JP2002291172A - 電力供給方法および通信装置 - Google Patents

電力供給方法および通信装置

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JP2002291172A JP2001092955A JP2001092955A JP2002291172A JP 2002291172 A JP2002291172 A JP 2002291172A JP 2001092955 A JP2001092955 A JP 2001092955A JP 2001092955 A JP2001092955 A JP 2001092955A JP 2002291172 A JP2002291172 A JP 2002291172A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 通信機能有するPDA等の端末装置におい
て、通信装置が送信を行っている間もデータ通信やPD
A動作等を可能とする共に、これを実現するのに、高容
量のバッテリやコンデンサを必要としない、電力供給手
法を実現すること。 【解決手段】 第1類の電力供給先が必要な消費電力を
検出する手段と、電力源による第2類の電力供給先への
電力供給をオン/オフさせる手段と、電力源による第2
類の電力供給先への電力供給をオフさせた際に、第2類
の電力供給先に供給すべき電力を維持する電力蓄積手段
とを有し、第1類の電力供給先に一時的に大きな消費電
力が必要であることが検出されると、電力源による第2
類の電力供給先への電力供給をオフして、第2類の電力
供給先には電力蓄積手段から電力を供給し、この状態
で、第1類の電力供給先で大きな消費電力が不要となっ
たことが検出されると、電力源による第2類の電力供給
先への電力供給を復帰させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電力供給方法およ
び端末装置に係り、特に例えば、無線LAN(local ar
ea network)もしくは移動体通信等の通信機能を内蔵し
たPDA(personal digital assistants)端末装置に
おいて、バッテリーの持続時間を延命する電源回路技術
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来技術の一例として、通信機能を内蔵
したPDAにおける電源回路について説明する。
【0003】図4は、通信機能を内蔵したPDAにおけ
る電源回路系の構成を示す図である。図2において、5
1はGSM(global system for mobile communicatio
n)通信部、52はPDA部、53は電池、55はコン
デンサ、56は電力供給ラインであり、GSM通信部5
1とPDA部52が、電池53によって電力供給を受け
るようになっている。
【0004】本例のGSM通信部51とPDA部52と
電池53は、一例として、 GSM部送信時最低電圧 VGSM−TX=3.3V GSM部送信時消費電流 IGSM−TX=2.0A GSM部非送信時消費電流 IGSM−ON=0.1A PDA部最低動作電圧 VPDA=2.8V PDA部消費電流 IPDA=0.1A 電池部 無負荷時電池電圧 VBATT=3.6V 電池部 内部抵抗 RBATT=0.15Ω 上記の電力仕様を満足しなければならないとする。
【0005】まず、PDAがない場合の送信時供給電圧
V’TOTALを考える。PDAが無い場合の送信時
は、GSM送信時消費電流IGSM−TXが電池53の
内部抵抗53aを流れるので、GSM通信部51に供給
される送信時供給電圧V’TOTALは、下記のようにな
り、 送信時供給電圧V’TOTAL =電池電圧VBATT−内部抵抗RBATT×消費電流IGSM−TX =3.6V−0.15Ω×2.0A =3.3V 送信時最低電圧VGSM−TXを確保できるため、GS
M通信部51は送信が可能である。
【0006】ところが、GSMとPDAの両方に電源を
供給した場合、送信時の全体の消費電流I
TOTALは、下記のようになり、 送信時消費電流ITOTAL =GSM送信時消費電流IGSM−TX+PDA消費電流IPDA =2.0A+0.1A =2.1A 送信時供給電圧VTOTAL =電池電圧VBATT−内部抵抗RBATT×消費電流ITOTAL =3.6V−0.15Ω×2.1A =3.285V<GSM送信時最低電圧VGSM−TX=3.3V このときの送信時供給電圧VTOTALは、前記仕様で
ある送信時最低電圧V SM−TXを下回るため、GS
M通信部51が送信できなくなる。
【0007】そこで、従来より、一時的に増加する消費
電流を、予めコンデンサ55に貯められたエネルギーに
よって補う方法が使われている。ここで、このコンデン
サ55の容量を算出してみる。コンデンサ55から供給
される電流ICAPは、送信時消費電流ITOTAL
ら電池53が供給する電流を引いたものであるから、 コンデンサから供給される電流ICAP=ITOTAL
−(VBATT−VGSM−TX)÷RBATT 上記のようになる。
【0008】したがって、本電流をコンデンサ55から
GSM通信部51とPDA部52に供給するために必要
なエネルギーは、GSMバースト送信持続時間をt(≒
577μs)とすると、 コンデンサのエネルギーECAP=VGSM−TX×I
CAP×t 上記のようになる。
【0009】一方、コンデンサ55は非送信時の電圧に
よって蓄えられたエネルギーを、送信時に消費する。非
送信時のコンデンサ55の充電電圧は、 非送信時の充電電圧VON=VBATT−RBATT×
(IGSM−ON+IPDA) 上記で表される。
【0010】コンデンサ55の容量をCとすると、本消
費エネルギーECAP−TXは、次のようになり、この
CAP−TXが上記のコンデンサのエネルギーE
CAPとなるため、次のように、コンデンサの容量Cが
求まる。
【0011】コンデンサの放電エネルギーE
CAP−TX=0.5×C×{(VON)−(V
GSM−TX)} であり、ECAP=ECAP−TXより、コンデンサ5
5の容量Cは、次の数1に示すようにものとなる。
【0012】
【数1】
【0013】したがって、従来技術を用いた場合、約2
00μFの大容量コンデンサが必要となる。
【0014】なお、特開平11−331178号公報に
記載されているように、PDA部の電力を停止させて、
電話機能のみ限定利用する供給方法が存在する。この場
合、PDA部が電力を消費しないので、PDA部が無い
場合と同様に、GSM部に供給される送信時供給電圧
V’TOTALは、 送信時供給電圧V’TOTAL =電池電圧VBATT−内部抵抗RBATT×消費電流IGSM−TX =3.6V−0.15Ω×2.0A =3.3V 上記のようになり、送信時最低電圧VGSM−TXを確
保できるため、GSM通信部の送信が可能である。
【0015】しかしながら、PDA部を停止しているた
め、データ通信やPDA動作が行えない。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】前記のGSM通信装置
とPDAの複合機の電源供給を従来技術で行うには、最
大消費電流が提供可能な高容量の電池を使用したり、電
池の終止電圧を引き上げて電池切れ検出を早めることで
1回の充電あたりの使用時間が短くなったり、前記の計
算結果のような200μFの大容量コンデンサが必要と
なったりして、通信装置の小型化や電力源の長寿命化の
妨げになっていた。
【0017】また、PDAの動作を止めることで、通信
部のみを動作させる方法があったが、この手法ではPD
A部を停止させるため、データ通信やPDA動作が行え
ないという問題があった。
【0018】本発明は上記の点に鑑みなされたもので、
その目的とするところは、通信装置を内蔵したPDAな
どの端末装置において、通信装置が送信を行っている間
も、データ通信やPDA動作などを可能とする共に、こ
れを実現するのに、高容量のバッテリや高容量のコンデ
ンサを要することない、電力供給手法を実現することに
ある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本願による代表的な1つ
の発明では、第1類の電力供給先と第2類の電力供給先
に電力源から電力を供給する電力供給方法において、第
1類の電力供給先が必要な消費電力を検出する手段と、
電力源による第2類の電力供給先への電力供給をオン/
オフさせる手段と、電力源による第2類の電力供給先へ
の電力供給をオフさせた際に、第2類の電力供給先に供
給すべき電力を維持する電力蓄積手段とを有し、第1類
の電力供給先に一時的に大きな消費電力が必要であるこ
とが検出されると、電力源による第2類の電力供給先へ
の電力供給をオフして、第2類の電力供給先には電力蓄
積手段から電力を供給し、この状態で、第1類の電力供
給先で大きな消費電力が不要となったことが検出される
と、電力源による第2類の電力供給先への電力供給を復
帰させることで、全体の機能を維持したまま電力供給が
行えるようにされる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を用いて説明する。
【0021】図1は、本発明の第1実施形態に係るシス
テム(電力供給系および電力供給先)の構成を示すブロ
ック図である。図1において、1は第1類の電力供給
先、2は第2類の電力供給先、3は電池よりなる電力
源、4は、電力源3から第2類の電力供給先2への電力
供給をオン/オフする供給切断手段、5は、供給切断手
段4のオフ時に第2類の電力供給先に電力を供給するコ
ンデンサよりなる電力蓄積手段、6は電力源3からの電
力供給ライン、7は電力蓄積手段5の電力蓄積量を検出
する蓄積量検出手段であり、また、S1は第1類の電力
供給先1の消費電力検出信号、S2は蓄積量検出手段7
から出力される省電力制御信号である。
【0022】図1に示す構成では、電力源3からの電力
供給ライン6を第1類の電力供給先1と第2類の電力供
給先2とに分けて、第1類の電力供給先1には電力を直
接供給し、第2類の電力供給先2には、供給切断手段4
を介して電力を供給するようにして、供給切断手段4の
オフ時(切断時)には、電力蓄積手段5から第2類の電
力供給先2へ電力を供給するようになっている。
【0023】つまり、第1類の電力供給先1が瞬時的に
大量の電力を消費する際は、消費電力検出信号S1によ
って供給切断手段4をオフさせて、電力源3から第2類
の電力供給先2への電力供給を停止させ、第2類の電力
供給先2には電力蓄積手段5から電力を供給する。
【0024】これにより、供給切断手段4のオフ時に
は、電力源3の負荷は第1類の電力供給先1のみとな
り、第2類の電力供給先2の負荷が低減される。つま
り、この間、電力源の内部抵抗3aで消費する電力が削
減される。
【0025】また、第1類の電力供給先1の消費電力が
通常に戻った際は、消費電力検出信号S1によって供給
切断手段4をオンさせ、第2類の電力供給先2の電力供
給を電力源3によって行うように復帰させる。このと
き、電力蓄積手段5にも電力が蓄積される。
【0026】ところで、以上のシステムでは、供給切断
手段4がオフされて、電力蓄積手段5から第2類の電力
供給先2へ電力供給している際に、電力蓄積手段5の蓄
積量が一定値を下回ると、第2類の電力供給先2への供
給能力が不足する虞がある。
【0027】そこで、本実施形態では、電力蓄積手段5
の蓄積量を、蓄積量検出手段7を用いて監視し、電力蓄
積手段5の蓄積量が一定値を下回ると、蓄積量検出手段
7から省電力制御信号S2を、第1類の電力供給先1と
第2類の電力供給先2に出力させて、第1類の電力供給
先1と第2類の電力供給先2を省電力状態に推移させ、
これによって、供給切断手段4をオンさせるようにして
ある。かようにすることで、電力蓄積手段5の蓄積量が
一定値を下回った際における、第2類の電力供給先2へ
の電力の供給不足という事態を回避することができる。
【0028】なお、電力蓄積手段5の蓄積量が一定値を
下回ってからの動作の順番や動作の必要性に関しては、
システムに合わせる必要があるため、上記以外の順序
や、供給切断手段4の切断からの復帰(オン動作)、省
電力状態推移の何れかを行わない場合も考えられる。
【0029】次に、本発明の第2実施形態を説明する。
図2は、本発明の第2実施形態に係るシステム(電力供
給系および電力供給先)の構成を示すブロック図であ
り、本実施形態は、通信機能を内蔵したPDA端末への
適用例である。
【0030】図2において、11は第1類の電力供給先
としてのGSM通信部、12は第2類の電力供給先とし
てのPDA部、13は電力源としての電池、13aは電
池13の内部抵抗、14は、電池13からPDA部12
への電力供給をオン/オフする供給切断手段としての電
子スイッチ、15は、電子スイッチ14のオフ時(切断
時)にPDA部12に電力を供給する電力蓄積手段とし
てのコンデンサ、16は電池13からの電力供給ライン
である。また、GSM通信部11は、GSM制御部11
aと、GSM無線部11bと、アンテナ11cとを具備
しており、PDA部12は、PDA制御部12aと、記
憶部12bと、入力部12cと、表示部12dとを具備
している。
【0031】図2に示す構成においても、電池13から
の電力供給ライン16をGSM通信部11とPDA部1
2とに分けて、GSM通信部11には直接電力を供給
し、PDA部12には、電子スイッチ14を介して電力
を供給するようになっている。そして、電子スイッチ1
4のオフ時(切断時)には、電子スイッチ14のオフ前
に蓄積した電力をコンデンサ15から、PDA部12に
供給するようになっている。
【0032】通常の動作では、電子スイッチ14はオン
状態(接続状態)にあり、電池13はGSM通信部11
とPDA部12に電力を供給し、また、コンデンサ15
も充電されている。また、本例では、PDA部12の内
部では、PDA制御部12a、記憶部12b、入力部1
2c、表示部12dに、PDA部12に供給された電力
が供給されている。
【0033】PDA部12の動作は、PDA制御部12
aが記憶部12bに搭載されているプログラムに従っ
て、入力部12cのデータを記憶部12bに保存した
り、入力部12cのデータに従って、記憶部12bのデ
ータを編集したり、保存内容や編集結果を表示部12d
へ受け渡して表示したりすることで、行われる。
【0034】また、インターネット接続などでPDA部
12から外部の情報にアクセスする場合は、PDA制御
部12aがGSM部11のGSM制御部11aとデータ
をやり取りすることで実現する。
【0035】GSM通信部11では、GSM制御部11
aがGSM無線部11bおよびPDA制御部12aとデ
ータのやり取りを行っており、GSM通信部11で送受
信したデータはPDA部12に伝わる。
【0036】本システムからデータを外部に送信する場
合は、GSM制御部11aが送信制御信号とデータをG
SM無線部11bに送ることで、GSM無線部11bで
変調された高周波信号がアンテナ11cから放射する。
また、本システムが外部からのデータの受信を行う場合
は、GSM制御部11aが受信制御信号をGSM無線部
11bに送ることで、アンテナ11cで受信した高周波
信号がGSM無線部11bで復調され、データとしてG
SM制御部11aに伝わる。
【0037】次に、PDA部12への電池13からの電
力供給の切断と復帰動作について説明する。GSMの最
大送信出力は2Wであり、GSM通信部11の消費電力
は、送信増幅器の効率や無線回路内部での損失を含める
と、2Wの数倍に相当する電力が必要となる。ところ
が、連続的にGSMを使用している場合でも、送信を持
続的に行っている時間は、TDMA(time division mu
ltiple access)フレーム(約4.6ミリ秒)の区間中
の送信バースト(約0.6ミリ秒)の区間だけで、残り
の時間は数百ミリWの消費電流で済み、送信時と比較し
て僅かな電力しか必要としない。
【0038】そこで、約0.6ミリ秒の送信バースト区
間だけ、GSM制御部11aが送信検出信号S3によ
り、電子スイッチ14をオフさせることで、電池13か
らPDA部12への電力供給を切断し、これにより、電
池13の負荷を減らすことで内部抵抗13aに流れる電
流が減り、電力供給ライン16の電圧降下を最小限に抑
えることが実現可能となる。
【0039】また、約0.6ミリ秒の送信バーストが終
了すると、GSM制御部11aが送信検出信号S3によ
り、電子スイッチ14をオン状態に復帰させることで、
電池13からの電力が、放電したコンデンサ15および
PDA部12に供給される。
【0040】ここで、従来技術と同一条件である、 GSM部送信時最低電圧 VGSM−TX=3.3V GSM部送信時消費電流 IGSM−TX=2.0A GSM部非送信時消費電流 IGSM−ON=0.1A PDA部最低動作電圧 VPDA=2.8V PDA部消費電流 IPDA=0.1A 電池部 無負荷時電池電圧 VBATT=3.6V 電池部 内部抵抗 RBATT=0.15Ω 上記のような電力仕様を例にとる。
【0041】従来技術では、先にも述べたように、GS
M通信部とPDA部の両方が動作する場合、大容量のコ
ンデンサを付加しなければ、上記の電力仕様が満足でき
なかった。
【0042】ところが、本実施形態の場合、電子スイッ
チ14をオフして、PDA部12を電池13から切り離
すと、 送信時供給電圧V’TOTAL =電池電圧VBATT−内部抵抗RBATT×消費電流IGSM−TX =3.6V−0.15Ω×2.0A =3.3V となり、GSM通信部11の送信時最低電圧である3.
3Vを満足する。
【0043】ここで、本実施形態でも、電子スイッチ1
4とPDA部12との間には、コンデンサ15が必要に
なるため、このコンデンサ15の容量を求めてみる。図
2の本実施形態において必要なコンデンサの容量は、次
のように計算できる。
【0044】電子スイッチ14による電池13からの電
力供給の切断時間を、t(=577μs)とすると、こ
の区間で必要なエネルギーは、 切断時間のPDAの消費エネルギーEPDA=VPDA
×IPDA×t 上記のようになる。
【0045】一方、コンデンサ15は、非送信時の電圧
によってエネルギーが蓄えられる。この非送信時の充電
電圧は、 非送信時の充電電圧VON=VBATT−RBATT×
(IGSM−ON+IPDA) 上記のようになる。
【0046】コンデンサ15の容量をC’とすると、本
消費エネルギーE’CAP−TXは、次のようになり、
このE’CAP−TXがPDAの消費エネルギーE
PDAとなるため、次のように、コンデンサの容量C’
が求まる。
【0047】コンデンサの放電エネルギーE’
CAP−TX=0.5×C’×{(VON−(V
PDA} であり、E’CAP−TX=EPDAより、コンデンサ
15の容量C’は、次の数2に示すようなものとなる。
【0048】
【数2】
【0049】したがって、本実施形態では、コンデンサ
15の容量は約66μFで済む。これに対して、従来技
術ではコンデンサ55の容量は約205μFが必要であ
ったので、本実施形態では、コンデンサの容量を従来技
術に比べて約3分の1に減少させることができる。ま
た、電子スイッチ14は半導体で構成可能な部品であ
り、これを他のPDA制御部12aやGSM制御部11
aといった集積回路に集積化することで、部品点数の増
加やコストアップは僅かである。したがって、本実施形
態の電力供給手法を導入することで、端末のサイズや重
量を小さくしたり、端末のコストを削減することが可能
となる。
【0050】なお、本実施形態では、GSMの送信検出
を送信の制御信号で行っているが、他にも、GSMの送
信制御とは独立した信号をGSM制御部11aが送信状
況に合わせて出力する方法や、GSM無線部11bに供
給される電流を検出する方法なども考えられる。また、
GSMの送信電力は基地局との通信距離に応じて変化
し、送信出力が大幅に変動するため、ある一定以上の送
信出力の時のみ、GSM制御部11aが電子スイッチ1
4をオフさせることで、より、最適な制御が可能とな
る。
【0051】なお、本実施形態は、通信機能を内蔵した
PDA端末への適用例であり、本実施形態ではPDA制
御部12aとGSM制御部11aとを切り離している
が、PDA制御部12aがPDAとGSMの両方の制御
を行うようにすることも実現可能である。また、本実施
形態のGSM通信部11やPDA部12の内部の電源供
給については、他の電源供給も考えられるが、本発明の
基本動作に依存しないため省略する。
【0052】また、本実施形態では通信機能にGSMを
例に挙げているが、PDC(personal digital cellula
r)やPHS(personal handy-phone system)といった
他のTDMAシステムでも適応可能であり、さらに、最
大出力で送信するケースがまれであったり、パケットデ
ータ通信システムのようにデータ送信時間が一時的であ
ったりする場合、TDMA以外でもFDMA(frequenc
y division multipleaccess)方式やCDMA(code di
vision multiple access)方式を使った通信システム
や、無線LANのようなCSMA(carrier sense mult
iple access)方式にも適用可能である。
【0053】なおまた、本実施形態ではGSMとPDA
という組み合わせを例に挙げているが、図1の第1類の
電力供給先1の消費電力が大幅に変動するような他のシ
ステムにも、本発明は適用可能である。例えば、無線L
ANを内蔵したゲートウェーや、セットトップボックス
などにも、本発明は適用可能である。
【0054】次に、本発明の第3実施形態を説明する。
図3は、本発明の第3実施形態に係るシステム(電力供
給系および電力供給先)の構成を示すブロック図であ
り、本実施形態も、通信機能を内蔵したPDA端末への
適用例である。なお、図3において、図2の前記第2実
施形態と均等なものには同一符号を付してあり、その説
明は重複を避けるため割愛する。
【0055】図2に示した前記第2実施形態のシステム
は、電力仕様どおりの動作では、問題はないが、例え
ば、PDA部12が電力仕様を上回る消費電流を必要と
した場合には、PDA部12への供給能力が不足し、P
DA部12が動作できなくなる可能性がある。これは、
電子スイッチ14がオフされてコンデンサ15からPD
A部12に電力を供給している際に、コンデンサ15の
蓄積量が、一定値を下回り、PDA部12への供給能力
が不足するためである。
【0056】図3に示した本実施形態では、これを解決
するために、図2の前記第2実施形態の構成において、
GSM通信部11中に、GSM通信部11を省電力状態
に移行させまたこれから復帰させる制御を行うGSM省
電力制御部11dを追加し、PDA部12中に、コンデ
ンサ15の電圧を検出し、PDA部12を省電力状態に
移行させまたこれから復帰させる制御などを行う省電力
制御部12eを追加したものである。そして、省電力制
御部12eがコンデンサ15の電圧低下を検出すると、
この通知を受けたGSM省電力制御部11dが、GSM
制御部11aおよびGSM無線部11bを省電力状態に
推移させ、省電力制御部12eが、PDA制御部12a
を省電力状態に推移させるようにしたものである。
【0057】ここで、省電力状態とは、GSM無線部1
1bが送信で出力する出力電力を抑えたり、GSM制御
部11aにて送信データや受信データの通信速度を低下
させたり、PDA制御部12aの演算速度を低下させた
り、PDA制御部12aが入力部12cの入力検出周期
を延ばしたり、表示部12dへ表示の描画信号やバック
ライトやLEDの点灯信号の出力周期を延ばしたりなど
といった、一時的に機能を低下させて、消費電力を下げ
た状態のことを指している。
【0058】送信の出力電力を端末自らが低減させる場
合は、GSMの仕様の範囲内で行う必要があり、2W送
信時はその63%の約1.3Wまで低下させることが可
能である。これは、GSM省電力制御部11dが発する
送信出力低下信号にしたがって、GSM無線部11bが
送信出力を低下させることで実現できる。
【0059】送信データや通信速度を低下させるのは、
パケット通信のような場合に有効である。パケット通信
では、通信データがある場合は、送信を行うが、データ
が無い場合は送信を行わない。したがって、省電力制御
部12eが、PDA制御部12aに対して一時的に、送
信データの送出を中断させることで、一時的に送信を止
めることが可能である。この送出の中断時間は、TDM
Aフレーム(約4.6ミリ秒)と非常に短いので、実質
的には、データが中断されるのではなく、送信データの
通信速度を低下させていることと等価である。
【0060】また、GSM以外のシステムによっては、
通信速度によって送信の出力電力を変化させるシステム
が存在し、これは、通信速度が高くなると、雑音帯域が
広くなる。これにより、同帯域で比較すると雑音電力が
高くなるため、より高い受信電力が必要となり、送信側
の送信出力を上げなければ通信が行えなくなる場合があ
るためである。このようなシステムにおいては、送信デ
ータの通信速度を低下させれば、そのまま低消費電力化
に繋がる。
【0061】また、受信データの通信速度の低下でも、
GSM無線部11bの消費電力を若干ではあるが、低減
させることが可能である。
【0062】PDA制御部12aのデジタル演算速度を
低下させる場合は、速度の低下にほぼ比例して消費電力
を低下させることが可能である。したがって、PDAの
演算速度を半分にすれば、消費電力は、ほぼ半分にな
る。また、PDA制御部12aが入力部12cの入力検
出周期を延ばしたり、表示部12dへ表示の描画信号や
バックライトやLEDの点灯信号の出力周期を延ばした
場合でも、その延長の割合に、ほぼ比例して消費電力が
低下する。
【0063】ここで、従来技術と同一条件である、 GSM部送信時最低電圧 VGSM−TX=3.3V GSM部送信時消費電流 IGSM−TX=2.0A GSM部非送信時消費電流 IGSM−ON=0.1A PDA部最低動作電圧 VPDA=2.8V PDA部消費電流 IPDA=0.1A 電池部 無負荷時電池電圧 VBATT=3.6V 電池部 内部抵抗 RBATT=0.15Ω 上記のような電力仕様を例にとる。
【0064】また、本実施形態の省電力状態における、
電力仕様を、省電力時 GSM部送信時消費電流 I
TX−STB=1.3A省電力時 PDA部消費電流
PDA−STB=0.05A上記のようなものとす
る。
【0065】従来技術では、先にも述べたように、GS
M通信部とPDA部の両方が動作する場合、大容量のコ
ンデンサを付加しなければ、上記の電力仕様が満足でき
なかった。
【0066】ところが、本実施形態においては、省電力
状態における送信時供給電圧V” OYALは、下記の
数3に示すものとなり、GSM部送信時最低電圧である
3.3Vを満足する。
【0067】
【数3】
【0068】なお、数3において消費電流にPDA部消
費電流を加算しているのは、コンデンサの充電エネルギ
ーに相当するものである。送信バースト区間内にPDA
の消費電流によって失われたエネルギーは、同じ1バー
スト区間にコンデンサに蓄積するエネルギーに等しい。
この場合、コンデンサへの充電に電流制限が必要である
が、この電流制限は電子スイッチ14の内部インピーダ
ンスにより実現可能であり、また、コンデンサに充電さ
れる瞬間でも、コンデンサがPDA部最低動作電圧の
2.8Vを補償しているため、PDA部12が電圧降下
しない。
【0069】省電力状態からの復帰は、省電力制御部1
2eがコンデンサ15に規定電圧以上の電圧が再充電さ
れたことを検出したり、GSM制御部11aが、送信を
終了し送信検出が非検出になって、これを認知したGS
M省電力制御部11dが省電力制御部12eに送信終了
を伝えることを、契機として行われる。そして、省電力
状態からの復帰が許可されたことを認知した省電力制御
部12eが、この旨をGSM省電力制御部11dに伝
え、この通知を受けたGSM省電力制御部11dが、G
SM制御部11aおよびGSM無線部11bを省電力状
態から復帰させ、また、省電力制御部12eが、PDA
制御部12aを省電力状態から復帰させる。
【0070】以上のように本実施形態では、前記第2実
施形態の構成に、GSM省電力制御部11dおよび省電
力制御部12eを付加することによって、PDA部12
が電力仕様を上回る消費電流を必要とした場合におい
て、コンデンサ15の充電容量が足りなくなった場合の
継続動作が実現可能となる。
【0071】なお、GSM省電力制御部11dや省電力
制御部12eは、半導体で構成可能な構成要素であり、
他のPDA制御部12aやGSM制御部11aといった
集積回路に集積化することで、部品点数の増加やコスト
アップは僅かである。したがって、本実施形態の電力供
給方法を導入することで、端末のサイズや重量を小さく
したり、端末のコストを削減することが可能となる。
【0072】なお、本実施形態に関しても、前記第2実
施形態と同様に、他の構成や他のシステムでの実現が可
能であることは、言うまでもない。
【0073】
【発明の効果】請求項1、3に係る発明によれば、電力
源の供給能力を引き上げることが可能となり、結果とし
て、機能を維持したまま、電力源の小型化や、補償用の
コンデンサ容量の削減、これらの効果による、装置その
ものの小型化やコストダウン、電力源の長寿命化が実現
できる。また、請求項2、4に係る発明によれば、コン
デンサの蓄積電力が少なくなっても、電力供給を継続す
ることが可能となる。したがって、さらなる電力源の小
型化や補償用のコンデンサ容量の削減、これらの効果に
よる、装置そのものの小型化やコストダウン、電力源の
長寿命化が実現できる。総じて、本発明によれば、通信
装置を内蔵したPDAなどの端末装置において、通信装
置が送信を行っている間も、データ通信やPDA動作な
どを可能とする共に、これを実現するのに、高容量のバ
ッテリや高容量のコンデンサを必要としない、電力供給
手法を実現することができ、以って、通信装置を内蔵し
た携帯機器の小型化やコストダウンに貢献でき、また、
電力源としての電池の持続時間を向上させることもでき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るシステム(電力供
給系および電力供給先)の構成を示すブロック図であ
る。
【図2】本発明の第2実施形態に係るシステム(電力供
給系および電力供給先)の構成を示すブロック図であ
る。
【図3】本発明の第3実施形態に係るシステム(電力供
給系および電力供給先)の構成を示すブロック図であ
る。
【図4】従来のシステム(電力供給系および電力供給
先)の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 第1類の電力供給先 2 第2類の電力供給先 3 電力源 3a 内部抵抗 4 供給切断手段 5 電力蓄積手段 6 電力供給ライン 7 蓄積量検出手段 11 GSM通信部(第1類の電力供給先) 11a GSM制御部 11b GSM無線部 11c アンテナ 11d GSM省電力制御部 12 PDA部(第2類の電力供給先) 12a PDA制御部 12b 記憶部 12c 入力部 12d 表示部 12e 省電力制御部 13 電池(電力源) 13a 電池の内部抵抗 14 電子スイッチ(供給切断装置) 15 コンデンサ(電力蓄積手段) 16 電力供給ライン

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1類の電力供給先と第2類の電力供給
    先に電力源から電力を供給する電力供給方法において、 前記第1類の電力供給先が必要な消費電力を検出する手
    段と、前記電力源による前記第2類の電力供給先への電
    力供給をオン/オフさせる手段と、前記電力源による前
    記第2類の電力供給先への電力供給をオフさせた際に、
    前記第2類の電力供給先に供給すべき電力を維持する電
    力蓄積手段とを有し、 前記第1類の電力供給先に一時的に大きな消費電力が必
    要であることが検出されると、前記電力源による前記第
    2類の電力供給先への電力供給をオフして、前記第2類
    の電力供給先には前記電力蓄積手段から電力を供給し、
    この状態で、前記第1類の電力供給先で大きな消費電力
    が不要となったことが検出されると、前記電力源による
    前記第2類の電力供給先への電力供給を復帰させること
    で、 全体の機能を維持したまま電力供給が行えるようにした
    ことを特徴とする電力供給方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載において、 前記電力蓄積手段の蓄積量を検出する手段と、前記第1
    類の電力供給先もしくは前記第2類の電力供給先もしく
    は両方の電力供給先が消費電力を低下させて動作する省
    電力動作状態へ推移させる手段とを有し、 前記第2類の電力供給先に前記電力蓄積手段から電力を
    供給している際には、前記電力蓄積手段の蓄積量を監視
    し、 この状態で、前記電力蓄積手段の蓄積量が一定値を下回
    った際には、前記電力源による前記第2類の電力供給先
    への電力供給を復帰させると共に、前記第1、第2の電
    力供給先の少なくとも一方の動作状態を、前記省電力動
    作状態に推移させ、 この状態で、前記第1類の電力供給先で大きな消費電力
    が不要となったことが検出されると、前記省電力動作状
    態であった動作状態を通常状態に復帰させることで、 電力供給を維持するようにしたことを特徴とする電力供
    給方法。
  3. 【請求項3】 送信機能を有する第1類の電力供給先
    と、第2類の電力供給先と、前記第1、第2の電力供給
    先に電力を供給する電力源とを備えた端末装置におい
    て、 前記第1類の電力供給先が送信する電力が一定以上の電
    力である状況または送信中であるか非送信中であるかの
    状況を検出する送信検出手段と、前記電力源による前記
    第2類の電力供給先への電力供給をオン/オフさせる手
    段と、前記電力源による前記第2類の電力供給先への電
    力供給をオフさせた際に、前記第2類の電力供給先に供
    給すべき電力を維持する電力蓄積手段とを有し、 前記送信検出手段によって、前記第1類の電力供給先に
    おいて送信のために一時的に大きな消費電力が必要であ
    ると検出された際には、前記電力源による前記第2類の
    電力供給先への電力供給をオフして、前記第2類の電力
    供給先には前記電力蓄積手段から電力を供給し、 前記送信検出手段によって、前記第1類の電力供給先に
    おいて大きな消費電力が必要でなくなったと検出される
    と、前記電力源による前記第2類の電力供給先への電力
    供給を復帰させることで、 装置全体の機能を維持したまま電力供給が行えるように
    したことを特徴とする端末装置。
  4. 【請求項4】 送信機能を有する第1類の電力供給先
    と、第2類の電力供給先と、前記第1、第2の電力供給
    先に電力を供給する電力源とを備えた端末装置におい
    て、 前記第1類の電力供給先が送信する電力が一定以上の電
    力である状況または送信中であるか非送信中であるかの
    状況を検出する送信検出手段と、前記電力源による前記
    第2類の電力供給先への電力供給をオン/オフさせる手
    段と、前記電力源による前記第2類の電力供給先への電
    力供給をオフさせた際に、前記第2類の電力供給先に供
    給すべき電力を維持する電力蓄積手段と、この電力蓄積
    手段の蓄積量を検出する手段と、前記第1類の電力供給
    先もしくは前記第2類の電力供給先もしくは両方の電力
    供給先が消費電力を低下させて動作する省電力動作状態
    へ推移させる手段とを有し、 前記送信検出手段が前記第1類の電力供給先において送
    信のために一時的に大きな消費電力が必要であると検出
    した際には、前記電力源による前記第2類の電力供給先
    への電力供給をオフして、前記第2類の電力供給先には
    前記電力蓄積手段から電力を供給すると共に、前記蓄積
    量を検出する手段によって前記電力蓄積手段の蓄積量を
    監視し、 前記電力蓄積手段の蓄積量が一定値を下回った際には、
    前記電力源による前記第2類の電力供給先への電力供給
    を復帰させると共に、前記第1、第2の電力供給先の少
    なくとも一方の動作状態を前記省電力動作状態に推移さ
    せ、 前記送信検出手段が前記第1類の電力供給先において大
    きな消費電力が不要になったと検出した際に、前記省電
    力動作状態であった動作状態を通常状態に復帰させるこ
    とで、 電力供給を維持するようにしたことを特徴とする端末装
    置。
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