JP2002305994A - マルチ栽培シート及びそれを利用したいちご等の栽培方法 - Google Patents
マルチ栽培シート及びそれを利用したいちご等の栽培方法Info
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Abstract
を簡便に切除可能とすると共に、 その際懸念される
シートとしての強度の劣化を惹起させないマルチ栽培シ
ート及びそれを利用した栽培方法を開発する。 【解決手段】 本発明栽培方法は、厚さ0.02mmの
ポリエチレンシートの長手方向に向けて略中央部にセン
ターラインを付設し、該センターラインを中心に250
〜300mmの間隔で左右に、切断部が5mm±1mm
で非切断部が8〜12mmのとなる切り込み線をシート
の長手方向に連続的に刻設したマルチ栽培シートを栽培
ベットの上に被設し、該切り込み線に合わせて株を植設
し、収穫後にあって上記マルチ栽培シートを切り込み線
に沿って3分割に引き裂いて切除し、植設された株をそ
のままロータリー等で耕耘、粉砕して緑肥としてすき込
むことを特徴として構成される。
Description
培に用いるマルチ栽培シート及びその栽培方法に関し、
更に詳細には、いちご等栽培にあたって、生育促進の為
の強度と栽培終了後の処理の簡便さとを兼ね備えたマル
チ栽培シート及びその栽培方法に関する。
害防除等の目的でマルチ栽培シートを施しているが、収
穫後にあっては、処理の為、いちご株の茎部を土との境
部付近から切り取り、その株とマルチ栽培シートとをた
ぐり寄せて一纏めにして外に出したり、又は、株とは別
にマルチ栽培シートとを剥がして、分離している。そし
て、土中に残された根はロータリー等によって耕耘と同
時に粉砕処理しているが、いずれにあっても、株は、そ
のまま外に出され、土中に還元されることはなかった。
栽培には新品種が登場し、この新品種は、甘みが強いと
共に粒が大きいといういちごとして優れた特性を備える
一方で、酸性土壌となり易いため栽培終了後には栽培土
としての土質が荒れる傾向にある。そこで、これに対す
る処置として、栽培後には、従来そのまま焼却等の処理
をしていた収穫後のいちごの株を、再利用の目的で緑肥
としてすき込み、有機質を土地に還元させることが奨励
されるに至った。
ると、収穫後の株及びマルチ栽培シートの処理は次のよ
うな工程を踏まねばならないことになる。 収穫後に土との境の株を刈り取り、それをベットの
脇に置くか、一旦室外等に運び出し、株が刈られた状
態のベットからマルチ栽培シートを剥がして廃棄し、
一旦外に運び出した株を再度室内に戻して、土及び根を
耕耘する際に、一緒に粉砕する。
問題を生じることとなる。 切り取った株を一旦外に出し、それを再度室内に戻
して、ロータリー等で粉砕しなければならず、極めて面
倒な作業となる。 又は、株を外に出すことなく一旦ベッドの横に置い
て、マルチ栽培シートを剥がした後、ロータリー等で粉
砕する方法もあるが、株が横にあるとマルチ栽培シート
を剥がすのにたいへん邪魔になる。 の作業において、切り取った株は直後で張りのあ
るうちにロータリー等に掛けて粉砕するのが望ましい
が、ハウスをたくさん抱えている場合には2〜3日放置
した後に粉砕せざるを得ず、その場合には株が撓ってう
まく粉砕できない。
解決しようとしてなされたもので、 株を刈り取るこ
となくマルチ栽培シートを簡便に切除可能とすると共
に、 その際懸念されるシートとしての強度の劣化を
惹起させないよう工夫したものである。
は、厚さ0.02mmのポリエチレンシートの長手方向
に向けて略中央部にセンターラインを付設し、切断部が
5mm±1mmで非切断部が8〜12mmとなる切り込
み線を前記センターラインを中心に250〜300mm
の幅間隔でシートの長手方向に連続的に配設して構成さ
れる。
ポリエチレンシートの長手方向に向けて略中央部にセン
ターラインを付設し、切断部が5mm±1mmで非切断
部が8〜12mmとなる切り込み線を前記センターライ
ンを中心に250〜300mmの幅間隔でシートの長手
方向に連続的に配設したマルチ栽培シートを栽培ベット
の上に被設し、該切り込み線に合わせて株を植設し、収
穫後にあって、上記マルチ栽培シートを切り込み線に沿
って引き裂いて3分割に切除し、植設された株をそのま
まロータリー等で耕耘、粉砕して緑肥としてすき込むこ
とを特徴として構成される。
の態様を説明すると、その素材は、従来のマルチ栽培シ
ートと同様で、厚み0.02mmの黒色のポリエチレン
シートを、幅が1600mm、1800mm、2100
mmとし、これを巻物状に連続させたものを用いる。も
ちろん、シートの幅は使用例を例示したもので、これに
限定されるものではない。
栽培シートの長手方向に向かって、先ず、略中央部にセ
ンターライン2を施す。該センターライン2は、具体的
には、塗料を印刷する等するが、これはシートの中央位
置を明示するためのものであるから、これには限定され
ない。
て一定間隔を保って、該センターライン2の左右両脇に
センターライン2と並行させて二本の切り込み線3,4
を刻設する。この切り込み線3,4とは、収穫後に使用
済みとなったマルチ栽培シートをベットに沿って手で引
っ張るだけで、その切り込み線に沿って切り裂き可能と
するものである。しかし、後述する如く、当該シートに
は、収穫車の移走や人の歩行等によって各方向から踏圧
が加えられるから、その踏圧に耐え得るものでなければ
ならない。そこで、これを解決すべく後述の実験を繰り
返し、それによって決定された値である。
2aとは、250〜300mmをいい、これはいちご栽
培のベットの通常の大きさが戸縁から70mm前後で2
列に株を植え、その間をセンターラインを中心に300
mm(中心からの片側距離150mm)とするのが一般
的であるが、それ以上の高畝とする場合もあるので、そ
れを踏まえて250mm(中心からの片側距離125m
m)までとした。
3a,4aが5mm±1mmで、非切断部が3b,4b
が8〜12mmの長さとして連続させるものでなければ
ならない。この理由は、該切り込み線は、上述の如く、
マルチ栽培シートを手で引っ張った場合に切り込み方向
に比較的簡単に切り裂けるものでなければならず、しか
しその一方で、切り込み方向に容易に切り裂けるもので
あってはならないという相矛盾した性能が要求される。
即ち、いちご栽培にあっては、育苗ベットにマルチ栽培
シートを施した後、生育に従って摘み取り作業や農薬散
布等を行うこととなるが、その際、ベットの横の通路側
に伸びた栽培シートを踏んで、通路を往復しなければな
らず、これは4〜6ヶ月に及ぶいちご栽培期間にあっ
て、少なくとも1日に1回を継続して行うことになる。
すると、当該マルチ栽培シートには、踏圧等が種々の方
向から加わり、それが切り込み線に伝わると、これを切
り裂いてしまう懸念があり、切り裂かれたシートは、そ
の部分から土肌が露出し、迅速な生育を阻害すると共
に、病害虫が侵入して疾病の原因ともなるので、踏圧等
に耐える強度が必要となる。一方、栽培終了時にあって
は、上述の如く、ベッドに敷設した該マルチ栽培シート
を切り込み方向に手で簡単に切り裂けるものでなければ
ならない。
ず、切断部を切り裂きに容易な5mmに設定し、これに
種々の方向からの踏圧に耐え得るよう非切断部の間隔を
適切に設定すべく引っ張り試験を行った。 <試験方法>シートの一端を固定し、そこから150m
m離れたところに切り込みを入れ、そこから5mm,6
mm・・と各長さに非切断部を設定し、前記切り込み部
から30°,45°,60°の角度で引っ張り力を加
え、引き裂きが起こる最小荷重の値を測定した。
切断部が6mm以下では5.0kg以上の引っ張り力に
耐えることができず、45°では、非切断部が7mm以
下で5.0kg以上の引っ張り力に耐えることができ
ず、60°では8mm以下で5.0kg以上の引っ張り
力に耐えることができない。従って、引っ張り力の想定
値を5.0kgとした場合、非切断部を8mm以上とす
れば、30〜60°の角度で引っ張り力が働いた場合に
も、これに耐えることができるものとなる。実際に、い
ちご栽培時に起こるシートへの引っ張り力は、上述の如
く、人の踏圧や、収穫車の車輪の回転に伴う引っ張り力
が作用するものと考えられ、その値を一定に規定するこ
とはできないが、一応の基準として5.0kgを想定し
た。30°,45°,60°を想定したのは、シートに
加わる力は真横からとは限らず、斜め方向からも加わ
り、その斜め方向から加わる力こそがシートを引き裂く
傾向が強いからであり、その斜め方向を30°,45
°,60°で代表させたものである。
上記試験と同様にして真横への引っ張り力を測定したと
ころ、非切断部が8mmのときには6.4kg、12m
mにあっては8.2kgの値が得られ、従ってそれぞれ
6.4kg以上及び8.2以上の力が必要とされるが、
この力は成人男子はもちろん、力の弱い女性、老人等で
も比較的簡単に発揮できる力である。
と、上記引き裂きには耐え得るが、今度は収穫終了後に
シートを切断する場合に、人の手の力で引き裂こうとし
ても、切断が連続せず、切り込み線によるシートの円滑
な引き裂き作業が困難となった。
5mm±1mmで、非切断部が8〜12mmの長さとし
て連続させるものでなければならないとの結論を得るに
至った。
は、例えば前述の如く、シートをローラに巻着する際
に、中央に塗料でセンターライン2をマーキングし、同
時に、回転刃を用いて上記態様の切り込み線3,4を刻
設するが、その方法は限定されない。
合のいちご栽培の方法を説明する。例えば、9月中旬に
株の植え付けを完了したら、10月中旬に栽培ハウスに
ビニールを掛け、栽培ベットの上にマルチ栽培シート1
を敷設する。このとき、栽培ベットの中央部と栽培シー
トのセンターライン2とを合わせるようにする。そし
て、株の葉の出た部分を探って、切り込み線に沿って手
探りで、株の頭をシート上に引き出す。
月頃まで、次々に開花し、実がなり、これを収穫する。
この間、上記収穫の他、薬剤散布等の作業があるため、
栽培ベットの谷間を通路として、何度も収穫車が往復す
ることになる。すると、横に伸びた栽培シートを収穫車
が足で踏むので、横又は前後斜め方向から、シートに対
し引っ張りの力が加わる。それが、シートの切り込み線
3,4に伝達されると、シートを引き裂く原因となる。
しかし、厚さ0.02mmのポリエチレンシートに切断
部が5mm±1mmで非切断部が8〜12mmとなるよ
う施した切り込み線は、こららの引っ張り力に耐えるこ
とができ、シートが引き裂かれることはない。
に入る。ここで、本発明では、先ず、株を切除すること
なくそのまま栽培ベットに残し、先ず、栽培シートの切
り裂きを行い、切り込み線3,4から切り裂いて一枚の
栽培シートを3つに分割する。具体的には、収穫の完了
した栽培シートの端を手で掴んで、切り込み線3,4か
ら両手で左右に引っ張る。すると、上記の如く、切断部
を5mm±1mmとし非切断部を8〜12mmとした切
り込み線は、人の手の力で横に引っ張ると、その力で連
続的に容易に引き裂くことができる。すると、その切り
込み線と株の植えられている位置が一致するので、株の
根本部で栽培シートは分割され、株に邪魔されることな
く、分割後のシートを丸めて処分することが可能とな
る。
トが全て除去されたので、株が立ったままの状態でロー
タリーによる耕耘が可能となる。すると、ロータリーの
爪の回転で、先ず、土が耕され、且つ、高速回転する爪
によって株が粉砕され、その粉砕された株が回転に伴っ
て土と混じり合い、所謂緑肥としてのすき込みが行われ
る。
還元させることができ、貴重な有機質が捨て去られるこ
となく土中で堆肥化され、新品種となったいちご栽培に
あっても、土質を荒らすことがなくなる。
下の如き効果を奏する。 (1)収穫後の株の処理にあたって、マルチ栽培シート
を切り込み線に沿って3分割に引き裂いて切除し、植設
された株をそのままロータリー等で耕耘、粉砕して緑肥
としてすき込むことができるので、いちごの新種栽培に
おいても土質の荒れを起こす懸念がなくなると同時に、
新種栽培に伴う大幅な作業の困難さを解消することがで
きる。
圧により引っ張りを受けても切り込み方向に容易に切り
裂けるものでなく、且つ、収穫終了後にマルチ栽培シー
トを手で引っ張った場合に、切り込み方向に比較的簡単
に切り裂けるという相反する性能を満たすことができ、
いちご栽培に要求される機能を満足させる。
及び株処理方法を用いれば、株の刈り取り作業や、その
搬出、廃棄等の処理を省略することができ、作業工程的
に大きな省略化をもたらすことができる。
態の斜視図。
Claims (2)
- 【請求項1】 厚さ0.02mmのポリエチレンシート
の長手方向に向けて略中央部にセンターラインを付設
し、切断部が5mm±1mmで非切断部が8〜12mm
となる切り込み線を、前記センターラインを中心に25
0〜300mmの幅間隔でシートの長手方向に連続的に
配設したことを特徴とするマルチ栽培シート。 - 【請求項2】 厚さ0.02mmのポリエチレンシート
の長手方向に向けて略中央部にセンターラインを付設
し、切断部が5mm±1mmで非切断部が8〜12mm
となる切り込み線を前記センターラインを中心に250
〜300mmの幅間隔でシートの長手方向に連続的に配
設したマルチ栽培シートを栽培ベットの上に被設し、該
切り込み線に合わせて株を植設し、 収穫後にあって、上記マルチ栽培シートを切り込み線に
沿って引き裂いて3分割に切除し、植設された株をその
ままロータリー等で耕耘、粉砕して緑肥としてすき込む
ことを特徴とする栽培方法。
Priority Applications (1)
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JP2001112152A JP4794061B2 (ja) | 2001-04-11 | 2001-04-11 | マルチ栽培シート及びそれを利用したいちご等の栽培方法 |
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- 2001-04-11 JP JP2001112152A patent/JP4794061B2/ja not_active Expired - Fee Related
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