JP2002293674A - 無釉調タイルおよびその製造方法 - Google Patents

無釉調タイルおよびその製造方法

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JP2002293674A
JP2002293674A JP2001093206A JP2001093206A JP2002293674A JP 2002293674 A JP2002293674 A JP 2002293674A JP 2001093206 A JP2001093206 A JP 2001093206A JP 2001093206 A JP2001093206 A JP 2001093206A JP 2002293674 A JP2002293674 A JP 2002293674A
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tile
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inorganic
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JP2001093206A
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Sadataka Mayumi
禎隆 真弓
Hidenori Kobayashi
秀紀 小林
Yoshimitsu Saeki
義光 佐伯
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Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無釉タイル独特の質感を損なうことなく、長
期に亘って防汚性を発揮することの可能な無釉調タイル
及びその製造方法を提供すること。 【解決手段】 吸水性のあるタイル素地上に、液状の無
機材料、粒径1〜100nmの無機粒子の懸濁液からな
る材料の少なくとも1種の無機バインダーを、塗布後に
焼成することにより前記無機バインダーが固形分として
0.05g/m2以上5.0g/m2以下固定されてお
り、さらにその上から光触媒材料が固形分として0.0
1g/m2以上5.0g/m2以下固定されてなること
を特徴とする無釉調タイル。

Description

【発明の詳細な説明】 【発明の属する技術分野】
【0001】本発明は、屋内、屋外の建築仕上げ材であ
る無釉調タイル及びその製造方法に関する。より詳しく
は、その独特の質感を維持しつつ光触媒による防汚機能
を向上させた無釉調タイル及びその製造方法に関する。
【従来の技術】
【0002】従来、無釉調のタイルに防汚機能を維持さ
れる方法としては、焼成前の無釉タイル表面に釉薬を少
量塗布し、焼成することによって表面の開気孔や空隙の
量を減らす、すなわち、無釉タイル表面の吸水率を低減
化させることに方法が採られていた。
【0003】一方、ブライト調の施釉タイルに防汚機能
を維持される方法としては、陶磁器表面に形成された釉
薬層の表面に、光触媒粒子を塗布し焼成固定化する方法
が採られていた。この方法により、光触媒の持つ有機物
分解力と親水化力によって、タイル表面は汚れを付着し
にくく、付着しても光触媒の持つ有機物分解力により汚
れを分解することが可能であり、或いは光触媒の持つ親
水化力により汚れを降雨や水洗により容易に洗い流すこ
とができた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、無釉タイル表
面の吸水率を低減化させる方法によれば、表面がガラス
化するため表面の光沢が上昇し、無釉タイル独特の質感
が損われる。また、堆積された汚れ成分はそのまま残存
するため、長期に亘って防汚性を発揮することはできな
い。
【0005】また、ブライト調の施釉タイルの場合の光
触媒粒子を塗布し焼成固定化する方法を単純に採用しよ
うとすると、無釉タイル、特に表面光沢率5%以下のせ
っき質のタイル表面には、無数の開気孔があり、その開
気孔から汚れ成分が素地内部まで浸透してしまうため
に、光触媒をタイル表面に固定化しても、防汚性を充分
に発揮する事ができない場合があった。
【0006】そこで、本発明では、無釉タイル独特の質
感を損なうことなく、長期に亘って防汚性を発揮するこ
との可能な無釉調タイル及びその製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、その一実施態様として、顔料、色素、骨
材のうちの少なくとも1種を含有する吸水性のあるタイ
ル素地上に、(a)液状の無機材料、(b)粒径1〜1
00nmの無機粒子の懸濁液からなる材料、の少なくと
も1種の無機バインダーを、塗布後に焼成することによ
り、前記無機バインダーが固形分として0.05g/m
2以上5.0g/m2以下固定されており、さらにその
上から光触媒材料が固形分として0.01g/m2以上
5.0g/m2以下固定されてなることを特徴とする無
釉調タイルを提供する。このように、0.05g/m2
以上の(a)及び/又は(b)の無機バインダーを固定
し、吸水率を低減させた表面に光触媒を固定すること
で、汚れは素地内部に浸透せずに表面に堆積できるだけ
の状態となり、その堆積された汚れも光触媒により分解
又は容易に水洗除去可能となる。従って、長期に亘って
防汚性を発揮することが可能となる。さらに無機バイン
ダーが固形分として5.0g/m2以下しか固定されて
いないので、表面光沢率が5%以下に維持され、無釉タ
イル独特の質感を損なうこともない。
【0008】本発明の他の実施態様においては、顔料、
色素、骨材のうちの少なくとも1種を含有する吸水性の
あるタイル素地上に、着色性釉薬が固形分で10〜50
0g/m2塗布後焼成されてなる吸水性のあるタイル素
地焼成体上に、(a)液状の無機材料、(b)粒径1〜
100nmの無機粒子の懸濁液からなる材料、の少なく
とも1種の無機バインダーを、塗布後に焼成してなり、
前記無機バインダーが固形分として0.05g/m2以
上5.0g/m2以下固定されており、さらにその上か
ら光触媒材料が固形分として0.01g/m2以上5.
0g/m2以下固定されてなることを特徴とする無釉調
タイルを提供する。本実施態様においては、さらに着色
性釉薬が固形分で10〜500g/m2塗布されるの
で、より複雑な意匠を実現可能となる。
【0009】本発明の好ましい態様においては、前記無
機バインダーの塗布後の焼成温度が、200〜900℃
であるようにする。そうすることにより、光触媒による
汚れの分解効果及び汚れの水洗除去効果が向上する。こ
れは、このような温度で焼成することで、無機バインダ
ーは、無釉成形タイル表面の気孔や粒子界面の空隙全体
を埋めるのではなく、これらの表面を均一に被覆しなが
ら、連通孔の大きさを低減することが可能になるためと
考えられる。そのために、水の表面吸収速度は変化せ
ず、オレイン酸等の油の表面からの吸収速度が24時間
後、1g/100cm2以下まで抑制され、かつ、表面
の光沢は、未加工のものと比べても変化していないと推
測される。これによって、特に油脂分や有機物を含む汚
れ成分が表面に付着しても、気孔内部まで浸透すること
なく、最表層に留める効果が向上したと考えられる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の好ましい具体的
態様につき、説明する。本発明において、「無機バイン
ダー」とは、(a)液状の無機材料、(b)粒径1〜1
00nmの無機粒子の懸濁液からなる材料、のいずれか
一方、又は両者の混合物である。
【0011】「液状の無機材料」には、アルカリシリケ
ート、アルキルシリケート、有機金属化合物、金属リン
酸化合物のうちの少なくとも1種が好適に利用できる。
とりわけ、アルカリシリケートが透明性、密着性、吸水
率低減の観点から好ましい。
【0012】「粒径1〜100nmの無機粒子の懸濁液
からなる材料」には、シリカゾル、アルミナゾル、アル
ミナ担持シリカゾル、リン酸アルミニウムのうちの少な
くとも1種が好適に利用できる。
【0013】両者の混合物としては、無機バインダーが
粒径5〜70nmのシリカゾルと、Li、Na、Kのい
ずれか一つまたは2つ以上とBを含むアルカリシリケー
トの混合物であって、その混合割合が重量比で5:5〜
0:10でから選ばれた1種類または2種類以上が表面
吸水率の低減の観点から好ましい。
【0014】また、粒径5〜70nmのアルミナゾルと
リン酸アルミニウムの混合物であり、その混合割合は重
量比で(0〜5):(5〜0):5 〜0:0:10で
あるものが表面吸水率の低減の観点から好ましい。
【0015】「粒径1〜100nmの無機粒子の懸濁液
からなる材料」を用いる場合、無機バインダーに含まれ
るゾル粒子の大きさや配合量は、基材となる無釉タイル
表面の気孔や空隙の大きさによって調整されることが望
ましいが、50%を超えないことが望ましい。
【0016】無機バインダーの塗布量は、固形分として
0.05g/m2以上5.0g/m2以下の条件で塗布
することが好ましく、特に、基材となる無釉タイルの吸
水率が1%以下の場合は、固形分として0.05g/m
2以上0.4g/m2以下の条件が、基材となる無釉タ
イルの吸水率が1%以上3%以下の場合は、固形分とし
て0.3g/m2以上1.5g/m2以下の条件がより
好ましい。このとき、無機バインダーの塗布量は、基材
となる無釉タイル表面の気孔や空隙の大きさによって調
整されることが望ましい。
【0017】無機バインダーの固形分濃度は、0.1%
以上15%以下が好ましく、1.0%以上3%以下がよ
り好ましい。また、無機バインダーを塗布し、含浸させ
る際の表面温度は、25〜50℃が好ましく、25〜3
5℃であることがより好ましい。このとき、固形分濃度
や表面温度は、基材となる無釉タイル表面の気孔や空隙
の大きさによって調整されることが望ましい。
【0018】無機バインダーを塗布、含浸させた後の焼
成温度については、200〜1000℃が好ましいが、
300℃以上で焼成することが耐久性の点からより好ま
しく、600℃以上がさらに好ましい。この焼成におけ
る生産性向上のために、600〜1000℃で5〜60
秒間の条件で急速加熱により焼成することができる。
【0019】本発明において、「光触媒材料」には酸化
チタン、酸化錫、酸化タングステン、酸化亜鉛、チタン
酸ストロンチウムのうちの少なくとも1種が好適に利用
できる。アナターゼ型のTiO2であることがより好ま
しい。また、光触媒を含む層2に、Cu、Agのいずれ
か一つ、または、2つ以上の金属または酸化物が担持さ
れていることが好ましく、アナターゼ型のTiO2また
は光触媒に直接担時されていることがより好ましい。
【0020】光触媒を塗布するためのコーティング剤に
は、光触媒の他に無機バインダーが添加されていてもよ
い。その場合、光触媒を含むコーティング材が、固形分
重量比で光触媒:無機バインダー=1:9〜10:0で
あることが好ましく、光触媒:無機バインダー=2:8
〜8:2であることがより好ましい。
【0021】また、光触媒を含むコーティング剤の塗布
は、塗布面の表面温度を予め35〜250℃、より好ま
しくは150〜200℃にしておいて、そこに塗布する
ようにするのが好ましい。
【0022】光触媒を含むコーティング剤は固形分0.
01g/m2以上塗布するのが好ましく、0.015g
/m2以上だとより良く、0.02g/m2以上だと最
も好ましい。これだけ塗布されることで、光触媒作用が
充分に発揮される。また、光触媒を含むコーティング剤
は固形分5.0g/m2以下、より好ましくは2.5g
/m2以下、最も好ましくは1.0g/m2以下にする
のがよい。そうすることにより、光触媒に起因する意匠
性の低下が生じなくなる。
【0023】光触媒材料は、光触媒を含むコーティング
材を塗布した後、300℃以上で焼成されることによっ
てタイル表面に固定されることが好ましい。また、生産
性向上させるために、光触媒を含むコーティング材を塗
付した後、600〜1000℃で5〜60秒間急速に加
熱することによって焼成することも可能である。
【0024】本発明の無釉調タイルの一製造方法として
は、例えば、以下の方法が挙げられる。すなわち、顔
料、色素のうちの少なくとも1種と、必要に応じて骨材
を含んだ組成の素地原料を用いて成形してタイル素地成
形体を作製する工程と、該成形体を焼成して吸水性のあ
るタイル素地焼成体を作製する工程と、該焼成体上に
(a)液状の無機材料、(b)粒径1〜100nmの無
機粒子の懸濁液からなる材料、の少なくとも1種の無機
バインダーを塗布して無機バインダー材料塗布物を形成
する工程と、該無機バインダー材料塗布物を固化させて
無機バインダー材料被覆物を形成する工程と、該無機バ
インダー材料被覆物上に、固形分として0.01g/m
2以上5.0g/m2以下の光触媒材料に、必要に応じ
て無機バインダーを添加した材料を、塗布して光触媒材
料塗布物を形成する工程と、を具備するとともに、前記
無機バインダー量は固形分で0.05以上5g/m2以
下固定されるようにすることを特徴とする無釉調タイル
の製造方法である。
【0025】本発明の無釉調タイルの他の製造方法とし
ては、例えば、以下の方法が挙げられる。すなわち、顔
料、色素、骨材のうちの少なくとも1種を含有する組成
の素地原料を用いて成形してタイル素地成形体を作製す
る工程と、該タイル素地成形体上に 10〜500
g/m2の着色性釉薬原料を塗布後焼成して吸水性のあ
るタイル素地焼成体を作製する工程と、該焼成体上に
(a)液状の無機材料、(b)粒径1〜100nmの無
機粒子の懸濁液からなる材料、の少なくとも1種の無機
バインダーを塗布して無機バインダー材料塗布物を形成
する工程と、該無機バインダー材料塗布物を固化させて
無機バインダー材料被覆物を形成する工程と、該無機バ
インダー材料被覆物上に、固形分として0.01g/m
2以上5.0g/m2以下の光触媒材料に、必要に応じ
て無機バインダーを添加した材料を、塗布して光触媒材
料塗布物を形成する工程と、を具備するとともに、前記
無機バインダー量は固形分で0.05以上5g/m2以
下固定されるようにすることを特徴とする無釉調タイル
の製造方法である。
【0026】本発明の無釉調タイルは、例えば、屋内、
屋外の建築仕上げ材、壁、床タイル等として使用可能で
ある。また、光触媒材料がその機能を充分に発揮する屋
外や、0.001mW/cm 以上の紫外線照度で室内
照明により照射される部分に使用するのが最も好まし
い。
【0027】
【実施例】実施例1.湿式外装壁 ニッタイ白系吸水率1.
5%+HH加工 トンネルキルンで焼成後の吸水率が約1.5%となるよ
う顔料や原料、骨材を配合し、混練、湿式成形の後、乾
燥した未焼成素地の表面に、このタイルの表面温度が4
0℃になるように加温した後、固形分濃度が2%のL
i、Na、Bを含むアルカリシリケートを固形分0.5
0g/m2の塗布量になるようにスプレー施釉した後、
750℃で60秒間急速加熱し、さらに連続して、この
タイルの表面温度が150℃の時に、Li、Na、Bを
含むアルカリシリケートとアルカリ性のアナターゼ型の
TiO2ゾルを固形分比4:6に混合したコーティング
材を固形分0.40g/m2の塗布量になるようにスプ
レー施釉した後、850℃で30秒間急速加熱し、サン
プルを作製した。まず、このタイルの表面に1%のメチ
レンブルー水溶液を数滴滴下し、5分間放置した後、十
分水で洗浄する。乾燥後、2.5mW/cm2のBLB
ランプの下で、1週間放置し、メチレンブルーが接触し
た部分としていない部分の色差を測定する。この色差Δ
Eは1.5であった。また、表面の光沢率は4.3%で
あった。さらに水およびオレイン酸の24時間後の表面
吸収速度を測定した所、それぞれ2.6g/(100c
m2・24hr)、0.6g/(100cm2・24h
r)、であった。また、このタイルの表面にシリコーン
シーリング材を直径約1cmの大きさの半球状に点付け
し、南面45度の角度で屋外曝露6ヶ月したが、シリコ
ーンシーリングの周囲への目立った汚れの付着もなく曝
露開始時の意匠性を維持できた。
【0028】実施例2.湿式外装床白系吸水率1.5%
+透明釉+アンタ゛ーコート有り+スコルト加工 実施例1同様に茶色の顔料と2mmアンダーの骨材を1
%添加して作製した未焼成素地に同様の方法で釉薬をス
プレー施釉後、トンネルキルンで焼成したタイルを作製
した。その後、このタイルの表面温度が40℃になるよ
うに加温した後、リン酸アルミニウム、アルミナ担時シ
リカゾルを固形分比9:1に混合した固形分濃度1.0
%のコーティング材を固形分0.8g/m2の塗布量に
なるようにスプレー施釉した後、800℃のRHKで6
0分間焼成した。さらに連続して、このタイルの表面温
度が80℃の時に、酸性のアナターゼ型のTiO2ゾ
ル、アルミナを表面に担時したシリカゾル、アルミナゾ
ルを固形分比8.5:1.0:0.5に混合したコーテ
ィング材を固形分0.1g/cm2の塗布量になるよう
にスプレー施釉した後、800℃のRHKで60分間焼
成し、サンプルを作製した。このサンプルを、日当たり
の悪い北面床に曝露した。12ヶ月経過後においても、
表面に目立った汚れの付着が見られなかった。また、こ
のサンプル表面の光沢率は4.1%であった。
【0029】実施例3.乾式床 クッキン系吸水率0.1%
+HH加工 茶色顔料2%、鉄系キレート色素1%と骨材として珪砂
0,5mmアンダー1%を添加し、トンネルキルンで焼
成後の吸水率が約0.2%となるよう原料に配合した泥
しょうを、造粒、乾式成形し、焼成温度が1230℃の
トンネルキルンで焼成する。その後、このタイルの表面
温度が40℃になるように加温した後、固形分濃度が
0.3%のLi、Na、Bを含むアルカリシリケートを
固形分0.06g/m2の塗布量になるようにスプレー
施釉した後、750℃で60秒間急速加熱し、さらに連
続して、このタイルの表面温度が150℃の時に、L
i、Na、Bを含むアルカリシリケートとAgがTiO
2固形分に対して1%担時されたアルカリ性のアナター
ゼ型のTiO2ゾルを固形分比7:3に混合したコーテ
ィング材を固形分0.30g/m2の塗布量になるよう
にスプレー施釉した後、850℃で30秒間急速加熱
し、サンプルを作製した。実施例1で使用した評価方法
で、紫外線照射後のΔE、表面の光沢率、水およびオレ
イン酸の24時間後の表面吸収速度を測定した所、1.
1、4.8%、0.5g/(100cm2・24h
r)、0.1g/(100cm2・24hr)、であっ
た。また、このサンプル表面に油性染料を溶かしたオレ
イン酸を2〜3滴滴下し、1日放置した後、流水にて洗
浄し室内にて1週間放置した。これを洗浄、乾燥した
後、目立った汚れの付着は見られなかった。
【0030】比較例1.ニッタイ白系吸水率1.5%素材 無機バインダー、光触媒を含むコーティング材を塗布し
ない以外は実施例1同様の条件で比較用サンプルを作製
した。実施例1の使用した評価方法で、紫外線照射後の
ΔE、表面の光沢率、水およびオレイン酸の24時間後
の表面吸収速度を測定した所、13.3、3.7%、
2.8g/(100cm2・24hr)、1.2g/
(100cm2・24hr)、であった。 また、実施
例1同様の屋外曝露6ヶ月後、シリコーーンシーリング
の周囲約2〜3cmに渡って汚れの付着が見られた。以
上の結果より、実施例1ではメチレンブルーで汚染した
にも係らず、紫外線を照射することによって、比較例1
よりも明らかに色素を脱色することができ、表面の光沢
変化も少なく、オレイン酸の吸収速度も抑制し、実際の
屋外曝露においても初期の無釉調の意匠性を維持してい
た。
【0031】比較例2.湿式成形外装壁 ニッタイ白系吸水
率1.5%+アンタ゛ーコート有り 光触媒を含むコーティング材を塗布しない以外は実施例
1の同様の条件で比較用サンプルを作製した。実施例1
の方法で使用した評価方法で、紫外線照射後のΔE、表
面の光沢率、水およびオレイン酸の24時間後の表面吸
収速度を測定した所、9.8、4.2%、2.5g/
(100cm2・24hr)、0.7g/(100cm
2・24hr)であった。また、実施例1同様の屋外曝
露6ヶ月後、シリコーーンシーリングの周囲約2〜3c
mに渡って汚れの付着が見られた。
【0032】比較例3.湿式成形外装壁 ニッタイ白系吸水
率1.5%+アンタ゛ーコート多い アルカリシリケートの固形分濃度が4.8%で、塗布さ
れた固形分が3.0g/m2であること以外は比較例2
の同様の条件で比較用サンプルを作製した。実施例1の
方法で使用した評価方法で、紫外線照射後のΔE、表面
の光沢率、水およびオレイン酸の24時間後の表面吸収
速度を測定した所、8.9、7.1%、2.5g/(1
00cm2・24hr)、0.5g/(100cm2・
24hr)であった。また、実施例1同様の屋外曝露6
ヶ月後、シリコーーンシーリングの周囲約2〜3cmに
渡って汚れの付着が見られた。従って、実施例1では、
比較例2および比較例3よりも色素をほとんど完全に脱
色することができ、比較例3よりも表面の光沢変化も少
なく、実際の屋外曝露においても初期の無釉調の意匠性
を維持していた。
【0033】比較例4.湿式外装床 透明釉多い 実施例2で使用した釉薬の固形分濃度を50%で、塗布
された固形分が160g/m2とし、無機バインダー、
光触媒を塗付しない以外は同様の条件で比較用サンプル
を作製した。このサンプルを、実施例3同様の方法で屋
外曝露した。12ヶ月経過後において、表面に藻、カビ
などの汚れの付着が見られた。また、このサンプル表面
の光沢率は5.8%であった。従って、実施例2では、
比較例4よりも実際の屋外曝露においても初期の無釉調
の意匠性を維持していた。
【0034】比較例5.無機バインダー、光触媒を含む
コーティング材を塗布しない以外は実施例3と同様の方
法で比較用サンプルを作製した。実施例1の方法で使用
した評価方法で、紫外線照射後のΔE、表面の光沢率、
水およびオレイン酸の24時間後の表面吸収速度を測定
した所、4.2、4.2%、0.5g/(100cm2
・24hr)、0.2g/(100cm2・24hr)
であった。また、実施例3同様の方法で評価した所、表
面に油のしみ汚れの付着が見られた。従って、実施例3
では、比較例5よりも初期の無釉調の意匠性を維持して
いた。
【0035】
【発明の効果】
【0036】本発明によれば、、無釉タイル独特の質感
を損なうことなく、長期に亘って防汚性を発揮すること
の可能な無釉調タイル及びその製造方法を提供すること
が可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C04B 33/34 C04B 33/34 41/86 41/86 F 41/87 41/87 A C09D 1/02 C09D 1/02 5/00 5/00 Z 5/16 5/16 183/02 183/02 185/00 185/00 (72)発明者 佐伯 義光 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 Fターム(参考) 4D075 BB26Z BB93Z CA34 DA06 DB11 DB14 DC03 EB01 EB42 EC02 EC03 EC53 4G055 AA07 AC03 BA14 BA35 4G069 AA03 AA08 BA01A BA02A BA02B BA04A BA04B BA13A BA13B BA48A BB04A BB06A BB14A BC12A BC16A BC22A BC35A BC50A CA01 CA11 EA11 FA03 FB23 FB24 FB30 FC07 FC08 4J038 AA011 DL021 DM011 DM021 HA166 HA216 HA416 HA446 HA461 NA01 NA05 PA19 PB02 PB05 PC03

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 顔料、色素、骨材のうちの少なくとも1
    種を含有する吸水性のあるタイル素地上に、(a)液状
    の無機材料、(b)粒径1〜100nmの無機粒子の懸
    濁液からなる材料、の少なくとも1種の無機バインダー
    を、塗布後に焼成することにより、前記無機バインダー
    が固形分として0.05g/m2以上5.0g/m2以
    下固定されており、さらにその上から光触媒材料が固形
    分として0.01g/m2以上5.0g/m2以下固定
    されてなることを特徴とする無釉調タイル。
  2. 【請求項2】 顔料、色素、骨材のうちの少なくとも1
    種を含有する吸水性のあるタイル素地上に、着色性釉薬
    が固形分で10〜500g/m2塗布後焼成されてなる
    吸水性のあるタイル素地焼成体上に、(a)液状の無機
    材料、(b)粒径1〜100nmの無機粒子の懸濁液か
    らなる材料、の少なくとも1種の無機バインダーを、塗
    布後に焼成してなり、前記無機バインダーが固形分とし
    て0.05g/m2以上5.0g/m2以下固定されて
    おり、さらにその上から光触媒材料が固形分として0.
    01g/m2以上5.0g/m2以下固定されてなるこ
    とを特徴とする無釉調タイル。
  3. 【請求項3】 前記無機バインダーの塗布後の焼成温度
    が、200〜1000℃であることを特徴とする請求項
    1又は2に記載の無釉調タイル。
  4. 【請求項4】 前記液状の無機材料が、アルカリシリケ
    ート、アルキルシリケート、有機金属化合物、金属リン
    酸化合物のうちの少なくとも1種であることを特徴とす
    る請求項1〜3に記載の無釉調タイル。
  5. 【請求項5】 前記液状の無機材料が、アルカリシリケ
    ートであることを特徴とする請求項1〜3に記載の無釉
    調タイル。
  6. 【請求項6】 前記無機粒子が、シリカゾル、アルミナ
    ゾル、アルミナ担持シリカゾル、リン酸アルミニウムの
    うちの少なくとも1種であることを特徴とする請求項1
    〜5に記載の無釉調タイル。
  7. 【請求項7】 前記光触媒材料は、酸化チタン、酸化
    錫、酸化タングステン、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチ
    ウムのうちの少なくとも1種であることを特徴とする請
    求項1〜6に記載の無釉調タイル。
  8. 【請求項8】 前記無釉調タイル表面の、表面光沢率が
    5%以下であることを特徴とする請求項1〜7に記載の
    無釉調タイル。
  9. 【請求項9】 顔料、色素のうちの少なくとも1種と、
    必要に応じて骨材を含んだ組成の素地原料を用いて成形
    してタイル素地成形体を作製する工程と、該成形体を焼
    成して吸水性のあるタイル素地焼成体を作製する工程
    と、該焼成体上に(a)液状の無機材料、(b)粒径1
    〜100nmの無機粒子の懸濁液からなる材料、の少な
    くとも1種の無機バインダーを塗布して無機バインダー
    材料塗布物を形成する工程と、該無機バインダー材料塗
    布物を固化させて無機バインダー材料被覆物を形成する
    工程と、該無機バインダー材料被覆物上に、固形分とし
    て0.01g/m2以上5.0g/m2以下の光触媒材
    料に、必要に応じて無機バインダーを添加した材料を、
    塗布して光触媒材料塗布物を形成する工程と、を具備す
    るとともに、前記無機バインダー量は固形分で0.05
    以上5g/m2以下固定されるようにすることを特徴と
    する無釉調タイルの製造方法。
  10. 【請求項10】 顔料、色素、骨材のうちの少なくとも
    1種を含有する組成の素地原料を用いて成形してタイル
    素地成形体を作製する工程と、該タイル素地成形体上に
    10〜500g/m2の着色性釉薬原料を塗布後焼成し
    て吸水性のあるタイル素地焼成体を作製する工程と、該
    焼成体上に(a)液状の無機材料、(b)粒径1〜10
    0nmの無機粒子の懸濁液からなる材料、の少なくとも
    1種の無機バインダーを塗布して無機バインダー材料塗
    布物を形成する工程と、該無機バインダー材料塗布物を
    固化させて無機バインダー材料被覆物を形成する工程
    と、該無機バインダー材料被覆物上に、固形分として
    0.01g/m2以上5.0g/m2以下の光触媒材料
    に、必要に応じて無機バインダーを添加した材料を、塗
    布して光触媒材料塗布物を形成する工程と、を具備する
    とともに、前記無機バインダー量は固形分で0.05以
    上5g/m2以下固定されるようにすることを特徴とす
    る無釉調タイルの製造方法。
  11. 【請求項11】 前記無機バインダー塗布物の固化温度
    が、200〜1000℃であることを特徴とする請求項
    9又は10に記載の無釉調タイルの製造方法。
  12. 【請求項12】 前記液状の無機材料が、アルカリシリ
    ケート、アルキルシリケート、有機金属化合物、金属リ
    ン酸化合物のうちの少なくとも1種であることを特徴と
    する請求項9〜11に記載の無釉調タイルの製造方法。
  13. 【請求項13】 前記液状の無機材料が、アルカリシリ
    ケートであることを特徴とする請求項9〜11に記載の
    無釉調タイルの製造方法。
  14. 【請求項14】 前記無機粒子が、シリカゾル、アルミ
    ナゾル、アルミナ担持シリカゾル、リン酸アルミニウム
    のうちの少なくとも1種であることを特徴とする請求項
    9〜13に記載の無釉調タイルの製造方法。
  15. 【請求項15】 前記光触媒材料は、酸化チタン、酸化
    錫、酸化タングステン、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチ
    ウムのうちの少なくとも1種であることを特徴とする請
    求項9〜14に記載の無釉調タイルの製造方法。
  16. 【請求項16】 前記無釉調タイル表面の、表面光沢率
    が5%以下になることを特徴とする請求項9〜15に記
    載の無釉調タイルの製造方法。
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