JP2002301859A - インクジェット記録用シート - Google Patents

インクジェット記録用シート

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JP2002301859A
JP2002301859A JP2001106288A JP2001106288A JP2002301859A JP 2002301859 A JP2002301859 A JP 2002301859A JP 2001106288 A JP2001106288 A JP 2001106288A JP 2001106288 A JP2001106288 A JP 2001106288A JP 2002301859 A JP2002301859 A JP 2002301859A
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ink
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JP2001106288A
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Hiroshi Ito
弘 伊藤
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Oji Paper Co Ltd
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  • Ink Jet (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像の印字濃度およびインクの吸収性が優
れ、長期保存中の紫外線および環境ガス中に微量に含ま
れるオゾンガスの影響によるインク画像の褪色防止効
果、および受容層の層内結合力の高いインクジェット記
録用シートの提供。 【解決手段】 支持体上に、少なくとも1層以上のイン
ク受容層を設けたインクジェット記録用シートにおい
て、前記インク受容層のうち少なくとも1層が、エチレ
ン性不飽和基を有する親水性又は水溶性モノマ−と、必
要により2個以上のエチレン性不飽和基を有する親水性
モノマー、1個以上のエチレン性不飽和基を有する難水
溶性モノマー、1個以上のエチレン性不飽和基を有し、
無機顔料と共存結合により結合するモノマー、及び/又
は1個以上のエチレン性不飽和基と4級アンモニウム基
を有するモノマーを重合して得られた親水性重合体で表
面被覆された少なくとも1種の無機顔料粒子と、カチオ
ン性樹脂とを含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性インクを用い
て記録画像を形成するインクジェット記録用シートに関
するものである。更に詳しく述べるならば、本発明は、
水性インクを吸収し、インク中の染料を定着させるイン
ク受容層中に、成分として無機顔料を含むインク受容層
を有するインクジェット記録用シート上に、フルカラー
で印字された場合に、画像の印字濃度およびインク吸収
性において優れているという特徴を維持しつつ、無機顔
料含有インク受容層を有するインクジェット記録用シー
トの欠点として、長期保存中の変色問題を解決又は少く
したインクジェット記録用シート、及びインク受容層の
層内結合強度が弱いという問題を解決した、又は少くし
たインクジェット記録用シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】水性インクを微細吐出口を有するノズル
からインクジェット記録用シートに噴出して画像を形成
させるインクジェット記録方式は、記録時の騒音が少な
く、カラー化が容易であること、高速記録が可能である
こと、また、他の印刷装置より安価であること等の利点
により端末用プリンタ、ファクシミリ、プロッタ、ある
いは帳票印刷などで広く利用されている。一方、プリン
タの急速な普及や高精細・高速化、さらにはデジタルカ
メラの登場により、インクジェット記録用シート側にも
高度な特性が要望されるようになった。すなわち、長期
保存で変色がなく、且つ、インク受容層の層内結合強度
が良好であって、銀塩方式の写真に匹敵するインクジェ
ット記録用シートの実現が強く求められている。
【0003】このような要求に答えるため、支持体上
に、顔料および接着剤を主体とするインク受容層を設け
たインクジェット記録用シートに関する提案が多数なさ
れてきた。例えば、非晶質シリカおよび高分子バインダ
ーからなるインク受容層(特開昭55−51583号公
報、特開昭57−157786号公報、同62−158
084号公報)、微粉ケイ酸および水溶性樹脂からなる
インク受容層(特開昭56−148583号公報)、及
び多孔質のカチオン性アルミナ水和物を有するインク受
容層(特開昭60−232990号公報)等を支持体上
に設ける方法が提案されている。
【0004】さらに、印字の保存性改善の観点から、リ
ンタングステン酸、リンモリブデン酸、塩化第二クロム
等の金属酸化物、金属塩化物またはタンニン酸のうちの
少なくとも一種をインク受容層中に添加する方法(特開
昭57−87987号公報)、ヒンダードフェノール類
等の酸化防止剤をインク受容層中に添加する方法(特開
昭57−74192号公報)、ヒンダードアミン類をイ
ンク受容層中に添加する方法(特開昭61−14659
1号公報)、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系
やフェニルサリチル酸系等の紫外線吸収剤をインク受容
層中に添加する方法(特開昭57−74193号公報、
特開昭57−87988号公報、特開昭63−2228
85号公報)等が提案されている。
【0005】しかしながら、これらの提案された技術を
用いて得られたフルカラーインクジェット記録用シート
上形成された画像は、長期保存中での紫外線の影響、お
よび環境中の微量ガスの中で、特にオゾンガスの影響に
よる印字部の色濃度低下に対して、若干効果はあるけれ
ども、未だ不十分でり、さらに、これら添加物を添加す
ることによる印字部の色相変化が激しいため実用に適し
ないものがあり、或いは白紙部が黄変するなどの問題点
があるために実用に適しないものも多い。
【0006】また、インク吸収量、印字部の色濃度・色
相等他の性能に悪影響なく、単一の手段によって、紫外
線の影響、および環境中の微量ガスの中で特にオゾンガ
スの影響を同時に少くする方法・手段はなかった。
【0007】また、インクジェット記録用シートのイン
ク受容層上に、フルカラーで印字された場合に、画像の
印字濃度およびインクの吸収性において優れているとい
う特徴を維持するために、無機顔料が高い配合率で配合
されている。しかし、無機顔料の配合率が高いと、必然
的にインク受容層の層内成分の結合力が弱くなり、市販
のセロテ−プ(登録商標)等の粘着面がインク受容層に
触れると、前記インク受容層と支持体層との層間で、或
は前記インク受容層内において、容易に破壊され、文字
・画像等の印字記録が消失する問題がある。そこで、イ
ンク受容層中の無機顔料の含有量を少なくし、無機顔料
粒子を接着結合させるポリビニルアルコ−ル等の接着剤
配合量を高めると、前記インク受容層の層内結合力は改
善されるが、無機顔料粒子内の微細な空隙の大部分が、
接着剤で充填される結果となり、フルカラーで印字され
た場合に、画像の印字濃度およびインクの吸収性が、著
しく低下するなどの欠点が生じる。従って、インクの吸
収性が優れ、且つインク受容層の層内結合力が強く、耐
擦傷性に優れるインクジェット記録用シートを得ること
は困難であった。
【0008】前記インクの吸収性が優れ、且つインク受
容層の層内結合力が強く、耐擦傷性に優れるインクジェ
ット記録用シートを得る手段が、特開平11−5894
2号公報および特開2000−343810号公報に開
示されている。
【0009】特開平11−58942号公報に開示され
ている手段は、無機顔料とカチオン性樹脂との混合物か
らインク受容層を得る通常行われる手段とは異なり、無
機顔料粒子の表面でカチオン性モノマ−を共重合して得
られるカチオン性樹脂で被覆した無機顔料から成るイン
ク受容層で改善するものである。同手段によれば、イン
クの吸収性を損なわずにインク受容層の層内結合力を改
善できる可能性を有すると考えられるが、無機顔料の表
面に、カチオン性樹脂が密接しており、且つ、同カチオ
ン性樹脂にアニオン性染料がイオン結合によって定着さ
れるため、結果的に表面活性が高い無機顔料の表面に、
アニオン性染料が密接することになり、紫外線の影響、
および環境中の微量ガスの中で、特に、オゾンガスの影
響による印字部の色濃度低下の発生が促進されてしまう
という問題点がある。
【0010】特開2000−343810号公報に開示
されている手段は、無機顔料粒子の分散液中で、エチレ
ン性不飽和基を有するモノマ−を乳化重合して、エチレ
ン性不飽和基を有するモノマ−の重合体の粒子の表面
に、無機顔料粒子が結合している複合粒子を用いて、イ
ンク受容層の前記問題点を解決するものである。この手
段によれば、インクの吸収性およびインク受容層の層内
結合力を改善できる可能性を有すると考えられるが、こ
の場合、エチレン性不飽和基を有するモノマ−の重合体
の粒子表面に、無機顔料粒子が乳化重合によって保護コ
ロイド的に付着している構造になっている。そのため、
無機顔料粒子の表面は、前記エチレン性不飽和基を有す
るモノマ−の重合粒子に接触している部分のみにおい
て、エチレン性不飽和基を有するモノマ−の重合体粒子
により被覆されているが、そうでない大部分の無機顔料
粒子の表面は、被覆されない。そのため、表面活性が高
い無機顔料の表面に、アニオン性染料が直接密接するこ
とになり、紫外線の影響、および環境中の微量ガスの中
で、特に、オゾンガスの影響による印字部の色濃度低下
を起こし易くなるおそれがある。
【0011】フルカラー化に対応したインクジェット記
録用シートは、モノカラ−に対応したインクジェット記
録用シート比較して、インク受容量が多くなるため、空
隙率の高いシリカ及び酸化アルミニウム等の無機顔料を
インク受容層中に配合し、インク吸収性に富むように工
夫され市販されている。しかし、種々検討した結果、高
いインク吸収容量を有する前記シリカ及び酸化アルミニ
ウム等の無機顔料は、記録したインク画像の耐オゾン性
及び耐光性に悪い影響を及ぼし、印字後のインクジェッ
ト記録用シートを室内或いは太陽光下に置いておくと、
微量なオゾンガス及び紫外線によって印字部の色濃度
が、著しく低下してしまう現象を誘発していることを見
出した。
【0012】この現象の発生機構については未だ明確な
解明はなされていないが、前記現象は、比表面積の大き
いシリカ及び酸化アルミニウム等の無機顔料の表面に、
インク中の染料が吸着し、紫外線或いはオゾンガスの存
在下で、無機顔料表面構造が、吸着された染料に、何ら
かの触媒作用をおよぼし染料を分解するものと考えられ
る。この現象を回避する手段として、前記無機顔料をイ
ンク受容層に添加しない方法も考えられるが、インクジ
ェット記録用シートのインク受容層のインク吸収能力が
著しく低下し、印字部画像の解像性低下、及び受容層表
面にインクが溢れる等の問題を生じ実用的ではない。無
機顔料の替わりに、有機顔料を使用したインク受容層も
考えられるが、有機顔料は無機顔料に比較して、インク
吸収能力がかなり劣り、印字部画像の解像性低下、及び
インク受容層表面にインクが溢れる等の問題を生じ、や
はり実用的ではない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、イン
クを吸収しインク中の染料を定着させるインク受容層中
に、無機顔料を少なくとも成分として成るインク受容層
を有するインクジェット記録用シート上に、フルカラー
で印字された場合に、画像の印字濃度およびインクの吸
収性が優れるという特徴を維持しつつ、無機顔料を少な
くとも成分として成るインク受容層を有するインクジェ
ット記録用シートの欠点であった長期保存での紫外線の
影響、特に染料中のマゼンタの褪色、および環境中の微
量ガスの中で、特に、オゾンガスの影響による印字部の
色濃度低下、特に染料中のシアンの褪色、および受容層
の層内結合力の弱さを、一種の手段によって同時に改善
したインクジェット記録用シートを提供することであ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するものである。即ち本発明のインクジェット記録
用シートは、支持体と、この支持体の少なくとも1面上
に形成され、かつインクジェット用水性インクによる画
像を記録できる少なくとも1層のインク受容層とを有
し、前記インク受容層の少なくとも1層が、1種以上の
無機顔料とカチオン性樹脂とを含み、かつ前記無機顔料
の粒子の表面が、エチレン性不飽和基を有する1種以上
のモノマーを重合して得られ、かつ下記一般式(I)〜
(III):
【化2】 〔但し、式(I)において、X1は1個のエチレン性不
飽和基を有する少なくとも1種の親水性又は水溶性モノ
マーに由来する繰返し重合単位を表し、X2は2個以上
のエチレン性不飽和基を有する少なくとも1種の親水性
又は水溶性モノマーに由来する繰返し重合体単位を表
し、y1及びy2はそれぞれ前記単位X1及びX2のモル含
有率を表し、y1は0〜99.9モル%を表し、y2
0.1〜100モル%を表し、y1+y2は100モル%
であり、式(II)において、X1aは1個のエチレン性不
飽和基を有する少なくとも1種の親水性又は水溶性モノ
マーに由来する繰返し重合単位を表し、X2aは2個以上
のエチレン性不飽和基を有する少なくとも1種の親水性
又は水溶性モノマーに由来する繰返し重合単位を表し、
3aは1個以上のエチレン性不飽和基を有する水に難溶
性であるモノマーに由来する繰返し重合単位を表し、X
4aは1個以上のエチレン性不飽和基を有し、前記無機顔
料と反応して共有結合を形成するモノマーに由来する繰
返し重合単位を表し、y1a〜y4aはそれぞれ前記単位X
1a〜X4aのモル含有率を表し、y1aは0〜99.9モル
%を表し、y2aは0.1〜100モル%を表し、y
3aは、0〜20モル%を表し、y4aは0〜20モル%を
表し、y 2a+y4aは0.1〜100%であり、y3a+y
4aは0.1〜35モル%であり、y1a+y2a+y3a+y
4aは100モル%であり、式(III)において、X1b
1個のエチレン性不飽和基を有する少なくとも1種の親
水性又は水溶性モノマーに由来する繰返し重合単位を表
し、X2bは2個以上のエチレン性不飽和基を有する少な
くとも1種の親水性又は水溶性モノマーに由来する繰返
し重合単位を表し、X3bは、1個以上のエチレン性不飽
和基を有し、水に難溶性のモノマーに由来する繰返し重
合単位を表し、X4bは、1個以上のエチレン性不飽和基
を有し、前記無機顔料と反応して共有結合を形成するモ
ノマーに由来する繰返し重合単位を表し、X5bは、1個
以上の第4級アンモニウム基及び1個以上のエチレン性
不飽和基とを有するモノマーに由来する繰返し重合単位
を表し、y1b〜y5bはそれぞれ前記単位X1b〜X5bのモ
ル含有率を表し、y1bは0〜99.8モル%を表し、y
2bは0〜99.9%モル%を表し、y3bは0〜20モル
%を表し、y4bは0〜20モル%を表し、y5bは0.1
モル%以上但し10モル%未満を表し、y2a+y4b
0.1〜99.9モル%でありy3b+y4bは0〜35モ
ル%であり、y1b+y2b+y3b+y4b+y5bは100モ
ル%であり、前記繰返し重合単位X1〜X5bの各々は、
互いに独立に、任意の順序においてランダム重合してい
てもよく、式はブロック重合していてもよい。〕により
表される少なくとも1種の親水性重合体を含む表面被覆
層により被覆されていること、を特徴とするものであ
る。
【0015】本発明のインクジェット記録用シートにお
いて、前記無機顔料粒子の前記親水性重合体表面被覆層
に対する重量比が、100/100〜100/1である
ことが好ましい。本発明のインクジェット記録用シート
において、前記無機顔料粒子の前記親水性重合体表面被
覆層に対する重量比が、100/50〜100/5であ
ることがより好ましい。本発明のインクジェット記録用
シートにおいて、前記無機顔料が、コロイダルシリカ、
非晶質シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、および
アルミナ水和物から成る群から選ばれた少なくとも一種
を含むことが好ましい。本発明のインクジェット記録用
シートにおいて、前記カチオン性樹脂が、ポリジアリル
アミン塩酸塩、ジアリルアミン塩酸塩・アクリルアミド
共重合物、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライ
ド、およびジアリルジメチルアンモニウムクロライド・
アクリルアミド共重合物から成る群から選ばれた少なく
とも一種を含むことが好ましい。本発明のインクジェッ
ト記録用シートにおいて、前記親水性重合体表面被覆層
により表面被覆された無機顔料100重量部に対して、
前記カチオン性樹脂が、1〜100重量部含有されるこ
とが好ましい。本発明のインクジェット記録用シートに
おいて、前記親水性重合体表面被覆層により表面被覆さ
れた無機顔料100重量部に対して、前記カチオン性樹
脂が、5〜50重量部含有されることがより好ましい。
本発明のインクジェット記録用シートにおいて、前記式
(I)においてX1により表される単位を形成するモノ
マー、前記式(II)においてX1aにより表される単位を
形成するモノマー、及び前記式(III)において、X1b
により表される単位を形成するモノマーが、それぞれ、
互いに独立に、(メタ)アクリルアミド、アクリロイル
モルホリン、(メタ)アクリル酸アンモニウム、メトキ
シポリエチレングリコ−ル(メタ)アクリレ−ト等の
(メタ)アクリルモノマ−、および1,2,2,6,6
−ペンタメチル−4−ピペリジル(メタ)アクリレ−ト
塩酸塩などの光安定化剤型モノマ−から成る群から選ば
れることが好ましい。本発明のインクジェット記録用シ
ートにおいて、前記式(I)においてX2により表され
る単位を形成するモノマー、前記式(II)において、X
2aにより表される単位を形成するモノマー、及び前記式
(III)において、X2bにより表される単位を形成する
モノマーがそれぞれ、互いに独立に、ポリエチレングリ
コ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、およびメチレンビスア
クリルアミドから成る群から選ばれることが好ましい。
本発明のインクジェット記録用シートにおいて、前記式
(II)においてX3aにより表される単位を形成するモノ
マー及び前記式(III)において、X3bにより表される
単位を形成するモノマーが、それぞれ互いに独立に、2
−(2’−ヒドロキシ−5’−(メタ)アクリルオキシ
エチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾ−ル、1,
2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル(メ
タ)アクリレ−ト、および2,2,6,6−ペンタメチ
ル−4−ピペリジル(メタ)アクリレ−トから成る群か
ら選ばれることが好ましい。本発明のインクジェット記
録用シートにおいて、前記式(II)においてX4aにより
表される単位を形成するモノマー、及び式(III)にお
いてX4bにより表される単位を形成するモノマーがそれ
ぞれ互いに独立に、ビニルトリメトキシシラン、ビニル
トリエトキシシラン、およびγ−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシランから成る群から選ばれることが好
ましい。本発明のインクジェット記録用シートにおい
て、前記式(III)において、X5 bにより表される単位
を形成するモノマーが、N,N−ジメチルアミノエチル
アクリレートの4級アンモニウム塩、およびN,N−ジ
メチルアミノプロピルアクリルアミドの4級アンモニウ
ム塩から成る群から選ばれたることが好ましい。本発明
のインクジェット記録用シートにおいて、前記の支持体
の前記インク受容層が設けられていない面上に、合成樹
脂層、粘着樹脂層、および剥離紙層が順次に積層されて
いてもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明において、上記の課題を解
決するために、鋭意検討を重ねた結果、前記シリカ及び
酸化アルミニウム等の無機顔料粒子の分散液中で、エチ
レン性不飽和基を少なくとも2個有する水溶性または親
水性モノマ−を含む1種以上のモノマ−を溶液重合ある
いは溶液共重合し、それによって得られる三次元架橋し
た親水性重合体により無機顔料粒子の表面を被覆し、得
られた表面被覆層を有する無機顔料粒子を、インクジェ
ット記録用シートのインク受容層の成分とすることによ
り、インクジェット記録されたインク画像の耐光性およ
び耐オゾン性が同時に向上することが見出された。
【0017】更に、前記親水性重合体は無機顔料の個々
の粒子を、1粒子毎に包んで表面被覆している形態を形
成しているが、前記親水性重合体自体が親水性を有し、
水系溶媒から成るインク溶媒が、無機顔料粒子中に拡散
浸透することを妨げることがない為、インク吸収性の低
下もないことも見出された。上記のような親水性重合体
による表面被覆によってインク画像の耐光性および耐オ
ゾン性が改善されるメカニズムに十分には明確になって
はいないが、以下に記載するメカニズムによるものと考
えられる。親水性重合体によって表面被覆された無機顔
料粒子を成分として含有するインク受容層において、イ
ンク中の水系溶媒は、前記親水性重合体を通過して無機
顔料粒子の空隙内に入り、インク中の染料であるアニオ
ン系染料は、無機顔料を被覆している親水性重合体の膜
外に存在するカチオン性樹脂に定着する。結果として、
インク中の染料は親水性重合体表面被覆膜により触媒作
用等の反応性を有する無機顔料粒子の表面から隔離さ
れ、従ってインク画像の耐光性および耐オゾン性が改善
されるものと考えられる。
【0018】本発明のインクジェット記録用シートは、
前記効果に加えて、インク受容層中の無機顔料粒子表面
が、親水性重合体で被覆されているため、顔料インク中
の有色顔料に対する親和性が高く、このため有色顔料の
定着性が向上し、印字濃度が高くなるという優れた効果
をも有する。また、本発明のインクジェット記録用シー
トは、インク受容層中の無機顔料粒子表面が、親水性重
合体で被覆されているため、通常添加されるポリビニル
アルコ−ル等の接着剤による無機顔料粒子の結合力が増
強され、さらに、インク受容層中で互いに隣り合う無機
顔料粒子同志が、被覆親水性重合体表面被覆層を介して
結合する結合力も作用するため、インク受容層の層内結
合力が一層強くなり、耐擦傷性が向上するという効果を
も有する。
【0019】水性インクを用いて記録画像を形成するイ
ンクジェット記録用シートにおいて、インクジェット記
録用シートのインク受容層中に含まれる無機顔料粒子の
表面を、一般式(I)、(II)、および(III)で表さ
れる少なくとも1種の親水性重合体で被覆することによ
り、無機顔料粒子含有インク受容層の、画像の印字濃度
およびインクの吸収性が優れているという特徴を維持し
つつ、無機顔料粒子含有インク受容層の欠点であった長
期保存中に紫外線の影響によるインク染料画像の、特に
染料中のマゼンタの褪色、および環境中の微量ガスによ
る、特にオゾンガスによるインク画像の色濃度の低下、
特に染料中のシアンの褪色、およびインク受容層の層内
結合力の弱さなどを、一挙に同時に解決することができ
る。
【0020】一般式(I)、(II)、及び(III)にお
いて、X1,X1a及びX1b基を形成する、エチレン性不
飽和基を一個有し、親水性または水溶性であるモノマ−
は、それぞれ、他から独立に、(メタ)アクリルアミ
ド、(メタ)アクリル酸、アクリロイルモルホリン、
(メタ)アクリル酸アンモニウムおよび(メタ)アクリ
ル酸ナトリウム等の塩類、メトキシポリエチレングリコ
−ル(メタ)アクリレ−ト、エトキシポリエチレングリ
コ−ル(メタ)アクリレ−ト、フェノキシポリエチレン
グリコ−ル(メタ)アクリレ−ト等の(メタ)アクリル
系モノマ−類、N,N−ジアルキル(メタ)アクリルア
ミド塩酸塩および燐酸塩等の塩類、N,N−ジアルキル
アミノアルキル(メタ)アクリレイト塩酸塩および燐酸
塩等の塩類、N,N−ジアルキルアミノアルキル(メ
タ)アクリルアミド塩酸塩および燐酸塩等の第3級アミ
ン塩のモノマ−類、1,2,2,6,6−ペンタメチル
−4−ピペリジル(メタ)アクリレ−ト塩酸塩および燐
酸塩等の塩類、2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピ
ペリジル(メタ)アクリレ−ト塩酸塩および燐酸塩等の
光安定化剤型モノマ−類から選ばれることが好ましい。
単位X1,X1a及びX1b形成用モノマーの親水性又は水
溶性発現基は、カルボン酸基、アクリロイル基、カルボ
ン酸塩基、アルキレングリコール基、及びアクリルアミ
ド基などを包含する。上記例示したエチレン性不飽和基
を有するHALS等の光安定化剤型モノマ−由来の繰返
し重合単位を、前記一般式(I),(II)又は(III)
で表される親水性重合体の構成繰返し重合単位として組
み込むことにより、長期保存中での紫外線の影響、およ
び環境中の微量ガスの中で、特に、オゾンガスの影響に
よるインク画像の色濃度低下に対して、その防止効果を
更に増強すことができる。
【0021】X1,X1a,X1bにより表される繰返し重
合単位を形成するための、より好ましいモノマ−とし
て、(メタ)アクリルアミド、アクリロイルモルホリ
ン、(メタ)アクリル酸アンモニウムおよび(メタ)ア
クリル酸ナトリウム等の塩類、メトキシポリエチレング
リコ−ル(メタ)アクリレ−ト、エトキシポリエチレン
グリコ−ル(メタ)アクリレ−ト等の(メタ)アクリル
系モノマ−類、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4
−ピペリジル(メタ)アクリレ−ト塩酸塩および燐酸塩
等の塩類、2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリ
ジル(メタ)アクリレ−ト塩酸塩および燐酸塩等の光安
定化剤型モノマ−類等を挙げることができる。
【0022】X1,X1a,X1bで表される繰返し重合単
位を形成するための、さらにより好ましいモノマ−とし
て、(メタ)アクリルアミド、アクリロイルモルホリ
ン、(メタ)アクリル酸アンモニウム、メトキシポリエ
チレングリコ−ル(メタ)アクリレ−ト等の(メタ)ア
クリル系モノマ−類、1,2,2,6,6−ペンタメチ
ル−4−ピペリジル(メタ)アクリレ−ト塩酸塩の光安
定化剤型モノマ−等を挙げることができる。前記
(X1)で表されるモノマーは、1種でもよく2種以上
あってもよく、前記モノマ−群から好ましく選ぶことが
できる。
【0023】X2,X2a及びX2bにより表される繰返し
重合単位を形成するための、エチレン性不飽和基を少な
くとも二個有する、親水性或いは水溶性モノマ−は、そ
れぞれ他から独立にポリエチレングリコ−ルジ(メタ)
アクリレ−ト、およびメチレンビスアクリルアミド等か
ら選ばれることが好ましい。単位X2,X2a,X2b形成
用モノマーの親水性又は水溶性を発現する基は、前記X
1,X1a,X1b形成用モノマーの親水性又は水溶性発現
基と同一の群から選ぶことができる。前記X2,X2a
2bで表される単位は、それぞれ式(I),(II),及
び(III)の親水性重合体の各々に1種のみ含まれてい
てもよく2種以上含まれていてもよい。
【0024】X3a, X3bにより、表される繰返し重合単
位を形成するためのエチレン性不飽和基を有し、水に難
溶性であるモノマ−は、それぞれ、他から独立に、メチ
ル(メタ)アクリレ−ト、エチル(メタ)アクリレ−
ト、n−ブチル(メタ)アクリレ−ト、2−エチルヘキ
シル(メタ)アクリレ−ト、スチレン、酢酸ビニル、ア
クリロニトリル、N,N−ジメチル(メタ)アクリルア
ミド、N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アク
リレイト、N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)
アクリルアミド、2−(2’−ヒドロキシ−5’−(メ
タ)アクリルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾト
リアゾ−ル、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−
ピペリジル(メタ)アクリレ−ト、2,2,6,6−ペ
ンタメチル−4−ピペリジ(メタ)アクリレ−ト等から
選ばれることが好ましい。上記例示したエチレン性不飽
和基を有する紫外線吸収剤型モノマ−およびHALS等
の光安定化剤型モノマ−を前記一般式(II)又は(II
I)で表される親水性重合体の構成単位形成のために用
いることにより、長期保存中での紫外線の影響、および
環境中の微量ガスの中で特にオゾンガスの影響によるイ
ンク画像の色濃度低下に対して防止効果を更に増すこと
ができる。
【0025】X3a, X3bにより表される繰返し重合単位
を形成するためのモノマ−として、メチル(メタ)アク
リレ−ト、エチル(メタ)アクリレ−ト、スチレン、酢
酸ビニル、アクリロニトリル、N,N−ジメチル(メ
タ)アクリルアミド、2−(2’−ヒドロキシ−5’−
(メタ)アクリルオキシエチルフェニル)−2H−ベン
ゾトリアゾ−ル、1,2,2,6,6−ペンタメチル−
4−ピペリジル(メタ)アクリレ−ト、2,2,6,6
−ペンタメチル−4−ピペリジル(メタ)アクリレ−ト
等を用いることがより好ましい。
【0026】X3a, X3bで表される繰返し重合単位を形
成するためのエチレン性不飽和基を有し、水に難溶性な
より好ましいモノマ−として、2−(2’−ヒドロキシ
−5’−(メタ)アクリルオキシエチルフェニル)−2
H−ベンゾトリアゾ−ル、1,2,2,6,6−ペンタ
メチル−4−ピペリジル(メタ)アクリレ−ト、2,
2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル(メタ)ア
クリレ−ト等が用いられる。前記X3a, X3bで表される
繰返し重合単位は、それぞれ、式(II)及び(III)の親
水性重合体中に、それぞれ1種のみ含まれていてもよ
く、或は2種以上含まれていてもよい。
【0027】X4a, X4bで表される繰返し重合単位を形
成するための、エチレン性不飽和基を少なくとも一個有
し、無機微細顔料と共有結合を形成し得るモノマ−は、
それぞれ他から独立に、ビニルトリメトキシシラン、ビ
ニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシ
エトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン、ビニルトリクロルシシラン、ビニルトリ
ス(β−メトキシ)シラン、ビニルトリアセトキシシラ
ン、およびγ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキ
シシラン、等から選ばれることが好ましい。
【0028】X4a, X4bで表される繰返し重合単位を形
成するためのエチレン性不飽和基を少なくとも一個有
し、無機微細顔料と共有結合を形成し得るモノマ−は、
より好ましくは、ビニルトリメトキシシラン、ビニルト
リエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン等から選ばれる。前記X4a, X4bにより表
される繰返し重合単位形成用のエチレン性不飽和基を少
なくとも一個有し、無機微細顔料と共有結合を形成し得
るモノマーは、それぞれ、他から独立に、式(II)及び
(III)の親水性重合体中に1種のみ含まれていてもよ
く、2種以上含まれていてもよい。
【0029】X5bで表される繰返し重合単位形成用の、
第四級アンモニウム基とエチレン性不飽和基を有するモ
ノマ−は、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アク
リレイトの4級アンモニウム塩、N,N−ジメチルアミ
ノプロピル(メタ)アクリルアミドの4級アンモニウム
塩等から選ばれることが好ましく、これらは、式(II
I)の親水性重合体中に1種のみ含まれていてもよく或
は2種以上含まれていてもよい。
【0030】前記一般式(I)において、繰返し重合単
位X1の含有率y1は、全繰返し重合単位モル量に対し
て、0〜99.9モル%であり、繰返し重合単位X2
含有率y2は0.1〜100モル%である。前記一般式
(I)の親水性重合体において、単位X1の含有率y1
99.9モル%より大きいと、得られる前記一般式
(I)の親水性重合体の架橋度が不足し、無機顔料粒子
表面を十分に被覆できない。同じく、前記一般式(I)
において、単位X2の含有率y2が0.1モル%より小さ
いと、得られる前記一般式(I)の親水性重合体の架橋
度が不足し、無機顔料粒子表面を十分に被覆できない。
【0031】無機顔料粒子表面を十分に被覆するために
は、前記一般式(I)における親水性重合体の架橋度が
十分であることが必要であり、このためには単位X2
含有率y2が1.0モル%以上であることが、好まし
い。従って、前記一般式(I)において、より好ましい
単位X1の含有率y1、及び単位X2の含有率y2は、それ
ぞれ0〜99.0モル%、1〜100モル%である。但
し、y1,y2の合計は100モル%である。
【0032】前記一般式(II)において、繰返し重合単
位X1aの含有率y1aは0〜99.9モル%であり、繰返
し重合単位X2aの含有率y2aは0〜100モル%であ
り、繰返し重合単位X3aの含有率y3aは0〜20モル%
であり、繰返し重合単位X4aの含有率y4aは0〜20モ
ル%である。但し、y2a,y4aの合計は0.1〜100
モル%であり、y3a,y4aの合計は0.1〜35モル%
であり、およびy1a,y 2a,y3a,y4aの合計は100
モル%である。
【0033】前記一般式(II)の親水性重合体におい
て、単位X1aの含有率y1aが99.9モル%より大きい
と、得られる前記一般式(II)の親水性重合体の架橋度
が不足し、無機顔料粒子表面を十分に被覆できない。前
記単位X4a形成用モノマ−は、無機顔料と共有結合を形
成し得るモノマーであり、単位X4aを前記一般式(II)
の親水性重合体の共重合成分として含有させることによ
り、無機顔料粒子表面は式(II)の親水性重合体によ
り、容易に被覆されるようになる。
【0034】また、単位X4a形成用モノマ−は、無機顔
料と反応する基とエチレン性不飽和基を有するモノマ−
であるため、単位X2a形成用の、エチレン性不飽和基を
少なくとも二個有するモノマ−と同様に、架橋剤的に作
用する。そのため、前記一般式(II)において、単位X
2aの含有率y2aと、単位X4aの含有率y4aとの合計が
0.1モル%より小さいと、得られる前記一般式(II)
の親水性重合体の架橋度が不足し、無機顔料粒子表面を
十分に被覆することができない。
【0035】前記一般式(II)の親水性重合体におい
て、単位X3aの含有率y3aが20モル%より大きいと、
重合体形成用モノマー混合物中において、単位X3a形成
用モノマ−が乳化重合してしまって無機顔料粒子表面を
被覆できず、場合によってはモノマー混合物含有反応液
全体がゲル化することがある。無機顔料粒子表面を被覆
できた場合でも、無機顔料粒子表面を被覆している樹脂
の親水性が低いため、この樹脂で被覆された無機顔料粒
子の空隙内にはインク中の水系溶媒が入り込めず、この
ためインク受容層表面にインクが溢れる恐れがある。y
3aが20モル%以下になると、無機顔料粒子表面を被覆
している樹脂の親水性が高くなるため、前記樹脂を通し
てインク中の水系溶媒が無機顔料の空隙内に入り込める
ようになる。
【0036】同様に、前記一般式(II)において、単位
3aの含有率y3aと単位X4aの含有率y4aの合計が35
モル%より大きいと、前記一般式(II)の親水性重合体
の親水性が不十分になる結果、インク受容層のインク吸
収性が低下する。同様に前記一般式(II)において、単
位X4aの含有率y4aが20モル%より大きいと、前記一
般式(II)の親水性重合体の親水性が不十分になる結
果、インク受容層のインク吸収性が低下する。尚、単位
4aの含有率y4aが20モル%を超えても、無機顔料に
対する被覆性は向上しないため、20モル%を超える配
合は非経済的である。
【0037】前記一般式(II)の親水性重合体におい
て、無機顔料粒子表面をさらに良好に被覆するために、
および、単位X3a形成用モノマ−群から選ばれた紫外線
吸収剤型モノマ−あるいは光安定剤型モノマ−の効果を
よりもさらに効果を向上させるために、また前記親水性
重合体の親水性を増すために、より好ましいy1a
2a,y3a,y4aの値として、単位X1aの含有率y1a
0〜99モル%、単位X2aの含有率y2aは0〜100モ
ル%、単位X3aの含有率y3aは0〜20モル%、単位X
4aの含有率y4aは0〜20モル%である。但し、y2a
4aの合計は1〜100モル%、y3a,y4aの合計は1
〜35モル%、およびy1a,y2a,y3a,y4aの合計は
100モル%である。
【0038】前記一般式(II)の親水性重合体におい
て、無機顔料粒子表面をさらに良好に被覆するために、
および、単位X3a形成用モノマ−群から選ばれる紫外線
吸収剤型モノマ−、あるいは光安定剤型モノマ−の効果
をより一層向上させるために、また前記親水性重合体の
親水性を増すために、更により好ましいy1a,y2a,y
3a,y4aの値として、単位X1aの含有率y1は0〜97
モル%、単位X2aの含有率y2aは1〜98モル%、単位
3aの含有率y3aは1〜20モル%、単位X4aの含有率
4aは1〜20モル%である。但し、y2a,y4aの合計
は2〜99モル%、y3a,y4aの合計は2〜35モル
%、およびy1a,y2a,y3a,y4aの合計は100モル
%である。
【0039】前記一般式(III)の親水性重合体におい
て、繰返し重合単位X1bの含有率y1 bは0〜99.8モ
ル%、単位X2bの含有率y2bは0〜99.9モル%、単
位X3 bの含有率y3bは0〜20モル%、単位X4bの含有
率y4bは0〜20モル%、単位X5bの含有率y5bは0.
1モル%以上10モル%未満である。但し、y2b、y 4b
の合計は0.1〜99.9モル%、y3b、y4bの合計は
0〜35モル%、およびy1b、y2b、y3b、y4b及びy
5bの合計は100モル%である。
【0040】前記一般式(III)の親水性重合体におい
て、単位X5bの含有率y5bが、10モル%以上である
と、インク受容層全体に定着されるインク中のアニオン
性染料に対して、前記親水性重合体中に定着されるイン
ク中のアニオン性染料の割合が多くなり、紫外線および
オゾンガスの影響で、前記親水性重合体中に定着される
インク中のアニオン性染料が無機顔料の作用で、紫外線
の場合には、特にマゼンタ染料が褪色し、オゾンガスの
場合には、特にシアン染料が褪色する為、インク受容層
全体の印字濃度が、長期保存中に著しく低下するおそれ
がある。しかしそれが、10モル%未満になると、イン
ク受容層全体に定着されるインク中のアニオン性染料に
対して、前記親水性重合体中に定着されるインク中のア
ニオン性染料の割合が小さくなるためか、長期保存下に
おけるインク受容層全体の印字濃度低下は、かなり軽減
される。
【0041】前記一般式(III)で表される親水性重合
体中に、単位X5b形成するための、第四級アンモニウム
基とエチレン性不飽和基を有するモノマ−が共重合され
ると、式(III)の親水性重合体がカチオン性になり、
無機顔料粒子表面がアニオン性を示すシリカ系顔料等が
用いられている場合、その表面に前記親水性重合体が集
まり易くなり、無機顔料粒子表面を良好に被覆し易くな
る効果がある。そのため、前記一般式(III)で表され
る親水性重合体中に、単位X5b形成用の、第四級アンモ
ニウム基とエチレン性不飽和基を有するモノマ−が共重
合されると、長期保存下における印字濃度低下がみられ
るが、単位X5bの含有率y5bが10モル%未満である場
合には、単位X5bを含まない場合に比較して、印字濃度
低下は極めて僅かである。このため単位X5b形成用モノ
マ−を共重合することは、得られる親水性重合体による
無機顔料粒子表面の被覆を容易にするために有用な手段
である。そのため、前記一般式(III)で表される親水
性重合体中に占める単位X5 bの含有率y5bの好ましい値
は、1モル%以上10モル%未満である。
【0042】従って、前記一般式(III)の親水性重合
体において、無機顔料粒子表面をさらに良好に被覆する
ために、および、単位X3bのモノマ−群から選ばれる紫
外線吸収剤型モノマ−あるいは光安定剤型モノマ−の効
果をより一層向上させるために、また前記親水性重合体
の親水性を増すために、より好ましいy1b、y2b
3b、y4b、y5bの値として、単位X1bの含有率y1b
0〜97モル%、単位X2bの含有率y2bは0〜99モル
%、単位X3bの含有率y3bは0〜20モル%、単位X4b
の含有率y4bは0〜20モル%、単位X5bの含有率y5b
は1モル%以上10モル%未満である。但し、y2b、y
4bの合計は1〜99モル%、y3b、y4bの合計は1〜3
5モル%、およびy1b、y2b、y3b、y4b、y5bの合計
は100モル%である。
【0043】また、前記一般式(III)の親水性重合体
において、無機顔料粒子表面をさらに良好に被覆するた
めに、および、単位X3b形成用モノマ−群から選ばれる
紫外線吸収剤型モノマ−あるいは光安定剤型モノマ−の
効果をより一層効果的にするために、また前記親水性重
合体の親水性を増すために、更により好ましいy1b、y
2b、y3b、y4b、y5bの値として、単位X1bの含有率y
1bは0〜96モル%、単位X2bの含有率y2bは1〜97
モル%、単位X3bの含有率y3bは1〜20モル%、単位
4bの含有率y4bは1〜20モル%、単位X5bの含有率
5bは1モル%以上10モル%未満である。但し、
2b、y4bの合計は2〜98モル%、y3b、y4bの合計
は2〜35モル%、およびy1b、y2b、y3b、y4b、y
5bの合計は100モル%である。
【0044】一般式(I),(II),(III)のそれぞ
れにおいて、繰返し重合単位X1〜X 5bの各々は、ラン
ダム重合していてもよく、又はブロック重合していても
よく、また、それらは、式(I),(II),(III)に
記載の配列順序に拘らず、任意の順序に配列されていて
もよい。
【0045】本発明のインクジェット記録用シートは、
インク受容層中の無機顔料粒子表面が親水性重合体で被
覆されているため、通常添加されるポリビニルアルコ−
ル等の接着剤による無機顔料粒子の結合力が向上し、さ
らに、インク受容層中で互に隣り合う無機顔料粒子同志
がその表面を被覆している親水性重合体層を介して結合
する結合力も向上する。そのため、インク受容層の層内
結合力が一層強くなり、耐擦傷性に優れている、支持体
のインク受容層が設けられていない面に、合成樹脂層、
粘着樹脂層、剥離紙を順次積層してラベル用インクジェ
ット記録用シートを形成してもよい。
【0046】前記一般式(I)、(II)、および(II
I)で表される親水性重合体により表面被覆された無機
顔料粒子において、親水性重合体層の重量を差し引いた
無機顔料粒子の重量の前記親水性重合体層の重量に対す
る比率は、100/100〜100/1であることが好
ましく、より好ましくは100/50〜100/5であ
る。因みに、この比が100/100をこえると、得ら
れるインク受容層のインク吸収性が悪くなり、またそれ
が100/1未満であると、無機顔料を被覆している親
水性重合体層の量が不足して、長期保存中の紫外線の影
響およびオゾンガスの影響による印字部の色濃度低下改
善効果、およびインク受容層の層内結合強度改善効果が
不十分となることがある。
【0047】前記一般式(I)、(II)、および(II
I)で表される親水性重合体で表面被覆された無機顔料
粒子に使用し得る無機顔料としては、例えば、ゼオライ
ト、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マ
グネシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸
バリウム、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜
鉛、サチンホワイト、ケイ酸アルミニウム、ケイソウ
土、焼成クレ−、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウ
ム、コロイダルシリカ、非晶質シリカ、水酸化アルミニ
ウム、コロイダルアルミナ、アルミナ、アルミナ水和物
等を挙げることができる。更に好ましくは、コロイダル
シリカ、非晶質シリカ、水酸化アルミニウム、アルミ
ナ、アルミナ水和物を挙げることができる。これらは単
独あるいは2種以上を混合して用いられる。
【0048】前記一般式(I)、(II)、および(II
I)で表される親水性重合体で表面被覆された無機顔料
を含むインクジェット記録用シートの作製方法として
は、例えば一般式(I)、(II)および(III)で表さ
れる親水性重合体で表面被覆された無機顔料粒子と、接
着剤と、さらにインク画像の耐水性向上のためにカチオ
ン性樹脂を混合して得たインク受容層用塗液を、上質紙
(酸性紙、中性紙)、合成紙、フィルム、不織布等の支
持体の1面上に塗工機を用いて塗布し、乾燥してインク
受容層を形成する方法を用いることができる。
【0049】インクジェット記録用シートの支持体とし
ては、上質紙(酸性紙、中性紙)、合成紙、プラスチッ
クフィルム、あるいは紙にプラスチックフィルムを接着
剤で貼合せたもの、または紙にプラスチックをラミネー
トしたもの等が使用される。かかるプラスチックフィル
ムとしては、例えば、ポリエステル、ポリプロピレン、
ナイロン等のフィルムが挙げられる。
【0050】本発明において、記録画像の耐水性を向上
させるために、カチオン性樹脂がインク受容層中に含ま
れる。かかるカチオン性樹脂は、水に溶解あるいは乳化
したときに解離してカチオン性を呈する樹脂であれば使
用できるが、なかでも主鎖または側鎖に四級アンモニウ
ム基を有する樹脂を用いることが好ましい。
【0051】このようなカチオン性樹脂としては、例え
ばポリジアリルアミン塩酸塩、ジアリルアミン塩酸塩−
アクリルアミド共重合物、ジアリルアミン塩酸塩−二酸
化イオウ共重合物、ポリジアリルジメチルアンモニウム
クロライド、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド
−アクリルアミド共重合物、ジアリルジメチルアンモニ
ウムクロライド−二酸化イオウ共重合物、ポリアリルア
ミン塩酸塩、アリルアミン塩酸塩・ジアリルアミン塩酸
塩共重合体、N−ビニルアクリルアミジン塩酸塩−アク
リルアミド共重合体、エピクロロヒドリン・ジアルキル
アミン付加重合物、ポリアミドポリアミンエピクロロヒ
ドリン重合物、ジシアンジアミド−ホルムアルデヒド重
縮合物、ジシアンジアミド−ポリエチレンアミン重縮合
物、ポリエチレンイミン塩酸塩、ポリ(メタ)アクリロ
イルオキシアルキルトリアルキルアンモニウムクロライ
ド、ポリ(メタ)アクリロイルオキシアルキルトリアル
キルアンモニウムクロライド−アクリルアミド共重合
体、ポリ(メタ)アクリルアミドアルキルトリアルキル
アンモニウムクロライド、ポリ(メタ)アクリルアミド
アルキルトリアルキルアンモニウムクロライド−アクリ
ルアミド共重合体等が挙げられる。これらは単独あるい
は2種以上を混合して用いられる。
【0052】前記カチオン性樹脂の中で、ポリジアリル
アミン塩酸塩、ジアリルアミン塩酸塩−アクリルアミド
共重合物、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライ
ド、及びジアリルジメチルアンモニウムクロライド−ア
クリルアミド共重合物は、紫外線の影響およびオゾンガ
スの影響を受けることが比較的少ないため、より好まし
く用いられる。これらは単独または2種以上を混合して
用いられる。
【0053】カチオン性樹脂の含有量は、一般式
(I)、(II)、および(III)で表される親水性重合
体で表面被覆されている無機顔料粒子100重量部に対
して1〜100重量部であることが好ましく、より好ま
しくは5〜50重量部の範囲で調節される。その配合量
が上記下限値より少ないと、得られるインク画像の耐水
性及び/又は得られるインク画像の色濃度等の向上効果
が不十分になることがあり、また、それが上記上限値よ
りも多いと、逆に得られるインク画像の色濃度が低下し
たり、画像のにじみが発生しやすい。
【0054】インク受容層には、接着剤として、例えば
酸化澱粉、エーテル化澱粉等の澱粉誘導体、カルボキシ
メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセ
ルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、大豆タンパク、
完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニ
ルアルコール、ケイ素変性ポリビニルアルコール、アセ
トアセチル基変性ポリビニルアルコール、スチレン−無
水マレイン酸共重合体の塩、スチレン−ブタジエン系ラ
テックス、アクリル系ラテックス、ポリエステルポリウ
レタン系ラテックス、酢酸ビニル系ラテックス等の水性
接着剤、或いはポリメチルメタクリレート、ポリウレタ
ン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビ
ニルコポリマー、ポリビニルブチラール、アルキッド樹
脂等の有機溶剤可溶性樹脂が、単独あるいは2種以上を
混合して用いられる。
【0055】これらの接着剤は、一般式(I)、(I
I)、および(III)で表される親水性重合体で表面被覆
されている無機顔料粒子100重量部に対して、1〜1
00重量部程度で用いられることが好ましく、より好ま
しくは5〜50重量部程度の範囲で使用される。
【0056】更に、インク受容層中には、顔料分散剤、
増粘剤、架橋剤、流動性変性剤、消泡剤、抑泡剤、離型
剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白
剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、HALS等の光安定化
剤、紫外線吸収剤等の1種以上を適宜添加してもよい。
【0057】インク受容層は、インク受容層用塗液を、
バーコーター、ブレードコーター、エアナイフコータ
ー、ロ−ルコ−タ−、グラビアコーター、ダイコータ
ー、カーテンコーター等の塗工方式により、支持体上の
少なくとも片面に、乾燥後の塗布量が2〜40g/m2
程度となるように塗布、乾燥して形成される。若し、イ
ンク受容層の塗布量が2g/m2より少ないと、記録画
質が低下し、またそれが40g/m2より多いと、コス
トが高くなり非経済的である。好ましい塗布量は5〜3
0g/m2程度である。
【0058】また、インク受容層上に、光沢発現層を設
けてこれにキャスト処理を施したり、あるいはインク受
容層を直接キャスト処理することにより、さらに表面光
沢度の高いインクジェット記録用シートとすることもで
きる。
【0059】キャスト処理の方法としては、ウェット
法、ゲル化法およびリウェット法がある。ウェット法
は、基紙上に塗工した光沢発現層が、湿潤状態にあるう
ちに該光沢発現層を加熱された鏡面ドラム面に圧接し
て、強光沢仕上げを行うものである。ゲル化法は、基紙
上に塗工した光沢発現層が、湿潤状態にあるうちにこの
光沢発現層をゲル化剤浴に接触させ、ゲル化状態にした
光沢発現層を加熱ドラム面に圧接して、強光沢仕上げを
行うものである。リウェット法は、湿潤状態の光沢発現
層を一旦乾燥してから再度湿潤液に接触させた後、加熱
ドラム面に圧接して、強光沢仕上げを行うものである。
【0060】インク受容層形成後、これに高光沢を付与
する等の目的のために、例えば、スーパーカレンダー、
グロスカレンダーなどを用い加圧下のロールニップ間を
通して表面の平滑性を向上させることも勿論可能であ
る。また、支持体の裏面に、保護層を設けたり、支持体
と記録層の間に中間層、例えば顔料と接着剤を含む層を
設けることもでき、インクジェット記録用シート製造分
野において公知の各種処理を施してもよい。
【0061】記録画像を形成するための水性インクと
は、染料、有色顔料等の着色剤および液媒体、その他の
添加剤からなる記録液体である。染料系着色剤としては
直接染料、酸性染料、反応性染料等の各種水溶性染料が
挙げられる。有色顔料系着色剤として、特開平4−23
4467号公報、特開平6−100810号公報、特開
平9−123593号公報等に例示されている。
【0062】水性インクの液媒体としては、水単独、あ
るいは水および水溶性有機溶剤の併用がある。水溶性有
機溶剤としては、例えばエチルアルコール、イソプロピ
ルアルコール等の一価アルコール、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、
グリセリン等の多価アルコール、トリエチレングリコー
ルモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエ
チルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテ
ル等が挙げられる。
【0063】さらに添加剤としては、例えばpH調整
剤、金属封鎖剤、防ばい剤、粘度調整剤、表面張力調整
剤、界面活性剤、および防錆剤等が挙げられる。
【0064】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を下記実施例に
より具体的に説明するが、もちろんこれらに限定される
ものではない。なお、例中の「部」および「%」は、特
に断わらない限りそれぞれ重量部および重量%を示す。
【0065】(親水性重合体被覆無機顔料1の調製)容
量1リットルの重合容器中において、合成非晶質シリカ
(商品名:ファインシールX60、トクヤマ製)100
部を水498部に分散し、窒素気流下、80℃で加熱攪
拌した。別にアクリルアミド30%水溶液50部(9
4.0モル%)、ポリエチレングリコ−ルジアクリレ−
ト(商品名:NKエステルA−400、新中村化学工業
製)3部(2.6モル%)、及びアクリロイルオキシエ
チルトリメチルアンモニウムクロライド79%水溶液
1.9部(3.4モル%)の混合溶液(A液)を調製し
た。また重合開始剤として、過硫酸カリウム2%水溶液
14.6部を調製した。A液及び過硫酸カリウム2%水
溶液10.2部を、それぞれ滴下装置により40分間で
重合容器中に滴下した。滴下終了後、80℃で4時間反
応を継続し、更に、過硫酸カリウム2%水溶液4.4部
を添加し、80℃で4時間重合継続することにより、親
水性重合体被覆無機顔料1の18%水性分散液671部
を得た。
【0066】(親水性重合体被覆無機顔料2の調製)1
リットルの重合容器中において、合成非晶質シリカ(商
品名:ファインシールX60、トクヤマ製)100部を
水496部に分散し、窒素気流下、80℃で加熱攪拌し
た。別にアクリルアミド30%水溶液56部(97.4
モル%)、及びポリエチレングリコ−ルジアクリレ−ト
(商品名:NKエステルA−400、新中村化学工業
製)3部(2.6モル%)の混合溶液(A液)を調製し
た。さらに重合開始剤として、過硫酸カリウム2%水溶
液15部を調製した。A液及び過硫酸カリウム2%水溶
液11部を、それぞれ滴下装置により40分間で重合容
器中に滴下した。滴下終了後、80℃で4時間反応を継
続し、更に、過硫酸カリウム2%水溶液4部を添加し、
80℃で4時間重合継続することにより、親水性重合体
被覆無機顔料2の18%水分散液674部を得た。
【0067】(親水性重合体被覆無機顔料3の調製)1
リットルの重合容器中において、合成非晶質シリカ(商
品名:ファインシールX60、トクヤマ製)100部を
水535部に分散し、窒素気流下、80℃で加熱攪拌し
た。別にアクリロイルモルホリン10部(78.7モル
%)、及びポリエチレングリコ−ルジアクリレ−ト(商
品名:NKエステルA−400、新中村化学工業製)1
0部(21.3モル%)の混合溶液(A液)を調製し
た。また重合開始剤として、過硫酸カリウム2%水溶液
15部を調製した。A液及び過硫酸カリウム2%水溶液
11部を、それぞれ滴下装置により40分間で重合容器
中に滴下した。滴下終了後、80℃で4時間反応を継続
し、更に、過硫酸カリウム2%水溶液4部を添加し、8
0℃で4時間重合継続することにより、親水性重合体被
覆無機顔料3の18%水分散液674部を得た。
【0068】(親水性重合体被覆無機顔料4の調製)1
リットルの重合容器中において、合成非晶質シリカ(商
品名:ファインシールX60、トクヤマ製)120部を
エタノ−ル600部に分散した。得られた分散液に25
%アンモニア水60部を添加し、更に、ビニルトリメト
キシシラン1部を添加し、分散液の液温を50℃で8時
間攪拌した。反応終了後、ビニル基が導入されたシリカ
を分取し、乾燥した。次に1リットルの重合容器中にお
いて、ビニル基が導入されたシリカ100部(親水性重
合体中のビニルトリメトキシシラン 12.3モル%)
を水535部に分散し、窒素気流下、80℃で加熱攪拌
した。別にメトキシポリエチレングリコ−ルアクリレ−
ト(商品名:NKエステルAM−90G、新中村化学工
業製)10部(45.6モル%)、及びポリエチレング
リコ−ルジアクリレ−ト(商品名:NKエステルA−4
00、新中村化学工業製)10部(42.1モル%)の
混合溶液(A液)を調製した。また重合開始剤として、
過硫酸カリウム2%水溶液15部を調製した。A液及び
過硫酸カリウム2%水溶液11部を、それぞれ滴下装置
により40分間で重合容器中に滴下した。滴下終了後、
80℃で4時間反応を継続し、更に、過硫酸カリウム2
%水溶液4部を添加し、80℃で4時間重合継続するこ
とにより、親水性重合体被覆無機顔料4の18%水分散
液674部を得た。
【0069】(親水性重合体被覆無機顔料5の調製)1
リットルの重合容器中において、合成非晶質シリカ(商
品名:ファインシールX60、トクヤマ製)100部を
水467部に分散し、窒素気流下、80℃で加熱攪拌し
た。別にメタアクリルアミド20%水溶液42部(7
8.3モル%)、ポリエチレングリコ−ルジメタアクリ
レ−ト(商品名:NKエステル9G、新中村化学工業
製)8.3部(12.1モル%)、及びヒンダ−ドアミ
ン系光安定剤1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−
ピペリジルメタアクリレ−ト(商品名:アデカスタブL
A−82、旭電化工業製)の塩酸塩10%水溶液33部
(9.6モル%)の混合溶液(A液)を調製した。また
重合開始剤として、過硫酸カリウム2%水溶液20部を
調製した。A液及び過硫酸カリウム2%水溶液12部
を、それぞれ滴下装置により40分間で重合容器中に滴
下した。滴下終了後、80℃で8時間反応を継続し、更
に、過硫酸カリウム2%水溶液8部を添加し、80℃で
4時間反応継続することにより、親水性重合体被覆無機
顔料5の18%水分散液678部を得た。
【0070】(親水性重合体被覆無機顔料6の調製)1
リットルの加圧重合容器中において、合成非晶質シリカ
(商品名:ファインシールX60、トクヤマ製)100
部を水497部に分散した。次に前記容器中にメタアク
リルアミド20%水溶液50部(83.4モル%)、ポ
リエチレングリコ−ルジメタアクリレ−ト(商品名:N
Kエステル9G、新中村化学工業製)10部(12.9
モル%)、紫外線吸収剤2−(2’−ヒドロキシ−5’
−(メタ)アクリルオキシエチルフェニル)−2H−ベ
ンゾトリアゾ−ル(商品名:RUVA−93、大塚化学
製)1.7部(3.7モル%)、及び重合開始剤とし
て、過硫酸カリウム2%水溶液22部を添加した。容器
中に窒素ガスを吹き込み、脱酸素後、110℃で4時間
反応を継続し、更に、過硫酸カリウム2%水溶液8部を
添加し、4時間反応継続することにより、親水性重合体
被覆無機顔料6の18%水分散液688部を得た。
【0071】(親水性重合体被覆無機顔料7の調製)1
リットルの重合容器中において、アルミナ水和物(BE
T比表面積150m 2 /g、平均細孔径10nm、細孔
容積0.6ml/g)15%水分散液500部、水20
部を混合し、窒素気流下、80℃で加熱攪拌した。別に
アクリルアミド30%水溶液25部(88モル%)、及
びポリエチレングリコ−ルジアクリレ−ト(商品名:N
KエステルA−400、新中村化学工業製)7.5部
(12モル%)の混合溶液(A液)を調製した。また重
合開始剤として、過硫酸カリウム2%水溶液12部を調
製した。A液及び過硫酸カリウム2%水溶液8部を、そ
れぞれ滴下装置により40分間で重合容器中に滴下し
た。滴下終了後、80℃で4時間反応を継続し、更に、
過硫酸カリウム2%水溶液4部を添加し、80℃で4時
間重合継続することにより、親水性重合体被覆無機顔料
7の16%水分散液568部を得た。
【0072】(親水性重合体被覆無機顔料8の調製)1
リットルの重合容器中において、合成非晶質シリカ(商
品名:ファインシールX60、トクヤマ製)100部を
水520部に分散し、窒素気流下、80℃で加熱攪拌し
た。次にポリエチレングリコ−ルジアクリレ−ト(商品
名:NKエステルA−400、新中村化学工業製)17
部(100モル%)、及び過硫酸カリウム2%水溶液1
3部を、それぞれ滴下装置により40分間で重合容器中
に滴下した。滴下終了後、80℃で4時間反応を継続
し、更に、過硫酸カリウム2%水溶液4部を添加し、8
0℃で4時間重合継続することにより、親水性重合体被
覆無機顔料8の18%水分散液654部を得た。
【0073】(親水性重合体被覆無機顔料9の調製)1
リットルの重合容器中において、合成非晶質シリカ(商
品名:ファインシールX60、トクヤマ製)120部を
エタノ−ル600部に分散した。得られた分散液に25
%アンモニア水60部を添加し、更にビニルトリメトキ
シシラン2部を添加し、分散液の液温を50℃で8時間
攪拌した。反応終了後、ビニル基が導入されたシリカを
分取し、乾燥した。次に1リットル重合容器中におい
て、ビニル基が導入されたシリカ100部(親水性重合
体中のビニルトリメトキシシラン7.1モル%)を水5
04部に分散し、窒素気流下、80℃で加熱攪拌した。
別にアクリルアミド30%水溶液39部(71.4モル
%)、ポリエチレングリコ−ルジアクリレ−ト(商品
名:NKエステルA−400、新中村化学工業製)1.
7部(1.4モル%)、酢酸ビニル2.5部(12.6
モル%)、およびアクリロイルオキシエチルトリメチル
アンモニウムクロライド79%水溶液4.2部(7.5
モル%)部の混合溶液(A液)を調製した。また重合開
始剤として、過硫酸カリウム2%水溶液15部を調製し
た。A液及び過硫酸カリウム2%水溶液11部を、それ
ぞれ滴下装置により40分間で重合容器中に滴下した。
滴下終了後、80℃で4時間反応を継続し、更に、過硫
酸カリウム2%水溶液4部を添加し、80℃で4時間重
合継続することにより、親水性重合体被覆無機顔料4の
18%水分散液670部を得た。
【0074】(親水性重合体被覆無機顔料10の調製)
1リットルの重合容器中において、合成非晶質シリカ
(商品名:ファインシールX60、トクヤマ製)120
部をエタノ−ル600部に分散した。得られた分散液に
25%アンモニア水60部を添加し、更にビニルトリメ
トキシシラン8部を添加し、分散液の液温を50℃で8
時間攪拌した。反応終了後、ビニル基が導入されたシリ
カを分取し、乾燥する。次に1リットル重合容器中にお
いて、ビニル基が導入されたシリカ100部(親水性重
合体中のビニルトリメトキシシラン13モル%)を水4
88部に分散し、窒素気流下、80℃で加熱攪拌した。
別にアクリルアミド30%水溶液66部(87モル%)
を調製した。また重合開始剤として、過硫酸カリウム2
%水溶液15部を調製した。A液及び過硫酸カリウム2
%水溶液を11部を、それぞれ滴下装置により40分間
で重合容器中に滴下した。滴下終了後、80℃で4時間
反応を継続し、更に、過硫酸カリウム2%水溶液4部を
添加し、80℃で4時間重合継続することにより、親水
性重合体被覆無機顔料4の18%水分散液673部を得
た。
【0075】(親水性重合体被覆無機顔料11の調製)
1リットルの重合容器中において、コロイダルシリカ2
0%水分散液(商品名:スノ−テックスO、日産化学
製)500部、水94部を混合し、窒素気流下、80℃
で加熱攪拌した。別にアクリルアミド30%水溶液56
部(97.4モル%)、及びポリエチレングリコ−ルジ
アクリレ−ト(商品名:NKエステルA−400、新中
村化学工業製)3.3部(2.6モル%)の混合溶液
(A液)を調製した。また重合開始剤として、過硫酸カ
リウム2%水溶液15部を調製した。A液及び過硫酸カ
リウム2%水溶液11部を、それぞれ滴下装置により4
0分間で重合容器中に滴下した。滴下終了後、80℃で
4時間反応を継続し、更に、過硫酸カリウム2%水溶液
4部を添加し、80℃で4時間重合継続することによ
り、親水性重合体被覆無機顔料9の18%水分散液67
2部を得た。
【0076】実施例1 (インク受容層用塗液1の調製)親水性重合体被覆無機
顔料1固形分100部と、完全鹸化ポリビニルアルコ−
ル(商品名:PVA−120、クラレ製)15部と、カ
チオン性樹脂(商品名:SR1001、住友化学製)固
形分15部と、および水とからなる合計固形分16%の
インク受容層用塗液1を調製した。
【0077】(インクジェット記録用シートの作製)実
量70g/m2の上質紙の表面上にインク受容層用塗液
1を、固形分が18g/m2となるようにワイヤーバー
にて塗布し、乾燥してインク受理層を形成し、このイン
ク受容層表面とスーパーキャレンダー処理を施してイン
クジェット記録用シートを作製した。
【0078】実施例2〜10 実施例2から実施例例10までは、実施例1の親水性重
合体被覆無機顔料1を他の親水性樹脂被覆無機顔料2〜
10のいずれか1種に代えたことを除き、他は実施例1
と同様にして、インク受容層用塗液2〜10の調製し
て、インクジェット記録用シートを作製した。実施例2
においては、親水性重合体被覆無機顔料2を使用し、実
施例3においては、親水性重合体被覆無機顔料3を使用
し、実施例4においては、親水性重合体被覆無機顔料4
を使用し、実施例5においては、親水性重合体被覆無機
顔料5を使用し、実施例6においては、親水性重合体被
覆無機顔料6を使用し、実施例7においては、親水性重
合体被覆無機顔料7を使用し、実施例8においては、親
水性重合体被覆無機顔料8を使用し、実施例9において
は、親水性重合体被覆無機顔料9を使用し、また実施例
10においては、親水性重合体被覆無機顔料10を使用
した。
【0079】実施例11 (インク受容層用塗液11の調製)前記親水性重合体被
覆無機顔料2の固形分100部、完全鹸化ポリビニルア
ルコ−ル(商品名:PVA−120、クラレ製)20
部、及びカチオン性樹脂(商品名:SR1001、住友
化学製)固形分15部からなる固形分16%のインク受
容層用塗液11−1を調製した。
【0080】別に、前記親水性重合体被覆無機顔料11
の固形分100部、接着剤としてスチレン−2メチルヘ
キシルアクリレ−ト共重合体ラテックス固形分20部、
及び離型剤としてレシチン固形分1部からなる固形分2
0%のインク受容層用塗液11−2を調製した。
【0081】(インクジェット記録用シートの作製)質
量100g/m2の上質紙の表面上に前記インク受容層
用塗液11−1を、固形分が10g/m2となるように
エア−ナイフコ−タ−で塗布し、乾燥してインク受容層
11−1を形成した。更に、前記インク受容層上にイン
ク受容層用塗液11−2を、固形分が6g/m2となる
ようにロ−ルコ−タ−を用いて塗工した後、湿潤時に表
面温度が85℃の鏡面ドラムに圧着し、乾燥後、離型さ
せ、前記インク受容層11−1の上にキャストインク受
容層11−2を形成し、光沢タイプのインクジェット記
録用シートを作製した。
【0082】実施例12 (ラベル用インクジェット記録用シートの作製)質量1
00g/m2の上質紙の表面上に、低密度ポリエチレン
を20μmの厚さに押し出しコ−ティングし、その反対
面に、実施例2で調製したインク受容層用塗液2を、固
形分が10g/m2となるようにエア−ナイフコ−タ−
にて塗布し乾燥して、インク受容層を形成した。更に、
上質紙の、前記インク受容層の反対面(裏面)上に、市
販のアクリル系粘着剤を乾燥重量15g/m2となるよ
うに塗工し乾燥した後、その上に剥離紙を貼り合わせ
て、ラベル用インクジェット記録用シートを作製した。
【0083】比較例1 (インク受容層用塗液A−1の調製)合成非晶質シリカ
(商品名:ファインシールX60、トクヤマ製)100
部、完全鹸化ポリビニルアルコ−ル(商品名:PVA−
120、クラレ製)35部、カチオン性樹脂(商品名:
SR1001、住友化学製)固形分18部、および水か
らなる固形分16%のインク受容層用塗液A−1を調製
した。
【0084】(インクジェット記録用シートの作成)質
量70g/m2の上質紙の表面上にインク受容層用塗液
A−1を、固形分が18g/m2となるようにワイヤー
バーにて塗布し、乾燥して、インク受容層を形成した
後、これにスーパーキャレンダー処理を施してインクジ
ェット記録用シートを作製した。
【0085】比較例2 (インク受容層用塗液A−2の調製)合成非晶質シリカ
(商品名:ファインシールX60、トクヤマ製)100
部、完全鹸化ポリビニルアルコ−ル(商品名:PVA−
120、クラレ製)40部、カチオン性樹脂(商品名:
SR1001、住友化学製)固形分18部、および水か
らなる固形分16%のインク受容層用塗液A−2を調製
した。
【0086】(インクジェット記録用シートの作製)質
量70g/m2の上質紙の表面上に、インク受容層用塗
液A−2を、固形分が18g/m2となるようにワイヤ
ーバーにて塗布し、乾燥して、インク受容層を形成し
た。これにスーパーキャレンダー処理を施してインクジ
ェット記録用シートを作製した。
【0087】比較例3 (インク受容層用塗液A−3の調製)合成非晶質シリカ
(商品名:ファインシールX60、トクヤマ製)100
部、完全鹸化ポリビニルアルコ−ル(商品名:PVA−
120、クラレ製)45部、カチオン性樹脂(商品名:
SR1001、住友化学製)固形分18部、および水か
らなる固形分16%のインク受容層用塗液A−3を調製
した。
【0088】(インクジェット記録用シートの作成)実
量70g/m2の上質紙の表面上に、インク受容層用塗
液A−3を、固形分が18g/m2となるようにワイヤ
ーバーにて塗布し乾燥して、インク受容層を形成した
後、これにスーパーキャレンダー処理を施してインクジ
ェット記録用シートを作製した。
【0089】比較例4 (インク受容層用塗液A−4の調製)合成非晶質シリカ
(商品名:ファインシールX60、トクヤマ製)100
部、完全鹸化ポリビニルアルコ−ル(商品名:PVA−
120、クラレ製)50部、カチオン性樹脂(商品名:
SR1001、住友化学製)固形分18部、および水か
らなる固形分16%のインク受容層用塗液A−4を調製
した。
【0090】(インクジェット記録用シートの作製)質
量70g/m2 の上質紙の表面上に、インク受容層用塗
液A−4を、固形分が18g/m2となるようにワイヤ
ーバーにて塗布し乾燥して、インク受理層を形成し、こ
れにスーパーキャレンダー処理を施してインクジェット
記録用シートを作製した。
【0091】比較例5 (インク受容層用塗液A−5−1、及びA−5−2の調
製)合成非晶質シリカ(商品名:ファインシールX6
0、トクヤマ製)100部、完全鹸化ポリビニルアルコ
−ル(商品名:PVA−120、クラレ製)38.3
部、及びカチオン性樹脂(商品名:SR1001、住友
化学製)固形分18部からなる固形分16%のインク受
容層用塗液A−5−1を調製した。別に、コロイダルシ
リカ(商品名:スノ−テックスO、日産化学製)の固形
分100部、接着剤としてスチレン−2メチルヘキシル
アクリレ−ト共重合体ラテックス固形分44部、及び離
型剤としてレシチン固形分1.6部からなる固形分20
%のインク受容層用塗液A−5−2を調製した。
【0092】(インクジェット記録用シートの作製)質
量100g/m2の上質紙上に、インク受容層用塗液A
−5−1を、固形分が10g/m2となるようにエア−
ナイフコ−タ−で塗布し乾燥して、インク受容層を形成
した。更に、前記インク受容層上にインク受容層用塗液
A−5−2を、固形分が6g/m2となるようにロ−ル
コ−タ−を用いて塗工した後、この塗液層を湿潤時に表
面温度が85℃の鏡面ドラムに圧着し、乾燥後、離型さ
せ、前記インク受容層の上にキャストインク受容層を形
成し、光沢タイプのインクジェット記録用シートを作製
した。
【0093】前記実施例および比較例の各々で得られた
インクジェット記録用シートについて、エプソンインク
ジェットプリンターPM−800Cを用いて、シアンイ
ンクのベタ印字およびISO−400の画像(「高精細
カラーディジタル標準画像データISO/JIS−SC
ID」、p13、画像名称:ポートレート、財団法人日
本企画協会発行)を印字し、この印字された記録シート
について下記耐光性、耐オゾン性、インク吸収性、イン
ク受容層の層内結合力に関する評価試験を行った。
【0094】[耐光性]ISO−400の画像(「高精
細カラーディジタル標準画像データ ISO/JIS−
SCID」、p13、画像名称:果物かご、p14、画
像名称:キャンドル、財団法人 日本規格協会発行)を
光沢紙モードで印字し、キセノン灯式FADE−OME
TER(ATLAS ELECTRIC DEVICE
S Co.社製、MODEL:CI35F)を用い、6
3℃、50%の条件で、印字サンプルを50時間連続処
理し、2種類の画像を未処理の画像と比較し、耐光性の
レベルを下記に示す。 (評価基準) ◎:殆ど退色しなかった。 ○:画像が薄く退色しているが、色のバランスが崩れて
いない。 △:画像が退色して、色のバランスが崩れている。 ×:かなり退色している。
【0095】マゼンタインクのベタ印字についても、画
像の場合と同様に処理した。ベタ印字の場合には、試験
後の印字濃度をマクベス反射濃度計(Macbeth社
製、RD−920)で測定し、次の式により画像残存率
を算出した。 画像残存率(%)=〔(処理後の濃度)/(処理前の濃
度)〕×100
【0096】[耐オゾン性]シアンインクのベタ印字お
よびISO−400の画像を、オゾン濃度1ppmの容
器に20時間放置した。ベタ印字の場合には、試験後の
印字濃度をマクベス反射濃度計(Macbeth社製、
RD−920)で測定し、次の式により画像残存率を算
出した。 画像残存率(%)=〔(処理後の濃度)/(処理前の濃
度)〕×100 一方、画像の場合には目視により変色の度合いを観察
し、評価した。 (評価基準) ○:変褪色がややみられるものの、実用上問題なし △:やや変褪色が著しい ×:変褪色が著しく、実用上問題あり
【0097】[インク吸収性] (評価基準) ○:インク吸収性が良好で、印字部の解像性も良好であ
る △:インク受容層面にインクがやや溢れる。結果的に解
像性がやや低下する ×:インク受容層面でのインクの溢れが著しく、実用上
問題あり
【0098】[インク受容層内結合力]インク受容層面
に市販セロテ−プを貼りつけた後、セロテ−プを引き剥
がし、インク受容層の状態を観察する。 (評価基準) ○:セロテ−プになにも付着しないか、あるいは紙層間
での破壊が起こる △:セロテ−プに、インク受容層がやや付着する ×:セロテ−プに、インク受容層の殆ど大部分が付着す
【0099】上記試験評価結果を表1に示す。
【表1】
【0100】
【発明の効果】表1から明らかなように、本発明のイン
クジェット記録用シートは、そのインク受容層が、特定
の親水性重合体により表面被覆された無機顔料粒子と、
カチオン樹脂とを含むことによって、フルカラー印字を
施された場合でも、インク吸収性に優れており、しか
も、インク画像を長期間保存したときでも、インク画
像、特にマゼンタ色画像の紫外線の影響による褪色、お
よび環境大気中の微量ガス、特に、オゾンガスの影響に
よるインク画像、特にシアン色画像の褪色が少なく、ま
た、インク受容層の層内結合力が高いという特徴を有
し、実用性に優れたものである。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体と、この支持体の少なくとも1面
    上に形成され、かつインクジェット用水性インクによる
    画像を記録できる少なくとも1層のインク受容層とを有
    し、前記インク受容層の少なくとも1層が、1種以上の
    無機顔料とカチオン性樹脂とを含み、かつ前記無機顔料
    の粒子の表面が、エチレン性不飽和基を有する1種以上
    のモノマーを重合して得られ、かつ下記一般式(I)〜
    (III): 【化1】 〔但し、式(I)において、X1は1個のエチレン性不
    飽和基を有する少なくとも1種の親水性又は水溶性モノ
    マーに由来する繰返し重合単位を表し、X2は2個以上
    のエチレン性不飽和基を有する少なくとも1種の親水性
    又は水溶性モノマーに由来する繰返し重合体単位を表
    し、y1及びy2はそれぞれ前記単位X1及びX2のモル含
    有率を表し、y1は0〜99.9モル%を表し、y2
    0.1〜100モル%を表し、y1+y2は100モル%
    であり、 式(II)において、X1aは1個のエチレン性不飽和基を
    有する少なくとも1種の親水性又は水溶性モノマーに由
    来する繰返し重合単位を表し、X2aは2個以上のエチレ
    ン性不飽和基を有する少なくとも1種の親水性又は水溶
    性モノマーに由来する繰返し重合単位を表し、X3aは1
    個以上のエチレン性不飽和基を有する水に難溶性である
    モノマーに由来する繰返し重合単位を表し、X4aは1個
    以上のエチレン性不飽和基を有し、前記無機顔料と反応
    して共有結合を形成するモノマーに由来する繰返し重合
    単位を表し、y1a〜y4aはそれぞれ前記単位X1a〜X4a
    のモル含有率を表し、y1aは0〜99.9モル%を表
    し、y2aは0.1〜100モル%を表し、y3aは、0〜
    20モル%を表し、y4aは0〜20モル%を表し、y 2a
    +y4aは0.1〜100%であり、y3a+y4aは0.1
    〜35モル%であり、y1a+y2a+y3a+y4aは100
    モル%であり、 式(III)において、X1bは1個のエチレン性不飽和基
    を有する少なくとも1種の親水性又は水溶性モノマーに
    由来する繰返し重合単位を表し、X2bは2個以上のエチ
    レン性不飽和基を有する少なくとも1種の親水性又は水
    溶性モノマーに由来する繰返し重合単位を表し、X
    3bは、1個以上のエチレン性不飽和基を有し、水に難溶
    性のモノマーに由来する繰返し重合単位を表し、X
    4bは、1個以上のエチレン性不飽和基を有し、前記無機
    顔料と反応して共有結合を形成するモノマーに由来する
    繰返し重合単位を表し、X5bは、1個以上の第4級アン
    モニウム基及び1個以上のエチレン性不飽和基とを有す
    るモノマーに由来する繰返し重合単位を表し、y1b〜y
    5bはそれぞれ前記単位X1b〜X5bのモル含有率を表し、
    1bは0〜99.8モル%を表し、y2bは0〜99.9
    %モル%を表し、y3bは0〜20モル%を表し、y4b
    0〜20モル%を表し、y5bは0.1モル%以上但し1
    0モル%未満を表し、y2a+y4bは0.1〜99.9モ
    ル%でありy3b+y4bは0〜35モル%であり、y1b
    2b+y3b+y4b+y5bは100モル%であり、前記繰
    返し重合単位X1〜X5bの各々は、互いに独立に、任意
    の順序においてランダム重合していてもよく、式はブロ
    ック重合していてもよい。〕により表される少なくとも
    1種の親水性重合体を含む表面被覆層により被覆されて
    いること、を特徴とするインクジェット記録用シート。
  2. 【請求項2】 前記無機顔料粒子の前記親水性重合体表
    面被覆層に対する重量比が、100/100〜100/
    1である、請求項1に記載のインクジェット記録用シー
    ト。
  3. 【請求項3】 前記無機顔料粒子の前記親水性重合体表
    面被覆層に対する重量比が、100/50〜100/5
    である、請求項2に記載のインクジェット記録用シー
    ト。
  4. 【請求項4】 前記無機顔料が、コロイダルシリカ、非
    晶質シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、およびア
    ルミナ水和物から成る群から選ばれた少なくとも一種を
    含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェ
    ット記録用シート。
  5. 【請求項5】 前記カチオン性樹脂が、ポリジアリルア
    ミン塩酸塩、ジアリルアミン塩酸塩・アクリルアミド共
    重合物、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライ
    ド、およびジアリルジメチルアンモニウムクロライド・
    アクリルアミド共重合物から成る群から選ばれた少なく
    とも一種を含む請求項1に記載のインクジェット記録用
    シート。
  6. 【請求項6】 前記親水性重合体表面被覆層により表面
    被覆された無機顔料100重量部に対して、前記カチオ
    ン性樹脂が、1〜100重量部含有される、請求項1に
    記載のインクジェット記録用シート。
  7. 【請求項7】 前記親水性重合体表面被覆層により表面
    被覆された無機顔料100重量部に対して、前記カチオ
    ン性樹脂が、5〜50重量部含有されることを特徴とす
    る請求項6に記載のインクジェット記録用シート。
  8. 【請求項8】 式(I)においてX1により表される単
    位を形成するモノマー、前記式(II)においてX1aによ
    り表される単位を形成するモノマー、及び前記式(II
    I)においてX1bにより表される単位を形成するモノマ
    ーがそれぞれ、互いに独立に、(メタ)アクリルアミ
    ド、アクリロイルモルホリン、(メタ)アクリル酸アン
    モニウム、メトキシポリエチレングリコ−ル(メタ)ア
    クリレ−ト等の(メタ)アクリルモノマ−、および1,
    2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル(メ
    タ)アクリレ−ト塩酸塩の光安定化剤型モノマ−から成
    る群から選ばれる請求項1に記載のインクジェット記録
    用シート。
  9. 【請求項9】 前記式(I)においてX2により表され
    る単位を形成するモノマー、前記式(II)においてX2a
    により表される単位を形成するモノマー、及び前記式
    (III)においてX2bにより表される単位を形成するモ
    ノマーが、それぞれ、互いに独立に、ポリエチレングリ
    コ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、およびメチレンビスア
    クリルアミドから成る群から選ばれる請求項1に記載の
    インクジェット記録用シート。
  10. 【請求項10】 前記式(II)においてX3aにより表さ
    れる単位を形成するモノマー及び前記式(III)におい
    てX3bにより表される単位を形成するモノマーが、それ
    ぞれ互いに独立に、2−(2’−ヒドロキシ−5’−
    (メタ)アクリルオキシエチルフェニル)−2H−ベン
    ゾトリアゾ−ル、1,2,2,6,6−ペンタメチル−
    4−ピペリジル(メタ)アクリレ−ト、および2,2,
    6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル(メタ)アクリ
    レ−トから成る群から選ばれる請求項1に記載のインク
    ジェット記録用シート。
  11. 【請求項11】 前記式(II)においてX4aにより表さ
    れる単位を形成するモノマー、及び式(III)におい
    て、X4bにより表される単位を形成するモノマーがそれ
    ぞれ互いに独立に、ビニルトリメトキシシラン、ビニル
    トリエトキシシラン、およびγ−メタクリロキシプロピ
    ルトリメトキシシランから成る群から選ばれる、請求項
    1に記載のインクジェット記録用シート。
  12. 【請求項12】 前記式(III)において、X5bにより
    表される単位を形成するモノマーが、N,N−ジメチル
    アミノエチルアクリレートの4級アンモニウム塩、およ
    びN,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドの4
    級アンモニウム塩から成る群から選ばれる、請求項1に
    記載のインクジェット記録用シート。
  13. 【請求項13】 前記の支持体の前記インク受容層が設
    けられていない面上に、合成樹脂層、粘着樹脂層、およ
    び剥離紙層が順次に積層されている、請求項1に記載の
    インクジェット記録用シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3409716A1 (de) * 2013-08-22 2018-12-05 Basf Se Acrylamid-polymere und verfahren zur tertiären erdölförderung unter verwendung dieser polymere

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