JP2002297803A - 機械設備保守料設定システム及び機械設備保険料設定システム - Google Patents

機械設備保守料設定システム及び機械設備保険料設定システム

Info

Publication number
JP2002297803A
JP2002297803A JP2001094229A JP2001094229A JP2002297803A JP 2002297803 A JP2002297803 A JP 2002297803A JP 2001094229 A JP2001094229 A JP 2001094229A JP 2001094229 A JP2001094229 A JP 2001094229A JP 2002297803 A JP2002297803 A JP 2002297803A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
insurance
equipment
maintenance
premium
maintenance fee
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001094229A
Other languages
English (en)
Inventor
Akinori Natsume
明典 夏目
Shintaro Kumano
信太郎 熊野
Masumi Nomura
真澄 野村
Katsunori Tanaka
克則 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP2001094229A priority Critical patent/JP2002297803A/ja
Publication of JP2002297803A publication Critical patent/JP2002297803A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)
  • Financial Or Insurance-Related Operations Such As Payment And Settlement (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】機械設備ユーザーが、機械設備の異常回避設備
の設置及び運用次第で保守料及び保険料の支払を削減で
き、メーカー及び保険会社も保守費及び保険金支払を低
減できる保守料及び保険料の設定システム。 【解決手段】機械設備3と経理サーバー14とを備える
機械設備ユーザー12と、メーカー遠隔監視システム2
3と費用管理サーバー27とを備えるメーカー22と、
金融仲介局13とを具備し、メーカー遠隔監視システム
23が、保守契約に基づき、通信回線G29を通じ機械
設備3から運用情報を取得し、前記保守契約と前記運用
情報とに基づき保守料を決定し、費用管理サーバー27
へ次回保守料支払指示を出力し、費用管理サーバー27
が、前記次回保守料支払指示に基づき、通信回線J32
を通じ経理サーバー14へ前記次回保守料の通知を行
い、経理サーバー14が、前記通知に応答し、金融仲介
局13にて、メーカー22の口座へ前記次回保守料を振
り込む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機械設備の保守料
及び保険料を設定するシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】機械設備販売の際、機械設備を製造した
メーカー局としてのメーカーと購入者である機械設備ユ
ーザー局としての機械設備ユーザーとの間で、保守契約
が取り交わされる。その保守契約においては、メーカー
が行なう保守に対する保守料は、主に以下の条件に基づ
いて決定される。すなわち、機械設備固有の故障率
(λm)、機械設備の使用経過年数(使用経過年数補
正係数Ky、図12参照)、故障時の復旧時間(T
r)である。しかし、この方法では、同一種類の機械設
備で、使用経過年数が同じであれば、同一の保守料が適
用されることになる。
【0003】一方、機械設備の購入の際、機械設備ユー
ザー局としての機械設備ユーザーは、損害の発生に備え
て機械設備に保険を掛けることが多い。その場合の保険
料の算定方法も、主に上記の〜の条件に基づいて設
定されており、同一種類の機械設備で、使用経過年数が
同じであれば、同一の保険料が適用されることになる。
【0004】従って、保守料及び保険料は、どちらも機
械設備の運用状況に基づく稼動率や、稼動方法、それま
での運用履歴等を、反映していない。また、機械設備を
遠隔監視した場合、故障の検知時間が短縮するが、その
効果(例えば、稼働率が向上する事)についても考慮さ
れていない。
【0005】しかし、機械設備の運用は、取り扱う機械
設備ユーザーにより様々であり、必ずしも推奨された運
用条件である定格値や設計上限値を遵守して運転してい
るとは限らない。すなわち、状況に応じて、性能限界で
の出力での運用や、設計上想定していない高頻度での発
停、出力変動を伴う運用等をせざるを得ない場合があ
る。それらが機械設備の運用過程で行なわれた場合で
は、一般的な運用に比較して機械設備の故障発生率は高
くなる。従って、前述のような同一の保守料や保険料を
適用していては、保守を行なうメーカー及び保険金を支
払う保険会社局としての保険会社にとって、想定してい
ない損失を発生させる可能性がある。
【0006】このような故障の発生率が高くなる各要因
について、ガスタービンの運用状態を例に挙げて、図2
5〜図27を参照して説明する。図25は、ガスタービ
ンの出力と故障発生率との関係を示す。横軸は、ガスタ
ービンの出力(%)であり、最高出力で規格化した値で
ある。縦軸が、故障発生率(%)である。ガスタービン
の運用においては、出力の定格値(図中左側矢印)が設
定されており、その値以下で運用する限り、故障発生率
は低い値に留まっている(の範囲)。しかし、出力の
定格値を超える辺りから故障発生率が増加傾向となり
(の範囲)、更に出力が上がり、出力の限界値(図中
右側矢印)以上の出力で運用すると故障発生率が非常に
高くなる(の範囲)。通常、連続運用が可能な出力と
して出力の定格値が設定され、出力の定格値と出力の限
界値との間(の範囲)の適当な値に最高出力が設定さ
れ、性能保証範囲となる。従って、あるいはの範囲
での機械設備の運用は、故障発生率の増加につながるの
で、その範囲で運用されていた機械設備との範囲で運
用していた機械設備とが同じ保守料及び保険料を設定さ
れていることは好ましくない。
【0007】図26は、ガスタービンの発停回数と故障
発生率との関係を示す。横軸は、ガスタービンの単位期
間(例えば月)当たりの発停回数(起動と停止の回数、
回/期間)であり、縦軸は、故障発生率(%)である。
ガスタービンの運用においては、単位期間(例えば月)
当たりの発停回数が設計段階で設計上限値(図中左側矢
印)として想定されている。従って、その値以下での発
停については、故障発生率は低い値に留まっている(
の範囲)。しかし、発停回数が設計上限値を超える辺り
から故障発生率が増加傾向となり(の範囲)、更に発
停回数が増加し、回数の限界値(図中右側矢印)以上の
発停を繰り返すと、故障発生率が非常に高くなる(の
範囲)。従って、及びの範囲まで発停回数が増える
ことは故障発生率の増加につながるので、その範囲で運
用されていた機械設備との範囲で運用していた機械設
備とが同じ保守料及び保険料を設定されていることは好
ましくない。
【0008】図27は、ガスタービンの出力変化率と故
障発生率との関係を示す。横軸は、ガスタービンの出力
変化率(単位時間(例えば時間)当たりの出力の変化の
割合、%)である。縦軸は、故障発生率(%)である。
ガスタービンの運用においては、出力変化率が設計段階
で設計上限値(図中左側矢印)として想定されている。
従って、その値以下での出力変化については、故障発生
率は低い値に留まっている(の範囲)。しかし、出力
変化率が設計上限値を超える辺りから故障発生率が増加
傾向となり(の範囲)、更に出力変化率が増加し、変
化率の限界値(図中右側矢印)以上の出力変化を繰り返
すと、故障発生率が非常に高くなる(の範囲)。従っ
て、及びの範囲での出力変動があることは故障発生
率の増加につながるので、その範囲で運用されていた機
械設備との範囲で運用していた機械設備とが同じ保守
料及び保険料を設定されていることは好ましくない。
【0009】以上のように、性能限界での出力での運用
や、設計上想定していない高頻度での発停、出力変動で
あって図25〜13のあるいはの範囲において行な
われた機械設備の運用は、の範囲で運用を行なってい
た機械設備に比較して、明らかに故障発生率が高くな
る。それにもかかわらず、同一種類の機械設備で、使用
経過年数が同じであれば、同一の保守料及び保険料を適
用していれば、メーカー及び保険会社にとっては、想定
していない損失を発生させる可能性が高い。従って、そ
れを回避しつつ、かつ、機械設備ユーザーにも納得して
もらえる機械設備保守料設定システム及び機械設備保険
料設定システムが必要となる。
【0010】一方、発電プラントの発電機を駆動するた
めの設備であるガスタービンにおいて、そのガスタービ
ンの燃焼器内の圧力は、時間の経過に伴って高い周波数
で変動する(内圧変動)。この経時的な内圧変動は燃焼
振動と呼ばれ、ガスタービンの運転に大きな支障をきた
す原因の一つである。すなわち、燃焼振動を出来る限り
抑制し、回避することは、プラントの設備保護上及び稼
働率向上の観点から強く求められている。
【0011】1つのガスタービンでは、燃焼器が複数
(例えば16)個配置され、各燃焼器で同時に燃焼す
る。従って、ガスタービンの制御装置において、全ての
燃焼器の燃焼を良好な状態に制御し、燃焼振動を抑制す
るためには、個々の燃焼器につけられた1つあるいは複
数の圧力センサからの信号に基づいて最適な燃焼制御パ
ラメータを決定する必要がある。しかし、すべての燃焼
器の燃焼を最適にする燃焼制御パラメータの組合せを決
定することは容易ではない。また、燃焼状態は燃焼用吸
気を高圧にする圧縮機の性能や、大気温度・湿度などに
よって変化するため、燃焼状態の自動監視、良否判定の
ための装置が必要となる。
【0012】運転中の燃焼振動の監視に関して、燃焼器
に設置された圧力センサによりデータを収集し、そのデ
ータにより燃焼振動の周波数分析をする事により、燃焼
振動が異常であることを早期に捉え、燃焼の健全性を重
視して燃焼器の運転を監視する技術が知られている。
【0013】例えば、図4は、特開平11−32472
5号公報に開示されているガスタービン異常検知装置
(周波数変換解析システム)である。この監視装置は、
ガスタービン燃焼器に設置された圧力センサ100と、
圧力センサ100からの検出信号をデジタルデータに変
換するA/D変換部101と、そのデジタルデータを周
波数成分に分解して解析する周波数解析部102と、ガ
スタービン燃焼器の出力及びその燃料供給量で規定され
るパラメータに基づいて監視対象の周波数成分に関する
基準データを可変設定する判定条件設定部103と、そ
の基準データに基づいて、周波数成分の解析データから
燃焼振動現象に起因する周波数成分を抽出し、その周波
数成分の振幅値と監視対象の周波数成分に関するデータ
の正常時の振幅値との比較によりガスタービンの燃焼振
動状態を判定する判定処理部104と、その判定結果に
関するデータを表示する結果表示部105とを有してい
る。
【0014】この監視装置では、圧力センサからの圧力
データにより、燃焼振動の周波数成分の分析を行なう。
すなわち、周波数毎の正常時の振動の振幅値(以下「正
常振幅値」という)と、実際の周波数毎の振動の振幅値
(以下「実際振幅値」という)とを比較することによ
り、燃焼振動が以上であるかを判定することが可能であ
る。従って、周波数毎の振動の振幅値のずれがある程度
の大きさになる必要があり、ガスタービンに悪影響を及
ぼす燃焼振動のある程度の発生が前提となる監視方法で
ある。
【0015】以上のように、発電プラントは、全ての燃
焼器の燃焼を良好な状態に制御し燃焼振動を抑制する燃
焼制御パラメータの決定や、燃焼状態の自動監視、良否
判断のための上述したガスタービン異常検知装置などの
装置をガスタービンと同一場所に設置するというような
燃焼振動に対する対策を実施していれば、ガスタービン
を良好に継続的に運転することができる。そして、故障
発生率を大幅に低下させることが可能となる。逆にいえ
ば、燃焼振動に対する対策を実施していないにもかかわ
らず、対策を実施している機械設備と同一種類の機械設
備で、使用経過年数が同じであれば、同一の保守料及び
保険料を適用していれば、メーカー及び保険会社にとっ
ては、想定していない損失を発生させる可能性が高い。
従って、それを回避しつつ、かつ、機械設備ユーザーに
も納得してもらえる機械設備保守料設定システム及び機
械設備保険料設定システムが必要となる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、メーカー及び機械設備ユーザーの双方に利益をもた
らす保守料の設定が可能な機械設備保守料設定システム
及び機械設備保守料設定方法を提供することである。
【0017】また、本発明の別の目的は、機械設備の異
常回避システムのレベルに基づいた、より精度の高い保
守料の設定が可能な機械設備保守料設定システム及び機
械設備保守料設定方法を提供することである。
【0018】更に、本発明の他の目的は、機械設備ユー
ザーの異常回避システムのレベルの向上により保守料を
改善することが可能な機械設備保守料設定システム及び
機械設備保守料設定方法を提供することである。
【0019】また、本発明の別の目的は、機械設備の運
用状況に基づいた、より精度の高い保守料の設定が可能
な機械設備保守料設定システム及び機械設備保守料設定
方法を提供することである。
【0020】更に、本発明の他の目的は、機械設備ユー
ザーの機械設備運用の改善により保守料を改善すること
が可能な機械設備保守料設定システム及び機械設備保守
料設定方法を提供することである。
【0021】更に、本発明の他の目的は、保険会社及び
機械設備ユーザーの双方に利益をもたらす保険料の設定
が可能な機械設備保険料設定システム及び機械設備保険
料設定方法を提供することである。
【0022】更に、本発明の別の目的は、機械設備の異
常回避システムのレベルに基づいた、より精度の高い保
険料の設定が可能な機械設備保険料設定システム及び機
械設備保険料設定方法を提供することである。
【0023】更に、本発明の他の目的は、機械設備ユー
ザーの異常回避システムのレベルの向上により保険料を
改善することが可能な機械設備保険料設定システム及び
機械設備保険料設定方法を提供することである。
【0024】更に、本発明の別の目的は、機械設備の運
用状況に基づいた、より精度の高い保険料の設定が可能
な機械設備保険料設定システム及び機械設備保険料設定
方法を提供することである。
【0025】更に、本発明の他の目的は、機械設備ユー
ザーの機械設備運用の改善により保険料を改善すること
が可能な機械設備保険料設定システム及び機械設備保険
料設定方法を提供することである。
【0026】
【課題を解決するための手段】本課題を解決するための
手段の項における、図番号、符号は、特許請求の範囲と
発明の実施の形態との対応を示すために記したものであ
り、特許請求の範囲の解釈に用いてはならない。
【0027】従って、上記課題を解決するために、本発
明の機械設備保守料設定システムは、機械設備(図1、
機械設備3)と、前記機械設備(図1、機械設備3)に
おいて発生が予測される異常に対処するための異常検知
装置(図1、周波数変換解析システム33/燃焼振動予
測システム34)とを備える機械設備ユーザー局(図
1、機械設備ユーザー12)とを具備し、前記異常検知
装置(図1、周波数変換解析システム33/燃焼振動予
測システム34)の異常への対処の内容により前記機械
設備(図1、機械設備3)の保守料が決定される。
【0028】また、本発明の機械設備保守料設定システ
ムは、機械設備(図1、機械設備3)と、前記機械設備
(図1、機械設備3)において発生が予測される異常に
対処するための異常検知装置(図1、周波数変換解析シ
ステム33/燃焼振動予測システム34)とを備える機
械設備ユーザー局(図1、機械設備ユーザー12)と、
遠隔監視システム(図1、メーカー遠隔監視システム2
3)とを備えるメーカー局とを具備し、前記メーカー局
(図1、メーカー22)が、前記機械設備ユーザー局
(図1、機械設備ユーザー12)と前記メーカー局(図
1、メーカー22)との間の前記機械設備(図1、機械
設備3)に関する保守契約に基づいて、前記異常検知装
置(図1、周波数変換解析システム33/燃焼振動予測
システム34)の異常への対処の内容により前記機械設
備(図1、機械設備3)の基本保守料を決定し、前記遠
隔監視システム(図1、メーカー遠隔監視システム2
3)が、前記保守契約に基づいて、通信回線(図1、通
信回線G29)を通じて前記機械設備(図1、機械設備
3)から前記機械設備(図1、機械設備3)の運用状況
に関する運用情報を取得し、前記保守契約と前記運用情
報と前記基本保守料とに基づいて保守料を決定する。
【0029】更に、本発明の機械設備保守料設定システ
ムは、金融仲介局(図1、金融仲介局13)を更に具備
し、前記機械設備ユーザー局(図1、機械設備ユーザー
12)は、経理サーバー(図1、経理サーバー14)を
更に具備し、前記メーカー局(図1、メーカー22)
は、費用管理サーバー(図1、費用管理サーバー27)
を更に具備し、前記メーカー局(図1、メーカー22)
が、前記保守料に基づいて、前記費用管理サーバー(図
1、費用管理サーバー27)へ次回保守料支払指示を出
力し、前記費用管理サーバー(図1、費用管理サーバー
27)が、前記次回保守料支払指示に基づいて、通信回
線(図1、通信回線J32)を通じて、前記経理サーバ
ー(図1、経理サーバー14)へ前記次回保守料の通知
を行ない、前記経理サーバー(図1、経理サーバー1
4)が、前記通知に応答して、前記金融仲介局(図1、
金融仲介局13)において、前記メーカー局(図1、メ
ーカー22)の口座へ前記次回保守料を振り込む。
【0030】更に、本発明の機械設備保守料設定システ
ムは、前記遠隔監視システム(図1、メーカー遠隔監視
システム23)は、前記機械設備(図1、機械設備3)
から前記運用情報を取得する遠隔監視サーバー(図1、
メーカー遠隔監視サーバー25)と、前記運用情報と、
前記保守契約に基づいて予め設定された前記機械設備
(図1、機械設備3)の運用条件に関する補正係数と、
前記基本保守料とを保持する機器情報データベース(図
1、メーカー機器情報データベース26)とを具備し、
前記遠隔監視サーバー(図1、メーカー遠隔監視サーバ
ー25)は、前記運用情報と前記補正係数と、前記基本
保守料とに基づいて保守料を決定する。
【0031】更に、本発明の機械設備保守料設定システ
ムは、前記運用条件は、前記機械設備(図1、機械設備
3)の出力、発停回数、出力変動率の内の少なくとも一
つに基づいて設定される。
【0032】更に、本発明の機械設備保守料設定システ
ムは、前記機械設備(図1、機械設備3)は、ガスター
ビンであり、前記異常は、燃焼振動である。
【0033】更に、本発明の機械設備保守料設定システ
ムは、前記異常検知装置(図1、周波数変換解析システ
ム33/燃焼振動予測システム34)は、燃焼器の圧力
に基づいて、燃焼振動の振動周波数を分析することが可
能な周波数変換解析システム(図1、周波数変換解析シ
ステム33)を具備する。
【0034】更に、本発明の機械設備保守料設定システ
ムは、前記異常検知装置(図1、周波数変換解析システ
ム33/燃焼振動予測システム34)は、ガスタービン
のプラントデータと大気データとに基づいて、燃焼振動
の発生しやすい条件を予測することが可能な燃焼振動予
測システム(図1、燃焼振動予測システム34)を具備
する。
【0035】上記課題を解決するための、本発明の機械
設備保険料設定システムは、機械設備(図20、機械設
備3)と、前記機械設備(図20、機械設備3)におい
て発生が予測される異常に対処するための異常検知装置
(図20、周波数変換解析システム33/燃焼振動予測
システム34)とを備える機械設備ユーザー局(図2
0、機械設備ユーザー12)とを具備し、前記異常検知
装置(図20、周波数変換解析システム33/燃焼振動
予測システム34)の異常への対処の内容により前記機
械設備(図20、機械設備3)の保険料が決定される。
【0036】また、本発明の機械設備保険料設定システ
ムは、機械設備(図20、機械設備3)と、前記機械設
備(図20、機械設備3)において発生が予測される異
常に対処するための異常検知装置(図20、周波数変換
解析システム33/燃焼振動予測システム34)とを備
える機械設備ユーザー局(図20、機械設備ユーザー1
2)と、遠隔監視システム(図20、遠隔監視システム
1)とを備える保険会社局(図20、保険会社11)と
を具備し、前記保険会社局(図20、保険会社11)
が、前記機械設備ユーザー局(図20、機械設備ユーザ
ー12)と前記保険会社局(図20、保険会社11)と
の間の前記機械設備(図20、機械設備3)に関する保
険契約に基づいて、前記異常検知装置(図20、周波数
変換解析システム33/燃焼振動予測システム34)の
異常への対処の内容により前記機械設備(図20、機械
設備3)の基本保険料を決定し、前記遠隔監視システム
(図20、遠隔監視システム1)が、前記保険契約に基
づいて、通信回線(図20、通信回線A15)を通じて
前記機械設備(図20、機械設備3)から前記機械設備
(図20、機械設備3)の運用状況に関する運用情報を
取得し、前記保険契約と前記運用情報と前記基本保険料
とに基づいて保険料を決定する。
【0037】更に、本発明の機械設備保険料設定システ
ムは、金融仲介局(図20、金融仲介局13)を更に具
備し、前記機械設備ユーザー局(図20、機械設備ユー
ザー12)は、経理サーバー(図20、経理サーバー1
4)を更に具備し、前記保険会社局(図20、保険会社
11)は、保険料管理サーバー(図20、費用管理サー
バー6)を更に具備し、前記保険会社局(図20、保険
会社11)が、前記保険料に基づいて、前記保険料管理
サーバー(図20、保険料管理サーバー6)へ次回保険
料支払指示を出力し、前記保険料管理サーバー(図2
0、保険料管理サーバー6)が、前記次回保険料支払指
示に基づいて、通信回線(図20、通信回線D18)を
通じて、前記経理サーバー(図20、経理サーバー1
4)へ前記次回保険料の通知を行ない、前記経理サーバ
ー(図20、経理サーバー14)が、前記通知に応答し
て、前記金融仲介局(図20、金融仲介局13)におい
て、前記保険会社局(図20、保険会社11)の口座へ
前記次回保険料を振り込む。
【0038】更に、本発明の機械設備保険料設定システ
ムは、前記遠隔監視システム(図20、遠隔監視システ
ム1)は、前記機械設備(図20、機械設備3)から前
記運用情報を取得する遠隔監視サーバー(図20、遠隔
監視サーバー4)と、前記運用情報と、前記保険契約に
基づいて予め設定された前記機械設備(図20、機械設
備3)の運用条件に関する補正係数と、前記基本保険料
とを保持する機器情報データベース(図20、機器情報
データベース5)とを具備し、前記遠隔監視サーバー
(図20、遠隔監視サーバー4)は、前記運用情報と前
記補正係数と、前記基本保険料とに基づいて保険料を決
定し、前記次回保険料支払指示を前記保険料管理サーバ
ー(図20、保険料管理サーバー6)へ出力する。
【0039】更に、本発明の機械設備保険料設定システ
ムは、前記運用条件は、前記機械設備(図20、機械設
備3)の出力、発停回数、出力変動率の内の少なくとも
一つに基づいて設定される。
【0040】更に、本発明の機械設備保険料設定システ
ムは、前記機械設備(図20、機械設備3)は、ガスタ
ービンであり、前記異常は、燃焼振動である。
【0041】更に、本発明の機械設備保険料設定システ
ムは、前記異常検知装置(図20、周波数変換解析シス
テム33/燃焼振動予測システム34)は、燃焼器の圧
力に基づいて、燃焼振動の振動周波数を分析することが
可能な周波数変換解析システム(図20、周波数変換解
析システム33)を具備する。
【0042】更に、本発明の機械設備保険料設定システ
ムは、前記異常検知装置(図20、周波数変換解析シス
テム33/燃焼振動予測システム34)は、ガスタービ
ンのプラントデータと大気データとに基づいて、燃焼振
動の発生しやすい条件を予測することが可能な燃焼振動
予測システム(図20、燃焼振動予測システム34)を
具備する。
【0043】上記課題を解決するための、本発明の機械
設備保守料設定方法は、機械設備ユーザー局(図1、機
械設備ユーザー12)とメーカー局(図1、メーカー2
2)との間の前記機械設備(図1、機械設備3)に関す
る保守契約に基づいて、前記機械設備(図1、機械設備
3)の異常に対処する異常検知装置(図1、周波数変換
解析システム33/燃焼振動予測システム34)の異常
への対処の内容により前記機械設備(図1、機械設備
3)の基本保守料を決定するステップと、前記メーカー
局が、前記保守契約に基づいて、通信回線(図1、通信
回線G29)を通じて前記機械設備(図1、機械設備
3)から前記機械設備(図1、機械設備3)の運用状況
に関する運用情報を取得するステップと、前記メーカー
局(図1、メーカー22)が、前記保守契約と前記運用
情報と前記基本保守料とに基づいて次回の保守料を決定
するステップとを具備する。
【0044】また、本発明の機械設備保守料設定方法
は、前記メーカー局(図1、メーカー22)が、決定さ
れた前記次回の保守料に基づいて、次回保守料支払指示
を出力するステップと、前記メーカー局(図1、メーカ
ー22)が、前記次回保守料支払指示に基づいて、通信
回線(図1、通信回線J32)を通じて、前記機械設備
ユーザー局(図1、機械設備ユーザー12)へ前記次回
の保守料の通知を行なうステップと、前記機械設備ユー
ザー局(図1、機械設備ユーザー12)が、前記通知に
応答して、前記次回の保守料の支払処理を行うステップ
とを更に具備する。
【0045】更に、本発明の機械設備保険料設定方法
は、機械設備ユーザー局(図20、機械設備ユーザー1
2)と保険会社局(図20、保険会社11)との間の前
記機械設備(図20、機械設備3)に関する保険契約に
基づいて、前記機械設備(図20、機械設備3)の異常
に対処する異常検知装置(図20、周波数変換解析シス
テム33/燃焼振動予測システム34)の異常への対処
の内容により前記機械設備(図20、機械設備3)の基
本保険料を決定するステップと、前記保険会社局(図2
0、保険会社11)が、前記保険契約に基づいて、通信
回線(図20、通信回線A15)を通じて前記機械設備
(図20、機械設備3)から前記機械設備(図20、機
械設備3)の運用状況に関する運用情報を取得するステ
ップと、前記保険会社局(図20、保険会社11)が、
前記保険契約と前記運用情報と前記基本保険料とに基づ
いて次回の保険料を決定するステップと、前記保険会社
局(図20、保険会社11)が、決定された前記次回の
保険料に基づいて、次回保険料支払指示を出力するステ
ップと、前記保険会社局(図20、保険会社11)が、
前記次回保険料支払指示に基づいて、通信回線(図2
0、通信回線D18)を通じて、前記機械設備ユーザー
局(図20、機械設備ユーザー12)へ前記次回の保険
料の通知を行なうステップと、前記機械設備ユーザー局
(図20、機械設備ユーザー12)が、前記通知に応答
して、前記次回の保険料の支払処理を行うステップとを
具備する。
【0046】上記課題を解決するための、本発明のプロ
グラムは、機械設備ユーザー局(図1、機械設備ユーザ
ー12)とメーカー局(図1、メーカー22)との間の
機械設備(図1、機械設備3)に関する保守契約に基づ
いて、通信回線(図1、通信回線G29)を通じて前記
機械設備(図1、機械設備3)から前記機械設備(図
1、機械設備3)の運用状況に関する運用情報を取得す
るステップと、前記機械設備(図1、機械設備3)の異
常に対処する異常検知装置(図1、周波数変換解析シス
テム33/燃焼振動予測システム34)の異常への対処
の内容により決定される前記機械設備(図1、機械設備
3)の基本保守料と前記保守契約と前記運用情報とに基
づいて次回の保守料を決定するステップとを実行する。
【0047】また、本発明のプログラムは、機械設備ユ
ーザー局(図20、機械設備ユーザー12)と保険会社
局(図20、保険会社11)との間の機械設備(図2
0、機械設備3)に関する保険契約に基づいて、通信回
線(図20、通信回線A15)を通じて前記機械設備
(図20、機械設備3)から前記機械設備(図20、機
械設備3)の運用状況に関する運用情報を取得するステ
ップと、前記機械設備(図20、機械設備3)の異常に
対処する異常検知装置(図20、周波数変換解析システ
ム33/燃焼振動予測システム34)の異常への対処の
内容により決定される前記機械設備(図20、機械設備
3)の基本保険料と前記保険契約と前記運用情報とに基
づいて次回の保険料を決定するステップと、通信回線
(図20、通信回線D18)を通じて、前記次回の保険
料の通知を行なうステップとを実行する。
【0048】
【発明の実施の形態】以下、本発明である機械設備保守
料設定システム及び機械設備保険料設定システムの実施
の形態に関して、添付図面を参照して説明する。なお、
各実施の形態において同一又は相当部分には同一の符号
を付して説明する。
【0049】本実施例において、機械設備ユーザーのガ
スタービンに使用される機械設備保守料設定システム及
び機械設備保険料設定システムを例に示して説明する
が、保守契約及び保険契約が締結され機械設備ユーザー
において異常の発生を回避するシステムを設置可能な他
の機械設備においても、適用可能である。
【0050】まず、本発明である機械設備保守料設定シ
ステム及び機械設備保険料設定システムに関する保守料
及び保険料の計算に関する「第一の基本的な考え方」
を、図4〜図8、図21を参照して説明する。
【0051】本機械設備保守料設定システム及び機械設
備保険料設定システムにおける「第一の基本的な考え
方」では、機械設備の異常を回避する為に導入するシス
テムのレベルに応じて、保守料(機械設備保守料設定シ
ステムの場合、以下同じ)及び保険料(機械設備保険料
設定システムの場合、以下同じ)を変動させる点が、従
来の保守料及び保険料の設定方法と異なる。
【0052】機械設備の製造元であるメーカー(機械設
備保守料設定システムの場合、以下同じ)及び機械設備
の保険を担当する保険会社(機械設備保険料設定システ
ムの場合、以下同じ)がシステムのレベルを判断する基
準について、ガスタービンの例をあげて説明する。
【0053】ガスタービンでは、プラントの設備保護及
び稼働率向上の観点から燃焼振動の抑制あるいは回避が
重要である。従って、「第一の基本的な考え方」では、
燃焼振動の抑制あるいは回避が可能なシステムを導入す
れば保守料及び保険料を低減することとする。システム
導入のレベルは、以下の4つのサービスレベルを設定す
る。 レベル0:なにもしない。 レベル1:周波数解析により燃焼振動を検知する燃焼振
動検知システムを導入する。 レベル2:周波数解析により燃焼振動を検知する燃焼振
動検知システムを設置する。それと共に、数式モデルに
よる内圧変動推定システムを導入する。 レベル3:周波数解析により燃焼振動を検知する燃焼振
動検知システム及び数式モデルによる内圧変動推定シス
テムを設置する。それと共に、遠隔監視システムを導入
する。
【0054】図8及び図21を参照して、横軸はサービ
スレベル、縦軸は保守料E(図8)及び保険料C(図2
1)である。図に示すように、サービスレベルが向上す
る(レベル番号が上がる)に連れて、保守料E及び保険
料Cが減少する。すなわち、燃焼振動の抑制あるいは回
避が可能なシステムの導入が進み、燃焼振動が回避する
可能性が高くなるほど、保守料E及び保険料Cが低くな
るように設定される。その場合、絶対額(設定額)の減
少や、ある一定額のディスカウント、ある一定割合のデ
ィスカウントというような形が可能である。
【0055】ここで、図8及び図21に示す、各レベル
について説明する。レベル0は、ガスタービンの燃焼振
動の抑制あるいは回避が可能なシステムを全く導入しな
い、通常のガスタービン装置である。燃焼振動の抑制あ
るいは回避は、現地運転員の経験とノウハウに基づき行
われる為、主観的であり、運転員による差も出易く、必
ずしも安定的に燃焼振動を抑制あるいは回避できるとは
限らない。従って、保守料及び保険料は、通常のままで
ある。
【0056】レベル1は、燃焼振動の抑制あるいは回避
が可能なシステムとして、周波数解析により燃焼振動を
検知する燃焼振動検知システムを導入する。燃焼振動検
知システムの例としては、従来の技術の項で説明した、
特開平11−324725号公報に開示されているガス
タービン異常検知装置(図4、異常検知装置としての周
波数変換解析システム33)である。
【0057】ガスタービンでは、燃焼器内の圧力は、時
間の経過に伴って高い周波数で変動する(内圧変動)。
ガスタービン異常検知装置(図4、周波数変換解析シス
テム33)では、この経時的な圧力変動を示すデータを
高速フーリエ変換(FFT)し、各周波数帯域での内圧
変動レベル(内圧変動の振幅又は内圧変動値)を算出す
る。そして、この算出結果と、正常時の内圧変動の振幅
(内圧変動値)との比較に基づいて、ガスタービンの燃
焼振動が監視されている。監視の結果、必要であれば、
人手あるいは自動でガスタービンを緊急停止する。燃焼
振動が異常であることを客観的に早期に捉え、燃焼の健
全性を重視した燃焼器の運転監視技術である。
【0058】この燃焼振動が異常であることを客観的に
早期に捉え、燃焼の健全性を重視した燃焼器の運転監視
技術を導入することで、燃焼振動の抑制あるいは回避が
可能となる。すなわち、通常の場合(レベル0)に比較
して、燃焼振動を抑制あるいは回避する確率が上がるの
で、メーカー及び保険会社は、保守料及び保険料を通常
の場合(レベル0)に比較して低く設定(又は、ディス
カウント)することが出来る。この場合、燃焼振動検知
システムのデータの評価・判断を行なうのは、ユーザー
であるガスタービンの運転者(又はその関連技術者)で
ある。
【0059】レベル2は、燃焼振動の抑制あるいは回避
が可能なシステムとして、燃焼振動検知システムに加え
て、数式モデルによる内圧変動推定システムを導入す
る。内圧変動推定システムの例としては、図5に示す燃
焼振動予測システム34である。この場合、燃焼振動検
知システム及び数式モデルによる内圧変動推定システム
のデータの評価・判断を行なうのは、ユーザーであるガ
スタービンの運転者(又はその関連技術者)である。
【0060】ここで、数式モデルによる内圧変動推定シ
ステムについて説明する。図5は、数式モデルによる内
圧変動推定システムである燃焼振動予測システム34の
構成を示す図である。
【0061】燃焼振動予測システム34は、例えばワー
クステーション、大型計算機、パーソナルコンピュータ
等によって構成され、ガスタービンを制御する制御装置
などに接続され、ガスタービンを管理する管理センタ等
に配置される。この燃焼振動予測システム34は、処理
制御部37、内圧変動特性把握部39、燃焼振動領域推
定部39、データベース40、通信部35、第1のメモ
リ36から構成されている。
【0062】処理制御部37は、この燃焼振動予測シス
テム34の全体を制御する。例えば、プラントデータ、
気象データ、内圧変動の制限値Zij、ゲインαなどの
各種データ(後述)などの取得に関わる制御、燃焼振動
予測プログラム(後述)の処理に関わる制御などであ
る。
【0063】内圧変動特性把握部38は、燃焼器の内圧
変動をモデル化するための処理プログラムから構成され
ている。この内圧変動特性把握部38は、データベース
40に格納されたデータを用いて、内圧変動を説明する
数式モデルを構築する。例えば、ガスタービンにおける
燃焼器数をn1、燃焼振動の抑制あるいは回避に関係し
モデル化すべき周波数帯数をn2とすると、例えば次式
(1)のような重回帰モデルで内圧変動をモデル化す
る。 Yij=aij,0+aij,1×X11+aij,2×X12+aij,3 ×X21+aij,4×X22 ・・・(1)
【0064】ここで、Yijは第i燃焼機(i=1、
2、・・・、n)の第j周波数帯(j=1、2、・・
・、n)の内圧変動値であり、X11は操作量1の値
であり、X12は操作量2の値であり、X21は操作量
できない状態量1の値であり、X22は操作できない状
態量2の値であり、aij,0、aij,1、aij,
、aij,3及びaij,4は係数パラメータであ
る。なお、操作量1及び2としては、ガスタービンに供
給される燃料や空気の量が用いられ、操作できない状態
量1及び2は、例えば大気温度といった気象データ、要
求によって決定される負荷の大きさ等が用いられる。
【0065】この内圧変動特性把握部38は、データベ
ース40に時刻ごとに整理して格納された内圧変動値、
操作量、操作できない状態量を用いて上記(1)式の係
数パラメータaij,0、aij,1、aij,2、a
ij,3及びaij,4を求め、これを燃焼振動領域推
定部39に送信する。係数パラメータの解法には、例え
ば最小二乗法が用いられる。
【0066】ここでいう内圧変動値とは、ガスタービン
に設置された図示しない圧力センサ(内圧センサ)から
得られたデータをA/D変換し、周波数解析した結果を
個の周波数帯に区切り、夫々の周波数帯においてあ
る時間内に得られた最大振幅値である。レベル1の説明
で記したガスタービン異常検知装置(燃焼異常検知装
置)により取得される。なお、上記では、説明の都合
上、操作量を2変数、操作できない状態量を2変数とし
てモデル式を記述しているが、特に2変数に限るもので
はない。
【0067】また、モデル構造として一次式として記述
しているが、二次以上の高次モデルやニューラルネット
ワークなどの非線型モデルとしても良い。また、ガスタ
ービンから入力された操作量や操作できない状態量を用
いたモデル式として記述しているが、質量収支などの法
則に基づいて変換した値を用いても良い。
【0068】燃焼振動領域推定部39は、内圧変動特性
把握部38により求められた数式モデルを用いて燃焼振
動の発生し易い領域を求めるための処理プログラムから
構成されている。
【0069】例えば、操作量1、操作量2、操作できな
い状態量1、操作できない状態量2が、それぞれX’
11、X’12、X’21及びX’22である時の第i
燃焼器の第j周波数帯の内圧変動予測値Y’ijは次式
(2)で求める。 Y’ij=aij,0+aij,1×X’11+aij,2×X’12+a j,3 ×X’21+aij,4×X’22 ・・・(2)
【0070】ここで、aij,0、aij,1、a
ij,2、aij,3及びaij,4は、内圧変動特性
把握部38から送られた係数パラメータである。
【0071】第i燃焼器の第j周波数帯の内圧変動に
は、燃暁器や周囲の設備の構造面から制限値が設けられ
ている。外部から入力されデータベース40に格納され
ている第i燃焼器の第j周波数帯の内圧変動の制限値を
ijとすると、 Zij=aij,0+aij,1×X’11+aij,2×X’12+aij ,3 ×X’21+aij,4×X’22 ・・・(3) となるX’11、X’12、X’21及びX’22が存
在することになる。
【0072】今、仮に、外部から操作できない状態量1
及び操作できない状態量2の値が入力され、これら入力
値が燃焼振動領域推定部39に与えられたとすると、
(3)式のうち、X’11及びX’12以外は定数とな
り、(3)式を満たす(X’ 、X’12)を容易に
求めることができる。外部から与えられたα(k=
1、2、・・・、n)なるゲインにより、 αij=aij,0+aij,1×X’11+aij,2×X’12+a ij,3 ×X’21+aij,4×X’22 ・・・(4) として(X’11、X’12)を求めれば、各燃焼機の
各周波数帯域毎にn本の線を求めることができる。図
6は、これを示したものである。ここで、係数パラメー
タaij,2(図6縦軸のX12の係数パラメータ)が
正であれば、直線の上側が燃焼振動の発生し易い領域、
下側が発生しにくい領域となる。逆に、係数パラメータ
ij,2が負であれば、直線の下側が燃焼振動の発生
し易い領域、上側が発生しにくい領域となる。
【0073】燃焼振動領域推定部39は、外部から与え
られる第i燃焼器の第j周波数帯の内圧変動の制限値Z
ij(i=1、2、・・・n、j=1、2、・・・、
)、ゲインα(k=1、2、・・・n)及び特
定の2つを除く変数の値と、内圧変動特性把握部38か
ら送信される係数パラメータaij,0、aij,1
ij,2、aij,3及びaij,4から、全ての燃
焼器の全ての周波数帯について上記の直線を求め、線形
計画法の手順に基づき、最終的に燃焼振動の発生し易い
領域、発生しにくい領域を求める。図7は横軸を
11、縦軸をX12として燃焼振動領域を推定した例
を示している。この例では、ゲインαごとに等高線の
ように燃焼振動領域を表現しており、中央部が燃焼振動
の発生しにくい領域、周辺部ほど発生し易い領域であ
る。このようにして燃焼振動領域推定部39で推定され
た燃焼振動領域は、ガスタービンの制御部に出力され
る。
【0074】データベース40は、ガスタービンからそ
のガスタービンに係る情報として送られてくる、ガスタ
ービンの状態を表すプラントデータ、気象データ等を時
系列に格納する。即ち、データベース40には、プラン
トデータである内圧変動値、操作量など、操作できない
状態量である気象データなど、が時刻ごとに整理されて
時系列に格納されており、これらのデータが送信されて
くると、このデータベース40内部に追加記憶される。
また、外部から入力される第i燃焼器の第j周波数帯の
内圧変動の制限値Zij、ゲインα及び特定の2つを除
く変数の値が格納されている。
【0075】第1のメモリ36は、内圧変動特性把握部
38及び燃焼振動領域推定部39を構成する処理プログ
ラム(以下、「燃焼振動予測プログラム」という)等が
含まれる。なお、処理プログラム自体は、この第1のメ
モリ36又は燃焼振動予測システム34内の他の場所に
格納される。
【0076】また、通信部35は、燃焼振動予測システ
ム34と外部(ガスタービンの制御部など)との間の通
信を行なう。具体的には、ガスタービンから該ガスター
ビンに係る情報として送られてくる、ガスタービンの状
態を表すプラントデータ、気象データ、外部から入力さ
れる第i燃焼器の第j周波数帯の内圧変動の制限値
ij、ゲインα及び特定の2つを除く変数の値などに
関わる送受信である。
【0077】以上のような構成(及び動作)を示す図5
の燃焼振動予測システム34により、図7に示すような
燃焼振動領域(中央部が燃焼振動の発生しにくい領域、
周辺部ほど発生し易い領域)を推定し、運転を燃焼振動
の発生しにくい領域に入るようにガスタービンの制御を
行なうのが、数式モデルによる内圧変動推定システムで
ある。このシステムを追加で導入することにより、レベ
ル1に比較して、燃焼振動を抑制あるいは回避する確率
が上がるので、メーカー及び保険会社は、保守料及び保
険料をレベル1よりも低く設定(又は、ディスカウン
ト)することが出来る。
【0078】レベル3は、レベル1で説明した燃焼振動
検知システム及びレベル2で説明した内圧変動推定シス
テムを設置し、それと共に、遠隔監視システムを導入す
る。この場合、遠隔監視を行なうのは、ガスタービンを
製造したメーカー又は保険会社である。メーカー又は保
険会社には、専門のサーバーが設置されている。すなわ
ち、当該ガスタービン、燃焼振動検知システム及び内圧
変動推定システムから得られるデータを詳細に評価可能
なサーバーを有しているのがメーカー及び保険会社であ
り、そのサーバーが燃焼振動検知システム及び内圧変動
推定システムのデータを評価することが、より確実に燃
焼振動の抑制あるいは回避を可能とするからである。こ
のシステムを追加で導入することにより、レベル2に比
較して、燃焼振動を抑制あるいは回避する確率が上がる
ので、メーカー及び保険会社は、保守料及び保険料をレ
ベル2よりも低く設定(又は、ディスカウント)するこ
とが出来る。
【0079】プロセス(レベル3)としては、以下のよ
うになる。まず、ユーザーのガスタービンの制御部が、
燃焼振動検知システム及び内圧変動推定システムのデー
タ(それぞれ燃焼振動検知情報及び内圧変動推定情報)
を取得する。そして、そのデータ及びガスタービンの運
用情報をメーカー及び保険会社へ送信する。次に、メー
カー及び保険会社の遠隔監視サーバーでは、受信したデ
ータに基づいて、ガスタービンの燃焼状況を判断する。
そして、然るべき燃焼条件を出力する。続いて、ユーザ
ーのガスタービンの制御部が、上記の燃焼条件を受信
し、ガスタービンの燃焼条件を変更する。それにより、
燃焼振動の抑制あるいは回避を可能とする。
【0080】以上の説明による4つのサービスレベル
(レベル0〜レベル3)を設定し、保守料及び保険料に
差を設けることにより、ユーザーの燃焼振動検知システ
ム、内圧変動推定システム及び遠隔監視システムの導入
を促進させ、燃焼振動を抑制あるいは回避することが可
能となる。すなわち、ユーザー側は、システム導入はコ
ストアップにつながるが、その分、燃焼振動が抑制ある
いは回避されるので、ガスタービンの稼働率が上がり、
結果的にコストを低減することが出来る。また、メーカ
ー側も、システムを販売できる他、ガスタービンの故障
率が下がるので、無償保証期間内であればその修理費用
を低減することが可能となる。
【0081】以上が、本発明である機械設備保守料設定
システム及び機械設備保険料設定システムに関する保守
料及び保険料の計算に関する「第一の基本的な考え方」
である。
【0082】次に、本発明である機械設備保守料設定シ
ステム及び機械設備保険料設定システムに関する保守料
及び保険料の計算に関する「第二の基本的な考え方」
を、図9〜図13を参照して説明する。
【0083】本機械設備保守料設定システム及び機械設
備保険料設定システムでは、機械設備の普段の運用状況
に応じて保守料(機械設備保守料設定システムの場合、
以下同じ)及び保険料(機械設備保険料設定システムの
場合、以下同じ)を変動させる点が、従来の保守料及び
保険料の設定方法と異なる。機械設備の製造元であるメ
ーカー(機械設備保守料設定システムの場合、以下同
じ)及び機械設備の保険を担当する保険会社(機械設備
保険料設定システムの場合、以下同じ)が機械設備の普
段の運用状況を調べるのに、運用状況の項目として、機
械設備における、運用時の出力、発停回数、単位時間当
たりの出力変化率を利用する。そして、それぞれの値に
ついて、メーカー及び保険会社から機械設備を使用する
機械設備ユーザーへ問合せてデータを収集し、以下のよ
うな保守料及び保険料計算プロセス(〜)による処
理を行ない、保守料及び保険料を決定する。
【0084】まず、出力補正係数Kpの算出を行な
う。図9は、機器設備(ガスタービン)の出力と補正係
数Kpとの関係を示す。横軸が、ガスタービンの出力
(%)であり、最高出力で規格化した値である。縦軸
は、故障率算定のための出力補正係数Kpである。出力
が定格値よりも低い場合には、Kpは1.0未満になっ
ており、故障率が定格値での運用の場合よりも低くなる
可能性を示している。出力が定格値(図25における定
格値に相当)よりも大きい場合には、Kpは1.0より
も大きくなっており、故障率が定格値での運用の場合よ
りも高くなる可能性を示している。Kpの決定は、予め
設定された期間(例えば1ヶ月)内での最高出力値を検
出し、その出力値でのKpの値を図9で示す出力と補正
係数Kpとの関係から算出する事で行なう。
【0085】次に、発停回数補正係数Ksの算出を行
なう。図10は、機器設備(ガスタービン)の発停回数
と補正係数Ksとの関係を示す。横軸は、ガスタービン
の発停回数(起動と停止の回数、回/期間)であり、縦
軸は、故障率算定のための発停回数補正係数Ksであ
る。発停回数が設計基準値(図26における設計上限値
に相当)よりも低い場合には、Ksは1.0未満になっ
ており、故障率が設計基準値での運用の場合よりも低く
なる可能性を示している。発停回数が設計基準値よりも
大きい場合には、Ksは1.0よりも大きくなってお
り、故障率が設計基準値での運用の場合よりも高くなる
可能性を示している。Ksの決定は、予め設定された期
間(例えば1ヶ月)内での発停回数を検出し、その発停
回数でのKsの値を図10で示す発停回数と補正係数K
sとの関係から算出する事で行なう。
【0086】次に、出力変化率補正係数Krの算出を
行なう。図11は、機器設備(ガスタービン)の出力変
化率と補正係数Krとの関係を示す。横軸は、ガスター
ビンの出力変化率(単位時間(例えば時間)当たりの出
力の変化の割合、%)である。縦軸は、故障率算定のた
めの出力変動率補正係数Krである。出力変動率が設計
基準値(図27における設計上限値に相当)よりも低い
場合には、Krは1.0未満になっており、故障率が設
計基準値での運用の場合よりも低くなる可能性を示して
いる。発停回数が設計基準値よりも大きい場合には、K
rは1.0よりも大きくなっており、故障率が設計基準
値での運用の場合よりも高くなる可能性を示している。
Krの決定は、予め設定された期間(例えば1ヶ月)内
での最高出力変動率を検出し、その出力変動率でのKr
の値を図11で示す出力変動率と補正係数Krとの関係
から算出する事で行なう。
【0087】次に、機械設備の故障率λの算定を行な
う。機械設備(ガスタービン)の故障率は、上記3つの
補正係数(出力補正係数Kp、発停回数補正係数Ks、
出力変動率補正係数Kr)と、ガスタービンに固有の故
障率λmと、ガスタービンの使用経過年数補正係数Ky
と、予め設定された係数a(実際の故障率の数値とλと
の差を補正する)とに基づいて、以下の数式(5)で算
定される。 λ=a・Ky・Kp・Ks・Kr・λm (5) (ただし、aは正の定数) すなわち、この故障率λは、機器設備固有の故障率λm
及び使用経過年数(使用経過年数補正係数Ky)だけで
なく、機器設備の運用状況を加味しており、運用実態を
正確に反映した故障率となっている。ただし、使用経過
年数と使用経過年数補正係数Kyとの関係を図12に示
す。横軸は使用経過年数(年)であり、縦軸が使用経過
年数補正係数Kyである。未使用時を1.0とし、使用
経過年数が多くなるに連れてKyは上昇する、すなわち
故障発生確率が上昇することを示している。
【0088】そして、修繕時間Tの算出を行なう。故
障発生から故障箇所修理完了までの時間である修繕時間
Tは、機械設備(ガスタービン)の故障発生から検知に
要する時間Tdと、ガスタービンの故障の復旧に要する
時間Trとに基づいて、以下の数式(6)で算定され
る。 T=Td+Tr (6) また、修復率μは、修繕時間Tを用いて、以下の数式
(7)で算定される。 μ=1/T (7) すなわち、修繕時間Tとして、通常Trだけでなく、T
dの値も無視することは出来ない。しかし、機械設備
は、常時遠隔監視を行なっているので、事故の発生を極
めて短時間で検知できる。従って、Tdは非常に短くな
り、Trに対して無視することが出来る。つまり、修繕
時間Tを短縮することが可能である。それは、修復率μ
の向上につながることが分かる。
【0089】次に、稼働率予測値Aの算出を行なう。
上記故障率を考慮した機械設備(ガスタービン)の稼働
率予測値Aは、で算出した故障率λと、で算出した
修復率μとに基づいて、以下の数式(8)で算出され
る。 A=μ/(λ+μ) (8) すなわち、稼働率予測値Aは、機械設備の運用状況を正
確に反映した故障率λと、遠隔監視により故障検知が短
時間になり向上した修復率μを反映した値となってい
る。つまり、機械設備の運用実態をより正確に反映した
稼働率予想がなされていることが分かる。
【0090】次に、損失額Dの算定を行なう。機械設
備(ガスタービン)の故障による損失は、稼働率1%あ
たりの損失額を表す機械設備に固有な損失係数Kgと、
で算出した稼働率予測値Aとに基づいて、以下の数式
(9)で算出される。 D=Kg(1−A) (9) 図13において、機械設備の故障による損失額Dと稼働
率予測値Aとの関係を示す。横軸は、稼働率予測値A
(%)であり、縦軸は損失額Dである。稼働率予測値1
00%の場合には、損失額D=0となるが、稼働率予測
値Aが下がるに連れて、損失額Dは増加していることが
分かる。この損失額Dの算定は、上記で算出された稼
働率予測値Aに基づいてなされており、機械設備の運用
実態をより正確に反映した損失額の予想となっている。
【0091】最後に、次回の保守料E(機械設備保守
料設定システムの場合、以下同じ)及び保険料C(機械
設備保険料設定システムの場合、以下同じ)の算定を行
なう。機械設備(ガスタービン)の次回の保守料及び保
険料の算定は、で求めた損失額Dに基づいて設定され
た保守料E及び保険料Cと稼働率予測値Aとの関係によ
り、決定される。
【0092】図13において、機械設備の保守料E及び
保険料Cと稼働率予測値Aとの関係を示す。横軸は、稼
働率予測値A(%)であり、縦軸は保守料E及び保険料
C(及び損失額D)である。保守料Eは、原則的に、保
守にかかる費用(=損失額D)と、保守事業の経営のた
めの経費である保守経費(e>0)とから成り立ってい
ることから、図13に示す保守料Eのグラフのようにな
る。また、保険料Cは、原則的に、保険金支払の為の経
費である純保険料(=損失額D)と、保険事業経営のた
めの経費である付加保険料(d>0)とから成り立って
いることから、図13に示す保険料Cのグラフのように
なる。稼働率予測値100%の場合には、保守料E及び
保険料Cは最小値となるが、稼働率予測値Aが下がるに
連れて、保守料E及び保険料Cは増加する。また、図1
3では、保守料E及び保険料Cのグラフは重なっている
が、必ずしも重なる必要は無い。稼働率予測値Aとの関
係が、図13のように右下がりの傾向になっていれば良
い。
【0093】保守料E及び保険料Cの算定は、図13に
おいて、上記で算出された稼働率予測値Aに対応する
保守料E及び保険料Cの値を取得する事によりなされ
る。上記で算出された稼働率予測値Aに基づいてなさ
れており、機械設備の運用実態をより正確に反映した損
失額の予想となっている。
【0094】上記プロセスのにおいて、機械設備は、
常時遠隔監視を行なっている場合は、事故の発生を極め
て短時間で検知できる。しかし、遠隔監視を1ヶ月に1
回とすると、事故発生から検知に要する時間Tdは多く
なる。そのため修復率μ(7)が悪くなり、結果として
損失額D(9)が非常に高いものとなる(実際の現場に
おいても事故の発見が遅いほど、損失額は大きくな
る)。このことから、機械設備の運用に際して遠隔監視
を常時行なう契約をすれば、事故発生から検知に要する
時間Tdが大幅に短縮され、損失額が低く抑えられる。
すなわち、保守料及び保険料の設定も低く抑えることが
可能となる。
【0095】使用経過年数による故障発生率の増加はK
yにより故障率に反映されるので、Kp,Ks,Krを
算定するデータ(図9〜図11のグラフに相当)には、
使用経過年数は考慮する必要は必ずしもない。しかし、
機械設備の種類によっては、経過年数により、出力、発
停回数、出力変化率のうちの一つ又は複数の項目につい
て、より敏感な可能性もある。それが予め分かっている
場合や、途中で判明した場合には、対応する補正係数
(Kp,Ks,Kr)を算定するデータについて、経過
年数に基づいて変化させることも可能である。
【0096】また、出力の定格値や、発停回数及び出力
変化率の設計基準値を著しく逸脱した場合には、別の系
列の補正係数(Kp,Ks,Kr)のデータを使用する
ようにすることも可能である。例えば、逸脱の程度に応
じて、補正係数を1割増、2割増、3割増というように
増加させる。また、逆に、逸脱の程度がごく僅かな場合
に、逸脱の程度に応じて補正係数を少し減らして、補正
の基準が厳しくなりすぎないようにする事も可能であ
る。
【0097】なお、図13の保守料E、保険料C又は損
失額Dと稼働率予測値Aとの関係を示すグラフは、稼働
率予測値Aの値の範囲により、保守料E及び保険料Cが
5つの値を取るが、必ずしも、5つに限定されるもので
はない。保守料=保守にかかる費用(=損失額)+保守
経費、保険料=純保険料(=損失額)+付加保険料を原
則とし、(a)稼働率予測値Aが0%の場合に最高の保
守料及び保険料の値を取り、Aが100%のときに最低
の保守料及び保険料となる、(b)稼働率予測値A=A
1の時の保守料及び保険料をS1、A=A2の時の保守
料及び保険料をS2とすると、A1<A2のとき、S1
≧S2となる、の2つの条件を満たすように、決定され
ていれば良い。(a)の条件は、機械設備の運用条件が
非常に過酷であれば故障の可能性が高く、稼働率予測値
Aは0%に近づくことから、最高の保守料及び保険料と
なり、運用条件が過酷で無く、稼働率予測値100%が
予想されるなら最低の保守料及び保険料となる、という
原則に基づいている。(b)の条件は、運用条件がより
過酷なほど保守料及び保険料は同じか高くなる、という
原則に基づいている。そして、(a)及び(b)の条件
を満たすグラフは、機械設備の機種、大きさ等により設
定される。
【0098】以上が、本発明である機械設備保守料設定
システム及び機械設備保険料設定システムに関する保守
料及び保険料の計算に関する「第二の基本的な考え方」
である。
【0099】(実施例1)では、本発明である機械設備
保守料設定システムの第一の実施の形態の構成に関し
て、図1を参照して説明する。本実施例では、前述の保
守料設定の第一の基本的な考え方に基づいて、機械設備
保守料設定システムが構築されている。図1は、そのレ
ベル3の場合を示している。
【0100】メーカー局としてのメーカー22、機械設
備ユーザー局としての機械設備ユーザー12、金融仲介
局13、通信回線G29、通信回線H30、通信回線I
31、通信回線J32を具備する。メーカー局としての
メーカー22は、メーカー遠隔監視サーバー25及びメ
ーカー機器情報データベース26を備えるメーカー遠隔
監視システム23と、費用管理サーバー27及び費用情
報データベース28を備える費用管理システム24とを
具備する。機械設備に関わる保守を行なうと共に、機械
設備3の運用・保守に関連する情報の取得、分析等を行
なう。また、機械設備ユーザー局としての機械設備ユー
ザー12は、制御部8、設備稼働部9及び運用情報デー
タベース10を備える機械設備3と、異常検知装置とし
ての周波数変換解析システム33と、異常検知装置とし
ての燃焼振動予測システム34と、経理サーバー14と
を具備する。機械設備3の使用に際し、メーカー22と
保守契約を締結すると共に、機械設備3の燃焼振動の状
況及び燃焼状況を適宜メーカー22へ送信する。
【0101】通常、機械設備3の購入に際して、機械設
備ユーザー12は、メーカー22と機械設備3の保守に
関する保守契約を締結する。そして、ある期間(例えば
1ヶ月)毎の保守料が決定され、機械設備ユーザー12
はメーカー22に対して、その期間毎に保守料を支払
う。一方、機械設備ユーザー12の機械設備3は、燃焼
状況の情報や燃焼振動の状況の情報に関するデータを保
持している。メーカー22のメーカー遠隔監視システム
23は、予め設定された期間(例えば1時間)の上記の
データに基づいて、その期間での機械設備3の及び燃焼
状況を分析する。そして分析の結果に基づいて、メーカ
ー22は、燃焼振動が発生しそうな場合には、機械設備
ユーザー12へ、燃焼振動が発生しないような燃焼条件
を出力し、機械設備ユーザー12へ通知することとす
る。このプロセスは、予め定められた期間毎に行なうの
で、次の期間には、また、再度燃焼振動の状況及び燃焼
状況の取得及びその分析を行なう。
【0102】次に、以下に各部の構成について図1を参
照して、詳細に説明する。まず、メーカー局としてのメ
ーカー22について説明する。遠隔監視システムとして
のメーカー遠隔監視システム23は、遠隔監視サーバー
としてのメーカー遠隔監視サーバー25及び機器情報デ
ータベースとしてのメーカー機器情報データベース26
を備える。これらは、必ずしも、機械設備ユーザー12
の機械設備3の専用である必要は無く、他の機械設備ユ
ーザーの機械設備(図示せず)の情報に関しても取り扱
うことが可能である。
【0103】遠隔監視サーバーとしてのメーカー遠隔監
視サーバー25は、通信回線G29を介して、機械設備
ユーザー12の機械設備3の制御部8と通信が可能であ
る。そして、予め設定された周期(例えば1時間)毎
に、機械設備3から通信回線G29を介して、機械設備
3の燃焼状況の情報及び燃焼振動の状況の情報(燃焼振
動検知情報(周波数変換解析システム33(後述)よ
り)、内圧変動推定情報(燃焼振動予測システム34
(後述)より)など)に関する情報を受け取り、その燃
焼振動の状況について分析を行なう。そして、分析の結
果に基づいて、メーカー22は、燃焼振動が発生しそう
な場合には、燃焼振動が発生しないような燃焼条件を決
定する。そして、通信回線G29を介して機械設備3
へ、燃焼振動が発生しないような燃焼条件を通知するこ
ととする。
【0104】また、機械設備3の次の予め設定された期
間(例えば翌月の1ヶ月)における保守料を設定する。
決定にあたっては、前述のレベル0〜3において変化が
ある場合には、それに応じて保守料を変更する。そうで
ない場合には、レベルに応じて設定されている前の保守
料をそのまま使用する。そして、保守料支払指示として
費用管理システム24へ出力する。また、受け取った情
報(燃焼状況の情報、燃焼振動検知情報及び内圧変動推
定情報)、分析結果(燃焼振動の状況の分析)及び設定
された保守料に関する情報は、メーカー機器情報データ
ベース26に保存しておく。なお、燃焼状況及び燃焼振
動の状況に関する情報は、必要に応じて制御部8に要求
することにより取得することも可能である。
【0105】メーカー機器情報データベース26は、メ
ーカー遠隔監視サーバー25に接続され、メーカー遠隔
監視サーバー25が取得した機械設備3の燃焼状況の情
報、燃焼振動の状況の情報(燃焼振動検知情報及び内圧
変動推定情報)、燃焼振動の状況の分析結果、保守料設
定レベル及びレベル別に設定された保守料に関する情
報、保守契約に基づき予め設定された機械設備3の燃焼
条件に関する情報、保守料の設定に必要な情報及び設定
された保守料に関する情報等を保持する。そして、それ
らの情報は、メーカー遠隔監視サーバー25の要求に応
じて、何時でも取出し可能である。
【0106】費用管理システム24は、費用管理サーバ
ー27及び費用情報データベース28を具備する。これ
らは、必ずしも、メーカー遠隔監視システム23の専用
である必要は無く、他の遠隔監視システム(図示せず)
や、他の保守の管理が必要なプロセスとの兼用も可能で
ある。また、機械設備ユーザー12の機械設備3の専用
である必要は無く、他の機械設備ユーザーの機械設備
(図示せず)の保守管理に関しても取り扱うことが可能
である。また、通常費用管理システム24は、メーカー
遠隔監視システム23とは別の、経理又は会計部門等の
費用の取り扱いを行なう部門により管理されている。
【0107】費用管理サーバー27は、メーカー遠隔監
視サーバー25と接続しているサーバーである。そし
て、機械設備ユーザー12からの保守料の受け取りに関
する手続きを行なう他、メーカー遠隔監視サーバー25
が設定した保守料に関する情報(保守料支払指示)に応
答して、その情報及び費用情報データベース28に保持
された契約内容に基づき保守料に関する手続きを行な
う。
【0108】費用情報データベース28は、費用管理サ
ーバー27と接続されている。そして、前記機械設備ユ
ーザー12の機械設備3に対して設定した保守料に関す
る情報、保守料手続きに関する情報、保守契約に基づい
て設定された各種費用の出納手続きに関する情報を保持
する。それらの情報は、費用管理サーバー27の要求に
応じて、何時でも取出し可能である。
【0109】通信回線G29は、メーカー22と機械設
備ユーザー12とを接続する通信回線である。公衆回
線、インターネット回線あるいは専用回線などである。
また、無線による通信によって行なうことも可能であ
る。メーカー遠隔監視システム23と機械設備3とが、
機械設備3の運用及び燃焼振動に関する情報を通信する
為に用いる。
【0110】次に、機械設備ユーザー局としての機械設
備ユーザー12について説明する。機械設備3は、制御
部8、設備稼働部9、運用情報データベース10を具備
し、保守の対象となる機械設備である。そして、その運
転状況は、機械設備ユーザー12に関連する然るべき設
備により遠隔監視され、事故や異常の発生あるいはその
予兆に対して迅速に対処できる。制御部8は、メーカー
遠隔監視システム23のメーカー遠隔監視サーバー25
と接続すると共に、設備稼働部9及び運用情報データベ
ース10と接続し、機械設備3の制御を行なう。それと
共に、機械設備3の燃焼状況に関するデータを設備稼働
部9から取得し、運用情報データベース10へ格納す
る。更に、周波数変換解析システム33(後述)及び燃
焼振動予測システム34(後述)に接続し、それらか
ら、燃焼振動の状況に関する情報を取得し、運用情報デ
ータベース10へ格納する。そして、メーカー22のメ
ーカー遠隔監視サーバー25の要求に従って、燃焼状況
に関する情報及び燃焼振動の状況に関する情報を定期的
あるいは適宜送信する。
【0111】設備稼働部9は、制御部8に接続し、ガス
タービンや、ボイラ、発電機等の、機械設備ユーザー1
2によって運用されている実際に稼動している機械設備
本体及び周辺機器である。本実施例では、ガスタービン
である。
【0112】運用情報データベース10は、制御部8に
接続し、制御部8が設備稼働部9から取得した機械設備
3の燃焼状況に関する情報及び燃焼振動の状況に関する
情報を内部に保持する。
【0113】異常検知装置としての周波数変換解析シス
テム33は、図4に示す、前述の保守料設定システムの
第一の基本的な考え方のレベル1において説明した燃焼
の異常を監視するシステムである。燃焼振動の抑制ある
いは回避が可能なガスタービン異常検知システムであっ
て、燃焼に伴い発生する振動に関する周波数解析により
燃焼振動を検知する燃焼振動検知システムである。
【0114】異常検知装置としての燃焼振動予測システ
ム34は、図5で示す、前述の保守料設定システムの第
一の基本的な考え方のレベル2において説明した数式モ
デルによる内圧変動値(燃焼振動)を推定するシステム
である。プラントデータ(内圧変動値、操作量、な
ど)、操作できない状態量(気象データなど)、第i燃
焼器の第j周波数帯の内圧変動の制限値Zij、ゲインα
及び特定の2つを除く変数の値等に基づいて、圧力変
動値を予測する。
【0115】経理サーバー14は、機械設備ユーザー1
2にあり、通信回線I31を介して、金融仲介局13と
接続されている経理関係のサーバーである。メーカー2
2への保守料の支払い及びそれに関連する手続き等を行
なう。経理又は会計部門等の費用の取り扱いを行なう部
門により管理されている。
【0116】通信回線H30は、メーカー22と金融仲
介局13を結ぶ通信回線である。公衆回線、インターネ
ット回線あるいは専用回線などである。また、無線によ
る通信によって行なうことも可能である。メーカー22
と金融仲介局13との電子商取引に関わる通信に用い
る。
【0117】通信回線I31は、機械設備ユーザー12
と金融仲介局13を結ぶ通信回線である。公衆回線、イ
ンターネット回線あるいは専用回線などである。また、
無線による通信によって行なうことも可能である。機械
設備ユーザー12と金融仲介局13との電子商取引に関
わる通信に用いる。
【0118】通信回線J32は、メーカー22と機械設
備ユーザー12とを結ぶ通信回線である。インターネッ
ト回線あるいは専用回線などである。また、無線による
通信によって行なうことも可能である。メーカー22と
機械設備ユーザー12との保守関連の情報の通信や電子
商取引等に関わる通信に用いる。
【0119】金融仲介局13は、メーカー22及び機械
設備ユーザー12と取引関係のある銀行、各種金融業社
等、である。サーバー(図示せず)を備え、メーカー2
2と機械設備ユーザー12とが取引のための口座を開く
ことが出来る。そして、メーカー22及び機械設備ユー
ザー12が通信回線を利用した電子商取引、振替処理等
の各種費用の授受を行う場合に、金融仲介局13は、取
引を仲介する処理を行う。
【0120】では、本発明である機械設備保守料設定シ
ステムの第一の実施の形態の動作について、図1を用い
て詳細に説明する。まず、最初の段階において、メーカ
ー22及び機械設備ユーザー12は、本発明の機械設備
保守料設定システムに関する保守契約を行なっている。
その中には、保守料の設定期間(予め設定する保守料計
算及び保守対象期間)、保守料計算方法(前述のサービ
スレベル(レベル0〜3)別の保守料計算)、遠隔監視
の方法(燃焼状況の情報、燃焼振動の状況の情報(燃焼
振動検知情報及び内圧変動推定情報)の測定および取得
など)、等に関する契約も含まれる。
【0121】また、保守契約での機械設備3(ガスター
ビン)の燃焼状況の情報及び燃焼振動の状況の情報取得
に関する契約により、機械設備ユーザー12のガスター
ビン(機械設備3)は、メーカー22のメーカー遠隔監
視システム23と通信回線G29により接続されてい
る。そして、メーカー遠隔監視システム23は、ガスタ
ービンへ要求を出すことにより、ガスタービンの燃焼状
況及び燃焼振動の状況の情報を通信回線G29を介して
取得できるようになっている。
【0122】基本保守料としての最初の基本となる保守
料は、まず、燃焼振動の抑制あるいは回避を行うことが
可能なシステムを導入しているかどうかで、設定され
る。例えば、本実施例ではレベル3の燃焼振動の抑制あ
るいは回避を行うことが可能なシステムを導入したガス
タービンであるので、まずその段階で、基本となる保守
料が通常の場合に比較して大幅にディスカウントされ
(図8、例えば、レベル0:1割減、レベル2:2割
減、レベル3:3割減など)、基本保守料として設定さ
れる。また、予め減額する金額を設定していても良い。
【0123】ガスタービンの運用開始後、一定時間間隔
で継続的に、機械設備3の制御部8は、設備稼働部9か
ら、圧力センサ100(図4)により、ガスタービンの
燃焼器の圧力データを検出する。そのデータは、周波数
変換解析システム33へ出力される。周波数変換解析シ
ステム33では、その経時的な圧力変動を示すデータを
高速フーリエ変換(FFT)することにより、各周波数
帯域での燃焼振動検知情報としての内圧変動値が算出さ
れる。算出された値は、運用情報データベース10に保
持される。
【0124】制御部8は、周波数変換解析システム33
で計算された燃焼振動検知情報としての圧力変動値と、
設備稼働部9からのガスタービンの操作量(ガスタービ
ンに供給される燃料や空気の量)と、その他測定装置等
(図示せず)からの操作できない状態量(大気温度のよ
うな気象データ、要求によって決定される負荷の大きさ
等)とを運用情報データベース10から取得し、燃焼振
動予測システム34へ入力する。
【0125】異常検知装置としての燃焼振動予測システ
ム34では、上記情報(圧力変動値、ガスタービンの操
作量、その他操作できない状態量)の入力により、燃焼
振動予測プログラム(上述のレベル2の説明の項で述べ
た、数式モデルによる内圧変動推定システムを実行する
プログラム)を実行させて、図7に例示されるような、
内圧変動推定情報としての燃焼振動の発生領域(あるい
は発生し難い領域)の燃焼条件を算出する。算出した結
果は、運用情報データベース10に保持される。
【0126】メーカー遠隔監視サーバー25は、ガスタ
ービンの制御部8から燃焼状況及び燃焼振動の状況に関
する情報を、予め設定された期間(本実施例では1時
間)毎に、通信回線G29を介して取得する。燃焼状況
に関する情報とは、プラントデータであるガスタービン
の操作量(ガスタービンに供給される燃料や空気の量)
と、操作できない状態量(大気温度のような気象デー
タ、要求によって決定される負荷の大きさ等)である。
また、燃焼振動の状況に関する情報とは、燃焼振動検知
システムからの燃焼振動検知情報及び内圧変動推定シス
テムからの内圧変動推定情報である。本実施例の場合に
は、1時間分の情報を取得する。取得した情報は、メー
カー機器情報データベース26に記憶しておく。
【0127】次に、それらのデータに基づいて、メーカ
ー遠隔監視サーバー25は、現在のガスタービンの燃焼
状況と、内圧変動推定情報としての燃焼振動の発生領域
(あるいは発生し難い領域)の燃焼条件とを比較する。
そして、燃焼振動の発生し難い燃焼条件で運転している
場合には、問題無しとして、それらのデータをメーカー
機器情報データベース26に記録する。そして、問題の
無い旨、機械設備3の制御部8へ通信回線G29を介し
て送信する。
【0128】燃焼振動の発生し易い燃焼条件で運転して
いる場合や、燃焼振動検知情報から既に燃焼振動が始ま
っている場合には、直ちに、適切な燃焼条件を推定す
る。そして、問題の有ることと、適切な燃焼条件を機械
設備3の制御部8へ通信回線G29を介して送信する。
また、それらのデータをメーカー機器情報データベース
26に記録する。
【0129】次に、上記のようにメーカー遠隔監視サー
バー25は、レベル3としての燃焼振動を抑制あるいは
回避するシステムが、良好に動作していることを確認す
る。確認は、通信回線G29を介して、上記のようなデ
ータの入手が継続的に行なわれているかで判断する。そ
して、予め設定された保守料計算期間(例えば、1ヶ
月)毎に、上記システムが問題無く動作していれば、レ
ベルに応じた図8に示す次回(翌月)保守料Eを決定す
る。その情報は、メーカー機器情報データベース26に
保持される。そして、その保守料Eに基づいて、メーカ
ー遠隔監視サーバー25は、保守料支払指示を費用管理
システム24の費用管理サーバー27へ力する。なお、
図8に関するデータは、メーカー機器情報データベース
26内に保持されている。
【0130】費用管理サーバー27は、機械設備ユーザ
ー12の経理サーバー14へ、通信回線J32を介し
て、メーカー22と機械設備ユーザー12との契約に基
づいて設定された支払方法による翌月分の保守料支払依
頼通知を送付する。経理サーバー14は、その通知に応
答して、メーカー22へ、翌月分の保守料を支払う。支
払方法としては、支払周期について、例えば、月毎の支
払、半年毎の支払、等契約に応じて支払う。また、保守
料の送付に関しては、メーカー22、機械設備ユーザー
12及び金融仲介局13の三者が、事前に通信回線を利
用した電子商取引の契約を交わして、それに基づいて金
融仲介局13での電子的手続きにより容易に進行するよ
うにする。例えば、メーカー22及び機械設備ユーザー
12が、共に金融仲介局13に口座を開設する。そし
て、通信回線I31を利用して、機械設備ユーザー12
の経理サーバー14が金融仲介局13へ支払指示を出
し、メーカー22の金融仲介局の口座へ保守料を振り込
む。金融仲介局13は、通信回線H30を介して、入金
情報をメーカー11の費用管理サーバー27へ通知す
る。
【0131】以上の動作を保守契約により予め設定され
た期間(例えば1月)毎に行ない、機械設備ユーザー1
2はメーカー22に保守料を支払うようにする。この保
守料の支払は、保守契約に基づいた保守期間内において
継続して行なう。ただし、契約等により、期間について
変更することは可能である。
【0132】以上のように、ユーザーの燃焼振動検知シ
ステム、内圧変動推定システム及び遠隔監視システムの
導入を促進させることにより、システムのレベルに応じ
て燃焼振動を抑制あるいは回避することが可能となる。
すなわち、ユーザー側は、システム導入や保守サービス
のコストアップが、プラント全体の保守料の減額で補填
される(レベル3であるため)ため、導入の意欲が湧
き、それが、燃焼振動の抑制あるいは回避につながり、
ガスタービンの稼働率が上がり、結果的にコストを低減
することが出来る。また、メーカー側も、燃焼振動を回
避するシステムが導入される機会が増し、ガスタービン
の故障率が下がるので、プラントの機械設備の破損によ
る、無償保証期間内での修理費用を低減することが可能
となる。
【0133】なお、図1において、サービスレベルがレ
ベル2(燃焼振動検知システム+内圧変動推定システ
ム)の場合には、実施の構成は、図1と同様である。そ
して、本実施例に示した構成及び動作の内、メーカー遠
隔監視サーバー25は、1時間毎の各種データの取得を
行なわない。燃焼振動の監視は、機械設備ユーザー12
が、自ら行なう。その点が、レベル3である本実施例と
異なる。そして、図8に示すように基本となる保守料
(基本保守料)Eは、レベル3の場合よりも高くなる。
【0134】また、レベル1(燃焼振動検知システム)
の場合には、実施の構成は、図3のように、図1に比べ
て、燃焼振動予測システム34がない。しかも、機械設
備ユーザー12が自ら行なう燃焼振動の監視は、燃焼振
動検知システムのみで行なう。その点が、レベル2と異
なる。そして、図8に示すように基本となる保守料(基
本保守料)Eは、レベル2の場合よりも高くなる。
【0135】また、レベル0(なにもしない)の場合に
は、実施の構成は、図2のように、図1に比べて、燃焼
振動予測システム34及び周波数変換解析システム33
がない。しかも、機械設備ユーザー12が自ら行なう燃
焼振動の監視は、運転者の経験とノウハウのみで行な
う。その点が、レベル1と異なる。そして、図8に示す
ように基本となる保守料(基本保守料)Eは、レベル1
の場合よりも高くなる。
【0136】(実施例2)では、本発明である機械設備
保守料設定システムの第二の実施の形態の構成に関し
て、図1を参照して説明する。本実施例では、前述の保
守料設定の「第一の基本的な考え方」と「第二の基本的
な考え方」の両方に基づいて、機械設備保守料設定シス
テムが構築されている。図1は、第一の基本的な考え方
でのレベル3の場合を示している。
【0137】保守料は、まず、燃焼振動の抑制あるいは
回避を行うことが可能なシステムを導入しているかどう
かで、通常の料金から一定の割合がディスカウントさ
れ、基本となる保守料(基本保守料)が設定される。次
に、普段の運用状況が過酷かどうかで、更に保守料が変
動するように設定される。例えば、レベル3の燃焼振動
の抑制あるいは回避を行うことが可能なシステムを導入
したガスタービンであれば、まずその段階で、基本とな
る保守料(基本保守料)が通常の場合に比較して大幅に
ディスカウントされる。そして、普段のガスタービンの
運用状況が穏やかなものであれば、更に、保守料が減額
される。
【0138】このように、燃焼振動の抑制あるいは回避
を行うことが可能なシステムを導入することによるメリ
ットだけでなく、普段の運転状況についても保守料の設
定に考慮することで、機械設備ユーザーは、より一層ガ
スタービンの良好な運用に心がけるようになり、保守料
の削減とガスタービンの稼働率の向上という2重のメリ
ットを享受できる。メーカーも、ガスタービンの故障が
減少し、修理費を削減することが可能となる。
【0139】図1を参照して、本発明の機械設備保守料
設定システムは、メーカー局としてのメーカー22、機
械設備ユーザー局としての機械設備ユーザー12、金融
仲介局13、通信回線G29、通信回線H30、通信回
線I31、通信回線J32を具備する。メーカー局とし
てのメーカー22は、メーカー遠隔監視サーバー25及
びメーカー機器情報データベース26を備えるメーカー
遠隔監視システム23と、費用管理サーバー27及び費
用情報データベース28を備える費用管理システム24
とを具備する。機械設備に関わる保守を行なうと共に、
機械設備3の運用・保守に関連する情報の取得、分析等
を行なう。また、機械設備ユーザー局としての機械設備
ユーザー12は、制御部8、設備稼働部9及び運用情報
データベース10を備える機械設備3と、異常検知装置
としての周波数変換解析システム33と、異常検知装置
としての燃焼振動予測システム34と、経理サーバー1
4とを具備する。機械設備3の使用に際し、メーカー2
2と保守契約を締結すると共に、機械設備3の燃焼振動
の状況及び燃焼状況を適宜メーカー22へ送信する。
【0140】通常、機械設備3の購入に際して、機械設
備ユーザー12は、メーカー22と機械設備3の保守に
関する保守契約を締結する。そして、ある期間(例えば
1ヶ月)毎の保守料が決定され、機械設備ユーザー12
はメーカー22に対して、その期間毎に保守料を支払
う。
【0141】一方、機械設備ユーザー12の機械設備3
は、燃焼状況の情報や燃焼振動の状況の情報に関するデ
ータを保持している。メーカー22のメーカー遠隔監視
システム23は、予め設定された期間(例えば1時間)
の上記のデータに基づいて、その期間での機械設備3の
及び燃焼状況を分析する。そして分析の結果に基づい
て、メーカー22は、燃焼振動が発生しそうな場合に
は、機械設備ユーザー12へ、燃焼振動が発生しないよ
うな燃焼条件を出力し、機械設備ユーザー12へ通知す
ることとする。燃焼振動の抑制あるいは回避を行うこと
が可能なシステムを導入することにより、機械設備3の
故障率が低下するので、基本となる保守料(基本保守
料)をディスカウントできる。
【0142】加えて、機械設備ユーザー12の機械設備
3は、出力、発停回数、出力変化率等の運用状況に関す
るデータを保持している。メーカー22のメーカー遠隔
監視システム23は、予め設定された期間(例えば1ヶ
月)の上記のデータに基づいて、その期間での機械設備
3の運用状況を分析する。そして分析の結果に基づい
て、メーカー22は、次の期間での保守料である次回保
守料を決定し、機械設備ユーザー12へ通知することと
する。このプロセスは、予め定められた期間毎に行なう
ので、次の期間には、また、再度運用状況の測定、およ
び、計算を行なう。
【0143】次回保守料は、機械設備の運用状況が、定
格値や設計上限値を遵守した良好な運用であれば、そう
でない場合と比較して、安くなるように設定されてい
る。その時、上記のディスカウントされた基本となる保
守料(基本保守料)を基準として計算する。これによ
り、機械設備ユーザー12は、機械設備の運用を過酷に
行なわなければ、保守料の出費が低減でき、設備稼働率
も向上する。メーカー22も機械設備の故障発生率を低
下できるので、保守にかかる費用(以下「保守費」とい
う)の出費を低減できる。従って、機器設備ユーザー1
2及び保険会社11の双方に利益をもたらす保守料設定
方法となる。
【0144】次に、以下に各部の構成について図1を参
照して、詳細に説明する。まず、メーカー局としてのメ
ーカー22について説明する。遠隔監視システムとして
のメーカー遠隔監視システム23は、遠隔監視サーバー
としてのメーカー遠隔監視サーバー25及び機器情報デ
ータベースとしてのメーカー機器情報データベース26
を備える。これらは、必ずしも、機械設備ユーザー12
の機械設備3の専用である必要は無く、他の機械設備ユ
ーザーの機械設備(図示せず)の情報に関しても取り扱
うことが可能である。
【0145】遠隔監視サーバーとしてのメーカー遠隔監
視サーバー25は、通信回線G29を介して、機械設備
ユーザー12の機械設備3の制御部8と通信が可能であ
る。そして、予め設定された周期(例えば1ヶ月)毎
に、機械設備3の運用状況に関する情報を受け取り、そ
の運用状況について分析を行なう。それと共に、その結
果に基づいて、機械設備3の次の予め設定された期間
(例えば翌月の1ヶ月)における保守料を設定する。設
定に際しては、前述のレベル0〜3に基づいて、図15
に示す保守料を基本にし、その値から、運用状況に基づ
いて、次回の保守料を設定する。設定した保守料に関す
る情報は、保守料支払指示として費用管理システム24
へ出力する。また、受け取った情報及び設定された保守
料に関する情報は、メーカー機器情報データベース26
に保存しておく。なお、運用状況に関する情報は、必要
に応じて制御部8に要求することにより取得することも
可能である。
【0146】遠隔監視サーバーとしてのメーカー遠隔監
視サーバー25は、更に、予め設定された周期(例えば
1時間)毎に、機械設備3から通信回線G29を介し
て、機械設備3の燃焼状況の情報及び燃焼振動の状況の
情報(燃焼振動検知情報(周波数変換解析システム33
(後述)より)、内圧変動推定情報(燃焼振動予測シス
テム34(後述)より)など)に関する情報を受け取
り、その燃焼振動の状況について分析を行なう。そし
て、分析の結果に基づいて、メーカー22は、燃焼振動
が発生しそうな場合には、燃焼振動が発生しないような
燃焼条件を決定する。そして、通信回線G29を介して
機械設備3へ、燃焼振動が発生しないような燃焼条件を
通知することとする。
【0147】機器情報データベースとしてのメーカー機
器情報データベース26は、メーカー遠隔監視サーバー
25に接続され、メーカー遠隔監視サーバー25が取得
した機械設備3の燃焼状況の情報、燃焼振動の状況の情
報(燃焼振動検知情報及び内圧変動推定情報)、燃焼振
動の状況の分析結果、保守料設定レベル及びレベル別に
設定された保守料に関する情報、保守契約に基づき予め
設定された機械設備3の燃焼条件に関する情報、機械設
備3の運用状況に関する情報、保守契約に基づき予め設
定された機械設備3の運用条件に関する情報、保守料の
設定に必要な情報及び設定された保守料に関する情報等
を保持する。そして、それらの情報は、メーカー遠隔監
視サーバー25の要求に応じて、何時でも取出し可能で
ある。
【0148】費用管理システム24は、費用管理サーバ
ー27及び費用情報データベース28を具備する。ま
た、通信回線G29は、メーカー22と機械設備ユーザ
ー12とを接続する通信回線である。これらに付いて
は、実施例1と同様であるので説明は省略する。
【0149】次に、機械設備ユーザー局としての機械設
備ユーザー12について説明する。機械設備3は、制御
部8、設備稼働部9、運用情報データベース10を具備
し、保守の対象となる機械設備である。そして、その運
転状況は、機械設備ユーザー12に関連する然るべき設
備により遠隔監視され、事故や異常の発生あるいはその
予兆に対して迅速に対処できる。制御部8は、メーカー
遠隔監視システム23のメーカー遠隔監視サーバー25
と接続すると共に、設備稼働部9及び運用情報データベ
ース10と接続し、機械設備3の制御を行なう。それと
共に、設備稼働部9から、運用状況に関するデータ及び
燃焼状況に関するデータを取得し、運用情報データベー
ス10へ格納する。また、周波数変換解析システム33
(後述)及び燃焼振動予測システム34(後述)に接続
し、それらから、燃焼振動の状況に関する情報を取得
し、運用情報データベース10へ格納する。そして、メ
ーカー22のメーカー遠隔監視サーバー25の要求に従
って、燃焼状況に関する情報、燃焼振動の状況に関する
情報及び運用状況に関するデータを定期的あるいは適宜
送信する。
【0150】運用情報データベース10は、制御部8に
接続し、制御部8が設備稼働部9から取得した機械設備
3の燃焼状況に関する情報、燃焼振動の状況に関する情
報及び運用状況に関するデータを内部に保持する。
【0151】設備稼働部9、異常検知装置としての周波
数変換解析システム33、異常検知装置としての燃焼振
動予測システム34、経理サーバー14、通信回線H3
0、通信回線I31、通信回線J32、金融仲介局13
については、実施例1と同様であるので、説明は省略す
る。
【0152】では、本発明である機械設備保守料設定シ
ステムの第二の実施の形態の動作について、図1、図9
〜図17、図4、図5、図8を用いて詳細に説明する。
図1及び図14を参照して、図14は、本発明の機械設
備保守料設定システムのプロセスフローを示している。
これは、前述の保守料設定の第二の基本的な考え方の保
守料(及び保険料)計算プロセス(〜)を表してお
り、それに従って、保守料を算出する。まず、開始(S
101)の前の段階において、メーカー22及び機械設
備ユーザー12は、本発明の機械設備保守料設定システ
ムに関する保守契約を行なっている。その中には、基本
となる保守料計算方法(前述の保守料設定の第一の基本
的な考え方の保守料(及び保険料)におけるサービスレ
ベル(レベル0〜3)別の保守料計算)、燃焼振動に関
する遠隔監視の方法(燃焼状況の情報、燃焼振動の状況
の情報(燃焼振動検知情報及び内圧変動推定情報)の測
定および取得など)、保守料の設定期間(予め設定する
保守料計算及び保守対象期間)、保守料計算方法(前述
の保守料(及び保険料)計算プロセス〜)、補正係
数、機械設備3の稼働率予測値Aと保守料Eとの関係
(図13に相当)等に関する契約も含まれる。
【0153】また、保守契約での機械設備3(ガスター
ビン)の燃焼状況の情報及び燃焼振動の状況の情報取得
に関する契約及び運用状況の情報取得に関する契約によ
り、機械設備ユーザー12のガスタービン(機械設備
3)は、メーカー22のメーカー遠隔監視システム23
と通信回線G29により接続されている。そして、メー
カー遠隔監視システム23は、ガスタービンへ要求を出
すことにより、ガスタービンの燃焼状況、燃焼振動の状
況の情報及び運用状況に関する情報を通信回線G29を
介して取得できるようになっている。
【0154】基本保守料としての最初の基本となる保守
料は、まず、燃焼振動の抑制あるいは回避を行うことが
可能なシステムを導入しているかどうかで、設定され
る。例えば、本実施例ではレベル3の燃焼振動の抑制あ
るいは回避を行うことが可能なシステムを導入したガス
タービンであるので、まずその段階で、基本となる保守
料(基本保守料)が通常の場合に比較して大幅にディス
カウントされる(図8、例えば、レベル0:1割減、レ
ベル2:2割減、レベル3:3割減など)。また、予め
減額する金額を設定していても良い。
【0155】ガスタービンの運用開始後、一定時間(例
えば1時間)間隔で継続的に、機械設備ユーザー12
は、ガスタービンの燃焼器の圧力データなどから、周波
数変換解析システム33で内圧変動値を算出する。ま
た、ガスタービンの操作量などから、燃焼振動予測シス
テム34で燃焼振動の発生領域(あるいは発生し難い領
域)の燃焼条件を算出する。算出した結果は、運用情報
データベース10に保持される。これらのデータは、メ
ーカー遠隔監視サーバー25に送信され、メーカー遠隔
監視サーバー25は、燃焼振動の発生し難い燃焼条件で
運転されるように遠隔監視を行なう。詳細なプロセス
は、実施例1と同様であるので、詳細は省略する。
【0156】一方、ガスタービンの運用開始後、予め設
定された期間毎(本実施例では、1ヶ月毎とする)に、
メーカー遠隔監視サーバー25は、ガスタービンから運
用状況に関するデータを取得する(図14、S10
2)。運用状況に関するデータとは、ガスタービンにお
ける、運用時の出力、発停回数、単位時間当たりの出力
変化率である。本実施例の場合には、1月分のデータを
取得する。取得したデータは、メーカー機器情報データ
ベース26に記憶しておく。
【0157】次に、それらのデータに基づいて、メーカ
ー遠隔監視サーバー25は、前述の補正係数(Kp,K
s,Kr)を決定する(S103)。決定に当たって
は、それぞれ、図15、図16、図17のプロセスで行
なう。
【0158】Kpの決定プロセス(図15)について説
明する。まず、メーカー遠隔監視サーバー25は、1ヶ
月分の出力の情報をメーカー機器情報データベース26
から読み込む(S202)。そして、それらのデータか
ら、その月の最高出力を検出する(S203)。次に、
図9で示される出力と出力補正係数Kpとの関係から、
その月の最高出力でのKpを算出し決定する(S20
4)。そして、Kpを出力して(S205)、プロセス
は終了する(S206)。
【0159】次に、Ksの決定プロセス(図16)につ
いて説明する。まず、メーカー遠隔監視サーバー25
は、1ヶ月分の発停回数の情報をメーカー機器情報デー
タベース26から読み込む(S302)。そして、それ
らのデータから、その月の発停回数を検出する(S30
3)。次に、図10で示される発停回数と発停回数補正
係数Ksとの関係から、その月の発停回数でのKsを算
出し決定する(S304)。そして、Ksを出力して
(S305)、プロセスは終了する(S306)。
【0160】次に、Krの決定プロセス(図17)につ
いて説明する。まず、メーカー遠隔監視サーバー25
は、1ヶ月分の出力変動率の情報をメーカー機器情報デ
ータベース26から読み込む(S402)。そして、そ
れらのデータから、その月の最高出力変動率を検出する
(S403)。次に、図11で示される出力変動率と出
力変動率補正係数Krとの関係から、その月の最高出力
変動率に対応するKrを算出し決定する(S404)。
そして、Krを出力して(S405)、プロセスは終了
する(S406)。
【0161】メーカー遠隔監視サーバー25は、上述の
ように補正係数(Kp,Ks,Kr)を算出し決定する
と共に、メーカー機器情報データベース26内に保持さ
れているガスタービン固有の故障率λm、使用経過年数
補正係数Ky、故障時の復旧時間Trを取得する(S1
03)。
【0162】得られたKp、Ks、Kr、λm、Kyに
基づいて、前述の保守料計算プロセスの数式(5):
λ=a・Ky・Kp・Ks・Kr・λm により、ガス
タービンの故障率λを算出する(S104)。ただし、
aは、予め設定される正の実数の定数である。
【0163】一方、故障が発生したとき修理等の為にガ
スタービンを停止しなければならない修繕時間Tは、前
述の保守料計算プロセスの数式(6):T=Td+T
rにより算出される(S105)。ただしTd:故障発
生から検知に要する時間、Tr:故障の復旧に要する時
間である。ここで、Tdは、機器設備ユーザー12によ
るガスタービンの遠隔監視により、極めて短時間である
ので、Trに対して無視できる。
【0164】次に、ガスタービンの翌月の稼働率の予測
値である稼働率予測値Aを、前述の保守料計算プロセス
の数式(8):A=μ/(λ+μ) により算出する
(S106)。ただし、修復率μは、数式(7):μ=
1/T である。
【0165】最後に、ガスタービンの次回の保守料Eの
決定を行なう。前述のように算出された稼働率予測値A
により、図13で示される保守料Eと稼働率予測値Aと
の関係から、次回(翌月)の保守料Eが決定される(S
107)。ここで、保険料Cは、燃焼振動を抑制あるい
は回避するシステムを導入しているので、導入していな
い場合に比較して、ディスカウントされた値(図13の
保険料Cグラフが通常の場合に比較して、ディスカウン
トされる)となっている。そして、保守料計算のための
プロセスが終了する(S108)。なお、図9〜図13
に関するデータは、メーカー機器情報データベース26
内に保持されている。
【0166】機械設備ユーザー12とメーカー22との
保守契約に基づいて、ガスタービンとメーカー遠隔監視
システム23との間の運用状況に関する情報交換、及
び、燃焼振動を抑制あるいは回避するシステムの導入レ
ベルに基づいて、前述のように、保守料Eが決定され
る。その情報は、メーカー機器情報データベース26に
保持される。そして、その保守料Eに基づいて、メーカ
ー遠隔監視サーバー25は、保守料支払指示を費用管理
システム24の費用管理サーバー27へ力する。
【0167】費用管理サーバー27は、機械設備ユーザ
ー12の経理サーバー14へ、通信回線J32を介し
て、メーカー22と機械設備ユーザー12との契約に基
づいて設定された支払方法による翌月分の保守料支払依
頼通知を送付する。経理サーバー14は、その通知に応
答して、メーカー22へ、翌月分の保守料を支払う。支
払方法としては、支払周期について、例えば、月毎の支
払、半年毎の支払、等契約に応じて支払う。また、保守
料の送付に関しては、メーカー22、機械設備ユーザー
12及び金融仲介局13の三者が、事前に通信回線を利
用した電子商取引の契約を交わして、それに基づいて金
融仲介局13での電子的手続きにより容易に進行するよ
うにする。例えば、メーカー22及び機械設備ユーザー
12が、共に金融仲介局13に口座を開設する。そし
て、通信回線I31を利用して、機械設備ユーザー12
の経理サーバー14が金融仲介局13へ支払指示を出
し、メーカー22の金融仲介局の口座へ保守料を振り込
む。金融仲介局13は、通信回線H30を介して、入金
情報をメーカー22の費用管理サーバー27へ通知す
る。
【0168】以上の動作を保守契約により予め設定され
た期間(例えば1月)毎に行ない、機械設備ユーザー1
2はメーカー22に保守料を支払うようにする。この保
守料の支払は、保守契約に基づいた保守期間内において
継続して行なう。ただし、契約等により、期間について
変更することは可能である。
【0169】以上の本発明の動作により、メーカー22
及び機械設備ユーザー12双方にとって利益のある保守
料の設定が可能となる。すなわち、機械設備ユーザー1
2は、燃焼振動を抑制あるいは回避するシステムを導入
し、機械設備3(ガスタービン)について過酷な運用を
行なわなければ、機械設備3の稼働率は向上し、また、
保守料も減少する可能性があり、保守料支出の減少とい
うコストメリットがある。加えて、機械設備ユーザー1
2が、保守料支出の削減の為に、機械設備3をそのメー
カー22の設計時の想定通りに使用しようと努める。ま
た、燃焼振動が専用のシステムにより抑制あるいは回避
できる。従って、機械設備3の故障の発生が非常に低く
なる。それに伴い、メーカー22は、保守費の支払の発
生確率を大幅に低減する事が可能となり、保守事業をよ
り健全に遂行できる。
【0170】本実施例では、運用時の出力、発停回数、
単位時間当たりの出力変化率に関わる3種類の補正係数
(Kp.Ks,Kr)を全て使用している。しかし、そ
れらの値を全て使用しない場合でも、3種類のうちの少
なくとも1種類の値を使用すれば、本実施例と同様に行
なうことが出来る。例えば、機械設備3の種類によって
は、発停回数が他の場合よりも故障率λに対して非常に
強い影響をもらすことが判明している場合には、Kp、
Krを用いず(又は、Kp=Kr=1)として、故障率
λを計算し、使用することも可能である。出力、出力変
動率についても同様である。
【0171】また、本実施例において、機械設備3の運
用状況を計測するために、出力、発停回数、出力変動率
を参照しているが、これは、ガスタービンを例にしてい
るからである。機械設備3の種類に応じて、他の適切な
パラメーターを利用することにより、機械設備3の故障
率をより正確に把握することが可能である。例えば、化
学反応装置であれば、運転温度やその変化率、運転圧力
やその変化率、シャットダウン回数等である。その機械
設備の運用状況を示す各種パラメーターの中で、故障の
発生に大きく影響があるものを選択することが重要な点
である。
【0172】本実施例においては、メーカー22、機械
設備ユーザー12の双方が金融仲介局13に口座を開設
している。しかし、金融仲介局13に口座を開設しなく
ても、通常のインターネットバンキング等の電子商取引
を使用して、金融仲介局13経由で送金手続きを行なう
ことも可能である。
【0173】また、本実施例において、保守料に関する
手続きは、費用管理サーバー27が行なっている。しか
し、メーカー22内の事情により、メーカー遠隔監視サ
ーバー25が、費用管理サーバー27が行なっている保
守料に関する手続きも遂行することとしても良い。すな
わち、本実施例におけるメーカー遠隔監視サーバー25
=費用管理サーバー27、メーカー機器情報データベー
ス26=費用情報データベース28とする。その場合に
は、費用管理サーバー27及び費用情報データベース2
8を無くすことが出来、サーバーの節約によるコストの
メリットがある。
【0174】また、本実施例における金融仲介局13の
役割をメーカー22が行なうことも可能である。その場
合、例えば、費用管理システム24が、金融仲介局13
の機能を併せ持つようにすれば良い。それを示したのが
図18であり、金融仲介局13を介在させないで、費用
管理サーバー27及び経理サーバー14を通信回線J3
2で直結させている。そして、メーカー22が、機械設
備ユーザー12の資金を預かり、資金運用を行ないなが
ら、必要に応じて保守料を引き出すようにする。この場
合には、金融仲介局等に対する手数料の支払が発生せ
ず、双方のコスト削減につながる。
【0175】更に、本実施例において、費用管理システ
ム24は、メーカー22に属しているが、図19に示す
ように、金融仲介局13に属していても良い。すなわ
ち、金融仲介局13に、保守料支払に関わる業務を委託
することで、メーカー22は、費用管理システム24を
所有する必要が無くなり、コスト削減につながる。その
場合には、メーカー22では、メーカー遠隔監視システ
ム23が、保守料支払指示を、金融仲介局13の費用管
理システム24へ通信回線H30を介して出力する。そ
れと共に、保守料支払指示を、機械設備ユーザー12の
経理サーバー14へも、通信回線H30を介して出力す
る。機械設備ユーザー12の経理サーバー14は、金融
仲介局13の費用管理システム24へ、保守料支払指示
に基づき、口座振替や電子商取引等の手法による保守料
の支払いの依頼を送付する。
【0176】また、本実施例において、使用している各
係数(Kp,Ks、Kr,λm、Tr,Kg)の値は、
機械設備3の種類や大きさ、その月の使用状態等により
原則的に予め設定される値であり、メーカー機器情報デ
ータベース26内に保持されている。それらの値は、通
常、過去の運用状況やに基づいて、変化させる事も可能
である。運用状況に基づいて変化させるとは、過酷な運
用を行なった場合には、継続的に良好な運用を行ってい
る場合に比べて故障の可能性が上がることから、過酷な
運用の回数に基づいて、各係数の値を保守料が増加する
ように変化させるということである。そのようにする事
により、保守料の値が、より機械設備3の運用状況に合
った形となり、機械設備ユーザー12が、良好な運用を
心がけるより強力なインセンティブとなり、機械設備ユ
ーザー12の保守料及びメーカー22の保守費の削減効
果を、より大きくすることが可能となる。
【0177】更に、本実施例において、メーカー22の
メーカー遠隔監視システム23は、ユーザー12の機械
設備3の出力、発停回数、出力変化率等の運用状況に関
するデータを、保守料設定のための予め設定された期間
(例えば1ヶ月)毎に取得している。しかし、それとは
別に、短時間(例えば1時間)毎に前述の情報を取得
し、過酷な運用状況かどうかチェックし、過酷な運用状
況が見出された場合には、機械設備3に対して、速やか
に通信回線G29を介してアドバイスや警告を発し、機
械設備3の過酷な運用状況を回避するように努めること
も可能である。
【0178】すなわち、メーカー22は過酷な運用状況
が見出された場合に、単に警告を発して機械設備ユーザ
ー12の注意を喚起できる他、必要に応じてアドバイス
を送信することができる。これにより、機械設備ユーザ
ー12は、警告により過酷な運用状況に対して意識を向
け、運用に関してより気を使うと共に、アドバイスによ
り過酷な運用を回避することを容易に行なうことが可能
となる。その結果、過酷な運用状況の軽減により保守料
の減額を期待できる。また、メーカー22も過酷な運用
継続で機械設備3の故障が発生する危険を回避でき、修
理費を節約することが出来る。従って、機械設備ユーザ
ー12及びメーカー22の双方に利益をもたらす。
【0179】また、本発明の各実施例の説明の中で、運
用状況が良好な場合には保守料が低下するとしている。
しかし、運用状況が好ましい状態ではない場合、通常の
保守料に比較して高い金額を支払わねばならなくなる可
能性が当然にあることも、本発明である機械設備保守料
設定システムの内容の一つである。運用状況が好ましい
状態ではない場合、機械設備ユーザーは、一種のペナル
ティーを科せられると考えても良い。すなわち、運用状
況が悪ければ、保守料計算での補正係数(Kp、Ks、
Kr)が1.0を超えるので、損失額が増え保守料も増
加する。
【0180】なお、図1において、サービスレベルがレ
ベル2(燃焼振動検知システム+内圧変動推定システ
ム)の場合には、実施の構成は、図1と同様である。そ
して、本実施例に示した構成及び動作の内、メーカー遠
隔監視サーバー25は、1時間毎の各種データの取得を
行なわない。燃焼振動の監視は、機械設備ユーザー12
が、自ら行なう。その点が、レベル3である本実施例と
異なる。そして、図8に示すように基本となる保守料
(基本保守料)Eは、レベル3の場合よりも高くなる。
【0181】また、レベル1(燃焼振動検知システム)
の場合には、実施の構成は、図3のように、図1に比べ
て、燃焼振動予測システム34がない。しかも、機械設
備ユーザー12が自ら行なう燃焼振動の監視は、燃焼振
動検知システムのみで行なう。その点が、レベル2と異
なる。そして、図8に示すように基本となる保守料(基
本保守料)Eは、レベル2の場合よりも高くなる。
【0182】また、レベル0(なにもしない)の場合に
は、実施の構成は、図2のように、図1に比べて、燃焼
振動予測システム34及び周波数変換解析システム33
がない。しかも、機械設備ユーザー12が自ら行なう燃
焼振動の監視は、運転者の経験とノウハウのみで行な
う。その点が、レベル1と異なる。そして、図8に示す
ように基本となる保守料(基本保守料)Eは、レベル1
の場合よりも高くなる。
【0183】(実施例3)では、本発明である機械設備
保険料設定システムの第一の実施の形態の構成に関し
て、図20を参照して説明する。本実施例では、前述の
保険料設定の「第一の基本的な考え方」に基づいて、機
械設備保険料設定システムが構築されている。図20
は、のレベル3の場合を示している。
【0184】本実施例では、前述の保険料設定の第一の
基本的な考え方に基づいて、機械設備保険料設定システ
ムが構築されている。図20は、のレベル3の場合を示
している。
【0185】保険会社局としての保険会社11、機械設
備ユーザー局としての機械設備ユーザー12、金融仲介
局13、通信回線A15、通信回線B16、通信回線C
17、通信回線D18を具備する。保険会社局としての
保険会社11は、遠隔監視サーバー4及び機器情報デー
タベース5を備える遠隔監視システム1と、保険料管理
サーバー6及び保険情報データベース7を備える保険管
理システム2とを具備する。機械設備3に関わる保険を
取り扱うと共に、機械設備3の運用・保険に関連する情
報の取得、分析等を行なう。また、機械設備ユーザー局
としての機械設備ユーザー12は、制御部8、設備稼働
部9及び運用情報データベース10を備える機械設備3
と、異常検知装置としての周波数変換解析システム33
と、異常検知装置としての燃焼振動予測システム34
と、経理サーバー14とを具備する。機械設備3の使用
に際し、保険会社11と保険契約を締結すると共に、機
械設備3の燃焼振動の状況及び燃焼状況を適宜保険会社
11へ送信する。
【0186】通常、機械設備3の購入に際して、機械設
備ユーザー12は、保険会社11と機械設備3の損害に
関する保険契約を締結する。そして、ある期間(例えば
1ヶ月)毎の保険料が決定され、機械設備ユーザー12
は保険会社11に対して、その期間毎に保険料を支払
う。一方、機械設備ユーザー12の機械設備3は、燃焼
状況の情報や燃焼振動の状況の情報に関するデータを保
持している。保険会社11の遠隔監視システム1は、予
め設定された期間(例えば1時間)の上記のデータに基
づいて、その期間での機械設備3の及び燃焼状況を分析
する。そして分析の結果に基づいて、保険会社11の遠
隔監視システム1は、燃焼振動が発生しそうな場合に
は、機械設備ユーザー12へ、燃焼振動が発生しないよ
うな燃焼条件を出力し、機械設備ユーザー12へ通知す
ることとする。
【0187】次に、以下に各部の構成について図20を
参照して、詳細に説明する。まず、保険会社局としての
保険会社11について説明する。遠隔監視システム1
は、遠隔監視サーバー4及び機器情報データベース5を
備える。これらは、必ずしも、機械設備ユーザー12の
機械設備3の専用である必要は無く、他の機械設備ユー
ザーの機械設備(図示せず)の情報に関しても取り扱う
ことが可能である。
【0188】遠隔監視サーバー4は、通信回線A15を
介して、機械設備ユーザー12の機械設備3の制御部8
と通信が可能である。そして、予め設定された周期(例
えば1時間)毎に、機械設備3から通信回線A15を介
して、機械設備3の燃焼状況の情報及び燃焼振動の状況
の情報(燃焼振動検知情報(周波数変換解析システム3
3(後述)より)、内圧変動推定情報(燃焼振動予測シ
ステム34(後述)より)など)に関する情報を受け取
り、その燃焼振動の状況について分析を行なう。そし
て、分析の結果に基づいて、保険会社11の遠隔監視サ
ーバー4は、燃焼振動が発生しそうな場合には、燃焼振
動が発生しないような燃焼条件を決定する。そして、通
信回線A15を介して機械設備3へ、燃焼振動が発生し
ないような燃焼条件を通知することとする。
【0189】また、機械設備3の次の予め設定された期
間(例えば翌月の1ヶ月)における保険料を設定する。
決定にあたっては、前述のレベル0〜3において変化が
ある場合には、それに応じて保険料を変更する。そうで
ない場合には、レベルに応じて設定されている前の保険
料をそのまま使用する。そして、保険料支払指示として
保険管理システム2へ出力する。また、受け取った情報
(燃焼状況の情報、燃焼振動検知情報及び内圧変動推定
情報)、分析結果(燃焼振動の状況の分析)及び設定さ
れた保険料に関する情報は、機器情報データベース5に
保存しておく。なお、燃焼状況及び燃焼振動の状況に関
する情報は、必要に応じて制御部8に要求することによ
り取得することも可能である。
【0190】機器情報データベース5は、遠隔監視サー
バー4に接続され、遠隔監視サーバー4が取得した機械
設備3の燃焼状況の情報、燃焼振動の状況の情報(燃焼
振動検知情報及び内圧変動推定情報)、燃焼振動の状況
の分析結果、保険料設定レベル及びレベル別に設定され
た保険料に関する情報、保険契約に基づき予め設定され
た機械設備3の燃焼条件に関する情報、保険料の設定に
必要な情報及び設定された保険料に関する情報等を保持
する。そして、それらの情報は、遠隔監視サーバー4の
要求に応じて、何時でも取出し可能である。
【0191】保険管理システム2は、保険料管理サーバ
ー6及び保険情報データベース7を具備する。これら
は、必ずしも、遠隔監視システム1の専用である必要は
無く、他の遠隔監視システム(図示せず)や、他の保険
の管理が必要なプロセスとの兼用も可能である。また、
機械設備ユーザー12の機械設備3の専用である必要は
無く、他の機械設備ユーザーの機械設備(図示せず)の
保険管理に関しても取り扱うことが可能である。
【0192】保険料管理サーバー6は、遠隔監視サーバ
ー4と接続しているサーバーである。そして、機械設備
ユーザー12からの保険料の受け取りに関する手続きを
行なう他、遠隔監視サーバー4が設定した保険料に関す
る情報(保険料支払指示)に応答して、その情報及び保
険情報データベース7に保持された契約内容に基づき保
険料に関する手続きを行なう。
【0193】保険情報データベース7は、保険料管理サ
ーバー6と接続されている。そして、前記機械設備ユー
ザー12の機械設備3に対して設定した保険料に関する
情報、保険料手続きに関する情報、保険契約に基づいて
設定された各種費用の出納手続きに関する情報を保持す
る。それらの情報は、保険料管理サーバー6の要求に応
じて、何時でも取出し可能である。
【0194】通信回線A15は、保険会社11と機械設
備ユーザー12とを接続する通信回線である。公衆回
線、インターネット回線あるいは専用回線などである。
また、無線による通信によって行なうことも可能であ
る。遠隔監視システム1と機械設備3とが、機械設備3
の運用及び燃焼振動に関する情報を通信する為に用い
る。
【0195】次に、機械設備ユーザー局としての機械設
備ユーザー12について説明する。機械設備3は、制御
部8、設備稼働部9、運用情報データベース10を具備
し、保険の対象となる機械設備である。そして、その運
転状況は、機械設備ユーザー12に関連する然るべき設
備により遠隔監視され、事故や異常の発生あるいはその
予兆に対して迅速に対処できる。
【0196】制御部8は、遠隔監視システム1の遠隔監
視サーバー4と接続すると共に、設備稼働部9及び運用
情報データベース10と接続し、機械設備3の制御を行
なう。それと共に、機械設備3の燃焼状況に関するデー
タを設備稼働部9から取得し、運用情報データベース1
0へ格納する。更に、周波数変換解析システム33(後
述)及び燃焼振動予測システム34(後述)に接続し、
それらから、燃焼振動の状況に関する情報を取得し、運
用情報データベース10へ格納する。そして、保険会社
11の遠隔監視サーバー4の要求に従って、燃焼状況に
関する情報及び燃焼振動の状況に関する情報を定期的あ
るいは適宜送信する。
【0197】設備稼働部9は、制御部8に接続し、ガス
タービンや、ボイラ、発電機等の、機械設備ユーザー1
2によって運用されている実際に稼動している機械設備
本体及び周辺機器である。本実施例では、ガスタービン
である。
【0198】運用情報データベース10は、制御部8に
接続し、制御部8が設備稼働部9から取得した機械設備
3の燃焼状況に関する情報及び燃焼振動の状況に関する
情報を内部に保持する。
【0199】異常検知装置としての周波数変換解析シス
テム33は、図4に示す、前述の保険料設定システムの
「第一の基本的な考え方」のレベル1において説明した
燃焼の異常を監視するシステムである。燃焼振動の抑制
あるいは回避が可能なガスタービン異常検知システムで
あって、燃焼に伴い発生する振動に関する周波数解析に
より燃焼振動を検知する燃焼振動検知システムである。
【0200】異常検知装置としての燃焼振動予測システ
ム34は、図5で示す、前述の保険料設定システムの
「第一の基本的な考え方」のレベル2において説明した
数式モデルによる内圧変動値(燃焼振動)を推定するシ
ステムである。プラントデータ(内圧変動値、操作量、
など)、操作できない状態量(気象データなど)、第i
燃焼器の第j周波数帯の内圧変動の制限値Zij、ゲイン
α及び特定の2つを除く変数の値等に基づいて、圧力
変動値を予測する。
【0201】経理サーバー14は、機械設備ユーザー1
2にあり、通信回線C17を介して、金融仲介局13と
接続されている経理関係のサーバーである。保険会社1
1への保険料の支払い及びそれに関連する手続き等を行
なう。経理又は会計部門等の費用の取り扱いを行なう部
門により管理されている。
【0202】通信回線B16は、保険会社11と金融仲
介局13を結ぶ通信回線である。公衆回線、インターネ
ット回線あるいは専用回線などである。また、無線によ
る通信によって行なうことも可能である。保険会社11
と金融仲介局13との電子商取引に関わる通信に用い
る。
【0203】通信回線C17は、機械設備ユーザー12
と金融仲介局13を結ぶ通信回線である。公衆回線、イ
ンターネット回線あるいは専用回線などである。また、
無線による通信によって行なうことも可能である。機械
設備ユーザー12と金融仲介局13との電子商取引に関
わる通信に用いる。
【0204】通信回線D18は、保険会社11と機械設
備ユーザー12とを結ぶ通信回線である。インターネッ
ト回線あるいは専用回線などである。また、無線による
通信によって行なうことも可能である。保険会社11と
機械設備ユーザー12との保険関連の情報の通信や電子
商取引等に関わる通信に用いる。
【0205】金融仲介局13は、保険会社11及び機械
設備ユーザー12と取引関係のある銀行、各種金融業社
等、である。サーバー(図示せず)を備え、保険会社1
1と機械設備ユーザー12とが取引のための口座を開く
ことが出来る。そして、保険会社11及び機械設備ユー
ザー12が通信回線を利用した電子商取引、振替処理等
の各種費用の授受を行う場合に、金融仲介局13は、取
引を仲介する処理を行う。
【0206】では、本発明である機械設備保険料設定シ
ステムの第一の実施の形態の動作について、図20を用
いて詳細に説明する。まず、最初の段階において、保険
会社11及び機械設備ユーザー12は、本発明の機械設
備保険料設定システムに関する保険契約を行なってい
る。その中には、保険料の設定期間(予め設定する保険
料計算及び保険対象期間)、保険料計算方法(前述のサ
ービスレベル(レベル0〜3)別の保険料計算)、遠隔
監視の方法(燃焼状況の情報、燃焼振動の状況の情報
(燃焼振動検知情報及び内圧変動推定情報)の測定およ
び取得など)、等に関する契約も含まれる。
【0207】また、保険契約での機械設備3(ガスター
ビン)の燃焼状況の情報及び燃焼振動の状況の情報取得
に関する契約により、機械設備ユーザー12のガスター
ビン(機械設備3)は、保険会社11の遠隔監視システ
ム1と通信回線A15により接続されている。そして、
遠隔監視システム1は、ガスタービンへ要求を出すこと
により、ガスタービンの燃焼状況及び燃焼振動の状況の
情報を通信回線A15を介して取得できるようになって
いる。
【0208】基本保険料としての最初の基本となる保険
料(レベル別)は、まず、燃焼振動の抑制あるいは回避
を行うことが可能なシステムを導入しているかどうか
で、設定される。例えば、本実施例ではレベル3の燃焼
振動の抑制あるいは回避を行うことが可能なシステムを
導入したガスタービンであるので、まずその段階で、基
本となる保険料(基本保険料)が通常の場合に比較して
大幅にディスカウントされる(図21、例えば、レベル
0:1割減、レベル2:2割減、レベル3:3割減な
ど)。また、予め減額する金額を設定していても良い。
【0209】ガスタービンの運用開始後、一定時間間隔
で継続的に、機械設備3の制御部8は、設備稼働部9か
ら、圧力センサ100(図4)により、ガスタービンの
燃焼器の圧力データを検出する。そのデータは、周波数
変換解析システム33へ出力される。周波数変換解析シ
ステム33では、その経時的な圧力変動を示すデータを
高速フーリエ変換(FFT)することにより、各周波数
帯域での燃焼振動検知情報としての内圧変動値が算出さ
れる。算出された値は、運用情報データベース10に保
持される。
【0210】制御部8は、周波数変換解析システム33
で計算された燃焼振動検知情報としての圧力変動値と、
設備稼働部9からのガスタービンの操作量(ガスタービ
ンに供給される燃料や空気の量)と、その他測定装置等
(図示せず)からの操作できない状態量(大気温度のよ
うな気象データ、要求によって決定される負荷の大きさ
等)とを運用情報データベース10から取得し、燃焼振
動予測システム34へ入力する。
【0211】異常検知装置としての燃焼振動予測システ
ム34では、上記情報(圧力変動値、ガスタービンの操
作量、その他操作できない状態量)の入力により、燃焼
振動予測プログラム(上述のレベル2の説明の項で述べ
た、数式モデルによる内圧変動推定システムを実行する
プログラム)を実行させて、図7に例示されるような、
内圧変動推定情報としての燃焼振動の発生領域(あるい
は発生し難い領域)の燃焼条件を算出する。算出した結
果は、運用情報データベース10に保持される。
【0212】遠隔監視サーバー4は、ガスタービンの制
御部8から燃焼状況及び燃焼振動の状況に関する情報
を、予め設定された期間(本実施例では1時間)毎に、
通信回線A15を介して取得する。燃焼状況に関する情
報とは、プラントデータであるガスタービンの操作量
(ガスタービンに供給される燃料や空気の量)と、操作
できない状態量(大気温度のような気象データ、要求に
よって決定される負荷の大きさ等)である。また、燃焼
振動の状況に関する情報とは、燃焼振動検知システムか
らの燃焼振動検知情報及び内圧変動推定システムからの
内圧変動推定情報である。本実施例の場合には、1時間
分の情報を取得する。取得した情報は、機器情報データ
ベース5に記憶しておく。
【0213】次に、それらのデータに基づいて、遠隔監
視サーバー4は、現在のガスタービンの燃焼状況と、内
圧変動推定情報としての燃焼振動の発生領域(あるいは
発生し難い領域)の燃焼条件とを比較する。そして、燃
焼振動の発生し難い燃焼条件で運転している場合には、
問題無しとして、それらのデータを機器情報データベー
ス5に記録する。そして、問題の無い旨、機械設備3の
制御部8へ通信回線A15を介して送信する。
【0214】燃焼振動の発生し易い燃焼条件で運転して
いる場合や、燃焼振動検知情報から既に燃焼振動が始ま
っている場合には、直ちに、適切な燃焼条件を推定す
る。そして、問題の有ることと、適切な燃焼条件を機械
設備3の制御部8へ通信回線A15を介して送信する。
また、それらのデータを機器情報データベース5に記録
する。
【0215】次に、上記のように遠隔監視サーバー4
は、レベル3としての燃焼振動を抑制あるいは回避する
システムが、良好に動作していることを確認する。確認
は、通信回線A15を介して、上記のようなデータの入
手が継続的に行なわれているかで判断する。そして、予
め設定された保険料計算期間(例えば、1ヶ月)毎に、
上記システムが問題無く動作していれば、レベルに応じ
た図21に示す次回(翌月)保険料Cを決定する。その
情報は、機器情報データベース5に保持される。そし
て、その保険料Cに基づいて、遠隔監視サーバー4は、
保険料支払指示を保険管理システム2の保険料管理サー
バー6へ力する。なお、図21に関するデータは、機器
情報データベース5内に保持されている。
【0216】保険料管理サーバー6は、機械設備ユーザ
ー12の経理サーバー14へ、通信回線D18を介し
て、保険会社11と機械設備ユーザー12との契約に基
づいて設定された支払方法による翌月分の保険料支払依
頼通知を送付する。経理サーバー14は、その通知に応
答して、保険会社11へ、翌月分の保険料を支払う。支
払方法としては、支払周期について、例えば、月毎の支
払、半年毎の支払、等契約に応じて支払う。また、保険
料の送付に関しては、保険会社11、機械設備ユーザー
12及び金融仲介局13の三者が、事前に通信回線を利
用した電子商取引の契約を交わして、それに基づいて金
融仲介局13での電子的手続きにより容易に進行するよ
うにする。例えば、保険会社11及び機械設備ユーザー
12が、共に金融仲介局13に口座を開設する。そし
て、通信回線C17を利用して、機械設備ユーザー12
の経理サーバー14が金融仲介局13へ支払指示を出
し、保険会社11の金融仲介局の口座へ保険料を振り込
む。金融仲介局13は、通信回線B16を介して、入金
情報を保険会社11の保険料管理サーバー6へ通知す
る。
【0217】以上の動作を保険契約により予め設定され
た期間(例えば1月)毎に行ない、機械設備ユーザー1
2は保険会社11に保険料を支払うようにする。この保
険料の支払は、保険契約に基づいた保険期間内において
継続して行なう。ただし、契約等により、期間について
変更することは可能である。
【0218】以上のように、ユーザーの燃焼振動検知シ
ステム、内圧変動推定システム及び遠隔監視システムの
導入を促進させることにより、システムのレベルに応じ
て燃焼振動を抑制あるいは回避することが可能となる。
すなわち、ユーザー側は、システム導入や保険サービス
のコストアップが、プラント全体の保険料の減額で補填
される(レベル3であるため)ため、導入の意欲が湧
き、それが、燃焼振動の抑制あるいは回避につながり、
ガスタービンの稼働率が上がり、結果的にコストを低減
することが出来る。また、保険会社側も、燃焼振動を回
避するシステムが導入される機会が増し、ガスタービン
の故障率が下がるので、プラントの機械設備の破損によ
る、保険金の支払の発生確率を低減することが可能とな
る。
【0219】なお、図20において、サービスレベルが
レベル2(燃焼振動検知システム+内圧変動推定システ
ム)の場合には、実施の構成は、図20と同様である。
そして、本実施例に示した構成及び動作の内、遠隔監視
サーバー4は、1時間毎の各種データの取得を行なわな
い。燃焼振動の監視は、機械設備ユーザー12が、自ら
行なう。その点が、レベル3である本実施例と異なる。
そして、図21に示すように基本となる保険料(基本保
険料料)Cは、レベル3の場合よりも高くなる。
【0220】また、レベル1(燃焼振動検知システム)
の場合には、実施の構成は、図20に比べて、燃焼振動
予測システム34がない構成となる。しかも、機械設備
ユーザー12が自ら行なう燃焼振動の監視は、燃焼振動
検知システムのみで行なう。その点が、レベル2と異な
る。そして、図21に示すように基本となる保険料(基
本保険料料)Cは、レベル2の場合よりも高くなる。
【0221】また、レベル0(なにもしない)の場合に
は、実施の構成は、図20に比べて、燃焼振動予測シス
テム34及び周波数変換解析システム33がない構成と
なる。しかも、機械設備ユーザー12が自ら行なう燃焼
振動の監視は、運転者の経験とノウハウのみで行なう。
その点が、レベル1と異なる。そして、図21に示すよ
うに基本となる保険料(基本保険料料)Cは、レベル1
の場合よりも高くなる。
【0222】(実施例4)では、本発明である機械設備
保険料設定システムの第二の実施の形態の構成に関し
て、図20を参照して説明する。本実施例では、前述の
保険料設定の「第一の基本的な考え方」と「第二の基本
的な考え方」の両方に基づいて、機械設備保険料設定シ
ステムが構築されている。図20は、第一の基本的な考
え方でのレベル3の場合を示している。
【0223】保険料は、まず、燃焼振動の抑制あるいは
回避を行うことが可能なシステムを導入しているかどう
かで、通常の料金から一定の割合がディスカウントさ
れ、基本となる保険料(基本保険料)が設定される。次
に、普段の運用状況が過酷かどうかで、更に保険料が変
動するように設定される。例えば、レベル3の燃焼振動
の抑制あるいは回避を行うことが可能なシステムを導入
したガスタービンであれば、まずその段階で、基本とな
る保険料(基本保険料)が通常の場合に比較して大幅に
ディスカウントされる。そして、普段のガスタービンの
運用状況が穏やかなものであれば、更に、保険料が減額
される。
【0224】このように、燃焼振動の抑制あるいは回避
を行うことが可能なシステムを導入することによるメリ
ットだけでなく、普段の運転状況についても保険料の設
定に考慮することで、機械設備ユーザーは、より一層ガ
スタービンの良好な運用に心がけるようになり、保険料
の削減とガスタービンの稼働率の向上という2重のメリ
ットを享受できる。保険会社も、ガスタービンの故障が
減少し、保険金を削減することが可能となる。
【0225】図20を参照して、本発明の機械設備保険
料設定システムは、保険会社局としての保険会社11、
機械設備ユーザー局としての機械設備ユーザー12、金
融仲介局13、通信回線A15、通信回線B16、通信
回線C17、通信回線D18を具備する。保険会社局と
しての保険会社11は、遠隔監視サーバー4及び機器情
報データベース5を備える遠隔監視システム1と、保険
料管理サーバー6及び保険情報データベース7を備える
保険管理システム2とを具備する。機械設備に関わる保
険を行なうと共に、機械設備3の運用・保険に関連する
情報の取得、分析等を行なう。また、機械設備ユーザー
局としての機械設備ユーザー12は、制御部8、設備稼
働部9及び運用情報データベース10を備える機械設備
3と、異常検知装置としての周波数変換解析システム3
3と、異常検知装置としての燃焼振動予測システム34
と、経理サーバー14とを具備する。機械設備3の使用
に際し、保険会社11と保険契約を締結すると共に、機
械設備3の燃焼振動の状況及び燃焼状況を適宜保険会社
11へ送信する。
【0226】通常、機械設備3の購入に際して、機械設
備ユーザー12は、保険会社11と機械設備3の保険に
関する保険契約を締結する。そして、ある期間(例えば
1ヶ月)毎の保険料が決定され、機械設備ユーザー12
は保険会社11に対して、その期間毎に保険料を支払
う。
【0227】一方、機械設備ユーザー12の機械設備3
は、燃焼状況の情報や燃焼振動の状況の情報に関するデ
ータを保持している。保険会社11の遠隔監視システム
1は、予め設定された期間(例えば1時間)の上記のデ
ータに基づいて、その期間での機械設備3の及び燃焼状
況を分析する。そして分析の結果に基づいて、保険会社
11は、燃焼振動が発生しそうな場合には、機械設備ユ
ーザー12へ、燃焼振動が発生しないような燃焼条件を
出力し、機械設備ユーザー12へ通知することとする。
燃焼振動の抑制あるいは回避を行うことが可能なシステ
ムを導入することにより、機械設備3の故障率が低下す
るので、基本となる保険料(レベル別の基本保険料)を
ディスカウントできる。
【0228】加えて、機械設備ユーザー12の機械設備
3は、出力、発停回数、出力変化率等の運用状況に関す
るデータを保持している。保険会社11の遠隔監視シス
テム1は、予め設定された期間(例えば1ヶ月)の上記
のデータに基づいて、その期間での機械設備3の運用状
況を分析する。そして分析の結果に基づいて、保険会社
11は、次の期間での保険料である次回保険料を決定
し、機械設備ユーザー12へ通知することとする。この
プロセスは、予め定められた期間毎に行なうので、次の
期間には、また、再度運用状況の測定、および、計算を
行なう。
【0229】次回保険料は、機械設備の運用状況が、定
格値や設計上限値を遵守した良好な運用であれば、そう
でない場合と比較して、安くなるように設定されてい
る。その時、上記のディスカウントされた基本となる保
険料(レベル別の基本保険料)を基準として計算する。
これにより、機械設備ユーザー12は、機械設備の運用
を過酷に行なわなければ、保険料の出費が低減でき、設
備稼働率も向上する。保険会社11も機械設備の故障発
生率を低下できるので、保守金の出費を低減できる。従
って、機器設備ユーザー12及び保険会社11の双方に
利益をもたらす保険料設定方法となる。
【0230】次に、以下に各部の構成について図20を
参照して、詳細に説明する。まず、保険会社局としての
保険会社11について説明する。遠隔監視システムとし
ての遠隔監視システム1は、遠隔監視サーバーとしての
遠隔監視サーバー4及び機器情報データベースとしての
機器情報データベース5を備える。これらは、必ずし
も、機械設備ユーザー12の機械設備3の専用である必
要は無く、他の機械設備ユーザーの機械設備(図示せ
ず)の情報に関しても取り扱うことが可能である。
【0231】遠隔監視サーバーとしての遠隔監視サーバ
ー4は、通信回線A15を介して、機械設備ユーザー1
2の機械設備3の制御部8と通信が可能である。そし
て、予め設定された周期(例えば1ヶ月)毎に、機械設
備3の運用状況に関する情報を受け取り、その運用状況
について分析を行なう。それと共に、その結果に基づい
て、機械設備3の次の予め設定された期間(例えば翌月
の1ヶ月)における保険料を設定する。設定に際して
は、前述のレベル0〜3に基づいて、図21に示す保険
料を基本にし、その値から、運用状況に基づいて、次回
の保険料を設定する。設定した保険料に関する情報は、
保険料支払指示として保険管理システム2へ出力する。
また、受け取った情報及び設定された保険料に関する情
報は、機器情報データベース5に保存しておく。なお、
運用状況に関する情報は、必要に応じて制御部8に要求
することにより取得することも可能である。
【0232】遠隔監視サーバーとしての遠隔監視サーバ
ー4は、更に、予め設定された周期(例えば1時間)毎
に、機械設備3から通信回線A15を介して、機械設備
3の燃焼状況の情報及び燃焼振動の状況の情報(燃焼振
動検知情報(周波数変換解析システム33(後述)よ
り)、内圧変動推定情報(燃焼振動予測システム34
(後述)より)など)に関する情報を受け取り、その燃
焼振動の状況について分析を行なう。そして、分析の結
果に基づいて、保険会社11は、燃焼振動が発生しそう
な場合には、燃焼振動が発生しないような燃焼条件を決
定する。そして、通信回線A15を介して機械設備3
へ、燃焼振動が発生しないような燃焼条件を通知するこ
ととする。
【0233】機器情報データベースとしての機器情報デ
ータベース5は、遠隔監視サーバー4に接続され、遠隔
監視サーバー4が取得した機械設備3の燃焼状況の情
報、燃焼振動の状況の情報(燃焼振動検知情報及び内圧
変動推定情報)、燃焼振動の状況の分析結果、保険料設
定レベル及びレベル別に設定された保険料に関する情
報、保険契約に基づき予め設定された機械設備3の燃焼
条件に関する情報、機械設備3の運用状況に関する情
報、保険契約に基づき予め設定された機械設備3の運用
条件に関する情報、保険料の設定に必要な情報及び設定
された保険料に関する情報等を保持する。そして、それ
らの情報は、遠隔監視サーバー4の要求に応じて、何時
でも取出し可能である。
【0234】保険管理システム2は、保険料管理サーバ
ー6及び保険情報データベース7を具備する。また、通
信回線A15は、保険会社11と機械設備ユーザー12
とを接続する通信回線である。これらに付いては、実施
例3と同様であるので説明は省略する。
【0235】次に、機械設備ユーザー局としての機械設
備ユーザー12について説明する。機械設備3は、制御
部8、設備稼働部9、運用情報データベース10を具備
し、保険の対象となる機械設備である。そして、その運
転状況は、機械設備ユーザー12に関連する然るべき設
備により遠隔監視され、事故や異常の発生あるいはその
予兆に対して迅速に対処できる。制御部8は、遠隔監視
システム1の遠隔監視サーバー4と接続すると共に、設
備稼働部9及び運用情報データベース10と接続し、機
械設備3の制御を行なう。それと共に、設備稼働部9か
ら、運用状況に関するデータ及び燃焼状況に関するデー
タを取得し、運用情報データベース10へ格納する。ま
た、周波数変換解析システム33(後述)及び燃焼振動
予測システム34(後述)に接続し、それらから、燃焼
振動の状況に関する情報を取得し、運用情報データベー
ス10へ格納する。そして、保険会社11の遠隔監視サ
ーバー4の要求に従って、燃焼状況に関する情報、燃焼
振動の状況に関する情報及び運用状況に関するデータを
定期的あるいは適宜送信する。
【0236】運用情報データベース10は、制御部8に
接続し、制御部8が設備稼働部9から取得した機械設備
3の燃焼状況に関する情報、燃焼振動の状況に関する情
報及び運用状況に関するデータを内部に保持する。
【0237】設備稼働部9、異常検知装置としての周波
数変換解析システム33、異常検知装置としての燃焼振
動予測システム34、経理サーバー14、通信回線B1
6、通信回線C17、通信回線D18、金融仲介局13
については、実施例3と同様であるので、説明は省略す
る。
【0238】では、本発明である機械設備保険料設定シ
ステムの第二の実施の形態の動作について、図20、図
9〜図17、図4、図5、図21を用いて詳細に説明す
る。図20及び図14を参照して、図14は、本発明の
機械設備保険料設定システムのプロセスフローを示して
いる。これは、前述の保険料設定の第二の基本的な考え
方の(保守料及び)保険料計算プロセス(〜)を表
しており、それに従って、保険料を算出する。まず、開
始(S101)の前の段階において、保険会社11及び
機械設備ユーザー12は、本発明の機械設備保険料設定
システムに関する保険契約を行なっている。その中に
は、基本となる保険料計算方法(前述の保険料設定の第
一の基本的な考え方の(保守料及び)保険料におけるサ
ービスレベル(レベル0〜3)別の保険料計算)、燃焼
振動に関する遠隔監視の方法(燃焼状況の情報、燃焼振
動の状況の情報(燃焼振動検知情報及び内圧変動推定情
報)の測定および取得など)、保険料の設定期間(予め
設定する保険料計算及び保険対象期間)、保険料計算方
法(前述の(保守料及び)保険料計算プロセス〜
)、補正係数、機械設備3の稼働率予測値Aと保険料
Cとの関係(図13に相当)等に関する契約も含まれ
る。
【0239】また、保険契約での機械設備3(ガスター
ビン)の燃焼状況の情報及び燃焼振動の状況の情報取得
に関する契約及び運用状況の情報取得に関する契約によ
り、機械設備ユーザー12のガスタービン(機械設備
3)は、保険会社11の遠隔監視システム1と通信回線
A15により接続されている。そして、遠隔監視システ
ム1は、ガスタービンへ要求を出すことにより、ガスタ
ービンの燃焼状況、燃焼振動の状況の情報及び運用状況
に関する情報を通信回線A15を介して取得できるよう
になっている。
【0240】基本保険料としての最初の基本となる保険
料(レベル別)は、まず、燃焼振動の抑制あるいは回避
を行うことが可能なシステムを導入しているかどうか
で、設定される。例えば、本実施例ではレベル3の燃焼
振動の抑制あるいは回避を行うことが可能なシステムを
導入したガスタービンであるので、まずその段階で、基
本となる保険料(基本保険料)が通常の場合に比較して
大幅にディスカウントされる(図21、例えば、レベル
0:1割減、レベル2:2割減、レベル3:3割減な
ど)。また、予め減額する金額を設定していても良い。
【0241】ガスタービンの運用開始後、一定時間(例
えば1時間)間隔で継続的に、機械設備ユーザー12
は、ガスタービンの燃焼器の圧力データなどから、周波
数変換解析システム33で内圧変動値を算出する。ま
た、ガスタービンの操作量などから、燃焼振動予測シス
テム34で燃焼振動の発生領域(あるいは発生し難い領
域)の燃焼条件を算出する。算出した結果は、運用情報
データベース10に保持される。これらのデータは、遠
隔監視サーバー4に送信され、遠隔監視サーバー4は、
燃焼振動の発生し難い燃焼条件で運転されるように遠隔
監視を行なう。詳細なプロセスは、実施例3と同様であ
るので、詳細は省略する。
【0242】一方、ガスタービンの運用開始後、予め設
定された期間毎(本実施例では、1ヶ月毎とする)に、
遠隔監視サーバー4は、ガスタービンから運用状況に関
するデータを取得する(図14、S102)。運用状況
に関するデータとは、ガスタービンにおける、運用時の
出力、発停回数、単位時間当たりの出力変化率である。
本実施例の場合には、1月分のデータを取得する。取得
したデータは、機器情報データベース5に記憶してお
く。
【0243】次に、それらのデータに基づいて、遠隔監
視サーバー4は、前述の補正係数(Kp,Ks,Kr)
を決定する(S103)。決定に当たっては、それぞ
れ、図15、図16、図17のプロセスで行なう。
【0244】Kpの決定プロセス(図15)について説
明する。まず、遠隔監視サーバー4は、1ヶ月分の出力
の情報を機器情報データベース5から読み込む(S20
2)。そして、それらのデータから、その月の最高出力
を検出する(S203)。次に、図9で示される出力と
出力補正係数Kpとの関係から、その月の最高出力での
Kpを算出し決定する(S204)。そして、Kpを出
力して(S205)、プロセスは終了する(S20
6)。
【0245】次に、Ksの決定プロセス(図16)につ
いて説明する。まず、遠隔監視サーバー4は、1ヶ月分
の発停回数の情報を機器情報データベース5から読み込
む(S302)。そして、それらのデータから、その月
の発停回数を検出する(S303)。次に、図10で示
される発停回数と発停回数補正係数Ksとの関係から、
その月の発停回数でのKsを算出し決定する(S30
4)。そして、Ksを出力して(S305)、プロセス
は終了する(S306)。
【0246】次に、Krの決定プロセス(図17)につ
いて説明する。まず、遠隔監視サーバー4は、1ヶ月分
の出力変動率の情報を機器情報データベース5から読み
込む(S402)。そして、それらのデータから、その
月の最高出力変動率を検出する(S403)。次に、図
11で示される出力変動率と出力変動率補正係数Krと
の関係から、その月の最高出力変動率に対応するKrを
算出し決定する(S404)。そして、Krを出力して
(S405)、プロセスは終了する(S406)。
【0247】遠隔監視サーバー4は、上述のように補正
係数(Kp,Ks,Kr)を算出し決定すると共に、機
器情報データベース5内に保持されているガスタービン
固有の故障率λm、使用経過年数補正係数Ky、故障時
の復旧時間Trを取得する(S103)。
【0248】得られたKp、Ks、Kr、λm、Kyに
基づいて、前述の保険料計算プロセスの数式(5):
λ=a・Ky・Kp・Ks・Kr・λm により、ガス
タービンの故障率λを算出する(S104)。ただし、
aは、予め設定される正の実数の定数である。
【0249】一方、故障が発生したとき修理等の為にガ
スタービンを停止しなければならない修繕時間Tは、前
述の保険料計算プロセスの数式(6):T=Td+T
rにより算出される(S105)。ただしTd:故障発
生から検知に要する時間、Tr:故障の復旧に要する時
間である。ここで、Tdは、機器設備ユーザー12によ
るガスタービンの遠隔監視により、極めて短時間である
ので、Trに対して無視できる。
【0250】次に、ガスタービンの翌月の稼働率の予測
値である稼働率予測値Aを、前述の保険料計算プロセス
の数式(8):A=μ/(λ+μ) により算出する
(S106)。ただし、修復率μは、数式(7):μ=
1/T である。
【0251】最後に、ガスタービンの次回の保険料Cの
決定を行なう。前述のように算出された稼働率予測値A
により、図13で示される保険料Cと稼働率予測値Aと
の関係から、次回(翌月)の保険料Cが決定される(S
107)。ここで、保険料Cは、燃焼振動を抑制あるい
は回避するシステムを導入しているので、導入していな
い場合に比較して、ディスカウントされた値(図13の
保険料Cグラフが通常の場合に比較して、ディスカウン
トされる)となっている。そして、保険料計算のための
プロセスが終了する(S108)。なお、図9〜図13
に関するデータは、機器情報データベース5内に保持さ
れている。
【0252】機械設備ユーザー12と保険会社11との
保険契約に基づいて、ガスタービンと遠隔監視システム
1との間の運用状況に関する情報交換、及び、燃焼振動
を抑制あるいは回避するシステムの導入レベルに基づい
て、前述のように、保険料Cが決定される。その情報
は、機器情報データベース5に保持される。そして、そ
の保険料Cに基づいて、遠隔監視サーバー4は、保険料
支払指示を保険管理システム2の保険料管理サーバー6
へ力する。
【0253】保険料管理サーバー6は、機械設備ユーザ
ー12の経理サーバー14へ、通信回線D18を介し
て、保険会社11と機械設備ユーザー12との契約に基
づいて設定された支払方法による翌月分の保険料支払依
頼通知を送付する。経理サーバー14は、その通知に応
答して、保険会社11へ、翌月分の保険料を支払う。支
払方法としては、支払周期について、例えば、月毎の支
払、半年毎の支払、等契約に応じて支払う。また、保険
料の送付に関しては、保険会社11、機械設備ユーザー
12及び金融仲介局13の三者が、事前に通信回線を利
用した電子商取引の契約を交わして、それに基づいて金
融仲介局13での電子的手続きにより容易に進行するよ
うにする。例えば、保険会社11及び機械設備ユーザー
12が、共に金融仲介局13に口座を開設する。そし
て、通信回線C17を利用して、機械設備ユーザー12
の経理サーバー14が金融仲介局13へ支払指示を出
し、保険会社11の金融仲介局の口座へ保険料を振り込
む。金融仲介局13は、通信回線B16を介して、入金
情報を保険会社11の保険料管理サーバー6へ通知す
る。
【0254】以上の動作を保険契約により予め設定され
た期間(例えば1月)毎に行ない、機械設備ユーザー1
2は保険会社11に保険料を支払うようにする。この保
険料の支払は、保険契約に基づいた保険期間内において
継続して行なう。ただし、契約等により、期間について
変更することは可能である。
【0255】以上の本発明の動作により、保険会社11
及び機械設備ユーザー12双方にとって利益のある保険
料の設定が可能となる。すなわち、機械設備ユーザー1
2は、燃焼振動を抑制あるいは回避するシステムを導入
し、機械設備3(ガスタービン)について過酷な運用を
行なわなければ、機械設備3の稼働率は向上し、また、
保険料も減少する可能性があり、保険料支出の減少とい
うコストメリットがある。加えて、機械設備ユーザー1
2が、保険料支出の削減の為に、機械設備3をそのメー
カーの設計時の想定通りに使用しようと努める。また、
燃焼振動が専用のシステムにより抑制あるいは回避でき
る。従って、機械設備3の故障の発生が非常に低くな
る。それに伴い、保険会社11は、保険金の支払の発生
確率を大幅に低減する事が可能となり、保険事業をより
健全に遂行できる。
【0256】本実施例では、運用時の出力、発停回数、
単位時間当たりの出力変化率に関わる3種類の補正係数
(Kp.Ks,Kr)を全て使用している。しかし、そ
れらの値を全て使用しない場合でも、3種類のうちの少
なくとも1種類の値を使用すれば、本実施例と同様に行
なうことが出来る。例えば、機械設備3の種類によって
は、発停回数が他の場合よりも故障率λに対して非常に
強い影響をもらすことが判明している場合には、Kp、
Krを用いず(又は、Kp=Kr=1)として、故障率
λを計算し、使用することも可能である。出力、出力変
動率についても同様である。
【0257】また、本実施例において、機械設備3の運
用状況を計測するために、出力、発停回数、出力変動率
を参照しているが、これは、ガスタービンを例にしてい
るからである。機械設備3の種類に応じて、他の適切な
パラメーターを利用することにより、機械設備3の故障
率をより正確に把握することが可能である。例えば、化
学反応装置であれば、運転温度やその変化率、運転圧力
やその変化率、シャットダウン回数等である。その機械
設備の運用状況を示す各種パラメーターの中で、故障の
発生に大きく影響があるものを選択することが重要な点
である。
【0258】本実施例においては、保険会社11、機械
設備ユーザー12の双方が金融仲介局13に口座を開設
している。しかし、金融仲介局13に口座を開設しなく
ても、通常のインターネットバンキング等の電子商取引
を使用して、金融仲介局13経由で送金手続きを行なう
ことも可能である。
【0259】また、本実施例において、保険料に関する
手続きは、保険料管理サーバー6が行なっている。しか
し、保険会社11内の事情により、遠隔監視サーバー4
が、保険料管理サーバー6が行なっている保険料に関す
る手続きも遂行することとしても良い。すなわち、本実
施例における遠隔監視サーバー4=保険料管理サーバー
6、機器情報データベース5=保険情報データベース7
とする。その場合には、保険料管理サーバー6及び保険
情報データベース7を無くすことが出来、サーバーの節
約によるコストのメリットがある。
【0260】また、本実施例における金融仲介局13の
役割を保険会社11が行なうことも可能である。その場
合、例えば、保険管理システム2が、金融仲介局13の
機能を併せ持つようにすれば良い。それを示したのが図
22であり、金融仲介局13を介在させないで、保険料
管理サーバー6及び経理サーバー14を通信回線E19
で直結させている。そして、保険会社11が、機械設備
ユーザー12の資金を預かり、資金運用を行ないなが
ら、必要に応じて保険料を引き出すようにする。この場
合には、金融仲介局等に対する手数料の支払が発生せ
ず、双方のコスト削減につながる。
【0261】更に、図22の状態において、遠隔監視シ
ステム1による機械設備3の遠隔監視は、保険会社11
に属しているが、図23に示すように、別の機器設備の
遠隔監視を行なう会社である管理担当会社21に委託す
ることも可能である。例えば、機械設備3のメーカー
(図示せず)が遠隔監視を行なっていれば、メーカー、
保険会社11、機械設備ユーザー12の三者間契約等に
より、メーカーの遠隔監視を行なう部門が、図23にお
ける管理担当会社21となる。すなわち、メーカーに、
機械設備3の燃焼振動に関する情報及び運用状況に関す
る情報収集及び保険料支払計算に関わる業務を委託する
ことで、保険会社11は、遠隔監視システム1を所有す
る必要が無くなり、コスト削減につながる。その場合に
おいて、遠隔監視システム1では、機械設備3の燃焼振
動に関する情報及び運用状況に関する情報収集のみを行
なわせ、その情報に基づく保険料支払計算に関わる業務
は保険会社11の保険管理システム2に行なわせること
にする事も可能である。
【0262】更に、本実施例の状態において、保険管理
システム2は、保険会社11に属しているが、図24に
示すように、金融仲介局13に属していても良い。すな
わち、金融仲介局13に、保険料支払に関わる業務を委
託することで、保険会社11は、保険管理システム2を
所有する必要が無くなり、コスト削減につながる。その
場合には、保険会社11では、遠隔監視システム1が、
保険料支払指示を、金融仲介局13の保険管理システム
2へ通信回線B16を介して出力する。それと共に、保
険料支払指示を、機械設備ユーザー12の経理サーバー
14へも、通信回線B16を介して出力する。機械設備
ユーザー12の経理サーバー14は、金融仲介局13の
保険管理システム2へ、保険料支払指示に基づき、口座
振替や電子商取引等の手法による保険料の支払いの依頼
を送付する。
【0263】また、本実施例において、使用している各
係数(Kp,Ks、Kr,λm、Tr,Kg)の値は、
機械設備3の種類や大きさ、その月の使用状態等により
原則的に予め設定される値であり、機器情報データベー
ス5内に保持されている。それらの値は、通常、過去の
運用状況やに基づいて、変化させる事も可能である。運
用状況に基づいて変化させるとは、過酷な運用を行なっ
た場合には、継続的に良好な運用を行っている場合に比
べて故障の可能性が上がることから、過酷な運用の回数
に基づいて、各係数の値を保険料が増加するように変化
させるということである。そのようにする事により、保
険料の値が、より機械設備3の運用状況に合った形とな
り、機械設備ユーザー12が、良好な運用を心がけるよ
り強力なインセンティブとなり、機械設備ユーザー12
の保険料及び保険会社11の保険金の削減効果を、より
大きくすることが可能となる。
【0264】更に、本実施例において、保険会社11の
遠隔監視システム1は、ユーザー12の機械設備3の出
力、発停回数、出力変化率等の運用状況に関するデータ
を、保険料設定のための予め設定された期間(例えば1
ヶ月)毎に取得している。しかし、それとは別に、短時
間(例えば1時間)毎に前述の情報を取得し、過酷な運
用状況かどうかチェックし、過酷な運用状況が見出され
た場合には、機械設備3に対して、速やかに通信回線A
15を介してアドバイスや警告を発し、機械設備3の過
酷な運用状況を回避するように努めることも可能であ
る。
【0265】すなわち、保険会社11は過酷な運用状況
が見出された場合に、単に警告を発して機械設備ユーザ
ー12の注意を喚起できる他、必要に応じてアドバイス
を送信することができる。これにより、機械設備ユーザ
ー12は、警告により過酷な運用状況に対して意識を向
け、運用に関してより気を使うと共に、アドバイスによ
り過酷な運用を回避することを容易に行なうことが可能
となる。その結果、過酷な運用状況の軽減により保守料
の減額を期待できる。また、保険会社11も過酷な運用
継続で機械設備3の故障が発生する危険を回避でき、保
険金を節約することが出来る。従って、機械設備ユーザ
ー12及び保険会社11の双方に利益をもたらす。
【0266】なお、図20において、サービスレベルが
レベル2(燃焼振動検知システム+内圧変動推定システ
ム)の場合には、実施の構成は、図20と同様である。
そして、本実施例に示した構成及び動作の内、遠隔監視
サーバー4は、1時間毎の各種データの取得を行なわな
い。燃焼振動の監視は、機械設備ユーザー12が、自ら
行なう。その点が、レベル3である本実施例と異なる。
そして、図21に示すように基本となる保険料(基本保
険料料)Cは、レベル3の場合よりも高くなる。
【0267】また、レベル1(燃焼振動検知システム)
の場合には、実施の構成は、図20に比べて、燃焼振動
予測システム34がない構成となる。しかも、機械設備
ユーザー12が自ら行なう燃焼振動の監視は、燃焼振動
検知システムのみで行なう。その点が、レベル2と異な
る。そして、図21に示すように基本となる保険料(基
本保険料料)Cは、レベル2の場合よりも高くなる。
【0268】また、レベル0(なにもしない)の場合に
は、実施の構成は、図20に比べて、燃焼振動予測シス
テム34及び周波数変換解析システム33がない構成と
なる。しかも、機械設備ユーザー12が自ら行なう燃焼
振動の監視は、運転者の経験とノウハウのみで行なう。
その点が、レベル1と異なる。そして、図21に示すよ
うに基本となる保険料(基本保険料料)Cは、レベル1
の場合よりも高くなる。
【0269】また、本発明の各実施例の説明の中で、運
用状況が良好な場合には保険料が低下するとしている。
しかし、運用状況が好ましい状態ではない場合、通常の
保険料に比較して高い金額を支払わねばならなくなる可
能性が当然にあることも、本発明である機械設備保険料
設定システムの内容の一つである。運用状況が好ましい
状態ではない場合、機械設備ユーザーは、一種のペナル
ティーを科せられると考えても良い。すなわち、運用状
況が悪ければ、保険料計算での補正係数(Kp、Ks、
Kr)が1.0を超えるので、損失額が増え保険料も増
加する。
【0270】本発明においては、機械設備の異常の発生
を回避するシステムを設置した場合、そのレベルに応じ
て、保守料及び保険料を減額(ディスカウント)してい
る。その他に、保守料の場合、無償保証期間を延長する
ことや、メインテナンス時の有償部品などを安くする、
というような方法で、異常の発生を回避するシステムの
設置に報いることも可能である。また、保険料の場合に
は、保険期間を延長することや、故障時の保険金を増額
する、というような方法で、異常の発生を回避するシス
テムの設置に報いることも可能である。
【0271】
【発明の効果】本発明により、機械設備ユーザーは、機
械設備の異常の発生を回避するシステムを設置し、機械
設備の運用を適切に行なうことで保守料及び保険料の支
払を削減することが可能となり、メーカー及び保険会社
も保守費及び保険金支払の可能性を低減することがで
き、機械設備ユーザーとメーカー及び保険会社との双方
に利益をもたらすことが可能となる。
【0272】また、本発明により、機械設備の異常の発
生を回避する対策及び運用状況を正確に反映した、より
精度の高い保守料及び保険料金の設定を行うことが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の機械設備保守料設定システムの実施の
形態を示す構成図である。
【図2】本発明の機械設備保守料設定システムの実施の
形態を示す他の構成図である。
【図3】本発明の機械設備保守料設定システムの実施の
形態を示す更に他の構成図である。
【図4】周波数変換解析システムを示す構成図である。
【図5】燃焼振動予測システムを示す構成図である。
【図6】燃焼振動予測システムにおける数式モデルの計
算結果の一例を示すグラフである。
【図7】燃焼振動予測システムにおける数式モデルの計
算結果の他の一例を示すグラフである。
【図8】本発明の機械設備保守料設定システムにおける
保守料Eの設定の考え方を示すグラフである。
【図9】本発明の機械設備保守料設定システム及び機械
設備保険料設定システムにおける保守料及び保険料設定
に使用する補正係数を示すグラフである。
【図10】本発明の機械設備保守料設定システム及び機
械設備保険料設定システムにおける保守料及び保険料設
定に使用する補正係数を示すグラフである。
【図11】本発明の機械設備保守料設定システム及び機
械設備保険料設定システムにおける保守料及び保険料設
定に使用する補正係数を示すグラフである。
【図12】本発明の機械設備保守料設定システム及び機
械設備保険料設定システムにおける保守料及び保険料設
定に使用する補正係数を示すグラフである。
【図13】本発明の機械設備保守料設定システム及び機
械設備保険料設定システムにおける損失額及び保守料及
び保険料設定方法を示すグラフである。
【図14】本発明の機械設備保守料設定システム及び機
械設備保険料設定システムにおける損失額及び保守料及
び保険料計算を示すフローチャートである。
【図15】図14のフローチャートにおけるKpの値を
算出する動作のフローチャートである。
【図16】図14のフローチャートにおけるKsの値を
算出する動作のフローチャートである。
【図17】図14のフローチャートにおけるKrの値を
算出する動作のフローチャートである。
【図18】本発明の機械設備保守料設定システムの他の
実施の形態を示す構成図である。
【図19】本発明の機械設備保守料設定システムの更に
他の実施の形態を示す構成図である。
【図20】本発明の機械設備保険料設定システムの実施
の形態を示す構成図である。
【図21】本発明の機械設備保守料設定システムにおけ
る保険料Cの設定の考え方を示すグラフである。
【図22】本発明の機械設備保険料設定システムの他の
実施の形態を示す構成図である。
【図23】本発明の機械設備保険料設定システムの更に
他の実施の形態を示す構成図である。
【図24】本発明の機械設備保険料設定システムの別の
実施の形態を示す構成図である。
【図25】機械設備の出力と故障発生率との関係を示す
グラフである。
【図26】機械設備の発停回数と故障発生率との関係を
示すグラフである。
【図27】機械設備の出力変化率と故障発生率との関係
を示すグラフである。
【符号の説明】
1 遠隔監視システム 2 保険管理システム 3 機械設備 4 遠隔監視サーバー 5 機器情報データベース 6 保険料管理サーバー 7 保険情報データベース 8 制御部 9 設備稼働部 10 運用情報データベース 11 保険会社 12 機械設備ユーザー 13 金融仲介局 14 経理サーバー 15 通信回線A 16 通信回線B 17 通信回線C 18 通信回線D 19 通信回線E 20 通信回線F 21 管理担当会社 22 メーカー 23 メーカー遠隔監視システム 24 費用管理システム 25 メーカー遠隔監視サーバー 26 メーカー機器情報データベース 27 費用管理サーバー 28 費用管理データベース 29 通信回線G 30 通信回線H 31 通信回線I 32 通信回線J 33 周波数変換解析システム 34 燃焼振動予測システム 35 通信部 36 第1のメモリ 37 処理制御部 38 内圧変動特性把握部 39 燃焼振動領域推定部 40 データベース 100 圧力センサ 101 A/D変換部 102 周波数解析部 103 判定条件設定部 104 判定処理部 105 結果表示部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野村 真澄 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂研究所内 (72)発明者 田中 克則 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂製作所内

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】機械設備と、前記機械設備において発生が
    予測される異常に対処するための異常検知装置とを備え
    る機械設備ユーザー局と、 を具備し、 前記異常検知装置の異常への対処の内容により前記機械
    設備の保守料が決定される、 機械設備保守料設定システム。
  2. 【請求項2】機械設備と、前記機械設備において発生が
    予測される異常に対処するための異常検知装置とを備え
    る機械設備ユーザー局と、 遠隔監視システムとを備えるメーカー局と、 を具備し、 前記メーカー局が、前記機械設備ユーザー局と前記メー
    カー局との間の前記機械設備に関する保守契約に基づい
    て、前記異常検知装置の異常への対処の内容により前記
    機械設備の基本保守料を決定し、 前記遠隔監視システムが、前記保守契約に基づいて、通
    信回線を通じて前記機械設備から前記機械設備の運用状
    況に関する運用情報を取得し、前記保守契約と前記運用
    情報と前記基本保守料とに基づいて保守料を決定する、 機械設備保守料設定システム。
  3. 【請求項3】金融仲介局を更に具備し、 前記機械設備ユーザー局は、経理サーバーを更に具備
    し、 前記メーカー局は、費用管理サーバーを更に具備し、 前記メーカー局が、前記保守料に基づいて、前記費用管
    理サーバーへ次回保守料支払指示を出力し、 前記費用管理サーバーが、前記次回保守料支払指示に基
    づいて、通信回線を通じて、前記経理サーバーへ前記次
    回保守料の通知を行ない、 前記経理サーバーが、前記通知に応答して、前記金融仲
    介局において、前記メーカー局の口座へ前記次回保守料
    を振り込む、 請求項2に記載の機械設備保守料設定システム。
  4. 【請求項4】前記遠隔監視システムは、 前記機械設備から前記運用情報を取得する遠隔監視サー
    バーと、 前記運用情報と、前記保守契約に基づいて予め設定され
    た前記機械設備の運用条件に関する補正係数と、前記基
    本保守料とを保持する機器情報データベースと、 を具備し、 前記遠隔監視サーバーは、前記運用情報と前記補正係数
    と、前記基本保守料とに基づいて保守料を決定する、 請求項2又は3に記載の機械設備保守料設定システム。
  5. 【請求項5】前記運用条件は、 前記機械設備の出力、発停回数、出力変動率の内の少な
    くとも一つに基づいて設定される、 請求項4に記載の機械設備保守料設定システム。
  6. 【請求項6】前記機械設備は、ガスタービンであり、 前記異常は、燃焼振動である、 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の機械設備保守料
    設定システム。
  7. 【請求項7】前記異常検知装置は、燃焼器の圧力に基づ
    いて、燃焼振動の振動周波数を分析することが可能な周
    波数変換解析システムを具備する、 請求項6に記載の機械設備保守料設定システム。
  8. 【請求項8】前記異常検知装置は、ガスタービンのプラ
    ントデータと大気データとに基づいて、燃焼振動の発生
    しやすい条件を予測することが可能な燃焼振動予測シス
    テムを具備する、 請求項6又は7に記載の機械設備保守料設定システム。
  9. 【請求項9】機械設備と、前記機械設備において発生が
    予測される異常に対処するための異常検知装置とを備え
    る機械設備ユーザー局と、 を具備し、 前記異常検知装置の異常への対処の内容により前記機械
    設備の保険料が決定される、 機械設備保険料設定システム。
  10. 【請求項10】機械設備と、前記機械設備において発生
    が予測される異常に対処するための異常検知装置とを備
    える機械設備ユーザー局と、 遠隔監視システムとを備える保険会社局と、 を具備し、 前記保険会社局が、前記機械設備ユーザー局と前記保険
    会社局との間の前記機械設備に関する保険契約に基づい
    て、前記異常検知装置の異常への対処の内容により前記
    機械設備の基本保険料を決定し、 前記遠隔監視システムが、前記保険契約に基づいて、通
    信回線を通じて前記機械設備から前記機械設備の運用状
    況に関する運用情報を取得し、前記保険契約と前記運用
    情報と前記基本保険料とに基づいて保険料を決定する、 機械設備保険料設定システム。
  11. 【請求項11】金融仲介局を更に具備し、 前記機械設備ユーザー局は、経理サーバーを更に具備
    し、 前記保険会社局は、保険料管理サーバーを更に具備し、 前記保険会社局が、前記保険料に基づいて、前記保険料
    管理サーバーへ次回保険料支払指示を出力し、 前記保険料管理サーバーが、前記次回保険料支払指示に
    基づいて、通信回線を通じて、前記経理サーバーへ前記
    次回保険料の通知を行ない、 前記経理サーバーが、前記通知に応答して、前記金融仲
    介局において、前記メーカー局の口座へ前記次回保険料
    を振り込む、 請求項10に記載の機械設備保険料設定システム。
  12. 【請求項12】前記遠隔監視システムは、 前記機械設備から前記運用情報を取得する遠隔監視サー
    バーと、 前記運用情報と、前記保険契約に基づいて予め設定され
    た前記機械設備の運用条件に関する補正係数と、前記基
    本保険料とを保持する機器情報データベースと、 を具備し、 前記遠隔監視サーバーは、前記運用情報と前記補正係数
    と、前記基本保険料とに基づいて保険料を決定し、前記
    次回保険料支払指示を前記保険料管理サーバーへ出力す
    る、 請求項10又は11に記載の機械設備保険料設定システ
    ム。
  13. 【請求項13】前記運用条件は、 前記機械設備の出力、発停回数、出力変動率の内の少な
    くとも一つに基づいて設定される、 請求項12に記載の機械設備保険料設定システム。
  14. 【請求項14】前記機械設備は、ガスタービンであり、 前記異常は、燃焼振動である、 請求項9乃至13のいずれか一項に記載の機械設備保険
    料設定システム。
  15. 【請求項15】前記異常検知装置は、燃焼器の圧力に基
    づいて、燃焼振動の振動周波数を分析することが可能な
    周波数変換解析システムを具備する、 請求項14に記載の機械設備保険料設定システム。
  16. 【請求項16】前記異常検知装置は、ガスタービンのプ
    ラントデータと大気データとに基づいて、燃焼振動の発
    生しやすい条件を予測することが可能な燃焼振動予測シ
    ステムを具備する、 請求項14又は15に記載の機械設備保険料設定システ
    ム。
  17. 【請求項17】機械設備ユーザー局とメーカー局との間
    の前記機械設備に関する保守契約に基づいて、前記機械
    設備の異常に対処する異常検知装置の異常への対処の内
    容により前記機械設備の基本保守料を決定するステップ
    と、 前記メーカー局が、前記保守契約に基づいて、通信回線
    を通じて前記機械設備から前記機械設備の運用状況に関
    する運用情報を取得するステップと、 前記メーカー局が、前記保守契約と前記運用情報と前記
    基本保守料とに基づいて次回の保守料を決定するステッ
    プと、 を具備する、 機械設備保守料設定方法。
  18. 【請求項18】前記メーカー局が、決定された前記次回
    の保守料に基づいて、次回保守料支払指示を出力するス
    テップと、 前記メーカー局が、前記次回保守料支払指示に基づい
    て、通信回線を通じて、前記機械設備ユーザー局へ前記
    次回の保守料の通知を行なうステップと、 前記機械設備ユーザー局が、前記通知に応答して、前記
    次回の保守料の支払処理を行うステップと、 を更に具備する、 請求項17に記載の機械設備保守料設定方法。
  19. 【請求項19】機械設備ユーザー局と保険会社局との間
    の前記機械設備に関する保険契約に基づいて、前記機械
    設備の異常に対処する異常検知装置の異常への対処の内
    容により前記機械設備の基本保険料を決定するステップ
    と、 前記保険会社局が、前記保険契約に基づいて、通信回線
    を通じて前記機械設備から前記機械設備の運用状況に関
    する運用情報を取得するステップと、 前記保険会社局が、前記保険契約と前記運用情報と前記
    基本保険料とに基づいて次回の保険料を決定するステッ
    プと、 前記保険会社局が、決定された前記次回の保険料に基づ
    いて、次回保険料支払指示を出力するステップと、 前記保険会社局が、前記次回保険料支払指示に基づい
    て、通信回線を通じて、前記機械設備ユーザー局へ前記
    次回の保険料の通知を行なうステップと、 前記機械設備ユーザー局が、前記通知に応答して、前記
    次回の保険料の支払処理を行うステップと、 を具備する機械設備保険料設定方法。
  20. 【請求項20】機械設備ユーザー局とメーカー局との間
    の機械設備に関する保守契約に基づいて、通信回線を通
    じて前記機械設備から前記機械設備の運用状況に関する
    運用情報を取得するステップと、 前記機械設備の異常に対処する異常検知装置の異常への
    対処の内容により決定される前記機械設備の基本保守料
    と前記保守契約と前記運用情報とに基づいて次回の保守
    料を決定するステップと、 を実行するためのプログラム。
  21. 【請求項21】機械設備ユーザー局と保険会社局との間
    の機械設備に関する保険契約に基づいて、通信回線を通
    じて前記機械設備から前記機械設備の運用状況に関する
    運用情報を取得するステップと、 前記機械設備の異常に対処する異常検知装置の異常への
    対処の内容により決定される前記機械設備の基本保険料
    と前記保険契約と前記運用情報とに基づいて次回の保険
    料を決定するステップと、 通信回線を通じて、前記次回の保険料の通知を行なうス
    テップと、 を実行するためのプログラム。
JP2001094229A 2001-03-28 2001-03-28 機械設備保守料設定システム及び機械設備保険料設定システム Pending JP2002297803A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001094229A JP2002297803A (ja) 2001-03-28 2001-03-28 機械設備保守料設定システム及び機械設備保険料設定システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001094229A JP2002297803A (ja) 2001-03-28 2001-03-28 機械設備保守料設定システム及び機械設備保険料設定システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002297803A true JP2002297803A (ja) 2002-10-11

Family

ID=18948459

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001094229A Pending JP2002297803A (ja) 2001-03-28 2001-03-28 機械設備保守料設定システム及び機械設備保険料設定システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002297803A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005301909A (ja) * 2004-04-15 2005-10-27 Toshiba Corp 発電設備運用管理支援システム、その運用管理支援方法およびその運用管理支援方法をコンピュータに実行させるプログラム
US7698011B2 (en) 2006-10-27 2010-04-13 Omron Corporation Operating condition monitoring apparatus, method for monitoring operating condition and program
JP2011127528A (ja) * 2009-12-18 2011-06-30 Tokyo Electric Power Co Inc:The 空気圧縮機の監視装置
US8069077B2 (en) 2003-06-11 2011-11-29 Kabushiki Kaisha Toshiba Electric-power-generating-facility operation management support system, electric-power-generating-facility operation management support method, and program for executing support method, and program for executing operation management support method on computer
WO2013038785A1 (ja) * 2011-09-14 2013-03-21 株式会社日立製作所 保守計画システム、保守計画システムサーバ、及び保守計画システムクライアント端末
JP2017054161A (ja) * 2015-09-07 2017-03-16 日本電信電話株式会社 査定装置、査定方法、および査定プログラム
WO2021117987A1 (ko) * 2019-12-13 2021-06-17 엘에스일렉트릭 주식회사 배전반의 화재 보험료 할인율 산정 장치

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8069077B2 (en) 2003-06-11 2011-11-29 Kabushiki Kaisha Toshiba Electric-power-generating-facility operation management support system, electric-power-generating-facility operation management support method, and program for executing support method, and program for executing operation management support method on computer
US8219439B2 (en) 2003-06-11 2012-07-10 Kabushiki Kaisha Toshiba Electric-power-generating-facility operation management support system, electric-power-generating-facility operation management support method, and program for executing operation management support method on computer
JP2005301909A (ja) * 2004-04-15 2005-10-27 Toshiba Corp 発電設備運用管理支援システム、その運用管理支援方法およびその運用管理支援方法をコンピュータに実行させるプログラム
US7698011B2 (en) 2006-10-27 2010-04-13 Omron Corporation Operating condition monitoring apparatus, method for monitoring operating condition and program
JP2011127528A (ja) * 2009-12-18 2011-06-30 Tokyo Electric Power Co Inc:The 空気圧縮機の監視装置
WO2013038785A1 (ja) * 2011-09-14 2013-03-21 株式会社日立製作所 保守計画システム、保守計画システムサーバ、及び保守計画システムクライアント端末
JP2017054161A (ja) * 2015-09-07 2017-03-16 日本電信電話株式会社 査定装置、査定方法、および査定プログラム
WO2021117987A1 (ko) * 2019-12-13 2021-06-17 엘에스일렉트릭 주식회사 배전반의 화재 보험료 할인율 산정 장치

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6598872B2 (ja) プロセスモデルを調整するためのシステムおよび方法
US10287988B2 (en) Methods and systems for enhancing operation of power plant generating units and systems
US9477224B2 (en) Physics-based lifespan modeling
US8417595B2 (en) Economic calculations in a process control system
EP2433260B1 (en) Online condition-based monitoring for tank farms
US6587754B2 (en) System and methods for remote management of steam generating systems
US6732055B2 (en) Methods and systems for energy and emissions monitoring
CN104272207A (zh) 用于实时燃气涡轮性能报告的方法和系统
JP6706693B2 (ja) 保全管理システム及びそれに用いる保全管理確認装置
CN102054218A (zh) 涡轮机运行退化确定系统和方法
JP2015064877A (ja) 契約のサービス合意に関連するリスクを評価するためのシステムおよび方法
JP3742310B2 (ja) 発電設備の保守支援システム
Motegi et al. Web-based energy information systems for energy management and demand response in commercial buildings
US7130804B2 (en) Method of supporting sales and maintenance of steam traps and aggregating system for use in the method
CN116822967A (zh) 一种工程项目造价风险管理方法及管理系统
JP2002297803A (ja) 機械設備保守料設定システム及び機械設備保険料設定システム
JP2010231375A (ja) 部品需要予測方法、部品需要予測システム
US20020019762A1 (en) Electric power demand prediction method and system therefor
WO2012114481A1 (ja) 部品出荷数予測システム、及びプログラム
JP2002291156A (ja) 発電量計画立案方法及び発電量計画提供サービス
Röser More certainty in uncertainty: A special life-cycle approach for management decisions in volatile markets
JP2002288435A (ja) 機械設備保守料設定システム及び機械設備保険料設定システム
JP2003178118A (ja) 上下水道維持管理システム及びコンピュータ・ソフトウエア
JP2007109070A (ja) プラントの寿命診断・保守管理システム
Niwas et al. A bi-objective inspection policy for a repairable engineering system with failure free warranty

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070223

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090622

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090630

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20091109