JP2002309179A - 模様塗膜形成用カチオン電着塗料 - Google Patents

模様塗膜形成用カチオン電着塗料

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JP2002309179A
JP2002309179A JP2001110837A JP2001110837A JP2002309179A JP 2002309179 A JP2002309179 A JP 2002309179A JP 2001110837 A JP2001110837 A JP 2001110837A JP 2001110837 A JP2001110837 A JP 2001110837A JP 2002309179 A JP2002309179 A JP 2002309179A
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coating
paint
film
coating film
cationic electrodeposition
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JP2001110837A
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Kenji Aoki
健二 青木
Katsuhisa Sugizaki
勝久 杉崎
Yuzuru Suzuki
譲 鈴木
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Kansai Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】曲面又は複雑な形状を有する被塗面にも、筋
状、斑点状、木目状、しわ状などの平面的又は立体的
(凹凸)な模様塗膜を均一に形成することができるカチ
オン電着塗料に関する。 【構成】塗膜形成最低温度が16℃以下、電着未硬化塗
膜の抵抗値が200〜700KΩcm、かつ0.3m
A/cm及び0.5mA/cmの定電流電着塗装で
250Vまで電圧が上昇した時点で形成される両塗膜の
膜厚差が4μm以上であることを特徴とする模様塗膜形
成用カチオン電着塗料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、曲面又は複雑な形
状を有する被塗面にも、筋状、斑点状、木目状、しわ状
などの平面的又は立体的(凹凸)な模様塗膜を均一に形
成することができるカチオン電着塗料に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】従来、ロールコータ塗装又は
噴霧塗装などにより塗料を被塗物に塗装して、筋状、斑
点状、木目状などの模様を有する塗膜を形成することす
でに公知であり、建造物の内外壁などに広く使用されて
いる。しかしながら、これらの塗装法によれば、曲面又
は複雑な形状を有する被塗面に、平面部と同程度に均一
な模様を形成することが困難又は不可能であるという欠
陥を有している。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、上記し
た欠陥を解消し、曲面又は複雑な形状を有する被塗面に
も、筋状、斑点状、木目状、しわ状などの平面的又は立
体的(凹凸)な模様塗膜を均一に形成することが可能な
新規なカチオン電着塗料を開発することであり、鋭意研
究を重ねた結果、塗膜形成最低温度、電着未硬化塗膜の
抵抗値及び定電流電着塗装での膜厚差が特定の範囲内に
調整されたカチオン電着塗料がその目的を達成できるこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。
【0004】かくして、本発明によれば、塗膜形成最低
温度が16℃以下、電着未硬化塗膜の抵抗値が200〜
700KΩcm、かつ0.3mA/cm及び0.5
mA/cmの定電流電着塗装で250Vまで電圧が上
昇した時点で形成される両塗膜の膜厚差が4μm以上で
あることを特徴とする模様塗膜形成用カチオン電着塗料
が提供される。
【0005】以下に、本発明の模様塗膜形成用カチオン
電着塗料(以下、本塗料という)について詳細に説明す
る。
【0006】
【発明の実施の形態】本塗料は、塗膜形成最低温度が1
6℃以下であること(要件1)、電着未硬化塗膜の抵抗
値が200〜700KΩcmであること(要件2)、
かつ0.3mA/cm及び0.5mA/cmの定電
流電着塗装で250Vまで電圧が上昇した時点で形成さ
れる両塗膜の膜厚差が4μm以上であること(要件3)
の3つの要件を兼ね備えていることを特徴とする模様塗
膜形成用カチオン電着塗料である。
【0007】要件1に関し、一定の電圧(例えば、20
0〜250ボルト)下で、カチオン電着塗料の浴温度を
変化させ、各浴温度で行なったカチオン電着塗装の形成
塗膜の膜厚との関係をみると、通常、浴温度が下降する
につれて膜厚は薄くなるが、ある浴温度に達すると反転
して膜厚が厚くなる傾向が認められ、本発明では、この
反転して膜厚が厚くなる前の膜厚が最も薄くなった時点
での浴温度(℃)を「塗膜形成最低温度」とする。
【0008】本塗料では、この塗膜形成最低温度は16
℃以下、好ましくは15〜5℃であって、16℃よりも
高くなると塗膜が平滑になり、凹凸感のある不規則な模
様塗膜を形成することが困難になるので好ましくない。
【0009】カチオン電着塗料の塗膜形成最低温度を上
記した温度範囲に調整する方法として、例えば、高沸点
(200℃以上)の有機溶剤、疎水性(水に対する溶解
度が5重量%以下)の低ガラス転移温度(例えば、20
℃以下)の成分(例えば、エポキシ樹脂など)などを含
有せしめることにより容易に行われる。これまでのカチ
オン電着塗料の塗膜形成最低温度は、通常、18〜22
℃の範囲内に含まれることが多い。
【0010】要件2の本塗料における電着未硬化塗膜の
抵抗値は、一定面積(例えば100cm)を電着浴中
に浸漬し、30秒を要して電圧を0Vから200Vに一
定速度で上昇させ、ついで同電圧で2分30秒間印加し
て塗装して形成される塗装直後の未硬化塗膜について、
0.02A電流での抵抗値を測定した結果である。かく
して求められる本塗料の未硬化塗膜の抵抗値は200〜
700KΩcm、好ましくは350〜550KΩcm
の範囲内であって、200KΩcmより小さくなる
と通常の条件(例えば、浴温度28℃、200V、3分
間通電)で電着塗装を行なうと形成される塗膜の膜厚が
異常に厚くなり(例えば、硬化塗膜で50μm以上)、
また塗膜の熱流動性が高く、ハジキ抵抗性が低くなって
好ましくない。一方、700KΩcmより大きくなる
と本発明の目的である模様塗膜の形成が困難となるので
好ましくない。
【0011】要件3に関し、本塗料は、0.3mA/c
及び0.5mA/cmの定電流電着塗装で250
Vまで電圧が上昇した時点で形成される両塗膜の膜厚差
が4μm以上であることが必要である。
【0012】具体的には、裏面及び端面をテープなどで
絶縁シールした電着可能面積が15〜50cmである
被塗物を使用し、電極(被塗物との面積比率は1/1で
あることが好ましい)と相互に向き合うようにして温度
28℃の電着塗料浴中に浸漬し、浴を攪拌しながら、
0.3mA/cm及び0.5mA/cmのそれぞれ
の定電流でカチオン電着塗装を行なう。定電流電源とし
て高砂製作所製、商品名「CCP−250−25」を使
用し、250Vまで電圧が上昇した時点で塗装を完了さ
せ、それを水洗し加熱硬化(例えば170℃で20分)
して形成される各定電流の差異に基く塗膜の膜厚差を測
定する。この膜厚差は、本塗料において4μm以上、好
ましくは6〜30μmであって、膜厚差が4μmより少
なくなると本発明の目的である模様塗膜の形成が困難と
なるので好ましくない。
【0013】本塗料は、要件1〜要件3の特性値がそれ
ぞれ上記の範囲内に包含されていることが必須要件であ
り、組成的にはこれらの要件を具備している限り特に制
限されることはない。
【0014】具体的には、それ自体既知のカチオン電着
塗料用成分を使用し、それらを組み合わせて、特性値が
それぞれの範囲内に包含されるように調製することによ
り、本塗料を得ることができる。
【0015】樹脂成分としては、例えば、水酸基及びカ
チオン性基を有する基体樹脂及びブロックポリイソシア
ネ−ト化合物があげられる。基体樹脂として、例えば、
エポキシ樹脂とカチオン化剤との反応生成物、ポリカル
ボン酸とポリアミンとの重縮合物を酸でプロトン化した
もの、ポリイソシアネ−ト化合物及びポリオ−ルとモノ
又はポリアミンとの重付加物を酸でプロトン化したも
の、水酸基及びアミノ基含有アクリル系またはビニル系
モノマ−の共重合体を酸でプロトン化したもの、ポリカ
ルボン酸樹脂とアルキレンイミンとの付加物を酸でプロ
トン化したものなどがあげられる。
【0016】このうち、ポリフェノ−ル化合物とエピク
ロルヒドリンとの反応により得られるグリシジルエーテ
ル型エポキシ樹脂にカチオン化剤を反応せしめた基体樹
脂が、防食性のすぐれた塗膜を形成するので特に好まし
い。ポリフェノ−ル化合物としては、例えば、ビス(4
−ヒドロキシフェニル)−2,2−プロパン、4,4´
−ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)−1,1−エタン、ビス−(4−ヒドロキシ
フェニル)−1,1−イソブタン、ビス(4−ヒドロキ
シ−tert−ブチル−フェニル)−2,2−プロパ
ン、ビス(2−ヒドロキシブチル)メタン、1,5−ジ
ヒドロキシナフタレン、ビス(2,4−ジヒドロキシフ
ェニル)メタン、テトラ(4−ヒドロキシフェニル)−
1,1,2,2−エタン、4,4´−ジヒドロキシジフ
ェニルエ−テル、4,4´−ジヒドロキシジフェニルス
ルホン、フェノ−ルノボラック、クレゾ−ルノボラック
などがあげられる。
【0017】グリシジルエーテル型エポキシ樹脂を、さ
らに高級脂肪酸(炭素数10〜24)、ポリエステル樹
脂、ポリラクトン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル
樹脂及びアクリル樹脂などで変性したものも、エポキシ
樹脂として好適に使用することができ、この変性量は、
変性後のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂中20〜6
0重量%、特に30〜45重量%の範囲内が適してい
る。
【0018】エポキシ樹脂(変性したものも含む)のエ
ポキシ当量は100〜700、特に300〜500の範
囲内に含まれていることが好ましい。
【0019】カチオン化剤は、エポキシ樹脂中のエポキ
シ基の殆ど又はすべてと反応して、第2級アミノ基、第
3級アミノ基、第4級アンモニウム塩基などのカチオン
性基を導入するものであり、それ自体既知の塩基性化合
物が使用できる。
【0020】基体樹脂中の水酸基として、カチオン化剤
として使用されるアルカノ−ルアミンとの反応などによ
り導入される第1級水酸基が、ブロックポリイソシアネ
−ト化合物(架橋剤)との架橋反応性がすぐれているの
で好ましい。基体樹脂中の水酸基の量は、水酸基当量で
20〜5000、特に100〜1000mgKOH/
g、特に、第1級水酸基当量が200〜1000mgK
OH/gの範囲内にあることが好ましい。
【0021】架橋剤としてのブロックポリイソシアネ−
ト化合物は、ポリイソシアネ−ト化合物のイソシアネ−
ト基の実質的にすべてをブロック剤で封鎖したものであ
り、所定温度以上に加熱するとブロック剤が解離してイ
ソシアネ−ト基が再生して、基体樹脂との架橋反応に関
与する。
【0022】ポリイソシアネ−ト化合物としては、脂肪
族ジイソシアネ−ト、脂環族ジイソシアネ−ト、芳香族
ジイソシアネ−ト、これらのウレタン化付加物、ビユ−
レットタイプ付加物、イソシアヌル環タイプ付加物等が
あげられる。ブロック剤としては、フェノ−ル系、アル
コ−ル系、活性メチレン系、メルカプタン系、酸アミド
系、イミド系、アミン系、イミダゾ−ル系、尿素系、カ
ルバミン酸系、イミン系、オキシム系、亜硫酸系、ラク
タム系などが使用できる。
【0023】基体樹脂とブロックポリイソシアネ−ト化
合物との構成比率は、両成分の合計固形分重量に基づい
て、前者は40〜90%、特に50〜80%、後者は6
0〜10%、特に50〜20%の範囲内にあることが好
ましい。
【0024】本塗料において、基体樹脂中の水酸基の一
部に部分ブロックポリイソシアネート化合物を付加して
なる、1分子中に水酸基及びブロックイソシアネート基
を有する自己硬化性のカチオン性樹脂を使用することも
可能である。
【0025】本塗料は、基体樹脂(又は自己硬化性樹
脂)中のカチオン性基を酢酸、ギ酸、乳酸、りん酸など
の酸性化合物で中和してから、ブロックポリイソシアネ
−ト化合物と共に水に混合することにより調製すること
ができる。
【0026】さらに、本塗料に高沸点の疎水性有機溶剤
や(疎水性)低ガラス転移温度成分を含有せしめると最
低造膜温度を16℃以下に容易に調整することができる
のでより好ましい。具体的には、20℃における水10
0重量部に対する溶解量が5重量部以下であり、沸点が
200℃以上の有機溶剤が好適に使用でき、例えば、エ
チレングリコールモノヘキシルエーテル、ベンジルアル
コールなどがあげられる。これらの高沸点疎水性有機溶
剤の配合量は、樹脂成分の100重量部(固形分)あた
り、10重量部以下、特に7〜1重量部の範囲内が適し
ている。また、(疎水性)低ガラス転移温度成分として
は、ガラス転移温度が20℃以下のプロピレングリコー
ル、ポリカプロラクトンジオール、キシレン樹脂などが
好適であり、これらの配合量は、樹脂成分の100重量
部(固形分)あたり、10重量部以下、特に8〜2重量
部の範囲内が適している。
【0027】本塗料には、さらに必要に応じて、硬化触
媒、体質顔料、着色顔料、防錆顔料、沈降防止剤などを
適宜配合することができる。
【0028】上記した成分を水に混合、分散し、塗装時
の浴のpHを3〜9、特に5〜7、固形分濃度を5〜4
0重量%、好ましくは10〜20重量%、浴温度を20
〜35℃に調整した本塗料に、被塗物をカソ−ドとして
浸漬し、電圧100〜400Vで、1〜10分間通電す
ることによって電着塗装が行われ、その結果、被塗物の
表面には筋状、斑点状、木目状などの模様を有する電着
塗膜が形成され本発明の目的が達成される。膜厚調整の
ため、電着塗料を16〜40時間程度エージング(熟
成)することが好ましい。このエージングは、開放状態
で連続攪拌を行なって有機溶剤及び水などの一部を揮散
せしめ、塗装時に揮散した量に相当する脱イオン水を補
給擦ることが好ましい。電着塗膜の膜厚は硬化塗膜を基
準に、平坦部分で10〜40μm程度が好ましい。通電
(電着塗装)終了後、電着塗料浴から被塗物を引上げ、
必要に応じて水洗を行なってから、120〜200℃、
好ましくは150〜180℃で10〜40分間程度加熱
することに塗膜を硬化させることができる。
【0029】被塗物としては導電性を有する金属製素材
であればよく、例えば、鉄、鋼、ステンレス鋼、アルミ
ニウム、銅及びこれらの金属を含有する合金、さらにこ
れらの表面を亜鉛、亜鉛/ニッケル、鉄などでメッキし
た自動車車体、家庭用電気製品、鋼製家具などに使用さ
れる金属素材があげられ、その厚さは0.3〜2.0m
m、特に0.5〜1.0mmの範囲内が適しており、こ
れらの素材表面は、電着塗料による塗膜の付着性や防食
性などを向上させるために、研磨処理、脱脂処理、りん
酸塩処理などの前処理をあらかじめ行なっておくことが
好ましい。
【0030】本塗料を使用し、かつ鮮明な模様塗膜を形
成させるために、コロイド状金属チタン(粒径800n
m以下)又はりん酸亜鉛などにより被塗物の表面をあら
かじめ処理しておくことが好ましい。
【0031】
【実施例】以下、本発明に関する実施例及び比較例につ
いて説明をする。部及び%はいずれも重量を基準にした
ものである。また、塗膜の厚さは硬化塗膜についてであ
る。
【0032】実施例 1 固形分含有率34%エマルジョン(注1)440部、固
形分含有率50%顔料ペースト(注2)100部及び脱
イオン水460部を均一に混合分散せしめてなる固形分
含有率20%のカチオン電着塗料。このものの塗膜形成
最低温度(注3)は12℃、電着未硬化塗膜の膜抵抗
(注4)は500KΩcm、かつ0.3mA/cm
及び0.5mA/cmの定電流電着塗装で250Vま
で電圧が上昇した時点で形成される両塗膜の膜厚差(注
5)は8μmである。
【0033】(注1)固形分含有率34%エマルジョ
ン:カチオン化剤としてジエチレントリアミンを反応し
たポリエステル樹脂変性エポキシ樹脂70部(固形
分)、架橋剤としてメチルエチルケトオキシムでブロッ
クしたヘキサメチレンジイソシアネート30部(固形
分)、疎水性高沸点溶剤として2エチルヘキシルグリコ
ール4部、親水性溶剤としてブチルセロソルブ1部、低
沸点溶剤としてメチルエチルケトン1部、中和剤として
酢酸1部、脱イオン水187部を均一に混合分散せしめ
てなるエマルジョン。
【0034】(注2)固形分含有率50%顔料ペース
ト:カチオン化剤としてジエチレントリアミンを反応し
たポリエステル樹脂変性エポキシ樹脂5部(固形分)、
中和剤として酢酸0.3部、チタン白20部、カーボン
ブラック1部、アルミナシリケート(クレー)5部、モ
リブデン酸亜鉛2部、ジブチル錫オキサイド2部、脱イ
オン水48部を均一に混合分散せしめてなる顔料ペース
ト。
【0035】(注3)塗膜形成最低温度:一定の電圧
(230ボルト)下で、カチオン電着塗料の浴温度を2
8℃から降下させ、各浴温度で行なったカチオン電着塗
装の形成塗膜の膜厚との関係をみると、膜厚は徐々に低
下し、14℃に達すると反転して膜厚が厚くなる傾向が
認められ、実施例1のカチオン電着塗料の塗膜形成最低
温度は14℃である。
【0036】(注4)電着未硬化塗膜の膜抵抗:一定面
積(100cm)の被塗物をカチオン電着塗料浴中に
浸漬し、電圧200Vで3分間通電して電着塗装して形
成される塗装直後の未硬化塗膜について、通電終了直前
の電流値0.02Aに基いて抵抗値を算出した結果であ
る。
【0037】0.3mA/cm及び0.5mA/cm
の定電流電着塗装で250Vまで電圧が上昇した時点
で形成される両塗膜の膜厚差(注5):裏面及び端面を
テープで絶縁シールした電着可能面積が30cmであ
る被塗物を使用し、電極(被塗物との面積比率を1/1
として相互に向き合うようにして温度28℃の電着塗料
浴中に浸漬し、浴を攪拌しながら、0.3mA/cm
及び0.5mA/cm のそれぞれの定電流でカチオン
電着塗装を行ない、250Vまで電圧が上昇した時点で
塗装を完了させ、それを水洗し、170℃で30分加熱
して硬化させて形成される各定電流の差異に基く塗膜の
膜厚差を測定した結果である。
【0038】かかる特性値を有するカチオン電着塗料浴
中に、チタンコロイドで表面調整後、りん酸亜鉛で表面
処理を行なった化成処理鋼板(「パルボンドPB302
0」、日本パーカー社製、商品名)を被塗物(陽極)と
して浸漬し、浴温28℃で、電圧200Vで3分間通電
して電着塗装を行ない浴から引き上げ、水洗した後、1
70℃で30分間加熱して塗膜を硬化せしめた。
【0039】その結果、被塗物に形成された電着塗膜は
筋状の鮮明な凹凸模様を呈し、その膜厚は15〜20μ
mであった。この塗装された被塗物をソルトスプレーに
入れ、240時間試験を行なった後の塗面を観察する
と、塗面に錆の発生は全く認められず、防食性は優れて
いた。
【0040】実施例 2 実施例1における固形分含有率34%エマルジョン(注
1)を、カチオン化剤としてジエチレントリアミンを反
応したポリエステル樹脂変性エポキシ樹脂70部(固形
分)、架橋剤としてメチルエチルケトオキシムでブロッ
クしたヘキサメチレンジイソシアネート30部(固形
分)、疎水性低Tg成分としてキシレン樹脂(「ニカノ
ール M」、三菱瓦斯化学(株)製、商品名)5部、疎水
性高沸点溶剤として2エチルヘキシルグリコール0.5
部、親水性溶剤としてブチルセロソルブ1部、低沸点溶
剤としてメチルエチルケトン1部、中和剤として酢酸1
部、脱イオン水185.5部を均一に混合分散せしめて
なるエマルジョンに変更した以外は、すべて実施例1と
同様に行なった。このものの塗膜形成最低温度(注3)
は12℃、電着未硬化塗膜の膜抵抗(注4)は400K
Ωcm、かつ0.3mA/cm及び0.5mA/c
の定電流電着塗装で250Vまで電圧が上昇した時
点で形成される両塗膜の膜厚差(注5)は10μmであ
る。
【0041】その結果、被塗物に形成された電着塗膜は
筋状の鮮明な凹凸模様を呈し、その膜厚は15〜20μ
mであった。この塗装された被塗物をソルトスプレーに
入れ、240時間試験を行なった後の塗面を観察する
と、塗面に錆の発生は全く認められず、防食性は優れて
いた。
【0042】比較例 1 実施例1における固形分含有率34%エマルジョン(注
1)を、カチオン化剤としてジエチレントリアミンを反
応したポリエステル樹脂変性エポキシ樹脂70部(固形
分)、架橋剤としてメチルエチルケトオキシムでブロッ
クしたヘキサメチレンジイソシアネート30部(固形
分)、親水性溶剤としてブチルセロソルブ3部、低沸点
溶剤としてメチルエチルケトン2部、中和剤として酢酸
1部、脱イオン水188部を均一に混合分散せしめてな
るエマルジョンに変更した以外は、すべて実施例1と同
様に行なった。このものの塗膜形成最低温度(注3)は
19℃、電着未硬化塗膜の膜抵抗(注4)は850KΩ
cm、かつ0.3mA/cm及び0.5mA/cm
の定電流電着塗装で250Vまで電圧が上昇した時点
で形成される両塗膜の膜厚差(注5)は1μmである。
【0043】その結果、被塗物に形成された電着塗膜は
平滑で、筋状模様が殆ど認められず、意匠性が劣り、そ
の膜厚は18〜20μmであった。この塗装された被塗
物をソルトスプレーに入れ、240時間試験を行なった
後の塗面を観察すると、塗面に錆の発生は全く認められ
ず、防食性は優れていた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B05D 7/24 302 B05D 7/24 302V 303 303E C09D 5/44 C09D 5/44 A Fターム(参考) 4D075 AB09 AB52 AB53 AB54 BB75X CB38 DA23 DB02 DC02 EA13 EB32 EB33 EB35 EB38 EC07 EC11 4J038 DB001 DG001 DH001 PA04

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塗膜形成最低温度が16℃以下、電着未硬
    化塗膜の抵抗値が200〜700KΩcm、かつ0.
    3mA/cm及び0.5mA/cmの定電流電着塗
    装で250Vまで電圧が上昇した時点で形成される両塗
    膜の膜厚差が4μm以上であることを特徴とする模様塗
    膜形成用カチオン電着塗料。
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JP2001110837A Pending JP2002309179A (ja) 2001-04-10 2001-04-10 模様塗膜形成用カチオン電着塗料

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2500384A1 (en) * 2011-03-16 2012-09-19 Ibiden Co., Ltd. Method for producing exhaust pipe
EP2500385A1 (en) * 2011-03-16 2012-09-19 Ibiden Co., Ltd. Paint composition for heat releasing product

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