JP2002307546A - 熱可塑性樹脂管曲げ加工用加熱装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱のばらつきがなく、作業が安全であり、
曲げ加工時に座屈することがない熱可塑性樹脂管曲げ加
工用加熱装置を提供すること。 【解決手段】 熱可塑性樹脂管５を直立に保持して軸回
転させる保持部１０と、直立させた該熱可塑性樹脂管に
近接して加熱する加熱部２０とを備えたものである。ま
た、前記保持部は、該熱可塑性樹脂管の軸と一致する回
転軸を有して熱可塑性樹脂管を回転させる軸回転部３０
と、該熱可塑性樹脂管の上方側の両側部を挟持して自由
回転するローラーを有して熱可塑性樹脂管を直立状態に
保持する挟持部４０とを備えたものでもよく、前記加熱
部は、発熱部と、該発熱部と前記熱可塑性樹脂管との間
に該熱可塑性樹脂管の所望の範囲を加熱するための熱遮
蔽機構とを備えたものでもよい。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂管の
曲げ加工を行う際に、前記熱可塑性樹脂管を軟化させる
ために用いる加熱装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】塩化ビニル樹脂などの熱可塑性樹脂製の
直管あるいは曲管などは、様々な管路形成に用いられて
いる。前記曲管は直管の熱可塑性樹脂管を曲げ加工して
得られ、従来の熱可塑性樹脂管の曲げ加工方法として、
人手により前記熱可塑性樹脂管の曲げ加工を施す部分を
バーナー等で加熱し、軟化した熱可塑性樹脂管を曲げ加
工する方法が用いられていた。

【０００３】例えば、一端部を栓で閉鎖した熱可塑性樹
脂管内部に加熱した砂を投入して締め固めて他端部を栓
で閉鎖した後、該熱可塑性樹脂管を直立させた状態で、
人手により所定の間隔を隔ててバーナーを用いて管全周
を指定長さに亘って、可能な限り均一になるように加熱
していた。

【０００４】また、熱可塑性樹脂管をローラー上に横置
きして回転させながら、その上部側からヒーターにより
加熱する装置がある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来のバーナーを用いた加熱方法では、加熱に必ず人手を
要するため、加熱のばらつきや品質へ悪影響を及ぼすと
いう問題点があった。また、直火を使用する作業である
ので、災害の危険もないとはいえない。

【０００６】また、前記従来の横置き型の加熱装置で
は、大径の熱可塑性樹脂管を加熱する場合、熱可塑性樹
脂管内に砂を締め固めて行うが、加熱中に前記ローラー
に当接している加熱されて軟化した熱可塑性樹脂管の側
部が座屈することから、砂が弛んで、曲げ加工時に熱可
塑性樹脂管が座屈するという問題点があった。

【０００７】本発明は前記問題点を解決するためになさ
れたもので、加熱のばらつきがなく、作業が安全であ
り、曲げ加工時、熱可塑性樹脂管が座屈することがない
熱可塑性樹脂管曲げ加工用加熱装置を提供することであ
る。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、熱可塑性樹脂
管を曲げ加工する際に用いる加熱装置であって、前記熱
可塑性樹脂管を直立に保持して軸回転させる保持部と、
直立させた該熱可塑性樹脂管に近接して加熱する加熱部
とを備えたものである。また、前記保持部は、該熱可塑
性樹脂管の軸と一致する回転軸を有して熱可塑性樹脂管
を回転させる軸回転部と、該熱可塑性樹脂管の上方側の
両側部を挟持して自由回転するローラーを有して熱可塑
性樹脂管を直立状態に保持する挟持部とを備えたもので
もよく、前記加熱部は、発熱部と、該発熱部と前記熱可
塑性樹脂管との間に該熱可塑性樹脂管の所望の範囲を加
熱するための熱遮蔽機構とを備えたものでもよい。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、図面等を参照して、本発明
の実施形態について説明する。図１は、本発明による熱
可塑性樹脂管曲げ加工用加熱装置の第１実施形態を示す
側面図である。図２は、図１における熱可塑性樹脂管を
軸回転させる軸回転部近傍を示し、（ａ）は側面図、
（ｂ）は平面図である。図３は、図１の熱可塑性樹脂管
を保持する挟持部近傍を示す平面図である。図４は、図
３のＡ−Ａ線断面図である。図５は、本発明による熱可
塑性樹脂管曲げ加工用加熱装置の第２実施形態の熱遮蔽
機構を有する発熱部を示し、（ａ）は平面図、（ｂ）は
正面図である。

【００１０】図１に示すように、本発明の実施形態の熱
可塑性樹脂管曲げ加工用加熱装置１は、熱可塑性樹脂管
５を直立に保持して軸回転させる保持部１０と、直立さ
せた熱可塑性樹脂管５に近接して加熱する発熱体を有す
る加熱部２０とを備えている。保持部１０は、例えば、
下端部が栓６で閉鎖された熱可塑性樹脂管５の軸と一致
する回転軸を有して熱可塑性樹脂管５を載置固定して軸
回転させる軸回転部３０と、熱可塑性樹脂管５の上方側
の両側部を挟持して自由回転するローラーを有して熱可
塑性樹脂管５を直立状態に保持する挟持部４０とを備え
ている。

【００１１】加熱部２０は、図中で上下及び左右に移動
可能な発熱体２１ａと熱反射体２１ｂとを有する発熱部
２１と、発熱部２１を取り付けた架台２２とを有する。
尚、発熱体２１ａは、例えば、シーズヒーター、石英ヒ
ーター、セラミックヒーターなどの遠赤外線を放射する
ものが好ましい。発熱部２１は、ノブ２３を回転するこ
とにより、ノブ２３が取り付けられた長ナット２４に螺
合する長ねじ２５が回転して、図中で左右に移動するの
で、熱可塑性樹脂管５に対して発熱部２１の対面位置が
調節可能である。また、ハンドル２６を回転すると、ハ
ンドル２６が接合された長ねじ２７が回転し、それに螺
合する発熱部２１のナット部材２８が上下するので、熱
可塑性樹脂管５に対して発熱部２１の上下位置を調節可
能である。尚、長ナット２４と長ねじ２５は、長ナット
状のものと長ねじ状のものであり、長ナット状のものが
回転して長ねじ状のものが移動するものである

【００１２】尚、発熱部２１の長さは、適宜選択すれば
よいが、熱可塑性樹脂管５の加熱箇所の長さに応じた長
さが好ましい。

【００１３】図２に示すように、軸回転部３０は、台座
３１の中央付近に自由に回転する盤である円盤３２が備
えられ、円盤３２の上面中央に回転軸３３が設けられて
おり、モーター３４の軸に取り付けられたゴム製ローラ
ー３５が円盤３２を回転させる。尚、モーター３４の軸
に取り付けられたギヤに歯合するギヤが円盤３２に取り
付けられて、円盤３２が回転する形態でもよい。回転軸
３３には、熱可塑性樹脂管５の下端部に嵌入された栓６
の下端部中央に設けられた孔が嵌合して、熱可塑性樹脂
管５が軸回転する。尚、円盤３２の上面には、栓６を固
定するロック部材３６が備えられている。

【００１４】ロック部材３６は、栓６の側面に設けられ
た孔に嵌合するピン３６ａと円盤３２に固定するための
固定部材３６ｂ、例えば、ボルトとナット状のものを用
いて円盤３２を挟持固定するものである。また、ロック
部材３６を適当な箇所にスライドするための長穴３２ａ
が円盤３２に設けられている。ロック部材３６は、円盤
３２上に１個あるいは複数個備えられる。尚、ロック部
材３６は、前記形態に限らず、熱可塑性樹脂管５を固定
できるものであればよい。

【００１５】尚、円盤３２の回転速度は、熱可塑性樹脂
管５の加熱箇所が均一に加熱される回転速度となるよう
に適宜選択すればよい。

【００１６】図３と図４に示すように、挟持部４０は、
それぞれ２個のローラー４１を有する腕部４２ａ、４２
ｂと、腕部４２ａを位置決めするための位置決め部材４
３と、腕部４２ｂを熱可塑性樹脂管５に押圧する圧空作
動シリンダー４４と、腕部４２ａ、４２ｂを上下動させ
る部材を備えている。腕部４２ａは、ハンドル４３ａ付
きの長ねじ４３ｂの回転で移動及びガイドレール４３ｃ
とをスライドすることにより、図３中では上下に移動さ
せられ、熱可塑性樹脂管５の位置決めを行う。また、腕
部４２ｂは、ガイドレール４５をスライドして、圧空作
動シリンダー４４により熱可塑性樹脂管５を押圧する。
４個のローラー４１は、それぞれ軸回転部３０により回
転させられる熱可塑性樹脂管５の上方側の両側部に当接
して回転する。尚、長ねじ４３ｂは長ねじ状のものであ
り、その回転により螺合しているナット状のものが移動
する形態のものである。

【００１７】腕部４２ａ、４２ｂは、架台１１に取り付
けられた前記上下動させる部材であるハンドル４６付き
の長ねじ４７の回転により上下移動可能であり、熱可塑
性樹脂管５の長さに応じて腕部４２ａ、４２ｂの高さが
調節される。尚、長ねじ４７は長ねじ状のものであり、
その回転により螺合しているナット状のものが移動する
形態のものである。

【００１８】次に、本発明による熱可塑性樹脂管曲げ加
工用加熱装置の第２実施形態の熱遮蔽機構を有する加熱
部について説明する。前記加熱部は、発熱体５１と熱反
射板５２を備えた発熱部５０と、該発熱部５０と加熱す
る熱可塑性樹脂管との間に該熱可塑性樹脂管の所望の範
囲を加熱するための熱遮蔽機構である熱遮蔽板５３とを
備える。熱遮蔽板５３を備えた発熱部５０は、図１に示
す発熱部２１に置き換わるものである。尚、発熱体５１
は、例えば、シーズヒーター、石英ヒーター、セラミッ
クヒーターなどの遠赤外線を放射するものが好ましい。
発熱部５０の長さは、熱可塑性樹脂管の加熱箇所よりも
長く、熱遮蔽板５２により加熱箇所を限定する形態のも
のである。熱遮蔽板５３は、例えば、熱反射板５２の前
面側に取り付けられ、ボルト５４が熱遮蔽板５４に設け
られた長穴５５を通って熱遮蔽板５２に設けられた雌ね
じに螺合して、図５（ｂ）中で、上下任意箇所に移動及
び固定可能であり、熱可塑性樹脂管の所望の場所を加熱
するために用いられる。

【００１９】尚、熱遮蔽板５３は、前記形状及び取り付
け形態に限らず、１枚構成あるいは３枚以上の構成のも
の、平面状のもの、発熱体５１と加熱する熱可塑性樹脂
管との間に加熱箇所調節可能に別途設けられる形態のも
のでもよい。また、発熱体５１は、複数本でもよく、ま
た熱反射板５２の全面あるいは一部に取り付けられる平
面状の形態のものでもよい。

【００２０】以上で示した本発明の実施形態の熱可塑性
樹脂管曲げ加工用加熱装置を用いると、熱可塑性樹脂管
を回転させながら所望箇所を管全周に亘ってほぼ均一に
加熱することができ、直立して加熱するので熱可塑性樹
脂管内の砂に弛みが生じないため、曲げ加工時に熱可塑
性樹脂管が座屈することがなく、また直火を使用しない
ので作業が安全である。

【００２１】

【発明の効果】本発明によれば、熱可塑性樹脂管の所望
箇所を均一に加熱することができ、曲げ加工時に熱可塑
性樹脂管が座屈することがなく、人手が不要で且つ作業
が安全な熱可塑性樹脂管曲げ加工用加熱装置が得られ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による熱可塑性樹脂管曲げ加工用加熱装
置の第１実施形態を示す側面図である。

【図２】図１における熱可塑性樹脂管を軸回転させる軸
回転部近傍を示し、（ａ）は側面図、（ｂ）は平面図で
ある。

【図３】図１の熱可塑性樹脂管を保持する挟持部近傍を
示す平面図である。

【図４】図３のＡ−Ａ線断面図である。

【図５】本発明による熱可塑性樹脂管曲げ加工用加熱装
置の第２実施形態の熱遮蔽機構を有する発熱部を示し、
（ａ）は平面図、（ｂ）は正面図である。

【符号の説明】

１ 熱可塑性樹脂管曲げ加工用加熱装置 ５ 熱可塑性樹脂管 ６ 栓 １０ 保持部 １１、２２ 架台 ２０ 加熱部 ２１、５０ 発熱部 ２１ａ、５１ 発熱体 ２１ｂ、５２ 熱反射板 ２３ ノブ ２４ 長ナット ２５、２７、４３ｂ、４７ 長ねじ ２６、４３ａ、４６ ハンドル ２８ ナット部材 ３０ 軸回転部 ３１ 台座 ３２ 円盤 ３２ａ、５５ 長穴 ３３ 回転軸 ３４ モーター ３５ ゴム製ローラー ３６ ロック部材 ３６ａ ピン ３６ｂ 固定部材 ４０ 挟持部 ４１ ローラー ４２ａ、４２ｂ 腕部 ４３ 位置決め部 ４３ｃ、４５ ガイドレール ４４ 圧空作動シリンダー ５３ 熱遮蔽板 ５４ ボルト

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 熱可塑性樹脂管を曲げ加工する際に用い
   る加熱装置であって、 前記熱可塑性樹脂管を直立に保持して軸回転させる保持
   部と、直立させた該熱可塑性樹脂管に近接して加熱する
   加熱部とを備えたことを特徴とする熱可塑性樹脂管曲げ
   加工用加熱装置。
2. 【請求項２】 前記保持部は、該熱可塑性樹脂管の軸と
   一致する回転軸を有して熱可塑性樹脂管を回転させる軸
   回転部と、該熱可塑性樹脂管の上方側の両側部を挟持し
   て自由回転するローラーを有して熱可塑性樹脂管を直立
   状態に保持する挟持部とを備えたことを特徴とする請求
   項１記載の熱可塑性樹脂管曲げ加工用加熱装置。
3. 【請求項３】 前記加熱部は、発熱部と、該発熱部と前
   記熱可塑性樹脂管との間に該熱可塑性樹脂管の所望の範
   囲を加熱するための熱遮蔽機構とを備えたことを特徴と
   する請求項１又は請求項２記載の熱可塑性樹脂管曲げ加
   工用加熱装置。