JP2002289134A - 冷陰極放電管及び照明装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガラスバルブに封止される封止金属体に取付
けられた電極が長期間の点灯の使用途中において封止金
属体から脱落することがない冷陰極放電管及びこれを使
用した照明装置を提供する。 【解決手段】 所定圧の希ガスが封入され、水銀が拡散
されてなるガラスバルブ端部に封止される封止金属体
３、４に取付けられる電極５を、筒状金属体１０と、こ
の筒状金属体の底面に取付けられる突起１１と、空間部
１２とから構成してなるもので、このような電極を使用
することによって長期間の点灯使用においても電極が脱
落することなく安定した冷陰極放電管及びこの冷陰極放
電管を使用した照明装置を提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、パソコン等の液晶
表示装置の照明装置に使用される冷陰極放電管及び照明
装置に関し、特に冷陰極放電管のガラスバルブの両端に
封止されガラスバルブ内に位置した封止金属体の先端部
に取付けられた電極が長時間の使用でも封止金属体から
脱落することのない冷陰極放電管及びそれを使用した照
明装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より液晶表示装置の照明装置に使用
される冷陰極放電管は、図５に示すように、ビードガラ
ス７、８を介してガラスバルブ２の両端部に封止されガ
ラスバルブ２内に位置した封止金属体３、４の先端部に
有底の筒状金属体の電極１８、１９が取付けられ、また
ガラスバルブ２の内面に図示しない蛍光体被膜を施し、
さらにバルブ２の内部９にアルゴン、ネオン等の混合希
ガスとともに水銀が拡散されて封入されている。

【０００３】封止金属体３は、図６に示すように例えば
タングステンの第１金属体２１と比較的融点の低いコバ
ールやニッケル等の第２金属体２２とを溶着部２４で溶
着したものであり、また電極１８を形成する有底の筒状
金属体２０と封止金属体３とは、筒状金属体２０の底面
外側の略中央部で溶接によって固着される。２３はその
溶着部であり、図７は、その斜視図である。なお、他方
の封止金属体４と電極１９も、封止金属体３及び電極１
８と同様の構成である。２５は、電極１８の空間部であ
り、ガラスバルブ２内ではこの空間部２５と他方電極１
９の空間部（図番付さず）とが相対向するように、電極
１８及び１９がガラスバルブ内に設けられる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の放電管は、
１，０００、１，５００時間と長時間にわたって点灯使
用していると、図８に示すように、筒状金属体２０の内
部底面が平坦面の破線から２６に示すように徐々に削り
取られ、第1金属体２１と溶着している溶着部２３に達
するまでに底面の肉厚が非常に薄くなってゆき、ついに
は電極１８が第１金属体２１より脱落しガラスバルブ２
内に落下する。電極１８が第１金属体２１より落下する
と、放電管としての機能を発揮することはできず、また
当然のことながらこれを使用した照明装置もその照明機
能を出すこともできない。

【０００５】したがって本発明は、かかる問題点を除去
するためになしたもので、長時間の使用でも封止金属体
から電極が外れることのない冷陰極放電管及びその照明
装置を提供することを目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項１に係る本発明の冷陰極放電管は、ガラスバ
ルブに封止されガラスバルブ内に位置した一対の封止金
属体に取付けられる電極が、有底の筒状の金属体と、こ
の筒状金属体の底面外側と固着した前記封止金属体の先
端と対向した位置で前記筒状金属体の内部底面に取付け
られる突起と、空間部とからなるものであり、長期間の
点灯経過後でも電極が封止金属体から脱落する惧れがな
い。

【０００７】請求項２に係る本発明の冷陰極放電管は、
突起が筒状金属体と一体的に設けてなるものであり、突
起を筒状金属体と一体的なものにして電極を構成しても
良い。

【０００８】請求項３に係る本発明の冷陰極放電管は、
突起を筒状金属体に溶着により取付けるものであり、別
体の突起を筒状金属体に取付けても良い。

【０００９】請求項４に係る本発明の冷陰極放電管は、
封止金属体が、筒状金属体と固着される部分が第１の金
属体と、ガラスバルブ端部に封止される第２の金属体と
からなるもので、単一の金属体でなくても良い。

【００１０】請求項５にかかる本発明の冷陰極放電管
は、ガラスバルブに封止される封止金属体における第１
の金属体がタングステン金属、第２の金属体がニッケル
金属であり、このような金属材料の使用でも良い。

【００１１】請求項６にかかる本発明の照明装置は、請
求項１記載の冷陰極放電管と、この冷陰極放電管に近接
して配置される導光体と、前記冷陰極放電管の発光を光
反射し前記導光体に光入射する光反射体と、前記導光体
の下面側に配置される光反射板と、前記導光体の上面側
に配置され前記導光体上面より放出された光の方向を制
御する光制御部材とを備えてなるもので、冷陰極放電管
の電極が長期間の点灯経過後でも封止金属体から脱落す
る惧れがないので、長期間に亘って安定した光を導光体
上面及び光制御部材の上方から放出することが出来る。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
とともに説明する。

【００１３】図１は本発明の冷陰極放電管の断面図であ
り、前記した従来の冷陰極放電管と同一図番のものは、
同構成のものであり説明は省略する。本発明の冷陰極放
電管１は、従来のものとは電極５および６が異なってお
り、その他の構成は従来のものと同様であり、図２はそ
の電極の拡大断面図である。

【００１４】図において、電極５は、ニッケルの金属で
なる筒状金属体１０と、筒状金属体の内部底面に設けら
れるニッケル金属の突起１１と、空間部１２とからな
り、筒状金属体１０の底面外側の略中央部には封止金属
体３が溶着されている。突起１１は、筒状金属体１０と
一体で形成されても良いし、別体の突起１１を溶接によ
って筒状金属体１０の底面に固着しても良い。

【００１５】図３は、かかる冷陰極放電管を使用してな
る本発明の照明装置の概略を示す断面図であり、図にお
いて、１は冷陰極放電管、１３は透光性の樹脂材料で作
られてなる例えば直方体形状の導光体、１４は光拡散板
の単体又は光拡散板とプリズムシートとの組合せでなり
導光体１３の上面より放出される放出光の方向を制御す
る光制御部材、１５は導光体１４の下面に配置され導光
体１３を通過した光を光反射して再度導光体１３に光入
射させる光反射板、１６は冷陰極放電管１の発光を光反
射して導光体１３に光入射させる光反射体で、その内面
には光反射率の良い光反射層が施されている。

【００１６】以上の構成よりなる照明装置は、構成的に
は公知のものでありその動作の詳細説明は省略するが、
本発明の冷陰極放電管を使用することによって、長期間
の点灯使用であっても、封止金属体から電極が脱落する
ことがなく、冷陰極放電管としての機能を長期間に亘っ
て完全に発揮し得るので照明装置としても長期に亘り安
定した放出光を発するものを提供することができる。

【００１７】次に、本発明の冷陰極放電管と従来の冷陰
極放電管を、夫々の電極を除く仕様を両者ともに同等に
して各１０本製作して、実際に点灯試験した。即ち、図
１及び図５に示すガラスバルブ２の外径を２．０mmφ、
内径を１．６mmφ、電極５の先端と電極６の先端との間
隔、及び電極１８の先端と電極１９の先端との間隔であ
る放電間隔を２８０mm、ガラスバルブ内部に封入される
ネオン５％とアルゴン９５％の混合希ガスを６．６ＫＰ
ａ封入し、また水銀量を２．０ｍｇ拡散して封入した。

【００１８】さらに封止金属体３は、０．６mmφのタン
グステンの第１金属体２１と０．６mmφのニッケルの第
２金属体２２とを固着してなるものを使用し、封止金属
体４も封止金属体３と同様のものを使用した。

【００１９】また本発明の冷陰極放電管の電極５、６
は、外径が１．４mmφ、内径１．２mmφ、肉厚０．１m
m、全長３．５mmのニッケル材料の筒状金属体１０を使
用し、外径０．６mmφ、長さ２．５mmのニッケル材料の
突起１１を筒状金属体１０に取付けて製作し、一方従来
の冷陰極放電管の電極１８、１９は、外径が１．４mm
φ、内径１．２mmφ、肉厚０．１mm、全長３．５mmのニ
ッケル材料の筒状金属体２０を使用して製作し、本発明
品及び従来品も電極としてはやや条件の悪いもので試験
した。

【００２０】以上の構成よりなる本発明と従来の冷陰極
放電管とを図５に示す点灯回路を使用し、５７ｋＨｚの
周波数で６ｍＡの電流を供給して点灯させて電極の脱落
を調べた。なお図４中、１７は冷陰極放電管に点灯電流
を供給する電源装置、Ｘは点灯試験される被放電管であ
り、被放電管は、本発明及び従来の冷陰極放電管の封入
金属体３を電源装置１７の一端の低圧側であるアース側
に接続し、封入金属体４を電源装置の他端の高圧側に接
続して点灯させ、５００時間、１，０００時間及び１，
５００時間の点灯経過後の電極脱落状態を確認した。

【００２１】その結果、本発明の冷陰極放電管と従来の
冷陰極放電管とはその差は歴然としており、本発明品は
点灯時間１，５００時間を経過しても高圧側及びアース
側に接続された封入金属体３、４に取付けられた電極
５、６ともに全く電極の脱落が発生していないのに対
し、従来品は、点灯時間５００時間経過では電極の脱落
が全くないが、１，０００時間の点灯経過では電源装置
１７のアース側に接続された封入金属体３に取付けられ
た電極１８が１０本中６本脱落しており、また電源装置
１７の高圧側に接続された封入金属体４に取り付けられ
た電極１９が１０本中８本脱落しており非常に悪い結果
であるので、従来の冷陰極放電管の点灯は１，０００時
間で中止した。

【００２２】このように本発明品は１，５００時間点灯
経過後でも全く電極の脱落が発生していないことから
も、いかに本発明品が優れているか明白である。

【００２３】以上の実施例では、電極５、６の筒状金属
体１０には、ニッケルを使用したが、これ以外の鉄、鉄
とニッケルの合金、ニオブ等の材料でも良く、また突起
１１もニッケルを使用したが、これもニッケル以外に
鉄、鉄とニッケルの合金、鉄とニッケルとコバルトの合
金等の材料を使用しても良い。

【００２４】

【発明の効果】以上述べたように本発明の冷陰極放電管
は、筒状金属体と、この内部の底面に取り付けられる突
起と、空間部とで構成される電極を使用したので、従来
の冷陰極放電管に比して長時間の点灯でも電極が封入金
属体から脱落することなく極めて点灯の安定したものを
提供することができる。また、かかる冷陰極放電管を使
用した照明装置も長期にわたって安定して照明機能を発
揮できるものを提供することが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の１実施形態を示す冷陰極放電管の断面
図

【図２】図１にかかる封止金属体と電極との取付け状態
の拡大断面図

【図３】本発明の冷陰極放電管を使用してなる照明装置
の断面図

【図４】冷陰極放電管の点灯回路図

【図５】従来の冷陰極放電管の断面図

【図６】図５にかかる電極と封止金属体との取付状態を
示す拡大断面図

【図７】図６にかかる電極と封止金属体との取付状態を
示す拡大斜視図

【図８】従来の冷陰極放電管の封止金属体に取付けられ
た電極の底面部の状態を示す断面図

【符号の説明】

１ 冷陰極放電管 ２ ガラスバルブ ３、４ 封止金属体 ５、６ 電極 １０ 筒状金属体 １１ 突起 １２ 空間部 １３ 導光体 １４ 光制御部材 １５ 光反射板 １６ 光反射体 ２１ 第１金属体 ２２ 第２金属体

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ガラスバルブと、このガラスバルブの内
   部に所定圧で封入される希ガスと水銀と、前記ガラスバ
   ルブ内面に施されてなる蛍光被膜と、前記ガラスバルブ
   の両端部に封止される一対の封止金属体と、前記ガラス
   バルブ内に位置した前記一対の封止金属体の先端に取付
   けられる一対の電極とを備え、前記電極は、有底形状の
   筒状金属体と、この筒状金属体の底面外側と固着した前
   記封止金属体の先端と対向した位置で前記筒状金属体の
   内部底面に取付けられる突起と、空間部とからなり、前
   記一対の電極の前記空間部は前記ガラスバルブ内で相対
   向してなる冷陰極放電管。
2. 【請求項２】 突起は、筒状金属体と一体的に設けられ
   てなる請求項１に記載の冷陰極放電管。
3. 【請求項３】 突起は、筒状金属体の底面に溶着されて
   取付けられてなる請求項１に記載の冷陰極放電管。
4. 【請求項４】 封止金属体は、筒状金属体と固着される
   部分が第１の金属体と、ガラスバルブ端部に封止される
   第２の金属体とからなり、前記第１の金属体と前記第２
   の金属体とは溶着されてなる請求項１に記載の冷陰極放
   電管。
5. 【請求項５】 第１の金属体はタングステン金属であ
   り、第２の金属体はニッケル金属でなる請求項４に記載
   の冷陰極放電管。
6. 【請求項６】 請求項１記載の冷陰極放電管と、この冷
   陰極放電管に近接して配置される導光体と、前記冷陰極
   放電管の発光を光反射し前記導光体に光入射する光反射
   体と、前記導光体の下面側に配置される光反射板と、前
   記導光体の上面側に配置され前記導光体上面より放出さ
   れた光の方向を制御する光制御部材とを備えてなる照明
   装置。