JP2002298806A - 電池トレイ、電池の製造方法及び2次電池の製造方法 - Google Patents

電池トレイ、電池の製造方法及び2次電池の製造方法

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JP2002298806A
JP2002298806A JP2001097257A JP2001097257A JP2002298806A JP 2002298806 A JP2002298806 A JP 2002298806A JP 2001097257 A JP2001097257 A JP 2001097257A JP 2001097257 A JP2001097257 A JP 2001097257A JP 2002298806 A JP2002298806 A JP 2002298806A
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battery
holding
batteries
tray
manufacturing
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JP2001097257A
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English (en)
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Masayuki Otsuka
正幸 大塚
Hitoshi Arai
均 新井
Kunio Miyahara
邦男 宮原
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Original Assignee
TDK Corp
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
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  • Charge And Discharge Circuits For Batteries Or The Like (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多様な電池形状に合わせたトレイを必要とせ
ずに電池形状に関わらず電池を確実に保持し収納できる
電池トレイ、この電池トレイを用いて製造工程において
電池位置を安定にでき振動等の影響を排除できる電池の
製造方法及び充放電検査を確実に効率的に行うことので
きる2次電池の製造方法を提供する。 【解決手段】 この電池トレイ1は、電池の製造工程に
おいて複数個の電池要素6を収納し搬送する。個々の電
池を着脱自在に保持する保持ピース21と、複数個の保
持ピースを保持するフレーム10とからなり、保持ピー
スが電池形状に応じて電池に適合するように交換可能で
ある。またフレームの底面に製造中の電池の電極リード
を貫通させるための孔を有し、電池トレイに収納した状
態で電極リードにより充放電検査を行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電池の製造工程に
おいて複数の電池を収納することができる電池トレイ、
この電池トレイを用いる電池の製造方法及び2次電池の
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電池、特に、2次電池は種々の形状及び
容量を有しているため、2次電池を製造する場合、それ
ぞれの形状に合わせたトレイを作製し用意し、このトレ
イに2次電池を収納し各工程に搬送し、各種製造工程お
よび検査工程等を実行していた。かかる電池の搬送及び
検査用のトレイはいくつかの構造が提案されている。
【0003】例えば、特開平11−271409号公報
には、個々の電池収納部に電池を位置決めするリブ及び
測定用の端子が挿入される挿入穴を設け多数の電池を搬
送する電池トレイ及びそれを用いた電池の試験方法が開
示されている。この電池トレイでは複数のリブを電池の
形状に合わせてその都度調整する必要があり、製造工程
の簡略化と製造コストの低減を図るには十分でなかっ
た。また、リブを用いた構造ではバリ等を有する中間製
品を収納すると、固定が不安定となり十分な保持が図れ
なかった。
【0004】また、特開2001−57197号公報に
は、電池保持プレートを備えた枠型ホルダーからなる薄
型電池用搬送治具が開示されている。この搬送治具は電
池要素の乾燥、排気処理、電解液の注入含浸の工程に用
いられるものであり、電池保持プレートを押圧する機構
を備えているなど複雑な構造を有している。この構造を
複数備えた搬送用の電池用のトレイに応用した場合、構
造が複雑になるばかりでなく集積度すなわち一枚のトレ
イに収納できる電池の個数が制限せざるを得ないなどの
問題がある。また、この治具は上述した工程においては
効果を有するが電池の着脱が容易ではなく、また充放電
工程などの工程において有効ではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したように種々の
形状、容量を有する2次電池を製造する場合、それぞれ
の形状に合わせたトレイの作製は莫大なコストを必要と
していた。また、それぞれの電池形状に合わないトレイ
を用いると、各製造工程において受ける振動に対して弱
くまたトレイ内で電池の位置が不安定となり、不良品の
発生を招き易く電池製造の歩留まりが低下してしまうな
どの問題があった。
【0006】本発明は、上述のような従来技術の問題に
鑑み、多様な電池形状に合わせたトレイを必要とせずに
電池形状に関わらず電池を確実に保持し収納できる電池
トレイ、この電池トレイを用いて製造工程において電池
位置を安定にでき振動等の影響を排除できる電池の製造
方法、及び充放電検査を確実に効率的に行うことのでき
る2次電池の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明による電池トレイは、電池の製造工程におい
て複数個の電池を収納し搬送するための電池トレイであ
って、個々の電池を着脱自在に保持する保持ピースと、
複数個の前記保持ピースを保持するフレームと、からな
り、前記保持ピースが電池形状に応じて前記電池に適合
するように交換可能であることを特徴とする。
【0008】この電池トレイによれば、電池形状に応じ
て適合した保持ピースで電池を保持し、この保持ピース
をフレームで保持できるので、電池形状に関わらず電池
を確実に保持し収納できる。このため、電池トレイに多
数の電池を収納した状態で搬送した場合、電池位置を安
定にでき、振動等の悪影響を排除できる。また、多様な
電池形状に合わせて多数のトレイを用意する必要がな
く、各種の形状の電池で共用できるフレームと、形状の
異なる電池に応じて作製され交換可能であり安価な保持
ピースを複数種類用意するだけでよいので、製造コスト
の上昇を抑えることができる。
【0009】また、個々の電池または複数個の電池を収
納可能な収納スペースを有する複数の収納部を前記フレ
ーム内に形成し、前記保持ピースが前記収納スペースに
適合して前記収納部に保持されるように構成してもよ
い。
【0010】また、前記フレームの底面に製造中の前記
電池の電極リードを貫通させるための孔を有することに
より、製造中の電池について電池トレイに収納した状態
で電極リードにより、例えば充放電検査を行うことがで
きる。
【0011】また、本発明による電池の製造方法は、個
々の電池を着脱自在に保持する保持ピースと、複数個の
前記保持ピースを保持するフレームと、からなり、前記
保持ピースが電池形状に応じて前記電池に適合するよう
に交換可能である電池トレイを用い、製造中の複数個の
電池をその電池形状に適合する前記保持ピースでそれぞ
れ保持し、複数個の前記保持ピースを前記フレームで保
持した状態で前記電池トレイにより前記複数個の電池を
各製造工程に搬送すること及び検査することの少なくと
も一方を行うことを特徴とする。
【0012】この電池の製造方法によれば、電池トレイ
で電池形状に関わらず電池を確実に保持し収納できるの
で、電池トレイに多数の電池を収納した状態で各製造工
程間を搬送したときに振動等の悪影響や充放電・検査時
の電池位置不安定によるエラーを排除できる。このた
め、振動等に起因する不良品の発生及び充放電・検査時
のエラーを低減でき、電池製造の歩留まり低下を抑制で
きる。
【0013】また、本発明による2次電池の製造方法
は、2次電池要素とこの2次電池要素に接続された電極
リードとを含む2次電池を製造する方法であって、個々
の電池を着脱自在に保持する保持ピースと、複数個の前
記保持ピースを保持するフレームと、からなり、前記保
持ピースが電池形状に応じて前記電池に適合するように
交換可能である電池トレイを用い、製造中の複数個の2
次電池要素を前記フレームに前記2次電池要素の形状に
適合する前記保持ピースでそれぞれ保持し収納し、前記
電池トレイに収納された複数個の2次電池要素について
検査を行うことを特徴とする。
【0014】この2次電池の製造方法によれば、製造中
の2次電池要素について電池トレイに収納した状態で電
池トレイから取り出すことなく検査を行うことができ、
また多数の2次電池要素を確実に保持し収納するので、
検査を効率的にかつ確実に行うことができる。また、多
数の2次電池要素を電池トレイに収納したままの状態で
前工程から検査工程へ、更に次工程へと搬送できるの
で、効率的な搬送及び検査が可能となり、製造効率を向
上できる。
【0015】また、前記電池トレイが前記フレームの底
面に製造途中の前記電極リードを貫通させるための孔を
有し、前記2次電池要素を前記フレームに収納する際
に、前記電極リードを前記孔に貫通させて前記底面から
露出させ、前記電池トレイに収納された複数個の2次電
池要素について前記孔に貫通した前記電極リードを用い
て検査を行うことにより、充電または放電を含む検査を
多数の2次電池要素を電池トレイに収納したままの状態
で行うことができ、効率的な検査が可能となり、製造効
率を向上できる。
【0016】また、前記検査は、充電、充放電及び出荷
充電の内の少なくとも1つを含むことが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明による実施の形態に
ついて図面を用いて説明する。図1は本発明の実施の形
態を示す電池トレイの斜視図であり、図2は図1の電池
トレイの保持ピースを複数示す斜視図であり、図3は図
1の収納部に電池を保持した図2の各保持ピースを収納
した状態を示す平面図である。
【0018】図1に示すように、電池トレイ1は、底板
19(図7に示す)を有し枠体18により矩形状に構成
されたフレーム10内に、角型状の電池を多数収納でき
るように複数の縦方向隔壁41,42と複数の横方向隔
壁31,32,33,・・・とにより規則正しく仕切ら
れて形成された多数の収納部11,12,13,14,
15,16,・・・を備える。各収納部11〜16は角
型状の電池を収納可能な同一の収納スペースを有し、こ
の収納スペースに図1のように電池を保持する保持ピー
ス21を挿入でき、この保持ピース21に角型電池2を
挿入できるようになっている。
【0019】図2,図3により図1の電池トレイ1の各
収納部11〜16に取付可能な複数の保持ピースについ
て説明する。
【0020】図2(a)に示す保持ピース21は角筒状
に構成され、中空部21a内に角型状の電池を収納でき
るようになっている。保持ピース21はその平面的外形
形状が図3(a)のように、図1の収納部11に適合し
た形状となっており、収納部11に挿入できるようなサ
イズに構成されている。また、中空に形成された保持部
21aは角型電池2を着脱自在に挿入し保持できるよう
なサイズに構成されている。
【0021】図2(b)に示す保持ピース22は図2
(a)の保持ピース21の一側面を縦方向に切り欠いた
以外は保持ピース21と同様に構成され、図3(b)の
ように保持部22aは角型電池2を着脱自在に挿入し保
持できるようになっている。
【0022】図2(c)に示す保持ピース23は矩形状
の比較的広い平板からなり、図3(c)のように収納部
11で2枚の保持ピース23の間に角型電池2と比較し
て大型の角形電池3の主面を挟むようにして保持し収納
する。
【0023】図2(d)に示す保持ピース24は矩形状
の比較的狭い平板からなり、図3(d)のように収納部
11で2枚の保持ピース24の間に角型電池3よりも大
型の角形電池4の側面を挟むようにして保持し収納す
る。
【0024】図2(e)に示す保持ピース25は平面的
にコ字状に形成され、凹むように形成された保持部25
aに図3(e)のように角型電池5の側部が嵌り込むよ
うになっている。図3(e)のように、収納部11で2
つの保持ピース25に角型電池2と比較して小型の角形
電池5を両側部で嵌め込んで保持し収納する。
【0025】図2(f)の保持ピース26は、図2
(a)の保持ピース21を長手方向に2分割した形状に
なっており、図3(f)のように収納部11で2つの保
持ピース26の保持部26a間に角型電池2を保持し収
納する。このとき、2つの保持ピース26と26の側部
には隙間26dができるようになっている。
【0026】また、図2(f)に示すように、保持ピー
ス26の一側部26bは他側部26cより長くなってお
り、図3(f)のように2つ組み合わせたとき、収納部
11で隙間26dの位置が両端でずれている。この隙間
26dに、例えば2次電池組み立て中のラミネートから
なる外装体のはみ出し部を収めて、組み立て中の2次電
池の外装体を無理なく収納することができる。
【0027】また、図2(g)に示す保持ピース27は
平面的にコ字状に形成され、凹むように形成された保持
部27aに複数のリブ27bが突き出ており、図3
(g)のように角型電池5の主面に当接するようになっ
ている。図3(g)のように、収納部11で保持ピース
27に角形電池5をリブ27bに当てた状態で保持し収
納する。
【0028】上述のように各保持ピース21〜27を説
明したが、それらの外形サイズは収納される電池トレイ
1の収納部のサイズに合わせて形成すればよく、また、
保持部21a,22a,25a,26a,27aのサイ
ズ、保持ピース23,24の厚さ及び保持部27aのリ
ブ27bの高さは保持する角型電池の各種サイズに合わ
せて形成すればよい。
【0029】図5に上述のような保持ピース21を電池
トレイ1の収納部11,12,14に挿入した状態及び
保持ピース21で収納部11,14に角型電池2を収納
した状態を示す。図5に示すように、保持ピース21を
収納部12で保持し、この保持ピース21を用いて角型
電池2を収納部11,14で電池の位置を安定して保持
し収納することができる。他の全ての収納部にも同様に
して角型電池を収納することができる。
【0030】なお、フレーム10及び保持ピース21〜
27は成形により樹脂から製造でき、また金属から製造
してもよい。
【0031】図4は、図1のフレーム10の底板に形成
した孔を示す平面図であり、図7は、図5のようにし
て、図6に示すような角型電池の発電素子をラミネート
の外装体6c内に封入した電池要素6を電池トレイ1に
収納し、電池要素6の一対の電極(正極、負極)リード
6a、6bを底板の孔を貫通させた状態を示す斜視図で
ある。
【0032】図4、図7のように、フレーム10の底板
19には各収納部の底面に対応する位置に図6の電極リ
ード6a、6bが貫通するように一対の孔9が形成され
ている。図1のように電池要素6を電池トレイ1の各収
納部に保持ピース21を用いて収納するとき、正極リー
ド6a、負極リード6bを孔9に通し、底板19から出
す。
【0033】上述のようにして、図1にその一部を示す
ように電池トレイ1の全ての収納部に保持ピース21を
用いて電池要素6を収納すると、図7のように、各一対
の正極リード6a、負極リード6bが底板19から露出
した状態となる。このようにして、底板から出た正極リ
ード6a、負極リード6bを用いて後述のように充放電
及び検査を簡単に行うことができる。
【0034】以上のように、本実施の形態の電池トレイ
は、各種の電池に共通して用いるフレーム10と、電池
を保持する保持ピースを挿入により収納するだけの簡単
な構造であり、電池トレイを電池サイズに合わせて何種
類も用意する必要はなく保持ピースを電池サイズに合わ
せて用意するだけでよいので、製造コストを低減でき
る。
【0035】また、収納される角型電池は完成した電池
のみならず、組立中の電池、例えば電極・セパレータを
含む発電素子からなる電池要素、この発電素子をラミネ
ート等からなる外装体内に封入した状態の電池要素(図
6参照)等であってもよいことは勿論である。
【0036】次に、図8,図9により図1の電池トレイ
の変形例を2例説明する。図1の各収納部11〜16は
電池を1個づつ収納するが、図8,図9の電池トレイは
各収納部に複数の電池を収納するようにしたものであ
る。
【0037】図8の電池トレイ7は、図1の電池トレイ
1における縦方向隔壁41,42を省略し、横方向隔壁
31,32,33,・・・のみとし、これらの隔壁によ
り横方向に延び複数の電池を収納できる複数の収納部3
4,35,36を形成したものである。この電池トレイ
7で図2のような保持ピース21〜26を用いて同様に
電池を安定かつ確実に保持できる。
【0038】図9の電池トレイ8は、図1の電池トレイ
1における横方向隔壁31,32,33,・・・を省略
し、縦方向隔壁41,42のみとし、これらの隔壁によ
り縦方向に延び複数の電池を収納できる複数の収納部3
7,38,39を形成したものである。この電池トレイ
8で図2のような保持ピース21〜27を用いて同様に
電池を安定かつ確実に保持できる。
【0039】なお、本発明による電池トレイは、図1,
図8,図9に限定されず、例えば横方向隔壁31,3
2,33,・・・及び縦方向隔壁41,42を全て省略
し、保持ピースだけで電池を保持し収納するようにして
もよい。また、電池トレイの横方向隔壁及び縦方向隔壁
は別の態様で設けることができることは勿論である。
【0040】次に、本実施の形態によるリチウムイオン
2次電池の製造方法について説明する。図10は2次電
池の製造工程を示すフローチャートである。
【0041】図10に示すように、まず、電極(正極・
負極)を次のようにして作製する(S01)。電極は、
公知のものの中から適宜選択して使用できるが、好まし
くは、電極活物質と、これを結着するバインダとしての
ポリマーとを含有し、必要により導電助剤を含有するも
のを用いる。バインダとして用いるポリマーとしては、
電解液の含浸によりゲル化固体電解質となるものが好ま
しい。
【0042】負極活物質は、炭素材料、リチウム金属、
リチウム合金、酸化物材料などから適宜選択することが
好ましく、正極活物質は、リチウムイオンがインターカ
レート・デインターカレート可能な酸化物または炭素材
料を用いることが好ましい。電極活物質として用いる炭
素材料は、例えば、メソカーボンマイクロビーズ(MC
MB)、天然あるいは人造の黒鉛、樹脂焼成炭素材料、
カーボンブラック、炭素繊維などから適宜選択すればよ
い。リチウムイオンがインターカレート・デインターカ
レート可能な正極活物質に用いる酸化物としては、リチ
ウムを含む複合酸化物が好ましく、例えばLiCoO、LiMn
O、LiNiO、LiVOなどが挙げられる。これらの酸
化物の粉末の平均粒子径は1〜40μm程度であること
が好ましい。
【0043】また、電極に必要に応じて添加される導電
助剤としては、好ましくは黒鉛、カーボンブラック、炭
素繊維等の炭素系材料や、ニッケル、アルミニウム、
銅、銀等の金属が挙げられ、特に黒鉛、カーボンブラッ
クが好ましい。電極組成は、正極では、重量比で、活物
質:導電助剤:ゲル化固体電解質=30〜90:3〜1
0:10〜70の範囲が好ましく、負極では、重量比
で、活物質:導電助剤:ゲル化固体電解質=30〜9
0:0〜10:10〜70の範囲が好ましい。ゲル化固
体電解質として利用するポリマーの種類は特に限定され
ず、電極の反りを抑えるためには、PVDF(ホモポリ
マー)が好ましい。
【0044】電極の製造に際しては、まず、活物質と必
要に応じて添加する導電助剤とを、バインダ溶液に分散
して塗布液を調製する。次いで、この塗布液を集電体に
塗布する。塗布手段は特に限定されず、集電体の材質や
形状などに応じて適宜決定すればよいが、一般に、メタ
ルマスク印刷法、静電塗装法、ディップコート法、スプ
レーコート法、ロールコート法、ドクターブレード法、
グラビアコート法、スクリーン印刷法等を使用すればよ
い。その後、必要に応じて、平板プレス、カレンダーロ
ール等により圧延処理を行う。
【0045】集電体は、電池形状やケース内への集電体
の配置方法などに応じて、材質および形態を適宜選択で
きる。正極集電体にはアルミニウムを、負極集電体には
銅またはニッケルを用いるが、これに限定されない。集
電体に塗布液を塗布した後、溶媒を蒸発させて電極層を
形成することにより、集電体と一体化した電極(正極・
負極)が得られる。塗膜の厚さは、50〜400μm程
度とすることが好ましい。
【0046】次に、正極層と負極層とがセパレータを挟
んで対向するように、正極、セパレータ、負極、・・・
を巻回または積層し発電素子を作製する(S02)。
【0047】また、上述のセパレータとして使用する多
孔膜は、電解液含浸によりゲル化するポリマーだけから
実質的に構成されていてもよいが、好ましくはポリマー
粒子と、これを結着するポリマーバインダとを含有する
ことが好ましい。より詳細には、ポリマー粒子同士の接
点にポリマーバインダがあり、ポリマー粒子を結着して
いる。ポリマー粒子それぞれの周囲にポリマーバインダ
があっても、ポリマー粒子が凝集していてもかまわな
い。多孔膜中では、ポリマー粒子が3次元的に多数の空
孔を形成し、この中に電解液が侵入して保持された状態
となる。
【0048】次に、発電素子に電解液を含浸し、また、
発電素子をアルミニウムラミネート等からなる外装体6
c(図6)内に入れ、端部を熱圧着することで封入し、
図6のような電池要素6を得る(S03)。なお、電解
液の含浸は発電素子を外装体に入れる前に行ってもよい
し、外装体に入れた後に行ってもよい。
【0049】電解液は電解質塩を有機溶媒に溶解させた
非水系のものであり、電解質塩はリチウムを含有する。
リチウム含有電解質塩としては、例えばLiPF、LiCl
O、LiBF、LiAsF、LiSOCF、LiN(CFSO)等を
用いることができる。電解質塩は1種だけを単独で用い
てもよいし、複数の塩を混合して用いてもよい。有機溶
媒としては、多孔膜や電極に含まれるポリマーや、電解
質塩との相溶性が良好なものであれば特に限定されない
が、高い電圧をかけた場合にも分解の起こらないものが
好ましく、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プ
ロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネー
ト、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボ
ネート、エチルメチルカーボネート等のカーボネート
類、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラ
ヒドロフラン等の環式エーテル、1,3−ジオキソラ
ン、4−メチルジオキソラン等の環式エーテル、γ−ブ
チロラクトン等のラクトン、スルホラン、3−メチルス
ルホラン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、エト
キシメトキシエタン、エチルジグライム等を好ましく用
いることができる。これらは単独で用いても、混合して
用いてもよい。電解液における電解質塩の濃度は、好ま
しくは0.3〜5mol/lであり、通常、1mol/l付近で最
も高い導電性を示す。電解液の含有量はゲル化固体電解
質の30〜70重量%、特に40〜60重量%であるこ
とが好ましい。
【0050】図6のような電池要素6を図1の電池トレ
イ1に図5のように保持ピース21で保持して収納し、
図7のように正極リード6aと負極リード6bとを電池
トレイの底板19の孔9を通して底板19から出した状
態とする(S04)。
【0051】次に、多数の電池要素6を収納した電池ト
レイ1を充電装置に搬送し、電池トレイ1に収納した状
態で各電極リード6a、6bに充電装置からの電極を接
続し、充電を行う(S05)。
【0052】発電素子に電解液を含浸しただけの状態で
長時間放置すると、負極集電体の銅が溶出する可能性が
あるため、充電で約2.5V以上とすることにより銅の
溶出を防止できる。具体的には、0.5C以下の低電流
密度で所定の容量分を充電する。充電後、所定時間放置
しエージングしてから、開回路電圧(OCV)を測定
し、この測定結果に基づいて1次選別を行う。
【0053】次に、上述の充電(S05)で電解液の分
解等が進行してガスが発生し外装体6c(図6)が膨ら
むため、電池トレイ1から電池要素6を出し、ガス抜き
を行い、電池を最終形状に整えるフォーミングを行う
(S06)。その後、電池トレイ1に電極リード6a、
6bを底板19から出した状態で再収納する(S0
7)。
【0054】次に、電池の内部微短絡などを起こしてい
る不良品の除去等のために電池要素6について電池トレ
イ1に収納した状態で各電極リード6a、6bに充放電
装置からの電極を接続し充放電検査を行う(S08)。
具体的には、満充電してから、放電させることにより放
電容量を測定し、次に、所定量充電し、所定時間放置し
エージングしてから、開回路電圧(OCV)を測定し、
これらの測定結果に基づいて2次選別を行う。
【0055】次に、電池トレイ1に電極リード6a、6
bを底板19から出し電池要素6を収納した状態で出荷
のために所定の電圧になるように充電する(S09)。
【0056】以上のような工程を経てリチウムイオン2
次電池を作製することができるが、電池トレイ1を用い
ることにより製造中の電池要素6を安定かつ確実に保持
し収納できるので、電池トレイ1に多数の電池要素を収
納した状態で例えば製造工程S05〜S07間やS08
〜S10間を搬送したときに電池の位置を安定に保つこ
とができ、振動等の悪影響を排除できる。このため、振
動等に起因する電池要素の不良品の発生及び電池位置の
不安定に起因する検査エラーを低減でき、電池製造の歩
留まり低下を抑制できる。
【0057】また、工程S05,S08,S09では、
電池要素6について電池トレイに収納した状態で電池ト
レイから取り出すことなく充放電検査等を行うことがで
き、また多数の電池要素を安定かつ確実に保持し収納す
るので、充放電を効率的にかつ確実に行うことができ
る。また、多数の2次電池要素を電池トレイに収納した
ままの状態で前工程S06から充放電検査工程S08
へ、更に次工程S09へと搬送できるので、効率的な搬
送が可能となり、製造効率を向上できる。
【0058】以上のように本発明を実施の形態により説
明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、
本発明の技術的思想の範囲内で各種の変形が可能であ
る。例えば、電池トレイは、角型電池を収納するように
構成したが、本発明はこれに限定されず、円筒型電池や
その発電素子等を含む電池要素を収納するものであって
もよい。また、本発明による電池トレイを用いて、一方
の電極リードを底面の孔に貫通させ、他方の電極リード
を図1の上側に出した状態で充放電を行うようにしても
よく、また、底面の孔を用いずに、両電極リードを図1
の上側に出した状態で充放電を行うこともできることは
勿論である。
【0059】図3の各保持ピースは他の形状等であって
もよく、また、図4において電池トレイの底板に形成す
る1対の孔9は孤立して形成するだけでなく、例えば図
4の破線のように、2つの孔を連結して延びた1つの孔
9aとしてもよく、その形状を長方形状等にしてもよ
い。
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、多様な電池形状に合わ
せた電池トレイを必要とせずに電池形状に関わらず電池
を確実に保持し収納できる電池トレイを提供できる。ま
た、この電池トレイを用いて製造工程において電池位置
を安定にでき検査エラー及び振動等の影響を排除できる
電池の製造方法及び充放電検査を確実に効率的に行うこ
とのできる2次電池の製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による電池トレイを示す斜
視図であり、更に電池要素及び保持ピースを電池トレイ
の収納部に保持する前後の状態で示すずである。
【図2】図1の電池トレイの複数の保持ピース21〜2
7を示す斜視図(a)〜(g)である
【図3】角型電池を保持した図2の各保持ピースが電池
トレイの収納部内に収納された状態を示す平面図(a)
〜(g)である。
【図4】図1の電池トレイ1の底板に形成した孔を示す
平面図である。
【図5】図2,図3の保持ピース21を図1の電池トレ
イの収納部に挿入した状態及び保持ピース21で収納部
に角型電池2を収納した状態を示す斜視図である。
【図6】角型電池のラミネートパックされ一対の電極リ
ード6a、6bを有する電池要素6を示す斜視図であ
る。
【図7】図6に示すような角型電池のラミネートの外装
体でパックされた電池要素6を電池トレイ1に収納し、
電池要素6の一対の電極リード6a、6bを底板の孔を
貫通させた状態を電池トレイの裏面側から見た斜視図で
ある。
【図8】図1の電池トレイの変形例を示す斜視図であ
る。
【図9】図1の電池トレイの別の変形例を示す斜視図で
ある。
【図10】本実施の形態による2次電池の製造工程を示
すフローチャートである。
【符号の説明】
1,7,8 電池トレイ 2〜5 角型電池 6 電池要素 6a,6b 正極リード、負極リード 6c 外装体 9 孔 11〜16 収納部 34〜36,37〜38 収納部 10 フレーム 18 枠体 19 底板 21〜27 保持ピース 31〜33 隔壁 41,42 隔壁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮原 邦男 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 Fターム(参考) 5G003 BA02 EA09 5H040 AA03 AS11 AT01 AT02 AT03 CC32 DD02 DD14 DD22 DD28 GG03 GG14 JJ09 JJ10 NN03

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電池の製造工程において複数個の電池を
    収納し搬送及び検査するための電池トレイであって、 個々の電池を着脱自在に保持する保持ピースと、 複数個の前記保持ピースを保持するフレームと、からな
    り、 前記保持ピースが電池形状に応じて前記電池に適合する
    ように交換可能であることを特徴とする電池トレイ。
  2. 【請求項2】 個々の電池または複数個の電池を収納可
    能な収納スペースを有する複数の収納部を前記フレーム
    内に形成し、前記保持ピースが前記収納スペースに適合
    して前記収納部に保持されることを特徴とする請求項1
    に記載の電池トレイ。
  3. 【請求項3】 前記フレームの底面に製造途中の前記電
    池の電極リードを貫通させるための孔を有することを特
    徴とする請求項1または2に記載の電池トレイ。
  4. 【請求項4】 個々の電池を着脱自在に保持する保持ピ
    ースと、複数個の前記保持ピースを保持するフレーム
    と、からなり、前記保持ピースが電池形状に応じて前記
    電池に適合するように交換可能である電池トレイを用
    い、 製造途中の複数個の電池をその電池形状に適合する前記
    保持ピースでそれぞれ保持し、複数個の前記保持ピース
    を前記フレームで保持した状態で前記電池トレイにより
    前記複数個の電池を各製造工程に搬送すること及び検査
    することの少なくとも一方を行うことを特徴とする電池
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 2次電池要素とこの2次電池要素に接続
    された電極リードとを含む2次電池を製造する方法であ
    って、 個々の電池を着脱自在に保持する保持ピースと、複数個
    の前記保持ピースを保持するフレームと、からなり、前
    記保持ピースが電池形状に応じて前記電池に適合するよ
    うに交換可能である電池トレイを用い、 製造中の複数個の2次電池要素を前記フレームに前記2
    次電池要素の形状に適合する前記保持ピースでそれぞれ
    保持し収納し、 前記電池トレイに収納された複数個の2次電池要素につ
    いて検査を行うことを特徴とする2次電池の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記電池トレイが前記フレームの底面に
    製造途中の前記電極リードを貫通させるための孔を有
    し、前記2次電池要素を前記フレームに収納する際に、
    前記電極リードを前記孔に貫通させて前記底面から露出
    させ、 前記電池トレイに収納された複数個の2次電池要素につ
    いて前記孔に貫通した前記電極リードを用いて検査を行
    うことを特徴とする請求項5に記載の2次電池の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 前記検査は、充電、充放電及び出荷充電
    の内の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項5
    または6に記載の2次電池の製造方法。
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