JP2002290380A - レーザ発振器ならびに光通信方法及びシステム - Google Patents

レーザ発振器ならびに光通信方法及びシステム

Info

Publication number
JP2002290380A
JP2002290380A JP2002010627A JP2002010627A JP2002290380A JP 2002290380 A JP2002290380 A JP 2002290380A JP 2002010627 A JP2002010627 A JP 2002010627A JP 2002010627 A JP2002010627 A JP 2002010627A JP 2002290380 A JP2002290380 A JP 2002290380A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical
light
wavelength
laser oscillator
laser
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002010627A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3808372B2 (ja
Inventor
Yoshimasa Katagiri
祥雅 片桐
Etsu Hashimoto
悦 橋本
Kenichi Suzuki
謙一 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP2002010627A priority Critical patent/JP3808372B2/ja
Publication of JP2002290380A publication Critical patent/JP2002290380A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3808372B2 publication Critical patent/JP3808372B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)
  • Semiconductor Lasers (AREA)
  • Optical Communication System (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 量子力学的な揺らぎに基づく究極の光信号の
スクランブル技術により、盗聴等の不正行為を無効にす
る高信頼の光通信方法及びシステムならびにこれらに用
いるレーザ発振器を提供する。 【解決手段】 送信側において、発生する光子の総数が
一定であって複数の波長で同時に発振するレーザ光を発
生させ、前記複数の波長の光に同一のデータを重畳させ
た信号光を送信し、受信側において、前記信号光から同
時に発振する前記複数の波長の光を選択して前記データ
を復調する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はレーザ発振器ならび
に光通信方法及びシステムに関する。具体的には光信号
のスクランブル技術に関し、盗聴等による不正行為を無
効にする高信頼の光通信システムに有用である。
【0002】
【従来の技術】光ファイバを伝送媒体とした光通信シス
テムでは、光ファイバを局所的に曲げることにより容易
に光ファイバ中を伝搬するモードを放射モードに変換し
て光ファイバ中を伝搬する光を外に取り出せるため、電
線を用いた電気通信と同様に盗聴が可能である。また、
光の空間伝搬による通信システムにおいても、無線と同
様に光受信機を設置することで容易に盗聴が可能であ
る。
【0003】盗聴により受信した信号を復調することが
できれば、データが暗号化されていた場合でも理論的に
は解読される可能性を残している。
【0004】このため、盗聴により受信した信号から復
調することが困難な通信方式が望まれている。そのよう
な通信方式として、従来よりレーザ発振器の不規則性
(カオス性)など人為的には再生が不可能な量子力学的
な揺らぎを採り入れた通信方式が検討されている。
【0005】例えば、カオス的な揺らぎを持つレーザ光
をキャリアとして用い、それにデータを重畳して送信
し、受信側に配置したレーザ共振器に送信した信号光の
一部を入力して同期発振させることによりキャリア成分
を抽出してデータを復調する通信方式がある。この方式
によれば、キャリア成分を抽出する前記の特殊な手段を
持たなければ、通常の信号光を直接検波する通信方式で
は受信された信号が常に雑音状態となるためデータを復
調することはできない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】レーザ共振器に信号光
を入力して同期発振させることによりキャリア成分を抽
出する場合、光キャリア周波数とレーザ共振器の発振周
波数を高精度で一致させる必要がある。しかし、光通信
に用いる赤外光の光周波数は約190THzと通常の電
気又はマイクロ波の周波数(数ギガヘルツ)よりも大幅
に高い。このため、レーザ共振器の揺らぎ(例えば共振
器長の熱的、機械的な揺らぎ)による発振周波数の変化
量は大きい。また、揺らぎはレーザ共振器の屈折率変化
等の物性的変化も反映しているため、広帯域の成分を持
っている。
【0007】レーザ光をもう一つの独立なレーザ共振器
に注入して同期発振させようとすると、レーザ共振器の
共鳴周波数を注入光の光周波数に精度よく合わせる必要
がある。
【0008】しかし、同期発振させようとするレーザ共
振器自体も前記レーザ共振器と同様の発振周波数の揺ら
ぎを有する。このため、同期発振させようとするレーザ
共振器の共鳴周波数を同期する周波数帯域に常に保持す
ることを長期にわたって保証することができない。
【0009】また、盗聴者が以上説明した同期発振によ
り信号を復調する手段を取得している場合には、盗聴し
た信号を復調することを阻止する何らの物理的手段をも
従来の方法は担保していない。
【0010】従って本発明は上記の課題に鑑み、光通信
システムにおいて、量子力学的な揺らぎに基づく究極の
光信号のスクランブル技術を提供し、盗聴等の不正行為
を無効にして高信頼化を図ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めに、請求項1記載の発明は、送信側で少なくとも二つ
の波長の光に同一信号を重畳させて光信号を送信し、こ
れらの光信号を多重化して光ファイバ又は空間を伝播さ
せ、受信側で対応する波長の信号を選択して同時に同一
光検出器で直接検波することにより復調する光通信方法
であって、前記少なくとも二つの波長の光は、単峰性の
モードが同時に発振するレーザ光であって、各々のモー
ドの光子の統計分布がボーズアインシュタイン分布に従
い、且つ、それら二つのモードの和の光子の統計分布が
ポアソン分布に従うレーザ光であることを特徴とする光
通信方法である。
【0012】請求項2記載の発明は、請求項1に記載の
光通信方法において、信号光を構成する波長毎又はいく
つかの波長の束毎に異なる経路で且つ等距離を伝播さ
せ、受信地点で合波して同時に同一光検出器で直接検波
することにより復調することを特徴とする光通信方法で
ある。
【0013】請求項3記載の発明は、請求項1又は2に
記載の光通信方法において、前記少なくとも二つの波長
の光の強度が等しくなるようにすることを特徴とする光
通信方法である。
【0014】請求項4記載の発明は、透過中心波長が異
なる少なくとも二つのバンドパス光フィルタと利得飽和
特性を有する光増幅媒体を含むレーザ発振器であって、
前記バンドパス光フィルタの二つの中心波長に一致する
単峰性のモードが同時に発振し、各々のモードの光子の
統計分布がボーズアインシュタイン分布に従い、且つ、
それら二つのモードの和の光子の統計分布がポアソン分
布に従うことを特徴とするレーザ発振器である。
【0015】請求項5記載の発明は、請求項4に記載の
レーザ発振器において、利得飽和特性を有する光増幅媒
体は半導体光増幅器であることを特徴とするレーザ発振
器である。
【0016】請求項6記載の発明は、請求項4又は5に
記載のレーザ発振器において、透過中心波長が異なる少
なくとも二つのバンドパス光フィルタと利得飽和特性を
有する光増幅媒体を含むレーザ発振器は光ファイバを用
いたリング共振器で構成され、このリング共振器の光経
路の1点を分岐して前記バンドパス光フィルタにそれぞ
れ入射し、その透過光を再び合波して1本の光ファイバ
に結合させることによりリング共振器内を異なる二つの
波長のモードで同時発振させてレーザ光を得ることを特
徴とするレーザ発振器である。
【0017】請求項7記載の発明は、請求項6に記載の
レーザ発振器において、各々の分岐に可変光減衰器を備
え、各々のバンドパス光フィルタの透過中心波長の光強
度が等しくなるように前記可変光減衰器を調整すること
を特徴とするレーザ発振器である。
【0018】請求項8記載の発明は、請求項6又は7に
記載のレーザ発振器において、リング共振器内に偏波制
御器を配置したことを特徴とするレーザ発振器である。
【0019】請求項9記載の発明は、請求項6又は7に
記載のレーザ発振器において、リング共振器を構成する
光ファイバは偏波保持ファイバであり、レーザ発振器の
光出力が最大となるように偏波状態を調整して接続した
ことを特徴とするレーザ発振器である。
【0020】請求項10記載の発明は、送信側におい
て、発生する光子の総数が一定であって複数の波長で同
時に発振するレーザ光を発生させ、前記複数の波長の光
に同一のデータを重畳させた信号光を送信し、受信側に
おいて、前記信号光から同時に発振する前記複数の波長
の光を選択して前記データを復調する光通信方法であ
る。
【0021】請求項11記載の発明は、請求項10に記
載の光通信方法において、前記送信側において、同時に
発振する前記複数の波長の光を複数組発生させ、該複数
組の光を多重化して光ファイバ又は空間を伝播させ、前
記受信側において、前記複数組の光から何れかの組を選
択し、該選択した組における複数の波長の光を同時に同
一の光検出器で直接検波することにより復調する光通信
方法である。
【0022】請求項12記載の発明は、請求項10に記
載の光通信方法において、前記レーザ光は、単峰性のモ
ードが同時に発振し、各々のモードの光子の統計分布が
熱分布に従い、且つ、該複数のモードの和の光子の総数
が一定な統計分布を持つレーザ光である光通信方法であ
る。
【0023】請求項13記載の発明は、請求項12に記
載の光通信方法において、前記熱分布はボーズアインシ
ュタイン分布または複合ポアソン分布であって、前記光
子の総数が一定な統計分布はポアソン分布である光通信
方法である。
【0024】請求項14記載の発明は、請求項10に記
載の光通信方法において、前記信号光を構成する波長毎
又はいくつかの波長の束毎に異なる複数の経路で且つ等
距離を伝播させ、前記受信側で前記複数の経路で伝播さ
れた光を合波し、同時に発振する前記複数の波長の光を
選択して同時に同一の光検出器で直接検波することによ
り前記データを復調する光通信方法である。
【0025】請求項15記載の発明は、請求項14に記
載の光通信方法において、前記複数の経路は、リング状
に形成された伝送路上における互いに逆方向の経路であ
る光通信方法である。
【0026】請求項16記載の発明は、請求項10に記
載の光通信方法において、前記送信側において、前記複
数の波長の光の強度を等しく設定する光通信方法であ
る。
【0027】請求項17記載の発明は、発生する光子の
総数が一定であって、複数の波長で同時に発振するレー
ザ光を出力するレーザ発振器である。
【0028】請求項18記載の発明は、請求項17に記
載のレーザ発振器において、光学的負帰還素子と、前記
光学的負帰還素子に接続され、透過中心波長が異なる複
数のバンドパス光フィルタとを具備し、前記複数のバン
ドパス光フィルタの各透過中心波長に一致する単峰性の
モードを同時に発振させ、各々のモードの光子の統計分
布が熱分布に従い、且つ、該複数のモードの和の光子の
総数が一定な統計分布を持つレーザ発振器である。
【0029】請求項19記載の発明は、請求項18に記
載のレーザ発振器において、前記光学的負帰還素子は利
得飽和特性を有する半導体光増幅器であるレーザ発振器
である。
【0030】請求項20記載の発明は、請求項18に記
載のレーザ発振器において、前記レーザ発振器は光ファ
イバを用いたリング共振器で構成され、このリング共振
器の光経路の1点を複数の分岐に分割して前記複数のバ
ンドパス光フィルタにそれぞれ入射する分岐器と、前記
複数のバンドパス光フィルタの透過光を合波して1本の
光ファイバに結合させる結合器とを備え、前記リング共
振器内を異なる複数の波長のモードで同時発振させてレ
ーザ光を得るレーザ発振器である。
【0031】請求項21記載の発明は、請求項18に記
載のレーザ発振器において、各々の分岐に設けられ、各
分岐を伝搬する光を減衰させる複数の可変光減衰器と、
各々のバンドパス光フィルタの透過中心波長の光強度が
等しくなるように前記可変光減衰器を調整する制御回路
とを備えたレーザ発振器である。
【0032】請求項22記載の発明は、請求項20に記
載のレーザ発振器において、各々の分岐の偏波面を調整
してこれら分岐の偏波面をそろえる偏波制御器を前記リ
ング共振器内に配置したレーザ発振器である。
【0033】請求項23記載の発明は、請求項20に記
載のレーザ発振器において、前記リング共振器を構成す
る前記光ファイバは偏波保持ファイバであり、前記レー
ザ発振器の光出力が最大となるように前記偏波保持ファ
イバの偏波状態を調整して接続したレーザ発振器であ
る。
【0034】請求項24記載の発明は、請求項20に記
載のレーザ発振器において、前記光ファイバを伝搬する
光の偏波面を前記光学的負帰還素子に整合させる偏波制
御器を備えたレーザ発振器である。
【0035】請求項25記載の発明は、請求項18に記
載のレーザ発振器において、前記レーザ発振器はミラー
を用いた空間リング共振器で構成され、前記空間リング
共振器の光経路の1点を複数の分岐に分割して前記複数
のバンドパス光フィルタにそれぞれ入射する分岐器と、
前記複数のバンドパス光フィルタの透過光を合波する結
合器とを備え、前記空間リング共振器内を異なる複数の
波長のモードで同時発振させてレーザ光を得るレーザ発
振器である。
【0036】請求項26記載の発明は、請求項25に記
載のレーザ発振器において、各々の分岐に設けられ、各
分岐を伝搬する光を減衰させて、各々のバンドパス光フ
ィルタの透過中心波長の光強度を等しくする可変光減衰
器を備えたレーザ発振器である。
【0037】請求項27記載の発明は、請求項18に記
載のレーザ発振器において、前記レーザ発振器はミラー
及びハーフミラーを用いたファブリペロー型共振器で構
成され、前記ファブリペロー型共振器の光経路の1点を
複数の分岐に分割して前記複数のバンドパス光フィルタ
にそれぞれ入射すると共に、前記複数のバンドパス光フ
ィルタの透過光を合波する結合器を備え、前記ファブリ
ペロー型共振器内を異なる複数の波長のモードで同時発
振させてレーザ光を得るレーザ発振器である。
【0038】請求項28記載の発明は、請求項27に記
載のレーザ発振器において、各々の分岐に設けられ、各
分岐を伝搬する光を減衰させて、各々のバンドパス光フ
ィルタの透過中心波長の光強度を等しくする可変光減衰
器を備えたレーザ発振器である。
【0039】請求項29記載の発明は、発生する光子の
総数が一定であって、複数の波長で同時に発振するレー
ザ光を出力する複数のレーザ発振器と、前記複数のレー
ザ発振器がそれぞれ出力するレーザ光に同一データを重
畳させて光信号を出力する複数の光変調器と、前記複数
の光変調器が出力する複数の前記光信号を多重化して波
長多重信号を送信する合波器とを具備する送信機であ
る。
【0040】請求項30記載の発明は、請求項29に記
載の送信機において、同一のレーザ発振器が同時に発振
する複数の波長が全て異なる波長群に属するように、前
記合波器から出力される波長多重信号に含まれる各波長
成分を複数の波長群に分離する分離器と、前記各波長群
の光をそれぞれ合波して複数の波長多重信号を生成し、
各波長多重信号に対応する伝送路へ送信する複数の合波
器とを具備する送信機である。
【0041】請求項31記載の発明は、発生する光子の
総数が一定であって複数の波長で同時に発振する複数の
レーザ光に同一データを重畳して波長多重した光信号を
伝送路から受信し、該光信号に含まれる波長成分の中か
ら同時に発振された複数の波長成分の組を選択する選択
回路と、選択された複数の波長成分の組の光を合波する
合波器と、合波された光を直接検波して復調する復調回
路とを具備する受信機である。
【0042】請求項32記載の発明は、請求項31に記
載の受信機において、前記光信号は、同時に発振される
複数の波長が全て異なる波長群に属するように、前記波
長群毎に異なる伝送路上を伝搬されたものであり、複数
の前記伝送路から送られてくる光信号を合波して前記選
択回路に出力する合波器を具備する受信機である。
【0043】請求項33記載の発明は、請求項31に記
載の受信機において、前記選択回路で選択された複数の
波長成分の光の各々の偏波面を調整する複数の偏波制御
器を備えた受信機である。
【0044】請求項34記載の発明は、請求項31に記
載の受信機において、前記選択回路で選択された複数の
波長成分の光をそれぞれ遅延させる複数の遅延回路を備
えた受信機である。
【0045】請求項35記載の発明は、発生する光子の
総数を一定にする光学的負帰還素子を備え波長軸に設定
した複数の窓を中心に誘導放出による光子を発生させる
レーザ共振器を用いてレーザ光を発生させ、光変調器を
用いて前記レーザ光にデータを重畳させた信号光を送出
する送信機と、前記送信機から送出される前記信号光を
伝搬させる伝送路と、前記伝送路から前記信号光を受信
して、前記信号光に含まれる前記複数の窓に対応した波
長成分の光信号に基づいて前記データを復調する受信機
とを具備する光通信システムである。
【0046】請求項36記載の発明は、請求項35に記
載の光通信システムにおいて、前記送信機は、複数の前
記レーザ発振器及び複数の前記光変調器を備え、該複数
の光変調器が出力する複数の光信号を多重化し前記信号
光として送出し、前記受信機は、前記信号光に含まれる
波長成分の中から同一のレーザ発振器に設定された前記
複数の窓に対応する複数の波長成分を選択し、該複数の
波長成分を合波した光信号に基づいて前記データを復調
する光通信システムである。
【0047】請求項37記載の発明は、請求項36に記
載の光通信システムにおいて、前記伝送路として複数の
伝送路を備え、前記送信機は、同一のレーザ発振器に設
定された前記複数の窓に対応する波長成分が全て異なる
波長群に属するように、前記多重化された光信号に含ま
れる各波長成分を複数の波長群に分離し、波長群毎に波
長成分を合波して得られる複数の波長多重信号を対応す
る伝送路へ送信し、前記受信機は、前記複数の伝送路か
ら送られてくる前記波長多重信号を合波して前記信号光
として受信する光通信システムである。
【0048】請求項38記載の発明は、請求項35に記
載の光通信システムにおいて、前記光通信システムは、
前記送信機および前記受信機の少なくとも一方を具備す
るノードをリング状に接続したリングネットワークで構
成され、前記送信機を具備するノードは、前記信号光に
含まれる波長成分の光を前記リングネットワーク上に設
定された互いに逆方向の経路へ送信し、前記受信機を具
備するノードは、前記リングネットワーク上を周回する
波長成分の光のうち、同一のレーザ発振器に設定された
前記複数の窓に対応する全ての波長成分を取り出して前
記データを復調する光通信システムである。
【0049】請求項39記載の発明は、請求項35に記
載の光通信システムにおいて、前記光通信システムは、
前記送信機および前記受信機を備えた複数のノードと、
各ノードから前記伝送路を介して送信される前記信号光
を前記伝送路を介して全てのノードへ配信する分配装置
とを備えたスター型のネットワークで構成され、前記送
信機は、該送信機が属するノードに固有な複数の波長成
分を含んだ信号光を前記分配装置へ送信し、前記受信機
は、前記分配装置から配信された前記信号光に含まれる
波長成分の中から、同一のレーザ発振器に設定された前
記複数の窓に対応する波長成分の光を取り出して前記デ
ータを復調する光通信システムである。
【0050】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図を
用いて詳細に説明する。なお、本発明の各実施の形態で
は2波長同時発振を例に挙げて説明するが3波長以上の
多波長同時発振に対しても同様に適用できるのは言うま
でもない。
【0051】まず初めに、図5及び図6を参照して本発
明の各実施の形態における基本原理を説明する。同時に
発振する異なる波長の単峰性のモードのレーザ光(多波
長同時発振のレーザ光)の性質は光子統計により説明で
きる。
【0052】光子統計とは、有限の時間スロットT(図
6を参照)内に光子を計数する観測系において計数され
る光子数の頻度の統計をとるもので、図5に示すよう
に、コヒーレント光である正弦波電磁波は理論的にポア
ソン分布を有する。そして、ポアソン分布の光子統計を
有することは、発生する光子の総数ないしはその流れの
量(レーザ光の強度に相当)が一定であることを意味す
る。一方、白色光などのカオス光はボーズアインシュタ
イン分布となる。ボーズアインシュタイン分布では計数
値が小さいほど光子数の頻度が高くなる傾向にあり、光
子の観測されない確率が高い分布である。また、ボーズ
アインシュタイン分布は熱分布の一種であって自然放出
光などが有する分布と同様のものである。他方、完全な
カオス光でない場合の光子統計はポアソン分布とボーズ
アインシュタイン分布との間の中間的な分布である複合
ポアソン分布となる。
【0053】2波長同時発振のレーザ光は、図6に示す
ように、通常の単一モードレーザと同様に安定な光子列
を発生するため、光子の波長(白と黒で区別している)
に無頓着になれば従来の単一モードレーザ光と同様にポ
アソン分布を持つ光子統計に従う。しかし、波長毎に光
子統計をとると、どの波長の光子をレーザ発振器が発生
するかということは完全に(あるいはほぼ完全に)量子
力学的に無秩序であるから、各々の波長の光は、カオス
光に対応したボーズアインシュタイン分布(あるいは複
合ポアソン分布)を呈する光子統計に従う。
【0054】従って、以上説明したように、2波長で同
時に発振するレーザ発振器から発生するレーザ光に対し
て光フィルタにより分波したり合波したりすることによ
り、安定な状態から無秩序な状態への移行又はその逆を
容易に行える。
【0055】本発明の各実施の形態では、このような秩
序と無秩序の光の状態を利用することにより、量子力学
的な光信号のスクランブルを行おうとするものである。
即ち、秩序状態でデータの変復調を行い、無秩序状態で
光信号を伝送するものであり、伝送過程で盗聴されても
量子力学的に無秩序状態であるがゆえに、いかなる人為
的な方法でも復調することが許されないのである。
【0056】(第1の実施の形態)図1は本発明の第1
の実施の形態に係るレーザ発振器の構成図である。図1
に示すように、利得飽和特性を有する光増幅媒体として
の半導体光増幅器1は、半導体導波路から成る半導体光
増幅素子2(光学的負帰還素子)の入出力の双方にコリ
メートビーム6を形成するコリメート用のレンズ3を介
してアイソレータ4を配置し、レンズ3により再び光フ
ァイバ5に結合する構成を有する。
【0057】半導体光増幅素子2は、半導体レーザと同
様に誘導放出による光増幅作用を有するが、反射防止コ
ートや斜め出射端等端面反射を防止するために工夫され
た構造を備えている。また、出射端面近傍で吸収率を小
さくするようなバンドギャップを持つ窓構造を設け、増
幅光による端面損傷を防止するようにしている。アイソ
レータ4は、戻り光を防止するのみならず、このような
半導体光増幅素子2が発生する不要な自然放出光がレー
ザ共振器20全体に広がるのを防止し、一方向のみの光
伝播を許す進行波形光増幅器としての機能を発現させて
いる。
【0058】このような半導体光増幅器1の出射側に光
ファイバ5を介して分波器としての方向性結合器7を配
置することにより、光の経路を分割する。分割後の分岐
の各々にはバンドパス光フィルタ8、分岐された各経路
を伝搬する光の偏波面をそろえるための偏波制御器9、
パワーモニタ10及び可変光減衰器11を配置し、合分
波器としての方向性結合器18により再び合波し、その
出力の一方を前記半導体光増幅器1の入力に接続してリ
ング状のレーザ共振器を構成し、他方の出力をレーザ光
出力として利用するようにしている。
【0059】パワーモニタ10は、レンズ12により形
成されるコリメートビーム中に配置されたハーフミラー
13と、このハーフミラー13による反射光を受光する
PD(フォトダイオード)14から成り、光強度に対応
した電気信号を出力する。このようなパワーモニタ10
は分岐毎に配置されているので、各々の分岐が備えるバ
ンドパス光フィルタ8の透過中心波長に対応したパワー
がモニタできる。
【0060】パワー制御回路15は、以上説明したパワ
ーモニタ10で検出した各々の波長の光強度(モニタ信
号16)を元に、各々の発振波長のパワー差を計算し、
その差が0となるように可変光減衰器11の減衰量を制
御する減衰器制御信号17を発生する。可変光減衰器1
1は、この減衰器制御信号17を受けて速やかに減衰量
を変え、出力が等しい多波長同時発振が可能なレーザ発
振器20が実現される。
【0061】なお、全ての発振波長のパワーを等しくす
る理由は次の通りである。例えば2波長同時発振する場
合に両発振波長のパワーに開きがあると、よりパワーが
大きな発振波長の光子の統計分布がボーズアインシュタ
イン分布からポアソン分布に近づいてゆく。極端なこと
を言えば、一方の発振波長のパワーがゼロまたはそれに
近くなると他方の発振波長における光子の統計分布は通
常のレーザ発振と同様となって容易に盗聴が可能になっ
てしまう。つまり、発振波長間でパワーに差があると光
子の統計分布が変わって量子ノイズが少なくなり、その
結果データの秘匿性が低くなって盗聴可能性が高まって
しまう。それゆえ全ての発振波長のパワーを可能な限り
等しくすることが望ましい。
【0062】このようにして発生させた多波長から成る
レーザ光は、全出力としてポアソン分布の光子統計を有
するコヒーレントに近い光を発生する一方、各々の波長
成分は、無秩序のボーズアインシュタイン分布またはほ
ぼ無秩序の複合ポアソン分布を持つ光子統計に従った光
(すなわち、完全なカオス光またはそれに近い光)とな
っている。ここで、多波長で発振するレーザ光の各波長
の光がカオス光またはそれに近い光となるのは以下のよ
うな理由によるものである。
【0063】光子列を構成する光子間に相関がない場合
には、光子統計がポアソン分布に従うレーザ光を分岐し
たとしても、分割されたレーザ光の光子統計はポアソン
分布に従うことになる。このレーザ光を通信のキャリア
に使えば、伝送過程で信号が減衰してもSN比(信号対
雑音比)はそれほど劣化しないため、光増幅によって元
の信号を復元することができる。したがって、SN比が
実効的に若干低下するものの、光増幅器を用いた多中継
により長距離伝送が可能となる。
【0064】これに対して、2波長(例えば波長λ11
びλ12)で発振する本実施形態のレーザでは、誘導放出
により波長λ11の光子が発生した場合に、これに続いて
発生する光子の波長は波長λ12となる確率よりも波長λ
11となる確率が高くなる。このことは、本実施形態のレ
ーザでは光子列を構成する光子間に時間的な相関がある
ことを意味している。こうした光子間の相関によって、
多波長同時発振のレーザ光の各波長の光がカオス光また
はそれに近い光になると考えられる。なお、以上のよう
な現象によく似た確率過程として、2つの窓口に人が並
ぶときに長い列よりも短い列の方に人が並びやすいとい
う現象を挙げることができる。
【0065】バンドパス光フィルタ8に連続波長可変フ
ィルタを用いることにより、任意の多波長でレーザ発振
が可能である。
【0066】なお、以上説明したリング状のレーザ発振
器20において、光ファイバを全て偏波保持ファイバに
置き換えるようにしてもよい。この場合、偏波面が最適
になるように調整しながら、即ち、レーザ発振器20の
光出力が最大となるように偏波状態を調整して偏波保持
ファイバを接続することにより上記のような構成のレー
ザ共振器をつくれば、偏波制御器9を省略して同様の作
用を得ることができる。
【0067】また、上述した説明ではレーザ光の全出力
がポアソン分布に従うものとしたがこれに限定されるも
のではない。通常、レーザ発振している状態では全モー
ドの和の光子の統計分布はポアソン分布に従う。しか
し、レーザ発振の閾値よりもわずかに下のところでレー
ザ発振器を動作させると、上記統計分布はポアソン分布
とはならず、図5に示したポアソン分布よりも幅の狭い
サブポアソン分布を呈する。こうしたサブポアソン分布
であってもポアソン分布と同様の作用を得ることができ
る。
【0068】(第2の実施の形態)図2は本発明の第2
の実施の形態に係る光通信方法を説明する図である。図
2に示すように、光通信システムは伝送路28を介して
送信部及び受信部が配置された構成となっている。送信
部では、例えば上記第1の実施の形態で示したレーザ発
振器20を複数配置し、これらのレーザ発振器20によ
り、λi1,λi2(i=1,2,・・・,n)など(ここ
では2波長同時発振の)レーザ光を発生するようになっ
ている。なお、これら2n個の波長は互いに異なる値に
設定される。このレーザ光に対し、送信すべきデータに
基づいて光変調器21により、2波長同時にコーディン
グして光信号を生成し、更に合波器23により、それら
を多重化して伝送路28を介して一括伝送する。
【0069】受信部では、分波器24により全ての波長
成分を一旦分波するようになっている。分波器24とし
ては、例えば、アレイ導波路格子を用いた波長合分波器
が利用できる。分離できる波長は決まっているので、送
信部に配置されたレーザ発振器20の発振波長を受信部
における分離波長にあらかじめ整合させておく必要があ
る。
【0070】そして、2×N光スイッチ25を分波器2
4の後に配置し、分波器24で分波された波長成分
λ1,λ2,・・・,λNの中からもとのレーザ発振器2
0が発生する二つの波長に対応したものを選択するよう
になっている。選択した波長に対応する光出力は方向性
結合器26により合波され、その出力の一方がPD27
に入力されて直接検波を行い、データを復調する。な
お、上述したλ11〜λn2とλ 1〜λNとの間では N=2
nの関係が成立すると共に、送信部側の各波長(例えば
λn2)と受信部側の波長のうちの何れか(例えばλ1
とが一対一に対応している。
【0071】ここで、どの波長を選択するかはあらかじ
め秘匿情報として送受信双方で了解している事項であ
る。一方、波長毎に単独に信号を受信しても雑音しか検
出できない。このため、前記の了解事項を知らなけれ
ば、正しい波長を多くの多重化された光信号の中から選
択することは容易でない。
【0072】(第3の実施の形態)図3及び図4は本発
明の第3の実施の形態に係る光通信方法を説明する図で
ある。図3は送信部の構成であり、レーザ発振器20に
より2波長で同時発振するレーザ光を光変調器21でコ
ーディングすることによりデータを重畳して光信号を得
る手段を複数設けるところは上記第2の実施の形態と同
じである。
【0073】これらの光信号を合波器23で合波し、分
波器24で分波して各々の波長成分λ1,λ2,・・・,
λNに分離した後、同時発振する二つの波長λi1とλi2
(i=1,2,・・・,n)が分離するようにN×N光
スイッチ31で二つの波長群λ11,λ21,・・・,λn1
とλ12,λ22,・・・,λn2に組み替える。更に、二つ
の合波器32,33により、それら二つの波長群を各々
合波して波長多重信号を生成し、これらをそれぞれの伝
送路34,35に入れて独立の光経路を等距離伝播させ
る。なお、等距離伝播にあたりコヒーレンス長以下の距
離差は誤差として許容できる。
【0074】図4はこれら二つの波長多重信号からデー
タを復調する受信部の構成である。図4に示すように、
受信部では、伝送路34,35によってそれぞれ伝播さ
れてきた二つの波長多重信号を方向性結合器36により
合波し、更に、アレイ導波路格子等の分波器37により
各々の波長成分λ1,λ2,・・・,λNに分離する。そ
の後、分波器37の後に配置した2×N光スイッチ38
により、分波器37で分波された波長成分λ1,λ2,・
・・,λNの中からもとのレーザ発振器20が発振する
二つの波長に対応した波長の組を選択して再び方向性結
合器39により合波し、PD40により直接検波してデ
ータを復調する。このとき、正しい波長の組は上記第2
の実施の形態と同様に秘匿情報としてあらかじめ受信部
に周知されている。
【0075】このような第3の実施の形態では、伝送路
34,35を物理的に隔絶することにより、対となる二
つの波長の信号光を同時に得ることはできなくなるた
め、盗聴によるデータの不正取得を完全に防止すること
ができる。
【0076】(第4の実施の形態)本実施形態は図2
(第2の実施の形態)に示した光通信システムにおける
受信部の他の実施の形態である。図7は本実施の形態に
よる受信部の構成を示すブロック図である。なお、図7
では図2に示したものと同じ構成要素には同一の符号を
付してある。本実施の形態の特徴は、図2に示した2×
N光スイッチ25と方向性結合器26との間を結ぶ各経
路上に偏波制御器を設けたことにある。
【0077】第1の実施の形態で述べたように、図1に
示したレーザ発振器20では偏波制御器9を用いて分岐
された各経路を伝搬する光の偏波面をそろえている。そ
れゆえ、図2に示したように波長多重信号を同一の伝送
路28(同一の光ファイバ)上で伝送させる構成では、
偏波面が同時に変化するため偏波制御器は本来必要な
い。しかしながら、受信部内において波長毎に異なる偏
波特性で偏波面が変化する可能性もあり、それによって
波長毎に偏波面が異なってくる場合がある。これを補償
するために偏波制御器を設けることが必要となってく
る。
【0078】図7において、方向性結合器41及び波長
選択フィルタ42,42が図2の分波器24及び2×N
光スイッチ25に対応する。すなわち、方向性結合器4
1を用いて伝送路28からの波長多重信号を2方向に分
岐し、波長選択フィルタ42,42でそれぞれ波長
λi1、λi2の波長成分を選択する。これにより、図2と
同様に2つの波長成分が選択されると共に各波長成分に
分波される。偏波制御器43,43は波長選択フィルタ
42,42から出力される各波長成分の偏波面をそろえ
て方向性結合器26に出力する。光増幅器44は方向性
結合器26が合波した波長多重信号を増幅して光検出器
45に出力する。光検出器45は図2に示したPD27
に相当し、光増幅器44の出力を直接検波して電気信号
に変換する。復調回路46は光検出器45から出力され
る電気信号をもとに送信側が送出したデータを復調す
る。なお、光増幅器44及び復調回路46は図2では図
示を省略している。
【0079】(第5の実施の形態)本実施形態は図4
(第3の実施の形態)に示した光通信システムにおける
受信部の他の実施の形態である。図8は本実施の形態に
よる受信部の構成を示すブロック図である。なお、図8
では図4又は図7に示したものと同じ構成要素には同一
の符号を付してある。本実施の形態の特徴は、第4の実
施の形態と同様に2つの経路上に偏波制御器43を設け
たことに加えて、図4に示した2×N光スイッチ38と
方向性結合器39との間を結ぶ2つの経路上にそれぞれ
可変遅延線等で構成される遅延回路を設けたことにあ
る。
【0080】図4に示したように経路毎に波長を分けて
異なる伝送路上で波長多重信号を伝搬させる場合にも、
第4の実施の形態で説明したように受信部内における波
長毎の偏波特性が相違する可能性がある。したがって本
実施の形態においても偏波制御器43を各経路に設ける
ようにしている。
【0081】また、上記のように経路毎に波長を分けて
異なる伝送路上で波長多重信号を伝搬させると、各経路
を伝搬する光の偏波面が互いにずれてくる可能性があ
る。ここで、上述した第3の実施の形態では、受信部側
で選択される2つの波長成分の光が同時に検波されるよ
うに等距離伝搬させて、これら波長成分の光の強度の和
をある一定値に保つようにしている。ところが、経路毎
の伝搬距離の相違等に起因して経路毎の伝搬時間が互い
に異なってくる可能性がある。そうした場合、複数の経
路からの光の強度の和が上記一定値に保たれなくなる。
これを補償するために上記の遅延回路が必要となってく
る。
【0082】図8において、波長選択フィルタ42,4
2が図4の方向性結合器36,分波器37及び2×N光
スイッチ38に対応する。すなわち、波長選択フィルタ
42,42は伝送路34,35より送られてくる波長多
重信号からそれぞれ波長λi1、λi2の波長成分を選択す
る。可変遅延線47,47は波長選択フィルタ42,4
2で選択された各波長成分の光信号をそれぞれ遅延させ
て、これら波長成分の光信号が偏波制御器43,43へ
同時に到達するようにする。なお、偏波制御器43以降
の構成およびその動作は第4の実施の形態と同様であ
る。
【0083】なお、図8では偏波制御器43および可変
遅延線47の双方を設けているが、これに限定されるも
のではなく、必要に応じて適宜配置すれば良い。したが
って、可変遅延線47を設けずに偏波制御器43を設け
る構成としても良い。あるいは、偏波制御器43を設け
ずに可変遅延線47を設ける構成としても良い。
【0084】(第6の実施の形態)図9は本実施の形態
に係るレーザ発振器の構成を示すブロック図であって、
ファイバリング型のものである。同図では図1(第1の
実施の形態)に示したものと同じ構成要素に同一の符号
を付してある。本実施の形態では図1のレンズ3及びレ
ンズ12に相当するものを設けていない。また、図1で
はアイソレータ4を半導体光増幅素子2の入出力側に設
けているが、本実施の形態では半導体光増幅素子2の出
力側にのみアイソレータ4を設けている。
【0085】さらに、本実施の形態では方向性結合器1
8の出力と半導体光増幅素子2の入力との間に偏波制御
器51及びファイバ増幅器52を配置している。偏波制
御器51は光ファイバ5を伝搬する光の偏波面を半導体
光増幅素子2に整合させる。ファイバ増幅器52はファ
イバリングを周回することで減衰する光を増幅する。こ
のほか本実施の形態では、図1のハーフミラー13に代
えて光分岐器53を設けている。本実施の形態によるレ
ーザ発振器は第1の実施の形態によるレーザ発振器と基
本的に同様に動作するためその説明を省略する。なお、
レーザ出力として十分な強度が得られるのであればファ
イバ増幅器52を省略しても良い。
【0086】(第7の実施の形態)図10は本実施の形
態に係るレーザ発振器の構成を示すブロック図であっ
て、空間リング型のものである。同図では図1(第1の
実施の形態)に示したものと同じ構成要素に同一の符号
を付してある。本実施の形態では、第1の実施の形態の
ように光信号を光ファイバ5により伝搬させるのではな
く、光信号を空間中で伝搬させて6個のミラー61によ
り光信号の伝搬経路を形成している。また、本実施の形
態では図1の方向性結合器7に代えてビームスプリッタ
62を配置して光の経路を2つに分岐している。
【0087】さらに、本実施の形態では図1の方向性結
合器18に代えてビームスプリッタ63を配置し、分岐
された2つの経路を伝搬してきた光信号を合波してその
一方の出力を空間リングに戻し、他方の出力をレーザ出
力として取り出している。本実施の形態のような空間系
では偏波の回転が起こらないため、図1の偏波制御器9
に相当する偏波制御器は必要ない。また図10では図示
を省略したが、可変光減衰器11の減衰量を調整するた
めの回路として、図1に示したレンズ12,ハーフミラ
ー13,PD14及びパワー制御回路15と同様の構成
を設けても良い。
【0088】本実施の形態によるレーザ発振器は機能的
には第1の実施の形態と等価である。半導体光増幅素子
2から出力された光信号がレンズ3を介してミラー6
1,61で順次反射されたのち、アイソレータ4を通過
してビームスプリッタ62で2方向に分岐される。分岐
された一方の光はミラー61で反射され、可変光減衰器
11で所定量減衰されてからバンドパス光フィルタ8で
例えば波長成分λi1が選択される。また、分岐された他
方の光は可変光減衰器11で減衰されたのち、バンドパ
ス光フィルタ8で例えば波長成分λi2が選択されてから
ミラー61で反射される。選択された波長成分λi1及び
λi2の光信号はビームスプリッタ63で合波され、その
一部がレーザ出力として取り出されると共に、残りがミ
ラー61,61で順次反射されてレンズ3を介して半導
体光増幅素子2へ入力される。
【0089】(第8の実施の形態)図11は本実施の形
態に係るレーザ発振器の構成を示したブロック図であっ
て、ファブリペロー型のものである。同図では図1(第
1の実施の形態)又は図10(第7の実施の形態)に示
したものと同じ構成要素に同一の符号を付してある。第
7の実施の形態では光信号を空間リング上で一方向のみ
に周回させるためにアイソレータ4を設けていたが、本
実施の形態ではミラーを用いて光信号を往復させるため
こうしたアイソレータは必要ない。また、本実施の形態
も空間伝播型であるため偏波制御器9に相当するものは
必要ない。
【0090】さらに、本実施の形態では図10に示した
ビームスプリッタ62及び63の代わりにビームスプリ
ッタ71を配置している。ビームスプリッタ71はレン
ズ3を介して半導体光増幅素子2から出力される光信号
を2つの経路へ分岐すると共に、これら2つの経路から
戻ってくる光信号を合波し、レンズ3を介して半導体光
増幅素子2へ出力する。さらに、図10ではビームスプ
リッタ63が空間リングからレーザ出力を取り出してい
たが、本実施の形態では半導体増幅素子2を挟んでビー
ムスプリッタ71と反対側にハーフミラー72を配置し
ている。ハーフミラー72は、レンズ3を介して半導体
光増幅素子2から出力される光信号の一部をレーザ出力
として取り出すと共に残りを半導体光増幅素子2側へ戻
す。なお、可変光減衰器11の減衰量を調整するための
回路を設けても良いことは第7の実施の形態と同様であ
る。
【0091】本実施の形態によるレーザ発振器は機能的
には第1の実施の形態や第7の実施の形態と等価であ
る。半導体光増幅素子2から出力された光信号はレンズ
3を通ってビームスプリッタ71で分岐される。分岐さ
れた2つの光信号は第7の実施の形態と同様にしてバン
ドパス光フィルタ8で波長成分が選択され可変光減衰器
11によってそれぞれの所定量減衰される。この後、2
つの光信号はそれぞれミラー61,61で反射されて今
まで通ってきた経路を逆方向に伝搬してビームスプリッ
タ71で合波されたのち、レンズ3を介して半導体光増
幅素子2に入力される。そして半導体光増幅素子2から
出力された光はハーフミラー72で一部がレーザ出力と
して取り出され、残りが反射されて再び半導体光増幅素
子2へ入力される。なお、可変光減衰器11の減衰量を
調整するための回路を設けても良いことは第7の実施の
形態と同様である。
【0092】(第9の実施の形態)図12は本実施の形
態に係る光通信システムの構成を示したブロック図であ
って、トポロジーとして光リングを採用したネットワー
クである。同図において符号101〜106は光リング
ネットワークを構成するノードであって、各ノードは上
記各実施の形態で説明した送信部及び受信部(図12で
は図示を省略)を具備している。なお、各ノードは送信
部又は受信部の一方のみを備えていても良い。また、符
号107は図8に示した可変遅延線47を構成する光フ
ァイバである。
【0093】また、符号111及び112は光リングネ
ットワーク上で各波長成分が伝送される論理的な経路を
示したものである。例えばノード101が波長成分λ11
及びλ12を含む信号光を出力することを想定すると、波
長成分λ11は経路111上を時計方向に周回し、波長成
分λ12は経路112上を波長成分λ11とは逆向き(すな
わち反時計方向)に周回する。なお、経路111及び1
12は1本の光ファイバで実現しても良いし、異なる2
本の光ファイバで実現していても良い。
【0094】いま、ノード101からノード103へデ
ータを送信することを想定する。送信側のノード101
が光信号にデータを重畳させ、波長成分λ11及びλ12
含む光信号光をそれぞれ別々の経路111,112へ送
出すると、これら信号光は経路111,112上を周回
するようになる。ここで、経路111から波長成分λ 11
を含む信号光を取り出しても符号113に示したように
雑音状態となってデータを復調することはできない。こ
のことは、符号114に示すように、経路112から波
長成分λ12を含む信号光を取り出しても同様である。一
方、受信側のノード103は秘匿情報として波長成分λ
11及びλ12を選択することが通知されているため、これ
ら2つの波長成分を選択して合波することで、符号11
5に示したように雑音の無い信号光が得られてデータを
復調することができる。
【0095】(第10の実施の形態)図13は本実施の
形態に係る光通信システムの構成を示したブロック図で
あって、トポロジーとしてスター型を採用したネットワ
ークである。同図において符号121−1〜121−N
はスター型光リングネットワークを構成するノードであ
って、各ノードは上述した各実施の形態で説明した送信
部及び受信部としてそれぞれ送信機122及び受信機1
23を備えている。また、送信機122は各ノードに固
有な波長成分の光信号を送信する。すなわち、ノード1
21−1は波長成分λ11及びλ12の光信号を送信し、以
下同様に、ノード121−NはλN1及びλN2の光信号を
送信する。符号124はN×Nスターカプラであって、
例えばN×1スターカプラ125及び126を組み合わ
せることで実現可能である。
【0096】いま、例えばノード121−1がデータを
重畳させた波長成分λ11及びλ12の光信号を出力する
と、この光信号はN×1スターカプラ125を介してN
×1スターカプラ124に伝搬し、N×1スターカプラ
124はこの光信号を全てのノード121−1〜121
−Nへ配信する。同様にして、ノード121−2〜12
1−Nが送出する波長成分λ21〜λN2の光信号も全ての
ノードへ配信される。そして、秘匿情報として波長成分
λ11及びλ12を選択することが知らされているノード
は、受信機123で受信した光信号から波長成分λ11
びλ12を選択してそれらを合波し直線検波することで、
ノード121−1が送信したデータを復調できる。
【0097】なお、上述した各実施の形態を適宜組み合
わせても良いのは言うまでもない。
【0098】(実験例)図14は送信側に設けたレーザ
発振器が出力するレーザ光の測定結果を示した説明図で
ある。左端のグラフはレーザ光の全出力に関して、時間
波形(横軸:時間,縦軸:光強度[任意単位])及びパ
ワースペクトル(横軸:頻度,縦軸:確率分布関数(P
DF)の計数)を示している。同グラフから通常のレー
ザ発振と同様にポアソン分布を持ったパワースペクトル
を有していることが分かる。なお、出力光に含まれる波
長成分は1585[nm](図ではch.1)及び1565[nm](図では
ch.2)に設定している。また、中央及び右端のグラフ
は、2つに分岐されたch.1側及びch.2側についてそれぞ
れ時間波形とパワースペクトルとを示したものであっ
て、いずれもカオス光が検出されている。
【0099】図15は分岐された2つの経路からの光信
号を受信側で合波して直接検波したときの測定結果であ
って、図14と同様に時間波形及びパワースペクトルを
示したものである。図示から分かるように、2つの波長
成分の光強度はほぼ等しく、また、送信側に比べて光強
度は低下しているものの、送信側とほぼ同様のポアソン
分布を持ったスペクトルが観測されている。なお、実験
では送信するデータで変調しなかったため図14及び図
15ではアイパターンが開いていないが、変調をするこ
とによってアイパターンが開いてくる。
【0100】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、量子的
な揺らぎを利用して人為的に再生困難な二つ又はそれ以
上の雑音に信号光を分離する。このため、一つの波長に
着目して受信してもカオス的な雑音成分が検出されるの
みである。従って、盗聴によるデータの復調をほぼ完全
に阻止することができる。更に、一つの信号光を複数の
波長成分に分離した後、それぞれ異なる経路を伝播させ
ることにより、盗聴によるデータ復調の可能性を物理的
にも完全に排除し、極めて高い信頼性のある通信サービ
スを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態に係るレーザ発振
器の構成を示すブロック図である。
【図2】 本発明の第2の実施の形態に係る光通信方法
を説明するブロック図である。
【図3】 本発明の第3の実施の形態に係る光通信方法
を説明する送信側のブロック図である。
【図4】 本発明の第3の実施の形態に係る光通信方法
を説明する受信側のブロック図である。
【図5】 同時に発振する異なる波長の単峰性のモード
のレーザ光の性質を光子統計により説明する図である。
【図6】 同時に発振する異なる波長の単峰性のモード
のレーザ光の性質を光子統計により説明する図である。
【図7】 本発明の第4の実施の形態に係る光通信方法
を説明する受信側の構成を示すブロック図である。
【図8】 本発明の第5の実施の形態に係る光通信方法
を説明する受信側の構成を示すブロック図である。
【図9】 本発明の第6の実施の形態に係るレーザ発振
器の構成を示すブロック図である。
【図10】 本発明の第7の実施の形態に係るレーザ発
振器の構成を示すブロック図である。
【図11】 本発明の第8の実施の形態に係るレーザ発
振器の構成を示すブロック図である。
【図12】 本発明の第9の実施の形態に係る光通信シ
ステムの構成を示すブロック図である。
【図13】 本発明の第10の実施の形態に係る光通信
システムの構成を示すブロック図である。
【図14】 本発明の実験結果を示す説明図である。
【図15】 本発明の実験結果を示す説明図である。
【符号の説明】
1 半導体光増幅器 2 半導体光増幅素子 3 レンズ 4 アイソレータ 5 光ファイバ 6 コリメートレンズ 7 方向性結合器 8 バンドパス光フィルタ 9 偏波制御器 10 パワーモニタ 11 可変光減衰器 12 レンズ 13 ハーフミラー 14 PD(フォトダイオード) 15 パワー制御回路 16 モニタ信号 17 減衰器制御信号 18 方向性結合器 20 レーザ発振器 21 光変調器 23 合波器 24 分波器 25 2×N光スイッチ 26 方向性結合器 27 PD(フォトダイオード) 28 伝送路 31 N×N光スイッチ 32,33 合波器 34,35 伝送路 36 方向性結合器 37 分波器 38 2×N光スイッチ 39 方向性結合器 40 PD(フォトダイオード) 41 方向性結合器 42 波長選択フィルタ 43 偏波制御器 44 光増幅器 45 光検出器 46 復調回路 47 可変遅延線 51 偏波制御器 52 ファイバ増幅器 53 光分岐器 61 ミラー 62,63,71 ビームスプリッタ 72 ハーフミラー 101〜106 ノード 107 光ファイバ 111,112 経路 121−1〜121−4,121−N ノード 122 送信機 123 受信機 124 N×Nスターカプラ 125,126 N×1スターカプラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04J 14/06 (72)発明者 鈴木 謙一 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 Fターム(参考) 2K002 AA02 AB18 5F073 AB22 BA02 EA01 5K002 AA01 AA02 AA03 AA04 BA01 BA02 CA13 DA01 DA02 DA11 DA12 FA02 FA03 GA00

Claims (39)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送信側で少なくとも二つの波長の光に同
    一信号を重畳させて光信号を送信し、これらの光信号を
    多重化して光ファイバ又は空間を伝播させ、受信側で対
    応する波長の信号を選択して同時に同一光検出器で直接
    検波することにより復調する光通信方法であって、 前記少なくとも二つの波長の光は、単峰性のモードが同
    時に発振するレーザ光であって、各々のモードの光子の
    統計分布がボーズアインシュタイン分布に従い、且つ、
    それら二つのモードの和の光子の統計分布がポアソン分
    布に従うレーザ光であることを特徴とする光通信方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の光通信方法において、 信号光を構成する波長毎又はいくつかの波長の束毎に異
    なる経路で且つ等距離を伝播させ、受信地点で合波して
    同時に同一光検出器で直接検波することにより復調する
    ことを特徴とする光通信方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の光通信方法にお
    いて、 前記少なくとも二つの波長の光の強度が等しくなるよう
    にすることを特徴とする光通信方法。
  4. 【請求項4】 透過中心波長が異なる少なくとも二つの
    バンドパス光フィルタと利得飽和特性を有する光増幅媒
    体を含むレーザ発振器であって、 前記バンドパス光フィルタの二つの中心波長に一致する
    単峰性のモードが同時に発振し、各々のモードの光子の
    統計分布がボーズアインシュタイン分布に従い、且つ、
    それら二つのモードの和の光子の統計分布がポアソン分
    布に従うことを特徴とするレーザ発振器。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載のレーザ発振器におい
    て、 利得飽和特性を有する光増幅媒体は半導体光増幅器であ
    ることを特徴とするレーザ発振器。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5に記載のレーザ発振器に
    おいて、 透過中心波長が異なる少なくとも二つのバンドパス光フ
    ィルタと利得飽和特性を有する光増幅媒体を含むレーザ
    発振器は光ファイバを用いたリング共振器で構成され、
    このリング共振器の光経路の1点を分岐して前記バンド
    パス光フィルタにそれぞれ入射し、その透過光を再び合
    波して1本の光ファイバに結合させることによりリング
    共振器内を異なる二つの波長のモードで同時発振させて
    レーザ光を得ることを特徴とするレーザ発振器。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載のレーザ発振器におい
    て、 各々の分岐に可変光減衰器を備え、各々のバンドパス光
    フィルタの透過中心波長の光強度が等しくなるように前
    記可変光減衰器を調整することを特徴とするレーザ発振
    器。
  8. 【請求項8】 請求項6又は7に記載のレーザ発振器に
    おいて、 リング共振器内に偏波制御器を配置したことを特徴とす
    るレーザ発振器。
  9. 【請求項9】 請求項6又は7に記載のレーザ発振器に
    おいて、 リング共振器を構成する光ファイバは偏波保持ファイバ
    であり、レーザ発振器の光出力が最大となるように偏波
    状態を調整して接続したことを特徴とするレーザ発振
    器。
  10. 【請求項10】 送信側において、発生する光子の総数
    が一定であって複数の波長で同時に発振するレーザ光を
    発生させ、前記複数の波長の光に同一のデータを重畳さ
    せた信号光を送信し、 受信側において、前記信号光から同時に発振する前記複
    数の波長の光を選択して前記データを復調することを特
    徴とする光通信方法。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の光通信方法におい
    て、 前記送信側において、同時に発振する前記複数の波長の
    光を複数組発生させ、該複数組の光を多重化して光ファ
    イバ又は空間を伝播させ、 前記受信側において、前記複数組の光から何れかの組を
    選択し、該選択した組における複数の波長の光を同時に
    同一の光検出器で直接検波することにより復調すること
    を特徴とする光通信方法。
  12. 【請求項12】 請求項10に記載の光通信方法におい
    て、前記レーザ光は、単峰性のモードが同時に発振し、
    各々のモードの光子の統計分布が熱分布に従い、且つ、
    該複数のモードの和の光子の総数が一定な統計分布を持
    つレーザ光であることを特徴とする光通信方法。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の光通信方法におい
    て、前記熱分布はボーズアインシュタイン分布または複
    合ポアソン分布であって、前記光子の総数が一定な統計
    分布はポアソン分布であることを特徴とする光通信方
    法。
  14. 【請求項14】 請求項10に記載の光通信方法におい
    て、 前記信号光を構成する波長毎又はいくつかの波長の束毎
    に異なる複数の経路で且つ等距離を伝播させ、 前記受信側で前記複数の経路で伝播された光を合波し、
    同時に発振する前記複数の波長の光を選択して同時に同
    一の光検出器で直接検波することにより前記データを復
    調することを特徴とする光通信方法。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載の光通信方法におい
    て、前記複数の経路は、リング状に形成された伝送路上
    における互いに逆方向の経路であることを特徴とする光
    通信方法。
  16. 【請求項16】 請求項10に記載の光通信方法におい
    て、前記送信側において、前記複数の波長の光の強度を
    等しく設定することを特徴とする光通信方法。
  17. 【請求項17】 発生する光子の総数が一定であって、
    複数の波長で同時に発振するレーザ光を出力することを
    特徴とするレーザ発振器。
  18. 【請求項18】 請求項17に記載のレーザ発振器にお
    いて、 光学的負帰還素子と、 前記光学的負帰還素子に接続され、透過中心波長が異な
    る複数のバンドパス光フィルタとを具備し、 前記複数のバンドパス光フィルタの各透過中心波長に一
    致する単峰性のモードを同時に発振させ、各々のモード
    の光子の統計分布が熱分布に従い、且つ、該複数のモー
    ドの和の光子の総数が一定な統計分布を持つことを特徴
    とするレーザ発振器。
  19. 【請求項19】 請求項18に記載のレーザ発振器にお
    いて、前記光学的負帰還素子は利得飽和特性を有する半
    導体光増幅器であることを特徴とするレーザ発振器。
  20. 【請求項20】 請求項18に記載のレーザ発振器にお
    いて、 前記レーザ発振器は光ファイバを用いたリング共振器で
    構成され、 このリング共振器の光経路の1点を複数の分岐に分割し
    て前記複数のバンドパス光フィルタにそれぞれ入射する
    分岐器と、 前記複数のバンドパス光フィルタの透過光を合波して1
    本の光ファイバに結合させる結合器とを備え、 前記リング共振器内を異なる複数の波長のモードで同時
    発振させてレーザ光を得ることを特徴とするレーザ発振
    器。
  21. 【請求項21】 請求項18に記載のレーザ発振器にお
    いて、 各々の分岐に設けられ、各分岐を伝搬する光を減衰させ
    る複数の可変光減衰器と、 各々のバンドパス光フィルタの透過中心波長の光強度が
    等しくなるように前記可変光減衰器を調整することを特
    徴とする制御回路とを備えたレーザ発振器。
  22. 【請求項22】 請求項20に記載のレーザ発振器にお
    いて、 各々の分岐の偏波面を調整してこれら分岐の偏波面をそ
    ろえる偏波制御器を前記リング共振器内に配置したこと
    を特徴とするレーザ発振器。
  23. 【請求項23】 請求項20に記載のレーザ発振器にお
    いて、 前記リング共振器を構成する前記光ファイバは偏波保持
    ファイバであり、前記レーザ発振器の光出力が最大とな
    るように前記偏波保持ファイバの偏波状態を調整して接
    続したことを特徴とするレーザ発振器。
  24. 【請求項24】 請求項20に記載のレーザ発振器にお
    いて、 前記光ファイバを伝搬する光の偏波面を前記光学的負帰
    還素子に整合させる偏波制御器を備えたことを特徴とす
    るレーザ発振器。
  25. 【請求項25】 請求項18に記載のレーザ発振器にお
    いて、 前記レーザ発振器はミラーを用いた空間リング共振器で
    構成され、 前記空間リング共振器の光経路の1点を複数の分岐に分
    割して前記複数のバンドパス光フィルタにそれぞれ入射
    する分岐器と、 前記複数のバンドパス光フィルタの透過光を合波する結
    合器とを備え、 前記空間リング共振器内を異なる複数の波長のモードで
    同時発振させてレーザ光を得ることを特徴とするレーザ
    発振器。
  26. 【請求項26】 請求項25に記載のレーザ発振器にお
    いて、 各々の分岐に設けられ、各分岐を伝搬する光を減衰させ
    て、各々のバンドパス光フィルタの透過中心波長の光強
    度を等しくする可変光減衰器を備えたことを特徴とする
    レーザ発振器。
  27. 【請求項27】 請求項18に記載のレーザ発振器にお
    いて、 前記レーザ発振器はミラー及びハーフミラーを用いたフ
    ァブリペロー型共振器で構成され、 前記ファブリペロー型共振器の光経路の1点を複数の分
    岐に分割して前記複数のバンドパス光フィルタにそれぞ
    れ入射すると共に、前記複数のバンドパス光フィルタの
    透過光を合波する結合器を備え、 前記ファブリペロー型共振器内を異なる複数の波長のモ
    ードで同時発振させてレーザ光を得ることを特徴とする
    レーザ発振器。
  28. 【請求項28】 請求項27に記載のレーザ発振器にお
    いて、 各々の分岐に設けられ、各分岐を伝搬する光を減衰させ
    て、各々のバンドパス光フィルタの透過中心波長の光強
    度を等しくする可変光減衰器を備えたことを特徴とする
    レーザ発振器。
  29. 【請求項29】 発生する光子の総数が一定であって、
    複数の波長で同時に発振するレーザ光を出力する複数の
    レーザ発振器と、 前記複数のレーザ発振器がそれぞれ出力するレーザ光に
    同一データを重畳させて光信号を出力する複数の光変調
    器と、 前記複数の光変調器が出力する複数の前記光信号を多重
    化して波長多重信号を送信する合波器とを具備すること
    を特徴とする送信機。
  30. 【請求項30】 請求項29に記載の送信機において、 同一のレーザ発振器が同時に発振する複数の波長が全て
    異なる波長群に属するように、前記合波器から出力され
    る波長多重信号に含まれる各波長成分を複数の波長群に
    分離する分離器と、 前記各波長群の光をそれぞれ合波して複数の波長多重信
    号を生成し、各波長多重信号に対応する伝送路へ送信す
    る複数の合波器とを具備することを特徴とする送信機。
  31. 【請求項31】 発生する光子の総数が一定であって複
    数の波長で同時に発振する複数のレーザ光に同一データ
    を重畳して波長多重した光信号を伝送路から受信し、該
    光信号に含まれる波長成分の中から同時に発振された複
    数の波長成分の組を選択する選択回路と、 選択された複数の波長成分の組の光を合波する合波器
    と、 合波された光を直接検波して復調する復調回路とを具備
    することを特徴とする受信機。
  32. 【請求項32】 請求項31に記載の受信機において、 前記光信号は、同時に発振される複数の波長が全て異な
    る波長群に属するように、前記波長群毎に異なる伝送路
    上を伝搬されたものであり、 複数の前記伝送路から送られてくる光信号を合波して前
    記選択回路に出力する合波器を具備することを特徴とす
    る受信機。
  33. 【請求項33】 請求項31に記載の受信機において、 前記選択回路で選択された複数の波長成分の光の各々の
    偏波面を調整する複数の偏波制御器を備えたことを特徴
    とする受信機。
  34. 【請求項34】 請求項31に記載の受信機において、 前記選択回路で選択された複数の波長成分の光をそれぞ
    れ遅延させる複数の遅延回路を備えたことを特徴とする
    受信機。
  35. 【請求項35】 発生する光子の総数を一定にする光学
    的負帰還素子を備え波長軸に設定した複数の窓を中心に
    誘導放出による光子を発生させるレーザ共振器を用いて
    レーザ光を発生させ、光変調器を用いて前記レーザ光に
    データを重畳させた信号光を送出する送信機と、 前記送信機から送出される前記信号光を伝搬させる伝送
    路と、 前記伝送路から前記信号光を受信して、前記信号光に含
    まれる前記複数の窓に対応した波長成分の光信号に基づ
    いて前記データを復調する受信機とを具備することを特
    徴とする光通信システム。
  36. 【請求項36】 請求項35に記載の光通信システムに
    おいて、 前記送信機は、複数の前記レーザ発振器及び複数の前記
    光変調器を備え、該複数の光変調器が出力する複数の光
    信号を多重化し前記信号光として送出し、 前記受信機は、前記信号光に含まれる波長成分の中から
    同一のレーザ発振器に設定された前記複数の窓に対応す
    る複数の波長成分を選択し、該複数の波長成分を合波し
    た光信号に基づいて前記データを復調することを特徴と
    する光通信システム。
  37. 【請求項37】 請求項36に記載の光通信システムに
    おいて、 前記伝送路として複数の伝送路を備え、 前記送信機は、同一のレーザ発振器に設定された前記複
    数の窓に対応する波長成分が全て異なる波長群に属する
    ように、前記多重化された光信号に含まれる各波長成分
    を複数の波長群に分離し、波長群毎に波長成分を合波し
    て得られる複数の波長多重信号を対応する伝送路へ送信
    し、 前記受信機は、前記複数の伝送路から送られてくる前記
    波長多重信号を合波して前記信号光として受信すること
    を特徴とする光通信システム。
  38. 【請求項38】 請求項35に記載の光通信システムに
    おいて、 前記光通信システムは、前記送信機および前記受信機の
    少なくとも一方を具備するノードをリング状に接続した
    リングネットワークで構成され、 前記送信機を具備するノードは、前記信号光に含まれる
    波長成分の光を前記リングネットワーク上に設定された
    互いに逆方向の経路へ送信し、 前記受信機を具備するノードは、前記リングネットワー
    ク上を周回する波長成分の光のうち、同一のレーザ発振
    器に設定された前記複数の窓に対応する全ての波長成分
    を取り出して前記データを復調することを特徴とする光
    通信システム。
  39. 【請求項39】 請求項35に記載の光通信システムに
    おいて、 前記光通信システムは、前記送信機および前記受信機を
    備えた複数のノードと、各ノードから前記伝送路を介し
    て送信される前記信号光を前記伝送路を介して全てのノ
    ードへ配信する分配装置とを備えたスター型のネットワ
    ークで構成され、 前記送信機は、該送信機が属するノードに固有な複数の
    波長成分を含んだ信号光を前記分配装置へ送信し、 前記受信機は、前記分配装置から配信された前記信号光
    に含まれる波長成分の中から、同一のレーザ発振器に設
    定された前記複数の窓に対応する波長成分の光を取り出
    して前記データを復調することを特徴とする光通信シス
    テム。
JP2002010627A 2001-01-19 2002-01-18 レーザ発振器ならびに光通信方法及びシステム Expired - Fee Related JP3808372B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002010627A JP3808372B2 (ja) 2001-01-19 2002-01-18 レーザ発振器ならびに光通信方法及びシステム

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001011545 2001-01-19
JP2001-11545 2001-01-19
JP2002010627A JP3808372B2 (ja) 2001-01-19 2002-01-18 レーザ発振器ならびに光通信方法及びシステム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002290380A true JP2002290380A (ja) 2002-10-04
JP3808372B2 JP3808372B2 (ja) 2006-08-09

Family

ID=26607970

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002010627A Expired - Fee Related JP3808372B2 (ja) 2001-01-19 2002-01-18 レーザ発振器ならびに光通信方法及びシステム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3808372B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006203179A (ja) * 2004-12-21 2006-08-03 Nec Corp 光伝送装置、光伝送システムおよび光制御方法
KR100759811B1 (ko) * 2005-12-08 2007-09-20 한국전자통신연구원 고속 자동 보상 양자 암호 송수신장치 및 방법
JP2008039821A (ja) * 2006-08-01 2008-02-21 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 光スイッチの光出力安定化方法および装置
US8078059B2 (en) 2004-08-20 2011-12-13 Panasonic Corporation Multimode optical transmission device

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8078059B2 (en) 2004-08-20 2011-12-13 Panasonic Corporation Multimode optical transmission device
JP2006203179A (ja) * 2004-12-21 2006-08-03 Nec Corp 光伝送装置、光伝送システムおよび光制御方法
KR100759811B1 (ko) * 2005-12-08 2007-09-20 한국전자통신연구원 고속 자동 보상 양자 암호 송수신장치 및 방법
JP2008039821A (ja) * 2006-08-01 2008-02-21 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 光スイッチの光出力安定化方法および装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3808372B2 (ja) 2006-08-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1225714B1 (en) Scrambled optical communication method and system
JP2679953B2 (ja) 高密度光波長分割多重化
KR100480246B1 (ko) 중앙 기지국에서 생성된 다파장 광의 루프백을 이용하는수동형 광통신망
EP1633076B1 (en) Multiplexing communication system and crosstalk elimination method
EP1927208B1 (en) Method and system for quantum key distribution over multi-user wdm network with wavelength routing
JP5784612B2 (ja) 量子鍵配送で使用するための方法および装置
US5726784A (en) WDM optical communication system with remodulators and diverse optical transmitters
TWI499148B (zh) External cavity lasers and wavelength division multiplexing passive optical network systems
US10009136B2 (en) External cavity FP laser
Rohde et al. Next generation optical access: 1 Gbit/s for everyone
CN105934899B (zh) 光网络单元(onu)波长自调谐
KR101531406B1 (ko) 컬러리스 초 광대역 pon에 대한 비―냉각 자가―튜닝 캐비티를 위한 편광 안정화 방식
US20030072060A1 (en) Optical communication apparatus and system
Lin et al. Telecommunication compatibility evaluation for co-existing quantum key distribution in homogenous multicore fiber
JP2002270949A (ja) 光波長分割多重信号発生装置
Eriksson et al. Inter-core crosstalk impact of classical channels on CV-QKD in multicore fiber transmission
Schreier et al. Coexistence of quantum and 1.6 Tbit/s classical data over fibre-wireless-fibre terminals
Nadarajah et al. Protection switching and local area network emulation in passive optical networks
WO2012106920A1 (zh) 光模块及其突发发射方法、激光器及光网络系统
JP3808372B2 (ja) レーザ発振器ならびに光通信方法及びシステム
WO2015024776A1 (en) Optical transmitter arrangement for a passive optical network
CN213094407U (zh) 一种量子时频网络在pon网络中的融合部署系统
JP5026366B2 (ja) 波長多重光送信器
Tang et al. High-speed quantum key distribution systems for optical fiber networks in campus and metro areas
Kirmani et al. A Metro WDM Star Network with a Hybrid MAC protocol based on an arrayed waveguide grating

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20031211

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20040116

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050928

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051101

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051226

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060207

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060331

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060509

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060517

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090526

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100526

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100526

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110526

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees