JP2002310611A - 干渉計 - Google Patents

干渉計

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JP2002310611A
JP2002310611A JP2001110000A JP2001110000A JP2002310611A JP 2002310611 A JP2002310611 A JP 2002310611A JP 2001110000 A JP2001110000 A JP 2001110000A JP 2001110000 A JP2001110000 A JP 2001110000A JP 2002310611 A JP2002310611 A JP 2002310611A
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由美子 大嵜
Akiyoshi Suzuki
章義 鈴木
Kenji Saito
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 非球面の形状を球面と同じ精度で測定が可能
で、かつ種々の面形状の測定に対応できる干渉計及びそ
れを用いた光学素子を用いた半導体露光装置を得ること 【解決手段】 干渉を利用して光学素子5の面形状を測
定する干渉計101において、参照光の波面を変形させ
る参照波面変形システムを有する。また、参照光側に、
弾性変形ミラー21とあらかじめ素性の分かった基準面
22を有して、それらからの光束より形成される干渉情
報を用いて、弾性ミラーの変形量をモニターする面変形
量モニター手段103を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は干渉計に関し、被検
物として球面から非球面にわたる広範囲な面形状に対応
し高精度で被検物の面形状を測定する際に好適なもので
ある。
【0002】この他本発明は、マスク上のパターンを感
光性の基板に転写し、半導体素子を製造する等のリソグ
ラフィ工程で使用される投影光学系を構成する各光学素
子(レンズ、フィルター等)の球面や非球面等の面形状
を高精度に測定する際に好適なものである。
【0003】
【従来の技術】光学系におけるイノベーションは常に新
しい光学素子、あるいは自由度の導入によってもたらさ
れている。この中で非球面の導入による光学性能の改善
は天体望遠鏡の昔から追及されてきた項目の一つである
が、近年、加工法や計測法の改善により、最も精度が要
求される半導体素子製造用の半導体露光装置に導入され
るところにいたった。
【0004】半導体露光装置における非球面の効果は大
きく分けて3つある。第一の効果は光学素子の枚数の削
減である。短波長化に伴い半導体露光装置の光学系には
石英や蛍石といった高価な材料を使用せざるを得なくな
ってきた。非球面の効果による光学素子の枚数の削減は
製作面及びコスト面で非常に効果が大きい。第二の効果
はコンパクト化である。非球面の効果として光学系を小
型化することが可能となって、やはり製作及びコストに
対する影響が無視できないほど大きい。第3の効果は高
性能化である。高NA化や、低収差化でますます要求精
度の高くなっている光学系の性能を達成する手段として
非球面の果たす役割は非常に重要となっている。
【0005】また、最近ではパターンの微細化の加速に
伴って次世代を担う露光方式としてEUVを用いる方式
が本命視されている。EUV(Extreme Ultra Violet)
では従来の光露光で用いられてきた光の波長の1/10
以下の13.4nmという短い波長の光を用いて、反射
結像光学系によりレチクル上の像をウェハーに転写す
る。EUVの領域では波長が短すぎる為、光が透過する
光学部材(透過材料)が存在せず、光学系はレンズを用
いないミラーのみの構成となる。しかしながら、EUV
の領域では反射材料も限られており、1面あたりのミラ
ーの反射率は70%弱しかない。従って、従来のレンズ
を用いた光学系の様に20枚を越えるような光学系の構
成は光利用効率の面から不可能で、なるべく少ない枚数
で所定の性能を満足する結像光学系を構成しなければな
らない。
【0006】現在、EUVの実験機で用いられているの
は3枚または4枚構成のミラー系でNAが0.1前後の
ものであるが、将来的には6枚のミラー系構成でNA
0.25から0.30前後のシステムがターゲットとな
っている。このような高性能の光学系を少ない枚数で実
現する手段として、実際に高精度な非球面を加工し、計
測し、所定の面形状の光学素子を得ることが従来技術の
壁を打ち破るために必須の技術となってきている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高性能
が得られる設計値が得られても従来の非球面の加工では
非球面の計測精度に限界があり、所定の値以上の非球面
量を持った面は加工できないという問題点があった。該
所定の値は所望の精度で計測できる範囲によって定めら
れる。よく知られているように、計測と加工は一体のも
のであり、良い計測精度がなければ精密な加工を行うこ
とは不可能である。
【0008】球面形状の計測の技術は光学素子の計測で
最も通常に用いられる技術であるため汎用の装置も製品
として存在しており、絶えざる精度向上の努力により精
度も大幅に向上している。しかしながら測定波長の10
倍以上の大きな非球面量になると干渉縞の間隔が細かく
なりすぎて球面計測と同じ計測精度を出すことが困難と
なる。通常、大きな非球面方法として機械的あるいは光
学的なプローブを用いて非球面の表面を計測する方法も
知られている。しかしながらプローブ法は種々の形状の
非球面に対応できるフレキシビリティは備えているもの
の、プローブ自体の計測限界や、プローブの位置計測の
安定性などに問題があり、干渉計測法ほどの精度を出す
ことが困難である。
【0009】本発明は非球面の形状を球面と同じ精度で
測定が可能で、かつ種々の面形状の測定に対応できる干
渉計及びそれを用いられた光学素子を用いた半導体露光
装置の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の干渉計
は干渉を利用して光学素子の面形状を測定する干渉計に
おいて、参照光の波面を変形させる参照波面変形システ
ムを有することを特徴としている。
【0011】請求項2の発明は請求項1の発明において
前記参照波面変形システムは、光学素子の面形状を作成
することが出来る面形状が可変の弾性変形ミラーを参照
光側に有することを特徴としている。
【0012】請求項3の発明は請求項2の発明において
前記参照波面変形システムは参照光側に、前記弾性変形
ミラーとあらかじめ素性の分かった基準面を有し、弾性
変形ミラーと基準面からの光束より形成される干渉情報
を用いて、弾性変形ミラーの変形量をモニターする面変
形量モニタ手段を有することを特徴ととしている。
【0013】請求項4の発明は請求項3の発明において
参照光側に配置した基準面の形状は不変であることを特
徴としている。
【0014】請求項5の発明は請求項3の発明において
前記参照波面変形システムで用いる干渉用の光束の波長
は光学素子の面形状の計測に用いる光束の波長と異なる
ことを特徴としている。
【0015】請求項6の発明の干渉計は干渉を利用して
光学素子の面形状を測定する干渉計において、参照光側
には面形状を変化させることが出来る該弾性変形ミラ
ー、物体光側では面形状の測定基準となる波面を作成す
ることが出来る基準波面発生ユニットを具備することを
特徴としている。
【0016】請求項7の発明は請求項6の発明において
前記参照光側の弾性変形ミラーと、物体光側の基準波面
発生ユニットを用い、両者の波面から所望の非球面波面
を作成し、参照光の波面と物体光の波面を観察面におい
て干渉させるよう、両者の調整を行うことを特徴として
いる。
【0017】請求項8の発明は請求項7の発明において
物体光側の基準波面発生ユニットが波面の動径(R)の
4次を中心とした低次成分を生成し、参照光側の弾性変
形ミラーでは動径(R)の6次以上の高次成分を生成す
ることを特徴としている。
【0018】請求項9の発明は請求項6,7又は8の発
明において前記基準波面生成ユニットは球面収差発生手
段を有することを特徴としている。
【0019】請求項10の発明は請求項9の発明におい
て前記球面収差発生ユニットは、複数のレンズを有し、
このうち2つのレンズのレンズ間の距離を調整すること
によって球面収差を発生していることを特徴としてい
る。
【0020】請求項11の発明は請求項2乃至10のい
ずれか1項の発明において前記基準波面生成ユニットは
アルバレズレンズを有することを特徴としている。
【0021】請求項12の発明は請求項11の発明にお
いて前記アルバレズレンズは波面の動径の6次以上の波
面成分が測定可能な範囲に調整することを特徴としてい
る。
【0022】請求項13の発明は請求項12の発明にお
いて前記アルバレズレンズは、それが補正する波面の動
径の次数に対応して複数個設けられていることを特徴と
している。
【0023】請求項14の発明は請求項11の発明にお
いて前記アルバレズレンズは波面の動径の4次以上の波
面成分が測定可能な範囲に調整することを特徴としてい
る。
【0024】請求項15の発明は請求項6の発明におい
て前記基準波面生成ユニットで可変的に波面を生成する
際に、光軸上、移動する光学部材の位置情報をモニタす
る位置情報モニタ手段を有することを特徴としている。
【0025】請求項16の発明は請求項15の発明にお
いて前記光学部材の移動量に応じて、発生する波面を演
算手段で計算し、基準波面として用いることを特徴とし
ている。
【0026】請求項17の発明は請求項3の発明におい
て前記面変形量モニタ手段で用いる干渉用の光束の波長
は光学素子の面形状の計測に用いる光束の波長と同一で
あることを特徴としている。
【0027】請求項18の発明は請求項6の発明におい
て物体光側の基準波面発生ユニットが生成する波面の動
径の次数と参照光側の弾性変形ミラーが生成する波面の
動径の次数とは互いに異なっていることを特徴としてい
る。
【0028】請求項19の発明の半導体露光装置は請求
項1乃至18のいずれか1項の干渉計を用いて作成され
た光学素子を用いることによって作成されたことを特徴
としている。
【0029】請求項20の発明の面形状測定方法は、請
求項1乃至18のいずれか1項の干渉計を用いて光学素
子の表面形状を測定することを特徴としている。
【0030】請求項21の発明は、請求項2乃至8のい
ずれか1項の発明において参照光側にアルバレズレンズ
を有することを特徴としている。
【0031】
【発明の実施の形態】通常の球面を測定する干渉計は精
度及び測定再現性などに長足の進歩を見せている。最近
では測定再現性で0.1nmに近づこうという精度を見
せるまでになっており、EUV時代の計測装置としても
使用出来る位のレベルに達している。
【0032】これに対し非球面の面形状の計測は非球面
自体の要望があったにも拘らず、誤差要因が多いと言う
ことで、精度も要求を満たしていなかった。本発明の実
施形態はこの球面と非球面との乖離をなくすことを特徴
としている。このため、本発明の実施形態では精度上の
達成値を球面波にすることを目標として、球面計測用の
光学配置を基礎に非球面を計測する構成を用いている。
【0033】尚、本発明において非球面とは球面又は平
面でないことを意味している。
【0034】本発明の実施形態では、非球面の波面を、
参照光の波面と物体光の波面から、正確に合成して作っ
ている。このとき参照光の波面は弾性変形ミラーで作成
し、物体光の波面は光学系の収差をもとに発生させてい
る。
【0035】参照光側は弾性変形ミラーを用いて自由に
形状を作成できるため、所望の波面を作成することが容
易である。
【0036】物体光側の基準波面の作成には様々な方法
を用いることが出来るが、以下の考えをもとに光学系の
収差を発生させることにより、汎用性の高いシステムを
構築することが出来る。
【0037】最近の半導体製造装置における高精度な駆
動の実現、及び計算機の発達は基準位置の収差さえはっ
きりしておれば、該基準位置からオープンループで各エ
レメントを駆動した後に発生する収差を正確に知ること
を可能とする。本発明はこの点を考慮して非球面が球面
からのずれと言う形で定義される以上、該非球面を収差
とみなし、該収差量を収差発生光学系(基準波面発生ユ
ニット)で発生させることによって、所望の非球面形状
を持つ波面を発生させている。
【0038】本実施形態では任意の形状の非球面を、汎
用で検出できることのできる干渉計を提供している。
【0039】本実施形態では、参照光側の波面を変形さ
せるシステムを有し、この波面変形に弾性変形ミラーを
用いることを特徴としている。
【0040】また参照光側の弾性変形ミラーの形状をモ
ニターするための基準面を有し、弾性変形ミラーと基準
面間で弾性変形量モニタ干渉計を構成することを特徴と
している。
【0041】さらに、参照光側の弾性変形ミラーで作成
した波面と、物体光側で発生させた基準波面によって、
種々の非球面計測を行っている。
【0042】参照光側で用いる弾性変形ミラーは、例え
ば薄いガラス板をアクチュエーターやピエゾで制御する
ことにより、自由にミラー形状(面形状)を変化させる
ことが出来る構成となっている。この弾性変形ミラーを
参照面として用いることにより、所望の参照波面を作成
している。また、この弾性変形ミラーの面形状をモニタ
ーするために、基準面(例えば平面ミラーや球面原器、
非球面原器)を有し、この弾性変形ミラーと基準面とで
干渉計を構成することによって、変形量を精度良くモニ
ターしている。また、弾性変形ミラーの面形状のモニタ
ーには、計測波長と異なる波長を用いることで、変形量
をモニターしながら、非球面形状の計測を行うことを可
能としている。
【0043】尚、弾性変形ミラーの面形状のモニターで
計測波長と同一の波長の光を用いても良い。
【0044】一方物体光側では、非球面形状の計測の基
準となる波面を作成する。この基準波面は光学系の収差
を基準波面作成ユニットによってコントロールして作成
する。
【0045】次に物体光側で光学系の収差によって基準
波面を作成する場合に関して、説明する。図1の基準波
面作成ユニット3では、非球面を特徴づける非球面形状
の各次数を、球面収差の発生やアルバレズレンズの組み
合わせなどで独立に制御する。対象となる光学系は共軸
であることが多いことから、光学素子は回転対称性を持
っていることが多い。従って球面からのずれは光軸から
の距離(動径)をRとした時、動径Rの4乗以上の偶数
項で表わされる場合が通常である。特に重要なのは動径
Rの4乗の項であるが、4乗の項は収差で言うと球面収
差に相当する。そのため、基準波面作成ユニット3で
は、球面収差を故意に所望の値発生させて、非球面の形
状が持っている成分に対応する波面を形成させる。但
し、一般に非球面は動径Rの4乗だけでは表わすことが
できない場合が多いため、4乗以上の高次の項に関して
は各次数ごとにアルバレズレンズを利用して制御できる
収差を発生させることで、所望の非球面を構成する波面
を合成することも可能であるし、また、アルバレズレンズ
で4次以上の総ての波面を発生させることも可能であ
る。
【0046】本実施形態では、参照光側と物体光側でそ
れぞれ非球面波面を作成し、この波面をもとに観察面7
1で波面を干渉させることによって、任意の非球面形状
の測定を可能としている。したがって、参照光の波面を
弾性変形ミラーによって任意に変形させることが出来る
こと、物体光側には、非球面形状測定の基準波面を作成
する「基準波面発生ユニット」を具備することを特徴と
している。
【0047】本実施形態では、参照光側で弾性変形ミラ
ー、物体光側で基準波面発生ユニットを用いることによ
って、両者の波面を調整して合成するため、種々の非球
面波面を容易に作成することが出来る。従って、装置自
体を基準として様々な非球面を測定することができるた
めに、極めて汎用性を持つ装置を構成している。また、汎
用性があるにも拘らず干渉計測法であるために球面を測
定するのと同じ精度が達成できるため、従来より高精度
で非球面の面形状を測定することが困難であった非球面
の面形状を高精度に測定することができる。
【0048】次に本発明の実施形態を図を用いて説明す
る。
【0049】(実施形態1)図1は本発明の実施形態1
の要部概略図である。図1は被検面としての非球面の表
面形状測定法を示している。本実施形態1は参照光側に
弾性変形ミラー21を用い、物体光側に基準波面発生ユ
ニット3を用い、両者の非球面波面を用いて、被検面5
の非球面形状を測定するものである。そして、特に参照
光側の弾性変形ミラー21では非球面の高次(波面の動
径Rの6乗以上)の波面を作成し、物体光側の基準波面
作成ユニット3では球面収差を発生させ、波面の動径R
の4乗以上の基準波面を作成する場合を示している。
【0050】尚、波面の動径Rの次数の発生は任意であ
っても良い。
【0051】図1に示す干渉計は通常トワイマン・グリ
ーンの干渉計といわれる構成をとっている。レーザ光源
1からコリメートされた光(平行光)が干渉計に入ると
ころから図は始まっている。レーザ光源としてはHeN
e、Ar、HeCd、YAGの高調波など公知のレーザ
を用いることができる。
【0052】コリメートされてきた光Laは先ずビーム
スプリッタ11で波面が分割され、参照光として参照面
を形成する弾性変形ミラー21へ行く参照光路と、被検
面5のある物体光路とに分割される。
【0053】その後参照光と物体光をビームスプリッタ
11で合波し、レンズ61を介して、CCD等の撮像手
段(観察面)71上に干渉情報を形成し、これより被検
面5の面形状を測定している。
【0054】まず、参照光側の光路について説明する。
【0055】参照光路に行った光はビームスプリッタ1
2を通過し、弾性変形ミラー(参照ミラー)21で反射
して、再びビームスプリッタ11に戻ってくる。高精度
な計測精度を得るためには位相計測をすることが必須と
なるのでPMI(Phase Measuring Interferometer)と
言われる手法が適用される。例えば図1の構成では参照
ミラー21が波長オーダで光軸方向に微小駆動されてい
る。
【0056】この弾性変形ミラー21は、図2に示した
ように、例えば薄いガラス板21aをアクチュエーター
やピエゾ等の駆動部材21bを駆動手段21cで制御す
ることにより、自由にミラー形状(反射面形状)を変化
させ、所望の非球面波面を作成している。
【0057】この弾性変形ミラー21を用いるために
は、この変形量を精度良くモニターする必要がある。ピ
エゾやアクチュエーターの精度では計測精度が不十分の
ため、本システムは、図1に示すように、参照面の変形
量をモニターするためのもう1つの干渉計(変形量モニ
ター干渉計)101を参照面側に具備している。被検面
5の非球面形状を計測しながら、参照面の弾性変形ミラ
ー21の変形量を随時モニターするためには、非球面の
計測波長とは異なる波長を用いることが必要である。
【0058】非球面形状と弾性変形量の測定精度を比較
すると、非球面形状の方がより高い精度が要求される。
一般的に、波長の短い方が精度良く測定することが出来
るため、、光源1は変形量モニター干渉計101側の光
源2より波長が短いレーザー光源を用いる場合を図1に
示している。
【0059】また、非球面計測と変形量モニターに異な
る波長を用いることで、リアルタイムに測定することが
出来るため、ピエゾやアクチュエーターの不安定成分を
常に検出し、フィードバックをかけることが出来るメリ
ットもある。
【0060】尚、随時モニタする必要がないときは光源
1と光源2からの光束の波長は同一であっても良い。
【0061】以下に、この変形量モニター干渉計101
について、説明する。光源1より波長の長い光を放射す
る光源2からの光La2をコリメートし、ビームスプリ
ッタ13で反射させたのち、もう1つのビームスプリッ
タ12で、波面を参照面である弾性変形ミラー21側
と、基準面22である平面ミラー側に分割する。
【0062】弾性変形ミラー21からの光は再びビーム
スプリッタ12に戻って反射し、一方基準面22である
平面ミラーから反射した光はビームスプリッタ12を透
過する。この2つの波面を干渉させ、レンズ62、CC
D72を通して参照面21の弾性変形量を面変形量モニ
タ手段103でモニターする。ここで用いたビームスプ
リッタ−12は、参照面21の弾性変形量のモニターに
用いる光源2からの光の波面を2つに分割し、非球面計
測に用いる光源1からの光Laの波長は透過するもの
(ダイクロイックミラー)である。
【0063】さらに、基準面としてあらかじめ素性(面
形状)の分かっている平面ミラー22を用い、上記に説
明した参照光側の変形量モニター干渉計101によって
変形量をモニターしながら、基準面(平面ミラー)22
と弾性変形ミラー21を一致させることで、弾性変形ミ
ラー21の平面キャリブレーションを行う。そして、キ
ャリブレーション後、ピエゾやアクチュエーターによっ
て、弾性変形ミラーの表面形状を変化させ、所望の非球
面波面を形成している。
【0064】次に、図1の物体光側の光路について説明
する。ビームスプリッタ11で波面が分割され、物体光
路に分けられた光は基準波面発生ユニット3に入射す
る。基準波面発生ユニット3の構成は種々考えられる
が、図1の構成では主として波面の動径Rの4乗に対応
する波面を、基準波面発生ユニット3の中にある光学系
の光軸方向の位置を調整し、球面収差を発生させてい
る。
【0065】ここではまず球面収差の発生法について説
明する。図1中32は第1のレンズ、33は第2のレン
ズである。レンズ32は図1の構成ではビームスプリッ
タ11から入射してくる平行光を点Aに結像する作用を
する。レンズ32は軸上付近のごく小さい範囲だけ収差
を補正しておけばよいので、収差量をきわめて小さく抑
えることができる。またたとえレンズ32の収差が微小
のこっていても、微小量であるためオフセット処理でキ
ャンセルすることが可能である。以降の説明ではレンズ
32の収差は無視することができるとして話を進める。
【0066】レンズ33は有限物点に対して収差の良く
補正されたレンズである。例えば顕微鏡の対物レンズの
ようなもので、所定の物像位置関係で収差が良く補正さ
れている。該レンズ33の結像は従って、所定の関係か
ら外れた位置設定になっていると収差を多く発生する。
干渉計の光学配置では軸上しか使用しないので、所定の
関係からずれて発生する収差は光軸に関し回転対称な収
差、即ち球面収差となる。
【0067】従ってレンズ32によって形成される結像
点Aの位置がレンズ33の収差が補正されるべき物点の
位置と一致しておれば、レンズ33を通過後に形成され
る結像位置における収差は極めてよく補正されている。
図中Bで示されている点は後続のコリメータ4の収差が
最もよく補正されている位置である。
【0068】点Bの位置が点Aのレンズ33による結像
位置に合致すると、図1を構成する総ての光学要素が最
も収差の小さくなる配置されたことになる。このように
レンズ32、33、コリメータ4が収差の最も良く補正
される状態となった時、図1の干渉計は「基準状態」に
配置されていると定義する。
【0069】基準状態についての記述を先に進めると、
レンズ33によって点Bに結像した光は次いでコリメー
タ4に入射し、コリメータ4によって発散波を収束波に
変換されて被検物体5に向かう。コリメータ4は結像点
Bに対して収差補正されている光学系であるため、収束
波は収差のない(収差の極めて少ない)波面となって被
検物体5に向かう。即ち基準状態は球面の測定を行うの
に適した配置となっている。基準状態で被検物体として
あらかじめ素性のわかっている基準球面を配置すればレ
ンズ32からコリメータ4にいたる測定光学系の収差の
オフセットを求めることができる。即ち、基準状態は被
検面として球面の測定に適した状態であり、なおかつ測
定系のオフセットをとる役割を果たす。なお、オフセッ
トの取り方については"Optical Shop Testing"(Malacar
a編)等に詳しいので、ここでは詳述しない。
【0070】次いで非球面の測定について説明する。本
発明者が測定対象となる非球面の形状を分析したとこ
ろ、非球面の形状は回転対称型の光学系の場合、波面の
動径Rの4乗、6乗、8乗、10乗、…の順番に低次か
ら近似を行っていくことが効率的なことが判明した。従
って、物体光側の基準波面と参照光側の弾性ミラーによ
る波面を作成する際、測定できる範囲内に入るまで動径
Rの4乗、6乗、8乗、10乗、…の順番に低次から波
面を合成している。
【0071】図1に示した実施形態1では、物体光側に
おいて基準波面発生ユニット3で球面収差を故意に発生
させ、非球面の主に動径Rの4乗の項を発生させ(正確
には動径Rの4乗だけでなく動径Rの4乗以上の高次項
も発生する)、参照光側において弾性変形ミラー21を
用いて動径Rの6乗以上の高次を発生させ、両者の波面
によって種々の非球面波面を作成できる構成となってい
る。
【0072】ここで物体光側の基準波面発生ユニット3
による球面収差の発生は以下の手順で行われる。レンズ
33は前に説明したように、レンズ32の結像点Aが所
定の物点位置に来た時のみ点Bでの収差が補正される。
従って、レンズ32を光軸方向に動かして点Aの位置を
レンズ33の収差が取れる位置からずらすと、結像点の
位置は点Bからずれて、しかも球面収差が発生したもの
となる。
【0073】この間の様子を示したのが図3である。図
3(a)はレンズ33の収差が良く補正されるレンズ配
置で、レンズ32によって形成される結像位置点Aがレ
ンズ33の収差の取れている点33pに結像し、点33
qに結像している。基準状態では点33qがコリメータ
4の収差の補正されている物点位置Bに一致している。
次いで図3(b)に示すようにレンズ32を右に動かす
ことによって結像位置Aを点33p1の位置にずらす。
ずらした結果、レンズ33による結像位置は点33q1
に移動する。点33p1と点33q1は収差の取れた関
係からずれているので球面収差が発生している。本実施
形態ではこの球面収差を非球面の基準波面に利用してい
る。コリメータ4との関係からレンズ32とレンズ33
を一体として左側に移動すれば、レンズ33による結像
位置を球面収差が発生した状態を保ったままで点Bに一
致させることができる。一体として移動できるのはレン
ズ32に入射する光束が平行光束であることによる。
【0074】基準波面発生ユニット3による球面収差の
発生量はレンズ32の結像点の移動量及び、移動方向で
量及び符号の双方をコントロールすることができる。従
って、動径Rの4乗の項は可変量として扱うことができ
る.本実施形態で目的の1つとするのはオングストロー
ムオーダーまでの測定精度が可能な高精度な測定であ
る。厳密にいうとレンズ32,33の位置調整によって
発生する収差は動径Rの4乗の項だけではないが、レン
ズ32,33の位置さえ精密にわかっていれば、その値
をコンピュータで計算することにより、高次の項まで正
確に発生する収差を計算することができる。計算された
値は高次項も含め、基準波面の値として用いられる。
【0075】したがって、参照光側の弾性変形ミラー2
1による波面と物体光側の基準波面発生ユニット3によ
る基準波面とを作成する際、参照光側の弾性変形ミラー
21の形状変化による非球面の波面作成、および物体面
側ではレンズ32,33の位置調整による球面収差の発
生を行い、これにより非球面形状が測定できる範囲内に
入るまで動径Rの4乗、6乗、8乗、10乗、…の順番
に低次から波面を合成していくことで、種々の非球面形
状を測定している。
【0076】また、図1に示した本実施形態1では、レ
ンズ32の位置検出を行うために、レンズ32の鏡筒の
位置をモニタするレーザ干渉計(位置情報モニター手段)
102を用いている。具体的にはレンズ32の鏡筒を移
動させる機械部品32−1に位置をモニタするレーザ干
渉計102からの光束32−2が入射している。レーザ
干渉計の代わりにマグネスケールやエンコーダ等の位置
検出素子を使うことも可能で、該モニタ機能を用いて演
算手段104で計算を行うことにより発生する収差量を
正確に知ることができる。
【0077】一方、レーザ干渉計102でモニタできる
のはあくまで相対変位量なので、基準となる位置は別途
決定する必要がある。基準となる位置を決定するために
は前述の「基準状態」を利用する。光学系を基準状態に
おき、被検物体位置に素性のわかっている基準球面を置
く、この状態で収差が予め分かっている基準球面のデー
タに最も近くなるようにレンズ32,33、コリメータ
4、基準球面の位置を調整する。
【0078】調整した後にある許容値以内に入った状態
で、レンズ32,33、コリメータ4の調整を終了す
る。この位置が位置検出素子(レーザ干渉計102)の
基準位置となる。該基準位置からの駆動量が与える収差
の発生量は、駆動量の測定精度から定まる精度で正確に
計算することができる。レーザ干渉計102を用いれば
駆動精度はナノメートルオーダまで可能であるため、発
生する収差の値を知るには十分な精度である。
【0079】図1にはレンズ32にしか位置検出素子が
示されていないが、その他の光学素子33,4,21な
どにも同様に位置検出素子が配置されている。
【0080】なお、ここでは、弾性変形ミラーのキャリ
ブレーションおよび変形量モニター時の基準面として平
面ミラーを用いたが、あらかじめ非球面量が測定されて
いる複数の球面原器または非球面原器を用いても良い。
【0081】例えば図9に示すように球面量または非球
面量が測定されている複数の原器A〜Dを用い、その中
から1つを選択して用いても良い。
【0082】さらに、本実施形態において、物体光側で
はレンズ32,33の位置調整による球面収差の発生に
よって基準波面を作成する場合を説明した。球面収差の
発生方法はこれに限ったものではなく、図4に例として
示したような方法でも良い。本実施形態では基準波面発
生ユニット3内のレンズ133が平行光入射に対して収
差を発生させる機能を持っている。
【0083】図4(A)はレンズ133を構成する2つ
のレンズ133a,133bの間隔dを制御することに
よって球面収差の発生量を制御する方式である。間隔d
の変化に伴う結像位置の変化はレンズ133全体を移動
することによって調整する。また間隔dの基準位置は先
の実施形態と同じくレンズ133とコリメータ4、基準
球面を用いて、同じような基準状態を求めることによっ
て行う。
【0084】図4(B)はレンズ133の後側の位置に
厚さを連続的に変えることのできる全体として平行平板
と成る楔形の2つのプリズム部材134,135を挿入
した例である。平行平板の厚さを可変にするには2枚の
同じ角度を持つウェッジ134,135を組み合わせ、
光軸0aと直交する方向に動かすことによって目的を達
成することができる。この場合の基準位置の調整も先の
実施形態と同じく基準状態をいったん達成することによ
って求めることができる。
【0085】図4(C)は厚さの異なる複数の平行平板
を離散的に変えて球面収差を制御する例である。この場
合には該平行平板の厚さを正確に測定することを利用し
て、発生する球面収差を求めることができる。
【0086】本実施形態では以上の構成により弾性変形
ミラー21を介した参照波面と、基準波面発生ユニット
3,コリメーター4を通過し,被検面5で反射し,元の
光路を戻った被検波面(信号波面)と、をビームスプリ
ッター11で合成し,レンズ61によってCCD等の撮
像手段71上に干渉波面を形成し,該撮像手段71から
の信号(干渉信号)によって被検面5の面形状(面情
報)を測定している。
【0087】(実施形態2)図5は本発明の実施形態2
の要部概略図である。本実施形態は,被検面として非球
面の測定法を示している。本実施形態2は参照光側に弾
性変形ミラー21を用い、物体光側に基準波面発生ユニ
ット3を用い、両者の非球面波面を用いて、被検面5の
非球面形状を測定するもので、基本的な構成は実施形態
1と同じである。
【0088】本実施形態が実施形態1と異なるところ
は、物体光側の「基準波面作成ユニット」3で球面収差
を発生させるとき動径Rの4乗以上、の他にさらにアル
バルツレンズを用いて動径Rの6乗の波面を作成し、参
照光側の弾性変形ミラー21では動径Rの8乗以上の高
次の波面を作成することである。
【0089】実施形態1では、物体光側の基準波面作成
ユニット3におけるレンズ32の位置調整によって主に
動径Rの4乗の項の収差である球面収差を発生させる場
合を説明した。しかし、実際の非球面は、このような動
径Rの4乗の項のみで表わしきれるものではなく、より
高次の項の導入も必要となる場合がある。レンズ32の
位置調整だけで動径Rの6乗以上の高次の収差を自由に
制御し、非球面の基準波面とすることが難しい場合があ
る。
【0090】そこで、本実施形態2では実際の非球面に
存在する高次の形状を有する収差を発生させるため、ア
ルバレズレンズ31を利用している。
【0091】以下にアルバレズレンズ31について説明
する。
【0092】アルバレズレンズ31は図6に示すように
同一形状の2枚組のレンズ31a1,31a2で、f
(x,y)で示される非球面形状をした面が対抗して近
接して配置されたものである。2枚のレンズ31a1,
31a2の相対ずれがゼロである場合には、アルバレズ
レンズ31は平行平板と同じ働きをする。f(x,y)
の形を適当に選択すれば2枚のレンズ31a1,31a
2の一方を光軸0a方向と垂直のy方向にΔ、他方をー
Δ駆動することにより高次の収差を自由に発生させるこ
とができる.例えばy方向にずらして6乗の特性を出す
アルバレズレンズの形状f(x,y)は f(x,y)=a(x6y+y7/7) とすると、互いに±Δだけy方向にずれたアルバレズレ
ンズの透過波面W(x,y)は、硝材の屈折率をnとす
ると W(x,y)≒2aΔ(n−1)(x6+y6) となり、ずらし量Δに比例した波面を形成させることが
できる。ずらし量Δを説明したようにプラスとマイナス
に対称に構成すると、ずらし量Δの偶数次の項が消えて
ずらし量Δの非線形の効果を抑えることができる.発生
する収差の量はずらし量Δを制御することによって調整
することができる.アルバレズレンズ31を特徴付ける
非球面形状f(x,y)を理想的に作ることは困難であ
るため、製作誤差をキャリブレーションする必要があ
る.キャリブレーションの際には球面収差の場合と同じ
く基準状態と素性のわかっている基準面を用いて、測定
を行いオフセット量を計算する.オフセット量はf
(x,y)の誤差、ずれ量Δから発生する非線形効果等
も含めて補正する。またアルバレズレンズの位置は位置
検出素子を各アルバレズレンズに装着して検出を行う。
【0093】ここで説明したのは波面の動径Rの6乗の
項の説明であったが、更に8乗の項、10乗の項も別の
アルバレズレンズを挿入することによって制御すること
ができる.挿入すべきアルバレズレンズの数は対象とな
る非球面の形状によって異なる。図5では31が動径R
の6乗の項を発生させるアルバレズレンズに対応してい
る。
【0094】以上のように本実施形態2によって、参照
光側に弾性変形ミラー21を用い、物体光側に基準波面
発生ユニット3を用い、両者の非球面波面を用いて、被
検面5の非球面形状を測定するものであって、特に物体
光側の「基準波面作成ユニット3」では球面収差を発生
することにより主に動径Rの4乗(正確には高次も発生
する)、さらにアルバルツレンズ31を用いて動径Rの
6乗の波面を作成し、参照光側の弾性変形ミラー21で
は高次(動径Rの8乗以上)の波面を作成することによ
って、種々の非球面測定を可能にしている。
【0095】(実施形態3)図7は本発明の実施形態3
の要部概略図である。
【0096】本実施形態の基本的な構成は実施形態1,
2と同じで、参照光側に弾性変形ミラー21を用い、物
体光側に基準波面発生ユニット3を用い、両者で作成し
た非球面波面を用いて被検面5の非球面形状を測定する
ものである。特に本実施形態3は物体光側に2つのアル
バレズレンズ31a,31bを用いたことを特徴として
いる。
【0097】本実施形態では「基準波面作成ユニット
3」で球面収差を発生することにより主に動径Rの4乗
以上に比例する球面収差の発生量を制御し、さらにアル
バレズレンズ31aが動径Rの6乗に比例する波面、も
う1つのアルバレズレンズ31bが動径Rの8乗に比例
する波面を作成し、参照光側の弾性変形ミラー21では
動径Rの10乗以上の高次の波面を作成することによっ
て、種々の非球面測定を可能にしている。アルバレズレ
ンズ31a,31bの基準位置は実施形態1と同じくレ
ンズ32,33とコリメータ4、基準球面を用いて、同
じような基準状態を実現した上でアルバレズレンズを挿
入していってオフセットを求めることができる。
【0098】尚、実施例2と同様に、挿入するアルバレ
ズレンズの数は、対象となる非球面形状によって異な
る。
【0099】(実施形態4)図8は本発明の実施形態4
の要部概略図である。
【0100】本実施形態の基本的な構成は実施形態1,
2と同じで、参照光側に弾性変形ミラー21を用い、物
体光側に基準波面発生ユニット3を用い、両者の非球面
波面を用いて、被検面5の非球面形状を測定するもので
ある。本実施形態は物体光側のアルバレズレンズ31a
に動径Rの4乗の収差発生を負担させている。
【0101】本実施形態ではレンズ33が平行光を収差
なく結像させる機能を持っている。図中、アルバレズレ
ンズ31aが動径Rの4乗に比例する球面収差の発生量
を制御する.アルバレズレンズの基準位置は実施形態1
と同じくレンズ32,33とコリメータ4、基準球面を
用いて、同じような基準状態を実現した上でアルバレズ
レンズ31aを挿入していってオフセットを求めること
ができる.そして、参照光側に配置した弾性変形ミラー
21を用いることによって、物体光側のアルバレズレン
ズ31aで発生しない動径Rの6乗以上の高次項に比例
する収差の発生を行う。
【0102】尚、実施例2、実施例3と同様に、挿入す
るアルバレズレンズの数は、対象となる非球面形状によ
って異なる。
【0103】(実施形態5)図10は本発明の実施形態5
の要部概略図である。
【0104】本実施形態は実施形態1に比べて参照光の
波面を変形させる参照波面変形システムとして弾性変形
ミラーの代わりにアルバレズレンズ31と平面ミラー2
1aを用いている点が異なっているだけであり,その他
の構成は同じである。
【0105】本実施形態において,アルバレズレンズ3
1を波面の動径の次数に合わせて複数用いても良い。
【0106】尚、本実施形態においてアルバレズレンズ
31の代わりに波面の動径の所定の次数を発生させるこ
とができるCGH(Computer Generated Hologram)を
用いても良い。この場合複数のCGHを所望の波面に応
じて取替え、あるいは切換え可能な構成にしてもよい。
【0107】以上述べたように本実施形態によれば、参
照光側に波面を変形させることができるシステムを用い
物体光側に基準波面発生ユニットを用い、波面を調整し
て合成するため、種々の基準波面を非球面の形状ごとに
作成することができる。
【0108】また、装置自体が基準となるため、原器と
して装置を使うことができる。更に本実施形態は基準と
して発生させる波面を高精度に可変制御できるため、様
々な非球面を測定に対応することができ、極めて汎用性
が高い。又、汎用性があるにも拘らず干渉計測法である
ために球面を測定するのと同じ精度で非球面を測定する
ことができる。
【0109】本実施形態によれば、従来より設計値とし
ては存在したが実際には加工が困難であった非球面光学
素子を容易に製作することができる。又、EUVのよう
に精度が厳しい上に、使うことのできる枚数が限られて
いる光学系で、従来、実際には加工計測上の観点から適
用することのできなかった範囲にある非球面を持つ光学
素子を利用できる。この他、本実施形態によればEUV
だけでなく従来のUV、DUV、VUV領域の露光装置
における非球面にも適用することができる。又、非球面
を用いることにより光学系のフレキシビリティが増した
ことで、高精度の半導体露光装置を達成することができ
る。
【0110】また、本実施形態によれば半導体露光装置
だけでなく、他の光学装置にも同様に適用することがで
きる.以上の各実施形態の干渉計のうちの1つを用いて
作成された光学素子を第1の物体(レチクル)上に形成
されたパターンを第2の物体(ウエハ)上に結像させて
露光する投影露光装置における投影光学系に用いてい
る。
【0111】これによって高い光学性能の投影光学系の
製造を容易にしている。
【0112】
【発明の効果】本発明によれば非球面の形状を球面と同
じ精度で測定が可能で、かつ種々の面形状の測定に対応
できる干渉計及びそれを用いられた光学素子を用いた半
導体露光装置を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の非球面測定の干渉計の実施形態1の
要部概略図
【図2】 図1の変形ミラーの概要図
【図3】 図1の一部分の球面収差の発生を示す説明図
【図4】 本発明に係る種々の球面収差を発生する為の
説明図
【図5】 本発明の非球面測定の干渉計の実施形態2の
要部概略図
【図6】 図5のアルバレズレンズの原理説明図
【図7】 本発明の非球面測定の干渉計の実施形態3の
要部概略図
【図8】 本発明の非球面測定の干渉計の実施形態4の
要部概略図
【図9】 図1の一部分の変形例
【図10】 本発明の非球面測定の干渉計の実施形態5
の要部概略図
【符号の説明】
11,12,13 ビームスプリッタ 21 参照面の弾性変形ミラー 22 基準面 3 基準波面発生ユニット 32,33 レンズ 4 コリメータ 5 被検物体 61,62 結像レンズ 71,72 CCD 31a,31b アルバレズレンズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斉藤 謙治 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2F064 AA09 AA11 BB05 CC04 EE02 FF02 GG11 GG13 GG22 GG70 HH03 HH08 JJ01

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 干渉を利用して光学素子の面形状を測定
    する干渉計において、参照光の波面を変形させる参照波
    面変形システムを有することを特徴とする干渉計。
  2. 【請求項2】 前記参照波面変形システムは、光学素子
    の面形状を作成することが出来る面形状が可変の弾性変
    形ミラーを参照光側に有することを特徴とする請求項1
    記載の干渉計.
  3. 【請求項3】 前記参照波面変形システムは参照光側
    に、前記弾性変形ミラーとあらかじめ素性の分かった基
    準面を有し、弾性変形ミラーと基準面からの光束より形
    成される干渉情報を用いて、弾性変形ミラーの変形量を
    モニターする面変形量モニタ手段を有することを特徴と
    する請求項2記載の干渉計。
  4. 【請求項4】 参照光側に配置した基準面の形状は不変
    であることを特徴とする、請求項3記載の干渉計。
  5. 【請求項5】 前記参照波面変形システムで用いる干渉
    用の光束の波長は光学素子の面形状の計測に用いる光束
    の波長と異なることを特徴とする、請求項3記載の干渉
    計。
  6. 【請求項6】 干渉を利用して光学素子の面形状を測定
    する干渉計において、参照光側には面形状を変化させる
    ことが出来る該弾性変形ミラー、物体光側では面形状の
    測定基準となる波面を作成することが出来る基準波面発
    生ユニットを具備することを特徴とする干渉計。
  7. 【請求項7】 前記参照光側の弾性変形ミラーと、物体
    光側の基準波面発生ユニットを用い、両者の波面から所
    望の非球面波面を作成し、参照光の波面と物体光の波面
    を観察面において干渉させるよう、両者の調整を行うこ
    とを特徴とした請求項6記載の干渉計。
  8. 【請求項8】 物体光側の基準波面発生ユニットが波面
    の動径(R)の4次を中心とした低次成分を生成し、参
    照光側の弾性変形ミラーでは動径(R)の6次以上の高
    次成分を生成することを特徴ととした請求項7記載の干
    渉計。
  9. 【請求項9】 前記基準波面生成ユニットは球面収差発
    生手段を有することを特徴とする請求項6,7又は8記
    載の干渉計。
  10. 【請求項10】 前記球面収差発生ユニットは、複数の
    レンズを有し、このうち2つのレンズのレンズ間の距離
    を調整することによって球面収差を発生していることを
    特徴とする請求項9記載の干渉計.
  11. 【請求項11】 前記基準波面生成ユニットはアルバレ
    ズレンズを有することを特徴とする請求項2乃至10の
    いずれか1項に記載の干渉計。
  12. 【請求項12】 前記アルバレズレンズは波面の動径の
    6次以上の波面成分が測定可能な範囲に調整することを
    特徴とする請求項11記載の干渉計。
  13. 【請求項13】 前記アルバレズレンズは、それが補正
    する波面の動径の次数に対応して複数個設けられている
    ことを特徴とする請求項12記載の干渉計。
  14. 【請求項14】 前記アルバレズレンズは波面の動径の
    4次以上の波面成分が測定可能な範囲に調整することを
    特徴とする請求項11記載の干渉計。
  15. 【請求項15】 前記基準波面生成ユニットで可変的に
    波面を生成する際に、光軸上、移動する光学部材の位置
    情報をモニタする位置情報モニタ手段を有することを特
    徴とする請求項6記載の干渉計。
  16. 【請求項16】 前記光学部材の移動量に応じて、発生
    する波面を演算手段で計算し、基準波面として用いるこ
    とを特徴とする請求項15記載の干渉計。
  17. 【請求項17】 前記面変形量モニタ手段で用いる干渉
    用の光束の波長は光学素子の面形状の計測に用いる光束
    の波長と同一であることを特徴とする、請求項3記載の
    干渉計。
  18. 【請求項18】 物体光側の基準波面発生ユニットが生
    成する波面の動径の次数と参照光側の弾性変形ミラーが
    生成する波面の動径の次数とは互いに異なっていること
    を特徴とした請求項6記載の干渉計。
  19. 【請求項19】 請求項1乃至18のいずれか1項の干
    渉計を用いて作成された光学素子を用いることによって
    作成されたことを特徴とする半導体露光装置。
  20. 【請求項20】請求項1乃至18のいずれか1項の干渉
    計を用いて光学素子の表面形状を測定することを特徴と
    する面形状測定方法。
  21. 【請求項21】参照光側にアルバレズレンズを有するこ
    とを特徴とする請求項2乃至8のいずれか1項に記載の
    干渉計。
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