JP2002311283A - 光通信部品保持管及び光通信部品組立体 - Google Patents

光通信部品保持管及び光通信部品組立体

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JP2002311283A
JP2002311283A JP2001111572A JP2001111572A JP2002311283A JP 2002311283 A JP2002311283 A JP 2002311283A JP 2001111572 A JP2001111572 A JP 2001111572A JP 2001111572 A JP2001111572 A JP 2001111572A JP 2002311283 A JP2002311283 A JP 2002311283A
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Japan
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holding tube
optical communication
communication component
grin lens
glass
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JP2001111572A
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Inventor
Nobuo Funabiki
伸夫 船引
Hirokazu Takeuchi
宏和 竹内
Nagaharu Nakajima
長晴 中嶋
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Nippon Electric Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Electric Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 GRINレンズ及び毛細管を保持管の内孔に
保持固定するに際して、精密さを確保しつつ作業の簡易
化を図ると共に、温度条件が多種にわたる通常使用時に
おけるGRINレンズと保持管との熱膨張差に起因する
光学的特性の悪化を可及的に低減させる。 【解決手段】 光ファイバ2が挿入固定された毛細管3
とGRINレンズ4とを、内孔6に保持固定してなる光
通信部品保持管5を、GRINレンズ4の膨張係数に対
して−50×10-7/K〜+20×10-7/Kの範囲の
膨張係数を有するガラスで形成する。詳しくは、例えば
100×10-7/K程度の熱膨張係数を有するGRIN
レンズ4に対しては、上記保持管5の熱膨張係数を50
〜120×10-7/Kの範囲内とする。具体的には、上
記保持管5をソーダライムガラスで形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光通信部品保持管及び
光通信部品組立体に関し、特に上記保持管の内孔に固定
されるGRIN(graded index:屈折率分
布型)レンズの光ファイバとの関連における光学的特性
を、使用環境の変化に拘らず常に正確に保持させておく
ための技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように、光合分波器、光増幅器、
アッテネータ、及びアイソレータ等の光通信に供される
光デバイスには、光ファイバとGRINレンズとの組み
合わせが多用されている。この両者の組み合わせは、光
ファイバから出射された光をGRINレンズによりコリ
メートさせたり、或いは光源からの光をGRINレンズ
により光ファイバに集光して入射させたりすることを主
目的として使用されるものである。
【0003】そして、この両者は、光ファイバが毛細管
の細孔に挿入固定された状態で、GRINレンズがその
毛細管の軸方向一端側に同心配列されるのが一般的構成
であり、このような配列をなす毛細管及びGRINレン
ズが保持管の内孔に固定された状態で光通信用デバイス
として実用に供されている。
【0004】この光通信用デバイスにおける上記保持管
は、例えば特開昭64−74510号等に開示されてい
るように、ステンレス鋼等の金属で形成されているのが
通例であり、この保持管の内孔には半田付けによりGR
INレンズや毛細管を固定しているのが現状である。
尚、GRINレンズは、柱状をなす半径方向屈折率分布
型レンズである。
【0005】また、近年における光通信の分野では、情
報伝送容量の膨大化に伴って、複数の波長の光を1本の
光ファイバに多重させて伝送するWDM(Wavele
ngth Division Multiplexin
g:波長分割多重)と称される光波長多重伝送方式が採
用されている。尚、WDMは、DWDM(DenseW
evelength Division Multip
lexing:高密度波長分割多重)を含む(以下同
様)。そして、この方式の伝送路の途中に設置される偏
波保持型の波長弁別器や光増幅器等のWDM光デバイス
についても、上記のようにGRINレンズ及び毛細管を
保持管の内孔に固定した構成が採用されるに至ってい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記光通信
用デバイスによれば、GRINレンズ及び毛細管と、保
持管との熱膨張係数の差が大きい場合には、使用時の温
度変化によって個々の構成要素の膨張量或いは収縮量が
異なるため、GRINレンズと光ファイバとの関連にお
ける光学的特性に狂いが生じる。特に、このような膨張
差が生じることによりGRINレンズに応力が集中した
場合には、屈折率や分散等の光学的特性の狂いに起因す
るトラブルが増大する。
【0007】それにも拘らず、上記従来の光通信用デバ
イスでは、GRINレンズの材質の熱膨張係数に比し
て、保持管の材質であるステンレス鋼等の金属の熱膨張
係数が不当に大きいのが通例であることに加えて、金属
製の保持管では、機械的特性、特に熱膨張係数に異方性
が存在している。
【0008】このため、高温時や低温時等のように室温
と大幅に異なる温度条件の下では、保持管とGRINレ
ンズとの接着部に剥離が生じて本質的な部品特性が阻害
されるばかりでなく、GRINレンズに歪が生じて透過
光量が変化したり、偏波特性が変化したり、或いは安定
したコリメート光が得られなくなる等の不具合を招く。
【0009】この結果、この種の光通信用デバイスの使
用環境が限られてしまうことになり、特に屋外での使用
が大幅に制限されると共に、上記WDM光デバイスに適
用した場合には高精度な光学的特性が要求されるため、
使用可能な温度範囲が極めて狭小になり、使用時におけ
る制限が一層厳格になるという問題を有している。
【0010】更に、ステンレス鋼等の金属製の保持管で
は、GRINレンズ等の外周面にメタライズを施した
後、保持管の内孔との間に半田付け等を施して固定せね
ばならず、しかも精密な保持固定を得るには保持管の内
孔を高精度に研削加工する必要性が生じて、この保持固
定作業の煩雑化を余儀なくされると共に、部品価格の高
騰を招くことになる。
【0011】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、GRINレンズ及び毛細管を保持管の内孔に固
定するに際して、精密さを確保しつつ作業の簡易化を図
ると共に、温度条件が多種にわたる使用時におけるGR
INレンズと保持管との熱膨張差に起因する光学的特性
の悪化を可及的に低減させることを技術的課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記技術的課題を達成す
るためになされた本発明は、内孔に、光ファイバが挿入
固定された毛細管及び該毛細管の軸方向一端側に配置さ
れたGRINレンズを保持固定する光通信部品保持管に
おいて、上記GRINレンズの膨張係数に対して−50
×10-7/K〜+20×10-7/Kの範囲の膨張係数を
有するガラスからなることに特徴づけられる。
【0013】この場合、GRINレンズ及び毛細管は、
必ずしも各々が全長に亘って上記保持管の内孔に保持固
定されるわけではなく、必要に応じて各々が部分的に保
持管の内孔に保持固定される。そして、上記保持管はガ
ラスからなるので、金属製の保持管の場合のような熱膨
張係数の異方性が存在せず、熱膨張の態様があらゆる方
向に対して略均一になるため、上記保持管がGRINレ
ンズに与える光学的悪影響が好適に除去される。また、
上記保持管を形成するガラスは透光性を有しているの
で、GRINレンズ及び毛細管を上記保持管の内孔に固
定する際には、光硬化性接着剤を使用することが可能と
なり、金属製の保持管の場合のようにメタライズや半田
付け等を施す必要がなくなる。これにより、各部品の相
対的位置決めの精密さを確保しつつ組立作業の簡易化及
び組立コストの低廉化を図ることが可能となる。
【0014】しかも、上記保持管を形成するガラスの熱
膨張係数は、上記GRINレンズの熱膨張係数に対して
−50×10-7/K〜+20×10-7/Kの範囲、即ち
上記GRINレンズの熱膨張係数が例えば100×10
-7/K程度であれば、上記保持管の膨張係数は50〜1
20×10-7/K程度とされる。従って、保持管の熱膨
張係数は、GRINレンズの熱膨張係数に適度に近似す
る範囲内に存在することになり、GRINレンズと保持
管との熱膨張差によって惹き起こされるGRINレンズ
への応力集中及びこれに伴うGRINレンズの光学的特
性の狂い等が生じなくなる。詳述すれば、上記保持管の
熱膨張係数がGRINレンズの熱膨張係数に対して、−
50×10-7/K未満、及び+20×10-7/K超の何
れであっても、上記両者の熱膨張係数の差分が過度に大
きくなるため、GRINレンズに熱膨張差による応力集
中が生じて光学的特性が阻害される惧れがあると共に、
接着部に剥離が生じる惧れもあるが、保持管の熱膨張係
数が上記の範囲内にあれば、このような不具合は生じな
い。このような条件を満たすガラスとしては、ソーダラ
イムガラス、比較的膨張係数の大きい結晶化ガラス、鉛
ガラス、ホウケイ酸ガラス等がある。しかし、ホウケイ
酸ガラスの中でもシリカ成分の含有率が高いものは、3
0×10-7/K程度の熱膨張係数を有するが、この熱膨
張係数は上記の範囲を逸脱する可能性が高いものである
ため、このホウケイ酸ガラスで上記保持管を形成するこ
とは避けるのが賢明である。更に、上記保持管の熱膨張
係数は、GRINレンズの熱膨張係数に対して−10×
10-7/K〜+10×10-7/K、例えば90〜110
×10-7/K程度に設定することがより好ましい。この
ようにすれば、保持管との熱膨張差によるGRINレン
ズへの応力集中及びこれに伴うGRINレンズの光学的
特性の狂い等がより確実に回避される。
【0015】具体的には、上記保持管を形成するガラス
は、ソーダライムガラスであることが好ましい。即ち、
このソーダライムガラスは、熱膨張係数が99×10-7
/K程度であって、GRINレンズとの併用に適した機
械的特性を備えているため、GRINレンズの光学的特
性を阻害することはなく、しかも比較的安価であって適
度な強度を有しているため、上記保持管の材質としては
好適である。
【0016】この場合、上記保持管の内孔の開口端に
は、面取り部が形成されていることが好ましい。このよ
うにすれば、上記保持管の軸方向端部近傍に仮に応力が
作用しても、欠けや割れ等の破損の発生が可及的に抑制
され、しかも内孔へのGRINレンズ及び毛細管の挿入
作業が容易化され、組立時の作業能率が向上する。
【0017】また、上記保持管を形成するガラスは、厚
さ1mmについて波長が365nm〜400nmの光を
60%以上透過させるものであることが好ましい。この
ようにすれば、保持管の内孔にGRINレンズ及び毛細
管を保持固定するに際して、紫外線硬化性接着剤が使用
可能となるため、各部品の相対的位置決めの精密さを維
持した上で組立作業の容易化及び組立コストの低廉化が
図られる。
【0018】更に、上記保持管は、アルカリイオンを含
有するガラスからなり、イオン交換処理により表面に圧
縮応力層を形成してなるものであることが好ましい。こ
のようにすれば、保持管の機械強度が強化され、搬送時
や取り扱い時の破損或いは損傷等が抑制されると共に、
GRINレンズ及び毛細管の保持管への固定後における
製品の信頼性を向上させることが可能となる。
【0019】一方、本発明に係る光通信部品組立体は、
光ファイバが挿入固定された毛細管と、該毛細管の軸方
向一端側に配置されたGRINレンズと、上記毛細管及
びGRINレンズを内孔に保持固定する光通信部品保持
管とを具備してなる光通信部品組立体において、上記光
通信部品保持管が上記GRINレンズの膨張係数に対し
て−50×10-7/K〜+20×10-7/Kの範囲の膨
張係数を有するガラスからなることに特徴づけられる。
【0020】この場合、GRINレンズ及び毛細管が必
ずしも全長に亘って保持管の内孔に保持固定されるもの
でないことは、既に述べた通りである。このような構成
によれば、正確且つ安定した光学的特性を確保しつつ適
正な光通信を行うことが可能な光通信部品組立体が得ら
れると共に、上記保持管について既に述べた事項と同様
の作用効果が得られる。
【0021】そして、上記光通信部品保持管の内孔に
は、上記毛細管及び/または上記GRINレンズが光硬
化性接着剤により固着されていることが好ましい。即
ち、上記保持管が透光性を有するガラスで形成されてい
るため、光硬化性接着剤の使用が可能となり、既述の該
当事項と同一の利点を享受できる。
【0022】また、上記光通信部品保持管の外周部に
は、金属、樹脂、セラミックスまたはガラスで形成され
たハウジングが嵌合固定されていることが好ましい。こ
のようにすれば、上記保持管の外周部が更にハウジング
で覆われた状態となるため、隣接する他の光通信部品ま
たはその組立体との接合固定を行う際には、ハウジング
についてのみ接着や溶着を行うだけで、正確な光学的接
合がなされ、光学的接合作業が簡易化されると共に、光
通信の適切な光学的特性の維持に貢献できることにな
る。このハウジングとしては、上記保持管に対する接着
作業性の良いものが好適であり、例えば上記保持管と同
一材質のガラスで形成することも可能である。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1(a)は、この実施形態に係る光
通信部品組立体の要部縦断正面図、同図(b)は、その側
面図である。
【0024】図1(a)に示すように、光通信部品組立体
1は、軸心部に沿って光ファイバ2が挿入固定されたガ
ラス毛細管3と、このガラス毛細管3の軸方向一端側に
微小隙間を介して直列状に同心配列された半径方向屈折
率分布型レンズとしてのGRINレンズ4とを備える。
そして、上記ガラス毛細管3の軸方向一端部と、GRI
Nレンズ4の軸方向大半部とは、光通信部品保持管5
(以下、単に保持管5という)の挿入孔としての内孔6
に挿入され且つ保持固定されている。更に、保持管5の
外周部には、該保持管5と軸方向長さが略同一で且つ該
保持管5よりも僅かに肉厚の大きなハウジング7が嵌合
固定されている。
【0025】同図(b)に示すように、GRINレンズ4
は直径L4が1.8mmの円柱状体であって、ガラス毛
細管3もこれと略同径の円柱状体であると共に、保持管
5は外径L5が3.0mmの円筒状体であって、ハウジ
ング7は外径L7が5.0mmの円筒状体である。そし
て、保持管5の内孔6は、GRINレンズ4の直径L4
よりも僅かに大きい孔径を有すると共に、ハウジング7
の嵌合孔8は、保持管5の外径L5よりも僅かに大きい
孔径を有している。尚、ガラス毛細管3とGRINレン
ズ4との両対向端面は、同一方向に同一角度で傾斜して
おり、またGRINレンズ4の軸方向一端部は保持管5
の内孔6の一端開口部から僅かに外方に突出している。
【0026】上記保持管5は、透光性を有するガラスで
形成されると共に、この保持管5の内孔6に、GRIN
レンズ4及びガラス毛細管3が光硬化性接着剤好ましく
は紫外線硬化性接着剤を用いて固着されている。更に、
この保持管5の熱膨張係数は、光通信部品組立体1の通
常使用時に上記GRINレンズ4に対して熱膨張差によ
る光学的悪影響を与えない程度の値に設定されている。
この場合、上述の光学的悪影響とは、GRINレンズ4
を透過する光量が正規の量に対して狂いを生じたり、或
いはコリメート光が不安定な状態になること等を意味す
る。
【0027】具体例を述べると、GRINレンズ4の熱
膨張係数が100×10-7/K程度であるのに対して、
保持管5の熱膨張係数が50〜120×10-7/Kの範
囲内に設定される。換言すれば、保持管5の熱膨張係数
が、GRINレンズ4の熱膨張係数に対し、−50×1
-7/K〜+20×10-7/Kの範囲内(0.5倍〜
1.2倍の範囲内)に存在するように設定される。これ
は、保持管5の熱膨張係数が50×10-7/K未満であ
れば、GRINレンズ4に比して保持管5の熱による膨
張量及び収縮量が過少になり、また120×10-7/K
超であれば、GRINレンズ4に比して保持管5の熱に
よる膨張量及び収縮量が過多になり、何れであっても、
GRINレンズ4に応力集中が発生して、その光学的特
性に悪影響が生じることによる。このような不具合をよ
り確実に回避するには、保持管5の熱膨張係数が、90
〜110×10-7/Kの範囲内、即ちGRINレンズの
熱膨張係数に対し、−10×10-7/K〜+10×10
-7/Kの範囲内(0.9倍〜1.1倍の範囲内)に存在
するように設定することが好ましい。この場合、保持管
5の具体的材質としては、一例として、ソーダライムガ
ラスが使用される。このソーダライムガラスは、熱膨張
係数が99×10-7/K程度であって、GRINレンズ
4との併用に適している。
【0028】上記保持管5の内孔6における両側の開口
端には、エッチング(例えばケミカルエッチング法)や
研磨等によって面取り部9が形成されている。この面取
り部9は、例えば円錐面形状をなしていてもよいが、図
1(a)に示すようにその円錐面部が軸心側に向かって凸
状に湾曲する湾曲円錐面形状をなしていることが好まし
い。
【0029】上記保持管5は、アルカリイオンを含有す
るガラス材料で形成され、イオン交換により表面に圧縮
応力層が生じて機械強度が強化されると共に、1mmの
厚さに対して波長が365nm〜400nmの光を60
%以上透過させる特性を備えている。
【0030】尚、上記ハウジング7は、金属、樹脂、セ
ラミックスまたはガラスで形成することができるが、接
着作業性に優れた材質であることが好ましく、また上記
保持管5と同一材質とすることも可能である。
【0031】以上のような構成を備えた光通信部品組立
体1によれば、保持管5の熱膨張係数が通常使用時にG
RINレンズ4に光学的悪影響を与えない値、例えば1
00×10-7/K程度の熱膨張係数を有するGRINレ
ンズ4に対し、保持管5の熱膨張係数が50〜120×
10-7/Kとされているので、GRINレンズ4と保持
管5との熱膨張差によるGRINレンズ4への応力集中
及びこれに起因するGRINレンズ4の光学的特性の狂
い等が生じなくなり、常に正確且つ安定した状態のコリ
メート光が得られ、光通信を適正に行うことが可能とな
る。更に、保持管5の熱膨張係数を90〜110×10
-7/K程度にすれば、上記GRINレンズ4の光学的特
性の狂い等がより確実に回避される。
【0032】しかも、保持管5はガラスで形成されてい
るので、金属製保持管の場合のような熱膨張係数の異方
性が存在せず、熱膨張の態様があらゆる方向に対して均
一化されるため、GRINレンズ4に与える光学的悪影
響が一層確実に除去される。加えて、保持管5を形成す
るガラスは透光性を有しているので、GRINレンズ4
及びガラス毛細管3を保持管5の内孔6に保持固定する
際には、光硬化性接着剤を使用でき、金属製保持管の場
合のようにメタライズや半田付け等を施す必要がなくな
り、精密な組付け性を確保した上で組立作業の簡易化及
び組立コストの低廉化が図られる。
【0033】また、保持管5を、ソーダライムガラスで
形成することにより、最適な態様でGRINレンズ4と
併用することが可能になると共に、このソーダライムガ
ラスは比較的安価で且つ適度な強度を有しているため、
製造コストの高騰を招くことなく耐久性の向上を図るこ
とが可能となる。
【0034】更に、保持管5の内孔6の開口端に、面取
り部9が形成されているため、保持管5の軸方向端部近
傍に仮に応力が作用しても、欠けや割れ等の破損が生じ
難くなると共に、内孔6へのGRINレンズ4及びガラ
ス毛細管3の挿入作業が容易化され、組立時の作業能率
が向上する。
【0035】また、保持管5は、厚さ1mmについて波
長が365nm〜400nmの光を60%以上透過させ
る特性を備えているため、保持管5の内孔6へのGRI
Nレンズ4及びガラス毛細管3の保持固定時に、紫外線
硬化性接着剤を使用できるようになり、組立作業の容易
化及び組立コストの低廉化が図られる。
【0036】更に、保持管5は、アルカリイオンを含有
するガラス材料で形成され、イオン交換により表面に圧
縮応力層が生じて機械強度が強化されているため、搬送
時や取り扱い時の破損或いは損傷等が抑制されると共
に、GRINレンズ及び毛細管の保持管への固定後にお
ける製品の信頼性を向上させることが可能となる。
【0037】しかも、保持管5は、金属、樹脂またはガ
ラスで形成されたハウジング7の嵌合孔8に嵌合固定さ
れているため、このハウジング7によって保持管5ひい
てはGRINレンズ4及びガラス毛細管3の保護がなさ
れると共に、隣接する他の光通信部品組立体との接合固
定は、ハウジング7についての接着や溶着によって行う
ことができ、簡易な作業による他の組立体との正確な光
学的接合が可能となる。
【0038】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、光ファイ
バが挿入固定された毛細管とGRINレンズとがその内
孔に保持固定される光通信部品保持管を、GRINレン
ズの膨張係数に対して−50×10-7/K〜+20×1
-7/Kの範囲の膨張係数を有するガラスで形成したか
ら、保持管の膨張係数がGRINレンズの膨張係数に適
度に近似することになる。これにより、GRINレンズ
と保持管との熱膨張差によるGRINレンズへの応力集
中及びこれに起因するGRINレンズの光学的特性の狂
い等が回避され、常に正確且つ安定したコリメート光を
確保した状態で適正に光通信を行うことが可能となる。
そして、上記保持管がガラスで形成されていることか
ら、金属製保持管の場合のような熱膨張係数の異方性が
存在せず、熱膨張の態様があらゆる方向に対して均一化
されるため、GRINレンズに与える光学的悪影響が一
層確実に除去される。しかも、保持管を形成するガラス
が透光性を有していることから、GRINレンズ及びガ
ラス毛細管を保持管の内孔に保持固定する際には、光硬
化性接着剤を使用することが可能となり、金属製保持管
の場合のようにメタライズや半田付け等を施す必要がな
くなるため、精密な組付け性を維持した上で組立作業の
簡易化及び組立コストの低廉化が図られる。
【0039】そして、上記保持管を、ソーダライムガラ
スで形成することにより、GRINレンズと保持管との
熱膨張係数が好適に近似し、GRINレンズの光学的特
性の正確性維持が推進されると共に、上記保持管の製造
コストの高騰を抑制しつつ該保持管の耐久性の向上を図
ることが可能となる。
【0040】また、上記保持管の内孔の開口端に面取り
部を形成することにより、保持管の軸方向端部近傍に応
力が作用した場合であっても、欠けや割れ等の破損が生
じなくなると共に、内孔へのGRINレンズ及び毛細管
の挿入作業が容易化されて組立作業性が向上する。
【0041】更に、上記保持管が、厚さ1mmについて
波長が365nm〜400nmの光を60%以上透過さ
せる特性を備えていることにより、保持管の内孔にGR
INレンズ及び毛細管を保持固定するに際して、紫外線
硬化性接着剤が使用可能となり、組立作業の容易化及び
組立コストの低廉化が図られる。
【0042】しかも、上記保持管が、アルカリイオンを
含有するガラスでなり、イオン交換により表面に圧縮応
力層が形成されていることにより、保持管の機械強度が
適切に強化され、搬送時や取り扱い時の破損或いは損傷
等が抑制されると共に、GRINレンズ及び毛細管の保
持管への固定後における製品の信頼性を向上させること
が可能となる。
【0043】一方、本発明に係る光通信部品組立体は、
上述と同様の構成を備えた保持管の内孔に、GRINレ
ンズと毛細管とを保持固定したから、保持管により得ら
れる上述の該当事項と同様の効果を奏することができ
る。これにより、正確且つ安定したコリメート光を確保
しつつ適正な光通信を行うことが可能な光通信部品組立
体が得られることになる。
【0044】そして、上記保持管の外周部に、金属、樹
脂、セラミックスまたはガラスで形成されたハウジング
を固定することにより、隣接する他の光通信部品組立体
との接合固定を行う際には、ハウジングについてのみ接
着や溶着を行うだけで、正確な光学的接合がなされ、作
業を簡易化できると共に、光通信を行う際の適正な光学
的特性を維持できることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は、本発明の実施形態に係る光通信部
品組立体を示す要部縦断正面図、図1(b)は、その側面
図である。
【符号の説明】
1 光通信部品組立体 2 光ファイバ 3 毛細管(ガラス毛細管) 4 GRINレンズ 5 保持管(光通信部品保持保持管) 6 内孔 7 ハウジング 9 面取り部
フロントページの続き (72)発明者 中嶋 長晴 滋賀県大津市晴嵐2丁目7番1号 日本電 気硝子株式会社内 Fターム(参考) 2H037 AA01 BA03 BA12 BA23 BA32 CA16 DA04 DA05 DA17

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内孔に、光ファイバが挿入固定された毛
    細管及び該毛細管の軸方向一端側に配置されたGRIN
    レンズを保持固定する光通信部品保持管において、 上記GRINレンズの膨張係数に対して−50×10-7
    /K〜+20×10-7/Kの範囲の膨張係数を有するガ
    ラスからなることを特徴とする光通信部品保持管。
  2. 【請求項2】 上記ガラスが、ソーダライムガラスであ
    ることを特徴とする請求項1に記載の光通信部品保持
    管。
  3. 【請求項3】 上記内孔の開口端に面取り部が形成され
    てなることを特徴とする請求項1または2に記載の光通
    信部品保持管。
  4. 【請求項4】 上記ガラスが、厚さ1mmについて波長
    が365nm〜400nmの光を60%以上透過させる
    ものであることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記
    載の光通信部品保持管。
  5. 【請求項5】 アルカリイオンを含有するガラスからな
    り、イオン交換処理により表面に圧縮応力層を形成して
    なることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の光
    通信部品保持管。
  6. 【請求項6】 光ファイバが挿入固定された毛細管と、
    該毛細管の軸方向一端側に配置されたGRINレンズ
    と、上記毛細管及びGRINレンズを内孔に保持固定す
    る光通信部品保持管とを具備してなる光通信部品組立体
    において、 上記光通信部品保持管が上記GRINレンズの膨張係数
    に対して−50×10 -7/K〜+20×10-7/Kの範
    囲の膨張係数を有するガラスからなることを特徴とする
    光通信部品組立体。
  7. 【請求項7】 上記光通信部品保持管の内孔に、上記毛
    細管及び/または上記GRINレンズが光硬化性接着剤
    により固着されてなることを特徴とする請求項6に記載
    の光通信部品組立体。
  8. 【請求項8】 上記光通信部品保持管の外周部に、金
    属、樹脂、セラミックスまたはガラスで形成されたハウ
    ジングが嵌合固定されてなることを特徴とする請求項6
    または7に記載の光通信部品組立体。
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