JP2002293901A - 生分解性脂肪族ポリエステル共重合体及びその製造方法 - Google Patents

生分解性脂肪族ポリエステル共重合体及びその製造方法

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JP2002293901A JP2001101217A JP2001101217A JP2002293901A JP 2002293901 A JP2002293901 A JP 2002293901A JP 2001101217 A JP2001101217 A JP 2001101217A JP 2001101217 A JP2001101217 A JP 2001101217A JP 2002293901 A JP2002293901 A JP 2002293901A
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polyester copolymer
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Tadashi Teranishi
直史 寺西
Hiroshi Katayama
弘 片山
Satoshi Kakumoto
智 角本
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 実用性のある物性を有すると同時に、フィル
ム成形も可能な生分解性脂肪族ポリエステル共重合体、
及びその工業的に供給可能な製造方法。 【解決手段】 分子鎖が、下記の繰り返し単位(P)、
(Q)、(R)からなる生分解性脂肪族ポリエステル共
重合体、又は、低分子量脂肪族ポリエステル共重合体を
ジイソシアネート等により連結されてなる生分解性脂肪
族ポリエステル共重合体。P:(−CO−R1−COO
−R2−O−)p (R1は炭素数1〜12の二価脂肪族
基、R2は炭素数2〜12の二価脂肪族基)Q: (−
CO−R3−O−)q (R3は炭素数1〜10の二価脂
肪族基)R:(−CO−R4−COO−R5−O−)
r(R4は炭素数1〜20の二価脂肪族基、R5は少なく
とも1以上のエーテル結合もしくは脂環式骨格を主鎖に
含む炭素数2〜20の二価脂肪族基)但し、qの値は
0.02〜0.30、rの値は0.001〜0.40の
範囲である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は生分解性脂肪族ポリ
エステル共重合体及びその製造方法に関し、さらに詳し
くは、成形加工可能な実用物性を有し、土中や水中の微
生物により分解する生分解性脂肪族ポリエステル共重合
体及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プラスチックの特徴は、実用上十分な強
度を持ちながら、比重が小さいことや、腐食しにくい等
の性質にある。特に汎用プラスチックは、工業的に大量
生産されると同時に、日常生活や産業分野で広く利用さ
れ、その使用量が著しく増加している。多くのプラスチ
ックは自然環境中で分解されないため、近年プラスチッ
クの廃棄による環境破壊が問題とされるようになって来
た。そのため近年自然環境中で生分解可能なプラスチッ
クの開発が求められている。汎用性の高い生分解性樹脂
として脂肪族ポリエステルが注目されており、最近では
ポリ乳酸(PLA)、ポリブチレンサクシネート(PB
S)、ポリエチレンサクシネート(PES)、ポリカプ
ロラクトン(PCL)などが上市されている。上記脂肪
族ポリエステルの中で、PLAは、高いものでは170
℃付近に融点を持ち高耐熱性であるが、脆い性質のため
成形品の強度は低く、また土中で分解せずコンポスト化
設備が必要である。PBSおよびPESは融点が100
℃付近で十分な耐熱性を有するが、生分解速度が小さ
く、実用的には不充分であり、また機械的性質では柔軟
性に欠ける。PCLは柔軟性に優れるものの、融点60
℃と耐熱性が低いために用途が限定されているが、生分
解速度は非常に速い。しかし、ポリエチレンアジペート
やポリカプロラクトンなどのように融点の低く(60℃
以下)、耐熱性の劣るポリマーは工業用材料としての実
用性は低いが、生分解速度が大である傾向があり、生分
解性に関しては優れたポリマーと言える。このように材
料の耐熱性を向上させ、強度を大きくすることと生分解
速度を大きくすることは一致しないので、現段階では生
分解速度を自在に制御調整することができると共に生分
解性も優れたポリマーはこれまでに見あたらず、その開
発が待たれるところである。
【0003】このように、脂肪族ポリエステルのホモポ
リマーでは上記課題を解決するのは困難であるが、本発
明者らは、例えば、特許2997756号公報記載のポ
リブチレンサクシネート−ポリカプロラクトン共重合体
(PBSC)のように、脂肪族ポリエステル共重合体中
にカプロラクトンユニットを導入することにより、実用
的な柔軟性と適度な生分解性を実現することができ、ま
た、カプロラクトンユニットの含有量を制御することに
より、融点を80℃以上として十分な耐熱性を保持する
ことと、生分解性を制御することが可能である上記課題
が解決可能なことを見出した。かかる脂肪族ポリエステ
ル共重合体の製造方法として、同公報では直接重縮合法
に基づく方法が開示されており大変有用な方法である
が、このような方法では、脱水反応やエステル交換反応
によって生成する水やジオールを、反応系内から十分に
取り除く必要があるために、分子量を大きくするのに長
い重合時間を必要とすることがある。分子量が低い場合
には、繊維やフィルムとして加工するには十分ではな
い。特許公開2000−204146号公報では、予備
重縮合反応の段階から酸性リン化合物を存在させ、重合
時間を著しく短縮させる方法が開示されているが、この
ような酸性化合物の使用は、最終生成物の酸価を大きく
する恐れがある。また、特許3100314号では、脂
肪族ポリエステルホモポリマーの合成方法として、重縮
合反応を240℃などの比較的高温で行う方法が開示さ
れている。しかし、高温の条件下では、ポリマーの熱分
解反応による分子量低下が起こりやすく、触媒量を増大
させると、熱分解反応の他に着色が促進されさらに、ポ
リマー鎖同士の架橋等が起こるなどして、見かけ上の分
子量と分子量分布の大きい架橋したポリマーとなり、ポ
リマーの性能を低下させてしまうことが多い。
【0004】一方、特開平5−310898公報には、
直接重縮合法によって高分子量脂肪族ポリエステルを製
造し得る方法が開示されている。この方法では0.1T
orr以下の超高真空条件が必須であり、このような過
酷な条件を実施可能なように真空装置を維持する困難さ
を考慮すると、安価な製造が難しく、工業化は困難であ
る。また、特開平8−127648号及び特開平9−7
1641号公報のように特殊な重合装置を用いて高分子
量脂肪族ポリエステルを得る方法も考案されているが、
使用できる装置が限定される。一方、生分解性高分子量
脂肪族ポリエステルの改良については、数多くの提案が
ある。例えば、特開平8−311181号公報には、脂
肪族ジカルボン酸又はそのエステル(A)と、脂肪族ジ
オール(B)と、オキシカルボン酸、オキシカルボン酸
エステル又はラクトン(C)を触媒の存在下で重縮合反
応させることにより数平均分子量が15,000〜8
0,000である生分解性高分子量脂肪族ポリエステル
共重合体が開示されている。特開平9−12691号公
報には、脂肪族二価カルボン酸ジ低級アルキルエステル
と脂肪族二価アルコールを触媒の存在下で重縮合反応さ
せて数平均分子量:20,000以上の脂肪族ポリエス
テルを製造する方法において、脂肪族二価カルボン酸ジ
低級アルキルエステル中の遊離カルボン酸化合物の含有
量を0.1wt%以下に保持するとともに、原料仕込モ
ル比を、式1.0<脂肪族二価アルコール/脂肪族二価
カルボン酸ジ低級アルキルエステル≦2.1を満足する
範囲に保持する高分子量脂肪族ポリエステルの製造方法
が開示されている。特開平11−166044号公報に
は、炭素数1〜12の二価脂肪族基で表されるジカルボ
ン酸−ジオールからの脂肪族ポリエステルA部と、ジカ
ルボン酸−ジオールからのエーテル基含有脂肪族ポリエ
ステル部Bと、オキシカルボン酸脂の肪族ポリエステル
部Cとからなり、該エステル部Bのモル分率qが0.0
005〜0.005の範囲にあり、前記エステル部Cの
モル分率が0.02〜0.3の範囲にある生分解生高分
子量脂肪族ポリエステルエーテルが開示されている。特
開平6−192374号公報には、ジカルボン酸−ジオ
ールからの脂肪族ポリエステルである重量平均分子量が
30,000以上、融点が70℃以上で、末端基が実質
的にヒドロキシル基のポリエステルに、末端基が実質的
にイソシアナート基である分子量が500〜30,00
0の脂肪族ポリエステルを1〜100重量部反応させて
重量平均分子量が50,000以上のポリエステルを製
造する方法の提案がありかなりの成果が得られている。
しかしながら、これら生分解性脂肪族ポリエステルの用
途の一つとして包装用、農業用、食品用などのフィルム
分野があり、ここではフィルムの成形性、及び成形品に
対して高い強度と実用的な耐熱性および生分解性の制御
を同時に実現する点で、未だ十分満足とは言えず、実用
可能な生分解性樹脂の開発が重要な課題となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来技術に見られる諸問題を解決することを目的とす
る。すなわち、本発明はフィルムや繊維等に成形加工可
能な材料であり、実用性のある物性を有すると共に生分
解性を有する脂肪族ポリエステル共重合体及びその製造
方法を提供することをその課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、原料である(A)
脂肪族ジカルボン酸、その酸無水物又はそのエステル、
(B)脂肪族ジオール、(C)エーテル結合を有する脂
肪族ジオール、または、脂環構造を有する脂肪族ジオー
ルもしくはジカルボン酸、(D)オキシカルボン酸又は
そのエステル又はラクトン類の4成分を、特定の割合で
反応させることにより、脂肪族ポリエステル共重合体を
製造し得ることを見いだし、本発明を完成するに至っ
た。
【0007】すなわち本発明の第1は、分子鎖が、一般
式(1): (−CO−R1−COO−R2−O−)p (1) (式中、R1は炭素数1〜12の二価脂肪族基、R2は炭
素数2〜12の二価脂肪族基、pは分子鎖中のモル分率
を表す。)で表される繰り返し単位(P)、一般式
(2): (−CO−R3−O−)q (2) (式中、R3は炭素数1〜10の二価脂肪族基、qは分
子鎖中のモル分率を表す。)で表される繰り返し単位
(Q)、及び一般式(1’) (−CO−R4−COO−R5−O−)r (1’) (式中、R4は炭素数1〜20の二価脂肪族基、R5は少
なくとも1以上のエーテル結合もしくは脂環式骨格を主
鎖に含む炭素数2〜20の二価脂肪族基、rは分子鎖中
のモル分率を表す。)で表される繰り返し単位(R)か
らなり、pとqとrの合計は1であり、qの値が0.0
2〜0.30、rの値が0.001〜0.40の範囲に
ある生分解性脂肪族ポリエステル共重合体を提供する。
本発明の第2は、生分解性脂肪族ポリエステル共重合体
が、該共重合体の重合中間体である低分子量脂肪族ポリ
エステル共重合体(重量平均分子量5,000以上)1
00重量部に対し、0.1〜5重量部の一般式(7): X1−R6−X2 (7) (式中、X1、X2は水酸基またはカルボキシル基と作用
して共有結合を形成可能な反応基、R6は単結合、炭素
数1〜20の脂肪族基又は芳香族基を表し、X1、X2
同一でも異なってもよい。)で表される2官能性の連結
剤(E)により連結されてなる本発明の第1記載の生分
解性脂肪族ポリエステル共重合体を提供する。本発明の
第3は、重量平均分子量が、30,000以上であるこ
とを特徴とする本発明の第1又は2に記載の生分解性脂
肪族ポリエステル共重合体を提供する。本発明の第4
は、R1及びR4は、コハク酸の残基[(CH22]及び
/又はアジピン酸の残基[(CH24](R1とR4は同
一でも異なってもよい)であることを特徴とする本発明
の第1又は2に記載の生分解性脂肪族ポリエステル共重
合体を提供する。本発明の第5は、R2が、エチレング
リコール残基[(CH22]及び/又は1,4−ブタン
ジオール残基[(CH24]であることを特徴とする本
発明の第1又は2に記載の生分解性脂肪族ポリエステル
共重合体を提供する。本発明の第6は、R3が、ε−オ
キシカプロン酸残基であることを特徴とする本発明の第
1又は2に記載の生分解性脂肪族ポリエステル共重合体
を提供する。本発明の第7は、R5が、ジエチレングリ
コール残基及び/又はシクロヘキサンジメタノールの残
基であることを特徴とする本発明の第1又は2に記載の
生分解性脂肪族ポリエステル共重合体を提供する。本発
明の第8は、一般式(7)で表される2官能性の連結剤
(E)の反応基がイソシアネート基;イソチオシアネー
ト基;エポキシ基;オキサゾリン基;オキサゾロン基も
しくはオキサジノン基;アジリジン基;又はこれらの混
基であることを特徴とする本発明の第2に記載の生分解
性脂肪族ポリエステル共重合体を提供する。本発明の第
9は、一般式(3): R7−OCO−R1−COO−R8 (3) (式中、R1は炭素数1〜12の二価脂肪族基、R7、R
8は水素原子、又は炭素数1〜6の脂肪族基もしくは芳
香族基を表し、R7、R8は同一でも異なってもよい。)
で表される脂肪族ジカルボン酸、その酸無水物又はその
ジエステル体(A)、一般式(4): HO−R2−OH (4) (式中、R2は炭素数2〜12の二価脂肪族基を表
す。)で表される脂肪族ジオール(B)、及び一般式
(3’): R9−OCO−R4−COO−R10 (3’) (式中、R4は炭素数1〜20の二価脂肪族基、R9、R
10は水素原子、又は炭素数1〜6の脂肪族基もしくは芳
香族基を表し、R9、R10は同一であっても異なっても
よい。)で表される脂肪族ジカルボン酸、その酸無水物
又はそのジエステル体(A’)、一般式(4’): HO−R5−OH (4’) (式中、R5は少なくとも1以上のエーテル結合もしく
は脂環式骨格を主鎖に含む炭素数2〜20の二価脂肪族
基を表す)で表される脂肪族ジオール(C)、一般式
(5): R11OCO−R3−OH (5) (式中、R3は炭素数1〜10の二価脂肪族基、R11
水素原子または炭素数1〜6の脂肪族基又は芳香族基を
表す。)で表されるヒドロキシカルボン酸もしくはその
エステル体、または一般式(6):
【化4】 (式中、R3は炭素数1〜10の二価脂肪族基を表
す。)で表されるラクトン類(D)の、上記(A)およ
び(A’)(但し(A)と(A’)は同一でも異なって
いてもよい。);(B);(C);及び(D)成分の重
縮合反応によって、分子鎖が一般式(1): (−CO−R1−COO−R2−O−)p (1) (式中、R1は炭素数1〜12の二価脂肪族基、R2は炭
素数2〜12の二価脂肪族基、pは分子鎖中のモル分率
を表す。)で表される繰り返し単位(P)、一般式
(2): (−CO−R3−O−)q (2) (式中、R3は炭素数1〜10の二価脂肪族基、qは分
子鎖中のモル分率を表す。)で表される繰り返し単位
(Q)、及び一般式(1’): (−CO−R4−COO−R5−O−)r (1’) (式中、R4は炭素数1〜20の二価脂肪族基、R5は少
なくとも1以上のエーテル結合もしくは脂環式骨格を主
鎖に含む炭素数1〜20の二価脂肪族基、rは分子鎖中
のモル分率を表す。)で表される繰り返し単位(R)か
らなり、pとqとrの合計は1であり、qの値が0.0
2〜0.30、rの値が0.001〜0.40の範囲に
ある生分解性脂肪族ポリエステル共重合体の製造方法を
提供する。本発明の第10は、本発明の第9に記載の生
分解性脂肪族ポリエステル共重合体の製造方法におい
て、該共重合体の重合中間体である低分子量脂肪族ポリ
エステル共重合体(重量平均分子量5,000以上)を
合成する工程、及び溶融状態の該低分子量脂肪族ポリエ
ステル共重合体の100重量部に対し、0.1〜5重量
部の一般式(7): X1−R6−X2 (7) (式中、X1とX2は水酸基またはカルボキシル基と作用
して共有結合を形成可能な反応基、R6は単結合、炭素
数1〜20の脂肪族基又は芳香族基を表し、X1、X2
同一であっても異なってもよい。)で表される2官能性
の連結剤(E)を加えることにより、重量平均分子量を
30,000以上に高める工程からなる生分解性脂肪族
ポリエステル共重合体の製造方法を提供する。本発明の
第11は、一般式(7)で表される連結剤(E)におい
て、X1及びX2が実質上水酸基とのみ反応して共有結合
を形成可能な式(9)〜(11):
【化5】 で表される反応基群から選ばれる1種以上であることを
特徴とする本発明の第10に記載の生分解性脂肪族ポリ
エステル共重合体の製造方法を提供する。本発明の第1
2は、一般式(7)で表される連結剤(E)において、
1及びX2が実質上カルボキシル基とのみ反応して共有
結合を形成可能な一般式(12)〜(15)
【化6】 (R8〜R10は2価の脂肪族基または芳香族基を表し、
環に直接結合している水素は脂肪族及び/又は芳香族基
で置換されてもよい。)で表される反応基群から選ばれ
る1種以上であることを特徴とする本発明の第10に記
載の生分解性脂肪族ポリエステル共重合体の製造方法を
提供する。本発明の第13は、原料の仕込み時における
モル比が、下記式 1.0≦[(B)+(C)]/[(A)+(A’)]≦
1.1 及び 0.02≦[(D)]/[(A)+(A’)+(D)]
≦0.30 {式中、(A)及び(A’)((A)と(A’)は同一
でも異なってもよい。)は、脂肪族ジカルボン酸、その
酸無水物又はそのエステル体のモル数、(B)は脂肪族
ジオールのモル数、(C)は主鎖にエーテル結合を含む
脂肪族ジオールのモル数、(D)はヒドロキシカルボン
酸もしくはそのエステル体又はラクトン類の使用モル数
を表す。}を満足することを特徴とする本発明の第9又
は10に記載の生分解性脂肪族ポリエステル共重合体の
製造方法を提供する。本発明の第14は、原料の仕込み
時におけるモル比が、下記式 1.0≦[(B)+(C)]/[(A)+(A’)]≦
2.0 及び 0.02≦[(D)]/[(A)+(A’)+(D)]
≦0.30 {式中、(A)及び(A’)((A)と(A’)は、同
一でも異なってもよい。)は、脂肪族ジカルボン酸、そ
の酸無水物又はそのエステル体のモル数、(B)は脂肪
族ジオールのモル数、(C)はエーテル結合を含む脂肪
族ジオールのモル数、(D)はヒドロキシカルボン酸も
しくはそのエステル体又はラクトン類の使用モル数を表
す。}を満足することを特徴とする本発明の第9又は1
0に記載の生分解性脂肪族ポリエステル共重合体の製造
方法を提供する。本発明の第15は、脂肪族ジカルボン
酸ジエステル((A)及び(A’))中に不純物として
含まれる脂肪族ジカルボン酸及び脂肪族カルボン酸の含
有量が脂肪族ジカルボン酸ジエステルに対して0.1m
ol%以下に保持することを特徴とする本発明の第9又
は10に記載の生分解性脂肪族ポリエステル共重合体の
製造方法を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の生分解性脂肪族ポリエス
テル共重合体は、分子鎖が一般式(1): (−CO−R1−COO−R2−O−)p (1) (式中、R1は炭素数1〜12の二価脂肪族基、R2は炭
素数2〜12の二価脂肪族基、pは分子鎖中のモル分率
を表す。)で表される繰り返し単位(P)、一般式
(2): (−CO−R3−O−)q (2) (式中、R3は炭素数1〜10の二価脂肪族基、qは分
子鎖中のモル分率を表す。)で表される繰り返し単位
(Q)、及び一般式(1’) (−CO−R4−COO−R5−O−)r (1’) (式中、R4は炭素数1〜20の二価脂肪族基、R5は少
なくとも1以上のエーテル結合もしくは脂環式骨格を主
鎖に含む炭素数2〜20の二価脂肪族基、rは分子鎖中
のモル分率を表す。)で表される繰り返し単位(R)か
らなり、pとqとrの合計は1であり、qの値が0.0
2〜0.30、rの値が0.001〜0.40の範囲に
ある生分解性脂肪族ポリエステル共重合体、又は、該共
重合体の重合中間体である、低分子量脂肪族ポリエステ
ル共重合体(重量平均分子量5,000以上)100重
量部に対し、0.1〜5重量部の一般式(7): X1−R6−X2 (7) (式中、X1、X2は水酸基またはカルボキシル基と作用
して共有結合を形成可能な反応基、R6は単結合、炭素
数1〜20の脂肪族基又は芳香族基を表し、X1、X2
同一でも、異なってもよい。)で表される2官能性の連
結剤(E)により連結されてなる高分子量化された生分
解性脂肪族ポリエステル共重合体である。本発明の生分
解性脂肪族ポリエステル共重合体は、重量平均分子量が
30,000以上、通常、100,000〜350,0
00、好ましくは160,000〜250,000の範
囲である。
【0009】式(1)中の脂肪族ジカルボン酸残基を与
える(A)成分としては、脂肪族ジカルボン酸、その酸
無水物又はそのモノまたはジエステル体が挙げられ、前
記一般式(3)で表される。式(1)および式(3)
中、R1は炭素数1〜12の二価脂肪族基を表す。R1
示される二価脂肪族基としては、好ましくは2〜8の鎖
状又は環状のアルキレン基であり、-(CH2)2-、-(CH
2)4-等の炭素数2〜6の直鎖状低級アルキレン基が挙げ
られる。また、R1は反応に不活性な置換基、たとえ
ば、アルコキシ基やケト基等を有することができるし、
1は酸素やイオウ等のヘテロ原子を含有することがで
き、例えばエーテル結合、チオエーテル結合等で隔てら
れた構造を含有することもできる。
【0010】式(3)中、R7、R8は水素原子、又は炭
素数1〜6の脂肪族基もしくは芳香族基を表し、R7
8は同一でも異なってもよい。R7およびR8が水素原
子であるときには脂肪族ジカルボン酸を表わす。脂肪族
ジカルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン
酸、ピメリン酸、アゼライン酸、デカンジカルボン酸、
セバシン酸、ジグリコール酸、ケトピメリン酸、マロン
酸、メチルマロン酸などが挙げられる。R7およびR8
示される脂肪族基としては、炭素数1〜6、好ましくは
1〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基の他、シクロ
ヘキシル基等の炭素数5〜12のシクロアルキル基が挙
げられる。R7およびR8で示される芳香族基としては、
フェニル基、ベンジル基等が挙げられる。中でも、R7
およびR8は炭素数1〜6、好ましくは炭素数1〜3の
低級アルキル基である。このようなジアルキルエステル
としては、例えば、コハク酸ジメチル、コハク酸ジエチ
ル、アジピン酸ジメチル、アジピン酸ジエチル、ピメリ
ン酸ジメチル、アゼライン酸ジメチル、セバシン酸ジメ
チル、セバシン酸ジエチル、デカンジカルボン酸ジメチ
ル、ジグリコール酸ジメチル、ケトピメリン酸ジメチ
ル、マロン酸ジメチル、メチルマロン酸ジメチル等が挙
げられる。これらのものは単独で用いてもよいし2種以
上組合わせて用いてもよい。
【0011】式(1)中の脂肪族ジオール残基を与える
(B)成分としては、脂肪族ジオールが挙げられる。脂
肪族ジオールは、前記一般式(4)で表わされる。式
(1)および式(4)中、R2は二価の脂肪族基を示
す。二価の脂肪族基としては、炭素数2〜12、好まし
くは2〜8の鎖状又は環状のアルキレン基が挙げられ
る。好ましいアルキレン基は、(CH2)2、(CH2)4等の
炭素数2〜6の直鎖状低級アルキレン基である。また、
二価脂肪族基R2は反応に不活性な置換基、たとえば、
アルコキシ基やケト基等を有することができる。R2
酸素やイオウ等のヘテロ原子を含有することができる。
脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコー
ル、1,3‐プロパンジオール、1,2‐プロパンジオ
ール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−プロパン
ジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリ
コール、ペンタメチレングリコール、へキサメチレング
リコール、オクタメチレングリコール、デカメチレング
リコール、ドデカメチレングリコール、1,4−シクロ
ヘキサンジメタノール等を用いることができる。これら
のものは単独でも、2種以上組合せて用いてもよい。さ
らに1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)プロパン
等の三官能アルコールを少量併用してもよい。
【0012】式(1’)中の脂肪族ジカルボン酸残基を
与える(A’)成分としては、式(1)中の脂肪族ジカ
ルボン酸残基を与える前記(A)成分と同じ脂肪族ジカ
ルボン酸が同様に用いられ、(A’)成分と(A)成分
とは同一(この場合、式(1’)のR4=R1)であって
も異なってもよい。式(1’)中の脂肪族ジカルボン酸
残基を与える(A’)成分が、(A)成分と異なる場合
[式(1’)のR4≠R1]、(A’)成分に用いられる
脂肪族ジカルボン酸、その酸無水物又はそのモノまたは
ジエステル体は、前記一般式(3’)で表される。式
(1’)および式(3’)中で、R4は炭素数1〜20
の二価脂肪族基を表し、シクロヘキサンジカルボン酸の
ような脂環式骨格を含むものでもよい。
【0013】式(3’)中のR9、R10は、式(3)中
のR7、R8と同じ水素原子、又は炭素数1〜6の脂肪族
基もしくは芳香族基を表し、R9、R10は同一でも異な
ってもよい。
【0014】式(1’)中の脂肪族ジオール残基を与え
る(C)成分としては、少なくとも1以上のエーテル結
合もしくは脂環式骨格を主鎖に含む炭素数2〜20の二
価脂肪族ジオールが挙げられ、前記一般式(4’)で表
わされる。エーテル結合を含む二価の脂肪族ジオールと
しては、−CH2CH2−(O−CH2CH2n−で表さ
れるジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール
等の分子量1000以下のポリエチレングリコールの残
基;−CH2CH(CH3)−[O−CH2CH(C
3)]n−で表されるジプロピレングリコール、トリプ
ロピレングリコール等の分子量1000以下のポリプロ
ピレングリコール等の残基が挙げられる。脂環式骨格を
主鎖に含む炭素数2〜20の二価脂肪族ジオールとして
は、シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキ
サンジオール等が挙げられる。これらのものは単独で
も、2種以上組合せて用いてもよい。
【0015】式(2)中の脂肪族ヒドロキシカルボン酸
残基を与える(D)成分としては、ヒドロキシカルボン
酸もしくはそのエステル、又はラクトン類が挙げられ
る。ヒドロキシカルボン酸もしくはそのエステルは、前
記一般式(5)で表される。式(5)中、R3は二価の
脂肪族基を示す。二価脂肪族基としては、炭素数2〜1
0、好ましくは2〜8の鎖状又は環状のアルキレン基が
挙げられる。また、R3は反応に不活性な置換基、たと
えば、アルコキシ基やケト基等を有することができる。
3は酸素やイオウ等のヘテロ原子を主鎖に含有するこ
とができ、例えばエーテル結合、チオエーテル結合等で
隔てられた構造を含有することもできる。式(5)中、
11は水素、又は脂肪族基もしくは芳香族基である。脂
肪族基としては、炭素数1〜6、好ましくは1〜4の直
鎖状又は分岐鎖状の低級アルキル基や、シクロヘキシル
基等の炭素数5〜12のシクロアルキル基、芳香族基と
しては、フェニル基、ベンジル基等が挙げられる。ヒド
ロキシカルボン酸としては、例えば、グリコール酸、L
−乳酸、D−乳酸、D,L−乳酸、ヒドロキシピバリン
酸、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシヘキサン酸等を
挙げることができる。ヒドロキシカルボン酸エステルと
しては、例えば、上記ヒドロキシカルボン酸のメチルエ
ステル、エチルエステル等や、酢酸エステル等が挙げら
れる。ラクトン類としては、前記一般式(6)で表され
るものを挙げることができる。式(6)中、R3は二価
の脂肪族基を示す。二価脂肪族基としては、炭素数4〜
10、好ましくは4〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルキ
レン基が挙げられる。また、R3は反応に不活性な置換
基、たとえば、アルコキシ基やケト基等を有することが
できる。また、R3は酸素やイオウ等のヘテロ原子を主
鎖に含有することができ、例えば、エーテル結合、チオ
エーテル結合等で隔てられた構造を含有することもでき
る。ラクトン類の具体例としては、例えば、β−プロピ
オラクトン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクト
ン、β−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、δ−カ
プロラクトン、ε−カプロラクトン、4−メチルカプロ
ラクトン、3,5,5−トリメチルカプロラクトン、
3,3,5−トリメチルカプロラクトンなどの各種メチ
ル化カプロラクトン;β−メチル−δ−バレロラクト
ン、エナントラクトン、ラウロラクトン等のヒドロキシ
カルボン酸の環状1量体エステル;グリコリド、L−ラ
クチド、D−ラクチド等の上記ヒドロキシカルボン酸の
環状2量体エステル;その他、1,3−ジオキソラン−
4−オン、1,4−ジオキサン−3−オン、1,5−ジ
オキセパン−2−オン等の環状エステル−エーテル等を
挙げることができる。これらは2種以上のモノマーを混
合して使用してもよい。
【0016】本発明の一つの生分解性脂肪族ポリエステ
ル共重合体は、分子鎖が前記式(1)で表される繰り返
し単位(P)、前記(2)で表される繰り返し単位
(Q)及び前記(1’)で表される繰り返し単位(R)
からなり、pとqとrの合計が1であり、qの値が0.
02〜0.30、rの値が0.001〜0.40の範囲
にある生分解性脂肪族ポリエステル共重合体であり、そ
の製造方法は、上記(A)および(A’)(但し、
(A)と(A’)は同一でも異なってもよい)、
(B)、(C)及び(D)の4成分の重縮合反応によっ
て生分解性脂肪族ポリエステル共重合体(F)を合成す
る。重縮合反応は、上記(A)および(A’)成分、
(B)成分、(C)成分及び(D)成分の4成分の一括
仕込み(ランダム)、分割仕込み(ブロック)、あるい
は(A)成分と(B)及び(C)成分を縮合したポリマ
ーに(D)成分を重合、あるいは(A)成分と(B)成
分を縮合したポリマー及び(A’)成分と(C)成分を
縮合したポリマーの混合物に(D)成分を重合、あるい
は(D)成分のポリマーに(A)成分と(B)及び
(C)成分を共重縮合する等によっても得られるもので
あってもよい。
【0017】本発明における上記(A)及び(A’)
(但し、(A)と(A’)は同一でも異なってもよ
い)、(B)、(C)および(D)の4成分の重縮合反
応によって生分解性脂肪族ポリエステル共重合体(F)
を合成する工程(a)は、使用する原料の種類によっ
て、例えば、前半の脱水反応が主に進行するエステル化
工程と、後半のエステル交換反応が主に進行する重縮合
工程とに分けてもよい。エステル化工程は80℃〜25
0℃、好ましくは100℃〜240℃、さらに好ましく
は145℃〜230℃の反応温度で、0.5〜5時間、
好ましくは1〜4時間、760〜100Torrの条件
下で行うことが望ましい。触媒は、必ずしも必要としな
いが、原料として用いられる脂肪族ジカルボン酸又はジ
エステル1モルに対して、10-7〜10-3モル、好まし
くは10-6〜5×10-4モルの量で用いてもよい。後半
の重縮合工程は、反応系を減圧しながら反応温度を高め
て2〜10時間、好ましくは3〜6時間で終了すること
が望ましく、最終的には180℃〜270℃、好ましく
は190℃〜240℃の反応温度で減圧度3Torr以
下、好ましくは1Torr以下とすることが望ましい。
この工程では、一般的なエステル交換反応触媒を用いる
方が好ましく、原料として用いられる脂肪族ジカルボン
酸又はジエステル1モルに対して、10-7〜10-3
ル、好ましくは10-6〜5×10-4モルの量で用いる。
この範囲より触媒量が少なくなると反応がうまく進行せ
ず、反応に長時間を要するようになる。一方、この範囲
より多くなると重合時のポリマーの熱分解、架橋、着色
等の原因となり、また、ポリマーの成形加工において熱
分解等の原因となり好ましくない。
【0018】工程(a)において、脱水反応が主に進行
するエステル化工程と、後半のエステル交換反応が主に
進行する重縮合工程との両者において用いることのでき
る触媒としては、以下のような具体例を挙げることがで
きるが、これらの触媒は単独で用いても、2種以上組合
せて用いてもよい。触媒としては、金属類の各種化合
物、例えば、カルボン酸塩、炭酸塩、ホウ酸塩、酸化
物、水酸化物、水素化合物、アルコラート、アセチルア
セトネートキレート等が挙げられる。上記金属類として
は、リチウム、カリウムなどのアルカリ金属;マグネシ
ウム、カルシウム、バリウムなどのアルカリ土類金属;
スズ、アンチモン、ゲルマニウム等の典型金属;鉛、亜
鉛、カドニウム、マンガン、コバルト、ニッケル、ジル
コニウム、チタン、鉄等の遷移金属;ビスマス、ニオ
ブ、ランタン、サマリウム、ユウロピウム、エルビウ
ム、イッテルビウム等のランタノイド金属等が挙げられ
る。触媒としては、また、含窒素塩基性化合物や、ホウ
酸、またはホウ酸エステルなども用いられる。具体的に
は、アルカリ金属化合物としては、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸水素カリウム、
炭酸水素リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭
酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸リチ
ウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸リチウ
ム、水素化ホウ素ナトリウム、フェニル化ホウ素ナトリ
ウム、安息香酸リチウム、リン酸二水素ナトリウム、リ
ン酸二水素カリウム、リン酸二水素リチウムなどが挙げ
られる。アルカリ土類金属化合物としては、水酸化カル
シウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化
ストロンチウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素バリウ
ム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素ストロンチウム、
炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭
酸ストロンチウム、酢酸カルシウム、酢酸バリウム、酢
酸マグネシウム、酢酸ストロンチウム、ステアリン酸カ
ルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸マグネ
シウム、ステアリン酸ストロンチウムなどが挙げられ
る。典型金属化合物としては、ジブチルスズヒドロキシ
ド、ジブチルスズジラウレート、三酸化アンチモン、酸
化ゲルマニウム、炭酸ビスマスヒドロキシド、酢酸ビス
マスヒドロキシドなどが挙げられる。遷移金属化合物と
しては、酢酸鉛、酢酸亜鉛、アセチルアセトネート亜
鉛、酢酸カドニウム、酢酸マンガン、マンガンアセチル
アセトネート、酢酸コバルト、コバルトアセチルアセト
ネート、酢酸ニッケル、ニッケルアセチルアセトネー
ト、酢酸ジルコニウム、ジルコニウムアセチルアセトネ
ート、酢酸チタン、テトラブトキシチタネート、テトラ
イソプロポキシチタネート、チタニウムヒドロキシアセ
チルアセトネート、酢酸鉄、アセチルアセトネート鉄、
酢酸ニオブなどが挙げられる。希土類化合物としては、
酢酸ランタン、酢酸サマリウム、酢酸ユウロピウム、酢
酸エルビウム、酢酸イッテルビウムなどが挙げられる。
含窒素塩基性化合物としては、具体的には、テトラエチ
ルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウ
ムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシ
ド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシドなど
の脂肪族アミンや芳香族アミンから誘導された有機アン
モニウムヒドロキシド類;トリメチルアミン、トリエチ
ルアミン、ジメチルベンジルアミン、トリフェニルアミ
ンなどの三級アミン類;R2NH(式中Rはメチル、エ
チルなどのアルキル、フェニル、トルイルなどのアリー
ル基などである)示される二級アミン類、RNH2(式
中Rは上記と同じである)で示される一級アミン類;ア
ンモニア、テトラメチルアンモニウムボロハイドライ
ド、テトラブチルアンモニウムボロハイドライド、テト
ラブチルアンモニウムテトラフェニルボレート、テトラ
メチルアンモニウムテトラフェニルボレートなどの塩基
性化合物などが挙げられる。これらの内、テトラアルキ
ルアンモニウムヒドロキシド類が特に好ましい。ホウ酸
エステルとしては、具体的には、ホウ酸トリメチル、ホ
ウ酸トリヘキシル、ホウ酸トリヘプチル、ホウ酸トリフ
ェニル、ホウ酸トリトリル、ホウ酸トリナフチルなどが
挙げられる。
【0019】生分解性脂肪族ポリエステル共重合体
(F)を合成する工程(a)において、原料(A)及び
(A’)成分(但し、(A)と(A’)は同一でも異な
ってもよい。)、(B)成分、(C)成分の仕込み比
は、以下の条件式に合致するように選択することが望ま
しい。 1.0≦[(B)+(C)]/[(A)+(A’)]≦
1.1 (式中、[A]及び[A’]、[B]、[C]は、それ
ぞれ(A)及び(A’)成分、(B)成分、(C)成分
のモル数を表す。) [(B)+(C)]/[(A)+(A’)]の値が1よ
り小さいと、過剰の酸の存在によって加水分解反応が進
行し、所望の分子量の脂肪族ポリエステル共重合体
(F)を得ることが難しく、また[(B)+(C)]/
[(A)+(A’)]の値が1.1より大きい場合分子
量が30,000以下になり好ましくない。
【0020】本発明において、原料(A)及び(A’)
成分および(D)成分の仕込み比は以下の条件式に合致
するように選択することが必要である。 0.02≦[D]/[(A)+(A’)+(D)]≦
0.30 (式中、[A]、[A’]、[D]は、それぞれ(A)
及び(A’)成分、(D)成分の使用モル数を示す。) 上記式中の[D]/[(A)+(A’)+(D)]は、
本発明の脂肪族ポリエステル共重合体中に含まれる前記
式(2)で表される繰り返し単位Qのモル分率(q)を
表している。この値が0.02より小さい場合は、得ら
れるポリマーは結晶性が高く柔軟性のない硬いものとな
り、さらに生分解性の点でも速度が遅く不十分のものと
なる。また、0.30より大きい場合は、得られるポリ
マーの融点が低く、さらに結晶性が極端に低下するため
に耐熱性が無く実用に不向きである。
【0021】本発明の生分解性脂肪族ポリエステル共重
合体は、重量平均分子量が30,000以上、通常、1
00,000〜350,000、好ましくは160,0
00〜250,000の範囲である。また、融点は、通
常80℃以上と高く、しかもその融点と分解温度との差
は100℃以上と大きく、熱成形も容易である。本発明
の生分解性脂肪族ポリエステル共重合体において、特
に、前記一般式(1)におけるR1およびR2が(C
22または(CH24、前記一般式(2)におけるR
3が(CH25、前記一般式(1’)におけるR5がCH
2CH2−O−CH2CH2であるものは、融点が高くかつ
結晶性の高いものである。
【0022】本発明のもう一つの生分解性脂肪族ポリエ
ステル共重合体は、前記の生分解性脂肪族ポリエステル
共重合体(F)の製造工程(a)で得られる重合中間体
(F’)である低分子量脂肪族ポリエステル共重合体
(重量平均分子量5,000以上)の100重量部に対
し、0.1〜5重量部の前記式(7)で表される2官能
性の連結剤(E)により連結されてなる生分解性脂肪族
ポリエステル共重合体(G)であり、その製造方法は、
下記のとおりである。この低分子量脂肪族ポリエステル
共重合体(F’)を、(E)成分により連結されてなる
生分解性脂肪族ポリエステル共重合体(G)の合成方法
は、先ず、上記(A)及び(A’)(但し、(A)と
(A’)は同一でも異なってもよい。)、(B)、
(C)および(D)の4成分の重縮合反応によって低分
子量脂肪族ポリエステル共重合体(F’)を合成する工
程(a’)、及び溶融状態の低分子量脂肪族ポリエステ
ル共重合体(F’)に、前記式(7)で表される2官能
性の連結剤(E)を加えて重量平均分子量を30,00
0以上、通常、100,000〜350,000、好ま
しくは160,000〜250,000の以上に高める
工程(b)からなる。この(A)及び(A’)[但し、
(A)と(A’)は同一でも異なってもよい。]、
(B)、(C)および(D)の4成分の重縮合反応によ
って低分子量脂肪族ポリエステル共重合体(F’)を合
成する工程(a’)は、前記の生分解性脂肪族ポリエス
テル共重合体(F)を合成する工程(a)と同様に行う
ことができる。この場合、原料仕込み比は、前記の生分
解性脂肪族ポリエステル共重合体(F)と異なり、下記
条件に合致するように選択することが望ましい。 1.0≦[(B)+(C)]/[(A)+(A’)]≦
2.0 上記式中の[(B)+(C)]/[(A)+(A’)]の
値が、2.0より大きい場合は分子量が5,000以下
となり、好ましくない。
【0023】重合工程(a’)で得られる低分子量脂肪
族ポリエステル共重合体(F’)は、重量平均分子量が
5,000以上、好ましくは10,000以上であり、
酸価と水酸基価の値の合計が1.0から45の間であ
り、さらに酸価が30以下であることが望ましい。共重
合体(F’)の酸価と水酸基価の値の合計は、共重合体
(F’)の末端基の濃度に比例しており、分子量は重量
平均分子量が5,000以上の場合、実質上酸価と水酸
基価の値の合計は45以下である。酸価と水酸基価の値
の合計が45より大きい場合、共重合体(F’)の分子
量が低く、連結剤の添加によって所望の分子量まで高め
ようとするのに、多量の連結剤が必要となる。連結剤の
使用量が多い場合には、ゲル化などの問題が生じやす
い。酸価と水酸基価の値の合計が1.0以下の場合に
は、該共重合体(F’)の分子量が高いために溶融状態
の粘度が高くなる。この場合は、連結剤の使用量も極少
量となるために均一に反応させることが困難で、やはり
ゲル化などの問題が生じやすい。また、均一に反応させ
ることを目的として溶融温度を上げるとポリマーの熱分
解、架橋、着色等の問題が生じる。尚、特開平4−18
9822号及び特開平4−189823号公報によれ
ば、脂肪族ジカルボン酸又はその誘導体と脂肪族ジオー
ルから低分子量脂肪族ポリエステルを合成し、これにジ
イソシアネート化合物を加えて分子量を増加させる方法
が開示されているが、本発明のような、脂肪族ジカルボ
ン酸、その酸無水物又はそのエステル体(A)及び
(A’)、脂肪族ジオール(B)及び(C)、ヒドロキ
シカルボン酸もしくはヒドロキシカルボン酸エステル又
はラクトン類(D)の4成分を原料とする系に適用した
例は無い。
【0024】本発明に用いる連結剤(E)は前記式
(7)によって表される。連結剤(E)の反応基X1
及びX2としては、実質上水酸基とのみ反応して共有結
合を形成可能な前記式(9)〜(11)で表される反応
基群及び/又は、実質上カルボキシル基とのみ反応して
共有結合を形成可能な前記一般式(12)〜(15)で
表される3〜8員環の環状反応基群から選ぶことができ
る。X1とX2は同一であっても異なってもよい。
【0025】前記式(9)で表されるイソシアネート基
が導入された連結剤(E)の具体例としては、一連のジ
イソシアネート化合物を挙げることができる。具体的に
は、トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネ
ート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフチレン
ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、
水添ジフェニルメタンジイソシアネート、リジンジイソ
シアネート、トリフェニルメタンジイソシアネート、ト
ランス−シクロヘキシレン1,4−ジイソシアネート、
p−フェニレンジイソシアネート、イソホロンジイソシ
アネート等のジイソシアネート化合物、及びそれらのア
ロファネート変性体、ビュレット変性体、イソシアヌレ
ート変性体、ポリオール変性体もしくはポリチオールと
のアダクト変性体等が挙げられる。特に好ましいジイソ
シアネート化合物としては、キシレンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート等の無黄変型イソシアネート化合物を挙げ
ることができる。このようなジイソシアネート化合物
は、単独で使用しても、2種以上併用してもよい。
【0026】前記式(10)で表されるイソチオシアネ
ート基が導入された連結剤(E)の具体例としては、一
連のジイソチオシアネート化合物を挙げることができ
る。具体的には、p−フェニレンジイソチオシアネー
ト、ヘプタメチレンジイソチオシアネート、4,4’−
メチレンジフェニルイソチオシアネート、イソフタロイ
ルイソチオシアネートなどを挙げることができる。この
ようなジイソチオシアネート化合物は、単独で使用して
も、2種以上併用してもよい。
【0027】前記式(11)で表されるエポキシ基が導
入された連結剤(E)の具体例としては、一連のジエポ
キシ化合物を上げることができる。具体的には、ビスフ
ェノールAジグリシジルエーテルなどのビスフェノール
型エポキシ化合物、フェノールノボラックやクレゾール
ノボラックなどのノボラック型エポキシ化合物、レゾル
シン型エポキシ化合物、ビニルシクロヘキセンジオキシ
ド、ジシクロペンタジエンオキシドなどの脂環化合物、
グリシジルエーテル類、ポリエポキシ化ポリブタジエン
などを挙げることができる。このようなジエポキシ化合
物は、単独で使用しても、2種以上併用してもよい。
【0028】前記式(12)で表わされる基としては、
8がエチレン基であるオキサゾリンが好ましく、オキ
サゾリンはカルボン酸にエタノールアミンを反応させる
等の手段により生成させ、(7)の連結剤を調製でき
る。特にビスオキサゾリン化合物が好ましい。ビスオキ
サゾリン化合物の具体例としては、2,2’−メチレン
ビス(2−オキサゾリン)、2,2’−エチレンビス
(2−オキサゾリン)、2,2’−エチレンビス(4−
メチル−2−オキサゾリン)、2,2’−プロピレンビ
ス(2−オキサゾリン)、2,2’−テトラメチレンビ
ス(2−オキサゾリン)、2,2’−ヘキサメチレンビ
ス(2−オキサゾリン)、2,2’−オクタメチレンビ
ス(2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレンビ
ス(2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレンビ
ス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2’−p−
フェニレンビス(4,−ジメチル−2−オキサゾリ
ン)、2,2’−p−フェニレンビス(4−フェニル−
2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレンビス
(2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレンビス
(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2’−m−フ
ェニレンビス(4,4−ジメチル−2−オキサゾリ
ン)、2,2’−m−フェニレンビス(4−フェニル−
2−オキサゾリン)、2,2’−o−フェニレンビス
(2−オキサゾリン)、2,2’−フェニルビス(4−
メチル−2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(2−オ
キサゾリン)、2,2’−ビス(4−メチル−2−オキ
サゾリン)、2,2’−ビス(4−エチル−2−オキサ
ゾリン)、2,2’−ビス(4−フェニル−2−オキサ
ゾリン)等を挙げることができる。このようなビスオキ
サゾリン化合物は、単独で使用しても、2種以上併用し
てもよい。これらのビスオキサゾリン化合物の内、好ま
しいものは芳香環基を含むもの、更に好ましくはフェニ
レン基を含むものである。特に好ましくは2,2’−m
−フェニレンビス(2−オキサゾリン)及び2,2’−
p−フェニレンビス(2−オキサゾリン)である。
【0029】式(13)で表わされる基としては、R9
がメチレンであるオキサゾロンやエチレンであるオキサ
ジノンが好ましい。これらの基はN−アシル−α又はβ
−アミノカルボン酸を、例えば無水酢酸等で脱水するこ
とにより容易に調製出来る。式(15)の基が導入され
たビスオキサゾロン化合物は以下の例が挙げられる。
2,2’−ビス(5(4H)−オキサゾロン)、2,
2’−メチレンビス(5(4H)−オキサゾロン)、
2,2’−エチレンビス(5(4H)−オキサゾロ
ン)、2,2’−テトラメチレンビス(5(4H)−オ
キサゾロン)、2,2’−ヘキサメチレンビス(5(4
H)−オキサゾロン)、2,2’−デカメチレンビス
(5(4H)−オキサゾロン)、2,2’−p−フェニ
レンビス(5(4H)−オキサゾロン)、2,2’−m
−フェニレンビス(5(4H)−オキサゾロン)、2,
2’−ナフタレンビス(5(4H)−オキサゾロン)、
2,2’−ジフェニレンビス(5(4H)−オキサゾロ
ン)、2,2’−(1,4−シクロヘキシレン)−ビス
(5(4H)−オキサゾロン)、2,2’−ビス(4−
メチル−5(4H)−オキサゾロン)、2,2’−メチ
レンビス(4−メチル−5(4H)−オキサゾロン)、
2,2’−エチレンビス(4−メチル−5(4H)−オ
キサゾロン)、2,2’−テトラメチレンビス(4−メ
チル−5(4H)−オキサゾロン)、2,2’−ヘキサ
メチレンビス(4−メチル−5(4H)−オキサゾロ
ン)、2,2’−デカメチレンビス(4−メチル−5
(4H)−オキサゾロン)、2,2’−p−フェレンビ
ス(4−メチル−5(4H)−オキサゾロン)、2,
2’−m−フェニレンビス(4−メチル−5(4H)−
オキサゾロン)、2,2’−ナフタレンビス(4−メチ
ル−5(4H)−オキサゾロン)、2,2’−ジフェニ
レンビス(4−メチル−5(4H)−オキサゾロン)、
2,2’−(1,4−シクロヘキシレン)−ビス(4−
メチル−5(4H)−オキサゾロン)、2,2’−ビス
(4,4−ジメチル−5(4H)−オキサゾロン)、
2,2’−メチレンビス(4,4−ジメチル−5(4
H)−オキサゾロン)、2,2’−エチレンビス(4,
4−ジメチル−5(4H)−オキサゾロン)、2,2’
−テトラメチレンビス(4,4−ジメチル−5(4H)
−オキサゾロン)、2,2’−ヘキサメチレンビス
(4,4−ジメチル−5(4H)−オキサゾロン)、
2,2’−オクタメチレンビス(4,4−ジメチル−5
(4H)−オキサゾロン)、2,2’−デカメチレンビ
ス(4,4−ジメチル−5(4H)−オキサゾロン)、
2,2’−p−フェニレンビス(4,4−ジメチル−5
(4H)−オキサゾロン)、2,2’−m−フェニレン
ビス(4,4−ジメチル−5(4H)−オキサゾロ
ン)、2,2’−ナフタレンビス(4,4−ジメチル−
5(4H)−オキサゾロン)、2,2’−ジフェニレン
ビス(4,4−ジメチル−5(4H)−オキサゾロ
ン)、2,2’−(1,4−シクロヘキシレン)−ビス
(4,4−ジメチル−5(4H)−オキサゾロン)、
2,2’−ビス(4−イソプロピル−5(4H)−オキ
サゾロン)、2,2’−メチレンビス(4−イソプロピ
ル−5(4H)−オキサゾロン)、2,2’−エチレン
ビス(4−イソプロピル−5(4H)−オキサゾロ
ン)、2,2’−テトラメチレンビス(4−イソプロピ
ル−5(4H)−オキサゾロン)、2,2’−ヘキサメ
チレンビス(4−イソプロピル−5(4H)−オキサゾ
ロン)、2,2’−p−フェニレンビス(4−イソプロ
ピル−5(4H)−オキサゾロン)、2,2’−m−フ
ェニレンビス(4−イソプロピル-5(4H)−オキサゾ
ロン)、2,2’−ナフタレンビス(4−イソプロピル
−5(4H)−オキサゾロン)、2,2’−ビス(4−
イソブチル−5(4H)−オキサゾロン)、2,2’−
メチレンビス(4−イソブチル−5(4H)−オキサゾ
ロン)、2,2’−エチレンビス(4−イソブチル−5
(4H)−オキサゾロン)、2,2’−テトラメチレン
ビス(4−イソブチル−5(4H)−オキサゾロン)、
2,2’−ヘキサメチレンビス(4−イソブチル−5
(4H)−オキサゾロン)、2,2’−p−フェニレン
ビス(4−イソブチル−5(4H)−オキサゾロン)、
2,2’−m−フェニレンビス(4−イソブチル−5
(4H)−オキサゾロン)、2,2’−ナフタレンビス
(4−イソブチル−5(4H)−オキサゾロン)等であ
る。式(13)で表される基が導入されたもう一方の代
表的化合物であるビスオキサジノン化合物は以下の例が
挙げられる。2,2’−ビス(3,1−ベンゾオキサジ
ン−4−オン)、2,2’−メチレンビス(3,1−ベ
ンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−エチレンビス
(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−
テトラメチレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−
オン)、2,2’−ヘキサメチレンビス(3,1−ベン
ゾオキサジン−4−オン)、2,2’−デカメチレンビ
ス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’
−p−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4
−オン)、2,2′−m−フェニレンビス(3,1−ベ
ンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−ナフタレンビ
ス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’
−(4,4′−ジフェニレン)ビス(3,1−ベンゾオ
キサジン−4−オン)、2,2’−(1,4−シクロヘ
キシレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オ
ン)、2,2’−ビス(4,4−ジヒドロ−1,3,6
H−オキサジン−6−オン)、2,2’−メチレンビス
(4,5−ジヒドロ−1,3,6H−オキサジン−6−
オン)、2,2’−エチレンビス(4,5−ジヒドロ−
1,3,6H−オキサジン−6−オン)、2,2’−テ
トラメチレンビス(4,5−ジヒドロ−1,3,6H−
オキサジン−6−オン)、2,2’−p−フェニレンビ
ス(4,5−ジヒドロ−1,3,6H−オキサジン−6
−オン)、2,2’−m−フェニレンビス(4,5−ジ
ヒドロ−1,3,6H−オキサジン−6−オン)、2,
2’−ビス(4−メチル−5−ヒドロ−1,3,6H−
オキサジン−6−オン)、2,2’−エチレンビス(4
−メチル−5−ヒドロ−1,3,6H−オキサジン−6
−オン)、2,2’−o−フェニレンビス(4−メチル
−5−ヒドロ−1,3,6H−オキサジン−6−オ
ン)、2,2’−m−フェニレン(4−メチル−5−ヒ
ドロ−1,3,6H−オキサジン−6−オン)、2,
2’−p−フェニレンビス(4−ヒドロ−5−メチル
1,3,6H−オキサジン−6−オン)、2,2’−m
−フェニレンビス(4−ヒドロ−5−メチル−1,3,
6H−オキサジン−6−オン)等である。
【0030】式(14)で表わされるアジリジン基とし
ては、エチレンイミンを酸クロライドや前記ジイソシア
ナート化合物と反応させることにより容易に生成出来
る。式(15)で表わされるラクタム基としては、R10
がトリメチレンであるピロリドン、テトラメチレンであ
るピペリドン、ペンタメチレンであるカプロタクタムが
好ましく、式(14)と同様にラクタム類を酸クロライ
ドやイソシアナート化合物と反応させることにより容易
に生成出来る。これらの反応に用いられる酸クロライド
としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタ
レンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、トリメリ
ット酸、コハク酸等の誘導体である。
【0031】連結剤(E)の反応基X1とX2を、実質上
水酸基とのみ反応して共有結合を形成可能な前記式
(9)〜(11)で表される反応基群から選ぶ場合、前
駆体となる低分子量脂肪族ポリエステル共重合体
(F’)の酸価は2.0以下、好ましくは1.0以下で
ある。酸価が2.0より大きい場合は、共重合体
(F’)の水酸基末端濃度が小さく、連結反応が効率的
に行えなかったり、連結反応後、すなわち最終生成物の
酸価が大きく、成形加工時の分子量低下が起こり易いな
どの問題が生じる。連結剤(E)の反応基X1とX2を、
実質上カルボキシル基とのみ反応して共有結合を形成可
能な前記式(12)〜(15)で表される3〜8員環の
環状反応基群から選ぶ場合、共重合体(F’)の酸価は
0.5以上30以下であることが好ましい。酸価が0.
5より小さい場合は、連結剤の使用量も極少量となるた
めに均一に反応させることが困難となる。酸価が30よ
り大きいと、最終生成物の酸価を低くすることができな
かったり、多量の連結剤を用いてゲル化が生じる危険が
あるなどの問題が生じる。
【0032】本発明において、原料(A)及び(A’)
成分(但し、(A)と(A’)は同一でも異なってもよ
い。)および(D)成分の仕込み比は、下記条件式に合
致するように選択することが必要である。 0.02≦[D]/[(A)+(A’)+(D)]≦
0.30 上記式中の[D]/[(A)+(A’)+(D)]が、
0.30より大きい場合は、得られるポリマーの融点が
低く、さらに結晶性が極端に低下するために耐熱性が無
く実用に不向きである。
【0033】本発明の生分解性脂肪族ポリエステル共重
合体(G)は、重量平均分子量が30,000以上、通
常、100,000〜350,000、好ましくは16
0,000〜250,000の範囲である。また、融点
は、通常80℃以上と高く、しかもその融点と分解温度
との差は100℃以上と大きく、熱成形も容易である。
本発明の生分解性脂肪族ポリエステル共重合体(G)に
おいて、特に、前記一般式(1)におけるR1およびR2
が(CH22または(CH24、前記一般式(2)にお
けるR3が(CH25、前記一般式(1’)におけるR5
でがCH2CH2−O−CH2CH2であるものは、融点が
高くかつ結晶性の高いものである。
【0034】本発明には必要に応じて、他の生分解性樹
脂(b)や樹脂添加剤(d)を添加することができる。
上記他の生分解性樹脂としては、合成及び/又は天然高
分子が使用される。合成高分子としては、脂肪族ポリエ
ステル、ポリアミド、ポリアミドエステル、生分解性セ
ルロースエステル、ポリペプチド、ポリビニルアルコー
ル、又はこれらの混合物が挙げられる。上記合成脂肪族
ポリエステル樹脂としては、ラクトン樹脂以外のポリエ
ステル樹脂であり、縮合重合系で得られた脂肪族ポリエ
ステル樹脂である。以下、合成脂肪族ポリエステル樹脂
を、単に、脂肪族ポリエステル樹脂と略称し、天然に産
出されるものの場合にはその旨明記する。脂肪族ポリエ
ステル樹脂としては、合成ポリ乳酸、ポリエチレンサク
シネート、ポリブチレンサクシネート等の生分解性のポ
リエステル樹脂(このような樹脂としては、昭和高分子
株式会社のビオノーレに代表される低分子量脂肪族ジカ
ルボン酸と低分子量脂肪族ジオールより合成されるポリ
エステル樹脂を例示することができる)、特開平9−2
35360号、同9−233956号各公報記載の三元
共重合体の脂肪族ポリエステル、特開平7−17782
6号公報記載の乳酸とヒドロキシカルボン酸共重合体等
が挙げられる。生分解性セルロースエステルとしては、
酢酸セルロース、セルロースブチレート、セルロースプ
ロピオネート等の有機酸エステル;硝酸セルロース、硫
酸セルロース、リン酸セルロース等の無機酸エステル;
セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテー
トフタレート、硝酸酢酸セルロース等の混成エステルが
例示できる。これらのセルロースエステルは、単独で又
は二種以上混合して使用できる。これらのセルロースエ
ステルのうち有機酸エステル、特に酢酸セルロースが好
ましい。また、ポリペプチドとしては、ポリメチルグル
タミン酸等のポリアミノ酸及びポリアミドエステル等が
例示できる。ポリアミドエステルとしては、ε−カプロ
ラクトンとε−カプロラクタムより合成される樹脂等が
挙げられる。合成高分子としては、例えば脂肪族ポリエ
ステル樹脂を例にすると、GPCによる標準ポリスチレ
ン換算で数平均分子量が20,000以上200,00
0以下、好ましくは40,000以上のものが使用でき
る。
【0035】天然高分子としては、澱粉、セルロース、
紙、パルプ、綿、麻、毛、絹、皮革、カラギーナン、キ
チン・キトサン質、天然直鎖状ポリエステル系樹脂、又
はこれらの混合物が挙げられる。上記澱粉としては、生
澱粉、加工澱粉及びこれらの混合物が挙げられる。生澱
粉としてはトウモロコシ澱粉、馬鈴箸澱粉、甘藷澱粉、
コムギ澱粉、キャッサバ澱粉、サゴ澱粉、タピオカ澱
粉、コメ澱粉、マメ澱粉、クズ澱粉、ワラビ澱粉、ハス
澱粉、ヒシ澱粉等が挙げられ、加工澱粉としては、物理
的変性澱粉(α−澱粉、分別アミロース、湿熱処理澱粉
等)、酵素変性澱粉(加水分解デキストリン、酵素分解
デキストリン、アミロース等)、化学分解変性澱粉(酸
処理澱粉、次亜塩素酸酸化澱粉、ジアルデヒド澱粉
等)、化学変性澱粉誘導体(エステル化澱粉、エーテル
化澱粉、カチオン化澱粉、架橋澱粉等)などが挙げられ
る。上記の中、エステル化澱粉としては、酢酸エステル
化澱粉、コハク酸エステル化澱粉、硝酸エステル化澱
粉、リン酸エステル化澱粉、尿素リン酸エステル化澱
粉、キサントゲン酸エステル化澱粉、アセト酢酸エステ
ル化澱粉など;エーテル化澱粉としては、アリルエーテ
ル化澱粉、メチルエーテル化澱粉、カルボキシメチルエ
ーテル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉、ヒド
ロキシプロピルエーテル化澱粉など;カチオン化澱粉と
しては、澱粉と2−ジエチルアミノエチルクロライドの
反応物、澱粉と2,3−エポキシプロピルトリメチルア
ンモニウムクロライドの反応物など;架橋澱粉として
は、ホルムアルデヒド架橋澱粉、エピクロルヒドリン架
橋澱粉、リン酸架橋澱粉、アクロレイン架橋澱粉などが
挙げられる。
【0036】樹脂添加剤としては可塑剤、熱安定剤、滑
剤、ブロッキング防止剤、核剤、光分解剤、生分解促進
剤、酸化防止剤、紫外線安定剤、帯電防止剤、難燃剤、
流滴剤、抗菌剤、防臭剤、充填材、着色剤、又はこれら
の混合物が挙げられる。
【0037】可塑剤としては、脂肪族二塩基酸エステ
ル、フタル酸エステル、ヒドロキシ多価カルボン酸エス
テル、ポリエステル系可塑剤、脂肪酸エステル、エポキ
シ系可塑剤、又はこれらの混合物が例示される。具体的
には、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(DOP)、フ
タル酸ジブチル(DBP)、フタル酸ジイソデシル(D
IDP)のフタル酸エステル、アジピン酸−ジ−2−
エチルヘキシル(DOA)、アジピン酸ジイソデシル
(DIDA)等のアジピン酸エステル、アゼライン酸−
ジ−2−エチルヘキシル(DOZ)等のアゼライン酸エ
ステル、アセチルクエン酸トリ−2−エチルヘキシル、
アセチルクエン酸トリブチル等のヒドロキシ多価カルボ
ン酸エステル、ポリプロピレングリコールアジピン酸エ
ステル等のポリエステル系可塑剤であり、これらは一種
または二種以上の混合物で用いられる。これら可塑剤の
添加量としては、用途によって異なるが、一般には共重
合体100重量部に対して、3〜30重量部の範囲が好
ましい。フィルムであると、5〜15重量部の範囲が好
ましい。3重量部未満であると、破断伸びや衝撃強度が
低くなり、また30重量部を超えると、破断強度や衝撃
強度の低下を招く場合がある。
【0038】本発明で用いる熱安定剤としては、脂肪族
カルボン酸塩がある。脂肪族カルボン酸としては、特に
脂肪族ヒドロキシカルボン酸が好ましい。脂肪族ヒドロ
キシカルボン酸としては、乳酸、ヒドロキシ酪酸等の天
然に存在するものが好ましい。塩としては、ナトリウ
ム、カルシウム、アルミニウム、バリウム、マグネシウ
ム、マンガン、鉄、亜鉛、鉛、銀、銅等の塩が挙げられ
る。これらは、一種または二種以上の混合物として用い
ることができる。添加量としては、共重合体100重量
部に対して、0.5〜10重量部の範囲である。上記範
囲で熱安定剤を用いると、衝撃強度(アイゾット衝撃
値)が向上し、破断伸び、破断強度、衝撃強度のばらつ
きが小さくなる効果がある。
【0039】本発明で用いる滑剤としては、内部滑剤、
外部滑剤として一般に用いられるものが使用可能であ
る。たとえば、脂肪酸エステル、炭化水素樹脂、パラフ
ィン、高級脂肪酸、オキシ脂肪酸、脂肪酸アミド、アル
キレンビス脂肪酸アミド、脂肪族ケトン、脂肪酸低級ア
ルコールエステル、脂肪酸多価アルコールエステル、脂
肪酸ポリグリコールエステル、脂肪族アルコール、多価
アルコール、ポリグリコール、ポリクリセロール、金属
石鹸、変性シリコーンまたはこれらの混合物が挙げられ
る。好ましくは、脂肪酸エステル、炭化水素樹脂等が挙
げられる。滑剤を選択する場合には、ラクトン樹脂やそ
の他の生分解性樹脂の融点に応じて、その融点以下の滑
剤を選択する必要がある。例えば、脂肪族ポリエステル
樹脂の融点を考慮して、脂肪酸アミドとしては160℃
以下の脂肪酸アミドが選ばれる。配合量は、フィルムを
例にとると、樹脂100重量部に対し、滑剤を0.05
〜5重量部を添加する。0.05重量部未満であると効
果が充分でなく、5重量部を超えるとロールに巻きつか
なくなり、物性も低下する。フィルム用としては、環境
汚染を防止する観点から、安全性が高く、且つFDA
(米国食品医薬品局)に登録されているエチレンビスス
テアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸ア
ミド、エルカ酸アミドが好ましい。
【0040】上記光分解促進剤としては、例えば、ベン
ゾイン類、ベンゾインアルキルエーテル類、ベンゾフェ
ノン、4,4−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン
などのベンゾフェノンとその誘導体;アセトフェノン、
α,α−ジエトキシアセトフェノンなどのアセトフェノ
ンとその誘導体;キノン類;チオキサントン類;フタロ
シアニンなどの光励起材、アナターゼ型酸化チタン、エ
チレン−ー酸化炭素共重合体、芳香族ケトンと金属塩と
の増感剤などが例示される。これらの光分解促進剤は、
1種又は2種以上併用できる。
【0041】上記生分解促進剤には、例えば、オキソ酸
(例えば、グリコール酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、リ
ンゴ酸などの炭素数2〜6程度のオキソ酸)、飽和ジカ
ルボン酸(例えば、修酸、マロン酸、コハク酸、無水コ
ハク酸、グルタル酸などの炭素数2〜6程度の低級飽和
ジカルボン酸など)などの有機酸;これらの有機酸と炭
素数1〜4程度のアルコールとの低級アルキルエステル
が含まれる。好ましい生分解促進剤には、クエン酸、酒
石酸、リンゴ酸などの炭素数2〜6程度の有機酸、及び
椰子殻活性炭等が含まれる。これらの生分解促進剤は1
種又は2種以上併用できる。
【0042】上記充填剤(増量剤を含む)としては、種
々の充填剤、例えば前記の炭酸カルシウムやタルクの他
に、マイカ、珪酸カルシウム、微粉末シリカ(無水
物)、ホワイトカーボン(含水物)、石綿、陶土(焼
成)、麦飯石、各種の酸化チタン、ガラス繊維等の無機
充填剤や、天然素材の粒子等の有機充填剤を挙げること
ができる。無機充填剤としての微粉末シリカは、湿式法
でつくられたシリカや、四塩化ケイ素の酸水素焔中での
高温加水分解により製造されたシリカでもよいが、粒径
が50nm以下のものがよい。有機充填剤としては、直
径が50ミクロン以下の、紙より製造した微粉末粒子が
挙げられる。有機充填剤の添加量は無機充填剤の場合と
同じである。増量剤としては、木粉、ガラスバルーン等
が挙げられる。増量剤の添加量は無機充填剤の場合と同
じである。
【0043】本発明の生分解性樹脂組成物を成形して各
種成形品を得ることができる。成形はペレット、板、パ
リソン等のプリフォームへの1次成形、それらをシー
ト、フィルム、テープ(これらは一軸または二軸延伸物
を含み、延伸により透明性、機械的強度が向上す
る。)、薄肉容器、厚肉容器、繊維(延伸物を含み、延
伸により透明性、機械的強度が向上する。)への2次成
形、さらにフィルムを袋、特に分解性ゴミ袋、水切り
袋、シュリンクフィルム(直接製膜してもよい。)孔あ
きフィルム、農業用マルチ(防草)フィルム、植生フィ
ルム、ベタ掛けフィルム、根巻きシート、排水シート、
養生シート等に;積層フィルムをカード等に、気泡入り
緩衝シート、襞付き緩衝材;繊維を糸、ロープ、使い捨
て織物、釣り糸、ネット、漁網、寒冷紗、不織布等に;
不織布を使い捨ておむつ用、生理用品用、おしぼり、吸
油材、フィルタ等に;テープを梱包用テープ、ネット、
バンド等に;ネットを土木用補強用、植栽用、医療品用
に;薄肉容器をトレイ、ブリスターパック等に;厚肉容
器をボトル、植栽容器等に;ホース、パイプ等の日用
品、産業資材に;発泡体にしてクッション材、農業用資
材等に;徐放性や緩効性にするために粒状肥料の被覆
や、医薬、農薬などのマイクロカプセル;通常の成形体
としてドレーン材、土留め、型枠、植物保護材等の産業
資材、容器(飲料、食品、機械・電気製品、農産物、医
薬品、苗木ポット);食器類、ナイフ、フォーク、スプ
ーン、トレー等の家庭用品;骨折固定材等の医療用品;
ペンの胴部、ファイル等の事務用品;カード類などの情
報メディア材料;アウトドア用品、ゴルフティー等のス
ポーツ用品、レジャー用品胴部;樹脂組成物を接着剤、
塗料等に加工することができる。成形法としては押出成
形、射出成形、ブロー成形、カレンダー成形、圧縮成
型、トランスファー成形、熱成形、流動成形、押出し発
泡成形、押出しコーティング又は積層成形等が可能であ
る。フィルムやシートなどの場合にはT−ダイ成形、イ
ンフレーション成形、カレンダー成形が通常用いられ、
また、無延伸でも、一軸もしくは二軸延伸することもで
きる。
【0044】以下に、フィルム、特にインフレーション
法によるフィルムを製膜する場合の好適例について説明
する。滑剤としての脂肪酸アミドの配合割合は、樹脂1
00重量部に対し0.2〜5重量部が好ましいが、0.
3〜1.5重量部の範囲がより好ましい。脂肪酸アミド
が0.2重量部未満ではインフレーションフィルムのチ
ューブ内のブロッキングとかフィルムとニップロールや
ガイドロール間のブロッキング防止効果がやや低くな
り、一方、5重量部を超えるとフイルムの滑り性が必要
以上に高くなり易く、ロール巻きの崩れ問題の他、印刷
適性、接着性等も低下傾向を示し始める。更に必要に応
じて液状滑剤、微粉末シリカ、澱粉等を添加することが
できる。液状滑剤の使用目的は、共重合体又は組成物が
通常ペレットもしくはビーズ状でインフレーション製膜
工程に供給され、これに後記のような嵩比重の極めて小
さい微粉末シリカ等を均一に混合しようとする場合と、
該ペレットやビーズの表面を可及的ウェットにしておく
ことが好ましいためである。このような使用目的を有す
る液状滑剤の添加量は、樹脂100重量部に対して、好
ましくは0.1〜3重量部、より好ましくは0.2〜
0.7重量部の範囲で添加される。添加量が3重量部を
超えると液状滑剤が混合用タンブラーの内面に多量に付
着し、べたついて安定な混合が難しくなることがあり、
0.1重量部未満ではウェッティング剤としての効果が
充分には発揮できないことがある。この傾向は、より好
ましい0.2〜0.7重量部の範囲外についても見られ
る。一方、ウェッティング剤としての液状滑剤は融点が
70℃以下が好ましく、常温で液状のものがより好まし
く使用される。例えば流動パラフイン、パラフィンワッ
クス,ステアリルアルコール,ステアリン酸等の他,ス
テアリン酸ブチル、ステアリン酸モノグリセリド、ペン
タエリスリトールテトラステアレート、ステアリルステ
アレート等のステアリン酸エステル類などを挙げること
ができる。なお、上記液状滑剤中最も好ましい流動パラ
フインは経口急性毒性(ラット)LD50が5g/kg
であるので非常に安全であり、食品衛生法の食品添加物
として認められていて、フィルムの使用後に廃棄された
場合の環境汚染防止の点で非常に好都合の材料である。
上述のごとく滑剤としては液状滑剤を選択したが、若し
固体滑剤を使用する場合は、樹脂組成物を含む全体の系
が、該固体滑剤の融点以上である必要があり、該融点以
下の低温では使用困難である。室温において液体である
流動パラフィンはこの点で好ましい滑剤である。微粉末
シリカの使用目的は、本発明に係るインフレーションフ
ィルム及びインフレーション製膜時の前記ブロッキング
防止を図ることにある。使用される微粉末シリカは、湿
式法でつくられたシリカや、四塩化ケイ素の酸水素焔中
での高温加水分解により製造されたシリカ等が充当され
るが、特に粒径が50nm以下のものが好ましい。添加
方法としては、本発明に係る共重合体、その組成物又は
更に脂肪酸アミドを添加してなる樹脂組成物に加熱混練
される方法が最も好ましく、かなりの高い剪断力が作用
し二次凝集粒子がほぐされ、フイルム間及びフィルムと
各ロール間のブロッキングとかべたつきの防止効果を発
揮する。なお、微粉末シリカの添加量は、樹脂100重
量部に対して0.1〜3重量部の範囲が上記効果の発揮
の点で最も好ましい。共重合体に前記各種添加剤を加え
て配合組成物を得る方法としては、従来使用されてきた
各種方法が適用でき、特に限定されるものではない。
【0045】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施
例中の脂肪族ポリエステル共重合体の種々の測定値は下
記の方法により求めた。 (分子量及び分子量分布)ゲルパーミエーションクロマ
トグラフィー(GPC)法を用いて標準ポリスチレンか
ら校正曲線を作成し、数平均分子量(Mn)、重量平均
分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)を求め
た。溶離液にはクロロホルムを用いた。 (酸価と水酸基価)JIS K0070に基づいて測定
した。 (熱的性質)示差走査熱量分析装置(DSC)により融
点及びガラス転移点を求めた。 (機械的強度)JIS K7113に基づき、試験片の
引張伸度及び強度を求めた。 (生分解性)活性汚泥を用いた簡易分解度試験(JIS
K−6950)に従って生分解性評価を行なった。姫
路市標準活性汚泥を使用し、試験期間28日後(ただ
し、プラトーに達しない場合は最大6ヶ月)の生分解性
(重量%)を測定した。また、上記で得られた生分解性
の数値が60%以下のものを×、60%以上のものを
○、80%以上のものを◎と表示した。
【0046】(実施例1)撹拌機付き内容積200ml
のガラス製4つ口フラスコにコハク酸36.3g(A:
0.307モル)、1,4−ブタンジオール27.8g
(B:0.308モル)、ε−カプロラクトン6.19
g(D:0.054モル)、ジエチレングリコール0.
86g(C:0.008モル)、触媒としてチタンテト
ライソプロポキシド43.6mg、第二りん酸マグネシ
ウム・三水和物8.9mgを仕込み、窒素雰囲気下18
0℃で反応を開始した。1.0時間後、反応温度を徐々
に240℃まで上昇させながら反応を続けた。4.0時
間後、減圧を開始し、さらに6.0時間反応を行った。
得られたポリマーは、Mn:106,000、Mw:2
25,000、Mw/Mn:2.1の分子量及び分子量
分布を有し、融点97℃の熱的性質を有した。得られた
ポリマーは、フィルム成形可能で柔軟性のある強靭なも
のであった。
【0047】(実施例2)撹拌機付き内容積200ml
のガラス製4つ口フラスコにコハク酸36.3g(A:
0.307モル)、1,4−ブタンジオール27.8g
(B:0.308モル)、ε−カプロラクトン6.19
g(D:0.054モル)、シクロヘキサンジメタノー
ル1.15g(C:0.008モル)、触媒としてチタ
ンテトライソプロポキシド43.6mg、第二りん酸マ
グネシウム・三水和物8.9mgを仕込み、窒素雰囲気
下180℃で反応を開始した。1.0時間後、反応温度
を徐々に240℃まで上昇させながら反応を続けた。
4.0時間後、減圧を開始し、さらに6.0時間反応を
行った。得られたポリマーは、Mn:98,000、M
w:205,000、Mw/Mn:2.1の分子量及び
分子量分布を有し、融点93℃の熱的性質を有した。得
られたポリマーは、フィルム成形可能で柔軟性のある強
靭なものであった。
【0048】(実施例3)攪拌機、分留コンデンサー、
温度調節装置を備えた予備重合槽に、1,4−ブタンジ
オール28.75kg(B:319モル)、コハク酸3
8.00kg(A:321モル)、ε−カプロラクトン
6.48kg(D:56.8モル)、ジエチレングリコ
ール2.01kg(C:18.9モル)を一括仕込みし
た。常圧下、145〜240℃の温度にて攪拌し、エス
テル化反応を行った。留出液の量が10.4kgを超え
たところで予備重合工程を終了し、反応液を本重合槽に
移した。さらに本重合槽にチタン酸テトライソプロピル
エステル18.25gを加え、反応液を210〜220
℃の温度に保ちながら攪拌して、最終的に1.0Tor
r(133Pa)にまで減圧し、2時間攪拌下に、1,
4−ブタンジオールを留出させて、即ち、脱グリコール
反応によりエステル交換反応を行った。得られた低分子
量ポリエステルの重量平均分子量は53,000、酸価
は1.6mg−KOH/gであった。脱グリコール反応
終了後、得られた低分子量ポリエステルを190℃で溶
融状態にして、ヘキサメチレンジイソシアネート679
g(E:4.04モル)を加え、攪拌すると、粘度は急
速に増大したがゲル化はしなかった。得られた高分子量
脂肪族ポリエステル共重合体は、Mw18.4万、酸価
は1.4mgKOH/g、融点は88℃であり、フィル
ム成形可能であった。機械強度は、引張強度が600k
gf/cm2、引張伸度が800%であった。また、生
分解性は80%(◎)であった。
【0049】(実施例4)実施例3で使用したものと同
じ予備重合槽に、1,4−ブタンジオール28.11k
g(B:312モル)、コハク酸38.00kg(A:
321モル)、ε−カプロラクトン6.48kg(D:
56.8モル)、ジエチレングリコール2.01kg
(C:18.9モル)を一括仕込みした。常圧下、14
5〜225℃の温度にて攪拌し、エステル化反応を行っ
た。留出液の量が10.4kgを超えたところで予備重
合工程を終了し、反応液を本重合槽に移した。さらに本
重合槽にチタン酸テトライソプロピルエステル18.2
5gを加え、反応液を210〜220℃の温度に保ち攪
拌し、最終的に1.0Torr(133Pa)にまで減
圧し、3時間攪拌して脱グリコール反応(エステル交換
反応)を行った。得られた低分子量ポリエステルの重量
平均分子量は93,000、酸価は3.2mg−KOH
/gであった。脱グリコール反応終了後、低分子量ポリ
エステルを190℃で溶融状態にして、2,2’−m−
フェニレンビス(2−オキサゾリン)1235g(E:
5.71モル)を加え、攪拌すると、粘度は増大したが
ゲル化はしなかった。得られた高分子量脂肪族ポリエス
テル共重合体は、Mw16.7万、酸価は2.9mg−
KOH/g、融点は88℃であり、フィルム成形可能で
あった。機械強度は、引張強度が530kgf/c
2、引張伸度が740%であった。また、生分解性は
82%(◎)であった。
【0050】
【発明の効果】本発明の方法によれば、ポリスチレン換
算の重量平均分子量が3万以上、特に10万を超える高
分子量の生分解性脂肪族ポリエステル共重合体を、工業
的に効率よく製造できる。本発明により得られる生分解
性脂肪族ポリエステル共重合体は、十分高分子量体であ
るためフィルムや繊維などにも成形加工可能であり、実
用上十分な柔軟性を有している。また酸価が低いために
成形時の分子量安定性が良く、同時に優れた生分解性も
有している。したがって本発明の生分解性脂肪族ポリエ
ステル共重合体は、フィルム、繊維、シート、ボトルな
ど広範囲の成形品に加工して利用可能であり、使用後は
土中埋設およびコンポスト化などの手段により速やかに
生分解させることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J029 AA01 AB01 AB04 AC02 AC03 AD01 AD10 AE02 AE03 BA02 BA03 BA04 BA05 BA07 BA09 BA10 BD07A BF08 BF09 BF10 BF17 BF18 CA02 CA03 CA04 CA06 EA02 EA03 EA05 EG01 EG02 EG05 EG06 EG07 EG08 EG09 JB241 JC152 JC232 JC242 JC282 JC292 JC352 KH01

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子鎖が、一般式(1): (−CO−R1−COO−R2−O−)p (1) (式中、R1は炭素数1〜12の二価脂肪族基、R2は炭
    素数2〜12の二価脂肪族基、pは分子鎖中のモル分率
    を表す。)で表される繰り返し単位(P)、一般式
    (2): (−CO−R3−O−)q (2) (式中、R3は炭素数1〜10の二価脂肪族基、qは分
    子鎖中のモル分率を表す。)で表される繰り返し単位
    (Q)、及び一般式(1’) (−CO−R4−COO−R5−O−)r (1’) (式中、R4は炭素数1〜20の二価脂肪族基、R5は少
    なくとも1以上のエーテル結合もしくは脂環式骨格を主
    鎖に含む炭素数2〜20の二価脂肪族基、rは分子鎖中
    のモル分率を表す。)で表される繰り返し単位(R)か
    らなり、pとqとrの合計は1であり、qの値が0.0
    2〜0.30、rの値が0.001〜0.40の範囲に
    ある生分解性脂肪族ポリエステル共重合体。
  2. 【請求項2】 生分解性脂肪族ポリエステル共重合体
    が、該共重合体の重合中間体である低分子量脂肪族ポリ
    エステル共重合体(重量平均分子量5,000以上)1
    00重量部に対し、0.1〜5重量部の一般式(7): X1−R6−X2 (7) (式中、X1、X2は水酸基またはカルボキシル基と作用
    して共有結合を形成可能な反応基、R6は単結合、炭素
    数1〜20の脂肪族基又は芳香族基を表し、X1、X2
    同一でも異なってもよい。)で表される2官能性の連結
    剤(E)により連結されてなる請求項1記載の生分解性
    脂肪族ポリエステル共重合体。
  3. 【請求項3】 重量平均分子量が、30,000以上で
    あることを特徴とする請求項1又は2に記載の生分解性
    脂肪族ポリエステル共重合体。
  4. 【請求項4】 R1及びR4は、コハク酸の残基[(CH
    22]及び/又はアジピン酸の残基[(CH24](R
    1とR4は同一でも異なってもよい)であることを特徴と
    する請求項1又は2に記載の生分解性脂肪族ポリエステ
    ル共重合体。
  5. 【請求項5】 R2が、エチレングリコール残基[(C
    22]及び/又は1,4−ブタンジオール残基[(C
    24]であることを特徴とする請求項1又は2に記載
    の生分解性脂肪族ポリエステル共重合体。
  6. 【請求項6】 R3が、ε−オキシカプロン酸残基であ
    ることを特徴とする請求項1又は2に記載の生分解性脂
    肪族ポリエステル共重合体。
  7. 【請求項7】 R5が、ジエチレングリコール残基及び
    /又はシクロヘキサンジメタノールの残基であることを
    特徴とする請求項1又は2に記載の生分解性脂肪族ポリ
    エステル共重合体。
  8. 【請求項8】 一般式(7)で表される2官能性の連結
    剤(E)の反応基がイソシアネート基;イソチオシアネ
    ート基;エポキシ基;オキサゾリン基;オキサゾロン基
    もしくはオキサジノン基;アジリジン基;又はこれらの
    混基であることを特徴とする請求項2に記載の生分解性
    脂肪族ポリエステル共重合体。
  9. 【請求項9】 一般式(3): R7−OCO−R1−COO−R8 (3) (式中、R1は炭素数1〜12の二価脂肪族基、R7、R
    8は水素原子、又は炭素数1〜6の脂肪族基もしくは芳
    香族基を表し、R7、R8は同一でも異なってもよい。)
    で表される脂肪族ジカルボン酸、その酸無水物又はその
    ジエステル体(A)、一般式(4): HO−R2−OH (4) (式中、R2は炭素数2〜12の二価脂肪族基を表
    す。)で表される脂肪族ジオール(B)、及び一般式
    (3’): R9−OCO−R4−COO−R10 (3’) (式中、R4は炭素数1〜20の二価脂肪族基、R9、R
    10は水素原子、又は炭素数1〜6の脂肪族基もしくは芳
    香族基を表し、R9、R10は同一であっても異なっても
    よい。)で表される脂肪族ジカルボン酸、その酸無水物
    又はそのジエステル体(A’)、一般式(4’): HO−R5−OH (4’) (式中、R5は少なくとも1以上のエーテル結合もしく
    は脂環式骨格を主鎖に含む炭素数2〜20の二価脂肪族
    基を表す)で表される脂肪族ジオール(C)、一般式
    (5): R11OCO−R3−OH (5) (式中、R3は炭素数1〜10の二価脂肪族基、R11
    水素原子または炭素数1〜6の脂肪族基又は芳香族基を
    表す。)で表されるヒドロキシカルボン酸もしくはその
    エステル体、または一般式(6): 【化1】 (式中、R3は炭素数1〜10の二価脂肪族基を表
    す。)で表されるラクトン類(D)の、上記(A)およ
    び(A’)(但し(A)と(A’)は同一でも異なって
    いてもよい。);(B);(C);及び(D)成分の重
    縮合反応によって、分子鎖が一般式(1): (−CO−R1−COO−R2−O−)p (1) (式中、R1は炭素数1〜12の二価脂肪族基、R2は炭
    素数2〜12の二価脂肪族基、pは分子鎖中のモル分率
    を表す。)で表される繰り返し単位(P)、一般式
    (2): (−CO−R3−O−)q (2) (式中、R3は炭素数1〜10の二価脂肪族基、qは分
    子鎖中のモル分率を表す。)で表される繰り返し単位
    (Q)、及び一般式(1’): (−CO−R4−COO−R5−O−)r (1’) (式中、R4は炭素数1〜20の二価脂肪族基、R5は少
    なくとも1以上のエーテル結合もしくは脂環式骨格を主
    鎖に含む炭素数1〜20の二価脂肪族基、rは分子鎖中
    のモル分率を表す。)で表される繰り返し単位(R)か
    らなり、pとqとrの合計は1であり、qの値が0.0
    2〜0.30、rの値が0.001〜0.40の範囲に
    ある生分解性脂肪族ポリエステル共重合体の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の生分解性脂肪族ポリ
    エステル共重合体の製造方法において、該共重合体の重
    合中間体である低分子量脂肪族ポリエステル共重合体
    (重量平均分子量5,000以上)を合成する工程、及
    び溶融状態の該低分子量脂肪族ポリエステル共重合体の
    100重量部に対し、0.1〜5重量部の一般式
    (7): X1−R6−X2 (7) (式中、X1とX2は水酸基またはカルボキシル基と作用
    して共有結合を形成可能な反応基、R6は単結合、炭素
    数1〜20の脂肪族基又は芳香族基を表し、X1、X2
    同一であっても異なってもよい。)で表される2官能性
    の連結剤(E)を加えることにより、重量平均分子量を
    30,000以上に高める工程からなる生分解性脂肪族
    ポリエステル共重合体の製造方法。
  11. 【請求項11】 一般式(7)で表される連結剤(E)
    において、X1及びX2が実質上水酸基とのみ反応して共
    有結合を形成可能な式(9)〜(11): 【化2】 で表される反応基群から選ばれる1種以上であることを
    特徴とする請求項10に記載の生分解性脂肪族ポリエス
    テル共重合体の製造方法。
  12. 【請求項12】 一般式(7)で表される連結剤(E)
    において、X1及びX2が実質上カルボキシル基とのみ反
    応して共有結合を形成可能な一般式(12)〜(15) 【化3】 (R8〜R10は2価の脂肪族基または芳香族基を表し、
    環に直接結合している水素は脂肪族及び/又は芳香族基
    で置換されてもよい。)で表される反応基群から選ばれ
    る1種以上であることを特徴とする請求項10に記載の
    生分解性脂肪族ポリエステル共重合体の製造方法。
  13. 【請求項13】 原料の仕込み時におけるモル比が、下
    記式 1.0≦[(B)+(C)]/[(A)+(A’)]≦
    1.1 及び 0.02≦[(D)]/[(A)+(A’)+(D)]
    ≦0.30 {式中、(A)及び(A’)((A)と(A’)は同一
    でも異なってもよい。)は、脂肪族ジカルボン酸、その
    酸無水物又はそのエステル体のモル数、(B)は脂肪族
    ジオールのモル数、(C)は主鎖にエーテル結合を含む
    脂肪族ジオールのモル数、(D)はヒドロキシカルボン
    酸もしくはそのエステル体又はラクトン類の使用モル数
    を表す。}を満足することを特徴とする請求項9又は1
    0に記載の生分解性脂肪族ポリエステル共重合体の製造
    方法。
  14. 【請求項14】 原料の仕込み時におけるモル比が、下
    記式 1.0≦[(B)+(C)]/[(A)+(A’)]≦
    2.0 及び 0.02≦[(D)]/[(A)+(A’)+(D)]
    ≦0.30 {式中、(A)及び(A’)((A)と(A’)は、同
    一でも異なってもよい。)は、脂肪族ジカルボン酸、そ
    の酸無水物又はそのエステル体のモル数、(B)は脂肪
    族ジオールのモル数、(C)はエーテル結合を含む脂肪
    族ジオールのモル数、(D)はヒドロキシカルボン酸も
    しくはそのエステル体又はラクトン類の使用モル数を表
    す。}を満足することを特徴とする請求項9又は10に
    記載の生分解性脂肪族ポリエステル共重合体の製造方
    法。
  15. 【請求項15】 脂肪族ジカルボン酸ジエステル
    ((A)及び(A’))中に不純物として含まれる脂肪
    族ジカルボン酸及び脂肪族カルボン酸の含有量が脂肪族
    ジカルボン酸ジエステルに対して0.1mol%以下に
    保持することを特徴とする請求項9又は10に記載の生
    分解性脂肪族ポリエステル共重合体の製造方法。
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