JP2002299136A - 内燃機関用点火コイル - Google Patents

内燃機関用点火コイル

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JP2002299136A
JP2002299136A JP2001098387A JP2001098387A JP2002299136A JP 2002299136 A JP2002299136 A JP 2002299136A JP 2001098387 A JP2001098387 A JP 2001098387A JP 2001098387 A JP2001098387 A JP 2001098387A JP 2002299136 A JP2002299136 A JP 2002299136A
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JP
Japan
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ignition coil
coil
primary
combustion engine
bobbin
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JP2001098387A
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Noburo Kinumi
信郎 絹見
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Diamond Electric Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Diamond Electric Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】エンジンのプラグホールに搭載し、安価で小型
で信頼性の高い点火コイルを提供する。 【解決手段】1次ボビン14に使用する成形材料にポリ
ブチレンテレフタレートを使用した内燃機関用点火コイ
ルにおいて、前記1次ボビン14は前記ポリブチレンテ
レフタレートにカーボンブラックを添加せず有機染料を
添加し耐電圧を40kV/mm以上としたことを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンのプラグ
ホール内に装着され、点火プラグに高電圧を供給する内
燃機関用点火コイルに関し、特に点火コイルの1次ボビ
ン材料に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジンのプラグホールに搭載し、点火
プラグに高電圧を直接供給する点火コイルの縦断面図を
図1に示す。内燃機関用点火コイルは、エンジンのシリ
ンダヘッド間に作られる空間にディストリビュータを必
要としないプラグ直付けタイプの点火コイルが実用化さ
れて、点火プラグが取り付けられるプラグホールに形成
される空間に点火コイルの一部もしくは全部を配置する
タイプのものがいくつか提案されている。一般に自動車
用内燃機関の点火プラグの外径寸法は16mmから20
mm程度であり、これが挿入されるプラグホールは、内
径が20mmから35mm程度で、奥行きは100mm
前後である。近時内燃機関用点火コイルは、内燃機関の
小型化に伴って小型で高特性のものが要求されている。
この中で、点火コイルを構成する各部材においても極限
までスリム化されており、導線を巻廻す薄肉縦長なボビ
ンにいたっては、現在0.6〜1.4mm位の肉厚を取
っている。
【0003】図1において、点火プラグに高電圧を直接
供給する点火コイルは、ケース11の上部収納部11b
に1次コネクタ12や、場合によっては1次電流をオン
−オフするイグナイタ13を収納している。中心鉄芯1
8と同軸的に、2次ボビン16に2次導線を巻廻した2
次コイル17と、1次ボビン14に1次導線を巻廻した
1次コイル15と、円筒形状に形作られその円周の一部
に切り欠き部を有する外装鉄芯19とを順に配置し、ケ
ース11底部に2次高圧端子22を備え、当該2次高圧
端子22は、2次コイル17とケース11に備えた高圧
タワー部11a内のスプリング23と電気的に接続さ
れ、ケース11上部の開口部からエポキシ樹脂を注入充
填して硬化させ、絶縁封止している。さらに前記高圧タ
ワー部11aには、図示しないプラグホール等の金属部
に高電圧がリークしないようにプロテクタ25を備え
る。
【0004】点火コイル動作時にはイグナイタ13のス
イッチングにより、1次電流入力部12から1次電流が
入力され、1次コイル15に通電され、1次コイル15
で磁気エネルギーが発生する。発生した磁気エネルギー
は、中心鉄芯18と外装鉄芯19を伝搬し、保持され
る。さらに中心鉄芯18の両端に永久磁石21−21を
配置して、磁気エネルギーを増大させている。点火のタ
イミングで前記イグナイタ13のスイッチングにより1
次電流が遮断されると、先の保持されていた磁界のエネ
ルギーは、鉄芯を介した1次コイル15と2次コイル1
7の電磁誘導により高電圧となって2次コイル17で発
生する。発生した高電圧は前記2次コイル17から 2
次高圧端子22を通り前記スプリング23を通して図示
しない点火プラグに送りこまれる。
【0005】点火プラグに高電圧を直接供給する点火コ
イルは、前述のように動作時には1次コイル15と2次
コイル17間には非常に高い電位差が生じる。ところが
構造の制約上2次コイル17と1次コイル15間の絶縁
距離が十分にとれていない。また1次ボビン14の耐電
圧が十分でないため、1次ボビン14表面に絶縁テープ
を巻くことで電気ツリーの発生を抑え、点火コイルの寿
命を保っている。
【0006】前記1次ボビン14に使用する成形材料に
は、ポリフェニレンサルファイド(以下「PPS」)や
変性ポリフェニレンエーテル(以下「変成PPE」)を
使用していた。これらの材料において、PPSは高温時
電気的特性が良好で、耐熱性、難燃性、耐薬品性、電気
絶縁性に優れ、熱可塑性合成樹脂の中でも、ポリフェニ
レンオキサイド(以下「PPO」)、ポリブチレンテレ
フタレート(以下「PBT」)よりも成形時の流動性が
良いとされている。従ってPPSは、成形金型内の隅々
まで良好に充填することができて、比較的容易に成形し
やすい。また、エチレン性不飽和化合物により変性され
た変性PPEは、強靱、耐熱性、耐クリープ性、耐水蒸
気性に良好で、ケース11内に充填されるエポキシ樹脂
(絶縁用樹脂)との接着性が良いとされている。
【0007】これよりケース11中に充填されるエポキ
シ樹脂との接着力が大きいので、経年の冷熱ストレスに
よるエポキシ樹脂のひずみがあってもエポキシ樹脂との
接着性を良好に維持してボビンとコイル間に剥離が生じ
ることを防止し、コイルとボビンとの剥離箇所を通って
コイルを構成する線材間で放電することを防止できる。
【0008】また、樹脂の着色を施すため、添加物とし
てカーボンブラック顔料を加えている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前述したようにエンジ
ンのプラグホールに搭載し、点火プラグに高電圧を直接
供給する点火コイルは、点火コイル軸芯に対して小径で
ありその2次コイル17と1次コイル15間の絶縁距離
が十分にとれない。このため1次ボビン14に使用する
材料として高温時電気特性に優れるPPS、変成PPE
を使用し、点火コイル動作時の1次コイル15と2次コ
イル17間の非常に高い電位差に対してリーク等の不具
合が発生しないようにしている。しかしこれだけでは、
リーク等の不具合に対しては十分とはいえないので、さ
らに1次ボビン14表面に耐電気絶縁性に秀でた絶縁テ
ープを巻くことで電気ツリーの発生を抑え、寿命を保っ
ている。しかしこの1次ボビン14のテープ巻き工程に
工数がかかっている。そこで本発明は上記課題を鑑み
て、エンジンのプラグホール内に装着され、点火プラグ
に高電圧を供給する内燃機関用点火コイルにおいて、エ
ンジンのプラグホールに搭載し、安価で小型で信頼性の
高い点火コイルを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明では、PBTにカーボンブラック顔料のかわりに
有機染料を添加し着色を施し、40kV/mm以上の耐
電圧を有する材料を内燃機関用点火コイルの1次ボビン
14として使用することで、組立工程のうち1次ボビン
14のテープ巻きの工程を廃止する。
【0011】また前記PBTは、ガラス繊維の添加量は
15%〜50%とすることを特徴とする。また前記PB
Tは、有機染料の添加量は1%以下とすることを特徴と
する。また前記PBTは、引っ張り強度が100MPa
以上であることを特徴とする。
【0012】
【実施例】上述の状況下において、発明者は点火プラグ
に高電圧を直接供給する点火コイルの1次ボビン14の
耐電圧を向上し、1次ボビン14のテープ巻き工程に対
する工数を低減すべく1ボビン14に使用する材料を種
々検討し試みた。
【0013】先ず通常のPBTは25kV〜35kV/
mmの耐電圧しかないが、40kV/mm程度の耐電圧
を要求するのであれば、ガラス繊維の添加量のアップや
ガラス繊維形状を変更したものを使用することや、また
マイカなど無機質の添加量をアップさせるといったこと
で、耐電圧を向上させることができる。これはボビン中
に発生した電気ツリーの進展方向に耐電気的特性に優れ
た無機質部材が介在するので、電気ツリーの進展を阻止
することができ、絶縁破壊を防止することができるとさ
れている。しかし、無機質の添加量をアップさせること
は成型時の樹脂の流れ性がより悪くなったり、強度が低
下する為、点火プラグに高電圧を直接供給する点火コイ
ルに使用する薄肉縦長ボビンには使用できない。
【0014】またPPEは電気特性に優れ、ケース11
内に充填されるエポキシ樹脂(絶縁用樹脂)との接着性
が良いとされているが、成形時の流動性に劣り成形に要
する時間がかかるためやはり点火プラグに高電圧を直接
供給する点火コイルに使用するボビンには使用しづら
い。
【0015】また、PPSは熱可塑性合成樹脂の中で
も、PPO、PBTよりも成形時の流動性が良いため、
無機質粉の量を50%〜70%重量にしても流動性を損
なわない。しかしPPSは高価である。
【0016】また、樹脂に着色を施すための添加物とし
て樹脂組成物の黒色系着色に実績のあるカーボンブラッ
ク顔料は、カーボンが導電性材料であることから、高圧
電気を使用する点火コイル用部品としては使用を控えな
ければならない。
【0017】点火コイルは、図示しない点火プラグに高
電圧を直接供給するため、図示しないプラグホール内に
埋設される点火コイルは、樹脂製のケース11の上部収
納部11bに図示しないバッテリーからの電源や、点火
信号を入力する1次コネクタ12や、場合によっては1
次電流をオン−オフするイグナイタ13を収納してい
る。また前記樹脂製のケース11内には磁束を保持する
中心鉄芯18と同軸的に、2次ボビン16に2次導線を
巻廻した2次コイル17と、1次ボビン14に1次導線
を巻廻した1次コイル15と、円筒形状に形作られその
円周の一部に切り欠き部を有する外装鉄芯19とを順に
配置し、前記ケース11底部に2次高圧端子22を備
え、当該2次高圧端子22は、2次コイル17とケース
11に備えた高圧タワー部11a内のスプリング23と
電気的に接続され、ケース11上部の開口部からエポキ
シ樹脂を注入充填して硬化させ、絶縁封止している。さ
らに前記高圧タワー部11aには、図示しないプラグホ
ール等の金属部に高電圧がリークしないようにプロテク
タ25を備える。また前記中心鉄芯18の両端、もしく
は一方に永久磁石21を装着しても良い。
【0018】本発明の技術を適用した実施例を表す点火
コイルの1次ボビン14に使用する材料は、PBTに有
機染料を添加し、従来の25kV〜35kV/mmの耐
電圧を40kV/mm以上と向上したPBT材である。
点火プラグに高電圧を直接供給する点火コイルは、前述
のように動作時には1次コイル15と2次コイル17間
には非常に高い電位差が生じ、点火コイル構造の制約
上、2次コイル17と1次コイル15間の絶縁距離が十
分にとれないため、1次ボビン14表面に絶縁テープを
巻くことで電気ツリーの発生を抑え、点火コイルの寿命
を保っている。
【0019】点火コイルの1次ボビン14の耐電圧が4
0kV/mmを越えることができれば、1次ボビン14
単体で点火コイル動作時に必要な耐電圧を確保すること
ができ、点火コイル動作時の1次コイル15と2次コイ
ル17間の非常に高い電位差に対して良好な絶縁を確保
することができる。これにより従来おこなっていた組立
工程のうち1次ボビン14のテープ巻きの工程を廃止す
ることができる。
【0020】前記PBTは、ガラス繊維の添加量は15
%〜50%であり、カーボンブラックを添加せずに有機
染料による黒色系着色を行い、その添加量は1%以下と
することを特徴とする内燃機関用点火コイルに使用され
る1次ボビン14である。また前記PBTは、材料引っ
張り強度は100MPa以上とすることで、経年の冷熱
ストレスに耐えうる点火コイルを提供することができ
る。
【0021】前記有機染料のPBTへの添加量は、1%
を越えると成形時の流動性が悪化し、さらに絶縁破壊電
圧の向上も見られなかった。また、本発明の点火コイル
は、点火コイルを構成する1次コイル15、2次コイル
17の順番が、中心鉄芯18に同軸的に1次コイル1
5、2次コイル17といった順に配置されていてもよい
ものである。
【0022】
【発明の効果】以上のようにエンジンのプラグホール内
に装着され、点火プラグに高電圧を供給する内燃機関用
点火コイルの1次ボビン14に本発明の技術を適用する
ことで、1次ボビン14のテープ巻きを廃止出来き、安
価で小型で信頼性の高い内燃機関用点火コイルを提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 エンジンのプラグホールに搭載し、点火プラ
グに高電圧を直接供給する点火コイルの縦断面図であ
る。
【符号の説明】
図において同一符号は同一、又は相当部分を示す。 11 ケース 11a 高圧タワー部 11b 上部収納部 12 1次コネクタ 13 イグナイタ 14 1次ボビン 15 1次コイル 16 2次ボビン 17 2次コイル 18 中心鉄芯 19 外装鉄芯 21 永久磁石 22 2次高圧端子 23 スプリング 25 プロテクタ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】点火コイルの中心に中心鉄芯と、中心鉄芯
    と同軸的に2次コイルを巻回した2次ボビンと、1次コ
    イルを巻回した1次ボビンとを備え、前記1次ボビンに
    使用する成形材料にポリブチレンテレフタレートを使用
    した内燃機関用点火コイルにおいて、前記1次ボビンは
    耐電圧が40kV/mm以上であり、かつ前記ポリブチ
    レンテレフタレートにカーボンブラックを添加せず有機
    染料を添加したことを特徴とする内燃機関用点火コイ
    ル。
  2. 【請求項2】1次ボビンは、ガラス繊維の添加量が15
    %〜50%とすることを特徴とする請求項1記載の内燃
    機関用点火コイル。
  3. 【請求項3】1次ボビンは、有機染料の添加量が1%以
    下とすることを特徴とする請求項1記載の内燃機関用点
    火コイル。
  4. 【請求項4】1次ボビンは、引っ張り強度が100MP
    a以上であることを特徴とする請求項1記載の内燃機関
    用点火コイル。
  5. 【請求項5】請求項2乃至4を少なくとも1つ以上組み
    合わせたことを特徴とする請求項1記載の内燃機関用点
    火コイル。
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Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07309999A (ja) * 1995-06-07 1995-11-28 Polyplastics Co 繊維強化ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物
JPH10292098A (ja) * 1997-04-21 1998-11-04 Mitsubishi Eng Plast Kk ポリエステル樹脂組成物
JP2000228322A (ja) * 1999-02-08 2000-08-15 Hitachi Ltd 内燃機関用点火コイル

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