JP2002303264A - 往復動式圧縮機のモータ構造 - Google Patents

往復動式圧縮機のモータ構造

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JP2002303264A JP2002044697A JP2002044697A JP2002303264A JP 2002303264 A JP2002303264 A JP 2002303264A JP 2002044697 A JP2002044697 A JP 2002044697A JP 2002044697 A JP2002044697 A JP 2002044697A JP 2002303264 A JP2002303264 A JP 2002303264A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧縮機の駆動時の、圧縮圧力によるマグネッ
トの移動量を補償してモータの出力低下を防止し、モー
タの磁気飽和現象の発生を防止し得る、往復動式圧縮機
のモータ構造を提供する。 【解決手段】 内側に巻線コイル6が巻回されるアウタ
ーコア2と、アウターコア2の内周面と所定の間隔をおい
て配置されて、巻線コイル6に電源が印加されるとアウ
ターコア2との間でフラックスを形成するインナーコア4
と、アウターコア2とインナーコア4の間で直線運動可能
に配置されてピストン18を直線往復移動させるマグネッ
ト8と、を備えて構成される往復動式圧縮機のモータに
おいて、マグネット8の初期中心位置を、アウターコア2
及びインナーコア4の中心位置からピストン18が流体を
圧縮するときのピストン18の移動方向に所定距離だけ偏
心するように位置させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、往復動式圧縮機に
係るもので、詳しくは、流体の圧縮時にピストンが押さ
れることによって発生するモータの出力低下を防止し得
る、往復動式圧縮機のモータ構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、圧縮機とは、冷媒ガスなどの流
体を圧縮する機器であって、ガス圧縮方式によって、回
転式圧縮機(rotary compressor)、往復動式圧縮機
(reciprocating compressor)及びスクロール圧縮機
(scroll compressor)などに区分され、それらの圧縮
機は、密閉容器と、この容器内に装着されて外部から電
源が印加されると駆動力を発生するモータと、このモー
タから駆動力を受けて流体の圧縮作用を行う圧縮部と、
により構成される。
【0003】このような従来の往復動式圧縮機のモータ
は、図3に示したように、容器(未図示)の内部に固定
される円筒形状のアウターコア(outer core)102と、
アウターコア102の内周面と所定の間隔をおいて配置さ
れてシリンダ104の外周面に固定されるインナーコア(i
nner core)106と、アウターコア102の内部に巻回され
て外部から電源が印加される巻線コイル108と、アウタ
ーコア102とインナーコア106の間に所定の間隔を有して
配置されて、巻線コイル108に電源が印加されると直線
往復移動するマグネット110と、により構成される。
【0004】そして、アウターコア102には、内周面の
中央部に巻線コイル108を配置するための開口溝112が円
周方向に形成され、巻線コイル108に電流が流れるとフ
ラックスが通るパス部が開口溝112の外周方向に形成さ
れ、この開口溝112によって分離されたアウターコア102
の内周面の両方の端部はそれぞれ極部114を形成する。
【0005】また、インナーコア106は、円筒状に形成
されてシリンダ104の外周面に固定され、ここで、イン
ナーコア106の長さはアウターコア102の長さと同一長さ
を有するように形成される。
【0006】また、マグネット110は、アウターコア102
とインナーコア106の間に位置するマグネットホルダ116
に、円周方向に所定の間隔を有して複数個が装着され
る。詳しくは、マグネット110の中央はアウターコア102
の中央と一直線(M)上になるように配置され、マグネ
ット110の両方の端部は各極部114の中間にそれぞれ位置
するように配置される。
【0007】更に、マグネットホルダ116は、シリンダ1
04の内部に直線往復移動できるように配置されるピスト
ン120と一体に連結されており、マグネット110が往復移
動すると、ピストン120をマグネット110と同一ストロー
クで往復移動させる。また、マグネットホルダ116の両
方側にはリターンスプリング(未図示)が設置されて、
ピストン120の往復運動時に弾性力を与えるだけでな
く、モータが停止状態である時はマグネット116の位置
を正しい位置にセッティングする役割をする。
【0008】ここで、ピストン120の最大ストローク
は、マグネット110から発生するフラックス(FLUX)
と、アウターコア102とインナーコア106の間で発生する
フラックス(FLUX)との相互作動範囲を外れない範囲内
で決定される。
【0009】そして、シリンダ104の一方の端部には、
ピストン120の往復運動に従って流体の圧縮作用を行う
圧縮部118が設置される。
【0010】以下、このように構成された従来の往復動
式圧縮機のモータの動作について、図4に基づいて説明
する。
【0011】巻線コイル108に電源が印加されると、巻
線コイル108の周辺にフラックスが形成され、このフラ
ックスはアウターコア102とインナーコア106に沿って閉
ループ(closed loop)を形成し、アウターコア102と
インナーコア106の間に形成されるフラックスとマグネ
ット110により形成されるフラックスとの相互作用によ
ってマグネット110が軸方向に直線移動する。また、巻
線コイル108に供給される電流の方向を交互に変える
と、マグネット110が直線往復運動を行う。
【0012】詳しくは、モータの停止状態では、マグネ
ット110はリターンスプリングの弾性力によって初期中
心位置(mid position)に維持され、その両方の端部
がそれぞれ極部114の中央に位置する状態に維持され
る。
【0013】この状態で、巻線コイル108に一方向の電
流が流れて、アウターコア102とインナーコア106の間に
形成されるフラックスが図面のA方向に流れると、マグ
ネット110により形成されるフラックスとアウターコア1
02とインナーコア106の間に形成されるフラックスとの
相互作用によって、マグネット110が図面の矢印C方向に
直線移動し、従って、ピストン120が前進しながら流体
の圧縮作用を行う。
【0014】一方、巻線コイル108に反対方向の電流が
流れて、アウターコア102とインナーコア106の間に形成
されるフラックスが図面のB方向に流れると、アウター
コア102とインナーコア106の間に流れるフラックスとマ
グネット110により形成されるフラックスとの相互作用
によって、マグネット110が図面の矢印D方向に直線移動
し、従って、ピストン120が後退しながら流体の吸入作
用を行うようになっていた。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】然るに、このような従
来の往復動式圧縮機のモータにおいては、往復動式圧縮
機の駆動条件が理想的である場合は、マグネット110の
往復運動範囲がストローク(P)の範囲内になるが、実
際の作動時には、流体の圧縮圧力と吸入圧力との圧力差
によってピストン120が圧縮部118の反対方向に押される
現象が発生するので、マグネット110は理想的なストロ
ーク(P)から外れた実際のストローク(Q)の範囲内で
往復運動を行い、このようにマグネット110の中心位置
(mid position)が初期中心位置から外れると、モー
タの出力が低下すると共にモータの磁気飽和による漏洩
磁束、すなわち無効なフラックスが増大する点で不利
で、また、上記のマグネットが極部から外れるとシステ
ムが不安定になって制御が不可能になるという不都合な
点があった。
【0016】本発明は、このような従来の問題に鑑みて
なされたもので、マグネットの取付け位置を流体圧縮方
向に偏心させて設置することにより、圧縮機の駆動時、
上記の圧縮圧力と吸入圧力との差圧力によってピストン
120が圧縮部118の反対方向に押されて移動するのに対応
するマグネット110の移動量を補償してモータの出力低
下を防止し、モータの磁気飽和現象の発生を防止し得
る、往復動式圧縮機のモータ構造を提供することを目的
とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るため、本発明に係る往復動式圧縮機のモータ構造にお
いては、密閉容器の内部に固定され、内側に巻線コイル
が巻回されるアウターコアと、このアウターコアの内周
面と所定の間隔をおいて配置されて、上記の巻線コイル
に電源が印加されると上記のアウターコアとの間でフラ
ックスを形成するインナーコアと、上記のアウターコア
とインナーコアの間で直線運動可能に配置されてピスト
ンを直線往復移動させるマグネットと、を備えて構成さ
れる往復動式圧縮機のモータにおいて、上記のマグネッ
トの初期中心位置は、上記のアウターコア及びインナー
コアの中心位置から上記のピストンが流体を圧縮すると
きのこのピストンの移動方向に所定距離だけ偏心して位
置することを特徴とする。
【0018】そして、上記のマグネットの偏心量は、上
記のピストンが流体を圧縮するとき、このピストンが圧
縮する方向と反対の方向に押される移動距離と同一であ
る。
【0019】また、上記のマグネットに連結されて一緒
に移動するピストンの液体を圧縮する部分である終端部
の初期位置は、流体が圧縮及び吸入される上死点と下死
点との中間から上記の上死点方向に所定距離だけ偏心し
て位置する。
【0020】また、上記のピストンの偏心量は、このピ
ストンが流体を圧縮するとき、このピストンが圧縮する
方向と反対の方向に押される距離と同一である。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に対
し、図面を用いて説明する。
【0022】本発明に係る往復動式圧縮機のモータは、
図1に示したように、密閉容器(未図示)の内部に固定
される円筒形状のアウターコア2と、アウターコア2の内
周面と所定の間隔を有して配置されてアウターコア2と
の間でフラックスを形成するインナーコア4と、アウタ
ーコア2の内部に巻回される巻線コイル6と、アウターコ
ア2とインナーコア4の間に直線移動可能に配置されるマ
グネット8と、を備えて構成される。
【0023】そして、アウターコア2は、巻線コイル6が
巻回される開口溝10が内周面の中央に形成され、巻線コ
イル6に電源が印加されるとフラックスが通るパス部が
開口溝10の外周方向に形成され、開口溝10によって分離
された内周面の両方側には極部12がそれぞれ形成され
る。
【0024】また、インナーコア4は、円筒状に形成さ
れてシリンダ14の外周面に固定され、その長さはアウタ
ーコア2の長さと同一に形成される。
【0025】また、マグネット8は、アウターコア2とイ
ンナーコア4の間の空間に位置するマグネットホルダ16
に所定の間隔をおいて複数個に分割された形態で装着さ
れる。
【0026】更に、マグネットホルダ16は、シリンダ14
の内部で直線移動するピストン18と一体に連結されて、
マグネット8が直線移動するとき、ピストン18を直線移
動させる役割をする。
【0027】そして、ピストン18は、中空円筒状に形成
され、内部に流体吸入通路20がピストン18の内側に長さ
方向に形成されてシリンダ14の内部に挿入され、一方の
端部はシリンダ14の一方側に配置される圧縮部22に連結
され、他方の端部はマグネットホルダ16に連結されて、
マグネット8の往復運動に伴って直線往復移動しながら
流体吸入通路20に流体を吸入し、吸入された流体を圧縮
する動作を行う。
【0028】ここで、ピストン18が往復運動を行いなが
ら圧縮作用をするとき、ピストン18が圧縮力によって押
されるため圧縮方向と反対方向に移動するので、マグネ
ット8を、このピストン18の移動量だけ、アウターコア2
の中心から圧縮部22側に所定距離(X)だけ偏心して位
置させる。
【0029】即ち、マグネット8の中心は、アウターコ
ア2及びインナーコア4の中心から所定距離(X)だけ偏
心され、従って、マグネット8の両方の端部は極部12の
中心から圧縮部22側に偏心して配置される。
【0030】また、圧縮作用を行うピストン18の終端部
は、ピストン18の理想的なストローク範囲である上死点
と下死点の間の中間位置から上死点方向に所定距離
(Y)だけ偏心して位置する。このピストン18の移動距
離Yはマグネット8の移動距離Xと同様である。
【0031】このようなマグネット8の偏心量は、圧縮
機が流体の圧縮作用を行うとき、圧縮力によってピスト
ン18が圧縮する方向と反対の方向に押される移動距離だ
け偏心されることが望ましい。
【0032】以下、このように構成される本発明に係る
往復動式圧縮機のモータの動作について、図2に基づい
て説明する。
【0033】先ず、モータが停止状態である場合、マグ
ネット8は、アウターコア2及びインナーコア4の中心位
置から圧縮部22側に所定距離(X)だけ偏心して位置
し、ピストン18は、上死点と下死点間の中間位置から上
死点方向に前記の所定距離(Y)だけ偏心して位置す
る。
【0034】この状態で巻線コイル6に正方向の電源が
印加されると、アウターコア2とインナーコア4の間でフ
ラックスが図面のG方向に生じ、このG方向に通るフラッ
クスとマグネット8から発生するフラックスとの相互作
用によってマグネット8は矢印I方向に移動し、従って、
ピストン18が前進しながら流体の圧縮作用を行う。
【0035】一方、巻線コイル6に上記の方向と逆方向
の電源が印加されると、アウターコア2とインナーコア4
の間でフラックスが図面のH方向に生じ、このH方向に通
るフラックスとマグネット8から発生するフラックスと
の相互作用によってマグネット8は矢印のL方向に移動
し、従って、ピストン18が後退しながら流体の吸入作用
を行う。
【0036】このとき、ピストン18は、圧縮作用を行う
ときに、圧縮力によって圧縮方向とは反対方向に押され
て移動する現象が発生するが、マグネット8の初期位置
が予め圧縮方向に偏心して位置しているため、圧縮機が
実際に駆動するときは、マグネット8の中心とアウター
コア2及びインナーコア4の中心とが一致するようにな
る。
【0037】即ち、マグネット8の初期中心位置がアウ
ターコア2及びインナーコア4の中心から圧縮方向に偏心
して位置するため、圧縮機が実際に駆動するとき、ピス
トン18の上記の移動の量だけマグネット8が押されて、
実際の圧縮機の駆動時にはマグネット8の両方の端部が
極部16の中心と一致するようになる。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る往復
動式圧縮機のモータ構造においては、マグネットの初期
中心位置がアウターコアの中心から圧縮方向に所定距離
だけ偏心して位置し、ピストンの圧縮される部分の初期
中心位置が上死点と下死点間の中間から上死点側に所定
距離だけ偏心して位置するように形成されるので、圧縮
機の駆動時に圧縮力によってピストンが圧縮方向の反対
方向に押される移動量が補償されて、実際に圧縮動作を
行う際、マグネットの中心位置がアウターコア及びイン
ナーコアの中心位置に一致して、モータの性能低下を防
止し得るという効果がある。
【0039】特に、圧縮運転を行う時、マグネットがア
ウターコア及びインナーコアの極端(pole end)に位
置するときに発生するリラクタンス力(reluctance fo
rce)を最小化すると共に無効なフラックス量を最小化
するためモータの性能が向上し、マグネットが極部から
外れるときに発生するシステムの制御不能現象を防止し
得るという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る往復動式圧縮機のモータを示した
縦断面図である。
【図2】本発明に係る往復動式圧縮機のモータの作動状
態を示した断面図である。
【図3】従来の往復動式圧縮機のモータを示した縦断面
図である。
【図4】従来の往復動式圧縮機のモータの作動状態を示
した断面図である。
【符号の説明】
2…アウターコア 4…インナーコア 6…巻線コイル 8…マグネット 10…開口溝 12…極部 14…シリンダ 16…マグネットホルダ 18…ピストン 22…圧縮部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 キム ジン ドン 大韓民国,ギョンギ−ドー,グンポ,サン ボン−ドン,セジョン アパートメント 649−602 Fターム(参考) 3H003 AA02 AB01 AC03 CF04 3H076 AA02 BB21 CC03 CC31 5H633 BB08 BB10 GG02 GG04 GG09 GG17 HH07 HH09 HH17 JA02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密閉容器の内部に固定され、内側に巻線
    コイルが巻回されるアウターコアと、該アウターコアの
    内周面と所定の間隔をおいて配置されて、前記巻線コイ
    ルに電源が印加されると前記アウターコアとの間でフラ
    ックスを形成するインナーコアと、前記アウターコアと
    インナーコアの間で直線運動可能に配置されてピストン
    を直線往復移動させるマグネットと、を備えて構成され
    る往復動式圧縮機のモータのモータ構造において、 前記マグネットの初期中心位置は、前記アウターコア及
    びインナーコアの中心位置から前記ピストンが流体を圧
    縮するときの該ピストンの移動方向に所定距離だけ偏心
    して位置することを特徴とする往復動式圧縮機のモータ
    構造。
  2. 【請求項2】 前記マグネットの前記偏心の量は、前記
    ピストンが流体を圧縮するとき、該ピストンが圧縮方向
    の反対方向に押される移動距離と同一であることを特徴
    とする請求項1に記載の往復動式圧縮機のモータ構造。
  3. 【請求項3】 前記マグネットに連結されて一緒に移動
    する前記ピストンの液体を圧縮する部分である終端部の
    初期位置は、流体が圧縮及び吸入される上死点と下死点
    の間の中間から前記上死点方向に所定距離だけ偏心して
    位置することを特徴とする請求項1に記載の往復動式圧
    縮機のモータ構造。
  4. 【請求項4】 前記ピストンの前記偏心の量は、該ピス
    トンが流体を圧縮するとき、該ピストンが圧縮方向の反
    対方向に押される距離と同一であることを特徴とする請
    求項3に記載の往復動式圧縮機のモータ構造。
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