JP2002310439A - 加熱調理器 - Google Patents

加熱調理器

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JP2002310439A
JP2002310439A JP2001109926A JP2001109926A JP2002310439A JP 2002310439 A JP2002310439 A JP 2002310439A JP 2001109926 A JP2001109926 A JP 2001109926A JP 2001109926 A JP2001109926 A JP 2001109926A JP 2002310439 A JP2002310439 A JP 2002310439A
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cooking
rotation
container
stirring
heating
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JP2001109926A
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Hisashi Irii
久 入井
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱時に食材を収容した調理器を回転および
急停止させ、その際生じる慣性力を利用して食材を撹拌
できるようにする。 【解決手段】 加熱調理する調理室12底部に設けられ
た回転機構部19に対し、該回転機構部19の回転軸心
X1と偏心した位置に調理容器21を設置し、加熱調理
時に、前記回転機構部19の回転および急停止を繰り返
し行なうことで、前記調理容器21内の食材29を慣性
力により撹拌する構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、煮込み調理時に必
要な食材の撹拌機能を備えた加熱調理器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、加熱調理器において、例えば高周
波加熱によりカレー,クリームシチュー,肉じゃが,野
菜スープ等の煮込み調理する場合、加熱時に食材たるじ
ゃがいもや根菜類が乾燥するのを防ぐために、加熱調理
中に煮汁から当該食材が露出しない程度に煮汁を用意し
た上で、調理を行なう必要があった。しかしながら、調
理メニューによっては食材が露出しないほどの煮汁を必
ずしも必要とせず、斯かる場合には煮汁を無駄にしたり
加熱時間が長くなったりする不具合を生じ、また最初に
用意する煮汁の量が少ない場合には、加熱中に煮汁が減
少して食材が露出し乾燥してしまうなど、仕上がり状態
が悪くなる。
【0003】そこで、このような不具合に対処すべく、
図9に示すような撹拌機能を有する専用の所謂撹拌容器
3が供されている。即ち、上記撹拌容器3は調理室2内
に出し入れ可能に設けられ、中心部分には着脱可能な専
用の撹拌用の羽根4を備えた深底円筒状をなしている。
しかるに、調理器本体1下部の調理室2の下方には、図
示しないモータ等を含む回転機構部が配設され、その調
理室2内に突出した回転軸5に連動して上記羽根4が回
転されるようにしている。従って、加熱調理時には少な
くとも食材の同じ部分が煮汁から常時露出しないように
撹拌しつつ調理可能としていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】確かに、この専用の撹
拌容器3を用いて撹拌することで食材の乾燥を防ぐこと
は有効である。ところが、前記撹拌羽根4は清掃するた
めにも着脱可能であるため、該羽根4をセットし忘れた
状態で撹拌容器3内に煮汁や食材を先に入れてしまう場
合もある。斯かる場合、該容器3から食材等を取り出
し、撹拌羽根4を取付けた後に再び入れなおすという煩
わしさを伴う。また、食材は羽根4により直接機械的な
加圧作用を受け易く、食材が煮くずれを起し易い。更に
は、加熱調理後にあっても専用の撹拌容器3から他の容
器に食材等の調理物を移し替えたり、羽根4の保管や清
掃および取付作業など、実用上における取扱いも面倒で
ある等の憂いを有していた。
【0005】本発明は上記した事情に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、撹拌用の羽根を用いることなく
回転および急停止に伴い生じる慣性力を利用して食材を
撹拌可能とする加熱調理器を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の加熱調理器は、食材を加熱調理する調理
室と、この調理室底部に設けられた回転機構部と、この
回転機構部の回転軸心と偏心した位置に設置された調理
容器とを備え、加熱調理時に、前記回転機構部の回転お
よび急停止を繰り返し行ない、前記調理容器内の食材を
慣性力により撹拌するようにしたことを特徴とする(請
求項1の発明)。
【0007】斯かる構成によれば、食材の撹拌作用は、
慣性力を利用するようにしたので、回転機構部の回転お
よび急停止の駆動制御により容易に実行うできる。そし
て、これにより食材が調理中に加熱乾燥されたり或は従
来構成の撹拌用羽根による煮くずれのおそれもなく仕上
り状態が良好な煮込み調理が実行できる。また、同一調
理の進展に応じて必要な時期に撹拌作用を行なうように
制御することも容易にできるので、調理メニューに対応
した各種の撹拌モードが設定可能となり、それだけ多く
の調理メニューに対処可能である。
【0008】しかも、従来では煮込み調理は撹拌用羽根
を備えた専用の容器であったため、調理後は他の容器に
移し替えたり、羽根や容器の面倒な掃除も伴うものであ
ったが、本発明では本来必要な調理容器を使用して煮込
み調理を実施できるので、調理室から取り出した状態の
まま使用できるとともに、煮汁を多めにするなどの無駄
がなく、また専用の撹拌容器を使用しないので煮込み調
理を温めなおすにも簡単に再セットできて、面倒な掃除
も必要としないなど、その取扱い性や使い勝手の良い加
熱調理器を提供できる。
【0009】そして、請求項1記載のものにおいて、回
転機構部は、可変速制御が可能な構成としたことを特徴
とする(請求項2の発明)。
【0010】斯かる構成によれば、慣性力の基本原理に
基づき回転速度に相応した慣性力が得られ、従って撹拌
度合の加減調節が容易にできるとともに、一層各種の調
理メニューに広く対処できる。
【0011】また、請求項1記載のものにおいて、回転
機構部の回転駆動時間を、可変制御可能としたことを特
徴とする(請求項3の発明)。
【0012】斯かる構成によれば、慣性力の基本原理に
基づき、撹拌度合の加減調節が容易にできるなど、上記
請求項2の発明と略同様の作用効果が期待できる。
【0013】また、請求項1記載のものにおいて、調理
容器は、回転機構部との偏心度合を調節可能に設置した
ことを特徴とする(請求項4の発明)。
【0014】斯かる構成によれば、慣性力の基本原理に
基づき、調理容器の偏心度合に相応して慣性力を加減で
き、従って撹拌度合の加減調節が容易にできるなど、や
はり上記請求項2の発明と略同様の作用効果が期待でき
る。
【0015】また、請求項1記載のものにおいて、回転
機構部は、可逆回転制御を可能としたことを特徴とする
(請求項5の発明)。
【0016】斯かる構成によれば、正逆回転方向に交互
に慣性力が生じるので、食材に与えられる撹拌作用が効
率良く行なわれ、食材のむらのない混合効果を得るに有
効である。
【0017】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)以下、本発
明の第1実施例について、図1ないし図5を参照して説
明する。まず、図2に示す加熱調理器の全体構成につい
て述べると、外郭を形成する調理器本体11の内部に
は、前面を開口する調理室12が設けられ、その前面開
口部に扉13を開閉可能に設けている。そして、この扉
13と隣接する図示右側の前面には、表示部14や各種
メニューキー15、およびスタートキー16を有する操
作パネル17が形成されている。
【0018】しかるに、上記操作パネル17の内方は、
図示しないが機械室として形成され、内部に高周波を派
生するマグネトロン装置や冷却ファン装置等を備えると
ともに、該操作パネル17の背部にはマイクロコンピュ
ータを主体とする回路等から構成された制御部18が設
けられている。そのうち、上記制御部18は、具体的に
はマグネトロン駆動回路や各種モータ駆動回路を有し、
且つ加熱運転のための制御プログラムが記憶されてい
て、前記操作パネル17の各種キーからの入力信号を受
けて設定された調理メニューに応じた加熱調理を自動的
に実行する所謂加熱制御手段として機能する。
【0019】そして、前記調理室12内の下部中央部に
は、後述する回転機構部19(図1参照)に連結された
設置部材20と、該設置部材20に載置支持され煮込み
用の食材等を収容する調理容器21が設置されている。
以下、上記回転機構部19およ設置部材20等の具体的
構成につき、図1に示す要部の分解図を参照して説明す
る。
【0020】まず、前記回転機構部19は、本体11内
の調理室12の下方に配設され可変速制御が可能とする
駆動モータ22と、このモータ22の回転軸23は調理
室12内の中央部に貫通突出され、その回転軸23に連
結され一体に回転する回転体24とから構成されてい
る。その回転体24は、全体形状としては円盤状をなす
とともに、係合部として複数個の例えば3個に等配分し
た穴部24aを形成しており、中心部には前記回転軸2
3と連結可能なボス部24bを具備している。
【0021】しかるに、本実施例では上記回転機構部1
9には、その駆動モータ22への断電停止に呼応して所
定時間動作する例えば一種の電磁ブレーキ25を備えて
いる。この電磁ブレーキ25は、前記回転軸23にブレ
ーキディスク26が固定され、このディスク26の両面
に相対してブレーキパッド27を回動可能に設け、その
基端部を電磁石28により連結動作する構成としたもの
で、上記回転機構部19の惰性回転を拘束し急停止可能
とする所謂制動手段を構成している。
【0022】そして、前記回転体24には、前記設置部
材20が着脱可能に装着されている。即ち、この設置部
材20は、円形板状の基板部20aを備え、該基板部2
0a下面に被係合部としての例えば3個の脚部20b
(2個のみ図示)を突設していて、これら脚部20bを
前記回転体24の穴部24aに挿入して回転方向に対し
て係合させることで、設置部材20は回転体24とは着
脱可能で、且つ一体に回転可能に連結される。尚、この
円形板状の基板部20aにあっては、回転体24とは同
心配置となり、従って前記回転軸23とその回転軸心
(軸心線X1)を同一とする。
【0023】一方、この基板部20aの上面には、前記
軸心線X1とは所定寸法(以下、偏心量Rとも記す)偏
心した中心(中心線X2)となす円形皿状の載置部20
cを一体に突設している。この載置部20cは、偏心し
たその中心線X2のもとに環状の周壁部と底部が基板部
20aの上面にて共通にした構成とからなり、以って基
板部20aとで設置部材20を構成している。しかし
て、前記調理容器21は、上記設置部材20の載置部2
0cに収納されるように載置され、該調理容器21は回
転軸心(軸心線X1)に対し、偏心(中心線X2)した位
置に設置支持される。尚、図中29は、調理容器21内
に収容された食材(後述する)を示す。
【0024】次に、上記構成の加熱調理器の作用につい
て説明する。今、煮込み調理として例えばポークカレー
を高周波加熱しながら調理する一例につき述べる。ま
ず、回転機構部19を構成する回転体24は、そのボス
部24bを介して調理室12内に突出した回転軸23の
上端部に連結されており、この回転体24上に設置部材
20を装着する。この場合、設置部材20が有する脚部
20bを回転体24の穴部24aに挿入することで、回
転方向に対し係合連結して一体化する。
【0025】そして、予め炒めた豚肉やじゃがいも,人
参等所望の根菜類などの固形物の食材29とカレールー
を水で溶かした煮汁を入れた調理容器21を、調理室1
2内の設置部材20の偏心した載置部20cに収納載置
する。尚、図示しないが上記調理容器21には、通常蓋
をする。そして、扉13を閉じることで加熱調理のセッ
トが完了する。
【0026】そこで、操作パネル17の該当するメニュ
ーキー15を操作し、スタートキー16を操作すること
で、制御部18は、これらのキー入力および予め記憶さ
れた制御プログラムに基づき、図示しないマグネトロン
装置を駆動制御し高周波による加熱調理を開始する。同
時に、駆動モータ22が通電駆動され、回転体24およ
び設置部材20を介して調理容器21が所定速度で回転
される。しかるに、一方向に回転継続されている場合
は、調理容器21内の食材29に対し若干の遠心作用を
受けるが格別な衝撃もなく、従って撹拌されることなく
高周波加熱される。
【0027】この状態から、所定のタイミングにて駆動
モータ21は断電し停止されると、これに合わせて調理
容器21や設置部材20を含めた回転機構部19の惰性
回転に対し電磁ブレーキ25が作動する。即ち、電磁石
28が駆動されて一対のブレーキパッド27がブレーキ
ディスク26を挟持する如く回動圧接して制動し、その
惰性回転を急速に減速し急停止させる。この結果、調理
容器21内のじゃがいも等の食材29には慣性力が付与
され、該食材29は調理容器21の内周壁面に衝突し、
これに伴う衝撃作用により食材29は撹拌混合される。
そして、このような回転機構部19の回転および急停止
に伴う撹拌作用は、制御部18により繰り返し実行する
よう制御される。
【0028】ここで図3および図4を参照して、上記撹
拌作用の原理について説明する。まず図3は、慣性力の
一般的な基本原理につき説明した図で、該図面は速度v
で実線矢印で示す方向に移動する容器H内に、物体A,
B,C(各々の質量:m)が収容され、時刻t2に至り
急停止されたときの各物体A,B,Cの運動状態を模式
的に示したものである。従って、容器Hが加速度aにて
急停止したとき、破線矢印で示す方向の慣性力Fを求め
るには、次式にて表わされる。
【0029】
【数1】 このように、慣性力Fにより各物体A,B,Cは、急停
止した時刻t2では図示するように容器Hの移動方向側
に集結するように移動し、そして二点鎖線の矢印にて示
したように容器Hの内壁面に衝突する。しかる後、その
反動および重力により容器H内の下方に適宜の安定した
状態に戻り、各物体A,B,Cが撹拌混合される。
【0030】これに対し、図4は、上記原理に基づき本
実施例における回転運動に適用して、その原理および作
用を説明するための図で、特に設置部材20上の偏心位
置に載置された調理容器21および食材29を模式的に
示した平面図である。しかして、質量mの食材29を入
れた調理容器21を回転させることにより、食材29も
同様に回転軸心X0から該食材29の重心位置G0までの
半径rの円周上を回転速度ωにて移動する。従って今、
調理容器21が時刻t2にて急停止したとき、重心位置
G0が図中二点鎖線上にあった食材29は、その慣性力
Fにより上記図3にて開示した原理と同様に、この場
合、回転方向側の調理容器21の内壁面に衝突するまで
移動する。このときの慣性力Fは、次式にて表わされ
る。
【0031】
【数2】 この慣性力Fにより、食材29は回転方向側に集結した
後、その反動および重力により下方に適宜の安定した状
態に戻り、この間で食材29は撹拌され適度に混合され
る。
【0032】そして、上記(2)式から、食材29(調
理容器21)の回転速度ωを変化させることにより該食
材29に与えられる慣性力Fを加減できるもので、所謂
撹拌度合を調節できる。従って、本実施例のカレー調理
のように煮汁の粘性が比較的高い場合には、撹拌するに
大きな力が必要であり、即ち回転速度ωを大きくし、大
きな慣性力Fにより撹拌することができる。一方、逆に
粘性の少ない煮汁の場合には、回転速度ωを小さくし、
それに見合った慣性力Fにて撹拌を行なえば良い。
【0033】因みに、本実施例では可変速可能な駆動モ
ータ22を用いて調理容器21、従って食材29の回転
速度を変化させることで、撹拌度合を調節することがで
きる。このことは、調理メニューによっては加熱調理が
進行するに伴い、煮汁の粘性が高くなったり或は少なく
なったりする場合も考えられるが、斯かる場合にも調理
メニューに応じて制御部18により駆動モータ22の回
転を制御することで容易に対処できる。
【0034】図5は、本実施例(カレー調理)における
回転速度ωの一例を示したもので、調理容器21の偏心
量R(図1参照)を例えば、100(mm)に固定した
条件としている。尚、この偏心量Rの変化は、図4にて
開示した回転軸心X0からの半径rも同傾向に変化する
関係にあり、この場合偏心量Rが固定されていること
は、食材29までの半径rも変わらないものとして述べ
る。
【0035】しかして、斯かる条件下において、調理初
期ではカレールーを溶かした煮汁には未だ粘性が少な
く、従って比較的小さな慣性力Fで良い。本実施例で
は、回転速度ωは25(rpm)の回転制御のもとに駆
動モータ22が駆動され、そして所定時間後に停止し電
磁ブレーキ25を動作させ、所謂この回転および急停止
を繰り返し行なう。
【0036】しかるに、カレーの加熱調理が進行するに
応じて、カレーの煮汁状態は徐々に粘性が高まるように
変化する。そこで、調理の中盤から終盤にかけて駆動モ
ータ22の回転速度を上げ、図5に示すように回転速度
ωを36(rpm)とし、前記した数式(2)に示す原
理に基づき慣性力Fを大きくして粘性変化に対応してい
る。
【0037】即ち、調理初期の粘性が少ない煮汁状態に
ある食材29は、急停止に伴い生ずる慣性力Fは小さく
ても粘性抵抗が小さいので衝突などによる撹拌作用は十
分に得られる。むしろ、慣性力Fが大き過ぎると煮汁が
飛び出たり加熱効率が低下して好ましくない。これに対
し、調理の中盤以降は煮汁の粘性抵抗が大きくなるた
め、これに応じた大きな慣性力Fを食材29に与えるこ
とが必要で、これにより適度の撹拌作用を得るようにし
ている。
【0038】しかして、上記したように回転機構部19
の回転および急停止に伴い、食材29に与えられる慣性
力Fを利用した該食材29の撹拌作用は、制御部18を
介して当該ポークカレーに応じた制御プログラムに基づ
きタイミング良く繰り返し行われ、所定時限の加熱を終
えて調理は終了する。
【0039】このように、本実施例によれば次の効果を
有する。カレー等の煮込み調理において加熱しながら食
材29を撹拌する場合、食材29を収容した調理容器2
1を偏心位置に載置支持した回転機構部19を、回転お
よび急停止を繰り返し実行することで、前記数式(2)
および図4にて原理説明したように食材29に慣性力F
を与えるようにした。これにより、停止時における食材
29は、調理容器21内にて回転方向側に集結するよう
に移動し、その内壁面に衝突した後、再び起動し回転し
ている間に自然に安定状態に戻り、この繰り返しにより
撹拌される。
【0040】このような慣性力Fを利用した撹拌作用
は、回転機構部19を構成する駆動モータ22の駆動制
御にて容易に達成でき、加えて撹拌度合の調節も該モー
タ22を回転制御することで可能であり、上記実施例で
述べた以外にも、例えば調理開始時には撹拌しないで、
調理の後半のみ撹拌を行なうように制御するなど、種々
の撹拌モードを設定できる。従って、多くの調理メニュ
ーに対処できるとともに、各種の調理内容に相応した適
切な撹拌作用が得られ、結果として煮汁の多少に係わら
ず仕上がり状態の良好な加熱調理が実行できる。
【0041】しかも、従来では煮込み調理は羽根を備え
た撹拌専用の容器であるため、調理後は他の容器に移し
替えたり、専用容器の面倒な掃除も伴うものであった
が、本実施例では本来必要な調理容器21内にて加熱調
理が行なわれるので、これを調理室12から取り出した
状態のまま使用でき、また該調理容器21を偏心位置に
載置支持する設置部材20も逐一掃除する必要もないな
ど、その取扱いは簡単である。
【0042】また、このような従来構成では煮込み調理
を適度に撹拌しながら温めなおすにも、専用容器に移し
替えたりセットし直したりしなければならないが、本実
施例によれば煮込み調理を収容した調理容器21を設置
部材20に設置するだけで良い。このことは、調理容器
21を他の調理容器を用いれば続けて他の煮込み調理が
可能であり、この点においても頗る使い勝手が良いのも
ので、従来では専用の容器は何個も用意できるものでも
なく、このような使い勝手は得られない。
【0043】尚、上記実施例では回転機構部19を駆動
モータ22と直結した構成としたが、これに限らず例え
ばモータ駆動源からベルト,プーリによる伝達機構や、
ギヤトレインを介して所望の回転動力を伝達する構成で
も良い。しかるに、この種伝達機構を利用して駆動側と
従動側との回転比を大きく取ることで、停止時の惰性回
転の大きな抵抗となして速やかに停止させることが可能
であれば、必ずしも単独に制動手段を設けなくても良い
し、且つ上記以外の制動手段としてブレーキ機能を組み
込んだブレーキモータを採用しても良いなど、各種の制
動手段の転用が可能である。
【0044】また、上記数式(2)に基づき慣性力Fの
原理につき説明したように、回転駆動時間△tを可変制
御しても慣性力Fを調節し、即ち撹拌度合を制御可能と
なるもので、この場合、回転および急停止の繰り返し頻
度を加減して多くしたり、少なくすることで種々の撹拌
度合を求めることができる。
【0045】(第2の実施の形態)図6ないし図8は本
発明の第2実施例を示したものであり、この第2実施例
は、上記第1実施例に対し設置部材30の構成において
異なり、その余の構成は共通である。即ち、本実施例に
おける設置部材30は、図6の分解図および図7の要部
の断面図に示すように、基板部31と円形皿状の載置部
33とを別個に設けて、これらを使用時に組み込む構成
としたものである。
【0046】具体的には基板部31は、全体形状として
は上記第1実施例と同様の円盤状をなし、下面に前記回
転体24と係合する3個の脚部31a(2個のみ図示)
を突設している。そして、これ以外に基板部31の中心
(回転軸心X0と同じ)から径方向に沿って長孔状の取
付溝32a,32bを、相対する二つを一対として設け
た構成としている。
【0047】これに対し、前記載置部33は、その外底
部の略中央部に相対してL字状のフック部33aを設け
ていて、前記取付溝32a或は32bに挿入され径方向
外方にスライドさせることで係合し、少なくとも基板部
31と一体的に回転可能に連結される構成としている。
この場合、回転に伴う遠心力は、フック部33aが取付
溝32a,32bと係合する方向に作用せしめ、従って
加熱調理の使用中に容易に離脱することはなく確実に連
結状態を維持できる。
【0048】斯くして、今図7では載置部33のフック
部33aは、基板部31の外方側の取付溝32bに挿入
され係合された連結状態を示しており、該載置部33の
中心線X2は基板部31の軸心線X1に対し、偏心量Rを
有して組み込まれた構成にある。従って、上記フック部
33aが中心寄りの取付溝32aに挿入連結された場合
には、その偏心量Rは小さく設定される。
【0049】次に、上記構成の作用につき説明する。加
熱調理する手順は、設置部材30を予め基板部31と載
置部33とを偏心位置に組み込んで構成する以外は、上
記第1実施例と実質的に同じで、回転および急停止の繰
り返しに伴う慣性力を利用した撹拌作用が行なわれる。
しかるに、この第2実施例では基板部31に対し、載置
部33の取付位置を複数段階に調節可能にして、偏心量
Rを加減できるようにしている。因に本実施例では、径
方向に設けられた取付溝32aおよび32bに基づき2
段階の調節を可能にしていて、この偏心量Rの調節に基
づきそれに見合った慣性力が得られるようにしている。
【0050】その原理は、先の図4および数式(2)に
て開示したように回転軸心X0から食材の重心位置G0ま
での半径rが大きくなれば慣性力Fも比例して大きくな
ることは前述した通り明らかである。しかるに、この第
2実施例では特に図7に示すように、回転軸心線X1
(軸心X0)に対する載置部33の偏心量Rの変化に対
して上記半径rも相対的に同傾向に変化することから、
斯かる偏心量Rを大きくすれば半径rも大きくなし得、
結果として慣性力Fを大きく設定できることにある。従
って、所望の慣性力Fを得るには偏心量Rを加減調節す
れば良く、回転機構部19の回転速度を可変することな
く一定速度において、本実施例では基板部31に対する
載置部33の取付位置を調節することで可能となる。
【0051】そこで図8は、食材の状態として煮汁の粘
性度合に応じて偏心量Rの設定例を示したもので、粘性
がある(高い場合を含む)場合のカレーとかクリームシ
チュー等にあっては、偏心量Rを100(mm)と大き
く設定するようにし、図6,7に示す本実施例では外方
側の取付溝32bを介して載置部33を連結する。ま
た、逆に粘性がないとか、少ない場合の肉じゃが等の調
理にあっては、偏心量Rを70(mm)と小さく設定す
れば良く、本実施例では言えば図6,7の中心寄りの取
付溝32aを介して載置部33を連結固定すれば良い。
以って、調理メニューに応じた食材の状態に合わせた慣
性力が得られ、即ち適正な撹拌作用が得られ食材を乾燥
させたり、必要以上に撹拌して加熱調理を長引かせたり
することなく所望の煮込み調理を円滑に実行できる。
【0052】斯くして、本実施例によれば次の効果を有
する。各種の調理メニューに応じた適度の撹拌作用が得
られるなど、上記第1実施例と同様の効果が得られると
ともに、特には種々の撹拌度合を得るべく慣性力は、回
転機構部19の回転速度を可変することなく該回転機構
部19との偏心度合を調節すれば良く、具体的には回転
機構部19と同軸心の基板部31に対し、載置部33を
偏心位置に取付けるだけの簡易な構成にてできる。
【0053】しかるに、本実施例では偏心量Rは取付溝
32a,32bの2段階に調節可能な構成を開示した
が、これ以上の多段階に調節可能な構成とすることも容
易であり、或は上記第1実施例の如く回転速度を可変す
る機能と組み合せて、更に木目細かな撹拌作用を得るべ
く制御することも可能である。また、載置部33と基板
部31との連結構成も、フック部33aと取付溝32
a,32bとの係合する構成に限らず、適宜に弾性変形
を利用して挿脱可能な構成とするなど、所謂着脱可能と
する連結構成は種々考えられる。
【0054】尚、本発明は上記した各実施例にのみ限定
されるものではなく、次のように変形して実施すること
ができる。上記した回転機構部19の駆動モータ22
に、可逆モータを採用して所謂可逆回転制御を可能にす
ることで、回転方向の異なる慣性力を交互に生じるよう
にすることも可能で、斯かる場合には、食材や煮汁の衝
撃作用も一方向のみに非ず正逆両方に繰り返し行なわ
れ、これによる撹拌作用も一層効率良く行なわれ食材の
混合がむらなく行なわれる点で有効である。また、具体
構成として回転機構部19を構成する回転体24と設置
部材20,30との係合構成についても、少なくとも回
転方向に対して係合する構成であれば良く、実施に際し
て種々変形した構成にて実施できるものである。
【0055】
【発明の効果】本発明は以上説明したように、加熱調理
する調理室底部に設けられた回転機構部に対し、該回転
機構部の回転軸心と偏心した位置に調理容器を設置し、
加熱調理時に、前記回転機構部の回転および急停止を繰
り返し行なうことで、前記調理容器内の食材を慣性力に
より撹拌するようにした。
【0056】このように食材の撹拌作用は、慣性力を利
用するようにしたので、回転機構部の駆動制御にて容易
に行なえる。従って、調理メニューに適合した撹拌作用
が得られ、特には煮汁が少ないような場合にも食材が調
理中に加熱乾燥されたり、或は煮くずれすることなく仕
上り状態が良好な加熱調理が実行できる。また、回転機
構部を回転制御することも容易にできるので、斯かる場
合には必要に応じ撹拌度合や撹拌時期を制御でき、種々
の撹拌モードが設定できて多くの調理メニューに対処す
るに好都合である。
【0057】しかも、従来では煮込み調理は撹拌用の羽
根を備えた専用の容器であるため、調理後は他の容器に
移し替えたり、羽根や容器の面倒な掃除も伴うものであ
ったが、本発明では本来必要な調理容器を使用して煮込
み調理を実施できるので、調理室から取り出した状態の
まま使用でき、また専用の撹拌容器を使用しないので煮
込み調理を温めなおすにも簡単に再セットできて、面倒
な掃除も必要としないなど、その使い勝手に優れた加熱
調理器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す要部の分解斜視図
【図2】加熱調理器の全体構成を示す開扉状態の正面図
【図3】慣性力の基本原理を説明するための図
【図4】回転運動に適用したときの慣性力の原理および
作用を説明するため模式的に示した要部の平面図
【図5】回転速度と慣性力との関係を説明するための一
例を示した図
【図6】本発明の第2実施例を示す設置部材の分解斜視
【図7】設置部材の断面図
【図8】偏心量と慣性力との関係を説明するための一例
を示した図
【図9】従来例を示す図2相当図
【符号の説明】
11は本体、12は調理室、17は操作パネル、18は
制御部(加熱制御手段)、19は駆動機構部、20,30
は設置部材、20a,31は基板部、20c,33は載
置部、21は調理容器、22は駆動モータ、23は回転
軸、24は回転体、25は電磁ブレーキ(制動手段)、
26はブレーキディスク、28は電磁石、32a,32
bは取付溝、および33aはフック部を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // H05B 6/68 310 H05B 6/68 310Z Fターム(参考) 3K086 AA03 AA10 BA02 CC06 CD27 CD29 3K090 LA02 MA01 3L086 AA02 AA04 BF01 BF07 DA08 DA24 DA29

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 食材を加熱調理する調理室と、この調理
    室底部に設けられた回転機構部と、この回転機構部の回
    転軸心と偏心した位置に設置された調理容器とを備え、 加熱調理時に、前記回転機構部の回転および急停止を繰
    り返し行ない、前記調理容器内の食材を慣性力により撹
    拌するようにしたことを特徴とする加熱調理器。
  2. 【請求項2】 回転機構部は、可変速制御が可能な構成
    としたことを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
  3. 【請求項3】 回転機構部の回転駆動時間を、可変制御
    可能としたことを特徴とする請求項1記載の加熱調理
    器。
  4. 【請求項4】 調理容器は、回転機構部との偏心度合を
    調節可能に設置したことを特徴とする請求項1記載の加
    熱調理器。
  5. 【請求項5】 回転機構部は、可逆回転制御を可能とし
    たことを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
JP2001109926A 2001-04-09 2001-04-09 加熱調理器 Pending JP2002310439A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104879800A (zh) * 2015-06-08 2015-09-02 广东美的厨房电器制造有限公司 微波电器

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