JP3444278B2 - 可変容量型ターボチャージャ - Google Patents

可変容量型ターボチャージャ

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JP3444278B2
JP3444278B2 JP2000228992A JP2000228992A JP3444278B2 JP 3444278 B2 JP3444278 B2 JP 3444278B2 JP 2000228992 A JP2000228992 A JP 2000228992A JP 2000228992 A JP2000228992 A JP 2000228992A JP 3444278 B2 JP3444278 B2 JP 3444278B2
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opening
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    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンの過給シ
ステムとして用いられるターボチャージャにかかり、詳
しくはタービンホイールに吹き付けられる排気ガスの流
速を可変とするためのノズルベーンが設けられた可変容
量型のターボチャージャに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車用のエンジンにおいて、
その出力向上のためには燃焼室へ充填される空気の量を
増やすことが好ましい。そこで従来は、ピストンの下動
に伴って燃焼室内に発生する圧力で空気を燃焼室に充填
するだけでなく、その空気を強制的に燃焼室へ送り込ん
で、同燃焼室への空気の充填効率を高める過給システム
が提案され、実用されている。そして、こうした過給シ
ステムとしては、例えば実開昭59−188930号公
報に記載された可変容量型ターボチャージャが知られて
いる。
【0003】同公報に記載のターボチャージャは、エン
ジンの排気通路を流れる排気ガスによって回転するター
ビンホイールと、同機関の吸気通路内の空気を強制的に
燃焼室側へ送り込むコンプレッサインペラとを備えてい
る。これらタービンホイールとコンプレッサインペラと
は、ロータシャフトを介して一体回転可能に連結されて
いる。そして、タービンホイールに排気ガスが吹き付け
られて同ホイールが回転すると、その回転はロータシャ
フトを介してコンプレッサインペラに伝達される。こう
してコンプレッサインペラが回転することにより、吸気
通路内の空気の圧力(過給圧)が高められ、その結果、
空気が強制的に燃焼室に送り込まれるようになる。
【0004】また、上記ターボチャージャは、タービン
ホイールに吹き付けられる排気ガスが通過する排気ガス
流路を備え、同流路はタービンホイールの外周を囲うよ
うに同ホイールの回転方向に沿って形成される。従っ
て、排気ガス流路を通過した排気ガスは、タービンホイ
ールの軸線へ向かって吹き付けられることになる。この
ような排気ガス流路には、タービンホイールに吹き付け
られる排気ガスの流速を可変とするための複数のノズル
ベーンが設けられている。これらノズルベーンは、ター
ビンホイールの軸線を中心として等角度毎に位置し、互
いに同期した状態で開閉動作する。
【0005】すなわち、タービンホイールに吹き付けら
れる排気ガスの流速は、上記ノズルベーンを同期して開
閉動作させつつ、隣合うノズルベーン間の間隙(ノズル
ベーンの開度)の大きさを変化させることによって調整
される。こうしてノズルベーンを開閉させて上記排気ガ
スの流速調整を行うことにより、タービンホイールの回
転速度が調整され、ひいては燃焼室への空気の過給圧が
調整されるようになる。こうした調整を行うことによ
り、エンジンの出力向上と、燃焼室内及び吸気通路内の
過剰圧防止との両立が図られるようになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記排気ガ
ス流路は、その内壁やノズルベーンに排気ガス中の煤が
付着したり、これら内壁やノズルベーンが酸化したりす
ると、その流路面積が小さくなる。そして、このように
排気ガス流路の流路面積が小さくなると、ノズルベーン
の開度に対する排気ガスの流速が高まって、タービンホ
イール、すなわちターボチャージャの回転速度も、予め
想定されている速度より高まる傾向となる。
【0007】従って、排気ガス流路のこのような状態
で、エンジンの回転速度が高まり、ターボチャージャに
供給される排気ガスの流量が増大されるようになると、
たとえ上記ノズルベーンを最大開度に制御したとして
も、ターボチャージャの回転速度が過剰に上昇し、適正
な過給圧が得られなくなるおそれがある。
【0008】本発明は、こうした実情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、排気ガス流路の経時変化に
よってその流路面積が小さくなる場合であれ、これに伴
う過給圧の過剰な上昇を的確に抑制することのできる可
変容量型ターボチャージャを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】以下、上記目的を達成す
るための手段及びその作用効果について記載する。先
ず、請求項1に記載の発明は、エンジンの排気ガスが吹
き付けられることで回転するタービンホイールと、この
タービンホイールと一体に回転して同エンジンの燃焼室
に送り込まれる空気を過給するコンプレッサインペラ
と、前記タービンホイールに吹き付けられる排気ガスの
流路の流路面積を可変とすべく開閉されるノズルベーン
とを備え、該ノズルベーンの開度制御に基づいて前記コ
ンプレッサインペラによる過給圧が調圧される可変容量
型ターボチャージャにおいて、前記ノズルベーンの最大
開度側の所定開度で前記排気ガスの流路を強制拡大する
流路拡大手段を備えることをその要旨とする。
【0010】通常、こうしたターボチャージャにおいて
は、ノズルベーンの開度が大きくなることで、排気ガス
流路の流路面積が拡大され、ひいてはタービンホイール
に吹き付けられる排気ガスの流速が低下する。すなわち
この場合、コンプレッサインペラによる過給圧は低くな
る。
【0011】上記構成によれば、ノズルベーンを最大開
度側の所定開度にまで操作することで、こうしたノズル
ベーンの開度の増大に伴う上記流路面積の拡大に加え
て、同流路面積を更に強制拡大することができるように
なる。このため、上記ノズルベーンの開度の増大に伴う
流路面積の拡大が十分なものでなくなる場合であって
も、流路面積を強制拡大することができる。従って、排
気ガス流路の経時変化によってその流路面積が小さくな
る場合であれ、これに伴う過給圧の過剰な上昇を的確に
抑制することができるようになる。また、こうした流路
面積の強制拡大がノズルベーンの最大開度側のみで行わ
れるため、通常の過給圧制御領域でその効率が低下する
ことはない。
【0012】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の可変容量型ターボチャージャにおいて、前記流路拡
大手段は、前記ノズルベーンが前記所定開度に制御され
るときにそのベーン先端と前記排気ガスの流路壁との間
の間隙を拡大すべく同流路壁に設けられた段差であるこ
とをその要旨とする。
【0013】上記構成によれば、ノズルベーンの開度が
所定開度まで操作されたときには、ベーン先端と排気ガ
ス流路の流路壁との間の間隙が上記段差により拡大され
ることで、排気ガス流路の流路面積の強制拡大が図られ
るようになる。このため、上記流路拡大手段が簡素な構
造をもって容易に実現されるようになる。
【0014】また、請求項3記載の発明は、請求項2記
載の可変容量型ターボチャージャにおいて、前記段差の
設けられる流路壁が、前記タービンホイールのシュラウ
ド部であることをその要旨とする。
【0015】通常、こうしたターボチャージャにあって
は、そのタービンホイールの回転軸に対して側方から排
気ガスが吹き付けられるように排気ガスの流路が設けら
れる。また、同タービンホイールに吹き付けられた後の
排気ガスは、同タービンホイールのシュラウド部を通じ
て排出される。すなわち、排気ガス流路とタービンホイ
ールのシュラウド部との境界では、排気ガスが通過する
通路の向きが変えられる。
【0016】この点、上記構成によれば、こうした通路
の向きが変えられる部分に上記段差を形成するようにし
たことで、その加工、並びに上記流路拡大手段の実現が
容易になる。
【0017】また、請求項4記載の発明は、請求項2ま
たは3記載の可変容量型ターボチャージャにおいて、前
記ノズルベーンの前記所定開度が、前記コンプレッサイ
ンペラによる過給圧を調圧するためのノズルベーン開度
制御における適合上限開度を超える開度であることをそ
の要旨とする。
【0018】上記構成によれば、排気ガス流路の流路面
積が確保されているとき、すなわちノズルベーン開度制
御における通常の制御領域では、上記段差を設けたこと
に起因するターボチャージャの効率の低下を防止するこ
とができる。しかも、排気ガス流路の流路面積を確保で
きなくなったときには、ノズルベーンの開度を適合上限
開度を超えて所定開度まで大きくすることで、排気ガス
流路の流路面積を強制拡大することができる。従って、
通常の制御領域での効率低下を的確に防止した上で、流
路面積の縮小に起因する過給圧の過剰な上昇を抑制する
ことができるようになる。
【0019】また、請求項5記載の発明は、請求項4記
載の可変容量型ターボチャージャにおいて、前記段差
が、前記ノズルベーン開度制御における適合上限開度に
対応する位置を境に設けられてなることをその要旨とす
る。
【0020】上記構成によれば、ノズルベーンの適合上
限開度を境とした上述した通常のノズルベーン開度制御
と上記段差に基づく排気ガス流路の流路面積の強制拡大
との切り替えをより的確に行うことができるようにな
る。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる可変容量型
ターボチャージャの一実施の形態について図1〜図7を
参照して説明する。
【0022】図1に示されるように、この実施の形態の
ターボチャージャ20は、エンジン10の排気通路11
を流れる排気ガスによって回転するタービンホイール2
1と、同エンジン10の吸気通路12内の空気を強制的
に燃焼室16側へ送り込むコンプレッサインペラ22と
を備えている。これらタービンホイール21とコンプレ
ッサインペラ22とは、ロータシャフト23を介して一
体回転可能に連結されている。そして、タービンホイー
ル21に排気ガスが吹き付けられて同ホイール21が回
転すると、その回転はロータシャフト23を介してコン
プレッサインペラ22に伝達される。こうしてコンプレ
ッサインペラ22が回転することにより、吸気通路12
内の空気の圧力(過給圧)が高められ、その結果、空気
が強制的にエンジン10の燃焼室16に送り込まれるよ
うになる。
【0023】なお、吸気通路12内のコンプレッサイン
ペラ22の下流には、スロットルバルブ13が設けられ
ている。スロットルバルブ13の開度は、車室内に設け
られたアクセル操作部材(図示略)の操作量に基づき調
節され、このスロットルバルブ13の開度調節により燃
焼室16内へ吸入される空気の量が調量される。
【0024】また、吸気通路12内において、上記スロ
ットルバルブ13の下流には、同通路12内の圧力を検
出する圧力センサ14が設けられている。この圧力セン
サ14は、吸気通路12内の圧力に応じた検出信号を出
力する。
【0025】更に、エンジン10には、同エンジン10
の出力軸(図示略)の回転速度を検出するエンジン回転
速度センサ15が設けられている。このエンジン回転速
度センサ15は、上記出力軸の回転速度に応じた検出信
号を出力する。
【0026】次に、上記ターボチャージャ20の具体的
構成を、図2及び図3を参照して詳しく説明する。図2
に示すように、ターボチャージャ20は、センタハウジ
ング31、コンプレッサハウジング32及びタービンハ
ウジング33を備えている。センタハウジング31に
は、上記ロータシャフト23がその軸線Lを中心に回転
可能に支持されている。このロータシャフト23の一端
部(図中右端部)には、複数の羽根22aを備えた上記
コンプレッサインペラ22が取り付けられている。ま
た、ロータシャフト23の他端部(図中左端部)には、
同じく複数の羽根21aを備えた上記タービンホイール
21が取り付けられている。
【0027】センタハウジング31の一端側には、コン
プレッサインペラ22の外周を囲うように、しかも渦巻
き状に延びるかたちで上記コンプレッサハウジング32
が取り付けられている。このようなコンプレッサハウジ
ング32において、センタハウジング31の反対側に位
置する部分には、前記エンジン10の燃焼室16に供給
される空気が導入される吸気入口32aが設けられてい
る。また、コンプレッサハウジング32の内部には、同
ハウジング32と同じく渦巻き状に延びて前記吸気通路
12と連通するコンプレッサ通路34が設けられてい
る。更に、コンプレッサハウジング32には、吸気入口
32aを介して同ハウジング32内に導入された空気を
コンプレッサ通路34へ送り出すための送出通路35が
設けられている。この送出通路35は、コンプレッサ通
路34に沿って設けられている。そして、ロータシャフ
ト23の回転に基づきコンプレッサインペラ22が軸線
Lを中心に回転すると、空気が吸気入口32a、送出通
路35及びコンプレッサ通路34を介して吸気通路12
へ強制的に送り出されるようになる。
【0028】一方、センタハウジング31の他端側に
は、タービンホイール21の外周を囲うように、しかも
渦巻き状に延びるかたちで上記タービンハウジング33
が取り付けられている。そしてこのタービンハウジング
33内には、同ハウジング33と同じく渦巻き状に延び
るスクロール通路36が設けられている。このスクロー
ル通路36は、前記エンジン10の排気通路11と連通
し、前記燃焼室16からの排気ガスが同排気通路11を
介して送り込まれる。
【0029】また、タービンハウジング33内には、ス
クロール通路36内の排気ガスをタービンホイール21
へ向けて吹き付けるための排気ガス流路37が、そのス
クロール通路36に沿って設けられている。この排気ガ
ス流路37からのタービンホイール21への排気ガスの
吹き付けによって、タービンホイール21が軸線Lを中
心に回転するようになる。なお、タービンホイール21
に吹き付けられた後の排気ガスは、タービンハウジング
33においてセンタハウジング31と反対側に位置する
部分に設けられた排気出口33aを介して触媒(図示
略)へ送り出される。
【0030】次に、センタハウジング31とタービンハ
ウジング33との間に設けられて、上記排気ガス流路3
7を介してタービンホイール21に吹き付けられる排気
ガスの流速を調整する可変ノズル機構41について、図
3を参照して説明する。なお、図3(a)は同機構41
の側断面図を示し、図3(b)は同機構41の正面図を
示している。
【0031】これら図3(a),(b)に示すように、
可変ノズル機構41は、リング状に形成されたノズルバ
ックプレート42を備えている。ノズルバックプレート
42には、複数の軸43が同プレート42の円心を中心
として等角度毎に設けられている。各軸43は、ノズル
バックプレート42をその厚さ方向に貫通して回動可能
に支持されている。これら軸43の一端部(図3(a)
中の左端部)には、ノズルベーン44が固定されてい
る。また、軸43の他端部(図3(a)中の右端部)に
は、同軸43と直交してノズルバックプレート42の外
縁部へ延びる開閉レバー45が固定されている。開閉レ
バー45の先端には二股に分岐した一対の挟持部45a
が設けられている。
【0032】各開閉レバー45とノズルバックプレート
42との間には、ノズルバックプレート42と重なるよ
うに環状のリングプレート46が設けられている。この
リングプレート46は、その円心を中心に周方向へ回動
可能となっている。また、リングプレート46にはその
円心を中心として等角度毎に複数のピン47が設けられ
ており、それらピン47が各開閉レバー45の挟持部4
5a間に回動可能な状態で挟持されている。
【0033】そして、リングプレート46がその円心を
中心に回動されると、各ピン47が各開閉レバー45の
挟持部45aをリングプレート46の回動方向へ押す。
その結果、それら開閉レバー45は軸43を回動させる
こととなり、軸43の回動に伴い各ノズルベーン44は
同軸43を中心にして各々同期した状態で開閉動作す
る。また、隣合うノズルベーン44間の間隙の大きさ
は、それらノズルベーン44の同期した開閉動作に基づ
き変化する。
【0034】上記構成の可変ノズル機構41は、ノズル
バックプレート42をボルト(図示略)でタービンハウ
ジング33に固定することで、図2に示すように同ハウ
ジング33に取り付けられる。こうしてタービンハウジ
ング33に取り付けられた可変ノズル機構41は、セン
タハウジング31とタービンハウジング33との間に位
置することとなる。この状態において、リングプレート
46の外縁部(図中下端部)には軸線Lと同方向へ延び
るピン52が設けられ、そのピン52には可変ノズル機
構41を駆動するための駆動機構51が連結される(図
2参照)。
【0035】駆動機構51は、センタハウジング31に
上記ピン52と同方向へ延びた状態で回動可能に支持さ
れた支軸53を備えている。この支軸53の一端部(図
中左端部)には、上記ピン52に対して回動可能に連結
された駆動レバー54が固定されている。また、支軸5
3の他端部(図中右端部)には、アクチュエータ56に
連結された操作片55が固定されている。
【0036】そして、アクチュエータ56の駆動により
操作片55が操作されて支軸53が回動すると、支軸5
3の回動に伴い駆動レバー54が支軸53を中心に回動
する。その結果、リングプレート46が、駆動レバー5
4によりピン52を介して周方向に押され、軸線Lを中
心に回動することとなる。このリングプレート46の回
動により、隣合うノズルベーン44間の間隙の大きさ
(絞り度合い)が調整され、このノズルベーン44によ
る絞り度合いの調整に基づき、スクロール通路36から
排気ガス流路37を介してタービンホイール21へ吹き
付けられる排気ガスの流速が調節される。
【0037】更に、タービンホイール21へ吹き付けら
れる排気ガスの流速を調節することにより、タービンホ
イール21、ロータシャフト23及びコンプレッサイン
ペラ22の回転速度が適宜に調節され、ひいては過給圧
が調整される。こうした過給圧の調整を行うことによ
り、エンジン10の出力向上と燃焼室16内の過剰圧防
止との両立が図られるようになる。
【0038】ここで、過給圧とノズルベーン44の開度
との関係を図4のグラフに示す。なお、図4(a)はエ
ンジン10の回転速度が比較的低いときにおける過給圧
とノズルベーン44の開度との関係を示し、図4(b)
はエンジン10の回転速度が比較的高いときにおける過
給圧とノズルベーン44の開度との関係を示している。
【0039】同図4(a)に示されるように、エンジン
10の回転速度が比較的低いときにおける過給圧は、ノ
ズルベーン44全閉付近にて最大となり、ノズルベーン
44の開度が増大するほど徐々に低下するような推移態
様を示す。
【0040】一方、図4(b)に示されるように、エン
ジン10の回転速度が比較的高いときにおける過給圧
は、ノズルベーン44の半開付近にて過給圧が最大とな
る。また、ノズルベーン44が全開から半開に至る領域
aではノズルベーン44の開度増大に伴い過給圧が徐々
に高くなり、ノズルベーン44が半開から全開に至る領
域bではノズルベーン44の開度増大に伴い過給圧が徐
々に低下するような推移態様を示す。
【0041】上述した過給圧の調整は、図4(a),
(b)に示されるノズルベーン44の開度に対する過給
圧の推移特性をふまえ、実際の過給圧がエンジン10の
運転状態に基づき設定される目標過給圧に近づくようノ
ズルベーン44の開度を制御することによって行われ
る。なお、こうしたノズルベーン44の開度の制御は、
開度制御装置(図示略)により、前記圧力センサ14や
エンジン回転速度センサ15の検出信号等といったエン
ジン10の運転状態に基づき実行される。
【0042】ここで、本実施の形態のターボチャージャ
20は、上記排気ガス流路37の前述した排気ガス中の
煤の付着や、酸化等による経時変化により、同流路37
の流路面積が小さくなったとき、上記ノズルベーン44
が最大開度側に制御される所定の条件下において、その
流路面積を強制拡大することができる構成になってい
る。
【0043】図5に、先の図2のA部を拡大した図を示
し、以下、この図5を参照して、こうした排気ガス流路
37の流路面積を強制拡大する構成について詳細に説明
する。
【0044】同図5に示されるように、上記排気ガス流
路37の流路壁のうちタービンホイール21のシュラウ
ド部21b側には、ノズルベーン44の先端側(同シュ
ラウド21a側)において同流路37の流路面積を拡大
する段差60が形成されている。
【0045】そして、上述のノズルベーン44の開度制
御においては、上記開度制御装置により、上記圧力セン
サ14により検出される吸気通路12内の圧力、すなわ
ち過給圧に基づいて、 (イ)ノズルベーン44の開度制御における通常の制御
領域において通常に過給圧の制御が可能であるときに
は、同制御におけるノズルベーン44の適合上限開度
を、ベーン先端が上記段差60が形成されている部分と
形成されていない部分との境界に位置する開度に設定す
る(図5の実線部参照)とともに、同適合上限開度を超
えない範囲にてノズルベーン44の開度を制御する。 (ロ)上記適合上限開度において、検出される過給圧が
異常に高いときには、ノズルベーン44の開度を、上記
適合上限開度を超える開度(ベーン先端が段差60を超
える開度;図5の一点鎖線部参照)まで大きくするよう
に制御する。といった態様にて、ノズルベーン44の開
度が制御される。
【0046】図6に、こうしたノズルベーン44のベー
ン先端と段差60との位置関係を模式的に示し、以下、
その作用について説明する。同図6に実線にて示すよう
に、上記開度制御における通常制御時、すなわち上記
(イ)の制御時には、ノズルベーン44Bのベーン先端
と隣合うノズルベーン44B’との最小距離W1によ
り、排気ガス流路37の流路面積が制限される。
【0047】一方、同図6に一点鎖線にて示すように、
上記(ロ)の制御時には、ノズルベーンの開度が更にノ
ズルベーン44C,44C’に示す位置にまで大きくな
るように制御され、同ノズルベーン44Cのベーン先端
と隣合うノズルベーン44C’との最小距離W2も大き
くなる。しかも、このとき、上記段差60により、これ
らノズルベーン44C,44C’のベーン先端と排気ガ
ス流路37の流路壁との間の間隙が拡大されるために、
間隙が拡大される部分(ベーン先端)における絞り効果
が更に弱められることとなる。
【0048】図7に、ノズルベーン44の開度と、排気
ガス流路37を通過する排気ガスの流量及び流速との関
係の一例を示す。なお、図7(a)はノズルベーン44
の開度と排気ガス流路37を通過する排気ガスの流量と
の関係を示し、図7(b)はノズルベーン44の開度と
排気ガス流路37を通過する排気ガスの流速との関係を
示している。
【0049】以下、この図7を参照して、排気ガス流路
37の異常時において流路面積の制限が緩和されること
による、同流路37を通過する排気ガス流速の低下態様
を説明する。
【0050】排気ガス流路37の異常によってその流路
面積が小さくなったときには、流路面積が確保されてい
るとき(同図7中の実線部)と比較して、同流路37内
を通過する排気ガスの流量が低下するとともに、この流
量の低下に伴ってその流速が上昇する(同図7中の一点
鎖線部)。
【0051】こうした排気ガスの流速の上昇に伴って過
給圧が上昇する場合であっても、上記ノズルベーン44
の開度を適合上限開度WLを超えて大きくすることで、
排気ガスの流量が増大するとともに、この流量の増大に
伴ってその流速が下降するようになる。そして、排気ガ
スの流速の下降に伴って過給圧が低下し、その結果、過
給圧の過剰な上昇が抑制されるようになる。
【0052】以上説明したように、本実施の形態によれ
ば、以下に記載する効果が得られるようになる。 (1)排気ガス流路37の流路面積が小さくなったとき
に、ノズルベーン44が最大開度側に制御される所定の
条件下において、その流路面積が強制拡大される構成に
した。このため、同排気ガス流路37の異常時に、ノズ
ルベーン44の開度の増大に伴う流路面積の拡大に加え
て、同流路面積を更に強制拡大することができるように
なる。従って、排気ガス流路37の経時変化によってそ
の流路面積が小さくなる場合であれ、これに伴う過給圧
の過剰な上昇を的確に抑制することができるようにな
る。
【0053】(2)また、こうした排気ガス流路37の
流路面積の強制拡大が、上記所定の条件下においてのみ
行われるために、通常の過給圧制御領域でその効率が低
下することがない。
【0054】(3)ノズルベーン44が最大開度側に制
御される所定の条件下において、同ノズルベーン44の
ベーン先端と排気ガス流路37の流路壁との間隙を強制
拡大する段差60を形成した。このため、間隙が拡大さ
れる部分(ベーン先端)における絞り効果を弱めること
ができ、その結果、排気ガス流路37の流路面積を強制
拡大することができる。従って、排気ガス流路37の流
路面積の強制拡大を、段差60を設けるといった簡素な
構造をもって容易に実現することができるようになる。
【0055】(4)また、こうした段差60を、排気ガ
ス流路37の流路壁のうちタービンホイール21のシュ
ラウド部21b側に形成するようにしたために、その加
工、並びに同流路37の流路面積の強制拡大の実現が容
易となる。
【0056】(5)所定の条件下に対応するノズルベー
ン44の開度を、その開度制御における適合上限開度W
Lを超える開度に設定するようにした。このため、同開
度制御における通常の制御領域において、上記段差60
を設けたことに起因するターボチャージャ20の効率の
低下を防止することができる。しかも、排気ガス流路3
7の異常時には、ノズルベーン44の開度を適合上限開
度WLを超える上記開度にまで操作することで、排気ガ
ス流路37の流路面積を強制拡大することができる。従
って、通常の制御領域での効率低下を的確に防止した上
で、流路面積の縮小に起因する過給圧の過剰な上昇を速
やかに抑制することができるようになる。
【0057】(6)また、適合上限開度WLを、ベーン
先端が上記段差60が形成されている部分と形成されて
いない部分との境界に位置する開度に設定するようにし
た。このため、ノズルベーン44の適合上限開度WLを
境とした通常のノズルベーン44の開度制御と、上記段
差60に基づく排気ガス流路37の流路面積の強制拡大
との切り替えをより的確に行うことができるようにな
る。
【0058】なお、上記実施の形態は、以下のように変
更して実施することもできる。 ・上記実施の形態では、段差60を排気ガス流路37と
タービンホイール21のシュラウド部21bとの境界に
形成するようにしたが、ノズルベーン44のベーン先端
における絞り効果を弱めることのできる部分であれば、
どのような部分に形成するようにしてもよい。
【0059】・上記実施の形態では、ノズルベーン44
の開度制御において、通常の制御領域であるときにおけ
る適合上限開度WLを、ベーン先端が上記段差60が形
成されている部分と形成されていない部分との境界にあ
たる位置に設定するようにしたが、この適合上限開度
は、ベーン先端が同境界を超えない開度であれば、どの
ような位置に設定するようにしてもよい。
【0060】・上記実施の形態では、排気ガス流路37
の通路面積を拡大する段差60を形成し、同段差60に
より、ベーン先端と排気ガス流路37の流路壁との間隙
を大きくすることで、当該流路面積を強制拡大するよう
にしたが、この強制拡大するための構造は任意である。
他に例えば、排気ガス流路37の流路面積を拡大可能な
ようにその流路壁を操作可能な構造とし、同流路壁の操
作によってベーン先端と流路壁との間隙を大きくするよ
うにしてもよい。こうした構成によっても、構造が複雑
になるとはいえ、上記実施の形態と同様の作用効果を奏
することはできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ターボチャージャとエンジンとの関係を示す概
略構成図。
【図2】本発明にかかる可変容量型ターボチャージャに
ついてその一実施の形態の断面構造を示す断面図。
【図3】同ターボチャージャにおけるノズルベーンを開
閉動作させるための可変ノズル機構を示す断面図及び正
面図。
【図4】ノズルベーンの開度と過給圧との関係を示すグ
ラフ。
【図5】図2のA部を拡大して示す拡大図。
【図6】ノズルベーンと段差との位置関係を模式的に示
す略図。
【図7】ノズルベーンの開度と排気ガス流量及び排気ガ
ス流速との関係を示すグラフ。
【符号の説明】
10…エンジン、11…排気通路、12…吸気通路、1
3…スロットルバルブ、14…圧力センサ、15…エン
ジン回転速度センサ、16…燃焼室、20…ターボチャ
ージャ、21…タービンホイール、21a…羽根、22
…コンプレッサインペラ、22a…羽根、23…ロータ
シャフト、31…センタハウジング、32…コンプレッ
サハウジング、32a…吸気入口、33…タービンハウ
ジング、33a…排気出口、34…コンプレッサ通路、
35…送出通路、36…スクロール通路、37…排気ガ
ス流路、41…可変ノズル機構、42…ノズルバックプ
レート、43…軸、44、44B,44B’,44C,
44C’…ノズルベーン、45…開閉レバー、45a…
挟持部、46…リングプレート、47…ピン、51…駆
動機構、52…ピン、53…支軸、54…駆動レバー、
55…操作片、56…アクチュエータ、60…段差。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンの排気ガスが吹き付けられること
    で回転するタービンホイールと、このタービンホイール
    と一体に回転して同エンジンの燃焼室に送り込まれる空
    気を過給するコンプレッサインペラと、前記タービンホ
    イールに吹き付けられる排気ガスの流路の流路面積を可
    変とすべく開閉されるノズルベーンとを備え、該ノズル
    ベーンの開度制御に基づいて前記コンプレッサインペラ
    による過給圧が調圧される可変容量型ターボチャージャ
    において、 前記ノズルベーンの最大開度側の所定開度で前記排気ガ
    スの流路を強制拡大する流路拡大手段を備えることを特
    徴とする可変容量型ターボチャージャ。
  2. 【請求項2】前記流路拡大手段は、前記ノズルベーンが
    前記所定開度に制御されるときにそのベーン先端と前記
    排気ガスの流路壁との間の間隙を拡大すべく同流路壁に
    設けられた段差である請求項1記載の可変容量型ターボ
    チャージャ。
  3. 【請求項3】前記段差の設けられる流路壁が、前記ター
    ビンホイールのシュラウド部である請求項2記載の可変
    容量型ターボチャージャ。
  4. 【請求項4】前記ノズルベーンの前記所定開度が、前記
    コンプレッサインペラによる過給圧を調圧するためのノ
    ズルベーン開度制御における適合上限開度を超える開度
    である請求項2または3記載の可変容量型ターボチャー
    ジャ。
  5. 【請求項5】前記段差が、前記ノズルベーン開度制御に
    おける適合上限開度に対応する位置を境に設けられてな
    る請求項4記載の可変容量型ターボチャージャ。
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