JP2002312574A - 時価会計投資不動産評価システム、時価会計投資不動産評価方法および時価会計投資不動産評価プログラム - Google Patents

時価会計投資不動産評価システム、時価会計投資不動産評価方法および時価会計投資不動産評価プログラム

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JP2002312574A JP2001116829A JP2001116829A JP2002312574A JP 2002312574 A JP2002312574 A JP 2002312574A JP 2001116829 A JP2001116829 A JP 2001116829A JP 2001116829 A JP2001116829 A JP 2001116829A JP 2002312574 A JP2002312574 A JP 2002312574A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大量の投資不動産の時価評価を効率的にかつ
容易に行う。 【解決手段】 総収益チェックシステム1は、事例不動
産の属性に対応付けた標準的賃料水準と、調査対象不動
産の資料から算出した実際実質賃料とを比較し、実際実
質賃料が妥当な値であるかチェックする。総費用査定シ
ステム2は、不動産の属性に対応付けた格差率表に従っ
て、調査対象不動産毎に総費用を査定する。総合還元利
回り査定システム4は、利回りに関する基礎データと、
端末6から入力されるデータとに従って総合還元利回り
を査定する。端末6は、総収益と総費用とに基づく純収
益の査定、純収益と総合還元利回りとに基づく直接還元
法による収益価格の査定、および収益価格を用いた評価
調書の作成などを行ない、評価調書を印刷装置7により
出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、全国に大量に散ら
ばる企業の所有不動産(投資不動産)の時価評価を行う
時価会計投資不動産評価システム、時価会計投資不動産
評価方法および時価会計投資不動産評価プログラムに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、企業の所有不動産を評価する場
合、取得時点における価格を基準として不動産の資産価
値を評価していた。ところで、近い将来、時価会計を基
本的な考え方とする国際会計基準の浸透が十分予測され
る。これに伴い、企業は、所有不動産の時価評価を調査
する必要に迫られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来、
全国に大量に散らばる企業の所有不動産の時価評価を容
易に、かつ効率的に行うシステムは存在せず、人手によ
り個別評価するしかなかった。大量の不動産(投資不動
産)を人手で個別評価した場合には、評価額を決定する
までに時間がかかりすぎるとともに、担当者の判断によ
りバラツキが出るという問題があった。
【0004】この発明は上述した事情に鑑みてなされた
もので、大量の不動産の時価評価を効率的に、かつ容易
に行うことができる時価会計投資不動産評価システム、
時価会計投資不動産評価方法および時価会計投資不動産
評価プログラムを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述した問題点を解決す
るために、請求項1記載の発明では、調査対象不動産の
時価を評価する時価会計投資不動産評価システムであっ
て、前記調査対象不動産の実際総収益を算出する実際総
収益算出手段と、事例不動産の経費率から得られ、不動
産の属性差に対応付けられた経費率の格差率に基づい
て、前記調査対象不動産の経費率を決定する経費率決定
手段と、前記経費率決定手段により決定された経費率
と、前記実際総収益算出手段により算出された実際総収
益とに基づいて、前記調査対象不動産の総費用を査定す
る総費用査定手段と、前記実際総収益算出手段により算
出された実際総収益と、前記総費用査定手段により査定
された総費用とに基づいて、前記調査対象不動産の純収
益を査定する純収益査定手段と、前記事例不動産を含む
所定の不動産における利回りの地域格差及び個別格差に
基づいて、前記調査対象不動産の利回りを査定する利回
り査定手段と、少なくとも、前記純収益と前記総合還元
利回りとに基づいて、直接還元法により、前記調査対象
不動産の収益価格を査定する収益価格査定手段とを具備
することを特徴とする。
【0006】また、請求項2記載の発明では、請求項1
記載の時価会計投資不動産評価システムにおいて、前記
事例不動産の収支データに基づいて、前記調査対象不動
産の標準総収益を査定する標準総収益査定手段と、前記
標準総収益査定手段により査定された標準総収益と、前
記実際総収益算出手段により算出された実際総収益とを
比較し、実際実質賃料が妥当な値であるかを検証する総
収益チェック手段とを具備することを特徴とする。
【0007】また、請求項3記載の発明では、請求項1
または2記載の時価会計投資不動産評価システムにおい
て、前記利回り査定手段は、前記利回りの地域格差と相
関がある要因に関連付けられた、前記事例不動産の取引
利回りを含む所定の利回りに基づいて、調査対象地域の
基準となる利回りを査定する基準利回り査定手段と、前
記利回りの地域格差と相関がある都市指標に関連付けら
れた、前記所定の利回りに基づいて、前記調査対象地域
の基準となる利回りを検証する検証利回り査定手段と、
前記基準となる利回りに生じる差異の原因条件に関連付
けられた、前記事例不動産を含む所定の不動産の個別利
回り格差に基づいて、前記調査対象不動産の利回り格差
を査定する個別利回り格差査定手段と、前記基準利回り
査定手段により査定された基準となる利回りと、前記検
証利回り査定手段により査定された検証利回りとに基づ
いて決定された、前記調査対象地域の基準となる利回り
を、前記個別利回り格差査定手段により査定された、前
記調査対象不動産の利回り格差に基づいて補正し、前記
調査対象不動産の総合還元利回りを査定する総合還元利
回り査定手段とを具備することを特徴とする。
【0008】また、請求項4記載の発明では、請求項1
ないし3のいずれかに記載の時価会計投資不動産評価シ
ステムにおいて、前記調査対象不動産の収益価格を記載
した評価調書を作成する評価調書作成手段を具備するこ
とを特徴とする。
【0009】また、請求項5記載の発明では、請求項1
ないし4のいずれかに記載の時価会計投資不動産評価シ
ステムにおいて、前記事例不動産の属性および収支デー
タに基づいて生成された標準的な賃料を示す標準総収益
を、前記事例不動産の属性に対応付けて蓄積する標準総
収益蓄積手段を具備し、前記標準総収益査定手段は、前
記調査対象不動産の属性が合致する前記事例不動産の属
性に対応付けられている標準総収益を、前記調査対象不
動産の標準総収益とすることを特徴とする。
【0010】また、請求項6記載の発明では、請求項1
ないし5のいずれかに記載の時価会計投資不動産評価シ
ステムにおいて、前記事例不動産の属性および収支デー
タに基づいて、不動産の属性差に対応付けられた経費率
の格差率を蓄積する格差率蓄積手段を具備し、前記経費
率決定手段は、前記調査対象不動産の属性が合致する前
記不動産の属性差に対応付けられている経費率の格差率
に基づいて、前記調査対象不動産の経費率を決定するこ
とを特徴とする。
【0011】また、上述した問題点を解決するために、
請求項7記載の発明では、調査対象不動産の時価を評価
する時価会計投資不動産評価方法であって、前記調査対
象不動産の実際総収益を算出し、事例不動産の経費率か
ら得られ、不動産の属性差に対応付けられた経費率の格
差率に基づいて、前記調査対象不動産の経費率を決定
し、前記調査対象不動産の経費率と、前記調査対象不動
産の実際総収益とに基づいて、前記調査対象不動産の総
費用を査定し、前記調査対象不動産の実際総収益と、前
記調査対象不動産の総費用とに基づいて、前記調査対象
不動産の純収益を査定し、前記事例不動産を含む所定の
不動産における利回り地域格差及び個別格差に基づい
て、前記調査対象不動産の利回りを査定し、少なくと
も、前記純収益と前記総合還元利回りとに基づいて、直
接還元法により、前記調査対象不動産の収益価格を査定
することを特徴とする。
【0012】また、請求項8記載の発明では、請求項7
記載の時価会計投資不動産評価方法において、前記事例
不動産の収支データに基づいて、前記調査対象不動産の
標準総収益を査定し、前記調査対象不動産の標準総収益
と、前記調査対象不動産の実際総収益とを比較し、実際
実質賃料が妥当な値であるかを検証することを特徴とす
る。
【0013】また、請求項9記載の発明では、請求項7
または8記載の時価会計投資不動産評価方法において、
前記利回りの査定は、前記利回りの地域格差と相関があ
る要因に関連付けられた、前記事例不動産の取引利回り
を含む所定の利回りに基づいて、前記調査対象不動産の
基準となる利回りを査定し、前記利回りの地域格差と相
関がある都市指標に関連付けられた、前記所定の利回り
に基づいて、前記調査対象地域の検証利回りを査定し、
前記基準となる利回りに生じる差異の原因条件に関連付
けられた、前記事例不動産を含む所定の不動産の個別利
回り格差に基づいて、前記調査対象不動産の利回り格差
を査定し、前記基準となる利回りと前記検証利回りとに
基づいて前記調査対象地域の利回りを決定し、前記調査
対象地域の利回りを、前記調査対象不動産の個別利回り
格差に基づいて補正し、前記調査対象不動産の総合還元
利回りを査定することを特徴とする。
【0014】また、請求項10記載の発明では、請求項
7ないし9のいずれかに記載の時価会計投資不動産評価
方法において、前記事例不動産の属性および収支データ
を随時収集し、当該事例不動産の属性および収支データ
に基づいて、前記標準総収益を更新することを特徴とす
る。
【0015】また、請求項11記載の発明では、請求項
7ないし10のいずれかに記載の時価会計投資不動産評
価方法において、前記事例不動産の属性および収支デー
タに基づいて生成された、不動産の属性差に対応付けら
れた経費率の格差率に基づいて、前記調査対象不動産の
経費率を決定することを特徴とする。
【0016】また、請求項12記載の発明では、請求項
7ないし11のいずれかに記載の時価会計投資不動産評
価方法において、前記事例不動産の属性および収支デー
タを随時収集し、当該事例不動産の属性および収支デー
タに基づいて、前記経費率の格差率を更新することを特
徴とする。
【0017】また、請求項13記載の発明では、請求項
7ないし12のいずれかに記載の時価会計投資不動産評
価方法において、前記所定の不動産に対する投資家期待
利回りと取引利回りとを随時収集し、当該投資家期待利
回りと取引利回りとに基づいて、前記所定の不動産にお
ける利回りの地域格差及び個別格差の率を更新すること
を特徴とする。
【0018】また、上述した問題点を解決するために、
請求項14記載の発明では、調査対象不動産の実際総収
益を算出するステップと、事例不動産の経費率から得ら
れ、不動産の属性差に対応付けられた経費率の格差率に
基づいて、前記調査対象不動産の経費率を決定するステ
ップと、前記調査対象不動産の経費率と、前記調査対象
不動産の実際総収益とに基づいて、前記調査対象不動産
の総費用を査定するステップと、前記調査対象不動産の
実際総収益と、前記調査対象不動産の総費用とに基づい
て、前記調査対象不動産の純収益を査定するステップ
と、前記事例不動産を含む所定の不動産における利回り
の地域格差及び個別格差に基づいて、前記調査対象不動
産の利回りを査定するステップと、少なくとも、前記純
収益と前記総合還元利回りとに基づいて、直接還元法に
より、前記調査対象不動産の収益価格を査定するステッ
プとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0019】この発明では、実際総収益算出手段によ
り、調査対象不動産の実際総収益を算出し、経費率決定
手段により、事例不動産の経費率から得られ、不動産の
属性差に対応付けられた経費率の格差率に基づいて、前
記調査対象不動産の経費率を決定する。次いで、総費用
査定手段により、前記経費率決定手段により決定された
経費率と、前記実際総収益算出手段により算出された実
際総収益とに基づいて、前記調査対象不動産の総費用を
査定する。次いで、純収益査定手段により、前記実際総
収益算出手段により算出された実際総収益と、前記総費
用査定手段により査定された総費用とに基づいて、前記
調査対象不動産の純収益を査定する。次いで、利回り査
定手段により、前記事例不動産を含む所定の不動産にお
ける利回りの地域格差及び個別格差に基づいて、前記調
査対象不動産の利回りを査定する。そして、収益価格査
定手段により、少なくとも、前記純収益と前記総合還元
利回りとに基づいて、直接還元法により、前記調査対象
不動産の収益価格を査定する。したがって、事例不動産
の情報を活用することで、全国に散らばる大量の不動産
の時価評価を効率的に、かつ容易に行うことが可能とな
る。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
の形態を説明する。 A.実施形態の構成 図1は、本発明の実施形態による時価会計投資不動産評
価システムの構成を示す図である。図1において、総収
益チェックシステム1は、サーバなどのコンピュータか
らなり、アンケート調査等により収集した、実際の賃貸
用不動産(以下、事例不動産という)における収支デー
タを、事例不動産の属性(地域・建物規模・築年・類型
別など)により分類して、標準的な実際の賃料を示す標
準的賃料水準を、調査対象不動産の属性に基づいて取得
可能なようにテーブル化し、これらを事例不動産収支情
報データベース3に蓄積・管理する。上記情報の収集は
継続的に行われ、情報は随時更新される。
【0021】総費用査定システム2は、サーバなどのコ
ンピュータからなり、上記事例不動産の収支データを、
事例不動産の属性により分類して、標準的な(例えば、
平均的な)実際の経費率を決定するための格差率表を作
成し、これらを事例不動産収支情報データベース3に蓄
積・管理する。上記情報の収集は継続的に行われ、情報
は随時更新される。また、総費用査定システム2は、調
査対象不動産毎に、上記格差率表からそれぞれの属性
(地域区分、建物構造、建物階層、建物規模および建物
用途)毎の格差率を決定する。また、総費用査定システ
ム2は、調査対象不動産毎に、標準的な経費率に上記格
差率を乗算して経費率を算出し、当該経費率をそれぞれ
の総収益に乗算することにより総費用を査定する。
【0022】総合還元利回り査定システム4は、サーバ
などのコンピュータからなり、以下に説明する方法・手
順により収集された、利回りに関する基礎データを、利
回り情報データベース5に蓄積・管理する。利回りに関
する基礎データの収集方法・手順を例示すれば次の通り
である。まず、不動産投資家に対してオフィスビルに投
資することを想定した場合に期待する利回りを立地条件
・建物特性別に調査する。次いで、依頼目的が売却の賃
貸オフィスビルの鑑定評価について、実際の売却額を追
跡調査し、取引利回りを把握する。次いで、土地・建物
の鑑定評価額(積算価格)と査定賃料を記載した資料に
よる鑑定評価(積算価格)ベースの利回りを地域毎に把
握する。そして、複合不動産の取引事例にかかる利回り
(実際実質賃料が不明の場合には査定新規賃料による利
回り)を把握する。
【0023】上記総合還元利回り査定システム4は、調
査対象不動産毎に、上記利回り情報データベース5に蓄
積されている利回りに関する基礎データと、後述する端
末6から調査対象不動産毎に入力される、利回り査定を
行うためのデータとに従って、後述する手順により総合
還元利回りを査定する。
【0024】端末6は、パーソナルコンピュータなどの
情報処理装置からなり、キーボード、マウスなどの入力
装置、入力フォームやデータなどを表示する表示装置、
当該システムで最終的に出力される評価調書を印刷する
印刷装置7などを備えている。当該端末6は、総収益と
総費用とに基づく総収益の査定、純収益と総合還元利回
りとに基づく直接還元法による収益価格の査定、および
収益価格を用いた評価調書の作成などを行ない、最終的
に、評価調書を印刷装置7により出力する。
【0025】上述した総収益チェックシステム1、総費
用査定システム2、総合還元利回り査定システム4およ
び端末6は、LANなどのネットワーク10により相互
にデータの送受信、データの共有を行うことができるよ
うになっている。
【0026】また、上述した総収益チェックシステム
1、総費用査定システム2、総合還元利回り査定システ
ム4および端末6の機能は、図示しない記憶部に記憶さ
れたプログラムを実行することで実現するようになって
いる。記憶部は、ハードディスク装置や光磁気ディスク
装置、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリやRAM
(Random Access Memory)のような揮発性のメモリ、あ
るいはこれらの組み合わせにより構成されるものとす
る。また、上記記憶部とは、インターネット等のネット
ワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送
信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュー
タシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一
定時間プログラムを保持しているものも含む。
【0027】また、上記プログラムは、このプログラム
を記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝
送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により
他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここ
で、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネ
ット等のネットワークや電話回線等の通信回線のように
情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、
上記プログラムは、上述した処理の一部を実現するため
のものであってもよい。さらに、上述した処理を総収益
チェックシステム1、総費用査定システム2、総合還元
利回り査定システム4および端末6に既に記録されてい
るプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆ
る差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0028】次に、図2は、上述した事例不動産収支情
報データベース3のデータ構成を説明するための概念図
である。事例不動産収支情報データベース3には、デー
タ番号、契約条件項目、備考、土地関連項目、建物関連
項目および都市関連項目からなる事例不動産収支データ
が蓄積される。データ番号は、事例不動産を識別するた
めに付された一連の番号である。契約条件項目は、事例
不動産の賃貸契約上におけるデータであり、支払賃料、
一時金、契約期間および経費率からなる。備考は、コメ
ント欄である。土地関連項目は、事例不動産の土地に関
するデータであり、地価水準、公法上の規制、街路条件
および画地条件からなる。建物関連項目は、事例不動産
の建物に関するデータであり、建物価格、構造、用途、
階層、築年および数量からなる。土地関連項目は、地域
区分、都市名および人口区分からなる。
【0029】次に、図3は、上述した事例不動産収支デ
ータから算出した標準的賃料水準の一例を示す概念図で
ある。総収益チェックシステム1は、図2に示す事例不
動産収支データを、図3に示すように、不動産の属性
(地域区分、都市人口区分、建物用途区分、建物築年区
分)により分類し、それぞれの項目条件に合致する事例
不動産の実際の平均的な賃料を算出し、標準的賃料水準
としてテーブル化する。図3に示すテーブルを参照する
ことで、調査対象不動産に対する標準的賃料水準を取得
することができる。
【0030】次に、図4は、上述した総費用査定システ
ム2により作成された、調査対象不動産毎に決定する経
費率を算出するための格差率表群の一例を示す概念図で
ある。図示する格差率表は、図2に示す事例不動産収支
データから作成されたもので、不動産の属性差に対応付
けられた標準的な経費率の格差率を示す。地域区分は、
関東の格差率を「1.00」としたときの他の地域にお
ける格差率を示している。建物構造は、RC構造の格差
率を「1.00」としたときの他の構造(例えばSRC
構造)の格差率を示している。建物階層は、(3階以
上)6階未満の格差率を「1.00」としたときの他の
階層における格差率を示している。建物規模は、延べ床
面積(1000m2以上)2000m2未満の格差率を
「1.00」としたときの他の延べ床面積における格差
率を示している。そして、建物用途は、事務所の格差率
を「1.00」としたときの他の用途、この場合、店舗
における格差率を示している。
【0031】総費用査定システム2は、調査対象不動産
の各々に対し、図4に示す格差率表の各々から、それぞ
れの属性(地域区分、建物構造、建物階層、建物規模お
よび建物用途)が合致する属性に対応付けられている格
差率を取得し、それら格差率を標準的な経費率に乗算す
ることで経費率を決定し、それぞれの総収益に経費率を
乗算することにより総費用を査定する。
【0032】B.実施形態の動作 次に、図5および図6に示すフローチャートを参照して
本実施形態の動作について詳細に説明する。オペレータ
は、調査対象不動産の物的確認にかかる資料(登記簿謄
本、地積測量図、建物図面等)および総収益・総費用に
かかる資料を収集し、これら資料を参照して、端末6か
ら、図2に示す調査対象不動産の属性・収支データを入
力する(ステップS1)。次いで、収集した資料から、
各調査対象不動産の数量および類型(貸家及びその敷
地、借地権付建物、区分所有建物及びその敷地等)等を
確定する(ステップS2)。
【0033】次に、上記収集した資料に従って、各調査
対象不動産に本システムが適用可能であるか否かを判断
する(ステップS3)。そして、調査対象不動産のう
ち、土地建物にかかる権利関係が錯綜しているもの、契
約内容が特殊なもの、既存不適格建築物、最有効使用か
ら大きく乖離した建築物等は、個別性が強いため本シス
テムによる大量評価に馴染まないと判断し(ステップS
3で「否」)、適用不可として個別に通常の鑑定評価等
で対応する(ステップS4)。一方、本システムに適用
可能であると判断されたものについては(ステップS3
で「可」)、前述した各種資料に従って、各調査対象不
動産の総収益(実際実質賃料)を算出する(ステップS
5)。なお、資料が不十分で実際実質賃料を算出できな
い調査対象不動産に関しては、次の総収益チェックシス
テム1で取得した標準的賃料水準を、当該調査対象不動
産の総収益とする。
【0034】次いで、総収益チェックシステム1では、
事例不動産収支情報データベース3に蓄積されている、
図3に示す標準的賃料水準テーブルを参照し、各調査対
象不動産の属性(地域区分、都市人口区分、建物用途区
分、建物築年区分)に合致する属性の標準的賃料水準
を、各調査対象不動産に対する標準的賃料水準として取
得する(ステップS6)。次いで、総収益チェックシス
テム1では、上記ステップS5で算出した実際実質賃料
と上記標準的賃料水準とを比較し、双方の差(開差率)
が所定値(α)より大きいか否かを判断する(ステップ
S7)。具体的には、開差率=|1−(実際実質賃料/
標準的賃料水準)|なる演算により開差率を算出し、予
め設定された所定値αより大きいか否かを判断する。そ
して、開差率>αである場合には(ステップS7で「Y
ES」)、実際実質賃料が特殊であり、正常水準を大き
く上回るものと判断し、警告を発する(ステップS8)
とともに、実際実質賃料を正常な水準にまで補正する。
一方、双方の差が所定値α以下であれば(ステップS7
で「NO」)、実際実質賃料は標準的であると判断して
次へ進む。
【0035】次いで、総費用査定システム2では、事例
不動産収支情報データベース3に蓄積されている、図4
に示す格差率表群から、調査対象不動産の各々に対し、
それぞれの属性(地域区分、建物構造、建物階層、建物
規模および建物用途)に従って格差率を取得し、それら
格差率を標準的な経費率に乗算することで経費率を決定
する(ステップS9)。次いで、各調査対象不動産の総
収益に、それぞれに対応する経費率を乗算することで、
各調査対象不動産の総費用を査定する(ステップS1
0)。端末6では、上記総収益から上記総費用を減算す
ることによって各調査対象不動産の純収益を査定する
(ステップS11)。
【0036】次いで、総合還元利回り査定システム4で
各調査対象不動産の総合還元利回りを査定するために、
端末6から各調査対象不動産の利回り査定に関する各種
データを入力する(ステップS12)。総合還元利回り
査定システムでは、利回り情報データベース5に蓄積さ
れた利回りに関する基礎データおよび上記入力データに
従って、各調査対象不動産の総合還元利回りを査定する
(ステップS13)。以下、調査対象不動産の総合還元
利回りを査定手順について詳細に説明する。
【0037】総合還元利回り査定システムは、地域の
「基準となる利回り」の査定、「基準となる利回り」
に対する各調査対象不動産の利回り格差の査定、各調
査対象不動産の総合還元利回りの査定、という順に行
う。ここで、図7ないし図9は、上記利回り査定に関す
るデータを入力するための入力シート、入力時に用いら
れる算定表などの例を示す概念図である。入力シート
は、紙媒体であっても、端末の表示画面に、上記利回り
に関するデータを入力可能に表示されたものであっても
よい。紙媒体に記入された場合には、オペレータによっ
て端末6から入力される。以下、上記〜の順に説明
する。
【0038】まず、オペレータは、「基準となる利回
り」を算定するために、各調査対象不動産に対して、図
7(b)に一例を示す採用数値の目安を参考にして、図
7(a)に示す入力シートの「賃料の変動率」と「資産
流動性」を点数化し入力する。なお、図7(b)におい
て、「賃料の変動率」のケースa〜ケースeには、上昇
傾向顕著、…、下落傾向顕著というように段階的に割り
当てられており、「資産流動性」のケースa〜ケースe
には、買い手多数、…、買い手不在というように段階的
に割り当てられている。
【0039】図7(a)に示す例では、「賃料の変動
率」に、それぞれ、7,12,3,1,15(点)と入
力し、「資産流動性」に、7,3,5,3,10(点)
と入力している。総合還元利回り査定システム4では、
上記「賃料の変動率」の入力点数と「資産流動性」の入
力点数とを、調査対象不動産毎に合計し、「入力値合
計」を算出する。
【0040】次いで、合計得点と利回りとを対応付け
た、図7(c)に示す算定表に従って、調査対象不動産
毎に、図7(a)に示す入力シートの「入力値合計」か
ら利回りを決定する。当該利回りは、図7(a)に示す
入力シートの「査定結果」となる。なお、図7(b)に
示す採用数値の目安、および図7(c)に示す算定表
は、利回り情報データベース5に蓄積されている、利回
りに関する基礎データに従って予め作成されたものであ
る。すなわち、都市・地域について、利回りと相関があ
るものと推察される要因(賃料の変動率、資産流動性な
ど)を、既に取引が行なわれた不動産(事例不動産)の
様々なデータを参考にして数値(スコア)化し、これを
合計して総合得点を求める。次いで、当該総合得点を任
意に一定のレンジで区分し、当該区分毎に上記不動産の
平均利回りを査定することで、上述した採用数値の目
安、および算定表を得ている。
【0041】次いで、総合還元利回り査定システム4で
は、「基準となる利回り」の検証を行う。利回りの格差
と相関があるものと推察される都市指標について、任意
にレンジを分け、当該区分毎に、利回り情報データベー
ス5に蓄積されている、利回りに関する基礎データを用
いて平均利回りを査定する。都市指標としては、市内総
生産、非木造着工建築物の建築述べ床面積、土地取引件
数、企業倒産件数、法人所得、大型小売店販売額、地価
変動率等がある。実際には、この中からいくつか有意な
ものを採用する。次いで、調査対象不動産が所在する都
市・地域について、採用された都市指標の数値を調査
し、当該都市指標の数値が当てはまる区分の平均利回り
を参考として、上述した「基準となる利回り」を検証す
る。以下、具体的に説明する。
【0042】オペレータは、各調査対象不動産に対し
て、図8(a)に示す入力シートの「調査対象地域の数
値」を入力する。「調査対象地域の数値」とは、例え
ば、指標名Aが「市内総生産」であれば、調査対象不動
産が所在する市における市内総生産額を入力する。ま
た、指標名Bが「法人所得」であれば、調査対象不動産
が所在する地域における法人所得額を入力する。また、
指標名Cが「地価水準」であれば、調査対象不動産が所
在する地域における地価水準(単価)を入力する。
【0043】総合還元利回り査定システム4では、図8
(b)に示す算定表に従って、図8(a)に示す入力シ
ートの「調査対象地域の数値」から、各都市指標による
「利回り」=査定結果を決定する。次いで、それらの査
定結果の平均値を算出し、検証数値(検証利回り)とす
る。なお、図8(b)に示す算定表は、利回り情報デー
タベース5に蓄積されている、利回りに関する基礎デー
タに従って予め作成されたものである。例えば、図示の
指標名Aが市内総生産であれば、「50億円未満」、
「50〜150億円」、「150億円以上」というよう
に区分される。そして、各区分に対して該当する基礎デ
ータの利回り平均値が設定されている。当該算定表は、
例えば、1年毎に更新される。
【0044】次に、総合還元利回り査定システム4で
は、「基準となる利回り」に対する各調査対象不動産の
個別利回り格差を査定する。まず、オペレータは、図9
(a)に示す入力シートの調査対象不動産の「基準とな
る利回り」の欄に、前述した図7(a)で算出された査
定結果(算定数値)と、図8(a)で算出された検証数
値とを考慮し、各調査対象不動産に採用すべき利回りを
「採用数値」として入力する。図示の例では、図7
(a)で算出された査定結果(算定数値)の値を採用し
ている。
【0045】ところで、各都市・地域における「基準と
なる利回り」に対して、個別の不動産の利回りに差異が
生じる要因は、立地条件、建物条件、契約条件の
3つに大別される。そこで、図9(a)に示す入力シー
トの調査対象不動産の「個別利回り格差」の欄に、調査
対象不動産毎に、各条件に対する「判定コード」を入力
する。このとき、それぞれの条件毎に、図9(b)に示
す判定表を参照にする。すなわち、条件A(=立地条
件)であれば、調査対象不動産の立地条件が「優る」で
あれば、「判定コード」として「1」を入力し、「標
準」であれば「2」を、「劣る」であれば「3」を入力
する。条件B(=建物条件)、条件C(=契約条件)に
ついても、条件A(=立地条件)と同様に、それぞれの
判定表を参照して入力する。なお、図9(b)に示す算
定表は、利回り情報データベース5に蓄積されている、
利回りに関する基礎データに従って予め作成されたもの
である。当該算定表は、例えば、1年毎に更新される。
総合還元利回り査定システム4では、各調査対象不動産
に対して、「基準となる利回り」の「採用数値」に、
「個別利回り格差」の合計値を加減し、最終的な個別利
回りを算出する。以上の処理により、図6に示す総合還
元利回り(最終的な個別利回り)が査定されたことにな
る。
【0046】次に、端末6では、各不動産の純収益およ
び総合還元利回りを用いて、直接還元法により、各調査
対象不動産の収益価格を査定する(ステップS14)。
直接還元法は、収益還元法の1つであり、還元利回りで
単年度の純収益を還元して求めるものである。直接還元
法の考え方は、各時点(各年)の純収益を把握し、
個々の発生純収益の現在価値を査定し(各時点の純収益
を割り引く)、上記の総和を求めることで価格を求
めるものである。各調査対象不動産の収益価格が得られ
ると、次に、端末6では、各調査対象不動産の価格を記
載した評価調書(各調査対象不動産の調査結果の概要を
まとめた総括表、および各調査対象不動産の査定内容の
詳細を記載した調書)を作成し(ステップS15)、印
刷装置7で印刷する。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
実際総収益算出手段により、調査対象不動産の実際総収
益を算出し、経費率決定手段により、事例不動産の経費
率から得られ、不動産の属性差に対応付けられた経費率
の格差率に基づいて、前記調査対象不動産の経費率を決
定し、総費用査定手段により、前記経費率と前記実際総
収益とに基づいて前記調査対象不動産の総費用を査定
し、純収益査定手段により、前記実際総収益と前記総費
用とに基づいて、前記調査対象不動産の純収益を査定
し、利回り査定手段により、前記事例不動産を含む所定
の不動産における地域格差及び個別格差に基づいて、前
記調査対象不動産の利回りを査定した後、収益価格査定
手段により、少なくとも、前記純収益と前記総合還元利
回りとに基づいて、直接還元法により、前記調査対象不
動産の収益価格を査定するようにしたので、事例不動産
等の情報を活用することで、全国に散らばる大量の不動
産の時価評価を効率的に、かつ容易に行うことができる
という利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態による時価会計投資不動産
評価システムの構成を示す図である。
【図2】 本実施形態による事例不動産収支データベー
スのデータ構成を説明するための概念図である。
【図3】 本実施形態による事例不動産収支データから
算出した標準的賃料水準の一例を示す概念図である。
【図4】 本実施形態による総費用査定システムにより
作成された、調査対象不動産毎に決定する経費率を算出
するためのテーブル群の一例を示す概念図である。
【図5】 本実施形態の動作を説明するためのフローチ
ャートである。
【図6】 本実施形態の動作を説明するためのフローチ
ャートである。
【図7】 利回り査定に関するデータを入力するための
入力シート、入力時に用いられる算定表などの例を示す
概念図である。
【図8】 利回り査定に関するデータを入力するための
入力シート、入力時に用いられる算定表などの例を示す
概念図である。
【図9】 利回り査定に関するデータを入力するための
入力シート、入力時に用いられる算定表などの例を示す
概念図である。
【符号の説明】
1 総収益チェックシステム(標準総収益査定手段、総
収益チェック手段) 2 総費用査定システム(経費率決定手段、総費用査定
手段) 3 事例不動産収支情報データベース(標準総収益蓄積
手段、格差率蓄積手段) 4 総合還元利回り査定システム(利回り査定手段、基
準利回り査定手段、検証利回り査定手段、個別利回り格
差査定手段、総合還元利回り査定手段) 5 利回り情報データベース 6 端末(実際総収益算出手段、純収益査定手段、収益
価格査定手段、評価調書作成手段) 7 印刷装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中山 献 東京都港区虎ノ門1丁目3番2号 財団法 人日本不動産研究所内 (72)発明者 中村 剛 東京都港区虎ノ門1丁目3番2号 財団法 人日本不動産研究所内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 調査対象不動産の時価を評価する時価会
    計投資不動産評価システムであって、 前記調査対象不動産の実際総収益を算出する実際総収益
    算出手段と、 事例不動産の経費率から得られ、不動産の属性差に対応
    付けられた経費率の格差率に基づいて、前記調査対象不
    動産の経費率を決定する経費率決定手段と、 前記経費率決定手段により決定された経費率と、前記実
    際総収益算出手段により算出された実際総収益とに基づ
    いて、前記調査対象不動産の総費用を査定する総費用査
    定手段と、 前記実際総収益算出手段により算出された実際総収益
    と、前記総費用査定手段により査定された総費用とに基
    づいて、前記調査対象不動産の純収益を査定する純収益
    査定手段と、 前記事例不動産を含む所定の不動産における利回りの地
    域格差及び個別格差に基づいて、前記調査対象不動産の
    利回りを査定する利回り査定手段と、 少なくとも、前記純収益と前記総合還元利回りとに基づ
    いて、直接還元法により、前記調査対象不動産の収益価
    格を査定する収益価格査定手段とを具備することを特徴
    とする時価会計投資不動産評価システム。
  2. 【請求項2】 前記事例不動産の収支データに基づい
    て、前記調査対象不動産の標準総収益を査定する標準総
    収益査定手段と、 前記標準総収益査定手段により査定された標準総収益
    と、前記実際総収益算出手段により算出された実際総収
    益とを比較し、実際実質賃料が妥当な値であるかを検証
    する総収益チェック手段とを具備することを特徴とする
    請求項1記載の時価会計投資不動産評価システム。
  3. 【請求項3】 前記利回り査定手段は、 前記利回りの地域格差と相関がある要因に関連付けられ
    た、前記事例不動産の取引利回りを含む所定の利回りに
    基づいて、調査対象地域の基準となる利回りを査定する
    基準利回り査定手段と、 前記利回りの地域格差と相関がある都市指標に関連付け
    られた、前記所定の利回りに基づいて、前記調査対象地
    域の基準となる利回りを検証する検証利回り査定手段
    と、 前記基準となる利回りに生じる差異の原因条件に関連付
    けられた、前記事例不動産を含む所定の不動産の個別利
    回り格差に基づいて、前記調査対象不動産の利回り格差
    を査定する個別利回り格差査定手段と、 前記基準利回り査定手段により査定された基準となる利
    回りと、前記検証利回り査定手段により査定された検証
    利回りとに基づいて決定された、前記調査対象地域の基
    準となる利回りを、前記個別利回り格差査定手段により
    査定された、前記調査対象不動産の利回り格差に基づい
    て補正し、前記調査対象不動産の総合還元利回りを査定
    する総合還元利回り査定手段とを具備することを特徴と
    する請求項1または2記載の時価会計投資不動産評価シ
    ステム。
  4. 【請求項4】 前記調査対象不動産の収益価格を記載し
    た評価調書を作成する評価調書作成手段を具備すること
    を特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の時価
    会計投資不動産評価システム。
  5. 【請求項5】 前記事例不動産の属性および収支データ
    に基づいて生成された標準的な賃料を示す標準総収益
    を、前記事例不動産の属性に対応付けて蓄積する標準総
    収益蓄積手段を具備し、 前記標準総収益査定手段は、前記調査対象不動産の属性
    が合致する前記事例不動産の属性に対応付けられている
    標準総収益を、前記調査対象不動産の標準総収益とする
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の
    時価会計投資不動産評価システム。
  6. 【請求項6】 前記事例不動産の属性および収支データ
    に基づいて、不動産の属性差に対応付けられた経費率の
    格差率を蓄積する格差率蓄積手段を具備し、前記経費率
    決定手段は、前記調査対象不動産の属性が合致する前記
    不動産の属性差に対応付けられている経費率の格差率に
    基づいて、前記調査対象不動産の経費率を決定すること
    を特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の時価
    会計投資不動産評価システム。
  7. 【請求項7】 調査対象不動産の時価を評価する時価会
    計投資不動産評価方法であって、 前記調査対象不動産の実際総収益を算出し、 事例不動産の経費率から得られ、不動産の属性差に対応
    付けられた経費率の格差率に基づいて、前記調査対象不
    動産の経費率を決定し、 前記調査対象不動産の経費率と、前記調査対象不動産の
    実際総収益とに基づいて、前記調査対象不動産の総費用
    を査定し、 前記調査対象不動産の実際総収益と、前記調査対象不動
    産の総費用とに基づいて、前記調査対象不動産の純収益
    を査定し、 前記事例不動産を含む所定の不動産における利回りの地
    域格差及び個別格差に基づいて、前記調査対象不動産の
    利回りを査定し、 少なくとも、前記純収益と前記総合還元利回りとに基づ
    いて、直接還元法により、前記調査対象不動産の収益価
    格を査定することを特徴とする時価会計投資不動産評価
    方法。
  8. 【請求項8】 前記事例不動産の収支データに基づい
    て、前記調査対象不動産の標準総収益を査定し、 前記調査対象不動産の標準総収益と、前記調査対象不動
    産の実際総収益とを比較し、実際実質賃料が妥当な値で
    あるかを検証することを特徴とする請求項7記載の時価
    会計投資不動産評価方法。
  9. 【請求項9】 前記利回りの査定は、 前記利回りの地域格差と相関がある要因に関連付けられ
    た、前記事例不動産の取引利回りを含む所定の利回りに
    基づいて、前記調査対象不動産の基準となる利回りを査
    定し、 前記利回りの地域格差と相関がある都市指標に関連付け
    られた、前記所定の利回りに基づいて、前記調査対象地
    域の検証利回りを査定し、 前記基準となる利回りに生じる差異の原因条件に関連付
    けられた、前記事例不動産を含む所定の不動産の個別利
    回り格差に基づいて、前記調査対象不動産の利回り格差
    を査定し、 前記基準となる利回りと前記検証利回りとに基づいて前
    記調査対象地域の利回りを決定し、 前記調査対象地域の利回りを、前記調査対象不動産の個
    別利回り格差に基づいて補正し、前記調査対象不動産の
    総合還元利回りを査定することを特徴とする請求項7ま
    たは8記載の時価会計投資不動産評価方法。
  10. 【請求項10】 前記事例不動産の属性および収支デー
    タを随時収集し、当該事例不動産の属性および収支デー
    タに基づいて、前記標準総収益を更新することを特徴と
    する請求項7ないし9のいずれかに記載の時価会計投資
    不動産評価方法。
  11. 【請求項11】 前記事例不動産の属性および収支デー
    タに基づいて生成された、不動産の属性差に対応付けら
    れた経費率の格差率に基づいて、前記調査対象不動産の
    経費率を決定することを特徴とする請求項7ないし10
    のいずれかに記載の時価会計投資不動産評価方法。
  12. 【請求項12】 前記事例不動産の属性および収支デー
    タを随時収集し、当該事例不動産の属性および収支デー
    タに基づいて、前記経費率の格差率を更新することを特
    徴とする請求項7ないし11のいずれかに記載の時価会
    計投資不動産評価方法。
  13. 【請求項13】 前記所定の不動産に対する投資家期待
    利回りと取引利回りとを随時収集し、当該投資家期待利
    回りと取引利回りとに基づいて、前記所定の不動産にお
    ける利回りの地域格差及び個別格差の率を更新すること
    を特徴とする請求項7ないし12のいずれかに記載の時
    価会計投資不動産評価方法。
  14. 【請求項14】 調査対象不動産の実際総収益を算出す
    るステップと、 事例不動産の経費率から得られ、不動産の属性差に対応
    付けられた経費率の格差率に基づいて、前記調査対象不
    動産の経費率を決定するステップと、 前記調査対象不動産の経費率と、前記調査対象不動産の
    実際総収益とに基づいて、前記調査対象不動産の総費用
    を査定するステップと、 前記調査対象不動産の実際総収益と、前記調査対象不動
    産の総費用とに基づいて、前記調査対象不動産の純収益
    を査定するステップと、 前記事例不動産を含む所定の不動産における利回りの地
    域格差及び個別格差に基づいて、前記調査対象不動産の
    利回りを査定するステップと、 少なくとも、前記純収益と前記総合還元利回りとに基づ
    いて、直接還元法により、前記調査対象不動産の収益価
    格を査定するステップとをコンピュータに実行させるこ
    とを特徴とする時価会計投資不動産評価プログラム。
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