JP2019105639A - 視神経障害の診断用バイオマーカー - Google Patents

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Abstract

【課題】視神経障害の発症リスク及び発症の有無や、視神経障害の重症度を精度よく判定できる、視神経障害の診断用バイオマーカーを提供すること。【解決手段】生体試料中の本件代謝物質群(例えば、脂肪酸、L−アセチルカルニチン、モノアシルグリセリド)の濃度変動を解析することにより、視神経障害の発症リスク及び発症の有無や、視神経障害の重症度を判定する。【選択図】なし

Description

本発明は、視神経障害の発症リスク、及び/又は視神経障害の発症の有無を判定する方法;視神経障害の重症度を判定する方法;視神経障害の発症リスクの判定用、及び/又は視神経障害発症の有無の判定用バイオマーカー;視神経障害の重症度の判定用バイオマーカー;並びに視神経障害発症の予防剤、及び/又は視神経障害の治療剤をスクリーニングする方法;に関する。
網膜は、内境界膜、神経線維層、神経節細胞層、内網状層、内顆粒層、外網状層、外顆粒層、外境界膜、視細胞層及び網膜色素上皮層の10層から構成される、厚さ0.1〜0.5mmの組織であり、その中には視細胞、双極細胞、神経節細胞、水平細胞、アマクリン細胞等の網膜神経細胞が存在する。網膜神経細胞は、光刺激を電気信号に変換して、脳へ伝達するといった視覚情報の受容と伝達において重要な役割を果たしている。目から入った視覚情報は、視細胞により電気信号化されて、水平細胞や、双極細胞や、アマクリン細胞を経由した後に神経節細胞に伝達される。次いで、その電気信号は、神経節細胞の軸索を含む視神経線維の束(視神経)を経由して脳に伝達される。
視神経が何らかの原因により障害を受けると、視神経の恒常性が維持できなくなり、視覚情報の脳への伝達が妨げられて、失明、視野狭窄といった視野障害を生じる。視神経障害の主な原因として、眼内圧(単に「眼圧」ともいう)の上昇(高眼内圧[High intraocular pressure;IOP])、網膜血流循環障害・網膜虚血、興奮性アミノ酸上昇等が知られており、これら病態に伴い、グルタミン酸シグナルカスケードが活性化し、網膜神経節細胞(retinal ganglion cell;RGC)の軸索が障害を受け、RGCの細胞死(アポトーシス)が誘導され、視神経が障害を受けると考えられている。
視神経障害の代表例として、世界中で失明の主要な原因の1つである緑内障が知られている(非特許文献1)。緑内障は、自覚症状がないため早期発見が難しく、また失明につながる疾患であるため、早期に診断を行うことが非常に重要である。従来、緑内障の診断においては、眼底検査が中心に行われており、患者が検査の前に瞳孔を開くための散瞳薬をさした後に、眼底鏡や眼底カメラで医師が直接、網膜を観察している。しかしながら、散瞳薬によって瞳孔を広げると房水の流れが悪くなって眼圧が上がり、さらに病状を悪化させる可能性が全くないとは言えないのが現状である。また、医師による網膜の直接観察は、必ずしも客観的な検定方法とはいえず、一人一人の患者について医師が対応しなければならないために大勢の被験者を扱う集団検診などへの展開が難しい。
このように、既存の検査方法は少なからず問題を抱えており、早期診断のための、患者の病態の進行度合いや、治療中の経時変化をより客観的かつ定量的に示すことのできる、患者負担の少ないハイスループットな検定方法が望まれている。
バイオマーカーを用いた検定方法は、客観的でハイスループットな方法の一つである。これまでに、ミオシリン(MYOC)遺伝子の変異を指標として、緑内障が発症する前に診断する方法(特許文献1)や、オプティニューリン遺伝子(OPTN)の変異が緑内障の原因遺伝子であることに関連すること(非特許文献2)や、緑内障の進行に関連する遺伝子多型が存在すること(特許文献2〜4)が報告されている。しかし、診断できる緑内障は、これら遺伝子を原因とするものに限られる。また、これら文献においては、緑内障を発症した患者由来の試料を用いて検証しており、緑内障発症リスクを判定できるかどうかはわからない。また、緑内障患者において、発現が増減するタンパク質を指標として、緑内障を検出する方法(特許文献5)が開示されている。しかしながら、かかる文献においても、緑内障を発症した患者由来の試料を用いて検証しており、緑内障発症リスクを判定できるかどうかはわからない。
一方、軸索障害(損傷)により、緑内障の病態の中心である網膜神経節細胞(retinal ganglion cell;RGC)死が誘導されるが、軸索障害後数日間は、RGC数は維持される。このRGC数が維持される時期は、RGC死に直接関与する遺伝子のmRNAの発現が変動することが予想され、注目されている(非特許文献3)。最近、本発明者らは、視神経挫滅(optic nerve crush;ONC)による軸索損傷処理を行ったONCモデルマウスを用いて、視神経障害発症リスクを判定できる遺伝子を見いだしている(特許文献6)。
特開2002−306165号公報 特開2010−115194号公報 特開2013−150628号公報 特開2015−180219号公報 特開2009−244125号公報 特開2015−142540号公報
Kwon, Y.H. et al, New England Journal of Medicine 2009, 360(11):1113-1124. Rezaie, T. et al, Science 2002, 295(5557):1077-1079 Fischer, D. et al, The Journal of neuroscience 2004, 24(40):8726-8740
本発明の課題は、視神経障害の発症リスク及び発症の有無や、視神経障害の重症度を精度よく判定できる、視神経障害の診断用バイオマーカーを提供することにある。
前述のとおり、本発明者らは、ONCによる軸索損傷処理を行ったONCモデルマウスを用いて、視神経障害発症リスクを判定できる遺伝子を見いだしている。今回、本発明者らは、液体クロマトグラフ(liquid chromatograph;LC)−質量分析計(mass spectrometry;MS)と、イメージングMS(IMS)を用いた質量分析技術を駆使し、ONCモデルマウスと、正常マウスとの間で、生体試料中の濃度が変動する代謝物質について解析を進めた。その結果、以下の[Aグループ]〜[Dグループ]の代謝物質群は、視神経障害の発症リスクや、視神経障害の重症度を精度よく判定できるバイオマーカーであることを見いだした。また、視神経障害を発症した緑内障患者由来の生体試料を用いた質量分析法により、以下の[Eグループ]〜[Jグループ]の代謝物質群は、視神経障害の発症の有無を精度よく判定できるバイオマーカーであることも確認した。本発明は、これらの知見に基づき、完成するに至ったものである。
[Aグループ]
L−アセチルカルニチン、9−ヘキサデセノイルカルニチン、ヒドロキシブチリルカルニチン、トリアシルグリセロール(62:12)、L−オクタノイルカルニチン、アスパラギン−アスパラギン酸 ジペプチド、m−アミノ安息香酸
[Bグループ]
ホスファチジルコリン(38:7)、ホスファチジルグリセロール(40:6)、リゾホスファチジルコリン(18:2)、ホスファチジルグリセロール(32:0)、S−アデノシルメチオニン、ホスファチジルエタノールアミン(42:8)、ホスファチジルグリセロール(38:6)
[Cグループ]
ホスファチジルコリン(46:6)、スフィンゴミエリン(d18:0/24:0)、8,8-ジエトキシ-2,6-ジメチル-2-オクタノール、グリセロホスホコリン、β−ラクトシルセラミド(d18:1/22:0)、ホスファチジルコリン(44:9)
[Dグループ]
モノアシルグリセリド(18:0/0:0/0:0)、D−グルコース、グアノシン、アデニン、アデノシン、グルタチオン、S−ホルミルグルタチオン、メチオニン−ヒスチジン ジペプチド
[Eグループ]
3−スルホ乳酸、ジメチルスルホン、リボン酸、アラビノン酸、キシロン酸、L−ヒドロキシグルタル酸、ヒドロキシクエン酸、グルカル酸、ガラクタル酸、オクテノイルカルニチン、ベタイン、L−アセチルカルニチン、メチルマロニルカルニチン、L−カルニチン、N,N-ジエチルエタノールアミン、L−シスチン
[Fグループ]
ピログルタミン、リゾホスファチジルコリン(18:2)sn−1、リゾホスファチジルエタノールアミン(18:2)、リゾホスファチジルコリン(18:2)sn−2、アンドロステロン硫酸、テストステロン硫酸、フェノール硫酸、乳酸、D−グルコース、ヒドロペルオキシリノール酸、ホスファチジルコリン(34:2)、チオモルホリン−3−カルボン酸、リゾホスファチジルコリン(18:2)、L−カルニチン
[Gグループ]
メチルアデノシン、スクシニルアデノシン、ドデカノイルカルニチン、O−(7−カルボキシヘプタノイル)カルニチン、O−(8−カルボキシオクタノイル)カルニチン、O−(11−カルボキシウンデカノイル)カルニチン、マレイン酸、フマル酸
[Hグループ]
ジクロロメタン、グルタチオン、L−チロシン、L−フェニルアラニン、3−メルカプト乳酸、ウリジン、タウリン、アミノ酪酸
[Iグループ]
リゾホスファチジルコリン(18:0)、パルミチン酸メチル、ミリスチン酸イソプロピル、リゾホスファチジルエタノールアミン(22:6)、リゾホスファチジルコリン(17:0)sn−1、リゾホスファチジルコリン(14:0)、リゾホスファチジルコリン(17:0)sn−2、リゾホスファチジルコリン(15:0)、脂肪酸、p−クレゾール硫酸、インドキシル硫酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ安息香酸、N-フェニルアセチルグルタミン、アコニット酸、ピリドキサール、リゾホスファチジルコリン(16:0)、ホスファチジルコリン(36:2)、ホスファチジルコリン(38:4)、ホスファチジルコリン(40:6)、プロリンベタイン、セラミド(d18:1/16:0)
[Jグループ]
クエン酸
([Aグループ]〜[Jグループ]の代謝物質群を総称して、以下、「本件代謝物質群」ということがある)
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
〔1〕以下の工程(a−1)〜(c−1)を含むことを特徴とする視神経障害の発症リスク、又は発症の有無の判定方法。
(a−1)被験者から採取された生体試料中の、以下の[Iグループ]、[Aグループ]〜[Hグループ]、及び[Jグループ]から選択される1又は2種以上の代謝物質の濃度を測定する工程;
[Iグループ]
脂肪酸、LPC(18:0)、パルミチン酸メチル、ミリスチン酸イソプロピル、LPE(22:6)、LPC(17:0)sn−1、LPC(14:0)、LPC(17:0)sn−2、LPC(15:0)、p−クレゾール硫酸、インドキシル硫酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ安息香酸、N-フェニルアセチルグルタミン、アコニット酸、ピリドキサール、LPC(16:0)、PC(36:2)、PC(38:4)、PC(40:6)、プロリンベタイン、セラミド(d18:1/16:0)
[Aグループ]
L−アセチルカルニチン(Acetylcarnitine)、9−ヘキサデセノイルカルニチン(Hexadecenoylcarnitine)、ヒドロキシブチリルカルニチン(Hydroxybutyrylcarnitine)、トリアシルグリセロール(62:12)、L−オクタノイルカルニチン(Octanoylcarnitine)、アスパラギン−アスパラギン酸 ジペプチド、m−アミノ安息香酸(Aminobenzoic acid)
[Bグループ]
ホスファチジルコリン(Phosphatidylcholine;PC)(38:7)、ホスファチジルグリセロール(Phosphatidylglycerol;PG)(40:6)、リゾホスファチジルコリン(lysoPC;LPC)(18:2)、PG(32:0)、S−アデノシルメチオニン(Adenosylmethionine)、ホスファチジルエタノールアミン(Phosphatidylethanolamine;PE)(42:8)、PG(38:6)
[Cグループ]
PC(46:6)、スフィンゴミエリン(Sphingomyelin;SM)(d18:0/24:0)、8,8-ジエトキシ-2,6-ジメチル-2-オクタノール、グリセロホスホコリン(Glycerophosphocholine;GPC)、β−ラクトシルセラミド(Lactosylceramide)(d18:1/22:0)、PC(44:9)
[Dグループ]
モノアシルグリセリド(Monoacylglyceride)(18:0/0:0/0:0)、D−グルコース、グアノシン、アデニン、アデノシン、グルタチオン、S−ホルミルグルタチオン(Formylglutathione)、メチオニン−ヒスチジン ジペプチド
[Eグループ]
3−スルホ乳酸、ジメチルスルホン、リボン酸、アラビノン酸、キシロン酸、L−ヒドロキシグルタル酸、ヒドロキシクエン酸、グルカル酸、ガラクタル酸、オクテノイルカルニチン、ベタイン、L−アセチルカルニチン、メチルマロニルカルニチン、L−カルニチン、N,N-ジエチルエタノールアミン、L−シスチン
[Fグループ]
ピログルタミン、LPC(18:2)sn−1、リゾホスファチジルエタノールアミン(lysoPE;LPE)(18:2)、LPC(18:2)sn−2、アンドロステロン硫酸、テストステロン硫酸、フェノール硫酸、乳酸、D−グルコース、ヒドロペルオキシリノール酸、PC(34:2)、チオモルホリン−3−カルボン酸、LPC(18:2)、L−カルニチン
[Gグループ]
メチルアデノシン、スクシニルアデノシン、ドデカノイルカルニチン、O−(7−カルボキシヘプタノイル)カルニチン、O−(8−カルボキシオクタノイル)カルニチン、O−(11−カルボキシウンデカノイル)カルニチン、マレイン酸、フマル酸
[Hグループ]
ジクロロメタン、グルタチオン、L−チロシン、L−フェニルアラニン、3−メルカプト乳酸、ウリジン、タウリン、アミノ酪酸
[Jグループ]
クエン酸
(b−1)工程(a−1)で測定した代謝物質の濃度を、視神経障害を発症しない対照者における前記代謝物質の濃度と比較する工程;
(c−1)工程(a−1)で測定した代謝物質が[Aグループ]、[Bグループ]、又は[Eグループ]〜[Gグループ]の代謝物質である場合、工程(a−1)で測定した代謝物質の濃度が、前記対照者における代謝物質の濃度よりも高いとき、前記被験者は、視神経障害を発症するリスクが高い、又は視神経障害を発症している可能性が高いと評価し、
工程(a−1)で測定した代謝物質が[Iグループ]、[Cグループ]、[Dグループ]、[Hグループ]、又は[Jグループ]の代謝物質である場合、工程(a−1)で測定した代謝物質の濃度が、前記対照者における代謝物質の濃度よりも低いとき、前記被験者は、視神経障害を発症するリスクが高い、又は視神経障害を発症している可能性が高いと評価する工程;
〔2〕以下の工程(a−2)〜(c−2)を含むことを特徴とする視神経障害の重症度の判定方法。
(a−2)視神経障害を発症している被験者から採取された生体試料中の、以下の[Aグループ]〜[Dグループ]から選択される1又は2種以上の代謝物質の濃度を測定する工程;
[Aグループ]
L−アセチルカルニチン(Acetylcarnitine)、9−ヘキサデセノイルカルニチン(Hexadecenoylcarnitine)、ヒドロキシブチリルカルニチン(Hydroxybutyrylcarnitine)、トリアシルグリセロール(62:12)、L−オクタノイルカルニチン(Octanoylcarnitine)、アスパラギン−アスパラギン酸 ジペプチド、m−アミノ安息香酸(Aminobenzoic acid)
[Bグループ]
ホスファチジルコリン(Phosphatidylcholine;PC)(38:7)、ホスファチジルグリセロール(Phosphatidylglycerol;PG)(40:6)、リゾホスファチジルコリン(lysoPC;LPC)(18:2)、PG(32:0)、S−アデノシルメチオニン(Adenosylmethionine)、ホスファチジルエタノールアミン(Phosphatidylethanolamine;PE)(42:8)、PG(38:6)
[Cグループ]
PC(46:6)、スフィンゴミエリン(Sphingomyelin;SM)(d18:0/24:0)、8,8-ジエトキシ-2,6-ジメチル-2-オクタノール、グリセロホスホコリン(Glycerophosphocholine;GPC)、β−ラクトシルセラミド(Lactosylceramide)(d18:1/22:0)、PC(44:9)
[Dグループ]
モノアシルグリセリド(Monoacylglyceride)(18:0/0:0/0:0)、D−グルコース、グアノシン、アデニン、アデノシン、グルタチオン、S−ホルミルグルタチオン(Formylglutathione)、メチオニン−ヒスチジン ジペプチド
(b−2)工程(a−2)で測定した代謝物質の濃度を、視神経障害を発症している対照者における前記代謝物質の濃度と比較する工程;
(c−2)工程(a−2)で測定した代謝物質が[Aグループ]又は[Dグループ]の代謝物質である場合、工程(a−2)で測定した代謝物質の濃度が、前記対照者における代謝物質の濃度よりも高いとき、前記被験者は、前記対照者よりも視神経障害が重症化している可能性が高いと評価し、
工程(a−2)で測定した代謝物質が[Bグループ]又は[Cグループ]の代謝物質である場合、工程(a−2)で測定した代謝物質の濃度が、前記対照者における代謝物質の濃度よりも低いとき、前記被験者は、前記対照者よりも視神経障害が重症化している可能性が高いと評価する工程;
〔3〕生体試料が、血液試料、尿試料、前房水試料、又は網膜試料であることを特徴とする上記〔1〕又は〔2〕に記載の判定方法。
〔4〕工程(a−1)において、脂肪酸又はL−アセチルカルニチンを測定し、工程(a−2)において、L−アセチルカルニチンを測定することを特徴とする上記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の判定方法。
〔5〕脂肪酸が、オレイン酸、パルミチン酸、リノール酸、ステアリン酸、ドコサヘキサエン酸、ミリスチン酸、及びアラキドン酸からなる群から選択される1又は2種以上の脂肪酸であることを特徴とする上記〔4〕に記載の判定方法。
〔6〕以下の[Iグループ]、[Aグループ]〜[Hグループ]、及び[Jグループ]から選択される1又は2種以上の代謝物質からなることを特徴とする視神経障害の発症リスク、又は発症の有無の判定用バイオマーカーであって、
代謝物質が[Aグループ]、[Bグループ]、又は[Eグループ]〜[Gグループ]の代謝物質である場合、視神経障害を発症するリスクが高い者、又は視神経障害を発症している者から採取された生体試料中の前記代謝物質の濃度が、視神経障害を発症しない対照者における前記代謝物質の濃度と比べ、高く、
代謝物質が[Iグループ]、[Cグループ]、[Dグループ]、[Hグループ]、又は[Jグループ]の代謝物質である場合、視神経障害を発症するリスクが高い者、又は視神経障害を発症している者から採取された生体試料中の前記代謝物質の濃度が、視神経障害を発症しない対照者における前記代謝物質の濃度と比べ、低い、
前記判定用バイオマーカー。
[Iグループ]
脂肪酸、LPC(18:0)、パルミチン酸メチル、ミリスチン酸イソプロピル、LPE(22:6)、LPC(17:0)sn−1、LPC(14:0)、LPC(17:0)sn−2、LPC(15:0)、p−クレゾール硫酸、インドキシル硫酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ安息香酸、N-フェニルアセチルグルタミン、アコニット酸、ピリドキサール、LPC(16:0)、PC(36:2)、PC(38:4)、PC(40:6)、プロリンベタイン、セラミド(d18:1/16:0)
[Aグループ]
L−アセチルカルニチン(Acetylcarnitine)、9−ヘキサデセノイルカルニチン(Hexadecenoylcarnitine)、ヒドロキシブチリルカルニチン(Hydroxybutyrylcarnitine)、トリアシルグリセロール(62:12)、L−オクタノイルカルニチン(Octanoylcarnitine)、アスパラギン−アスパラギン酸 ジペプチド、m−アミノ安息香酸(Aminobenzoic acid)
[Bグループ]
ホスファチジルコリン(Phosphatidylcholine;PC)(38:7)、ホスファチジルグリセロール(Phosphatidylglycerol;PG)(40:6)、リゾホスファチジルコリン(lysoPC;LPC)(18:2)、PG(32:0)、S−アデノシルメチオニン(Adenosylmethionine)、ホスファチジルエタノールアミン(Phosphatidylethanolamine;PE)(42:8)、PG(38:6)
[Cグループ]
PC(46:6)、スフィンゴミエリン(Sphingomyelin;SM)(d18:0/24:0)、8,8-ジエトキシ-2,6-ジメチル-2-オクタノール、グリセロホスホコリン(Glycerophosphocholine;GPC)、β−ラクトシルセラミド(Lactosylceramide)(d18:1/22:0)、PC(44:9)
[Dグループ]
モノアシルグリセリド(Monoacylglyceride)(18:0/0:0/0:0)、D−グルコース、グアノシン、アデニン、アデノシン、グルタチオン、S−ホルミルグルタチオン(Formylglutathione)、メチオニン−ヒスチジン ジペプチド
[Eグループ]
3−スルホ乳酸、ジメチルスルホン、リボン酸、アラビノン酸、キシロン酸、L−ヒドロキシグルタル酸、ヒドロキシクエン酸、グルカル酸、ガラクタル酸、オクテノイルカルニチン、ベタイン、L−アセチルカルニチン、メチルマロニルカルニチン、L−カルニチン、N,N-ジエチルエタノールアミン、L−シスチン
[Fグループ]
ピログルタミン、LPC(18:2)sn−1、リゾホスファチジルエタノールアミン(lysoPE;LPE)(18:2)、LPC(18:2)sn−2、アンドロステロン硫酸、テストステロン硫酸、フェノール硫酸、乳酸、D−グルコース、ヒドロペルオキシリノール酸、PC(34:2)、チオモルホリン−3−カルボン酸、LPC(18:2)、L−カルニチン
[Gグループ]
メチルアデノシン、スクシニルアデノシン、ドデカノイルカルニチン、O−(7−カルボキシヘプタノイル)カルニチン、O−(8−カルボキシオクタノイル)カルニチン、O−(11−カルボキシウンデカノイル)カルニチン、マレイン酸、フマル酸
[Hグループ]
ジクロロメタン、グルタチオン、L−チロシン、L−フェニルアラニン、3−メルカプト乳酸、ウリジン、タウリン、アミノ酪酸
[Jグループ]
クエン酸
〔7〕以下の[Aグループ]〜[Dグループ]から選択される1又は2種以上の代謝物質からなることを特徴とする視神経障害の重症度の判定用バイオマーカーであって、
代謝物質が[Aグループ]又は[Dグループ]の代謝物質である場合、視神経障害の重症度が高い者から採取された生体試料中の前記代謝物質の濃度が、視神経障害の重症度が低い者における前記代謝物質の濃度と比べ、高く、
代謝物質が[Bグループ]又は[Cグループ]の代謝物質である場合、視神経障害の重症度が高い者から採取された生体試料中の前記代謝物質の濃度が、視神経障害の重症度が低い者における前記代謝物質の濃度と比べ、低い、
前記判定用バイオマーカー。
[Aグループ]
L−アセチルカルニチン(Acetylcarnitine)、9−ヘキサデセノイルカルニチン(Hexadecenoylcarnitine)、ヒドロキシブチリルカルニチン(Hydroxybutyrylcarnitine)、トリアシルグリセロール(62:12)、L−オクタノイルカルニチン(Octanoylcarnitine)、アスパラギン−アスパラギン酸 ジペプチド、m−アミノ安息香酸(Aminobenzoic acid)
[Bグループ]
ホスファチジルコリン(Phosphatidylcholine;PC)(38:7)、ホスファチジルグリセロール(Phosphatidylglycerol;PG)(40:6)、リゾホスファチジルコリン(lysoPC;LPC)(18:2)、PG(32:0)、S−アデノシルメチオニン(Adenosylmethionine)、ホスファチジルエタノールアミン(Phosphatidylethanolamine;PE)(42:8)、PG(38:6)
[Cグループ]
PC(46:6)、スフィンゴミエリン(Sphingomyelin;SM)(d18:0/24:0)、8,8-ジエトキシ-2,6-ジメチル-2-オクタノール、グリセロホスホコリン(Glycerophosphocholine;GPC)、β−ラクトシルセラミド(Lactosylceramide)(d18:1/22:0)、PC(44:9)
[Dグループ]
モノアシルグリセリド(Monoacylglyceride)(18:0/0:0/0:0)、D−グルコース、グアノシン、アデニン、アデノシン、グルタチオン、S−ホルミルグルタチオン(Formylglutathione)、メチオニン−ヒスチジン ジペプチド
〔8〕生体試料が、血液試料、尿試料、前房水試料、又は網膜試料であることを特徴とする上記〔6〕又は〔7〕に記載の判定用バイオマーカー。
〔9〕代謝物質が、脂肪酸又はL−アセチルカルニチンであることを特徴とする上記〔6〕〜〔8〕のいずれかに記載の判定用バイオマーカー。
〔10〕脂肪酸が、オレイン酸、パルミチン酸、リノール酸、ステアリン酸、ドコサヘキサエン酸、ミリスチン酸、及びアラキドン酸からなる群から選択される1又は2種以上の脂肪酸であることを特徴とする上記〔9〕に記載の判定用バイオマーカー。
〔11〕以下の工程(A)〜(C)を含むことを特徴とする視神経障害発症の予防剤、又は視神経障害の治療剤のスクリーニング方法。
(A)被検物質を投与した視神経障害非ヒト動物から採取された生体試料中の、以下の[Iグループ]、[Aグループ]〜[Hグループ]、及び[Jグループ]から選択される1又は2種以上の代謝物質の濃度を測定する工程;
[Iグループ]
脂肪酸、LPC(18:0)、パルミチン酸メチル、ミリスチン酸イソプロピル、LPE(22:6)、LPC(17:0)sn−1、LPC(14:0)、LPC(17:0)sn−2、LPC(15:0)、p−クレゾール硫酸、インドキシル硫酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ安息香酸、N-フェニルアセチルグルタミン、アコニット酸、ピリドキサール、LPC(16:0)、PC(36:2)、PC(38:4)、PC(40:6)、プロリンベタイン、セラミド(d18:1/16:0)
[Aグループ]
L−アセチルカルニチン(Acetylcarnitine)、9−ヘキサデセノイルカルニチン(Hexadecenoylcarnitine)、ヒドロキシブチリルカルニチン(Hydroxybutyrylcarnitine)、トリアシルグリセロール(62:12)、L−オクタノイルカルニチン(Octanoylcarnitine)、アスパラギン−アスパラギン酸 ジペプチド、m−アミノ安息香酸(Aminobenzoic acid)
[Bグループ]
ホスファチジルコリン(Phosphatidylcholine;PC)(38:7)、ホスファチジルグリセロール(Phosphatidylglycerol;PG)(40:6)、リゾホスファチジルコリン(lysoPC;LPC)(18:2)、PG(32:0)、S−アデノシルメチオニン(Adenosylmethionine)、ホスファチジルエタノールアミン(Phosphatidylethanolamine;PE)(42:8)、PG(38:6)
[Cグループ]
PC(46:6)、スフィンゴミエリン(Sphingomyelin;SM)(d18:0/24:0)、8,8-ジエトキシ-2,6-ジメチル-2-オクタノール、グリセロホスホコリン(Glycerophosphocholine;GPC)、β−ラクトシルセラミド(Lactosylceramide)(d18:1/22:0)、PC(44:9)
[Dグループ]
モノアシルグリセリド(Monoacylglyceride)(18:0/0:0/0:0)、D−グルコース、グアノシン、アデニン、アデノシン、グルタチオン、S−ホルミルグルタチオン(Formylglutathione)、メチオニン−ヒスチジン ジペプチド
[Eグループ]
3−スルホ乳酸、ジメチルスルホン、リボン酸、アラビノン酸、キシロン酸、L−ヒドロキシグルタル酸、ヒドロキシクエン酸、グルカル酸、ガラクタル酸、オクテノイルカルニチン、ベタイン、L−アセチルカルニチン、メチルマロニルカルニチン、L−カルニチン、N,N-ジエチルエタノールアミン、L−シスチン
[Fグループ]
ピログルタミン、LPC(18:2)sn−1、リゾホスファチジルエタノールアミン(lysoPE;LPE)(18:2)、LPC(18:2)sn−2、アンドロステロン硫酸、テストステロン硫酸、フェノール硫酸、乳酸、D−グルコース、ヒドロペルオキシリノール酸、PC(34:2)、チオモルホリン−3−カルボン酸、LPC(18:2)、L−カルニチン
[Gグループ]
メチルアデノシン、スクシニルアデノシン、ドデカノイルカルニチン、O−(7−カルボキシヘプタノイル)カルニチン、O−(8−カルボキシオクタノイル)カルニチン、O−(11−カルボキシウンデカノイル)カルニチン、マレイン酸、フマル酸
[Hグループ]
ジクロロメタン、グルタチオン、L−チロシン、L−フェニルアラニン、3−メルカプト乳酸、ウリジン、タウリン、アミノ酪酸
[Jグループ]
クエン酸
(B)工程(A)で測定した代謝物質の濃度を、前記被検物質を投与しない視神経障害非ヒト動物における前記代謝物質の濃度と比較する工程;
(C)工程(A)で測定した代謝物質が[Aグループ]、[Bグループ]、又は[Eグループ]〜[Gグループ]の代謝物質である場合、工程(A)で測定した代謝物質の濃度が、前記被検物質を投与しない視神経障害非ヒト動物における代謝物質の濃度よりも低いとき、前記被検物質は、視神経障害発症の予防、又は視神経障害の治療に有効であると評価し、
工程(A)で測定した代謝物質が[Iグループ]、[Cグループ]、[Dグループ]、[Hグループ]、又は[Jグループ]の代謝物質である場合、工程(A)で測定した代謝物質の濃度が、前記被検物質を投与しない視神経障害非ヒト動物における代謝物質の濃度よりも高いとき、前記被検物質は、視神経障害発症の予防、又は視神経障害の治療に有効であると評価する工程;
〔12〕生体試料が、血液試料、尿試料、前房水試料、又は網膜試料であることを特徴とする上記〔11〕に記載のスクリーニング方法。
〔13〕工程(A)において、脂肪酸又はL−アセチルカルニチンを測定することを特徴とする上記〔11〕又は〔12〕に記載のスクリーニング方法。
〔14〕脂肪酸が、オレイン酸、パルミチン酸、リノール酸、ステアリン酸、ドコサヘキサエン酸、ミリスチン酸、及びアラキドン酸からなる群から選択される1又は2種以上の脂肪酸であることを特徴とする上記〔13〕に記載のスクリーニング方法。
また本発明の実施の他の形態として、
被験者から採取された生体試料中の本件代謝物質群から選択される1又は2種以上の代謝物質の濃度を測定する工程(a−1)を含む、視神経障害の発症リスク、又は視神経障害の発症の有無を判定する方法;や、
視神経障害を発症している被験者から採取された生体試料中の本件代謝物質群から選択される1又は2種以上の代謝物質の濃度を測定する工程(a−2)を含む、視神経障害の重症度を判定する方法;や、
本件代謝物質群から選択される1又は2種以上の代謝物質からなる、視神経障害の発症リスクの判定用、視神経障害発症の有無の判定用、又は視神経障害の重症度の判定用バイオマーカー;や、
被検物質を投与した視神経障害非ヒト動物から採取された生体試料中の本件代謝物質群から選択される1又は2種以上の代謝物質の濃度を測定する工程(A)を含む、視神経障害発症の予防剤、又は視神経障害の治療剤をスクリーニングする方法や、
上記工程(a−1)〜(c−1)を含む、視神経障害の発症リスク、又は発症の有無を診断するためのデータを収集する方法;や、
上記工程(a−1)〜(c−1)を含み、さらに、工程(c−1)において、視神経障害を発症するリスクが高い、又は視神経障害を発症している可能性が高いと評価(診断)された被験者に対して、視神経障害の発症を予防する処置、又は視神経障害を治療する処置(例えば、眼圧降下剤や、RGC軸索の再生又は可塑性を促す神経再生剤の点眼等)を施す工程(p−1)を任意で含む、視神経障害の発症リスク、又は発症の有無の診断方法;や、
上記工程(a−2)〜(c−2)を含む、視神経障害の重症度を診断するためのデータを収集する方法;や、
上記工程(a−2)〜(c−2)を含み、さらに、工程(c−2)において、視神経障害が重症化している可能性が高いと評価(診断)された被験者に対して、視神経障害を治療する処置(例えば、眼圧降下剤や、RGC軸索の再生又は可塑性を促す神経再生剤の点眼等)を施す工程(p−2)を任意で含む、視神経障害の重症度の診断方法;や、
視神経障害の発症リスク、又は発症の有無の判定(診断)方法におけるバイオマーカーとして使用するための、本件代謝物質群から選択される1又は2種以上の代謝物質であって、代謝物質が[Aグループ]、[Bグループ]、又は[Eグループ]〜[Gグループ]の代謝物質である場合、視神経障害を発症するリスクが高い者、又は視神経障害を発症している者から採取された生体試料中の前記代謝物質の濃度が、視神経障害を発症しない対照者における前記代謝物質の濃度と比べ、高く、代謝物質が[Cグループ]、[Dグループ]、又は[Hグループ]〜[Jグループ]の代謝物質である場合、視神経障害を発症するリスクが高い者、又は視神経障害を発症している者から採取された生体試料中の前記代謝物質の濃度が、視神経障害を発症しない対照者における前記代謝物質の濃度と比べ、低い、前記代謝物質;や、
視神経障害の重症度の判定(診断)方法におけるバイオマーカーとして使用するための、本件代謝物質群から選択される1又は2種以上の代謝物質であって、代謝物質が[Aグループ]又は[Dグループ]の代謝物質である場合、視神経障害の重症度が高い者から採取された生体試料中の前記代謝物質の濃度が、視神経障害の重症度が低い者における前記代謝物質の濃度と比べ、高く、
代謝物質が[Bグループ]又は[Cグループ]の代謝物質である場合、視神経障害の重症度が高い者から採取された生体試料中の前記代謝物質の濃度が、視神経障害の重症度が低い者における前記代謝物質の濃度と比べ、低い、前記代謝物質;や、
上記工程(A)〜(C)を含む、視神経障害の予防又は治療剤(薬)の有効性を判定する方法、或いは視神経障害の予防剤(薬)候補又は治療剤(薬)候補のスクリーニング方法;
を挙げることができる。
本発明の判定方法又は判定用バイオマーカーによると、視神経障害の発症リスク及び発症の有無や、視神経障害の重症度を精度よく判定することができるため、緑内障等の視神経障害が発症する前や発症後初期段階で適切な治療を受けることができ、視神経障害発症を予防したり、視神経障害を早期治療することにつながる。また、本発明のスクリーニング方法は、視神経障害の予防(保護)又は治療剤(薬)の開発に資するものである。
図1Aは、CT群及び3種類のONC群(ONC群2日目、ONC群4日目、及びONC群7日目)について、網膜試料中のRBPMS(RNA binding protein with multiple splicing)の発現レベルを、間接蛍光抗体法により解析した結果を示す図である。図中の「RBPMS」は、RBPMS蛍光画像を示し、「DAPI」は、DAPI蛍光画像を示し、「Merge」は、RBPMS蛍光画像とDAPI蛍光画像とを重ねた画像を示す。図1Bは、CT群及び上記3種類のONC群について、RBPMS蛍光画像を基に、網膜試料中のRBPMS陽性網膜細胞数を測定した結果を示す図である。図中の「*」及び「**」は、それぞれ統計学的に有意差(P<0.05、及びP<0.01)があることを示す。図1Cは、網膜試料中のRBPMSの発現レベルを、ウエスタンブロッティング法により解析した結果を示す図である。図中の「NC」は、視神経を挫滅した右眼の網膜試料を示し、「S」は、視神経を挫滅しない左眼の網膜試料を示す。 CT群(図中の「CT」)及び3種類のONC群(ONC群2日目[図中のONC2]、ONC群4日目[図中のONC4]、及びONC群7日目[図中のONC7])について、網膜試料中の本件代謝物質群(A〜Dグループの代謝物質)の濃度を、液体クロマトグラフ質量分析計(LC−MS)を用いた質量分析法により定量し、得られた定量結果を基に、階層的クラスタリング解析を行い、作成したヒートマップを示す図である。 CT群及び上記3種類のONC群について、網膜試料中の4種類のAグループ代謝物質(L−アセチルカルニチン、9−ヘキサデセノイルカルニチン、ヒドロキシブチリルカルニチン、及びトリアシルグリセロール[62:12])の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。 CT群及び上記3種類のONC群について、網膜試料中の3種類のAグループ代謝物質(L−オクタノイルカルニチン、アスパラギン−アスパラギン酸 ジペプチド、及びm−アミノ安息香酸)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。 CT群及び上記3種類のONC群について、網膜試料中の4種類のBグループ代謝物質(PC[38:7]、PG[40:6]、LPC[18:2]、及びPG[32:0])の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。 CT群及び上記3種類のONC群について、網膜試料中の3種類のBグループ代謝物質(S−アデノシルメチオニン、PE[42:8]、及びPG[38:6])の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。 CT群及び上記3種類のONC群について、網膜試料中の3種類のCグループ代謝物質(PC[46:6]、SM[d18:0/24:0]、及び8,8−ジエトキシ−2,6−ジメチル−2−オクタノール)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。 CT群及び上記3種類のONC群について、網膜試料中の3種類のCグループ代謝物質(GPC、β−ラクトシルセラミド[d18:1/22:0]、及びPC[44:9])の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。 CT群及び上記3種類のONC群について、網膜試料中の4種類のDグループ代謝物質(モノアシルグリセリド[18:0/0:0/0:0]、D−グルコース、グアノシン、及びアデニン)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。 CT群及び上記3種類のONC群について、網膜試料中の4種類のDグループ代謝物質(アデノシン、グルタチオン、S−ホルミルグルタチオン、及びメチオニン−ヒスチジン ジペプチド)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。 CT群及びONC群2日目について、網膜試料中の3種類の本件代謝物質群(L−アセチルカルチニン[図11A]、PC[38:7][図11B]、及びPG[40:6][図11C])の分布を、IMSを用いた質量分析法により解析した結果を示す図である。図11A〜Cの各群について、下図は、ヘマトキシリン・エオジン(HE)染色した網膜試料の光学顕微鏡画像であり、右図は、下図の四角で囲った領域を拡大した光学顕微鏡画像であり、左図は、右図の光学顕微鏡画像に対応するIMS解析画像である。 健常群及び緑内障群について、前房水試料中の本件代謝物質群(L−アセチルカルチニン)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。縦軸のL−アセチルカルチニン濃度レベルは、L−アセチルカルチニンのピーク強度を示す。図中の「***」は、統計学的に有意差(P=0.0001352)があることを示す。 図13Aは、健常群及び緑内障群について、前房水試料中の本件代謝物質群(3−スルホ乳酸)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図13Aの「***」は、統計学的に有意差(P=0.0003)があることを示す。図13Bは、健常群、NTG群及びPOAG群について、前房水試料中の本件代謝物質群(3−スルホ乳酸)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図13Bの「*」及び「***」は、それぞれSteel-Dwass testにより統計学的に有意差(P=0.0242、及びP<0.0001)があることを示す。図中の各黒丸(●)は、被験者一人ひとりを示す(以下、同じ)。図中の縦軸の3−スルホ乳酸濃度レベルは、3−スルホ乳酸のピーク強度を示す。 図14Aは、健常群及び緑内障群について、前房水試料中の本件代謝物質群(ジメチルスルホン)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図14Bは、健常群、NTG群及びPOAG群について、前房水試料中の本件代謝物質群(ジメチルスルホン)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図中の「###」及び「***」は、それぞれSteel-Dwass testにより統計学的に有意差(P=0.0004、及びP<0.0001)があることを示す。図中の縦軸のジメチルスルホン濃度レベルは、ジメチルスルホンのピーク強度を示す。 図15Aは、健常群及び緑内障群について、前房水試料中の本件代謝物質群(リボン酸、アラビノン酸、又はキシロン酸)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図15Bは、健常群、NTG群及びPOAG群について、前房水試料中の本件代謝物質群(リボン酸、アラビノン酸、又はキシロン酸)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図中の「***」は、Steel-Dwass testにより統計学的に有意差(P<0.0001)があることを示す。図中の縦軸のリボン酸、アラビノン酸、又はキシロン酸濃度レベルは、リボン酸、アラビノン酸、又はキシロン酸のピーク強度を示す。 図16Aは、健常群及び緑内障群について、前房水試料中の本件代謝物質群(L−ヒドロキシグルタル酸)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図16Bは、健常群、NTG群及びPOAG群について、前房水試料中の本件代謝物質群(L−ヒドロキシグルタル酸)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図中の「*」及び「***」は、それぞれSteel-Dwass testにより統計学的に有意差(P=0.0450、及びP<0.0001)があることを示す。図中の縦軸のL−ヒドロキシグルタル酸濃度レベルは、L−ヒドロキシグルタル酸のピーク強度を示す。 図17Aは、健常群及び緑内障群について、前房水試料中の本件代謝物質群(ヒドロキシクエン酸)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図17Bは、健常群、NTG群及びPOAG群について、前房水試料中の本件代謝物質群(ヒドロキシクエン酸)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図中の「**」及び「***」は、それぞれSteel-Dwass testにより統計学的に有意差(P=0.0135、及びP<0.0001)があることを示す。図中の縦軸のヒドロキシクエン酸濃度レベルは、ヒドロキシクエン酸のピーク強度を示す。 図18Aは、健常群及び緑内障群について、前房水試料中の本件代謝物質群(グルカル酸又はガラクタル酸)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図18Bは、健常群、NTG群及びPOAG群について、前房水試料中の本件代謝物質群(グルカル酸又はガラクタル酸)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図中の「*」及び「***」は、それぞれSteel-Dwass testにより統計学的に有意差(P=0.0111、及びP<0.0001)があることを示す。図中の縦軸のグルカル酸又はガラクタル酸濃度レベルは、グルカル酸又はガラクタル酸のピーク強度を示す。 図19Aは、健常群及び緑内障群について、前房水試料中の本件代謝物質群(オクテノイルカルニチン)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図19Aの「*」は、統計学的に有意差(P=0.0284)があることを示す。図19Bは、健常群、NTG群及びPOAG群について、前房水試料中の本件代謝物質群(オクテノイルカルニチン)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図19Bの「*」及び「**」は、それぞれSteel-Dwass testにより統計学的に有意差(P=0.0282、及びP=0.0084)があることを示す。図中の縦軸のオクテノイルカルニチン濃度レベルは、オクテノイルカルニチンのピーク強度を示す。 図20Aは、健常群及び緑内障群について、前房水試料中の本件代謝物質群(ベタイン)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図19Bは、健常群、NTG群及びPOAG群について、前房水試料中の本件代謝物質群(ベタイン)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図中の縦軸のベタイン濃度レベルは、ベタインのピーク強度を示す。 図21Aは、健常群及び緑内障群について、前房水試料中の本件代謝物質群(L−アセチルカルニチン)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図21Aの「***」は、統計学的に有意差(P=0.0003)があることを示す。図21Bは、健常群、NTG群及びPOAG群について、前房水試料中の本件代謝物質群(L−アセチルカルニチン)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図21Bの「*」及び「***」は、それぞれTukey-Kramer testにより統計学的に有意差(P=0.0289、及びP<0.0001)があることを示す。図中の縦軸のL−アセチルカルニチン濃度レベルは、L−アセチルカルニチンのピーク強度を示す。 図22Aは、健常群及び緑内障群について、前房水試料中の本件代謝物質群(メチルマロニルカルニチン)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図22Aの「*」は、統計学的に有意差(P=0.01)があることを示す。図22Bは、健常群、NTG群及びPOAG群について、前房水試料中の本件代謝物質群(メチルマロニルカルニチン)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図22Bの「***」は、Steel-Dwass testにより統計学的に有意差(P=0.0006)があることを示す。図中の縦軸のメチルマロニルカルニチン濃度レベルは、メチルマロニルカルニチンのピーク強度を示す。 図23Aは、健常群及び緑内障群について、前房水試料中の本件代謝物質群(L−カルニチン)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図23Aの「**」は、統計学的に有意差(P=0.0023)があることを示す。図23Bは、健常群、NTG群及びPOAG群について、前房水試料中の本件代謝物質群(L−カルニチン)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図23Bの「*」及び「***」は、それぞれTukey-Kramer testにより統計学的に有意差(P=0.0196、及びP=0.0004)があることを示す。図中の縦軸のL−カルニチン濃度レベルは、L−カルニチンのピーク強度を示す。 図24Aは、健常群及び緑内障群について、前房水試料中の本件代謝物質群(N,N-ジエチルエタノールアミン)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図24Bは、健常群、NTG群及びPOAG群について、前房水試料中の本件代謝物質群(N,N-ジエチルエタノールアミン)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図中の「***」は、Steel-Dwass testにより統計学的に有意差(P<0.0001)があることを示す。図中の縦軸のN,N-ジエチルエタノールアミン濃度レベルは、N,N-ジエチルエタノールアミンのピーク強度を示す。 図25Aは、健常群及び緑内障群について、前房水試料中の本件代謝物質群(L−シスチン)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図25Bは、健常群、NTG群及びPOAG群について、前房水試料中の本件代謝物質群(L−シスチン)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図中の「*」及び「***」は、それぞれSteel-Dwass testにより統計学的に有意差(P=0.0346、及びP<0.0001)があることを示す。図中の縦軸のL−シスチン濃度レベルは、L−シスチンのピーク強度を示す。 図26Aは、健常群及び緑内障群について、前房水試料中の本件代謝物質群(ジクロロメタン)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図26Bは、健常群、NTG群及びPOAG群について、前房水試料中の本件代謝物質群(ジクロロメタン)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図26Bの「*」は、Steel-Dwass testにより統計学的に有意差(P=0.0495)があることを示す。図中の縦軸のジクロロメタン濃度レベルは、ジクロロメタンのピーク強度を示す。 図27Aは、健常群及び緑内障群について、前房水試料中の本件代謝物質群(グルタチオン)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図27Bは、健常群、NTG群及びPOAG群について、前房水試料中の本件代謝物質群(グルタチオン)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図中の「###」及び「***」は、それぞれTukey-Kramer testにより統計学的に有意差(P=0.0005、及びP<0.0001)があることを示す。図中の縦軸のグルタチオン濃度レベルは、グルタチオンのピーク強度を示す。 図28Aは、健常群及び緑内障群について、前房水試料中の本件代謝物質群(L−チロシン)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図28Bは、健常群、NTG群及びPOAG群について、前房水試料中の本件代謝物質群(L−チロシン)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図中の縦軸のL−チロシン濃度レベルは、L−チロシンのピーク強度を示す。 図29Aは、健常群及び緑内障群について、前房水試料中の本件代謝物質群(L−フェニルアラニン)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図29Bは、健常群、NTG群及びPOAG群について、前房水試料中の本件代謝物質群(L−フェニルアラニン)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図中の縦軸のL−フェニルアラニン濃度レベルは、L−フェニルアラニンのピーク強度を示す。 図30Aは、健常群及び緑内障群について、前房水試料中の本件代謝物質群(3−メルカプト乳酸)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図30Aの「***」は、統計学的に有意差(P<0.0001)があることを示す。図30Bは、健常群、NTG群及びPOAG群について、前房水試料中の本件代謝物質群(3−メルカプト乳酸)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図30Bの「##」及び「**」は、それぞれSteel-Dwass testにより統計学的に有意差(P=0.0027、及びP=0.0016)があることを示す。図中の縦軸の3−メルカプト乳酸濃度レベルは、3−メルカプト乳酸のピーク強度を示す。 図31Aは、健常群及び緑内障群について、前房水試料中の本件代謝物質群(ウリジン)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図31Bは、健常群、NTG群及びPOAG群について、前房水試料中の本件代謝物質群(ウリジン)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図中の「**」及び「***」は、それぞれTukey-Kramer testにより統計学的に有意差(P=0.0029、及びP<0.0001)があることを示す。図中の縦軸のウリジン濃度レベルは、ウリジンのピーク強度を示す。 図32Aは、健常群及び緑内障群について、前房水試料中の本件代謝物質群(タウリン)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図32Aの「**」は、統計学的に有意差(P=0.0018)があることを示す。図32Bは、健常群、NTG群及びPOAG群について、前房水試料中の本件代謝物質群(タウリン)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図32Bの「*」及び「***」は、それぞれTukey-Kramer testにより統計学的に有意差(P=0.0443及びP=0.0011)があることを示す。図中の縦軸のタウリン濃度レベルは、タウリンのピーク強度を示す。 図33Aは、健常群及び緑内障群について、前房水試料中の本件代謝物質群(アミノ酪酸)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図33Aの「***」は、統計学的に有意差(P<0.0001)があることを示す。図33Bは、健常群、NTG群及びPOAG群について、前房水試料中の本件代謝物質群(アミノ酪酸)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図33Bの「***」は、Steel-Dwass testにより統計学的に有意差(P<0.0001)があることを示す。図中の縦軸のアミノ酪酸濃度レベルは、アミノ酪酸のピーク強度を示す。 図34Aは、健常群及び緑内障群について、血漿試料中の本件代謝物質群(ピログルタミン)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図34Bは、健常群、NTG群及びPOAG群について、血漿試料中の本件代謝物質群(ピログルタミン)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図34Bの「#」及び「*」は、それぞれSteel-Dwass testにより統計学的に有意差(P=0.015、及びP=0.0231)があることを示す。図中の縦軸のピログルタミン濃度レベルは、ピログルタミンのピーク強度を示す。 図35Aは、健常群及び緑内障群について、血漿試料中の本件代謝物質群(LPC(18:2)sn−1)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図35Aの「*」は、統計学的に有意差(P=0.0383)があることを示す。図35Bは、健常群、NTG群及びPOAG群について、血漿試料中の本件代謝物質群(LPC(18:2)sn−1)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図中の縦軸のLPC(18:2)sn−1濃度レベルは、LPC(18:2)sn−1のピーク強度を示す。 図36Aは、健常群及び緑内障群について、血漿試料中の本件代謝物質群(LPE(18:2))の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図36Bは、健常群、NTG群及びPOAG群について、血漿試料中の本件代謝物質群(LPE(18:2))の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図中の縦軸のLPE(18:2)濃度レベルは、LPE(18:2)のピーク強度を示す。 図37Aは、健常群及び緑内障群について、血漿試料中の本件代謝物質群(LPC(18:2)sn−2)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図37Bは、健常群、NTG群及びPOAG群について、血漿試料中の本件代謝物質群(LPC(18:2)sn−2)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図中の縦軸のLPC(18:2)sn−2濃度レベルは、LPC(18:2)sn−2のピーク強度を示す。 図38Aは、健常群及び緑内障群について、血漿試料中の本件代謝物質群(アンドロステロン硫酸)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図38Bは、健常群、NTG群及びPOAG群について、血漿試料中の本件代謝物質群(アンドロステロン硫酸)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図中の縦軸のアンドロステロン硫酸濃度レベルは、アンドロステロン硫酸のピーク強度を示す。 図39Aは、健常群及び緑内障群について、血漿試料中の本件代謝物質群(テストステロン硫酸)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図39Bは、健常群、NTG群及びPOAG群について、血漿試料中の本件代謝物質群(テストステロン硫酸)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図中の縦軸のテストステロン硫酸濃度レベルは、テストステロン硫酸のピーク強度を示す。 図40Aは、健常群及び緑内障群について、血漿試料中の本件代謝物質群(フェノール硫酸)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図40Bは、健常群、NTG群及びPOAG群について、血漿試料中の本件代謝物質群(フェノール硫酸)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図中の縦軸のフェノール硫酸濃度レベルは、フェノール硫酸のピーク強度を示す。 図41Aは、健常群及び緑内障群について、血漿試料中の本件代謝物質群(乳酸)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図41Bは、健常群、NTG群及びPOAG群について、血漿試料中の本件代謝物質群(乳酸)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図中の縦軸の乳酸濃度レベルは、乳酸のピーク強度を示す。 図42Aは、健常群及び緑内障群について、血漿試料中の本件代謝物質群(D−グルコース)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図42Bは、健常群、NTG群及びPOAG群について、血漿試料中の本件代謝物質群(D−グルコース)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図中の縦軸のD−グルコース濃度レベルは、D−グルコースのピーク強度を示す。 図43Aは、健常群及び緑内障群について、血漿試料中の本件代謝物質群(ヒドロペルオキシリノール酸)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図43Bは、健常群、NTG群及びPOAG群について、血漿試料中の本件代謝物質群(ヒドロペルオキシリノール酸)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図中の縦軸のヒドロペルオキシリノール酸濃度レベルは、ヒドロペルオキシリノール酸のピーク強度を示す。 図44Aは、健常群及び緑内障群について、血漿試料中の本件代謝物質群(PC(34:2))の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図44Bは、健常群、NTG群及びPOAG群について、血漿試料中の本件代謝物質群(PC(34:2))の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図中の縦軸のPC(34:2)濃度レベルは、PC(34:2)のピーク強度を示す。 図45Aは、健常群及び緑内障群について、血漿試料中の本件代謝物質群(チオモルホリン−3−カルボン酸)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図45Bは、健常群、NTG群及びPOAG群について、血漿試料中の本件代謝物質群(チオモルホリン−3−カルボン酸)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図中の縦軸のチオモルホリン−3−カルボン酸濃度レベルは、チオモルホリン−3−カルボン酸のピーク強度を示す。 図46Aは、健常群及び緑内障群について、血漿試料中の本件代謝物質群(LPC(18:2))の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図46Bは、健常群、NTG群及びPOAG群について、血漿試料中の本件代謝物質群(LPC(18:2))の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図中の縦軸のLPC(18:2)濃度レベルは、LPC(18:2)のピーク強度を示す。 図47Aは、健常群及び緑内障群について、血漿試料中の本件代謝物質群(L−カルニチン)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図47Bは、健常群、NTG群及びPOAG群について、血漿試料中の本件代謝物質群(L−カルニチン)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図中の縦軸のL−カルニチン濃度レベルは、L−カルニチンのピーク強度を示す。 図48Aは、健常群及び緑内障群について、血漿試料中の本件代謝物質群(LPC(18:0))の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図48Bは、健常群、NTG群及びPOAG群について、血漿試料中の本件代謝物質群(LPC(18:0))の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図中の縦軸のLPC(18:0)濃度レベルは、LPC(18:0)のピーク強度を示す。 図49Aは、健常群及び緑内障群について、血漿試料中の本件代謝物質群(パルミチン酸メチル又はミリスチン酸イソプロピル)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図49A中の「***」は、統計学的に有意差(P<0.0001)があることを示す。図49Bは、健常群、NTG群及びPOAG群について、血漿試料中の本件代謝物質群(パルミチン酸メチル又はミリスチン酸イソプロピル)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図49Bの「***」は、Tukey-Kramer testにより統計学的に有意差(P<0.0001)があることを示す。図中の縦軸のパルミチン酸メチル又はミリスチン酸イソプロピル濃度レベルは、パルミチン酸メチル又はミリスチン酸イソプロピルのピーク強度を示す。 図50Aは、健常群及び緑内障群について、血漿試料中の本件代謝物質群(LPE(22:6))の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図50Bは、健常群、NTG群及びPOAG群について、血漿試料中の本件代謝物質群(LPE(22:6))の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図中の縦軸のLPE(22:6)濃度レベルは、LPE(22:6)のピーク強度を示す。 図51Aは、健常群及び緑内障群について、血漿試料中の本件代謝物質群(LPC(17:0)sn−1)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図51Bは、健常群、NTG群及びPOAG群について、血漿試料中の本件代謝物質群(LPC(17:0)sn−1)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図中の縦軸のLPC(17:0)sn−1濃度レベルは、LPC(17:0)sn−1のピーク強度を示す。 図52Aは、健常群及び緑内障群について、血漿試料中の本件代謝物質群(LPC(14:0))の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図52Bは、健常群、NTG群及びPOAG群について、血漿試料中の本件代謝物質群(LPC(14:0))の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図中の縦軸のLPC(14:0)濃度レベルは、LPC(14:0)のピーク強度を示す。 図53Aは、健常群及び緑内障群について、血漿試料中の本件代謝物質群(LPC(17:0)sn−2)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図53Bは、健常群、NTG群及びPOAG群について、血漿試料中の本件代謝物質群(LPC(17:0)sn−2)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図中の縦軸のLPC(17:0)sn−2濃度レベルは、LPC(17:0)sn−2のピーク強度を示す。 図54Aは、健常群及び緑内障群について、血漿試料中の本件代謝物質群(LPC(15:0))の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図54Aの「*」は、統計学的に有意差(P=0.0497)があることを示す。図54Bは、健常群、NTG群及びPOAG群について、血漿試料中の本件代謝物質群(LPC(15:0))の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図中の縦軸のLPC(15:0)濃度レベルは、LPC(15:0)のピーク強度を示す。 図55Aは、健常群及び緑内障群について、血漿試料中の本件代謝物質群(オレイン酸)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図55Aの「**」は、統計学的に有意差(P=0.007)があることを示す。図55Bは、健常群、NTG群及びPOAG群について、血漿試料中の本件代謝物質群(オレイン酸)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図55Bの「*」は、Tukey-Kramer testにより統計学的に有意差(P=0.0101)があることを示す。図中の縦軸のオレイン酸濃度レベルは、オレイン酸のピーク強度を示す。 図56Aは、健常群及び緑内障群について、血漿試料中の本件代謝物質群(p−クレゾール硫酸)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図56Bは、健常群、NTG群及びPOAG群について、血漿試料中の本件代謝物質群(p−クレゾール硫酸)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図中の縦軸のp−クレゾール硫酸濃度レベルは、p−クレゾール硫酸のピーク強度を示す。 図57Aは、健常群及び緑内障群について、血漿試料中の本件代謝物質群(パルミチン酸)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図57Aの「**」は、統計学的に有意差(P=0.0093)があることを示す。図57Bは、健常群、NTG群及びPOAG群について、血漿試料中の本件代謝物質群(パルミチン酸)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図57Bの「*」は、Tukey-Kramer testにより統計学的に有意差(P=0.0251)があることを示す。図中の縦軸のパルミチン酸濃度レベルは、パルミチン酸のピーク強度を示す。 図58Aは、健常群及び緑内障群について、血漿試料中の本件代謝物質群(リノール酸)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図58Bは、健常群、NTG群及びPOAG群について、血漿試料中の本件代謝物質群(リノール酸)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図中の縦軸のリノール酸濃度レベルは、リノール酸のピーク強度を示す。 図59Aは、健常群及び緑内障群について、血漿試料中の本件代謝物質群(ステアリン酸)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図59Aの「**」は、統計学的に有意差(P=0.0063)があることを示す。図59Bは、健常群、NTG群及びPOAG群について、血漿試料中の本件代謝物質群(ステアリン酸)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図59Bの「**」は、Tukey-Kramer testにより統計学的に有意差(P=0.0083)があることを示す。図中の縦軸のステアリン酸濃度レベルは、ステアリン酸のピーク強度を示す。 図60Aは、健常群及び緑内障群について、血漿試料中の本件代謝物質群(インドキシル硫酸)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図60Bは、健常群、NTG群及びPOAG群について、血漿試料中の本件代謝物質群(インドキシル硫酸)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図中の縦軸のインドキシル硫酸濃度レベルは、インドキシル硫酸のピーク強度を示す。 図61Aは、健常群及び緑内障群について、血漿試料中の本件代謝物質群(ヒドロキシ酪酸)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図61Aの「*」は、統計学的に有意差(P=0.0209)があることを示す。図61Bは、健常群、NTG群及びPOAG群について、血漿試料中の本件代謝物質群(ヒドロキシ酪酸)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図61Bの「*」は、Steel-Dwass testにより統計学的に有意差(P=0.026)があることを示す。図中の縦軸のヒドロキシ酪酸濃度レベルは、ヒドロキシ酪酸のピーク強度を示す。 図62Aは、健常群及び緑内障群について、血漿試料中の本件代謝物質群(ドコサヘキサエン酸)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図62Aの「*」は、統計学的に有意差(P=0.0209)があることを示す。図62Bは、健常群、NTG群及びPOAG群について、血漿試料中の本件代謝物質群(ドコサヘキサエン酸)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図中の縦軸のドコサヘキサエン酸濃度レベルは、ドコサヘキサエン酸のピーク強度を示す。 図63Aは、健常群及び緑内障群について、血漿試料中の本件代謝物質群(ミリスチン酸)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図63Aの「**」は、統計学的に有意差(P=0.0086)があることを示す。図63Bは、健常群、NTG群及びPOAG群について、血漿試料中の本件代謝物質群(ミリスチン酸)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図63Bの「*」は、Steel-Dwass testにより統計学的に有意差(P=0.0159)があることを示す。図中の縦軸のミリスチン酸濃度レベルは、ミリスチン酸のピーク強度を示す。 図64Aは、健常群及び緑内障群について、血漿試料中の本件代謝物質群(ヒドロキシ安息香酸)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図64Bは、健常群、NTG群及びPOAG群について、血漿試料中の本件代謝物質群(ヒドロキシ安息香酸)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図中の縦軸のヒドロキシ安息香酸濃度レベルは、ヒドロキシ安息香酸のピーク強度を示す。 図65Aは、健常群及び緑内障群について、血漿試料中の本件代謝物質群(N-フェニルアセチルグルタミン)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図65Bは、健常群、NTG群及びPOAG群について、血漿試料中の本件代謝物質群(N-フェニルアセチルグルタミン)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図中の縦軸のN-フェニルアセチルグルタミン濃度レベルは、N-フェニルアセチルグルタミンのピーク強度を示す。 図66Aは、健常群及び緑内障群について、血漿試料中の本件代謝物質群(アラキドン酸)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図66Aの「**」は、統計学的に有意差(P=0.0089)があることを示す。図66Bは、健常群、NTG群及びPOAG群について、血漿試料中の本件代謝物質群(アラキドン酸)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図66Bの「*」は、Steel-Dwass testにより統計学的に有意差(P=0.0293)があることを示す。図中の縦軸のアラキドン酸濃度レベルは、アラキドン酸のピーク強度を示す。 図67Aは、健常群及び緑内障群について、血漿試料中の本件代謝物質群(アコニット酸)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図67Bは、健常群、NTG群及びPOAG群について、血漿試料中の本件代謝物質群(アコニット酸)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図中のアコニット酸濃度レベルは、アコニット酸のピーク強度を示す。 図68Aは、健常群及び緑内障群について、血漿試料中の本件代謝物質群(ピリドキサール)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図68Bは、健常群、NTG群及びPOAG群について、血漿試料中の本件代謝物質群(ピリドキサール)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図中の縦軸のピリドキサール濃度レベルは、ピリドキサールのピーク強度を示す。 図69Aは、健常群及び緑内障群について、血漿試料中の本件代謝物質群(LPC(16:0))の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図69Bは、健常群、NTG群及びPOAG群について、血漿試料中の本件代謝物質群(LPC(16:0))の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図中の縦軸のLPC(16:0)濃度レベルは、LPC(16:0)のピーク強度を示す。 図70Aは、健常群及び緑内障群について、血漿試料中の本件代謝物質群(PC(36:2))の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図70Bは、健常群、NTG群及びPOAG群について、血漿試料中の本件代謝物質群(PC(36:2))の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図中の縦軸のPC(36:2)濃度レベルは、PC(36:2)のピーク強度を示す。 図71Aは、健常群及び緑内障群について、血漿試料中の本件代謝物質群(PC(38:4))の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図71Aの「*」は、統計学的に有意差(P=0.0472)があることを示す。図71Bは、健常群、NTG群及びPOAG群について、血漿試料中の本件代謝物質群(PC(38:4))の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図中の縦軸のPC(38:4)濃度レベルは、PC(38:4)のピーク強度を示す。 図72Aは、健常群及び緑内障群について、血漿試料中の本件代謝物質群(PC(40:6))の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図72Bは、健常群、NTG群及びPOAG群について、血漿試料中の本件代謝物質群(PC(40:6))の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図中の縦軸のPC(40:6)濃度レベルは、PC(40:6)のピーク強度を示す。 図73Aは、健常群及び緑内障群について、血漿試料中の本件代謝物質群(プロリンベタイン)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図73Bは、健常群、NTG群及びPOAG群について、血漿試料中の本件代謝物質群(プロリンベタイン)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図中の縦軸のプロリンベタイン濃度レベルは、プロリンベタインのピーク強度を示す。 図74Aは、健常群及び緑内障群について、血漿試料中の本件代謝物質群(セラミド(d18:1/16:0))の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図74Bは、健常群、NTG群及びPOAG群について、血漿試料中の本件代謝物質群(セラミド(d18:1/16:0))の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図中の縦軸のセラミド(d18:1/16:0)濃度レベルは、セラミド(d18:1/16:0)のピーク強度を示す。 図75Aは、健常群及び緑内障群について、尿試料中の本件代謝物質群(メチルアデノシン)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図75Aの「**」は、統計学的に有意差(P=0.0018)があることを示す。図75Bは、健常群、NTG群及びPOAG群について、尿試料中の本件代謝物質群(メチルアデノシン)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図75Bの「***」は、Tukey-Kramer testにより統計学的に有意差(P=0.0007)があることを示す。図中の縦軸のメチルアデノシン濃度レベルは、メチルアデノシンのピーク強度を示す。 図76Aは、健常群及び緑内障群について、尿試料中の本件代謝物質群(スクシニルアデノシン)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図76Aの「**」は、統計学的に有意差(P=0.0078)があることを示す。図76Bは、健常群、NTG群及びPOAG群について、尿試料中の本件代謝物質群(スクシニルアデノシン)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図76Bの「**」は、Steel-Dwass testにより統計学的に有意差(P=0.0028)があることを示す。図中の縦軸のスクシニルアデノシン濃度レベルは、スクシニルアデノシンのピーク強度を示す。 図77Aは、健常群及び緑内障群について、尿試料中の本件代謝物質群(ドデカノイルカルニチン)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図77Aの「*」は、統計学的に有意差(P=0.0123)があることを示す。図77Bは、健常群、NTG群及びPOAG群について、尿試料中の本件代謝物質群(ドデカノイルカルニチン)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図中の縦軸のドデカノイルカルニチン濃度レベルは、ドデカノイルカルニチンのピーク強度を示す。 図78Aは、健常群及び緑内障群について、尿試料中の本件代謝物質群(O−(7−カルボキシヘプタノイル)カルニチン)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図中の「*」は、統計学的に有意差(P=0.0204)があることを示す。図78Bは、健常群、NTG群及びPOAG群について、尿試料中の本件代謝物質群(O−(7−カルボキシヘプタノイル)カルニチン)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図中の縦軸のO−(7−カルボキシヘプタノイル)カルニチン濃度レベルは、O−(7−カルボキシヘプタノイル)カルニチンのピーク強度を示す。 図79Aは、健常群及び緑内障群について、尿試料中の本件代謝物質群(O−(8−カルボキシオクタノイル)カルニチン)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図79Aの「**」は、統計学的に有意差(P=0.0035)があることを示す。図80Bは、健常群、NTG群及びPOAG群について、尿試料中の本件代謝物質群(O−(8−カルボキシオクタノイル)カルニチン)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図80Bの「*」は、Steel-Dwass testにより統計学的に有意差(P=0.0105)があることを示す。図中の縦軸のO−(8−カルボキシオクタノイル)カルニチン濃度レベルは、O−(8−カルボキシオクタノイル)カルニチンのピーク強度を示す。 図80Aは、健常群及び緑内障群について、尿試料中の本件代謝物質群(O−(11−カルボキシウンデカノイル)カルニチン)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図80Aの「**」は、統計学的に有意差(P=0.0091)があることを示す。図80Bは、健常群、NTG群及びPOAG群について、尿試料中の本件代謝物質群(O−(11−カルボキシウンデカノイル)カルニチン)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図中の縦軸のO−(11−カルボキシウンデカノイル)カルニチン濃度レベルは、O−(11−カルボキシウンデカノイル)カルニチンのピーク強度を示す。 図81Aは、健常群及び緑内障群について、尿試料中の本件代謝物質群(マレイン酸又はフマル酸)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図81Aの「*」は、統計学的に有意差(P=0.0458)があることを示す。図81Bは、健常群、NTG群及びPOAG群について、尿試料中の本件代謝物質群(マレイン酸又はフマル酸)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図中の縦軸のマレイン酸又はフマル酸濃度レベルは、マレイン酸又はフマル酸のピーク強度を示す。 図82Aは、健常群及び緑内障群について、尿試料中の本件代謝物質群(クエン酸)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図82Bは、健常群、NTG群及びPOAG群について、尿試料中の本件代謝物質群(クエン酸)の濃度を、LC−MSを用いた質量分析法により定量した結果を示す図である。図中の縦軸のクエン酸濃度レベルは、クエン酸のピーク強度を示す。
本発明の視神経障害の発症リスク、又は発症の有無の判定方法としては、被験者から採取された生体試料中の、以下の[Aグループ]〜[Jグループ]から選択される1又は2種以上の代謝物質の濃度(以下、「被験者における代謝物質濃度」ということがある)を測定し、必要に応じて定量する工程(a−1);「被験者における代謝物質濃度」を、視神経障害を発症しない対照者における前記代謝物質の濃度(以下、「対照者における代謝物質濃度」ということがある)と比較する工程(b−1);及び工程(a−1)で測定した代謝物質が以下の[Aグループ]、[Bグループ]、又は[Eグループ]〜[Gグループ]の代謝物質である場合、「被験者における代謝物質濃度」が、「対照者における代謝物質濃度」よりも高いとき、前記被験者は、視神経障害を発症するリスクが高い、又は視神経障害を発症している可能性が高いと評価し、工程(a−1)で測定した代謝物質が以下の[Cグループ]、[Dグループ]、又は[Hグループ]〜[Jグループ]の代謝物質である場合、「被験者における代謝物質濃度」が、「対照者における代謝物質濃度」よりも低いとき、前記被験者は、視神経障害を発症するリスクが高い、又は視神経障害を発症している可能性が高いと評価する工程(c−1);の工程(a−1)〜(c−1)を含む方法(以下、「本件判定方法1」ということがある)であれば特に制限されない。
また、本発明の視神経障害の重症度の判定方法としては、視神経障害を発症している被験者から採取された生体試料中の、以下の[Aグループ]〜[Dグループ]から選択される1又は2種以上の代謝物質の濃度(以下、「視神経障害被験者における代謝物質濃度」ということがある)を測定し、必要に応じて定量する工程(a−2);「視神経障害被験者における代謝物質濃度」を、視神経障害を発症している対照者における前記代謝物質の濃度(以下、「視神経障害対照者における代謝物質濃度」ということがある)と比較する工程(b−2);及び工程(a−2)で測定した代謝物質が以下の[Aグループ]又は[Dグループ]の代謝物質である場合、「視神経障害被験者における代謝物質濃度」が、「視神経障害対照者における代謝物質濃度」よりも高いとき、前記被験者は、前記対照者よりも視神経障害が重症化している可能性が高いと評価し、工程(a−2)で測定した代謝物質が[Bグループ]又は[Cグループ]の代謝物質である場合、「視神経障害被験者における代謝物質濃度」が、「視神経障害対照者における代謝物質濃度」よりも低いとき、前記被験者は、前記対照者よりも視神経障害が重症化している可能性が高いと評価する工程;の工程(a−2)〜(c−2)を含む方法(以下、「本件判定方法2」ということがある)であれば特に制限されない(本件判定方法1と本件判定方法2を総称して、以下「本件判定方法」ということがある)。本件判定方法は、医師による視神経障害発症リスクの診断、又は視神経障害発症の有無の診断を補助する方法であって、医師による診断行為を含まない。
[Aグループ]
L−アセチルカルニチン(HMDB ID番号;HMDB0000201)、9−ヘキサデセノイルカルニチン(HMDB ID番号;HMDB0013207)、ヒドロキシブチリルカルニチン(HMDB ID番号;HMDB0013127)、トリアシルグリセロール(62:12)、L−オクタノイルカルニチン(HMDB ID番号;HMDB0000791)、アスパラギン−アスパラギン酸 ジペプチド(HMDB ID番号;HMDB0028727)、m−アミノ安息香酸(HMDB ID番号;HMDB0001891)
[Bグループ]
PC(38:7)(CHEBI ID番号;CHEBI:64498)、PG(40:6)、LPC(18:2)(HMDB ID番号;HMDB0010386)、PG(32:0)(HMDB ID番号;HMDB0010570)、S−アデノシルメチオニン(HMDB ID番号;HMDB0001185)、PE(42:8)、PG(38:6)
[Cグループ]
PC(46:6)、SM(d18:0/24:0)(HMDB ID番号;HMDB0012094)、8,8-ジエトキシ-2,6-ジメチル-2-オクタノール(HMDB ID番号;HMDB0034557)、GPC(HMDB ID番号;HMDB0000086)、β−ラクトシルセラミド(d18:1/22:0)(HMDB ID番号;HMDB0011594)、PC(44:9)
[Dグループ]
モノアシルグリセリド(18:0/0:0/0:0)(HMDB ID番号;HMDB0011131)、D−グルコース(HMDB ID番号;HMDB0000122)、グアノシン(HMDB ID番号;HMDB0000133)、アデニン(HMDB ID番号;HMDB0000034)、アデノシン(HMDB ID番号;HMDB0000050)、グルタチオン(HMDB ID番号;HMDB0000125)、S−ホルミルグルタチオン(HMDB ID番号;HMDB0001550)、メチオニン−ヒスチジン ジペプチド(HMDB ID番号;HMDB0028975)
[Eグループ]
3−スルホ乳酸(Sulfolactic acid)(HMDB ID番号;HMDB0060176)、ジメチルスルホン(Dimethyl sulfone)(HMDB0004983)、リボン酸(Ribonic acid)(HMDB ID番号;HMDB0000867)、アラビノン酸(Arabinonic acid)(HMDB ID番号;HMDB0000539)、キシロン酸(Xylonate)(HMDB ID番号;HMDB0060256)、L−ヒドロキシグルタル酸(Hydroxyglutaric acid)(HMDB ID番号;HMDB0000694)、ヒドロキシクエン酸(Hydroxycitric acid)(HMDB ID番号;HMDB0031159)、グルカル酸(Glucaric acid)(HMDB ID番号;HMDB0000663)、ガラクタル酸(Galactaric acid)(HMDB ID番号;HMDB0000639)、オクテノイルカルニチン(Octenoylcarnitine)(HMDB ID番号;HMDB0013324)、ベタイン(Betaine)(HMDB ID番号;HMDB0000043)、L−アセチルカルニチン(Acetylcarnitine)(HMDB ID番号;HMDB0000201)、メチルマロニルカルニチン(Methylmalonylcarnitine)(HMDB ID番号;HMDB0013133)、L−カルニチン(Carnitine)(HMDB ID番号;HMDB0000062)、N,N-ジエチルエタノールアミン(Diethylethanolamine)(HMDB ID番号;HMDB0033971)、L−シスチン(Cystine)(HMDB ID番号;HMDB0000192)
[Fグループ]
ピログルタミン(Pyroglutamine)(HMDB ID番号;HMDB0000079)、LPC(18:2)sn−1(HMDB ID番号;HMDB0010386)、LPE(18:2)(HMDB ID番号;HMDB0011507)、LPC(18:2)sn−2(HMDB ID番号;HMDB0010386)、アンドロステロン硫酸(Androsterone sulfate)(HMDB ID番号;HMDB0002759)、テストステロン硫酸(Testosterone sulfate)(HMDB ID番号;HMDB0002833)、フェノール硫酸(Phenol sulphate)(HMDB ID番号;HMDB0060015)、乳酸(Lactic acid)(HMDB ID番号;HMDB0000190)、D−グルコース(HMDB ID番号;HMDB0000122)、ヒドロペルオキシリノール酸(Hydroperoxylinoleic acid)(HMDB ID番号;HMDB0004706)、PC(34:2)(HMDB ID番号;HMDB0007880)、チオモルホリン(Thiomorpholine)−3−カルボン酸(carboxylate)(HMDB ID番号;HMDB0059611)、LPC(18:2)(HMDB ID番号;HMDB0010386)、L−カルニチン(Carnitine)(HMDB ID番号;HMDB0000062)
[Gグループ]
メチルアデノシン(Methyladenosine)(HMDB ID番号;HMDB0003331)、スクシニルアデノシン(Succinyladenosine)(HMDB ID番号;HMDB0000912)、ドデカノイルカルニチン(Dodecanoylcarnitine)(HMDB ID番号;HMDB0002250)、O−(7−カルボキシヘプタノイル[carboxyheptanoyl])カルニチン、O−(8−カルボキシオクタノイル[carboxyoctanoyl])カルニチン、O−(11−カルボキシウンデカノイル[carboxyundecanoyl])カルニチン、マレイン酸(Maleic acid)(HMDB ID番号;HMDB0000176)、フマル酸(Fumaric acid)(HMDB0000134)
[Hグループ]
ジクロロメタン(Dichloromethane)(HMDB ID番号;HMDB0031548)、グルタチオン(GSH;Glutathione)(HMDB ID番号;HMDB0000125)、L−チロシン(Tyrosine)(HMDB ID番号;HMDB0000158)、L−フェニルアラニン(Phenylalanine)(HMDB ID番号;HMDB0000159)、3−メルカプト乳酸(Mercaptolactic acid)(HMDB ID番号;HMDB0002127)、ウリジン(Uridine)(HMDB ID番号;HMDB0000296)、タウリン(Taurine)(HMDB ID番号;HMDB0000251)、アミノ酪酸(Aminobutyric acid)(HMDB ID番号;HMDB0000112)
[Iグループ]
LPC(18:0)(HMDB ID番号;HMDB0010384)、パルミチン酸メチル(Methyl palmitic acid)(HMDB ID番号;HMDB0061859)、ミリスチン酸イソプロピル(Isopropyl myristate)(HMDB ID番号;HMDB0040392)、LPE(22:6)(HMDB ID番号;HMDB0011496)、LPC(17:0)sn−1(HMDB ID番号;HMDB0012108)、LPC(14:0)(HMDB ID番号;HMDB0010379)、LPC(17:0)sn−2(HMDB ID番号;HMDB0012108)、LPC(15:0)(HMDB ID番号;HMDB0010381)、脂肪酸(例えば、オレイン酸、パルミチン酸、リノール酸、ステアリン酸、ドコサヘキサエン酸、ミリスチン酸[Myristic acid]、アラキドン酸、ステアリン酸、α−リノレン酸、γ−リノレン酸、ドコサペンタエン酸、エイコサテトラエン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサテトラエン酸、ステアリドン酸)、p−クレゾール硫酸(Cresol sulfate)(HMDB ID番号;HMDB0011635)、インドキシル硫酸(Indoxyl sulfate)(HMDB ID番号;HMDB0000682)、ヒドロキシ酪酸(Hydroxybutyric acid)(HMDB ID番号;HMDB0000008)、ヒドロキシ安息香酸(Hydroxybenzoic acid)(HMDB ID番号;HMDB0000500)、N-フェニルアセチルグルタミン(Phenylacetylglutamine)(HMDB ID番号;HMDB0006344)、アコニット酸(Aconitic acid)(HMDB ID番号;HMDB0000072)、ピリドキサール(Pyridoxal)(HMDB ID番号;HMDB0001545)、LPC(16:0)(HMDB ID番号;HMDB0010382)、PC(36:2)(HMDB ID番号;HMDB0008331)、PC(38:4)(HMDB ID番号;HMDB0008626)、PC(40:6)(HMDB ID番号;HMDB0008727)、プロリンベタイン(Proline Betaine)(HMDB ID番号;HMDB0004827)、セラミド(Ceramide)(d18:1/16:0)(HMDB ID番号;HMDB0004949)
[Jグループ]
クエン酸(HMDB ID番号;HMDB0000094)
また、本発明の視神経障害の発症リスク、又は発症の有無の判定用バイオマーカーとしては、上記[Aグループ]〜[Jグループ]から選択される1又は2種以上の代謝物質からなる、視神経障害の発症リスク、又は発症の有無の判定(診断)用バイオマーカーであって、代謝物質が上記[Aグループ]、[Bグループ]、又は[Eグループ]〜[Gグループ]の代謝物質である場合、視神経障害を発症するリスクが高い者、又は視神経障害を発症している者から採取された生体試料中の前記代謝物質の濃度が、視神経障害を発症しない対照者における前記代謝物質の濃度と比べ、高く、代謝物質が上記[Cグループ]、[Dグループ]、又は[Hグループ]〜[Jグループ]の代謝物質である場合、視神経障害を発症するリスクが高い者、又は視神経障害を発症している者から採取された生体試料中の前記代謝物質の濃度が、視神経障害を発症しない対照者における前記代謝物質の濃度と比べ、低い、前記判定用バイオマーカー(以下、「本件判定用バイオマーカー1」ということがある)であれば特に制限されない。
また、本発明の視神経障害の重症度の判定用バイオマーカーとしては、上記[Aグループ]〜[Dグループ]から選択される1又は2種以上の代謝物質からなる、視神経障害の重症度の判定用バイオマーカーであって、代謝物質が上記[Aグループ]又は[Dグループ]の代謝物質である場合、視神経障害の重症度が高い者から採取された生体試料中の前記代謝物質の濃度が、視神経障害の重症度が低い者における前記代謝物質の濃度と比べ、高く、代謝物質が上記[Bグループ]又は[Cグループ]の代謝物質である場合、視神経障害の重症度が高い者から採取された生体試料中の前記代謝物質の濃度が、視神経障害の重症度が低い者における前記代謝物質の濃度と比べ、低い、前記判定用バイオマーカー(以下、「本件判定用バイオマーカー2」ということがある)であれば特に制限されない(本件判定用バイオマーカー1と本件判定用バイオマーカー2を総称して、以下「本件判定用バイオマーカー」ということがある)。
また、本発明の視神経障害発症の予防剤、又は視神経障害の治療剤のスクリーニング方法としては、被検物質(被検薬剤)を投与した視神経障害非ヒト動物から採取された生体試料中の、上記[Aグループ]〜[Jグループ]から選択される1又は2種以上の代謝物質の濃度(以下、「被検物質投与動物における代謝物質濃度」ということがある)を測定し、必要に応じて定量する工程(A);「被検物質投与動物における代謝物質濃度」を、前記被検物質を投与しない視神経障害非ヒト動物における前記代謝物質の濃度(以下、「被検物質未投与動物における代謝物質濃度」ということがある)と比較する工程(B);工程(A)で測定した代謝物質が[Aグループ]、[Bグループ]、又は[Eグループ]〜[Gグループ]の代謝物質である場合、「被検物質投与動物における代謝物質濃度」が、「被検物質未投与動物における代謝物質濃度」よりも低いとき、前記被検物質は、視神経障害発症の予防、又は視神経障害の治療に有効であると評価し、工程(A)で測定した代謝物質が[Cグループ]、[Dグループ]、又は[Hグループ]〜[Jグループ]の代謝物質である場合、「被検物質投与動物における代謝物質濃度」が、「被検物質未投与動物における代謝物質濃度」よりも高いとき、前記被検物質は、視神経障害発症の予防、又は視神経障害の治療に有効であると評価する工程(C);の工程(A)〜(C)を含む方法(以下、「本件スクリーニング方法」ということがある)であれば特に制限されない。
本発明において生体試料としては、例えば、涙、血液(例えば、血漿、血清)、眼房水(前房水又は後房水)、硝子体液、尿等の液性試料や、RGCを含む網膜、目ヤニ、硝子体等の非液性試料を挙げることができ、血液試料、尿試料、前房水試料、網膜試料が好ましい。
本件判定方法1における被験者としては、視神経障害の発症リスクを判定する場合、通常、視神経障害を発症しておらず、かつ、将来視神経障害を発症するか否かが不明な被験者を挙げることができ、また、視神経障害の発症の有無を判定する場合、通常、視神経障害を発症しているか否かが不明な被験者を挙げることができ、好ましくは、本発明の発症リスクの判定方法により、視神経障害を発症するリスクが高いと評価(判定)された者である。また、本件判定方法2における被験者としては、例えば、視神経障害を発症しているものの、視神経障害の重症度が不明な被験者を挙げることができる。
本件スクリーニング方法における視神経障害非ヒト動物としては、視神経障害を自然に発症した非ヒト動物であってもよいし、本願明細書の実施例の[ONCモデルマウスの作製]の項目に記載の方法に従って、視神経障害発症を誘導した非ヒト動物であってもよい。上記非ヒト動物としては、マウスの他、ラット、ハムスター、モルモット、サル、ウシ、ブタ、ウマ、ウサギ、ヒツジ、ヤギ、ネコ、イヌ等の非ヒト哺乳動物を例示することができる。
本発明において、「視神経障害を発症する」とは、網膜神経節細胞(retinal ganglion cell;RGC)の軸索が、眼圧の上昇等の何らかの原因で損傷(変性)し、RGCの細胞死(アポトーシス)が誘発されることにより生じる、眼の機能的及び/又は構造的異常(例えば、RGC軸索の損傷及びRGCの細胞死)に起因する症候又は症状(例えば、視野狭窄、失明等)が現れた状態を意味する。視神経障害としては、具体的に、緑内障(原発緑内障[例えば、原発開放隅角緑内障[Primary open angle glaucoma;POAG]、正常眼圧緑内障[Normal tension glaucoma;NTG]、原発閉塞隅角緑内障]、続発緑内障、発達緑内障)、血流循環不全に起因する視神経障害、虚血性視神経障害、網膜血管閉塞症(網膜中心動脈閉塞症、網膜動脈分枝閉塞症、網膜中心静脈閉塞症、網膜静脈分枝閉塞症等)、網膜色素変性症、レーベル病、未熟児網膜症、網膜剥離、網膜色素上皮剥離、黄斑変性、糖尿病網膜症などの視神経障害を挙げることができる。かかる緑内障とは、通常眼圧を低下(下降)させることにより、上述の眼の機能的及び/又は構造的異常を改善若しくは抑制し得る視神経障害を意味する。なお、本発明の「視神経障害」には、遺伝性の視神経障害や非遺伝性(孤発性)の視神経障害が含まれる。
本件判定方法及び本件判定用バイオマーカーにおいて、生体試料中の本件代謝物質群の濃度は、採取された生体由来の試料(サンプル)を前処理し、本件代謝物質群を特異的に検出できる公知の方法、例えば、質量分析法を用いて測定することができる。かかる質量分析法とは、生体試料中に含まれる本件代謝物質群を、イオン源を用いて気体状のイオンとし(イオン化)、分析部において、真空中で運動させ電磁気力を用いて、或いは飛行時間差によりイオン化した生体試料を質量電荷比に応じて分離し、検出できる質量分析計を用いた測定方法のことをいう。上記イオン源を用いてイオン化する方法としては、例えば、電子イオン化(EI)法、化学イオン化(CI)法、電界脱離イオン化(FD)法、高速原子衝撃(FAB)法、マトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)法、エレクトロスプレーイオン化(ESI)法を挙げることができる。また、分析部において、各種イオン化法によりイオン化した本件代謝物質群は、アナライザーで質量に応じて分離される。かかるアナライザーとしては、例えば、磁場型質量分離装置(Sector MS)、四重極型質量分離装置(QMS)、飛行時間型質量分離装置(TOFMS)、フーリエ変換イオンサイクロトロン型質量分離装置(FT−ICRMS)を挙げることができ、さらにこれらを組み合わせたものでもよい。また、2以上の質量分析法を組み合わせたタンデム型質量分析(MS/MS)を利用することができる。また、ガスクロマトグラフ(GC)、液体クロマトグラフ(LC)、高速液体クロマトグラフ(HPLC)、超高速液体クロマトグラフ(UHPLC)により、生体試料中に含まれる本件代謝物質群を、夾雑物から分離・精製して分析することができる。かかるLC、HPLC、及びUHPLCとしては、陽イオン又は陰イオン交換クロマトグラフや、順相又は逆相クロマトグラフを挙げることができ、これらを組み合わせたものであってもよい。また、生体試料の切片上で直接質量分析を行うことにより、生体組織上の本件代謝物質群をイメージングMS(IMS)解析を行うこともできる。
本発明において、生体試料中の本件代謝物質群の濃度は、絶対値であっても、相対値であってもよく、相対値とする場合、例えば、濃度が既知の本件代謝物質群(内部標準)を基準とした相対値を挙げることができる。
本件判定方法及び本件判定用バイオマーカーにおいて、比較する両者(被験者と対照者;視神経障害を発症するリスクが高い者又は視神経障害を発症している者と、対照者;及び視神経障害の重症度が高い者と、視神経障害の重症度が低い者)における代謝物質の濃度は、互いに対応するものを用いる。このため、一方が、絶対値又は相対値である場合、もう一方も、それぞれ絶対値、相対値である。比較する両者のうち、比較対照における代謝物質の濃度は、本件判定方法を実施する際、調製した生体試料を基に、その都度測定してもよいが、予め測定したものを用いてもよい。また、生体試料は、比較する両者で実質的に同じ方法により調製されたものが好ましい。また、代謝物質の濃度の測定方法は、比較する両者で実質的に同じものが好ましい。
また、本件スクリーニング方法において、比較する両者(被検物質投与の視神経障害非ヒト動物と、被検物質未投与の視神経障害非ヒト動物)における代謝物質の濃度は、互いに対応するものを用いる。このため、一方が、絶対値又は相対値である場合、もう一方も、それぞれ絶対値、相対値である。比較する両者のうち、比較対照における代謝物質の濃度は、本件スクリーニング方法を実施する際、調製した生体試料を基に、その都度測定してもよいが、予め測定したものを用いてもよい。また、生体試料は、比較する両者で実質的に同じ方法により調製されたものが好ましい。また、代謝物質の濃度の測定方法は、比較する両者で実質的に同じものが好ましい。
本件判定方法1の工程(c−1)において、工程(a−1)で測定した代謝物質が上記[Aグループ]、[Bグループ]、又は[Eグループ]〜[Gグループ]の代謝物質である場合、「被験者における代謝物質濃度」が、「対照者における代謝物質濃度」よりも高いとき、被験者は、視神経障害を発症するリスクが高い、又は視神経障害を発症している可能性が高いと評価(判定)し、「被験者における代謝物質濃度」が、「対照者における代謝物質濃度」よりも高くないとき、被験者は、視神経障害を発症するリスクが低い、又は視神経障害を発症している可能性が低いと評価する。また、本件判定方法1の工程(c−1)において、工程(a−1)で測定した代謝物質が上記[Cグループ]、[Dグループ]、又は[Hグループ]〜[Jグループ]の代謝物質である場合、「被験者における代謝物質濃度」が、「対照者における代謝物質濃度」よりも低いとき、被験者は、視神経障害を発症するリスクが高い、又は視神経障害を発症している可能性が高いと評価し、「被験者における代謝物質濃度」が、「対照者における代謝物質濃度」よりも低くないとき、被験者は、視神経障害を発症するリスクが低い、又は視神経障害を発症している可能性が低いと評価する。
「被験者における代謝物質濃度」が、「対照者における代謝物質濃度」よりも高いか否か、或いは低いか否かを評価(判定)するために、閾値(カットオフ値)は任意のものを設定することができ、かかる閾値としては、例えば、「対照者における代謝物質濃度」の平均値、「平均値+標準偏差(SD)」、「平均値+2SD」、「平均値+3SD」、中央値、「中央値+SD」、「中央値+2SD」、「中央値+3SD」等を挙げることができる。また、閾値は、感度(視神経障害をその後発症する者や、視神経障害を発症している者を、正しく陽性と判定できる割合)及び特異度(視神経障害をその後発症しない者や、視神経障害を発症していない者を、正しく陰性と判定できる割合)が高くなるように、「被験者における代謝物質濃度」のデータと、「対照者における代謝物質濃度」のデータを基に、統計解析ソフトウェアを用いたROC(Receiver Operating Characteristic)曲線を用いて算出することもできる。
本明細書において、「視神経障害を発症しない対照者」とは、視神経障害を発症するリスクが低い又はほとんど無い、視神経障害を発症していない健常者を意味し、より具体的には、生体試料中の上記[Aグループ]、[Bグループ]、及び[Eグループ]〜[Gグループ]から選択される1若しくは2種以上の代謝物質の濃度が、上記閾値(「被験者における代謝物質濃度」が、「対照者における代謝物質濃度」よりも高いか否か、或いは低いか否かを評価するための閾値)と比べ、低く;並びに/又は、生体試料中の上記[Cグループ]、[Dグループ]、及び[Hグループ]〜[Jグループ]から選択される1若しくは2種以上の代謝物質の濃度が、上記閾値と比べ、高い;視神経障害を発症していない健常者を意味する。なお、「視神経障害を発症しない対照者」としては、年齢、最良矯正視力(BCVA)、眼軸長等が被験者と類似した者(統計学的な有意差が無い状態の者)が好ましい。
本件判定方法2の工程(c−2)において、工程(a−2)で測定した代謝物質が上記[Aグループ]又は[Dグループ]の代謝物質である場合、「視神経障害被験者における代謝物質濃度」が、「視神経障害対照者における代謝物質濃度」よりも高いとき、被験者は、対照者よりも視神経障害が重症化(進行)している可能性が高いと評価(判定)し、「視神経障害被験者における代謝物質濃度」が、「視神経障害対照者における代謝物質濃度」よりも高くないとき、被験者は、対照者よりも視神経障害が重症化している可能性が低いと評価する。また、本件判定方法2の工程(c−2)において、工程(a−2)で測定した代謝物質が[Bグループ]又は[Cグループ]の代謝物質である場合、「視神経障害被験者における代謝物質濃度」が、「視神経障害対照者における代謝物質濃度」よりも低いとき、被験者は、対照者よりも視神経障害が重症化(進行)している可能性が高いと評価し、「視神経障害被験者における代謝物質濃度」が、「視神経障害対照者における代謝物質濃度」よりも低くないとき、被験者は、対照者よりも視神経障害が重症化している可能性が低いと評価する。
「視神経障害被験者における代謝物質濃度」が、「視神経障害対照者における代謝物質濃度」よりも高いか否か、或いは低いか否かを評価(判定)するために、閾値(カットオフ値)は任意のものを設定することができ、かかる閾値としては、例えば、「視神経障害対照者における代謝物質濃度」の平均値、「平均値+標準偏差(SD)」、「平均値+2SD」、「平均値+3SD」、中央値、「中央値+SD」、「中央値+2SD」、「中央値+3SD」等を挙げることができる。また、閾値は、感度(視神経障害が重症化している者を、正しく陽性と判定できる割合)及び特異度(視神経障害が重症化していない者を、正しく陰性と判定できる割合)が高くなるように、「視神経障害被験者における代謝物質濃度」のデータと、「視神経障害対照者における代謝物質濃度」のデータを基に、統計解析ソフトウェアを用いたROC曲線を用いて算出することもできる。
上記「視神経障害を発症している対照者」としては、年齢、最良矯正視力(BCVA)、眼軸長等が被験者と類似した他人(統計学的な有意差が無い状態の他人)であってもよいが、視神経障害を発症している被験者と同一人が好ましい。この場合、「視神経障害対照者における代謝物質濃度」は、視神経障害を発症している被験者から生体試料を採取した時期よりも過去に、当該被験者から採取された生体試料における代謝物質の濃度である。
本件スクリーニング方法の工程(C)において、工程(A)で測定した代謝物質が[Aグループ]、[Bグループ]、又は[Eグループ]〜[Gグループ]の代謝物質である場合、「被検物質投与動物における代謝物質濃度」が、「被検物質未投与動物における代謝物質濃度」よりも低いとき、被検物質は、視神経障害発症の予防、又は視神経障害の治療に有効であると評価(判定)し、「被検物質投与動物における代謝物質濃度」が、「被検物質未投与動物における代謝物質濃度」よりも低くないとき、被検物質は、視神経障害発症の予防、又は視神経障害の治療に有効ではないと評価(判定)する。また、本件スクリーニング方法の工程(C)において、工程(A)で測定した代謝物質が[Cグループ]、[Dグループ]、又は[Hグループ]〜[Jグループ]の代謝物質である場合、「被検物質投与動物における代謝物質濃度」が、「被検物質未投与動物における代謝物質濃度」よりも高いとき、被検物質は、視神経障害発症の予防、又は視神経障害の治療に有効であると評価(判定)し、「被検物質投与動物における代謝物質濃度」が、「被検物質未投与動物における代謝物質濃度」よりも高くないとき、被検物質は、視神経障害発症の予防、又は視神経障害の治療に有効ではないと評価(判定)する。
「被検物質投与動物における代謝物質濃度」が、「被検物質未投与動物における代謝物質濃度」よりも低いか否か、或いは高いか否かを評価(判定)するために、閾値は任意のものを設定することができ、かかる閾値としては、例えば、「被検物質未投与動物における代謝物質濃度」の平均値、「平均値+標準偏差(SD)」、「平均値+2SD」、「平均値+3SD」、中央値、「中央値+SD」、「中央値+2SD」、「中央値+3SD」等を挙げることができる。また、閾値は、感度(視神経障害発症の予防、又は視神経障害の治療に有効である物質を、正しく陽性と判定できる割合)及び特異度(視神経障害発症の予防、又は視神経障害の治療に有効ではない物質を、正しく陰性と判定できる割合)が高くなるように、「被検物質投与動物における代謝物質濃度」のデータと、「被検物質未投与動物における代謝物質濃度」のデータを基に、統計解析ソフトウェアを用いたROC曲線を用いて算出することもできる。
本発明において、上記[Aグループ]〜[Jグループ]から選択される1又は2種以上の代謝物質としては、例えば、上記[Aグループ]〜[Jグループ]から選択される1種、2種、3種、4種、5種、6種、7種、8種、9種、10種、11種、12種、13種、14種、15種、16種、17種、18種、19種、20種、21種、22種、23種、24種、25種、26種、27種、28種、29種、30種、31種、32種、33種、34種、35種、36種、37種、38種、39種、40種、41種、42種、43種、44種、45種、46種、47種、48種、49種、50種、51種、52種、53種、54種、55種、56種、57種、58種、59種、60種、61種、62種、63種、64種、65種、66種、67種、68種、69種、70種、71種、72種、73種、74種、75種、76種、77種、78種、79種、80種、81種、82種、83種、84種、85種、86種、87種、88種、89種、90種、91種、92種、93種、又は94種の代謝物質を挙げることができ、また、上記[Aグループ]〜[Dグループ]から選択される1又は2種以上の代謝物質としては、例えば、上記[Aグループ]〜[Dグループ]から選択される1種、2種、3種、4種、5種、6種、7種、8種、9種、10種、11種、12種、13種、14種、15種、16種、17種、18種、19種、20種、21種、22種、23種、24種、25種、26種、27種、又は28種の代謝物質を挙げることができ、少なくとも脂肪酸又はL−アセチルカルニチンを含むものが好ましく、かかる脂肪酸としては、オレイン酸、パルミチン酸、リノール酸、ステアリン酸、ドコサヘキサエン酸、ミリスチン酸、及びアラキドン酸からなる群から選択される1又は2種以上の脂肪酸を好適に例示することができる。また、L−アセチルカルニチンを含む代謝物質としては、具体的には、L−アセチルカルニチンの1種;L−アセチルカルニチンとPC(38:7)との2種の組合せ;L−アセチルカルニチンとPG(40:6)との2種の組合せ;L−アセチルカルニチンと、PC(38:7)と、PG(40:6)との3種の組合せを挙げることができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
1.本件代謝物質群は、視神経障害の判定用バイオマーカーとして有用であることの確認1
視神経障害の判定用バイオマーカーを同定するために、ONCモデルマウスの網膜試料を用いて質量分析法を行った。
1−1 材料及び方法
[モデル動物]
本実施例のモデル動物として、C57BL/6Jマウス(雄、8〜12週齢;日本クレア社製)を用いた。全てのマウスの扱い及び実験は、米国視覚眼科研究学会(ARVO)のStatement Guidelines for the Use of Animals in Ophthalmic and Vision Researchと、東北大学大学院医学系研究科及び動物実験専門委員会のガイドラインに従って行った。
[ONCモデルマウスの作製]
C57BL/6Jマウスに、ケタミン(100mg/kg)とキシラジン(9mg/kg)の混合液を筋肉内投与し、文献「Ryu, M. et al. J Neurosci Res 90, 802-815, doi:10.1002/jnr.22800 (2012).」や文献「Fujita, K. et al. Sci Rep 5, 18141, doi:10.1038/srep18141 (2015).」に記載の方法に従って、視神経挫滅(optic nerve crush;ONC)による軸索損傷を行い、ONCモデルマウスを作製した。要約すると、右眼の視神経を露出させ、眼球の約2mm後部の視神経を鑷子で5秒間挫滅した(ONC群:n=16)。手術後、抗生物質(レボフロキサシン)含有軟膏を塗布し、マウスを加温パット上で維持した。なお、コントロールとして視神経を挫滅しないで処理を行ったC57BL/6マウスを用いた(CT群:n=8)。CT群から単離した網膜と、ONC処理後2日目、4日目、及び7日目(それぞれONC群2日目:n=8、ONC群4日目:n=4、及びONC群7日目:n=4)に、各群から単離した網膜とを、以下の項目[間接蛍光抗体法]、[ウエスタンブロッティング法]、及び[LC−MS用生体試料の調製]に記載の方法に用いた。
[間接蛍光抗体法]
マウス網膜を、文献「Sato, K. et al, J Neurosci. 2013, 33(44):17458-68.」に記載の方法に従って、4%パラホルムアルデヒド溶液中で固定処理した後、凍結切片を作製し、抗RBPMS抗体を用いた間接蛍光抗体法を行った。要約すると、網膜の凍結切片を、ラビット抗RBPMS抗体(1/200倍希釈して使用、Abcam社製)を含む溶液中で1次抗体反応処理した後、Alexa Fluor 488がコンジュゲートした2次抗体(goat anti-rabbit IgG Alexa Fluor 488、Abcam社製)を含む溶液中で2次抗体反応処理を行った。その後、DAPI(4',6-diamidino-2-phenylindole)を含む封入剤(Vectashield社製)で封入し、間接蛍光抗体法用の試料を作製した。蛍光画像は、蛍光顕微鏡(「Axiovert 200、Carl Zeiss社製」、又は「BZ-9000、Keyence社製」)を用いて取得した。
[ウエスタンブロッティング法]
マウス網膜を、文献「Sato, K. et al, J Neurosci. 2013, 33(44):17458-68.」に記載の方法に従って、ホモジナイズし、抽出したタンパク質濃度を測定した後、網膜タンパク質をSDS−PAGEにより分離し、PVDFメンブレンに転写した。かかるメンブレンを、1%スキムミルクを含むTw−PBS(0.05%Tween 20を含むPBS[Phosphate buffered saline])溶液中で1時間、室温でブロッキング処理を行った後、ラビット抗RBPMS抗体(1/1000倍希釈して使用、Abcam社製)を含むTw−PBS溶液中で一晩、4℃で1次抗体反応処理を行った。その後、メンブレンをTw−PBS溶液で洗浄し、HRP(Horseradish peroxidase)がコンジュゲートした2次抗体(1/5000倍希釈して使用、HRP-conjugated donkey anti-rabbit IgG[Sigma社製])を含むTw−PBS溶液中で1時間、室温で2次抗体反応処理を行い、Tw−PBS溶液で洗浄した後、発行検出試薬(ECL prime、GE Healthcare社製)を用いて、RBPMSタンパク質由来のシグナルを検出した。また、メンブレンをRestore Western Blot Stripping Buffer(Thermo Scientific社製)で処理することにより1次抗体及び2次抗体を除去した後、内部標準としてマウス抗β−アクチン抗体(1/5000倍希釈して使用、Sigma社製)を用いたウエスタンブロッティング法を同様に行った。
[LC−MS用試薬]
LC−MS用のメタノール、クロロフォルム、及びアセトニトリルは、関東化学社より購入し、LC−MS用のギ酸アンモニウム(1モル/L1)及びギ酸は、和光純薬工業社より購入した。また、LC−MS用の化学標準物質は、全て市販品を用いた。具体的には、化学標準物質ホスファチジルコリン(PC)は、Avanti Polar Lipids社より購入し、スペルミン、カルニチン、及びα−シアノ−4−ヒドロキシケイ皮酸(α-cyano-4-hydroxycinnamic acid;CHCA)を含む化学標準物質は、Sigma-Aldrich社より購入し、9−アミノアクリジン(9-Aminoacridine;9−AA)は、メルク社より購入した。
[LC−MS用生体試料の調製]
マウスの網膜を2.0mLチューブに入れ、凍結保存した。解凍後の網膜に、200μLの0.1%ギ酸含有メタノールを添加し、ビーズ式ホモジナイザー(Precellys)を用いたLysis and Homogenization System(5000×rpm、15秒、2Zrビーズ)(Bertin社製)により、ホモジナイズした。さらに、超音波洗浄機で10分間ホモジナイズした後、16400gで20分、4℃で遠心分離し、上清を回収した後、Sirocco除タンパク96ウェルプレート(Waters社製)を通過させ、その後100μLの0.1%ギ酸含有メタノールで3回洗浄した。各試料30μLを、96ウェルプレートから回収し、15mLチューブ中で混合することにより、品質管理研究(study quality control;SQC)のLC−MS用網膜試料を調製した。かかるSQCを基に、希釈液(0.1%ギ酸含有50%メタノール)を用いて、4種類の希釈品質管理(dilution quality control;dQC)、すなわち、2倍希釈(d2QC)、4倍希釈QC(d4QC)、8倍希釈QC(d8QC)、及び16倍希釈QC(d16QC)を調製した。
[LC−MSを用いた質量分析法]
2種類のLC−MS、すなわち、逆相(C18)カラムを装備した超高速液体クロマトグラフ−四重極飛行時間型質量分析計(ultra high performance liquid chromatograph-quadrupole time of flight mass spectrometry(UHPLC−QTOF/MS)と、順相(hydrophilic interaction chromatography;HILIC)カラムを装備した液体クロマトグラフ−電場型フーリエ変換質量分析計(liquid chromatograph-Fourier transform type mass spectrometry;LC−FT/MS)とを用いた質量分析法を、文献「Saigusa, D. et al. PLoS One 11, e0160555, doi:10.1371/journal.pone.0160555 (2016).」に記載の方法に従って行った。なお、C18カラムを装備したUHPLC−QTOF/MSを用いた質量分析法には、上記SQCを使用し、HILICカラムを装備したLC−FT/MSを用いた質量分析法には、上記4種類のdQCを使用した。
[データ処理]
上記2種類のLC−MSを用いて、それぞれ陽イオンモード及び陰イオンモードの両方で得られた全てのデータは、ピークピッキング、アライメント、及び正規化(normalization)のために、Progenesis QIソフトウェア(Nonlinear Dynamics社製)で処理し、保持時間(retention times;RT)(溶出時間ともいう)及び質量電荷比(m/z)対にピーク強度を産出した(文献「Saigusa, D. et al. PLoS One 11, e0160555, doi:10.1371/journal.pone.0160555 (2016).」参照)。
[階層的クラスタリング解析]
CT群及び3種類のONC群(ONC群2日目、ONC群4日目、及びONC群7日目)について、各代謝物質のZスコアのリスト用にヒートマップを作成した。Zスコアは、Rプログラム(バージョン3.2.0)のgplotsパッケージを使用し、各群において、変動係数(CV)が30%より低いときに、Kruskal-Wallis test(p<0.004)により選択した。代謝産物の系統樹は、完全連結クラスタリング法と、amapパッケージでの相関距離測定により作成した(図1B参照)。色のついたスケールバー(図1A参照)は、青(左側)から、白(中央)、赤(右側)へと変化し、それぞれ、低度、中程度、高度の強度の代謝物質を示す。
[統計学的解析]
同定された代謝物質の強度は、多変数分析のために、SIMCA 13.0ソフトウェア (Umetrcxs社製)にインポートし、それらの相対量を、主成分分析(principal component analysis;PCA)及び直交部分最小二乗判別分析(orthogonal partial least square-discriminant analysis;OPLS−DA)で評価した。P値は、Student’s t-test、Welch’s t-test、Wilcoxon rank sum test、Tukey-Kramer test、又はSteel-Dwass testで計算した。
[IMS用生体試料の調製]
ONC処理後2日目に、マウスの網膜組織の8μm切片を、クリオスタット(CM3050S;Leica Microsystems社製)を用いて作製した後、インジウムスズ酸化物スライドグラス(松浪硝子工業社製)上に置き、シリカゲルを含む50mLプラスチックチューブに入れ、マトリックスを塗布した。その後、660mgのCHCA又は9−AAを、自動前処理装置iMLayer(島津製作所社製)を用いて、1.4μmの厚さとなるようにスライドグラス上に付着さた後、ろ紙を備えたボックスに入れ、350μLの水/メタノール=95/5(v/v)に浸透させた。その後、網膜試料を含むスライドグラスを、CHCAを付着させたものについては85℃で3分間、9−AAを付着させたものについては40℃で3分間インキュベートし、デシケーターで30分乾燥することにより、IMS用網膜試料を調製した。
[IMSを用いた質量分析法]
乾燥処理後のIMS用網膜試料を、直ぐにMALDI−IMS(島津製作所社製)を用い、陽イオンモード及び陰イオンモードで質量分析法を行った。得られたデータを、imaging MS solutionソフトウェア(島津製作所社製)を用いて画像処理した。なお、レーザー照射に暴露された網膜試料の部位は、網膜試料をHE染色後、光学顕微鏡による観察で特定した。
1−2 結果
[抗RBPMS抗体を用いた間接蛍光抗体法及びウエスタンブロッティング法]
ONCモデルマウスにおいて、視神経障害が生じていることを確認するために、CT群、及び3種類のONC群(ONC群2日目、ONC群4日目、及びONC群7日目)について、網膜神経節細胞マーカーの1つであるRBPMSを発現する網膜細胞(RBPMS陽性網膜細胞)数(図1B参照)と、網膜試料中のRBPMS発現量(図1A及びC参照)を解析した。その結果、ONC群2日目においては、CT群とほぼ同レベルのRBPMSが検出されたのに対して、ONC群4日目においては、CT群よりもRBPMSの発現レベルが低下し、ONC群7日目においては、さらにその低下レベルが増加することが示された(図1参照)。
この結果は、ONC群2日目は、発症後極初期を示し、それ以降は時間の経過とともに、視神経障害が重症化していることを示している。
[LC−MSを用いた質量分析法]
次に、CT群と、上記3種類のONC群との間で、網膜中の濃度が変動する代謝物質を、2種類のLC−MS(UHPLC−QTOF/MS及びLC−FT/MS)を用いた質量分析法により解析したところ、28種類の本件代謝物質群が同定された(表1参照)。これら代謝物質について、階層的クラスタリング解析を行ったところ、4種類のグループ(A〜Dグループ)に分類された(表1及び図2B参照)。
網膜中のグループA及びBの代謝物質濃度は、CT群よりもONC群の方が高く、特に、グループAの代謝物質の場合、ONC処理後4日目にかけて高くなり(図2B、3、及び4参照)、グループBの代謝物質の場合、ONC処理後2日間高くなることが示された(図2B、5、及び6参照)。一方、網膜中のグループC及びDの代謝物質濃度は、CT群よりもONC群の方が低く、特に、グループCの代謝物質の場合、ONC処理後7日間低くなり(図2B、7、及び8参照)、グループDの代謝物質の場合、ONC処理後2日目では低くなるものの、その後7日目にかけて高くなることが示された(図2B、9、及び10参照)。
これらの結果は、RGC軸索の損傷に起因する視神経障害の発症リスク(ONC処理後2日目)は、網膜中のグループA及びBの代謝物質濃度が正常レベル(CT群)と比べ高くなると、高くなり、網膜中のグループC及びDの代謝物質濃度が正常レベルと比べ低くなると、高くなることを示している。また、RGC軸索の損傷に起因する視神経障害の重症度は、網膜中のグループA及びDの代謝物質濃度がより高くなるにしたがって高くなり、網膜中のグループB及びCの代謝物質濃度が低下するにしたがって高くなることを示している。
[IMS解析]
次に、IMSを用いた質量分析法により、網膜切片中の本件代謝物質群の分布を解析した。本件代謝物質群のうち、グループAの代謝物質(L−アセチルカルチニン)、及びグループBの代謝物質(PC[38:7]及びPG[40:6])を代表例として解析したところ、いずれの代謝物質についても、CT群よりもONC群の方が多く分布することが示された(図11参照)。これらの結果は、LC−MSを用いた質量分析法により得られた結果を支持している。
2.本件代謝物質群は、視神経障害の判定用バイオマーカーとして有用であることの確認2
本件代謝物質群は、視神経障害の判定用バイオマーカーとして有用であることが、ONCモデルマウスを用いた解析により示されたので、次に、緑内障患者の前房水試料を用いた質量分析法による解析を行った。具体的には、緑内障患者34名(緑内障群;表2参照)、及び健常者37名(健常群;表2参照)のそれぞれについて、前房水を採取し、メタノール溶液(ぎ酸を0.1%含む)で3倍に希釈した後、遠心分離によりタンパク質を除去後、超純水(ぎ酸を0.1%含む)により2倍希釈することでLC−MS用前房水試料を調製し、C18カラムを装備したUHPLC−QTOF/MSを用いた質量分析法、又はHILICカラムを装備したLC-FT/MSを用いた質量分析法(文献「Saigusa, D. et al. PLoS One 11, e0160555, doi:10.1371/journal.pone.0160555 (2016).」参照)により、本件代謝物質群(L−アセチルカルチニン)の濃度を測定した。また、データ処理は、実施例1の[データ処理]の項目に記載の方法に従って行った。
その結果、緑内障群における、前房水試料中のL−アセチルカルチニンの濃度は、4101±1301(平均値±標準偏差)であり、健常群における値(3102±710)と比べ、1.3倍増加し、有意差(P=0.0001352)が認められた(図12参照)。この結果は、視神経障害の発症リスクや視神経障害の重症度の判定用バイオマーカーとして有用である、[Aグループ]〜[Dグループ]の本件代謝物質群は、視神経障害(例えば緑内障)の発症の有無の判定用バイオマーカーとしても有用であることを示している。
3.本件代謝物質群は、視神経障害の判定用バイオマーカーとして有用であることの確認3
次に、実施例2の緑内障群及び健常者群の間で、L−アセチルカルチニン以外にも濃度変動する代謝物質について解析を行った。具体的には、正常眼圧緑内障(NTG)群及び原発開放隅角緑内障(POAG)群からなる緑内障群(表3参照)と、健常者群のそれぞれから、前房水試料と、血漿試料及び尿試料とを定法に従って採取し、C18カラムを装備したUHPLC−QTOF/MSを用いた質量分析法、又はHILICカラムを装備したLC-FT/MSを用いた質量分析法(文献「Saigusa, D. et al. PLoS One 11, e0160555, doi:10.1371/journal.pone.0160555 (2016).」参照)を行い、実施例1の[データ処理]の項目に記載の方法に従ってデータ処理を行い、代謝物質の濃度を測定した。
その結果、前房水試料中において、16種類の本件代謝物質群(3−スルホ酢酸、ジメチルスルホン、リボン酸、アラビノン酸、キシロン酸、L−ヒドロキシグルタル酸、ヒドロキシクエン酸、グルカル酸、ガラクタル酸、オクテノイルカルニチン、ベタイン、L−アセチルカルニチン、メチルマロニルカルニチン、L−カルニチン、N,N-ジエチルエタノールアミン、及びL−シスチン)は、健常群と比べ、緑内障群(すなわち、NTG群及び/又はPOAG群)の方が増加することが示された(表4及び図13〜25参照)。
また、前房水試料中において、8種類の本件代謝物質群(ジクロロメタン、グルタチオン、L−チロシン、L−フェニルアラニン、3−メルカプト乳酸、ウリジン、タウリン、及びアミノ酪酸)は、健常群と比べ、緑内障群(すなわち、NTG群及び/又はPOAG群)の方が減少することが示された(表5及び図26〜33参照)。
また、血漿試料中において、14種類の本件代謝物質群(ピログルタミン、LPC(18:2)sn−1、LPE(18:2)、LPC(18:2)sn−2、アンドロステロン硫酸、テストステロン硫酸、フェノール硫酸、乳酸、D−グルコース、ヒドロペルオキシリノール酸、PC(34:2)、チオモルホリン−3−カルボン酸、LPC(18:2)、及びL−カルニチン)は、健常群と比べ、緑内障群(すなわち、NTG群及び/又はPOAG群)の方が増加することが示された(表6及び図34〜47参照)。
また、血漿試料中において、29種類の本件代謝物質群(LPC(18:0)、パルミチン酸メチル、ミリスチン酸イソプロピル、LPE(22:6)、LPC(17:0)sn−1、LPC(14:0)、LPC(17:0)sn−2、LPC(15:0)、オレイン酸、p−クレゾール硫酸、パルミチン酸、リノール酸、ステアリン酸、インドキシル硫酸、ヒドロキシ酪酸、ドコサヘキサエン酸、ミリスチン酸、ヒドロキシ安息香酸、N-フェニルアセチルグルタミン、アラキドン酸、アコニット酸、ピリドキサール、LPC(16:0)、PC(36:2)、PC(38:4)、PC(40:6)、プロリンベタイン、及びセラミド(d18:1/16:0))は、健常群と比べ、緑内障群(すなわち、NTG群及び/又はPOAG群)の方が減少することが示された(表7及び図48〜74参照)。
また、尿試料中において、8種類の本件代謝物質群(メチルアデノシン、スクシニルアデノシン、ドデカノイルカルニチン、O−(7−カルボキシヘプタノイル)カルニチン、O−(8−カルボキシオクタノイル)カルニチン)、O−(11−カルボキシウンデカノイル)カルニチン、マレイン酸、及びフマル酸)は、健常群と比べ、緑内障群(すなわち、NTG群及び/又はPOAG群)の方が増加することが示された(表8及び図75〜81参照)。
また、尿試料中において、1種類の本件代謝物質群(クエン酸)は、健常群と比べ、緑内障群(すなわち、NTG群及び/又はPOAG群)の方が減少することが示された(表9及び図82参照)。
以上の結果は、[Eグループ]〜[Jグループ]の本件代謝物質群は、視神経障害(例えば、NTG、POAG等の緑内障)の発症の有無の判定用バイオマーカーとして有用であることを示している。
本発明の判定方法又は判定用バイオマーカーによると、視神経障害発症リスク及び発症の有無や、視神経障害の重症度を精度よく判定することができるため、視神経障害が発症する前や発症後初期段階で適切な治療を受けることができ、視神経障害による失明者数を減少できることが期待される。また、本発明のスクリーニング方法は、視神経障害の予防(保護)又は治療剤(薬)の開発に資するものである。

Claims (14)

  1. 以下の工程(a−1)〜(c−1)を含むことを特徴とする視神経障害の発症リスク、又は発症の有無の判定方法。
    (a−1)被験者から採取された生体試料中の、以下の[Iグループ]、[Aグループ]〜[Hグループ]、及び[Jグループ]から選択される1又は2種以上の代謝物質の濃度を測定する工程;
    [Iグループ]
    脂肪酸、LPC(18:0)、パルミチン酸メチル、ミリスチン酸イソプロピル、LPE(22:6)、LPC(17:0)sn−1、LPC(14:0)、LPC(17:0)sn−2、LPC(15:0)、p−クレゾール硫酸、インドキシル硫酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ安息香酸、N-フェニルアセチルグルタミン、アコニット酸、ピリドキサール、LPC(16:0)、PC(36:2)、PC(38:4)、PC(40:6)、プロリンベタイン、セラミド(d18:1/16:0)
    [Aグループ]
    L−アセチルカルニチン(Acetylcarnitine)、9−ヘキサデセノイルカルニチン(Hexadecenoylcarnitine)、ヒドロキシブチリルカルニチン(Hydroxybutyrylcarnitine)、トリアシルグリセロール(62:12)、L−オクタノイルカルニチン(Octanoylcarnitine)、アスパラギン−アスパラギン酸 ジペプチド、m−アミノ安息香酸(Aminobenzoic acid)
    [Bグループ]
    ホスファチジルコリン(Phosphatidylcholine;PC)(38:7)、ホスファチジルグリセロール(Phosphatidylglycerol;PG)(40:6)、リゾホスファチジルコリン(lysoPC;LPC)(18:2)、PG(32:0)、S−アデノシルメチオニン(Adenosylmethionine)、ホスファチジルエタノールアミン(Phosphatidylethanolamine;PE)(42:8)、PG(38:6)
    [Cグループ]
    PC(46:6)、スフィンゴミエリン(Sphingomyelin;SM)(d18:0/24:0)、8,8-ジエトキシ-2,6-ジメチル-2-オクタノール、グリセロホスホコリン(Glycerophosphocholine;GPC)、β−ラクトシルセラミド(Lactosylceramide)(d18:1/22:0)、PC(44:9)
    [Dグループ]
    モノアシルグリセリド(Monoacylglyceride)(18:0/0:0/0:0)、D−グルコース、グアノシン、アデニン、アデノシン、グルタチオン、S−ホルミルグルタチオン(Formylglutathione)、メチオニン−ヒスチジン ジペプチド
    [Eグループ]
    3−スルホ乳酸、ジメチルスルホン、リボン酸、アラビノン酸、キシロン酸、L−ヒドロキシグルタル酸、ヒドロキシクエン酸、グルカル酸、ガラクタル酸、オクテノイルカルニチン、ベタイン、L−アセチルカルニチン、メチルマロニルカルニチン、L−カルニチン、N,N-ジエチルエタノールアミン、L−シスチン
    [Fグループ]
    ピログルタミン、LPC(18:2)sn−1、リゾホスファチジルエタノールアミン(lysoPE;LPE)(18:2)、LPC(18:2)sn−2、アンドロステロン硫酸、テストステロン硫酸、フェノール硫酸、乳酸、D−グルコース、ヒドロペルオキシリノール酸、PC(34:2)、チオモルホリン−3−カルボン酸、LPC(18:2)、L−カルニチン
    [Gグループ]
    メチルアデノシン、スクシニルアデノシン、ドデカノイルカルニチン、O−(7−カルボキシヘプタノイル)カルニチン、O−(8−カルボキシオクタノイル)カルニチン、O−(11−カルボキシウンデカノイル)カルニチン、マレイン酸、フマル酸
    [Hグループ]
    ジクロロメタン、グルタチオン、L−チロシン、L−フェニルアラニン、3−メルカプト乳酸、ウリジン、タウリン、アミノ酪酸
    [Jグループ]
    クエン酸
    (b−1)工程(a−1)で測定した代謝物質の濃度を、視神経障害を発症しない対照者における前記代謝物質の濃度と比較する工程;
    (c−1)工程(a−1)で測定した代謝物質が[Aグループ]、[Bグループ]、又は[Eグループ]〜[Gグループ]の代謝物質である場合、工程(a−1)で測定した代謝物質の濃度が、前記対照者における代謝物質の濃度よりも高いとき、前記被験者は、視神経障害を発症するリスクが高い、又は視神経障害を発症している可能性が高いと評価し、
    工程(a−1)で測定した代謝物質が[Iグループ]、[Cグループ]、[Dグループ]、[Hグループ]、又は[Jグループ]の代謝物質である場合、工程(a−1)で測定した代謝物質の濃度が、前記対照者における代謝物質の濃度よりも低いとき、前記被験者は、視神経障害を発症するリスクが高い、又は視神経障害を発症している可能性が高いと評価する工程;
  2. 以下の工程(a−2)〜(c−2)を含むことを特徴とする視神経障害の重症度の判定方法。
    (a−2)視神経障害を発症している被験者から採取された生体試料中の、以下の[Aグループ]〜[Dグループ]から選択される1又は2種以上の代謝物質の濃度を測定する工程;
    [Aグループ]
    L−アセチルカルニチン(Acetylcarnitine)、9−ヘキサデセノイルカルニチン(Hexadecenoylcarnitine)、ヒドロキシブチリルカルニチン(Hydroxybutyrylcarnitine)、トリアシルグリセロール(62:12)、L−オクタノイルカルニチン(Octanoylcarnitine)、アスパラギン−アスパラギン酸 ジペプチド、m−アミノ安息香酸(Aminobenzoic acid)
    [Bグループ]
    ホスファチジルコリン(Phosphatidylcholine;PC)(38:7)、ホスファチジルグリセロール(Phosphatidylglycerol;PG)(40:6)、リゾホスファチジルコリン(lysoPC;LPC)(18:2)、PG(32:0)、S−アデノシルメチオニン(Adenosylmethionine)、ホスファチジルエタノールアミン(Phosphatidylethanolamine;PE)(42:8)、PG(38:6)
    [Cグループ]
    PC(46:6)、スフィンゴミエリン(Sphingomyelin;SM)(d18:0/24:0)、8,8-ジエトキシ-2,6-ジメチル-2-オクタノール、グリセロホスホコリン(Glycerophosphocholine;GPC)、β−ラクトシルセラミド(Lactosylceramide)(d18:1/22:0)、PC(44:9)
    [Dグループ]
    モノアシルグリセリド(Monoacylglyceride)(18:0/0:0/0:0)、D−グルコース、グアノシン、アデニン、アデノシン、グルタチオン、S−ホルミルグルタチオン(Formylglutathione)、メチオニン−ヒスチジン ジペプチド
    (b−2)工程(a−2)で測定した代謝物質の濃度を、視神経障害を発症している対照者における前記代謝物質の濃度と比較する工程;
    (c−2)工程(a−2)で測定した代謝物質が[Aグループ]又は[Dグループ]の代謝物質である場合、工程(a−2)で測定した代謝物質の濃度が、前記対照者における代謝物質の濃度よりも高いとき、前記被験者は、前記対照者よりも視神経障害が重症化している可能性が高いと評価し、
    工程(a−2)で測定した代謝物質が[Bグループ]又は[Cグループ]の代謝物質である場合、工程(a−2)で測定した代謝物質の濃度が、前記対照者における代謝物質の濃度よりも低いとき、前記被験者は、前記対照者よりも視神経障害が重症化している可能性が高いと評価する工程;
  3. 生体試料が、血液試料、尿試料、前房水試料、又は網膜試料であることを特徴とする請求項1又は2に記載の判定方法。
  4. 工程(a−1)において、脂肪酸又はL−アセチルカルニチンを測定し、工程(a−2)において、L−アセチルカルニチンを測定することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の判定方法。
  5. 脂肪酸が、オレイン酸、パルミチン酸、リノール酸、ステアリン酸、ドコサヘキサエン酸、ミリスチン酸、及びアラキドン酸からなる群から選択される1又は2種以上の脂肪酸であることを特徴とする請求項4に記載の判定方法。
  6. 以下の[Iグループ]、[Aグループ]〜[Hグループ]、及び[Jグループ]から選択される1又は2種以上の代謝物質からなることを特徴とする視神経障害の発症リスク、又は発症の有無の判定用バイオマーカーであって、
    代謝物質が[Aグループ]、[Bグループ]、又は[Eグループ]〜[Gグループ]の代謝物質である場合、視神経障害を発症するリスクが高い者、又は視神経障害を発症している者から採取された生体試料中の前記代謝物質の濃度が、視神経障害を発症しない対照者における前記代謝物質の濃度と比べ、高く、
    代謝物質が[Iグループ]、[Cグループ]、[Dグループ]、[Hグループ]、又は[Jグループ]の代謝物質である場合、視神経障害を発症するリスクが高い者、又は視神経障害を発症している者から採取された生体試料中の前記代謝物質の濃度が、視神経障害を発症しない対照者における前記代謝物質の濃度と比べ、低い、
    前記判定用バイオマーカー。
    [Iグループ]
    脂肪酸、LPC(18:0)、パルミチン酸メチル、ミリスチン酸イソプロピル、LPE(22:6)、LPC(17:0)sn−1、LPC(14:0)、LPC(17:0)sn−2、LPC(15:0)、p−クレゾール硫酸、インドキシル硫酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ安息香酸、N-フェニルアセチルグルタミン、アコニット酸、ピリドキサール、LPC(16:0)、PC(36:2)、PC(38:4)、PC(40:6)、プロリンベタイン、セラミド(d18:1/16:0)
    [Aグループ]
    L−アセチルカルニチン(Acetylcarnitine)、9−ヘキサデセノイルカルニチン(Hexadecenoylcarnitine)、ヒドロキシブチリルカルニチン(Hydroxybutyrylcarnitine)、トリアシルグリセロール(62:12)、L−オクタノイルカルニチン(Octanoylcarnitine)、アスパラギン−アスパラギン酸 ジペプチド、m−アミノ安息香酸(Aminobenzoic acid)
    [Bグループ]
    ホスファチジルコリン(Phosphatidylcholine;PC)(38:7)、ホスファチジルグリセロール(Phosphatidylglycerol;PG)(40:6)、リゾホスファチジルコリン(lysoPC;LPC)(18:2)、PG(32:0)、S−アデノシルメチオニン(Adenosylmethionine)、ホスファチジルエタノールアミン(Phosphatidylethanolamine;PE)(42:8)、PG(38:6)
    [Cグループ]
    PC(46:6)、スフィンゴミエリン(Sphingomyelin;SM)(d18:0/24:0)、8,8-ジエトキシ-2,6-ジメチル-2-オクタノール、グリセロホスホコリン(Glycerophosphocholine;GPC)、β−ラクトシルセラミド(Lactosylceramide)(d18:1/22:0)、PC(44:9)
    [Dグループ]
    モノアシルグリセリド(Monoacylglyceride)(18:0/0:0/0:0)、D−グルコース、グアノシン、アデニン、アデノシン、グルタチオン、S−ホルミルグルタチオン(Formylglutathione)、メチオニン−ヒスチジン ジペプチド
    [Eグループ]
    3−スルホ乳酸、ジメチルスルホン、リボン酸、アラビノン酸、キシロン酸、L−ヒドロキシグルタル酸、ヒドロキシクエン酸、グルカル酸、ガラクタル酸、オクテノイルカルニチン、ベタイン、L−アセチルカルニチン、メチルマロニルカルニチン、L−カルニチン、N,N-ジエチルエタノールアミン、L−シスチン
    [Fグループ]
    ピログルタミン、LPC(18:2)sn−1、リゾホスファチジルエタノールアミン(lysoPE;LPE)(18:2)、LPC(18:2)sn−2、アンドロステロン硫酸、テストステロン硫酸、フェノール硫酸、乳酸、D−グルコース、ヒドロペルオキシリノール酸、PC(34:2)、チオモルホリン−3−カルボン酸、LPC(18:2)、L−カルニチン
    [Gグループ]
    メチルアデノシン、スクシニルアデノシン、ドデカノイルカルニチン、O−(7−カルボキシヘプタノイル)カルニチン、O−(8−カルボキシオクタノイル)カルニチン、O−(11−カルボキシウンデカノイル)カルニチン、マレイン酸、フマル酸
    [Hグループ]
    ジクロロメタン、グルタチオン、L−チロシン、L−フェニルアラニン、3−メルカプト乳酸、ウリジン、タウリン、アミノ酪酸
    [Jグループ]
    クエン酸
  7. 以下の[Aグループ]〜[Dグループ]から選択される1又は2種以上の代謝物質からなることを特徴とする視神経障害の重症度の判定用バイオマーカーであって、
    代謝物質が[Aグループ]又は[Dグループ]の代謝物質である場合、視神経障害の重症度が高い者から採取された生体試料中の前記代謝物質の濃度が、視神経障害の重症度が低い者における前記代謝物質の濃度と比べ、高く、
    代謝物質が[Bグループ]又は[Cグループ]の代謝物質である場合、視神経障害の重症度が高い者から採取された生体試料中の前記代謝物質の濃度が、視神経障害の重症度が低い者における前記代謝物質の濃度と比べ、低い、
    前記判定用バイオマーカー。
    [Aグループ]
    L−アセチルカルニチン(Acetylcarnitine)、9−ヘキサデセノイルカルニチン(Hexadecenoylcarnitine)、ヒドロキシブチリルカルニチン(Hydroxybutyrylcarnitine)、トリアシルグリセロール(62:12)、L−オクタノイルカルニチン(Octanoylcarnitine)、アスパラギン−アスパラギン酸 ジペプチド、m−アミノ安息香酸(Aminobenzoic acid)
    [Bグループ]
    ホスファチジルコリン(Phosphatidylcholine;PC)(38:7)、ホスファチジルグリセロール(Phosphatidylglycerol;PG)(40:6)、リゾホスファチジルコリン(lysoPC;LPC)(18:2)、PG(32:0)、S−アデノシルメチオニン(Adenosylmethionine)、ホスファチジルエタノールアミン(Phosphatidylethanolamine;PE)(42:8)、PG(38:6)
    [Cグループ]
    PC(46:6)、スフィンゴミエリン(Sphingomyelin;SM)(d18:0/24:0)、8,8-ジエトキシ-2,6-ジメチル-2-オクタノール、グリセロホスホコリン(Glycerophosphocholine;GPC)、β−ラクトシルセラミド(Lactosylceramide)(d18:1/22:0)、PC(44:9)
    [Dグループ]
    モノアシルグリセリド(Monoacylglyceride)(18:0/0:0/0:0)、D−グルコース、グアノシン、アデニン、アデノシン、グルタチオン、S−ホルミルグルタチオン(Formylglutathione)、メチオニン−ヒスチジン ジペプチド
  8. 生体試料が、血液試料、尿試料、前房水試料、又は網膜試料であることを特徴とする請求項6又は7に記載の判定用バイオマーカー。
  9. 代謝物質が、脂肪酸又はL−アセチルカルニチンであることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の判定用バイオマーカー。
  10. 脂肪酸が、オレイン酸、パルミチン酸、リノール酸、ステアリン酸、ドコサヘキサエン酸、ミリスチン酸、及びアラキドン酸からなる群から選択される1又は2種以上の脂肪酸であることを特徴とする請求項9に記載の判定用バイオマーカー。
  11. 以下の工程(A)〜(C)を含むことを特徴とする視神経障害発症の予防剤、又は視神経障害の治療剤のスクリーニング方法。
    (A)被検物質を投与した視神経障害非ヒト動物から採取された生体試料中の、以下の[Iグループ]、[Aグループ]〜[Hグループ]、及び[Jグループ]から選択される1又は2種以上の代謝物質の濃度を測定する工程;
    [Iグループ]
    脂肪酸、LPC(18:0)、パルミチン酸メチル、ミリスチン酸イソプロピル、LPE(22:6)、LPC(17:0)sn−1、LPC(14:0)、LPC(17:0)sn−2、LPC(15:0)、p−クレゾール硫酸、インドキシル硫酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ安息香酸、N-フェニルアセチルグルタミン、アコニット酸、ピリドキサール、LPC(16:0)、PC(36:2)、PC(38:4)、PC(40:6)、プロリンベタイン、セラミド(d18:1/16:0)
    [Aグループ]
    L−アセチルカルニチン(Acetylcarnitine)、9−ヘキサデセノイルカルニチン(Hexadecenoylcarnitine)、ヒドロキシブチリルカルニチン(Hydroxybutyrylcarnitine)、トリアシルグリセロール(62:12)、L−オクタノイルカルニチン(Octanoylcarnitine)、アスパラギン−アスパラギン酸 ジペプチド、m−アミノ安息香酸(Aminobenzoic acid)
    [Bグループ]
    ホスファチジルコリン(Phosphatidylcholine;PC)(38:7)、ホスファチジルグリセロール(Phosphatidylglycerol;PG)(40:6)、リゾホスファチジルコリン(lysoPC;LPC)(18:2)、PG(32:0)、S−アデノシルメチオニン(Adenosylmethionine)、ホスファチジルエタノールアミン(Phosphatidylethanolamine;PE)(42:8)、PG(38:6)
    [Cグループ]
    PC(46:6)、スフィンゴミエリン(Sphingomyelin;SM)(d18:0/24:0)、8,8-ジエトキシ-2,6-ジメチル-2-オクタノール、グリセロホスホコリン(Glycerophosphocholine;GPC)、β−ラクトシルセラミド(Lactosylceramide)(d18:1/22:0)、PC(44:9)
    [Dグループ]
    モノアシルグリセリド(Monoacylglyceride)(18:0/0:0/0:0)、D−グルコース、グアノシン、アデニン、アデノシン、グルタチオン、S−ホルミルグルタチオン(Formylglutathione)、メチオニン−ヒスチジン ジペプチド
    [Eグループ]
    3−スルホ乳酸、ジメチルスルホン、リボン酸、アラビノン酸、キシロン酸、L−ヒドロキシグルタル酸、ヒドロキシクエン酸、グルカル酸、ガラクタル酸、オクテノイルカルニチン、ベタイン、L−アセチルカルニチン、メチルマロニルカルニチン、L−カルニチン、N,N-ジエチルエタノールアミン、L−シスチン
    [Fグループ]
    ピログルタミン、LPC(18:2)sn−1、リゾホスファチジルエタノールアミン(lysoPE;LPE)(18:2)、LPC(18:2)sn−2、アンドロステロン硫酸、テストステロン硫酸、フェノール硫酸、乳酸、D−グルコース、ヒドロペルオキシリノール酸、PC(34:2)、チオモルホリン−3−カルボン酸、LPC(18:2)、L−カルニチン
    [Gグループ]
    メチルアデノシン、スクシニルアデノシン、ドデカノイルカルニチン、O−(7−カルボキシヘプタノイル)カルニチン、O−(8−カルボキシオクタノイル)カルニチン、O−(11−カルボキシウンデカノイル)カルニチン、マレイン酸、フマル酸
    [Hグループ]
    ジクロロメタン、グルタチオン、L−チロシン、L−フェニルアラニン、3−メルカプト乳酸、ウリジン、タウリン、アミノ酪酸
    [Jグループ]
    クエン酸
    (B)工程(A)で測定した代謝物質の濃度を、前記被検物質を投与しない視神経障害非ヒト動物における前記代謝物質の濃度と比較する工程;
    (C)工程(A)で測定した代謝物質が[Aグループ]、[Bグループ]、又は[Eグループ]〜[Gグループ]の代謝物質である場合、工程(A)で測定した代謝物質の濃度が、前記被検物質を投与しない視神経障害非ヒト動物における代謝物質の濃度よりも低いとき、前記被検物質は、視神経障害発症の予防、又は視神経障害の治療に有効であると評価し、
    工程(A)で測定した代謝物質が[Iグループ]、[Cグループ]、[Dグループ]、[Hグループ]、又は[Jグループ]の代謝物質である場合、工程(A)で測定した代謝物質の濃度が、前記被検物質を投与しない視神経障害非ヒト動物における代謝物質の濃度よりも高いとき、前記被検物質は、視神経障害発症の予防、又は視神経障害の治療に有効であると評価する工程;
  12. 生体試料が、血液試料、尿試料、前房水試料、又は網膜試料であることを特徴とする請求項11に記載のスクリーニング方法。
  13. 工程(A)において、脂肪酸又はL−アセチルカルニチンを測定することを特徴とする請求項11又は12に記載のスクリーニング方法。
  14. 脂肪酸が、オレイン酸、パルミチン酸、リノール酸、ステアリン酸、ドコサヘキサエン酸、ミリスチン酸、及びアラキドン酸からなる群から選択される1又は2種以上の脂肪酸であることを特徴とする請求項13に記載のスクリーニング方法。
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