JP2002306702A5 - - Google Patents
Download PDFInfo
- Publication number
- JP2002306702A5 JP2002306702A5 JP2001116776A JP2001116776A JP2002306702A5 JP 2002306702 A5 JP2002306702 A5 JP 2002306702A5 JP 2001116776 A JP2001116776 A JP 2001116776A JP 2001116776 A JP2001116776 A JP 2001116776A JP 2002306702 A5 JP2002306702 A5 JP 2002306702A5
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- game
- power
- rotating body
- normal
- state
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Description
【発明の名称】遊技機
【特許請求の範囲】
【請求項1】遊技媒体が打ち込まれる遊技領域と、識別情報を変動表示可能な表示装置と、遊技者に有利な特別遊技状態を生起せしめる特定領域に入賞した遊技媒体を検出する特定検出手段と、前記特別遊技状態を生起せしめない通常領域に入賞した遊技媒体を検出する通常検出手段とを有する遊技機において、
電源の供給を受けて動作し、電源遮断時に必要な情報を記憶保持して電源復帰時に電源遮断時の状態から動作を再開する機能を有し、
前記遊技領域内に配設されて遊技媒体を受け入れる受入部と、両方向に回転可能な回転体とを含み、前記回転体が一方向又は他方向に回転することによって前記受入部に受け入れた遊技媒体を前記特定領域又は前記通常領域の何れかに導入する振分手段と、
前記表示装置の変動表示結果に応じて、前記回転体が何れかの方向に回転するように前記振分手段を制御する振分制御手段とを備え、
前記振分制御手段は、
前記受入部に受け入れた遊技媒体が前記特定領域に導入される方向で前記回転体を回転させて、前記特定検出手段によって遊技媒体が検出されない場合には、当該回転方向での前記回転体の回転動作を所定条件成立まで継続させるように前記振分手段を制御することを特徴とする遊技機。
【請求項2】電源復帰時に動作を再開したときに、前記振分制御手段による前記回転体の回転動作の継続が実行されており、当該回転動作の回転方向が遊技媒体を前記特定領域に導入させる方向である場合には、前記特定検出手段による遊技媒体の検出があったとみなして、前記特別遊技状態を生起せしめる遊技状態制御手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】前記受入部は、遊技媒体が滞留可能となっていることを特徴とする請求項1又は2記載の遊技機。
【請求項4】前記所定条件は、前記受入部に設けられた受入部検出手段によって遊技媒体が検出されたことであることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の遊技機。
【請求項5】前記所定条件は、前記特定検出手段又は前記通常検出手段によって遊技媒体が検出されたことであることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の遊技機。
【請求項6】前記振分制御手段は、前記表示装置の変動表示結果に応じて、前記回転体が何れかの方向に回転するように前記振分手段を制御し、前記特定検出手段又は前記通常検出手段によって遊技媒体が検出されると、前記回転体を所定位置にて停止させることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技媒体の振分動作を行う遊技機(例えば、第3種パチンコ機)に関する。
【0002】
【従来の技術】
遊技媒体(例えば、パチンコ球)を盤面上の遊技領域に打ち込んで遊技する遊技機のうち、例えば第3種パチンコ機では、以下のような振分動作によって遊技者に有利な特別遊技状態(例えば、第3種パチンコ機の権利発生状態)の発生過程を演出する。即ち、数字や文字などの識別情報を変動表示させる表示装置と、遊技領域中の受入部(例えば、普図始動ゲート)に入った遊技媒体を特定領域又は通常領域の何れかに振り分けて導入する振分装置(回転体よりなるもの)とが設けられ、表示装置の変動表示結果に応じて何れかの方向に振分装置を動作させる。そして、振分装置によって遊技媒体が特定領域に導入されたことが検出手段によって検出されると、特別遊技状態を生起せしめるようになっている。また通常、遊技媒体が特定領域又は通常領域に導入されたことが検出手段によって検出されると、対応する賞の払い出し(例えば、所定数のパチンコ球の払い出し)が行われる。
【0003】
一方、パチンコ機などの遊技機では、停電等による電源遮断時に、そのときの状態情報(遊技状態などの情報)をバックアップ(記憶保持)し、電源復帰後に、バックアップした情報に基づいて遊技を電源遮断時の状態から再開する機能(以下、バックアップ機能という)を有するものが、近年登場している。このような遊技機であると、遊技者に有利な遊技状態において停電等が発生したとしても、停電復帰後にその遊技状態の途中から遊技を再開させて、遊技者が停電等によって損失を被ることを回避できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述したような振分動作を行う遊技機にあっては、遊技者が常に注視している振分装置が遊技媒体を特定領域に導入する動作を開始したのに、断線や電源遮断等の異常によって特定領域又は通常領域(特に特定領域)に遊技媒体が導入されたことが検知されない場合には、遊技者が看過することのない損失を生じるという問題がある。
というのは、例えば検出手段の信号線等の断線や、検出手段自身の故障によって、特定領域又は通常領域に遊技媒体が導入されたことが遊技機の制御手段によって検知できない場合には、特定領域又は通常領域に遊技媒体が導入されたことにより払い出される遊技媒体(例えば、賞として払い出されるパチンコ球、いわゆる賞球)が実際には払い出されず、遊技者はすぐに損失を意識するからである。またこの場合、特に特定領域への遊技媒体の導入が検知されないと、発生すべき特別遊技状態が発生しなくなるため、遊技者は看過できない大きな損失(例えば第3種パチンコ機では、権利発生による大当たり発生の機会を喪失すること)を確実に意識する。
【0005】
また、例えば電源遮断直前に振分装置によって特定領域又は通常領域に向かって振り分けられた遊技媒体が、電源遮断直後に特定領域又は通常領域における検出部を通過したときには、実際には遊技媒体が特定領域又は通常領域に導入されたのに、この遊技媒体は電源復帰後も制御上全く検知されないため、やはり、特定領域又は通常領域を遊技媒体が通過したことによる利益(例えば、賞球の払い出しや第3種の権利発生)が得られなくなってしまうからである。
なおこの問題は、前述したバックアップ機能を有する遊技機であってもかわりなく、むしろより問題視される可能性がある。なぜなら、バックアップ機能を有する遊技機は、停電等による電源遮断があっても電源遮断の前後で遊技の継続性を維持しようとするものであり、このような遊技機を導入した遊技店側もそのような性能を当然期待するところである。ところが、前述したバックアップ機能を有する遊技機であっても、従来では、突然の停電等に対して例えば遊技領域に発射された遊技媒体の入賞を検出するまでの継続性は維持できない。具体的には、電源復帰時に遊技が電源遮断時の状態から再開されても、電源遮断中に特定領域又は通常領域の検出部を通過した遊技媒体は制御上検知されず、やはり特別遊技状態や賞の払い出しは発生しない(遊技者の損失となる)。つまり、電源遮断前の状態(特定領域又は通常領域への遊技媒体の導入開始)に対して、その結果当然起こりうる次の状態(特別遊技状態や賞の払い出し)が電源遮断後に発生しなくなり、この点で遊技の継続性が失われてしまうからである。
そこで本発明は、前述したような振分動作を行う遊技機であって、振分動作によって所定の領域(少なくとも特定領域)に振り分けられた遊技媒体が断線や電源遮断等の異常により検知されない不具合が発生しても、それによる遊技者の損失(少なくとも発生すべき特別遊技状態が異常によって発生しない不利益)を補償可能な遊技機を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的達成のため、請求項1記載の発明による遊技機は、遊技媒体が打ち込まれる遊技領域と、識別情報を変動表示可能な表示装置と、遊技者に有利な特別遊技状態を生起せしめる特定領域に入賞した遊技媒体を検出する特定検出手段と、前記特別遊技状態を生起せしめない通常領域に入賞した遊技媒体を検出する通常検出手段とを有する遊技機において、
電源の供給を受けて動作し、電源遮断時に必要な情報を記憶保持して電源復帰時に電源遮断時の状態から動作を再開する機能を有し、
前記遊技領域内に配設されて遊技媒体を受け入れる受入部と、両方向に回転可能な回転体とを含み、前記回転体が一方向又は他方向に回転することによって前記受入部に受け入れた遊技媒体を前記特定領域又は前記通常領域の何れかに導入する振分手段と、
前記表示装置の変動表示結果に応じて、前記回転体が何れかの方向に回転するように前記振分手段を制御する振分制御手段とを備え、
前記振分制御手段は、
前記受入部に受け入れた遊技媒体が前記特定領域に導入される方向で前記回転体を回転させて、前記特定検出手段によって遊技媒体が検出されない場合には、当該回転方向での前記回転体の回転動作を所定条件成立まで継続させるように前記振分手段を制御することを特徴とする。
【0007】
なお、ここでの「所定条件」は、例えば請求項4記載のように、前記受入部に設けられた受入部検出手段によって遊技媒体が検出されたこと、或いは、例えば請求項5記載のように、前記特定検出手段又は前記通常検出手段によって遊技媒体が検出されたことである。
【0008】
また好ましい態様として、例えば請求項2記載のように、電源復帰時に動作を再開したときに、前記振分制御手段による前記回転体の回転動作の継続が実行されており、当該回転動作の回転方向が遊技媒体を前記特定領域に導入させる方向である場合には、前記特定検出手段による遊技媒体の検出があったとみなして、前記特別遊技状態を生起せしめる遊技状態制御手段を備えた構成であってもよい。
また、例えば請求項3記載のように、前記受入部は、遊技媒体が滞留可能となっていてもよい。
【0009】
また、例えば請求項6記載のように、前記振分制御手段は、前記表示装置の変動表示結果に応じて、前記回転体が何れかの方向に回転するように前記振分手段を制御し、前記特定検出手段又は前記通常検出手段によって遊技媒体が検出されると、前記回転体を所定位置にて停止させる構成でもよい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をパチンコ機に適用した形態例について説明する。
A.遊技盤の構成
まず、遊技盤の構成や遊技の概要を説明する。なお、遊技盤の構成は、変動表示を行う表示装置、及びこの表示装置の変動表示結果に応じて遊技媒体(例えば、パチンコ球)を振り分ける振分装置を備えたものであれば、任意の構成を取り得る。代表的にはいわゆる第3種に属するパチンコ機に適用されることは勿論、その他の種類の遊技機であっても同様の構成を有するものには、適用が可能である。本形態例では、「第3種」に属するタイプのものを用いている。
図1は、本形態例の遊技盤1を示す正面図である。図1において、符号2で示すものは、発射されたパチンコ球を遊技盤1の上方部まで案内したり、後述のアウト口23まで案内するなどの機能を有するレールであり、このレール2の内側に遊技領域1aが形成されている。
遊技領域1aの中央部上側には、役物装置3が配置されており、役物装置3は複数の識別情報(例えば、図柄や文字や数字等)を変動表示可能な表示装置4(普図表示装置)を備えている。この場合の表示装置4は、例えば「1」〜「9」、「A」〜「F」などの数字や記号を例えば2桁(或いはそれ以上又は1桁でもよい)で表示可能になっており、7セグメント式表示器或いは液晶表示器等によって構成されている。
【0011】
遊技領域1aにおける役物装置3の下方には権利発生装置5が配置されている。権利発生装置5は、その上部に普図始動ゲート6(受入部)が配置されており、この普図始動ゲート6には始動センサ7(受入部検出手段)が設けられ、パチンコ球を検出可能になっている。なお、後述する回転体8が通常停止位置以外にあるときには、この普図始動ゲート6に入ったパチンコ球は、普図始動ゲート6内に滞留し、回転体8が通常停止位置にあると、重力により後述する切欠部9に落ち込む構成となっている。また、パチンコ球が普図始動ゲート6に入って始動センサ7により検出されると、表示装置4が、図柄の変動表示を開始し、最終的に1桁ずつ停止させる。
そして、権利発生装置5の内部下方には振分装置を構成する回転体8が設けられており、回転体8にはパチンコ球を受け入れ可能な切欠部9が外周に形成されている。この回転体8は、裏側に配設されたモータ135(図3に示す)で駆動され、普段は所定の通常停止位置(この場合、切欠部9が真上にくる位置)に停止状態に保持されるが、表示装置4の変動表示の停止結果が、特定の図柄(例えば、「33」、「77」というように特定数値の2桁のゾロ目状態)になると(普図当りが発生すると)、反時計回りに回転駆動され、それ以外の図柄で上記変動表示が停止すると(普図が外れると)、時計回りに回転するよう制御される。なおこの場合、この回転体8が上記通常停止位置にあることを検知する停止位置センサ130(図3に示す)が設けられており、外部からの振動等によって回転体8が上記通常停止位置からずれると、上記停止位置センサ130で検出されるまで回転体8が駆動されて、上記通常停止位置に戻す制御が実行されるようになっている。これにより回転体8は、通常時(変動表示ゲームの結果に応じて回転する場合以外の時)において、常に上記通常停止位置(本発明の所定位置に相当する)に確実に保持される。また、回転体8の周囲には、切欠部9に入ったパチンコ球の外部への逸脱を防ぐ周壁8aが設けられている。
なお、普図始動ゲート6(受入部)と回転体8は、本発明の振分手段を構成する。
【0012】
また、権利発生装置5内における回転体7の下方左側には、特別入賞口センサ10(特定検出手段)によってパチンコ球を検出して遊技者に有利な遊技状態(即ち、いわゆる第3種の権利)を生起せしめる特別入賞口11(特定領域)が形成され、またその下方右側には、上記遊技状態を生起せしめない通常入賞口12(通常領域)が形成されている。そして回転体8が、例えば図2の符号Z1に示すような状態(通常停止位置においてパチンコ球Kを切欠部9に受け入れた状態)から、反時計回りに回転すると、図2の符号Z2に示すように切欠部9内のパチンコ球Kが特別入賞口11に入り、一方時計回りに回転すると、図2の符号Z3に示すように切欠部9内のパチンコ球Kが通常入賞口12に入る構成となっている。なお、普図始動ゲート6に入ったパチンコ球Kを、回転体8がこのように何れか一方の領域(特別入賞口11又は通常入賞口12)に振り分けて導入する動作を、振分動作という。また、特別入賞口11に入ったパチンコ球は、上記特別入賞口センサ10によって検出された後、図示省略した流路を経由して、例えば遊技島下部の貯留タンクに収められる。一方、通常入賞口12に入ったパチンコ球は、権利発生装置5の下部に設けられた通常入賞口センサ13(通常検出手段)によって検出された後、同様に遊技島下部の貯留タンク等に収められる。
【0013】
なお、特別入賞口11にパチンコ球が入ると(即ち、特別入賞口センサ10によってパチンコ球が検出されると)、賞球の払い出しが実行されるとともに、権利発生前であれば、遊技者に有利な特別遊技状態(後述の変動入賞装置14を所定回数開放する権利:いわゆる第3種の権利)が発生し、権利発生中であれば、当該権利が消滅するようになっている。ここでいう権利とは、第3種のいわゆる特別遊技を発生させる権利であり、後述の第3種始動口17へのパチンコ球の入賞を条件とし、10秒あるいはパチンコ球が10個入賞するまでを1サイクルとして変動入賞装置14を所定の継続回数(例えば、最高で16サイクル)だけ開放する権利である。一方、普図始動ゲート6にパチンコ球が入っても、そのパチンコ球が通常入賞口12に入ると(即ち、通常入賞口センサ13によってパチンコ球が検出されると)、賞球の払い出しがなされるだけで、特別遊技状態の発生あるいは消滅は起こらない。
【0014】
また図1に示すように、権利発生装置5の右側方には、特別遊技状態が発生した場合に、予め定められた所定回数だけ、パチンコ球を受け入れない第1の状態(遊技者にとって不利な状態)から受け入れ易い第2の状態(遊技者にとって有利な状態)に変動可能な変動入賞装置(大入賞口のことで、いわゆるアタッカー)14が配置されている。図1は、変動入賞装置14がパチンコ球を受け入れにくい第1の状態(閉塞状態)にあることを示している。また、図1における符号15は、変動入賞装置14内に入賞したパチンコ球を検出する大入賞口センサ(カウントスイッチ)15を示している。
変動入賞装置14の上方には第3種始動入賞装置16が配置されており、この第3種始動入賞装置16には第3種始動口17が形成されるとともに、この第3種始動口17への入賞を検出する第3種始動口センサ18が配置されている。前述したように、特別遊技状態中にこの第3種始動口17にパチンコ球が入賞し、第3種始動口センサ18によって検出されると、変動入賞装置14が所定期間遊技者にとって有利な第2状態へと変動する。
【0015】
ここで、第3種始動口17にパチンコ球が入賞すると、変動入賞装置14が所定期間オープンするが、第3種の権利が発生中に第3種始動口センサ18によって16個目のパチンコ球の入賞が検出された場合には当該権利が消滅(終了)する。すなわち、変動入賞装置14の開放中に第3種始動口センサ18がパチンコ球を検出してしまうと、変動入賞装置14を開放できる回数が減ってしまう。そのため、第3種始動口センサ18がパチンコ球の入賞を検出する間隔を、変動入賞装置14が開放している1サイクル時間より長なるような工夫が施されている(詳細説明省略する)。これにより、遊技者は権利が発生した場合に、所定の最高継続回数(例えば、16サイクル)の途中で権利が消滅するという不具合を避けつつ、ゲームを進行できるようになっている。また、変動入賞装置14が開放中に第3種始動口センサ18によって入賞が検出されても、変動入賞装置14は再度開かないようになっている。
【0016】
また、遊技領域の所定位置(この場合、役物装置3の左下と、権利発生装置5の左側)には、一般入賞口19,20が形成され、それぞれ一般入賞口センサ21,22により入賞球を検出する構成となっており、これらセンサにより入賞球が検出されると所定数の賞球排出が行われる。
また、遊技領域の最下部にはアウト口23が設けられ、遊技領域に打ち込まれて何れの入賞口にも入らなかったパチンコ球がここから排出される。
また、図1における符号24,25はサイドランプを示しており、これらサイドランプはゲーム内容に応じて点灯あるいは点滅して遊技の臨場感を高めるものである。また図示省略しているが、遊技領域内には、風車と呼ばれる打球方向変換部材や、多数の障害釘が設けられている。
【0017】
B.遊技機の電源供給系統
次に、遊技機の電源供給系統について、図3を参照して説明する。図3はパチンコ機の電源供給系統及び制御系統を示す図である。
パチンコ機1には、外部からAC24Vが供給されるようになっており、外部電源であるAC24Vは電源基板102に分配される。
電源基板102は、電源ユニットを構成する基板であり、AC24Vを直流に変換して各種のDC電圧を生成して各制御装置に供給する電源回路102aと、この場合遊技制御装置を構成する主基板105と排出制御装置を構成する払出制御基板104のRAMにバックアップ電源(DC5VBB)を供給するバックアップ回路102bと、電源遮断時(停電時含む)に停電検出信号とリセット信号を出力する停電検出回路102cと、過電流防止用のヒューズ102dと、電源投入操作用の電源スイッチ102eとを備える。
【0018】
ここで、電源回路102aは、具体的には、ソレノイド駆動用などのDC32V、カードユニット用のDC24V、ランプ類駆動用、センサ駆動用およびバックライト駆動用などのDC12Vを駆動用電源として生成するとともに、各制御装置を動作させるための制御装置用電源としてDC5Vを生成する。そして、DC32VおよびDC5Vを発射制御基板103(発射制御装置)に、DC32V、DC12V、DC5Vを払出制御基板104(排出制御装置)に、DC32V、DC12V、DC5Vを主基板105(遊技制御装置)に、DC12V、DC5Vを音声制御基板106(音制御装置)に、DC12VおよびDC5Vをランプ制御基板107(装飾制御装置)に、DC12VおよびDC5Vを表示制御基板108(表示制御装置)に、DC24Vをカードユニット接続基板201を介してカードユニット202や操作パネル基板203に供給する。なお、各制御基板やカードユニット202等の構成や機能については、後述する。
また、バックアップ回路102bは、バックアップすべき電源端子(この場合、主基板105のマイコンチップ105a内のRAMと、払出制御基板104のマイコンチップ104a内のRAMの電源端子)に接続されたバックアップ電源としてのコンデンサ(図示省略)と、このコンデンサに電源回路102aで生成されたDC5Vを不可逆的に供給するダイオード(図示省略)とよりなり、電源遮断時に所定のバックアップ保証期間以上DC5V相当の電源供給を行うもので、この場合このバックアップ電源(DC5VBB)は、遊技制御装置を構成する主基板105のRAMと、排出制御装置を構成する払出制御基板104のRAMに供給されている。
【0019】
なお、従前の一般的なパチンコ機は、全ての入賞球を一カ所に集めて1個ずつ検出し、入賞球を賞球払出が完了するまで保持しておくセーフユニットを備えていて、停電等があってもこのセーフユニットに保持されている入賞球を確認することで、未排出の賞球数がある程度判定できた。しかし、本形態例の場合には、このようなセーフユニットを備えずに、各入賞口毎に入賞検出を行う構成であるため、未排出の賞球の情報をソフト的に保持しておく必要があり、そのためにこのようなバックアップ電源が供給される構成となっている。また、停電等により中断した遊技を、電源再投入後に継続的に再開するためには、前述したように、電源遮断時の遊技状態等を再現するための必要な情報を記憶保持する必要があり、そのためにもこのようなバックアップ電源が少なくとも遊技制御装置のRAMに(この場合排出制御装置のRAMにも)供給される構成となっている。
【0020】
また、電源基板102内の停電検出回路102cは、電源回路102aにおけるDC5V生成回路(図示省略)への電源供給が断たれること(即ち、停電等の電源遮断)を事前に検出(例えば、DC32Vが停電検出電圧である22Vまで低下したとき停電開始として検出)して、遊技制御装置(主基板105)と排出制御装置(払出制御基板104)の各CPUに対し、停電検出信号を出力する回路である。
この停電検出回路102c内には、リセット出力部が設けられ、このリセット出力部からは、各制御装置(主基板105,払出制御基板104,発射制御基板103,音声制御基板106,ランプ制御基板107,表示制御基板108)のCPU等(発射制御基板103の場合には、ロジック回路)をリセットすべき時期(例えば、DC32Vが停電検出電圧まで低下した時点から所定時間経過後)に、これら各制御装置のCPU等に対してリセット信号が出力されるようになっている。
【0021】
なお、リセット信号とは、一般にCPU等を初期状態に戻すための信号であるが、CPU等では、このリセット信号が入力されると、このリセット信号が入力中は実質的に動作を停止する。そして、このリセット信号が解除されると各CPU等は再起動する。
また、停電検出信号を受信した主基板105や払出制御基板104(遊技制御装置や排出制御装置)のCPUは、この場合、強制割込(NMI割込)によって停電処理(停電フラグをセットするなど)を実行する(詳細後述する)。
【0022】
C.遊技機の制御系統
次に、遊技機の制御系統(各制御基板等の構成や機能)について、図3を参照して説明する。
図3において、主基板105は、遊技の総括的制御(遊技進行の制御やそのための各被制御機器の直接的又は間接的な制御含む)を行う遊技制御装置を構成するもので、パチンコ遊技等に必要な役物制御を行うワンチップマイコンからなる遊技用演算処理装置105a(遊技用マイコン:いわゆるアミューズチップ用のICとして製造)を含んで構成され、この遊技用演算処理装置105aは、CPU、ROM、RAM、及び各種信号の入出力を行う入出力インターフェース(図示省略)を備えている。
またこの場合、主基板105には、試射試験信号端子105b(この場合正確には、端子群)が設けられ、ここから試験時に必要な各種信号が容易に取り出せるようになっている。なお主基板105は、本発明の振分制御手段及び遊技状態制御手段を構成している。
【0023】
遊技用演算処理装置105aの入出力インターフェースには、前述の始動センサ7、特別入賞口センサ10、通常入賞口センサ13、大入賞口センサ15、第3種始動口センサ18、一般入賞口センサ21,22、及び停止位置センサ130からの検出信号が入力される。
また、遊技用演算処理装置105aの入出力インターフェースには、賞球排出および貸球排出のためのパチンコ球が有るかどうかを検出する半端球検出スイッチ141、遊技機前面下部に設けられた下皿(図示省略)の満杯状態(パチンコ球の過剰貯留)を検出するオーバーフロースイッチ142、遊技機前面のガラスを支持するガラス枠(金枠)が開けられたことを検出するガラス枠開放スイッチ143からの検出信号も入力されている。また、後述する排出ユニットの賞球検出センサ161、162からの検出信号も入力されている。
【0024】
一方、遊技用演算処理装置105aの入出力インターフェースからは、既述した普図の変動表示ゲームを実行するための表示装置4を制御する表示制御基板108、遊技盤上のサイドランプ24,25などの制御を行うランプ制御基板107、スピーカ106bを駆動して効果音などの出力制御を行う音制御装置106、前述した回転体8のモータ135、変動入賞装置14の開閉扉を駆動する大入賞口ソレノイド137、盤用外部接続端子盤138、及び試射試験信号端子105bに信号が出力される。
また、この入出力インターフェースからは、払出制御基板104(排出制御装置)に対して、賞球データ等の信号が賞球パラレル通信によって出力される。
なお、この遊技制御装置(主基板105)の遊技用演算処理装置105aは、電源遮断時に中断した信号(少なくともモータ135の制御信号含む)の出力処理を、電源復帰時に電源遮断時の状態からそのまま再開する機能(即ち、バックアップ機能)を有している。
【0025】
次に、発射制御基板103は、発射制御装置を構成するもので、この場合ロジック回路よりなり、発射操作ハンドル(図示省略)の回動量に応じて発射装置(図示省略)の発射モータ103aを駆動制御し、発射操作ハンドルの回動量に対応した強さでパチンコ球を発射させる制御を行う。なお、発射制御装置103には、発射操作ハンドルに設けられたタッチセンサ103bや発射停止スイッチ103cの信号が入力されており、発射操作ハンドルから遊技者の手が離れたことがタッチセンサ103bにより検出されるか、或いは、発射停止スイッチ103cから操作信号が入力されると、発射ユニットの発射動作が強制停止される構成となっている。また、発射制御装置103には、排出制御装置104から発射停止信号が入力されるようになっており、この発射停止信号は、排出制御装置(払出制御基板104)側で何らかの異常を検知した場合に、発射ユニットの発射動作を強制停止したり、あるいは異常が解消された場合に発射動作を可能にするための信号である。
【0026】
次に、払出制御基板104は、排出制御装置を構成するもので、遊技制御装置(主基板105)から賞球パラレル通信によって送信された賞球データ等や、賞球検出センサ161、162からの検出信号に基づいて賞球排出の制御を実行し、また貸球の排出制御も行う。
この場合の払出制御基板104は、ワンチップマイコンからなる払出用演算処理装置104aを含んで構成され、この払出用演算処理装置104aは、CPU、ROM、RAM、及び入出力用インターフェースとを含む。
また、払出用演算処理装置104aは、その入出力用インターフェースを介してカードユニット接続基板201との間でカードユニット通信を行うことによって、カードユニット接続基板201を介してカードユニット202や操作パネル基板203との間で信号(カードユニット制御信号や操作パネル信号)の授受を行い、貸球排出に必要な制御を行う。なお、操作パネル基板203は、遊技機前面下方の前面操作パネル(図示省略)に設けられた貸球排出のための操作部材や表示部材(図示省略)用の接続回路等が設けられた基板である。
また、払出用演算処理装置104aの入出力用インターフェースには、後述する排出ユニットの貸球検出センサ175、176や賞球検出センサ161、162からの信号が入力されている。
また、払出用演算処理装置104aの入出力用インターフェースからは、後述する排出ユニットのパチンコ球排出モーター181、ストッパーソレノイド182、および流路切換ソレノイド183に制御信号が出力されるとともに、枠用外部接続端子盤139に枠用外部情報が出力されている。
【0027】
なおここで、排出ユニット(図示省略)や、排出制御装置(払出制御基板104)による排出制御について説明しておく。
排出ユニットは、払出制御基板104によって制御されて、遊技機裏側上部に配置された貯留タンク(図示省略)から誘導されたパチンコ球の排出(賞球としての賞球排出又は貸球としての貸球排出)を実行するパチンコ球排出機構(この場合、2条タイプのもの)である。この排出ユニット上部には、スプロケット(図示省略)が設けられ、このスプロケットの外周の谷部にパチンコ球が1個宛はまり込んで、必ずこのスプロケットの回転を伴いながらパチンコ球が流下して排出されるようになっている。そして、このスプロケットを回転駆動するパルスモータからなるパチンコ球排出モーター181(図3に示す)と、重力によるスプロケットの不用意な回転(即ち、パチンコ球の不用意な排出)を防止すべくスプロケットに係止する方向に付勢されたストッパー(図示省略)と、このストッパーの係止を解除するストッパーソレノイド182(図3に示す)とを有している。
【0028】
また、この排出ユニットは、2条のパチンコ球流路がユニット下部でそれぞれ二つに分岐して、一方が賞球を通過させる賞球流路(図示略)となっており、他方が貸球を通過させる貸球流路(図示略)となっている。この分岐部には、流路切換弁(図示略)が設けられ、この流路切換弁が流路切換ソレノイド183(図3に示す)に駆動されて揺動することにより、パチンコ球流路の下流側に排出されたパチンコ球が、賞球流路と貸球流路のうちのいずれか一方を通過する構成となっている。
この排出ユニットでは、排出制御装置の制御によりストッパーソレノイド182が作動すると(励磁されると)、前記ストッパーの係止状態が解除され、この係止解除状態において、排出制御装置の制御によりパチンコ球排出モータ181が作動して前記スプロケットが排出方向に所定量だけ回転することによって、それに対応した数量のパチンコ球が下流側に重力により送り出される。そして、こうして送り出されたパチンコ球は、排出制御装置の制御に基づく前記流路切換ソレノイド183の動作によって、賞球流路又は貸球流路の一方から排出され、所定量の賞球排出又は貸球排出が実現される。
また、貸球検出センサ175,176は、前述した各貸球流路を通過するパチンコ球(即ち、貸球)をそれぞれ検出するセンサであり、賞球検出センサ161,162は、前述の各賞球流路を通過するパチンコ球(即ち、賞球)をそれぞれ検出するセンサである。
【0029】
次に、音声制御基板106は、音制御装置を構成するもので、CPU106aを含むマイコンよりなり、遊技制御装置(主基板105)から音声パラレル通信によって送信された音データを含む制御信号に基づき、効果音を生成してスピーカ106bから出力する等、効果音に関する制御を行う。
また、ランプ制御基板107は、装飾制御装置を構成するもので、CPU107aを含むマイコンによりなり、遊技制御装置(主基板105)からランプパラレル通信によって送信された装飾データを含む制御信号に基づき、遊技盤1に配置されたサイドランプ24,25等の電飾部材や表示部の発光を制御するとともに、この電飾部材や表示部に電源を供給している。
【0030】
また、表示制御基板108は、表示制御装置を構成するもので、やはりCPU108aを含むマイコンによりなり、遊技制御装置(主基板105)から表示パラレル通信によって送信される表示制御信号に基づき表示装置4の画像表示を制御するとともに、表示装置4に電源を供給している。
なお、この表示制御基板108には、図3に示すように、試射試験信号端子108b(この場合正確には、端子群)が設けられ、ここから試験時に必要な各種信号が容易に取り出せるようになっている。
【0031】
次に、盤用外部接続端子盤138は、主基板105に接続された遊技盤側の外部情報端子が設けられた基板であり、ここから外部の装置(例えば、管理装置3や呼出ランプ2)に、盤用外部情報(例えば特別遊技状態の発生に係わる情報など)を出力するためのものである。
また、枠用外部接続端子盤139は、払出制御基板104やタンクパチンコ球切れスイッチ139aに接続された枠側の外部情報端子が設けられた基板であり、ここから外部の装置に、枠用外部情報(例えば、賞球や貸球の検出信号や、タンクパチンコ球切れ信号)が出力されている。なお、タンクパチンコ球切れスイッチ139aは、前述した貯留タンクのパチンコ球の量が不足している(又はゼロである)ことを検出して、パチンコ球の補給を島設備側に要求するタンクパチンコ球切れ信号を出力するセンサである。
【0032】
F.制御系の動作
次に、遊技制御装置等の制御処理の一例について説明する。
(a)メイン処理
まず、遊技制御装置(遊技用演算処理装置;マイコン105a)のメイン処理を、図4及び図5により説明する。
リセット信号が非アクティブとなりマイコン105aが起動すると、通常割込を禁止し、CPUを初期化した後、全出力ポートにオフ信号(2値信号の「0」に相当する信号)を出力する(ステップS1〜S3)。なお、リセット信号によってマイコン105aの各ドライバICはオフ設定(リセット)されているので、ソフト的に各ポートにオフ信号を出力する必要は必ずしもないが、ここでは念のためにステップS3が設けられている。
次に、停電フラグがRAMに正常に設定(記憶)されているか否か判断し(ステップS4)、正常であれば電源復帰時であるとしてステップS5に進み、異常であれば(正常に記憶されてなければ)通常の電源投入時であるとしてステップS12に進む。なお、停電フラグは、後述する強制割込処理(停電処理;図7)におけるステップS55で設定されるもので、例えば1バイトのデータで構成されている。即ち、RAMの停電フラグを設定するエリア(停電検査領域)の値は、通常の電源投入時(初期化状態)には初期化時の値(例えば、11111111b:FFh)になり、停電フラグとしては、このエリアに特定の値(例えば、01010101b:55h)が設定される。このため、上記停電検査領域の値が、55hのときは停電復帰時であり、55h以外であるときには通常の電源投入時と判定できる。なおこの場合、停電フラグが一旦設定されたものの、電源遮断状態(停電状態含む)が長期にわたり、前述のDC5VBB生成回路33のバックアップ保証期間を越えてしまい、そのために停電フラグのデータが55h以外となったとき(データが正常に記憶されていないとき)にも、通常の電源投入時と判定される(ステップS12に進む)。
そして、通常の電源投入時と判定された場合(ステップS12に進んだ場合)には、RAMの全領域の初期化処理、スタックポインタの設定、初期値の必要なRAMの領域に初期値を設定する処理、リセットコマンドの送信処理を行った後(ステップS12〜S15)、通常割込処理(図6)を起動すべく割込タイマ(CTC;カウンタタイマサーキット)を設定して割込を許可し(ステップS16,S17)、ステップS18(図5に示す)に進む。
【0033】
ステップS18では、RAM検査領域のチェックを行い、その結果が正常の場合は、ステップS20〜S27の処理へ進み、一方、検査結果が異常の場合は、初期化するためステップS1に戻ってステップS1〜S3,S12〜S17の処理を実行する(ステップS19)。ここで、RAM検査領域のチェックとは、ステップS18で、RAMの検査領域に例えば55hを書き込み、ステップS20〜S27の一連の処理実行後に、その検査領域のデータが55hのままか否か(壊れていないか否か)をチェックするという周知のものである。
次に、ステップS20(スイッチ入力監視処理)では、例えば後述する通常割込処理(図6)のステップS42で設定されるスイッチ入力フラグを監視し、始動センサ7のスイッチ入力フラグが設定されていると、当たり乱数(後述のステップS40で生成される乱数)を抽出し記憶するなどの処理を実行する。
なお、上記スイッチ入力フラグは、各センサの検出信号のアクティブ状態(例えば、Hレベル)が2回連続して読み取られると、設定されるフラグである。
また、ステップS20では、賞球関係のセンサ類の検出信号の読み取り結果に応じて、未排出の賞球数情報の記憶値を更新(加算又は減算)する処理も行う。
そして、こうして決定された賞球数の情報(賞球数情報)は、後述するステップS26、S36の処理によって払出コマンドとして排出制御装置104に送信される。
【0034】
次に、ステップS21では、エラーの発生/解除を監視し、エラー情報を設定する。
次いで、ステップS22では、3種ゲーム処理(前述の特別遊技状態に係わる制御情報の決定処理)を行う。特にこのステップS22では、後述する振分動作処理(図8)が行われ、回転体8のモータ135を制御する制御信号の出力設定がなされる。
次に、ステップS23では、普図(表示装置4に表示される識別情報)の変動表示ゲームのための処理(ステップS20で抽出記憶した当たり乱数が当たりか否か判定する処理含む)や、表示装置4での演出表示のための処理などを行う。即ち、普図の変動表示ゲームの進行状況に合わせて、表示制御装置108、装飾制御装置107、音制御装置106などへ送信する制御情報(コマンド)の内容(コマンドデータ)を設定する。
【0035】
次に、ステップS24では、例えば特別遊技状態の進行状況に応じて、大入賞口ソレノイド137に対するオンデータ又はオフデータを送信領域に設定する。
次に、ステップS25では、例えば普図の変動表示ゲームの進行状態に基づいて、当たり信号や図柄確定回数信号等を、管理装置に通知すべく、これらの信号を送信領域に設定する。
次いで、ステップS26では、前記ステップS23等で設定された各コマンドを送信順に編集し、送信領域に設定する。
次に、ステップS27では、このステップS27に処理が進む度に、演出用の各乱数値を「1」だけ増加させて各乱数値を更新する。なお、演出用の乱数としては、例えば普図の変動表示におけるいわゆるリーチ態様を決定するリーチ乱数がある。
【0036】
一方、図4に戻って、ステップS4で電源復帰時であると判定された場合には、ステップS5に進み、後述する強制割込処理(図7)でRAMに記憶保持していたスタックポインタのデータを読み込んでスタックポインタのデータとして設定した後(即ち、スタックポインタのデータを復帰させた後)、記憶保持していた情報に基づいて初期化すべき特定のRAM領域のみを初期化する(ステップS6)。
次に、排出制御装置104を除く他の制御装置(表示制御装置108、装飾制御装置107、音制御装置106)に電源復帰を通知するコマンド(電源復帰時コマンド)を送信するための処理を実行し(ステップS7)、その後、処理を再開すべく出力ポートの状態を電源遮断時の状態に復元する処理を行う(ステップS8)。なお、この出力ポートの復元処理により、前記モータ135の制御状態も電源遮断時の状態に復元されるため、電源遮断時に権利発生装置5の回転体8が何れかの方向に回転動作中であった場合には、電源復帰時に回転体8の当該方向への回転動作がそのまま再開される。
【0037】
その後、ステップS9では、通常割込処理(図6)を起動すべく、割込タイマを起動し、次のステップS10では、全レジスタのデータを復元する(後述する強制割込処理でRAMに記憶保持していたレジスタのデータを読み込んで設定する)。
そしてステップS11では、割込の状態(許可又は禁止)を電源遮断時の状態に復元し、リターンする。即ち、後述する強制割込処理でRAMに記憶保持していた割込の状態のデータを読み込んで設定し、その後、強制割込による中断時(即ち、電源遮断時)のアドレス(中断アドレス)にリターンする。これにより、電源遮断時の状態から遊技機の動作が再開される。
【0038】
(b)通常割込処理
次に、遊技制御装置(マイコン105a)の通常割込処理を、図6により説明する。
この通常割込処理は、前述したステップS9又はS16の処理によって起動され、この場合0.5msec毎に実行される。
まず、ステップS31で、レジスタのデータをRAMの所定エリアに退避させ、次いでステップS32では、前述したメイン処理のステップS22やS24,S25等で設定された出力データを出力ポートに設定し出力する出力処理を実行し、次いで、ステップS33では、前述のステップS26で編集された表示制御装置108への制御情報(コマンド)を送信する処理を実行する。
次いで、ステップS34で時分割カウンタの値を更新し、ステップS35の分岐処理で時分割カウンタに対応する処理に進む。例えば、「0」〜「7」の範囲で値が順次変化する時分割カウンタの値が「0,2,4,6」の場合には、ステップS40〜S42を順次実行し、時分割カウンタの値が「1」の場合にはステップS36を実行し、時分割カウンタの値が「3」の場合にはステップS37を実行し、時分割カウンタの値が「5」の場合にはステップS38を実行し、時分割カウンタの値が「7」の場合にはステップS39を実行する。なおこの場合、このような時分割によって、ステップS40〜S42は1msec毎に実行されることになり、ステップS36〜S39はそれぞれ4msec毎に実行されることになる。
【0039】
そして、ステップS40は、遊技用の各乱数値を「1」だけ増加させて各乱数値を更新する。なお、遊技用の乱数としては、普図の当たりを決定する当たり乱数がある。
また、ステップS41では、タイマ更新処理1を実行する。タイマ更新処理1は、メイン処理の各処理で使用するための時間(1msec毎に更新すべきもの)を生成するものである。
また、ステップS42では、ポート入力処理を行う。ポート入力処理は、マイコン105aの各入力ポートに入力されている信号を読み込む処理であり、スイッチ読込処理が含まれる。即ちここでは、各センサ類(始動センサ7、特別入賞口センサ10、通常入賞口センサ13、大入賞口センサ15、第3種始動口センサ18、一般入賞口センサ21,22、停止位置センサ130、半端球検出スイッチ141、オーバーフロースイッチ142、ガラス枠開放スイッチ143、及び賞球検出センサ161、162)の検出信号の読み取りを実行する。具体的には、各センサの出力値をこの場合1msec毎に判定し、同じレベルの出力値が規程回数(この場合2回)以上継続した場合に、この出力値のレベルを各センサの検出信号の確定的な値として読み取るようにして、チャタリングを防止している。
【0040】
また、ステップS36〜38では、前述のステップS26で編集された各制御装置(排出制御装置104、音制御装置106、装飾制御装置107)への制御情報(コマンド)をそれぞれ送信する処理を実行する。
また、ステップS39では、タイマ更新処理2を実行する。タイマ更新処理2は、メイン処理の各処理で使用するための時間(4msec毎に更新すべきもの)を生成するものである。
次いで、ステップS43,S44では、メイン処理を再開すべく、ステップS31で退避したレジスタの値を復帰し、割込を許可し、その後、割込時に中断した処理に復帰(リターン)する。
【0041】
(c)強制割込処理(停電処理)
次に、遊技制御装置(マイコン105a)により行われる停電処理を、図7により説明する。なおこの処理は、この場合、前述の停電検出回路102cから入力される停電検出信号をNMI割込信号として、実行中の処理を中断して強制的に開始されるものである。
処理が開始されると(即ち、上記停電検出信号が入力されると)、ステップS51〜S53において、まず、NMI割込発生前のタイマ割込の許可・禁止状態のデータ、及び全レジスタやスタックポインタのデータを、バックアップされているRAMの所定エリアに全て保存する。
次いで、ステップS54で全ての出力をオフし(全出力ポートにオフデータを出力し)、ステップS55でRAMの停電検査領域に停電フラグをセットして、最後にRAMへのアクセスを禁止した後(ステップS56)、待機する(リセット信号入力待ち状態となる)。
ここで、出力をオフしRAMへのアクセスを禁止して待機する処理は、リセット信号によってハード的に動作停止するまで実質的に機能を停止(ソフト的に動作停止)して、不定な信号が出力されたり不定なデータが誤ってRAMに書き込まれることを信頼性高く防止するためのものである。また、全レジスタやスタックポインタ等の全データを保存する処理は、電源復帰後に電源遮断時と同じ状態(遊技状態や遊技制御状態又は排出制御状態等含む)に復帰して動作を電源遮断時点の状態からそのまま再開できるようにするための処理である。
【0042】
(d)振分動作処理
次に、前述したメイン処理のステップS22で行われる振分動作処理について、図8により説明する。
まずステップS61で、前述のステップS23の処理により行われた普図の変動表示ゲームの結果を導出したか否かを、また結果が導出された場合には当りであるか否かを判定する。即ち、表示装置4の変動表示の停止結果が導出されたか、また導出された場合には特定の図柄(例えば、「33」、「77」)になったか否か判定する。そして、当りであれば、ステップS62に進んで回転体8を反時計回り(CCW回転)方向に回転させるように、モータ135に対する制御信号を設定する。また、外れの場合には、ステップS63に進んで回転体8を時計回り(CW回転)方向に回転させるように、モータ135に対する制御信号を設定する。また、結果の導出がなければ制御信号の設定は行わない。なお、ここで設定されたモータ135に対する制御信号は、ステップS32(図6)の処理で出力され、実際に回転体8が前記通常停止位置から所定方向に駆動される。
次いでステップS64では、監視スイッチ(特別入賞口センサ10又は通常入賞口センサ13)の検出信号がオンとなった場合に設定される監視SW検出フラグを監視する。監視SW検出フラグがオンであるとステップS65に進み、そうでない場合には、振分動作処理を終了する(即ち、設定されている回転体8の動作を継続させる)。なお、例えば監視スイッチ(特別入賞口センサ10又は通常入賞口センサ13)の検出信号が規定時間を越えてオンにならなかった場合には、表示制御装置108に対して振分動作異常を報知する表示(例えば、後述する図11(c)のような表示)を指令するコマンドを設定するようにしてもよい。
次にステップS65では、停止位置センサ130の検出信号がオンとなったか否か判定され、オンになると(回転体8が前記通常停止位置になると)ステップS66に進み、そうでない場合には、振分動作処理を終了する(即ち、設定されている回転体8の動作を継続させる)。
そしてステップS66では、モータ135を停止させる制御信号を設定する(回転体8を前記通常停止位置で停止させる)。
【0043】
上記振分動作処理によれば、まずステップS61〜S63の処理によって、普図の変動表示ゲームが終了すると、当りの場合には回転体8が通常停止位置から反時計方向へ、外れの場合には回転体8が通常停止位置から時計方向へ駆動される。これにより、普図の変動表示ゲームの起因となったパチンコ球(普図始動ゲート6に入ったパチンコ球)は、図2に示すように、回転体8の切欠部9に受け入れられた状態で、当りの場合には特別入賞口11(特定領域)に導入され、外れの場合には通常入賞口12(通常領域)に導入される。
次に、ステップS64〜S66の処理によれば、上記パチンコ球の入賞が特別入賞口センサ10(特定検出手段)又は通常入賞口センサ13(通常検出手段)により検出され、さらに回転体8が前記通常停止位置になったことが検出されると、回転体8の駆動が停止され、回転体8は再び前記通常停止位置に保持された状態に制御される。
なお、図9(a)は上記動作(普図外れの場合)を示すタイミングチャートであり、図9(b)は上記動作(普図当りの場合)を示すタイミングチャートである。普図外れの場合には、回転体8が時計方向に回転し、通常入賞口センサ13の出力(通常領域検出信号)がアクティブとなったことを条件として、停止位置センサ130の検出信号(位置検出信号)の例えば立ち上がりエッジで回転体8が停止する。また、普図当りの場合には、回転体8が反時計方向に回転し、特別入賞口センサ10の出力(特定領域検出信号)がアクティブとなったことを条件として、停止位置センサ130の検出信号(位置検出信号)の例えば立ち上がりエッジで回転体8が停止する。
【0044】
また、ステップS64の処理によれば、上記パチンコ球の入賞が特別入賞口センサ10又は通常入賞口センサ13により検出されない場合には、普図の変動表示結果に応じた当該回転方向での回転体8の回転動作が継続されることになる。
このため、例えば図10(a)に示すように、回転体8が回転した後のタイミングで電源遮断が発生し、実際には特別入賞口11(特定領域)又は通常入賞口12(通常領域)にパチンコ球が入ったのにこれが検出されなかった場合には、電源遮断終了後(電源復帰後)に回転体8が電源遮断前の方向の回転動作をそのまま再開し、位置検出信号がその後アクティブになってもその回転動作を継続する。そしてこの回転動作は、例えば図10(b)に示すように、特別入賞口センサ10又は通常入賞口センサ13の信号がアクティブになると、その後に位置検出信号がアクティブになった時点で停止する。
なお、特別入賞口センサ10又は通常入賞口センサ13の故障(信号線等の断線故障含む)によって、実際には特別入賞口11(特定領域)又は通常入賞口12(通常領域)にパチンコ球が入ったのにこれが検出されなかった場合にも、上記回転体8は回転動作を継続することになる。
これにより、権利発生装置5の振分動作に係わる上述したような異常(電源遮断や故障による入賞検出の欠落)が、回転体8の回転の継続という目に見える動作で明確に表現される。また、継続されている回転体8の回転動作の方向によって、発生すべき権利(特別遊技状態)の喪失(電源遮断や故障による特別入賞口センサ10の入賞検出の欠落)が、同様に明確に表現される。即ち、回転体8がこの場合反時計回りに回転し続けていれば、実際には普図当りが生じて特別入賞口11(特定領域)にパチンコ球が入賞しているのに、電源遮断等の要因で第3種の権利が発生しなかったことが明示される。
【0045】
(e)表示装置の情報表示例
次に、表示装置4の出力例について説明する。
本形態例では、電源復帰時等に、図11に示すような遊技機の状態を報知するための表示が表示装置4において実行される。
まず図11(a)は、電源復帰時(この場合は、起動時の図4のメイン処理がステップS5に進んだ場合)における表示装置4の画面の表示例である。電源遮断時の状態が例えば変動表示中であれば、この図のようにその変動表示が電源遮断時の状態から再開されるとともに、「停電から復帰しました。」などの文字が画面の一部に表示されて電源復帰時であることが遊技者等に報知される。これにより、電源復帰時に遊技者が不安感等を感じることなく安心して遊技を再開できるし、遊技場の係員等が遊技機の電源復帰動作(バックアップされたデータがあり、バックアップした状態情報に基づいて電源遮断時の状態から遊技が再開されたこと)を明確に確認できる。
なお、このような停電復帰状態の報知のための表示は、例えば前述したステップS7(図4)の処理において遊技制御装置105が表示制御装置108に対するそのためのコマンドを設定することによって実現される。或いは、例えば前述したステップS7(図4)の処理によって遊技制御装置105から送信される電源復帰を示すコマンドを受けて、表示制御装置108が自身の制御処理によって上述したような状態報知の文字等を表示する態様でもよい。
【0046】
次に図11(b)は、通常の電源投入時(起動時の図4のメイン処理がステップS12に進んだ場合)における表示装置4の画面の表示例である。通常の電源投入時は、この図のようにいわゆる客待ち用の図柄表示が実行されるとともに、「初期状態です。」などの文字が画面の一部に表示されて通常の電源投入時であることが遊技者等に報知される。これにより、電源投入時に遊技者が不安感等を感じることなく安心して遊技を開始できるし、遊技場の係員等が遊技機の通常の起動状態(バックアップされたデータがなく初期化された状態から遊技が開始されたこと)を明確に確認できる。
なお、このような電源投入状態の報知のための表示は、例えば前述したステップS23又はS26(図5)の処理において遊技制御装置105が表示制御装置108に対するそのためのコマンドを設定することによって実現される。或いは、例えば前述した電源復帰を示すコマンド(ステップS7)が起動時に受信できない場合に、表示制御装置108が自身の制御処理によって上述したような状態報知の文字等を表示する態様でもよい。
【0047】
次に図11(c)は、前述した振分動作に係わる異常(電源遮断や故障による入賞検出の欠落)を、表示装置4の表示によって報知する例である。前述した振分動作に係わる異常が起きたときには、この図のように「振分動作異常です。」などの文字が画面の一部に表示されて上記異常発生が遊技者等に報知される。これにより、上記異常が起きたことを遊技者や遊技場の係員等がより明確に確認できる。
なお、このような異常報知のための表示は、例えば前述したステップS64(図8)の処理において遊技制御装置105が表示制御装置108に対するそのためのコマンドを設定することによって実現できる。
【0048】
以上説明した本形態例の遊技機によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)断線や停電等によって振分動作に係わる入賞検出の欠落が起こった場合には、回転体8の動作状態が継続されるため、それによる遊技者の損失(発生すべき特別遊技状態が発生しなかったこと、或いは払い出されるべき賞球が払い出されなかったこと)の証拠を残すことができる。特に、回転体8が第3種の権利(特別遊技状態)を生起せしめる方向(この場合、図1における反時計回り)に作動開始した後、権利発生前に電源遮断が生じたときでも、電源復帰後にその方向での回転体8の動作が継続されるため、この動作を証拠として遊技者が遊技場に対してその損失(第3種の権利の喪失)を補償するようにアピールすることができる。また、遊技場にとっては、この動作によって上記損失があったことを誤りなく確認して、上記損失を補償する対応を適正に実行可能である。なお、上記損失を補償する対応とは、具体的には、例えば遊技場の係員が手作業で特別入賞口11にパチンコ球を入れて特別入賞口センサ10を作動させ、強制的に権利を発生させるといった対応があり得る。
【0049】
(2)また本形態例では、普図始動ゲート6に遊技媒体であるパチンコ球が滞留可能となっている。このため、普図始動ゲート6に入ったパチンコ球が回転体8により振り分けられる前に電源遮断が起きた場合には、このパチンコ球を普図始動ゲート6に保持して、電源復帰後の動作再開によって正常に振り分けることができ、このような電源遮断によって生じる恐れのある遊技者の損失を確実に回避できる。例えば、回転体8が普図外れとなったパチンコ球を通常入賞口12に導入して通常停止位置に戻るべく回転している途中で、普図始動ゲート6にパチンコ球が入り、その直後に電源遮断が起こった場合でも、そのパチンコ球は普図始動ゲート6に滞留しているので、電源復帰後の動作再開によって普図の変動表示が行われて普図当りとなれば、そのパチンコ球が回転体8の動作再開によって特別入賞口11に導入されて権利が確実に発生する。
【0050】
(3)また本形態例では、特別入賞口センサ10又は通常入賞口センサ13によって遊技媒体が検出されたときに、回転体8の回転動作の継続を停止する構成である。このため、センサの故障等が起こっていない限りにおいて、例えば遊技者が普図始動ゲート6に遊技媒体であるパチンコ球を打ち込み何れかのセンサ10又は13に検出させることによって、この回転動作の継続を故意に停止させることができるし、或いは遊技場の係員が遊技機の全面を覆う部材(例えば、ガラス枠)を開けて手作業でパチンコ球を普図始動ゲート6(或いは、特別入賞口11又は通常入賞口12)に入れることによっても、この回転動作の継続を容易に停止させることができる。つまり、遊技者又は係員等の判断で容易に通常状態(断線や停電等の異常による回転体8の回転動作の継続が行われていない状態)に復帰させることができて便利である。
(4)また本形態例では、普図の変動表示結果に応じて、回転体8を何れかの方向に回転させ、特別入賞口センサ10又は通常入賞口センサ13によって遊技媒体が検出されると、回転体8を所定位置(通常停止位置)にて停止させる。即ち、普段は回転体8が停止状態に保持される。また正常であれば、回転体が回転したとしても、通常停止位置から一回転して再び通常停止位置に戻るだけの動作である。このため、前述したように回転体8の回転動作が継続することによって、正常状態と明確に区別して異常状態であること(センサ等の故障も含む)が瞬時かつ明確に分かる。特に、停電復帰時に回転体8が動いていれば(少なくとも通常停止位置を越えて回転すれば)、電源遮断によってセンサ10又は13によるパチンコ球の検出が欠落したことがすぐに分かるし、その回転方向が特定領域に誘導する当り方向(この場合、反時計回り)であれば、それにより発生すべき遊技者の利益(第3種の権利)が喪失されたことが、一見して分かる。
【0051】
なお、本発明は上記実施の形態に限られず、各種の変形,応用があり得る。
例えば上記実施の形態では、回転体が遊技媒体を通常領域に導入する方向に回転して、通常検出手段によって遊技媒体が検出されない場合にも、回転体の回転動作の継続を実行するようにしているが、回転体が遊技媒体を特定領域に導入する方向に回転して、特定検出手段によって遊技媒体が検出されない場合にのみ、回転体の回転動作の継続を実行するようにしてもよい。この場合には、少なくとも特定領域での遊技媒体検出の欠落による遊技者の損失(特別遊技状態が発生しない不利益や、特定領域への入賞に対する賞の払い出しが実行されない不利益)を補償可能である。
また上記実施の形態では、バックアップ機能を有する遊技機に本発明を適用した場合を例示したが、バックアップ機能を有さない遊技機に本発明を適用しても意味がある。バックアップ機能がないと、通常の場合、電源遮断後の電源復帰時に制御処理の各種設定が原則的に初期化されてしまうため、回転体の回転動作の継続が電源復帰時に再開されず、電源遮断による遊技者の損失を補償することが困難になる。しかし、断線等の故障によって、特定領域等での遊技媒体検出が不能となった場合については、回転体の回転動作の継続を実行して証拠を残し、それによる損失を補償可能だからである。
【0052】
また上記実施の形態では、特定検出手段又は通常検出手段によって遊技媒体が検出されない場合には、無条件に回転体の回転動作を継続させるようにしているが、これに限られない。例えば、回転体の動作が電源遮断時に記憶保持された内容に基づいて行われる場合にのみ、回転体の回転動作の継続を行う構成でもよい。即ち、例えば断線や検出手段等の故障によって遊技媒体が検出されない異常が発生した場合には、上記回転動作の継続を行わないようにしてもよい。このようにすれば、不正な補償要求の危険(例えば、故意に断線故障等を起こして回転動作を継続させ、不正に喪失利益の補償を要求するもの)を排除することができる。
また、回転体の回転動作の継続を停止させる条件(所定条件)は、受入部に設けられた受入部検出手段によって遊技媒体が検出されることであってもよい。この構成でも、次のような効果が得られる。即ち、受入部検出手段の故障等が起こっていない限りにおいて、例えば遊技者が受入部に遊技媒体を打ち込み受入部検出手段に検出させることによって、この回転動作の継続を故意に停止させることができるし、或いは遊技場の係員が手作業でパチンコ球を受入部に入れることによっても、この回転動作の継続を容易に停止させることができる。つまり、遊技者又は係員等の判断で容易に通常状態に復帰させることができて便利である。
【0053】
また、電源復帰時に動作を再開したとき、振分装置(回転体)の回転動作の継続が実行されており、当該回転動作の回転方向が当り方向(遊技媒体を特定領域に誘導する方向)である場合には、特定検出手段による遊技媒体の検出があったとみなして、特別遊技状態を生起せしめる処理構成としてもよい。このようにすれば、遊技者に対する補償が迅速かつ的確になされることになり、遊技者が遊技場にアピールしたりする手間や、係員が前述した対応を行う手間が省ける。
なお、このような遊技媒体検出のみなしによる特別遊技状態の発生処理は、上記当り方向の回転動作の継続が、例えばある程度の監視期間を越えて続いた場合にのみ行うようにすることが望ましい。例えば、電源復帰時に回転体が動作を再開したとき、電源遮断により回転体に保持されたままであったパチンコ球が特定領域に導入されて、パチンコ球が検出されない異常が自然に解消される場合があり、このような場合に上述したような処理を行うと、特定検出手段によるパチンコ球の検出が制御上誤って2回に行われることになり、第3種のパチンコ機であれば、発生した特別遊技状態がすぐに解除されてしまういわゆるパンクが生じるからである。
【0054】
また上記形態例では、振分装置(回転体)を通常では停止状態に保持しているが、外れ方向(遊技媒体を通常領域に誘導する方向)に回転させておく態様でもよい。即ち、表示装置の変動表示結果に応じて回転体を何れかの方向に回転させ、特定検出手段又は前記通常検出手段によって遊技媒体が検出されると、回転体を外れ方向に回転させる構成でもよい。このような場合でも、少なくとも特定領域への入賞に関して遊技者が利益喪失しているか否かは、通常状態と区別して容易に判断できる。当り方向の回転が継続していれば、特定検出手段による検出が断線や停電等によって行われなかったこと(即ち、少なくとも発生すべき特別遊技状態が発生しなかったこと)が容易に分かるからである。
また上記形態例では、特定検出手段等による検出がなされない異常が発生したことを、振分装置(回転体)の動作と表示装置による表示で報知する例を示したが、LEDやランプの点灯又は点滅等による報知、或いは音声による報知等を行ってもよいことはいうまでもない。
【0055】
また上記形態例では、バックアップ電源によって電源遮断時の記憶保持を実現しているが、不揮発性の記憶手段を設けて、電源遮断時にはこの不揮発性の記憶手段に必要な情報(動作再開のための情報)を記憶保持するようにしてもよい。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0056】
【発明の効果】
本発明の遊技機によれば、以下の効果を得ることができる。
即ち、断線等によって振分動作に係わる遊技媒体検出の欠落(少なくとも特定領域での遊技媒体検出の欠落)が起こった場合には、回転体の動作状態が継続されるため、それによる利益喪失(少なくとも特定領域に遊技媒体が導入されることによる特別遊技状態発生等の利益を失うこと)の証拠を残すことができる。
このため、遊技者が遊技場に対してその損失(特別遊技状態発生の喪失)を補償するようにアピールすることができる。また、遊技場にとっては、回転体の動作継続によって上記損失があったことを誤りなく確認して、上記損失を補償する対応を適正に実行可能である。
また、停電等の電源遮断による遊技媒体検出の欠落(少なくとも特定領域での遊技媒体検出の欠落)が起こった場合にも、電源復帰後においてその証拠を残すことができる。例えば、回転体が遊技者に有利な遊技状態を生起せしめる方向(遊技媒体を特定領域に導入する方向)に作動開始した後、特別遊技状態発生前(特定領域での遊技媒体検出前)に電源遮断が生じたときでも、電源復帰後にその方向での回転体の動作が継続されるため、この動作を証拠として遊技者が遊技場に対してその損失(少なくとも特別遊技状態発生の喪失)を補償するようにアピールすることができる。また、遊技場にとっては、この動作によって上記損失があったことを誤りなく確認して、上記損失を補償する対応を適正に実行可能である。
【0057】
また請求項2記載のように、電源復帰時に動作を再開したとき、回転体の回転動作の継続が実行されており、当該回転動作の回転方向が遊技媒体を特定領域に導入させる方向である場合には、特定検出手段による遊技媒体検出があったとみなして、特別遊技状態を生起せしめる処理構成としてもよいが、このようにすれば、遊技者に対する補償が迅速かつ的確になされることになり、遊技者が遊技場にアピールしたりする手間や、係員が前述した対応を行う手間が省ける。
また請求項3記載のように、受入部に遊技媒体が滞留可能となっていると、次のような利点がある。即ち、受入部に入った遊技媒体が回転体により振り分けられる前に電源遮断が起きた場合には、この遊技媒体を受入部に保持して、例えば電源復帰後の動作再開によって正常に振り分けることができ、このような電源遮断によって生じる恐れのある遊技者の損失を確実に回避できる。
【0058】
また請求項4記載のように、受入部に設けられた受入部検出手段によって遊技媒体が検出されると、回転体の回転動作の継続を停止させる態様では、次のような効果が得られる。即ち、受入部検出手段の故障等が起こっていない限りにおいて、例えば遊技者が受入部に遊技媒体を打ち込み受入部検出手段に検出させることによって、この回転動作の継続を故意に停止させることができるし、或いは遊技場の係員が手作業でパチンコ球を受入部に入れることによっても、この回転動作の継続を容易に停止させることができる。つまり、遊技者又は係員等の判断で容易に通常状態(異常による回転体の回転動作の継続が行われていない状態)に復帰させることができて便利である。
また請求項5記載のように、特定検出手段又は通常検出手段によって遊技媒体が検出されたときに、回転体の回転動作の継続を停止する態様でも、同様の効果がある。即ち、これら検出手段の故障等が起こっていない限りにおいて、例えば遊技者が受入部に遊技媒体を打ち込み特定検出手段又は通常検出手段に検出させることによって、この回転動作の継続を故意に停止させることができるし、或いは遊技場の係員が手作業でパチンコ球を受入部(或いは、特定領域又は通常領域)に入れることによっても、この回転動作の継続を容易に停止させることができる。
【0059】
また請求項6記載のように、変動表示結果に応じて、回転体を何れかの方向に回転させ、特定検出手段又は通常検出手段によって遊技媒体が検出されると、回転体を所定位置にて停止させる態様の場合には、次のような利点がある。即ち、普段は回転体が停止状態に保持される。また正常であれば、回転体が回転したとしても、所定位置から一回転して再び所定位置に戻るだけの動作である。このため、前述したように回転体の回転動作が継続することによって、正常状態と明確に区別して異常状態であること(遊技媒体検出の欠落が発生したこと)が瞬時かつ明確に分かる。例えば、回転体が不必要に動いていれば(少なくとも所定位置を越えて回転すれば)、断線故障や電源遮断によって検出手段による遊技媒体(振分動作に係わる遊技媒体)の検出が欠落したことがすぐに分かるし、その回転方向が特定領域に誘導する方向であれば、それにより発生すべき遊技者の利益(特に、特別遊技状態の発生)が喪失されたことが、一見して分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パチンコ機の遊技盤を示す図である。
【図2】振分装置の動作を説明する図である。
【図3】パチンコ機の電源供給系統及び制御系統を示す図である。
【図4】遊技制御装置のメインルーチンを示すフローチャートである。
【図5】遊技制御装置のメインルーチンを示すフローチャートである。
【図6】遊技制御装置のタイマ割込処理を示すフローチャートである。
【図7】遊技制御装置の強制割込処理(停電処理)を示すフローチャートである。
【図8】遊技制御装置の振分動作処理を示すフローチャートである。
【図9】振分装置の動作(通常時)を説明するタイミングチャートである。
【図10】振分装置の動作(電源遮断時)を説明するタイミングチャートである。
【図11】表示装置の情報出力例を示す図である。
【符号の説明】
1 遊技盤
1a 遊技領域
4 表示装置
5 権利発生装置
6 普図始動ゲート(受入部、振分手段)
7 始動センサ(受入部検出手段)
8 回転体(振分手段)
9 切欠部
10 特別入賞口センサ(特定検出手段)
11 特別入賞口(特定領域)
12 通常入賞口(通常領域)
13 通常入賞口センサ(通常検出手段)
105 主基板(振分制御手段及び遊技状態制御手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】遊技媒体が打ち込まれる遊技領域と、識別情報を変動表示可能な表示装置と、遊技者に有利な特別遊技状態を生起せしめる特定領域に入賞した遊技媒体を検出する特定検出手段と、前記特別遊技状態を生起せしめない通常領域に入賞した遊技媒体を検出する通常検出手段とを有する遊技機において、
電源の供給を受けて動作し、電源遮断時に必要な情報を記憶保持して電源復帰時に電源遮断時の状態から動作を再開する機能を有し、
前記遊技領域内に配設されて遊技媒体を受け入れる受入部と、両方向に回転可能な回転体とを含み、前記回転体が一方向又は他方向に回転することによって前記受入部に受け入れた遊技媒体を前記特定領域又は前記通常領域の何れかに導入する振分手段と、
前記表示装置の変動表示結果に応じて、前記回転体が何れかの方向に回転するように前記振分手段を制御する振分制御手段とを備え、
前記振分制御手段は、
前記受入部に受け入れた遊技媒体が前記特定領域に導入される方向で前記回転体を回転させて、前記特定検出手段によって遊技媒体が検出されない場合には、当該回転方向での前記回転体の回転動作を所定条件成立まで継続させるように前記振分手段を制御することを特徴とする遊技機。
【請求項2】電源復帰時に動作を再開したときに、前記振分制御手段による前記回転体の回転動作の継続が実行されており、当該回転動作の回転方向が遊技媒体を前記特定領域に導入させる方向である場合には、前記特定検出手段による遊技媒体の検出があったとみなして、前記特別遊技状態を生起せしめる遊技状態制御手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】前記受入部は、遊技媒体が滞留可能となっていることを特徴とする請求項1又は2記載の遊技機。
【請求項4】前記所定条件は、前記受入部に設けられた受入部検出手段によって遊技媒体が検出されたことであることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の遊技機。
【請求項5】前記所定条件は、前記特定検出手段又は前記通常検出手段によって遊技媒体が検出されたことであることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の遊技機。
【請求項6】前記振分制御手段は、前記表示装置の変動表示結果に応じて、前記回転体が何れかの方向に回転するように前記振分手段を制御し、前記特定検出手段又は前記通常検出手段によって遊技媒体が検出されると、前記回転体を所定位置にて停止させることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技媒体の振分動作を行う遊技機(例えば、第3種パチンコ機)に関する。
【0002】
【従来の技術】
遊技媒体(例えば、パチンコ球)を盤面上の遊技領域に打ち込んで遊技する遊技機のうち、例えば第3種パチンコ機では、以下のような振分動作によって遊技者に有利な特別遊技状態(例えば、第3種パチンコ機の権利発生状態)の発生過程を演出する。即ち、数字や文字などの識別情報を変動表示させる表示装置と、遊技領域中の受入部(例えば、普図始動ゲート)に入った遊技媒体を特定領域又は通常領域の何れかに振り分けて導入する振分装置(回転体よりなるもの)とが設けられ、表示装置の変動表示結果に応じて何れかの方向に振分装置を動作させる。そして、振分装置によって遊技媒体が特定領域に導入されたことが検出手段によって検出されると、特別遊技状態を生起せしめるようになっている。また通常、遊技媒体が特定領域又は通常領域に導入されたことが検出手段によって検出されると、対応する賞の払い出し(例えば、所定数のパチンコ球の払い出し)が行われる。
【0003】
一方、パチンコ機などの遊技機では、停電等による電源遮断時に、そのときの状態情報(遊技状態などの情報)をバックアップ(記憶保持)し、電源復帰後に、バックアップした情報に基づいて遊技を電源遮断時の状態から再開する機能(以下、バックアップ機能という)を有するものが、近年登場している。このような遊技機であると、遊技者に有利な遊技状態において停電等が発生したとしても、停電復帰後にその遊技状態の途中から遊技を再開させて、遊技者が停電等によって損失を被ることを回避できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述したような振分動作を行う遊技機にあっては、遊技者が常に注視している振分装置が遊技媒体を特定領域に導入する動作を開始したのに、断線や電源遮断等の異常によって特定領域又は通常領域(特に特定領域)に遊技媒体が導入されたことが検知されない場合には、遊技者が看過することのない損失を生じるという問題がある。
というのは、例えば検出手段の信号線等の断線や、検出手段自身の故障によって、特定領域又は通常領域に遊技媒体が導入されたことが遊技機の制御手段によって検知できない場合には、特定領域又は通常領域に遊技媒体が導入されたことにより払い出される遊技媒体(例えば、賞として払い出されるパチンコ球、いわゆる賞球)が実際には払い出されず、遊技者はすぐに損失を意識するからである。またこの場合、特に特定領域への遊技媒体の導入が検知されないと、発生すべき特別遊技状態が発生しなくなるため、遊技者は看過できない大きな損失(例えば第3種パチンコ機では、権利発生による大当たり発生の機会を喪失すること)を確実に意識する。
【0005】
また、例えば電源遮断直前に振分装置によって特定領域又は通常領域に向かって振り分けられた遊技媒体が、電源遮断直後に特定領域又は通常領域における検出部を通過したときには、実際には遊技媒体が特定領域又は通常領域に導入されたのに、この遊技媒体は電源復帰後も制御上全く検知されないため、やはり、特定領域又は通常領域を遊技媒体が通過したことによる利益(例えば、賞球の払い出しや第3種の権利発生)が得られなくなってしまうからである。
なおこの問題は、前述したバックアップ機能を有する遊技機であってもかわりなく、むしろより問題視される可能性がある。なぜなら、バックアップ機能を有する遊技機は、停電等による電源遮断があっても電源遮断の前後で遊技の継続性を維持しようとするものであり、このような遊技機を導入した遊技店側もそのような性能を当然期待するところである。ところが、前述したバックアップ機能を有する遊技機であっても、従来では、突然の停電等に対して例えば遊技領域に発射された遊技媒体の入賞を検出するまでの継続性は維持できない。具体的には、電源復帰時に遊技が電源遮断時の状態から再開されても、電源遮断中に特定領域又は通常領域の検出部を通過した遊技媒体は制御上検知されず、やはり特別遊技状態や賞の払い出しは発生しない(遊技者の損失となる)。つまり、電源遮断前の状態(特定領域又は通常領域への遊技媒体の導入開始)に対して、その結果当然起こりうる次の状態(特別遊技状態や賞の払い出し)が電源遮断後に発生しなくなり、この点で遊技の継続性が失われてしまうからである。
そこで本発明は、前述したような振分動作を行う遊技機であって、振分動作によって所定の領域(少なくとも特定領域)に振り分けられた遊技媒体が断線や電源遮断等の異常により検知されない不具合が発生しても、それによる遊技者の損失(少なくとも発生すべき特別遊技状態が異常によって発生しない不利益)を補償可能な遊技機を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的達成のため、請求項1記載の発明による遊技機は、遊技媒体が打ち込まれる遊技領域と、識別情報を変動表示可能な表示装置と、遊技者に有利な特別遊技状態を生起せしめる特定領域に入賞した遊技媒体を検出する特定検出手段と、前記特別遊技状態を生起せしめない通常領域に入賞した遊技媒体を検出する通常検出手段とを有する遊技機において、
電源の供給を受けて動作し、電源遮断時に必要な情報を記憶保持して電源復帰時に電源遮断時の状態から動作を再開する機能を有し、
前記遊技領域内に配設されて遊技媒体を受け入れる受入部と、両方向に回転可能な回転体とを含み、前記回転体が一方向又は他方向に回転することによって前記受入部に受け入れた遊技媒体を前記特定領域又は前記通常領域の何れかに導入する振分手段と、
前記表示装置の変動表示結果に応じて、前記回転体が何れかの方向に回転するように前記振分手段を制御する振分制御手段とを備え、
前記振分制御手段は、
前記受入部に受け入れた遊技媒体が前記特定領域に導入される方向で前記回転体を回転させて、前記特定検出手段によって遊技媒体が検出されない場合には、当該回転方向での前記回転体の回転動作を所定条件成立まで継続させるように前記振分手段を制御することを特徴とする。
【0007】
なお、ここでの「所定条件」は、例えば請求項4記載のように、前記受入部に設けられた受入部検出手段によって遊技媒体が検出されたこと、或いは、例えば請求項5記載のように、前記特定検出手段又は前記通常検出手段によって遊技媒体が検出されたことである。
【0008】
また好ましい態様として、例えば請求項2記載のように、電源復帰時に動作を再開したときに、前記振分制御手段による前記回転体の回転動作の継続が実行されており、当該回転動作の回転方向が遊技媒体を前記特定領域に導入させる方向である場合には、前記特定検出手段による遊技媒体の検出があったとみなして、前記特別遊技状態を生起せしめる遊技状態制御手段を備えた構成であってもよい。
また、例えば請求項3記載のように、前記受入部は、遊技媒体が滞留可能となっていてもよい。
【0009】
また、例えば請求項6記載のように、前記振分制御手段は、前記表示装置の変動表示結果に応じて、前記回転体が何れかの方向に回転するように前記振分手段を制御し、前記特定検出手段又は前記通常検出手段によって遊技媒体が検出されると、前記回転体を所定位置にて停止させる構成でもよい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をパチンコ機に適用した形態例について説明する。
A.遊技盤の構成
まず、遊技盤の構成や遊技の概要を説明する。なお、遊技盤の構成は、変動表示を行う表示装置、及びこの表示装置の変動表示結果に応じて遊技媒体(例えば、パチンコ球)を振り分ける振分装置を備えたものであれば、任意の構成を取り得る。代表的にはいわゆる第3種に属するパチンコ機に適用されることは勿論、その他の種類の遊技機であっても同様の構成を有するものには、適用が可能である。本形態例では、「第3種」に属するタイプのものを用いている。
図1は、本形態例の遊技盤1を示す正面図である。図1において、符号2で示すものは、発射されたパチンコ球を遊技盤1の上方部まで案内したり、後述のアウト口23まで案内するなどの機能を有するレールであり、このレール2の内側に遊技領域1aが形成されている。
遊技領域1aの中央部上側には、役物装置3が配置されており、役物装置3は複数の識別情報(例えば、図柄や文字や数字等)を変動表示可能な表示装置4(普図表示装置)を備えている。この場合の表示装置4は、例えば「1」〜「9」、「A」〜「F」などの数字や記号を例えば2桁(或いはそれ以上又は1桁でもよい)で表示可能になっており、7セグメント式表示器或いは液晶表示器等によって構成されている。
【0011】
遊技領域1aにおける役物装置3の下方には権利発生装置5が配置されている。権利発生装置5は、その上部に普図始動ゲート6(受入部)が配置されており、この普図始動ゲート6には始動センサ7(受入部検出手段)が設けられ、パチンコ球を検出可能になっている。なお、後述する回転体8が通常停止位置以外にあるときには、この普図始動ゲート6に入ったパチンコ球は、普図始動ゲート6内に滞留し、回転体8が通常停止位置にあると、重力により後述する切欠部9に落ち込む構成となっている。また、パチンコ球が普図始動ゲート6に入って始動センサ7により検出されると、表示装置4が、図柄の変動表示を開始し、最終的に1桁ずつ停止させる。
そして、権利発生装置5の内部下方には振分装置を構成する回転体8が設けられており、回転体8にはパチンコ球を受け入れ可能な切欠部9が外周に形成されている。この回転体8は、裏側に配設されたモータ135(図3に示す)で駆動され、普段は所定の通常停止位置(この場合、切欠部9が真上にくる位置)に停止状態に保持されるが、表示装置4の変動表示の停止結果が、特定の図柄(例えば、「33」、「77」というように特定数値の2桁のゾロ目状態)になると(普図当りが発生すると)、反時計回りに回転駆動され、それ以外の図柄で上記変動表示が停止すると(普図が外れると)、時計回りに回転するよう制御される。なおこの場合、この回転体8が上記通常停止位置にあることを検知する停止位置センサ130(図3に示す)が設けられており、外部からの振動等によって回転体8が上記通常停止位置からずれると、上記停止位置センサ130で検出されるまで回転体8が駆動されて、上記通常停止位置に戻す制御が実行されるようになっている。これにより回転体8は、通常時(変動表示ゲームの結果に応じて回転する場合以外の時)において、常に上記通常停止位置(本発明の所定位置に相当する)に確実に保持される。また、回転体8の周囲には、切欠部9に入ったパチンコ球の外部への逸脱を防ぐ周壁8aが設けられている。
なお、普図始動ゲート6(受入部)と回転体8は、本発明の振分手段を構成する。
【0012】
また、権利発生装置5内における回転体7の下方左側には、特別入賞口センサ10(特定検出手段)によってパチンコ球を検出して遊技者に有利な遊技状態(即ち、いわゆる第3種の権利)を生起せしめる特別入賞口11(特定領域)が形成され、またその下方右側には、上記遊技状態を生起せしめない通常入賞口12(通常領域)が形成されている。そして回転体8が、例えば図2の符号Z1に示すような状態(通常停止位置においてパチンコ球Kを切欠部9に受け入れた状態)から、反時計回りに回転すると、図2の符号Z2に示すように切欠部9内のパチンコ球Kが特別入賞口11に入り、一方時計回りに回転すると、図2の符号Z3に示すように切欠部9内のパチンコ球Kが通常入賞口12に入る構成となっている。なお、普図始動ゲート6に入ったパチンコ球Kを、回転体8がこのように何れか一方の領域(特別入賞口11又は通常入賞口12)に振り分けて導入する動作を、振分動作という。また、特別入賞口11に入ったパチンコ球は、上記特別入賞口センサ10によって検出された後、図示省略した流路を経由して、例えば遊技島下部の貯留タンクに収められる。一方、通常入賞口12に入ったパチンコ球は、権利発生装置5の下部に設けられた通常入賞口センサ13(通常検出手段)によって検出された後、同様に遊技島下部の貯留タンク等に収められる。
【0013】
なお、特別入賞口11にパチンコ球が入ると(即ち、特別入賞口センサ10によってパチンコ球が検出されると)、賞球の払い出しが実行されるとともに、権利発生前であれば、遊技者に有利な特別遊技状態(後述の変動入賞装置14を所定回数開放する権利:いわゆる第3種の権利)が発生し、権利発生中であれば、当該権利が消滅するようになっている。ここでいう権利とは、第3種のいわゆる特別遊技を発生させる権利であり、後述の第3種始動口17へのパチンコ球の入賞を条件とし、10秒あるいはパチンコ球が10個入賞するまでを1サイクルとして変動入賞装置14を所定の継続回数(例えば、最高で16サイクル)だけ開放する権利である。一方、普図始動ゲート6にパチンコ球が入っても、そのパチンコ球が通常入賞口12に入ると(即ち、通常入賞口センサ13によってパチンコ球が検出されると)、賞球の払い出しがなされるだけで、特別遊技状態の発生あるいは消滅は起こらない。
【0014】
また図1に示すように、権利発生装置5の右側方には、特別遊技状態が発生した場合に、予め定められた所定回数だけ、パチンコ球を受け入れない第1の状態(遊技者にとって不利な状態)から受け入れ易い第2の状態(遊技者にとって有利な状態)に変動可能な変動入賞装置(大入賞口のことで、いわゆるアタッカー)14が配置されている。図1は、変動入賞装置14がパチンコ球を受け入れにくい第1の状態(閉塞状態)にあることを示している。また、図1における符号15は、変動入賞装置14内に入賞したパチンコ球を検出する大入賞口センサ(カウントスイッチ)15を示している。
変動入賞装置14の上方には第3種始動入賞装置16が配置されており、この第3種始動入賞装置16には第3種始動口17が形成されるとともに、この第3種始動口17への入賞を検出する第3種始動口センサ18が配置されている。前述したように、特別遊技状態中にこの第3種始動口17にパチンコ球が入賞し、第3種始動口センサ18によって検出されると、変動入賞装置14が所定期間遊技者にとって有利な第2状態へと変動する。
【0015】
ここで、第3種始動口17にパチンコ球が入賞すると、変動入賞装置14が所定期間オープンするが、第3種の権利が発生中に第3種始動口センサ18によって16個目のパチンコ球の入賞が検出された場合には当該権利が消滅(終了)する。すなわち、変動入賞装置14の開放中に第3種始動口センサ18がパチンコ球を検出してしまうと、変動入賞装置14を開放できる回数が減ってしまう。そのため、第3種始動口センサ18がパチンコ球の入賞を検出する間隔を、変動入賞装置14が開放している1サイクル時間より長なるような工夫が施されている(詳細説明省略する)。これにより、遊技者は権利が発生した場合に、所定の最高継続回数(例えば、16サイクル)の途中で権利が消滅するという不具合を避けつつ、ゲームを進行できるようになっている。また、変動入賞装置14が開放中に第3種始動口センサ18によって入賞が検出されても、変動入賞装置14は再度開かないようになっている。
【0016】
また、遊技領域の所定位置(この場合、役物装置3の左下と、権利発生装置5の左側)には、一般入賞口19,20が形成され、それぞれ一般入賞口センサ21,22により入賞球を検出する構成となっており、これらセンサにより入賞球が検出されると所定数の賞球排出が行われる。
また、遊技領域の最下部にはアウト口23が設けられ、遊技領域に打ち込まれて何れの入賞口にも入らなかったパチンコ球がここから排出される。
また、図1における符号24,25はサイドランプを示しており、これらサイドランプはゲーム内容に応じて点灯あるいは点滅して遊技の臨場感を高めるものである。また図示省略しているが、遊技領域内には、風車と呼ばれる打球方向変換部材や、多数の障害釘が設けられている。
【0017】
B.遊技機の電源供給系統
次に、遊技機の電源供給系統について、図3を参照して説明する。図3はパチンコ機の電源供給系統及び制御系統を示す図である。
パチンコ機1には、外部からAC24Vが供給されるようになっており、外部電源であるAC24Vは電源基板102に分配される。
電源基板102は、電源ユニットを構成する基板であり、AC24Vを直流に変換して各種のDC電圧を生成して各制御装置に供給する電源回路102aと、この場合遊技制御装置を構成する主基板105と排出制御装置を構成する払出制御基板104のRAMにバックアップ電源(DC5VBB)を供給するバックアップ回路102bと、電源遮断時(停電時含む)に停電検出信号とリセット信号を出力する停電検出回路102cと、過電流防止用のヒューズ102dと、電源投入操作用の電源スイッチ102eとを備える。
【0018】
ここで、電源回路102aは、具体的には、ソレノイド駆動用などのDC32V、カードユニット用のDC24V、ランプ類駆動用、センサ駆動用およびバックライト駆動用などのDC12Vを駆動用電源として生成するとともに、各制御装置を動作させるための制御装置用電源としてDC5Vを生成する。そして、DC32VおよびDC5Vを発射制御基板103(発射制御装置)に、DC32V、DC12V、DC5Vを払出制御基板104(排出制御装置)に、DC32V、DC12V、DC5Vを主基板105(遊技制御装置)に、DC12V、DC5Vを音声制御基板106(音制御装置)に、DC12VおよびDC5Vをランプ制御基板107(装飾制御装置)に、DC12VおよびDC5Vを表示制御基板108(表示制御装置)に、DC24Vをカードユニット接続基板201を介してカードユニット202や操作パネル基板203に供給する。なお、各制御基板やカードユニット202等の構成や機能については、後述する。
また、バックアップ回路102bは、バックアップすべき電源端子(この場合、主基板105のマイコンチップ105a内のRAMと、払出制御基板104のマイコンチップ104a内のRAMの電源端子)に接続されたバックアップ電源としてのコンデンサ(図示省略)と、このコンデンサに電源回路102aで生成されたDC5Vを不可逆的に供給するダイオード(図示省略)とよりなり、電源遮断時に所定のバックアップ保証期間以上DC5V相当の電源供給を行うもので、この場合このバックアップ電源(DC5VBB)は、遊技制御装置を構成する主基板105のRAMと、排出制御装置を構成する払出制御基板104のRAMに供給されている。
【0019】
なお、従前の一般的なパチンコ機は、全ての入賞球を一カ所に集めて1個ずつ検出し、入賞球を賞球払出が完了するまで保持しておくセーフユニットを備えていて、停電等があってもこのセーフユニットに保持されている入賞球を確認することで、未排出の賞球数がある程度判定できた。しかし、本形態例の場合には、このようなセーフユニットを備えずに、各入賞口毎に入賞検出を行う構成であるため、未排出の賞球の情報をソフト的に保持しておく必要があり、そのためにこのようなバックアップ電源が供給される構成となっている。また、停電等により中断した遊技を、電源再投入後に継続的に再開するためには、前述したように、電源遮断時の遊技状態等を再現するための必要な情報を記憶保持する必要があり、そのためにもこのようなバックアップ電源が少なくとも遊技制御装置のRAMに(この場合排出制御装置のRAMにも)供給される構成となっている。
【0020】
また、電源基板102内の停電検出回路102cは、電源回路102aにおけるDC5V生成回路(図示省略)への電源供給が断たれること(即ち、停電等の電源遮断)を事前に検出(例えば、DC32Vが停電検出電圧である22Vまで低下したとき停電開始として検出)して、遊技制御装置(主基板105)と排出制御装置(払出制御基板104)の各CPUに対し、停電検出信号を出力する回路である。
この停電検出回路102c内には、リセット出力部が設けられ、このリセット出力部からは、各制御装置(主基板105,払出制御基板104,発射制御基板103,音声制御基板106,ランプ制御基板107,表示制御基板108)のCPU等(発射制御基板103の場合には、ロジック回路)をリセットすべき時期(例えば、DC32Vが停電検出電圧まで低下した時点から所定時間経過後)に、これら各制御装置のCPU等に対してリセット信号が出力されるようになっている。
【0021】
なお、リセット信号とは、一般にCPU等を初期状態に戻すための信号であるが、CPU等では、このリセット信号が入力されると、このリセット信号が入力中は実質的に動作を停止する。そして、このリセット信号が解除されると各CPU等は再起動する。
また、停電検出信号を受信した主基板105や払出制御基板104(遊技制御装置や排出制御装置)のCPUは、この場合、強制割込(NMI割込)によって停電処理(停電フラグをセットするなど)を実行する(詳細後述する)。
【0022】
C.遊技機の制御系統
次に、遊技機の制御系統(各制御基板等の構成や機能)について、図3を参照して説明する。
図3において、主基板105は、遊技の総括的制御(遊技進行の制御やそのための各被制御機器の直接的又は間接的な制御含む)を行う遊技制御装置を構成するもので、パチンコ遊技等に必要な役物制御を行うワンチップマイコンからなる遊技用演算処理装置105a(遊技用マイコン:いわゆるアミューズチップ用のICとして製造)を含んで構成され、この遊技用演算処理装置105aは、CPU、ROM、RAM、及び各種信号の入出力を行う入出力インターフェース(図示省略)を備えている。
またこの場合、主基板105には、試射試験信号端子105b(この場合正確には、端子群)が設けられ、ここから試験時に必要な各種信号が容易に取り出せるようになっている。なお主基板105は、本発明の振分制御手段及び遊技状態制御手段を構成している。
【0023】
遊技用演算処理装置105aの入出力インターフェースには、前述の始動センサ7、特別入賞口センサ10、通常入賞口センサ13、大入賞口センサ15、第3種始動口センサ18、一般入賞口センサ21,22、及び停止位置センサ130からの検出信号が入力される。
また、遊技用演算処理装置105aの入出力インターフェースには、賞球排出および貸球排出のためのパチンコ球が有るかどうかを検出する半端球検出スイッチ141、遊技機前面下部に設けられた下皿(図示省略)の満杯状態(パチンコ球の過剰貯留)を検出するオーバーフロースイッチ142、遊技機前面のガラスを支持するガラス枠(金枠)が開けられたことを検出するガラス枠開放スイッチ143からの検出信号も入力されている。また、後述する排出ユニットの賞球検出センサ161、162からの検出信号も入力されている。
【0024】
一方、遊技用演算処理装置105aの入出力インターフェースからは、既述した普図の変動表示ゲームを実行するための表示装置4を制御する表示制御基板108、遊技盤上のサイドランプ24,25などの制御を行うランプ制御基板107、スピーカ106bを駆動して効果音などの出力制御を行う音制御装置106、前述した回転体8のモータ135、変動入賞装置14の開閉扉を駆動する大入賞口ソレノイド137、盤用外部接続端子盤138、及び試射試験信号端子105bに信号が出力される。
また、この入出力インターフェースからは、払出制御基板104(排出制御装置)に対して、賞球データ等の信号が賞球パラレル通信によって出力される。
なお、この遊技制御装置(主基板105)の遊技用演算処理装置105aは、電源遮断時に中断した信号(少なくともモータ135の制御信号含む)の出力処理を、電源復帰時に電源遮断時の状態からそのまま再開する機能(即ち、バックアップ機能)を有している。
【0025】
次に、発射制御基板103は、発射制御装置を構成するもので、この場合ロジック回路よりなり、発射操作ハンドル(図示省略)の回動量に応じて発射装置(図示省略)の発射モータ103aを駆動制御し、発射操作ハンドルの回動量に対応した強さでパチンコ球を発射させる制御を行う。なお、発射制御装置103には、発射操作ハンドルに設けられたタッチセンサ103bや発射停止スイッチ103cの信号が入力されており、発射操作ハンドルから遊技者の手が離れたことがタッチセンサ103bにより検出されるか、或いは、発射停止スイッチ103cから操作信号が入力されると、発射ユニットの発射動作が強制停止される構成となっている。また、発射制御装置103には、排出制御装置104から発射停止信号が入力されるようになっており、この発射停止信号は、排出制御装置(払出制御基板104)側で何らかの異常を検知した場合に、発射ユニットの発射動作を強制停止したり、あるいは異常が解消された場合に発射動作を可能にするための信号である。
【0026】
次に、払出制御基板104は、排出制御装置を構成するもので、遊技制御装置(主基板105)から賞球パラレル通信によって送信された賞球データ等や、賞球検出センサ161、162からの検出信号に基づいて賞球排出の制御を実行し、また貸球の排出制御も行う。
この場合の払出制御基板104は、ワンチップマイコンからなる払出用演算処理装置104aを含んで構成され、この払出用演算処理装置104aは、CPU、ROM、RAM、及び入出力用インターフェースとを含む。
また、払出用演算処理装置104aは、その入出力用インターフェースを介してカードユニット接続基板201との間でカードユニット通信を行うことによって、カードユニット接続基板201を介してカードユニット202や操作パネル基板203との間で信号(カードユニット制御信号や操作パネル信号)の授受を行い、貸球排出に必要な制御を行う。なお、操作パネル基板203は、遊技機前面下方の前面操作パネル(図示省略)に設けられた貸球排出のための操作部材や表示部材(図示省略)用の接続回路等が設けられた基板である。
また、払出用演算処理装置104aの入出力用インターフェースには、後述する排出ユニットの貸球検出センサ175、176や賞球検出センサ161、162からの信号が入力されている。
また、払出用演算処理装置104aの入出力用インターフェースからは、後述する排出ユニットのパチンコ球排出モーター181、ストッパーソレノイド182、および流路切換ソレノイド183に制御信号が出力されるとともに、枠用外部接続端子盤139に枠用外部情報が出力されている。
【0027】
なおここで、排出ユニット(図示省略)や、排出制御装置(払出制御基板104)による排出制御について説明しておく。
排出ユニットは、払出制御基板104によって制御されて、遊技機裏側上部に配置された貯留タンク(図示省略)から誘導されたパチンコ球の排出(賞球としての賞球排出又は貸球としての貸球排出)を実行するパチンコ球排出機構(この場合、2条タイプのもの)である。この排出ユニット上部には、スプロケット(図示省略)が設けられ、このスプロケットの外周の谷部にパチンコ球が1個宛はまり込んで、必ずこのスプロケットの回転を伴いながらパチンコ球が流下して排出されるようになっている。そして、このスプロケットを回転駆動するパルスモータからなるパチンコ球排出モーター181(図3に示す)と、重力によるスプロケットの不用意な回転(即ち、パチンコ球の不用意な排出)を防止すべくスプロケットに係止する方向に付勢されたストッパー(図示省略)と、このストッパーの係止を解除するストッパーソレノイド182(図3に示す)とを有している。
【0028】
また、この排出ユニットは、2条のパチンコ球流路がユニット下部でそれぞれ二つに分岐して、一方が賞球を通過させる賞球流路(図示略)となっており、他方が貸球を通過させる貸球流路(図示略)となっている。この分岐部には、流路切換弁(図示略)が設けられ、この流路切換弁が流路切換ソレノイド183(図3に示す)に駆動されて揺動することにより、パチンコ球流路の下流側に排出されたパチンコ球が、賞球流路と貸球流路のうちのいずれか一方を通過する構成となっている。
この排出ユニットでは、排出制御装置の制御によりストッパーソレノイド182が作動すると(励磁されると)、前記ストッパーの係止状態が解除され、この係止解除状態において、排出制御装置の制御によりパチンコ球排出モータ181が作動して前記スプロケットが排出方向に所定量だけ回転することによって、それに対応した数量のパチンコ球が下流側に重力により送り出される。そして、こうして送り出されたパチンコ球は、排出制御装置の制御に基づく前記流路切換ソレノイド183の動作によって、賞球流路又は貸球流路の一方から排出され、所定量の賞球排出又は貸球排出が実現される。
また、貸球検出センサ175,176は、前述した各貸球流路を通過するパチンコ球(即ち、貸球)をそれぞれ検出するセンサであり、賞球検出センサ161,162は、前述の各賞球流路を通過するパチンコ球(即ち、賞球)をそれぞれ検出するセンサである。
【0029】
次に、音声制御基板106は、音制御装置を構成するもので、CPU106aを含むマイコンよりなり、遊技制御装置(主基板105)から音声パラレル通信によって送信された音データを含む制御信号に基づき、効果音を生成してスピーカ106bから出力する等、効果音に関する制御を行う。
また、ランプ制御基板107は、装飾制御装置を構成するもので、CPU107aを含むマイコンによりなり、遊技制御装置(主基板105)からランプパラレル通信によって送信された装飾データを含む制御信号に基づき、遊技盤1に配置されたサイドランプ24,25等の電飾部材や表示部の発光を制御するとともに、この電飾部材や表示部に電源を供給している。
【0030】
また、表示制御基板108は、表示制御装置を構成するもので、やはりCPU108aを含むマイコンによりなり、遊技制御装置(主基板105)から表示パラレル通信によって送信される表示制御信号に基づき表示装置4の画像表示を制御するとともに、表示装置4に電源を供給している。
なお、この表示制御基板108には、図3に示すように、試射試験信号端子108b(この場合正確には、端子群)が設けられ、ここから試験時に必要な各種信号が容易に取り出せるようになっている。
【0031】
次に、盤用外部接続端子盤138は、主基板105に接続された遊技盤側の外部情報端子が設けられた基板であり、ここから外部の装置(例えば、管理装置3や呼出ランプ2)に、盤用外部情報(例えば特別遊技状態の発生に係わる情報など)を出力するためのものである。
また、枠用外部接続端子盤139は、払出制御基板104やタンクパチンコ球切れスイッチ139aに接続された枠側の外部情報端子が設けられた基板であり、ここから外部の装置に、枠用外部情報(例えば、賞球や貸球の検出信号や、タンクパチンコ球切れ信号)が出力されている。なお、タンクパチンコ球切れスイッチ139aは、前述した貯留タンクのパチンコ球の量が不足している(又はゼロである)ことを検出して、パチンコ球の補給を島設備側に要求するタンクパチンコ球切れ信号を出力するセンサである。
【0032】
F.制御系の動作
次に、遊技制御装置等の制御処理の一例について説明する。
(a)メイン処理
まず、遊技制御装置(遊技用演算処理装置;マイコン105a)のメイン処理を、図4及び図5により説明する。
リセット信号が非アクティブとなりマイコン105aが起動すると、通常割込を禁止し、CPUを初期化した後、全出力ポートにオフ信号(2値信号の「0」に相当する信号)を出力する(ステップS1〜S3)。なお、リセット信号によってマイコン105aの各ドライバICはオフ設定(リセット)されているので、ソフト的に各ポートにオフ信号を出力する必要は必ずしもないが、ここでは念のためにステップS3が設けられている。
次に、停電フラグがRAMに正常に設定(記憶)されているか否か判断し(ステップS4)、正常であれば電源復帰時であるとしてステップS5に進み、異常であれば(正常に記憶されてなければ)通常の電源投入時であるとしてステップS12に進む。なお、停電フラグは、後述する強制割込処理(停電処理;図7)におけるステップS55で設定されるもので、例えば1バイトのデータで構成されている。即ち、RAMの停電フラグを設定するエリア(停電検査領域)の値は、通常の電源投入時(初期化状態)には初期化時の値(例えば、11111111b:FFh)になり、停電フラグとしては、このエリアに特定の値(例えば、01010101b:55h)が設定される。このため、上記停電検査領域の値が、55hのときは停電復帰時であり、55h以外であるときには通常の電源投入時と判定できる。なおこの場合、停電フラグが一旦設定されたものの、電源遮断状態(停電状態含む)が長期にわたり、前述のDC5VBB生成回路33のバックアップ保証期間を越えてしまい、そのために停電フラグのデータが55h以外となったとき(データが正常に記憶されていないとき)にも、通常の電源投入時と判定される(ステップS12に進む)。
そして、通常の電源投入時と判定された場合(ステップS12に進んだ場合)には、RAMの全領域の初期化処理、スタックポインタの設定、初期値の必要なRAMの領域に初期値を設定する処理、リセットコマンドの送信処理を行った後(ステップS12〜S15)、通常割込処理(図6)を起動すべく割込タイマ(CTC;カウンタタイマサーキット)を設定して割込を許可し(ステップS16,S17)、ステップS18(図5に示す)に進む。
【0033】
ステップS18では、RAM検査領域のチェックを行い、その結果が正常の場合は、ステップS20〜S27の処理へ進み、一方、検査結果が異常の場合は、初期化するためステップS1に戻ってステップS1〜S3,S12〜S17の処理を実行する(ステップS19)。ここで、RAM検査領域のチェックとは、ステップS18で、RAMの検査領域に例えば55hを書き込み、ステップS20〜S27の一連の処理実行後に、その検査領域のデータが55hのままか否か(壊れていないか否か)をチェックするという周知のものである。
次に、ステップS20(スイッチ入力監視処理)では、例えば後述する通常割込処理(図6)のステップS42で設定されるスイッチ入力フラグを監視し、始動センサ7のスイッチ入力フラグが設定されていると、当たり乱数(後述のステップS40で生成される乱数)を抽出し記憶するなどの処理を実行する。
なお、上記スイッチ入力フラグは、各センサの検出信号のアクティブ状態(例えば、Hレベル)が2回連続して読み取られると、設定されるフラグである。
また、ステップS20では、賞球関係のセンサ類の検出信号の読み取り結果に応じて、未排出の賞球数情報の記憶値を更新(加算又は減算)する処理も行う。
そして、こうして決定された賞球数の情報(賞球数情報)は、後述するステップS26、S36の処理によって払出コマンドとして排出制御装置104に送信される。
【0034】
次に、ステップS21では、エラーの発生/解除を監視し、エラー情報を設定する。
次いで、ステップS22では、3種ゲーム処理(前述の特別遊技状態に係わる制御情報の決定処理)を行う。特にこのステップS22では、後述する振分動作処理(図8)が行われ、回転体8のモータ135を制御する制御信号の出力設定がなされる。
次に、ステップS23では、普図(表示装置4に表示される識別情報)の変動表示ゲームのための処理(ステップS20で抽出記憶した当たり乱数が当たりか否か判定する処理含む)や、表示装置4での演出表示のための処理などを行う。即ち、普図の変動表示ゲームの進行状況に合わせて、表示制御装置108、装飾制御装置107、音制御装置106などへ送信する制御情報(コマンド)の内容(コマンドデータ)を設定する。
【0035】
次に、ステップS24では、例えば特別遊技状態の進行状況に応じて、大入賞口ソレノイド137に対するオンデータ又はオフデータを送信領域に設定する。
次に、ステップS25では、例えば普図の変動表示ゲームの進行状態に基づいて、当たり信号や図柄確定回数信号等を、管理装置に通知すべく、これらの信号を送信領域に設定する。
次いで、ステップS26では、前記ステップS23等で設定された各コマンドを送信順に編集し、送信領域に設定する。
次に、ステップS27では、このステップS27に処理が進む度に、演出用の各乱数値を「1」だけ増加させて各乱数値を更新する。なお、演出用の乱数としては、例えば普図の変動表示におけるいわゆるリーチ態様を決定するリーチ乱数がある。
【0036】
一方、図4に戻って、ステップS4で電源復帰時であると判定された場合には、ステップS5に進み、後述する強制割込処理(図7)でRAMに記憶保持していたスタックポインタのデータを読み込んでスタックポインタのデータとして設定した後(即ち、スタックポインタのデータを復帰させた後)、記憶保持していた情報に基づいて初期化すべき特定のRAM領域のみを初期化する(ステップS6)。
次に、排出制御装置104を除く他の制御装置(表示制御装置108、装飾制御装置107、音制御装置106)に電源復帰を通知するコマンド(電源復帰時コマンド)を送信するための処理を実行し(ステップS7)、その後、処理を再開すべく出力ポートの状態を電源遮断時の状態に復元する処理を行う(ステップS8)。なお、この出力ポートの復元処理により、前記モータ135の制御状態も電源遮断時の状態に復元されるため、電源遮断時に権利発生装置5の回転体8が何れかの方向に回転動作中であった場合には、電源復帰時に回転体8の当該方向への回転動作がそのまま再開される。
【0037】
その後、ステップS9では、通常割込処理(図6)を起動すべく、割込タイマを起動し、次のステップS10では、全レジスタのデータを復元する(後述する強制割込処理でRAMに記憶保持していたレジスタのデータを読み込んで設定する)。
そしてステップS11では、割込の状態(許可又は禁止)を電源遮断時の状態に復元し、リターンする。即ち、後述する強制割込処理でRAMに記憶保持していた割込の状態のデータを読み込んで設定し、その後、強制割込による中断時(即ち、電源遮断時)のアドレス(中断アドレス)にリターンする。これにより、電源遮断時の状態から遊技機の動作が再開される。
【0038】
(b)通常割込処理
次に、遊技制御装置(マイコン105a)の通常割込処理を、図6により説明する。
この通常割込処理は、前述したステップS9又はS16の処理によって起動され、この場合0.5msec毎に実行される。
まず、ステップS31で、レジスタのデータをRAMの所定エリアに退避させ、次いでステップS32では、前述したメイン処理のステップS22やS24,S25等で設定された出力データを出力ポートに設定し出力する出力処理を実行し、次いで、ステップS33では、前述のステップS26で編集された表示制御装置108への制御情報(コマンド)を送信する処理を実行する。
次いで、ステップS34で時分割カウンタの値を更新し、ステップS35の分岐処理で時分割カウンタに対応する処理に進む。例えば、「0」〜「7」の範囲で値が順次変化する時分割カウンタの値が「0,2,4,6」の場合には、ステップS40〜S42を順次実行し、時分割カウンタの値が「1」の場合にはステップS36を実行し、時分割カウンタの値が「3」の場合にはステップS37を実行し、時分割カウンタの値が「5」の場合にはステップS38を実行し、時分割カウンタの値が「7」の場合にはステップS39を実行する。なおこの場合、このような時分割によって、ステップS40〜S42は1msec毎に実行されることになり、ステップS36〜S39はそれぞれ4msec毎に実行されることになる。
【0039】
そして、ステップS40は、遊技用の各乱数値を「1」だけ増加させて各乱数値を更新する。なお、遊技用の乱数としては、普図の当たりを決定する当たり乱数がある。
また、ステップS41では、タイマ更新処理1を実行する。タイマ更新処理1は、メイン処理の各処理で使用するための時間(1msec毎に更新すべきもの)を生成するものである。
また、ステップS42では、ポート入力処理を行う。ポート入力処理は、マイコン105aの各入力ポートに入力されている信号を読み込む処理であり、スイッチ読込処理が含まれる。即ちここでは、各センサ類(始動センサ7、特別入賞口センサ10、通常入賞口センサ13、大入賞口センサ15、第3種始動口センサ18、一般入賞口センサ21,22、停止位置センサ130、半端球検出スイッチ141、オーバーフロースイッチ142、ガラス枠開放スイッチ143、及び賞球検出センサ161、162)の検出信号の読み取りを実行する。具体的には、各センサの出力値をこの場合1msec毎に判定し、同じレベルの出力値が規程回数(この場合2回)以上継続した場合に、この出力値のレベルを各センサの検出信号の確定的な値として読み取るようにして、チャタリングを防止している。
【0040】
また、ステップS36〜38では、前述のステップS26で編集された各制御装置(排出制御装置104、音制御装置106、装飾制御装置107)への制御情報(コマンド)をそれぞれ送信する処理を実行する。
また、ステップS39では、タイマ更新処理2を実行する。タイマ更新処理2は、メイン処理の各処理で使用するための時間(4msec毎に更新すべきもの)を生成するものである。
次いで、ステップS43,S44では、メイン処理を再開すべく、ステップS31で退避したレジスタの値を復帰し、割込を許可し、その後、割込時に中断した処理に復帰(リターン)する。
【0041】
(c)強制割込処理(停電処理)
次に、遊技制御装置(マイコン105a)により行われる停電処理を、図7により説明する。なおこの処理は、この場合、前述の停電検出回路102cから入力される停電検出信号をNMI割込信号として、実行中の処理を中断して強制的に開始されるものである。
処理が開始されると(即ち、上記停電検出信号が入力されると)、ステップS51〜S53において、まず、NMI割込発生前のタイマ割込の許可・禁止状態のデータ、及び全レジスタやスタックポインタのデータを、バックアップされているRAMの所定エリアに全て保存する。
次いで、ステップS54で全ての出力をオフし(全出力ポートにオフデータを出力し)、ステップS55でRAMの停電検査領域に停電フラグをセットして、最後にRAMへのアクセスを禁止した後(ステップS56)、待機する(リセット信号入力待ち状態となる)。
ここで、出力をオフしRAMへのアクセスを禁止して待機する処理は、リセット信号によってハード的に動作停止するまで実質的に機能を停止(ソフト的に動作停止)して、不定な信号が出力されたり不定なデータが誤ってRAMに書き込まれることを信頼性高く防止するためのものである。また、全レジスタやスタックポインタ等の全データを保存する処理は、電源復帰後に電源遮断時と同じ状態(遊技状態や遊技制御状態又は排出制御状態等含む)に復帰して動作を電源遮断時点の状態からそのまま再開できるようにするための処理である。
【0042】
(d)振分動作処理
次に、前述したメイン処理のステップS22で行われる振分動作処理について、図8により説明する。
まずステップS61で、前述のステップS23の処理により行われた普図の変動表示ゲームの結果を導出したか否かを、また結果が導出された場合には当りであるか否かを判定する。即ち、表示装置4の変動表示の停止結果が導出されたか、また導出された場合には特定の図柄(例えば、「33」、「77」)になったか否か判定する。そして、当りであれば、ステップS62に進んで回転体8を反時計回り(CCW回転)方向に回転させるように、モータ135に対する制御信号を設定する。また、外れの場合には、ステップS63に進んで回転体8を時計回り(CW回転)方向に回転させるように、モータ135に対する制御信号を設定する。また、結果の導出がなければ制御信号の設定は行わない。なお、ここで設定されたモータ135に対する制御信号は、ステップS32(図6)の処理で出力され、実際に回転体8が前記通常停止位置から所定方向に駆動される。
次いでステップS64では、監視スイッチ(特別入賞口センサ10又は通常入賞口センサ13)の検出信号がオンとなった場合に設定される監視SW検出フラグを監視する。監視SW検出フラグがオンであるとステップS65に進み、そうでない場合には、振分動作処理を終了する(即ち、設定されている回転体8の動作を継続させる)。なお、例えば監視スイッチ(特別入賞口センサ10又は通常入賞口センサ13)の検出信号が規定時間を越えてオンにならなかった場合には、表示制御装置108に対して振分動作異常を報知する表示(例えば、後述する図11(c)のような表示)を指令するコマンドを設定するようにしてもよい。
次にステップS65では、停止位置センサ130の検出信号がオンとなったか否か判定され、オンになると(回転体8が前記通常停止位置になると)ステップS66に進み、そうでない場合には、振分動作処理を終了する(即ち、設定されている回転体8の動作を継続させる)。
そしてステップS66では、モータ135を停止させる制御信号を設定する(回転体8を前記通常停止位置で停止させる)。
【0043】
上記振分動作処理によれば、まずステップS61〜S63の処理によって、普図の変動表示ゲームが終了すると、当りの場合には回転体8が通常停止位置から反時計方向へ、外れの場合には回転体8が通常停止位置から時計方向へ駆動される。これにより、普図の変動表示ゲームの起因となったパチンコ球(普図始動ゲート6に入ったパチンコ球)は、図2に示すように、回転体8の切欠部9に受け入れられた状態で、当りの場合には特別入賞口11(特定領域)に導入され、外れの場合には通常入賞口12(通常領域)に導入される。
次に、ステップS64〜S66の処理によれば、上記パチンコ球の入賞が特別入賞口センサ10(特定検出手段)又は通常入賞口センサ13(通常検出手段)により検出され、さらに回転体8が前記通常停止位置になったことが検出されると、回転体8の駆動が停止され、回転体8は再び前記通常停止位置に保持された状態に制御される。
なお、図9(a)は上記動作(普図外れの場合)を示すタイミングチャートであり、図9(b)は上記動作(普図当りの場合)を示すタイミングチャートである。普図外れの場合には、回転体8が時計方向に回転し、通常入賞口センサ13の出力(通常領域検出信号)がアクティブとなったことを条件として、停止位置センサ130の検出信号(位置検出信号)の例えば立ち上がりエッジで回転体8が停止する。また、普図当りの場合には、回転体8が反時計方向に回転し、特別入賞口センサ10の出力(特定領域検出信号)がアクティブとなったことを条件として、停止位置センサ130の検出信号(位置検出信号)の例えば立ち上がりエッジで回転体8が停止する。
【0044】
また、ステップS64の処理によれば、上記パチンコ球の入賞が特別入賞口センサ10又は通常入賞口センサ13により検出されない場合には、普図の変動表示結果に応じた当該回転方向での回転体8の回転動作が継続されることになる。
このため、例えば図10(a)に示すように、回転体8が回転した後のタイミングで電源遮断が発生し、実際には特別入賞口11(特定領域)又は通常入賞口12(通常領域)にパチンコ球が入ったのにこれが検出されなかった場合には、電源遮断終了後(電源復帰後)に回転体8が電源遮断前の方向の回転動作をそのまま再開し、位置検出信号がその後アクティブになってもその回転動作を継続する。そしてこの回転動作は、例えば図10(b)に示すように、特別入賞口センサ10又は通常入賞口センサ13の信号がアクティブになると、その後に位置検出信号がアクティブになった時点で停止する。
なお、特別入賞口センサ10又は通常入賞口センサ13の故障(信号線等の断線故障含む)によって、実際には特別入賞口11(特定領域)又は通常入賞口12(通常領域)にパチンコ球が入ったのにこれが検出されなかった場合にも、上記回転体8は回転動作を継続することになる。
これにより、権利発生装置5の振分動作に係わる上述したような異常(電源遮断や故障による入賞検出の欠落)が、回転体8の回転の継続という目に見える動作で明確に表現される。また、継続されている回転体8の回転動作の方向によって、発生すべき権利(特別遊技状態)の喪失(電源遮断や故障による特別入賞口センサ10の入賞検出の欠落)が、同様に明確に表現される。即ち、回転体8がこの場合反時計回りに回転し続けていれば、実際には普図当りが生じて特別入賞口11(特定領域)にパチンコ球が入賞しているのに、電源遮断等の要因で第3種の権利が発生しなかったことが明示される。
【0045】
(e)表示装置の情報表示例
次に、表示装置4の出力例について説明する。
本形態例では、電源復帰時等に、図11に示すような遊技機の状態を報知するための表示が表示装置4において実行される。
まず図11(a)は、電源復帰時(この場合は、起動時の図4のメイン処理がステップS5に進んだ場合)における表示装置4の画面の表示例である。電源遮断時の状態が例えば変動表示中であれば、この図のようにその変動表示が電源遮断時の状態から再開されるとともに、「停電から復帰しました。」などの文字が画面の一部に表示されて電源復帰時であることが遊技者等に報知される。これにより、電源復帰時に遊技者が不安感等を感じることなく安心して遊技を再開できるし、遊技場の係員等が遊技機の電源復帰動作(バックアップされたデータがあり、バックアップした状態情報に基づいて電源遮断時の状態から遊技が再開されたこと)を明確に確認できる。
なお、このような停電復帰状態の報知のための表示は、例えば前述したステップS7(図4)の処理において遊技制御装置105が表示制御装置108に対するそのためのコマンドを設定することによって実現される。或いは、例えば前述したステップS7(図4)の処理によって遊技制御装置105から送信される電源復帰を示すコマンドを受けて、表示制御装置108が自身の制御処理によって上述したような状態報知の文字等を表示する態様でもよい。
【0046】
次に図11(b)は、通常の電源投入時(起動時の図4のメイン処理がステップS12に進んだ場合)における表示装置4の画面の表示例である。通常の電源投入時は、この図のようにいわゆる客待ち用の図柄表示が実行されるとともに、「初期状態です。」などの文字が画面の一部に表示されて通常の電源投入時であることが遊技者等に報知される。これにより、電源投入時に遊技者が不安感等を感じることなく安心して遊技を開始できるし、遊技場の係員等が遊技機の通常の起動状態(バックアップされたデータがなく初期化された状態から遊技が開始されたこと)を明確に確認できる。
なお、このような電源投入状態の報知のための表示は、例えば前述したステップS23又はS26(図5)の処理において遊技制御装置105が表示制御装置108に対するそのためのコマンドを設定することによって実現される。或いは、例えば前述した電源復帰を示すコマンド(ステップS7)が起動時に受信できない場合に、表示制御装置108が自身の制御処理によって上述したような状態報知の文字等を表示する態様でもよい。
【0047】
次に図11(c)は、前述した振分動作に係わる異常(電源遮断や故障による入賞検出の欠落)を、表示装置4の表示によって報知する例である。前述した振分動作に係わる異常が起きたときには、この図のように「振分動作異常です。」などの文字が画面の一部に表示されて上記異常発生が遊技者等に報知される。これにより、上記異常が起きたことを遊技者や遊技場の係員等がより明確に確認できる。
なお、このような異常報知のための表示は、例えば前述したステップS64(図8)の処理において遊技制御装置105が表示制御装置108に対するそのためのコマンドを設定することによって実現できる。
【0048】
以上説明した本形態例の遊技機によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)断線や停電等によって振分動作に係わる入賞検出の欠落が起こった場合には、回転体8の動作状態が継続されるため、それによる遊技者の損失(発生すべき特別遊技状態が発生しなかったこと、或いは払い出されるべき賞球が払い出されなかったこと)の証拠を残すことができる。特に、回転体8が第3種の権利(特別遊技状態)を生起せしめる方向(この場合、図1における反時計回り)に作動開始した後、権利発生前に電源遮断が生じたときでも、電源復帰後にその方向での回転体8の動作が継続されるため、この動作を証拠として遊技者が遊技場に対してその損失(第3種の権利の喪失)を補償するようにアピールすることができる。また、遊技場にとっては、この動作によって上記損失があったことを誤りなく確認して、上記損失を補償する対応を適正に実行可能である。なお、上記損失を補償する対応とは、具体的には、例えば遊技場の係員が手作業で特別入賞口11にパチンコ球を入れて特別入賞口センサ10を作動させ、強制的に権利を発生させるといった対応があり得る。
【0049】
(2)また本形態例では、普図始動ゲート6に遊技媒体であるパチンコ球が滞留可能となっている。このため、普図始動ゲート6に入ったパチンコ球が回転体8により振り分けられる前に電源遮断が起きた場合には、このパチンコ球を普図始動ゲート6に保持して、電源復帰後の動作再開によって正常に振り分けることができ、このような電源遮断によって生じる恐れのある遊技者の損失を確実に回避できる。例えば、回転体8が普図外れとなったパチンコ球を通常入賞口12に導入して通常停止位置に戻るべく回転している途中で、普図始動ゲート6にパチンコ球が入り、その直後に電源遮断が起こった場合でも、そのパチンコ球は普図始動ゲート6に滞留しているので、電源復帰後の動作再開によって普図の変動表示が行われて普図当りとなれば、そのパチンコ球が回転体8の動作再開によって特別入賞口11に導入されて権利が確実に発生する。
【0050】
(3)また本形態例では、特別入賞口センサ10又は通常入賞口センサ13によって遊技媒体が検出されたときに、回転体8の回転動作の継続を停止する構成である。このため、センサの故障等が起こっていない限りにおいて、例えば遊技者が普図始動ゲート6に遊技媒体であるパチンコ球を打ち込み何れかのセンサ10又は13に検出させることによって、この回転動作の継続を故意に停止させることができるし、或いは遊技場の係員が遊技機の全面を覆う部材(例えば、ガラス枠)を開けて手作業でパチンコ球を普図始動ゲート6(或いは、特別入賞口11又は通常入賞口12)に入れることによっても、この回転動作の継続を容易に停止させることができる。つまり、遊技者又は係員等の判断で容易に通常状態(断線や停電等の異常による回転体8の回転動作の継続が行われていない状態)に復帰させることができて便利である。
(4)また本形態例では、普図の変動表示結果に応じて、回転体8を何れかの方向に回転させ、特別入賞口センサ10又は通常入賞口センサ13によって遊技媒体が検出されると、回転体8を所定位置(通常停止位置)にて停止させる。即ち、普段は回転体8が停止状態に保持される。また正常であれば、回転体が回転したとしても、通常停止位置から一回転して再び通常停止位置に戻るだけの動作である。このため、前述したように回転体8の回転動作が継続することによって、正常状態と明確に区別して異常状態であること(センサ等の故障も含む)が瞬時かつ明確に分かる。特に、停電復帰時に回転体8が動いていれば(少なくとも通常停止位置を越えて回転すれば)、電源遮断によってセンサ10又は13によるパチンコ球の検出が欠落したことがすぐに分かるし、その回転方向が特定領域に誘導する当り方向(この場合、反時計回り)であれば、それにより発生すべき遊技者の利益(第3種の権利)が喪失されたことが、一見して分かる。
【0051】
なお、本発明は上記実施の形態に限られず、各種の変形,応用があり得る。
例えば上記実施の形態では、回転体が遊技媒体を通常領域に導入する方向に回転して、通常検出手段によって遊技媒体が検出されない場合にも、回転体の回転動作の継続を実行するようにしているが、回転体が遊技媒体を特定領域に導入する方向に回転して、特定検出手段によって遊技媒体が検出されない場合にのみ、回転体の回転動作の継続を実行するようにしてもよい。この場合には、少なくとも特定領域での遊技媒体検出の欠落による遊技者の損失(特別遊技状態が発生しない不利益や、特定領域への入賞に対する賞の払い出しが実行されない不利益)を補償可能である。
また上記実施の形態では、バックアップ機能を有する遊技機に本発明を適用した場合を例示したが、バックアップ機能を有さない遊技機に本発明を適用しても意味がある。バックアップ機能がないと、通常の場合、電源遮断後の電源復帰時に制御処理の各種設定が原則的に初期化されてしまうため、回転体の回転動作の継続が電源復帰時に再開されず、電源遮断による遊技者の損失を補償することが困難になる。しかし、断線等の故障によって、特定領域等での遊技媒体検出が不能となった場合については、回転体の回転動作の継続を実行して証拠を残し、それによる損失を補償可能だからである。
【0052】
また上記実施の形態では、特定検出手段又は通常検出手段によって遊技媒体が検出されない場合には、無条件に回転体の回転動作を継続させるようにしているが、これに限られない。例えば、回転体の動作が電源遮断時に記憶保持された内容に基づいて行われる場合にのみ、回転体の回転動作の継続を行う構成でもよい。即ち、例えば断線や検出手段等の故障によって遊技媒体が検出されない異常が発生した場合には、上記回転動作の継続を行わないようにしてもよい。このようにすれば、不正な補償要求の危険(例えば、故意に断線故障等を起こして回転動作を継続させ、不正に喪失利益の補償を要求するもの)を排除することができる。
また、回転体の回転動作の継続を停止させる条件(所定条件)は、受入部に設けられた受入部検出手段によって遊技媒体が検出されることであってもよい。この構成でも、次のような効果が得られる。即ち、受入部検出手段の故障等が起こっていない限りにおいて、例えば遊技者が受入部に遊技媒体を打ち込み受入部検出手段に検出させることによって、この回転動作の継続を故意に停止させることができるし、或いは遊技場の係員が手作業でパチンコ球を受入部に入れることによっても、この回転動作の継続を容易に停止させることができる。つまり、遊技者又は係員等の判断で容易に通常状態に復帰させることができて便利である。
【0053】
また、電源復帰時に動作を再開したとき、振分装置(回転体)の回転動作の継続が実行されており、当該回転動作の回転方向が当り方向(遊技媒体を特定領域に誘導する方向)である場合には、特定検出手段による遊技媒体の検出があったとみなして、特別遊技状態を生起せしめる処理構成としてもよい。このようにすれば、遊技者に対する補償が迅速かつ的確になされることになり、遊技者が遊技場にアピールしたりする手間や、係員が前述した対応を行う手間が省ける。
なお、このような遊技媒体検出のみなしによる特別遊技状態の発生処理は、上記当り方向の回転動作の継続が、例えばある程度の監視期間を越えて続いた場合にのみ行うようにすることが望ましい。例えば、電源復帰時に回転体が動作を再開したとき、電源遮断により回転体に保持されたままであったパチンコ球が特定領域に導入されて、パチンコ球が検出されない異常が自然に解消される場合があり、このような場合に上述したような処理を行うと、特定検出手段によるパチンコ球の検出が制御上誤って2回に行われることになり、第3種のパチンコ機であれば、発生した特別遊技状態がすぐに解除されてしまういわゆるパンクが生じるからである。
【0054】
また上記形態例では、振分装置(回転体)を通常では停止状態に保持しているが、外れ方向(遊技媒体を通常領域に誘導する方向)に回転させておく態様でもよい。即ち、表示装置の変動表示結果に応じて回転体を何れかの方向に回転させ、特定検出手段又は前記通常検出手段によって遊技媒体が検出されると、回転体を外れ方向に回転させる構成でもよい。このような場合でも、少なくとも特定領域への入賞に関して遊技者が利益喪失しているか否かは、通常状態と区別して容易に判断できる。当り方向の回転が継続していれば、特定検出手段による検出が断線や停電等によって行われなかったこと(即ち、少なくとも発生すべき特別遊技状態が発生しなかったこと)が容易に分かるからである。
また上記形態例では、特定検出手段等による検出がなされない異常が発生したことを、振分装置(回転体)の動作と表示装置による表示で報知する例を示したが、LEDやランプの点灯又は点滅等による報知、或いは音声による報知等を行ってもよいことはいうまでもない。
【0055】
また上記形態例では、バックアップ電源によって電源遮断時の記憶保持を実現しているが、不揮発性の記憶手段を設けて、電源遮断時にはこの不揮発性の記憶手段に必要な情報(動作再開のための情報)を記憶保持するようにしてもよい。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0056】
【発明の効果】
本発明の遊技機によれば、以下の効果を得ることができる。
即ち、断線等によって振分動作に係わる遊技媒体検出の欠落(少なくとも特定領域での遊技媒体検出の欠落)が起こった場合には、回転体の動作状態が継続されるため、それによる利益喪失(少なくとも特定領域に遊技媒体が導入されることによる特別遊技状態発生等の利益を失うこと)の証拠を残すことができる。
このため、遊技者が遊技場に対してその損失(特別遊技状態発生の喪失)を補償するようにアピールすることができる。また、遊技場にとっては、回転体の動作継続によって上記損失があったことを誤りなく確認して、上記損失を補償する対応を適正に実行可能である。
また、停電等の電源遮断による遊技媒体検出の欠落(少なくとも特定領域での遊技媒体検出の欠落)が起こった場合にも、電源復帰後においてその証拠を残すことができる。例えば、回転体が遊技者に有利な遊技状態を生起せしめる方向(遊技媒体を特定領域に導入する方向)に作動開始した後、特別遊技状態発生前(特定領域での遊技媒体検出前)に電源遮断が生じたときでも、電源復帰後にその方向での回転体の動作が継続されるため、この動作を証拠として遊技者が遊技場に対してその損失(少なくとも特別遊技状態発生の喪失)を補償するようにアピールすることができる。また、遊技場にとっては、この動作によって上記損失があったことを誤りなく確認して、上記損失を補償する対応を適正に実行可能である。
【0057】
また請求項2記載のように、電源復帰時に動作を再開したとき、回転体の回転動作の継続が実行されており、当該回転動作の回転方向が遊技媒体を特定領域に導入させる方向である場合には、特定検出手段による遊技媒体検出があったとみなして、特別遊技状態を生起せしめる処理構成としてもよいが、このようにすれば、遊技者に対する補償が迅速かつ的確になされることになり、遊技者が遊技場にアピールしたりする手間や、係員が前述した対応を行う手間が省ける。
また請求項3記載のように、受入部に遊技媒体が滞留可能となっていると、次のような利点がある。即ち、受入部に入った遊技媒体が回転体により振り分けられる前に電源遮断が起きた場合には、この遊技媒体を受入部に保持して、例えば電源復帰後の動作再開によって正常に振り分けることができ、このような電源遮断によって生じる恐れのある遊技者の損失を確実に回避できる。
【0058】
また請求項4記載のように、受入部に設けられた受入部検出手段によって遊技媒体が検出されると、回転体の回転動作の継続を停止させる態様では、次のような効果が得られる。即ち、受入部検出手段の故障等が起こっていない限りにおいて、例えば遊技者が受入部に遊技媒体を打ち込み受入部検出手段に検出させることによって、この回転動作の継続を故意に停止させることができるし、或いは遊技場の係員が手作業でパチンコ球を受入部に入れることによっても、この回転動作の継続を容易に停止させることができる。つまり、遊技者又は係員等の判断で容易に通常状態(異常による回転体の回転動作の継続が行われていない状態)に復帰させることができて便利である。
また請求項5記載のように、特定検出手段又は通常検出手段によって遊技媒体が検出されたときに、回転体の回転動作の継続を停止する態様でも、同様の効果がある。即ち、これら検出手段の故障等が起こっていない限りにおいて、例えば遊技者が受入部に遊技媒体を打ち込み特定検出手段又は通常検出手段に検出させることによって、この回転動作の継続を故意に停止させることができるし、或いは遊技場の係員が手作業でパチンコ球を受入部(或いは、特定領域又は通常領域)に入れることによっても、この回転動作の継続を容易に停止させることができる。
【0059】
また請求項6記載のように、変動表示結果に応じて、回転体を何れかの方向に回転させ、特定検出手段又は通常検出手段によって遊技媒体が検出されると、回転体を所定位置にて停止させる態様の場合には、次のような利点がある。即ち、普段は回転体が停止状態に保持される。また正常であれば、回転体が回転したとしても、所定位置から一回転して再び所定位置に戻るだけの動作である。このため、前述したように回転体の回転動作が継続することによって、正常状態と明確に区別して異常状態であること(遊技媒体検出の欠落が発生したこと)が瞬時かつ明確に分かる。例えば、回転体が不必要に動いていれば(少なくとも所定位置を越えて回転すれば)、断線故障や電源遮断によって検出手段による遊技媒体(振分動作に係わる遊技媒体)の検出が欠落したことがすぐに分かるし、その回転方向が特定領域に誘導する方向であれば、それにより発生すべき遊技者の利益(特に、特別遊技状態の発生)が喪失されたことが、一見して分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パチンコ機の遊技盤を示す図である。
【図2】振分装置の動作を説明する図である。
【図3】パチンコ機の電源供給系統及び制御系統を示す図である。
【図4】遊技制御装置のメインルーチンを示すフローチャートである。
【図5】遊技制御装置のメインルーチンを示すフローチャートである。
【図6】遊技制御装置のタイマ割込処理を示すフローチャートである。
【図7】遊技制御装置の強制割込処理(停電処理)を示すフローチャートである。
【図8】遊技制御装置の振分動作処理を示すフローチャートである。
【図9】振分装置の動作(通常時)を説明するタイミングチャートである。
【図10】振分装置の動作(電源遮断時)を説明するタイミングチャートである。
【図11】表示装置の情報出力例を示す図である。
【符号の説明】
1 遊技盤
1a 遊技領域
4 表示装置
5 権利発生装置
6 普図始動ゲート(受入部、振分手段)
7 始動センサ(受入部検出手段)
8 回転体(振分手段)
9 切欠部
10 特別入賞口センサ(特定検出手段)
11 特別入賞口(特定領域)
12 通常入賞口(通常領域)
13 通常入賞口センサ(通常検出手段)
105 主基板(振分制御手段及び遊技状態制御手段)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001116776A JP4039603B2 (ja) | 2001-04-16 | 2001-04-16 | 遊技機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001116776A JP4039603B2 (ja) | 2001-04-16 | 2001-04-16 | 遊技機 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007162195A Division JP4453926B2 (ja) | 2007-06-20 | 2007-06-20 | 遊技機 |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002306702A JP2002306702A (ja) | 2002-10-22 |
JP2002306702A5 true JP2002306702A5 (ja) | 2004-08-12 |
JP4039603B2 JP4039603B2 (ja) | 2008-01-30 |
Family
ID=18967457
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001116776A Expired - Fee Related JP4039603B2 (ja) | 2001-04-16 | 2001-04-16 | 遊技機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4039603B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4009183B2 (ja) * | 2002-11-14 | 2007-11-14 | 株式会社ソフィア | 遊技機 |
JP2014131600A (ja) * | 2012-12-03 | 2014-07-17 | Takao Co Ltd | 弾球遊技機 |
JP5986167B2 (ja) * | 2014-10-27 | 2016-09-06 | 株式会社平和 | 弾球遊技機 |
JP6831988B2 (ja) * | 2015-08-06 | 2021-02-24 | 株式会社高尾 | 弾球遊技機 |
JP6555227B2 (ja) * | 2016-11-18 | 2019-08-07 | 株式会社三洋物産 | 遊技機 |
JP6593489B2 (ja) * | 2018-05-24 | 2019-10-23 | 株式会社三洋物産 | 遊技機 |
-
2001
- 2001-04-16 JP JP2001116776A patent/JP4039603B2/ja not_active Expired - Fee Related
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4356957B2 (ja) | 遊技機 | |
JP2003236091A (ja) | 遊技機 | |
JP4297466B2 (ja) | 遊技機 | |
JP4947731B2 (ja) | 遊技機 | |
JP2002306702A5 (ja) | ||
JP2002085656A (ja) | 遊技機 | |
JP4039603B2 (ja) | 遊技機 | |
JP2001079165A (ja) | 遊技機 | |
JP4076979B2 (ja) | 遊技機 | |
JP4947744B2 (ja) | 遊技機 | |
JP4947735B2 (ja) | 遊技機 | |
JP5021342B2 (ja) | 遊技台 | |
JP2003334371A (ja) | 遊技機 | |
JP4947730B2 (ja) | 遊技機 | |
JP4453926B2 (ja) | 遊技機 | |
JP4711467B2 (ja) | 遊技機 | |
JP2007229041A (ja) | 遊技機 | |
JP2001293149A (ja) | 遊技機 | |
JP2003310981A (ja) | 遊技機 | |
JP2001334023A (ja) | 遊技機 | |
JP2001246123A (ja) | 遊技機 | |
JP2001113017A (ja) | 遊技機 | |
JP4756662B2 (ja) | 遊技機 | |
JP4756657B2 (ja) | 遊技機 | |
JP4756664B2 (ja) | 遊技機 |