JP2002309598A - マンホール構造物 - Google Patents
マンホール構造物Info
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Abstract
取扱いが容易で、沈設ブロックの継手部分で本体部分と
同等以上の接合強度が得られ、組立てられた筒状沈設ブ
ロック全体の高剛性を確保できるようにする。 【解決手段】 レジンコンクリート又はレジンモルタル
1aを鋼板1bの型内に充填したレジン中詰め沈設用刃
口ブロック1の上に、推進管発進・到達用坑口3を備え
る高強度レジン材料製の最下段筒状沈設ブロック2、同
レジン材料性の増設筒状沈設ブロック4を、それぞれ構
造用高分子接着剤5により接合しつつ積み重ねること
で、推進施工用の立坑内にマンホールを形成する。レジ
ン製としたことで軽量化され、接合面全面で接着剤5に
よって接合することで、接合強度を高めることができ
る。
Description
路、下水道管、ガス管等の管路を地中へ埋設するに際
し、地上を開削しないで管路を築造する非開削工法を用
いる場合に、その作業用として使用され、推進管の発進
・到達起点となるマンホール兼推進用立坑を構築するた
めに地中に沈設されるマンホール構造物に関する。
道管、ガス管等の管路を地中へ埋設する場合、地上を開
削しないで管路を築造する非開削工法が利用されつつあ
る。この非開削工法では、任意の地点に推進管の発進・
到達起点となるマンホール兼推進用立坑を構築し、立坑
間で推進管を発進・到達させることで管路を構築する。
この工法で特に肝要な点は、構築予定地(道路)の占用
幅を極力少なくして構築中の交通障害と騒音レベルを軽
減し、短期間の施工を可能とすることにある。そこで、
最近では、組立式の沈設ブロックを用いて推進用立坑と
してのマンホールを構築する施工技術が提案され、それ
に使用される筒状の鉄筋コンクリート製沈設ブロックが
提供されている。
鉄筋コンクリート製のため、その重量が極めて大であ
り、作業効率が上がっていないのが現状である。特に都
市部では大型トラックによるブロック搬入が困難な狭隘
地が多いが、そのような施工現場では運搬作業に大型ク
レーンを要しており、構築中の交通障害と騒音レベルは
さほど軽減できていない。最近では、重量軽減のために
ブロックの高さの小寸法化や多分割化などで対応してい
るが、この方法では組立作業の負担が増大してしまう。
ブロック間を互いに連結し固定するために、ボルト締結
等の補助金具を必要としており、各ブロックには一般に
「箱抜き」と呼ばれる手法で多数の凹部が補助金具収納
部として形成されている。ところが、この凹部を形成す
ると、凹部が欠損部分となって沈設ブロック自体の剛性
が低下するという問題を生じる。必要な剛性を得るため
には壁厚の増加等の補強が必要となり、結果として重量
増加が余儀なくされる。
ロック部材の補強鉄筋と下側ブロック部材の補強鉄筋と
が連結していないため、引張荷重に対しては、継手部材
の強度、継手部材を取付けた部分のコンクリートの強度
のみに依存し、沈設ブロック本体部分(鉄筋コンクリー
ト)に比較して極めて小さいために、外力により変形し
易い。その接合部も、継手部端面全域に亙るものでもな
いため、ブロック間の応力伝達に連続性がなく、組立て
られた筒状ブロック構造物の全体で高剛性を確保するこ
とはできない。
組立てられたブロック構造物に曲げモーメントが作用す
ると、まず継手構造の部分が破壊される。そして、この
破壊部分から地下水が侵入し、これと共に土砂が流れ込
み、マンホールの基本機能が損なわれるおそれがある。
るには、何箇所もボルトを挿入して締結しなければなら
ず、しかも凹部の穴埋め作業を要するため、接合時間に
も多大な労力を要している。また、その接合作業は狭隘
な掘削坑内側で行われるため、埋設深さが深いほど高所
危険作業となっている。
リル等で穿孔すると土砂が立坑内に流れ込んでしまうた
め、予め流入防止板を設置することとなるが、取付け用
鋼材や止水シール材等を坑口内側に取付ける必要があ
り、推進管口径別にその取付け鋼材等を作成する必要が
あった。
ける場合には、到達施工誤差によりコアカッター等で穿
孔する必要性から地下水の侵入や土砂の流れ込みを防止
するため、薬液注入工法等の地盤改良が必要となってい
る。
物の一例を図7に示す。図7において、(a)は全体構
造を示す斜視図、(b)は中央断面構造を示す断面図で
ある。
ート中詰めの沈設用刃口ブロック18を配置し、その上
に側面に推進管発進・到達用坑口20が形成された鉄筋
コンクリート製の沈設ブロック19を重ね、さらに鉄筋
コンクリート製の増設用沈設ブロック21を複数段重ね
る。最上段には鉄筋コンクリート製の床版ブロック23
を重ねる。
図、(b)の正面図に示すように、底部の複数箇所に補
助金具収納部(凹部)22が形成され、天部の収容部2
2に対応する位置に鋼材によるインサート26が形成さ
れる。収納部22にはコ字型の鋼板28が装着され、こ
の鋼板28上からボルト27でインサート26に螺合す
ることで、ブロック間を接合する。
むことで防水加工を施している。下側ブロック19また
は21の下鉄筋コンクリート部材24、上側ブロック2
1の上鉄筋コンクリート部材25には、それぞれ補強鉄
筋29、30が埋め込まれ、収納部22の形成部分を補
強している。
示すような位置に補助金具収納部22が形成され、矩形
(長方形)筒状の場合、図10に示すような位置に補助
金具収納部22が形成される。
来の組立式の筒状沈設ブロックを用いたマンホール構造
物は、沈設ブロックの重量が重すぎる、継手部の接合強
度が十分でない、ブロック間の接合作業、推進管の推進
施工時における地下水・土砂流入の防止作業が容易でな
いという問題を抱えていた。
設ブロックの継手部分で本体部分と同等以上の接合強度
が得られ、組立てられた筒状沈設ブロック全体の高剛性
を確保できるとともに、少ない労力で沈設ブロック同士
を接合でき、取扱いが容易で、推進施工時における地下
水・土砂流入を容易に防止することができ、さらには推
進管の発進・到達の端面の両方に使用できる坑口壁を有
したマンホール構造物を提供することを目的とする。
めに本発明に係るマンホール構造物は、以下のような特
徴的構成を有する。
た筒状沈設ブロックを複数段重ね合わせ、各ブロック同
士を接合面全面に塗布した接着剤により互いに接合し
て、立坑内に沈設されるマンホールとしての筒状連続一
体構造を形成するようにしたことを特徴とする。
続一体構造の内面において、前記筒状沈設ブロックの継
手部にはみ出した接着剤硬化部分を切削して表面を平滑
にするようにしたことを特徴とする。
設ブロックの少なくともいずれかの側壁面には、予め管
結合用坑口を有するようにしたことを特徴とする。
材料は、骨材としての砕石、砂、珪砂の少なくともいず
れかが結合剤で結合されたものであることを特徴とす
る。
は、構造用高分子接着剤であることを特徴とする。
の特徴とする点は、高曲げ引張圧縮強度を有することで
引張・圧縮応力に対し、断面の応力分布が全断面有効で
ある特性を持つ高強度レジン材料を用いたブロック同士
を接着剤により接合することによって、筒状連続一体構
造物とすることにある。
度不足が生じるブロックに発生する応力集中を、隣接す
るブロック構造物と接着剤により接合することによって
応力緩和し、壁厚増加を抑えることが可能となる。
設ブロックを接着剤により接合することで、地下水の流
入を防止することが可能となり、容易に内面の平滑化す
ることができ、これにより防食性を向上させることが可
能となる。
あるブロック構造物間の応力伝達に連続性がないことか
ら生じる壁厚増加・ブロック高さの増加による重量増に
伴う運搬性や施工性の能率低下を、高曲げ引張・圧縮強
度を有することで引張・圧縮応力に対し、断面の応力分
布が全断面有効である特性を持つ高強度レジン材料を用
いた筒状沈設ブロックの継手部端面を接着剤により全域
を強固に接合し、ブロック間の応力伝達に連続性を持た
せ、組立てられた筒状ブロック構造物の全体に対し高い
剛性を与えることを特徴としている。
り強度不足が生じる底部ブロックに発生する応力集中を
隣接する沈設ブロックを接着剤により全域を強固に接合
することで応力緩和でき、容易にブロック構造を変える
ことなく補強することができ、壁厚増加を抑え軽量な沈
設ブロックにできることを特徴としている。
接着剤で予め強固に固定することで簡易な取付構造化が
可能であり、到達時の推進施工誤差を許容できる仮壁と
筒状ブロック本体壁とを容易に分離できることを特徴と
している。
明の実施形態を詳細に説明する。
実施形態を示すもので、図1(a)はその全体構成を示
す斜視図、図1(b)は最下段に配置されるレジン中詰
め沈設用刃ロブロックの断面図である。
中詰め沈設用刃口ブロック1の上に、高強度レジン材料
製の最下段筒状沈設ブロック2、増設筒状沈設ブロック
4を、それぞれ構造用高分子接着剤5により接合するこ
とで、推進施工用の立坑を形成する。最下段の沈設ブロ
ック2の側面部には、推進管発進・到達用坑口3が形成
される。構造用高分子接着剤5には、エポキシ樹脂、不
飽和ポリエステル樹脂等がある。
は、図1(b)に示すように、レジンコンクリート又は
レジンモルタル1aを鋼板1bの型内に充填したもので
ある。また、最下段の沈設ブロック2に形成される推進
管発進・到達用坑口3は、沈設時には後述の坑口仮壁9
で塞いでおく。
料で作成され、各筒状ブロック2、4同士は構造用高分
子接着剤5で強固に接合されている。レジン材料は、骨
材としての砕石、砂、珪砂が、不飽和ポリエステル樹
脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等の結合剤で結合され
たものである。このような素材による筒状沈設ブロック
2、4は、外力に対して弾性変形する弾力性を備えると
共に、その耐荷重及び変形量が一般のセメントコンクリ
ートに比較して極めて大きい。また、耐食性に優れ、接
着接合により内面を平滑にできることから、防食処理を
必要としない。
に組立てる様子を図2及び図3を参照して説明する。こ
こで、図2は上記高強度レジン製の立坑兼用マンホール
構造物を地中に沈設させたときの組立断面構造を示して
おり、図3はそのときの沈設ブロック間の接合状態を示
している。
用刃口ブロック1を配置させ、そのブロック内に現場打
ちベースコンクリート7を流し込んで凝固させる。続い
て、下面全体に構造用高分子接着剤5を塗りつけた最下
段レジン製沈設ブロック2を刃口ブロック1の上に載置
する。さらに、最下段ブロック2の上に、下面全体に同
じ接着剤5を塗りつけたレジン製増設用沈設ブロック4
を複数段(ここでは2段)積層させる。
部に開口部6aが形成されたレジン製床版ブロック6
を、上記接着剤5を介して載置し、接着剤5が完全に凝
固するまで重しを載せておく。立坑内の周面部には、ブ
ロック2、4、6が地山と直接接触しないように、裏込
め材を埋め込んでおくとよい。
る場合には、構造用高分子接着剤5が継手面の全面に押
し広げられ、継手面の全面に接着剤5が広がって固着す
ることになる。このため、筒状沈設ブロック2、4の接
続が強固になると共に、立坑兼用マンホールの全面に応
力が均一に働き、立坑兼用マンホールがあたかも一体成
形された構造体で作成されたように応力を分散させるこ
とができる。
ン部材13と上レジン部材15(例えば2段の沈設ブロ
ック4)の接合時に、継手部の内外周面全体にわたって
ゴム状弾性体14を貼り付けておき、接着剤5が凝固し
た後、図3(b)に示すように内面側のゴム状弾性体1
4を外し、図3(c)に示すように接着剤5のはみ出し
部分17を切削することにより、内面側の継手部分を簡
単に滑らかにすることができる。
して説明する。
筋コンクリート製の筒状沈設ブロック19、21は、そ
の組立と固定を行うためにボルト締結等の補助金具を必
要としており、一般に「箱抜き」と呼ばれる補助金具収
納部22を形成しなければならず、この欠損部により筒
状ブロック自体の剛性を低下させている。
に、いずれのブロックも上側部材の補強鉄筋30と下側
部材29とが連結していないため、引張荷重に対して
は、継手部材の強度、継手部材を取付けた部分のコンク
リートの強度のみに依存し、ブロック19,21の本体
に比較して極めて小さいため、外力により変形しやす
い。その接合部分も、継手部端面全域にいたるものでも
ないため、各ブロック間の応力伝達は不連続な構成とな
る。
ート)に発進・到達用の坑口を開口する場合には、強度
が低下するため、補強鉄筋により必要な強度を維持する
ことが必要である。この強度を維持するためには、壁厚
さが増加させなければならず、結果として重量が増加し
てしまう。
明におけるレジン製筒状沈設ブロックでは、接着面が継
手面全域であるので、応力が継手面全域に分散するた
め、各ブロック同士が相互に応力を負担しあうことがで
きる。これにより、筒状沈設ブロック(レジン)に推進
管発進・到達用坑口20を開口することによって強度低
下が生じても、隣接するブロックで応力を分担すること
ができ、壁厚さの増加を抑えることができる。
透水性を有する高強度レジン製筒状ブロックと、不透水
性を有する接着剤により接合された接合部により、地下
水の流入をなくした構造物であり、内面は平滑にするこ
とが可能であり、防食性が高いことから、漏水防止・劣
化防止対策を必要としないという効果を有する。
形筒状のブロックの場合について説明したが、図5に示
すような円筒状ブロックについても同様に実施可能であ
る。
て、最下段レジン製沈設ブロック2における推進管発進
・到達用坑口3に対する坑口仮壁の設置形態と取付け方
法について説明するためのものである。
おける坑口3形成部分の側面10の断面図、(b)は
(a)A−A線方向から見た正面図である。これらの図
からわかるように、本実施形態では、坑口3の周囲を予
め適度なテーパを持たせて坑口3より径大の孔を穿孔
し、その開口した部分へ仮壁9を嵌合させて、接着剤8
により強固に固着させている。構築する精度等により予
め穿孔できない場合には、図6(c)に示すように、取
付けられる坑口仮壁9を予め大きい寸法にすることによ
って、後で任意の位置に穿孔して坑口3を形成すること
ができる。この場合、坑口仮壁9と筒状ブロック壁12
とを容易に分離可能にする緩衝材11を、両者の間に設
置しておくと、コアカッター等による穿孔により坑口仮
壁と切り離しが容易となり、作業効率を向上させること
ができる。
に限らず、楕円・多角形状であってもよい。
ては、例えば特願平10−342167号「坑口仮壁構
造」にあるような微細破壊層と強度確保層を有した仮壁
構造と特願平10−328374号「非開削推進用坑口
止水装置及び該坑口止水装置を用いた坑口止水工法」に
あるような坑口止水装置及び施工方法を利用することが
できる。
ロック構造物と接着剤の使用により、荷重に対する応力
分布に連続性を持たせることができ、水密性を高めるこ
とができ、組立てられた筒状ブロック構造物全体に対し
て高い剛性を与えることができ、ブロック構造物の薄壁
化が実現できる。また、接合面は、全断面で応力を伝達
できるので、強度不足が生じているブロックに発生する
応力集中を緩和でき、特別な補強部材を設置する必要が
なくなる。
で、コンクリート製ブロック構造物に比べて厚さを薄く
することができ、1/2程度の重量に軽量化でき、運搬
が容易になると共に、接合作業も坑内作業を必要としな
いため、安全性・施工性が向上する。
坑口開口前においては、微細破壊層と強度確保層を有し
た坑口仮壁の取付け構造により、水の浸入や土砂の流れ
込みのない安全・経済性に優れた施工が期待される。
クの継手部分で本体部分と同等以上の接合強度が得ら
れ、組立てられた筒状沈設ブロック全体の高剛性を確保
できるとともに、少ない労力で沈設ブロック同士を接合
でき、取扱いが容易で、推進施工時における地下水・土
砂流入を容易に防止することができ、さらには推進管の
発進・到達の端面の両方に使用できる坑口壁を有したマ
ンホール構造物を提供することができる。
として、(a)はその全体構成を示す斜視図、(b)は
最下段に配置されるレジン中詰め沈設用刃ロブロックの
断面図。
設させたときの組立断面構造を示す断面図。
流れを説明するための断面図。
を示す断面図。
ロックの他の断面形状を示す断面図。
ジン製沈設ブロックにおける推進管発進・到達用坑口に
対する坑口仮壁の設置形態と取付け方法について説明す
るため図。
構造を示す斜視図及び中央断面構造を示す断面図。
を示す断面図及び正面図。
助金具収容部形成位置を示す断面図。
の補助金具収容部形成位置を示す断面図。
Claims (5)
- 【請求項1】 不透水性を有するレジン材料を用いた筒
状沈設ブロックを複数段重ね合わせ、各ブロック同士を
接合面全面に塗布した接着剤により互いに接合して、立
坑内に沈設されるマンホールとしての筒状連続一体構造
を形成するようにしたことを特徴とするマンホール構造
物。 - 【請求項2】 前記筒状連続一体構造の内面において、
前記筒状沈設ブロックの継手部にはみ出した接着剤硬化
部分を切削して表面を平滑にするようにしたことを特徴
とする請求項1記載のマンホール構造物。 - 【請求項3】 前記筒状沈設ブロックの少なくともいず
れかの側壁面には、予め管結合用坑口を有するようにし
たことを特徴とする請求項1記載のマンホール構造物。 - 【請求項4】 前記レジン材料は、骨材としての砕石、
砂、珪砂の少なくともいずれかが結合剤で結合されたも
のであることを特徴とする請求項1記載のマンホール構
造物。 - 【請求項5】 前記接着剤は、構造用高分子接着剤であ
ることを特徴とする請求項1記載のマンホール構造物。
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JP2001111760A JP3653000B2 (ja) | 2001-04-10 | 2001-04-10 | マンホール構造物 |
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-
2001
- 2001-04-10 JP JP2001111760A patent/JP3653000B2/ja not_active Expired - Fee Related
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