JP2002301350A - 攪拌機およびポリマー製造方法 - Google Patents

攪拌機およびポリマー製造方法

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JP2002301350A
JP2002301350A JP2001106153A JP2001106153A JP2002301350A JP 2002301350 A JP2002301350 A JP 2002301350A JP 2001106153 A JP2001106153 A JP 2001106153A JP 2001106153 A JP2001106153 A JP 2001106153A JP 2002301350 A JP2002301350 A JP 2002301350A
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blade
stirring
mixture
temperature
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JP2001106153A
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English (en)
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Koji Toyooka
孝司 豊岡
Makoto Azusawa
誠 小豆澤
Kaori Araya
香織 新家
Toshiaki Okuno
利昭 奥野
Makoto Fujiwara
誠 藤原
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリマー製造時の攪拌槽内の混合物への熱伝
達、および重合反応に伴い発生する熱の冷却除去を効率
よく行う攪拌機およびポリマー製造方法を提供する。 【解決手段】 この発明の攪拌機は、回転軸4に2枚の
平板翼6が取り付けられている。この2枚の平板翼6の
内部には、回転軸4側から回転半径方向の外側に向かう
とともに、この外側から回転軸4方向に戻る流路7が上
部から下部にかけて繰り返し蛇行するように設けられて
いる。そして、この流路7に、温度調節用流体を流通さ
せることによって、重合反応に伴って発生した熱が攪拌
槽の中心側から優先的に冷却除去される。その結果、重
合反応時の温度分布を均一に保つことができ、ひいて
は、分子量の分布が均一なポリマーを製造することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ポリマーを製造
する攪拌機およびポリマー製造方法に係り、特に、ポリ
マーを製造する際、攪拌槽内の熱の伝達、および重合反
応により発生する熱を冷却除去する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ポリマーを製造する方法は、外
部から熱を加えてモノマーが重合反応を起こす所定の温
度まで上げたり、重合反応に伴って発生する熱を抑制し
たりして重合温度を一定に保つようにしている。すなわ
ち、このような方法を実現するために、攪拌槽と、この
攪拌槽の外周側壁に温度調節用流体(例えば、温水や冷
却水)を流通させるジャケットと、攪拌槽内のモノマー
またはモノマーに重合開始剤を滴下した混合物を攪拌す
るための攪拌翼とを備えた攪拌機が利用されている。
【0003】つまり、攪拌槽に投入したモノマーを所定
の重合温度まで上昇させるために、ジャケット内に温水
を流通させるとともに、モノマーに温水の熱が均一に伝
達するように攪拌翼を回転させている。そして、重合温
度に達したモノマーに重合開始剤が滴下され、混合・攪
拌されながら重合反応が開始する。この重合反応に伴っ
て混合物は熱を発生するので、このときは、逆にジャケ
ットに冷却水を流通させるとともに、攪拌翼を回転させ
て混合物を攪拌しながら発生した熱を均一に冷却除去す
るようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな構成を有する従来例の場合には、次のような問題が
ある。すなわち、従来の攪拌機を用いたポリマーの製造
方法では、攪拌翼の回転に伴って攪拌翼回転方向であっ
て攪拌槽内壁側において混合物が効率よく攪拌されるも
のの、攪拌槽の中心側(渦の中心側)では混合物が停滞
してしまい、温水の熱がモノマーに均一に伝達されなか
ったり、逆に、重合反応に伴って混合物から発生する熱
を均一に冷却除去されなかったりするといった問題があ
る。その結果、混合物の温度分布にバラツキが生じるの
で、分子量の分布が均一なポリマーを製造することがで
きないといった問題がある。
【0005】この発明は、このような事情に鑑みてなさ
れたものであって、攪拌槽内のモノマーへの熱の伝達、
および重合反応によって混合物から発生する熱の冷却除
去を効率よく行うことのできる攪拌機およびポリマー製
造方法を提供することを主たる目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、このような
目的を達成するために、次のような構成をとる。すなわ
ち、請求項1に記載の発明は、攪拌槽と、この攪拌槽の
中心部に設けられた回転軸と、この回転軸に取り付けら
れるとともに、内部に温度調節用流体を流通させる流路
を備えた回転継手部材と、回転軸に取り付けられた複数
枚の攪拌翼とを備えた攪拌機であって、前記回転軸は、
その内部に温度調節用流体を流通させる流路が設けられ
ており、前記回転継手部材と連通接続しているととも
に、前記攪拌翼は、温度調節用流体を回転中心から回転
半径方向の外側に向かう流路を備え、かつ、この流路が
回転軸に設けられた流路と連通接続されたものである。
【0007】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の攪拌機において、前記複数枚の攪拌翼は、温度
調節用流体が攪拌翼の上部から下部に向かって流通する
流路を備えたグループと、温度調節用流体が攪拌翼の下
部から上部に向かって流通する流路を備えたグループと
の組み合わせにより構成されたものである。
【0008】また、請求項3に記載の発明は、請求項1
または請求項2に記載の攪拌機において、前記攪拌翼
は、平板翼である。
【0009】また、請求項4に記載の発明は、請求項1
または請求項2に記載の攪拌機において、前記攪拌翼
は、格子翼である。
【0010】また、請求項5に記載の発明は、槽内でポ
リマーを合成する方法において、槽中心側の冷却効果を
槽壁側よりも高めたものである。
【0011】さらに、請求項6に記載の発明は、請求項
5に記載のポリマー製造方法において、さらに、槽内で
攪拌を行うものである。
【0012】
【作用】請求項1に記載の発明の作用は次のとおりであ
る。すなわち、攪拌翼が、回転中心から回転半径方向の
外側に向かう流路を備えており、この流路に温度調節用
流体を流通することによって攪拌槽中心側の温度が優先
的に調節される。つまり、ポリマー製造の際、攪拌翼の
回転に伴って攪拌槽中心側に停滞しがちな混合物への熱
の伝達または冷却のいずれかが、攪拌槽中心側から優先
的に行われるので、混合物の温度分布が略均一に保たれ
る。
【0013】また、請求項2に記載の発明によれば、流
路が備えらた複数枚の攪拌翼は、2つのグループに分け
られ、一方のグループは温度調節用流体が攪拌翼の流路
を上部から下部に向かって流通し、他方のグループは温
度調節用流体が攪拌翼の流路を下部から上部に向かって
流通するようになっている。つまり、攪拌槽内の上下方
向について、熱の伝達または冷却が均等になるので、混
合物の温度分布が一層均一に保たれる。
【0014】また、請求項3に記載の発明によれば、攪
拌翼が平板翼であるので、回転方向の攪拌効率が向上さ
れる。
【0015】また、請求項4に記載の発明によれば、攪
拌翼が格子翼であるので、混合物が剪断攪拌される。つ
まり、翼を格子状にすることによって、混合物が攪拌翼
の回転方向に攪拌されるとともに、格子網目を通り抜け
た混合物が攪拌槽の上下方向にも攪拌される。
【0016】また、請求項5に記載の発明によれば、槽
中心側の冷却効果を槽壁側より高めることにより、ポリ
マー製造時に、重合反応によって熱を蓄積しやすい槽中
心部分に存在する混合物が優先的に冷却除去される。そ
の結果、混合物の温度分布が均一に保たれるので、分子
量の分布が均一なポリマーが製造される。
【0017】さらに、請求項6に記載の発明によれば、
混合物の攪拌を伴いながら冷却されるので、混合物から
発生する熱が分散され一層効率よく冷却除去される。そ
の結果、混合物は均一な温度分布が保たれる。
【0018】
【発明の実施の形態】<第1実施例>以下、図面を参照し
てこの発明の一実施形態を説明する。図1は、この第1
実施例の攪拌機の縦断面図、図2は攪拌翼の縦断面図で
ある。
【0019】攪拌機1は、図1に示すように、攪拌槽2
と、この攪拌槽2の外周面に付設されたジャケット3
と、攪拌槽2の中心部を上下に貫通する回転軸4と、こ
の回転軸4の上部および下部のそれぞれに連通接続され
た回転継手部材5(5A,5B)と、回転軸4の軸方向
水平に取り付けられた攪拌翼6とから構成されている。
【0020】攪拌槽2は、一般的に使用されるのであっ
て、ステンレス鋼で形成されており、その底部分が椀状
をしたものである。
【0021】ジャケット3は、攪拌槽2の外周と底部を
包み込むように付設されており、その内部には温度調節
用流体として、例えば、冷却水または温水が流通するよ
うに流路が設けられている。つまり、攪拌槽2の外周方
向から攪拌槽内部へ熱を加えたり、重合反応に伴って発
生する熱を冷却除去したりするようになっている。
【0022】回転軸4は、上部に図示しない駆動手段が
連結接続されている。また、図2に示すように、回転軸
4の上部および下部のそれそれには流路が設けられてお
り、回転継手部材5(5A、5B)に設けられた流路お
よび後述する攪拌翼6内に設けられた流路7のそれぞれ
と連通接続されている。
【0023】つまり、この実施例では、上部回転継手部
材5Aから温度調節用流体を供給すると、回転軸4の上
部流路、攪拌翼6の流路7、回転軸4の下部流路の順に
流通した後、下部回転継手部材5Bから排出されるよう
になっている。
【0024】次に、この実施例の特徴的な構成を有する
攪拌翼6の構成について説明する。攪拌翼6は、図1に
示すように、回転軸4の左右それぞれに一対の平板状の
翼(以下、適宜「平板翼」という)が取り付けられてい
る。また、平板翼6には、図2の縦断面図に示すよう
に、その内部に回転軸側から回転半径方向の外側に向か
うとともに、その外側から回転軸方向へと折り返し戻る
流路を連続して連通接続した一本の流路7が設けられて
いる。そして、流路7の上部および下部のそれぞれは、
回転軸4の上下部の流路と連通接続されている。
【0025】また、平板翼6は、例えば、2枚のステン
レス鋼板で構成されている。つまり、一方のステンレス
鋼板に流路7となる溝が刻まれており、他方は、溝付き
の鋼板と重ね合わされ、他方の鋼板に刻まれた溝を液密
に閉塞するようになっている。
【0026】なお、流路7の形成は上述の形態に限定さ
れるものではなく、平板翼6の内部を回転軸側から回転
半径方向の外側に温度調節用流体が流通し、外部に漏れ
ない構造であればよい。
【0027】なお、この実施例では、回転軸4が攪拌槽
2の上部と下部に貫通されて両端部を支持されている
が、図3に示すように、攪拌槽2の上部で回転軸4が片
持ち支持されているものであってもよい。この場合、回
転継手部材5および回転軸4にバッフル材を設け、回転
継手部材5で温度調節用流体の供給・排出が同時に行え
るようにすればよい。
【0028】つまり、回転継手部材5から供給される温
度調節用流体は、回転継手部材5の供給流路と連通接続
された回転軸4の流路を介し、平板翼6内の流路7を上
部から下部に向けて蛇行しながら流通した後、回転軸4
の軸方向中心に設けられた流路4aを下部から上部に向
けて流通し、回転継手部材5の排出流路から排出される
ようにすればよい。
【0029】次に、上述の攪拌機1を用いて重合により
ポリマーを製造する方法について、図4に示す制御部を
含む装置全体のブロック図を参照しながら説明する。な
お、ポリマーを製造する際に必要な条件、例えば、重合
温度の目標値などが各温度指示調節計などに予め設定さ
れているものとする。
【0030】先ず、モノマーを重合反応させる所定の温
度まで上げるために、配管R1に温水を流通させる。こ
のとき、攪拌槽に取り付けられた温度センサS1から逐
次検出された結果(温度)は、第1温度指示調節計11
に送られる。そして、第1温度指示調節計11では、重
合反応開始の目標温度として予め設定された目標値と検
出結果との比較によりジャケット水温度の目標値が導出
され、その結果が第2温度指示調節計12に送られる。
同時に、配管R1に取り付けられた温度センサS2から
検出された結果(温度)も第2温度指示調節計12に送
られる。
【0031】第2温度指示調節計12では、第1温度指
示調節計11から導出されたジャケット水温度、温度セ
ンサS2で検出された温度から配管R1を流通させる水
温度が目標設定値に合うようにコントロールされる。つ
まり、導出された温度偏差に基づいて、配管加熱部13
に蒸気を送り込むようにバルブV1の開閉操作が行われ
る。その結果、配管R1を流通する水温が上昇され、配
管R1および攪拌機1内の各流路に温度コントロールさ
れた温水が流通される。
【0032】次に、モノマーが重合温度の目標値に達す
ると開始剤が投入される。そして重合反応が開始する
と、この反応に伴って熱が発生する。この反応に伴う混
合物の温度変化が温度センサS1で、また、配管R1を
循環する水温の変化が温度センサS2によって逐次検出
され、第1および第2温度指示調節計11,12によっ
て重合温度の目標設定値との比較、および配管R1を流
通する水温のコントロールが行われる。
【0033】つまり、重合反応の開始に伴って生じる熱
を冷却除去するために、配管過熱部13に蒸気を供給す
るバルブV1が閉じられるとともに、配管R1中を循環
する温水はバルブV2が開放されて排出される。同時
に、バルブV3が開かれて配管R2から冷却水が新たに
供給され、配管1および攪拌翼に設けられた流路とを循
環し、重合反応に伴う熱が冷却除去される。
【0034】すなわち、攪拌翼に設けられた流路を流通
する水温をコントロールすることによって、攪拌槽内の
重合温度が一定状態に保たれるようになっている。
【0035】なお、この実施例のポリマー製造方法で
は、予めモノマーを全量投入し、重合する一括重合につ
いて説明したが、その他、滴下重合などにおいて、この
本実施例の攪拌機を適用してもよい。
【0036】以上に述べた上記実施例の攪拌機1によれ
ば、回転軸4側から回転半径方向の外側に向かうととも
に、この外側から回転軸4方向に戻る流路を連続して連
通接続した流路7を平板翼6に備えている。つまり攪拌
槽2の中心部の冷却効果を高めているので、攪拌時に回
転軸4側(回転中心)で停滞しがちな混合物から発生す
る熱を効果的に冷却除去することができる。また、攪拌
槽2の外周にジャケット3を付設することによって、攪
拌槽2の中心側と外側の両方から冷却を行うことができ
る。その結果、混合物の温度分布が均一となり、分子量
の分布が均一なポリマーを製造することができる。ま
た、モノマーが重合反応を起こすまでの熱伝達も、効率
よく行える。
【0037】<第2実施例>次に、第2実施例に係る攪拌
機について説明する。なお、この実施例において、攪拌
翼以外の構成は、先の第1実施例と同一であるので同一
箇所については同一符号を付すに留め、説明を省略す
る。図5は第2実施例の攪拌翼の縦断面図である。
【0038】この実施例の回転軸4は、上部と下部のそ
れぞれに回転継手部材5(5A、5B)を備えている。
これら回転継手部材5A、5Bのそれぞれは、その内部
でバッフル材によって分割され、温度調節用流体を供給
する流路と排出する流路を備えている。また、回転軸4
の上部および下部の内部それぞれもバッフル材により分
割された流路を備えている。そして、回転軸4の上下部
一組の流路は、上部回転継手部材5Aの供給流路と、下
部回転継手部材5Bの排出流路、および平板翼6A内の
流路7Aと連通接続されている。他の組の流路は、下部
回転継手部材5Bの供給流路と、上部回転継手部材5A
の排出流路、および平板翼6B内の流路7Bのそれぞれ
に連通接続されている。
【0039】つまり、この実施例の攪拌機1では、上部
回転継手部材5Aおよび回転軸4の流路を介して流通し
てきた温度調節用流体が、平板翼6A内の流路7Aを回
転軸4側から回転半径方向の外側へ向かうとともに、そ
の外側から回転軸4方向に戻るように、攪拌翼6の上部
から下部へと蛇行しながら流通した後、回転軸4の下部
および下部回転継手部材5Bの流路を介して攪拌槽外に
排出されるようになっている。
【0040】他方、下部回転継手部材5Bおよび回転軸
4の流路を介して流通してきた温度調節用流体は、平板
翼6Aとは逆に、平板翼6B内の流路7Bを回転軸4側
から回転半径方向の外側へ向かうとともに、その外側か
ら回転軸4方向に戻るように、攪拌翼6の下部から上部
へと蛇行しながら流通した後、回転軸4の上部および上
部回転継手部材5Aの流路を介して攪拌槽外に排出され
るようになっている。
【0041】以上のように回転軸4の上下部に温度調節
用流体の供給・排出を同時に行える回転継手部材5A,
5Bを取り付けることによって、平板翼6Aの流路7A
には上部から下部に、平板翼6Bの流路7Bには下部か
ら上部に向けて温度調節用流体を流通させることができ
る。すなわち、攪拌槽2の中心部の冷却効果が高められ
るとともに、攪拌槽2内の上下方向について均等な温度
調節効果が得られるので、攪拌槽2内で混合物の重合反
応に伴い発生した熱が、攪拌槽の中心側と、上下方向お
よびジャケット3による槽壁側からの4方向によって冷
却除去されるので、重合反応時の混合物の温度分布を一
層均一に保つことができ、分子量の分布が一層均一とな
るポリマーを製造することができる。
【0042】<第3実施例>次に、第3実施例に係る攪拌
機について説明する。なお、この実施例において、攪拌
翼以外の構成は、先の第1実施例と同一であるので同一
箇所については同一符号を付すに留め、説明を省略す
る。
【0043】この実施例の攪拌翼は、図6に示すよう
に、縦2列、横3行からなる格子翼6が回転軸4の左右
対称に設けられた構成となっている。また、この格子翼
6の内部には、各格子部分に温度調節用流体が流通する
ように流路7(7a〜7i)が設けられている。
【0044】つまり、その構造は、上段格子内の流路7
aと、外側縦格子の上段格子から中段格子に向かう流路
7bと、中段格子の外側縦格子から内側縦格子に向かう
流路7cと、内側縦格子の中段格子から上段格子側に向
かうとともに、上段格子手前で折り返し中段格子まで戻
る流路7dと、中段格子の内側縦格子から回転軸側に向
かうとともに、回転軸手前で折り返し内側縦格子まで戻
る流路7eと、内側縦格子の中段格子から下段格子側に
向かうとともに、下段格子手前から折り返し中段格子ま
で戻る流路7fと、中段格子の内側縦格子から外側縦格
子に向かう流路7gと、外側縦格子の中段格子から下段
格子に向かう流路7hと、下段格子の外側縦格子から回
転軸に向かう流路7iの順番で、それぞれが連通接続さ
れた1本の流路7を形成している。さらに、上段および
下段の流路7a,7iのそれぞれは、回転軸4内の流路
と連通接続されている。
【0045】つまり、回転継手部材5Aから供給された
温度調節用流体は、格子翼6内の流路7a〜7iを順番
に流通した後、回転軸4の下部に設けられた流路および
回転継手部材5Bを介して攪拌槽外に排出されるように
なっている。
【0046】なお、この実施例では、説明の便宜上、格
子翼6の格子の数は縦2列、横3行としているが、この
形態に限定されるものではない。
【0047】また、この実施例では、回転軸4が攪拌槽
2の上部と下部に貫通されて両端部を支持されている
が、図7に示すように、攪拌槽2の上部で回転軸4が片
持ち支持されているものであってもよい。この場合、回
転継手部材5および回転軸4の上部にバッフル材を設
け、格子翼6内の流路7(7a〜7i)を流通する温度
調節用流体が、格子翼6内の流路7を上部から下部に向
けて順番に流通した後、回転軸4の軸方向中心に設けら
れた流路4aを下部から上部に向けて流通させて回転継
手部材5から排出するようにすればよい。
【0048】以上のように格子翼6内に流路7を設ける
ことによって、ポリマー製造時の重合反応に伴って発生
する熱が、攪拌槽中心側から優先的に冷却除去されるこ
ととなる。また、格子翼にすることによって混合物が格
子網目を通り抜け、回転軸4の縦方向にも攪拌すること
となる。その結果、ポリマー製造時の重合反応に伴って
混合物から発生する熱が均一に冷却除去されるので、混
合物の温度分布を均一に保つことができ、分子量の分布
が均一なポリマーを製造することができる。
【0049】<第4実施例>次に、第4実施例に係る攪拌
機について説明する。なお、この実施例において、攪拌
翼以外の構成は、先の第1実施例と同一であるので、同
一箇所については同一符号を付すに留め、説明を省略す
る。
【0050】この実施例の回転軸4は、図8に示すよう
に、上部と下部のそれぞれに回転継手部材5を備えてい
る。これらの回転継手部材5A、5Bのそれぞれは、そ
の内部でバッフル材によって分割され、温度調節用流体
を供給する流路と排出する流路とを備えている。また、
回転軸4の上部および下部の内部それぞれもバッフル材
により分割された流路を備えている。そして、回転軸4
の上下部一組の流路は、上部回転継手部材5Aの供給流
路と、下部回転継手部材5Bの排出流路、および格子翼
6A内の流路7Aと連通接続されている。他方の組の流
路は、下部回転継手部材5Bの供給流路と、上部回転継
手部材5Aの排出流路と、および格子翼6B内の流路7
Bのそれぞれに連通接続されている。
【0051】つまり、この実施例の攪拌機1では、上部
回転継手部材5Aおよび回転軸4の流路を介して流通し
てきた温度調節用流体が格子翼6A内の流路7Aを回転
軸4側から回転半径方向の外側に向かうとともに、その
外側から回転軸4方向に戻るように、攪拌翼6Aの上部
から下部へと蛇行しながら流通した後、回転軸4の下部
および下部回転継手部材5Bの流路を介して攪拌槽外に
排出されるようになっている。
【0052】他方、下部回転継手部材5Bおよび回転軸
4の流路を介して流通してきた温度調節用流体は、格子
翼6Aとは逆に、格子翼6B内の流路7Bを回転軸4側
から回転半径方向の外側に向かうとともに、その外側か
ら回転軸4方向に戻るように、攪拌翼6Bの下部から上
部へと蛇行しながら流通した後、回転軸4の上部および
上部回転継手部材5Aの流路を介して攪拌槽外に排出さ
れるようになっている。
【0053】以上のように、この実施例の攪拌機1で
は、攪拌翼6(6A,6B)を格子翼にすることによっ
て、混合物が格子翼6の格子網目を通り抜け、回転軸4
の上下方向にも攪拌されるとともに、重合反応に伴って
発生した熱が、攪拌槽の中心側、攪拌槽の上下方向、お
よびジャケットによって槽壁側からの4方向から冷却除
去されるので、一層効率よく熱の冷却除去が行える。
【0054】本発明は、上記実施の形態に限られること
なく、下記のように変形実施することができる。 (1)上記各実施例では、攪拌機1に設けられる攪拌翼
6が回転軸に対して左右対称に設けられた2枚の翼から
構成されていたが、2枚に限定されるものではない。
【0055】(2)上記実施例では、攪拌槽2に付設す
るジャケット3が、攪拌槽2の外周側と底部しか覆って
いないが、上部にもジャケットを設けてもよい。
【0056】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1に記載の発明によれば、攪拌翼が回転中心から回転半
径方向の外側に向かう流路を備えているので、攪拌槽中
心側の混合物に対して熱の伝達および重合反応に伴って
発生した熱の冷却除去を優先的に行うことができる。つ
まり、攪拌に伴って攪拌槽中心側で停滞しがちな混合物
に対して熱の伝達、および重合反応に伴って発生した熱
の冷却除去を効果的に行うことができる。その結果、混
合物の温度分布を均一に保つことができ、分子量の分布
の均一なポリマーを製造することができる。
【0057】また、請求項2に記載の発明によれば、攪
拌翼の流路を上部から下部に向けて温度調節用流体が流
通するグループと、攪拌翼の流路を下部から上部に向け
て温度調節用流体が流通するグループとを組み合わせる
ことによって、攪拌槽内の上下方向について均等な温度
調節効果が得られるので、混合物の温度分布を一層均一
に保つことができる。
【0058】また、請求項3に記載の発明によれば、攪
拌翼を平板翼とすることで、混合物を回転方向に効率よ
く攪拌することができる。
【0059】また、請求項4に記載の発明によれば、攪
拌翼を格子翼とすることで、攪拌槽の中心側で停滞しが
ちな混合物は、格子網目を通り抜けることによって攪拌
槽の上下方向に攪拌することができる。その結果、混合
物への熱伝達および重合反応によって発生する熱の冷却
除去を一層効率よく行うことができる。
【0060】また、請求項5に記載の発明によれば、ポ
リマー製造時の重合反応により発生した熱は攪拌槽の中
心側で蓄積されやすいが、攪拌槽の中心側から発生した
熱を優先的に冷却除去することによって、混合物の温度
分布を均一に保つことができる。その結果、分子量の分
布が均一に保たれたポリマーを製造することができる。
【0061】さらに、請求項6に記載の発明によれば、
ポリマー製造時に混合物を攪拌することによって、重合
反応に伴って発生する熱が分散され、一層効率よく冷却
除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の攪拌機の縦断面図である。
【図2】第1実施例に用いられる平板翼の縦断面図であ
る。
【図3】第1実施例の平板翼の変形例を示す縦断面図で
ある。
【図4】第1実施例の攪拌装置の全体を示したブロック
図である。
【図5】第2実施例の攪拌機に係る平板翼の縦断面図で
ある。
【図6】第3実施例の攪拌機に係る格子翼の縦断面図で
ある。
【図7】第3実施例の格子翼の変形例を示した縦断面図
である。
【図8】第4実施例の攪拌機に係る格子翼の縦断面図で
ある。
【符号の説明】
1 … 攪拌機 2 … 攪拌槽 3 … ジャケット 4 … 回転軸 5(5A、5B) … 回転継手部材 6(6A、6B) … 攪拌翼(平板翼、格子翼) 7(7A,7B) … 流路 7(7a〜7i) … 流路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新家 香織 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 奥野 利昭 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 藤原 誠 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 Fターム(参考) 4G037 CA05 EA04 4G078 AA22 AB11 BA05 DA01 DC08 4J011 AB03 AC06 DB05 DB19 DB23 4J031 AE20 CA02 CG07 CG08 CG25 CG27

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 攪拌槽と、この攪拌槽の中心部に設けら
    れた回転軸と、この回転軸に取り付けられるとともに、
    内部に温度調節用流体を流通させる流路を備えた回転継
    手部材と、回転軸に取り付けられた複数枚の攪拌翼とを
    備えた攪拌機であって、 前記回転軸は、その内部に温度調節用流体を流通させる
    流路が設けられており、前記回転継手部材と連通接続し
    ているとともに、前記攪拌翼は、温度調節用流体が回転
    中心から回転半径方向の外側に向かう流路を備え、か
    つ、この流路が回転軸に設けられた流路と連通接続され
    たことを特徴とする攪拌機。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の攪拌機において、 前記複数枚の攪拌翼は、温度調節用流体が攪拌翼の上部
    から下部に向かって流通する流路を備えたグループと、
    温度調節用流体が攪拌翼の下部から上部に向かって流通
    する流路を備えたグループとの組み合わせにより構成さ
    れたことを特徴とする攪拌機。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の攪拌機
    において、 前記攪拌翼は、平板翼であることを特徴とする攪拌機。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2に記載の攪拌機
    において、 前記攪拌翼は、格子翼であることを特徴とする攪拌機。
  5. 【請求項5】 槽内でポリマーを合成する方法におい
    て、 槽中心側の冷却効果を槽壁側よりも高めたことを特徴と
    するポリマー製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載のポリマー製造方法にお
    いて、 さらに、槽内で攪拌を行うことを特徴とするポリマー製
    造方法。
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Cited By (9)

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