JP2002306165A - 正常眼圧緑内障を含む開放隅角緑内障の関連遺伝子 - Google Patents

正常眼圧緑内障を含む開放隅角緑内障の関連遺伝子

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JP2002306165A JP2000144492A JP2000144492A JP2002306165A JP 2002306165 A JP2002306165 A JP 2002306165A JP 2000144492 A JP2000144492 A JP 2000144492A JP 2000144492 A JP2000144492 A JP 2000144492A JP 2002306165 A JP2002306165 A JP 2002306165A
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thymine
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幸夫 服部
Akira Suzuki
亮 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 正常眼圧緑内障を含む開放隅角緑内障に関連
する遺伝子異常の発見及びその検出キットの作成方法の
提供。 【解決手段】 緑内障に関連する遺伝子として、ミオシ
リン遺伝子の-153位においてチミン(T)をシトシン(C)
に置換したポリヌクレオチドが同定された。これらのポ
リヌクレオチドを検出するために、特定塩基配列プライ
マー、特定塩基配列プローブを用いることができる。さ
らに、上記プライマーまたはプローブを使用したキット
を提供できる。 【効果】これらのキットにより、従来報告された緑内障
関連遺伝子よりはるかに高頻度に正常眼圧緑内障および
開放隅角緑内障が検出できる。遺伝性が心配される家系
や未発症キャリアーであることが心配される患者におい
ては、緑内障のスクリーニングとしても使用することが
できる。正常眼圧緑内障を含む開放隅角緑内障を発症前
に診断することも初めて可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、正常眼圧緑内障を
含む開放隅角緑内障に関連する遺伝子に関する。本発明
は、さらに、緑内障関連遺伝子を検出するためのプライ
マー又はプローブ、緑内障関連遺伝子を検出するための
キット、緑内障の発症前診断キット、および緑内障の予
備的検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】緑内障は、我が国を初め欧米の大きな失
明原因の1つで、日本では、40才以上の3%以上に正
常眼圧緑内障を含む緑内障が見出されている。現在、日
本では約200万人、全世界では約8000万人もが緑
内障に罹患している。先進国全体の統計では、失明原因
の2位であり、しかも高齢化に伴い、その割合は益々増
加している(Quigley, H.A.、N. Engl. J. Med. 1998;
338: 1063-1064を参照)。緑内障は、一般的には眼圧が
健常眼圧より高まることにより、視神経組織の血液循環
が阻害され、視神経線維が消耗、脱落、変性することに
より生じる。緑内障はまず視野に異常が生じ、進行する
とついには失明に至ることもある重篤な眼疾患である。
日本では、正常眼圧緑内障が多いことが特徴で、いわゆ
る高眼圧緑内障の3倍以上の患者が存在する。緑内障治
療には早期の発見が重要である。現在、緑内障の検査に
は、眼圧、視野、および視神経乳頭、視神経線維などの
眼底検査を複数回行う必要がある。しかし、緑内障の眼
圧は短時間でも変動するため、正常眼圧緑内障の診断に
は眼圧測定を一日かけて行うなど時間と労力を要する。
また健眼が患眼の視野を補うため、患者は症状が進行し
ていても緑内障に気付かないことが多い。
【0003】緑内障には様々なタイプがあるが、近年、
原発性開放隅角緑内障(primary open-angle glaucoma,
POAG)に関連する遺伝子が同定されている。この遺伝子
は、第一染色体長腕上に位置し、若年性開放隅角緑内障
遺伝子(GLCL1A)として報告され、ミオシリン(myocilin;
MYOC)という54kdのタンパク質をコードする(Stone,E.
M.ら、Science 1997; 275: 668-670を参照)。
【0004】緑内障に関連するミオシリン遺伝子の多く
の突然変異は、幾つかの研究グループにより報告されて
いる(例えば、Stone, E. M.ら、Science 1997; 275: 6
68-670、Rozsa, F. W.ら、Mol. Vis. 1998; 4: 20、Kub
ota, R.ら、Biochem. Biophys. Res. Comm. 1998; 242:
396-400、Williams-Lyn, D.ら、Can. J. Ophthalmol.
2000; 35: 12-17を参照)。このような突然変異のほと
んどは、エキソンに生じる。若年性開放隅角緑内障に
は、学会発表されたものを含めて22個のアミノ酸変異
が確認されている。しかし、それら既知の全てを合計し
ても、開放隅角緑内障の約3%を説明できるにすぎない
(Alward, W. L. ら、N. Engl. J. Med. 1998; 338: 10
22-1027、Z. Zhouら、Hum. Mol. Genet. 1999; 8: 2221
-2228を参照)。ミオシリンのエキソンには、5つの異
なる対立遺伝子が日本の患者について同定されている
(鈴木ら、Am. J. Hum. Genet. 1997; 61: 1202-1204を
参照)が、これらの対立遺伝子の頻度も極めて少ない。
【0005】プロモーター領域の突然変異としては、-8
3位におけるグアニン(G)からアデニン(A)への置換が報
告されている(Fingert, J. H.ら、Hum. Mol. Genet. 1
999;8: 899-905を参照)。しかし、この突然変異は多型
性に過ぎず、疾患特異性は極めて低い。また、多数の患
者のいる正常眼圧緑内障については、遺伝子の検索すら
も全く行われていなかった。さらに、ミオシリン遺伝子
のプロモーター領域における突然変異については、多型
性の報告はあるものの、全くといってよいほど研究が進
んでいなかった。このように、報告されたミオシリン異
常は緑内障のごく一部を検出できるに過ぎない(Willia
ms-Lyn, D.ら、Can. J. Ophthalmol. 2000; 35: 12-1
7、Pang, C. P.ら、Hum. Mutat. 2000; 15: 122を参
照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】緑内障では、眼圧、視
野及び眼底の臨床診断と点眼治療が発達してきた。しか
し、現在の医学では、進行した緑内障の視機能を回復さ
せることは困難である。そこで、現在自覚症状がないが
緑内障に罹っている人、または将来に緑内障に罹る可能
性の高い人をそのような可能性の低い人と区別できれ
ば、緑内障の早期発見及び予防及び治療が効果的になさ
れるはずである。さらに我が国に多い正常眼圧緑内障
は、眼圧が正常で自覚症状がないため、眼科を受診して
も見逃されることが多い。この正常眼圧緑内障に関する
遺伝子の報告はない。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、正常眼圧
緑内障を含む開放隅角緑内障患者のミオシリン遺伝子の
プロモーター領域の塩基配列を、健常人の当該部分の塩
基配列と比較し、開放隅角緑内障患者のプロモーター領
域の特定の位置に、有意な頻度で突然変異が生じている
ことを見出した。
【0008】本発明に係る遺伝子は、ミオシリン遺伝子
のプロモーター領域に存在すること、及び、正常眼圧緑
内障を含む開放隅角緑内障の中では検出頻度が著しく高
い。この点で本願遺伝子は、上述の公知の突然変異とは
明らかに異なっている。緑内障は40才を越えて発症す
ることが多いが、初期に確定診断をすることは極めて困
難である。したがって、本発明で初めて明らかになった
プロモーター領域における突然変異を調べることより、
正常眼圧緑内障を含む開放隅角緑内障の発症の可能性の
高い人を見い出す補助的な診断的役割を果たすことがで
きる。そして、この突然変異を有する人々に対して定期
的な検診を行うなどして、緑内障の早期発見の努力を行
える可能性がある。
【0009】また、正常眼圧緑内障を含む開放隅角緑内
障に関連するこの突然変異遺伝子の有無を調べることに
より、緑内障に罹りやすい形質が子孫に遺伝しているか
どうかの推測も可能となる。また、以下に説明するよう
に、本発明に係る緑内障に関連する遺伝子は、従来報告
された緑内障関連遺伝子より、正常眼圧緑内障を含む開
放隅角緑内障の患者の中ではるかに高い発症頻度を示す
ことを我々は見いだしている。
【0010】すなわち、本発明は、正常眼圧緑内障を含
む開放隅角緑内障患者がミオシリン遺伝子のプロモータ
ー領域に高頻度で有する、配列番号1で表されるDNA
配列を含むポリヌクレオチドに関する。なお、本明細書
では、一般に「オリゴヌクレオチド」と呼ばれるものを
含む広い意味で「ポリヌクレオチド」という用語を用い
ることとする。また、本発明は、配列番号2で表される
ヒトのミオシリン遺伝子の上流のDNA配列における-1
53位のチミン(T)がシトシン(C)で置換されているポリヌ
クレオチドの一部または全部を含むポリヌクレオチドで
あって、少なくとも-153位の塩基を含むポリヌクレオチ
ドに関する。配列番号2は、ヒトのミオシリン遺伝子の
-473位〜3位の塩基配列を示したものである。
【0011】ここで、塩基の位置は、DNAにおいて、
翻訳開始点を1位とし、その上流の隣接する塩基を-1位
として、-1位の塩基を含めてn塩基分だけ上流、即ち、
5’末端側に位置する塩基の位置を−n位という。例え
ば、-153位とは、ペプチド合成開始点から153塩基分だ
け上流に位置するDNAにおける塩基の位置である。
【0012】なお、ミオシリン遺伝子の-153位がチミン
(T)からシトシン(C)に置換された上記ポリヌクレオチド
は、-153位以外の位置において、1個若しくは数個の塩
基が欠失、付加または置換されていてもよい。また、本
願発明は、ミオシリン遺伝子の上流域全てを含むものの
みならず、-153位を含むものであれば、必要に応じ、任
意の長さの断片が可能である。例えば、塩基長が19〜
316bpであるポリヌクレオチドを例示することがで
きる。
【0013】また、本発明は、上述のポリヌクレオチド
を増幅するために用いられるプライマーに関する。プラ
イマーは、目的とするポリヌクレオチドが増幅される限
り、任意の塩基の長さ及び配列を有するものを使用でき
る。好適には、配列番号3ないし配列番号6のプライマ
ーを用いることができる。また、配列番号3のプライマ
ーと、配列番号4〜6のいずれかのプライマーとからな
る一組のプライマーを使用することができる。
【0014】さらに、本発明は、上記プライマーを含
む、ヒトのミオシリン遺伝子のプロモーター領域の-153
位におけるチミン(T)からシトシン(C)への置換を検出す
るためのキットに関する。また、そのようなプライマー
を含む、緑内障を発症する前に緑内障に罹る可能性の高
い人を診断するためのキットをも提供することができ
る。これらのキットにより、正常眼圧緑内障を含む緑内
障の診断に苦慮する例や同疾患の遺伝を心配する人に対
して補助的な診断を担う。
【0015】さらに、本発明は、ミオシリン遺伝子のプ
ロモーター領域の-153位がシトシン(C)であるものを検
出できる、配列番号7で表されるプローブ、及び、ヒト
のミオシリン遺伝子のプロモーター領域の-153位がチミ
ン(T)であるものを検出できる、配列番号8で表される
プローブに関する。これらのプローブは、5’末端をビ
オチン、蛍光又は32Pで標識したものが好ましい。これ
らのプローブを使用して、ヒトのミオシリン遺伝子のプ
ロモーター領域の-153位がチミン(T)であるものと、シ
トシン(C)であるものを区別することが可能である。
【0016】また、本発明は、配列番号7及び配列番号
8で表されるプローブを含む、ヒトのミオシリン遺伝子
のプロモーター領域の-153位におけるチミン(T)からシ
トシン(C)への置換を検出するためのキットに関する。
また、そのようなプローブを含む、緑内障を発症する前
に緑内障に罹る可能性の高い人を診断するためのキット
をも提供することができる。これらのキットにより正常
眼圧緑内障を含む開放隅角緑内障に罹患する可能性が高
い人に対して補助的な診断を担う。
【0017】さらに、本発明は、ヒトのミオシリン遺伝
子のプロモーター領域のDNA配列における-153位のチ
ミン(T)からシトシン(C)への置換を検出することを特徴
とする緑内障に罹患する可能性の高い人の検出方法に関
する。
【0018】本発明のプライマー、プローブ、又はキッ
トを用いることにより、ミオシリン遺伝子のプロモータ
ー領域の-153位の塩基における突然変異を検出できる。
以下の調査結果に基づいて説明するように、ミオシリン
遺伝子のプロモーター領域の-153位の塩基におけるチミ
ン(T)からシトシン(C)への置換は、緑内障、特に、正常
眼圧緑内障を含む開放隅角緑内障と密接に関連してい
る。緑内障が発見されたとき、その子孫や家系内の人々
が、類似の遺伝子変異を有しているか否かを調べること
により、発症前診断(即ち、緑内障に将来罹患するかど
うか)が実施可能になる。このような突然変異を検出す
ることにより、緑内障患者の早期発見と、緑内障に罹る
可能性の高い人を高い精度で検出することができる。次
世代の子孫は、年齢が若く、緑内障の発症年齢に達して
おらず、未発症キャリアーなのか生涯発症しない健常人
であるのかの見極めは、現在の臨床的手法のみでは不可
能であるからである。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明は、緑内障に関連する突然
変異を有するポリヌクレオチドに関する。本発明により
検出できる緑内障には、正常眼圧緑内障及び開放隅角緑
内障とが含まれる。本発明の緑内障に関連する遺伝子
は、具体的には、配列番号1で表されるDNA配列を含
んでなるポリヌクレオチド、及び、配列番号2で表され
るヒトのミオシリン遺伝子の上流のDNA配列における
-153位のチミン(T)がシトシン(C)により置換されたポリ
ヌクレオチドの一部または全部を含むポリヌクレオチド
であって、少なくとも-153位の塩基を含むポリヌクレオ
チドに関するものである。
【0020】本発明のポリヌクレオチドは、一本鎖DN
A、およびその相補鎖からなる二本鎖DNA、アンチセ
ンス鎖を含み、一部に修飾塩基を有するものをも含む。
また、-153位以外の位置において、1個若しくは数個の
塩基が欠失、付加または置換されているものをも含む。
【0021】このようなポリヌクレオチドは、緑内障、
特に正常眼圧緑内障及び開放隅角緑内障の原因遺伝子の
1つである。したがって、このようなポリヌクレオチド
を有するか否かを調べるためのプライマー、プローブ及
びキットは、緑内障患者及び緑内障に罹る可能性の高い
グループ、及び、緑内障の子孫への遺伝を調ベる遺伝子
診断に用いることが可能である。
【0022】また、本発明のプライマーとしては、ミオ
シリン遺伝子の-153位の上流及び下流の配列の一部と実
質的に相補的なプライマー対であればよく、特に限定さ
れない。ここで、「実質的に相補的」とは、ミオシリン
遺伝子の-153位の上流及び下流の配列とアニーリングで
きる程度に相補的であればよいことを意味する。例え
ば、プライマーの5’末端、または3’末端、または
5’末端と3’末端の両端にミオシリン遺伝子の一部と
相補的でない配列を含むプライマーであっても、ミオシ
リン遺伝子とアニーリングできる限り、本発明のプライ
マーに含まれるものとする。また、非特異的な増幅を防
ぐためや、適当な制限酵素認識部位を導入するために、
ミオシリン遺伝子と相補的でないミスマッチ配列を持つ
プライマーを使用することができる。
【0023】好適なプライマーの例としては、配列番号
3ないし配列番号6のいずれか一以上のプライマーが挙
げられる。配列番号3のプライマーと、配列番号4から
6のいずれかのプライマーとからなる1組のプライマー
を使用してPCR等によりミオシリン遺伝子の-153位を含
むポリヌクレオチドを増幅することができる。
【0024】ミオシリン遺伝子の-153位のチミン(T)か
らシトシン(C)への置換を検出する方法は、とくに限定
されず、例えばサンガー(Sanger)法などにより、塩基配
列を決定することによって検出しても良いし、RFLP
(Restriction Fragment LengthPolymorphism)のよう
に、配列を決定することなく間接的に検出してもよい。
RFLPに用いることのできる制限酵素としては、Sm
aIを例示できる。
【0025】さらに、ポリヌクレオチドを増幅するため
の本発明のプライマーを用いて、PCR(Polymerase Ch
ain Reaction)、およびPCR−RFLP(PCR-Restrict
ionFragment Length Polymorphism)、PCR−SSO(P
CR-Specific Sequence Oligonucleotide)、PCR−S
SCP(PCR-Single Strand Conformation Polymorphism
analysis)、アレル特異的PCR(allele-specific PC
R)の様な方法で、ミオシリン遺伝子の-153位におけるチ
ミン(T)からシトシン(C)への置換を検出することができ
る。
【0026】また、本発明のプローブを用いてドットブ
ロットハイブリダイゼーション(dotblot hybridizatio
n)などにより、ミオシリン遺伝子の-153位におけるチミ
ン(T)からシトシン(C)への置換を検出することができ
る。配列番号7のプローブにより、-153位がシトシン
(C)であるミオシリン遺伝子を検出でき、配列番号8の
プローブにより、-153位がチミン(T)であるミオシリン
遺伝子を検出できる。
【0027】上記に示したミオシリン遺伝子の-153位に
おけるチミン(T)からシトシン(C)への置換を検出する方
法のうち、PCR、PCR-SSCP、PCR-RFLP、ドットブロット
ハイブリダイゼーション、アレル特異的PCRの概要を以
下に説明する。
【0028】PCR:dNTPを加えた反応緩衝液にプライマ
ーを添加し、さらに、耐熱性DNAポリメラーゼを添加
して、変性、アニーリング、伸長のサイクルを繰り返し
て、-153位を含むミオシリン遺伝子を増幅する。反応緩
衝液は、例えば、10mMのTris-Cl(pH8.9)、1.5mMのMgC
l2、80mMのKCl、0.5mg/mlのBSA、0.1%のコール酸ナトリ
ウム(Na cholate)、0.1%のTriton X-100を含む緩衝液な
どを使用することができるが、この反応緩衝液に限定さ
れるものではなく、任意の反応緩衝液を使用できる。変
性、アニーリング、伸長のサイクルは、一般的には、変
性に94℃で30秒〜1分30秒、アニーリングに55〜68℃で3
0秒〜1分30秒、伸長に72℃で30秒〜5分で25〜40サ
イクル行うが、この範囲に限定されるものではない。例
えば、変性に94℃で1分、アニーリングに62℃で1分、伸
長に72℃で2分で25〜40サイクル行うことができ
る。使用する耐熱性DNAポリメラーゼは、Taqポリメ
ラーゼやTthポリメラーゼなど、市販の耐熱性ポリメラ
ーゼを使用できる。プライマーは、すでに説明したよう
に、ミオシリン遺伝子の-153位の上流及び下流の配列の
一部と実質的に相補的なプライマー対を用いることがで
きる。当業者は、使用するプライマーの長さ、プライマ
ーの相補性、又は下記に説明する種々のPCRの変法に応
じて、反応緩衝液、反応条件、プライマーを適宜選択
し、目的とする配列のみを増幅することができる。
【0029】PCR-SSCP:-153位を挟むような1組のプラ
イマーを用いたPCRにより増幅を行う。得られた断片を
変性し、ポリアクリルアミド電気泳動における泳動度の
違いにより、-153位における配列の相違を検出できる。
PCR-SSCPに用いるプライマーとしては、配列番号3及び
配列番号4のプライマーを使用することができる。
【0030】PCR-RFLP法:配列番号3と配列番号5のプ
ライマーを使用してPCRを行うと、得られる185bpのPCR
断片は、-153位がチミン(T)からシトシン(C)へ置換して
いるミオシリン遺伝子については、-154〜-149位がCCCG
GGとなり、-153位が置換されていないミオシリン遺伝子
については、-154〜-149位がCTCGGGとなる。CCCGGGの配
列のみが、制限酵素SmaIで認識され、切断されるため、
CCCGGG を有するPCR後の185bpの断片をSmaIで処理すれ
ば、163bpの断片と22bpの断片が生じることとなる。し
たがって、PCR後の185bpの断片をSmaIで処理し、163bp
の断片の有無をポリアクリルアミドゲル電気泳動又はア
ガロースゲル電気泳動により検出することによって、-1
53位において、チミン(T)からシトシン(C)へ置換してい
るか否かを判断できる。
【0031】アレル特異的PCR(Allele-specific PCR):
-153位を挟むような1組のプライマーのうち、一方のプ
ライマーを-153位に対応する部分が3’末端側にくるよ
うに設計して、-153位におけるチミン(T)からシトシン
(C)への置換を有するミオシリン遺伝子の上流配列を検
出できる。このような1組のプライマーとしては、配列
番号3と配列番号6のプライマーを例示できる。配列番
号6のプライマーは、非特異的増殖を防ぐため、プライ
マーの3’末端から4塩基目のシトシン(C)をアデニン
(A)としたミスマッチが設けられている。このような1組
のプライマーを用いて、-153位がシトシン(C)に置換し
ているもののみが増幅されるように、厳密なPCR条件下
で入れ子PCR(nested PCR)、即ち、配列番号3と配列番
号4のプライマーを用いてPCRで増幅した断片を鋳型と
して、配列番号3と配列番号6のプライマーを用いてさ
らにPCRを行うのが好ましい。配列番号3と配列番号6
のプライマーを用いた場合には、最終的には、-153位に
おけるチミン(T)からシトシン(C)への置換を有するミオ
シリン遺伝子上流配列のみが増幅され、185bpのPCR増幅
断片が得られる。この断片をアガロースゲル電気泳動又
はポリアクリルアミド電気泳動で検出することができ
る。
【0032】ドットブロットハイブリダイゼーション:
例えば配列番号3と配列番号4を用いて増幅した-153位
を含むPCR断片を、変性後、ナイロン膜などにスポット
する。膜をプレハイブリダイゼーション緩衝液(例えば
5×デンハート液(Denhardt's)、5×SSC、0.1%SDS、0.1m
g/ml変性ニシン精子DNAを含むもの)でインキュベート
した後、5’末端がビオチン、32P、蛍光などで標識さ
れた配列番号7と配列番号8のプローブを加えて、さら
にインキュベートする。膜を洗浄した後にオートラジオ
グラフィー、アルカリフォスファターゼによる発色、化
学発光、あるいは蛍光でハイブリダイゼーションが生じ
たか否かを検出する。当業者は、非特異的なハイブリダ
イゼーションを防ぐために、ハイブリダイゼーションの
温度や洗浄条件を変更選択することが可能である。例え
ば、ハイブリダイゼーションの温度として40〜50度で2
時間程度を例示でき、洗浄にテトラメチルアンモニウム
塩化物を用いる等を例示することができる。配列番号7
のプローブとハイブリダイゼーションが検出された場合
は、-153位において、チミン(T)からシトシン(C)への置
換を有するミオシリン遺伝子であると判断し、配列番号
8のプローブとのみハイブリダイゼーションが検出され
た場合は、-153位においてチミン(T)からシトシン(C)へ
の置換のないミオシリン遺伝子であると判断する。
【0033】本発明のキットは、ミオシリン遺伝子の-1
53位を含むミオシリン遺伝子のプロモーター領域を増幅
できるプライマー又は-153位の塩基の相違を区別して特
異的にハイブリダイゼーションできるプローブを含む。
キットに含まれる試薬としては、塩基の置換を検出する
方法により適宜変更可能である。例えば、サンガー法に
より塩基配列を決定して行う場合は、ddATP、ddTTP、dd
CTP、ddGTP及びdATP、dTTP、dCTP、dGTP、DNA合成酵
素などを、プライマーの他に含む。RFLPにより塩基
の置換を検出する場合は、適当な制限酵素、例えばSm
aIを含むものを挙げることができる。さらに、本発明
のキットには、ヒトのミオシリン遺伝子のプロモーター
領域の-153位におけるチミン(T)からシトシン(C)への置
換を検出するために適当な緩衝液、洗浄液を含むもので
あってもよい。
【0034】なお、本発明の緑内障の発症前診断キット
は、ヒトのミオシリン遺伝子のプロモーター領域の-153
位におけるチミン(T)からシトシン(C)への置換を検出す
るためのものであり、上記キットを有効成分とするもの
である。本発明の緑内障の発症前診断キットにより、緑
内障の早期の発見及び治療に有用である。
【0035】本発明により置換の有無を検出されるDN
Aは、ヒトの毛髪、血液、体液、唾液、培養細胞、切除
された組織などから得ることができ、特に限定されな
い。
【0036】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明をさらに詳細
に説明するが、これらにより本発明を制限するものでは
ない。 [実施例]正常眼圧緑内障を含む開放隅角緑内障を有す
る日本人の患者を対象に、下記のような第一及び第二の
調査を行った。検査の対象としたのは、総計で緑内障の
家族歴を有する正常眼圧緑内障を含む開放隅角緑内障患
者83人と、眼科を受診していないので眼疾患を持たない
と考えられた健常人101人である。両群ともに年齢など
の構成は同様である。
【0037】具体的には、次のような方法を用いた。緑
内障(POAG)の患者83例の末梢血白血球よりNaI法(Wang
L.,et al: Purification of genomic DNA from human w
holeblood by isopropanol-fractionation with concen
trated NaI and SDS. Nucleic Acid Res., 22: 1774-17
75, 1994)によりDNAを抽出した。また、対照とし
て、健常人101例について同遺伝子異常を分析した。ミ
オシリン遺伝子の正常塩基配列の情報は、GenBankの寄
託番号AB006686, AB006686S2, AB006686S3より得た。
【0038】(1)PCR:0.5mlのマイクロチューブに、H
2Oを15.5μl、1.25mMのdNTPを4μl、10×反応緩衝液(10
0mMのTris-Cl(pH8.9)、15mMのMgCl2、800mMのKCl、5mg/
mlのBSA、1%のコール酸ナトリウム、1%のTriton X-100)
を2.5μl、配列番号3及び配列番号4で表される2種類
の50pmol/μlのプライマーを各0.5μl、DNAを1μl
(約0.5μg)を加えてよく混和し、1U/μlのTthDN
Aポリメラーゼ(Toyobo)1μlを加え、ミネラルオイル1
滴を重層した。サーマルサイクラー(ASTEC PC-700)を用
いて、ミオシリン遺伝子のプロモーター領域を以下の条
件で増幅させた。
【0039】原則として、繰り返し前の熱変性は、94℃
で1分とし、続くサイクルは変性に94℃で1分、アニーリ
ングに62℃で1分、伸長に72℃で2分(最終回4分)で30回
行った。但し、RFLP用の断片は、配列番号3と配列番号
4のプライマーを用いてPCRを行って増幅された断片を1
000倍希釈して鋳型とし、ミスマッチプライマーである
配列番号5で表されるプライマーと、配列番号3で表さ
れるプライマーと間の入れ子PCRにより増幅した。
【0040】(2)単鎖構造多型性(SSCP: single strand
conformation polymorphism):配列番号3及び配列番号
4で表されるプライマーを用いて得られるPCR断片3μ
に、90%ホルムアミド(20mMのEDTA、0.1%のBPB、0.1%の
キシレンシアノール)を1μl混ぜ、90℃で5分熱変性
後、氷上にて急冷した。これを37℃、300Vの条件下で4
時間かけて12%ポリアクリルアミドゲル電気泳動(ゲル
厚:0.35mm、ゲル用緩衝液:0.112Mトリス-0.112M酢酸
(pH6.4)、外槽用緩衝液:0.025Mトリス-0.088Mグリシン
(pH8.8)の不連続緩衝系)を行った後、銀染色した。
【0041】(3)PCR-RFLP:RFLP用に、入れ子PCRで得ら
れた増幅断片(185bp)をアルコール沈殿により精製後、S
maI(Toyobo, Osaka, Japan)により37℃で6時間の加水分
解を行った。その後、0.114Mのトリス-ホウ酸(2mMのEDT
Aを含む) のpH8.3緩衝液中で8%ポリアクリルアミドゲル
電気泳動を行い、臭化エチジウム染色により、-153位に
おいてシトシン(C)が置換した配列に特異的な163bpの断
片の有無を検索した。
【0042】(4)塩基配列の決定:SSCPでの異常バンド
を各々のPCR条件で再増幅させ、DEAEペーパーでDNA
を抽出精製した後、オートシークエンサー(ABI 373A)で
塩基配列を決定した。
【0043】開放隅角緑内障を持つ日本の患者のこのス
クリーニングの結果は、以下の通りである。エキソンと
イントロンの境界におけるイントロンは、異常を有さな
い。しかし、プロモーター領域に3つの異常を見い出し
た。1つは、-83位におけるグアニン(G)からアデニン
(A)の多型である。これらは、すでにAlward, W. L.ら
(N. Engl. J. Med. 1998; 338: 1022-1027)により報
告されている。
【0044】二番目の異常は、-339から-314位における
GTリピートの新しい突然変異であった。これらは、統計
的に多型性だと考えられる。
【0045】ところが三番目の異常として、プロモータ
ー突然変異である-153位のチミン(T)からシトシン(C)へ
の突然変異が新たに観察された。このチミン(T)からシ
トシン(C)への置換は、CAGCCCCACのタンデムリピートを
生じる。しかもγグロビン遺伝子の発現に関わることが
知られているCACCCモチーフが、この二つのリピートで
ある[5'CAGCCCCAC]C[CAGCC(T→C)CAC]を連結する。それ
故、この突然変異はミオシリン遺伝子の発現に影響を与
える可能性が考えられた。この突然変異は、正常眼圧緑
内障を含む開放隅角緑内障の約20%という極めて多数の
患者に検出された。この高頻度は、遺伝子研究の中で
は、疾患に関係する単一の変異としては特筆されるべき
数字である。この発見の経緯は、本発明を特許申請する
動機となった最も重要なものなので、詳細を実験に従っ
て以下に記す。
【0046】表に示すとおり、第一の調査では、本遺伝
子は緑内障の17%にみられたが、対照群の中にも7.9%
に変異がみられ、第一回の調査では統計的に有意な差は
なかった。ところがその第一の調査において、-153位に
シトシン(C)を有する3人(下記の表において*で表す)
を眼科的に調べた結果、驚くべきことに、3人全員が正
常眼圧緑内障を含む開放隅角緑内障を有していた。すな
わち、この健常人と考えられていた3人は、眼科的な自
覚症状はなかったが、すでに進行した緑内障か、初期の
緑内障の患者であった。したがって、実際には、患者群
は、33名中8名(24.2%)で、健常人は35名中0名(0%)
であった。即ち、-153位におけるチミン(T)からシトシ
ン(C)への置換は、緑内障を検出するのに非常に有望な
単一の遺伝子異常であることが強く示唆された。
【0047】これらの結果から、我々は、-153位におけ
るチミン(T)からシトシン(C)への置換について、新たな
対象として、正常眼圧緑内障を含む開放隅角緑内障の患
者53人と、患者の年齢に対応させた健常人63人について
第二の調査を行った。
【0048】第二の調査では、第一の調査結果と同様
に、-153位のチミン(T)からシトシン(C)への突然変異が
多くの患者で検出され、対照である健常人と患者との間
で有意な差を生じた(p<0.01, Fisherの直接確率計算法
による)。第一の調査結果と第二の調査結果とを合わせ
た場合でも、患者と健常人との差は明白である(表)。
-153位においてチミン(T)がシトシン(C)に置換したもの
のホモ接合体は検出されなかった。
【0049】表によれば、第一回及び第二回の調査をあ
わせて、変異は患者群の16名と対照群の6名であった。
対照群の第二回の調査の3名は眼科検査を行っていない
ので緑内障であるか否かは不明である。しかしながら、
-153位においてチミン(T)からシトシン(C)への置換が検
出された第一回の調査における8人と、第二回の調査に
おける患者群の11人のあわせて19人は、正常眼圧緑内障
ないし開放隅角緑内障であった。患者には最高眼圧が30
mmHg以下のものがほとんどであるという特色があった。
【0050】
【表1】
【0051】表の結果から、-153位におけるチミン(T)
からシトシン(C)への突然変異は、緑内障との関連が明
らかである。この突然変異は、第1の調査、第2の調査お
よび総計でも、常に共通して、開放隅角緑内障患者の約
20%に見出された。-153位におけるチミン(T)からシト
シン(C)への突然変異と緑内障患者において、これほど
の高い一致率は、以前報告されている若年性開放隅角緑
内障に関連する突然変異でも、エキソン、イントロン、
プロモーター全てを含め、今まで報告されていない。
【0052】予備的な調査では、プロモーター活性は、
-153位におけるチミン(T)とシトシン(C)の対立遺伝子で
は明らかに異なり、さらに、このプロモーター活性の変
化は、この突然変異の160ヌクレオチド上流にあるGTの
ジヌクレオチドの繰り返し数との連鎖に関係しているこ
とが示唆された。
【0053】この-153位がシトシン(C)である対立遺伝
子は、我々の研究で初めて見出され、正常眼圧緑内障を
含む開放隅角緑内障に関連する主要な突然変異である。
この遺伝子は正常眼圧緑内障及び若年性開放隅角緑内障
における従来の報告より著しく検出頻度が高い。子孫へ
の遺伝を心配する患者や家系内に緑内障患者を有してい
るため未発症キャリアーのおそれがある若い人々にとっ
ては、本願遺伝子は発症が臨床的に検出できない場合の
スクリーニングにも有用である。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、緑内障患者の早期発見
と、緑内障に罹る可能性の高い人を従来の遺伝子の報告
にない高い精度で検出することができる。特に、我が国
では患者数が多く、自覚症状が少ない正常眼圧緑内障に
ついて、遺伝子診断も初めて可能となる。本発明の遺伝
子に基づいて、眼圧や視野の測定など時間と労力のかか
る複数回の複雑な検査を行う前に、あるいはそのような
検査と並行して、正常眼圧緑内障を含む緑内障患者及び
家系内で緑内障に罹る可能性の高いグループを検出する
ことができる。また、罹患者の遺伝の心配について答え
るためには、本発明の緑内障診断キットあるいは方法を
用いて、たとえ眼科的に発症が確定できない段階でも、
希望があれば本願の緑内障関連遺伝子を有しているかど
うか調べ、緑内障に関連した形質が遺伝しているかどう
かを推定できる点でも有益である。
【配列表】 <110> TSUBOTA Ltd., HATTORI, Yukio SUZUKI, Ryo <120> A Glaucoma Related Gene and its Application for Detecting Open-An gle Glaucoma including Normal Tension Glaucoma <130> P000301 <160> 8 <210> 1 <211> 19 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 1 cagccccacc cagccccac 19 <210> 2 <211> 476 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 2 gatctccagt tcctagcata gtgcctggca cagtgcaggt tctcaatgag tttgcagagt 60 gaatggaaat ataaactaga aatatatcct tgttgaaatc agcacaccag tagtcctggt 120 gtaagtgtgt gtacgtgtgt gtgtgtgtgt gtgtgtgtgt aaaaccaggt ggagatatag 180 gaactattat tggggtatgg gtgcataaat tgggatgttc tttttaaaaa gaaactccaa 240 acagacttcc ggaaggttat tttctaagaa tcttgctggc agcgtgaagg caacccccct 300 gtgcacagcc ccacccagcc tcacgtggcc acctctgtct tcccccatga agggctggct 360 ccccagtata tataaacctc tctggagctc gggcatgagc cagcaaggcc acccatccag 420 gcacctctca gcacagcaga gctttccaga ggaagcctca ccaagcctct gcaatg 476 <210> 3 <211> 26 <212> DNA <213> artificial sequence <220> <223> primer <400> 3 gtaaaaccag gtggagatat aggaac 26 <210> 4 <211> 25 <212> DNA <213> artificial sequence <220> <223> primer <400> 4 ttgcagaggc ttggtgaggc ttcct 25 <210> 5 <211> 21 <212> DNA <213> artificial sequence <220> <223> primer <400> 5 ggaagacaga ggtggccacc c 21 <210> 6 <211> 23 <212> DNA <213> artificial sequence <220> <223> primer <400> 6 ggaagacaga ggtggccaca tgg 23 <210> 7 <211> 15 <212> DNA <213> artificial sequence <220> <223> probe <400> 7 acccagcccc acgtg 15 <210> 8 <211> 15 <212> DNA <213> artificial sequence <220> <223> probe <400> 8 acccagcctc acgtg 15
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 服部 幸夫 山口県吉敷郡小郡町大字下郷1234−3 (72)発明者 鈴木 亮 山口県宇部市小串267 Fターム(参考) 4B024 AA11 CA01 CA09 CA20 HA12 4B063 QA17 QA19 QQ02 QQ42 QQ43 QQ49 QR08 QR40 QR42 QR55 QR62 QS16 QS25 QS34

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号1で表されるDNA配列を含む
    ポリヌクレオチド。
  2. 【請求項2】 配列番号2で表されるヒトのミオシリン
    遺伝子の上流のDNA配列における-153位のチミン(T)
    がシトシン(C)へ置換されているポリヌクレオチドの一
    部または全部を含むポリヌクレオチドであって、少なく
    とも-153位の塩基を含むポリヌクレオチド。
  3. 【請求項3】 -153位以外の位置において、1個若しく
    は数個の塩基が欠失、付加または置換された請求項2に
    記載のポリヌクレオチド。
  4. 【請求項4】 塩基長が19〜316bpである請求項
    2または3に記載のポリヌクレオチド。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一に記載のポリ
    ヌクレオチドを増幅するために用いられるプライマー。
  6. 【請求項6】 (i)配列番号3のプライマーと、(ii)配
    列番号4、配列番号5及び配列番号6からなる群から選
    択される一以上のプライマーとからなる1組のプライマ
    ー。
  7. 【請求項7】 請求項5又は請求項6のプライマーを含
    む、ヒトのミオシリン遺伝子のプロモーター領域の-153
    位におけるチミン(T)からシトシン(C)への置換を検出す
    るためのキット。
  8. 【請求項8】 請求項5又は請求項6のプライマーを含
    む、緑内障の発症前診断キット。
  9. 【請求項9】 ヒトのミオシリン遺伝子のプロモーター
    領域の-153位がシトシン(C)であるものを検出するため
    の配列番号7で表されるプローブ。
  10. 【請求項10】 ヒトのミオシリン遺伝子のプロモータ
    ー領域の-153位がチミン(T)であるものを検出するため
    の配列番号8で表されるプローブ。
  11. 【請求項11】 配列番号7及び配列番号8で表される
    プローブを含む、ヒトのミオシリン遺伝子のプロモータ
    ー領域の-153位におけるチミン(T)からシトシン(C)への
    置換を検出するためのキット。
  12. 【請求項12】 配列番号7及び配列番号8で表される
    プローブを含む、緑内障の発症前診断キット。
  13. 【請求項13】 緑内障が正常眼圧緑内障である請求項
    8又は12に記載の緑内障の発症前診断キット。
  14. 【請求項14】 ヒトのミオシリン遺伝子のプロモータ
    ー領域のDNA配列における-153位のチミン(T)からシ
    トシン(C)への置換を検出することを特徴とする緑内障
    に罹患する可能性の高い人の検出方法。
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