JP2002288801A - 磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気記録再生装置

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JP2002288801A
JP2002288801A JP2001087471A JP2001087471A JP2002288801A JP 2002288801 A JP2002288801 A JP 2002288801A JP 2001087471 A JP2001087471 A JP 2001087471A JP 2001087471 A JP2001087471 A JP 2001087471A JP 2002288801 A JP2002288801 A JP 2002288801A
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Katsuyuki Naito
勝之 内藤
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】トラック間のピッチを狭めた場合においてもト
ラッキングを高精度に行うことが可能な磁気記録再生装
置を提供すること。 【解決手段】本発明の磁気記録再生装置1は、帯状磁気
記録部22と帯状非磁性部23とが交互に配列された構
造を有する磁気記録媒体2、近接場光出射部13と磁場
発生部14と磁気検出部15と第1の光センサと第2の
光センサとを備えた記録再生ヘッド7、及び磁気記録媒
体2と記録再生ヘッド7とを相対移動させる駆動機構を
具備し、第1の光センサの受光部16aは近接場光出射
部13が対向する帯状磁気記録部22に対して一方の側
に位置する帯状磁気記録部22と対向し、第2の光セン
サの受光部16bは近接場光出射部13が対向する帯状
磁気記録部22に対して他方の側に位置する帯状磁気記
録部22と対向したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録再生装置
に係り、特には、熱アシスト磁気記録技術を利用した磁
気記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】パーソナルコンピュータなどの情報機器
の機能は飛躍的に向上しており、そのため、ユーザが扱
う情報量も著しく増大している。それゆえ、従来に比べ
て飛躍的に記録密度の高い情報記録再生装置に対する期
待は高まる一方である。
【0003】情報記録媒体への記録密度を高めるために
は、記録マークのサイズを縮小化することが必要であ
る。しかしながら、現在、記録マークのサイズを縮小す
る上で大きな困難に直面している。以下、ハードディス
ク装置のような磁気記録再生装置を例に説明する。
【0004】一般に、磁気記録再生装置に搭載される磁
気記録媒体は、記録層に粒度分布の広い多結晶体を使用
している。すなわち、一般的な磁気記録媒体の記録層
は、粒径の大きなものから粒径の小さなものまで様々な
粒径の多結晶体を含んでいる。
【0005】しかしながら、サイズが過剰に小さな多結
晶体は熱揺らぎが大きい。そのため、記録マークを小さ
くした場合には、1つの記録マークに含まれる多結晶体
の数が少なくなり且つ記録マーク間での相互作用が相対
的に大きくなるため、記録の安定性が低下するのに加え
ノイズの増大を生ずる。
【0006】このような問題は、記録層を構成する多結
晶体を熱揺らぎを抑制するに十分な程度のサイズに揃え
ることによって防止することができる。しかしながら、
その場合、情報の書き込みに非常に強い磁場が必要とな
り、その結果、記録層への情報の書き込みが不可能とな
るという問題を生ずる。
【0007】そのような記録層に比較的弱い磁場で情報
を書き込み可能とする技術として、磁気記録層の保磁力
は加熱することにより低下することを利用した熱アシス
ト磁気記録技術が知られている。この熱アシスト磁気記
録技術で高密度記録を実現するには加熱スポットを小さ
くすることが有利であり、その手段としては近接場光照
射や電子線照射が考えられている。
【0008】しかしながら、熱アシスト磁気記録技術で
は厳密な熱設計が必要である。しかも、熱アシスト磁気
記録技術で記録密度を高めるためには、トラック間のピ
ッチを狭めることも必要であるが、その場合、隣接トラ
ック間での熱伝導の影響が大きくなり、特に、加熱によ
るクロスイレースが顕著となる。また、トラック間のピ
ッチを狭めた場合、トラッキングが困難となるため、サ
ーボライタによるサーボ信号の書き込み並びに磁気ヘッ
ドによるサーボ信号の読み出しが不可能となることがあ
る。
【0009】このような問題に対し、特開2000−1
95002号公報は、磁気記録層をトラックに対応して
帯状にパターニングすることにより帯状磁気記録部を形
成するのとともに隣接トラック同士をそれらの間に介在
する帯状非磁性部で磁気的に分離したディスクリート媒
体を開示している。このような媒体によると、各隣接ト
ラック間に帯状非磁性部が介在しているため、加熱によ
るクロスイレースを抑制することができる。
【0010】また、特開2000−195002号公報
が開示する構造を採用すれば、帯状磁気記録部と帯状非
磁性部との配列をトラッキングに利用することが可能で
あるため、上記のサーボライタによるサーボ信号の書き
込みが不要となる。すなわち、記録再生ヘッドに、情報
を書き込むべき帯状磁気記録部とその両側に隣接する2
つの帯状非磁性部との境界部にそれぞれ対向するように
2つの光センサを設ければ、熱アシスト磁気記録を行う
べく帯状磁気記録部に照射した近接場光の反射光をそれ
ら光センサで検出することによりトラッキングを行うこ
とができる。
【0011】しかしながら、そのような構造では、受光
可能な反射光量が不十分であるため、トラック間のピッ
チを狭めた場合などに高いトラッキング精度を実現する
ことができない。また、上記の記録再生ヘッドは、製造
自体が困難である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
に鑑みてなされたものであり、トラック間のピッチを狭
めた場合においてもトラッキングを高精度に行うことが
可能な磁気記録再生装置を提供することを目的とする。
【0013】また、本発明は、熱設計が容易な磁気記録
再生装置を提供することを目的とする。さらに、本発明
は、トラック間のピッチを狭めた場合においてもクロス
イレースの発生を防止し得る磁気記録再生装置を提供す
ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の側面によ
ると、基板と、前記基板の一主面に設けられ互いに平行
に配列した複数の帯状磁気記録部と、それぞれ前記複数
の帯状磁気記録部間に介在する複数の帯状非磁性部とを
備えた磁気記録媒体、前記複数の帯状磁気記録部の1つ
に対向しその帯状磁気記録部に向けて近接場光を出射す
る近接場光出射部と、前記近接場光出射部が対向する帯
状磁気記録部に対向した磁場発生部と、前記近接場光出
射部が対向する帯状磁気記録部に対向した磁気検出部
と、前記複数の帯状磁気記録部のうち前記近接場光出射
部が対向する帯状磁気記録部に対して一方の側に位置す
るものと対向した受光部を有する第1の光センサと、前
記複数の帯状磁気記録部のうち前記近接場光出射部が対
向する帯状磁気記録部に対して他方の側に位置するもの
と対向した受光部を有する第2の光センサとを備えた記
録再生ヘッド、及び前記近接場光出射部が対向する帯状
磁気記録部に沿って前記磁気記録媒体と前記記録再生ヘ
ッドとを相対移動させる駆動機構を具備することを特徴
とする磁気記録再生装置が提供される。
【0015】また、本発明の第2の側面によると、基板
と、前記基板の一主面に設けられ互いに平行に配列した
複数の帯状磁気記録部と、それぞれ前記複数の帯状磁気
記録部間に介在する複数の帯状非磁性部とを備えた磁気
記録媒体、前記複数の帯状磁気記録部の1つに対向しそ
の帯状磁気記録部に向けて電子線を出射する電子線出射
部と、前記電子線出射部が対向する帯状磁気記録部に対
向した磁場発生部と、前記電子線出射部が対向する帯状
磁気記録部に対向した磁気検出部とを備えた記録再生ヘ
ッド、前記電子線出射部に接続され前記電子線出射部か
ら前記電子線出射部が対向する帯状磁気記録部に向けて
流れた電流量を検出する電流計、及び前記電子線出射部
が対向した帯状磁気記録部に沿って前記磁気記録媒体と
前記記録再生ヘッドとを相対移動させる駆動機構を具備
することを特徴とする磁気記録再生装置が提供される。
【0016】本発明の第1の側面に係る磁気記録再生装
置は、第1の光センサと第2の光センサと駆動機構とに
接続された制御部をさらに具備することができる。この
ような制御部を設けた場合、第1の光センサからの第1
の信号と第2の光センサからの第2の信号とに基づい
て、磁気記録媒体に対する記録再生ヘッドの相対位置を
複数の帯状磁気記録部の配列方向に変化させるように駆
動機構の動作を制御することができる。この制御は、例
えば、第1の光センサからの第1の信号と第2の光セン
サからの第2の信号とを比較し且つ第1の信号の大きさ
と第2の信号の大きさとの差がより小さくなるように行
うことができる。
【0017】本発明の第2の側面に係る磁気記録再生装
置は、電流計と駆動機構とに接続された制御部をさらに
具備することができる。このような制御部を設けた場
合、電流計からの信号に基づいて、磁気記録媒体に対す
る記録再生ヘッドの相対位置を複数の帯状磁気記録部の
配列方向に変化させるように駆動機構の動作を制御する
ことができる。この制御は、例えば、電流計からの信号
の大きさの変動が抑制されるように行うことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明について、図面を参
照しながらより詳細に説明する。なお、各図において、
同様または類似する構成要素には同一の参照符号を付
し、重複する説明は省略する。
【0019】図1は、本発明の第1及び第2の実施形態
に係る磁気記録再生装置を概略的に示す斜視図である。
図1に示す磁気記録再生装置1において、磁気記録媒体
として磁気ディスク2を有している。この磁気記録再生
装置1は、磁気ディスク2への情報の書き込みに熱アシ
スト磁気記録技術を利用するものであり、磁気ディスク
2としては、後述するディスクリート磁気記録媒体(デ
ィスクリート磁気ディスク)を使用している。
【0020】磁気ディスク2はスピンドル3に回転可能
に支持されており、スピンドル3には制御回路(図示せ
ず)からの制御信号に応じて動作するモータ(図示せ
ず)が接続されている。図1に示す磁気記録再生装置1
では、これにより、磁気ディスク2の回転などを制御可
能としている。
【0021】磁気ディスク2の円周部近傍には固定軸4
が配置されており、この固定軸4は、その上下2ヶ所に
配置されたボールベアリング(図示せず)を介して磁気
ヘッドアセンブリ5を揺動可能に支持している。磁気ヘ
ッドアセンブリ5のボビン部にはコイル(図示せず)が
巻きつけられており、このコイルとそれを挟んで対向し
て配置された永久磁石と対向ヨークとは磁気回路を形成
するのとともにボイスコイルモータ6を構成している。
このボイスコイルモータ6も制御回路に接続されてお
り、それにより、磁気ヘッドアセンブリ5の先端のヘッ
ドスライダ7を、磁気ディスク2の所望のトラック上へ
と位置させることを可能としている。
【0022】磁気ヘッドアセンブリ5は、例えば、駆動
コイルを保持するボビン部などを備えたアクチュエータ
アーム8を有している。このアクチュエータアーム8に
はサスペンション9の一端が取り付けられており、サス
ペンション9の他端にはヘッドスライダ7が取り付けら
れている。このヘッドスライダ7には、後述する記録再
生ヘッドが組み込まれている。
【0023】サスペンション9上には信号の書き込み及
び読み取り用などのリード線(図示せず)が形成されて
おり、これらリード線はヘッドスライダ7に組み込まれ
た記録再生ヘッドの電極にそれぞれ電気的に接続されて
いる。なお、この磁気記録再生装置1において、情報の
記録及び再生は、磁気ディスク2を回転させて、ヘッド
スライダ7を磁気ディスク2から浮上させた状態で行
う。また、図1に示す磁気記録再生装置1において、制
御回路などは制御部を構成しており、スピンドル3に接
続されたモータ及びボイスコイルモータ6などは駆動機
構を構成している。
【0024】本発明の第1の実施形態と第2の実施形態
とでは、主としてヘッドスライダ7の構造が異なってい
る。以下、第1の実施形態と第2の実施形態との相違点
について主に説明する。
【0025】図2は、本発明の第1の実施形態に係る磁
気記録再生装置1で使用するヘッドスライダ7を概略的
に示す平面図である。図2に示すヘッドスライダ7は支
持体11を有しており、支持体11の一端部はスライダ
部12を構成している。支持体11の他端部の一主面に
は、微細な孔などの近接場光出射部13と磁場発生部1
4と磁気センサの磁気検出部15とが一直線上に配列す
るように設けられ、さらに、その直線に対して対称な位
置に及び近接場光出射部13を挟むように1対の光セン
サの受光部16a,16bが設けられている。このよう
に構成されるヘッドスライダ7は磁気ディスク2に対し
て、例えば、図3及び図4に示すように配置される。
【0026】図3は、本発明の第1の実施形態に係る磁
気記録再生装置1を概略的に示す断面図である。なお、
図3では、ヘッドスライダ7と磁気ディスク2との相対
位置の理解を容易にするためにその理解に不要な構成部
材は省略されており、ヘッドスライダ7の断面構造を説
明するためにヘッドスライダ7の向きを90°回転させ
て描いている。また、図3において、参照番号17は面
発光レーザのような光源を示しており、この光源17か
らの光は近接場光出射部13を通過することにより近接
場光として磁気ディスク2に向けて出射される。本実施
形態では、この近接場光は、熱アシスト磁気記録を行う
際に後述する帯状磁気記録部を加熱するのに利用される
のに加え、記録時や再生時に行うトラッキング制御に利
用される。
【0027】図3に示すように、ヘッドスライダ7は、
その近接場光出射部13などが設けられた面が磁気ディ
スク2と対向するように配置される。ヘッドスライダ7
をこのように配置すると、モータ10を駆動してスピン
ドル3に支持された磁気ディスク2を回転させることに
より生ずる気流によってヘッドスライダ7を磁気ディス
ク2から浮上させることができる。
【0028】図4は、本発明の第1の実施形態に係る磁
気記録再生装置1を概略的に示す平面図である。なお、
図4では、ヘッドスライダ7と磁気ディスク2との相対
位置の理解を容易にするためにその理解に不要な構成部
材は省略されており、ヘッドスライダ7は透視図として
描かれている。
【0029】図4に示すように、磁気ディスク2は、基
板21の一主面上で複数の帯状磁気記録部22と複数の
帯状非磁性部23とを交互に配列した構造を有してい
る。このような磁気ディスク2は、ディスクリート磁気
記録媒体と呼ばれる。
【0030】帯状磁気記録部22のそれぞれは磁気記録
膜で構成されており、隣り合う帯状磁気記録部22間の
距離は一定である。この磁気記録膜は、通常の磁気記録
膜で使用されるのと同様の磁気記録材料で構成され得
る。
【0031】帯状磁気記録部22は、基板21の主面に
垂直な方向から見た場合に、渦巻線状或いは同心円状の
形状を有している。なお、帯状磁気記録部22が同心円
状の形状を有している場合、それら帯状磁気記録部22
は相互に離間された複数個の円を形成する。一方、帯状
磁気記録部22が渦巻線状の形状を有している場合、そ
れら帯状磁気記録部22は相互に接続されて1本の帯を
形成する。
【0032】帯状非磁性部23は、帯状磁気記録部22
間に介在するように設けられている。したがって、帯状
磁気記録部22が基板21の主面に垂直な方向から見て
同心円状の形状を有している場合、帯状非磁性部23は
相互に離間された複数個の円を形成する。また、帯状磁
気記録部22が渦巻線状の形状を有している場合、帯状
非磁性部23は相互に接続されて1本の帯を形成する。
【0033】帯状非磁性部23は、帯状磁気記録部22
の図中縦方向に隣り合うもの同士を磁気的に分離する役
割を担っている。また、帯状非磁性部23は、それを構
成する材料を適宜選択することにより、クロスイレース
を防止し且つ熱設計を容易とし得る。
【0034】帯状非磁性部23は、通常、非磁性薄膜で
構成されるか或いは溝である。帯状非磁性部23が非磁
性薄膜で構成される場合、その材料は非磁性材料であれ
ば特に制限はなく、例えば、金などの非磁性金属やSi
2及びAl23などの誘電体を使用することができ
る。また、帯状非磁性部23が溝である場合、その溝の
内側に磁気記録膜は存在していなくてもよく、その溝が
完全に埋め込まれなければ溝の底面及び側壁は磁気記録
膜で覆われていてもよい。
【0035】以上のように構成される磁気記録再生装置
1で情報の書き込み及び書き込んだ情報の読み出しを行
う場合、近接場光出射部13と磁場発生部14と磁気検
出部15とがいずれかの帯状磁気記録部22(或いは、
トラック)上に位置するようにヘッドスライダ7を両矢
印26に示す方向に位置合わせしつつ、磁気ディスク2
を回転させることにより、帯状磁気記録部22及び帯状
非磁性部23を矢印25で示す方向に移動させる。本実
施形態では、そのような位置合わせ,すなわちトラッキ
ング,に、1対の光センサ16a,16bを利用する。
【0036】すなわち、近接場光出射部13から磁気デ
ィスク2に照射した近接場光の反射光を受光部16a,
16bで受光して、それら受光部16a,16bを有す
る1対の光センサで検出する。通常、帯状磁気記録部2
2と帯状非磁性部23とでは反射率が異なっているの
で、近接場光出射部13の中心位置とそれに対向する帯
状磁気記録部22の中心位置とがずれている場合、それ
ら光センサからの信号が同一となることはない。換言す
れば、それら中心位置が一致している場合にのみ、受光
部16aを有する光センサからの信号と受光部16bを
有する光センサからの信号とは同一となる。したがっ
て、それら光センサからの信号が同一となるようにヘッ
ドスライダ7を両矢印26で示す方向に適宜移動させる
ことにより、トラッキング制御が可能となる。
【0037】ところで、一般に、磁気ディスク2と記録
再生ヘッド7との間の距離は10〜30nm程度であ
る。これは、熱アシスト磁気記録に利用する光の波長と
比較しても遥かに短い。そのため、記録再生ヘッド7の
近接場光出射部13から或る帯状磁気記録部22に照射
された近接場光は、その帯状磁気記録部22で反射され
ても伝搬光とはならずに近接場光として磁気ディスク2
と記録再生ヘッド7との間を満たすこととなる。特に、
支持体11の磁気ディスク2との対向面や帯状非磁性部
23が金属材料で構成される場合には、表面プラズモン
のため反射光は近接場光としてヘッド7の端部にまで及
ぶようになる。このように、ヘッド7の端部にまで到達
した反射光も上記のトラッキング制御に利用可能であ
る。
【0038】本実施形態に係る磁気記録再生装置1で
は、トラッキング制御が為されている状態において、1
対の光センサの受光部16a,16bは、近接場光出射
部13が対向する帯状磁気記録部22の両側に位置する
帯状磁気記録部22にそれぞれ対向している。そのた
め、近接場光出射部13が対向する帯状磁気記録部22
の両境界部に受光部16a,16bを対向させる場合と
は異なり、受光部16a,16bのサイズや配置の自由
度が大きい。そのため、図4に示すように、トラッキン
グ制御が為されている状態において、1対の光センサの
受光部16a,16bをそれぞれ複数の帯状磁気記録部
22と対向させることができる。
【0039】この場合、それら光センサのそれぞれの受
光部16a,16bのサイズは少なくとも帯状磁気記録
部22の幅と帯状非磁性部23の幅との和よりも大き
い。換言すれば、図4に示す磁気記録再生装置1におい
て、光センサのそれぞれの受光部16a,16bは、上
記の反射光を効率よく集光可能とするのに十分なサイズ
を有している。そのため、本実施形態に係る磁気記録再
生装置1によると、トラック間のピッチを狭めた場合に
おいても記録再生ヘッド7の磁気ディスク2に対する両
矢印26に示す方向の相対位置のずれを速やかに正すこ
とができる。すなわち、本実施形態に係る磁気記録再生
装置1では、トラック間のピッチを狭めた場合において
もトラッキングを高精度に行うことができ、したがっ
て、高いCNR(Carrier to Noise Ratio)を実現する
ことが可能である。
【0040】また、従来技術では、上記のように、記録
再生ヘッドに、近接場光出射部と対向する帯状磁気記録
部とその両側に隣接する2つの帯状非磁性部との境界部
にそれぞれ対向するように2つの光センサを設ける必要
があった。すなわち、従来技術では、2つの光センサの
それぞれの受光部を極めて小さなサイズに形成し且つそ
れら受光部の距離を極めて短くする必要があった。その
ため、従来技術では、記録再生ヘッドの製造自体が困難
であった。
【0041】それに対し、本実施形態に係る磁気記録再
生装置1において、光センサの受光部16a,16bの
サイズを大きくすることができ、しかも、それら受光部
16a,16b同士を従来技術ほど近づける必要はな
い。そのため、本実施形態に係る記録再生ヘッド7は容
易に製造することができる。
【0042】本実施形態において、帯状非磁性部23が
溝である場合、帯状磁気記録部22の光反射率と帯状非
磁性部23の光反射率との差が十分に大きくなるように
溝の深さを設定することが好ましい。また、本実施形態
において、帯状非磁性部23が非磁性薄膜で構成される
場合、帯状磁気記録部22の光反射率と帯状非磁性部2
3の光反射率との差が十分に大きくなるように帯状磁気
記録部22の材料及び帯状非磁性部23の材料を選択す
ることが好ましい。それらの光反射率の差が大きいほ
ど、トラッキング制御をより容易に実施可能とすること
やトラッキング精度を向上させることができる。なお、
通常、帯状磁気記録部22の材料は反射率の低いものに
制限される傾向にある。帯状非磁性部23には反射率の
高いものから低いものまで様々な材料を使用可能である
ので、帯状非磁性部23の材料として反射率の高い材料
を選択すれば、上記の反射率差を容易に実現することが
できる。
【0043】以上説明した第1の実施形態では、図4に
示すように、光センサの受光部16a,16bを、近接
場光出射部13と対向する帯状磁気記録部22に隣り合
う2つの帯状磁気記録部22と対向するように支持体1
1に設けたが、光センサの受光部16a,16bの配置
はこれに限られるものではない。例えば、近接場光出射
部13に対向する帯状磁気記録部22と受光部16aに
対向する複数の帯状磁気記録部22との間、及び、近接
場光出射部13に対向する帯状磁気記録部22と受光部
16bに対向する複数の帯状磁気記録部22との間に、
それぞれ1つ以上の帯状磁気記録部22が介在していて
もよい。この場合、受光部16a,16bでの集光効率
は僅かに低下するが、それら光センサの受光部16a,
16bと熱源である近接場光出射部13との距離を広げ
ることができるため、熱揺らぎの影響が低減される。し
たがって、トラッキング精度をさらに向上させること、
すなわち、より高いCNRを実現することが可能とな
る。
【0044】また、図4では、簡略化のため、光センサ
のそれぞれの受光部16a,16bは2つの帯状磁気記
録部22と対向可能なサイズで描かれているが、それら
受光部16a,16bはより多くの帯状磁気記録部22
と対向可能なサイズを有していることが望ましい。一般
に、光センサのそれぞれの受光部16a,16bは、2
〜1000個の帯状磁気記録部22と対向可能なサイズ
を有していることが好ましく、10〜200個の帯状磁
気記録部22と対向可能なサイズを有していることがよ
り好ましい。
【0045】次に、本発明の第2の実施形態について説
明する。図5は、本発明の第2の実施形態に係る磁気記
録再生装置1で使用するヘッドスライダ7を概略的に示
す平面図である。図5に示すヘッドスライダ7は支持体
11を有しており、支持体11の一端部はスライダ部1
2を構成している。支持体11の他端部の一主面には、
電子線出射部18と磁場発生部14と磁気センサの磁気
検出部15とが一直線上に配列するように設けられてい
る。このように構成されるヘッドスライダ7は磁気ディ
スク2に対して、例えば、図6及び図7に示すように配
置される。
【0046】図6は、本発明の第2の実施形態に係る磁
気記録再生装置1を概略的に示す断面図である。また、
図7は、本発明の第2の実施形態に係る磁気記録再生装
置1を概略的に示す平面図である。なお、図6及び図7
では、ヘッドスライダ7と磁気ディスク2との相対位置
の理解を容易にするためにその理解に不要な構成部材は
省略されており、図6では、ヘッドスライダ7はその断
面構造を説明するために向きを90°回転させて描かれ
ており、図7では、ヘッドスライダ7は透視図として描
かれている。また、図6において、参照番号19は電子
線出射部18から磁気ディスク2に照射される電子線の
量を測定する電流計を示している。本実施形態では、こ
の電子線は、熱アシスト磁気記録を行う際に帯状磁気記
録部22を加熱するのに利用されるのに加え、記録時や
再生時に行うトラッキング制御に利用される。
【0047】以上のように構成される磁気記録再生装置
1では、トラッキング制御を行うために電流計19を利
用する。すなわち、本実施形態では、電子線出射部18
から磁気ディスク2に照射された電子線の量を電流計1
9で検出する。通常、帯状磁気記録部22と帯状非磁性
部23とでは電気抵抗が異なっているので、電流計19
からの信号は、電子線出射部18の中心位置とそれに対
向する帯状磁気記録部22の中心位置とのずれの程度に
応じて変化する。したがって、電流計19からの信号の
変化に基づいてヘッドスライダ7を両矢印26で示す方
向に適宜移動させることにより、トラッキングを高精度
に行うこと,すなわち、高いCNRを実現すること,が
できる。
【0048】また、本実施形態に係る磁気記録再生装置
1においては、電子線出射部18からの電子線を熱アシ
スト磁気記録及びトラッキング制御の双方に利用してい
る。そのため、本実施形態に係る記録再生ヘッド7は、
構造が簡略化されており、したがって、容易に製造する
ことができる。
【0049】本実施形態において、帯状非磁性部23の
電気抵抗は帯状磁気記録部22の電気抵抗よりも大きい
ことが好ましい。この場合、トラッキングをより高精度
に行うこと,すなわち、より高いCNRを実現するこ
と,ができる。
【0050】以上説明した第1及び第2の実施形態に係
る磁気記録再生装置1において、磁気検出部15を有す
る磁気センサは、プレーナ型のGMR素子であることが
好ましい。プレーナ型GMR素子を上記磁気センサとし
て利用する場合、ウエハのプレーナ型GMR素子を形成
した面を磁気ディスク2に対向させることとなる。その
ため、記録再生ヘッド7に近接場光出射部13や受光部
16a,16bを有する光センサなどを設ける場合に
は、磁気センサを形成したウエハにそれらも形成するこ
とができ、また、ヘッド実装が容易になる。
【0051】上述した第1及び第2の実施形態で使用す
る磁気ディスク2は、例えば、以下の方法で製造するこ
とができる。まず、光ディスクの製造で利用されている
ように、金型を用いたポリマーの射出成形などにより表
面にランド・グルーブのような凹凸構造を有する基板2
1を形成する。或いは、平坦な表面を有する基板21を
用いる場合は、その平坦面上にレジスト膜のような樹脂
薄膜を成膜し、この薄膜に金型を押し付けて凹凸構造を
転写することにより基板21の表面にランド・グルーブ
のような凹凸構造を形成する。次いで、基板21の凹凸
構造が設けられた面に、スパッタリング法のような通常
の気相堆積法などを用いて磁気記録膜を成膜する。この
ような方法によると、磁気記録膜は基板表面の凸部上だ
けでなく凹部の底面及び側壁をも覆うように形成され
る。しかしながら、通常、基板表面の凹凸構造は磁気記
録膜にも転写されるため、このような方法により、基板
21上に帯状磁気記録部22と帯状非磁性部23とが設
けられた磁気ディスク2を得ることができる。
【0052】また、上記磁気ディスク2は、他の方法で
製造することもできる。すなわち、まず、平坦な表面を
有する基板21を準備する。次に、基板21の平坦面全
体に磁気記録膜を成膜する。次いで、磁気記録膜上にレ
ジスト膜などを成膜し、このレジスト膜に金型を押し当
てて凹凸構造を転写する。すなわち、レジストパターン
を形成する。その後、このレジストパターンをマスクと
して用いて磁気記録膜をエッチングすることにより、基
板21上に帯状磁気記録部22と帯状非磁性部23とが
設けられた磁気ディスク2を得ることができる。
【0053】上述した磁気ディスク2の製造方法は、い
ずれも大量生産に適しており、しかも、帯状磁気記録部
22の幅を狭くすることができる。また、上記磁気ディ
スク2は、これら以外の方法で製造することも可能であ
る。例えば、光リソグラフィや電子線リソグラフィなど
を用いた方法や、操作型トンネル顕微鏡や近接場光顕微
鏡などの走査型プローブを用いた方法を利用することも
できる。光リソグラフィを用いた方法によると、帯状磁
気記録部22の幅を狭めることは比較的困難であるが、
高い生産性を実現することができる。また、電子線リソ
グラフィや走査型プローブを用いた方法によると、高い
生産性を実現することは困難であるが、帯状磁気記録部
22の幅を狭めることができる。なお、これら技術は、
上記金型,すなわち原盤,の製造にも利用可能である。
【0054】以上説明した第1及び第2の実施形態で
は、トラッキング制御を行うに当たり、記録再生ヘッド
7を両矢印26の方向に移動させたが、記録再生ヘッド
7の移動方向は両矢印26で示す方向に限られるもので
はない。すなわち、記録再生ヘッド7の移動方向は、矢
印25と交差する方向であれば特に制限はない。
【0055】また、上記第1及び第2の実施形態では、
記録や再生の際に、帯状磁気記録部22を矢印25に示
す方向に移動させたが、記録再生ヘッド7に対して帯状
磁気記録部22を矢印25に示す方向に相対移動させる
ことができれば、帯状磁気記録部22のみを移動させて
もよく、記録再生ヘッド7のみを移動させてもよく、或
いは、帯状磁気記録部22及び記録再生ヘッド7の双方
を移動させてもよい。同様に、上記第1及び第2の実施
形態では、トラッキング制御を行う際に、記録再生ヘッ
ド7を両矢印26の方向に移動させたが、帯状磁気記録
部22に対して記録再生ヘッド7を両矢印26に示す方
向に相対移動させることができれば、記録再生ヘッド7
のみを移動させてもよく、帯状磁気記録部22のみを移
動させてもよく、或いは、帯状磁気記録部22及び記録
再生ヘッド7の双方を移動させてもよい。
【0056】さらに、上記第1及び第2の実施形態で
は、磁気記録媒体2を磁気ディスクとし、帯状磁気記録
部22及び帯状非磁性部23を渦巻線状或いは同心円状
とした場合について説明したが、磁気記録媒体2は他の
形態であっても良い。例えば、磁気記録媒体2はカード
であっても良い。この場合、帯状磁気記録部22及び帯
状非磁性部23は直線状とすることが好ましい。
【0057】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。 (実施例1)本実施例では、以下に詳述するように図3
及び図4に示す磁気記録再生装置1を作製し、そのトラ
ッキング精度を調べた。
【0058】すなわち、本実施例では、波長650nm
の面発光レーザ17を使用し、近接場光出射部13のサ
イズを縦70nm×幅100nm、単磁極書き込み部1
4のサイズを縦80nm×幅20nmとした。また、プ
レーナ型GMR素子の読み出し部15のサイズは縦80
nm×幅20nmとし、C−MOS光センサの受光部1
6a,16bのサイズはそれぞれ直径10μmとした。
近接場光出射部13と書き込み部14との間の距離は1
00nmとし、書き込み部14と読み出し部15との間
の距離は200nmとした。また、近接場光出射部13
と受光部16a,16bのそれぞれとの間の距離は40
0nmとした。なお、ここで「縦」は帯状磁気記録部2
2の長手方向に沿った方向を意味し、「横」はそれに垂
直な方向を意味している。本実施例では、以上のように
構成されるヘッドスライダ7を、圧電素子を有する2段
アクチュエータで支持した。
【0059】また、本実施例では、以下の方法で作製し
た磁気ディスク2を使用した。すなわち、まず、直径
2.5インチ(=6.35cm)のガラス基板上に、厚
さ30nmのPd下地層(図示せず)、厚さ50nmの
TbFeCo膜、及び厚さ50nmのSiO2膜を順次
成膜した。なお、TbFeCoは熱アシスト記録用の垂
直磁気記録材料である。
【0060】次に、SiO2膜上にレジストをスピンコ
ートしてレジスト膜を形成した。次いで、金型をレジス
ト膜に押し当てて、そのレジスト膜に凹凸パターンを転
写した。すなわち、レジストパターンを形成した。な
お、ここで使用した金型は、電子線リソグラフィ技術及
びメッキ法を用いて作製したNi金型であり、そのレジ
スト膜との接触面には、幅40nm、高さ50nm、間
隔70nmの渦巻線状の凸部が設けられている。
【0061】次いで、そのレジストパターンをエッチン
グマスクとして用いた反応性イオンエッチング(RI
E)によりSiO2膜の露出部を除去して、底面がTb
FeCo膜で構成された渦巻線状の凹部を形成した。さ
らに、SiO2膜をマスクとして用いてArイオンミリ
ングを行うことにより、TbFeCo膜の露出部及びS
iO2膜を除去した。以上のようにして、渦巻線状のT
bFeCo膜で構成された帯状磁気記録部22を得た。
【0062】その後、基板21の帯状磁気記録部22を
形成した面全体に厚さ50nmのAl膜を成膜して、帯
状磁気記録部22によって形成された渦巻線状の凹部を
Alで埋め込んだ。次に、このAl膜を、帯状磁気記録
部22の上面が露出するまで化学的機械研磨法(CMP
法)によって研磨した。これにより、渦巻線状のAl膜
で構成された帯状非磁性部23を得た。さらに、帯状磁
気記録部22及び帯状非磁性部23上にダイアモンドラ
イクカーボン保護膜を成膜した。以上のようにして、磁
気ディスク2を得た。
【0063】このようにして得られた磁気ディスク2を
磁気力顕微鏡で観察した。その結果、幅70nmの帯状
磁気記録部22の幅方向に隣り合う部分が幅40nmの
帯状非磁性部23で分離された構造を確認することがで
きた。
【0064】以上のように構成される磁気記録再生装置
1について、面発光レーザ17の照射パワーを1mWと
して読み出し時におけるトラッキング精度を調べた。そ
の結果、400Mbpsの読み出し速度でも十分に高精
度にトラッキングを行うことができた。また、上記磁気
記録再生装置1について、面発光レーザ17の照射パワ
ーを5mWとして書き込み時におけるトラッキング精度
を調べた。その結果、100Mbpsの書き込み速度で
も十分に高精度にトラッキングを行うことができた。ま
た、クロスイレースの頻度も0.001%以下と十分に
抑制されていた。
【0065】(比較例)以下に説明する方法で作製した
磁気ディスクを使用したこと以外は実施例1で説明した
のとほぼ同様の構成の磁気記録再生装置を作製した。す
なわち、本比較例では、直径2.5インチ(=6.35
cm)のガラス基板上に厚さ30nmのPd下地層及び
厚さ50nmのTbFeCo膜を順次成膜してなる磁気
ディスクを使用した。なお、このようにして得られた磁
気ディスクはディスクリート媒体ではないので、実施例
1で利用したのと同様の方法でトラッキングを行うこと
は不可能である。そこで、本比較例では、サーボライタ
を用いて磁気記録膜にサーボ信号を記録し、GMR読み
出しヘッドを用いてトラッキングを行った。
【0066】しかしながら、本比較例に係る磁気記録再
生装置では、読み出し速度は150Mbpsが限度であ
った。また、書き込み速度を100Mbpsとした場
合、クロスイレースが0.3%の頻度で観測された。
【0067】(実施例2)本実施例では、以下に詳述す
るように図6及び図7に示す磁気記録再生装置1を作製
し、そのトラッキング精度を調べた。
【0068】すなわち、本実施例では、電子線出射部1
8のサイズを直径50nm、単磁極書き込み部14のサ
イズを縦80nm×幅20nmとした。また、プレーナ
型GMR素子の読み出し部15のサイズは縦80nm×
幅20nmとした。電子線出射部18と書き込み部14
との間の距離は80nmとし、書き込み部14と読み出
し部15との間の距離は200nmとした。なお、ここ
で「縦」は帯状磁気記録部22の長手方向に沿った方向
を意味し、「横」はそれに垂直な方向を意味している。
本実施例では、以上のように構成されるヘッドスライダ
7を、圧電素子を有する2段アクチュエータで支持し
た。
【0069】また、本実施例では、以下の方法で作製し
た磁気ディスク2を使用した。すなわち、まず、直径
2.5インチ(=6.35cm)のガラス基板上に、厚
さ30nmのPd下地層(図示せず)、厚さ50nmの
TbFeCo膜、及び厚さ50nmのSiO2膜を順次
成膜した。なお、TbFeCoは熱アシスト記録用の垂
直磁気記録材料である。
【0070】次に、TbFeCo膜上にレジストをスピ
ンコートしてレジスト膜を形成した。次いで、金型をレ
ジスト膜に押し当てて、そのレジスト膜に凹凸パターン
を転写した。すなわち、レジストパターンを形成した。
なお、ここで使用した金型は、電子線リソグラフィ技術
及びメッキ法を用いて作製したNi金型であり、そのレ
ジスト膜との接触面には、幅40nm、高さ50nm、
間隔70nmの渦巻線状の凸部が設けられている。
【0071】次いで、そのレジストパターンをエッチン
グマスクとして用いた反応性イオンエッチング(RI
E)によりSiO2膜の露出部を除去して、底面がTb
FeCo膜で構成された渦巻線状の凹部を形成した。さ
らに、SiO2膜をマスクとして用いてArイオンミリ
ングを行うことにより、TbFeCo膜の露出部及びS
iO2膜を除去した。以上のようにして、渦巻線状のT
bFeCo膜で構成された導電性の帯状磁気記録部22
を得た。
【0072】その後、基板21の帯状磁気記録部22を
形成した面全体に厚さ50nmの電気絶縁性SiO2
を成膜して、帯状磁気記録部22によって形成された渦
巻線状の凹部をSiO2で埋め込んだ。次に、このSi
2膜を、帯状磁気記録部22の上面が露出するまで化
学的機械研磨法(CMP法)によって研磨した。これに
より、渦巻線状のSiO2膜で構成された電気的に絶縁
性の帯状非磁性部23を得た。さらに、帯状磁気記録部
22及び帯状非磁性部23上にダイアモンドライクカー
ボン保護膜を成膜した。以上のようにして、磁気ディス
ク2を得た。
【0073】このようにして得られた磁気ディスク2を
磁気力顕微鏡で観察した。その結果、幅70nmの帯状
磁気記録部22の幅方向に隣り合う部分が幅40nmの
帯状非磁性部23で分離された構造を確認することがで
きた。
【0074】以上のように構成される磁気記録再生装置
1について、読み出し時におけるトラッキング精度を調
べた。なお、読み出し時におけるトラッキングは、電流
計19で検出される電流量が1μAでほぼ一定となるよ
うに記録再生ヘッド7の位置を制御することにより行っ
た。その結果、500Mbpsの読み出し速度でも十分
に高精度にトラッキングを行うことができた。
【0075】また、上記磁気記録再生装置1について、
書き込み時におけるトラッキング精度を調べた。なお、
書き込み時には、電子線の照射量を高め、電流計19で
検出される電流量が30μAでほぼ一定となるように記
録再生ヘッド7の位置を制御することによりトラッキン
グを行った。その結果、200Mbpsの書き込み速度
でも十分に高精度にトラッキングを行うことができた。
また、クロスイレースの頻度も0.001%以下と十分
に抑制されていた。
【0076】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、隣り
合う帯状磁気記録部を帯状非磁性部で分離した構造を有
する磁気記録媒体を使用するため、トラック間のピッチ
を狭めた場合においてもクロスイレースを十分に防止す
ることができ、しかも、熱設計が容易である。さらに、
本発明では、熱アシスト磁気記録に使用する近接場光を
トラッキングに利用可能とする複数の光センサの受光部
を近接場光出射部が対向する帯状磁気記録部とは異なる
帯状磁気記録部に対向させることにより、それら受光部
を十分に大きなサイズとすることができ、したがって、
トラック間のピッチを狭めた場合においてもトラッキン
グを高精度に行うことが可能となる。また、本発明で
は、電流計を設けて熱アシスト磁気記録に使用する電子
線をトラッキングに利用可能とすることにより、トラッ
ク間のピッチを狭めた場合においてもトラッキングを高
精度に行うことが可能となる。
【0077】すなわち、本発明によると、トラック間の
ピッチを狭めた場合においてもトラッキングを高精度に
行うことが可能な磁気記録再生装置を提供される。ま
た、本発明によると、熱設計が容易な磁気記録再生装置
が提供される。さらに、本発明によると、トラック間の
ピッチを狭めた場合においてもクロスイレースの発生を
防止し得る磁気記録再生装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1及び第2の実施形態に係る磁気記
録再生装置を概略的に示す斜視図。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る磁気記録再生装
置で使用するヘッドスライダを概略的に示す平面図。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る磁気記録再生装
置を概略的に示す断面図。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る磁気記録再生装
置を概略的に示す平面図。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る磁気記録再生装
置で使用するヘッドスライダを概略的に示す平面図。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る磁気記録再生装
置を概略的に示す断面図。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る磁気記録再生装
置を概略的に示す平面図。
【符号の説明】
1…磁気記録再生装置; 2…磁気ディスク; 3…ス
ピンドル;4…固定軸; 5…磁気ヘッドアセンブリ;
6…ボイスコイルモータ;7…ヘッドスライダ; 8
…アクチュエータアーム; 9…サスペンション;10
…モータ; 11…支持体; 12…スライダ部;13
…近接場光出射部; 14…磁場発生部; 15…磁気
検出部;16a,16b…受光部; 17…光源; 1
8…電子線出射部;19…電流計; 21…基板; 2
2…帯状磁気記録部;23…帯状非磁性部; 25…矢
印; 26…両矢印

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と、前記基板の一主面に設けられ互
    いに平行に配列した複数の帯状磁気記録部と、それぞれ
    前記複数の帯状磁気記録部間に介在する複数の帯状非磁
    性部とを備えた磁気記録媒体、 前記複数の帯状磁気記録部の1つに対向しその帯状磁気
    記録部に向けて近接場光を出射する近接場光出射部と、
    前記近接場光出射部が対向する帯状磁気記録部に対向し
    た磁場発生部と、前記近接場光出射部が対向する帯状磁
    気記録部に対向した磁気検出部と、前記複数の帯状磁気
    記録部のうち前記近接場光出射部が対向する帯状磁気記
    録部に対して一方の側に位置するものと対向した受光部
    を有する第1の光センサと、前記複数の帯状磁気記録部
    のうち前記近接場光出射部が対向する帯状磁気記録部に
    対して他方の側に位置するものと対向した受光部を有す
    る第2の光センサとを備えた記録再生ヘッド、及び前記
    近接場光出射部が対向する帯状磁気記録部に沿って前記
    磁気記録媒体と前記記録再生ヘッドとを相対移動させる
    駆動機構を具備することを特徴とする磁気記録再生装
    置。
  2. 【請求項2】 前記第1の光センサと前記第2の光セン
    サと前記駆動機構とに接続された制御部をさらに具備
    し、この制御部は前記磁気記録媒体に対する前記記録再
    生ヘッドの相対位置を前記複数の帯状磁気記録部の配列
    方向に変化させるように前記駆動機構の動作を制御し、
    この制御は前記第1の光センサからの第1の信号と前記
    第2の光センサからの第2の信号とに基づいて行われる
    ことを特徴とする請求項1に記載の磁気記録再生装置。
  3. 【請求項3】 前記制御部は前記第1の光センサからの
    第1の信号と前記第2の光センサからの第2の信号とを
    比較し且つ前記第1の信号の大きさと前記第2の信号の
    大きさとの差がより小さくなるように前記駆動機構の動
    作を制御することを特徴とする請求項2に記載の磁気記
    録再生装置。
  4. 【請求項4】 基板と、前記基板の一主面に設けられ互
    いに平行に配列した複数の帯状磁気記録部と、それぞれ
    前記複数の帯状磁気記録部間に介在する複数の帯状非磁
    性部とを備えた磁気記録媒体、 前記複数の帯状磁気記録部の1つに対向しその帯状磁気
    記録部に向けて電子線を出射する電子線出射部と、前記
    電子線出射部が対向する帯状磁気記録部に対向した磁場
    発生部と、前記電子線出射部が対向する帯状磁気記録部
    に対向した磁気検出部とを備えた記録再生ヘッド、 前記電子線出射部に接続され前記電子線出射部から前記
    電子線出射部が対向する帯状磁気記録部に向けて流れた
    電流量を検出する電流計、及び前記電子線出射部が対向
    した帯状磁気記録部に沿って前記磁気記録媒体と前記記
    録再生ヘッドとを相対移動させる駆動機構を具備するこ
    とを特徴とする磁気記録再生装置。
  5. 【請求項5】 前記電流計と前記駆動機構とに接続され
    た制御部をさらに具備し、この制御部は前記磁気記録媒
    体に対する前記記録再生ヘッドの相対位置を前記複数の
    帯状磁気記録部の配列方向に変化させるように前記駆動
    機構の動作を制御し、この制御は前記電流計からの信号
    に基づいて行われることを特徴とする請求項4に記載の
    磁気記録再生装置。
  6. 【請求項6】 前記制御部は前記電流計からの信号の大
    きさの変動が抑制されるように前記駆動機構の動作を制
    御することを特徴とする請求項5に記載の磁気記録再生
    装置。
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