JP2002311013A - ガス分析試験装置およびこれに用いる反応装置 - Google Patents
ガス分析試験装置およびこれに用いる反応装置Info
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Abstract
温できるガス分析試験装置及びそれに使用する反応装置
を提供することを解決すべき課題とする。 【解決手段】この装置は、試験用ガスを供給するガス供
給装置と、試験用ガスが調温される細管と細管を調温す
る調温部と試験用ガスと接触し試験用ガスを改質させる
供試材を保持する反応室とを持つ反応装置と、温度セン
サーと、改質ガスを分析する分析装置と、記録制御装置
と、を有する。この装置は、細管を採用しているため試
験用ガスの上流側と下流側との拡散も起こりくく、試験
用ガスの成分割合の変動も抑えられる。さらに、極めて
短時間に加熱されるため試験用ガスを構成する成分間で
の反応も抑えられる。
Description
いし吸着剤等に接触させて組成の変化を調べるための技
術分野に属し、排ガスの浄化用触媒、ガス改質用触媒等
の試験に用いて好適なガス分析試験装置及びこれに使用
する反応装置に関する。
製した試験用ガスを吸着剤などの反応手段に送って、反
応の前後でのガスを採取して分析する装置には、例え
ば、特開昭61−160050号公報、特開平10−3
19006号公報等に開示されている。
では、実際の排ガスを模擬したモデルガスを発生させる
機能と、反応の前後のガス成分を正確に評価する機能と
が必要とされる。しかし、実際の排ガスは種々の成分か
ら構成されているガスであり、その組成・温度・流量は
時間的にも変動するので、それを模擬したモデルガスを
所望の試験条件で供給することは簡単ではない。
スとかガソリンエンジンの場合にもコールドスタート時
の排ガスを模擬するガス分析試験は、同排ガスが高沸点
の炭化水素を含んでいるので、試験条件を整えることは
なかなか難しかった。具体的には、高沸点の炭化水素を
気化させて安定に供給することが難しいうえに、高沸点
の炭化水素は熱分解を起こしやすく触媒などの供試材に
到達するまでに成分が変化してしまいやすかった。
ト)や炭化水素(HC)ガスなどの微量ガス成分とその
他の微量ガス成分とが含まれているが、このような排ガ
スのモデルガスで微量ガス成分が互いに化学反応してし
まい組成が変化する場合がある。
では試験用ガスを多量のキャリアーガスと微量の成分ガ
スとに分け、キャリアーガスを所定温度に調温し、触媒
と接触させる直前でキャリアーガスと成分ガスとを混合
し、所定温度の試験用ガスとして触媒と接触させる方法
を提案している。
間がかかるために、高速の温度変化に伴う触媒性能を調
べるための十分な試験ができないといった問題がある。
具体的には、従来の温調には、透明石英管が用いられて
いる。例えば、10〜50L/minのガスを流通させ
て試験する場合、内径15mm以上、肉厚2mm以上の
1本の透明石英管内に直径約5mm長さ5〜10mmの
石英製の短管や、直径5mm程度のSiC製の粒子を充
填材として装填し、その外部から加熱することにより熱
交換していた。
量が1L/minを越えると反応管の壁面からの熱交換
が不十分となり試験用ガスを目的とする温度まで十分に
暖めることができない。そのため外周部と内部で、試験
片の温度が均一とならない問題がある。また、流量が少
ないと流速が遅くガスが通過する間にガス拡散が起こる
ために高速の変動ガスを流通させることができない、と
いう問題がある。
填材内で乱流を起こすため、10〜数10cm程度の短
い反応管内で10〜50L/min程度の大流量の試験
用ガスを数100℃までの目的とする温度まで加熱する
ことができるという利点がある。しかし、充填材内で乱
流が起きるため、変動周期数秒以下の高速の変動雰囲気
ガスを試験片に流通させようとしても、ガスのミキシン
グのため変動ガス成分が均一化し、希望する高速の変動
ガスを流通させることができない。その上、高速の昇降
温を行おうとしても、反応管外部から加えた熱が反応管
の内部の充填材まで伝わりにくく、また冷却時には内部
の熱が冷えにくいため高速の昇降温試験ができない、と
いう問題がある。
合には、石英は熱伝導度が低いため、高速の昇降温試験
ができない、という問題がある。また、石英は衝撃に弱
いため人為的なミスにより破損する危険性が高い。また
接合部に摺り合わせを用いるため試験後焼き付きを起こ
し、破損の危険性が大きい。
間に所定温度に試験用ガスを調温できるガス分析試験装
置及びそれに使用する反応装置を提供することを解決す
べき課題とする。
に、細管を用い、通過ガス量に対する調温用壁面の割合
を大きくすることにより短時間に調温することが可能で
あることに思い至り本発明を完成したものである。
所定のガス組成の試験用ガスを供給するガス供給装置
と、該ガス供給装置から供給される該試験用ガスが導入
される導入部と該導入部に一端が開口し該導入部に供給
された該試験用ガスが調温される細管と該細管を調温す
る調温部と該細管の他端が開口し該試験用ガスと接触し
該試験用ガスを改質させる供試材を保持する反応室とを
持つ反応装置と、少なくとも該供試材に接触する前の該
試験用ガスの温度を計測する温度センサーと、少なくと
も該供試材で改質された改質ガスを分析する分析装置
と、該分析装置での分析結果および該温度センサの計測
結果を含むデータを記録すると共に、該データに基づい
て該試験用ガスの流量および該反応装置の該調温部を含
む試験条件を制御する記録制御装置と、を有することを
特徴とする。
導入される導入部と、該導入部に一端が開口し該導入部
に供給された該試験用ガスが調温される細管と、該細管
を調温する調温部と、該細管の他端が開口し該試験用ガ
スと接触し該試験用ガスを改質させる供試材を保持する
反応室とを持つことを特徴とする。
は、細管を採用し、この細管を調温部で所定温度に調温
し、試験用ガスは調温された細管の中を通過する際にそ
の内周面に衝突し、極短時間に所定温度に調温される。
細管を通過する時間は極めて短いために、試験用ガスの
上流側と下流側との拡散も起こりにくく、試験用ガスの
ガス成分割合の変動も抑えられる。さらに、極めて短時
間に加熱されるために試験用ガスを構成する成分間での
反応も抑えられる。
ス供給装置と反応装置と温度センサーと分析装置と記録
制御装置とを有する。
スを供給するものでる。試験用ガスは、個々の成分ガス
から混合して調製することができる。成分ガスとして
は、液状の炭化水素を気化させる気化ガス供給部を設け
るのが好ましい。具体的には、気化ガスを含む複数種類
のガスを個別に所定の流量で供給するガス供給部(MF
C)を設けるのが好ましい。試験用ガスは、ガス供給部
から供給されたガスが混合されたものとなる。なお、液
体を供給する場合には、MFCに替えて、多ヘッド型多
プランジャー方式の送液ポンプと脱気部とを使用でき
る。脱気部は液体を加熱する際に発生するガスを除去す
るもので、加熱により発生するガスを除いた後、送液ポ
ンプで液送するのが好ましい。この加熱により発生する
ガスを除くことにより多ヘッド型多プランジャー方式の
送液ポンプにより1μL/min±1%の変動の少ない
微量送液が可能となる。
としは、キャリアガスを供給するキャリアガス供給部
と、酸素、二酸化炭素、一酸化炭素、水素、水蒸気、ア
ンモニア、硫黄酸化物および窒素酸化物のうち少なくと
も一つの微量ガスを供給する微量ガス供給部とを設ける
のが好ましい。そして、窒素ガスなどのキャリヤガスに
各種微量ガス成分が混合された混合ガスが反応装置に供
給される。
素類だけではなく、酸素、二酸化炭素、一酸化炭素、水
素、水蒸気、アンモニア、硫黄酸化物および窒素酸化物
などが含まれうるので、混合ガスの成分は実際の内燃機
関から排出される排ガスの成分により近いものとするこ
とができる。したがってこのガス供給装置を用いること
により、実際の排ガスの成分により近い混合ガスを供給
することができ、より正確に模擬された排ガスに関する
試験が行えるようになるという効果がある。
ぞれの組成割合を連続的に変えたものとして供給するこ
ともできる。また、実際のエンジンの排気を試験用ガス
の一部として用いてもよい。
部と、この導入部に一端が開口し導入部に供給された試
験用ガスが調温される細管と、この細管を調温する調温
部と、細管の他端が開口しこの細管の他端からでる試験
用ガスと接触し試験用ガスを改質させる供試材を保持す
る反応室とを持つ。
で、細管が1本の場合には1本の連通管で構成できる。
複数の細管を採用する場合には、ガス導入空間を設ける
のが好ましい。そしてこのガス導入空間にそれぞれの細
管の一端が開口する。それぞれの細管に試験用ガスを均
等に導入するために、ガス導入空間に旋回流を与えるこ
とも好ましい。旋回流は、ガス導入空間をシリンダ状と
し、ガス供給装置から送られる試験用ガスをこのガス導
入空間に接線方向に導入することにより得られる。ま
た、ガス導入空間に整流手段を設けることもそれぞれの
細管に試験用ガスを均等に導入するのに好ましい。
調温するためのものである。この細管は、高温または低
温の調温用のガス等の調温用雰囲気中に保持され、触
媒、センサ、吸着剤、高温材料等の材料や、触媒ハニカ
ム、吸着筒、センサ等の部品に対する試験用ガスが細管
の通孔内を流れ、通孔を区画する内周面で調温される。
生じにくい、熱交換速度が速く高速の昇降温試験が可
能、.機械的強度が高く、高温または低温の使用条件
下で使用可能、等の性能を持つものが好ましい。
肉厚が2mm以下であるのが好ましい。より好ましくは
内径が0.8cm以下で、肉厚が1.0mm以下、さら
に好ましくは内径が0.5cm以下で、肉厚が0.5m
m程度がよい。細管の長さは細管を試験用ガスが通過す
る間に必要な調温ができるに十分な長さを必要とする。
細管を通過する試験用ガスの流速が速いほど長い細管を
必要とするし、細管の口径が大きいほど長い細管を必要
とする。実用的には口径5mm程度の細管で30cm程
度の長さを必要とする。
類当に応じて適宜選択することができる。例えば、液体
窒素から500℃程度の調温範囲ではアルミニウムある
いはアルミニウム合金製の細管が使用できる。500℃
以上の調温範囲では耐熱合金とかステンレススチールが
使用される。金属製の細管によって試験用ガスの反応が
促進される場合には、試験用ガスの反応を促進しない材
質の細管を選択するか内面を被覆する必用がある。この
ような場合には、石英製の細管が選択される場合があ
る。
使用することも好ましい。なお、各細管はいずれも同じ
もので調温も同じようにも調温される必要がある。この
ためには各細管は互いに所定距離隔てた状態で互いに平
行関係にあるように配置するのが好ましい。
管で、入りガス流量が50Lで昇温速度300℃/mi
n、入りガス流量10Lで1000℃/minの調温が
可能である。
の熱媒体を供給して細管を試験温度に調温する装置であ
る。即ち、調温部は、冷熱あるいは高熱を供給する冷高
熱源、及び、この冷高熱源で所定温度に調温された熱媒
体を保持するとともに細管が配置される調温室で構成さ
れる。冷高熱源としては、冷凍装置、電気炉、恒温装
置、燃焼炉等を採用できる。
いる熱媒体に対して耐久性がありかつ断熱性を有する材
質で作られているのが好ましい。細管と同じ材質のもの
で調温室を作り、適当な断熱材で断熱したものとした
り、ヒーターにより直接加熱する構造であっても良い。
験用ガスと接触し試験用ガスを改質させる供試材を保持
する室である。反応室には細管の他端が開口している。
そして供試材を保持するに十分な空間を持つ。供試材は
色々変えて試験に供されるため、反応室は、供試材を交
換するのに便利な開閉式のものとするのが好ましい。
る。また、開閉自在とするため、摺り合わせの開閉部を
持つ蓋部材を備えるものとするのが好ましい。摺り合わ
せ部には、高度の気密性を保つために、焼鈍処理した金
線やアルミニウム線でシールするメタルシール構造を有
するものとするのが好ましい。供試材を反応室の中央等
の所定位置に位置づけるために、供試材を保持する試料
台を反応室に設けたり、細管から送り出される試験用ガ
スが均一かつ均等に供試材に送られるように、細管の開
口と供試材との間に拡散層を設けるのが好ましい。拡散
層は、例えば目の粗いフィルター等のもので形成され、
試験用ガスの流れを均一化し、反応室の中心部分の流れ
も周縁部分の流れも同じような早さの流れとする。
より具体的には、供試材の上流側の試験用ガスの温度、
供試材と接触して改質された後の試験用ガスの温度を測
定するものとするのが好ましい。さらには、供試材の温
度を検出するのも好ましい。温度センサーとしては、熱
電対、サーミスター等を用いることができる。
改質された試験用ガスのガス組成を成分分析するもので
ある。供試材による改質をさらに確実に測定するため、
分析装置は供試材に接触する前の試験用ガスも共に分析
するものが好ましい。
用できる。
共に必要なデータを記録する。具体的にはガス供給装置
を制御し、予め登録された試験用ガスを所定時刻に調整
し供給する。反応装置の調温部を制御し、調温部を駆動
して細管を設定した温度に調温する。さらには反応室の
温度を温度センサーで検出し、時系列的に温度を記録す
る。また、分析装置を駆動制御し、必要な分析を行うと
共に、分析結果を記録する。このような記録制御装置も
従来のものをそのまま使用することができる。
を計測するため、例えば熱電対の計測部を反応室内に位
置させる必要がある。また、反応室内の試験用ガスを分
析するために、反応室内の所定部分のガスを抜き取るサ
ンプリング管を反応室内に設ける必要がある。このよう
なセンサー及びサンプリング管の配置等も従来と同様に
設けることができる。
は、試験用ガスを調温する細管を使用しているため、試
験用ガスの乱流を防ぎ、高速の変動雰囲気ガスを試験片
に供給できる。また、細管の熱交換速度が速いため高速
の昇降温試験が可能となる。また、本発明のガス分析試
験装置及び反応装置は機械的強度が高く取り扱いが容
易、高温の使用条件下での使用が可能、具体的には10
00℃以上1100℃程度までの試験が可能となる。ま
た、反応装置に耐熱鋼とメタルシールを用いた場合、接
合部の耐熱性が高く、昇降温後においても焼き付きが無
く繰り返し使用できる。さらに、本発明のガス分析試験
装置及び反応装置は、試験片に流入する直近のすなわ
ち、熱履歴後の、試験用ガスと温度及び試験片を通過し
た後の試験用ガスと温度を分析または計測・制御でき
る。
試験装置について説明したが、2個の反応室とこれら個
々の反応室に試験用ガスを独立に導入する2本の細管を
用いた場合には、従来のガス分析試験装置では試験でき
なかった次のような試験が可能となる。
反応室には供試材を入れないで、同時に個々の細管から
同じ温度に調温された試験用ガスを入れ、反応室からで
るガスをそれぞれ分析する。供試材の入っていない反応
室をでるガスの分析により、供試材以外の、例えば調温
のための細管等を通過する過程での試験用ガスの変化が
調べることが可能となり、より正確に供試材の試験用ガ
スによる反応を解析できる。
個の反応室を用いて調べることができる。この場合も1
個の反応室に試験すべき供試材としての触媒を入れ、他
の反応室は供試材わ入れない状態としておく。最初に供
試材の入っていない反応室に試験用ガスを流し試験用ガ
スが予定された組成のものかどうか及び試験温度になっ
ているか否か調べる。この時には触媒の入っていない反
応室及びこれに繋がっている細管には試験用ガスは供給
されていない。試験用ガスが予定されたものであると確
認された後で、試験用ガスを触媒の入っている細管及び
反応室に切り換えて流す。これにより触媒の温度が室温
に近い状態において所定温度及び所定組成の試験用ガス
の変化を調べることができる。
いては、当業者に実施可能な理解が得らえるよう、以下
の実施例で明確かつ十分に説明する。
試験装置は、図1に全体のシステム構成を示すように、
大きく分けてガス供給部1と試験部2と分析部7と記録
制御部8とから構成されている。
等を気化させて供給する液体供給部11、微量ガスを供
給する微量ガス供給部12及び試験用ガス組成を大きく
変動させるガス変動部13とを持つ。
窒素ガスと水蒸気を供給する水供給部111をもつ。窒
素ガス及び水はそれぞれマスフロー・コントローラ(M
FC)により質量流量がそれぞれ適正に調整される。な
お、いずれのMFCも、記録制御部8の演算装置および
制御装置により、適正にフィードバック制御されてい
る。MFCを通った窒素ガス及び水は気化器でガス化さ
れ試験部2に送られる。
供給するガス化部112をもつ。このガス化部112
は、直接液体のまま有機物をMFCに送り、それらの質
量流量を適正に調整された後、気化器でガス化し試験部
2に送る。
素、二酸化硫黄、一酸化窒素、炭化水素をそれぞれMF
Cによりそれらの質量流量を適正に調整した後、試験部
2に送る。ガス変動部13は窒素ガス、一酸化炭素と水
素ガスとの混合ガス、酸素、その他のガスをそれぞれM
FCによりそれらの質量流量を適正に調整した後、タイ
マー等でプログラム制御による開閉可能な弁を通して試
験部2に送る。
ボンベ等に収納されている。そしてそれぞれMFCによ
り質量流量を適正に調整し、液状のものはそれぞれ気化
器でガス化され、合流器で合流して試験用ガスとなる。
分5リットルから4000リットルまでの間で任意の流
量を得ることができる。
して比較的多量に使用される。水は加湿ガスとして使用
される。水は水タンクから窒素ガスで加圧され所定流量
で供給される。水は加熱気化させて水蒸気とし他のガス
と混合されて加湿ガスとされる。
どの燃料は所定流量で供給され、350〜450℃の間
の任意の温度に加熱されて気化する。具体的には、気化
燃料ガスの温度は170〜500℃の間で所定の温度に
制御されており、気化燃料ガスの供給量は±2%以上の
精度ので流量制御されている。これに対応して、所定の
濃度の混合ガスが得られるように、希釈ガスとしての窒
素は±1%以上の精度で流量制御されている。
所定の成分の炭化水素が所定流量で供給され、水と同様
気化器によりガス化し供給できる。場合によっては希釈
ガスによる、バブリング構造を取ることもできる。
一酸化炭素)の濃度および酸化性ガス(たとえば酸素)
の濃度を、記録制御部8に予め格納されたプログラムに
従って高速で変動させながら、これらのガスを試験部2
に供給する。
が配設されており、各種ガス成分を所望の割合で試験部
2の反応管に安定供給することが可能になっている。
試験用ガスを分割して複数の試験用ガス流とする分割器
21及び反応装置22(図2)とからなる。本実施例で
は分割器21を採用しているが、同時に複数の試験を実
施しない場合には分割器は必要とされない。
組の反応部221と、ヒータ装置222とからなる。反
応部221は、その要部を図2及び斜視図である図3に
示すように、分割器21からそれぞれ分流して送られて
くる試験用ガスが導入される導入部3と、この導入部3
に一端が開口し試験用ガスが調温される6本の細管4
と、これら細管4の他端が開口し試験用ガスと接触して
改質させる供試材50を保持する反応室51をもつ反応
管5と、導出部6とを持つ。
空円盤状の上蓋32と、この上蓋32の旋回流室31の
内壁面に対して接線方向に繋がるガス通路33と、この
ガス通路33に連結され上蓋32に固定された導入管3
4とからなる。上蓋32の上端側には、サンプルガスを
抽出する第1サンプリング管71を保持し旋回流室31
の上端を区画し上蓋32に固定された径違いユニオン3
5を持つ。第1サンプリング管71には上流側温度セン
サー72を構成する熱電対が配置されている。なお、熱
電対は高速の昇降温に追従しやすいくするため、線径
0.5mmのRシース熱電対を用いた。
71を中心として互いに間隔を隔てて同心円状に等間隔
に配置された6本の細管4の上端部を保持し、旋回流室
31の下端を区画し上蓋32に固定された基部36をも
つ。
れも耐熱鋼製(インコネル625、大同スペシャルメタ
ル製:商品名)で、直径8mm、内径6mmであり、細
管4の長さは43cmである。細管4及び第1サンプリ
ング管71の下端は固定部41に固定保持されている。
73の上部に至る部分はヒータ装置222内に位置して
いる。
で、固定部41の下端に固定され、内部の反応室51の
上方にガスの拡散を促進するメッシュ52を持つ。第1
サンプリング管71の下端は反応室の上端に開口してい
る。また、上流側温度センサー72は第1サンプリング
管71の下端からさらに延び、その下端はメッシュ52
の中央に設けられたガイド孔を通り、反応室51内に設
けられた供試材50の上方に位置している。
下端に固定された蓋部62と蓋部62に設けられた排出
管63とからなる。管状本体61の上端は反応管5の下
端部分と着脱自在で、メタルシールにより気密的に固定
される構造となっている。
はSUS管73が固定され、この管73内には下流側温
度センサー74を構成する熱伝対線が配置され、その上
端は熱電対固定用管73の上端より突出し供試材50の
直下に位置している。
ぎ手は説明したものを除き全てスウェージロックチュー
ブ継ぎ手を用いた。
り所定温度に保つもので、複数組の反応部221の各細
管4及び第1サンプリング管71が加熱空気に晒され、
これら細管4及び第1サンプリング管71を所定温度に
調温する。細管4内を通る試験用ガスは細管4の内壁面
で加熱され、所定温度に調温される。
計、CO2 計、THC計、NOx 計、O2 計、SOx
計、λ計およびNO2 計)を有し、サンプリングされた
各混合ガスの成分をオンライン計測によりそれぞれ分析
する。この分析の結果得られたデータは、信号線を通じ
て記録制御部8に伝送される。
示記録装置とからなる。表示記録部は、分析部7での分
析結果および各温度センサの計測結果を含むデータを時
系列で記録すると共に、モニター画面に映し出してリア
ルタイムで表示する。また記録制御部8は、これらのデ
ータに基づいて前述の複数種類のガスの流量(MFCで
調節)およびヒータ61,62の出力を含む試験条件を
フィードバック制御する。
が、必要に応じてファジー制御則や他の制御則を用いて
も良く、演算装置内の制御ソフトウェアの変更でいかよ
うにも対応することができる。
置の常用使用温度は1050℃である。この装置を供試
材の高温耐久試験及び性能試験に用いた。
備えたガス供給部1により表1に示す組成のガソリン自
動車の排ガスを模試した試験用ガスを細管1本当たり2
0L/minの流量で発生させ、100℃から1000
℃までの昇降温試験を実施した、その結果1000℃/
15分以上の昇降温速度を実現できた。
を2秒とし、供試材50の上流側の第1サンプリング管
71からサンプリングしたガスを分析した。その結果、
細管4内で仕込みの変動が平均化されることなく供試材
50に供給できることが確認できた。
使用したが、若干酸化の進行は認められるものの、使用
上問題なく。長時間の使用に耐えられることが確認でき
た。 実施例2 実施例1の細管4及び反応管5の材質を全てSUS30
4に置き換えた反応装置を作り500℃で500時間試
験した。その結果、SUS304に置き換えた反応装置
は500℃までの試験に十分耐えられることがわかっ
た。 実施例3 更に実施例2の反応装置の細管4の外径を3.2mm、
内径を2.4mm、本数20本とし同様の反応装置を製
作した。この反応装置では更に変動周期0.5秒の実験
も可能となった。 実施例4 また、実施例3の反応装置において、細管の管径を外径
3.2mm、内径を2.4mm、本数20本のままと
し、材質をアルミニウムとし熱伝導率を高めた細管を用
いた反応装置を製作した。この反応装置では、昇降温速
度を1000℃/1分以内の実験が可能になった。ここ
ではアルミニウムの融点を考え試験温度とし、〜300
℃以下の実験とした。
℃)や液体酸素(−183℃)の極低温下でも脆性破壊
がなく、靭性が大きいため、液体窒素に浸ける冷熱試験
に用いることもできる。
用して以下に示す試験1〜4の試験を行った行った。
昇温時の、触媒による多成分ガスの浄化率、雰囲気調整
能力、等の測定を行った。供試材には、酸化アルミニウ
ム(A1203)担体4gと、セリアとジルコニアを合
わせて2.5gを含む助触媒との混合担体に対し白金
(Pt)0.05gとロジウム(Rh)0.01gを担
持した35ccのハニカム状の触媒を用いた。
ッチ及びリーンの2種類の混合ガスを採用し、1秒間隔
でリッチ及びリーンを切り替え周期が2秒の高速変動ガ
スとした。なお、供試材通過後のガスの空撚比(λ)が
試験中常に0.998となるように酸素濃度と窒素濃度
を微調して試験した。供試材の体積に対する体積流量率
SV(スペ−スベロシティ−)は、毎時3.4万(20
L/min)であり、そのうち試験分析のために採取さ
れた摂取量は、合計で0.5リットル/minとした。
なお、この試験では反応管を1本のみ試用した。また、
反応装置全体がヒータ装置内に保持され、供試材も試験
用ガスの温度と同じ温度に加熱された状態で試験した。
計測し、ガス温度で10℃/minの昇温試験を行い、
100℃から500℃まで昇温し、その間0.1秒間隔
で連続的にオンライン測定した。
図5に示す。図5から解るように、本装置により100
℃から500℃まで試験用ガスの出ガスのλ平均値を常
に0.998に調整することができ、実際の自動車の暖
気後の触媒性能の挙動を適切に計測できることが確認さ
れた。そして本装置により、1回の測定でTHC、NO
x、COの浄化率(50%浄化温度)、O2、CO2、N
H3の濃度変化、300℃と400℃でのλの平均値と
変動幅(変動幅が小さいほど触媒の雰囲気調整能力が高
いことを示す)、入りガスと出ガスの温度差などを同時
に計測・解析することができることが確認された。
かなように、THC、NOx、COの浄化率を示す、縦
軸を「浄化率」とし横軸を「温度」とするグラフが自動
的に得られる。なお、ここでいう浄化率とは、ガス供給
部から反応室に供給される試験用ガス中の微量ガス成分
に対する、供試材を通過した後のガス中の微量ガス成分
の減少量の百分率である。このグラフから、試験1での
触媒の多成分ガスに対する浄化作用の温度特性は明らか
である。
は、実際の自動車排ガスの実測値から任意の条件が再現
できる様、排気温度とλを変数とする、各成分濃度の近
似式が各種エンジンごとの実施値から組み込まれてお
り、任意に書き換えることもできる。そして本装置には
エンジン(近似式)の種類・温度・λ・雰囲気気動の大
きさ・雰囲気変動周期・水分やSOx、HCの種類と濃
度の比・時間と共に変化させる前記要素を任意に選ぶこ
とにより任意の試験が行えるプログラムが組み込まれて
いる。
スの反応性の測定を行った。
装置の外に位置する状態とし、細管のみがヒータ装置に
より加熱される状態とした。供試材としては、実際に5
万Km走行していた市販車のハニカム触媒から切り出し
た長さ5cm直径3cmの触媒(35cc)を用いた。
また、試験用ガスには、表1と同じ濃度の試験ガスを用
いた。ガス流量としては20L/min、触媒の体積に
対する体積流量率SV(スペ−スベロシティ−)は、毎
時3.4万であり、そのうちサンプリングラインへの摂
取量は、合計で0.5リットル/min)とした。
計測される出ガス温度で、室温から300℃まで1分以
内で昇温し、0.05秒間隔で連続的にオンライン計測
した。この試験では、同じヒータ装置に2組の細管及び
反応管を用い、一本の反応管に供試材を入れ、他方の反
応管は供試材を入れない状態とし、まず供試材の入って
いない側の細管に試験用ガスを全て流し、その反応管の
出ガスを分析することにより試験ガスの調整を行うと共
に、出ガス温度を500℃で一定になる条件とした。
り換え、供試材の入っている反応管に繋がる細管に試験
用ガスを流した。そして、供試材が室温にある状態で3
00℃の試験用ガスを供試材に当て、供試材が室温から
300℃まで1分以内で昇温した場合の、微量成分の出
ガス濃度を測定した。その時のガス流通開始から1分間
の触媒出ガスのTHC、NOx、CO濃度、λ、出ガス
のTHC、NOx、CO濃度、λ、出ガス温度のそれぞ
れについて2秒間づつの平均値を図6に示した。
より、自動車始動時の触媒の排ガス浄化挙動を的確に測
定することができる。
COの浄化特性、排気成分の吸放出に伴うλの変化、触
媒の暖気性を示す触媒の出ガス温度等を同時に評価し、
触媒特性の把握を的確に行うことができる。
THC、NOx、COの50%浄化時間、90%浄化時
間、200℃、250℃、300℃まで昇温時間が計測
され、実エンジンの始動時の排ガス浄化挙動により近い
試験が本実施例のガス分析試験装置で可能であることが
明らかになった。また、本試験の結果からも、前述の試
験1の結果と同様に本実施例のガス分析試験装置効果を
実証することができた。
応管を用い、細管及び反応管を共に管状炉からなるヒー
タ装置内にに配置して実験を行った。供試材としては、
酸化アルミニウム製の担体4gを35ccのセル/in
2のモノリス基材に担持した担体に対しパラジウム(P
d)を0.05〜0.25gまで0.O5gずつ担持量
を変えて担持させたハニカム状の触媒を用いた。同触媒
に対する混合ガスの容積流量率SVは毎時5万であっ
た。
に混合ガスを流通させ、それぞれの反応管に装填した触
媒に高速の変動ガスを流通させ、一度500℃で10分
間前処理を行った後200℃、300℃、400℃の各
温度で10分間安定させた後、個々の反応管の入りガス
と出ガスを順次分析することにより、各温度での各触媒
の浄化率と雰囲気調整能力(酸素貯蔵能)を同時に評価
した。
0hr耐久試験した後、400℃、300℃、200℃
の各温度で再び高速の変動ガス中で触媒性能、即ち、浄
化率と雰囲気調整能力及びミリ秒レベルの時間変化の速
い浄化能の変化・高速の雰囲気調整能力、酸素貯蔵能
力、酸素貯蔵放出速度、高速の各種雰囲気変動ガス成分
(02、CO、CO2、NOx、HC、SO2、N2O、N
H3、H2O等)の吸着脱離速度などを同時に評価した。
この後再び変動周期を長くし1100℃で10hr耐久
試験した後、400℃、300℃、200℃の各温度で
再び高速の変動ガス中での触媒性能即ち、浄化率と雰囲
気調整能力(酸素貯蔵能)を同時に評価した。
片の試験が、前処理→性能試験→800℃耐久試験→性
能試験→1100℃耐久試験→性能試験と言う連続した
試験を効率良く行えた。この結果、5種類の触媒の各温
度での浄化率、と雰囲気変動幅を順次効率よく計測する
ことができ、本発明の装置と方法の有用性が確認され
た。
化する場合の触媒出ガス中の窒素酸化物、炭化水素およ
び−酸化炭素の濃度の転化率、雰囲気変動幅(雰囲気調
整能力)が計測された。
に変動させていく試験の場合にも、本実施例の試験装置
によれば、予めプログラムされたとおりに自動的に混合
ガスの組成を変化させていき、デ−タを自動的に記録す
ることが可能であることが事証された。
試験装置では、試験条件の多くを自動的に設定し、多様
なガス分析試験を自動的に行って自動的にデ−タを記録
することができ、複雑なガス分析試験の省力化および効
率化に多大な効果があることが明らかになった。
ス触媒に限らず、ハニカム状の目皿の上に石英ウ−ルを
置きその上にペレット状の試験片をならべて試験するこ
ともでき、また、試験片から信号線を介して起電力や抵
抗変化を計測することによりセンサの試験にも用いるこ
とができる。従って、供試材の形状や用途には特に限定
することなく本発明の装置を使用できる。
示すブロック図
た線図
た線図
ス供給部 13:ガス変動部 2:試験部 21:分割器
22:反応装置 3:導入部 4:細管 5:反応管 6:導出部 7:分析部 8:記録制御部
Claims (14)
- 【請求項1】 所定のガス組成の試験用ガスを供給する
ガス供給装置と、 該ガス供給装置から供給される該試験用ガスが導入され
る導入部と、該導入部に一端が開口し該導入部に供給さ
れた該試験用ガスが調温される細管と、該細管を調温す
る調温部と、該細管の他端が開口し該試験用ガスと接触
し該試験用ガスを改質させる供試材を保持する反応室と
を持つ反応装置と、 少なくとも該供試材に接触する前の該試験用ガスの温度
を計測する温度センサーと、 少なくとも該供試材で改質された改質ガスを分析する分
析装置と、 該分析装置での分析結果および該温度センサの計測結果
を含むデータを記録すると共に、該データに基づいて該
試験用ガスの流量および該反応装置の該調温部を含む試
験条件を制御する記録制御装置と、 を有することを特徴とするガス分析試験装置。 - 【請求項2】 前記ガス供給装置は液状の炭化水素を気
化させる気化ガス供給部を含み、該気化ガスを含む複数
種類のガスを個別に所定の流量で供給する装置である請
求項1記載のガス分析試験装置。 - 【請求項3】 前記温度センサーは前記供試材に接触し
た後の改質された試験用ガスの温度も計測し、前記分析
装置は前記供試材に接触する前の前記試験用ガスを分析
する請求項1記載のガス分析試験装置。 - 【請求項4】 前記細管は複数本で構成されている請求
項1記載のガス分析試験装置。 - 【請求項5】 複数本の前記細管の他端が開口する前記
反応室の前記供試材が保持される上流側に各前記細管か
ら排出される前記試験用ガスを混合均質化する均質化部
材を持つ請求項4記載のガス分析試験装置。 - 【請求項6】 複数本の前記細管の一端が開口する前記
導入部は前記試験用ガスが旋回する旋回室をもつ請求項
4記載のガス分析試験装置。 - 【請求項7】 前記細管は耐熱鋼製である請求項1記載
のガス分析試験装置。 - 【請求項8】 前記ガス供給装置から供給される前記試
験用ガスを複数支流に分割する分割手段をもち、 該反応装置は該支流から該試験用ガスを受ける複数の細
管及び反応室を持つ請求項1記載のガス分析試験装置。 - 【請求項9】 試験用ガスが導入される導入部と、該導
入部に一端が開口し該導入部に供給された該試験用ガス
が調温される細管と、該細管を調温する調温部と、該細
管の他端が開口し該試験用ガスと接触し該試験用ガスを
改質させる供試材を保持する反応室とを持つことを特徴
とする反応装置。 - 【請求項10】 前記細管は複数本で構成されている請
求項9記載の反応装置。 - 【請求項11】 複数本の前記細管の他端が開口する前
記反応室の前記供試材が保持される上流側に各前記細管
から排出される前記試験用ガスを混合均質化する均質化
部材を持つ請求項10記載の反応装置。 - 【請求項12】 複数本の前記細管の一端が開口する前
記導入部は前記試験用ガスが旋回する旋回室をもつ請求
項10記載の反応装置。 - 【請求項13】 前記細管は耐熱鋼製である請求項9記
載の反応装置。 - 【請求項14】 前記導入部は前記試験用ガスを複数支
流に分割する分割手段をもち、該支流から該試験用ガス
を受ける複数の前記細管及び前記反応室を持つ請求項9
記載の反応装置。
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