JP2002308193A - 回転翼航空機の揺動制御装置および方法 - Google Patents

回転翼航空機の揺動制御装置および方法

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JP2002308193A JP2001114830A JP2001114830A JP2002308193A JP 2002308193 A JP2002308193 A JP 2002308193A JP 2001114830 A JP2001114830 A JP 2001114830A JP 2001114830 A JP2001114830 A JP 2001114830A JP 2002308193 A JP2002308193 A JP 2002308193A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 揺動制御において、ブレード・フラッピング
運動の安定性を損なわずに揺動を抑制する揺動制御装置
および方法を提供する。 【解決手段】 ロータ1に突風を受けると、ロータ姿勢
が変化する。ロータ姿勢は、フラッピングセンサ6によ
って各ブレード2のフラッピング角を検出し、ロータ姿
勢を解析して計測する。計測したロータ姿勢をノッチ・
フィルタ21を通過させることで、ロータの回転速度に
等しい1 /rev周波数が除去される。つまり、フラッピン
グの固有振動成分が除去される。このフラッピングの固
有振動成分が除去された信号を基に、ロータ姿勢が、所
定の姿勢となるようにフィードバック制御することで、
ブレードフラッピング運動の安定性を損なわずに、揺動
を抑制することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヘリコプタなどの
回転翼航空機の機体の揺動を抑制する揺動制御装置およ
び揺動制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】大気擾乱中をヘリコプタが飛行したり、
ヘリコプタが突風を受けたりすると、メイン・ロータの
姿勢が乱されて、0.2Hz〜2Hz程度の速い機体運
動が生じ、搭乗員に不快感(乗物酔い)を与える。
【0003】揺動の原因は、突風によるメイン・ロータ
1の姿勢の変化である。図9および図10を参照してロ
ータ姿勢について示す。
【0004】図9に示すように、ロータ1は、複数のブ
レード2を有し、ロータ1が回転するとき、各ブレード
2はフラッピング運動を行う。ロータ姿勢は、コーニン
グ角α、機体に対するロータ面傾斜角(前後および左
右)θで定義する。ブレード2は、回転角速度と等しい
周波数(以下、1/rev周波数と称する)でフラッピング
角βを変動させながら回転することから、その先端軌跡
はロータ面3と呼ばれる円を描く。ロータ面3とハブ中
心Oとから作られる円錐形の鋭度を表すのがコーニング
角α(図10)であり、ロータ面の機体軸に対する傾斜
を表すのがロータ面傾斜角θである。ロータ面傾斜角
は、左右傾斜角θ1と前後傾斜角θ2で表す。コーニン
グは推力を発生し、ロータ面傾斜は機体に回転力を与え
る。ロータ姿勢は、各ブレード2の回転位置とそのとき
のフラッピング角βから算出することができる。
【0005】ブレード2のフラッピング角βは、スワッ
シュプレートを介して制御される。たとえば、パイロッ
ト操縦において、コレクティブ・レバーによってスワッ
シュプレートを昇降させることで、各ブレード2のピッ
チ角を同時に変化させ、これによってフラッピング角が
増減し、コーニング角αを変化させることができる。ま
た、サイクリック・スティックによりスワッシュプレー
トの傾きを変えることで、各ブレード2のピッチ角を周
期的に変化させ、これによってロータ面傾斜角θを変化
させることができる。このようにして、ロータ姿勢を変
化させて、ヘリコプタの運動を制御することができる。
【0006】したがって、ロータ姿勢を計測し、このロ
ータ姿勢が所定の定常姿勢となるように、パイロット操
縦と同様にスワッシュ・プレートを介して操縦すること
により、揺動を制御することが可能である。
【0007】図11は、ヘリコプタ20の揺動制御を示
すブロック図である。ヘリコプタ20の機体10はロー
タ1を有し、突風を受けたときの機体10の揺動が、揺
動制御装置5によって抑制される。
【0008】揺動制御装置5は、ブレード・フラッピン
グ・センサ6、ロータ姿勢解析器7、揺動制御器8およ
びアクチュエータ9で構成される。ブレード・フラッピ
ング・センサ6で検出したフラッピング角に基づき、ロ
ータ姿勢解析器7でロータ姿勢を算出し、所定のロータ
姿勢となるように、揺動制御器8で制御する。ロータ姿
勢は、スワッシュプレートによって制御できるので、揺
動制御器8は、スワッシュ・プレートを制御するアクチ
ュエータ9を調整して揺動制御を行う。このようにフィ
ードバック制御することによって、突風を受けたときの
ヘリコプタ20の揺動を抑制することができる。このよ
うな揺動制御に関しては、たとえば特開平10―173
855号公報に開示される。
【0009】揺動制御は、ブレード・フラッピング運動
の安定性を損なうことなく、ロータ姿勢変化を抑制しな
ければならない。
【0010】各ブレード2には、図12に示すように、
遠心力と空気力とが作用する。ブレード・フラッピング
運動は、遠心力のブレードに垂直な成分を復元力とし、
空気力を減衰力とするバネ/ダンパー系であり、その固
有振動数はロータ回転角速度である1/rev周波数にほ
ぼ等しい。また、フラップ角をβ(<<1)とすると、
空気力=減衰力∝dβ/dtとなり、また復元力=遠心力×
βとなる。
【0011】実用化されているヘリコプタの1/rev周波
数は、大型ヘリコプタでは4Hz程度、中型では6Hz
程度、小型では8Hz程度である。
【0012】ロータ姿勢のうち、コーニング角αにはブ
レード・フラッピング運動が直接現れるので、コーニン
グ運動の固有振動数は1/rev周波数である。また、ロー
タ面傾斜角には、ブレード・フラッピング運動がロータ
回転(1/rev)により変調されて現れるので、その固有
振動数は2/rev周波数である。
【0013】揺動の周波数は0.2Hz〜2Hz程度で
あり、この周波数帯でロータ姿勢(特にコーニング角
α)を制御しようとすると、ブレード・フラッピング運
動の固有振動に大きく影響を与えて、その安定性を損な
う可能性がある。
【0014】図13は、揺動制御装置5の揺動制御器8
の制御方法を示す図である。従来の揺動制御器8では、
ロータ姿勢の比例値と、ロータ姿勢の微分値とを足しあ
わせてフィードバック信号を生成する、いわゆる比例/
微分制御である。
【0015】この方法は、ロータ姿勢の比例値のフィー
ドバックにより揺動を制御し、これにより減少した減衰
効果を補うために、微分値を合わせてフィードバックす
るものである。
【0016】揺動制御の本来の目的は、0.2Hz〜2
Hz程度のロータ姿勢変化を抑制することであるが、従
来技術は、ロータ姿勢の安定化を図るために、揺動より
も高い周波数である1/rev周波数も積極的に制御するも
のである。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来技術に
は、次のような問題点がある。
【0018】(1)ブレード・フラッピング運動の固有
振動数の増加 ロータ姿勢変化を抑制するために比例値のフィードバッ
クを行うと、ブレード・フラッピング運動の固有振動数
が増加する。そのため、揺動制御装置全体を高応答化し
て、制御可能な周波数帯を拡大する必要が生じる。特に
応答性が低いアクチュエータの高応答化が必須である。
【0019】(2)揺動制御器の高周波ゲインの増加 ロータ姿勢の微分値を生成するためには微分器が必要で
ある。微分とは、入力信号の位相を90度進める作用で
あり、微分器のゲインは周波数とともに増加する。現実
的な微分器の例として、周波数が1rad/sにおいてゲイ
ンが0dB(1倍)となるハイパス・フィルタの特性を
図14に示す。6Hz(中型ヘリコプタの1/rev周波
数)において十分な微分効果を得るためには、折点周波
数を40Hz以上に設定する必要がある。
【0020】図14のハイパス・フィルタ(微分器)を
使い、比例ゲインKp=1、微分ゲインKd=0.04
とした従来技術の特性は図15のようになり、高周波ゲ
インは約20dB(約10倍)とかなり大きくなる。実
際のシステムでは、高周波ノイズが増幅されたり、ブレ
ードの高次振動モードを刺激して不安定現象が励起され
るなどの弊害が起こる。
【0021】(3)ロータ姿勢の1/revノイズによるア
クチュエータの加振 1/revノイズはロータのトラッキング誤差に起因する。
実際のロータは、各ブレードの軌跡が全く同一でないた
めトラッキング誤差があり、ブレード先端で10mm程
度の誤差は許容されている。トラッキング誤差はロータ
の回転とともに移動するので、ロータ姿勢の計測結果に
1/rev周波数として現れる。
【0022】ブレード・フラッピングの固有振動を制御
しようとすると、ロータ姿勢の1/revノイズもフィード
バックされ、アクチュエータは1/rev周波数で常に作動
する。アクチュエータを高い周波数で作動させること
は、エネルギの浪費でしかなく、耐久性を低下させる原
因にもなる。
【0023】本発明の目的は、揺動制御において、ブレ
ード・フラッピング運動の安定性を損なわずに揺動を制
御する揺動制御装置および方法を提供する。
【0024】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、ロータ姿勢を計測するロータ姿勢計測手段と、ロー
タ姿勢を制御するアクチュエータと、ロータ姿勢が所定
の姿勢となるように、計測したロータ姿勢に基づいて、
前記アクチュエータを介してロータ姿勢をフィードバッ
ク制御し、機体の揺動を抑制する制御手段とを有する回
転翼航空機の揺動制御装置において、前記制御手段は、
ロータ姿勢計測手段で計測したロータ姿勢の変化のう
ち、特定の周波数を除去または減衰させるフィルタを有
し、該フィルタを通過したロータ姿勢の変化に基づい
て、ロータ姿勢をフィードバック制御することを特徴と
する回転翼航空機の揺動制御装置である。
【0025】請求項2記載の本発明の前記特定の周波数
とは、ロータの回転角速度と等しい周波数であることを
特徴とする。
【0026】本発明に従えば、ロータ姿勢測定手段は、
たとえばロータのブレードのフラッピング角を検出し、
これに基づいてロータ姿勢を算出する。制御手段は、所
定のロータ姿勢となるように、測定したロータ姿勢の変
化に基づいてフィードバック制御する。ロータ姿勢の変
化には、前述したように、ロータの回転速度に等しい周
波数である1/rev周波数が含まれ、このままフィードバ
ック制御すると、ブレードフラッピング運動の安定性が
損なわれるが、本発明では、フィルタによって、前記1/
rev周波数を除去または減衰することによって、フラッ
ピングの固有振動成分を除去することが可能となり、ブ
レード・フラッピング運動の安定性を損なわずに、機体
の揺動を制御することができる。
【0027】請求項3記載の本発明の前記制御手段は、
前記フィルタを通過してロータ姿勢の変化に基づき、比
例・積分・微分制御を行うことを特徴とする。
【0028】本発明に従えば、1/rev周波数を除去した
ロータ姿勢の変化に基づいて、PID(比例・積分・微
分)制御を行うことで、制御成績をさらに向上させるこ
とができる。
【0029】請求項4記載の本発明は、ロータの回転速
度を検出する回転速度検出器を有し、前記制御手段は、
フィルタが除去または減衰させる特定の周波数と、前記
回転速度検出器で検出したロータの回転速度とが一致す
るように制御することを特徴とする。
【0030】ロータの回転速度(1/rev周波数)の変化
に伴ってフラッピング固有振動数も変化するが、フィル
タの除去する特定の周波数を、ロータの回転速度に連動
して変更することで、常にフラッピングの固有振動成分
を除去することが可能となる。
【0031】請求項5記載の本発明の前記回転速度検出
器は、ロータの一回転あたり、所定個のロータ回転信号
を出力し、前記制御手段は、ロータ姿勢測定およびフィ
ルタ演算を含む一連の制御演算をデジタル計算機で行
い、この一連の制御演算を、前記ロータ回転信号に同期
して動作させることを特徴とする。
【0032】本発明に従えば、ロータ回転信号は、ロー
タの一回転あたり、たとえばN個のパルス信号を出力す
る。したがって、このロータ回転信号に基づいて1/rev
周波数の信号を得ることができる。また、ロータ姿勢の
測定およびフィルタ演算などの一連の制御演算は、デジ
タル計算機で実行されるので、前記ロータ回転信号をト
リガーとして一連の処理を動作させることで、フィルタ
が除去または減衰する特定の周波数の設定を固定したま
まで、常に前記特定周波数を1/rev周波数に一致させる
ことができる。
【0033】請求項6記載の本発明は、ロータ姿勢が所
定の姿勢となるように、測定したロータ姿勢に基づいて
ロータ姿勢をフィードバック制御し、機体の揺動を抑制
する回転翼航空機の揺動制御方法において、検出したロ
ータ姿勢の変化から、特定の周波数を除去または減衰さ
せ、これに基づいて、ロータ姿勢をフィードバック制御
することを特徴とする回転翼航空機の揺動制御方法であ
る。
【0034】本発明に従えば、フィルタによって、前記
1 /rev周波数を減衰または除去することによって、フラ
ッピングの固有振動成分を除去することが可能となり、
ブレード・フラッピング運動の安定性を損なわずに、機
体の揺動を制御することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の一形態で
ある揺動制御装置について説明する。ヘリコプタおよび
揺動制御の全体は、図9〜図11で説明した従来技術と
同様であるので、対応する構成には同一の参照符号を付
して適宜説明を省略する。
【0036】揺動制御の構成は、図11のブロック図を
参照して補足して説明する。なお、本発明の特徴は、揺
動制御装置5の揺動制御器8であるので、この揺動制御
器8の制御方法について後に詳細に説明する。
【0037】各ブレード2のフラッピング角βは、機体
10に取り付けられたフラッピングセンサ6によって検
出する。フラッピングセンサ6は、たとえば各ブレード
2の下面に取り付けられる反射鏡と、機体10に取り付
けられ、レーザ素子などの投光手段および反射光を受け
る受光手段とを有するセンサ本体とを有する。センサ本
体は、ロータのハブを中心として等間隔に機体10に取
り付けられる。そして、センサの投光手段から出てブレ
ード2の反射鏡で反射した光を受光手段で受けること
で、ブレード2の高さ方向の位置を検出する。この検出
した高さ位置と、そのときのブレードの回転位置に基づ
いてブレードのフラップ角βが出力される。このように
して、フラッピングセンサ6から出力されたブレードの
フラップ角βロータ姿勢解析器7に入力され、ここでロ
ータ姿勢、つまりコーニング角α、ロータ面左右傾斜角
θ1、およびロータ面前後傾斜角θ2が算出される。
【0038】フラッピングセンサ7の他の形態として、
機体10に、ロータのハブを中心とする複数箇所に受光
素子を設け、この受光素子で受光する太陽光の受光量に
基づいてブレードの高さ位置を検出するものであっても
良い。受光素子で受光する太陽光は、ブレード2によっ
て遮られることで、受光量が変化する。つまり、ブレー
ドの高さ位置によって、遮られる光量が変化するので、
受光素子で受光する光量に基づいて各ブレード2の高さ
位置を検出する。そして、検出した高さ位置と、そのと
きのブレードの回転位置とからブレードのフラップ角β
を算出する。
【0039】揺動制御器8は、ロータ姿勢解析器7から
出力されたロータ姿勢が、所定のロータ姿勢となるよう
に制御する。つまり、検出したロータ姿勢と、所定のロ
ータ姿勢との差が小さくなるように、フィードバック制
御する。所定のロータ姿勢とは、たとえば揺動前の定常
状態でのロータ姿勢である。揺動制御器8からはアクチ
ュエータ9へ指令値が出力され、アクチュエータ7は、
スワッシュプレートを調整してロータ姿勢を変化させ
る。このようにして、揺動制御器8では、ロータ姿勢の
比例値のフィードバックにより揺動を抑制する。
【0040】ブレード2は、ロータ1の回転速度に等し
い1/rev周波数の固有振動でフラッピング運動をしてい
るため、ロータ姿勢解析器7からの出力信号には、この
1/rev周波数が含まれる。したがって、ロータ姿勢解析
器7からの信号をそのまま用いてフィードバック制御し
た場合には、フラッピング運動の固有振動成分がフィー
ドバックして、揺動制御がフラッピング運動に干渉して
しまう。
【0041】そこで、本発明の揺動制御器8は、図1の
ブロック図に示すように、比例ゲイン22の前にノッチ
・フィルタ21を有する。ノッチ・フィルタ21は、図
2に示すように、特定の周波数(ノッチ周波数)の成分
を除去する性質がある。本発明では、ノッチ周波数を、
1/rev周波数と一致させる。これによって、フラッピン
グ運動の固有振動成分がフィードバックしないので、揺
動制御はフラッピング運動に干渉しない。
【0042】したがって、揺動制御はブレード・フラッ
ピング運動の安定性を損なうことがなく、その固有振動
数を増加させることもない。また、ノッチ・フィルタを
使用しても、高周波ゲインの増加は起こらない。
【0043】図1に示す揺動制御器8では、比例制御の
みとしたが、揺動制御器8の他の形態として、図3に示
すように、ノッチフィルタ21とPID(比例・積分・
微分)制御器23とを組合せイするように構成してもよ
い。この場合もノッチ・フィルタ21により安定性を確
保し、さらにPID制御器により制御成績を向上するこ
とができる。
【0044】飛行中は、ロータ回転速度(1/rev周波
数)の変化に伴ってフラッピング固有周波数も変化する
が、ノッチ周波数をロータ回転速度と連動させて変更す
ることで、常にフラッピングの固有振動成分を除去する
ことが可能となる。
【0045】図4は、ノッチ周波数をロータ回転周波数
に一致させる第1の方法を示す図である。
【0046】フラッピングセンサ6は、ブレード変位を
検出するブレード変位センサ25と、このブレード変位
にセンサ25からデータを取り込むデータ取得部26と
からなる。このブレード変位センサからのデータの取込
み、ロータ姿勢解析器7、およびノッチ・フィルタ21
を含む揺動制御装置5の一連の制御演算は、デジタル計
算機で実行される。また、ロータ1には、ロータ回転速
度検出器であり、ロータの一回転当りN個のパルス信号
を出力するロータ回転信号出力器が設けられる。このロ
ータ回転信号出力器からのロータ回転信号をトリガーと
して、前記一連のデジタル計算を動作させる。ロータ回
転信号の周波数はロータ回転速度とともに変化するの
で、ノッチ・フィルタの設定を固定したままで、常にノ
ッチ周波数を1/rev周波数に一致させることができる。
【0047】図5は、ノッチ周波数を1/rev周波数に一
致させる第2の方法を示す図である。
【0048】この方法では、前記ロータ回転信号出力器
からの信号周波数を、直流電圧値に変換するF/V変換
器30を有する。そして、このF/V変換器30からの
信号の電位に従ってノッチ・フィルタ21のノッチ周波
数の設定を変更する。これによって、ロータの回転速度
が変動しても、常にノッチ周波数を1/rev周波数に一致
させることができる。
【0049】つぎに、コーニング角からコレクティブ操
縦への揺動制御の効果を、1/rev周波数が6Hzのヘリ
コプタの運動モデルを使った計算例により示す。突風入
力は、上下方向のステップ状とする。また、1/revノイ
ズに対する応答も示す。
【0050】計算は図6に示す構成で行った。揺動制御
の形態は、次の3種類である。 制御形態: ・制御なし ・従来技術−比例/微分制御(比例ゲインKp=1、微分
ゲインKd=0.04) ・本発明−ノッチ・フィルタ21による揺動制御(比例
ゲインKp=1)
【0051】また、現実的な制御装置を模擬するため
に、揺動制御器8の入出力に1次のローパス・フィルタ
35(折点周波数=25Hz)を付加し、また、アクチ
ュエータ9の動特性は1次ローパス・フィルタ(折点周
波数=10Hz)とした。
【0052】(1)ステップ状の上向突風に対する応答 図7に、上向突風に対する応答を示す。
【0053】従来技術は、コーニング角変位の初動を抑
制できている反面、操縦入力に振動成分が現れて発散傾
向を示しており、安定性の限界が低いことがわかる。ま
た、操縦入力波形から、コーニング(ブレード・フラッ
ピング)の固有振動数は約9Hz(約1.5倍)に増加
している。
【0054】本発明は、ノッチ・フィルタ21により1/
rev成分(6Hz)を除去しているので、初動を抑制す
ることはできないが、振動成分の減衰が良く、安定に動
作していることから、さらにフィードバック・ゲインを
大きくして、制御成績の向上を図ることが可能である。
【0055】(2)1/revノイズに対する応答 図8に、1/revノイズに対する応答を示す。ただし、従
来技術のフィードバック・ゲインは、これが安定に動作
するように小さく設定してある。
【0056】従来技術では、1/revノイズに応答して操
縦入力が発生している(アクチュエータが作動する)の
に対して、本発明では、1/revノイズによる操縦入力が
全く発生しない。
【0057】1/revノイズは揺動の範疇にないので、こ
れを制御することは無意味である。また、アクチュエー
タを1/rev周波数で常に作動させることは、エネルギー
の浪費でしかなく、耐久性を低下させる原因にもなる。
【0058】上述した実施形態では、1/rev周波数を除
去するものとしてノッチ・フィルタとしたが、本発明は
これに限らず、特定の周波数を減衰させるフィルタであ
れば可能である。
【0059】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、特定の周
波数を除去または減衰させるフィルタを用いることで、 (1)ブレード・フラッピング運動の固有振動数が増加
しない。 (2)高周波ゲインが増加しない。 (3)トラッキング誤差による1/revノイズを除去でき
る。 といった効果が得られ、ブレード・フラッピング運動の
安定性を損なわずに従来技術と同等な制御成績が得られ
る。
【0060】また本発明によれば、PID(比例・積分
・微分)制御を行うことで、制御成績をさらに向上させ
ることができる。
【0061】また本発明によれば、フィルタの除去する
特定の周波数を、ロータの回転速度に連動して変更する
ことで、常にフラッピングの固有振動成分を除去するこ
とが可能となる。
【0062】また本発明によれば、ロータ姿勢の測定お
よびフィルタ演算などの一連のデジタル計算を、ロータ
回転信号をトリガーとして動作させることで、フィルタ
が除去または減衰する特定の周波数の設定を固定したま
まで、常に前記特定周波数を1/rev周波数に一致させる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の揺動制御装置5の揺動制御器8の制御
方法の実施の一形態を示すブロック図である。
【図2】ノッチ・フィルタ21の特性を示すグラフであ
る。
【図3】揺動制御器8の他の形態を示すブロック図であ
る。
【図4】ノッチ周波数をロータ回転周波数に一致させる
第1の方法を示す図である
【図5】ノッチ周波数を1/rev周波数に一致させる第2
の方法を示す図である。
【図6】ヘリコプタの運動モデルを示すブロック図であ
る。
【図7】上向突風に対する応答を、制御なし、従来技
術、本発明とで対比させて示すグラフである。
【図8】1/revノイズに対する応答を、制御なし、従来
技術、本発明とで対比させて示すグラフである。
【図9】ブレード2のフラッピング角βを示す図であ
る。
【図10】ロータ1のコーニング角αおよびロータ面傾
斜角θを示す図である。
【図11】図11は、ヘリコプタ20の揺動制御を示す
ブロック図である。
【図12】ブレード・フラッピング運動を説明する図で
ある。
【図13】従来の揺動制御装置5の揺動制御器8の制御
方法を示す図である。
【図14】図13の揺動制御器8のハイパス・フィルタ
(微分器)の特性を示すグラフである。
【図15】図14のハイパス・フィルタ(微分器)を使
った従来技術の特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1 ロータ 2 ブレード 3 ロータ面 5 揺動制御装置 6 フラッピング・センサ 7 ロータ姿勢解析器 8 揺動制御器 9 アクチュエータ 21 ノッチ・フィルタ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロータ姿勢を計測するロータ姿勢計測手
    段と、ロータ姿勢を制御するアクチュエータと、ロータ
    姿勢が所定の姿勢となるように、計測したロータ姿勢に
    基づいて、前記アクチュエータを介してロータ姿勢をフ
    ィードバック制御し、機体の揺動を抑制する制御手段と
    を有する回転翼航空機の揺動制御装置において、 前記制御手段は、ロータ姿勢計測手段で計測したロータ
    姿勢の変化のうち、特定の周波数を除去または減衰させ
    るフィルタを有し、該フィルタを通過したロータ姿勢の
    変化に基づいて、ロータ姿勢をフィードバック制御する
    ことを特徴とする回転翼航空機の揺動制御装置。
  2. 【請求項2】 前記特定の周波数とは、ロータの回転角
    速度と等しい周波数であることを特徴とする請求項1記
    載の回転翼航空機の揺動制御装置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段は、前記フィルタを通過し
    てロータ姿勢の変化に基づき、比例・積分・微分制御を
    行うことを特徴とする請求項1または2記載の回転翼航
    空機の揺動制御装置。
  4. 【請求項4】 ロータの回転速度を検出する回転速度検
    出器を有し、 前記制御手段は、フィルタが除去または減衰させる特定
    の周波数と、前記回転速度検出器で検出したロータの回
    転速度とが一致するように制御することを特徴とする請
    求項2または3記載の回転翼航空機の揺動制御装置。
  5. 【請求項5】 前記回転速度検出器は、ロータの一回転
    あたり、所定個のロータ回転信号を出力し、 前記制御手段は、ロータ姿勢測定およびフィルタ演算を
    含む一連の制御演算をデジタル計算機で行い、この一連
    の制御演算を、前記ロータ回転信号に同期して動作させ
    ることを特徴とする請求項4記載の回転翼航空機の揺動
    制御装置。
  6. 【請求項6】 ロータ姿勢が所定の姿勢となるように、
    測定したロータ姿勢に基づいてロータ姿勢をフィードバ
    ック制御し、機体の揺動を抑制する回転翼航空機の揺動
    制御方法において、 検出したロータ姿勢の変化から、特定の周波数を除去ま
    たは減衰させ、これに基づいて、ロータ姿勢をフィード
    バック制御することを特徴とする回転翼航空機の揺動制
    御方法。
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WO2015053671A1 (en) * 2013-10-10 2015-04-16 Saab Ab Flap angle measurement system and method

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