JP2002296681A - 大型光学シート及びその製造方法並びに製造装置 - Google Patents

大型光学シート及びその製造方法並びに製造装置

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JP2002296681A
JP2002296681A JP2001164076A JP2001164076A JP2002296681A JP 2002296681 A JP2002296681 A JP 2002296681A JP 2001164076 A JP2001164076 A JP 2001164076A JP 2001164076 A JP2001164076 A JP 2001164076A JP 2002296681 A JP2002296681 A JP 2002296681A
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optical sheet
adhesive
optical
face
sheets
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JP2001164076A
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English (en)
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Atsushi Goto
篤史 後藤
Naohito Shiga
直仁 志賀
Kunihisa Koo
邦寿 小尾
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接合する光学シートの端面の厚さがばらつい
ていても接合部位が目立たない大型光学シートとする。 【解決手段】 同一の光学パターン1a、11aを有し
た複数の光学シート1,11の各端面2,12を突き当
てた状態で接着剤3によって接合する。接着剤3が光学
シート1,12の端面2,12の角部2a、12aを覆
っている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、同一の光学パター
ンを有した複数の光学シートを接合することにより得ら
れる大型光学シート及びその製造装置並びに製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、大型の映像表示装置が求められて
おり、プロジェクションテレビ等に使用されている透過
型スクリーンであるレンチキュラースクリーンを大型化
する技術が開発されている。しかし、現在の技術では、
レンチキュラースクリーンは100インチ以上の大きな
スクリーンを作製することは困難であり、しかもコスト
が高くなるので、数枚のスクリーンを並列に接合するこ
とにより大型化している。例えば、実開昭58−144
30号、実開昭64−23042号では、少なくとも一
方の面にレンチキュラーが形成されているスクリーンを
相互に突き合わせ、その間に接着剤を注入して接合する
ことにより一体化して大型スクリーンとすることが記載
されている。
【0003】このような大型光学シートを製造する従来
の方法として、特開平6−342187号には、複数の
スクリーンを他の接着樹脂層を介在させることなく相互
の接着により接合することが記載されている。この方法
は、トルエン、キシレン等の溶剤によってスクリーンの
基材を溶解することによって、スクリーンの端面を相互
に接合するものである。
【0004】また、特公平8−10314号には、複数
のスクリーンの切断面を突き合わせて接合するのに際
し、突き合わされているスクリーンの切断面を、スクリ
ーンの他方の面に補助テープを貼り付けることによって
仮止めした状態で、切断面を覆うように水溶性接着剤を
スクリーンの一方の面側に塗布した後、切断面の間に瞬
間接着剤を注入してスクリーンを接合し、その後、補助
テープ及び水溶性接着剤を除去することが記載されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上のようにして作製
されるスクリーンからなる大型光学シートでは、スクリ
ーンが接着層で段差なく接合されていること、接着層に
空気が混入しないこと及び接着が強固になされているこ
とが要求される。
【0006】しかしながら、特開平6−342187号
に記載されている溶剤を用いた接合では、溶剤の粘性が
低く揮発性を有しているため、スクリーンの接合作業が
困難となっている。すなわち、予めスクリーンの端面に
溶剤を塗布しておき、その後、端面を相互に突き当てて
接着することは難しく、スクリーンの接合を行うには高
度の技術を要している。そのため、溶剤を用いる接合で
は、十分な接着強度を得ることが難しいものとなってい
る。また、スクリーンの基材を溶解して接合するため、
溶解物がレンズ面にはみ出した場合には、光学シートと
しての特性が劣化し、さらに、接合部位に空気が混入す
る不具合が起こり易い問題を有している。
【0007】特公平8−10314号に記載されている
スクリーンの製造方法では、突き合わせて接合するスク
リーンの切断面の厚さが同一であれば継ぎ目が目立たな
いため、映像への影響を小さくすることができるが、ス
クリーンの切断面の厚さを同一にすることは通常では難
しく、少なからず段差ができるため、この段差によって
不必要な瞬間接着剤のはみだしが発生し、却って継ぎ目
が目立つ問題がある。
【0008】本発明はこのような従来の問題点を考慮し
てなされたものであり、接合する光学シート(スクリー
ン)の切断面の厚さがばらついていても接合部位が目立
つことなく、しかも十分な接着強度を備えた大型光学シ
ートを提供することを目的とする。また、本発明は、用
いる光学シートの品質を損なうことなく、しかも接合用
の接着剤を容易に塗布することが可能な大型光学シート
を提供することを目的とする。さらに、本発明は、これ
らの大型光学シートを生産性良く製造できる製造方法及
び製造装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明の大型光学シートは、同一の光学パ
ターンを有した複数の光学シートの各端面を突き当てた
状態で接着剤によって接合した大型光学シートにおい
て、前記接着剤が光学シートの端面の角部を覆っている
ことを特徴とする。
【0010】この発明では、接着剤が光学シートの端面
の角部を覆っているため、角部が露出することがなく、
角部での光の反射がなくなる。このため、光学シートの
端面(切断面)の厚さがばらついていても、接合部位が
目立つことがない。
【0011】請求項2の発明は、請求項1記載の大型光
学シートであって、前記接着剤は塗布時の粘度が100
〜1000mPa・sであり、かつ硬化後の硬度がショ
アD50〜95であることを特徴とする。
【0012】このように塗布時の粘度が100〜100
0mPa・sの粘度を有している接着剤は、光学シート
の端面の全体に均一に塗布することができるため、接着
強度を端面の全体で均一とすることができる。また、硬
化後の硬度がショアD50〜95を有している接着剤
は、十分な引張り強度及び十分な曲げ強度を有してい
る。これらにより、請求項2の接着剤では、十分な接着
強度で光学シートを接合することができる。
【0013】請求項3の発明の大型光学シートは、同一
の光学パターンを有した複数の光学シートの各端面を接
合した大型光学シートにおいて、前記光学シートの端面
が前記光学パターンに沿って切断されており、切断され
た端面を突き当てた状態で接着剤により接合されている
ことを特徴とする。
【0014】この発明では、光学シートが有している光
学パターンに沿って端面が切断されることにより、端面
が光学パターンと同様のパターンとなる。従って、この
端面を突き合わせて光学シートを接合した大型光学シー
トでは、光学シートの光学パターンが崩れることがな
い。これにより、光学シートの品質を損なうことがない
大型光学シートとなる。また、端面が光学パターンと同
様のパターンとなっていことから、接着剤の塗布も容易
となる。
【0015】請求項4の発明は、請求項3記載の大型光
学シートであって、前記接着剤の粘度が10〜5000
mPa・sであることを特徴とする。
【0016】このような粘度を有している接着剤は、光
学シートの端面に塗布しても、流れ落ちることがないた
め、光学シートの接合を容易に行うことができる。
【0017】請求項5の発明は、請求項2または4記載
の大型光学シートであって、前記接着剤が光硬化性接着
剤であることを特徴とする。
【0018】光硬化性接着剤は、光照射によって全体が
均一に硬化するため、光学シートの接着強度を保持する
ことができ、しかも接着の作業性が向上する。
【0019】請求項6の発明の大型光学シートの製造方
法は、請求項1記載の大型光学シートを製造する方法で
あって、同一の光学パターンを有した複数の光学シート
の端面が突き合うように光学シートの端面を観察しなが
ら光学シートの位置決めを行う工程と、接着剤が光学シ
ートの端面の角部を覆うように塗布する工程と、光学シ
ートの端面を突き当てた後、端面の突き当て状態に対し
てエネルギーを照射して接着剤を硬化する工程とを備え
ていることを特徴とする。
【0020】この発明では、光学シートの端面を観察し
ながら光学シートの位置決めを行うため、光学シートの
端面の段差を小さくすることができる。このため、光学
シートを高精度に接合することができる。
【0021】請求項7の発明は、請求項6記載の大型光
学シートの製造方法であって、前記光学シートの端面の
突き合わせは、光学シートの端面の段差が、光学シート
の光学パターンの最大振幅と最小振幅との差の半分以下
となるように行うことを特徴とする。
【0022】このように光学シートの端面の段差を調整
することにより、光の反射を制御することができるた
め、端面の接合部位が目立つことのない大型光学シート
とすることができる。
【0023】請求項8の発明の大型光学シートの製造方
法は、請求項3記載の大型光学シートを製造する方法で
あって、前記光学シートの端面を前記光学パターンに沿
って切断する工程と、切断された端面に接着剤を塗布し
て複数の光学シートの端面を突き当てる工程と、端面の
突き当て状態に対してエネルギーを照射して接着剤を硬
化する工程とを備えていることを特徴とする。
【0024】この発明では、光学シートの端面を光学パ
ターンに沿って切断することにより、光学シートの端面
を光学パターンと同様のパターンとすることができる。
従って、この端面を突き合わせて光学シートを接合する
ことにより大型光学シートを作製した場合、光学シート
の光学パターンが崩れることがない。これにより、光学
シートの品質を損なうことがない大型光学シートとする
ことができる。
【0025】請求項9の発明の大型光学シートの製造装
置は、同一の光学パターンを有した少なくとも2枚の光
学シートを保持し、保持した光学シートの各端面を突き
合わせ且つ突き当たるように作動する保持台と、光学シ
ートの端面の接合部位の全体を観察する観察手段と、突
き合っている光学シートの端面に対して接着剤を塗布す
る接着剤塗布手段と、光学シートの端面が突き当てられ
た状態に対し、エネルギーを照射して接着剤を硬化する
接着剤硬化手段とを備えていることを特徴とする。
【0026】この発明では、観察手段によって光学シー
トの端面の突き合わせ状態を観察しながら、保持台によ
って光学シートの端面を突き合わせ、その後、端面を突
き当てるため、段差を小さくした状態で端面を突き当て
ることができる。従って、光学シートを高精度に接合す
ることができる。
【0027】また、観察手段によって光学シートの端面
の角部を観察しながら接着剤塗布手段を制御することに
より、光学シートの端面の角部を覆うように接着剤の塗
布を行うことができる。従って、角部が露出することが
なく、角部での光の反射がなくなるため、光学シートの
端面の厚さがばらついていても、接合部位が目立つこと
がなくなる。
【0028】なお、本発明において、光学シートの「突
き合わせ」は、端面が対向するように所定の隙間を有し
て光学シートを位置合わせすることであり、光学シート
の「突き当て」は、突き合わされた光学シートの端面を
さらに接近させて当接させることを指している。
【0029】請求項10の発明は、請求項9記載の大型
光学シートの製造装置であって、前記接着剤硬化手段
は、光照射または熱照射によって接着剤を硬化すること
を特徴とする。
【0030】このように光照射、熱照射のいずれであっ
ても、接着剤を良好に硬化することができ、光学シート
の接合を行うことができる。
【0031】
【発明の実施の形態】[実施の形態1]この実施の形態
では、接着剤が光学シートの端面の角部を覆うように施
して大型光学シートとするものであり、請求項1、2、
5、6、7、9及び10に対応している。
【0032】図1は、この実施の形態の大型光学シート
4を示し、2枚の光学シート1,11が並列に接合され
ることにより構成されている。光学シート1,11は同
一の光学パターン1a、11aを有している。この実施
の形態の光学パターン1a、11aは、所定のピッチで
シートの幅方向(図1の左右方向)に沿って周期的に繰
り返される円弧からなっており、この光学パターン1
a、11aが各シート1,11の表裏面に形成されてい
る。光学パターンはこれに限定されるものではなく、図
3(a)〜(c)で示すように所定の形状で周期的に繰
り返されるものであれば良く、また、少なくとも光学シ
ートの片面に設けられていれば良いものである。このよ
うな光学パターンを有する光学シートは、例えば、樹脂
の押し出し成形によって成形されるものである。
【0033】光学シート1,11は、その面方向と直交
する方向に切断されており、光学パターン1a、11a
の直進性が略等しくなるように並列に接合される。光学
シート1,11の接合は、その端面(切断面)2,12
を突き当てると共に、端面2,12に接着剤3を充填し
硬化することにより行う。なお、切断面2,12は切断
後のバリの除去と面粗さの調整とを行うため、研磨され
るものである。
【0034】光学シート1,11の材質としては、アク
リル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、
非晶性ポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレー
ト樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂などの可視光
領域で透明な樹脂を用いることができる。この内、環境
による光学シートの変形を抑制する必要がある場合に
は、ポリスチレン樹脂、非晶性ポリオレフィン樹脂、ポ
リエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタ
レート樹脂が良好である。また、接着性や強度、技術的
な難易度の観点からは、アクリル樹脂、ポリカーボネー
ト樹脂が良好である。
【0035】接着剤3としては、エポキシ系、アクリル
系、エン・チオール系、ウレタン系、ポリエステル系等
から選択することができるが、作業性の観点からは熱硬
化タイプのものより光硬化タイプのものが良い。また接
着剤3としては、光学シート1,11への塗布時におけ
る粘度が100〜1000mPa・sの範囲のものが良
い。より好ましくは200〜400mPa・sの範囲の
ものが良好である。塗布時の粘度が100mPa・sよ
り低い場合は切断面2,12の全面に均一に塗布するこ
とが難しくなり、逆に粘度が1000mPa・sより大
きい場合は切断面2,12に多量に塗布されて、レベリ
ングし難くなり、接合部が目立つ問題が発生する。
【0036】さらに、接着剤3としては、硬化後の硬度
がショアD50〜95の範囲のものが良く、より好まし
くはショアD60〜75の範囲のものが良好である。硬
度がショアD50より小さいと、柔らかいために接合部
位の引っ張り強度を十分に得ることができず、逆に硬度
がショアD95より大きい場合は、硬過ぎるために接合
部位が脆くなって十分な曲げ強度が得られないためであ
る。
【0037】塗布した接着剤3の硬化は、用いている接
着剤に最適な手段を選択する。例えば、紫外線硬化タイ
プに接着剤の場合には、波長250〜380nm紫外線
を、可視光硬化タイプの場合には、波長360〜600
nm可視光を照射する。照射の際には、接着剤3の塗布
部位の全面を同時に、あるいは一部ごとに順次行う。接
着剤3が熱硬化タイプの場合には、塗布部位の全面を同
時あるいは一部ごとに順次60〜120℃程度に加熱し
て硬化させる。この接着剤3の硬化時には、端面2,1
2が突き当たっている光学シート1,11が不用意に移
動しないように固定して行う。
【0038】接着剤3として光硬化性接着剤を用いる場
合には、光学シート1,11の屈折率との差が±0.0
5の範囲の屈折率を有し、且つ厚さ1.0mmでの可視
光透過率が80%以上のものが良好である。このような
特性を有することにより、接着剤が光学シートと略等し
い光学性能となり、接合部位に良好に光が透過すると共
に、接合部位での光の反射が少なくなり、接合部位が目
立つことがなくなる。なお、大型光学シート4の接合部
位には可視光を透過しない部分が存在しないことが良好
である。
【0039】図2は大型光学シート4の製造工程を示
す。端面(切断面)2,12が相互に突き合わせられる
ように光学シート1,11の位置決めを行う工程(図2
(a)、(b))と、突き合っている端面2,12の双
方または一方に対し接着剤塗布手段5によって接着剤3
を塗布する工程(同図(c))とを有している。この接
着剤の塗布工程では、後述するように端面2,12の角
部を覆うように接着剤を塗布するものである。
【0040】接着剤の塗布工程の後には、突き合ってい
る光学シート1,11の端面2,12を相互に突き当て
る工程(同図(d))が行われ、その後、接着剤硬化手
段6からエネルギーを照射して接着剤3を硬化する工程
(同図(e))が行われる。そして、必要に応じてタッ
ク部分7を除去する工程(同図(f))を行い、最終的
に大型光学シート4を得る(同図(g))。
【0041】図3(a)は、光学シート1,11の位置
決めを行う工程の詳細を示している。光学シート1,1
1の位置決めは、光学シート1,1の間で段差13がで
きないように端面2,12を突き合わせること(段差1
3が「0」)が理想的であるが、光学シートの製造のバ
ラツキがあるため、段差13が「0」を全ての接合部位
について実現することは難しい。
【0042】この実施の形態では、光学シート1,11
の光学パターン1a、11aにおける段差13の寸法L
3と、最大振幅14の寸法L1と、最小振幅15の寸法
L2関係を(L1−L2)/2>L3 を満たすように
設定するものである。すなわち、端面2,12の段差1
3が、光学パターン1a、11aの最大振幅14と最小
振幅15との差の半分以下となるように光学シート1,
11の端面2,12の突き合わせを行うものである。こ
の場合、より好ましくは (L1−L2)/20>L3
が良好である。このように段差13の寸法を調節するこ
とにより、光の反射を制御することができ、接合部位が
目立ちにくい大型光学シート4とすることができる。
【0043】以上の寸法関係は、他の光学パターンであ
っても同様に適用されるものである。例えば、図3
(b)では、三角形の所定ピッチでの周期的な繰り返し
からなる光学パターン1a、11aが一方の面に形成さ
れ、他方の面は平坦なパターン1b、11bとなってお
り、同図(c)では、円弧と矩形とからなるパターンが
繰り返された光学パターン1a、11aとなっており、
この光学パターン1a、11aが表裏両面に形成されて
いる。これらの場合にも、端面2,12の段差13が、
光学パターン1a、11aの最大振幅14と最小振幅1
5との差の半分以下となるように光学シート1,11の
端面2,12の突き合わせを行うことにより、光の反射
を制御することができ、接合部位が目立ちにくい大型光
学シート4とすることができる。
【0044】図4は、図2(c)の接着剤塗布工程を示
す。この工程の前において、光学シート1,11は端面
2,12が突き合わされており、突き合わされている端
面2,12に対してシリンジ等の接着剤塗布手段5が接
着剤3を塗布する。
【0045】図4(a)に示す塗布では、一方の光学シ
ート1の端面2(切断面2)に対してだけ接着剤3を塗
布している。この塗布方法は塗布時間が短くてすみ、接
合時間の短縮ができる利点がある。この方法の場合は接
着剤3の粘度が300mPa・s以上であることが望ま
しい。
【0046】図4(b)は双方の光学シート1,11の
それぞれの端面2,12に対して接着剤3を塗布してい
る。この塗布方法では、双方の端面2,12が接着剤3
で完全に濡れた状態となって光学シート1,11を突き
当てるので、接着剤3が塗布されない部分が発生しな
い。このため、良好な品質のものを作製できる利点があ
る。
【0047】図4(c)は、光学シート1の端面2と光
学シート11の端面12とをゆっくりと接近させること
により、これらの間に微小な隙間を形成し、その後、カ
メラ(図示省略)等からの映像を見ながら隙間に接着剤
3を均一に注入している。この塗布方法は、粘度が10
0〜200mPa・s程度の接着剤に対して効果的であ
る。なお、以上の(a)〜(c)のいずれの方法を採用
するかは、用いる接着剤の粘度や硬化の方法から適宜選
択するものである。
【0048】以上の接着剤3の塗布量は、光学シート
1,11を接合したときに、端面(切断面)2,12の
角部を覆うのに十分な量を用いるものであり、より好ま
しくは均一に塗布する。このため、接着剤塗布手段5の
移動を自動で行い、移動速度を一定に保つことによって
塗布量を制御することが好ましい。
【0049】図5は接着剤3の塗布状態の良否を示す。
図5(a)では、接合される端面2,12の角部2a、
12aを接着剤3が覆っておらず、角部2a、12aが
露出している。このような大型光学シートの場合には、
露出した角部2a、12aで光が反射する。このため、
接合部位が黒い筋となって目立ち、欠陥品となる。
【0050】一方、図5(b)では、端面2,12の角
部2a、12aを接着剤3が完全に覆っており、角部2
a、12aが露出していない。このような大型光学シー
トでは、接合部位での光の反射がなくなるため、光学シ
ート1,11の端面(切断面)2,12の厚さがばらつ
いていても接合部位が目立つことがなくなる。これによ
り、良好な大型光学シートとすることができる。
【0051】図6及び図7は、光学シート1,11を接
合して大型光学シートを作製する製造装置の一実施の形
態を示す。
【0052】切断された光学シートを保持する保持台2
0は、一方の光学シート1を保持する可動プレート21
と、他方の光学シート11を保持する固定プレート22
とからなっている。可動プレート21及び固定プレート
22は、端面2,12が対向するように光学シート1,
11を保持するものである。可動プレート21はXYZ
方向に移動可能であり、この移動によって光学シート1
を固定プレート22に保持されている光学シート11に
段差なくかつ平行に突き合わせることが可能となってい
る。なお、固定プレート22を可動プレート21と同様
にXYZ方向に移動可能として、一対の可動プレートに
よって保持台20を構成しても良い。
【0053】可動プレート21及び固定プレート22の
上部には、光学シート1,11を各プレート21,22
に押さえ付けて動かないようにする押さえ治具23,2
4が設けられている。
【0054】また、固定プレート22の上方には、スラ
イドレール25が配置されている。スライドレール25
は光学シート1,11の長さ方向に沿って配置されてお
り、接着ユニット26が走行可能に取り付けられてい
る。
【0055】接着ユニット26には、接着ユニットカメ
ラ27,シリンジ28及び必要に応じて接着剤硬化装置
(接着剤硬化手段)29が収容されている。接着ユニッ
トカメラ27を備えていることにより、接着ユニット2
6がスライドレール25に沿って移動する際に、光学シ
ート1,11の端面2,12の状況観察、接着剤3の塗
布及び硬化状態の観察が可能となっている。
【0056】シリンジ28は接着剤塗布手段を構成する
ものであり、その内部には接合に用いる接着剤が収容さ
れている。このシリンジ28は、任意の塗布量を正確に
吐出できるようになっている。この場合、温度調節機構
(図示省略)を設けることにより、接着剤の塗布量制御
をさらに正確に行うことができる。
【0057】固定プレート22の長手方向における両端
部分には、断面観察用カメラ30,31が配置されてい
る。断面観察用カメラ30,31は光学シート1,11
の端面2,12を横から撮影することが可能となってい
る。そして、断面観察用カメラ30,31及び上述した
接着ユニットカメラ27は、モニター32に接続され、
光学シート1,11における接合部位の全体を観察でき
るようになっている。従って、断面観察用カメラ30,
31、接着ユニットカメラ27及びモニター32が、光
学シート1,11の接合部位を観察する観察手段となっ
ている。
【0058】以上の製造装置においては、切断装置によ
って切断された光学シート11を固定プレート22に載
置し、押さえ治具24で固定する。同様に切断された光
学シート1を可動プレート21に載置し、押さえ治具2
3で固定する。その後、接着ユニット26をスライドレ
ール25に沿って移動させて、接着ユニットカメラ27
の映像によって、切断面(端面)2,12にバリやゴミ
がないことを確認する。
【0059】このとき、光学シート1,11を突き合わ
せたときに生じる切断面2,12の段差の制御を行う。
まず固定プレート22上の光学シート11の切断面12
を基準として、可動プレート21をXYZ方向に移動さ
せ、光学シート1,11の切断面2,12相互の段差が
なるべく小さくなるように大まかな位置を調整する。こ
の調整の後、断面観察用カメラ30,31による映像を
見ながら微妙な調整を行う。
【0060】この調整の後、接着ユニット26を移動さ
せながらシリンジ28から接着剤を吐出させ、光学シー
ト1の切断面2または光学シート11の切断面12ある
いは切断面2,12の両方に接着剤を均一に塗布する。
【0061】次に、接着ユニットカメラ27からの映像
をモニター32で観察しながら、可動プレート21を移
動させて保持されている光学シート1の切断面2と固定
プレート22上の光学シート11の切断面12とをゆっ
くりと突き当てる。この場合、固定プレート22を移動
可能とした場合は、片方のプレートあるいは両方のプレ
ートを移動させて位置合わせを行い、光学シート1,1
1を突き当てる。
【0062】その後、接着ユニット26を走行させなが
ら、接着剤硬化装置29によって接着剤の硬化を行う。
そして、スライドレール25に沿って接着ユニット26
を走行させて、接着ユニットカメラ27によって接合部
位の端面の角部を覆っている接着剤の形状、気泡の巻き
込みの有無など接合部位の接合状況を確認する。また、
ゴミの付着を防止するために、光学シートに影響を与え
ない有機溶剤などを用いて接合部の接着剤表面のタック
成分を軽く拭き取ることを行っても良い。最後に、光学
シート1及び11をそれぞれ可動プレート21及び固定
プレート22から取り外して大型光学シート4を得る。
【0063】以下、この実施の形態における具体的な実
施例を実施例1〜3により説明する。
【0064】(実施例1)この実施例1では、図6及び
図7に示す製造装置を用いて大型光学シートを製造する
ものである。この場合、接着剤硬化装置29としては、
光照射装置を用いている。この光照射装置29は、18
cm程度の長方形のスリット部を有した照射分布の小さ
なライトガイドから構成されている。
【0065】アクリル樹脂からなり、裏表両面にレンチ
キュラーパターンを有し、予め切断装置によって端面
2,12が切断されている光学シート1,11を用い
た。また、光学シート1,11の切断面2,12は部分
的に厚さがずれている。
【0066】固定プレート22上に光学シート11を押
さえ部材24によって固定し、同様に可動プレート21
にも光学シート1を押さえ部材23によって固定した
後、可動プレート21を移動させて光学シート1の切断
面2を固定プレート22上の光学シート11の切断面1
2に近づけて端面2,12の位置を決めた。
【0067】そして、可動プレート21と固定プレート
22上の2枚の光学シート1,11を一旦離し、固定プ
レート22側の光学シート11の切断面12に対し、塗
布時の粘度が300mPa・sの可視光硬化性接着剤を
シリンジ28から均一に塗布した。この接着剤の硬化後
の硬度はショアD64である。
【0068】接着剤を塗布した後に、双方の光学シート
1,11の切断面2及び12を突き当てた。そして、接
着剤に対して波長400〜550nmの可視光を照射し
て接着剤の硬化を行った。接着剤の硬化は、ライトガイ
ドをスライドレール25上を順次移動させて照射し、2
000mJ/cmを超えるエネルギーが照射されるよ
うに設定した。
【0069】その後、接着ユニットカメラ27をスライ
ドレール25上を走行させ、接合部位の接合状況を確認
した。表面にタックを有する部分が存在したので、エタ
ノールを含浸させたクリーンペーパーで拭き取りを行っ
た。このようにして接合した大型光学シートの接合部位
では、端面2,12の角部が接着剤で覆われた状態とな
っていた。
【0070】以上によって得られた大型光学シートに、
拡散板を組み合わせ、後ろから光を当てて接合部位にお
ける接合状態を調べた。その結果、接合する光学シート
の切断面の厚さがばらついていた部分でも接合部位が目
立たないことおよび接着剤による光の散乱は認知されな
いことが確認された。
【0071】また、この実施例では、可視光硬化型接着
剤を用いているため、光学シート1,11の材料に紫外
線吸収剤を含む場合でも短時間で良好な硬化が可能とな
っている。また可視光を照射しない限り接着剤の硬化が
始まらないため、光学シート1,11の位置合わせを時
間に追われることなく行うことができるばかりでなく、
光学シート1,11の位置合わせが終了した後に可視光
の照射を行うことにより短時間で硬化させることができ
るため、これらにより作業性が向上する。
【0072】(実施例2)実施例2では、実施例1と同
じ製造装置及び光学シートを用いた。また、光学シート
1,11の固定及び位置合わせは、実施例1と同様の方
法で行った。接着剤としては、塗布時の粘度が200m
Pa・sの紫外線硬化型接着剤を使用した。この接着剤
の硬化後の硬度はショアD60である。接着剤の塗布
は、図4(c)で示す方法を採用した。すなわち、2枚
の光学シート1,11を1mmの間隔をあけて設置し、
その隙間に接着剤を注入した。接着剤の硬化は実施例1
と同様な方法で行った。
【0073】この実施例においても、実施例1と同様の
評価を行った結果、接合する光学シートの切断面の厚さ
がばらついていた部分でも接合部位が目立たないこと及
び紫外線硬化性接着剤の光の散乱は認知されないことが
確認できた。
【0074】また、この実施例の接合方法では、光学シ
ート1,11の隙間に接着剤を注入することにより光学
シートの突き当て時に泡の混入を抑制することができ
る。しかも紫外線硬化型の接着剤を用いているため、可
視光硬化タイプの接着剤と比較して短時間で硬化させる
ことができる。
【0075】(実施例3)図8及び図9は実施例3に用
いる製造装置を示し、図6及び図7と同一の部材には同
一の符号を付して対応させてある。
【0076】光学シート1が載置される可動プレート4
1及び光学シート11が載置される固定プレート42に
よって保持台40が形成されている。光学シート1が載
置される可動プレート41はXYZ方向に移動可能であ
り、可動プレート41の移動によって光学シート1,1
1の切断面2,12を突き合わせることが可能となって
いる。
【0077】また、可動プレート41及び固定プレート
42には吸着パット43が配置されており、載置された
光学シート1,11をそれぞれ固定することが可能とな
っている。固定プレート42の上方にはスライドレール
44が設置されており、スライドレール44に沿って接
着ユニット45が走行可能となっている。接着ユニット
45には、接着ユニットカメラ46及びシリンジ47が
搭載されている。
【0078】さらに、固定プレート42と可動プレート
41の間には、長尺なヒーター48が設置されており、
光学シート1,11の接合部位への加熱が行えるように
なっている。また、固定プレート42の両端には、光学
シート1,11の断面を観察する断面観察用カメラ3
0,31が設置されている。接着ユニットカメラ46と
断面観察用カメラ30,31はモニター32と接続され
ており、光学シート1,11の観察が可能となってい
る。
【0079】この実施例3では、ポリエチレンテレフタ
レートからなる光学シート1,11を用いた。そして、
固定プレート42に光学シート11を載置して吸着パッ
ド43で固定した。可動プレート41にも光学シート1
を載置し、可動プレート41を慎重に移動させながら固
定プレート42側の光学シート11の切断面12に可動
プレート41側の光学シート1の切断面2を突き当て
た。
【0080】その後、光学シート1及び11を離し、一
定の速度で接着ユニット45を走行させながら双方の光
学シート1,11の切断面2及び12に対して、塗布時
の粘度が400mPa・sの熱硬化型接着剤をそれぞれ
均一に塗布した。この接着剤の硬化後の硬度はショアD
70である。
【0081】接着剤の塗布後、可動プレート41を固定
プレート42側にゆっくり移動して切断面2,12を相
互に突き当てて接合した。接合後、ヒーター48を接合
部位に近づけ、60℃、120分間の加熱によって接着
剤の硬化を行った。
【0082】実施例3においても、実施例1と同様の評
価を行ったところ、接合する光学シート1,11の切断
面2,12の厚さがばらついていた部分でも接合部位が
目立たないこと及び熱硬化性接着剤による光の散乱は認
知されないことが確認された。
【0083】この実施例では、吸着パット43を可動プ
レート41と固定プレート42とに設けたため、押さえ
治具で発生する光学シート1,11表面の傷の汚れの付
着をなくすことができる。また、接着剤を2枚の光学シ
ート1,11の両方の端面2,12に塗布するため、端
面2,12の突き当て時に端面2,12における接着剤
同士が最初に接触する。これにより、接合部位に泡を巻
き込み難くすることができる。
【0084】[実施の形態2]実施の形態2では、光学
シートの端面を、その光学シートの光学パターンに沿っ
て切断し、切断した端面を接合して大型光学シートとす
るものであり、請求項3、4、8、9及び10に対応し
ている。
【0085】図10〜図12は実施の形態2を示し、図
10はこの実施の形態の大型光学シート50である。大
型光学シート50は2枚の光学シート51,52が並列
に接合されることにより構成されている。光学シート5
1,52には、レンズ素子となる同一の光学パターン5
3、54が形成されている。
【0086】同一である光学パターン53,54は、所
定のピッチでシートの幅方向(図10の左右方向)に沿
って周期的に繰り返される円弧からなっている。すなわ
ち、それぞれの光学パターン53,54は図10及び図
12に示すように、円弧状の腹部53a、54a及び隣
接した腹部53a、54aの間に設けられた窪み状の谷
部53b、54bを有し、これらが幅方向に周期的に繰
り返されたパターンとなっている。そして、この光学パ
ターン53,54が各シート51,52の表裏面に形成
されている。
【0087】光学シート51,52の材質としては、ポ
リメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、
ポリスチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等
の透明な樹脂を用いることができる。
【0088】光学シート51,52は、それぞれの端面
55,56が切断され、切断された端面55,56が突
き合わされ、接着剤57よって接着されることにより並
列に接合されている。この場合、端面55,56の切断
は、光学シート51,52の光学パターン53,54に
沿って行われるものである。この実施の形態では、それ
ぞれの端面55,56は、各光学パターン53,54の
谷部53b、54bに沿って切断されている。
【0089】図11は一方の光学シート51を示し、他
方の光学シート52も同様となっている。一般的に、レ
ンチキュラーシートのような光学シートは押し出し成形
によって作製されるために、光学シートの光学パターン
53,54の形状は金型の形状に依存する。また、広範
囲に渡って正確に金型の形状を転写することが技術的に
困難であり、このため、光学シート51,52の光学パ
ターン53,54では通常、うねりを有しているもので
ある。
【0090】光学シート51,52を接合する接着剤5
7としては、、可視光硬化型接着剤、紫外線硬化型接着
剤、熱硬化型接着剤、2液反応型接着剤、瞬間接着剤、
ホットメルト接着剤などを用いることができる。これら
の接着剤57の粘度は、10〜5000mPa・sであ
り、より好ましくは、300〜3000mPa・sの範
囲の粘度である。この範囲の粘度の接着剤を用いること
により、接着剤57を光学シート51,52の端面5
5,56に予め塗布しておいても流れ落ちることがなく
なる。また接着剤吐出装置等によって接着剤の吐出量を
調節しながら端面55,56に塗布する場合でも、端面
55,56にスムーズに塗布することができ、接合作業
が容易となる。なお、接着剤57の粘度が5000mP
a・sを超える場合には、光学シート51,52の端面
55,56への均一な塗布や光学シート51,52を突
き当てたときにおける端面55,56への均一な濡れ広
がりが困難となり好ましくない。
【0091】次に、この実施の形態における大型光学シ
ート50の製造を説明する。まず、光学シート51,5
2の端面55,56をうねっている光学パターン53,
54の谷部53b、54bに沿って正確に切断する。こ
のようにうねりに沿って切断することにより、接合され
る光学シート51,52の対応した端面55,56の厚
さは略同一となり、端面55,56を相互に突き当てた
ときには実質的に段差がない状態で切断されている。す
なわち、このように切断することにより、実施の形態1
に比べて、図12に示すように光学シート51,52の
各端面55,56においては、対応している角部55
a、56aに段差がない状態とすることができる。な
お、切断した端面55,56に凹凸がある場合は研磨剤
などを用いて凹凸を研磨処理することが望ましい。
【0092】次に、一方の光学シート51(または5
2)の端面55に接着剤572を塗布して、他方の光学
シート52の端面56を端面55に突き当てる。このと
きにおいては、光学シート51,52に相互に段差が生
じないように充分に平滑な載置台の上で突き当てを行
う。その後、接着剤の硬化を行い、光学シート51,5
2を接合して大型光学シート50とする。その後、光学
シート51,52の表面に付着した余分な接着剤は、エ
タノールなどの光学シートと反応しない溶媒を染み込ま
せた布やクリーンペーパーで拭き取ることにより、接合
部位をきれいに仕上げる。
【0093】このような実施の形態の大型光学シート5
0によれば、光学シート51,52の端面55,56を
光学パターン53,54に沿って切断するため、端面が
光学パターンと同様のパターンとなる。そして、この端
面55,56を突き当てて光学シート51,52を接合
するため、光学シートの光学パターン53,54が崩れ
ることがない。これにより、光学シート51,52の品
質を損なうことがない大型光学シートとすることができ
る。また、光学シート51,52の端面55,56が光
学パターンと同様のパターンとなっていことから、接着
剤の塗布も容易となる。
【0094】なお、この実施の形態の大型光学シート5
0を製造する際における接着剤57の別の塗布方法とし
ては、端面55,56の間に0.5mm程度以下の隙間
を有するように光学シート51,52を平滑な載置台の
上にセットし、その隙間に接着剤57を流し込んで接合
するが可能である。この方法では、粘度が300mPa
・s未満の接着剤、より好ましくは100mPa・s以
下の粘度を有する接着剤を用いることが良好である。
【0095】また、この実施の形態では、実施の形態1
に用いた図6,図7の製造装置を使用して大型光学シー
トを製造することができる。
【0096】以下、この実施の形態における具体的な実
施例を実施例4〜6により説明する。
【0097】(実施例4)図13は実施例4の大型光学
シート60を示す。光学シート61,62はいずれも、
片側の面に光学パターン63,64が形成され、他側の
面が平坦面となっている。片側の面の光学パターン6
3,64は、円弧状の腹部63a、64a及び腹部63
a、64aの間に窪み状の谷部63b、64bが幅方向
に繰り返されることにより形成されている。光学シート
61,62は端面65,66が突き合わされた状態で接
着剤67によって接合されることにより、大型光学シー
ト60となる。
【0098】接着剤67によって接合される光学シート
61,62は、その端面65,66がうねっている光学
パターン63,64の谷部63b、64bに沿って正確
に切断される。接着剤67としては、粘度が300mP
a・sの可視光硬化型接着剤を用いた。
【0099】そして、光学シート61,62を平滑な載
置台の上に設置し、可視光硬化型接着剤を光学パターン
に沿って切断された一方の光学シート61の端面65に
塗布した。その後、同様に切断されたもう一方の光学シ
ート62の端面66を突き当てた。可視光硬化型接着剤
を硬化させるために、可視光照射装置を用いて2500
mJ/cmの光量を接着剤67に照射して仮硬化を行
った。仮硬化後、光学シート61,62の表面に接着剤
がはみ出していたため、光学シートと反応しない溶媒で
あるエタノールを布やクリーンペーパーに染み込ませて
拭き取った。その後、光量2500mJ/cm で可
視光を接着剤67に照射することにより、完全に接着剤
を硬化させた。
【0100】このようにして作製された大型光学シート
60に、拡散板を組み合わせて正面から光を当て接合部
位における接合状態を調べた結果、可視光硬化型接着剤
における光の散乱は認知されず、透過型大型光学シート
として有用であることを確認した。
【0101】この実施例においては、接着剤67として
可視光硬化型接着剤を用いており、可視光を照射しない
限り接着剤67の硬化が始まらないため、光学シートの
位置合わせを、時間に追われることなく正確に行うこと
ができるばかりでなく、光学シートの位置合わせに失敗
しても、接着剤が硬化していないため位置合わの修正を
行うことができる。また、光学シート61,62の位置
合わせ後、可視光照射を行うことにより、短時間で接合
を完了させることが可能となる。
【0102】(実施例5)図14は実施例5の大型光学
シート70を示し、光学シート71,72を接着剤77
によって並列に接合することにより作製されている。光
学シート71,72は、円弧状の腹部73a、74a及
び腹部73a、74aの間の谷部73b、74bが幅方
向に繰り返された光学パターン73,74が両面に形成
されている。光学シート71,72の接合は、光学パタ
ーン73,74に沿って切断された端面75,76を突
き合わせて接着することにより行う。
【0103】光学シート71,72は、その端面75,
76をうねっている光学パターン73,74の谷部73
b、74bに沿って切断した。また、端面75,76に
は、表面の凹凸を減少させるために、研磨剤による研磨
処理を施した。
【0104】接合を行う接着剤77として、粘度が30
00mPa・sである2液反応型接着剤を使用し、この
接着剤77を一方の光学シート71の端面75に塗布
し、平滑な載置台の上で他方の光学シート72の端面7
6との突き当てを行った。突き当て後、接着剤77が完
全に硬化するまで10分間、光学シート71,72がず
れないように保持した。光学シート71,72表面に接
着剤がはみ出していたため、光学シートと反応しない溶
媒であるエタノールを布やクリーンペーパーなどに染み
込ませて拭き取った。
【0105】このようにして作製した大型光学シート7
0は、実施例4と同様に接合部位が目立たないため、透
過型スクリーンとして有用な品質であった。
【0106】この実施例では、接着剤77として2液反
応型接着剤を用いていることにより、熱硬化型接着剤に
おける熱源装置や紫外線硬化型接着剤における紫外線照
射装置等のような設備がなくても、光学シートの接合を
良好に行うことができる。
【0107】(実施例6)図15は、実施例6の大型光
学シート80を示し、光学シート81,82を接着剤8
7を介して並列に接合することにより作製されている。
光学シート81,82の光学パターン83,84は、円
弧状の腹部83a、84aと、腹部83a、84aの間
に凸帯状に設けられた矩形断面の光吸収部83b、84
bとからなり、これらが幅方向に繰り返されることによ
り構成されている。
【0108】この実施例においても、光学シート81,
82の端面85,86を光学パターン83,84に沿っ
て切断するものである。この端面85,86の切断は、
光学パターン83,84における凸帯状の光吸収部83
b、84bのうねりに沿って正確に切断することにより
行われる。
【0109】端面85,86の切断の後、端面85,8
6が向き合うように光学シート81,82を平滑な載置
台の上に設置した。また、光学シート81,82の端面
85,86の間隔は0.5mm以下程度とした。接着剤
87として、粘度が10mPa・sの瞬間接着剤を使用
し、この接着剤87を端面85,86の間の隙間に流し
込み、その直後に端面85,86を突き当てて接合を行
った。
【0110】この実施例の大型光学シート80において
も、実施例4,5と同様に瞬間接着剤層における光の散
乱は認知されず、接合部位は目立たなかった。このよう
な実施例6では、接着剤87として瞬間接着剤を用いる
ため、迅速に光学シート81,82を接着することがで
き、作業時間を短縮することができる。
【0111】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、接着剤が光学
シートの端面の角部を覆うため、角部が露出することが
なく、角部での光の反射がなくなり、光学シートの端面
の厚さがばらついていても、接合部位が目立つことがな
くなる。
【0112】請求項2の発明によれば、請求項1記載の
発明と同様な効果を有するのに加えて、接着剤を光学シ
ートの端面の全体に均一に塗布することができ、しかも
接着剤が十分な引張り強度及び十分な曲げ強度を有して
いるため、十分な接着強度で光学シートを接合すること
ができる。
【0113】請求項3の発明によれば、光学シートの端
面が光学シートの光学パターンと同様のパターンとなる
ため、光学シートの光学パターンが崩れることなく接合
することができ、光学シートの品質を損なうことがなく
なり、しかも接着剤の塗布も容易となる。
【0114】請求項4の発明によれば、請求項3の発明
の効果を有するのに加えて、接着剤が流れ落ちることが
ないため、光学シートの接合を容易に行うことができ
る。
【0115】請求項5の発明によれば、請求項2及び4
の発明の効果を有するのに加えて、光学シートの接着強
度を保持することができ、接着の作業性も向上する。
【0116】請求項6の発明によれば、光学シートの端
面を観察しながら光学シートの位置決めを行うため、光
学シートの端面の段差を小さくすることができ、光学シ
ートを高精度に接合することができる。
【0117】請求項7の発明によれば、請求項6記載の
発明と同様な効果を有するのに加えて、光学シートの端
面の段差を調整して光の反射を制御するため、端面の接
合部位が目立つことのない大型光学シートとすることが
できる。
【0118】請求項8の発明によれば、光学シートの端
面を光学パターンと同様のパターンとすることができる
ため、光学シートの光学パターンが崩れることがなく、
光学シートの品質を損なうことがない。
【0119】請求項9の発明によれば、段差を小さくし
た状態で端面を突き当てることができると共に、接着剤
が光学シートの端面の角部を覆うため、角部での光の反
射がなくなり、これにより光学シートの端面の厚さがば
らついていても、接合部位が目立つことがなくなる。
【0120】請求項10の発明によれば、請求項9記載
の発明と同様な効果を有するのに加えて、接着剤を良好
に硬化することができ、光学シートの接合を行うことが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における大型光学シート
の斜視図である。
【図2】大型光学シートの製造を工程順に示す断面図で
ある。
【図3】大型光学シートの接合部位の段差を示す断面図
である。
【図4】接着剤の塗布方法を示す断面図である。
【図5】接着剤が端面の角部を覆う場合とそうでない場
合を示す断面図である。
【図6】大型光学シートの接合を行う製造装置の平面図
である。
【図7】図6の製造装置の側面図である。
【図8】大型光学シートの製造を行う別の製造装置の平
面図である。
【図9】図8の製造装置の側面図である。
【図10】実施の形態2の大型光学シートの斜視図であ
る。
【図11】実施の形態2に用いる光学シートの斜視図で
ある。
【図12】実施の形態2の大型光学シートの断面図であ
る。
【図13】実施例4の大型光学シートの斜視図である。
【図14】実施例5の大型光学シートの斜視図である。
【図15】実施例6の大型光学シートの斜視図である。
【符号の説明】
1,11,51,52 光学シート 2,12,55,56 端面 2a,12a 角部 3,57 接着剤 4,50 大型光学シート 5 接着剤塗布手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小尾 邦寿 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 Fターム(参考) 2H021 BA23 BA32

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一の光学パターンを有した複数の光学
    シートの各端面を突き当てた状態で接着剤によって接合
    した大型光学シートにおいて、 前記接着剤が光学シートの端面の角部を覆っていること
    を特徴とする大型光学シート。
  2. 【請求項2】 前記接着剤は塗布時の粘度が100〜1
    000mPa・sであり、かつ硬化後の硬度がショアD
    50〜95であることを特徴とする請求項1記載の大型
    光学シート。
  3. 【請求項3】 同一の光学パターンを有した複数の光学
    シートの各端面を接合した大型光学シートにおいて、 前記光学シートの端面が前記光学パターンに沿って切断
    されており、切断された端面を突き当てた状態で接着剤
    により接合されていることを特徴とする大型光学シー
    ト。
  4. 【請求項4】 前記接着剤の粘度が10〜5000mP
    a・sであることを特徴とする請求項3記載の大型光学
    シート。
  5. 【請求項5】 前記接着剤が光硬化性接着剤であること
    を特徴とする請求項2または4記載の大型光学シート。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の大型光学シートを製造す
    る方法であって、 同一の光学パターンを有した複数の光学シートの端面が
    突き合うように光学シートの端面を観察しながら光学シ
    ートの位置決めを行う工程と、 接着剤が光学シートの端面の角部を覆うように塗布する
    工程と、 光学シートの端面を突き当てた後、端面の突き当て状態
    に対してエネルギーを照射して接着剤を硬化する工程と
    を備えていることを特徴とする大型光学シートの製造方
    法。
  7. 【請求項7】 前記光学シートの端面の突き合わせは、
    光学シートの端面の段差が、光学シートの光学パターン
    の最大振幅と最小振幅との差の半分以下となるように行
    うことを特徴とする請求項6記載の大型光学シートの製
    造方法。
  8. 【請求項8】 請求項3記載の大型光学シートを製造す
    る方法であって、 前記光学シートの端面を前記光学パターンに沿って切断
    する工程と、 切断された端面に接着剤を塗布して複数の光学シートの
    端面を突き当てる工程と、 端面の突き当て状態に対してエネルギーを照射して接着
    剤を硬化する工程とを備えていることを特徴とする大型
    光学シートの製造方法。
  9. 【請求項9】 同一の光学パターンを有した少なくとも
    2枚の光学シートを保持し、保持した光学シートの各端
    面を突き合わせ且つ突き当たるように作動する保持台
    と、 光学シートの端面の接合部位の全体を観察する観察手段
    と、 突き合っている光学シートの端面に対して接着剤を塗布
    する接着剤塗布手段と、 光学シートの端面が突き当てられた状態に対し、エネル
    ギーを照射して接着剤を硬化する接着剤硬化手段とを備
    えていることを特徴とする大型光学シートの製造装置。
  10. 【請求項10】 前記接着剤硬化手段は、光照射または
    熱照射によって接着剤を硬化することを特徴とする請求
    項9記載の大型光学シートの製造装置。
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