JP2002307618A - 表皮貼合圧密化シート、その膨張成形品および表皮貼合圧密化シートの製造方法 - Google Patents

表皮貼合圧密化シート、その膨張成形品および表皮貼合圧密化シートの製造方法

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JP2002307618A
JP2002307618A JP2001119442A JP2001119442A JP2002307618A JP 2002307618 A JP2002307618 A JP 2002307618A JP 2001119442 A JP2001119442 A JP 2001119442A JP 2001119442 A JP2001119442 A JP 2001119442A JP 2002307618 A JP2002307618 A JP 2002307618A
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Yutaka Araki
豊 荒木
Shigeru Takano
高野  茂
Noboru Shinohara
昇 篠原
Yoshihiro Fujikawa
嘉博 藤川
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JFE Steel Corp
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KEEPURA SHEET KK
Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】軽量で機械的強度に優れ、自動車用内装材など
として有用な意匠性表皮を有する膨張成形品を得るため
の表皮貼合圧密化シート、該膨張成形品およびその製造
方法の提供。 【解決手段】強化繊維と熱可塑性樹脂とからなる目付1
500g/m2 以下のウェブと、該熱可塑性樹脂よりも
高融点の材料からなる表皮とを一体加熱圧縮し、上記ウ
ェブを、シート理論厚みの1.5倍以下の厚みに圧密化
して、膨張成形可能な表皮貼合コンソリッドシートを得
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軽量で機械的強度
に優れ、自動車用内装材などとして有用な意匠性表皮を
有する膨張成形品を得るための表皮貼合圧密化シート、
該膨張成形品およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ガラス繊維などの強化繊維を、ポ
リエチレン、ポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂で固着
した高剛性、高強度シートが知られている。たとえば、
強化繊維と熱可塑性樹脂の繊維または粒子とを、気相中
に分散させる乾式分散法(特開平2−169632号な
ど)、または溶媒中に分散させる湿式分散法(特公昭5
5−9119号、特開昭60−58227号など)によ
り、不織布状堆積物(ウェブ)を得た後、該ウェブを加
熱圧縮して圧密(緻密)化し、冷却、固化させた圧密化
シート(スタンパブルシートと称されるものもある)が
知られている。
【0003】上記強化繊維に熱可塑性樹脂を溶融・含浸
させたウェブを、目付量に対する理論厚みにまで圧縮
し、ほぼ空隙のない緻密状態まで圧密化した圧密化シー
トは、熱可塑性樹脂の融点以上に加熱すれば、繊維剛性
により元のウェブ近くまで厚さが復元・膨張する。加熱
した圧密化シートを金型で空隙を残存させて賦形すれば
容易に多孔質基材とすることができる(特開平4−33
1138号など)。上記ウェブの加熱、圧縮、冷却、固
化方法として、ダブルベルトプレス装置を用い、これら
全工程を面圧付加下に行う方法が提案されている(特開
平5−245866号)。またウェブの圧密化、膨張化
方法として、ウェブに熱盤間で面圧をかけ、シート理論
厚みの約1.5倍よりは薄い厚みまで圧密化し、その後
直ちに冷却盤間で所定厚みまで膨張させる方法(特開平
7−241884号)、ウェブを加熱し、次いで線圧を
かけながら、一旦シートの理論厚み近くまで圧縮し、そ
の後線圧を解除した状態で冷却、固化する方法(特開平
11−207738号)などが提案されている。
【0004】上記圧密化シートから得られる膨張品(多
孔質基材)は、空隙を有する軽量化素材であるだけでな
く、解繊された単繊維がランダムに交絡し、かつ繊維の
交点が熱可塑性樹脂で固定された三次元網目構造を有
し、衝撃緩衝性があり、ウェブから直接同一厚みの多孔
質基材に圧縮したものに比べ、高強度を発現する。この
ため圧密化シートの膨張品(多孔質基材)は、軽量かつ
高強度を両立しうる点で利用価値が高く、とりわけ、天
井材、ドアトリムなどの高強度、高剛性の要求される自
動車内装部材に好適であり、多孔質基材に表皮材を積層
・賦形した膨張成形品は、これら用途が主流となってい
る。また上記圧密化シートは、ウェブまたは膨張品より
も嵩張らない点で、搬送・取扱上好都合であり、また入
手先で容易に所望厚みに膨張、賦形ができるため、圧密
化シートを膨張用製品として流通させている。図7に模
式図解的に示すように、圧密化シートを膨張させた後、
表皮を貼合し、金型で最終形状に賦形加工している。
【0005】ところで近年、自動車の軽量化に伴い、そ
の内装部材に対する要求もますます厳しくなってきてお
り、上記多孔質基材については、剛性および強度、軽量
化のさらなる向上とともに表皮材との接着性が望まれて
いる。これら要求を個別に満たす方策はいくつか知られ
ているが、互いに相反効果となる場合が多い。たとえば
剛性はシート厚みの3乗に比例するので、剛性を高める
ためには、圧密化シートの膨張時に、クリアランスを大
きく(圧縮比を小さく)して、多孔質基材のシート厚み
を厚くすればよいことが知られている。しかし圧縮比を
小さくすると、反面、膨張品と表皮との接着強度が低下
する。一方、圧密化シートの膨張時に、クリアランスを
小さく(圧縮比を大きく)すれば、膨張品と表皮との接
着性は得られるが、高剛性は得られなくなる。また従
来、剛性および接着性を得るためには、ウェブの目付量
は2000g/m2 程度以上必要であり、所望特性を保
持して目付量を低減させ、軽量化を図ることは困難であ
ると考えられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な情況に鑑みて、高強度と軽量化とのいずれも満たし、
かつ表皮との接着性にも優れた膨張成形品を得るための
表皮貼合圧密化シート、該膨張成形品およびその製造方
法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記圧密
化シートから得られる多孔質基材の軽量化について検討
したところ、従来は圧密化シートを膨張させた多孔質基
材に積層していた表皮を、圧密化シート製造時に、予め
ウェブと表皮とを一体成形し表皮貼合圧密化シートとす
ることにより、従来別工程として行われていた表皮さら
には接着フィルムなどの積層工程を簡素化しうるだけで
なく、従来は所望特性を得るのが困難であった1500
g/m2 以下という目付量の少ないウェブを用いても予
想外に高強度でかつ表皮と強固に接着された膨張成形品
が得られることを見出し、上記課題を一挙に解決しうる
ことを見出して本発明を完成するに至った。
【0008】したがって本発明では、強化繊維と熱可塑
性樹脂とからなる目付1500g/m2 以下のウェブ
と、該熱可塑性樹脂よりも高融点の材料からなる表皮と
が一体加熱圧縮されてなる、膨張成形可能な表皮貼合圧
密化シートが提供される。上記表皮貼合圧密化シート
は、前記圧密化シートと前記表皮との間に、さらに非通
気性樹脂層を有していてもよい。
【0009】本発明係る膨張成形可能な表皮貼合圧密化
シートの製造方法は、強化繊維と熱可塑性樹脂とからな
る目付1500g/m2 以下のウェブと、該熱可塑性樹
脂よりも高融点の材料からなる表皮とを一体加熱圧縮
し、上記ウェブを、シート理論厚みの1.5倍以下の厚
みに圧縮する。上記において、表皮を、非通気性樹脂フ
ィルムを介して前記ウェブに積層することもできる。本
発明では、上記表皮貼合圧密化シートから得られる膨張
成形品も提供される。
【0010】本発明のようにウェブを表皮と一体加熱圧
縮すれば、同一目付のウェブのみを加熱圧縮する場合に
比べ、膨張成形品の多孔質基材は高強度、高剛性を発現
する。曲げ試験の測定結果を図2〜4に模式的に示す。
図2は実施例に示す曲げ試験に準じて測定した曲げ最大
荷重を示し、図3は同様に弾性勾配を示し、図4は、図
2または図3の結果を膨張倍率一定で比較して示す。特
に図4に示されるように目付が1500g/m2 よりも
少ない場合には、表皮とともに圧縮成形する本発明の効
果は著しい。
【0011】なお本明細書でのシート理論厚み(t0
は、空隙がゼロの場合の、強化繊維と熱可塑性樹脂とか
らなる圧密化シート(表皮なし)の厚みであり、以下の
ように定義される。 t0 =G×{(Wm /ρm )+(Wf /ρf )}/100
(単位mm) ここで、G:ウェブの目付量(kg/m2 ) Wm :熱可塑性樹脂の質量分率(質量%) Wf :強化繊維の質量分率(質量%) ρm :熱可塑性樹脂の密度(g/cm3 ) ρf :強化繊維の密度(g/cm3
【0012】さらにウェブの目付量と、圧密化シートの
厚みの最大・最小値を測定したところ、表皮を有する場
合には、目付量が変化しても厚みのばらつきが小さいの
に対し、ウェブのみの場合は、目付が小さいほど厚みの
ばらつきが大きいことがわかった。これを図5に示す。
【0013】これらより、表皮の一体成形により圧密化
シートが少ない目付量に拘らず高強度、優れた接着性を
示すことの理由は必ずしも明確ではないが、本発明者ら
は、プレス盤の歪みあるいはロールの撓みなどにより圧
密化時にウェブには不均等な押圧力が負荷されると考
え、これを均一化することができればランダムに交絡し
た繊維の交点が熱可塑性樹脂で固定された構造をシート
全体にわたって平均して構築することができ、これによ
り高強度かつ軽量で、表皮との接着点も確保することが
できることを見出した。膨張成形品の強度を向上させる
には、加熱圧縮時に、強化繊維を熱可塑性樹脂で十分に
濡らす必要がある。ウェブは強化繊維が交絡して堆積
し、内部は空隙を有し、かつ一定高さを持たない構造を
有しているので、ウェブの目付が大きければ(厚みが厚
ければ)、加熱圧縮時(圧密化時)の押圧力は拡散し
て、押圧力が不十分な箇所(濡れが不十分な箇所)は少
なくなる(図6(a))。その結果、最終的に得られる
膨張成形品の強度低下は少ない。一方、ウェブの目付が
小さければ(ウェブの厚みが薄ければ)、凹凸表面にか
かる押圧力を拡散均一化することが困難となり、押圧力
が不十分な箇所(濡れが不十分な箇所)が多くなる(図
6(b))。このため、最終的に得られる膨張成形品の
強度低下が大きい。本発明のように、目付の小さなウェ
ブと表皮を一体にして加熱圧縮(圧密化)を行うと、表
皮の存在により押圧力は拡散して、押圧力が不十分な箇
所(濡れが不十分な箇所)は少なくなる(図6
(c))。この結果、ウェブの目付が小さいにもかかわ
らず、得られる膨張品の強度低下は少ない。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る表皮貼合圧密
化シート、該膨張成形品およびその製造方法を、図1に
模式図解的に示すプロセスフローを参照しながら具体的
に説明する。本発明に係る表皮貼合圧密化シートは、強
化繊維と熱可塑性樹脂とからなる目付1500g/m2
以下のウェブと、該熱可塑性樹脂よりも高融点の材料か
らなる表皮とが一体加熱圧縮されてなる。
【0015】<ウェブの作製>ウェブは、強化繊維と熱
可塑性樹脂とからなる不織布状の堆積物である。上記強
化繊維は、無機繊維または有機繊維のいずれであっても
よく、これらを複合した繊維であってもよい。無機繊維
としては、たとえばガラス繊維、炭素繊維、ボロン繊
維、ステンレス鋼繊維、その他の金属繊維などが挙げら
れ、有機繊維としては、たとえばアラミド繊維、ポリエ
ステル繊維、ポリアミド繊維、木質繊維、天然繊維など
が挙げられ、各これらを単独あるいは2種以上組合わせ
て含んでいてもよい。これらのうちでも、低コストと高
い補強効果が得られることから、ガラス繊維が好まし
い。
【0016】強化繊維長は、補強効果、膨張性、賦形性
を確保するという点から、5mm以上であることが望ま
しく、通常5〜50mm程度、好ましくは10〜30m
m程度のものが用いられる。また強化繊維の直径は、補
強効果と膨張性を確保する点で、5〜30μm程度が好
ましく、より好ましくは10〜25μmである。また熱
可塑性樹脂との濡れ性および接着性を改良するために、
シランカップリング剤などによる処理が施された強化繊
維も好ましく用いられる。
【0017】熱可塑性樹脂は、圧密化シートのマトリッ
クスを構成しうるものであれば特に限定されないが、た
とえばポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフ
ィン樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアミド、ポ
リアセタールなど、あるいはエチレン−塩化ビニル共重
合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタ
ジエン−アクリロニトリル共重合体などの共重合体、E
PM、EPDMなどの熱可塑性エラストマーなどを単独
でまたは2種以上組合わせて用いることができる。これ
らの中でも、強度、剛性および成形性に優れるポリエチ
レン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂が好ま
しく、特に上記特性に優れ、かつ低価格であるポリプロ
ピレンが好ましい。さらに、ポリプロピレンの中でも、
メルトフローレートMFR(JISK6758に準拠し
て210℃、2.16kgfで測定)が、1〜200g
/10分のものが上記特性面で好ましい。
【0018】さらに上記熱可塑性樹脂と強化繊維との接
着性を向上させるために変性ポリオレフィン樹脂などを
併用してもよい。変性化合物としては、具体的に不飽和
カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物などの酸、エポキ
シ化合物などが挙げられる。より具体的にはたとえば、
ポリプロピレンに、マレイン酸、無水マレイン酸、アク
リル酸などをグラフト共重合して得られる、分子内に酸
無水物基、カルボキシル基などの変性基を有するもの
が、強度向上の点から好ましい。上記熱可塑性樹脂の形
状は、特には限定されず、たとえば粉末、ペレット、フ
レークなどの粒子形態、繊維形態のどれでも使用するこ
とができ、種々形状の混在したものであってもよい。な
かでも、ウェブ中で均一分散しやすい粉末が特に好まし
く用いられる。
【0019】上記強化繊維と熱可塑性樹脂の使用量比
は、圧密化シート、さらにはその膨張成形品において、
実質的な組成比であり、通常、強化繊維/熱可塑性樹脂
(質量比)=20/80〜70/30が好ましく、より
好ましくは30/70〜60/40である。強化繊維量
が過剰であると熱可塑性樹脂が均一に繊維中に含浸され
難くなり、一方強化繊維量が過少であると所望の補強効
果が得られ難いが、上記量比であれば曲げ強度および曲
げ弾性率などの機械的強度の高い膨張成形品が得られ
る。
【0020】上記のような強化繊維と熱可塑性樹脂とか
らウェブを製造する方法自体は、特に限定されず、公知
の乾式分散法または湿式分散法を広く採用することがで
きる。好ましくは湿式分散法により製造され、具体的に
は、微小気泡(空気)が分散した界面活性剤水溶液中
に、強化繊維および熱可塑性樹脂を分散させ、該分散液
中の固形分を堆積させ、乾燥することにより不織布状の
堆積物(ウェブ)を得る。上記の強化繊維を樹脂ととも
に抄造する湿式分散法によれば、強化繊維に粒子状の熱
可塑性樹脂が均質に分散したウェブが容易に得られ、好
ましい。上記により所望目付のウェブが得られるが、こ
の目付量の少ないものが本発明の効果をよく発現し、本
発明のウェブの目付量は、具体的に1500g/m2
下、好ましくは300〜1000g/m2 程度である。
ウェブの厚みは目付や目的によっても異なるが、たとえ
ば自動車内装材用である場合には、通常、1mm以上、
好ましくは1〜10mm程度である。
【0021】<積層材>本発明では、上記ウェブから圧
密化シートを作製するに際して、予め表皮を積層してこ
れらを一体に加熱圧縮する。表皮は、たとえば膨張成形
品の表面加飾、クッション性の付与、断熱性の付与など
の種々の目的に応じて適宜配設されるものであり、ウェ
ブ中の熱可塑性樹脂よりも高融点であれば、使用目的に
応じて適宜に選択されればよく、特に限定されないが、
製造時に、溶融あるは破れたりしないように耐熱性を有
するものが好ましい。
【0022】表皮としては、たとえば自動車用内装材用
途では、植物繊維、動物繊維セルロース系などの天然繊
維、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリプロピレン系
などの合成繊維などの有機系素材からなる織布または不
織布などを挙げることができる。表皮の意匠面には、シ
ボなどの凹凸模様、印刷などが施されていてもよい。こ
れらのうちでも好ましくは不織布である。上記織布また
は不織布は、ウェブとの接着性を向上させるため、ウェ
ブ中の熱可塑性樹脂よりも高融点の基体繊維と、低融点
繊維との混紡であってもよい。この低融点繊維は、ウェ
ブ中の熱可塑性樹脂と同種でほぼ同等の融点の素材を使
用することができる。表皮はウェブ圧縮時にプレス盤の
歪みあるいはロールの撓みなどを充分に吸収できる目付
量であることが望ましく、たとえば自動車天井材用途の
場合などには、50g/m2 以上であることが好まし
い。通常、70〜250g/m2 程度のものが好ましく
用いられる。
【0023】上記表皮は、必要に応じて緩衝性シート、
バッキング材、基布などを介してウェブに積層されても
よい。緩衝性シート、バッキング材、基布はウェブの圧
縮時に積層することもできるが、作業面上、通常、予め
表皮とラミネートされたものが好ましい。緩衝性シート
としては、たとえばポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リ塩化ビニル、ポリウレタンなどの樹脂発泡体が挙げら
れる。バッキング材としては、アクリル系樹脂、ポリオ
レフィン系樹脂などが挙げられる。上記のうちでも、織
布または不織布にポリウレタン発泡体をラミネートした
ものは、加熱加圧後の意匠面の回復力に優れる点で好ま
しい。
【0024】また表皮は、必要に応じて接着性樹脂層を
有していてもよい。接着性樹脂層は、塗布形態の熱可塑
性樹脂(ホットメルト材)であってもよく、熱可塑性樹
脂フィルム(またはシート)であってもよい。この接着
性樹脂層は、ウェブまたは下記の非通気性フィルムとの
親和性および接着性の良いものであれば特に制限なく用
いることができるが、加熱によりウェブ中に過剰に含浸
されない態様において選択または使用されることが望ま
しい。
【0025】接着性樹脂層を形成する熱可塑性樹脂とし
ては、たとえばポリエチレン、ポリプロピレンなどのポ
リオレフィン、変性ポリオレフィン、EPM、EPDM
などの熱可塑性エラストマー(TPO)、ポリ塩化ビニ
ル、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレートなどの
熱可塑性ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミ
ド、ポリアセタール、エチレン−塩化ビニル共重合体、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエン
−アクリロニトリル共重合体などが挙げられる。これら
のうちでも、たとえばウェブ中の熱可塑性樹脂がポリプ
ロピレンである場合には、接着性樹脂はポリプロピレン
系樹脂が好ましい。
【0026】また本発明では、必要に応じて非通気性樹
脂フィルムを積層することもできる。ここで、非通気性
とは、ASTM−D737に準拠して測定された通気度
が0cc/cm2 ・sec のものを言う。非通気性樹脂フィル
ムは膨張成形品に非通気性を付与するため積層される
が、ウェブの表層にスキン層が構成されることにより、
剛性を向上させることができる。非通気性樹脂フィルム
は、ウェブの片面または両面に積層することができる
が、非通気性樹脂フィルムを表皮側(実施例でのA面)
に積層する場合には、非通気性樹脂フィルムを介して、
接着性樹脂層を付した表皮を積層すれば、加熱圧縮時
に、接着性樹脂がウェブ中に過剰に含浸されるのを防止
することができる。
【0027】表皮と逆面側(実施例でのB面)に積層す
る非通気性樹脂フィルムは、圧密化シートまたはその膨
張品を形成した後積層することもできるが、ウェブの加
熱圧縮時に表皮とともに積層すれば作業工程を簡素化す
ることができる。
【0028】上記非通気性樹脂フィルムの素材は、熱硬
化性樹脂またはウェブの加熱時または圧密化シートの膨
張成形時の加熱温度で溶融しない熱可塑性樹脂のいずれ
でもよく、特に制限されないが、成形性の観点からは熱
可塑性樹脂が好ましい。通常、ウエブ構成材料と同種の
熱可塑性樹脂よりも高融点のものが用いられ、たとえ
ば、ウェブ中の熱可塑性樹脂がポリプロピレンである場
合には、非通気性樹脂フィルム材料として、ポリアミ
ド、ポリエチレンテレフタレートなどが好ましい。非通
気性を確保しうる厚みは素材によっても異なるが、非通
気性樹脂フィルムの厚みは5μm以上が好ましく、8〜
50μm程度がより好ましい。
【0029】またこの非通気性樹脂フィルムは、ウェブ
あるいは表皮との接着性を向上させるための表皮で例示
したような接着性樹脂が、ウェブ中に過剰に含浸されな
い態様において積層されていてもよい。この非通気性樹
脂フィルムと接着性樹脂との積層体は、従来公知のドラ
イラミネート法、共押出法などで製造することができ
る。
【0030】本発明では剛性の改良および膨張成形品の
触感改善を目的として、表皮と逆面側には、さらにスパ
ンボンドなどの有機繊維不織布を積層することもでき
る。この有機繊維不織布を構成する繊維としては、ポリ
エチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリ
スチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミドな
どの樹脂、これら樹脂を主成分とする共重合体またはグ
ラフト変性物からなる繊維、さらには鞘構造にしたも
の、あるいはフェノール樹脂など熱硬化性樹脂繊維、パ
ルプ、綿などの天然繊維、これら繊維のブレンド品など
が挙げられる。この有機繊維不織布は、剛性向上効果か
ら目付量は10g/m2 以上であることが好ましい。一
方、不要に成形品全体を重量化させないためには目付量
上限は50g/m2 が好ましく、より好ましくは10〜
30g/m2 である。
【0031】<表皮貼合圧密化シートの作製>本発明で
は、上記ウェブ、表皮および必要に応じて他の積層材
を、ウェブを構成する熱可塑性樹脂を溶融しうる温度に
加熱し、一体に圧縮し、表皮貼合圧密化シートに成形す
る。加熱方法は何ら限定されないが、たとえば熱風加
熱、赤外線ヒーター、遠赤外線ヒーターなどによる輻射
過熱方法あるいはダブルベルト方式に用いられる熱盤な
どを用いることができる。
【0032】また上記表皮は、表皮を巻いたリールから
繰出し、ウェブ上に積層すればよく、必要に応じて積層
される他の積層材も同様に積層することができる。この
積層とウェブの加熱とは、どちらが先でもよく、同時に
行ってもよい。ウェブの加熱は、ウェブ構成する熱可塑
性樹脂の融点以上で行い、該熱可塑性樹脂を溶融させ
る。この加熱の際、ウェブに表皮が積層されている場合
には、該熱可塑性樹脂の熱分解点温度または表皮の融点
のいずれか低い温度を上限とすることが望ましい。さら
に非通気性樹脂フィルムも積層されている場合には、熱
可塑性樹脂の熱分解点温度、表皮の融点、非通気性樹脂
フィルムの融点のいずれか最も低い温度以下を、上記加
熱の上限温度とすることが望ましい。
【0033】本発明では、上記のようにウェブ構成する
熱可塑性樹脂(以下単に熱可塑性樹脂という)の融点以
上に加熱された積層体を一体に圧縮し、冷却する。これ
により、ウェブ、表皮および必要に応じて他の積層材が
貼合され、かつウェブの圧密化された表皮貼合圧密化シ
ートが得られる。圧縮方法は、ダブルプレスベルト方
式、ロールプレス方式など、公知のシート圧縮方法を採
用することができる。本発明では、ウェブの圧密化を、
前述したシート理論厚み(t0 )の1.5倍以下の厚
み、好ましくはシート理論厚み(t0 )よりは大きい
が、該理論厚みの1.5倍(t0 ×1.5)以下の厚
み、より好ましくは理論厚み×1.05〜1.4の厚み
に圧縮する。圧縮しすぎると強化繊維が破断しやすくな
り、圧縮不足の場合は、膨張成形品の強度や表皮接着力
が低下する。
【0034】ここで、より具体的な例を示せば、上記熱
可塑性樹脂がポリプロピレン、表皮がポリエチレンテレ
フタレート不織布である積層体を、ダブルプレスベルト
方式で圧縮する場合には、通常、ウェブに表皮を積層し
てダブルプレスベルト装置に挿入し、熱盤間で積層体を
加熱する。この際、必要に応じて上記非通気性樹脂フィ
ルム、接着性樹脂フィルム、有機繊維不織布を積層する
ことができる。上記態様での加熱は、通常170℃以上
ないしポリプロピレンの分解温度よりも低い230℃で
あり、好ましくは190〜210℃である。熱盤間の圧
力は、0.01〜1MPa程度が望ましい。1MPaで
あればウェブ中のポリプロピレンが強化繊維中への過剰
な含浸を避けることができ、最終的賦形時に意匠面を復
元することができる。その後、冷却盤間で積層体を冷
却、固化させて表皮貼合圧密化シートが得られる。冷却
盤間の圧力は、強化繊維を破損することなくウェブが緻
密に圧密化された圧密化シートを得るために、0.05
〜5MPa程度であることが望ましい。
【0035】<膨張成形品>上記のような本発明に係る
表皮貼合圧密化シートは、加熱により膨張し、軽量で機
械的強度に優れ、自動車用内装材などとして有用な意匠
性表皮を有する膨張成形品を容易に得ることができる。
該圧密化シートは一体成形された表皮を有するので、膨
張成形品の表皮貼合工程を省略することができ、圧密化
シートを用いた膨張・賦形工程を簡素化することができ
る。
【0036】上記表皮貼合圧密化シートを、熱可塑性樹
脂の融点以上に加熱することができれば、加熱方法、温
度は適宜選択することができ、容易に賦形することがで
きる。具体的には、表皮貼合圧密化シートを、熱可塑性
樹脂の融点以上に加熱して膨張させたシート(膨張品)
を、所望形状を賦形するための成形金型内に置き、金型
スペーサの高さあるいはプレスの型締め高さなどを調整
し、加圧成形することにより所定の厚みを有する膨張成
形品が得られる。加熱方法は、熱盤加熱、遠赤外線加
熱、近赤外線加熱、通風式加熱などを、特に限定するこ
となく採用することができる。
【0037】具体的に、ここでの加熱温度は、通常、上
記したウェブから圧密化シートを成形する際の加熱温度
とほぼ同等であり、たとえば熱可塑性樹脂がポリプロピ
レン、表皮材がポリエチレンテレフタレート不織布の場
合には、加熱温度は、通常170℃〜230℃、好まし
くは190〜210℃である。また金型温度は、上記熱
可塑性樹脂の凝固点以下であればよく、ハンドリング性
あるいは生産性の点から、通常、室温〜60℃である。
また成形圧力は膨張成形品(製品)の形状によっても異
なるが、過剰加圧は強化繊維を破断させるため、通常
0.05〜5MPa程度であることが望ましい。
【0038】上記のような本発明に係る表皮貼合圧密化
シートから得られる膨張成形品は、従来の圧密化シート
膨張品に表皮を貼合して得られるものに比して、同一目
付のウェブであれば、高い剛性を得ることができ目付を
低減することができるため、剛性の同じ製品を軽量化す
ることができる。また表皮と多孔質基材との接着性にも
優れている。このような本発明に係る膨張成形品は、さ
らなる軽量化が求められている高強度自動車内装材など
として好適である。
【0039】
【実施例】次に本発明を実施例により具体的に説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例および比較例では、以下の熱可塑性樹脂および強
化繊維を用いてコンソリッドシートを形成した。 熱可塑性樹脂:ポリプロピレン(ホモポリプロピレン粒
子、融点162℃、MFR65g/10分) 強化繊維:ガラス繊維(繊維長:25mm、繊維直径:
17μm)
【0040】(実施例1) (1) ウェブ作成 ポリプロピレンとガラス繊維とを乾燥質量比で50:5
0となるように泡液中で混合して分散させ、脱泡後、乾
燥して(湿式分散法)、目付500g/m2 のウェブを
得た。 (2) 積層 得られたウェブの片面A(表皮積層)側に、ポリエステ
ル不織布(目付180g/m2 )、ポリプロピレンフィ
ルム(融点160℃、厚み40μm)、6−ナイロンフ
ィルム(融点220℃、厚み10μm)、ポリプロピレ
ンフィルム(融点160℃、厚み20μm)からなる多
層フィルムを、表皮(ポリエステル不織布)が最外層と
なるように積層し、ウェブの他面B側には、ポリエステ
ルスパンボンド(目付30g/m2 )を積層した。積層
構成を表1に示す。 (3) 圧密化 上記積層物を、210℃の熱盤間に配置し、ウェブを加
熱溶融した後、0.3MPaの圧力でシートの理論厚み
の1.2倍まで圧縮した。その後、25℃の冷却盤間に
配置し、0.3MPaでプレス成形し、表皮貼合圧密化
シートを得た。ここで、得られた表皮貼合圧密化シート
から表皮を剥離し、シートのみの厚みを測定した。測定
位置は幅方向の中央で、20cm間隔で10点測定し
た。シート理論厚みに対する比で表2に示す。またシー
ト厚みの最大値と最小値の差▲をカッコ内に示す。差▲
の値と目付量を図5に示した。 (4) 膨張成形 次に、この表皮貼合圧密化シートを210℃に加熱した
後、膨張成形用金型(金型温度:室温)内に配置して
0.2MPaの圧力で金型を型閉し、平板状の膨張成形
品(自動車用天井内装材モデル)を得た。この膨張成形
品のウェブ由来の多孔質基材の平均厚みは2.8mmで
あった。 (5) 得られた膨張成形品の曲げ試験による最大荷重およ
び弾性勾配、常温における表皮の剥離強度、通気度を下
記のように測定した。結果を表2に示す。
【0041】<曲げ試験>膨張成形品から、長さ150
mm、幅50mmの試験片を切り出し、スパン100m
m、クロスヘッドスピード50mm/min で表皮側から
荷重をかける3点曲げ試験を実施し、最大荷重および弾
性勾配を測定した。測定温度は23℃である。これら最
大荷重および弾性勾配の測定値をウェブ目付量に対して
プロットしたグラフを図2および図3にそれぞれ示す。 <表皮の剥離強度(常温)>膨張成形品から、長さ15
0mm、幅25mmの剥離試験(Tピール試験)片を切
り出し、端から50mmの長さで表皮を多孔質基材から
剥離した後、表皮と多孔質基材とをそれぞれチャックに
把持させて、180度の方向に引張速度50mm/min
で引張る引張試験を行った。試験は23℃で行った。 <通気度>ASTM−D737に準拠して通気度を評価
した。通気度が0cc/cm2・secのものを○、0cc/cm2・s
ecより大きい(通気の認められる)ものを×とした。
【0042】(実施例2)実施例1の(1) と同様にして
目付500g/m2 のウェブを得た。 (2) このウェブを通風式加熱炉で200℃まで加熱して
ポリプロピレンを溶融した後、ウェブの片面A側に積層
されるポリエステル不織布の目付(110g/m 2 )が
異なる以外は実施例1の(1) と同構成の積層体とした。 (3) 上記積層体を、ロールプレスにて線圧490N/c
mをかけてシートの理論厚みの1.1倍まで圧縮した
後、クリアランスを調整した一対の冷却ベルト間に挿入
し、冷却、固化させ、表皮貼合圧密化シートを得た。な
おここで、線圧とはロールなどの円筒状曲面を有する一
対の器具の間をウェブが通過する時に発生する細い帯状
の領域に負荷される圧力を意味し、その大きさは圧下荷
重をウェブの幅で除したものであり、その単位はN/c
mとする。また得られた表皮貼合圧密化シートから表皮
を剥離し、シートのみの厚みを測定した。測定位置は幅
方向に10cm間隔で10点測定した。シート理論厚み
に対する比で表2に示す。厚みの最大値と最小値の差▲
を( )内に示す。次いで実施例1の(4) と同様にして
膨張成形品を得た。実施例1と同様に試験した。結果を
表2に示す。
【0043】(実施例3)実施例1の(1) においてウェ
ブの目付を800g/m2 とし、(2) において、ウェブ
の片面A側に積層される表皮材を、ポリエステル織布
(目付100g/m 2 )、ポリウレタン発泡体(厚さ2
mm)、スパンボンド(目付40g/m2 )の積層材と
し、片面B側に積層するフィルムをポリプロピレンフィ
ルム(融点160℃、厚み20μm)と6−ナイロンフ
ィルム(融点220℃、厚み10μm)との積層フィル
ムにした以外は、実施例1と同様にして表1に示す構成
の積層体を形成し、表皮貼合圧密化シート、次いで膨張
成形品を得た。結果を表2に示す。
【0044】(実施例4)実施例1の(1) においてウェ
ブの目付を1000g/m2 とし、(2) において、ウェ
ブの片面A側にポリエステル織布(目付150g/
2 )を、片面B側にスパンボンド(目付20g/
2 )を積層した以外は、実施例1と同様にして表1に
示す構成の積層体を形成し、表皮貼合圧密化シート、次
いで膨張成形品を得た。結果を表2に示す。
【0045】(実施例5)実施例1の(1) においてウェ
ブの目付を1200g/m2 とし、(2) において、ウェ
ブの片面A側に、ポリエステル織布(目付80g/
2 )に低融点繊維混紡不織布(目付80g/m2
(ポリプロピレン繊維:融点165℃、目付40g/m
2 、ポリエステル繊維:融点255℃、目付40g/m
2 )をニードルパンチングでラミネートしたものを積層
し、片面B側にポリプロピレンフィルム(融点160
℃、厚み20μm)と6−ナイロンフィルム(融点22
0℃、厚み20μm)との多層フィルムを積層した以外
は、実施例1と同様にして表1に示す構成の積層体を形
成し、表皮貼合圧密化シート、次いで膨張成形品を得
た。結果を表2に示す。
【0046】(比較例1)実施例1の(2) において、ウ
ェブの片面A側に表皮材(ポリエステル不織布)を含ま
ない以外は実施例1と同様にして表1に示す構成に積層
し、表皮を有さない圧密化シートを得た。実施例1の
(4) において、上記で得られた圧密化シート上に、実施
例1と同じポリエステル不織布(目付180g/m2
にホットメルト層を付与した表皮を載置した積層物を膨
張成形に供した以外は、実施例1と同様にして、膨張成
形品を得た。結果を表2に示す。
【0047】(比較例2)比較例1において、ウェブ、
表皮、他の積層フィルムの各材を実施例3と同様のもの
に代えた以外は、比較例1と同様にして表皮を有さない
圧密化シート、次いで膨張成形品を得た。結果を表2に
示す。
【0048】(比較例3)比較例1において、ウェブ、
表皮、他の積層フィルムの各材を実施例4と同様のもの
に代えた以外は、比較例1と同様にして表皮を有さない
圧密化シート、次いで膨張成形品を得た。結果を表2に
示す。
【0049】(比較例4)比較例1において、ウェブ、
表皮、他の積層フィルムの各材を実施例5と同様のもの
に代えた以外は、比較例1と同様にして表皮を有さない
圧密化シート、次いで膨張成形品を得た。結果を表2に
示す。
【0050】(比較例5)比較例1において、ウェブを
目付1800g/m2 のものに、表皮を目付150g/
2 のポリエステル不織布に代え、また片面A側にポリ
エチレンフィルム(融点120℃、厚み50μm)、6
−ナイロンフィルム(融点220℃、厚み10μm)、
ポリエチレンフィルム(融点125℃、厚み20μm)
の多層フィルムを、他面B側に目付15g/m2 ポリエ
ステルスパンボンドに代えた以外は、比較例1と同様に
して表皮を有さない圧密化シート、次いで膨張成形品を
得た。結果を表2に示す。
【0051】(比較例6)実施例1において、ウェブ、
表皮、他の積層フィルムの各材を比較例5と同様のもの
に代えた以外は、実施例1と同様にして表皮貼合圧密化
シート、次いで膨張成形品を得た。結果を表2に示す。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
軽量化された高剛性の膨張成形品を得るための表皮貼合
圧密化シートが提供される。この表皮貼合圧密化シート
は、膨張成形工程を実施するのみで意匠性表皮を有する
膨張成形品が得られ、従来の圧密化シートを作製した後
表皮を付して場合に比べ、その製造工程が簡素化され、
製造が容易になるだけでなく、ウェブが同一目付であれ
ば高い剛性を得ることができ目付を低減することができ
るため、製品を軽量化することができる。本発明で提供
される意匠性表皮を有する膨張成形品は、軽量で機械的
強度に優れるため、高剛性が要求される自動車内装部
材、たとえば天井材、ドアトリムなどに有利に使用する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の表皮貼合圧密化シートおよび膨張成
形品のプロセスフローを模式図解的に示す図である。
【図2】 実施例および比較例の曲げ試験で測定された
最大荷重を目付量に対して示す図である。
【図3】 実施例および比較例の曲げ試験で測定された
弾性勾配を目付量に対して示す図である。
【図4】 本発明および従来例の曲げ試験結果を低目付
量シートに対し、模式的に示す図である。
【図5】 実施例および比較例の圧密化シートの厚みの
ばらつきを示す図である。
【図6】 本発明および従来の圧密化シートの特性の違
いを説明するための模式図である。
【図7】 従来の圧密化シートおよび表皮付膨張成形品
のプロセスフローを模式図解的に示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高野 茂 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 篠原 昇 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 藤川 嘉博 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 Fターム(参考) 4F100 AG00B AK01B AK01C AK07B AK07C AK41A AK41D AK48C AR00C AT00C AT00D BA03C BA04 BA07 DG06B DG15A DG15D GB33 JA20B JD01C JK01 JL03 JL11 YY00B

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】強化繊維と熱可塑性樹脂とからなる目付1
    500g/m2 以下のウェブと、該熱可塑性樹脂よりも
    高融点の材料からなる表皮とが一体加熱圧縮されてな
    る、膨張成形可能な表皮貼合圧密化シート。
  2. 【請求項2】前記圧密化シートと前記表皮との間に、さ
    らに非通気性樹脂層を有する請求項1に記載の表皮貼合
    圧密化シート。
  3. 【請求項3】強化繊維と熱可塑性樹脂とからなる目付1
    500g/m2 以下のウェブと、該熱可塑性樹脂よりも
    高融点の材料からなる表皮とを一体加熱圧縮し、上記ウ
    ェブを、シート理論厚みの1.5倍以下の厚みに圧縮す
    る、膨張成形可能な表皮貼合圧密化シートの製造方法。
  4. 【請求項4】前記表皮を、非通気性樹脂フィルムを介し
    て前記ウェブに積層する請求項3に記載の表皮貼合圧密
    化シートの製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1または2に記載の表皮貼合圧密化
    シートから得られる膨張成形品。
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