JP2002298817A - アルカリ蓄電池およびその製造方法 - Google Patents

アルカリ蓄電池およびその製造方法

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JP2002298817A JP2001096552A JP2001096552A JP2002298817A JP 2002298817 A JP2002298817 A JP 2002298817A JP 2001096552 A JP2001096552 A JP 2001096552A JP 2001096552 A JP2001096552 A JP 2001096552A JP 2002298817 A JP2002298817 A JP 2002298817A
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Teruhito Nagae
輝人 長江
Takeo Hamamatsu
太計男 浜松
Masao Takee
正夫 武江
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Sanyo Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 繊維径が細くても繊維強度が強い極細繊維を
含有させて、強度が強く、かつ電解液の保持能力が高い
セパレータを得て、高率放電特性に優れ、かつサイクル
寿命の長いアルカリ蓄電池を提供する。 【解決手段】 本発明の正極と負極の間に介在するポリ
オレフィン系樹脂繊維からなるセパレータは、平均繊維
径が0.5〜2.0μmで繊維強度が0.02N/d
(デニール)以上である極細繊維をセパレータの質量に
対して10質量%以上含有している。繊維強度が0.0
2N/d(デニール)以上である極細繊維を10質量%
以上含有させると、平均繊維径が0.5〜2.0μmの
繊維を用いてもセパレータの強度が向上するとともに、
セパレータの緻密性も向上するため、電極のクラックや
バリや活物質の欠けや破損に起因する破片や粉末がセパ
レータを貫通することが抑制でき、内部短絡の発生を未
然に防止することが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ニッケル−水素蓄
電池、ニッケル−カドミウム蓄電池などのアルカリ蓄電
池およびその製造方法に係り、特に、正極と負極との間
に介在させるセパレータを改良したアルカリ蓄電池およ
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ニッケル−水素蓄電池、ニッケ
ル−カドミウム蓄電池などのアルカリ蓄電池は、正極と
負極の間にセパレータを介在させ、これらを渦巻状に巻
回して電極群を形成し、この電極群の上下端に集電体を
接続して電極体を形成する。この電極体を円筒状の金属
製電池缶に収納し、正極用集電体より延出する集電リー
ド板を封口体下面に溶接し、電解液を注入した後、電池
缶の開口部に絶縁ガスケットを介在させて封口体を装着
することにより密閉して構成されている。
【0003】このようなアルカリ蓄電池に用いられるセ
パレータにおいては、耐酸化性に優れ、かつ電解液中の
強アルカリに対する耐性に優れるとともに、充分な量の
電解液を保持でき、アルカリ電解液を保持した状態で充
分なガス透過性を有することが要望されている。このよ
うなセパレータに用いられる材質としては、従来におい
ては、ポリアミド繊維が主流であったが、耐アルカリ性
や耐酸化性の点で問題があったため、近年においては、
ポリオレフィン樹脂繊維が使用されるようになった。
【0004】近年、この種のアルカリ蓄電池のさらなる
高容量化を目指してセパレータの薄型化が要求されてき
た。薄型セパレータにおいては、電解液の保持性をより
強めることや、ピンホールの発生を避けるための目付む
らが少ない不織布が求められており、これに加えて、従
来品に劣らない強度と高いガス透過性が必要とされてい
る。ところで、セパレータに含まれる繊維の表面積を大
きくすると、電解液の保持性が向上し、放電性およびサ
イクル寿命の向上が期待されるため、なるべく細い繊維
径の繊維を配合することが望ましい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ここで、セパレータに
繊維径が小さい繊維を配合する手段としては、例えば、
繊維断面において、放射状に伸びた樹脂により他の種類
の樹脂を分割した分割繊維を用いることが知られている
が、この分割繊維を用いた場合、分割後の繊維径は3μ
m〜6μm程度で太いため、充分な電池性能が得られな
かった。また、分割繊維の分割方法としては、この分割
繊維を用いて不織布とした後、高圧水流により分割を行
うことが知られているが、この高圧水流を用いる方法に
あっては、水圧が強すぎるとセパレータに貫通孔を生じ
るなどの問題があった。
【0006】また、溶融した樹脂材料を小径なノズルか
ら吐出させた後、急冷するメルトブロー法により紡糸し
て、繊維径が1μm程度の樹脂繊維を作製し、この樹脂
繊維を紡出して不織布とすることも知られている。しか
しながら、メルトブロー法においては、繊維径および繊
維長が共にランダムであるため、得られた不織布の均質
性がかなり低く、また、紡糸時に延伸処理を行えないた
め、得られた繊維の結晶性および分子配向性が低くて繊
維強度が小さいという問題があった。
【0007】ところで、セパレータの強度が弱いと、正
極と負極の間にセパレータを介在させて渦巻状に巻回し
た際に、電極のクラックやバリや活物質の欠けや破損に
起因する破片や粉末がセパレータを貫通して生じる内部
短絡の発生率が増加し、極端な場合には、このような巻
回時にセパレータに付与される引張力によりセパレータ
が破断するという問題を生じた。このため、メルトブロ
ー法により作製されたセパレータの強度は弱くて、電池
製造時に必要となる強度を得ることができなかった。
【0008】そこで、本発明は上記問題点を解消するた
めになされたものであって、繊維径が細くても繊維強度
が強い極細繊維を含有させて、強度が強く、かつ電解液
の保持能力が高いセパレータを得て、高率放電特性に優
れ、かつサイクル寿命の長いアルカリ蓄電池を提供する
ことを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
記目的を達成するため、本発明は、正極と負極とこれら
の正極と負極との間にポリオレフィン系樹脂繊維からな
るセパレータを介在させたアルカリ蓄電池であって、ポ
リオレフィン系樹脂繊維からなるセパレータは平均繊維
径が0.5〜2.0μmで繊維強度が0.02N/d
(デニール)以上である極細繊維をセパレータの質量に
対して10質量%以上含有することを特徴とする。
【0010】このように、繊維強度が0.02N/d
(デニール)以上である極細繊維をセパレータ中に10
質量%以上含有させると、平均繊維径が0.5〜2.0
μmの繊維を用いてもセパレータの強度が向上するとと
もに、セパレータの緻密性も向上するため、電極のクラ
ックやバリや活物質の欠けや破損に起因する破片や粉末
がセパレータを貫通することが抑制でき、内部短絡の発
生を未然に防止することが可能となる。
【0011】また、繊維強度が0.02N/d(デニー
ル)以上である極細繊維を含有することで、セパレータ
の引張強度が向上するので、巻回工程などの製造過程で
の工程品質を確保することが可能となる。また、平均繊
維径が0.5〜2.0μmの繊維を含有しているので、
繊維表面積が増加して電解液の保持性が増大するため、
内部抵抗が低減して高率放電時においても作動電圧が向
上する。また、内部抵抗が低減するため、電池内圧上昇
が抑制できるようになって、サイクル寿命も向上する。
【0012】この場合、極細繊維よりも融点が低い融着
繊維をセパレータの質量に対して20質量%以上含有す
るとともに、融着繊維により極細繊維を融着している
と、セパレータの緻密性がさらに向上して、均質なセパ
レータとなるため、内部短絡の発生率をさらに減少させ
ることが可能となる。なお、融着繊維の融点は極細繊維
の融点よりも10℃以上低いものを用いるのが望まし
い。また、極細繊維および融着繊維の繊維長が長くなる
と、均質なセパレータが得られ難いため、極細繊維およ
び融着繊維の繊維長は15mm以下にするのが望まし
い。さらに、セパレータに親水性を付与すると、さらに
電解液の保持性が増大するとともに内部抵抗もさらに低
減するため、高率放電時での作動電圧はさらに向上す
る。
【0013】そして、平均繊維径が0.5〜2.0μm
で繊維強度が0.02N/d(デニール)以上である極
細繊維をセパレータの質量に対して10質量%以上と、
極細繊維よりも融点が低い融着繊維をセパレータの質量
に対して20質量%以上とを配合して湿式抄紙にて基布
を抄造する抄造工程と、得られた基布を融着繊維の融点
よりも高くかつ極細繊維の融点よりも低い温度の熱を付
加して融着繊維により極細繊維を融着する融着工程と、
融着繊維により極細繊維が融着された基布を親水化処理
する親水化処理工程とを備えるようにすると、平均繊維
径が0.5〜2.0μmで繊維強度が0.02N/d
(デニール)以上である極細繊維を10質量%以上含有
するセパレータを容易に得ることができる。
【0014】この場合、親水化処理は基布をフッ素を含
有する反応ガスに接触させて極細繊維および融着繊維の
表面をフッ素化したり、あるいは基布を硫酸根を有する
酸に浸漬して極細繊維および融着繊維をスルホン化した
りすればよい。そして、フッ素化する場合は、フッ素を
主反応ガスとし、副反応ガスとして酸素あるいは亜硫酸
ガスを用いるようにし、さらに、これらの混合ガスが不
活性ガスで希釈されているのが望ましい。また、スルホ
ン化する場合は、硫酸根を有する酸は発煙硫酸あるいは
濃硫酸であることが望ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、本発明をニッケル−水素
蓄電池に適用した場合の実施の形態を説明する。なお、
図1は海島型繊維を模式的に示す断面図であり、図2は
芯鞘型繊維を模式的に示す断面図であり、図3は分割繊
維を模式的に示す断面図である。
【0016】1.セパレータの作製 (1)セパレータa まず、図1に示すように、海成分11がポリエチレンテ
レフタレート(PET)で、島成分12がポリプロピレ
ン(PP)からなる海島型繊維10を用意する。また、
図2に示すように、鞘成分21がポリエチレン(PE:
融点は138℃)で芯成分22がポリプロピレン(P
P:融点は160℃)からなり、繊維長が5mmで平均
繊維径が15μmの芯鞘型融着繊維20を用意する。な
お、平均繊維径はSEM(走査型電子顕微鏡)などで所
定本数の各繊維を観察して求めた値である。
【0017】ついで、海島型繊維10を延伸し、5mm
の長さに切断した後、海成分11をアルカリ溶液で溶脱
することで、平均繊維径が1.0μm、繊維長が5m
m、繊維強度が0.05N/d(デニール)のポリプロ
ピレン極細繊維(融点は160℃)を作製した。なお、
海成分11をアルカリ溶液で溶脱する場合、所定の繊維
長に切断した後であっても、あるいは切断前であっても
どちらでもよい。この後、上述のように作製したポリプ
ロピレン極細繊維を40質量%と、芯鞘型融着繊維を3
0質量%と、繊維長が5mmで平均繊維径が10μmの
ポリプロピレン繊維を30質量%とを水中に均一に分散
させた。
【0018】ついで、この分散液を用いて湿式法により
抄紙を行った後、得られた抄紙を140℃の熱風乾燥機
に通してポリエチレン成分を融着させた。この後、荷重
を掛けることにより厚み加工を施して、厚みが0.10
mmとなるように調整し、目付が40g/m2の湿式基
布を作製した。この湿式基布を、主反応ガスとしてのフ
ッ素ガス(F2)が4.5容積%で、副反応ガスとして
の亜硫酸ガス(SO2)が10容積%で、不活性ガスと
しての窒素ガス(N2)が85.5容積%となるように
混合された混合ガス中に5分間存在させることによりフ
ッ素ガス処理(親水化処理)を施した。このようにし
て、湿式基布にフッ素ガス処理を施したものをセパレー
タaとした。
【0019】(2)セパレータb 海成分11がポリエチレンテレフタレート(PET)
で、島成分12がポリプロピレン(PP)からなる海島
型繊維10を延伸し、5mmの長さに切断した後、海成
分11をアルカリ溶液で溶脱することで、平均繊維径が
2.0μm、繊維長が5mm、繊維強度が0.05N/
dのポリプロピレン極細繊維(融点は160℃)を作製
した。ついで、セパレータaと同様の芯鞘型融着繊維2
0およびポリプロピレン繊維を用いて湿式基布を作製
し、140℃の熱風乾燥機に通してポリエチレン成分を
融着させた後、フッ素ガス処理(親水化処理)を施し
て、セパレータbを作製した。
【0020】(3)セパレータc 海成分11がポリエチレンテレフタレート(PET)
で、島成分12がポリプロピレン(PP)からなる海島
型繊維10を延伸し、5mmの長さに切断した後、海成
分11をアルカリ溶液で溶脱することで、平均繊維径が
0.5μm、繊維長が5mm、繊維強度が0.05N/
dのポリプロピレン極細繊維(融点は160℃)を作製
した。ついで、セパレータaと同様の芯鞘型融着繊維2
0およびポリプロピレン繊維を用いて湿式基布を作製
し、140℃の熱風乾燥機に通してポリエチレン成分を
融着させた後、フッ素ガス処理(親水化処理)を施し
て、セパレータcを作製した。
【0021】(4)セパレータd 海成分11がポリエチレンテレフタレート(PET)
で、島成分12がポリプロピレン(PP)からなる海島
型繊維10を延伸し、5mmの長さに切断した後、海成
分をアルカリ溶液で溶脱することで、平均繊維径が1.
0μm、繊維長が5mm、繊維強度が0.02N/dの
ポリプロピレン極細繊維(融点は160℃)を作製し
た。ついで、セパレータaと同様の芯鞘型融着繊維20
およびポリプロピレン繊維を用いて湿式基布を作製し、
140℃の熱風乾燥機に通してポリエチレン成分を融着
させた後、フッ素ガス処理(親水化処理)を施して、セ
パレータdを作製した。
【0022】(5)セパレータe 海成分11がポリエチレンテレフタレート(PET)
で、島成分12がポリプロピレン(PP)からなる海島
型繊維10を延伸し、5mmの長さに切断した後、海成
分をアルカリ溶液で溶脱することで、平均繊維径が1.
0μm、繊維長が15mm、繊維強度が0.05N/d
のポリプロピレン極細繊維(融点は160℃)を作製し
た。ついで、セパレータaと同様の芯鞘型融着繊維20
およびポリプロピレン繊維を用いて湿式基布を作製し、
140℃の熱風乾燥機に通してポリエチレン成分を融着
させた後、フッ素ガス処理(親水化処理)を施して、セ
パレータeを作製した。
【0023】(6)セパレータf セパレータaと同様のポリプロピレン極細繊維、芯鞘型
融着繊維およびポリプロピレン繊維を用いて、これらの
配合比率(質量比率)が40:20:40となるように
配合した後、セパレータaと同様に湿式基布を作製し、
140℃の熱風乾燥機に通してポリエチレン成分を融着
させた。この後、フッ素ガス処理(親水化処理)を施し
て、セパレータfを作製した。
【0024】(7)セパレータg セパレータaと同様のポリプロピレン極細繊維、芯鞘型
融着繊維およびポリプロピレン繊維を用いて、これらの
配合比率(質量比率)が10:30:60となるように
配合した後、セパレータaと同様に湿式基布を作製し、
140℃の熱風乾燥機に通してポリエチレン成分を融着
させた。この後、フッ素ガス処理(親水化処理)を施し
て、セパレータgを作製した。
【0025】(8)セパレータh セパレータaと同様のポリプロピレン極細繊維、芯鞘型
融着繊維およびポリプロピレン繊維を用いて、これらの
配合比率(質量比率)が40:10:50となるように
配合した後、セパレータaと同様に湿式基布を作製し、
140℃の熱風乾燥機に通してポリエチレン成分を融着
させた。この後、フッ素ガス処理(親水化処理)を施し
て、セパレータhを作製した。
【0026】(9)セパレータi 繊維長が25mmであること以外はセパレータaと同様
にポリプロピレン極細繊維を作製した後、このポリプロ
ピレン極細繊維と、セパレータaと同様の芯鞘型融着繊
維およびポリプロピレン繊維を用いて、これらの配合比
率(質量比率)が40:30:30となるように配合し
た後、これらの繊維を空気中に飛散させて金網で捕集し
て抄紙し、乾式基布を作製し、140℃の熱風乾燥機に
通してポリエチレン成分を融着させた。この後、フッ素
ガス処理(親水化処理)を施して、セパレータiを作製
した。
【0027】(10)セパレータx ポリプロピレンからなる溶融ポリマーを口金から繊維状
に吐出させ、口金の周囲に熱風を吹き付けながら紡糸
し、これをネットコンベア上で捕集して目付が40g/
2のメルトブロー基布を作製した。このメルトブロー
基布を、主反応ガスとしてのフッ素ガス(F2)が4.
5容積%で、副反応ガスとしての亜硫酸ガス(SO2
が10容積%で、不活性ガスとしての窒素ガス(N2
が85.5容積%となるように混合された混合ガス中に
5分間存在させることによりフッ素ガス処理を施した。
このようにして、メルトブロー基布にフッ素ガス処理
(親水化処理)を施したものをセパレータxとした。
【0028】(11)セパレータy 図3に示すように、ポリプロピレン(PP:融点は16
0℃)成分31とポリエチレン(PE:融点は138
℃)成分32とからなり、繊維長が5mmで分割後の平
均繊維径が3μmとなる17分割可能な分割繊維30を
用意した後、この分割繊維30を40質量%と、繊維長
が5mmで繊維径が15μmの上述と同様な芯鞘型融着
繊維20を30質量%と、繊維長が5mmで繊維径が1
0μmのポリプロピレン繊維を30質量%とを水中に均
一に分散させて、湿式法により抄紙を行った。
【0029】この後、得られた抄紙に高圧の水流を吐瀉
する水流交絡処理を施して、分割繊維を分割した後、1
40℃の熱風乾燥機に通してポリエチレン成分を融着さ
せた。これに荷重を掛けることにより厚み加工を施し、
厚みが0.10mmとなるように調整して目付が40g
/m2の湿式基布を作製した。この湿式基布を、主反応
ガスとしてのフッ素ガス(F2)が4.5容積%で、副
反応ガスとしての亜硫酸ガス(SO2)が10容積%
で、不活性ガスとしての窒素ガス(N2)が85.5容
積%となるように混合された混合ガス中に5分間存在さ
せることによりフッ素ガス処理(親水化処理)を施し
た。このようにして、湿式基布にフッ素ガス処理を施し
たものをセパレータyとした。
【0030】2.セパレータの評価試験 (1)引張強度の測定 上述のようにして作製した各セパレータa,b,c,
d,e,f,g,h,i,x,yを用いて、これらのセ
パレータ所定寸法(幅が5cm)に切断して試験片a,
b,c,d,e,f,g,h,i,x,yを採取し、こ
れらの各試験片をJISL1096(一般織物試験方
法)に基づいて、引張試験を行い、各試験片a,b,
c,d,e,f,g,h,i,x,yが切断したときの
引張強度を測定すると、下記の表1に示すような結果と
なった。なお、表1の引張強度は、各試験片の幅が5c
mのときの強度(N/5cm幅)を測定した結果を示し
ている。
【0031】(2)保液率の測定 上述のようにして作製した各セパレータa,b,c,
d,e,f,g,h,i,x,yを用いて、これらのセ
パレータ所定寸法に切断して試験片a,b,c,d,
e,f,g,h,i,x,yを採取し、これらの各試験
片を水分平衡状態とした後、各試験片の質量を測定し
た。ついで、比重が1.30(20℃)の常温の苛性カ
リ(KOH)溶液中に各試験片を広げて浸漬して、溶液
を充分に吸収させた後、これらの各試験片を溶液中から
引き上げて10分後の各試験片の質量を測定した。この
後、下記の(1)式に基づいて、各試験片の保液率を算
出すると、下記の表1に示すような結果となった。 保液率(%)=[(浸漬後の質量−浸漬前の質量)/(浸漬前の質量)] ×100・・・(1)
【0032】
【表1】
【0033】上記表1の結果から明らかなように、メル
トブロー基布を用いたセパレータxの引張強度は極めて
低いことが分かる。また、極細繊維を芯鞘型繊維の芯部
分(融着繊維)で融着したセパレータであっても、融着
繊維の配合量が10質量%のセパレータhの引張強度
は、分割繊維を用いたセパレータyと同等で、融着繊維
の配合量を20質量%あるいは30質量%に増加させて
極細繊維を融着繊維で融着したセパレータa,b,c,
d,e,f,g,iよりも引張強度が低下していること
が分かる。
【0034】さらに、極細繊維を融着繊維で融着したセ
パレータであっても、繊維長が25mmの極細繊維を用
いたセパレータiは、繊維長が5mmの極細繊維を用い
たセパレータa,b,c,d,f,g,hおよび繊維長
が15mmの極細繊維を用いたセパレータeよりも保液
率(保液性)が低下していることが分かる。これは、湿
式抄紙では繊維長が比較的長いと、繊維の分散性が低下
するために得られたセパレータの均質性が低下するため
である。
【0035】これらのことを考慮すると、繊維強度が
0.02N/d(デニール)以上で、平均繊維径が0.
5〜2.0μmで、繊維長が25mm未満、好ましくは
15mm以下、さらに好ましくは5mm以下の極細繊維
と、融着繊維の配合量が10質量%より多く、好ましく
は20質量%以上となるように配合し、極細繊維を融着
繊維で融着したセパレータを用いると、引張強度および
保液性に優れたセパレータが得られることが分かる。ま
た、極細繊維の配合量が50質量%を超えると、得られ
たセパレータの張りがなくなり、取り扱いが容易でなく
なるなどの電池製造上の不具合が発生するため、極細繊
維の配合量は50質量%以下にするのが望ましい。
【0036】3.ニッケル正極の作製 水酸化ニッケルを主成分とする正極活物質粉末100質
量部と、0.2質量%のヒドロキシプロピルセルロース
を溶解させた水溶液50質量部とを混合して正極活物質
スラリーを調製した。この正極活物質スラリーを多孔度
95%の発泡ニッケルに充填し、乾燥させた後、これを
圧延してニッケル正極を作製した。なお、電池の公称容
量が1200mAhになるように正極活物質スラリーを
発泡ニッケルに充填した。
【0037】4.水素吸蔵合金負極の作製 高周波溶解炉を用いて作製した水素吸蔵合金粉末にポリ
テトラフルオロエチレン(PTFE)などの結着剤と、
適量の水とを加えて混合し、水素吸蔵合金ペーストを調
製した。ついで、この水素吸蔵合金ペーストをパンチン
グメタルからなる負極基板の両面に塗布し、乾燥した
後、所定の厚みとなるようにプレスして水素吸蔵合金負
極を作製した。なお、電池の公称容量が2000mAh
になるように水素吸蔵合金ペーストをパンチングメタル
に充填した。
【0038】5.ニッケル−水素蓄電池の作製 ついで、上述のように作製した各セパレータa,b,
c,d,e,f,g,h,i,x,yを用いて、これら
の各セパレータa,b,c,d,e,f,g,h,i,
x,yを間にして、両側に上述のようにして作製したニ
ッケル正極と水素吸蔵合金負極とを積層した後、これを
渦巻状に巻回して渦巻状電極群をそれぞれ作製した。つ
いで、これらの渦巻状電極群を鉄にニッケルメッキを施
した有底筒状の電池缶内にそれぞれ挿入した。なお、セ
パレータxを用いたものにおいては、強度が非常に弱く
て巻回時に破断が発生したため、渦巻状電極群を作製す
るが不能であった。
【0039】この後、渦巻状電極群の負極から延出する
負極集タブを電池缶の内底面に溶接するとともに、正極
から延出する正極集電タブを封口体の底面に溶接し、電
池缶内に所定量の電解液(水酸化カリウム(KOH)と
水酸化ナトリウム(NaOH)と水酸化リチウムの3成
分からなる水溶液)を注入した。この後、封口体を電池
缶の開口部に絶縁ガスケットを介して載置して密閉し、
公称容量が1200mAhのニッケル−水素蓄電池A,
B,C,D,E,F,G,H,I,Yをそれぞれ作製し
た。
【0040】ここで、セパレータaを用いたものを電池
Aとし、セパレータbを用いたものを電池Bとし、セパ
レータcを用いたものを電池Cとし、セパレータdを用
いたものを電池Dとし、セパレータeを用いたものを電
池Eとし、セパレータfを用いたものを電池Fとし、セ
パレータgを用いたものを電池Gとし、セパレータhを
用いたものを電池Hとし、セパレータiを用いたものを
電池Iとし、セパレータyを用いたものを電池Yとし
た。
【0041】6.電池の評価 (1)短絡発生率の測定 ついで、上述のようにして作製した各ニッケル−水素蓄
電池A,B,C,D,E,F,G,H,I,Yを用い
て、これらの各電池A,B,C,D,E,F,G,H,
I,Yの電池電圧を測定し、その電池電圧が50mV以
下のものを短絡と判定する短絡試験を行うと、下記の表
2に示すような結果となった。
【0042】
【表2】
【0043】上記表2の結果から明らかなように、セパ
レータa,b,c,d,e,f,gを用いた電池A,
B,C,D,E,F,Gの短絡発生率は0.1%,0.
2%,0.1%,0.2%,0.4%,0.3%,0.
6%で短絡発生率が低いのに対して、セパレータh,
i,yを用いた電池H,I,Yの短絡発生率は1.5
%,2.0%,1.2%で短絡発生率が高いことが分か
る。ここで、短絡と判定された電池を解体して短絡の原
因を調査したところ、ニッケル正極から突出したバリが
セパレータの比較的目付の小さい部分を貫通して水素吸
蔵合金負極と接触していることが明らかになった。
【0044】これは、分割繊維を用いたセパレータy
や、融着繊維の配合量が10質量%で極細繊維を融着繊
維で融着したセパレータhは、引張強度が低いとともに
目付も不均一でバラツキが大きいため、目付の小さい部
分をニッケル正極から突出したバリが貫通して水素吸蔵
合金負極と接触したためである。また、繊維長が25m
mの極細繊維を用いて極細繊維を融着繊維で融着したセ
パレータiは、極細繊維の繊維長が長すぎて目付が不均
一でバラツキが大きいためである。一方、セパレータ
a,b,c,d,e,f,gにあっては、繊維強度が
0.02N/d(デニール)以上で、平均繊維径が0.
5〜2.0μmの極細繊維を含有することで、セパレー
タの目付のバラツキが抑制されるとともに引張強度が向
上して、短絡発生率が減少したと考えられる。
【0045】(2)高率放電特性の測定 上述のように作製した各ニッケル−水素蓄電池A,B,
C,D,E,F,G,H,I,Yを用いて、これらの各
電池A,B,C,D,E,F,G,H,I,Yを、周囲
温度が室温(約20℃)の温度雰囲気で、120mA
(0.1It)の充電電流で16時間充電した後、1時
間休止し、240mA(0.2It)の放電電流で放電
終止電圧が1.0Vになるまで放電した後、1時間休止
する。このような充放電を3回繰り返して各電池A,
B,C,D,E,F,G,H,I,Yを活性化した。
【0046】ついで、上述のようにして活性化した各電
池A,B,C,D,E,F,G,H,I,Yをそれぞれ
用い、これらの各電池A,B,C,D,E,F,G,
H,I,Yを室温(約20℃)で、それぞれ1200m
A(1It)の充電電流で充電し、満充電に達した後、
電池電圧が10mV低下(−ΔV=10mV)した時点
で充電を1時間休止させる。ついで、4800mA(4
It)の放電電流で終止電圧が0.8Vになるまで放電
させて、放電時間から放電容量を求め、電池Aの放電容
量を100として、これとの比率を電池容量比として求
めると、下記の表3に示すような結果となった。また、
このときの中間作動電圧(終止電圧が0.8Vになるま
で放電させたときの放電持続時間の半分経過時の電圧)
も求めると下記の表3に示すような結果となった。
【0047】
【表3】
【0048】上記表3の結果から明らかなように、セパ
レータa,b,c,d,e,f,g,hを用いた電池
A,B,C,D,E,F,G,Hの容量比率は100
%,99%,100%,100%,100%,99%,
96%,95%で容量比率が高いのに対して、セパレー
タi,yを用いた電池I,Yの容量比率は85%,90
%で容量比率が低いことが分かる。また、セパレータ
a,b,c,d,e,f,g,hを用いた電池A,B,
C,D,E,F,G,Hの作動電圧は1.05V,1.
04V,1.05V,1.05V,1.05V,1.0
4V0.01V,1.00Vで作動電圧が高いのに対し
て、セパレータi,yを用いた電池I,Yの作動電圧は
0.95V,0.98Vで作動電圧が低いことが分か
る。
【0049】これは、平均繊維径が3.0μmの分割繊
維を用いたセパレータyにおいては、比較的繊維径が太
いため、繊維表面積が増大することがなくて保液性が低
下したためと考えられる。また、繊維長が25mmの極
細繊維を用いて極細繊維を融着繊維で融着したセパレー
タiにおいては、目付が不均一でバラツキが大きいた
め、放電反応が不均一となって容量比率および作動電圧
が低下したと考えられる。一方、セパレータa,b,
c,d,e,f,g,hにあっては、平均繊維径が1.
0〜2.0μmの極細繊維を含有することで、繊維表面
積が増大したことに起因して電解液の保持性が向上し、
内部抵抗が低減して容量比率および作動電圧が向上した
と考えられる。
【0050】(3)サイクル寿命の測定 ついで、上述のようにして活性化した各電池A,B,
C,D,E,F,G,H,I,Yを、周囲温度が20℃
(室温)の雰囲気で、1200mA(1It)の充電電
流で充電を行い、充電末期の電池電圧のピーク値から1
0mVだけ電圧が低下した時点で充電を終了(−ΔV方
式)させ、1時間休止させる。その後、1200mA
(1It)の放電電流で終止電圧が0.8Vになるまで
放電させ、1時間休止させるという充放電サイクルを繰
り返して充放電サイクル試験を行った。そして、このよ
うな充放電サイクル試験を行って、初期電池容量の60
%の容量に達した時点のサイクル数をサイクル寿命とし
て判定すると、下記の表4に示すような結果となった。
【0051】
【表4】
【0052】上記表4の結果から明らかなように、セパ
レータa,b,c,d,e,f,g,hを用いた電池
A,B,C,D,E,F,G,hのサイクル寿命は80
0,750,825,800,800,750,70
0,650サイクルでサイクル寿命が大きいのに対し
て、セパレータi,yを用いた電池I,Yのサイクル寿
命は550,600サイクルでサイクル寿命が低いこと
が分かる。
【0053】これは、平均繊維径が3.0μmの分割繊
維を用いたセパレータyにおいては、比較的繊維径が太
いため、繊維表面積が増大することがなくてセパレータ
のガス透過性が低下したためと考えられる。また、繊維
長が25mmの極細繊維を用いて極細繊維を融着繊維で
融着したセパレータiにおいては、目付が不均一でバラ
ツキが大きいため、ガスの透過性が不均一になってサイ
クル寿命が低下したと考えられる。一方、セパレータ
a,b,c,d,e,f,g,hにあっては、平均繊維
径が1.0〜2.0μmの極細繊維を含有することで、
繊維表面積が増大したことに起因してセパレータのガス
透過性が向上し、電池内圧上昇が抑制されてサイクル寿
命が向上したと考えられる。
【0054】上述したように、本発明のアルカリ蓄電池
においては、ポリオレフィン系樹脂繊維からなるセパレ
ータは平均繊維径が0.5〜2.0μmで繊維強度が
0.02N/d(デニール)以上である極細繊維を10
質量%以上含有しているので、平均繊維径が0.5〜
2.0μmの繊維を用いてもセパレータの強度が向上す
るとともに、セパレータの緻密性も向上するため、電極
のクラックやバリや活物質の欠けや破損に起因する破片
や粉末がセパレータを貫通することが抑制でき、内部短
絡の発生を未然に防止することが可能となる。
【0055】また、繊維強度が0.02N/d(デニー
ル)以上である極細繊維を含有することで、セパレータ
の引張強度が向上するので、巻回工程などの製造過程で
の工程品質を確保することが可能となる。また、平均繊
維径が0.5〜2.0μmの繊維を含有しているので、
繊維表面積が増加して電解液の保持性が増大するため、
内部抵抗が低減して高率放電時においても作動電圧が向
上する。また、平均繊維径が0.5〜2.0μmの繊維
を含有すると高多孔度となってガスの透過性が向上する
ため、電池内圧上昇が抑制できるようになって、サイク
ル寿命も向上する。
【0056】なお、上述した実施形態においては、セパ
レータをフッ素化処理(親水化処理)するに際して、副
反応ガスとして亜硫酸ガスを用いる例について説明した
が、フッ素化処理するに際して、副反応ガスとして亜硫
酸ガスに代えて酸素を用いたり、あるいはこれらの混合
ガスを用いるようにしてもよい。また、セパレータを親
水化処理するに際して、フッ素化処理に代えてスルホン
化するようにしてもよい、この場合、スルホン化するに
際しては、発煙硫酸や濃硫酸を用いるようにすればよ
い。
【0057】また、本発明をニッケル−水素蓄電池に適
用する例について説明したが、本発明はニッケル−水素
蓄電池に限らず、ニッケル−カドミウム蓄電池などの他
のアルカリ蓄電池に適用できることは明らかである。さ
らに、上述した実施形態においては、本発明を円筒型の
蓄電池に適用した例について説明したが、本発明はこれ
に限らず、角形等の各種の形状の蓄電池に本発明を適用
できることもいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 海島型繊維を模式的に示す断面図である。
【図2】 芯鞘型繊維を模式的に示す断面図である。
【図3】 分割繊維を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
10…海島型繊維、11…海成分、12…島成分、20
…芯鞘型繊維、21…鞘成分、22…芯成分、30…分
割繊維、31…ポリプロピレン成分、32…ポリエチレ
ン成分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武江 正夫 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 Fターム(参考) 5H021 AA06 BB08 BB09 BB11 CC02 EE04 EE34 HH01 HH03 HH06

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極と負極とこれらの正極と負極との間
    にポリオレフィン系樹脂繊維からなるセパレータを介在
    させたアルカリ蓄電池であって、 前記ポリオレフィン系樹脂繊維からなるセパレータは平
    均繊維径が0.5〜2.0μmで繊維強度が0.02N
    /d(デニール)以上である極細繊維を前記セパレータ
    の質量に対して10質量%以上含有することを特徴とす
    るアルカリ蓄電池。
  2. 【請求項2】 前記セパレータは前記極細繊維よりも融
    点が低い融着繊維を前記セパレータの質量に対して20
    質量%以上含有するとともに、該融着繊維により前記極
    細繊維を融着していることを特徴とする請求項1に記載
    のアルカリ蓄電池。
  3. 【請求項3】 前記極細繊維および前記融着繊維の繊維
    長は15mm以下であることを特徴とする請求項1また
    は請求項2に記載のアルカリ蓄電池。
  4. 【請求項4】 前記セパレータは親水性が付与されてい
    ることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに
    記載のアルカリ蓄電池。
  5. 【請求項5】 正極と負極とこれらの正極と負極との間
    にポリオレフィン系樹脂繊維からなるセパレータを介在
    させて作製するアルカリ蓄電池の製造方法であって、 平均繊維径が0.5〜2.0μmで繊維強度が0.02
    N/d(デニール)以上である極細繊維を前記セパレー
    タの質量に対して10質量%以上と、前記極細繊維より
    も融点が低い融着繊維を前記セパレータの質量に対して
    20質量%以上とを配合して、湿式抄紙にて基布を抄造
    する抄造工程と、 前記基布を前記融着繊維の融点よりも高くかつ前記極細
    繊維の融点よりも低い温度の熱を付加して前記融着繊維
    により前記極細繊維を融着する融着工程と、 前記融着繊維により前記極細繊維が融着された基布を親
    水化処理する親水化処理工程とを備えたことを特徴とす
    るアルカリ蓄電池の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記親水化処理は前記基布をフッ素を含
    有する反応ガスに接触させて前記極細繊維および前記融
    着繊維の表面をフッ素化する処理であることを特徴とす
    る請求項5に記載のアルカリ蓄電池の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記反応ガスはフッ素を主反応ガスと
    し、副反応ガスとして酸素もしくは亜硫酸ガスの少なく
    とも一方を含有することを特徴とする請求項6に記載の
    アルカリ蓄電池の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記反応ガスは前記主反応ガスと前記副
    反応ガスからなる混合ガスが不活性ガスで希釈されてい
    ることを特徴とする請求項7に記載のアルカリ蓄電池の
    製造方法。
  9. 【請求項9】 前記親水化処理は前記基布を硫酸根を有
    する酸に浸漬して前記前記極細繊維および前記融着繊維
    をスルホン化する処理であることを特徴とする請求項5
    に記載のアルカリ蓄電池の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記硫酸根を有する酸は発煙硫酸ある
    いは濃硫酸であることを特徴とする請求項9に記載のア
    ルカリ蓄電池の製造方法。
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