JP2002299919A - マイクロ波信号伝送線路 - Google Patents

マイクロ波信号伝送線路

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JP2002299919A
JP2002299919A JP2001099331A JP2001099331A JP2002299919A JP 2002299919 A JP2002299919 A JP 2002299919A JP 2001099331 A JP2001099331 A JP 2001099331A JP 2001099331 A JP2001099331 A JP 2001099331A JP 2002299919 A JP2002299919 A JP 2002299919A
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polyurethane
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transmission line
signal transmission
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Tadaharu Hieda
忠晴 稗田
Toshio Ozawa
俊雄 小澤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】マイクロ波信号の伝搬時間とインピーダンス特
性とを同時に調整することのできるマイクロ波信号伝送
線路を提供する。 【解決手段】マイクロ波信号回路内においてマイクロ波
信号を伝送するマイクロ波信号伝送線路を、空間を通る
少なくとも1本以上の可撓性のある線により構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロ波信号伝
送線路に関し、さらに詳細には、マイクロ波周波数帯の
電子回路(以下、単に「マイクロ波信号回路」と称す
る。)であって、マイクロ波信号の伝搬時間(以下、単
に「伝搬時間」と適宜に称する。)やインピーダンス特
性を微調整することが必要な箇所を持つマイクロ波信号
回路に用いて好適なマイクロ波信号伝送線路に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、マイクロ波信号回路において
は、マイクロ波信号を伝送するマイクロ波信号伝送線路
として、高誘電率の基板上に形成されたマイクロストリ
ップラインと称される固定のマイクロ波信号伝送線路を
使用している。
【0003】例えば、レーダー用の送受共用のマイクロ
波信号回路は、図1に示すように、コバールなどのキャ
リア10上に、サーキュレータ12と、マイクロストリ
ップライン14、16、18とを配設して構成されてい
る。なお、符号20は、スタブを示している。
【0004】ここで、アンテナ端側J2から受信端側J
3までのマイクロ波信号の伝搬時間が規定されていると
き、サーキュレータ12の特性のばらつきにより、この
規定値を満足することができない場合がしばしば発生し
ていた。
【0005】このため、マイクロ波信号の伝搬時間を適
宜に調整することができるようなマイクロ波信号伝送線
路の提案が強く要望されていた。
【0006】また、サーキュレータ12の反射インピー
ダンスが良くない場合には、J1〜J3の反射インピー
ダンスの規定値を満足することができない場合が発生し
ていた。
【0007】従来、反射特性を向上するためには、各マ
イクロストリップライン14、16、18にスタブ20
を張り付ける方法を用いていた。この方法は、反射特性
の調整は可能であっても、マイクロ波信号の伝搬時間の
調整を行うことはできなかった。
【0008】このため、上記した点からも、インピーダ
ンス特性の調整を行うことができるとともに、マイクロ
波信号の伝搬時間の調整を行うことのできるマイクロ波
信号伝送線路の提案が強く要望されていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記したよ
うな従来の技術に対する要望に鑑みてなされたものであ
り、その目的とするところは、マイクロ波信号の伝搬時
間とインピーダンス特性とを同時に調整することのでき
るマイクロ波信号伝送線路を提供しようとするものであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によるマイクロ波信号伝送線路は、マイクロ
ストリップラインに代えて、空間を通る少なくとも1本
以上の可撓性のある線により構成され、この線により各
端子間の接続を行うようにしたものである。
【0011】従って、本発明によるマイクロ波信号伝送
線路によれば、上記線を可撓させて長さを調整するとと
もに空間上の位置を調整することにより、マイクロ波信
号の伝搬時間とインピーダンス特性とを同時に調整する
ことができる。
【0012】また、本発明によるマイクロ波信号伝送線
路は、マイクロストリップラインに代えて誘電体を配置
し、この誘電体の上方の空間を通る少なくとも1本以上
の可撓性のある線により構成され、この線により各端子
間の接続を行うようにしたものである。
【0013】従って、本発明によるマイクロ波信号伝送
線路によれば、上記線を可撓させて長さを調整するとと
もに空間上の位置を調整することにより、マイクロ波信
号の伝搬時間とインピーダンス特性とを同時に調整する
ことができる。
【0014】即ち、本発明のうち請求項1に記載の発明
は、マイクロ波信号回路内においてマイクロ波信号を伝
送するマイクロ波信号伝送線路を、空間を通る少なくと
も1本以上の可撓性のある線により構成するようにした
ものである。
【0015】また、本発明のうち請求項2に記載の発明
は、マイクロ波信号回路内においてマイクロ波信号を伝
送するマイクロ波信号伝送線路を、誘電体上の空間を通
る少なくとも1本以上の可撓性のある線により構成する
ようにしたものである。
【0016】また、本発明のうち請求項3に記載の発明
は、マイクロ波信号回路をそれぞれ備えた複数のマイク
ロ波信号機器間を配線してマイクロ波信号を伝送するマ
イクロ波信号伝送線路を、空間を通る少なくとも1本以
上の可撓性のある線により構成するようにしたものであ
る。
【0017】また、本発明のうち請求項4に記載の発明
は、マイクロ波信号回路をそれぞれ備えた複数のマイク
ロ波信号機器間を配線してマイクロ波信号を伝送するマ
イクロ波信号伝送線路を、誘電体上の空間を通る少なく
とも1本以上の可撓性のある線により構成するようにし
たものである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面に基づいて、本
発明によるマイクロ波信号伝送線路の実施の形態の一例
を詳細に説明するものとする。なお、以下の説明におい
ては、本発明の理解を容易にするために、図1に示した
構成と同一あるいは相当する構成に関しては、図1に用
いた符号と同一の符号を用いて示すものとする。
【0019】図2には、本発明によるマイクロ波信号伝
送線路の第1の実施の形態を示す斜視図が示されてい
る。
【0020】この図2に示す第1の実施の形態において
は、図1に示すマイクロ波信号回路においてアンテナ端
側J2から受信端側J3までのマイクロ波信号伝搬時間
が長すぎたりして調整が必要である場合に、マイクロ波
信号伝送線路として、マイクロストリップライン18の
代わりに、1本のポリウレタン被覆線30を配線し、こ
のポリウレタン被覆線30をサーキュレータ12の端子
12aに接続するようにしたものである。
【0021】この1本のポリウレタン被覆線30は、キ
ャリア10から離隔して、キャリア10の上方の空中に
配線されるものである。例えば、ポリウレタン被覆線3
0の箇所Aにおいては、所定の間隙G1だけ離隔して、
キャリア10の上方の空中に配線されている。
【0022】ポリウレタン被覆線30は可撓性を有する
ものであるが、振動などによりポリウレタン被覆線30
の配線状態が変動するのを防ぐために、接着剤によりポ
リウレタン被覆線30の適宜の箇所(1箇所でも複数箇
所でもよい。)をキャリア10に固定するようにしても
よい。
【0023】また、ポリウレタン被覆線30とサーキュ
レータ12の端子12aとの接続は、半田付けにより行
われている。
【0024】ここで、空中に配線されたポリウレタン被
覆線30のインピーダンス特性は、グランドあるいは誘
電体からの距離に依存する。
【0025】従って、インピーダンス特性は、空中に配
線されたポリウレタン被覆線30のグランドあるいは誘
電体からの距離を可変することで調整することが可能で
ある。
【0026】このため、ポリウレタン被覆線30のキャ
リア10からの距離を可変して、インピーダンス特性を
適宜に調整することができる。従って、これにより、マ
イクロ波信号回路内におけるインピーダンス整合を図る
ことができる。
【0027】また、伝搬時間は、ポリウレタン被覆線3
0の長さを可変して、適宜に調整することができる。具
体的には、ポリウレタン被覆線30の長さを長くすると
伝搬時間も長くなり、一方、ポリウレタン被覆線30の
長さを短くすると伝搬時間も短くなる。
【0028】ここで、マイクロストリップラインの伝搬
時間は、実効誘電率に比例した時間となるが、その一方
で、空間に配線された線、即ち、ポリウレタン被覆線3
0の伝搬時間は、空間に近い伝搬時間となり、伝搬時間
はマイクロストリップラインよりも短縮化される。
【0029】従って、ポリウレタン被覆線30を用いる
ことにより伝搬時間が短くなり過ぎた場合には、ポリウ
レタン被覆線30をS字形状に屈曲したりなどしてポリ
ウレタン被覆線30の長さを長くし、伝搬時間を必要な
時間長に調整するようにすればよい。
【0030】図3には、本発明によるマイクロ波信号伝
送線路の第2の実施の形態を示す斜視図が示されてい
る。
【0031】この図3に示す第2実施の形態は、マイク
ロ波信号伝送線路として、マイクロストリップライン1
8の代わりに、ポリウレタン被覆線30に加えてポリウ
レタン被覆線32を配線し、このポリウレタン被覆線3
2をサーキュレータ12の端子12aに接続するように
した点において、図2に示す第1の実施の形態と異な
る。
【0032】このポリウレタン被覆線32は、キャリア
10から離隔して、キャリア10の上方の空中に配線さ
れるものである。例えば、ポリウレタン被覆線32の箇
所Bにおいては、所定の間隙G2だけ離隔して、キャリ
ア10の上方の空中に配線されている。
【0033】ポリウレタン被覆線32は可撓性を有する
ものであるが、振動などによりポリウレタン被覆線32
の配線状態が変動するのを防ぐために、接着剤によりポ
リウレタン被覆線32の適宜の箇所(1箇所でも複数箇
所でもよい。)をキャリア10に固定するようにしても
よい。
【0034】また、ポリウレタン被覆線32とサーキュ
レータ12の端子12aとの接続は、半田付けにより行
われている。
【0035】ここで、空中に配線されたポリウレタン被
覆線30とポリウレタン被覆線32とのインピーダンス
特性は、グランドあるいは誘電体からの距離に依存する
とともに、ポリウレタン被覆線30とポリウレタン被覆
線32との間隔にも依存する。
【0036】従って、インピーダンス特性は、空中に配
線されたポリウレタン被覆線30、ポリウレタン被覆線
32のグランドあるいは誘電体からの距離を可変した
り、ポリウレタン被覆線30とポリウレタン被覆線32
との間隔を可変したりすることで調整することが可能で
ある。
【0037】このため、インピーダンス特性は、空中に
配線されたポリウレタン被覆線30、32のキャリア1
0からの距離を可変したり、ポリウレタン被覆線30と
ポリウレタン被覆線32との間の間隔を可変したりし
て、適宜に調整することができる。従って、これによ
り、マイクロ波信号回路内におけるインピーダンス整合
を図ることができる。
【0038】即ち、上記したように、空中に配線された
ポリウレタン被覆線30、ポリウレタン被覆線32のイ
ンピーダンス特性は、グランドや誘電体からの距離に依
存するが、一般に高インピーダンスになるので、2本の
ポリウレタン被覆線30とポリウレタン被覆線32とを
平行に配線することにより、例えば、50Ωに整合しや
すくなる。
【0039】また、伝搬時間は、ポリウレタン被覆線3
0、ポリウレタン被覆線32の長さを可変して、適宜に
調整することができる。具体的には、ポリウレタン被覆
線30、ポリウレタン被覆線32の長さを長くすると伝
搬時間は長くなり、一方、ポリウレタン被覆線30、ポ
リウレタン被覆線32の長さを短くすると伝搬時間は短
くなる。
【0040】図4には、本発明によるマイクロ波信号伝
送線路の第3の実施の形態を示す斜視図が示されてい
る。
【0041】この図4に示す第3の実施の形態において
は、マイクロストリップライン18に代えて誘電体40
を配設し、この誘電体40の上方の空間に、マイクロ波
信号伝送線路として、1本のポリウレタン被覆線30を
配線し、このポリウレタン被覆線30をサーキュレータ
12に接続するようにしたものである点において、図2
に示す第1の実施の形態と異なる。
【0042】この1本のポリウレタン被覆線30は、誘
電体40から離隔して、誘電体40の上方の空中に配線
されるものである。例えば、ポリウレタン被覆線30の
箇所Cにおいては、所定の間隙G3だけ離隔して、誘電
体40の上方の空中に配線されている。
【0043】ポリウレタン被覆線30は可撓性を有する
ものであるが、振動などによりポリウレタン被覆線30
の配線状態が変動するのを防ぐために、接着剤によりポ
リウレタン被覆線30の適宜の箇所(1箇所でも複数箇
所でもよい。)を誘電体40に固定するようにしてもよ
い。
【0044】ここで、空中に配線されたポリウレタン被
覆線30のインピーダンス特性は、誘電体40からの距
離に依存する。
【0045】従って、インピーダンス特性は、空中に配
線されたポリウレタン被覆線30の誘電体40からの距
離を可変することで調整することが可能である。
【0046】このため、ポリウレタン被覆線30の誘電
体40からの距離を可変して、インピーダンス特性を適
宜に調整することができる。従って、これにより、マイ
クロ波信号回路内におけるインピーダンス整合を図るこ
とができる。
【0047】また、伝搬時間は、ポリウレタン被覆線3
0の長さを可変して、適宜に調整することができる。具
体的には、ポリウレタン被覆線30の長さを長くすると
伝搬時間も長くなり、一方、ポリウレタン被覆線30の
長さを短くすると伝搬時間も短くなる。
【0048】ここで、マイクロストリップラインの伝搬
時間は、実効誘電率に比例した時間となるが、その一方
で、空間に配線された線、即ち、ポリウレタン被覆線3
0の伝搬時間は、空間に近い伝搬時間となり、伝搬時間
はマイクロストリップラインよりも短縮化される。
【0049】従って、ポリウレタン被覆線30を用いる
ことにより伝搬時間が短くなり過ぎた場合には、ポリウ
レタン被覆線30をS字形状に屈曲したりなどしてポリ
ウレタン被覆線30の長さを長くし、伝搬時間を必要な
時間長に調整するようにすればよい。
【0050】図5には、本発明によるマイクロ波信号伝
送線路の第4の実施の形態を示す斜視図が示されてい
る。
【0051】この図5に示す第4の実施の形態において
は、マイクロストリップライン18に代えて誘電体40
を配設し、この誘電体40の上方の空間に、マイクロ波
信号伝送線路として、ポリウレタン被覆線30に加えて
ポリウレタン被覆線32を配線し、このポリウレタン被
覆線32をサーキュレータ12の端子12aに接続する
ようにした点において、図4に示す第3の実施の形態と
異なる。
【0052】このポリウレタン被覆線32は、誘電体4
0から離隔して、誘電体40の上方の空中に配線される
ものである。例えば、ポリウレタン被覆線32の箇所D
においては、所定の間隙G4だけ離隔して、誘電体40
の上方の空中に配線されている。
【0053】ポリウレタン被覆線32は可撓性を有する
ものであるが、振動などによりポリウレタン被覆線32
の配線状態が変動するのを防ぐために、接着剤によりポ
リウレタン被覆線32の適宜の箇所(1箇所でも複数箇
所でもよい。)を誘電体40に固定するようにしてもよ
い。
【0054】また、ポリウレタン被覆線32とサーキュ
レータ12の端子12aとの接続は、半田付けにより行
われている。
【0055】ここで、空中に配線されたポリウレタン被
覆線30とポリウレタン被覆線32とのインピーダンス
特性は、誘電体40からの距離に依存するとともに、ポ
リウレタン被覆線30とポリウレタン被覆線32との間
隔にも依存する。
【0056】従って、インピーダンス特性は、空中に配
線されたポリウレタン被覆線30、ポリウレタン被覆線
32の誘電体40からの距離を可変したり、ポリウレタ
ン被覆線30とポリウレタン被覆線32との間隔を可変
したりすることで調整することが可能である。
【0057】このため、インピーダンス特性は、空中に
配線されたポリウレタン被覆線30、32の誘電体40
からの距離を可変したり、ポリウレタン被覆線30とポ
リウレタン被覆線32との間の間隔を可変したりして、
適宜に調整することができる。従って、これにより、マ
イクロ波信号回路内におけるインピーダンス整合を図る
ことができる。
【0058】即ち、上記したように、空中に配線された
ポリウレタン被覆線30、ポリウレタン被覆線32のイ
ンピーダンス特性は、誘電体40からの距離に依存する
が、一般に高インピーダンスになるので、2本のポリウ
レタン被覆線30とポリウレタン被覆線32とを平行に
配線することにより、例えば、50Ωに整合しやすくな
る。
【0059】また、伝搬時間は、ポリウレタン被覆線3
0、ポリウレタン被覆線32の長さを可変して、適宜に
調整することができる。具体的には、ポリウレタン被覆
線30、ポリウレタン被覆線32の長さを長くすると伝
搬時間は長くなり、一方、ポリウレタン被覆線30、ポ
リウレタン被覆線32の長さを短くすると伝搬時間は短
くなる。
【0060】ここで、本願発明者によるシュミレーショ
ンの結果について説明するが、このシュミレーションの
結果の理解を容易にするために、まず、伝搬時間と電気
長との関係について説明しておく。
【0061】伝搬時間と電気長とは、以下に示す式
(1)の関係がある。
【0062】 伝搬時間=(電気長)/(伝搬速度)=(電気長〜電気的な物の長さ)/( 伝搬速度〜光速の値と同等(≒299.8×10mm/s)) ・・・ 式( 1) 次に、電気長は、式(2)に示す算出式により求められ
る。
【0063】 電気長=(実効誘電率)1/2×(物理的長さ) ・・・ 式(2) 従って、図1に示す従来のマイクロ波回路構成における
RX RF信号入出力間の電気長は、 電気長=(マイクロストリップライン16の実効誘電率)1/2×(マイク ロストリップライン16の長さ)+(サーキュレータ12の電気長)+(マイク ロストリップライン18の実効誘電率)1/2×(マイクロストリップライン1 8の長さ) ・・・ 式(3) となる。
【0064】ここで、 L2:マイクロストリップライン16の長さ L3:マイクロストリップライン18の長さ C1:サーキュレータ12の電気長 とおき、マイクロストリップラインとしてアルミナ基板
を用い、そのアルミナ基板の実効誘電率を「K」とす
ると、式(3)より、 電気長={K 1/2×L2}+(C1)+{K
1/2×L3} となる。
【0065】ちなみに、アルミナ基板の代わりにテフロ
ン基板を用いた場合には、テフロン基板の実効誘電率を
「K」とすると、式(3)より、 電気長={K 1/2×L2}+(C1)+{K
1/2×L3} となる。
【0066】一方、図2に示す本発明の第1の実施の形
態によるRX RF信号入出力間の電気長は、 電気長=(マイクロストリップライン16の実効誘電率)1/2×(マイク ロストリップライン16の長さ)+(サーキュレータ12の電気長)+(空間の 実効誘電率)×(ポリウレタン被覆線30の長さ) ・・・ 式(4) となる。
【0067】ここで、 L2:マイクロストリップライン16の長さ L4:ポリウレタン被覆線30の長さ C1:サーキュレータ12の電気長 とおき、マイクロストリップラインとしてアルミナ基板
を用い、そのアルミナ基板の実効誘電率を「K」とす
ると、式(4)より、 電気長={K 1/2×L2}+(C1)+{11/2
×L4} となる。
【0068】従って、ポリウレタン被覆線30の長さを
長くしたり、短くしたりすることにより、電気長、即
ち、伝搬時間の調整が可能となる。
【0069】具体的に、 マイクロ波信号の周波数:6GHz マイクロストリップラインの材質:アルミナ基板 アルミナ基板の厚さ:0.635mm アルミナ基板の実効誘電率:6.679 マイクロストリップライン16の長さ(L2):20m
m マイクロストリップライン18の長さ(L3):25m
m サーキュレータ12の電気長(C1):83.7〜10
3.7mm ポリウレタン被覆線30の長さ(L4):44.6〜6
4.6mm(調整して決定する。)であるマイクロ波回
路について、電気長と伝搬時間について検討する。
【0070】図1に示す従来のマイクロ波回路構成のR
X RF信号入出力間の電気長は、式(3)より、 電気長=200〜220mm ・・・ 式(5) となる。
【0071】即ち、C1のばらつきのため、電気長にば
らつき(約20mm)が生じてしまう。
【0072】一方、図2に示す本発明の第1の実施の形
態によるRX RF信号入出力間の電気長は、 電気長=200mm ・・・ 式(6) となる。
【0073】即ち、C1のばらつきをL4を可変するこ
とにより調整して、電気長のばらつきを無くすことがで
きる。
【0074】また、式(1)と式(5)とより、図1に
示す従来のマイクロ波回路構成のRX RF信号入出力
間の伝搬時間は、 伝搬時間=667.111〜733.823ps となる。
【0075】即ち、C1のばらつきのため、伝搬時間に
ばらつき(約66.7ps)が生じてしまう。
【0076】一方、式(1)と式(6)とより、図2に
示す本発明の第1の実施の形態によるRX RF信号入
出力間の伝搬時間は、 伝搬時間=667.111ps となる。
【0077】即ち、C1のばらつきをL4を可変するこ
とにより調整して、伝搬時間のばらつきを無くすことが
できる。
【0078】従って、図2に示す本発明の第1の実施の
形態によれば、電気長で約20mm、伝搬時間で約6
6.7psの調整が可能であり、かつ、同時にインピー
ダンス調整も可能である。
【0079】なお、上記した各実施の形態は、以下の
(1)乃至(5)に示すように変形してもよい。
【0080】(1)上記した各実施の形態においては、
マイクロ波信号伝送線路としてポリウレタン被覆線を用
いたが、これに限られるものではないことは勿論であ
り、例えば、スズメッキ線を用いるようにしてもよい。
【0081】(2)上記した第2の実施の形態ならびに
第4の実施の形態においては、マイクロ波信号伝送線路
としてポリウレタン被覆線を2本用いたが、これに限ら
れるものではないことは勿論であり、3本以上の複数本
を用いるようにしてもよい。
【0082】(3)上記した各実施の形態においては、
マイクロストリップライン18についてのみ、それに代
えて本発明によるマイクロ波信号伝送線路としてポリウ
レタン被覆線を用いるようにしたが、これに限られるも
のではないことは勿論である。即ち、マイクロストリッ
プライン14やマイクロストリップライン16に代え
て、本発明によるマイクロ波信号伝送線路としてポリウ
レタン被覆線を用いるようにしてもよい。
【0083】(4)上記した各実施の形態は、単一のデ
バイス内におけるマイクロ波信号回路の配線に関して説
明したが、これに限られるものではないことは勿論であ
る。例えば、図6(a)(b)に示す本発明によるマイ
クロ波信号伝送線路の第5の実施の形態のように、複数
のデバイス(図6に示す例においては、2つのデバイス
(デバイス1およびデバイス2)を、これら複数のデバ
イスの間の空間上に位置されるポリウレタン被覆線30
を配線して接続するようにしてもよい。また、図6
(a)(b)においては、上記した配線は誘電体上の空
間に行われているが、これに限られることはなしに、グ
ランド上などの適宜の空間において行ってもよい。
【0084】(5)上記した各実施の形態ならびに上記
した(1)乃至(4)に示す変形例は、適宜に組み合わ
せるようにしてもよい。
【0085】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、マイクロ波信号の伝搬時間とインピーダン
ス特性とを同時に調整することのできるマイクロ波信号
伝送線路を提供することができるという優れた効果を奏
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】マイクロ波信号回路における従来のマイクロ波
信号伝送線路を示す斜視図である。
【図2】本発明によるマイクロ波信号伝送線路の第1の
実施の形態を示す斜視図である。
【図3】本発明によるマイクロ波信号伝送線路の第2の
実施の形態を示す斜視図である。
【図4】本発明によるマイクロ波信号伝送線路の第3の
実施の形態を示す斜視図である。
【図5】本発明によるマイクロ波信号伝送線路の第4の
実施の形態を示す斜視図である。
【図6】(a)本発明によるマイクロ波信号伝送線路の
第5の実施の形態を示す上面図であり、(b)本発明に
よるマイクロ波信号伝送線路の第5の実施の形態を示す
側面図である。
【符号の説明】 10 キャリア 12 サーキュレータ 12a 端子 14、16、18 マイクロストリップライン 20 スタブ 30、32 ポリウレタン被覆線 40 誘電体
フロントページの続き Fターム(参考) 5J013 GA06

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マイクロ波信号回路内においてマイクロ
    波信号を伝送するマイクロ波信号伝送線路であって、 空間を通る少なくとも1本以上の可撓性のある線により
    構成されたマイクロ波信号伝送線路。
  2. 【請求項2】 マイクロ波信号回路内においてマイクロ
    波信号を伝送するマイクロ波信号伝送線路であって、 誘電体上の空間を通る少なくとも1本以上の可撓性のあ
    る線により構成されたマイクロ波信号伝送線路。
  3. 【請求項3】 マイクロ波信号回路をそれぞれ備えた複
    数のマイクロ波信号機器間を配線してマイクロ波信号を
    伝送するマイクロ波信号伝送線路であって、 空間を通る少なくとも1本以上の可撓性のある線により
    構成されたマイクロ波信号伝送線路。
  4. 【請求項4】 マイクロ波信号回路をそれぞれ備えた複
    数のマイクロ波信号機器間を配線してマイクロ波信号を
    伝送するマイクロ波信号伝送線路であって、 誘電体上の空間を通る少なくとも1本以上の可撓性のあ
    る線により構成されたマイクロ波信号伝送線路。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016095271A (ja) * 2014-11-17 2016-05-26 三菱電機株式会社 劣化度推定システム、劣化度推定方法、及び、プログラム

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