JP2002310991A - 電気泳動部材およびその製造方法 - Google Patents

電気泳動部材およびその製造方法

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JP2002310991A
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Kunihisa Nagino
邦久 薙野
Hitoshi Nobumasa
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Abstract

(57)【要約】 【課題】プラスチックを用いた電気泳動部材およびその
製造方法を提供すること。さらには、泳動用の溝の形状
が再現性よくかつ大量生産を実現すること。 【解決手段】一対の略同型の平板を備え、少なくとも一
枚の平板の表面に泳動溝が形成された電気泳動部材の製
造方法であって、目的とする泳動溝が形成された母基板
上に、金属板を作製する行程、母基板と金属板とを分離
する行程、さらにこの金属板を原盤として射出成形を行
い平板を成形する行程を少なくとも含むことを特徴とす
る電気泳動部材の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、極微量の分離され
た液体試料についての紫外あるいは可視領域の光線の吸
収もしくは発光を測定し、分離した成分を検出する場合
に利用される電気泳動部材およびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】極微量の分離された成分の検出、分析な
どの分野において、近年は従来のキャピラリー電気泳動
装置に変わり、ガラス基板を用いた電気泳動部材上に液
体試料を導入するための流路と液体試料を分離するため
の流路を、マイクロマシニング技術を用いて形成した電
気泳動装置が開発されている(Science、vol.261、p.89
5-897(1993))。この電気泳動装置の特徴は、高速分
析が可能、溶媒消費量が極めて少ない、必要とされるサ
ンプルが極微量で済む、装置の小型化が可能などであ
り、これらの利点によって、従来の分析装置では実現が
困難であった現場(オンサイト、ベッドサイド)分析を
可能とし、さらにDNA分析などの分野に対しては高速
分析の視点からスクリーニングに有利なものとして有望
視されている。しかしながらこのような部材の材料は一
般的にガラスに限られており、その製造方法もマイクロ
マシニング技術を利用したものに限られていることが多
い。この場合、検出のための光の透過性を確保する目的
と、接合工程の生産性を高める目的のために両面を鏡面
研磨したガラス基板が材料として必要となっている。こ
のため、基板の両面を鏡面研磨することにより基板コス
トが高くなり、コストダウンに不利である。さらに、大
量生産が可能な半導体製造装置は高価であるため、電気
泳動部材の生産時のコストダウンには限界があると予想
される。
【0003】このようなコストの問題を解決する方法と
して、特開平10−274638号公報には、プラスチ
ックを用いた部材について開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報にはプラスチックを用いた場合の具体的な製造方法に
ついては明確でなく、具体化に乏しい。本発明は、プラ
スチックを用いた電気泳動部材およびその製造方法に関
し、泳動用の溝の形状が再現性よくかつ大量生産を実現
できる製造方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、一対
の略同型の平板を備え、少なくとも一枚の平板の表面に
泳動溝が形成された電気泳動部材の製造方法であって、
目的とする泳動溝が形成された母基板上に、金属板を作
製する行程、母基板と金属板とを分離する行程、さらに
この金属板を原盤として射出成形を行い平板を成形する
行程を少なくとも含むことを特徴とする電気泳動部材の
製造方法である。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
1の(1)〜(9)に従って述べる。 (1)基板上にエッチングマスク用の膜を作製する。こ
のときの基板として特に好ましく用いられるものはガラ
スである。また、エッチングマスク用の膜として特に好
ましく用いられるものはSiである。エッチングマスク
用の膜を形成する手段としては、公知のスパッタリング
法、CVD法、蒸着法などを用いて作製することができ
る。(2)この上にフォトレジストを塗布する。ここで
用いられるフォトレジストは、ノボラック樹脂、アクリ
ル樹脂、ポリイミド樹脂等公知のフォトレジストが挙げ
られる。図1においてはポジ型のフォトレジストを用い
ているが、ネガ型も用いることができる。またフォトレ
ジストの塗布方法は、スピンナーを用いた回転塗布、ス
プレーコーターを用いた噴霧塗布、浸漬、印刷、ロール
コーティングなどの手段が可能である。(3)パターニ
ング用のマスクをかぶせ、フォトレジストを露光する。
図1では、一態様としてパターニング用のマスクをかぶ
せ露光した場合を示したが、集光されたレーザービーム
をフォトレジストに照射し、目的とする溝形状にそって
レーザービーム、もしくはガラスを動かし、フォトレジ
ストを露光してもよい。また、露光源はX線、電子線、
紫外線、可視光線などが挙げられる。これらは用いられ
るフォトレジストに応じて適宜使い分けることもでき
る。(4)フォトレジストを現像する。用いられる現像
液はフォトレジストによって適当なものを選択すること
ができるが、アンモニア、テトラメチルアンモニウムハ
イドロオキサイド、ジエタノールアミンなどのアルカリ
水溶液等や、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジ
メチルホルムアミド等も挙げられる。また現像方法は浸
漬法やスプレー法などを用いて行える。(5)次にエッ
チングマスク用の膜について、溝を作製する部分を除去
する。除去する手段としてはリアクティブイオンエッチ
ング(ドライエッチング)、TMAH、KOH、ヒドラ
ジン等によるウェットエッチング、あるいはこれらの組
み合わせを用いることができる。(6)フッ酸などでガ
ラスのエッチングマスク用の膜がついていない部分をエ
ッチングする。図1では溝の断面が矩形状の場合を示し
たが、溝の断面が半円状、半楕円状のものであっても構
わない。(7)(1)および(2)の工程で形成したエ
ッチングマスク、フォトレジストを除去する。その方法
として、例えば、最初にフォトレジストを酸素プラズマ
中で灰化して除去し、さらにエッチングマスクをリアク
ティブイオンエッチング(ドライエッチング)すること
で除去できる。これにより母基板が完成する。(8)次
に電鋳により母基板状に金属板を作製する。金属の材料
としてNiが特に好ましく用いられる。(9)母基板と
金属板を分離する。分離された金属板は、プラスチック
平板の射出成型用の原盤として用いることができる。
【0007】本発明に係る電気泳動部材の材料は、とく
に限定されないが、PMMA、ポリカーボネートを主成
分とする良好な光透過性の樹脂組成物から形成すること
ができる。ポリカーボネートは、たとえば、2価フェノ
ールとカーボネート先駆体の反応によって得られる透明
なものである。2価フェノールとしてはハイドロキノ
ン、4,4′−ジオキシジフェニル、ビス(ヒドロキシ
フェニル)アルカン、ビス(ヒドロキシフェニル)シク
ロアルカン、ビス(ヒドロキシフェニル)エーテル、ビ
ス(ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(ヒドロキシフ
ェニル)スルフィド、ビス(ヒドロキシフェニル)スル
ホン、及びこれらの低級アルキル、ハロゲン等の置換体
を用いることができる。
【0008】上記ポリカーボネート樹脂組成物の粘度平
均分子量は、5000〜18000の範囲にあることが
好ましい。5000未満では、成形される基板の強度が
不十分となり、実用的な強度が得られにくい。また、1
8000を越えると、成形時の樹脂の流動性が低下し、
転写性や光学的歪量等に問題が出やすい。
【0009】なお、上記ポリカーボネート樹脂組成物に
は、本発明の目的を損なわない範囲で、各種添加剤(た
とえば、リン系安定剤等)が添加されてもよい。
【0010】たとえば、上記のように調製されたポリカ
ーボネート樹脂組成物を用いて、本発明に係る電気泳動
部材が成形される。成形においては、所定の金型内に、
上記の原盤が装着され、溶融樹脂が注入されプレス圧が
加えられて成形される。そして原盤の形状が転写され、
所定のプレス(型締め)が行われた後、脱型される。
【0011】このようにして、射出成型法により得られ
た微細な溝が刻まれたプラスチック平板と、複数個の貫
通穴(試料の導入と排出のため)がもうけられている平
板とを接着剤や超音波接合法により密着することにより
本発明の電気泳動部材が得られる。この複数個の貫通穴
が設けられている平板は、射出成形法や、平板にサンド
ブラスト、ドリル、レーザービームなどで貫通穴をあけ
ることにより容易に作製できる。
【0012】また、本発明によると、射出成形の繰り返
しにより原盤が劣化しても、同じ母基板に電鋳し、ほと
んど同じ形状の射出成型用の原盤をまた得ることができ
る。またプラスチック平板の好ましい厚さは、プラスチ
ックによる検出光の吸収を抑えるためできるだけ薄い方
がよく、100μm〜1mmが好ましい。
【0013】また、泳動溝の幅、深さは、効率的な分離
を実現できる大きさで、いずれも数100μm以下が好
ましい。さらに、液体試料もしくは泳動液の導入口およ
び排出口として機能する複数個の貫通穴は、液体試料も
しくは泳動液が問題なく注入排出できる大きさであれば
よく、数100μm〜数mmであることが好ましい。
【0014】なお、本発明の製造方法は電気泳動部材の
製造のみに適応されるものではなく、いわゆるラボオン
チップの製造方法にも好ましく用いることができる。
【0015】
【実施例】実施例1 厚さ1.2mm、直径5インチの合成石英ガラス上に、
スパッタリングによりエッチングマスクとして厚さ15
0nmのSi膜を作製した。この上にフォトレジスト
(ヘキスト社製、商品名「AZ4620」)をスピナー
で3μmの厚みに塗布した。その後、マスクを介してU
V光をフォトレジストに照射した。そして現像し、露光
した部分のフォトレジストを除去した。次に、現像まで
行ったガラス基板を真空容器内にいれ、SF6ガスを導
入しリアクティブイオンエッチングを行った。こうし
て、露光した部分のSi膜(エッチングマスク)を除去
した。続いてパーターニングされたフォトレジストとエ
ッチングマスクの両方をマスクとして、45%フッ酸水
溶液で室温にて石英ガラスをエッチングした。次に酸素
雰囲気下でプラズマエッチングを行い、フォトレジスト
を灰化してフォトレジストを除去した。さらにSF6
囲気下でリアクティブイオンエッチングを行い、エッチ
ング保護膜を除去した。このようにして、合成石英製の
母基板をえた。この母基板に刻まれた溝のディメンジョ
ンは、断面が半円状であり、もっとも幅の広い部分、す
なわち溝の一番上の部分は、幅50μmであった。深さ
は20μmであった。
【0016】次にこの母基板上にスパッタリングで厚さ
100nmのNiを作製し導通処理した。このNi導電
膜を電極としてNiを120分間電鋳めっきし、0.4
mm厚のNi板を作製した。次に、Ni板を母基板から
剥離し金属板に裏打ちした。これを直径80mm、厚み
1mmのキャビティーをもつ金型にセットし、成形材料
として数平均分子量15,000のポリカーボネート樹
脂(帝人化成(株) 、“パンライト”AD−5503)
を、成形装置として75トン射出成形機を使用して、シ
リンダ温度360℃、金型温度130℃にて厚さ1mm
の平板を成形した。
【0017】得られた平板には、表面に母基板と同じ幅
50μm、深さ20μmの泳動用溝が形成されていた。
さらに、溝が刻まれていない平板(ポリカーボネート
製)と超音波接合法で張り合わせ、電気泳動部材を得
た。
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、大量生産のための設備
投資が少なく、かつ量産性に優れた射出成形技術や超音
波接合技術を用いて微少な液体試料の分離経路を備えた
プラスチック製の電気泳動部材を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一工程を示した図
【符号の説明】 1 エッチングマスク成膜 2 フォトレジスト塗布 3 露光 4 現像 5 エッチング 6 ガラスエッチング 7 マスク除去 8 金属電鋳 9 母基板と金属板を分離 10 エッチングマスク 11 ガラス(基板) 12 フォトレジスト 13 パターニング用マスク 14 原盤

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一対の略同型の平板を備え、少なくとも一
    枚の平板の表面に泳動溝が形成された電気泳動部材の製
    造方法であって、目的とする泳動溝が形成された母基板
    上に、金属板を作製する行程、母基板と金属板とを分離
    する行程、さらにこの金属板を原盤として射出成形を行
    い平板を成形する行程を少なくとも含むことを特徴とす
    る電気泳動部材の製造方法。
  2. 【請求項2】金属板を電鋳によって作製することを特徴
    とする請求項1記載の電気泳動部材の製造方法。
  3. 【請求項3】プラスチックを射出成形することを特徴と
    する請求項1記載の電気泳動部材の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれか記載の製造方法に
    よって得られた電気泳動部材。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007023740A1 (ja) * 2005-08-26 2007-03-01 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha 電気泳動表示媒体における区画部材の製造方法及び電気泳動表示媒体
JP2009125878A (ja) * 2007-11-26 2009-06-11 Morioka Seiko Instruments Inc キャピラリーの製造方法

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WO2007023740A1 (ja) * 2005-08-26 2007-03-01 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha 電気泳動表示媒体における区画部材の製造方法及び電気泳動表示媒体
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