JP2002304994A - 正極活物質及びリチウムイオン二次電池 - Google Patents

正極活物質及びリチウムイオン二次電池

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秀夫 岩崎
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 釘刺し試験における破裂および発火を皆無に
することができ、かつ大電流放電特性を向上させること
が可能な正極活物質を提供する。 【解決手段】 化学式(1)で表わされる複合酸化物を
含有する正極活物質。 Lix(Ni1-yMe1y)(O2-zz)+A (1) [Me1はB、Mg、Al、Sc、Ti、V、Cr、M
n、Co、Cu、Zn、Ga、Y、Zr、Nb、Mo、
Tc、Ru、Sn、La、Hf、Ta、W、Re、Pb
及びBiから選択される1種類以上の元素。Xは1種類
以上のハロゲン元素。0.02≦x≦1.3、0.00
5≦y≦0.5、0.01≦z≦0.5。AはNa、K
及びSから選ばれる1種類以上の元素。Na含有量、K
含有量、S含有量は、それぞれ、600ppm以上、3
000ppm以下の範囲内。]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リチウム含有ニッ
ケル酸化物を含む正極活物質と、この正極活物質を備え
たリチウムイオン二次電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯型パーソナルコンピュータ
や、携帯電話等が小型化・軽量化するのに伴い、これら
電子機器の電源である二次電池に対しても小型化・軽量
化が要求されている。
【0003】かかる二次電池として、炭素材料のような
リチウムイオンを吸蔵・放出できる物質を負極材料に用
いたリチウムイオン二次電池が開発され、小型電子機器
用の電源として実用化されている。この二次電池は、従
来の鉛蓄電池やニッケル・カドミウム電池と比べて小型
・軽量で、かつ高エネルギー密度を有するという特徴が
あるため、需要が増大している。
【0004】このリチウムイオン二次電池の正極活物質
として、高い放電電位が得られ、かつ高エネルギー密度
なリチウム含有コバルト酸化物(LiCoO2)が実用
化されている。しかしながら、この複合酸化物の原料で
あるコバルトは、資源的に希少であり、また商業的に利
用可能な鉱床が数少ない国に偏在しているため、高価で
価格変動が大きく、且つ将来的には供給不安の伴うもの
である。
【0005】そこでリチウム含有コバルト酸化物以外の
正極活物質の研究が近年盛んに行われている。一例とし
て、各種マンガン原料とリチウム原料より合成されるリ
チウムとマンガンとの複合酸化物には数々の化合物が報
告されている。具体的には、スピネル型結晶構造を有す
るLiMn24で示されるリチウムマンガン複合酸化物
は、電気化学的な酸化によりリチウムに対して3Vの電
位を示し、148mAh/gの理論充放電容量を有す
る。
【0006】しかしながら、マンガン酸化物あるいはリ
チウムマンガン複合酸化物を正極活物質として用いたリ
チウムイオン二次電池は、室温以上の環境下で使用した
場合の容量劣化が著しく大きいという欠点がある。これ
は、高温によりマンガン酸化物やリチウムマンガン複合
酸化物が不安定化し、非水電解液中にMnが溶出するた
めである。特に近年、電気自動車用またはロードレベリ
ング用として大型リチウムイオン二次電池の開発が各方
面で行われている。この大型リチウムイオン二次電池で
は電池が大型化するほど使用時の発熱を無視することが
できなくなり、周囲の環境温度が室温温度付近であって
も電池内部が比較的高温になりやすい。また、小型携帯
機器用などとして使用される比較的小型の電池であって
も、真夏の自動車の車室内などの高温環境下で使用され
ることもあり、電池内部が比較的高温となる場合があ
る。このような問題からマンガンを原料とする正極活物
質の実用化は非常に難しい。
【0007】ところでポストコバルト複合酸化物として
ニッケル複合酸化物の研究が盛んに行われている。例え
ばLiNiO2のようなニッケル複合酸化物は、理論容
量が180〜200mAh/gとLiCoO2系活物質
やLiMn24系活物質より大きくなり、かつ平均約
3.6Vの最適な放電電位を有するため、非常に有望な
正極活物質である。しかしながら、LiNiO2の結晶
構造が不安定なため、充放電サイクル試験において初期
の放電容量が充放電回数と共に大きく減少する問題や、
LiNiO2を用いて作製したリチウムイオン二次電池
の釘刺し試験では破裂・発火に至る安全性上の問題があ
る。
【0008】一方、特開平10−326621号公開公
報の請求項1には、リチウム含有金属複合酸化物を活物
質とする正極、非晶質構造からなる金属複合酸化物を用
いた負極と、非水電解質によって構成される二次電池が
開示されている。前記正極の活物質は、LixNi1-y
y2-zaの組成で示されるニッケル含有リチウム複合
酸化物である。但し、前記Mは周期律表の第2族、第1
3族、第14族の元素および遷移金属元素から選ばれる
1種類以上の元素で、前記Xはハロゲン元素で、前記
x、y、zおよびaは、0.2<x≦1.2、0≦y≦
0.5、0≦z≦1、0≦a≦2zを示す。
【0009】また、前記公開公報の段落[0010]に
は、以下に説明するような記載がある。
【0010】前記正極活物質が不純物として含む組成式
中の元素(Li、Ni、Coおよび他元素M)以外の元
素の含有量は、重量濃度としてたとえばFeが0.01
%以下(100ppm以下)、Cuが0.01%以下
(100ppm以下)、Ca、Naおよび硫酸根(SO
4)がそれぞれ0.05%以下(500ppm以下)の
濃度であることが好ましい。また活物質中の水分の含有
量は0.1%以下であることが好ましい。
【0011】つまり、前記公開公報では、組成式中の元
素以外の元素、すなわち、Fe、Cu、Ca、Naおよ
び硫酸根は、不純物であるため、少ない方が望ましいと
している。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、釘刺
し試験における破裂および発火を皆無にすることがで
き、かつ大電流放電特性(放電レート特性)を向上させ
ることが可能な正極活物質と、この正極活物質を備える
リチウムイオン二次電池を提供しようとするものであ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明に係る第1のリチ
ウムイオン二次電池は、下記の化学式(1)で表わされ
る組成を有する複合酸化物を含有する活物質を含む正極
と、負極と、非水電解質とを具備することを特徴とする
ものである。
【0014】 Lix(Ni1-yMe1y)(O2-zz)+A (1) 但し、前記Me1はB、Mg、Al、Sc、Ti、V、C
r、Mn、Co、Cu、Zn、Ga、Y、Zr、Nb、
Mo、Tc、Ru、Sn、La、Hf、Ta、W、R
e、Pb及びBiよりなる群から選択される少なくとも
1種類の元素で、前記XはF、Cl、Br及びIよりな
る群から選ばれる少なくとも1種類のハロゲン元素で、
モル比x、y及びzは、それぞれ、0.02≦x≦1.
3、0.005≦y≦0.5、0.01≦z≦0.5を
示し、前記AはNa、K及びSよりなる群から選ばれる
少なくとも1種類の元素を含み、前記複合酸化物中のN
a含有量、K含有量、S含有量は、それぞれ、600p
pm以上、3000ppm以下の範囲内である。
【0015】本発明に係る第2のリチウムイオン二次電
池は、下記の化学式(2)で表わされる組成を有する複
合酸化物を含有する活物質を含む正極と、負極と、非水
電解質とを具備することを特徴とするものである。
【0016】 Lix(Ni1-yMe1y)(O2-zz)+A+bB (2) 但し、前記Me1はB、Mg、Al、Sc、Ti、V、C
r、Mn、Co、Cu、Zn、Ga、Y、Zr、Nb、
Mo、Tc、Ru、Sn、La、Hf、Ta、W、R
e、Pb及びBiよりなる群から選択される少なくとも
1種類の元素で、前記XはF、Cl、Br及びIよりな
る群から選ばれる少なくとも1種類のハロゲン元素で、
モル比x、y及びzは、それぞれ、0.02≦x≦1.
3、0.005≦y≦0.5、0.01≦z≦0.5を
示し、前記AはNa、K及びSよりなる群から選ばれる
少なくとも1種類の元素を含み、前記複合酸化物中のN
a含有量、K含有量、S含有量は、それぞれ、600p
pm以上、3000ppm以下の範囲内で、前記BはS
i及びFeよりなる群から選択される少なくとも1種類
の元素を含み、前記複合酸化物中の前記Bの含有量bは
20ppm以上、500ppm以下の範囲内である。
【0017】本発明に係る第3のリチウムイオン二次電
池は、下記の化学式(3)で表わされる組成を有する複
合酸化物を含有する活物質を含む正極と、負極と、非水
電解質とを具備することを特徴とするものである。
【0018】 Lix(Ni1-v-sCovMe2s)(O2-zz)+A (3) 但し、前記Me2はB、Mg、Al、Sc、Ti、V、C
r、Mn、Cu、Zn、Ga、Y、Zr、Nb、Mo、
Tc、Ru、Sn、La、Hf、Ta、W、Re、Pb
及びBiよりなる群から選択される少なくとも1種類の
元素で、前記XはF、Cl、Br及びIよりなる群から
選ばれる少なくとも1種類のハロゲン元素で、モル比
x、v、s及びzは、それぞれ、0.02≦x≦1.
3、0.005≦v≦0.5、0.005≦s≦0.
5、0.01≦z≦0.5を示し、前記AはNa、K及
びSよりなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素を
含み、前記複合酸化物中のNa含有量、K含有量、S含
有量は、それぞれ、600ppm以上、3000ppm
以下の範囲内である。
【0019】本発明に係る第4のリチウムイオン二次電
池は、下記の化学式(4)で表わされる組成を有する複
合酸化物を含有する活物質を含む正極と、負極と、非水
電解質とを具備することを特徴とするものである。
【0020】 Lix(Ni1-v-sCovMe2s)(O2-zz)+A+bB (4) 但し、前記Me2はB、Mg、Al、Sc、Ti、V、C
r、Mn、Cu、Zn、Ga、Y、Zr、Nb、Mo、
Tc、Ru、Sn、La、Hf、Ta、W、Re、Pb
及びBiよりなる群から選択される少なくとも1種類の
元素で、前記XはF、Cl、Br及びIよりなる群から
選ばれる少なくとも1種類のハロゲン元素で、モル比
x、v、s及びzは、それぞれ、0.02≦x≦1.
3、0.005≦v≦0.5、0.005≦s≦0.
5、0.01≦z≦0.5を示し、前記AはNa、K及
びSよりなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素を
含み、前記複合酸化物中のNa含有量、K含有量、S含
有量は、それぞれ、600ppm以上、3000ppm
以下の範囲内で、前記BはSi及びFeよりなる群から
選択される少なくとも1種類の元素を含み、前記複合酸
化物中の前記Bの含有量bは20ppm以上、500p
pm以下の範囲内である。
【0021】本発明に係る第1の正極活物質は、下記の
化学式(1)で表わされる組成を有する複合酸化物を含
有することを特徴とするものである。
【0022】 Lix(Ni1-yMe1y)(O2-zz)+A (1) 但し、前記Me1はB、Mg、Al、Sc、Ti、V、C
r、Mn、Co、Cu、Zn、Ga、Y、Zr、Nb、
Mo、Tc、Ru、Sn、La、Hf、Ta、W、R
e、Pb及びBiよりなる群から選択される少なくとも
1種類の元素で、前記XはF、Cl、Br及びIよりな
る群から選ばれる少なくとも1種類のハロゲン元素で、
モル比x、y及びzは、それぞれ、0.02≦x≦1.
3、0.005≦y≦0.5、0.01≦z≦0.5を
示し、前記AはNa、K及びSよりなる群から選ばれる
少なくとも1種類の元素を含み、前記複合酸化物中のN
a含有量、K含有量、S含有量は、それぞれ、600p
pm以上、3000ppm以下の範囲内である。
【0023】本発明に係る第2の正極活物質は、下記の
化学式(2)で表わされる組成を有する複合酸化物を含
有することを特徴とするものである。
【0024】 Lix(Ni1-yMe1y)(O2-zz)+A+bB (2) 但し、前記Me1はB、Mg、Al、Sc、Ti、V、C
r、Mn、Co、Cu、Zn、Ga、Y、Zr、Nb、
Mo、Tc、Ru、Sn、La、Hf、Ta、W、R
e、Pb及びBiよりなる群から選択される少なくとも
1種類の元素で、前記XはF、Cl、Br及びIよりな
る群から選ばれる少なくとも1種類のハロゲン元素で、
モル比x、y及びzは、それぞれ、0.02≦x≦1.
3、0.005≦y≦0.5、0.01≦z≦0.5を
示し、前記AはNa、K及びSよりなる群から選ばれる
少なくとも1種類の元素を含み、前記複合酸化物中のN
a含有量、K含有量、S含有量は、それぞれ、600p
pm以上、3000ppm以下の範囲内で、前記BはS
i及びFeよりなる群から選択される少なくとも1種類
の元素を含み、前記複合酸化物中の前記Bの含有量bは
20ppm以上、500ppm以下の範囲内である。
【0025】本発明に係る第3の正極活物質は、下記の
化学式(3)で表わされる組成を有する複合酸化物を含
有することを特徴とするものである。
【0026】 Lix(Ni1-v-sCovMe2s)(O2-zz)+A (3) 但し、前記Me2はB、Mg、Al、Sc、Ti、V、C
r、Mn、Cu、Zn、Ga、Y、Zr、Nb、Mo、
Tc、Ru、Sn、La、Hf、Ta、W、Re、Pb
及びBiよりなる群から選択される少なくとも1種類の
元素で、前記XはF、Cl、Br及びIよりなる群から
選ばれる少なくとも1種類のハロゲン元素で、モル比
x、v、s及びzは、それぞれ、0.02≦x≦1.
3、0.005≦v≦0.5、0.005≦s≦0.
5、0.01≦z≦0.5を示し、前記AはNa、K及
びSよりなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素を
含み、前記複合酸化物中のNa含有量、K含有量、S含
有量は、それぞれ、600ppm以上、3000ppm
以下の範囲内である。
【0027】本発明に係る第4の正極活物質は、下記の
化学式(4)で表わされる組成を有する複合酸化物を含
有することを特徴とするものである。
【0028】 Lix(Ni1-v-sCovMe2s)(O2-zz)+A+bB (4) 但し、前記Me2はB、Mg、Al、Sc、Ti、V、C
r、Mn、Cu、Zn、Ga、Y、Zr、Nb、Mo、
Tc、Ru、Sn、La、Hf、Ta、W、Re、Pb
及びBiよりなる群から選択される少なくとも1種類の
元素で、前記XはF、Cl、Br及びIよりなる群から
選ばれる少なくとも1種類のハロゲン元素で、モル比
x、v、s及びzは、それぞれ、0.02≦x≦1.
3、0.005≦v≦0.5、0.005≦s≦0.
5、0.01≦z≦0.5を示し、前記AはNa、K及
びSよりなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素を
含み、前記複合酸化物中のNa含有量、K含有量、S含
有量は、それぞれ、600ppm以上、3000ppm
以下の範囲内で、前記BはSi及びFeよりなる群から
選択される少なくとも1種類の元素を含み、前記複合酸
化物中の前記Bの含有量bは20ppm以上、500p
pm以下の範囲内である。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明に係るリチウムイオン二次
電池は、活物質を含む正極と、負極と、非水電解質とを
具備する。前記活物質は、後述する第1の正極活物質〜
第6の正極活物質のうち少なくとも1種類を含む。
【0030】前記非水電解質としては、例えば、非水溶
媒に電解質を溶解させることにより調製される液体状非
水電解質(非水電解液)、高分子材料に非水溶媒と電解
質を保持させた高分子ゲル状非水電解質、電解質を主成
分とする高分子固体電解質、リチウムイオン伝導性を有
する無機固体非水電解質等を挙げることができる。な
お、各非水電解質に含有される非水溶媒及び電解質に
は、後述する液状非水電解質において説明するものを使
用することができる。
【0031】前記ゲル状非水電解質に含まれる高分子材
料としては、例えば、ポリアクリロニトリル、ポリアク
リレート、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリエ
チレンオキシド(PEO)、あるいはアクリロニトリ
ル、アクリレート、フッ化ビニリデンもしくはエチレン
オキシドを単量体として含むポリマー等を挙げることが
できる。また、前記高分子固体電解質に含有される高分
子材料としては、例えば、ポリアクリロニトリル、ポリ
フッ化ビニリデン(PVdF)、ポリエチレンオキシド
(PEO)、あるいはアクリロニトリル、フッ化ビニリ
デンもしくはエチレンオキシドを単量体として含むポリ
マー等を挙げることができる。一方、前記無機固体非水
電解質としては、例えば、リチウムを含有したセラミッ
ク材料を挙げることができる。具体的には、Li3N、
Li3PO4−Li2S−SiSガラス等を挙げることが
できる。
【0032】以下、本発明に係るリチウムイオン二次電
池の一例を説明する。
【0033】このリチウムイオン二次電池は、第1の正
極活物質〜第6の正極活物質のうち少なくとも1種類を
含む正極と、負極と、前記正極及び前記負極の間に配置
されるセパレータと、少なくとも前記セパレータに含浸
される液状非水電解質とを具備する。
【0034】前記正極、セパレータ、負極及び液状非水
電解質について詳しく説明する。
【0035】1)正極 この正極は、集電体と、前記集電体に担持され、第1の
正極活物質〜第6の正極活物質のうち少なくとも1種類
を含む正極層とを含む。
【0036】(第1の正極活物質)この第1の正極活物
質は、下記の化学式(1)で表わされる組成を有する複
合酸化物を含む。
【0037】 Lix(Ni1-yMe1y)(O2-zz)+A (1) 但し、前記Me1はB、Mg、Al、Sc、Ti、V、C
r、Mn、Co、Cu、Zn、Ga、Y、Zr、Nb、
Mo、Tc、Ru、Sn、La、Hf、Ta、W、R
e、Pb及びBiよりなる群から選択される少なくとも
1種類の元素で、前記XはF、Cl、Br及びIよりな
る群から選ばれる少なくとも1種類のハロゲン元素で、
モル比x、y及びzは、それぞれ、0.02≦x≦1.
3、0.005≦y≦0.5、0.01≦z≦0.5を
示す。
【0038】前記AはNa、K及びSよりなる群から選
ばれる少なくとも1種類の元素を含む。元素Aを構成す
る各元素については、複合酸化物中の含有量を600p
pm以上、3000ppm以下の範囲内に設定する。
【0039】リチウムのモル比xについて説明する。モ
ル比xを0.02未満にすると、複合酸化物の結晶構造
が非常に不安定になるため、二次電池のサイクル特性が
劣化すると共に、安全性が低下する。一方、モル比xが
1.3を超えると、二次電池の放電容量並びに安全性が
低下する。モル比xのより好ましい範囲は、0.05≦
x≦1.2である。
【0040】元素Me1のモル比yについて説明する。モ
ル比yを0.005未満にすると、二次電池の安全性を
向上させることが困難になる。一方、モル比yが0.5
を超えると、放電容量が大きく低下する。モル比yのよ
り好ましい範囲は、0.01≦y≦0.35である。ま
た、元素Me1の中でも、Al、Ti、Mn、Nb、Ta
が好ましい。
【0041】ハロゲン元素Xのモル比zについて説明す
る。モル比zを0.01未満にすると、二次電池のサイ
クル特性並びに安全性を向上させることが困難になる。
一方、モル比zが0.5を超えると、放電容量が大きく
低下する。モル比zのより好ましい範囲は、0.02≦
z≦0.3である。また、ハロゲン元素Xは、Fである
ことが好ましい。
【0042】前記複合酸化物のうち好ましい組成の一つ
は、ハロゲン元素XがFであり、モル比x、y及びzが
0.05≦x≦1.2、0.01≦y≦0.35、0.
02≦z≦0.3で示されるものである。
【0043】複合酸化物中に含有される元素Aについて
説明する。複合酸化物中に元素Aを含有させることによ
って、短絡などにより二次電池に大電流が流れた際に電
池温度が急激に上昇するのを抑制することができ、二次
電池の安全性を向上することができる。
【0044】複合酸化物中にNaが含まれる場合、Na
含有量は、600ppm以上、3000ppm以下の範
囲内にする。これは次のような理由によるものである。
Na含有量を600ppm未満にすると、大電流(ハイ
レート)で放電した際に高い放電容量が得られなくな
る。一方、Na含有量が3000ppmを超えると、充
放電サイクル特性が劣化する。Na含有量は、1000
〜2500ppmの範囲内にすることがより好ましい。
Na含有量を1000〜2500ppmの範囲内にする
ことによって、高いレートで放電を行う充放電サイクル
を繰り返した際の容量低下を抑制することができる。
【0045】複合酸化物中にKが含まれる場合、K含有
量は、600ppm以上、3000ppm以下の範囲内
にする。これは次のような理由によるものである。K含
有量を600ppm未満にすると、大電流(ハイレー
ト)で放電した際に高い放電容量が得られなくなる。一
方、K含有量が3000ppmを超えると、充放電サイ
クル特性が劣化する。K含有量は、1000〜2500
ppmの範囲内にすることがより好ましい。K含有量を
1000〜2500ppmの範囲内にすることによっ
て、高いレートで放電を行う充放電サイクルを繰り返し
た際の容量低下を抑制することができる。
【0046】複合酸化物中にSが含まれる場合、S含有
量は、600ppm以上、3000ppm以下の範囲内
にすることが望ましい。これは次のような理由によるも
のである。S含有量を600ppm未満にすると、大電
流(ハイレート)で放電した際に高い放電容量が得られ
なくなる。一方、S含有量が3000ppmを超える
と、充放電サイクル特性が劣化する。S含有量は、10
00〜2500ppmの範囲内にすることがより好まし
い。S含有量を1000〜2500ppmの範囲内にす
ることによって、高いレートで放電を行う充放電サイク
ルを繰り返した際の容量低下を抑制することができる。
【0047】元素Aには、Na、KおよびSよりなる群
から選択される少なくとも1種類の元素と併せて、Ca
が含まれていることが望ましい。複合酸化物中のCa含
有量は、500ppm以下の範囲内にすることが好まし
い。これは、Ca含有量が500ppmを超えると、充
放電サイクル特性、ハイレート放電特性(放電レート特
性)もしくはハイレートサイクル特性の劣化を助長する
恐れがあるからである。Ca含有量は、20ppm以
上、500ppm以下の範囲内にすることがより好まし
い。Ca含有量を20ppm以上、500ppm以下の
範囲内にすることによって、ハイレート放電特性(放電
レート特性)もしくはハイレートサイクル特性を大幅に
改善することができる。Ca含有量のさらに好ましい範
囲は、50ppm以上、500ppm以下の範囲内であ
る。
【0048】これら元素Aは、単独の添加でも十分に安
全性を向上することが可能であるが、複数種の元素を添
加することによりさらに安全性を向上することが可能で
ある。元素Aとしては、NaとSの組み合わせ、Caと
NaとSの組み合わせ、NaとCaの組み合わせ、Sと
Caの組み合わせが好ましい。
【0049】複合酸化物中の元素Aのトータル含有量a
は、600ppm以上、7000ppm以下の範囲内に
することが望ましい。これは次のような理由によるもの
である。元素Aのトータル含有量aを600ppm未満
にすると、二次電池のハイレート放電特性を改善するこ
とが困難になる。一方、元素Aのトータル含有量aが7
000ppmを超えると、充放電サイクル特性が劣化す
る恐れがある。元素Aのトータル含有量aのより好まし
い範囲は、1000〜5000ppmである。
【0050】前述した化学式(1)で表わされる複合酸
化物においては、Na、K、Ca及びSよりなる群から
選ばれる少なくとも1種類からなる元素Aの少なくとも
一部が偏析していることが好ましい。特に、元素Aの少
なくとも一部は、複合酸化物の結晶粒の境界に存在する
三重点に析出していることが望ましい。複合酸化物の結
晶構造をこのような構成にすることによって、二次電池
の安全性とサイクル特性の双方をより向上することがで
きる。
【0051】前記複合酸化物は、例えば、固相法、共沈
法または水熱合成法で作製される。中でも、各元素の化
合物の粉末を、酸素ガス気流中にて、450〜550℃
の温度で2〜20時間焼成し、次いで630〜730℃
で2〜50時間焼成することにより、化学式(1)で表
わされる組成を有する複合酸化物を得ることが望まし
い。1段階目の熱処理温度が550℃を超えたり、ある
いは2段階目の熱処理温度が730℃よりも高くなる
と、元素Aが溶融して粒子の表面に付着するため、リチ
ウムの吸蔵・放出が阻害され、二次電池の安全性とサイ
クル特性を改善することが困難になる。焼成温度と焼成
時間を前記範囲内に規定した二段階熱処理を施すことに
よって、酸素層−Li層−酸素層−(Ni+Me1)層−
酸素層−Li層を規則的に配列することができると共
に、結晶粒の境界に存在する三重点に元素Aを析出させ
ることができる。その結果、二次電池の安全性と充放電
サイクル特性をより向上することができる。
【0052】以上説明したような本発明に係る第1の正
極活物質を含む正極を備えたリチウムイオン二次電池
は、釘刺し試験のように短絡状態となり大電流が流れた
際に電池温度が急激に上昇するのを抑制することができ
るため、破裂及び発火を未然に防止することができ、安
全性を向上することができる。これは、Na、K、Ca
及びSよりなる群から選ばれる少なくとも1種類からな
る元素Aが正極活物質の直流抵抗を低下させる作用を及
ぼし、大電流が流れた際のジュール熱による発熱が抑制
されるためであると推測される。また、本発明に係る二
次電池によると、高い放電容量と、優れたサイクル特性
と、優れたハイレート放電特性(放電レート特性)とを
実現することができる。
【0053】(第2の正極活物質)この第2の正極活物
質は、下記の化学式(2)で表わされる組成を有する複
合酸化物を含む。
【0054】 Lix(Ni1-yMe1y)(O2-zz)+A+bB (2) 但し、前記Me1はB、Mg、Al、Sc、Ti、V、C
r、Mn、Co、Cu、Zn、Ga、Y、Zr、Nb、
Mo、Tc、Ru、Sn、La、Hf、Ta、W、R
e、Pb及びBiよりなる群から選択される少なくとも
1種類の元素で、前記XはF、Cl、Br及びIよりな
る群から選ばれる少なくとも1種類のハロゲン元素で、
モル比x、y及びzは、それぞれ、0.02≦x≦1.
3、0.005≦y≦0.5、0.01≦z≦0.5を
示す。
【0055】前記AはNa、K及びSよりなる群から選
ばれる少なくとも1種類の元素を含む。前記元素Aを構
成する各元素については、複合酸化物中の含有量を60
0ppm以上、3000ppm以下の範囲内に設定す
る。
【0056】前記BはSi及びFeよりなる群から選択
される少なくとも1種類の元素から本質的になる。前記
複合酸化物中の前記Bの含有量bは20ppm以上、5
00ppm以下の範囲内である。
【0057】リチウムのモル比xを前記範囲に規定する
のは、前述した第1の正極活物質で説明したのと同様な
理由によるものである。モル比xのより好ましい範囲
は、0.05≦x≦1.2である。
【0058】元素Me1のモル比yを前記範囲に規定する
のは、前述した第1の正極活物質で説明したのと同様な
理由によるものである。モル比yのより好ましい範囲
は、0.01≦y≦0.35である。また、元素Me1の
うちより好ましい元素としては、前述した第1の正極活
物質で説明したのと同様なものを挙げることができる。
【0059】ハロゲン元素Xのモル比zを前記範囲に規
定するのは、前述した第1の正極活物質で説明したのと
同様な理由によるものである。モル比zのより好ましい
範囲は、0.02≦z≦0.3である。また、ハロゲン
元素Xは、Fであることが好ましい。
【0060】複合酸化物中にNaが含まれる場合、前述
した第1の正極活物質の欄で説明したのと同様な理由に
より、Na含有量は、600ppm以上、3000pp
m以下の範囲内にすることが望ましい。また、前述した
第1の正極活物質の欄で説明したのと同様な理由によ
り、Na含有量は、1000〜2500ppmの範囲内
にすることがより好ましい。
【0061】複合酸化物中にKが含まれる場合、前述し
た第1の正極活物質の欄で説明したのと同様な理由によ
り、K含有量は、600ppm以上、3000ppm以
下の範囲内にすることが望ましい。また、K含有量は、
前述した第1の正極活物質の欄で説明したのと同様な理
由により、1000〜2500ppmの範囲内にするこ
とがより好ましい。
【0062】複合酸化物中にSが含まれる場合、前述し
た第1の正極活物質の欄で説明したのと同様な理由によ
り、S含有量は、600ppm以上、3000ppm以
下の範囲内にすることが望ましい。また、S含有量は、
前述した第1の正極活物質の欄で説明したのと同様な理
由により、1000〜2500ppmの範囲内にするこ
とがより好ましい。
【0063】元素Aには、Na、KおよびSよりなる群
から選択される少なくとも1種類の元素と併せて、Ca
が含まれていることが望ましい。複合酸化物中のCa含
有量は、前述した第1の正極活物質の欄で説明したのと
同様な理由により、500ppm以下の範囲内にするこ
とが好ましく、より好ましい範囲は、20ppm以上、
500ppm以下の範囲内で、さらに好ましい範囲は、
50ppm以上、500ppm以下の範囲内である。
【0064】これら元素Aは、単独の添加でも十分に安
全性を向上することが可能であるが、複数種の元素を添
加することによりさらに安全性を向上することが可能で
ある。元素Aの好ましい組み合わせとしては、前述した
第1の正極活物質で説明したようなものを挙げることが
できる。
【0065】複合酸化物中の元素Aのトータル含有量a
は、前述した第1の正極活物質で説明したのと同様な理
由により、600ppm以上、7000ppm以下の範
囲内にすることが望ましい。元素Aのトータル含有量a
のより好ましい範囲は、1000〜5000ppmであ
る。
【0066】複合酸化物中に含有される元素Bについて
説明する。複合酸化物中に元素Bを含有させることによ
って、短絡などにより二次電池に大電流が流れた際の電
池温度の上昇をさらに抑えることができ、二次電池の安
全性をより改善することができる。元素Bの含有量bを
20ppm未満にすると、二次電池の安全性を十分に向上さ
せることが困難になる恐れがある。一方、元素Bの含有
量bが500ppmを超えると、充放電サイクル特性が大きく
低下する可能性がある。元素Bの含有量bのより好まし
い範囲は、20ppm≦b≦250ppmである。また、元素Bを
Si及びFeから構成することによって、二次電池の安
全性と充放電サイクル特性を更に改善することが可能で
ある。
【0067】前述した化学式(2)で表わされる複合酸
化物においては、Na、K、Ca及びSよりなる群から
選ばれる少なくとも1種類からなる元素Aの少なくとも
一部か、Si及びFeよりなる群から選択される少なく
とも1種類からなる元素Bの少なくとも一部が偏析して
いることが好ましい。特に、元素Aおよび元素Bのうち
の少なくとも一方の元素について、その少なくとも一部
が、複合酸化物の結晶粒の境界に存在する三重点に析出
していることが望ましい。複合酸化物の結晶構造をこの
ような構成にすることによって、二次電池の安全性とサ
イクル特性の双方をより向上することができる。
【0068】前記複合酸化物は、例えば、固相法、共沈
法または水熱合成法で作製される。中でも、各元素の化
合物の粉末を、酸素ガス気流中にて、450〜550℃
の温度で2〜20時間焼成し、次いで630〜730℃
で2〜50時間焼成することにより、化学式(2)で表
わされる組成を有する複合酸化物を得ることが望まし
い。1段階目の熱処理温度が550℃を超えたり、ある
いは2段階目の熱処理温度が730℃よりも高くなる
と、元素Aの化合物及び元素Bの化合物が溶融して粒子
の表面に付着するため、リチウムの吸蔵・放出が阻害さ
れ、二次電池の安全性とサイクル特性を改善することが
困難になる。焼成温度と焼成時間を前記範囲内に規定し
た二段階熱処理を施すことによって、酸素層−Li層−
酸素層−(Ni+Me1)層−酸素層−Li層を規則的に
配列することができると共に、結晶粒の境界に存在する
三重点に元素A及び元素Bを析出させることができる。
その結果、二次電池の安全性と充放電サイクル特性をよ
り向上することができる。
【0069】以上説明したような本発明に係る第2の正
極活物質を含む正極を備えたリチウムイオン二次電池
は、釘刺し試験のように短絡状態となり大電流が流れた
際に電池温度が急激に上昇するのを抑制することができ
るため、破裂及び発火を未然に防止することができ、安
全性を向上することができる。これは、Na、K、Ca
及びSよりなる群から選ばれる少なくとも1種類からな
る元素A並びにSi及びFeよりなる群から選択される
少なくとも1種類からなる元素Bが、正極活物質の直流
抵抗を低下させる機能をそれぞれ有し、元素Aと元素B
の相乗効果によって大電流が流れた際のジュール熱によ
る発熱が十分に抑制されるためであると推測される。ま
た、本発明に係る二次電池によると、高い放電容量と、
優れたサイクル特性と、優れたハイレート放電特性(放
電レート特性)とを実現することができる。
【0070】(第3の正極活物質)この第3の正極活物
質は、下記の化学式(3)で表わされる組成を有する複
合酸化物を含む。
【0071】 Lix(Ni1-v-sCovMe2s)(O2-zz)+A (3) 但し、前記Me2はB、Mg、Al、Sc、Ti、V、C
r、Mn、Cu、Zn、Ga、Y、Zr、Nb、Mo、
Tc、Ru、Sn、La、Hf、Ta、W、Re、Pb
及びBiよりなる群から選択される少なくとも1種類の
元素で、前記XはF、Cl、Br及びIよりなる群から
選ばれる少なくとも1種類のハロゲン元素で、モル比
x、v、s及びzは、それぞれ、0.02≦x≦1.
3、0.005≦v≦0.5、0.005≦s≦0.
5、0.01≦z≦0.5を示す。
【0072】前記AはNa、K及びSよりなる群から選
ばれる少なくとも1種類の元素を含む。前記元素Aを構
成する各元素については、複合酸化物中の含有量を60
0ppm以上、3000ppm以下の範囲内に設定す
る。
【0073】リチウムのモル比xについて説明する。モ
ル比xを0.02未満にすると、複合酸化物の結晶構造
が非常に不安定になるため、二次電池のサイクル特性が
劣化すると共に、安全性が低下する。一方、モル比xが
1.3を超えると、二次電池の放電容量並びに安全性が
低下する。モル比xのより好ましい範囲は、0.05≦
x≦1.2である。
【0074】Coのモル比vについて説明する。複合酸
化物にCoを含有させることによって、釘刺し試験よう
な短絡時の電池からのガス噴出を抑制することができる
と共に、短絡時の電池の温度上昇をさらに抑えることが
可能となる。モル比vを0.005未満にすると、二次
電池の安全性を十分に向上させることが困難になる。一
方、モル比vが0.5を超えると、充放電サイクル特性
および放電容量が大きく低下する。
【0075】元素Me2のモル比sについて説明する。モ
ル比sを0.005未満にすると、二次電池の安全性を
向上させることが困難になる。一方、モル比sが0.5
を超えると、放電容量が大きく低下する。モル比sのよ
り好ましい範囲は、0.01≦s≦0.35である。ま
た、元素Me2の中でも、Al、Ti、Mn、Nb、Ta
が好ましい。
【0076】ハロゲン元素Xのモル比zについて説明す
る。モル比zを0.01未満にすると、二次電池のサイ
クル特性並びに安全性を向上させることが困難になる。
一方、モル比zが0.5を超えると、放電容量が大きく
低下する。モル比zのより好ましい範囲は、0.02≦
z≦0.3である。また、ハロゲン元素Xは、Fである
ことが好ましい。
【0077】前記複合酸化物のうち好ましい組成の一つ
は、ハロゲン元素XがFであり、モル比x、v、s及び
zが0.05≦x≦1.2、0.005≦v≦0.5、
0.01≦s≦0.35、0.02≦z≦0.3で示さ
れるものである。
【0078】複合酸化物中にNaが含まれる場合、前述
した第1の正極活物質の欄で説明したのと同様な理由に
より、Na含有量は、600ppm以上、3000pp
m以下の範囲内にすることが望ましい。また、前述した
第1の正極活物質の欄で説明したのと同様な理由によ
り、Na含有量は、1000〜2500ppmの範囲内
にすることがより好ましい。
【0079】複合酸化物中にKが含まれる場合、前述し
た第1の正極活物質の欄で説明したのと同様な理由によ
り、K含有量は、600ppm以上、3000ppm以
下の範囲内にすることが望ましい。また、K含有量は、
前述した第1の正極活物質の欄で説明したのと同様な理
由により、1000〜2500ppmの範囲内にするこ
とがより好ましい。
【0080】複合酸化物中にSが含まれる場合、前述し
た第1の正極活物質の欄で説明したのと同様な理由によ
り、S含有量は、600ppm以上、3000ppm以
下の範囲内にすることが望ましい。また、S含有量は、
前述した第1の正極活物質の欄で説明したのと同様な理
由により、1000〜2500ppmの範囲内にするこ
とがより好ましい。
【0081】元素Aには、Na、KおよびSよりなる群
から選択される少なくとも1種類の元素と併せて、Ca
が含まれていることが望ましい。複合酸化物中のCa含
有量は、前述した第1の正極活物質の欄で説明したのと
同様な理由により、500ppm以下の範囲内にするこ
とが好ましく、より好ましい範囲は、20ppm以上、
500ppm以下の範囲内で、さらに好ましい範囲は、
50ppm以上、500ppm以下の範囲内である。
【0082】これら元素Aは、単独の添加でも十分に安
全性を向上することが可能であるが、複数種の元素を添
加することによりさらに安全性を向上することが可能で
ある。元素Aの好ましい組み合わせとしては、前述した
第1の正極で説明したようなものを挙げることができ
る。
【0083】複合酸化物中の元素Aのトータル含有量a
は、前述した第1の正極活物質で説明したのと同様な理
由により、600ppm以上、7000ppm以下の範
囲内にすることが望ましい。元素Aのトータル含有量a
のより好ましい範囲は、1000〜5000ppmであ
る。
【0084】前述した化学式(3)で表わされる複合酸
化物においては、Na、K、Ca及びSよりなる群から
選ばれる少なくとも1種類からなる元素Aの少なくとも
一部が偏析していることが好ましい。特に、元素Aの少
なくとも一部は、複合酸化物の結晶粒の境界に存在する
三重点に析出していることが望ましい。複合酸化物の結
晶構造をこのような構成にすることによって、二次電池
の安全性とサイクル特性の双方をより向上することがで
きる。
【0085】前記複合酸化物は、例えば、固相法、共沈
法または水熱合成法で作製される。中でも、各元素の化
合物の粉末を、酸素ガス気流中にて、450〜550℃
の温度で2〜20時間焼成し、次いで630〜730℃
で2〜50時間焼成することにより、化学式(3)で表
わされる組成を有する複合酸化物を得ることが望まし
い。このような方法によると、酸素層−Li層−酸素層
−(Ni+Co+Me2)層−酸素層−Li層を規則的に
配列することができると共に、結晶粒の境界に存在する
三重点に元素Aを析出させることができる。その結果、
二次電池の安全性と充放電サイクル特性をより向上する
ことができる。
【0086】以上説明したような本発明に係る第3の正
極活物質を含む正極を備えたリチウムイオン二次電池
は、釘刺し試験のように短絡状態となり大電流が流れた
際に電池温度が急激に上昇するのを効果的に抑制するこ
とができるため、ガス噴出及び発火の危険性をさらに低
くすることができ、安全性を大幅に向上することができ
る。また、本発明に係る二次電池によると、高い放電容
量を有すると共に、充放電サイクル特性とハイレート放
電特性(放電レート特性)をより向上することができ
る。
【0087】(第4の正極活物質)この第4の正極活物
質は、下記の化学式(4)で表わされる組成を有する複
合酸化物を含む。
【0088】 Lix(Ni1-v-sCovMe2s)(O2-zz)+A+bB (4) 但し、前記Me2はB、Mg、Al、Sc、Ti、V、C
r、Mn、Cu、Zn、Ga、Y、Zr、Nb、Mo、
Tc、Ru、Sn、La、Hf、Ta、W、Re、Pb
及びBiよりなる群から選択される少なくとも1種類の
元素で、前記XはF、Cl、Br及びIよりなる群から
選ばれる少なくとも1種類のハロゲン元素で、モル比
x、v、s及びzは、それぞれ、0.02≦x≦1.
3、0.005≦v≦0.5、0.005≦s≦0.
5、0.01≦z≦0.5を示す。
【0089】前記AはNa、K及びSよりなる群から選
ばれる少なくとも1種類の元素を含む。前記元素Aを構
成する各元素については、複合酸化物中の含有量を60
0ppm以上、3000ppm以下の範囲内に設定す
る。
【0090】前記BはSi及びFeよりなる群から選択
される少なくとも1種類の元素から本質的になる。前記
複合酸化物中の前記Bの含有量bは20ppm以上、5
00ppm以下の範囲内である。
【0091】リチウムのモル比xを前記範囲に規定する
のは、前述した第3の正極活物質で説明したのと同様な
理由によるものである。モル比xのより好ましい範囲
は、0.05≦x≦1.2である。
【0092】Coのモル比vを前記範囲に規定するの
は、前述した第3の正極活物質で説明したのと同様な理
由によるものである。
【0093】元素Me2のモル比sを前記範囲に規定する
のは、前述した第3の正極活物質で説明したのと同様な
理由によるものである。モル比sのより好ましい範囲
は、0.01≦s≦0.35である。また、元素Me2の
うちより好ましい元素には、前述した第3の正極活物質
で説明したのと同様なものを挙げることができる。
【0094】ハロゲン元素Xのモル比zを前記範囲に規
定するのは、前述した第3の正極活物質で説明したのと
同様な理由によるものである。モル比zのより好ましい
範囲は、0.02≦z≦0.3である。また、ハロゲン
元素Xは、Fであることが好ましい。
【0095】複合酸化物中にNaが含まれる場合、前述
した第1の正極活物質の欄で説明したのと同様な理由に
より、Na含有量は、600ppm以上、3000pp
m以下の範囲内にすることが望ましい。また、前述した
第1の正極活物質の欄で説明したのと同様な理由によ
り、Na含有量は、1000〜2500ppmの範囲内
にすることがより好ましい。
【0096】複合酸化物中にKが含まれる場合、前述し
た第1の正極活物質の欄で説明したのと同様な理由によ
り、K含有量は、600ppm以上、3000ppm以
下の範囲内にすることが望ましい。また、K含有量は、
前述した第1の正極活物質の欄で説明したのと同様な理
由により、1000〜2500ppmの範囲内にするこ
とがより好ましい。
【0097】複合酸化物中にSが含まれる場合、前述し
た第1の正極活物質の欄で説明したのと同様な理由によ
り、S含有量は、600ppm以上、3000ppm以
下の範囲内にすることが望ましい。また、S含有量は、
前述した第1の正極活物質の欄で説明したのと同様な理
由により、1000〜2500ppmの範囲内にするこ
とがより好ましい。
【0098】元素Aには、Na、KおよびSよりなる群
から選択される少なくとも1種類の元素と併せて、Ca
が含まれていることが望ましい。複合酸化物中のCa含
有量は、前述した第1の正極活物質の欄で説明したのと
同様な理由により、500ppm以下の範囲内にするこ
とが好ましく、より好ましい範囲は、20ppm以上、
500ppm以下の範囲内で、さらに好ましい範囲は、
50ppm以上、500ppm以下の範囲内である。
【0099】これら元素Aは、単独の添加でも十分に安
全性を向上することが可能であるが、複数種の元素を添
加することによりさらに安全性を向上することが可能で
ある。元素Aの好ましい組み合わせとしては、前述した
第1の正極で説明したようなものを挙げることができ
る。
【0100】複合酸化物中の元素Aのトータル含有量a
は、前述した第1の正極活物質で説明したのと同様な理
由により、600ppm以上、7000ppm以下の範
囲内にすることが望ましい。元素Aのトータル含有量a
のより好ましい範囲は、1000〜5000ppmであ
る。
【0101】複合酸化物中の元素Bの含有量bを前記範
囲に規定するのは、前述した第1の正極活物質で説明し
たのと同様な理由によるものである。元素Bの含有量b
のより好ましい範囲は、20ppm≦b≦250ppmである。ま
た、元素BをSi及びFeから構成することによって、
二次電池の安全性と充放電サイクル特性を更に改善する
ことが可能である。
【0102】前述した化学式(4)で表わされる複合酸
化物においては、Na、K、Ca及びSよりなる群から
選ばれる少なくとも1種類からなる元素Aの少なくとも
一部か、Si及びFeよりなる群から選択される少なく
とも1種類からなる元素Bの少なくとも一部が偏析して
いることが好ましい。特に、元素Aおよび元素Bのうち
の少なくとも一方の元素について、その少なくとも一部
が、複合酸化物の結晶粒の境界に存在する三重点に析出
していることが望ましい。複合酸化物の結晶構造をこの
ような構成にすることによって、二次電池の安全性とサ
イクル特性の双方をより向上することができる。
【0103】前記複合酸化物は、例えば、固相法、共沈
法または水熱合成法で作製される。中でも、各元素の化
合物の粉末を、酸素ガス気流中にて、450〜550℃
の温度で2〜20時間焼成し、次いで630〜730℃
で2〜50時間焼成することにより、化学式(4)で表
わされる組成を有する複合酸化物を得ることが望まし
い。このような方法によると、酸素層−Li層−酸素層
−(Ni+Co+Me2)層−酸素層−Li層を規則的に
配列することができると共に、結晶粒の境界に存在する
三重点に元素A及び元素Bを析出させることができる。
その結果、二次電池の安全性と充放電サイクル特性をよ
り向上することができる。
【0104】以上説明したような本発明に係る第4の正
極活物質を含む正極を備えたリチウムイオン二次電池
は、釘刺し試験のように短絡状態となり大電流が流れた
際に電池温度が急激に上昇するのを効果的に抑制するこ
とができるため、ガス噴出及び発火の危険性をさらに低
くすることができ、安全性を大幅に向上することができ
る。また、本発明に係る二次電池によると、高い放電容
量を有すると共に、充放電サイクル特性およびハイレー
ト放電特性(放電レート特性)をより向上することがで
きる。
【0105】(第5の正極活物質)この第5の正極活物
質は、下記の化学式(5)で表わされる組成を有する複
合酸化物を含む。
【0106】 Lix(Ni1-v-tCovMe3t)(O2-zz)+A (5) 但し、前記Me3はTi、V、Cr、Zr、Nb、Mo、
Hf、Ta及びWよりなる群から選択される少なくとも
1種類の元素で、前記XはF、Cl、Br及びIよりな
る群から選ばれる少なくとも1種類のハロゲン元素で、
モル比x、v、t及びzは、それぞれ、0.02≦x≦
1.3、0.005≦v≦0.5、0.005≦t≦
0.5、0.01≦z≦0.5を示す。
【0107】前記AはNa、K及びSよりなる群から選
ばれる少なくとも1種類の元素を含む。前記元素Aを構
成する各元素については、複合酸化物中の含有量を60
0ppm以上、3000ppm以下の範囲内に設定す
る。
【0108】リチウムのモル比xについて説明する。モ
ル比xを0.02未満にすると、複合酸化物の結晶構造
が非常に不安定になるため、二次電池のサイクル特性が
劣化すると共に、安全性が低下する。一方、モル比xが
1.3を超えると、二次電池の放電容量並びに安全性が
低下する。モル比xのより好ましい範囲は、0.05≦
x≦1.2である。
【0109】元素Me3のモル比tについて説明する。モ
ル比tを0.005未満にすると、二次電池の安全性を
向上させることが困難になる。一方、モル比tが0.5
を超えると、放電容量が大きく低下する。モル比tのよ
り好ましい範囲は、0.01≦t≦0.35である。ま
た、元素Me3の中でも、Ti、Nb、Taが好ましい。
【0110】Coのモル比vについて説明する。複合酸
化物にCoを含有させることによって、釘刺し試験よう
な短絡時の電池からのガス噴出を抑制することができる
と共に、短絡時の電池の温度上昇をさらに抑えることが
可能となる。モル比vを0.005未満にすると、二次
電池の安全性を十分に向上させることが困難になる。一
方、モル比vが0.5を超えると、充放電サイクル特性
および放電容量が大きく低下する。
【0111】ハロゲン元素Xのモル比zについて説明す
る。モル比zを0.01未満にすると、二次電池のサイ
クル特性並びに安全性を向上させることが困難になる。
一方、モル比zが0.5を超えると、放電容量が大きく
低下する。モル比zのより好ましい範囲は、0.02≦
z≦0.3である。また、ハロゲン元素Xは、Fである
ことが好ましい。
【0112】前記複合酸化物のうち好ましい組成の一つ
は、ハロゲン元素XがFであり、モル比x、v、t及び
zが0.05≦x≦1.2、0.005≦v≦0.5、
0.01≦t≦0.35、0.02≦z≦0.3で示さ
れるものである。
【0113】複合酸化物中にNaが含まれる場合、前述
した第1の正極活物質の欄で説明したのと同様な理由に
より、Na含有量は、600ppm以上、3000pp
m以下の範囲内にすることが望ましい。また、前述した
第1の正極活物質の欄で説明したのと同様な理由によ
り、Na含有量は、1000〜2500ppmの範囲内
にすることがより好ましい。
【0114】複合酸化物中にKが含まれる場合、前述し
た第1の正極活物質の欄で説明したのと同様な理由によ
り、K含有量は、600ppm以上、3000ppm以
下の範囲内にすることが望ましい。また、K含有量は、
前述した第1の正極活物質の欄で説明したのと同様な理
由により、1000〜2500ppmの範囲内にするこ
とがより好ましい。
【0115】複合酸化物中にSが含まれる場合、前述し
た第1の正極活物質の欄で説明したのと同様な理由によ
り、S含有量は、600ppm以上、3000ppm以
下の範囲内にすることが望ましい。また、S含有量は、
前述した第1の正極活物質の欄で説明したのと同様な理
由により、1000〜2500ppmの範囲内にするこ
とがより好ましい。
【0116】元素Aには、Na、KおよびSよりなる群
から選択される少なくとも1種類の元素と併せて、Ca
が含まれていることが望ましい。複合酸化物中のCa含
有量は、前述した第1の正極活物質の欄で説明したのと
同様な理由により、500ppm以下の範囲内にするこ
とが好ましく、より好ましい範囲は、20ppm以上、
500ppm以下の範囲内で、さらに好ましい範囲は、
50ppm以上、500ppm以下の範囲内である。
【0117】これら元素Aは、単独の添加でも十分に安
全性を向上することが可能であるが、複数種の元素を添
加することによりさらに安全性を向上することが可能で
ある。元素Aの好ましい組み合わせとしては、前述した
第1の正極で説明したようなものを挙げることができ
る。
【0118】複合酸化物中の元素Aのトータル含有量a
は、前述した第1の正極活物質で説明したのと同様な理
由により、600ppm以上、7000ppm以下の範
囲内にすることが望ましい。元素Aのトータル含有量a
のより好ましい範囲は、1000〜5000ppmであ
る。
【0119】前述した化学式(5)で表わされる複合酸
化物においては、Na、K、Ca及びSよりなる群から
選ばれる少なくとも1種類からなる元素Aの少なくとも
一部が偏析していることが好ましい。特に、元素Aの少
なくとも一部は、複合酸化物の結晶粒の境界に存在する
三重点に析出していることが望ましい。複合酸化物の結
晶構造をこのような構成にすることによって、二次電池
の安全性とサイクル特性の双方をより向上することがで
きる。
【0120】前記複合酸化物は、例えば、固相法、共沈
法または水熱合成法で作製される。中でも、各元素の化
合物の粉末を、酸素ガス気流中にて、450〜550℃
の温度で2〜20時間焼成し、次いで630〜730℃
で2〜50時間焼成することにより、化学式(5)で表
わされる組成を有する複合酸化物を得ることが望まし
い。このような方法によると、酸素層−Li層−酸素層
−(Ni+Co+Me3)層−酸素層−Li層を規則的に
配列することができると共に、結晶粒の境界に存在する
三重点に元素Aを析出させることができる。その結果、
二次電池の安全性と充放電サイクル特性をより向上する
ことができる。
【0121】以上説明したような本発明に係る第5の正
極活物質を含む正極を備えたリチウムイオン二次電池
は、釘刺し試験のように短絡状態となり大電流が流れた
際に電池温度が急激に上昇するのを抑制することができ
るため、破裂及び発火を未然に防止することができ、安
全性を大幅に向上することができる。また、この二次電
池は、高い放電容量と、優れた充放電サイクル特性と、
優れたハイレート放電特性(放電レート特性)とを実現
することができる。
【0122】(第6の正極活物質)この第6の正極活物
質は、下記の化学式(6)で表わされる組成を有する複
合酸化物を含む。
【0123】 Lix(Ni1-v-tCovMe3t)(O2-zz)+A+bB (6) 但し、前記Me3はTi、V、Cr、Zr、Nb、Mo、
Hf、Ta及びWよりなる群から選択される少なくとも
1種類の元素で、前記XはF、Cl、Br及びIよりな
る群から選ばれる少なくとも1種類のハロゲン元素で、
モル比x、v、t及びzは、それぞれ、0.02≦x≦
1.3、0.005≦v≦0.5、0.005≦t≦
0.5、0.01≦z≦0.5を示す。
【0124】前記AはNa、K及びSよりなる群から選
ばれる少なくとも1種類の元素を含む。前記元素Aを構
成する各元素については、複合酸化物中の含有量を60
0ppm以上、3000ppm以下の範囲内に設定す
る。
【0125】前記BはSi及びFeよりなる群から選択
される少なくとも1種類の元素から本質的になる。前記
複合酸化物中の前記Bの含有量bは20ppm以上、5
00ppm以下の範囲内である。
【0126】リチウムのモル比xを前記範囲に規定する
のは、前述した第5の正極活物質で説明したのと同様な
理由によるものである。モル比xのより好ましい範囲
は、0.05≦x≦1.2である。
【0127】元素Me3のモル比tを前記範囲に規定する
のは、前述した第5の正極活物質で説明したのと同様な
理由によるものである。モル比tのより好ましい範囲
は、0.01≦t≦0.35である。また、元素Me3の
うち好ましい元素としては、前述した第5の正極活物質
で説明したのと同様なものを挙げることができる。
【0128】Coのモル比vを前記範囲に規定するの
は、前述した第5の正極活物質で説明したのと同様な理
由によるものである。
【0129】ハロゲン元素Xのモル比zを前記範囲に規
定するのは、前述した第5の正極活物質で説明したのと
同様な理由によるものである。モル比zのより好ましい
範囲は、0.02≦z≦0.3である。また、ハロゲン
元素Xは、Fであることが好ましい。
【0130】複合酸化物中にNaが含まれる場合、前述
した第1の正極活物質の欄で説明したのと同様な理由に
より、Na含有量は、600ppm以上、3000pp
m以下の範囲内にすることが望ましい。また、前述した
第1の正極活物質の欄で説明したのと同様な理由によ
り、Na含有量は、1000〜2500ppmの範囲内
にすることがより好ましい。
【0131】複合酸化物中にKが含まれる場合、前述し
た第1の正極活物質の欄で説明したのと同様な理由によ
り、K含有量は、600ppm以上、3000ppm以
下の範囲内にすることが望ましい。また、K含有量は、
前述した第1の正極活物質の欄で説明したのと同様な理
由により、1000〜2500ppmの範囲内にするこ
とがより好ましい。
【0132】複合酸化物中にSが含まれる場合、前述し
た第1の正極活物質の欄で説明したのと同様な理由によ
り、S含有量は、600ppm以上、3000ppm以
下の範囲内にすることが望ましい。また、S含有量は、
前述した第1の正極活物質の欄で説明したのと同様な理
由により、1000〜2500ppmの範囲内にするこ
とがより好ましい。
【0133】元素Aには、Na、KおよびSよりなる群
から選択される少なくとも1種類の元素と併せて、Ca
が含まれていることが望ましい。複合酸化物中のCa含
有量は、前述した第1の正極活物質の欄で説明したのと
同様な理由により、500ppm以下の範囲内にするこ
とが好ましく、より好ましい範囲は、20ppm以上、
500ppm以下の範囲内で、さらに好ましい範囲は、
50ppm以上、500ppm以下の範囲内である。
【0134】これら元素Aは、単独の添加でも十分に安
全性を向上することが可能であるが、複数種の元素を添
加することによりさらに安全性を向上することが可能で
ある。元素Aの好ましい組み合わせとしては、前述した
第1の正極で説明したようなものを挙げることができ
る。
【0135】複合酸化物中の元素Aのトータル含有量a
は、前述した第1の正極活物質で説明したのと同様な理
由により、600ppm以上、7000ppm以下の範
囲内にすることが望ましい。元素Aのトータル含有量a
のより好ましい範囲は、1000〜5000ppmであ
る。
【0136】複合酸化物中の元素Bの含有量bを前記範
囲に規定するのは、前述した第1の正極活物質で説明し
たのと同様な理由によるものである。元素Bの含有量b
のより好ましい範囲は、20ppm≦b≦250ppmである。ま
た、元素BをSi及びFeから構成することによって、
二次電池の安全性と充放電サイクル特性を更に改善する
ことが可能である。
【0137】前述した化学式(6)で表わされる複合酸
化物においては、Na、K、Ca及びSよりなる群から
選ばれる少なくとも1種類からなる元素Aの少なくとも
一部か、Si及びFeよりなる群から選択される少なく
とも1種類からなる元素Bの少なくとも一部が偏析して
いることが好ましい。特に、元素Aおよび元素Bのうち
の少なくとも一方の元素について、その少なくとも一部
が、複合酸化物の結晶粒の境界に存在する三重点に析出
していることが望ましい。複合酸化物の結晶構造をこの
ような構成にすることによって、二次電池の安全性とサ
イクル特性の双方をより向上することができる。
【0138】前記複合酸化物は、例えば、固相法、共沈
法または水熱合成法で作製される。中でも、各元素の化
合物の粉末を、酸素ガス気流中にて、450〜550℃
の温度で2〜20時間焼成し、次いで630〜730℃
で2〜50時間焼成することにより、化学式(6)で表
わされる組成を有する複合酸化物を得ることが望まし
い。このような方法によると、酸素層−Li層−酸素層
−(Ni+Co+Me3)層−酸素層−Li層を規則的に
配列することができると共に、結晶粒の境界に存在する
三重点に元素A及び元素Bを析出させることができる。
その結果、二次電池の安全性と充放電サイクル特性をよ
り向上することができる。
【0139】以上説明したような本発明に係る第6の正
極活物質を含む正極を備えたリチウムイオン二次電池
は、釘刺し試験のように短絡状態となり大電流が流れた
際に電池温度が急激に上昇するのを抑制することができ
るため、破裂及び発火を未然に防止することができ、安
全性を大幅に向上することができる。また、この二次電
池は、高い放電容量と、優れた充放電サイクル特性と、
優れたハイレート放電特性(放電レート特性)とを実現
することができる。
【0140】これら第1の正極活物質〜第6の正極活物
質のうち、第1〜第4の正極活物質は、安全性とサイク
ル特性の双方を優れたものにすることができるため、好
ましい。特に好ましいのは、第3及び第4の正極活物質
である。
【0141】前記正極は、例えば、前記第1の正極活物
質〜第6の正極活物質のうち少なくとも1種類、電気伝
導助剤および結着剤を混合し、集電体に圧着することに
より作製されるか、もしくは前記正極活物質、電気伝導
助剤および結着剤を適当な溶媒に懸濁させ、この懸濁物
を集電体に塗布し、乾燥することにより作製される。
【0142】前記電気伝導助剤としては、例えばアセチ
レンブラック、カーボンブラック、黒鉛等をあげること
ができる。
【0143】前記結着剤としては、例えばポリテトラフ
ルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVd
F)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPD
M)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)等を用いること
ができる。
【0144】前記正極活物質、電気伝導助剤および結着
剤の配合割合は、正極活物質80〜95重量%、電気伝
導助剤3〜20重量%、結着剤2〜7重量%の範囲にす
ることが好ましい。前記集電体としては、多孔質構造の
導電性基板か、あるいは無孔の導電性基板を用いること
ができる。前記集電体を構成する材料としては、例え
ば、アルミニウム、ステンレス、ニッケル等を挙げるこ
とができる。
【0145】2)セパレータ 前記セパレータとしては、例えば、合成樹脂製不織布、
ポリエチレン多孔質フィルム、ポリプロピレン多孔質フ
ィルム等を用いることができる。
【0146】3)負極 この負極は、リチウムを吸蔵(ドープ)・放出(脱ドー
プ)することが可能な材料を含む。
【0147】かかる材料としては、例えば、リチウム金
属、リチウムを吸蔵・放出することが可能なLi含有合
金、リチウムを吸蔵・放出することが可能な金属酸化
物、リチウムを吸蔵・放出することが可能な金属硫化
物、リチウムを吸蔵・放出することが可能な金属窒化
物、リチウムを吸蔵・放出することが可能なカルコゲン
化合物、リチウムイオンを吸蔵・放出することが可能な
炭素材料等を挙げることができる。特に、前記カルコゲ
ン化合物あるいは前記炭素材料を含む負極は、安全性が
高く、かつ二次電池のサイクル寿命を向上できるため、
望ましい。
【0148】前記リチウムイオンを吸蔵・放出する炭素
材料としては、たとえば、コークス、炭素繊維、熱分解
気相炭素物、黒鉛、樹脂焼成体、メソフェーズピッチ系
炭素繊維、メソフェーズピッチ球状カーボン等を挙げる
ことができる。前述した種類の炭素材料は、電極容量を
高くすることができるため、望ましい。
【0149】前記カルコゲン化合物としては、二硫化チ
タン、二硫化モリブデン、セレン化ニオブ、酸化スズ等
を挙げることができる。このようなカルコゲン化合物を
負極に用いると電池電圧は低下するものの前記負極の容
量が増加するため、前記二次電池の容量が向上される。
【0150】前記炭素材料を含む負極は、例えば、前記
炭素材料と結着剤とを溶媒の存在下で混練し、得られた
懸濁物を集電体に塗布し、乾燥することにより作製され
る。
【0151】この場合、結着剤としては、例えばポリテ
トラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン
(PVdF)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EP
DM)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)等を用いるこ
とができる。さらに、炭素材料および結着剤の配合割合
は、炭素材料90〜98重量%、結着剤2〜10重量%
の範囲にすることが好ましい。また、前記集電体として
は、例えば銅、ステンレス、ニッケル等の導電性基板を
用いることができる。前記集電体は、多孔質構造にして
も、無孔にしても良い。
【0152】4)液状非水電解質(非水電解液) この液状非水電解質は、非水溶媒に電解質を溶解するこ
とにより調製される。
【0153】前記非水溶媒としては、例えば、環状カー
ボネートや、鎖状カーボネート(例えば、エチレンカー
ボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネ
ート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネー
ト等)、環状エーテルや鎖状エーテル(例えば、1,2−
ジメトキシエタン、2−メチルテトラヒドロフラン
等)、環状エステルや鎖状エステル(例えば、γ−ブチ
ロラクトン,γ−バレロラクトン,σ−バレロラクト
ン,酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプ
ロピル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロ
ピオン酸プロピル等)などを挙げることができる。非水
溶媒には、前述した種類の中から選ばれる1種または2
〜5種の混合溶媒が用いることができるが、必ずしもこ
れらに限定されるものではない。
【0154】前記電解質としては、例えば、過塩素酸リ
チウム(LiClO4),六フッ化リン酸リチウム(Li
PF6)、ホウフッ化リチウム(LiBF4)、六フッ化砒
素リチウム(LiAsF6)、トリフルオロメチルスルホ
ニルイミドリチウム(LiCF3SO3)、ビストリフル
オロメチルスルホニルイミドリチウム[LiN(CF3
SO22]などのリチウム塩が挙げられる。かかる電解
質としては、これから選ばれる1種又は2〜3種のリチ
ウム塩を用いることができるが、これらに限定されるも
のではない。
【0155】前記電解質の前記非水溶媒に対する溶解量
は、0.5〜2mol/Lの範囲内にすることが望まし
い。
【0156】本発明に係るリチウムイオン二次電池の一
例を図1〜図3に示す。
【0157】図1は、本発明に係るリチウムイオン二次
電池の一例である円筒形リチウムイオン二次電池を示す
部分切欠斜視図で、図2は、本発明に係るリチウムイオ
ン二次電池の一例である薄型リチウムイオン二次電池を
示す断面図で、図3は、図2のA部を示す断面図であ
る。
【0158】図1に示すように、例えばステンレスから
なる有底円筒状の容器1は、底部に絶縁体2が配置され
ている。電極群3は、前記容器1内に収納されている。
前記電極群3は、正極4、セパレ―タ5及び負極6をこ
の順序で積層した帯状物を渦巻き状に巻回した構造にな
っている。
【0159】前記容器1内には、非水電解液が収容され
ている。中央部に孔が開口されたPTC素子7、前記P
TC素子7上に配置された安全弁8及び前記安全弁8に
配置された帽子形状の正極端子9は、前記容器1の上部
開口部に絶縁ガスケット10を介してかしめ固定されて
いる。なお、前記正極端子9には、ガス抜き孔(図示し
ない)となる安全機構が組み込まれている。正極リ―ド
11の一端は、前記正極4に、他端は前記PTC素子7
にそれぞれ接続されている。前記負極6は、図示しない
負極リ―ドを介して負極端子である前記容器1に接続さ
れている。
【0160】図2に示すように、例えばフィルム材から
なる収納容器21内には、電極群22が収納されてい
る。フィルム材としては、例えば、金属フィルム、熱可
塑性樹脂などの樹脂製シート、金属層の片面または両面
に熱可塑性樹脂のような樹脂層が被覆されているシート
等を挙げることができる。電極群22は、正極、セパレ
ータ及び負極からなる積層物が偏平形状に捲回された構
造を有する。前記積層物は、図3の下側から、セパレー
タ23、正極層24と正極集電体25と正極層24を備
えた正極26、セパレータ23、負極層27と負極集電
体28と負極層27を備えた負極29、セパレータ2
3、正極層24と正極集電体25と正極層24を備えた
正極26、セパレータ23、負極層27と負極集電体2
8を備えた負極29がこの順番に積層された構造を有す
る。前記電極群22の最外周は、負極集電体28が位置
している。帯状の正極リード30は、一端が電極群22
の正極集電体25に接続され、かつ他端が収納容器21
から延出されている。一方、帯状の負極リード31は、
一端が電極群22の負極集電体28に接続され、かつ他
端が収納容器21から延出されている。
【0161】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細
に説明する。
【0162】(実施例1〜26)出発原料としてLiO
H・H2Oと、Ni(OH)2と、元素Me1の酸化物、炭
酸化物、硝酸化物と、NaOHと、KOHと、Ca(O
H)2と、硫化化合物として硫化ナトリウム(Na2S・
9H2O)及び硫酸化合物(NiSO4・6H2O)とを
用意し、これらの化合物粉末から下記表1〜2に示す組
成(Li1.1(Ni0.88Me10.02)(O1.90.1)+a
A)になるように選択し、調合後、ヘンシェルミキサで
30分混合することにより混合粉を作製した。この混合
粉をアルミナサヤに入れて焼成を行った。焼成は5リッ
トル/分の酸素をフローさせながら480℃で10時間
保持した後、700℃で20時間行い正極活物質を得
た。
【0163】なお、正極活物質の組成分析は、グロー放
電型質量分析法(GDMS:Glow Discharge Mass Spectrom
etry)を用いて行う。ここで、GDMSとは1Torr程度
のAr雰囲気下で、一方の電極を試料として数kVの電圧を
かけ、形成したグロー放電により試料表面をスパッタし
て、生成した試料イオンを電極にあるアパーチャから引
き出して加速し、質量分析する方法である。このグロー
放電型質量分析により複合酸化物を構成する各元素の含
有量が求められ、元素A以外の各元素の含有量をモル%
に換算することにより、求める化学式を得る。以下の実
施例により得られる正極活物質についても、組成分析
は、グロー放電型質量分析法で行われる。
【0164】ポリフッ化ビニリデンをN−メチル−2−
ピロリドンに溶解させた溶液に、正極活物質としてリチ
ウム含有複合酸化物粉末と、導電剤としてのアセチレン
ブラックおよび人造黒鉛を加えて撹拌混合し、正極活物
質92.2重量%、アセチレンブラック1.8重量%、
人造黒鉛2.2重量%、ポリフッ化ビニリデン3.8重
量%からなる正極合剤を調製した。この正極合剤をアル
ミニウム箔(厚さ20μm)の両面に塗布し、乾燥した
後、ローラープレス機を用いて加圧成形して正極を作製
した。
【0165】<負極の作製>メソフェーズピッチを原料
としたメソフェーズピッチ炭素繊維をアルゴン雰囲気
下、1000℃で炭素化した後、平均繊維長30μm、
平均繊維径11μm、粒度1〜80μmに90体積%が
存在するように、かつ粒径0.5μm以下の粒子が少な
く(5%以下)なるように適度に粉砕した後、アルゴン
雰囲気下で3000℃にて黒鉛化することにより炭素質
物を製造した。
【0166】ポリフッ化ビニリデンをN−メチル−2−
ピロリドンに溶解させた溶液に前記炭素質物と人造黒鉛
を加えて撹拌混合し、合剤組成が炭素質物86.5重量
%、人造黒鉛9.5重量%、ポリフッ化ビニリデン4重
量%からなる負極合剤を調製した。これを銅箔(厚さ1
5μm)の両面に塗布し、乾燥した後、ローラープレス
機で加圧成形することにより負極を作製した。この際、
成形後の正極の設計容量に対する負極の設計容量の比
(容量バランス)が、1.03以上、1.1以下になる
ように充填密度と電極長さを調節した。
【0167】<非水電解液(液状非水電解質)の調製>
エチレンカーボネート(EC)とメチルエチルカーボネ
ート(MEC)を体積比が1:2になるように混合した
非水溶媒に六フッ化リン酸リチウム(LiPF 6)を1
M溶解させることにより非水電解液を調製した。
【0168】<電池の組立て>前記正極および前記負極
に、それぞれ、アルミニウム製の正極リード、ニッケル
製の負極リードを溶接した後、前記正極、ポリエチレン
製多孔質フィルムからなるセパレータおよび前記負極を
それぞれこの順序で積層し、前記負極が外側に位置する
ように渦巻き状に捲回して電極群を作製した。
【0169】この電極群を有底円筒状容器内に収納し、
前記負極リードを前記有底円筒状容器の底部に、前記正
極リードを前記有底円筒状容器の開口部に配置する安全
弁にそれぞれ溶接した。つづいて、前記有底円筒状容器
内に非水電解液を4mL注液し、前記電極群に前記非水
電解液を十分に含浸させた。そして、前記安全弁上に正
極端子を配置した後、かしめ固定した。以上のようにし
て、設計定格容量1600mAhの円筒形のリチウムイ
オン二次電池(18650サイズ)を組み立てた。
【0170】(比較例1〜9)出発原料としてLiOH
・H2Oと、Ni(OH)2と、元素Me1の酸化物、炭酸
化物、硝酸化物と、NaOHと、KOHと、Ca(O
H)2と、硫化化合物として硫化ナトリウム(Na2S・
9H2O)及び硫酸化合物(NiSO4・6H2O)とを
用意し、これらの化合物粉末から下記表3に示す組成に
なるように選択し、調合後、ヘンシェルミキサで30分
混合することにより混合粉を作製した。この混合粉をア
ルミナサヤに入れて焼成を行った。焼成は5リットル/
分の酸素をフローさせながら480℃で10時間保持し
た後、700℃で20時間行い正極活物質を得た。
【0171】このような正極活物質を用いること以外
は、前述した実施例1で説明したのと同様にして円筒形
リチウムイオン二次電池を製造した。
【0172】<釘刺し試験>得られた実施例1〜26及
び比較例1〜9の二次電池について、釘刺し試験を行っ
た。まず、これらの二次電池に充電を施した。充電は、
各二次電池の設計定格容量の0.2Cに相当する電流値
で4.2Vまで行った後、4.2Vの定電圧で保持し、
計8時間行った。4.2V充電後、釘刺し試験で安全性
を検討した。試験に用いた釘は直径2mmで、釘速度が
135mm/sであった。また、釘刺し試験での電池の
温度上昇は、電池外面に張り付けられている熱電対によ
り測定した。釘刺し試験による破裂・発火の有無と、釘
刺し試験による電池温度を下記表1〜3に示す。
【0173】<初期容量と充放電サイクル寿命>実施例
1〜26及び比較例1〜9の二次電池について、室温で
充放電サイクル試験を実施し、1サイクル目の放電容量
(初期放電容量)と300サイクル後の放電容量の低下
率を求め、その結果を下記表1〜表3に示す。充放電サ
イクル試験での充電は、設計定格容量の0.5Cに相当
する電流値で4.2Vまで行った後、4.2Vの定電圧
で保持し、計5時間行った。放電は、同じ電流値で2.
7Vまで行った。放電と充電の問に30分の休止時間を
設けた。
【0174】<ハイレート放電特性(放電レート特性)
>実施例1〜26及び比較例1〜9の二次電池につい
て、設計定格容量の0.5Cに相当する電流で4.2V
まで充電した後、4.2Vの定電圧で保持することによ
り、合計5時間の充電を行った。30分後、5Cに相当
する電流値で2.7Vまで放電した。この5C放電した
時の放電容量と前述した条件で測定した初期放電容量と
を比較し、5C放電時の減少容量の初期放電容量に対す
る割合(%)をハイレート放電特性(放電レート特性)
とし、下記表1〜表3に示す。
【0175】<大電流放電(ハイレート放電)条件での
充放電サイクル特性>実施例1〜26及び比較例1〜9
の二次電池について、設計定格容量の0.5Cに相当す
る電流で4.2Vまで充電した後、4.2Vの定電圧で
保持することにより、合計5時間の充電を行った。30
分後、5Cに相当する電流値で2.7Vまで放電した。
この充放電を100回繰り返した後の放電容量を測定
し、100サイクル後の放電時の減少容量の初期放電容
量に対する割合を、ハイレートサイクル特性とし、下記
表1〜表3に示す。
【0176】
【表1】
【0177】
【表2】
【0178】
【表3】
【0179】表1〜表3から明らかなように、前述した
化学式(1)で表わされる組成を有する複合酸化物を正
極活物質として含む実施例1〜26の二次電池は、釘刺
し試験において破裂及び発火がなく、また、300サイ
クル後の放電容量低下率と、5C放電時の放電容量低下
率と、放電レートが5Cのハイレートサイクル時の放電
容量低下率とが、比較例1〜9に比べて小さくなること
がわかる。
【0180】特に、Na、KまたはSを含有し、各元素
の含有量が1000〜2500ppmの範囲内にある正
極活物質を備える実施例4〜15の二次電池は、実施例
1〜3、16〜18に比較して、ハイレートサイクル時
の放電容量低下率を小さくすることができた。また、C
aを500ppm以下の量で含有する正極活物質を備え
る実施例23の二次電池は、ハイレート放電特性とハイ
レートサイクル特性を実施例16に比較して改善するこ
とができた。
【0181】これに対し、Na、KまたはSを含有し、
各元素の含有量が500ppmである正極活物質を備え
る比較例1,3,5の二次電池と、Caを200ppm
含有する正極活物質を備える比較例7の二次電池は、3
00サイクル後の放電容量低下率と、5C放電時の放電
容量低下率と、放電レートが5Cのハイレートサイクル
時の放電容量低下率のいずれも、実施例1〜26に比較
して大きかった。
【0182】なお、実施例1の二次電池に使用したリチ
ウム含有複合酸化物について、透過型電子顕微鏡観察を
行ったところ、図4に示すように、結晶粒32間に存在
する三重点33(斜線で示す領域)にNa金属が析出し
ていることを確認することができた。
【0183】(実施例27〜実施例49)出発原料とし
てLiOH・H2Oと、Ni(OH)2と、元素Me1の酸
化物、炭酸化物、硝酸化物と、NaOHと、KOHと、
Ca(OH)2と、硫化化合物として硫化ナトリウム
(Na2S・9H2O)及び硫酸化合物(NiSO4・6
2O)と、Siの酸化物、硫化物、アルコキサイド
と、Feの酸化物、硫化物、アルコキサイドとを用意
し、これらの化合物粉末から組成が下記表4〜表5に示
す(Li1.1(Ni0.88Me10.02)(O1.90.1)+aA
+bB)になるように選択し、調合後、ヘンシェルミキ
サで30分混合することにより混合粉を作製した。この
混合粉をアルミナサヤに入れて焼成を行った。焼成は5
リットル/分の酸素をフローさせながら480℃で10
時間保持した後、700℃で20時間行い正極活物質を
得た。
【0184】このような正極活物質を用いること以外
は、前述した実施例1で説明したのと同様にして円筒形
リチウムイオン二次電池を製造した。
【0185】得られた実施例27〜49の二次電池につ
いて、前述した実施例1で説明したのと同様にして釘刺
し試験による破裂・発火の有無と、釘刺し試験による電
池温度と、1サイクル目の放電容量(初期放電容量)
と、300サイクル後の放電容量の低下率と、5C放電
時の放電容量低下率と、放電レートが5Cのハイレート
サイクル時の放電容量低下率とを求め、その結果を下記
表4〜5に示す。
【0186】
【表4】
【0187】
【表5】
【0188】表4〜表5から明らかなように、前述した
化学式(2)で表わされる組成を有する複合酸化物を正
極活物質として含む実施例27〜49の二次電池は、釘
刺し試験において破裂及び発火がなく、また、300サ
イクル後の放電容量低下率と、5C放電時の放電容量低
下率と、放電レートが5Cのハイレートサイクル時の放
電容量低下率とを、比較例1〜9に比べて小さくできる
ことがわかる。さらに、実施例27〜49の二次電池
は、釘刺し試験の際の電池温度を、実施例1〜26に比
較して低くすることができた。
【0189】特に、Na、KまたはSを含有し、各元素
の含有量が1000〜2500ppmの範囲内にある正
極活物質を備える実施例30〜38の二次電池は、実施
例27〜29、39〜41に比較して、ハイレートサイ
クル時の放電容量低下率を小さくすることができた。ま
た、Caを500ppm以下の量で含有する正極活物質
を備える実施例42〜46の二次電池は、Ca無添加の
ものに比較して、ハイレート放電特性およびハイレート
サイクル特性を改善することができた。
【0190】(実施例50〜実施例69及び比較例10
〜13)出発原料としてLiOH・H2Oと、Ni(O
H)2と、Co(OH)2と、元素Me2の酸化物、炭酸化
物、硝酸化物と、NaOHと、KOHと、Ca(OH)
2と、硫化化合物として硫化ナトリウム(Na2S・9H
2O)及び硫酸化合物(NiSO4・6H2O)とを用意
し、これらの化合物粉末から組成が下記表6〜表7に示
す(Li1.1(Ni0.70Co0.18Me20.02)(O
1.90.1)+aA)になるように選択し、調合後、ヘン
シェルミキサで30分混合することにより混合粉を作製
した。この混合粉をアルミナサヤに入れて焼成を行っ
た。焼成は5リットル/分の酸素をフローさせながら4
80℃で10時間保持した後、700℃で20時間行い
正極活物質を得た。
【0191】このような正極活物質を用いること以外
は、前述した実施例1で説明したのと同様にして円筒形
リチウムイオン二次電池を製造した。
【0192】得られた実施例50〜69及び比較例10
〜13の二次電池について、前述した実施例1で説明し
たのと同様にして釘刺し試験による破裂・発火の有無
と、釘刺し試験による電池温度と、1サイクル目の放電
容量(初期放電容量)と、300サイクル後の放電容量
の低下率と、5C放電時の放電容量低下率と、放電レー
トが5Cのハイレートサイクル時の放電容量低下率とを
求め、その結果を下記表6〜7に示す。
【0193】
【表6】
【0194】
【表7】
【0195】表6〜表7から明らかなように、前述した
化学式(3)で表わされる組成を有する複合酸化物を正
極活物質として含む実施例50〜69の二次電池は、釘
刺し試験において破裂及び発火がなく、また、300サ
イクル後の放電容量低下率と、5C放電時の放電容量低
下率と、放電レートが5Cのハイレートサイクル時の放
電容量低下率とを、比較例1〜13に比べて小さくでき
ることがわかる。
【0196】特に、Na、KまたはSを含有し、各元素
の含有量が1000〜2500ppmの範囲内にある正
極活物質を備える実施例51〜53、56,58,60
の二次電池は、各元素の含有量が1000〜2500p
pmを外れる実施例50,54,57,59,61,6
3に比較して、放電レートが5Cのハイレートサイクル
時の放電容量低下率を小さくすることができた。また、
Caを500ppm以下の量で含有する正極活物質を備
える実施例64の二次電池は、Ca無添加の実施例53
に比較してハイレート放電特性およびハイレートサイク
ル特性を改善することができた。
【0197】(実施例70〜実施例89)出発原料とし
てLiOH・H2Oと、Ni(OH)2と、Co(OH)
2と、元素Me2の酸化物、炭酸化物、硝酸化物と、NaO
Hと、KOHと、Ca(OH)2と、硫化化合物として
硫化ナトリウム(Na2S・9H2O)及び硫酸化合物
(NiSO4・6H2O)と、Siの酸化物、硫化物、ア
ルコキサイドと、Feの酸化物、硫化物、アルコキサイ
ドとを用意し、これらの化合物粉末から組成が下記表8
〜表9に示す(Li1.1(Ni0.70Co0.18Me20.02
(O1.90.1)+aA+bB)になるように選択し、調
合後、ヘンシェルミキサで30分混合することにより混
合粉を作製した。この混合粉をアルミナサヤに入れて焼
成を行った。焼成は5リットル/分の酸素をフローさせ
ながら480℃で10時間保持した後、700℃で20
時間行い正極活物質を得た。
【0198】このような正極活物質を用いること以外
は、前述した実施例1で説明したのと同様にして円筒形
リチウムイオン二次電池を製造した。
【0199】得られた実施例70〜89の二次電池につ
いて、前述した実施例1で説明したのと同様にして釘刺
し試験による破裂・発火の有無と、釘刺し試験による電
池温度と、1サイクル目の放電容量(初期放電容量)
と、300サイクル後の放電容量の低下率と、5C放電
時の放電容量低下率と、放電レートが5Cのハイレート
サイクル時の放電容量低下率とを求め、その結果を下記
表8〜9に示す。
【0200】
【表8】
【0201】
【表9】
【0202】表8〜表9から明らかなように、前述した
化学式(4)で表わされる組成を有する複合酸化物を正
極活物質として含む実施例70〜89の二次電池は、釘
刺し試験において破裂及び発火がなく、また、300サ
イクル後の放電容量低下率と、5C放電時の放電容量低
下率と、放電レートが5Cのハイレートサイクル時の放
電容量低下率とを、比較例1〜13に比べて小さくでき
ることがわかる。
【0203】特に、Na、KまたはSを含有し、各元素
の含有量が1000〜2500ppmの範囲内にある正
極活物質を備える実施例71,72,74,76,79
〜81の二次電池は、各元素の含有量が1000〜25
00ppmを外れる実施例70,73,77,78,8
3,85に比較して、放電レートが5Cのハイレートサ
イクル時の放電容量低下率を小さくすることができた。
また、Caを500ppm以下の量で含有する正極活物
質を備える実施例75,82,84,86,87の二次
電池は、ハイレート放電特性とハイレートサイクル特性
の双方を大幅に改善することができた。
【0204】(実施例90〜実施例105)出発原料と
してLiOH・H2Oと、Ni(OH)2と、Co(O
H)2と、元素Me3の酸化物、炭酸化物、硝酸化物と、N
aOHと、KOHと、Ca(OH)2と、硫化化合物と
して硫化ナトリウム(Na2S・9H2O)及び硫酸化合
物(NiSO4・6H2O)とを用意し、これらの化合物
粉末から組成が下記表10〜表11に示す(Li
1.1(Ni0.70Co0.18Me30.02)(O1.90.1)+a
A)になるように選択し、調合後、ヘンシェルミキサで
30分混合することにより混合粉を作製した。この混合
粉をアルミナサヤに入れて焼成を行った。焼成は5リッ
トル/分の酸素をフローさせながら480℃で10時間
保持した後、700℃で20時間行い正極活物質を得
た。
【0205】このような正極活物質を用いること以外
は、前述した実施例1で説明したのと同様にして円筒形
リチウムイオン二次電池を製造した。
【0206】得られた実施例90〜105の二次電池に
ついて、前述した実施例1で説明したのと同様にして釘
刺し試験による破裂・発火の有無と、釘刺し試験による
電池温度と、1サイクル目の放電容量(初期放電容量)
と、300サイクル後の放電容量の低下率と、5C放電
時の放電容量低下率と、放電レートが5Cのハイレート
サイクル時の放電容量低下率とを求め、その結果を下記
表10〜11に示す。
【0207】
【表10】
【0208】
【表11】
【0209】表10〜表11から明らかなように、前述
した化学式(5)で表わされる組成を有する複合酸化物
を正極活物質として含む実施例90〜105の二次電池
は、釘刺し試験において破裂及び発火がなく、また、3
00サイクル後の放電容量低下率と、5C放電時の放電
容量低下率と、放電レートが5Cのハイレートサイクル
時の放電容量低下率とを、比較例1〜13に比べて小さ
くできることがわかる。
【0210】特に、Na、KまたはSを含有し、各元素
の含有量が1000〜2500ppmの範囲内にある正
極活物質を備える実施例91〜93、95の二次電池
は、各元素の含有量が1000〜2500ppmを外れ
る実施例96〜98に比較して、放電レートが5Cのハ
イレートサイクル時の放電容量低下率を小さくすること
ができた。また、Caを500ppm以下の量で含有す
る正極活物質を備える実施例90,94,99,10
0,103,105の二次電池は、ハイレート放電時の
容量低下率とハイレートサイクル時の放電容量低下率の
双方を10%以内にすることができた。
【0211】(実施例106〜実施例120)出発原料
としてLiOH・H2Oと、Ni(OH)2と、Co(O
H)2と、元素Me3の酸化物、炭酸化物、硝酸化物と、N
aOHと、KOHと、Ca(OH)2と、硫化化合物と
して硫化ナトリウム(Na2S・9H2O)及び硫酸化合
物(NiSO4・6H2O)と、Siの酸化物、硫化物、
アルコキサイドと、Feの酸化物、硫化物、アルコキサ
イドとを用意し、これらの化合物粉末から組成が下記表
12〜表13に示す(Li1.1(Ni0.70Co0.18Me3
0.02)(O1.90.1)+aA+bB)になるように選択
し、調合後、ヘンシェルミキサで30分混合することに
より混合粉を作製した。この混合粉をアルミナサヤに入
れて焼成を行った。焼成は5リットル/分の酸素をフロ
ーさせながら480℃で10時間保持した後、700℃
で20時間行い正極活物質を得た。
【0212】このような正極活物質を用いること以外
は、前述した実施例1で説明したのと同様にして円筒形
リチウムイオン二次電池を製造した。
【0213】得られた実施例106〜120の二次電池
について、前述した実施例1で説明したのと同様にして
釘刺し試験による破裂・発火の有無と、釘刺し試験によ
る電池温度と、1サイクル目の放電容量(初期放電容
量)と、300サイクル後の放電容量の低下率と、5C
放電時の放電容量低下率と、放電レートが5Cのハイレ
ートサイクル時の放電容量低下率とを求め、その結果を
下記表12〜13に示す。
【0214】
【表12】
【0215】
【表13】
【0216】表12〜表13から明らかなように、前述
した化学式(6)で表わされる組成を有する複合酸化物
を正極活物質として含む実施例106〜120の二次電
池は、釘刺し試験において破裂及び発火がなく、また、
300サイクル後の放電容量低下率と、5C放電時の放
電容量低下率と、放電レートが5Cのハイレートサイク
ル時の放電容量低下率とを、比較例1〜13に比べて小
さくできることがわかる。
【0217】特に、Na、KまたはSを含有し、各元素
の含有量が1000〜2500ppmの範囲内にある正
極活物質を備える実施例107,108,113,11
4の二次電池は、各元素の含有量が1000〜2500
ppmを外れる実施例109,111,112に比較し
て、放電レートが5Cのハイレートサイクル時の放電容
量低下率を小さくすることができた。また、Caを50
0ppm以下の量で含有する正極活物質を備える実施例
106,110,115,116〜118の二次電池
は、ハイレート放電時とハイレートサイクル時の容量低
下率を10%以内にすることができた。
【0218】 (実施例121)<正極の作製>前述した実施例1で説
明したのと同様な組成のリチウム含有複合酸化物粉末9
1重量%をアセチレンブラック2.5重量%、グラファ
イト3重量%、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)4重
量%と、N−メチルピロリドン(NMP)溶液を加えて
混合し、厚さ15μmのアルミニウム箔の集電体に塗布
し、乾燥後、プレスすることにより電極密度3.0g/
cm3の帯状の正極を作製した。
【0219】<負極の作製>3000℃で熱処理したメ
ソフェーズピッチ系炭素繊維(平均粒径25μm、平均
繊維長30μm)の粉末94重量%と、ポリフッ化ビニ
リデン(PVdF)6重量%と、N−メチルピロリドン
(NMP)溶液を加えて混合し、厚さ12μmの銅箔に
塗布し、乾燥後、プレスすることにより電極密度1.4
g/cm3の帯状の負極を作製した。
【0220】<電極群の作製>前記正極、厚さ16μm
で、多孔度50%で、空気透過率200秒/100cm
3のポリエチレン製多孔質フィルムからなるセパレー
タ、前記負極、前記セパレータの順序に積層した後、渦
巻き状に捲回した。これを90℃で加熱プレスすること
により、幅30mmで、厚さ3.0mmの偏平状電極群
を作製した。得られた電極群を、厚さが40μmのアル
ミニウム箔と、前記アルミニウム箔の両面に形成された
ポリプロピレン層とから構成された厚さが0.1mmの
ラミネートフィルムパックに収納し、80℃で24時間
真空乾燥を施した。
【0221】<非水電解液(液状非水電解質)の調製>
エチレンカーボネート(EC)、γ−ブチロラクトン
(BL)及びビニレンカーボネート(VC)の混合溶媒
(体積比率24:75:1)に電解質としての四フッ化
ホウ酸リチウム(LiBF4)を1.5mol/L溶解
することにより非水電解液を調製した。
【0222】前記電極群が収納されたラミネートフィル
ムパック内に前記非水電解液を注入した後、前記ラミネ
ートフィルムパックをヒートシールにより完全密閉し、
前述した図2、3に示す構造を有し、幅35mm、厚さ
3.2mm、高さ65mmの薄型リチウムイオン二次電
池を製造した。
【0223】(実施例122)前述した実施例27で説
明したのと同様な組成のリチウム含有複合酸化物を正極
活物質として用いること以外は、前述した実施例121
で説明したのと同様にして薄型リチウムイオン二次電池
を製造した。
【0224】(実施例123)前述した実施例50で説
明したのと同様な組成のリチウム含有複合酸化物を正極
活物質として用いること以外は、前述した実施例121
で説明したのと同様にして薄型リチウムイオン二次電池
を製造した。
【0225】(実施例124)前述した実施例70で説
明したのと同様な組成のリチウム含有複合酸化物を正極
活物質として用いること以外は、前述した実施例121
で説明したのと同様にして薄型リチウムイオン二次電池
を製造した。
【0226】(実施例125)前述した実施例90で説
明したのと同様な組成のリチウム含有複合酸化物を正極
活物質として用いること以外は、前述した実施例121
で説明したのと同様にして薄型リチウムイオン二次電池
を製造した。
【0227】(実施例126)前述した実施例106で
説明したのと同様な組成のリチウム含有複合酸化物を正
極活物質として用いること以外は、前述した実施例12
1で説明したのと同様にして薄型リチウムイオン二次電
池を製造した。
【0228】<釘刺し試験>得られた実施例121〜1
26の二次電池について、釘刺し試験を行った。まず、
これらの二次電池に充電を施した。充電は、各二次電池
の設計定格容量の0.2Cに相当する電流値で4.2V
まで行った後、4.2Vの定電圧で保持し、計8時間行
った。4.2V充電後、釘刺し試験で安全性を検討し
た。試験に用いた釘は直径2mmで、釘速度が135m
m/sであった。また、釘刺し試験での電池の温度上昇
は、電池外面に張り付けられている熱電対により測定し
た。釘刺し試験による破裂・発火の有無と、釘刺し試験
による電池温度を下記表14に示す。
【0229】<300サイクル後の放電容量低下率>実
施例121〜126の二次電池について、室温で充放電
サイクル試験を実施し、300サイクル後の放電容量の
低下率を求め、その結果を下記表14に示す。充放電サ
イクル試験での充電は、設計定格容量の0.5Cに相当
する電流値で4.2Vまで行った後、4.2Vの定電圧
で保持し、計5時間行った。放電は、同じ電流値で2.
7Vまで行った。放電と充電の問に30分の休止時間を
設けた。
【0230】<ハイレート放電特性(放電レート特性)
>実施例121〜126の二次電池について、設計定格
容量の0.5Cに相当する電流で4.2Vまで充電した
後、4.2Vの定電圧で保持することにより、合計5時
間の充電を行った。30分後、0.5Cに相当する電流
値で2.7Vまで放電した。この時の放電容量を初期放
電容量とする。次いで、設計定格容量の0.5Cに相当
する電流で4.2Vまで充電した後、4.2Vの定電圧
で保持することにより、合計5時間の充電を行った。3
0分後、5Cに相当する電流値で2.7Vまで放電し
た。この5C放電した時の放電容量と初期放電容量とを
比較し、5C放電時の減少容量の初期放電容量に占める
割合(%)をハイレート放電特性(放電レート特性)と
し、下記表14に示す。
【0231】<大電流放電(ハイレート放電)条件での
充放電サイクル特性>実施例121〜126の二次電池
について、設計定格容量の0.5Cに相当する電流で
4.2Vまで充電した後、4.2Vの定電圧で保持する
ことにより、合計5時間の充電を行った。30分後、5
Cに相当する電流値で2.7Vまで放電した。この充放
電を100回繰り返した後の放電容量を測定し、100
サイクル後の放電時の減少容量の初期放電容量に占める
割合を、ハイレートサイクル特性とし、下記表14に示
す。
【0232】
【表14】
【0233】表14から明らかなように、前述した化学
式(1)〜(6)で表わされる組成を有するリチウム含
有複合酸化物を活物質として含む実施例121〜126
の薄型二次電池は、釘刺し試験において破裂、発火がな
く、温度上昇を抑制でき、安全性に優れていることがわ
かる。また、実施例121〜126の薄型二次電池は、
充放電サイクル特性と、放電レート特性と、ハイレート
サイクル特性に優れることがわかる。
【0234】上記実施例に示すリチウムイオン二次電池
は、電解液に有機溶剤を使用するため、破裂、発火を抑
制する必要がある。この破裂、発火を抑制するために
は、電解液に使用する有機溶剤の種類に依存するが、電
池の温度上昇を150℃以下、好ましくは110℃以下
にすることが好ましい。110℃を超えると、破裂、発
火に至る可能性があり、実施例1〜126の場合、電池
温度は110℃以下になっており、破裂、発火に至って
いない。一方、比較例2,4,6,8〜12では電池温
度が急激に上昇して400℃以上となり、破裂、発火に
至った。
【0235】なお、前述した実施例においては、円筒形
リチウムイオン二次電池と薄型リチウムイオン二次電池
に適用した例を説明したが、本発明に係わるリチウムイ
オン二次電池の形態は円筒形および薄型に限定されるも
のではなく、円筒形及び薄型の他に角型、ボタン型など
にすることができる。また、外装材として、金属缶の代
わりにラミネートフィルムを使用することができる。
【0236】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、釘
刺し試験における破裂および発火を防止することがで
き、かつハイレート放電特性(放電レート特性)を向上
することが可能な正極活物質と、この正極活物質を備え
るリチウムイオン二次電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るリチウムイオン二次電池の一例で
ある円筒形リチウムイオン二次電池を示す部分切欠斜視
図。
【図2】本発明に係るリチウムイオン二次電池の一例で
ある薄型リチウムイオン二次電池を示す断面図。
【図3】図2のA部を示す断面図。
【図4】実施例1のリチウムイオン二次電池に含まれる
リチウム含有複合酸化物の結晶構造を示す模式図。
【符号の説明】
1…容器、 2…絶縁体、 3…電極群、 4…正極、 5…セパレータ、 6…負極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久野 勝美 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 岩崎 秀夫 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 久保 光一 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 Fターム(参考) 4G048 AA04 AA05 AA06 AB01 AB06 AC06 AE05 AE06 5H029 AJ02 AK03 AL04 AL06 AL07 AL12 AM03 AM04 AM05 AM07 BJ02 BJ14 HJ01 HJ02 5H050 AA02 BA17 CA07 CB07 CB12 EA10 EA15 HA01 HA02

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の化学式(1)で表わされる組成を
    有する複合酸化物を含有することを特徴とする正極活物
    質。 Lix(Ni1-yMe1y)(O2-zz)+A (1) 但し、前記Me1はB、Mg、Al、Sc、Ti、V、C
    r、Mn、Co、Cu、Zn、Ga、Y、Zr、Nb、
    Mo、Tc、Ru、Sn、La、Hf、Ta、W、R
    e、Pb及びBiよりなる群から選択される少なくとも
    1種類の元素で、前記XはF、Cl、Br及びIよりな
    る群から選ばれる少なくとも1種類のハロゲン元素で、
    モル比x、y及びzは、それぞれ、0.02≦x≦1.
    3、0.005≦y≦0.5、0.01≦z≦0.5を
    示し、前記AはNa、K及びSよりなる群から選ばれる
    少なくとも1種類の元素を含み、前記複合酸化物中のN
    a含有量、K含有量、S含有量は、それぞれ、600p
    pm以上、3000ppm以下の範囲内である。
  2. 【請求項2】 下記の化学式(2)で表わされる組成を
    有する複合酸化物を含有することを特徴とする正極活物
    質。 Lix(Ni1-yMe1y)(O2-zz)+A+bB (2) 但し、前記Me1はB、Mg、Al、Sc、Ti、V、C
    r、Mn、Co、Cu、Zn、Ga、Y、Zr、Nb、
    Mo、Tc、Ru、Sn、La、Hf、Ta、W、R
    e、Pb及びBiよりなる群から選択される少なくとも
    1種類の元素で、前記XはF、Cl、Br及びIよりな
    る群から選ばれる少なくとも1種類のハロゲン元素で、
    モル比x、y及びzは、それぞれ、0.02≦x≦1.
    3、0.005≦y≦0.5、0.01≦z≦0.5を
    示し、前記AはNa、K及びSよりなる群から選ばれる
    少なくとも1種類の元素を含み、前記複合酸化物中のN
    a含有量、K含有量、S含有量は、それぞれ、600p
    pm以上、3000ppm以下の範囲内で、前記BはS
    i及びFeよりなる群から選択される少なくとも1種類
    の元素を含み、前記複合酸化物中の前記Bの含有量bは
    20ppm以上、500ppm以下の範囲内である。
  3. 【請求項3】 下記の化学式(3)で表わされる組成を
    有する複合酸化物を含有することを特徴とする正極活物
    質。 Lix(Ni1-v-sCovMe2s)(O2-zz)+A (3) 但し、前記Me2はB、Mg、Al、Sc、Ti、V、C
    r、Mn、Cu、Zn、Ga、Y、Zr、Nb、Mo、
    Tc、Ru、Sn、La、Hf、Ta、W、Re、Pb
    及びBiよりなる群から選択される少なくとも1種類の
    元素で、前記XはF、Cl、Br及びIよりなる群から
    選ばれる少なくとも1種類のハロゲン元素で、モル比
    x、v、s及びzは、それぞれ、0.02≦x≦1.
    3、0.005≦v≦0.5、0.005≦s≦0.
    5、0.01≦z≦0.5を示し、前記AはNa、K及
    びSよりなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素を
    含み、前記複合酸化物中のNa含有量、K含有量、S含
    有量は、それぞれ、600ppm以上、3000ppm
    以下の範囲内である。
  4. 【請求項4】 下記の化学式(4)で表わされる組成を
    有する複合酸化物を含有することを特徴とする正極活物
    質。 Lix(Ni1-v-sCovMe2s)(O2-zz)+A+bB (4) 但し、前記Me2はB、Mg、Al、Sc、Ti、V、C
    r、Mn、Cu、Zn、Ga、Y、Zr、Nb、Mo、
    Tc、Ru、Sn、La、Hf、Ta、W、Re、Pb
    及びBiよりなる群から選択される少なくとも1種類の
    元素で、前記XはF、Cl、Br及びIよりなる群から
    選ばれる少なくとも1種類のハロゲン元素で、モル比
    x、v、s及びzは、それぞれ、0.02≦x≦1.
    3、0.005≦v≦0.5、0.005≦s≦0.
    5、0.01≦z≦0.5を示し、前記AはNa、K及
    びSよりなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素を
    含み、前記複合酸化物中のNa含有量、K含有量、S含
    有量は、それぞれ、600ppm以上、3000ppm
    以下の範囲内で、前記BはSi及びFeよりなる群から
    選択される少なくとも1種類の元素を含み、前記複合酸
    化物中の前記Bの含有量bは20ppm以上、500p
    pm以下の範囲内である。
  5. 【請求項5】 前記複合酸化物中の前記Bの含有量bは
    20ppm以上、250ppm以下の範囲内であること
    を特徴とする請求項2または4いずれか1項記載の正極
    活物質。
  6. 【請求項6】 前記元素AにCaがさらに含まれ、前記
    複合酸化物中のCa含有量は、500ppm以下の範囲
    内であることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記
    載の正極活物質。
  7. 【請求項7】 前記元素Aは、CaとNaとSか、Na
    とCaか、SとCaか、あるいはNaとSを含む請求項
    6記載の正極活物質。
  8. 【請求項8】 前記複合酸化物中のNa含有量、K含有
    量、S含有量は、それぞれ、1000ppm以上、25
    00ppm以下の範囲内であることを特徴とする請求項
    1〜7いずれか1項記載の正極活物質。
  9. 【請求項9】 前記元素Aの少なくとも一部は、前記複
    合酸化物の結晶粒の境界に存在する三重点に析出してい
    ることを特徴とする請求項1〜8いずれか1項記載の正
    極活物質。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9いずれか1項記載の正極
    活物質を含む正極と、 負極と、 非水電解質とを具備することを特徴とするリチウムイオ
    ン二次電池。
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