JP4721544B2 - 時価会計投資不動産評価システム、時価会計投資不動産評価方法および時価会計投資不動産評価プログラム - Google Patents

時価会計投資不動産評価システム、時価会計投資不動産評価方法および時価会計投資不動産評価プログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、全国に大量に散らばる企業の所有不動産(投資不動産)の時価評価を行う時価会計投資不動産評価システム、時価会計投資不動産評価方法および時価会計投資不動産評価プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、企業の所有不動産を評価する場合、取得時点における価格を基準として不動産の資産価値を評価していた。ところで、近い将来、時価会計を基本的な考え方とする国際会計基準の浸透が十分予測される。これに伴い、企業は、所有不動産の時価評価を調査する必要に迫られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来、全国に大量に散らばる企業の所有不動産の時価評価を容易に、かつ効率的に行うシステムは存在せず、人手により個別評価するしかなかった。大量の不動産(投資不動産)を人手で個別評価した場合には、評価額を決定するまでに時間がかかりすぎるとともに、担当者の判断によりバラツキが出るという問題があった。
【0004】
この発明は上述した事情に鑑みてなされたもので、大量の不動産の時価評価を効率的に、かつ容易に行うことができる時価会計投資不動産評価システム、時価会計投資不動産評価方法および時価会計投資不動産評価プログラムを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述した問題点を解決するために、請求項1記載の発明では、調査対象不動産の時価を評価する時価会計投資不動産評価システムであって、前記調査対象不動産の実際総収益を算出する実際総収益算出手段と、事例不動産の経費率から得られ、不動産の属性差に対応付けられた経費率の格差率に基づいて、前記調査対象不動産の経費率を決定する経費率決定手段と、前記経費率決定手段により決定された経費率と、前記実際総収益算出手段により算出された実際総収益とに基づいて、前記調査対象不動産の総費用を査定する総費用査定手段と、前記実際総収益算出手段により算出された実際総収益と、前記総費用査定手段により査定された総費用とに基づいて、前記調査対象不動産の純収益を査定する純収益査定手段と、前記事例不動産を含む所定の不動産における利回りの地域格差及び個別格差に基づいて、前記調査対象不動産の利回りを査定する利回り査定手段と、少なくとも、前記純収益と前記総合還元利回りとに基づいて、直接還元法により、前記調査対象不動産の収益価格を査定する収益価格査定手段とを具備することを特徴とする。
【0006】
また、請求項2記載の発明では、請求項1記載の時価会計投資不動産評価システムにおいて、前記事例不動産の収支データに基づいて、前記調査対象不動産の標準総収益を査定する標準総収益査定手段と、前記標準総収益査定手段により査定された標準総収益と、前記実際総収益算出手段により算出された実際総収益とを比較し、実際実質賃料が妥当な値であるかを検証する総収益チェック手段とを具備することを特徴とする。
【0007】
また、請求項3記載の発明では、請求項1または2記載の時価会計投資不動産評価システムにおいて、前記利回り査定手段は、前記利回りの地域格差と相関がある要因に関連付けられた、前記事例不動産の取引利回りを含む所定の利回りに基づいて、調査対象地域の基準となる利回りを査定する基準利回り査定手段と、前記利回りの地域格差と相関がある都市指標に関連付けられた、前記所定の利回りに基づいて、前記調査対象地域の基準となる利回りを検証する検証利回り査定手段と、前記基準となる利回りに生じる差異の原因条件に関連付けられた、前記事例不動産を含む所定の不動産の個別利回り格差に基づいて、前記調査対象不動産の利回り格差を査定する個別利回り格差査定手段と、前記基準利回り査定手段により査定された基準となる利回りと、前記検証利回り査定手段により査定された検証利回りとに基づいて決定された、前記調査対象地域の基準となる利回りを、前記個別利回り格差査定手段により査定された、前記調査対象不動産の利回り格差に基づいて補正し、前記調査対象不動産の総合還元利回りを査定する総合還元利回り査定手段とを具備することを特徴とする。
【0008】
また、請求項4記載の発明では、請求項1ないし3のいずれかに記載の時価会計投資不動産評価システムにおいて、前記調査対象不動産の収益価格を記載した評価調書を作成する評価調書作成手段を具備することを特徴とする。
【0009】
また、請求項5記載の発明では、請求項1ないし4のいずれかに記載の時価会計投資不動産評価システムにおいて、前記事例不動産の属性および収支データに基づいて生成された標準的な賃料を示す標準総収益を、前記事例不動産の属性に対応付けて蓄積する標準総収益蓄積手段を具備し、前記標準総収益査定手段は、前記調査対象不動産の属性が合致する前記事例不動産の属性に対応付けられている標準総収益を、前記調査対象不動産の標準総収益とすることを特徴とする。
【0010】
また、請求項6記載の発明では、請求項1ないし5のいずれかに記載の時価会計投資不動産評価システムにおいて、前記事例不動産の属性および収支データに基づいて、不動産の属性差に対応付けられた経費率の格差率を蓄積する格差率蓄積手段を具備し、前記経費率決定手段は、前記調査対象不動産の属性が合致する前記不動産の属性差に対応付けられている経費率の格差率に基づいて、前記調査対象不動産の経費率を決定することを特徴とする。
【0011】
また、上述した問題点を解決するために、請求項7記載の発明では、調査対象不動産の時価を評価する時価会計投資不動産評価方法であって、前記調査対象不動産の実際総収益を算出し、事例不動産の経費率から得られ、不動産の属性差に対応付けられた経費率の格差率に基づいて、前記調査対象不動産の経費率を決定し、前記調査対象不動産の経費率と、前記調査対象不動産の実際総収益とに基づいて、前記調査対象不動産の総費用を査定し、前記調査対象不動産の実際総収益と、前記調査対象不動産の総費用とに基づいて、前記調査対象不動産の純収益を査定し、前記事例不動産を含む所定の不動産における利回り地域格差及び個別格差に基づいて、前記調査対象不動産の利回りを査定し、少なくとも、前記純収益と前記総合還元利回りとに基づいて、直接還元法により、前記調査対象不動産の収益価格を査定することを特徴とする。
【0012】
また、請求項8記載の発明では、請求項7記載の時価会計投資不動産評価方法において、前記事例不動産の収支データに基づいて、前記調査対象不動産の標準総収益を査定し、前記調査対象不動産の標準総収益と、前記調査対象不動産の実際総収益とを比較し、実際実質賃料が妥当な値であるかを検証することを特徴とする。
【0013】
また、請求項9記載の発明では、請求項7または8記載の時価会計投資不動産評価方法において、前記利回りの査定は、前記利回りの地域格差と相関がある要因に関連付けられた、前記事例不動産の取引利回りを含む所定の利回りに基づいて、前記調査対象不動産の基準となる利回りを査定し、前記利回りの地域格差と相関がある都市指標に関連付けられた、前記所定の利回りに基づいて、前記調査対象地域の検証利回りを査定し、前記基準となる利回りに生じる差異の原因条件に関連付けられた、前記事例不動産を含む所定の不動産の個別利回り格差に基づいて、前記調査対象不動産の利回り格差を査定し、前記基準となる利回りと前記検証利回りとに基づいて前記調査対象地域の利回りを決定し、前記調査対象地域の利回りを、前記調査対象不動産の個別利回り格差に基づいて補正し、前記調査対象不動産の総合還元利回りを査定することを特徴とする。
【0014】
また、請求項10記載の発明では、請求項7ないし9のいずれかに記載の時価会計投資不動産評価方法において、前記事例不動産の属性および収支データを随時収集し、当該事例不動産の属性および収支データに基づいて、前記標準総収益を更新することを特徴とする。
【0015】
また、請求項11記載の発明では、請求項7ないし10のいずれかに記載の時価会計投資不動産評価方法において、前記事例不動産の属性および収支データに基づいて生成された、不動産の属性差に対応付けられた経費率の格差率に基づいて、前記調査対象不動産の経費率を決定することを特徴とする。
【0016】
また、請求項12記載の発明では、請求項7ないし11のいずれかに記載の時価会計投資不動産評価方法において、前記事例不動産の属性および収支データを随時収集し、当該事例不動産の属性および収支データに基づいて、前記経費率の格差率を更新することを特徴とする。
【0017】
また、請求項13記載の発明では、請求項7ないし12のいずれかに記載の時価会計投資不動産評価方法において、前記所定の不動産に対する投資家期待利回りと取引利回りとを随時収集し、当該投資家期待利回りと取引利回りとに基づいて、前記所定の不動産における利回りの地域格差及び個別格差の率を更新することを特徴とする。
【0018】
また、上述した問題点を解決するために、請求項14記載の発明では、調査対象不動産の実際総収益を算出するステップと、事例不動産の経費率から得られ、不動産の属性差に対応付けられた経費率の格差率に基づいて、前記調査対象不動産の経費率を決定するステップと、前記調査対象不動産の経費率と、前記調査対象不動産の実際総収益とに基づいて、前記調査対象不動産の総費用を査定するステップと、前記調査対象不動産の実際総収益と、前記調査対象不動産の総費用とに基づいて、前記調査対象不動産の純収益を査定するステップと、前記事例不動産を含む所定の不動産における利回りの地域格差及び個別格差に基づいて、前記調査対象不動産の利回りを査定するステップと、少なくとも、前記純収益と前記総合還元利回りとに基づいて、直接還元法により、前記調査対象不動産の収益価格を査定するステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0019】
この発明では、実際総収益算出手段により、調査対象不動産の実際総収益を算出し、経費率決定手段により、事例不動産の経費率から得られ、不動産の属性差に対応付けられた経費率の格差率に基づいて、前記調査対象不動産の経費率を決定する。次いで、総費用査定手段により、前記経費率決定手段により決定された経費率と、前記実際総収益算出手段により算出された実際総収益とに基づいて、前記調査対象不動産の総費用を査定する。次いで、純収益査定手段により、前記実際総収益算出手段により算出された実際総収益と、前記総費用査定手段により査定された総費用とに基づいて、前記調査対象不動産の純収益を査定する。次いで、利回り査定手段により、前記事例不動産を含む所定の不動産における利回りの地域格差及び個別格差に基づいて、前記調査対象不動産の利回りを査定する。そして、収益価格査定手段により、少なくとも、前記純収益と前記総合還元利回りとに基づいて、直接還元法により、前記調査対象不動産の収益価格を査定する。したがって、事例不動産の情報を活用することで、全国に散らばる大量の不動産の時価評価を効率的に、かつ容易に行うことが可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
A.実施形態の構成
図1は、本発明の実施形態による時価会計投資不動産評価システムの構成を示す図である。図1において、総収益チェックシステム1は、サーバなどのコンピュータからなり、アンケート調査等により収集した、実際の賃貸用不動産(以下、事例不動産という)における収支データを、事例不動産の属性(地域・建物規模・築年・類型別など)により分類して、標準的な実際の賃料を示す標準的賃料水準を、調査対象不動産の属性に基づいて取得可能なようにテーブル化し、これらを事例不動産収支情報データベース3に蓄積・管理する。上記情報の収集は継続的に行われ、情報は随時更新される。
【0021】
総費用査定システム2は、サーバなどのコンピュータからなり、上記事例不動産の収支データを、事例不動産の属性により分類して、標準的な(例えば、平均的な)実際の経費率を決定するための格差率表を作成し、これらを事例不動産収支情報データベース3に蓄積・管理する。上記情報の収集は継続的に行われ、情報は随時更新される。また、総費用査定システム2は、調査対象不動産毎に、上記格差率表からそれぞれの属性(地域区分、建物構造、建物階層、建物規模および建物用途)毎の格差率を決定する。また、総費用査定システム2は、調査対象不動産毎に、標準的な経費率に上記格差率を乗算して経費率を算出し、当該経費率をそれぞれの総収益に乗算することにより総費用を査定する。
【0022】
総合還元利回り査定システム4は、サーバなどのコンピュータからなり、以下に説明する方法・手順により収集された、利回りに関する基礎データを、利回り情報データベース5に蓄積・管理する。利回りに関する基礎データの収集方法・手順を例示すれば次の通りである。まず、不動産投資家に対してオフィスビルに投資することを想定した場合に期待する利回りを立地条件・建物特性別に調査する。次いで、依頼目的が売却の賃貸オフィスビルの鑑定評価について、実際の売却額を追跡調査し、取引利回りを把握する。次いで、土地・建物の鑑定評価額(積算価格)と査定賃料を記載した資料による鑑定評価(積算価格)ベースの利回りを地域毎に把握する。そして、複合不動産の取引事例にかかる利回り(実際実質賃料が不明の場合には査定新規賃料による利回り)を把握する。
【0023】
上記総合還元利回り査定システム4は、調査対象不動産毎に、上記利回り情報データベース5に蓄積されている利回りに関する基礎データと、後述する端末6から調査対象不動産毎に入力される、利回り査定を行うためのデータとに従って、後述する手順により総合還元利回りを査定する。
【0024】
端末6は、パーソナルコンピュータなどの情報処理装置からなり、キーボード、マウスなどの入力装置、入力フォームやデータなどを表示する表示装置、当該システムで最終的に出力される評価調書を印刷する印刷装置7などを備えている。当該端末6は、総収益と総費用とに基づく総収益の査定、純収益と総合還元利回りとに基づく直接還元法による収益価格の査定、および収益価格を用いた評価調書の作成などを行ない、最終的に、評価調書を印刷装置7により出力する。
【0025】
上述した総収益チェックシステム1、総費用査定システム2、総合還元利回り査定システム4および端末6は、LANなどのネットワーク10により相互にデータの送受信、データの共有を行うことができるようになっている。
【0026】
また、上述した総収益チェックシステム1、総費用査定システム2、総合還元利回り査定システム4および端末6の機能は、図示しない記憶部に記憶されたプログラムを実行することで実現するようになっている。記憶部は、ハードディスク装置や光磁気ディスク装置、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリやRAM(Random Access Memory)のような揮発性のメモリ、あるいはこれらの組み合わせにより構成されるものとする。また、上記記憶部とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含む。
【0027】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、上述した処理の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した処理を総収益チェックシステム1、総費用査定システム2、総合還元利回り査定システム4および端末6に既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0028】
次に、図2は、上述した事例不動産収支情報データベース3のデータ構成を説明するための概念図である。事例不動産収支情報データベース3には、データ番号、契約条件項目、備考、土地関連項目、建物関連項目および都市関連項目からなる事例不動産収支データが蓄積される。データ番号は、事例不動産を識別するために付された一連の番号である。契約条件項目は、事例不動産の賃貸契約上におけるデータであり、支払賃料、一時金、契約期間および経費率からなる。備考は、コメント欄である。土地関連項目は、事例不動産の土地に関するデータであり、地価水準、公法上の規制、街路条件および画地条件からなる。建物関連項目は、事例不動産の建物に関するデータであり、建物価格、構造、用途、階層、築年および数量からなる。土地関連項目は、地域区分、都市名および人口区分からなる。
【0029】
次に、図3は、上述した事例不動産収支データから算出した標準的賃料水準の一例を示す概念図である。総収益チェックシステム1は、図2に示す事例不動産収支データを、図3に示すように、不動産の属性(地域区分、都市人口区分、建物用途区分、建物築年区分)により分類し、それぞれの項目条件に合致する事例不動産の実際の平均的な賃料を算出し、標準的賃料水準としてテーブル化する。図3に示すテーブルを参照することで、調査対象不動産に対する標準的賃料水準を取得することができる。
【0030】
次に、図4は、上述した総費用査定システム2により作成された、調査対象不動産毎に決定する経費率を算出するための格差率表群の一例を示す概念図である。図示する格差率表は、図2に示す事例不動産収支データから作成されたもので、不動産の属性差に対応付けられた標準的な経費率の格差率を示す。地域区分は、関東の格差率を「1.00」としたときの他の地域における格差率を示している。建物構造は、RC構造の格差率を「1.00」としたときの他の構造(例えばSRC構造)の格差率を示している。建物階層は、(3階以上)6階未満の格差率を「1.00」としたときの他の階層における格差率を示している。建物規模は、延べ床面積(1000m2以上)2000m2未満の格差率を「1.00」としたときの他の延べ床面積における格差率を示している。そして、建物用途は、事務所の格差率を「1.00」としたときの他の用途、この場合、店舗における格差率を示している。
【0031】
総費用査定システム2は、調査対象不動産の各々に対し、図4に示す格差率表の各々から、それぞれの属性(地域区分、建物構造、建物階層、建物規模および建物用途)が合致する属性に対応付けられている格差率を取得し、それら格差率を標準的な経費率に乗算することで経費率を決定し、それぞれの総収益に経費率を乗算することにより総費用を査定する。
【0032】
B.実施形態の動作
次に、図5および図6に示すフローチャートを参照して本実施形態の動作について詳細に説明する。オペレータは、調査対象不動産の物的確認にかかる資料(登記簿謄本、地積測量図、建物図面等)および総収益・総費用にかかる資料を収集し、これら資料を参照して、端末6から、図2に示す調査対象不動産の属性・収支データを入力する(ステップS1)。次いで、収集した資料から、各調査対象不動産の数量および類型(貸家及びその敷地、借地権付建物、区分所有建物及びその敷地等)等を確定する(ステップS2)。
【0033】
次に、上記収集した資料に従って、各調査対象不動産に本システムが適用可能であるか否かを判断する(ステップS3)。そして、調査対象不動産のうち、土地建物にかかる権利関係が錯綜しているもの、契約内容が特殊なもの、既存不適格建築物、最有効使用から大きく乖離した建築物等は、個別性が強いため本システムによる大量評価に馴染まないと判断し(ステップS3で「否」)、適用不可として個別に通常の鑑定評価等で対応する(ステップS4)。一方、本システムに適用可能であると判断されたものについては(ステップS3で「可」)、前述した各種資料に従って、各調査対象不動産の総収益(実際実質賃料)を算出する(ステップS5)。なお、資料が不十分で実際実質賃料を算出できない調査対象不動産に関しては、次の総収益チェックシステム1で取得した標準的賃料水準を、当該調査対象不動産の総収益とする。
【0034】
次いで、総収益チェックシステム1では、事例不動産収支情報データベース3に蓄積されている、図3に示す標準的賃料水準テーブルを参照し、各調査対象不動産の属性(地域区分、都市人口区分、建物用途区分、建物築年区分)に合致する属性の標準的賃料水準を、各調査対象不動産に対する標準的賃料水準として取得する(ステップS6)。次いで、総収益チェックシステム1では、上記ステップS5で算出した実際実質賃料と上記標準的賃料水準とを比較し、双方の差(開差率)が所定値(α)より大きいか否かを判断する(ステップS7)。具体的には、開差率=|1−(実際実質賃料/標準的賃料水準)|なる演算により開差率を算出し、予め設定された所定値αより大きいか否かを判断する。そして、開差率>αである場合には(ステップS7で「YES」)、実際実質賃料が特殊であり、正常水準を大きく上回るものと判断し、警告を発する(ステップS8)とともに、実際実質賃料を正常な水準にまで補正する。一方、双方の差が所定値α以下であれば(ステップS7で「NO」)、実際実質賃料は標準的であると判断して次へ進む。
【0035】
次いで、総費用査定システム2では、事例不動産収支情報データベース3に蓄積されている、図4に示す格差率表群から、調査対象不動産の各々に対し、それぞれの属性(地域区分、建物構造、建物階層、建物規模および建物用途)に従って格差率を取得し、それら格差率を標準的な経費率に乗算することで経費率を決定する(ステップS9)。次いで、各調査対象不動産の総収益に、それぞれに対応する経費率を乗算することで、各調査対象不動産の総費用を査定する(ステップS10)。端末6では、上記総収益から上記総費用を減算することによって各調査対象不動産の純収益を査定する(ステップS11)。
【0036】
次いで、総合還元利回り査定システム4で各調査対象不動産の総合還元利回りを査定するために、端末6から各調査対象不動産の利回り査定に関する各種データを入力する(ステップS12)。総合還元利回り査定システムでは、利回り情報データベース5に蓄積された利回りに関する基礎データおよび上記入力データに従って、各調査対象不動産の総合還元利回りを査定する(ステップS13)。以下、調査対象不動産の総合還元利回りを査定手順について詳細に説明する。
【0037】
総合還元利回り査定システムは、▲1▼地域の「基準となる利回り」の査定、▲2▼「基準となる利回り」に対する各調査対象不動産の利回り格差の査定、▲3▼各調査対象不動産の総合還元利回りの査定、という順に行う。ここで、図7ないし図9は、上記利回り査定に関するデータを入力するための入力シート、入力時に用いられる算定表などの例を示す概念図である。入力シートは、紙媒体であっても、端末の表示画面に、上記利回りに関するデータを入力可能に表示されたものであってもよい。紙媒体に記入された場合には、オペレータによって端末6から入力される。以下、上記▲1▼〜▲3▼の順に説明する。
【0038】
まず、オペレータは、「基準となる利回り」を算定するために、各調査対象不動産に対して、図7(b)に一例を示す採用数値の目安を参考にして、図7(a)に示す入力シートの「賃料の変動率」と「資産流動性」を点数化し入力する。なお、図7(b)において、「賃料の変動率」のケースa〜ケースeには、上昇傾向顕著、…、下落傾向顕著というように段階的に割り当てられており、「資産流動性」のケースa〜ケースeには、買い手多数、…、買い手不在というように段階的に割り当てられている。
【0039】
図7(a)に示す例では、「賃料の変動率」に、それぞれ、7,12,3,1,15(点)と入力し、「資産流動性」に、7,3,5,3,10(点)と入力している。総合還元利回り査定システム4では、上記「賃料の変動率」の入力点数と「資産流動性」の入力点数とを、調査対象不動産毎に合計し、「入力値合計」を算出する。
【0040】
次いで、合計得点と利回りとを対応付けた、図7(c)に示す算定表に従って、調査対象不動産毎に、図7(a)に示す入力シートの「入力値合計」から利回りを決定する。当該利回りは、図7(a)に示す入力シートの「査定結果」となる。なお、図7(b)に示す採用数値の目安、および図7(c)に示す算定表は、利回り情報データベース5に蓄積されている、利回りに関する基礎データに従って予め作成されたものである。すなわち、都市・地域について、利回りと相関があるものと推察される要因(賃料の変動率、資産流動性など)を、既に取引が行なわれた不動産(事例不動産)の様々なデータを参考にして数値(スコア)化し、これを合計して総合得点を求める。次いで、当該総合得点を任意に一定のレンジで区分し、当該区分毎に上記不動産の平均利回りを査定することで、上述した採用数値の目安、および算定表を得ている。
【0041】
次いで、総合還元利回り査定システム4では、「基準となる利回り」の検証を行う。利回りの格差と相関があるものと推察される都市指標について、任意にレンジを分け、当該区分毎に、利回り情報データベース5に蓄積されている、利回りに関する基礎データを用いて平均利回りを査定する。都市指標としては、市内総生産、非木造着工建築物の建築述べ床面積、土地取引件数、企業倒産件数、法人所得、大型小売店販売額、地価変動率等がある。実際には、この中からいくつか有意なものを採用する。次いで、調査対象不動産が所在する都市・地域について、採用された都市指標の数値を調査し、当該都市指標の数値が当てはまる区分の平均利回りを参考として、上述した「基準となる利回り」を検証する。以下、具体的に説明する。
【0042】
オペレータは、各調査対象不動産に対して、図8(a)に示す入力シートの「調査対象地域の数値」を入力する。「調査対象地域の数値」とは、例えば、指標名Aが「市内総生産」であれば、調査対象不動産が所在する市における市内総生産額を入力する。また、指標名Bが「法人所得」であれば、調査対象不動産が所在する地域における法人所得額を入力する。また、指標名Cが「地価水準」であれば、調査対象不動産が所在する地域における地価水準(単価)を入力する。
【0043】
総合還元利回り査定システム4では、図8(b)に示す算定表に従って、図8(a)に示す入力シートの「調査対象地域の数値」から、各都市指標による「利回り」=査定結果を決定する。次いで、それらの査定結果の平均値を算出し、検証数値(検証利回り)とする。なお、図8(b)に示す算定表は、利回り情報データベース5に蓄積されている、利回りに関する基礎データに従って予め作成されたものである。例えば、図示の指標名Aが市内総生産であれば、「50億円未満」、「50〜150億円」、「150億円以上」というように区分される。そして、各区分に対して該当する基礎データの利回り平均値が設定されている。当該算定表は、例えば、1年毎に更新される。
【0044】
次に、総合還元利回り査定システム4では、「基準となる利回り」に対する各調査対象不動産の個別利回り格差を査定する。まず、オペレータは、図9(a)に示す入力シートの調査対象不動産の「基準となる利回り」の欄に、前述した図7(a)で算出された査定結果(算定数値)と、図8(a)で算出された検証数値とを考慮し、各調査対象不動産に採用すべき利回りを「採用数値」として入力する。図示の例では、図7(a)で算出された査定結果(算定数値)の値を採用している。
【0045】
ところで、各都市・地域における「基準となる利回り」に対して、個別の不動産の利回りに差異が生じる要因は、▲1▼立地条件、▲2▼建物条件、▲3▼契約条件の3つに大別される。そこで、図9(a)に示す入力シートの調査対象不動産の「個別利回り格差」の欄に、調査対象不動産毎に、各条件に対する「判定コード」を入力する。このとき、それぞれの条件毎に、図9(b)に示す判定表を参照にする。すなわち、条件A(=立地条件)であれば、調査対象不動産の立地条件が「優る」であれば、「判定コード」として「1」を入力し、「標準」であれば「2」を、「劣る」であれば「3」を入力する。条件B(=建物条件)、条件C(=契約条件)についても、条件A(=立地条件)と同様に、それぞれの判定表を参照して入力する。なお、図9(b)に示す算定表は、利回り情報データベース5に蓄積されている、利回りに関する基礎データに従って予め作成されたものである。当該算定表は、例えば、1年毎に更新される。総合還元利回り査定システム4では、各調査対象不動産に対して、「基準となる利回り」の「採用数値」に、「個別利回り格差」の合計値を加減し、最終的な個別利回りを算出する。以上の処理により、図6に示す総合還元利回り(最終的な個別利回り)が査定されたことになる。
【0046】
次に、端末6では、各不動産の純収益および総合還元利回りを用いて、直接還元法により、各調査対象不動産の収益価格を査定する(ステップS14)。直接還元法は、収益還元法の1つであり、還元利回りで単年度の純収益を還元して求めるものである。直接還元法の考え方は、▲1▼各時点(各年)の純収益を把握し、▲2▼個々の発生純収益の現在価値を査定し(各時点の純収益を割り引く)、▲3▼上記▲2▼の総和を求めることで価格を求めるものである。各調査対象不動産の収益価格が得られると、次に、端末6では、各調査対象不動産の価格を記載した評価調書(各調査対象不動産の調査結果の概要をまとめた総括表、および各調査対象不動産の査定内容の詳細を記載した調書)を作成し(ステップS15)、印刷装置7で印刷する。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、実際総収益算出手段により、調査対象不動産の実際総収益を算出し、経費率決定手段により、事例不動産の経費率から得られ、不動産の属性差に対応付けられた経費率の格差率に基づいて、前記調査対象不動産の経費率を決定し、総費用査定手段により、前記経費率と前記実際総収益とに基づいて前記調査対象不動産の総費用を査定し、純収益査定手段により、前記実際総収益と前記総費用とに基づいて、前記調査対象不動産の純収益を査定し、利回り査定手段により、前記事例不動産を含む所定の不動産における地域格差及び個別格差に基づいて、前記調査対象不動産の利回りを査定した後、収益価格査定手段により、少なくとも、前記純収益と前記総合還元利回りとに基づいて、直接還元法により、前記調査対象不動産の収益価格を査定するようにしたので、事例不動産等の情報を活用することで、全国に散らばる大量の不動産の時価評価を効率的に、かつ容易に行うことができるという利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態による時価会計投資不動産評価システムの構成を示す図である。
【図2】 本実施形態による事例不動産収支データベースのデータ構成を説明するための概念図である。
【図3】 本実施形態による事例不動産収支データから算出した標準的賃料水準の一例を示す概念図である。
【図4】 本実施形態による総費用査定システムにより作成された、調査対象不動産毎に決定する経費率を算出するためのテーブル群の一例を示す概念図である。
【図5】 本実施形態の動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】 本実施形態の動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】 利回り査定に関するデータを入力するための入力シート、入力時に用いられる算定表などの例を示す概念図である。
【図8】 利回り査定に関するデータを入力するための入力シート、入力時に用いられる算定表などの例を示す概念図である。
【図9】 利回り査定に関するデータを入力するための入力シート、入力時に用いられる算定表などの例を示す概念図である。
【符号の説明】
1 総収益チェックシステム(標準総収益査定手段、総収益チェック手段)
2 総費用査定システム(経費率決定手段、総費用査定手段)
3 事例不動産収支情報データベース(標準総収益蓄積手段、格差率蓄積手段)
4 総合還元利回り査定システム(利回り査定手段、基準利回り査定手段、検証利回り査定手段、個別利回り格差査定手段、総合還元利回り査定手段)
5 利回り情報データベース
6 端末(実際総収益算出手段、純収益査定手段、収益価格査定手段、評価調書作成手段)
7 印刷装置

Claims (6)

  1. 調査対象不動産の時価を評価する時価会計投資不動産評価システムであって、
    事例不動産の属性および収支データに基づいて算出された経費率の格差率を、前記事例不動産の属性に対応付けた格差率テーブルを記憶する事例不動産収支情報データベースと、
    不動産の利回りと相関がある要因の数値化データに前記事例不動産の利回りを対応付けた基準利回りテーブル、および、不動産の利回りの地域格差と相関がある都市指標の数値データに前記事例不動産の利回りを対応付けた検証利回りテーブルを記憶する利回り情報データベースと、
    前記格差率テーブルから前記調査対象不動産の属性に対応する経費率の格差率を取得し、該取得した格差率を標準的な経費率に乗算して前記調査対象不動産の経費率を決定する経費率決定手段と、
    前記経費率決定手段により決定された経費率を前記調査対象不動産の実際総収益に乗算して前記調査対象不動産の総費用を査定する総費用査定手段と、
    記実際総収益から前記総費用査定手段により査定された総費用を減算して前記調査対象不動産の純収益を査定する純収益査定手段と、
    入力された前記要因の数値に対応する利回りを前記基準利回りテーブルから取得して前記調査対象不動産の基準利回りを査定する基準利回り査定手段と、
    入力された前記都市指標の数値に対応する利回りを前記検証利回りテーブルから取得して前記調査対象不動産の検証利回りを査定する検証利回り査定手段と、
    前記基準利回り査定手段により査定された基準利回りまたは前記検証利回り査定手段により査定された検証利回りのうちいずれか選択された一方に、入力された前記調査対象不動産の個別利回り格差を加算し、前記調査対象不動産の総合還元利回りを査定する総合還元利回り査定手段と、
    記純収益前記総合還元利回りで除算し、前記調査対象不動産の収益価格を査定する収益価格査定手段と
    を具備することを特徴とする時価会計投資不動産評価システム。
  2. 前記事例不動産収支情報データベースは、事例不動産の属性および収支データに基づいて算出された標準的な賃料を示す標準総収益を、前記事例不動産の属性に対応付けた標準総収益テーブルをさらに記憶し、
    前記標準総収益テーブルから前記調査対象不動産の属性に合致する標準総収益を取得して前記調査対象不動産の標準総収益を査定する標準総収益査定手段と、
    前記標準総収益査定手段により査定された標準総収益と前記調査対象不動産の実際総収益とを比較し、前記実際総収益が妥当な値であるかを検証する総収益チェック手段と
    を具備することを特徴とする請求項1記載の時価会計投資不動産評価システム。
  3. 前記調査対象不動産の収益価格を記載した評価調書を作成する評価調書作成手段を具備することを特徴とする請求項1または2に記載の時価会計投資不動産評価システム。
  4. 事例不動産の属性および収支データに基づいて算出された経費率の格差率を、前記事例不動産の属性に対応付けた格差率テーブルを記憶する事例不動産収支情報データベースと、不動産の利回りと相関がある要因の数値化データに前記事例不動産の利回りを対応付けた基準利回りテーブル、および、不動産の利回りの地域格差と相関がある都市指標の数値データに前記事例不動産の利回りを対応付けた検証利回りテーブルを記憶する利回り情報データベースと、経費率決定手段と、総費用査定手段と、純収益査定手段と、基準利回り査定手段と、検証利回り査定手段と、総合還元利回り査定手段と、収益価格査定手段とを具備する時価会計投資不動産評価システムが調査対象不動産の時価を評価する時価会計投資不動産評価方法であって、
    前記経費率決定手段が、前記格差率テーブルから前記調査対象不動産の属性に対応する経費率の格差率を取得し、該取得した格差率を標準的な経費率に乗算して前記調査対象不動産の経費率を決定し、
    前記総費用査定手段が、前記経費率決定手段により決定された経費率前記調査対象不動産の実際総収益に乗算して前記調査対象不動産の総費用を査定し、
    前記純収益査定手段が、記実際総収益から前記総費用査定手段により査定された総費用を減算して前記調査対象不動産の純収益を査定し、
    前記基準利回り査定手段が、入力された前記要因の数値に対応する利回りを前記基準利回りテーブルから取得して前記調査対象不動産の基準利回りを査定し、
    前記検証利回り査定手段が、入力された前記都市指標の数値に対応する利回りを前記検証利回りテーブルから取得して前記調査対象不動産の検証利回りを査定し、
    前記総合還元利回り査定手段が、前記基準利回り査定手段により査定された基準利回りまたは前記検証利回り査定手段により査定された検証利回りのうちいずれか選択された一方に、入力された前記調査対象不動産の個別利回り格差を加算し、前記調査対象不動産の総合還元利回りを査定し、
    前記収益価格査定手段が、前記純収益前記総合還元利回りで除算し、前記調査対象不動産の収益価格を査定する
    ことを特徴とする時価会計投資不動産評価方法。
  5. 前記時価会計投資不動産評価システムは、標準総収益査定手段と、総収益チェック手段とをさらに具備し、
    前記事例不動産収支情報データベースは、事例不動産の属性および収支データに基づいて算出された標準的な賃料を示す標準総収益を、前記事例不動産の属性に対応付けた標準総収益テーブルをさらに記憶し、
    前記標準総収益査定手段が、前記標準総収益テーブルから前記調査対象不動産の属性に合致する標準総収益を取得して前記調査対象不動産の標準総収益を査定し、
    前記総収益チェック手段が、前記標準総収益査定手段により査定された標準総収益と前記調査対象不動産の実際総収益とを比較し、前記実際総収益が妥当な値であるかを検証する
    ことを特徴とする請求項記載の時価会計投資不動産評価方法。
  6. 事例不動産の属性および収支データに基づいて算出された経費率の格差率を、前記事例不動産の属性に対応付けた格差率テーブルを記憶する事例不動産収支情報データベースと、不動産の利回りと相関がある要因の数値化データに前記事例不動産の利回りを対応付けた基準利回りテーブル、および、不動産の利回りの地域格差と相関がある都市指標の数値データに前記事例不動産の利回りを対応付けた検証利回りテーブルを記憶する利回り情報データベースとを具備する時価会計投資不動産評価システムのコンピュータに、
    前記格差率テーブルから前記調査対象不動産の属性に対応する経費率の格差率を取得し、該取得した格差率を標準的な経費率に乗算して前記調査対象不動産の経費率を決定する経費率決定ステップと、
    前記経費率決定ステップで決定された経費率前記調査対象不動産の実際総収益に乗算して前記調査対象不動産の総費用を査定する総費用査定ステップと、
    記実際総収益から前記総費用査定ステップで査定された総費用を減算して前記調査対象不動産の純収益を査定する純収益査定ステップと、
    入力された前記要因の数値に対応する利回りを前記基準利回りテーブルから取得して前記調査対象不動産の基準利回りを査定する基準利回り査定ステップと、
    入力された前記都市指標の数値に対応する利回りを前記検証利回りテーブルから取得して前記調査対象不動産の検証利回りを査定する検証利回り査定ステップと、
    前記基準利回り査定ステップで査定された基準利回りまたは前記検証利回り査定ステップで査定された検証利回りのうちいずれか選択された一方に、入力された前記調査対象不動産の個別利回り格差を加算し、前記調査対象不動産の総合還元利回りを査定する総合還元利回り査定ステップと、
    記純収益前記総合還元利回りで除算し、前記調査対象不動産の収益価格を査定する収益価格査定ステップと
    を実行させることを特徴とする時価会計投資不動産評価プログラム。
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