JP2002303147A - 可変容量型ターボチャージャ - Google Patents

可変容量型ターボチャージャ

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JP2002303147A
JP2002303147A JP2001107099A JP2001107099A JP2002303147A JP 2002303147 A JP2002303147 A JP 2002303147A JP 2001107099 A JP2001107099 A JP 2001107099A JP 2001107099 A JP2001107099 A JP 2001107099A JP 2002303147 A JP2002303147 A JP 2002303147A
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Japan
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turbine wheel
blade
nozzle vanes
nozzle
exhaust flow
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JP2001107099A
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Shoji Sasaki
祥二 佐々木
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

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  • Control Of Turbines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】タービンホイールのブレードの振動についてそ
の好適な抑制を図ることのできる可変容量型ターボチャ
ージャを提供する。 【解決手段】このターボチャージャは、複数のブレード
21aが回転軸を中心とする円周上に設けられるととも
に同ブレード21aにエンジンの排気を受けて回転する
タービンホイール21と、タービンホイール21の外周
を囲うように同ホイール21の周方向に沿って形成され
る排気流路と、排気流路内にあってタービンホイール2
1の回転軸を中心とする円周上に配設されるとともに連
動して開閉する複数のノズルベーン44とを備える。各
ノズルベーン44が最大開度位置にあるときにおける、
各ノズルベーン44の下流側の端部を結ぶ円の半径Rn
とブレード21aの上流側の端部を結ぶ円の半径Rtと
の比「Rn/Rt」が1.07に設定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンの過給シ
ステムとして用いられるターボチャージャにかかり、詳
しくはタービンホイールを回転させる排気流の流量を可
変とするためのノズルベーンが設けられた可変容量型タ
ーボチャージャに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車用のエンジンにおいて、
その出力の向上を図る上では燃焼室へ充填される空気の
量を増やすことが好ましい。そこで従来は、自然吸気分
だけでなく、空気を強制的に燃焼室へ送り込むことによ
り充填効率を高める過給システムが提案され、実用され
ている。そして、こうした過給システムとしては、例え
ば特開昭61−268804号公報に記載された可変容
量型ターボチャージャが知られている。
【0003】こうした可変容量型ターボチャージャは通
常、エンジンの排気通路を流れる排気によって回転する
タービンホイールと、同機関の吸気通路内の空気を強制
的に燃焼室側へ送り込むコンプレッサインペラとを備え
ている。これらタービンホイールとコンプレッサインペ
ラとは、ロータシャフトを介して一体回転可能に連結さ
れている。そして、タービンホイールのブレードに排気
流が当たって同ホイールが回転すると、その回転力はロ
ータシャフトを介してコンプレッサインペラに伝達され
る。そして、コンプレッサインペラが回転することによ
り、吸気通路内の空気の圧力(過給圧)が高められ、そ
の結果、空気が強制的に燃焼室に送り込まれるようにな
る。
【0004】また、可変容量型ターボチャージャは、タ
ービンホイールの外周を囲うように同ホイールの周方向
に沿って延びる排気流路を備えている。排気流路を通過
した排気は、タービンホイールのブレードに当たり、こ
れにより同タービンホイールが回転するようになる。こ
の排気流路には、タービンホイールのブレードに当てら
れる排気流の流速(流量)を可変とするための複数のノ
ズルベーンが設けられている。これらノズルベーンは、
タービンホイールの回転軸を中心とする円周上に位置
し、連動して開閉される。
【0005】すなわち、タービンホイールのブレードに
当てられる排気流の流速は、上記ノズルベーンを連動し
て開閉して隣合うノズルベーン間の間隙の大きさを変化
させることにより調整される。こうしてノズルベーンを
開閉させて上記排気の流速調整を行うことにより、ター
ビンホイールの回転速度が調整され、ひいては燃焼室へ
の空気の過給圧が調整されるようになる。こうした調整
を行うことにより、燃焼室内や吸気通路内の圧力が過大
になるのを防止しつつ、エンジンの出力を向上させるこ
とができるようになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の可変容量型
ターボチャージャにおいて、ノズルベーンの下流側で
は、上記ノズルベーン間の間隙による絞り効果によって
排気の流速が高められる領域がある。その一方で、ノズ
ルベーンの下流側には、こうした絞り効果の影響を受け
ず排気の流速が遅い領域、いわゆる死水領域も存在す
る。すなわち、ノズルベーンの下流側には、排気の流速
が高められタービンホイールのブレードにより大きな回
転力を与える領域と、その回転力が小さい領域とが混在
している。
【0007】このため、タービンホイールのブレードに
当たる排気の流速は、同タービンホイールの回転に伴っ
て変動するようになる。その結果、ブレードには、その
大きさが周期的に変動する強制力が作用し、この強制力
によってブレードが振動するようになる。そして、この
ようなブレードの振動は、ターボチャージャの性能や信
頼性の低下を招く要因となる。特に、こうした排気流に
よってブレードに作用する上記強制力の周波数と同ブレ
ードの固有振動数とが一致した状態で、ターボチャージ
ャの運転が継続されるような場合には、ブレードの破損
を招くおそれもある。
【0008】本発明は、こうした実情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、タービンホイールのブレー
ドの振動についてその好適な抑制を図ることのできる可
変容量型ターボチャージャを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】以下、上記目的を達成す
るための手段及びその作用効果について記載する。先
ず、請求項1に記載の発明は、複数のブレードがその回
転軸を中心とする円周上に配設され同ブレードにエンジ
ンの排気流を受けて回転するタービンホイールと、この
タービンホイールの外周を囲うように同ホイールの周方
向に沿って延びる排気流路と、この排気流路内にあって
前記タービンホイールの回転軸を中心とする円周上に配
設され、前記排気流の流路面積を変更すべく連動して開
閉される複数のノズルベーンとを備える可変容量型ター
ボチャージャにおいて、前記複数のノズルベーンが最大
開度位置にあるときの、これらノズルベーンの下流側端
部を結ぶ円の半径Rnと同ノズルベーンの下流側端部に
対向する前記ブレードの上流側端部を結ぶ円の半径Rt
との比「Rn/Rt」が1.07以上の値に設定される
ことをその要旨とする。
【0010】ノズルベーンにより高められた排気の流速
は、同排気がノズルベーンから離れるほど遅くなる。従
って、上述したようなノズルベーンの下流側における排
気流速の差についても、ノズルベーンから離れるほど小
さくなる。すなわち、上記比「Rn/Rt」が大きな値
に設定されるほどブレードに作用する強制力の振幅が小
さくなり、これによりブレードに生じる振動も小さくな
る。そして、本発明者は、上記比「Rn/Rt」を
「1.07」以上に設定することにより、ブレードの振
動を抑制する上で好適な値にまで上記排気流速の差が、
減少することを実験により確認した。
【0011】上記構成によれば、上記比「Rn/Rt」
を1.07以上に設定することで、タービンホイールの
ブレードの振動についてその好適な抑制を図ることがで
きるようになる。
【0012】また、請求項2に記載の発明は、複数のブ
レードがその回転軸を中心とする円周上に配設され同ブ
レードにエンジンの排気流を受けて回転するタービンホ
イールと、このタービンホイールの外周を囲うように同
ホイールの周方向に沿って延びる排気流路と、この排気
流路内にあって前記タービンホイールの回転軸を中心と
する円周上に配設され、前記排気流の流路面積を変更す
べく連動して開閉される複数のノズルベーンとを備える
可変容量型ターボチャージャにおいて、前記タービンホ
イールのブレードは、その2次固有振動数が、同タービ
ンホイールの1秒あたりの許容最大回転数と前記ノズル
ベーンの数との積にほぼ一致する値に設定されてなるこ
とをその要旨とする。
【0013】タービンホイールの回転速度が高くなるほ
ど、そのブレードに作用する強制力の振幅も大きくな
り、またその周波数も上昇するようになる。従って、こ
のように強制力の振幅が大きくなる高回転域において同
強制力の周波数がブレードの固有振動数と一致して共振
するようになると、このときにおけるブレードの振動も
大きなものとなる。但し一般に、タービンホイールが許
容最大回転数近くの速度域で作動する頻度は極めて低
く、同速度域において上記共振現象が継続することは殆
どない。従って、請求項2に記載の発明の構成によれ
ば、ブレードの2次固有振動数と上記強制力の周波数と
が一致する共振状態が最大許容回転数近くの速度域にお
いて継続される機会自体がほとんどなくなり、こうした
共振によってブレードの振動が大きくなることが回避さ
れるようになる。一方、同構成では、タービンホイール
がほぼ許容最大回転数の1/2の回転数となる速度にて
回転するときにおいて、その1次固有振動数と上記強制
力の周波数とが一致して共振するようにもなる。ところ
が、このときには、上記強制力自体が比較的小さいため
に、上述したように強制力が大きい高回転域に1次固有
振動数が設定される場合と比較して、共振した場合にお
けるブレードの振動が小さく抑えられるようになる。従
って、同構成によれば、タービンホイールのブレードの
振動についてその好適な抑制を図ることができるように
なる。
【0014】また、請求項3に記載の発明は、請求項2
記載の可変容量型ターボチャージャにおいて、前記複数
のノズルベーンが最大開度位置にあるときの、これらノ
ズルベーンの下流側端部を結ぶ円の半径Rnと同ノズル
ベーンの下流側端部に対向する前記ブレードの上流側端
部を結ぶ円の半径Rtとの比「Rn/Rt」が1.07
以上の値に設定されることをその要旨とする。
【0015】上記構成によれば、比「Rn/Rt」を上
述した態様で設定したことによるブレードの振動抑制効
果と、タービンホイールの固有振動数を上述した態様で
設定したことによるブレードの振動抑制効果とを併せて
奏することができるようになる。
【0016】また、請求項2または3記載の可変容量型
ターボチャージャにおいて、前記ノズルベーンの数をZ
n、前記タービンホイールの60秒あたりの許容最大回
転数をNmaxとするとき、前記タービンホイールのブ
レードの2次固有振動数f2を、次式「0.9 < f
2/(Zn×Nmax/60) < 1.1」を満たす
値に設定するのが望ましい。
【0017】上記構成によれば、1次固有振動数若しく
は多次の固有振動数における共振に伴うブレードの振動
が好適に抑制されるようになる。
【0018】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)以下、本発
明にかかる可変容量型ターボチャージャの第1の実施の
形態について説明する。
【0019】はじめに、本実施の形態にかかるターボチ
ャージャの具体的な構成について、図1及び図2を参照
して説明する。なお、このターボチャージャは、過給シ
ステムとして車載エンジンに搭載されるものを想定して
いる。
【0020】図1に示されるように、上記ターボチャー
ジャは、センタハウジング31、コンプレッサハウジン
グ32及びタービンハウジング33を備えている。セン
タハウジング31には、上記ロータシャフト23がその
軸線Lを中心に回転可能に支持されている。このロータ
シャフト23の一端部(図中右端部)には、上記コンプ
レッサインペラ22が取り付けられている。このコンプ
レッサインペラ22には、ロータシャフト23の軸線L
を中心にして複数のブレード22aが設けられている。
また、ロータシャフト23の他端部(図中左端部)に
は、上記タービンホイール21が取り付けられている。
このタービンホイール21にも、ロータシャフト23の
軸線Lを中心にして複数のブレード21aが設けられて
いる。
【0021】センタハウジング31の一端側には、コン
プレッサインペラ22の外周を囲うように上記コンプレ
ッサハウジング32が取り付けられている。このコンプ
レッサハウジング32において、センタハウジング31
の反対側に位置する部分には吸気入口32aが設けられ
ている。また、コンプレッサハウジング32の内部に
は、螺旋状に延びて上記エンジンの吸気通路(図示略)
と連通するコンプレッサ通路34が設けられている。更
に、コンプレッサハウジング32には、吸気入口32a
を介して同ハウジング32内に導入された空気をコンプ
レッサ通路34へ送り出すための送出通路35が設けら
れている。この送出通路35は、コンプレッサ通路34
に沿って設けられている。そして、ロータシャフト23
の回転に基づきコンプレッサインペラ22が軸線Lを中
心に回転すると、空気が吸気入口32a、送出通路35
及びコンプレッサ通路34を介して上記エンジンの吸気
通路へ強制的に送り出されるようになる。
【0022】一方、センタハウジング31の他端側に
は、タービンホイール21の外周を囲うように、上記タ
ービンハウジング33が取り付けられている。そしてこ
のタービンハウジング33内には、螺旋状に延びるスク
ロール通路36が設けられている。このスクロール通路
36には、上記エンジンの排気通路(図示略)が連通さ
れており、同エンジンの燃焼室からの排気がこの排気通
路を介して送り込まれる。
【0023】また、タービンハウジング33内には、タ
ービンホイール21の外周を囲うように、同ホイール2
1の周方向に沿って延びる排気流路37が形成されてい
る。スクロール通路36内の排気はこの排気流路37を
通じてタービンホイール21側に向けて導入される。こ
の排気流路37を通じて導入される排気がタービンホイ
ール21のブレード21aに当たることによって、ター
ビンホイール21が軸線Lを中心に回転するようにな
る。その後、排気は、タービンハウジング33において
センタハウジング31と反対側に位置する部分に設けら
れた排気出口33aを介して触媒(図示略)へ送り出さ
れる。
【0024】センタハウジング31とタービンハウジン
グ33との間には、上記排気流路37を通じてタービン
ホイール21側に導入される排気の流速を調整する可変
ノズル機構41が設けられている。次にこの可変ノズル
機構41について、図1及び図2を併せ参照して説明す
る。なお、図2(a)は同機構41の側面断面構造を示
し、図2(b)は同機構41の正面構造を示している。
【0025】これら図1及び図2(a),(b)に示す
ように、可変ノズル機構41は、環状に形成されたノズ
ルバックプレート42を備えている。ノズルバックプレ
ート42には、複数の軸43が同プレート42の円心を
中心としてその周方向に沿って等角度毎に設けられてい
る。各軸43は、ノズルバックプレート42をその厚さ
方向に貫通して回動可能に支持されている。これら軸4
3の排気流路37側の端部(図1、図2(a)中の左端
部)には、ノズルベーン44が固定されている。また、
軸43の反対側の端部(図1、図2(a)中の右端部)
には、同軸43と直交してノズルバックプレート42の
外縁部へ延びる開閉レバー45が固定されている。開閉
レバー45の先端には二股に分岐した一対の挟持部45
aが設けられている。
【0026】各開閉レバー45とノズルバックプレート
42との間には、ノズルバックプレート42と重なるよ
うに環状のリングプレート46が設けられている。ま
た、リングプレート46にはその円心を中心として等角
度毎に複数のピン47が固設されており、それらピン4
7は各開閉レバー45の挟持部45a間で位置変化可能
な状態でこれら挟持部45aに挟持されている。このよ
うにピン47が挟持部45aにより挟持されることによ
り、リングプレート46はその円心を中心に回動可能と
なっている。
【0027】そして、リングプレート46がその円心を
中心に所定角度回動すると、各ピン47により各開閉レ
バー45の挟持部45aは付勢され、軸43を中心に所
定角度だけ回動する。その結果、それら開閉レバー45
とともに軸43が回動し、その軸43の回動に伴い各ノ
ズルベーン44は連動して開閉するようになる。また、
隣合うノズルベーン44間の間隙の大きさは、それらノ
ズルベーン44の開閉動作に基づき変化する。
【0028】上記構成の可変ノズル機構41は、ノズル
バックプレート42をボルト(図示略)でタービンハウ
ジング33に固定することで、図1に示すように同ハウ
ジング33に取り付けられる。この状態において、リン
グプレート46の外縁部(図中下端部)には軸線Lと同
方向へ延びるピン52が固定され、そのピン52には可
変ノズル機構41を駆動するための駆動機構51が連結
される。
【0029】駆動機構51は、センタハウジング31に
上記ピン52と同方向へ延びた状態で回動可能に支持さ
れた支軸53を備えている。この支軸53の一端部(図
中左端部)には、上記ピン52に対して位置変化可能に
連結された駆動レバー54が固定されている。また、支
軸53の他端部(図中右端部)には、アクチュエータ5
6に連結される操作片55が固定されている。
【0030】そして、アクチュエータ56の駆動により
操作片55が操作されて支軸53が回動すると、この支
軸53の回動に伴い駆動レバー54が支軸53を中心に
回動する。その結果、リングプレート46が、駆動レバ
ー54によりピン52を介して周方向に付勢され、軸線
Lを中心に回動することとなる。このリングプレート4
6の回動により、隣合うノズルベーン44間の間隙の大
きさが調整され、この調整に基づき、スクロール通路3
6から排気流路37を通じてタービンホイール21側に
導入される排気の流速が調節される。
【0031】このように排気の流速を調節することによ
り、タービンホイール21の回転速度、換言すればコン
プレッサインペラ22の回転速度が適宜に調節され、ひ
いては過給圧が調整される。こうした過給圧の調整を行
うことにより、燃焼室内の圧力が過大になるのを防止し
つつエンジンの出力向上が図られるようになる。
【0032】図3は、上記各ノズルベーン44を最大開
度位置まで回動させたときにおけるこれらノズルベーン
44と上記各ブレード21aとの位置関係を一部拡大し
て示している。本実施の形態のターボチャージャでは、
各ノズルベーン44の下流側の端部を結ぶ円の半径Rn
と上記各ブレード21aの上流側の端部を結ぶ円の半径
Rtとの比「Rn/Rt」が、上記ノズルベーン44を
最大開度位置まで回動させたときにおいて「1.07」
となるように設定されている。
【0033】以下、上記比「Rn/Rt」を「1.0
7」に設定することによる作用について、図4を参照し
つつ説明する。図4は、ノズルベーン44を最大開度位
置まで回動させたときにおける上記比「Rn/Rt」の
大きさとブレード21aに作用する強制力の振幅との関
係を示している。なお、こうした関係は、計算機を用い
たシュミレーション等の実験に基づいて求められる前記
比「Rn/Rt」とノズルベーン44の下流側における
排気流速の差との関係に基づいて求められる。
【0034】ノズルベーン44により高められた排気の
流速は、基本的には同排気がノズルベーン44から離れ
るほど遅くなる。従って、ノズルベーン44の下流側に
おいてブレード21aに当たる排気の流速差について
も、同ノズルベーン44から離れた部位ほど小さくな
る。すなわち、上記比「Rn/Rt」が大きな値に設定
されるほどブレード21aに作用する強制力の振幅が小
さくなり、これによりブレード21aに生じる振動も小
さくなる。そして、上記比「Rn/Rt」が1.08に
設定される場合において、上記強制力の振幅が一旦最小
となる。更に、この比「Rn/Rt」が1.08よりも
大きな値になると、若干上記強制力の振幅が大きくなる
ものの、上記比「Rn/Rt」が1.07に設定される
ときにおける強制力の振幅よりも大きくなることはな
い。
【0035】本実施の形態では、上記排気流速の差を減
少させ強制力の振幅を抑える上で好適な上記比「Rn/
Rt」の範囲を「1.07以上」とし、同比「Rn/R
t」を1.07に設定するようにしている。そして、こ
のように上記比「Rn/Rt」を設定することにより、
タービンホイール21のブレード21aの振動について
その好適な抑制が図ることができるようになる。なお、
強制力の振幅を更に抑え、ブレード21aの振動を一層
効果的に抑制する上では、上記比「Rn/Rt」を1.
08以上に設定するのが望ましい。
【0036】(第2の実施の形態)以下、本発明にかか
る可変容量型ターボチャージャの第2の実施の形態につ
いて説明する。
【0037】ここでは、ターボチャージャそのものの構
成は、先の図1及び図2に示した第1の実施の形態のタ
ーボチャージャと同等の構成のものを想定しており、そ
れら構成についての重複する説明は割愛する。
【0038】さて、タービンホイール21の回転速度が
高くなると、そのブレード21aに作用する上記強制力
の振幅は大きくなり、その周波数も上昇するようにな
る。従って、このように強制力の振幅が大きくなる高回
転域において同強制力の周波数がタービンホイール21
の固有振動数と一致して共振するようになると、ブレー
ド21aの振動も大きなものとなる。
【0039】そこで、本実施の形態のターボチャージャ
では、こうした共振によるブレード21aの振動の増大
を抑制すべく、ブレード21aの2次固有振動数(H
z)を、タービンホイール21の1秒あたりの許容最大
回転数とノズルベーン44の数との積にほぼ一致する値
に、すなわち同タービンホイール21が許容最大回転速
度で回転するときにおいてブレード21aに作用する強
制力の周波数とほぼ一致する値に設定するようにしてい
る。具体的には、ノズルベーン44の数をZn、タービ
ンホイール21の60秒あたりの許容最大回転数をNm
axとすると、ブレード21aの2次固有振動数をf2
を、 f2 = (Zn×Nmax/60) …(1) といった関係式(1)により設定するようにしている。
なお、この2次固有振動数f2が小さな値に設定される
ほど、1次固有振動数f1と上記強制力の周波数とが一
致するときにおける強制力が小さく抑えられる反面、同
周波数と2次固有振動数f2とが一致した状態でタービ
ンホイール21が回転する頻度が大きくなって同2次固
有振動数f2における共振が生じ易くなる。一方、この
2次固有振動数f2が大きな値に設定されるほど、同2
次固有振動数f2における共振が生じにくくなる反面、
1次固有振動数f1と上記強制力の周波数とが一致する
ときにおける強制力が大きくなって1次固有振動数f1
において共振が生じたときにおけるブレード21aの振
動が大きくなってしまう。ブレード21aの2次固有振
動数f2を関係式(1)を満たす値に設定することで、
上記強制力の周波数がブレード21aの1次及び2次固
有振動数f1及びf2とそれぞれ一致する共振時でのブ
レード21aの振動が共に好適に抑制されるようになる
ことが発明者によって確認されている。
【0040】以下、このようにブレード21aの2次固
有振動数を設定することによる作用について、図5を参
照しつつ説明する。なお、図5は、タービンホイール2
1の60秒あたりの回転数に対する、上記強制力の周波
数(同図5(a))、同強制力の振幅(同図5
(b))、及びタービンホイール21の作動頻度(同図
5(c))をそれぞれ示している。
【0041】図5(a)に示されるように、本実施の形
態のターボチャージャでは、そのタービンホイール21
が「許容最大回転数Nmax」といった回転数となる速
度にて作動する場合において、上記2次固有振動数f2
とノズルベーン44に作用する強制力の周波数とが一致
する。この場合、図5(b)に示されるように、ノズル
ベーン44に作用する強制力が大きいものの、図5
(c)に示されるように、こうした許容最大回転数Nm
ax近くの作動領域においてタービンホイール21が作
動する頻度は極めて少ない。このため、ブレード21a
の2次固有振動数f2と上記強制力の周波数とが一致す
る共振状態でその運転が継続される機会自体がほとんど
ない。従って、こうした共振によってブレード21aの
振動が大きくなることが回避される。
【0042】一方、図5(a)に示されるように、本実
施の形態のターボチャージャでは、タービンホイール2
1が「1/2×許容最大回転数Nmax」といった回転
数となる速度にて運転される場合において、その1次固
有振動数f1(=1/2×f2)と上記強制力の周波数
とが一致して共振が生じることとなる。ところがこの場
合には、図5(b)に示されるように、強制力の振幅が
比較的小さいために、強制力の振幅が大きい高回転域に
1次固有振動数が設定される場合と比較して、共振した
場合におけるブレード21aの振動が小さく抑えられ
る。すなわち、本実施の形態のターボチャージャにあっ
ては、上記強制力の周波数と上記ブレード21aの1次
及び2次固有振動数f1及びf2とが一致する共振時に
おけるブレード21aの振動が、共に好適に抑制される
ようになる。従って、タービンホイール21のブレード
21aの振動についてその好適な抑制を図ることができ
るようになる。
【0043】なお、上記各実施の形態は、それぞれ以下
のように変更して実施してもよい。 ・上記第1の実施の形態では、各ノズルベーン44の下
流側の端部を結ぶ円の半径Rnと、上記各ブレード21
aの上流側の端部を結ぶ円の半径Rtとの比「Rn/R
t」を「1.07」に設定するようにしたが、これに限
られない。要は、この比「Rn/Rt」を「1.07以
上」の値に設定することで、ブレードの振動についてそ
の好適な抑制を図ることはできる。
【0044】・また特に、この比「Rn/Rt」を1.
08以上に設定することで、ブレード21aの振動につ
いてのより好適な抑制を図ることができるようになる。 ・上記第2の実施の形態では、タービンホイール21の
2次固有振動数f2を、「f2=(Zn×Nmax/6
0)」といった関係式(1)により設定するようにした
が、この2次固有振動数f2は、「0.9<f2/(Z
n×Nmax/60)<1.1」といった関係式を満た
す値であれば、適宜採用することができる。例えば、ブ
レード21a、ひいてはタービンホイール21の軽量化
を図る上では、このブレード21aの2次固有振動数f
2をその下限値「0.90×(Zn×Nmax/6
0)」により近い値(0.90×(Zn×Nmax/6
0)<f2<(Zn×Nmax/60)等)に設定する
ようにしてもよい。
【0045】・第1の実施の形態の構成と第2の実施の
形態の構成とを双方備えるようにしてもよい。こうした
構成によれば、上記比「Rn/Rt」を上述した態様で
設定したことによるブレード21aの振動抑制効果と、
上記タービンホイール21の2次固有振動数f2を上述
した態様で設定したことによるブレード21aの振動抑
制効果とを併せて奏することができるようになる。
【0046】以上、本発明の実施の形態について説明し
たが、本発明の実施の形態には、次のような形態を含む
ものであることを付記しておく。 (1)前記エンジンは、車載エンジンである請求項1〜
4のいずれかに記載の可変容量型ターボチャージャ。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる可変容量型ターボチャージャの
第1の実施の形態についてその断面構造を示す断面図。
【図2】ノズルベーンを開閉する可変ノズル機構を示す
断面図及び正面図。
【図3】ノズルベーンとブレードとの位置関係を一部拡
大して示す略図。
【図4】比「Rn/Rt」の大きさとブレードに作用す
る強制力の振幅との関係を示すグラフ。
【図5】本発明にかかる可変容量型ターボチャージャの
第2の実施の形態についてその作用を説明するためのグ
ラフ。
【符号の説明】
21…タービンホイール、21a,22a…ブレード、
22…コンプレッサインペラ、23…ロータシャフト、
31…センタハウジング、32…コンプレッサハウジン
グ、32a…吸気入口、33…タービンハウジング、3
3a…排気出口、34…コンプレッサ通路、35…送出
通路、36…スクロール通路、37…排気流路、41…
可変ノズル機構、42…ノズルバックプレート、43…
軸、44…ノズルベーン、45…開閉レバー、46…リ
ングプレート、47…ピン、51…駆動機構、52…ピ
ン、53…支軸、54…駆動レバー、55…操作片、5
6…アクチュエータ。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数のブレードがその回転軸を中心とする
    円周上に配設され同ブレードにエンジンの排気流を受け
    て回転するタービンホイールと、このタービンホイール
    の外周を囲うように同ホイールの周方向に沿って延びる
    排気流路と、この排気流路内にあって前記タービンホイ
    ールの回転軸を中心とする円周上に配設され、前記排気
    流の流路面積を変更すべく連動して開閉される複数のノ
    ズルベーンとを備える可変容量型ターボチャージャにお
    いて、 前記複数のノズルベーンが最大開度位置にあるときの、
    これらノズルベーンの下流側端部を結ぶ円の半径Rnと
    同ノズルベーンの下流側端部に対向する前記ブレードの
    上流側端部を結ぶ円の半径Rtとの比「Rn/Rt」が
    1.07以上の値に設定されることを特徴とする可変容
    量型ターボチャージャ。
  2. 【請求項2】複数のブレードがその回転軸を中心とする
    円周上に配設され同ブレードにエンジンの排気流を受け
    て回転するタービンホイールと、このタービンホイール
    の外周を囲うように同ホイールの周方向に沿って延びる
    排気流路と、この排気流路内にあって前記タービンホイ
    ールの回転軸を中心とする円周上に配設され、前記排気
    流の流路面積を変更すべく連動して開閉される複数のノ
    ズルベーンとを備える可変容量型ターボチャージャにお
    いて、 前記タービンホイールのブレードは、その2次固有振動
    数が、同タービンホイールの1秒あたりの許容最大回転
    数と前記ノズルベーンの数との積にほぼ一致する値に設
    定されてなることを特徴とする可変容量型ターボチャー
    ジャ。
  3. 【請求項3】請求項2記載の可変容量型ターボチャージ
    ャにおいて、 前記複数のノズルベーンが最大開度位置にあるときの、
    これらノズルベーンの下流側端部を結ぶ円の半径Rnと
    同ノズルベーンの下流側端部に対向する前記ブレードの
    上流側端部を結ぶ円の半径Rtとの比「Rn/Rt」が
    1.07以上の値に設定されることを特徴とする可変容
    量型ターボチャージャ。
  4. 【請求項4】前記ノズルベーンの数をZn、前記タービ
    ンホイールの60秒あたりの許容最大回転数をNmax
    とするとき、 前記タービンホイールのブレードは、その2次固有振動
    数f2が、次式 0.9 < f2/(Zn×Nmax/60) <
    1.1 を満たす値に設定されてなる請求項2または3記載の可
    変容量型ターボチャージャ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011510207A (ja) * 2008-01-15 2011-03-31 アーベーベー ターボ システムズ アクチエンゲゼルシャフト ガイド・デバイス
JP2015163793A (ja) * 2013-02-04 2015-09-10 ユナイテッド テクノロジーズ コーポレイションUnited Technologies Corporation ガスタービンエンジンの性能向上方法

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