
れる直線上の隣接する画素であって、平坦部に属する画
素以外の画素の位置を示す処理単位を生成し、処理単位
を動きボケ除去部803に供給する。
【0573】ステップS803において、動きボケ除去
部803は、前景背景分離部105から供給された前景
成分画像、処理単位決定部802から供給された処理単
位を基に、平坦部に属する画素に対応する前景の成分を
算出すると共に、処理単位に対応する前景の成分を算出
して、前景の成分から動きボケを除去する。動きボケ除
去部803は、動きボケを除去した前景の成分を動きボ
ケ付加部804および選択部805に出力する。ステッ
プS803の動きボケの除去の処理の詳細については、
図86のフローチャートを参照して後述する。
【0574】ステップS804において、動きボケ調整
部106は、前景成分画像全体について処理を終了した
か否かを判定し、前景成分画像全体について処理を終了
していないと判定された場合、ステップS803に戻
り、次の処理単位に対応する前景の成分を対象とした動
きボケの除去の処理を繰り返す。
【0575】ステップS804において、前景成分画像
全体について処理を終了したと判定された場合、ステッ
プS805に進み、動きボケ調整部106の動きボケ付
加部804および選択部805は、動きボケの量が調整
された背景成分画像を算出し、動きボケが除去された前
景成分画像および動きボケが付加された前景成分画像の
いずれかを選択して、選択した画像を出力して、処理は
終了する。
【0576】このように、動きボケ調整部106は、入
力された前景成分画像の動きボケの量を調整することが
できる。
【0577】次に、図85のステップS803に対応す
る、動きボケ除去部803による処理単位に対応する前
景成分画像の動きボケの除去の処理を、図86のフロー
チャートを参照して説明する。
【0578】ステップS821において、動きボケ除去
部803のモデル化部821は、動き量vおよび処理単
位に対応して、モデルを生成する。ステップS822に
おいて、方程式生成部822は、生成されたモデルを基
に、方程式を生成する。
【0579】ステップS823において、足し込み部8
23は、生成された方程式に、平坦部に対応する前景の
成分が除去された前景成分画像の画素値を設定する。ス
テップS824において、足し込み部823は、処理単
位に対応する全ての画素の画素値の設定を行ったか否か
を判定し、処理単位に対応する全ての画素の画素値の設
定を行っていないと判定された場合、ステップS823
に戻り、方程式への画素値の設定の処理を繰り返す。
【0580】ステップS824において、処理単位の全
ての画素の画素値の設定を行ったと判定された場合、ス
テップS825に進み、演算部824は、足し込み部8
23から供給された画素値が設定された方程式を基に、
動きボケを除去した前景の画素値を算出する。
【0581】ステップS826において、演算部824
は、ステップS825の処理で算出された動きボケを除
去した前景の画素値を設定した画素に、および平坦部抽
出部801から供給された平坦部画像を合成して、動き
ボケを除去した前景成分画像を生成して、処理は終了す
る。
【0582】このように、動きボケ除去部803は、動
き量vおよび処理単位を基に、動きボケを含む前景成分
画像から動きボケを除去することができる。
【0583】以上のように、図73に構成を示す動きボ
ケ調整部106は、入力された前景成分画像に含まれる
動きボケの量を調整することができる。
【0584】ウィナー・フィルタなど従来の動きボケを
部分的に除去する手法においては、理想状態では効果が
認められるが、量子化され、ノイズを含んだ実際の画像
に対して十分な効果が得られない。これに対し、図73
に構成を示す動きボケ調整部106において、量子化さ
れ、ノイズを含んだ実際の画像に対しても十分な効果が
認められ、精度の良い動きボケの除去が可能となる。
【0585】また、前景成分画像から平坦部を除去し
て、残った画素について前景の成分を算出するようにし
たので、量子化またはノイズの影響が波及しにくくな
り、図73に構成を示す動きボケ調整部106は、より
精度良く動きボケの量を調整した画像を求めることがで
きる。
【0586】図87は、信号処理装置の機能の他の構成
を示すブロック図である。
【0587】図2に示す部分と同様の部分には同一の番
号を付してあり、その説明は適宜省略する。
【0588】領域特定部103は、領域情報を混合比算
出部104および合成部1001に供給する。
【0589】混合比算出部104は、混合比αを前景背
景分離部105および合成部1001に供給する。
【0590】前景背景分離部105は、前景成分画像を
合成部1001に供給する。
【0591】合成部1001は、混合比算出部104か
ら供給された混合比α、領域特定部103から供給され
た領域情報を基に、任意の背景画像と、前景背景分離部
105から供給された前景成分画像とを合成して、任意
の背景画像と前景成分画像とが合成された合成画像を出
力する。
【0592】図88は、合成部1001の構成を示す図
である。背景成分生成部1021は、混合比αおよび任
意の背景画像を基に、背景成分画像を生成して、混合領
域画像合成部1022に供給する。
【0593】混合領域画像合成部1022は、背景成分
生成部1021から供給された背景成分画像と前景成分
画像とを合成することにより、混合領域合成画像を生成
して、生成した混合領域合成画像を画像合成部1023
に供給する。
【0594】画像合成部1023は、領域情報を基に、
前景成分画像、混合領域画像合成部1022から供給さ
れた混合領域合成画像、および任意の背景画像を合成し
て、合成画像を生成して出力する。
【0595】このように、合成部1001は、前景成分
画像を、任意の背景画像に合成することができる。
【0596】特徴量である混合比αを基に前景成分画像
を任意の背景画像と合成して得られた画像は、単に画素
を合成した画像に比較し、より自然なものと成る。
【0597】図89は、動きボケの量を調整する信号処
理装置の機能の更に他の構成を示すブロック図である。
図2に示す信号処理装置が領域特定と混合比αの算出を
順番に行うのに対して、図89に示す信号処理装置は、
領域特定と混合比αの算出を並行して行う。
【0598】図2のブロック図に示す機能と同様の部分
には同一の番号を付してあり、その説明は省略する。
【0599】入力画像は、混合比算出部1101、前景
背景分離部1102、領域特定部103、およびオブジ
ェクト抽出部101に供給される。
【0600】混合比算出部1101は、入力画像を基
に、画素がカバードバックグラウンド領域に属すると仮
定した場合における推定混合比、および画素がアンカバ
ードバックグラウンド領域に属すると仮定した場合にお
ける推定混合比を、入力画像に含まれる画素のそれぞれ
に対して算出し、算出した画素がカバードバックグラウ
ンド領域に属すると仮定した場合における推定混合比、
および画素がアンカバードバックグラウンド領域に属す
ると仮定した場合における推定混合比を前景背景分離部
1102に供給する。
【0601】図90は、混合比算出部1101の構成の
一例を示すブロック図である。
【0602】図90に示す推定混合比処理部401は、
図47に示す推定混合比処理部401と同じである。図
90に示す推定混合比処理部402は、図47に示す推
定混合比処理部402と同じである。
【0603】推定混合比処理部401は、入力画像を基
に、カバードバックグラウンド領域のモデルに対応する
演算により、画素毎に推定混合比を算出して、算出した
推定混合比を出力する。
【0604】推定混合比処理部402は、入力画像を基
に、アンカバードバックグラウンド領域のモデルに対応
する演算により、画素毎に推定混合比を算出して、算出
した推定混合比を出力する。
【0605】前景背景分離部1102は、混合比算出部
1101から供給された、画素がカバードバックグラウ
ンド領域に属すると仮定した場合における推定混合比、
および画素がアンカバードバックグラウンド領域に属す
ると仮定した場合における推定混合比、並びに領域特定
部103から供給された領域情報を基に、入力画像から
前景成分画像を生成し、生成した前景成分画像を動きボ
ケ調整部106および選択部107に供給する。
【0606】図91は、前景背景分離部1102の構成
の一例を示すブロック図である。
【0607】図65に示す前景背景分離部105と同様
の部分には同一の番号を付してあり、その説明は省略す
る。
【0608】選択部1121は、領域特定部103から
供給された領域情報を基に、混合比算出部1101から
供給された、画素がカバードバックグラウンド領域に属
すると仮定した場合における推定混合比、および画素が
アンカバードバックグラウンド領域に属すると仮定した
場合における推定混合比のいずれか一方を選択して、選
択した推定混合比を混合比αとして分離部601に供給
する。
【0609】分離部601は、選択部1121から供給
された混合比αおよび領域情報を基に、混合領域に属す
る画素の画素値から前景の成分および背景の成分を抽出
し、抽出した前景の成分を合成部603に供給すると共
に、背景の成分を合成部605に供給する。
【0610】分離部601は、図70に示す構成と同じ
構成とすることができる。
【0611】合成部603は、前景成分画像を合成し
て、出力する。合成部605は、背景成分画像を合成し
て出力する。
【0612】図89に示す動きボケ調整部106は、図
2に示す場合と同様の構成とすることができ、領域情報
および動きベクトルを基に、前景背景分離部1102か
ら供給された前景成分画像に含まれる動きボケの量を調
整して、動きボケの量が調整された前景成分画像を出力
する。
【0613】図89に示す選択部107は、例えば使用
者の選択に対応した選択信号を基に、前景背景分離部1
102から供給された前景成分画像、および動きボケ調
整部106から供給された動きボケの量が調整された前
景成分画像のいずれか一方を選択して、選択した前景成
分画像を出力する。
【0614】このように、図89に構成を示す信号処理
装置は、入力画像に含まれる前景のオブジェクトに対応
する画像に対して、その画像に含まれる動きボケの量を
調整して出力することができる。図89に構成を示す信
号処理装置は、第1の実施例と同様に、埋もれた情報で
ある混合比αを算出して、算出した混合比αを出力する
ことができる。
【0615】図92は、前景成分画像を任意の背景画像
と合成する信号処理装置の機能の他の構成を示すブロッ
ク図である。図87に示す信号処理装置が領域特定と混
合比αの算出をシリアルに行うのに対して、図92に示
す信号処理装置は、領域特定と混合比αの算出をパラレ
ルに行う。
【0616】図89のブロック図に示す機能と同様の部
分には同一の番号を付してあり、その説明は省略する。
【0617】図92に示す混合比算出部1101は、入
力画像を基に、画素がカバードバックグラウンド領域に
属すると仮定した場合における推定混合比、および画素
がアンカバードバックグラウンド領域に属すると仮定し
た場合における推定混合比を、入力画像に含まれる画素
のそれぞれに対して算出し、算出した画素がカバードバ
ックグラウンド領域に属すると仮定した場合における推
定混合比、および画素がアンカバードバックグラウンド
領域に属すると仮定した場合における推定混合比を前景
背景分離部1102および合成部1201に供給する。
【0618】図92に示す前景背景分離部1102は、
混合比算出部1101から供給された、画素がカバード
バックグラウンド領域に属すると仮定した場合における
推定混合比、および画素がアンカバードバックグラウン
ド領域に属すると仮定した場合における推定混合比、並
びに領域特定部103から供給された領域情報を基に、
入力画像から前景成分画像を生成し、生成した前景成分
画像を合成部1201に供給する。
【0619】合成部1201は、混合比算出部1101
から供給された、画素がカバードバックグラウンド領域
に属すると仮定した場合における推定混合比、および画
素がアンカバードバックグラウンド領域に属すると仮定
した場合における推定混合比、領域特定部103から供
給された領域情報を基に、任意の背景画像と、前景背景
分離部1102から供給された前景成分画像とを合成し
て、任意の背景画像と前景成分画像とが合成された合成
画像を出力する。
【0620】図93は、合成部1201の構成を示す図
である。図88のブロック図に示す機能と同様の部分に
は同一の番号を付してあり、その説明は省略する。
【0621】選択部1221は、領域特定部103から
供給された領域情報を基に、混合比算出部1101から
供給された、画素がカバードバックグラウンド領域に属
すると仮定した場合における推定混合比、および画素が
アンカバードバックグラウンド領域に属すると仮定した
場合における推定混合比のいずれか一方を選択して、選
択した推定混合比を混合比αとして背景成分生成部10
21に供給する。
【0622】図93に示す背景成分生成部1021は、
選択部1221から供給された混合比αおよび任意の背
景画像を基に、背景成分画像を生成して、混合領域画像
合成部1022に供給する。
【0623】図93に示す混合領域画像合成部1022
は、背景成分生成部1021から供給された背景成分画
像と前景成分画像とを合成することにより、混合領域合
成画像を生成して、生成した混合領域合成画像を画像合
成部1023に供給する。
【0624】画像合成部1023は、領域情報を基に、
前景成分画像、混合領域画像合成部1022から供給さ
れた混合領域合成画像、および任意の背景画像を合成し
て、合成画像を生成して出力する。
【0625】このように、合成部1201は、前景成分
画像を、任意の背景画像に合成することができる。
【0626】図94は、信号処理装置のさらに他の構成
を示すブロック図である。
【0627】図2に示す場合と同様の部分には、同一の
番号を付してあり、その説明は適宜省略する。
【0628】信号処理装置に供給された入力画像は、オ
ブジェクト抽出部101、領域特定部103、平坦部抽
出部1501、分離ボケ除去部1503、および合成部
1504に供給される。
【0629】オブジェクト抽出部101は、入力画像に
含まれる前景のオブジェクトに対応する画像オブジェク
トを粗く抽出して、抽出した画像オブジェクトを動き検
出部102に供給する。オブジェクト抽出部101は、
入力画像に含まれる背景のオブジェクトに対応する画像
オブジェクトを粗く抽出して、抽出した画像オブジェク
トを動き検出部102に供給する。
【0630】動き検出部102は、粗く抽出された前景
のオブジェクトに対応する画像オブジェクトの動きベク
トルを算出して、算出した動きベクトルおよび動きベク
トルの位置情報を領域特定部103、平坦部抽出部15
01、処理単位決定部1502、および分離ボケ除去部
1503に供給する。
【0631】領域特定部103は、入力された画像の画
素のそれぞれを、前景領域、背景領域、または混合領域
のいずれかに特定し、画素毎に前景領域、背景領域、ま
たは混合領域のいずれかに属するかを示す情報(以下、
領域情報と称する)を平坦部抽出部1501、処理単位
決定部1502、および合成部1504に供給する。
【0632】平坦部抽出部1501は、入力画像、動き
検出部102から供給された動きベクトルおよびその位
置情報、並びに領域特定部103から供給された領域情
報を基に、アンカバードバックグラウンド領域に属する
画素から始まり、カバードバックグラウンド領域に属す
る画素までの動き方向に並ぶ連続する画素の内、前景領
域に属し隣接する画素であって、その画素値の変化量が
少ない平坦部を抽出する。平坦部抽出部1501により
抽出される平坦部は、画素値が均等な画素からなる。
【0633】例えば、平坦部抽出部1501は、入力画
像、動き検出部102から供給された動きベクトルおよ
びその位置情報、並びに領域特定部103から供給され
た領域情報を基に、アンカバードバックグラウンド領域
に属する画素から始まり、カバードバックグラウンド領
域に属する画素までの動き方向に並ぶ連続する画素の
内、前景領域に属し隣接する画素であって、その画素値
の変化量が予め記憶している閾値Thf1未満である平坦部
を抽出する。
【0634】また、例えば、平坦部抽出部1501は、
前景成分画像の隣接する画素であって、その画素値の変
化量が1%以内である平坦部を抽出する。平坦部の抽出
の基準となる、画素値の変化量の割合は、所望の値とす
ることができる。
【0635】または、平坦部抽出部1501は、前景成
分画像の隣接する画素であって、その画素値の標準偏差
が、予め記憶している閾値Thf1未満である平坦部を抽出
する。
【0636】さらに、例えば、平坦部抽出部1501
は、前景成分画像の隣接する画素であって、その画素値
に対応する回帰直線を基準として、回帰直線と各画素値
との誤差の和が、予め記憶している閾値Thf1未満である
平坦部を抽出する。
【0637】閾値Thf1または画素値の変化量の割合など
の平坦部の抽出の基準の値は、所望の値とすることがで
き、本発明は、平坦部の抽出の基準の値によって限定さ
れない。平坦部の抽出の基準の値は、適応的に変化させ
ることができる。
【0638】平坦部抽出部1501は、抽出した平坦部
の位置を示す情報である前景平坦部位置情報を生成し、
生成した前景平坦部位置情報を処理単位決定部1502
に供給する。
【0639】処理単位決定部1502は、平坦部抽出部
1501から供給された前景平坦部位置情報、動き検出
部102から供給された動きベクトルおよびその位置情
報、並びに領域特定部103から供給された領域情報を
基に、前景領域または混合領域に属する1以上の画素を
示す処理単位を決定する。
【0640】処理単位決定部1502は、生成した処理
単位を、分離ボケ除去部1503に供給する。
【0641】分離ボケ除去部1503は、処理単位決定
部1502から供給された処理単位、並びに動き検出部
102から供給された動きベクトルおよびその位置情報
を基に、入力画像の画素の内、処理単位に指定される画
素について、動きボケの除去された前景成分画像、およ
び分離された背景成分画像を生成し、生成した前景成分
画像および背景成分画像を合成部1504に供給する。
【0642】合成部1504は、領域特定部103から
供給された領域情報を基に、分離ボケ除去部1503か
ら供給された、動きボケの除去された前景成分画像、お
よび分離された背景成分画像、並びに入力画像から、前
景のオブジェクトの動きボケが除去された画像を合成し
て、合成した動きボケが除去された画像を出力する。
【0643】図95は、分離ボケ除去部1503の構成
を示すブロック図である。動き検出部102から供給さ
れた動きベクトルとその位置情報、および処理単位決定
部1502から供給された処理単位は、モデル化部15
21に供給される。
【0644】モデル化部1521は、動き検出部102
から供給された動きベクトルとその位置情報、および処
理単位決定部1502から供給された処理単位を基に、
モデルを生成し、生成したモデルを方程式生成部152
2に供給する。
【0645】図96乃至図99を参照して、処理単位、
および処理単位に対応するモデルについて説明する。
【0646】図96は、センサのシャッタスピードを十
分に速くし、動きボケを生じないときの、画素の例を示
す図である。F01乃至F20は、前景のオブジェクトに対応
する画像の成分である。
【0647】前景のオブジェクトに対応する、画素値C0
4は、F01であり、画素値C05は、F02であり、画素値C06
は、F03であり、それぞれの画素値は、前景のオブジェ
クトに対応する1つの画像の成分からなる。同様に、画
素値C07乃至C23は、それぞれF04乃至F20である。
【0648】図96に示す例において、背景のオブジェ
クトが静止しているので、背景にも、動きボケが生じて
いない。
【0649】背景のオブジェクトに対応する、画素値C0
1は、B01であり、画素値C02は、B02であり、画素値C03
は、B03である。同様に、背景のオブジェクトに対応す
る、画素値C24は、B24であり、画素値C25は、B25であ
り、画素値C26は、B26である。
【0650】図97は、図96に対応する、動きボケを
生じているときの、画素値を時間方向に展開したモデル
図である。
【0651】図97に示す例において、動き量vは、5で
あり、前景のオブジェクトは、図中の左側から右側に向
かって動いている。
【0652】図97に示す例において、左から2番目乃
至5番目に位置する画素は、混合領域に属する。また、
左から22番目乃至25番目に位置する画素は、混合領
域に属する。
【0653】左から6番目乃至21番目に位置する画素
は、前景領域に属する。
【0654】平坦部抽出部1501は、予め記憶してい
る閾値Thf1を基に、カバードバックグラウンド領域に属
する画素までの動き方向に並ぶ連続する画素の内、前景
領域に属する画素であって、その画素値の変化量が閾値
Thf1未満である連続する画素を抽出する。
【0655】閾値Thf1は、十分に小さな値である。平坦
部抽出部1501により抽出される連続した画素の数
は、1フレーム内における、前景オブジェクトの動き量
vより大きくなければならない。例えば、1フレーム内
における、前景オブジェクトの動き量vが5のとき、平
坦部抽出部1501は、5つ以上の、画素値にほとんど
変化の無い連続した画素、すなわち平坦部を抽出する。
【0656】例えば、図98に示す例において、式(1
05)が成立するとき、前景の成分F06/v乃至F14/vは、
式(106)乃至式(110)の関係より、その値が等
しいことがわかる。
【0657】 C11=C12=C13=C14=C15 (105) C11=F06/v+F07/v+F08/v+F09/v+F10/v (106) C12=F07/v+F08/v+F09/v+F10/v+F11/v (107) C13=F08/v+F09/v+F10/v+F11/v+F12/v (108) C14=F09/v+F10/v+F11/v+F12/v+F13/v (109) C15=F10/v+F11/v+F12/v+F13/v+F14/v (110) すなわち、前景の成分F06/v乃至F14/vは、式(111)
に示す関係が成立する。
【0658】 F06/v=F07/v=F08/v=F09/v=F10/v=F11/v=F12/v=F13/v=F14/v (111)
【0659】従って、その後の前景の成分および背景の
成分を算出する処理においては、図99に示すように、
前景の成分F06/v乃至F14/v以外の残りの前景の成分F01/
v乃至F05/vおよび前景の成分F15/v乃至F20/v、並びに背
景の成分B02/v乃至B05/vおよび背景の成分B22/v乃至B25
/vを算出すれば良いことがわかる。
【0660】例えば、図98に示すように、アンカバー
ドバックグラウンド領域に属する画素から始まり、カバ
ードバックグラウンド領域に属する画素までの動き方向
に並ぶ連続する画素である、図中の左から2番目乃至2
5番目の直線上の24個の画素の内、左から11番目乃
至15番目の画素が平坦部に属する場合、左から11番
目乃至15番目の画素に含まれる前景の成分を取り除く
ことができるので、図99に示すように、残った連続す
る画素に対応する前景の成分および背景の成分、すなわ
ち前景の成分F01/v乃至F05/vおよび背景の成分B02/v乃
至B05/vについて式(112)乃至式(120)を生成
すれば良い。
【0661】 C02'=4×B02/v+F01/v (112) C03'=3×B03/v+F01/v+F02/v (113) C04'=2×B04/v+F01/v+F02/v+F03/v (114) C05'=B05/v+F01/v+F02/v+F03/v+F04/v (115) C06'=F01/v+F02/v+F03/v+F04/v+F05/v (116) C07'=F02/v+F03/v+F04/v+F05/v (117) C08'=F03/v+F04/v+F05/v (118) C09'=F04/v+F05/v (119) C10'=F05/v (120)
【0662】9個の式(112)乃至式(120)に対
して、変数が、前景の成分F01/v乃至F05/vおよび背景の
成分B02/v乃至B05/vの9個なので、式(112)乃至式
(120)を解くことにより、前景の成分F01/v乃至F05
/vおよび背景の成分B02/v乃至B05/vの値を求めることが
できる。
【0663】同様に、前景の成分F15/v乃至F20/vおよび
背景の成分B22/v乃至B25/vについて式(121)乃至式
(130)を生成すれば良い。
【0664】 C16'=F15/v (121) C17'=F15/v+F16/v (122) C18'=F15/v+F16/v+F17/v (123) C19'=F15/v+F16/v+F17/v+F18/v (124) C20'=F15/v+F16/v+F17/v+F18/v+F19/v (125) C21'=F16/v+F17/v+F18/v+F19/v+F20/v (126) C22'=F17/v+F18/v+F19/v+F20/v+B22/v (127) C23'=F18/v+F19/v+F20/v+2×B23/v (128) C24'=F19/v+F20/v+3×B24/v (129) C25'= F20/v+4×B25/v (130)
【0665】10個の式(121)乃至式(130)に
対して、変数が、前景の成分F15/v乃至F20/vおよび背景
の成分B22/v乃至B25/vの10個なので、式(121)乃
至式(130)を解くことにより、前景の成分F15/v乃
至F20/vおよび背景の成分B22/v乃至B25/vの値を求める
ことができる。
【0666】図95に戻り、モデル化部1521は、動
き検出部102から供給された動きベクトルとその位置
情報、および処理単位決定部1502から供給された処
理単位を基に、画素値の時間方向の分割数、画素毎の前
景の成分の数、および画素毎の背景の成分の数を決定
し、上述した前景の成分および背景の成分を算出するた
めの方程式を生成するためのモデルを生成し、生成した
モデルを方程式生成部1522に供給する。
【0667】方程式生成部1522は、モデル化部15
21から供給されたモデルを基に、方程式を生成する。
方程式生成部1522は、生成された方程式に、モデル
に対応する前景領域または背景領域に属する画素値を設
定し、画素値を設定した方程式を演算部1523に供給
する。
【0668】演算部1523は、方程式生成部1522
から供給された方程式を解いて、前景の成分および背景
の成分を算出する。
【0669】例えば、演算部1523は、式(112)
乃至式(120)に対応する方程式が供給されたとき、
式(131)に示す方程式の左辺の行列の逆行列を求め
て、前景の成分F01/v乃至F05/vおよび背景の成分B02/v
乃至B05/vを算出する。
【0670】
【数19】
【0671】また、演算部1523は、式(121)乃
至式(130)に対応する方程式が供給されたとき、式
(132)に示す方程式の左辺の行列の逆行列を求め
て、前景の成分F15/v乃至F20/vおよび背景の成分B22/v
乃至B25/vを算出する。
【0672】
【数20】
【0673】演算部1523は、前景の成分および背景
の成分を基に、動きボケの除去された前景成分画像、お
よび分離された背景成分画像を生成し、動きボケの除去
された前景成分画像、および分離された背景成分画像を
出力する。
【0674】例えば、演算部1523は、方程式を解い
て、前景の成分F01/v乃至F05/vおよび背景の成分B02/v
乃至B05/v、並びに前景の成分F15/v乃至F20/vおよび背
景の成分B22/v乃至B25/vを求めたとき、図100に示す
ように、前景の成分F01/v乃至F05/v、背景の成分B02/
v、および背景の成分B03/v、並びに前景の成分F15/v乃
至F20/v、背景の成分B24/v、および背景の成分B25/v
に、動き量vを乗じて、画素値F01乃至F05、画素値B02、
画素値B03、画素値F15乃至F20、画素値B24、および画素
値B25を算出する。
【0675】演算部1523は、例えば、画素値F01乃
至F05および画素値F15乃至F20からなる動きボケの除去
された前景成分画像、並びに、画素値B02、画素値B03、
画素値B24、および画素値B25からなる分離された背景成
分画像を生成する。
【0676】図101および図102を参照して、分離
ボケ除去部1503の実際の処理結果の例を説明する。
【0677】図101は、前景オブジェクトおよび背景
オブジェクトの混ざり込みが生じている入力画像の例を
示す図である。図中の右上側の画像が背景オブジェクト
に相当し、図中の左下側の画像が前景オブジェクトに相
当する。前景のオブジェクトは、左から右に進んでい
る。図中の左上側から右下側の間の帯状の領域が、混合
領域である。
【0678】図101の中央の線の上の画素について、
上述した処理を適用した結果を図102に示す。図10
2中の細かい点線は、入力画像の画素値を示す。
【0679】図102中の粗い点線は、動きボケの無い
前景オブジェクトの画素値を示し、一点鎖線は、前景オ
ブジェクトが混合されていない背景オブジェクトの画素
値を示す。
【0680】図102中の実線は、入力画像に上述した
処理を適用した結果得られた、動きボケの除去された前
景成分画像および分離された背景成分画像の画素値を示
す。
【0681】以上の結果から、図94に構成を示す情報
処理装置は、入力画像に上述した処理を適用することに
より、動きボケの無い前景オブジェクトの画素値、およ
び前景オブジェクトが混合されていない背景オブジェク
トの画素値に近い画素値を出力することが可能であるこ
とがわかる。
【0682】図103のフローチャートを参照して、図
94に構成を示す信号処理装置による動きボケの除去の
処理を説明する。ステップS1001において、領域特
定部103は、入力画像を基に、入力画像の画素毎に前
景領域、背景領域、カバードバックグラウンド領域、ま
たはアンカバードバックグラウンド領域のいずれかに属
するかを示す領域情報を生成する領域特定の処理を実行
する。領域特定部103は、生成した領域情報を平坦部
抽出部1501に供給する。
【0683】ステップS1002において、平坦部抽出
部1501は、入力画像、動きベクトルおよびその位置
情報、並びに領域情報を基に、アンカバードバックグラ
ウンド領域に属する画素から始まり、カバードバックグ
ラウンド領域に属する画素までの動き方向に並ぶ連続す
る画素の内、前景領域に属する画素であって、その画素
値の変化量が予め記憶している閾値Thf1未満である平坦
部を抽出する。平坦部抽出部1501は、抽出した平坦
部の位置を示す情報である前景平坦部位置情報を生成
し、生成した前景平坦部位置情報を処理単位決定部15
02に供給する。
【0684】ステップS1003において、処理単位決
定部1502は、動きベクトルおよびその位置情報、並
びに領域情報を基に、前景に対応するオブジェクトに含
まれる1以上の画素を示す処理単位を決定して、処理単
位を分離ボケ除去部1503に供給する。
【0685】ステップS1004において、分離ボケ除
去部1503は、処理単位決定部1502から供給され
た処理単位、並びに動き検出部102から供給された動
きベクトルおよびその位置情報を基に、入力画像の画素
の内、処理単位に指定される画素について、前景および
背景の分離並びに動きボケ除去の一括処理を実行し、処
理単位に指定される画素に対応する前景の成分および背
景の成分を算出する。前景および背景の分離並びに動き
ボケ除去の一括処理の詳細は、図104のフローチャー
トを参照して説明する。
【0686】ステップS1005において、分離ボケ除
去部1503は、平坦部の前景の成分を算出する。
【0687】ステップS1006において、分離ボケ除
去部1503は、ステップS1004の処理で算出した
前景の成分および背景の成分、並びにステップS100
5の処理で算出した平坦部の前景の成分を基に、動きボ
ケが除去された前景成分画像の画素値および背景成分画
像の画素値を算出する。分離ボケ除去部1503は、動
きボケが除去された前景成分画像および背景成分画像を
合成部1504に供給する。
【0688】ステップS1007において、信号処理装
置は、画面全体について処理を終了したか否かを判定
し、画面全体について処理を終了していないと判定され
た場合、ステップS1004に戻り、前景および背景の
分離および動きボケの除去の処理を繰り返す。
【0689】ステップS1007において、画面全体に
ついて処理を終了したと判定された場合、ステップS1
008に進み、合成部1504は、背景、並びに動きボ
ケが除去された前景成分画像および背景成分画像を合成
して、処理は終了する。
【0690】このように、信号処理装置は、前景と背景
を分離して、前景に含まれる動きボケを除去することが
できる。
【0691】図104のフローチャートを参照して、分
離ボケ除去部1503が実行する、前景および背景の分
離並びに動きボケ除去の一括処理を説明する。
【0692】ステップS1021において、モデル化部
1521は、処理単位決定部1502から供給された処
理単位、並びに動き検出部102から供給された動きベ
クトルおよびその位置情報を基に、モデルを生成する。
モデル化部1521は、生成したモデルを方程式生成部
1522に供給する。
【0693】ステップS1022において、方程式生成
部1522は、モデル化部1521から供給されたモデ
ルを基に、画素値、前景の成分、および背景の成分の関
係に対応する連立方程式を生成する。
【0694】ステップS1023において、方程式生成
部1522は、生成した連立方程式に、入力画像の対応
する画素値を設定する。
【0695】ステップS1024において、方程式生成
部1522は、連立方程式に全ての画素値を設定したか
否かを判定し、全ての画素値を設定していないと判定さ
れた場合、ステップS1023に戻り、画素値の設定の
処理を繰り返す。
【0696】ステップS1024において、全ての画素
値を設定したと判定された場合、方程式生成部1522
は、画素値を設定した連立方程式を演算部1523に供
給し、演算部1523は、画素値が設定された連立方程
式を演算することにより、前景の成分および背景の成分
を算出して、処理は終了する。
【0697】このように、分離ボケ除去部1503は、
算出された前景の成分および背景の成分を基に、動きボ
ケの除去された前景成分画像、および分離された背景成
分画像を生成することができる。
【0698】図105は、信号処理装置のさらに他の構
成を示すブロック図である。図94に示す場合と同様の
部分には、同一の番号を付してあり、その説明は省略す
る。
【0699】処理単位決定分類部1601は、動き検出
部102から供給された動きベクトルおよびその位置情
報、領域特定部103から供給された領域情報、並びに
平坦部抽出部1501から供給された前景平坦部位置情
報を基に、処理単位を生成すると共に、入力画像の画素
を分類して、分類された画素を分離ボケ除去部150
3、動きボケ除去部1602、前景成分画像復元部16
03、および背景成分画像復元部1604のいずれか1
つに供給する。
【0700】処理単位決定分類部1601は、アンカバ
ードバックグラウンド領域に属する画素から始まり、カ
バードバックグラウンド領域に属する画素までの動き方
向に並ぶ連続する画素の内、前景領域に属する画素か
ら、平坦部に対応する前景の成分を除去し、前景領域の
平坦部に対応する前景の成分が除去された、混合領域に
属する画素および前景領域に属する画素を、対応する処
理単位と共に、分離ボケ除去部1503に供給する。
【0701】処理単位決定分類部1601は、前景領域
の平坦部画像を前景成分画像復元部1603に供給す
る。
【0702】処理単位決定分類部1601は、前景領域
に属し、平坦部に挟まれた、平坦部に対応する前景の成
分が除去された画素を、対応する処理単位と共に、動き
ボケ除去部1602に供給する。
【0703】処理単位決定分類部1601は、背景領域
に属する画素を背景成分画像復元部1604に供給す
る。
【0704】分離ボケ除去部1503は、図104のフ
ローチャートを参照して説明した処理と同様の処理で、
前景領域に属する画素または混合領域に属する画素に対
応する、動きボケの除去された前景成分画像および分離
された背景成分画像を生成して、動きボケの除去された
前景成分画像を前景成分画像復元部1603に供給し、
分離された背景成分画像を背景成分画像復元部1604
に供給する。
【0705】動きボケ除去部1602は、処理単位決定
分類部1601から供給された処理単位を基に、前景領
域に属し、平坦部に挟まれた画素に対応する前景の成分
を算出して、算出した前景の成分に対応する動きボケが
除去された前景成分画像を生成する。動きボケ除去部1
602は、生成した前景成分画像を前景成分画像復元部
1603に供給する。
【0706】図106は、動きボケ除去部1602の構
成を示すブロック図である。
【0707】動き検出部102から供給された動きベク
トルとその位置情報、および処理単位決定分類部160
1から供給された処理単位は、モデル化部1621に供
給される。
【0708】モデル化部1621は、動き検出部102
から供給された動きベクトルとその位置情報、および処
理単位決定分類部1601から供給された処理単位を基
に、モデルを生成し、生成したモデルを方程式生成部1
622に供給する。
【0709】図107および図108を参照して、方程
式生成部1622に供給されるモデルについて説明す
る。
【0710】図107は、前景領域に属する画素に対応
する、画素値を時間方向に展開したモデル図である。
【0711】処理単位決定分離部601は、図98を参
照して説明した処理と同様の処理で、前景領域に属する
画素から、平坦部に対応する前景の成分を除去する。
【0712】例えば、図107に示す例において、式
(133)が成立するとき、式(134)乃至式(13
8)の関係より、前景の成分F106/v乃至F114/vの値が等
しいことがわかるので、図108に示すように、前景の
成分F106/v乃至F114/vは、前景領域に属する画素から除
去される。
【0713】 C110=C111=C112=C113=C114 (133) C110=F106/v+F107/v+F108/v+F109/v+F110/v (134) C111=F107/v+F108/v+F109/v+F110/v+F111/v (135) C112=F108/v+F109/v+F110/v+F111/v+F112/v (136) C113=F109/v+F110/v+F111/v+F112/v+F113/v (137) C114=F110/v+F111/v+F112/v+F113/v+F114/v (138)
【0714】同様に、他の平坦部に対応する前景の成分
F096/v乃至F100/v、および前景の成分F120/v乃至F124/v
は、前景領域に属する画素から除去される。
【0715】このように、平坦部に挟まれ、その平坦部
に対応する前景の成分が除去された前景領域に属する画
素が、対応する処理単位と共に、処理単位決定分類部1
601から動きボケ除去部1602に供給される。
【0716】動きボケ除去部1602のモデル化部16
21は、処理単位を基に、平坦部に挟まれ、その平坦部
に対応する前景の成分が除去された前景領域に属する画
素と、残った前景の成分との関係に対応する式を生成す
るためのモデルを生成する。
【0717】モデル化部1621は、生成したモデルを
方程式生成部1622に供給する。
【0718】方程式生成部1622は、モデル化部16
21から供給されたモデルを基に、平坦部に挟まれ、そ
の平坦部に対応する前景の成分が除去された前景領域に
属する画素と、残った前景の成分との関係に対応する式
を生成する。
【0719】例えば、前景の成分F101/v乃至F105/v、お
よび画素値の関係は、式(139)乃至式(147)で
表される。
【0720】 C101'=F101/v (139) C102'=F101/v+F102/v (140) C103'=F101/v+F102/v+F103/v (141) C104'=F101/v+F102/v+F103/v+F104/v (142) C105'=F101/v+F102/v+F103/v+F104/v+F105/v (143) C106'=F102/v+F103/v+F104/v+F105/v (144) C107'=F103/v+F104/v+F105/v (145) C108'=F104/v+F105/v (146) C109'=F105/v (147)
【0721】また、前景の成分F101/v乃至F105/v、およ
び画素値の関係は、式(148)乃至式(156)で表
される。
【0722】 C115'=F115/v (148) C116'=F115/v+F116/v (149) C117'=F115/v+F116/v+F117/v (150) C118'=F115/v+F116/v+F117/v+F118/v (151) C119'=F115/v+F116/v+F117/v+F118/v+F119/v (152) C120'=F116/v+F117/v+F118/v+F119/v (153) C121'=F117/v+F118/v+F119/v (154) C122'=F118/v+F119/v (155) C123'=F119/v (156)
【0723】方程式生成部1622は、画素値が設定さ
れた式(139)乃至式(147)、および式(14
8)乃至式(156)に最小自乗法を適用して、式(1
57)および式(158)に例を示す正規方程式を導
く。
【0724】
【数21】
【0725】
【数22】
【0726】方程式生成部1622は、生成した式に、
画素値を設定して、画素値が設定された式を演算部16
23に供給する。
【0727】演算部1623は、画素値が設定された正
規方程式にコレスキー分解などの解法を適用して、平坦
部に属する画素に含まれる前景の成分以外の、前景成分
画像に含まれる前景の成分を算出する。演算部1623
は、算出した前景の成分を基に、動きボケの除去された
前景成分画像を生成し、動きボケの除去された前景成分
画像を出力する。
【0728】例えば、演算部1623は、前景の成分F1
01/v乃至F105/vおよび前景の成分F115/v乃至F119/vを求
めたとき、図109に示すように、前景の成分F101/v乃
至F105/vおよび前景の成分F115/v乃至F119/vに、動き量
vを乗じて、画素値F101乃至F105および画素値F115乃至F
119を算出する。
【0729】演算部1623は、例えば、画素値F101乃
至F105および画素値F115乃至F119からなる動きボケの除
去された前景成分画像を生成する。
【0730】図110のフローチャートを参照して、図
94に構成を示す信号処理装置による動きボケの除去の
処理を説明する。
【0731】ステップS1101乃至ステップS110
3の処理のそれぞれは、図103のステップS1001
乃至ステップS1003の処理のそれぞれと同様なの
で、その説明は省略する。
【0732】ステップS1104において、処理単位決
定分類部1601は、動き検出部102から供給された
動きベクトルおよびその位置情報、領域特定部103か
ら供給された領域情報、並びに平坦部抽出部1501か
ら供給された前景平坦部位置情報を基に、入力画像の画
素を分類して、分類された画素を分離ボケ除去部150
3、動きボケ除去部1602、前景成分画像復元部16
03、および背景成分画像復元部1604のいずれか1
つに供給する。
【0733】ステップS1105において、分離ボケ除
去部1503は、アンカバードバックグラウンド領域に
属する画素から始まり、カバードバックグラウンド領域
に属する画素までの動き方向に並ぶ連続する画素の内、
前景領域に属する画素から、前景領域の平坦部に対応す
る前景の成分が除去された、混合領域に属する画素およ
び前景領域に属する画素について、前景および背景の分
離並びに動きボケ除去の一括の処理を実行する。ステッ
プS1105の処理の詳細は、図103のステップS1
004の処理の詳細と同様なので、その説明は省略す
る。
【0734】ステップS1106において、分離ボケ除
去部1503は、算出した前景の成分および背景の成分
を基に、動きボケが除去された前景成分画像の画素値お
よび背景成分画像の画素値を算出する。分離ボケ除去部
1503は、動きボケが除去された前景成分画像を前景
成分画像復元部1603に供給すると共に、背景成分画
像を背景成分画像復元部1604に供給する。
【0735】ステップS1107において、信号処理装
置は、混合領域および前景領域について処理を終了した
か否かを判定し、混合領域および前景領域について処理
を終了していないと判定された場合、ステップS110
5に戻り、前景および背景の分離および動きボケの除去
の処理を繰り返す。
【0736】ステップS1107において、混合領域お
よび前景領域について処理を終了したと判定された場
合、ステップS1108に進み、動きボケ除去部160
2は、動き方向に並ぶ連続する画素の内、両側に平坦部
が位置し、前景領域に属する画素から、平坦部に対応す
る前景の成分が除去された前景領域に属する画素につい
て、動きボケの除去の処理を実行する。動きボケの除去
の処理の詳細は、図111のフローチャートを参照し
て、説明する。
【0737】ステップS1109において、動きボケ除
去部1602は、算出した前景の成分を基に、動きボケ
が除去された前景成分画像の画素値を算出する。動きボ
ケ除去部1602は、動きボケが除去された前景成分画
像を前景成分画像復元部1603に供給する。
【0738】ステップS1110において、信号処理装
置は、前景領域について処理を終了したか否かを判定
し、前景領域について処理を終了していないと判定され
た場合、ステップS1108に戻り、動きボケの除去の
処理を繰り返す。
【0739】ステップS1110において、前景領域に
ついて処理を終了したと判定された場合、手続きは、ス
テップS1111に進む。
【0740】なお、ステップS1108乃至ステップS
1110の処理は、ステップS1105乃至ステップS
1107の処理と並列に実行される。
【0741】ステップS1111において、前景成分画
像復元部1603は、処理単位決定分類部1601から
供給された平坦部画像、分離ボケ除去部1503から供
給された動きボケが除去された前景成分画像、および動
きボケ除去部1602から供給された動きボケが除去さ
れた前景成分画像を基に、動きボケが除去された前景成
分画像の全体を復元する。背景成分画像復元部1604
は、処理単位決定分類部1601から供給された背景領
域画像、および分離ボケ除去部1503から供給された
分離された背景成分画像を基に、背景成分画像の全体を
復元して、処理は終了する。
【0742】このように、図105に構成を示す情報処
理装置は、前景オブジェクトから動きボケを除去するこ
とができる。
【0743】次に、図110のステップS1108に対
応する、動きボケ除去部1602による処理単位に対応
する前景成分画像の動きボケの除去の処理を、図111
のフローチャートを参照して説明する。
【0744】ステップS1121において、動きボケ除
去部1602のモデル化部1621は、動き量vおよび
処理単位に対応して、モデルを生成する。ステップS1
122において、方程式生成部1622は、生成された
モデルを基に、方程式を生成する。
【0745】ステップS1123において、方程式生成
部1622は、生成された方程式に、平坦部に対応する
前景の成分が除去された前景成分画像の画素値を設定す
る。ステップS1124において、方程式生成部162
2は、処理単位に対応する全ての画素の画素値の設定を
行ったか否かを判定し、処理単位に対応する全ての画素
の画素値の設定を行っていないと判定された場合、ステ
ップS1123に戻り、方程式への画素値の設定の処理
を繰り返す。
【0746】ステップS1124において、処理単位の
全ての画素の画素値の設定を行ったと判定された場合、
ステップS1125に進み、演算部1623は、方程式
生成部1622から供給された画素値が設定された方程
式を基に、動きボケを除去した前景の成分を算出して、
処理は終了する。
【0747】このように、動きボケ除去部1602は、
動き量vおよび処理単位を基に、動きボケを含む前景成
分画像から動きボケを除去することができる。
【0748】なお、混合比αは、画素値に含まれる背景
の成分の割合として説明したが、画素値に含まれる前景
の成分の割合としてもよい。
【0749】また、前景となるオブジェクトの動きの方
向は左から右として説明したが、その方向に限定されな
いことは勿論である。
【0750】以上においては、3次元空間と時間軸情報
を有する現実空間の画像をビデオカメラを用いて2次元
空間と時間軸情報を有する時空間への射影を行った場合
を例としたが、本発明は、この例に限らず、より多くの
第1の次元の第1の情報を、より少ない第2の次元の第
2の情報に射影した場合に、その射影によって発生する
歪みを補正したり、有意情報を抽出したり、またはより
自然に画像を合成する場合に適応することが可能であ
る。
【0751】なお、センサは、CCDに限らす、固体撮像
素子である、例えば、BBD(Bucket Brigade Device)、
CID(Charge Injection Device)、またはCPD(Charge
Priming Device)などのセンサでもよく、また、検出素
子がマトリックス状に配置されているセンサに限らず、
検出素子が1列に並んでいるセンサでもよい。
【0752】本発明の信号処理を行うプログラムを記録
した記録媒体は、図1に示すように、コンピュータとは
別に、ユーザにプログラムを提供するために配布され
る、プログラムが記録されている磁気ディスク51(フ
ロッピディスクを含む)、光ディスク52(CD-ROM(Com
pact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital VersatileD
isk)を含む)、光磁気ディスク53(MD(Mini-Dis
k)を含む)、もしくは半導体メモリ54などよりなる
パッケージメディアにより構成されるだけでなく、コン
ピュータに予め組み込まれた状態でユーザに提供され
る、プログラムが記録されているROM22や、記憶部2
8に含まれるハードディスクなどで構成される。
【0753】なお、本明細書において、記録媒体に記録
されるプログラムを記述するステップは、記載された順
序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずし
も時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に
実行される処理をも含むものである。
【0754】
【発明の効果】請求項1に記載の画像処理装置、請求項
9に記載の画像処理方法、および請求項17に記載のプ
ログラムによれば、時間積分効果により画像データに形
成された、前景オブジェクトを構成する前景オブジェク
ト成分からなる前景領域、および背景オブジェクトを構
成する背景オブジェクト成分からなる背景領域により構
成される非混合領域、並びに前景オブジェクト成分およ
び背景オブジェクト成分が混合されてなる混合領域を特
定する領域情報、並びに画像データに基づいて、前景領
域における画素データであって、隣接する画素データと
その値がほぼ等しい画素データからなる均等部が検出さ
れ、検出された均等部に基づいて、前景領域に生じてい
る動きボケが除去されるようにしたので、ボケた画像デ
ータに含まれる動きボケを除去することができるように
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る信号処理装置の一実施の形態の構
成を示すブロック図である。
【図2】信号処理装置を示すブロック図である。
【図3】センサによる撮像を説明する図である。
【図4】画素の配置を説明する図である。
【図5】検出素子の動作を説明する図である。
【図6】動いている前景に対応するオブジェクトと、静
止している背景に対応するオブジェクトとを撮像して得
られる画像を説明する図である。
【図7】背景領域、前景領域、混合領域、カバードバッ
クグラウンド領域、およびアンカバードバックグラウン
ド領域を説明する図である。
【図8】静止している前景に対応するオブジェクトおよ
び静止している背景に対応するオブジェクトを撮像した
画像における、隣接して1列に並んでいる画素の画素値
を時間方向に展開したモデル図である。
【図9】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に対
応する期間を分割したモデル図である。
【図10】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に
対応する期間を分割したモデル図である。
【図11】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に
対応する期間を分割したモデル図である。
【図12】前景領域、背景領域、および混合領域の画素
を抽出した例を示す図である。
【図13】画素と画素値を時間方向に展開したモデルと
の対応を示す図である。
【図14】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に
対応する期間を分割したモデル図である。
【図15】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に
対応する期間を分割したモデル図である。
【図16】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に
対応する期間を分割したモデル図である。
【図17】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に
対応する期間を分割したモデル図である。
【図18】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に
対応する期間を分割したモデル図である。
【図19】動きボケの量の調整の処理を説明するフロー
チャートである。
【図20】領域特定部103の構成の一例を示すブロッ
ク図である。
【図21】前景に対応するオブジェクトが移動している
ときの画像を説明する図である。
【図22】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に
対応する期間を分割したモデル図である。
【図23】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に
対応する期間を分割したモデル図である。
【図24】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に
対応する期間を分割したモデル図である。
【図25】領域判定の条件を説明する図である。
【図26】領域特定部103の領域の特定の結果の例を
示す図である。
【図27】領域特定部103の領域の特定の結果の例を
示す図である。
【図28】領域特定の処理を説明するフローチャートで
ある。
【図29】領域特定部103の構成の他の一例を示すブ
ロック図である。
【図30】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に
対応する期間を分割したモデル図である。
【図31】背景画像の例を示す図である。
【図32】2値オブジェクト画像抽出部302の構成を
示すブロック図である。
【図33】相関値の算出を説明する図である。
【図34】相関値の算出を説明する図である。
【図35】2値オブジェクト画像の例を示す図である。
【図36】時間変化検出部303の構成を示すブロック
図である。
【図37】領域判定部342の判定を説明する図であ
る。
【図38】時間変化検出部303の判定の例を示す図で
ある。
【図39】領域判定部103の領域特定の処理を説明す
るフローチャートである。
【図40】領域判定の処理の詳細を説明するフローチャ
ートである。
【図41】領域特定部103のさらに他の構成を示すブ
ロック図である。
【図42】ロバスト化部361の構成を説明するブロッ
ク図である。
【図43】動き補償部381の動き補償を説明する図で
ある。
【図44】動き補償部381の動き補償を説明する図で
ある。
【図45】領域特定の処理を説明するフローチャートで
ある。
【図46】ロバスト化の処理の詳細を説明するフローチ
ャートである。
【図47】混合比算出部104の構成の一例を示すブロ
ック図である。
【図48】理想的な混合比αの例を示す図である。
【図49】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に
対応する期間を分割したモデル図である。
【図50】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に
対応する期間を分割したモデル図である。
【図51】前景の成分の相関を利用した近似を説明する
図である。
【図52】C,N、およびPの関係を説明する図である。
【図53】推定混合比処理部401の構成を示すブロッ
ク図である。
【図54】推定混合比の例を示す図である。
【図55】混合比算出部104の他の構成を示すブロッ
ク図である。
【図56】混合比の算出の処理を説明するフローチャー
トである。
【図57】推定混合比の演算の処理を説明するフローチ
ャートである。
【図58】混合比αを近似する直線を説明する図であ
る。
【図59】混合比αを近似する平面を説明する図であ
る。
【図60】混合比αを算出するときの複数のフレームの
画素の対応を説明する図である。
【図61】混合比推定処理部401の他の構成を示すブ
ロック図である。
【図62】推定混合比の例を示す図である。
【図63】混合比の算出の処理を説明するフローチャー
トである。
【図64】カバードバックグラウンド領域に対応するモ
デルによる混合比推定の処理を説明するフローチャート
である。
【図65】前景背景分離部105の構成の一例を示すブ
ロック図である。
【図66】入力画像、前景成分画像、および背景成分画
像を示す図である。
【図67】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に
対応する期間を分割したモデル図である。
【図68】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に
対応する期間を分割したモデル図である。
【図69】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に
対応する期間を分割したモデル図である。
【図70】分離部601の構成の一例を示すブロック図
である。
【図71】分離された前景成分画像、および背景成分画
像の例を示す図である。
【図72】前景と背景との分離の処理を説明するフロー
チャートである。
【図73】動きボケ調整部106の構成を示すブロック
図である。
【図74】動きボケ除去部803の構成を示すブロック
図である。
【図75】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に
対応する期間を分割したモデル図である。
【図76】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に
対応する期間を分割したモデル図である。
【図77】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に
対応する期間を分割したモデル図である。
【図78】動きボケが除去された画素の例を示す図であ
る。
【図79】動きボケが除去された画素の例を示す図であ
る。
【図80】動きボケが付加された画素の例を示す図であ
る。
【図81】背景の成分の補正の処理を説明する図であ
る。
【図82】静止している黒い四角を撮像した画像であ
る。
【図83】黒い四角を移動させて撮像した画像である。
【図84】動きボケ調整部106が処理を実行した結果
の例を示す図である。
【図85】る動きボケの量の調整の処理を説明するフロ
ーチャートである。
【図86】前景成分画像の動きボケの除去の処理を説明
するフローチャートである。
【図87】信号処理装置の機能の他の構成を示すブロッ
ク図である。
【図88】合成部1001の構成を示す図である。
【図89】信号処理装置の機能のさらに他の構成を示す
ブロック図である。
【図90】混合比算出部1101の構成を示すブロック
図である。
【図91】前景背景分離部1102の構成を示すブロッ
ク図である。
【図92】信号処理装置の機能のさらに他の構成を示す
ブロック図である。
【図93】合成部1201の構成を示す図である。
【図94】信号処理装置のさらに他の構成を示すブロッ
ク図である。
【図95】分離ボケ除去部1503の構成を示すブロッ
ク図である。
【図96】処理単位、および処理単位に対応するモデル
について説明する図である。
【図97】処理単位、および処理単位に対応するモデル
について説明する図である。
【図98】処理単位、および処理単位に対応するモデル
について説明する図である。
【図99】処理単位、および処理単位に対応するモデル
について説明する図である。
【図100】画素値の算出を説明する図である。
【図101】入力画像の例を示す図である。
【図102】処理結果の例を示す図である。
【図103】動きボケの除去の処理を説明するフローチ
ャートである。
【図104】前景および背景の分離並びに動きボケ除去
の一括処理を説明するフローチャートである。
【図105】信号処理装置のさらに他の構成を示すブロ
ック図である。
【図106】動きボケ除去部1602の構成を示すブロ
ック図である。
【図107】方程式生成部1622に供給されるモデル
を説明する図である。
【図108】方程式生成部1622に供給されるモデル
を説明する図である。
【図109】画素値の算出を説明する図である。
【図110】動きボケの除去の処理を説明するフローチ
ャートである。
【図111】前景成分画像の動きボケの除去の処理を説
明するフローチャートである。
【符号の説明】
21 CPU, 22 ROM, 23 RAM, 26 入力
部, 27 出力部,28 記憶部, 29 通信部,
51 磁気ディスク, 52 光ディスク, 53
光磁気ディスク, 54 半導体メモリ, 101 オ
ブジェクト抽出部, 102 動き検出部, 103
領域特定部, 104 混合比算出部, 105 前景
背景分離部, 106 動きボケ調整部, 107 選
択部,201 フレームメモリ, 202−1乃至20
2−4 静動判定部, 203−1乃至203−3 領
域判定部, 204 判定フラグ格納フレームメモリ,
205 合成部, 206 判定フラグ格納フレーム
メモリ, 301 背景画像生成部, 302 2値オ
ブジェクト画像抽出部, 303 時間変化検出部,
321 相関値演算部, 322 しきい値処理部,
341 フレームメモリ, 342 領域判定部, 3
61 ロバスト化部, 381 動き補償部, 382
スイッチ, 383−1乃至383−N フレームメ
モリ、384−1乃至384−N 重み付け部, 38
5 積算部, 401 推定混合比処理部, 402
推定混合比処理部, 403 混合比決定部, 421
フレームメモリ, 422 フレームメモリ, 423
混合比演算部, 441 選択部, 442 推定混
合比処理部, 443 推定混合比処理部,444 選
択部, 501 遅延回路, 502 足し込み部,
503 演算部, 601 分離部, 602 スイッ
チ, 603 合成部, 604 スイッチ, 605
合成部, 621 フレームメモリ, 622 分離
処理ブロック, 623 フレームメモリ, 631
アンカバード領域処理部, 632 カバード領域処理
部, 633 合成部, 634 合成部, 801平
坦部抽出部, 802 処理単位決定部, 803 動
きボケ除去部, 804 動きボケ付加部, 805
選択部, 821 モデル化部, 822 方程式生成
部, 823 足し込み部, 824 演算部, 82
5 合成部,1001 合成部, 1021 背景成分
生成部, 1022 混合領域画像合成部, 1023
画像合成部, 1101 混合比算出部, 1102
前景背景分離部, 1121 選択部, 1201
合成部, 1221 選択部,1501 平坦部抽出
部, 1502 処理単位決定部, 1503 分離ボ
ケ除去部, 1504 合成部, 1521 モデル化
部, 1522 方程式生成部, 1523 演算部,
1601 処理単位決定分類部, 1602動きボケ
除去部, 1603 前景成分画像復元部, 1604
背景成分画像復元部, 1621 モデル化部, 1
622 方程式生成部, 1623 演算部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石橋 淳一 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 永野 隆浩 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 藤原 直樹 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 三宅 徹 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 和田 成司 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 5B057 BA02 CA08 CA12 CA16 CB08 CB12 CB16 CC03 CE03 CE06 CE09 CE10 CE20 CH09 DA08 DB02 DB09 DC02 5C021 PA53 PA57 PA72 PA79 RA01 RA11 ZA00 5L096 AA06 CA04 DA01 GA08 HA04 MA03

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 時間積分効果を有する所定数の画素を有
    する撮像素子によって取得された所定数の画素データか
    らなる画像データを処理する画像処理装置において、 時間積分効果により前記画像データに形成された、前景
    オブジェクトを構成する前景オブジェクト成分からなる
    前景領域、および背景オブジェクトを構成する背景オブ
    ジェクト成分からなる背景領域により構成される非混合
    領域、並びに前記前景オブジェクト成分および前記背景
    オブジェクト成分が混合されてなる混合領域を特定する
    領域情報、並びに前記画像データに基づいて、前記前景
    領域における前記画素データであって、隣接する前記画
    素データとその値がほぼ等しい前記画素データからなる
    均等部を検出する均等部検出手段と、 検出された前記均等部に基づいて、前記前景領域に生じ
    ている動きボケを除去する動きボケ除去手段とを含むこ
    とを特徴とする画像処理装置。
  2. 【請求項2】 前記均等部の位置に基づいて、複数の前
    記前景オブジェクト成分からなる処理単位を決定する処
    理単位決定手段をさらに含み、 前記動きボケ除去手段は、前記処理単位毎に前記前景領
    域の動きボケを除去することを特徴とする請求項1に記
    載の画像処理装置。
  3. 【請求項3】 前記処理単位決定手段は、前記均等部の
    前記画素データ以外の画素データであって、1つの直線
    上の、前記混合領域または前景領域に属する前記画素デ
    ータに対応する処理単位を決定することを特徴とする請
    求項2に記載の画像処理装置。
  4. 【請求項4】 前記前景領域、前記背景領域、または前
    記混合領域を特定する領域特定手段をさらに含むことを
    特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  5. 【請求項5】 前記均等部検出手段は、前記画素データ
    の差分としきい値とを比較することにより、前記均等部
    を検出することを特徴とする請求項1に記載の画像処理
    装置。
  6. 【請求項6】 前記均等部検出手段は、前記前景オブジ
    ェクトの動き量に対応する画素の数以上の数の隣接する
    前記画素データからなる均等部を検出することを特徴と
    する請求項1に記載の画像処理装置。
  7. 【請求項7】 前記動きボケ除去手段は、動きベクトル
    に対応した演算を適用することにより、記前景領域に生
    じている動きボケを除去することを特徴とする請求項1
    に記載の画像処理装置。
  8. 【請求項8】 前記動きボケ除去手段は、 前記処理単位および動きベクトルに対応するモデルを取
    得するモデル取得手段と、 取得した前記モデルに基づいて、前記処理単位の前記画
    素データと、前記処理単位に含まれる前景オブジェクト
    成分との関係に対応する方程式を生成する方程式生成手
    段と、 生成された前記方程式に基づいて、前記処理単位に含ま
    れる前景オブジェクト成分を演算する演算手段とを含む
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  9. 【請求項9】 時間積分効果を有する所定数の画素を有
    する撮像素子によって取得された所定数の画素データか
    らなる画像データを処理する画像処理方法において、 時間積分効果により前記画像データに形成された、前景
    オブジェクトを構成する前景オブジェクト成分からなる
    前景領域、および背景オブジェクトを構成する背景オブ
    ジェクト成分からなる背景領域により構成される非混合
    領域、並びに前記前景オブジェクト成分および前記背景
    オブジェクト成分が混合されてなる混合領域を特定する
    領域情報、並びに前記画像データに基づいて、前記前景
    領域における前記画素データであって、隣接する前記画
    素データとその値がほぼ等しい前記画素データからなる
    均等部を検出する均等部検出ステップと、 検出された前記均等部に基づいて、前記前景領域に生じ
    ている動きボケを除去する動きボケ除去ステップとを含
    むことを特徴とする画像処理方法。
  10. 【請求項10】 前記均等部の位置に基づいて、複数の
    前記前景オブジェクト成分からなる処理単位を決定する
    処理単位決定ステップをさらに含み、 前記動きボケ除去ステップでは、前記処理単位毎に前記
    前景領域の動きボケが除去されることを特徴とする請求
    項9に記載の画像処理方法。
  11. 【請求項11】 前記処理単位決定ステップでは、前記
    均等部の前記画素データ以外の画素データであって、1
    つの直線上の、前記混合領域または前景領域に属する前
    記画素データに対応する処理単位が決定されることを特
    徴とする請求項10に記載の画像処理方法。
  12. 【請求項12】 前記前景領域、前記背景領域、または
    前記混合領域を特定する領域特定ステップをさらに含む
    ことを特徴とする請求項9に記載の画像処理方法。
  13. 【請求項13】 前記均等部検出ステップでは、前記画
    素データの差分としきい値とを比較することにより、前
    記均等部が検出されることを特徴とする請求項9に記載
    の画像処理方法。
  14. 【請求項14】 前記均等部検出ステップでは、前記前
    景オブジェクトの動き量に対応する画素の数以上の数の
    隣接する前記画素データからなる均等部が検出されるこ
    とを特徴とする請求項9に記載の画像処理方法。
  15. 【請求項15】 前記動きボケ除去ステップでは、動き
    ベクトルに対応した演算を適用することにより、記前景
    領域に生じている動きボケが除去されることを特徴とす
    る請求項9に記載の画像処理方法。
  16. 【請求項16】 前記動きボケ除去ステップは、 前記処理単位および動きベクトルに対応するモデルを取
    得するモデル取得ステップと、 取得した前記モデルに基づいて、前記処理単位の前記画
    素データと、前記処理単位に含まれる前景オブジェクト
    成分との関係に対応する方程式を生成する方程式生成ス
    テップと、 生成された前記方程式に基づいて、前記処理単位に含ま
    れる前景オブジェクト成分を演算する演算ステップとを
    含むことを特徴とする請求項9に記載の画像処理方法。
  17. 【請求項17】 時間積分効果を有する所定数の画素を
    有する撮像素子によって取得された所定数の画素データ
    からなる画像データを処理するコンピュータに、 時間積分効果により前記画像データに形成された、前景
    オブジェクトを構成する前景オブジェクト成分からなる
    前景領域、および背景オブジェクトを構成する背景オブ
    ジェクト成分からなる背景領域により構成される非混合
    領域、並びに前記前景オブジェクト成分および前記背景
    オブジェクト成分が混合されてなる混合領域を特定する
    領域情報、並びに前記画像データに基づいて、前記前景
    領域における前記画素データであって、隣接する前記画
    素データとその値がほぼ等しい前記画素データからなる
    均等部を検出する均等部検出ステップと、 検出された前記均等部に基づいて、前記前景領域に生じ
    ている動きボケを除去する動きボケ除去ステップとを実
    行させるプログラム。
  18. 【請求項18】 前記均等部の位置に基づいて、複数の
    前記前景オブジェクト成分からなる処理単位を決定する
    処理単位決定ステップをさらに含み、 前記動きボケ除去ステップでは、前記処理単位毎に前記
    前景領域の動きボケが除去されることを特徴とする請求
    項17に記載のプログラム。
  19. 【請求項19】 前記処理単位決定ステップでは、前記
    均等部の前記画素データ以外の画素データであって、1
    つの直線上の、前記混合領域または前景領域に属する前
    記画素データに対応する処理単位が決定されることを特
    徴とする請求項18に記載のプログラム。
  20. 【請求項20】 前記前景領域、前記背景領域、または
    前記混合領域を特定する領域特定ステップをさらに含む
    ことを特徴とする請求項17に記載のプログラム。
  21. 【請求項21】 前記均等部検出ステップでは、前記画
    素データの差分としきい値とを比較することにより、前
    記均等部が検出されることを特徴とする請求項17に記
    載のプログラム。
  22. 【請求項22】 前記均等部検出ステップでは、前記前
    景オブジェクトの動き量に対応する画素の数以上の数の
    隣接する前記画素データからなる均等部が検出されるこ
    とを特徴とする請求項17に記載のプログラム。
  23. 【請求項23】 前記動きボケ除去ステップでは、動き
    ベクトルに対応した演算を適用することにより、記前景
    領域に生じている動きボケが除去されることを特徴とす
    る請求項17に記載のプログラム。
  24. 【請求項24】 前記動きボケ除去ステップは、前記処
    理単位および動きベクトルに対応するモデルを取得する
    モデル取得ステップと、 取得した前記モデルに基づいて、前記処理単位の前記画
    素データと、前記処理単位に含まれる前景オブジェクト
    成分との関係に対応する方程式を生成する方程式生成ス
    テップと、 生成された前記方程式に基づいて、前記処理単位に含ま
    れる前景オブジェクト成分を演算する演算ステップとを
    含むことを特徴とする請求項17に記載のプログラム。
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