JP2002288371A - 機械設備保守料設定システム及び機械設備保険料設定システム - Google Patents

機械設備保守料設定システム及び機械設備保険料設定システム

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JP2002288371A
JP2002288371A JP2001093789A JP2001093789A JP2002288371A JP 2002288371 A JP2002288371 A JP 2002288371A JP 2001093789 A JP2001093789 A JP 2001093789A JP 2001093789 A JP2001093789 A JP 2001093789A JP 2002288371 A JP2002288371 A JP 2002288371A
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Akinori Natsume
明典 夏目
Shintaro Kumano
信太郎 熊野
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】機械設備ユーザーが、機械設備の保全次第で保
守料及び保険料の支払を削減でき、メーカーは保守費の
支払いを、保険会社は保険金支払いを低減できる保守料
及び保険料の設定システム。 【解決手段】機械設備9を有する設備運用システムと、
経理サーバー14を備える機械設備ユーザー12と、保
全評価システム33と、費用管理サーバー34とを備え
るメーカー28と、金融仲介局13とを具備し、保全評
価システム33が保守契約に基づき設備運用システム3
から機械設備9に関する保全情報を取得し、前記保守契
約と前記保全情報とに基づいて保守料を決定し、費用管
理サーバー37へ次回保守料支払指示を出力し、費用管
理サーバー37が前記次回保守料支払指示に基づき経理
サーバー14へ前記次回保守料の通知を行い、経理サー
バー14が前記通知に応答して金融仲介局13において
メーカー28の口座へ前記次回保険料を振り込む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機械設備の保守料
及び保険料を設定するシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】機械設備販売の際、機械設備を製造した
メーカー局としてのメーカーと購入者である機械設備ユ
ーザー局としての機械設備ユーザーとの間で、保守契約
が取り交わされる。その保守契約においては、メーカー
が行なう保守に対する保守料は、主に以下の条件に基づ
いて決定される。すなわち、機械設備固有の故障率
(λm)、機械設備の使用経過年数(使用経過年数補
正係数Ky、図5参照)、故障時の復旧時間(Tr)
である。しかし、この方法では、同一種類の機械設備
で、使用経過年数が同じであれば、同一の保守料が適用
されることになる。
【0003】一方、機械設備の購入の際、機械設備ユー
ザー局としての機械設備ユーザーは、損害の発生に備え
て機械設備に保険を掛けることが多い。その場合の保険
料の算定方法も、主に上記の〜の条件に基づいて設
定されており、同一種類の機械設備で、使用経過年数が
同じであれば、同一の保険料が適用されることになる。
【0004】従って、保守料及び保険料は、どちらも機
械設備の運用状況に基づく稼動率や、稼動方法、それま
での運用履歴等を、反映していない。また、機械設備を
遠隔監視した場合、故障の検知時間が短縮するが、その
効果(例えば、稼働率が向上する事)についても考慮さ
れていない。
【0005】しかし、機械設備の運用は、取り扱う機械
設備ユーザーにより様々であり、必ずしも推奨された運
用条件である定格値や設計上限値を遵守して運転してい
るとは限らない。すなわち、状況に応じて、性能限界で
の出力での運用や、設計上想定していない高頻度での発
停、出力変動を伴う運用等をせざるを得ない場合があ
る。それらが機械設備の運用過程で行なわれた場合で
は、一般的な運用に比較して機械設備の故障発生率は高
くなる。従って、前述のような同一の保守料や保険料を
適用していては、保守を行なうメーカー及び保険金を支
払う保険会社局としての保険会社にとって、想定してい
ない損失を発生させる可能性がある。
【0006】故障の発生率が高くなる各要因について、
ガスタービンの運用状態を例に挙げて、図6〜図8を参
照して説明する。図6は、ガスタービンの出力と故障発
生率との関係を示す。横軸は、ガスタービンの出力
(%)であり、最高出力で規格化した値である。縦軸
が、故障発生率(%)である。ガスタービンの運用にお
いては、出力の定格値(図中左側矢印)が設定されてお
り、その値以下で運用する限り、故障発生率は低い値に
留まっている(の範囲)。しかし、出力の定格値を超
えて運転する場合には、故障発生率が非常に高くなるこ
とがわかる(及びの範囲)。
【0007】図7は、ガスタービンの発停回数と故障発
生率との関係を示す。横軸は、ガスタービンの単位期間
(例えば月)当たりの発停回数(起動と停止の回数、回
/期間)であり、縦軸は、故障発生率(%)である。ガ
スタービンの運用においては、単位期間(例えば月)当
たりの発停回数が設計段階で設計上限値(図中左側矢
印)として想定されており、その値以下での発停につい
ては、故障発生率は低い値に留まっている(の範
囲)。しかし、発停回数が設計上限値を超える場合に
は、故障発生率が非常に高くなることがわかる(及び
の範囲)。
【0008】図8は、ガスタービンの出力変化率と故障
発生率との関係を示す。横軸は、ガスタービンの出力変
化率(単位時間(例えば時間)当たりの出力の変化の割
合、%)である。縦軸は、故障発生率(%)である。ガ
スタービンの運用においては、出力変化率が設計段階で
設計上限値(図中左側矢印)として想定されており、そ
の値以下での出力変化については、故障発生率は低い値
に留まっている(の範囲)。しかし、出力変化率が設
計上限値を超える場合には、故障発生率が非常に高くな
ることがわかる(及びの範囲)。
【0009】以上のように、性能限界での出力での運用
や、設計上想定していない高頻度での発停、出力変動で
あって図6〜8の及びの範囲において行なわれた機
械設備の運用は、の範囲で運用を行なっていた機械設
備に比較して、明らかに故障発生率が高くなる。従っ
て、機械設備の故障率が機器設備の運用状態により大き
くばらつくことになるので、保守料及び保険料算定に当
たっては、ある程度安全側に評価せざるを得ず、保守料
及び保険料は高く設定されてしまう傾向にある。
【0010】一方、通常、機械設備を使用する機械設備
ユーザーは、定期的に保全(メインテナンス)を行なう
ことにより、故障率増加を抑制しようとする方策を講じ
ている。しかし、保全を行なうための資金と時間が無限
にあるわけではないため、機械設備ユーザーが必要と考
える保全の全てを行なうことは不可能な場合が多い。そ
のため、できるだけ効率良く適切に保全を行なうことに
より、故障無く機械設備の使用を継続していくかが重要
な点になる。すなわち、保全を行なっていたとしても、
それが適切になされているかどうかにより、故障率が低
下するかどうかが決まる。従って、それらの事情を考慮
していない前述のような同一の保守料及び保険料を適用
している場合には、メーカー局としてのメーカー及び保
険会社局としての保険会社にとって、想定していない損
失を発生させる可能性がある。従って、それを回避しつ
つ、かつ、機械設備ユーザーにも納得してもらえる機械
設備保守料設定システム及び機械設備保険料設定システ
ムが必要となる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、メーカー及び機械設備ユーザーの双方に利益をもた
らす機械設備保守料設定システム及び機械設備保守料設
定方法を提供することである。
【0012】また、本発明の別の目的は、機械設備の保
全計画に基づく精度の高い稼働率予測により、より精度
の高い保守料の設定が可能な機械設備保守料設定システ
ム及び機械設備保守料設定方法を提供することである。
【0013】更に、本発明の他の目的は、機械設備ユー
ザーの機械設備の保全計画手法の改善により保守料を改
善することが可能な機械設備保守料設定システム及び機
械設備保守料設定方法を提供することである。
【0014】更に、本発明の他の目的は、機械設備ユー
ザーの機械設備の運用状況の改善により保守料を改善す
ることが可能な機械設備保守料設定システム及び機械設
備保守料設定方法を提供することである。
【0015】更に、本発明の他の目的は、保険会社及び
機械設備ユーザーの双方に利益をもたらす機械設備保険
料設定システム及び機械設備保険料設定方法を提供する
ことである。
【0016】更に、本発明の他の目的は、機械設備の保
全計画に基づく精度の高い稼働率予測により、より精度
の高い保険料の設定が可能な機械設備保険料設定システ
ム及び機械設備保険料設定方法を提供することである。
【0017】更に、本発明の他の目的は、機械設備ユー
ザーの機械設備の保全計画手法の改善により保険料を改
善することが可能な機械設備保険料設定システム及び機
械設備保険料設定方法を提供することである。
【0018】更に、本発明の他の目的は、機械設備ユー
ザーの機械設備の運用状況の改善により保険料を改善す
ることが可能な機械設備保険料設定システム及び機械設
備保険料設定方法を提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】本課題を解決するための
手段の項における、図番号、符号は、特許請求の範囲と
発明の実施の形態との対応を示すために記したものであ
り、特許請求の範囲の解釈に用いてはならない。
【0020】従って、上記課題を解決するために、本発
明の機械設備保守料設定システムは、機械設備(図1、
機械設備9)を有する設備運用システムと、経理サーバ
ー(図1、経理サーバー14)とを備える機械設備ユー
ザー局(図1、機械設備ユーザー12)と、保全評価シ
ステム(図1、保全評価システムB33)と、費用管理
サーバー(図1、費用管理サーバー34)とを備えるメ
ーカー局(図1、メーカー28)と、金融仲介局(図
1、金融仲介局13)とを具備する。そして、前記保全
評価システム(図1、保全評価システムB33)が、前
記機械設備ユーザー局(図1、機械設備ユーザー12)
と前記メーカー局(図1、メーカー28)との間の前期
機械設備(図1、機械設備9)に関する保守契約に基づ
いて、通信回線(図1、通信回線I29)を通じて前記
設備運用システム(図1、設備運用システム3)から前
記機械設備(図1、機械設備9)に関する保全情報を取
得する。次に、前記保守契約と前記保全情報とに基づい
て保守料を決定し、前記費用管理サーバー(図1、費用
管理サーバー37)へ次回保守料支払指示を出力する。
続いて、前記費用管理サーバー(図1、費用管理サーバ
ー37)が、前記次回保守料支払指示に基づいて、通信
回線(図1、通信回線L32)を通じて、前記経理サー
バー(図1、経理サーバー14)へ前記次回保守料の通
知を行なう。そして、前記経理サーバー(図1、経理サ
ーバー14)が、前記通知に応答して、前記金融仲介局
(図1、金融仲介局13)において、前記メーカー局
(図1、メーカー28)の口座へ前記次回保険料を振り
込む。
【0021】また、本発明の機械設備保守料設定システ
ムは、機械設備(図12、機械設備9)を有する設備運
用システム(図12、設備運用システム3)と、経理サ
ーバー(図12、経理サーバー14)とを備える機械設
備ユーザー局(図12、機械設備ユーザー12)と、遠
隔監視システム(図12、遠隔監視システム25)と、
保全評価システム(図12、保全評価システムB33)
と、費用管理サーバー(図12、費用管理サーバー3
7)とを備えるメーカー局(図12、メーカー28)
と、金融仲介局(図12、金融仲介局13)とを具備す
る。そして、前記遠隔監視システム(図12、遠隔監視
システム25)が、前記機械設備ユーザー局(図12、
機械設備ユーザー12)と前記メーカー局(図12、メ
ーカー28)との間の前期機械設備(図12、機械設備
9)に関する保守険契約に基づいて、通信回線(図1
2、通信回線I29)を通じて前記通信回線(図12、
通信回線9)から前記機械設備(図12、通信回線9)
の運用状況に関する運用情報を取得する。また、前記保
全評価システム(図12、保全評価システムB33)
が、前記保守契約に基づいて、通信回線(図12、通信
回線I29)を通じて前記設備運用システム(図12、
設備運用システム3)から前記機械設備(図12、機械
設備9)に関する保全情報を取得する。そして、前記保
守契約と前記運用情報と前記保全情報とに基づいて保守
料を決定し、前記費用管理サーバー(図12、費用管理
サーバー34)へ次回保守料支払指示を出力する。次
に、前記費用管理サーバー(図12、費用管理サーバー
34)が、前記次回保守料支払指示に基づいて、通信回
線(図12、通信回線L32)を通じて、前記経理サー
バー(図12、経理サーバー14)へ前記次回保守料の
通知を行なう。そして、前記経理サーバー(図12、経
理サーバー14)が、前記通知に応答して、前記金融仲
介局(図12、金融仲介局13)において、前記メーカ
ー局(図12、メーカー28)の口座へ前記次回保守料
を振り込む。
【0022】また、本発明の機械設備保守料設定システ
ムは、前記保全評価システム(図1、保全評価システム
B33)が、前記設備運用システム(図1、設備運用シ
ステム3)から前記保全情報を取得する保全評価サーバ
ー(図1、保全評価サーバーB35)と、前記保全情報
及び前記保守契約に基づき予め設定された前記保守料の
変更に関する情報を保持する保全評価情報データベース
(図1、保全評価情報データベースB36)とを具備す
る。そして、前記保全評価サーバー(図1、保全評価サ
ーバーB35)は、前記保全評価情報データベース(図
1、保全評価情報データベースB36)が保持する前記
保全情報と前記変更に関する情報とに基づいて前記保守
料を決定し、前記次回保守料支払指示を前記費用管理サ
ーバー(図1、費用管理サーバー37)へ出力する。
【0023】更に、本発明の機械設備保守料設定システ
ムは、前記保全情報が、リスクベースメインテナンス法
に基づいて得られる前記機械設備(図1、機械設備9)
の保全に関わる情報である。
【0024】更に、本発明の機械設備保守料設定システ
ムは、前記遠隔監視システム(図12、遠隔監視システ
ム25)が、前記機械設備(図12、機械設備9)から
前記運用情報を取得する遠隔監視サーバー(図12、遠
隔監視サーバー22)と、前記運用情報及び前記保守契
約に基づき予め設定された前記機械設備(図12、機械
設備9)の運用条件に関する補正係数情報を保持する機
器情報データベース(図12、機器情報データベース2
3)とを具備する。また、前記保全評価システム(図1
2、保全評価システムB33)は、前記設備運用システ
ム(図12、設備運用システム3)から前記保全情報を
取得する保全評価サーバー(図12、保全評価サーバー
B35)と、前記保全情報及び前記保守険契約に基づき
予め設定された前記保守料の変更に関する情報を保持す
る保全評価情報データベース(図12、保全評価情報デ
ータベースB36)とを具備する。前記遠隔監視サーバ
ー(図12、遠隔監視サーバー22)は、前記機器情報
データベース(図12、機器情報データベース23)が
保持する前記運用情報と前記補正係数情報とに基づいて
補正係数を決定し、前記補正係数と前記運用情報の一部
とを前記保全評価サーバー(図12、保全評価サーバー
B35)へ出力する。そして、前記保全評価サーバー
(図12、保全評価サーバーB35)は、前記保全評価
情報データベース(図12、保全評価情報データベース
B36)が保持する前記保全情報と前記変更に関する情
報と前記補正係数と前記運用情報の一部に基づいて前記
保守料を決定し、前記次回保守料支払指示を前記費用管
理サーバー(図12、費用管理サーバー37)へ出力す
る。
【0025】更に、本発明の機械設備保守料設定システ
ムは、前記運用条件が、前記機械設備(図12、機械設
備9)の出力、発停回数、出力変動率の内の少なくとも
一つに基づいて設定され、前記保全情報は、リスクベー
スメインテナンス法に基づいて得られる前記機械設備
(図12、機械設備9)の保全に関わる情報である。
【0026】更に、本発明の機械設備保守料設定システ
ムは、前記遠隔監視システム(図12、遠隔監視システ
ム25)が前記保全評価システム(図12、保全評価シ
ステムB33)に含まれている。
【0027】更に、本発明の機械設備保守料設定システ
ムは、前記費用管理サーバー(図1・12、費用管理サ
ーバー37)が前記保全評価システム(図1・12、保
全評価システムB33)に含まれている。
【0028】上記課題を解決するために、本発明の機械
設備保険料設定システムは、機械設備(図20、機械設
備9)を有する設備運用システム(図20、設備運用シ
ステム3)と、経理サーバー(図20、経理サーバー1
4)とを備える機械設備ユーザー局(図20、機械設備
ユーザー12)と、保全評価システム(図20、保全評
価システム1)と、保険料管理サーバー(図20、保険
料管理サーバー6)とを備える保険会社局(図20、保
険会社11)と、金融仲介局(図20、金融仲介局1
3)とを具備する。前記保全評価システム(図20、保
全評価システム1)は、前記機械設備ユーザー局(図2
0、機械設備ユーザー12)と前記保険会社局(図2
0、保険会社11)との間の前期機械設備(図20、機
械設備9)に関する保険契約に基づいて、通信回線(図
20、通信回線A15)を通じて前記設備運用システム
(図20、設備運用システム3)から前記機械設備(図
20、機械設備9)に関する保全情報を取得する。そし
て、前記保険契約と前記保全情報とに基づいて保険料を
決定し、前記保険料管理サーバー(図20、保険料管理
サーバー6)へ次回保険料支払指示を出力する。次に、
前記保険料管理サーバー(図20、保険料管理サーバー
6)が、前記次回保険料支払指示に基づいて、通信回線
(図20、通信回線D18)を通じて、前記経理サーバ
ー(図20、経理サーバー14)へ前記次回保険料の通
知を行なう。そして、前記経理サーバー(図20、経理
サーバー14)が、前記通知に応答して、金融仲介局
(図20、金融仲介局13)において、前記保険会社局
(図20、保険会社11)の口座へ前記次回保険料を振
り込む。
【0029】また、本発明の機械設備保険料設定システ
ムは、機械設備(図25、機械設備9)を有する設備運
用システム(図25、設備運用システム3)と、経理サ
ーバー(図25、経理サーバー14)とを備える機械設
備ユーザー局(図25、機械設備ユーザー12)と、遠
隔監視システム(図25、遠隔監視システム25)と、
保全評価システム(図25、保全評価システム1)と、
保険料管理サーバー(図25、保険料管理サーバー6)
とを備える保険会社局(図25、保険会社11)と、金
融仲介局(図25、金融仲介局13)とを具備する。前
記遠隔監視システム(図25、遠隔監視システム25)
は、前記機械設備ユーザー局(図25、機械設備ユーザ
ー12)と前記保険会社局(図25、保険会社11)と
の間の前期機械設備(図25、機械設備9)に関する保
険契約に基づいて、通信回線(図25、通信回線A1
5)を通じて前記機械設備(図25、機械設備9)から
前記機械設備(図25、機械設備9)の運用状況に関す
る運用情報を取得する。一方、前記保全評価システム
(図25、保全評価システム1)は、前記保険契約に基
づいて、通信回線(図25、通信回線A15)を通じて
前記設備運用システム(図25、設備運用システム3)
から前記機械設備(図25、機械設備9)に関する保全
情報を取得する。そして、前記保険契約と前記運用情報
と前記保全情報とに基づいて保険料を決定し、前記保険
料管理サーバー(図25、保険料管理サーバー6)へ次
回保険料支払指示を出力する。次に、前記保険料管理サ
ーバー(図25、保険料管理サーバー6)は、前記次回
保険料支払指示に基づいて、通信回線(図25、通信回
線D18)を通じて、前記経理サーバー(図25、経理
サーバー14)へ前記次回保険料の通知を行なう。そし
て、前記経理サーバー(図25、前記経理サーバー1
4)は、前記通知に応答して、金融仲介局(図25、金
融仲介局13)において、前記保険会社局(図25、保
険会社11)の口座へ前記次回保険料を振り込む。
【0030】更に、本発明の機械設備保険料設定システ
ムは、前記保全評価システム(図20、保全評価システ
ム1)が、前記設備運用システム(図20、設備運用シ
ステム3)から前記保全情報を取得する保全評価サーバ
ー(図20、保全評価サーバー4)と、前記保全情報及
び前記保険契約に基づき予め設定された前記保険料の変
更に関する情報を保持する保全評価情報データベース
(図20、保全評価情報データベース5)とを具備す
る。そして、前記保全評価サーバー(図20、4保全評
価サーバー)は、前記保全評価情報データベース(図2
0、保全評価情報データベース5)が保持する前記保全
情報と前記変更に関する情報とに基づいて前記保険料を
決定し、前記次回保険料支払指示を前記保険料管理サー
バー(図20、保険料管理サーバー14)へ出力する。
【0031】更に、本発明の機械設備保険料設定システ
ムは、前記保全情報が、リスクベースメインテナンス法
に基づいて得られる前記機械設備(図20、機械設備
9)の保全に関わる情報である。
【0032】更に、本発明の機械設備保険料設定システ
ムは、前記遠隔監視システム(図25、遠隔監視システ
ム25)が、前記機械設備(図25、機械設備9)から
前記運用情報を取得する遠隔監視サーバー(図25、遠
隔監視サーバー22)と、前記運用情報及び前記保険契
約に基づき予め設定された前記機械設備(図25、機械
設備9)の運用条件に関する補正係数情報を保持する機
器情報データベース(図25、機器情報データベース2
3)とを具備する。前記保全評価システム(図25、保
全評価システム1)は、前記設備運用システム(図2
5、設備運用システム3)から前記保全情報を取得する
保全評価サーバー(図25、全評価サーバー4)と、前
記保全情報及び前記保険契約に基づき予め設定された前
記保険料の変更に関する情報を保持する保全評価情報デ
ータベース(図25、保全評価情報データベース5)と
を具備する。そして、前記遠隔監視サーバー(図25、
遠隔監視サーバー22)は、前記機器情報データベース
(図25、機器情報データベース23)が保持する前記
運用情報と前記補正係数情報とに基づいて補正係数を決
定し、前記補正係数と前記運用情報の一部とを前記保全
評価サーバー(図25、保全評価サーバー4)へ出力す
る。次に、前記保全評価サーバー(図25、保全評価サ
ーバー4)は、前記保全評価情報データベース(図2
5、保全評価情報データベース5)が保持する前記保全
情報と前記変更に関する情報と前記補正係数と前記運用
情報の一部とに基づいて前記保険料を決定し、前記次回
保険料支払指示を前記保険料管理サーバー(図25、保
険料管理サーバー6)へ出力する。
【0033】更に、本発明の機械設備保険料設定システ
ムは、前記運用条件が、前記機械設備(図25、機械設
備9)の出力、発停回数、出力変動率の内の少なくとも
一つに基づいて設定され、前記保全情報が、リスクベー
スメインテナンス法に基づいて得られる前記機械設備
(図25、機械設備9)の保全に関わる情報である。
【0034】更に、本発明の機械設備保険料設定システ
ムは、前記遠隔監視システム(図25、25)が前記保
全評価システム(図25、保全評価システム1)に含ま
れている。
【0035】更に、本発明の機械設備保険料設定システ
ムは、前記保険料管理サーバー(図20・12、保険料
管理サーバー6)が前記保全評価システム(図20・1
2、保全評価システム1)に含まれている。
【0036】上記課題を解決するための、本発明の機械
設備保守料設定方法は、機械設備ユーザー局(図1、機
械設備ユーザー12)とメーカー局(図1、メーカー2
8)との間の機械設備(図1、機械設備9)に関する保
守契約に基づいて、前記機械設備ユーザー局(図1、機
械設備ユーザー12)が、通信回線(図1、通信回線K
31)を通じて、金融仲介局(図1、金融仲介局13)
において、前記メーカー局(図1、メーカー28)に保
守料を支払うステップと、前記メーカー局(図1、メー
カー28)が、前記保守契約に基づいて、通信回線(図
1、通信回線I29)を通じて前記機械設備ユーザー局
(図1、機械設備ユーザー12)から前記機械設備(図
1、機械設備9)の保全状況に関する保全情報を取得す
るステップと、前記メーカー局(図1、メーカー28)
が、前記保守契約と前記保全情報とに基づいて保守料を
決定し、次回保守料支払指示を出力するステップと、前
記メーカー局(図1、メーカー28)が、前記次回保守
料指示に基づいて、通信回線(図1、通信回線L32)
を通じて、前記機械設備ユーザー局(図1、機械設備ユ
ーザー12)へ前記次回保守料の通知を行なうステップ
と、前記機械設備ユーザー局(図1、機械設備ユーザー
12)が、前記通知に応答して、通信回線(図1、通信
回線K31)を通じて、前記金融仲介局(図1、金融仲
介局13)において、前記メーカー局(図1、メーカー
28)の口座へ前記次回保守料を振り込むステップとを
具備する。
【0037】また、本発明の機械設備保守料設定方法
は、機械設備ユーザー局(図12、機械設備ユーザー1
2)とメーカー局(図12、メーカー28)との間の機
械設備(図12、機械設備9)に関する保守契約に基づ
いて、前記機械設備ユーザー局(図12、機械設備ユー
ザー12)が、通信回線(図12、通信回線K31)を
通じて、金融仲介局(図12、金融仲介局13)におい
て、前記メーカー局(図12、メーカー28)に保守料
を支払うステップと、前記メーカー局(図12、メーカ
ー28)が、前保守契約に基づいて、通信回線(図1
2、通信回線I29)を通じて前記機械設備ユーザー局
(図12、機械設備ユーザー12)から前記機械設備
(図12、機械設備9)の運用状況に関する運用情報を
取得するステップと、前記メーカー局(図12、メーカ
ー28)が、前記保守契約に基づいて、通信回線(図1
2、通信回線I29)を通じて前記機械設備ユーザー局
(図12、機械設備ユーザー12)から前記機械設備
(図12、機械設備9)の保全状況に関する保全情報を
取得するステップと、前記メーカー局(図12、メーカ
ー28)が、前記保守契約と前記運用情報と前記保全情
報とに基づいて保守料を決定し、次回保守料支払指示を
出力するステップと、前記メーカー局(図12、メーカ
ー28)が、前記次回保守料指示に基づいて、通信回線
(図12、通信回線L32)を通じて、前記機械設備ユ
ーザー局(図12、機械設備ユーザー12)へ前記次回
保守料の通知を行なうステップと、前記機械設備ユーザ
ー局(図12、機械設備ユーザー12)が、前記通知に
応答して、通信回線(図12、通信回線K31)を通じ
て、前記金融仲介局(図12、金融仲介局13)におい
て、前記メーカー局(図12、メーカー28)の口座へ
前記次回保守料を振り込むステップとを具備する。
【0038】上記課題を解決するための、本発明の機械
設備保険料設定方法は、機械設備ユーザー局(図20、
機械設備ユーザー12)と保険会社局(図20、保険会
社11)との間の機械設備(図20、機械設備9)に関
する保険契約に基づいて、前記機械設備ユーザー局(図
20、機械設備ユーザー12)が、通信回線(図20、
通信回線C17)を通じて、金融仲介局(図20、金融
仲介局13)において、前記保険会社局(図20、保険
会社11)に保険料を支払うステップと、前記保険会社
局(図20、保険会社11)が、前記保険契約に基づい
て、通信回線(図20、通信回線A15)を通じて前記
機械設備ユーザー局(図20、機械設備ユーザー12)
から前記機械設備(図20、機械設備9)の保全状況に
関する保全情報を取得するステップと、前記保険会社局
(図20、保険会社11)が、前記保険契約と前記保全
情報とに基づいて保険料を決定し、次回保険料支払指示
を出力するステップと、前記保険会社局(図20、保険
会社11)が、前記次回保険料指示に基づいて、通信回
線(図20、通信回線D18)を通じて、前記機械設備
ユーザー局(図20、機械設備ユーザー12)へ前記次
回保険料の通知を行なうステップと、前記機械設備ユー
ザー局(図20、機械設備ユーザー12)が、前記通知
に応答して、通信回線(図20、通信回線C17)を通
じて、前記金融仲介局(図20、金融仲介局13)にお
いて、前記保険会社局(図20、保険会社11)の口座
へ前記次回保険料を振り込むステップとを具備する。
【0039】また、本発明の機械設備保険料設定方法
は、機械設備ユーザー局(図25、機械設備ユーザー1
2)と保険会社局(図25、保険会社11)との間の機
械設備(図25、機械設備9)に関する保険契約に基づ
いて、前記機械設備ユーザー局(図25、機械設備ユー
ザー12)が、通信回線(図25、通信回線C17)を
通じて、金融仲介局(図25、金融仲介局13)におい
て、前記保険会社局(図25、保険会社11)に保険料
を支払うステップと、前記保険会社局(図25、保険会
社11)が、前記保険契約に基づいて、通信回線(図2
5、通信回線A15)を通じて前記機械設備ユーザー局
(図25、機械設備ユーザー12)から前記機械設備
(図25、機械設備9)の運用状況に関する運用情報を
取得するステップと、前記保険会社局(図25、保険会
社11)が、前記保険契約に基づいて、通信回線(図2
5、通信回線A15)を通じて前記機械設備ユーザー局
(図25、機械設備ユーザー12)から前記機械設備
(図25、機械設備9)の保全状況に関する保全情報を
取得するステップと、前記保険会社局(図25、保険会
社11)が、前記保険契約と前記運用情報と前記保全情
報とに基づいて保険料を決定し、次回保険料支払指示を
出力するステップと、前記保険会社局(図25、保険会
社11)が、前記次回保険料指示に基づいて、通信回線
(図25、通信回線D18)を通じて、前記機械設備ユ
ーザー局(図25、機械設備ユーザー12)へ前記次回
保険料の通知を行なうステップと、前記機械設備ユーザ
ー局(図25、機械設備ユーザー12)が、前記通知に
応答して、通信回線(図25、通信回線C17)を通じ
て、前記金融仲介局(図25、金融仲介局13)におい
て、前記保険会社局(図25、保険会社11)の口座へ
前記次回保険料を振り込むステップとを具備する。
【0040】上記課題を解決するための、本発明の機械
設備保守料設定方法を実行するためのプログラムは、機
械設備ユーザー局(図1、機械設備ユーザー12)とメ
ーカー局(図1、メーカー28)との機械設備(図1、
機械設備9)に関する保守契約に基づいて、前記機械設
備ユーザー局(図1、機械設備ユーザー12)からの保
守料の入金を確認するステップと、前記機械設備(図
1、機械設備9)の保全状況に関する保全情報と前記保
守契約とに基づいて発生される次回保守料支払指示に応
答して、通信回線(図1、通信回線L32)を通じて、
前記機械設備ユーザー局(図1、機械設備ユーザー1
2)へ前記次回保守料の通知を行なうステップとを実行
する。
【0041】また、本発明の機械設備保守料設定方法を
実行するためのプログラムは、機械設備ユーザー局(図
12,機械設備ユーザー12)とメーカー局(図12,
28)との機械設備(図12,機械設備9)に関する保
守契約に基づいて、前記機械設備ユーザー局(図12,
機械設備ユーザー12)からの保守料の入金を確認する
ステップと、前記機械設備(図12,機械設備9)の運
用状況に関する運用情報と保全情報に関する保全情報と
前記保守契約とに基づいて発生される次回保守料支払指
示に応答して、通信回線(図12,通信回線L32)を
通じて、前記機械設備ユーザー局(図12,機械設備ユ
ーザー12)へ前記次回保守料の通知を行なうステップ
とを実行する。
【0042】上記課題を解決するための、本発明の機械
設備保険料設定方法を実行するためのプログラムは、機
械設備ユーザー局(図20、機械設備ユーザー12)と
保険会社局(図20、保険会社11)との機械設備(図
20、機械設備9)に関する保険契約に基づいて、前記
機械設備ユーザー局(図20、機械設備ユーザー12)
からの保険料の入金を確認するステップと、前記機械設
備(図20、機械設備9)の運用状況に関する保全情報
と前記保険契約とに基づいて発生される次回保険料支払
指示に応答して、通信回線(図20、通信回線D18)
を通じて、前記機械設備ユーザー局(図20、機械設備
ユーザー12)へ前記次回保険料の通知を行なうステッ
プとを実行する。
【0043】更に、本発明の機械設備保険料設定方法を
実行するためのプログラムは、機械設備ユーザー局(図
25、機械設備ユーザー12)と保険会社局(図25、
保険会社11)との機械設備(図25、機械設備9)に
関する保険契約に基づいて、前記機械設備ユーザー局
(図25、機械設備ユーザー12)からの保険料の入金
を確認するステップと、前記機械設備(図25、機械設
備9)の運用状況に関する運用情報と保全情報に関する
保全情報と前記保険契約とに基づいて発生される次回保
険料支払指示に応答して、通信回線(図25、通信回線
D18)を通じて、前記機械設備ユーザー局(図25、
機械設備ユーザー12)へ前記次回保険料の通知を行な
うステップとを実行する。
【0044】
【発明の実施の形態】以下、本発明である機械設備保守
料設定システム及び機械設備保険料設定システムの実施
の形態に関して、添付図面を参照して説明する。本実施
例において、機械設備ユーザーのガスタービンに使用さ
れる機械設備保険料設定システムを例に示して説明する
が、保険契約が締結され機械設備ユーザーにおいて使用
される他の機械設備においても、適用可能である。
【0045】まず、本発明である機械設備保険料設定シ
ステムに関わるリスクベースメインテナンス(Risk
-Based Maintenance)法(以下「R
BM法」と記す)の概要について、図3及び図4を参照
して説明する。RBM法とは、機械設備の検査や補修等
の保全活動において、機械設備の保全計画を最適化する
ための手法である。すなわち、まず、機械設備を構成す
る全ての部品の損傷状況を定期的に把握し、亀裂の発生
状況や腐食状況等を調査する。そして、それらの損傷メ
カニズムを定義する。次に、現在の全部品の状況と前述
の損傷メカニズムから部品単位での余寿命と破損確率を
評価する。そして、各部品の破損による損失額を推算
し、破損確率×損失額をリスクとする。そして、全部品
のリスクを合計したものが機械設備全体のリスクであ
る。そのリスク評価の結果に基づいて、一定の保守費の
範囲内で、前述のリスクを最小化する保全計画策定や、
基準以下にリスクを維持するために、保守費が最小限と
なる保全計画策定を行なう。同様に、基準以上の稼働率
を維持する為に保守費が最小限となる保全計画の策定も
可能である。
【0046】図4は、損失発生率と損失との関係を示す
リスクマトリックスである。横軸は損失額である損失で
あり、ここでは便宜的に 小、大、重大、致命的 とし
ている。ただし実際には、例えば、100万円以下、
1、000万円以下、1億円以下、1億円超というよう
な、対象となる機械設備に応じて、具体的に金額あるい
は損失を示すパラメータを設定して使用する。縦軸は破
損確率である損失発生率であり、ここでは便宜的に
微、低、中、高 としている。ただし実際は、例えば、
100年以内(に1回起きる、以下同じ)、10年以
内、5年以内、1年以内 というように、対象となる機
械設備に応じて具体的に確率あるいは類するパラメータ
を設定して使用する。また、各領域においては、許容
可、条件付許容、要計画変更、許容不可 のリスクのラ
ンク付けを行い、それに基づいて保全計画を策定する。
各ランクについては、例えば、許容可:定期点検以外に
は検査を行なわなくても継続的に使用可、条件付許容:
定期点検時に適切な検査及び対策を実行していれば継続
的に使用可、要計画変更:次の点検までに対策を行なう
(対策:検査手順の改善、運転操作・管理方法の改善、
オンラインモニタリング、被害低減の対策等)、許容不
可:直ちに前記対策を実行する、などである。
【0047】図4では、損失が小さく、かつ、損失発生
率も微である場合には、許容可となっている。これは、
定期点検毎にチェックしていれば損失は発生しないの
で、保守作業において、優先順位を下げても構わないと
いうことである。そして、他の損失が大きく、損失発生
率も高いような部品がある場合には、そちらを優先すべ
きであるということを意味する。機械設備を利用してい
る機械設備ユーザーにとって、機械設備の保全にかかる
保守費及び修理等の保守にかけられる時間は、限られて
いる。その為、図4のようなリスク評価に基づいて、損
傷等をしている部位あるいは部品の補修に優先順位をつ
けることは非常に重要である。そうすることで、限られ
た保守費と時間の中で、損失を発生させないような保全
活動が可能となる。そのようなリスクを最小化する保全
計画を策定し、実施して行くことにより、図3に示すよ
うに、従来の検査基準を用いて検査等を行なった場合に
比較して、同じ検査・検出レベルでも、効率的にリスク
の低減を図ることが可能となる。
【0048】本発明における機械設備保守料設定システ
ム及び機械設備保険料設定システムでは、このようなR
BM法を導入して保全活動を行なっている機械設備ユー
ザーに対して、図3で示されるRBM法の有効性に鑑
み、保守料(機械設備保守料設定システムの場合、以下
同じ)及び保険料(機械設備保険料設定システムの場
合、以下同じ)を割り引くという方法を導入している。
機械設備ユーザー側としては、機械設備での損失のリス
クを効率良く低減して、損失を低下させることが、機械
設備の稼働率の向上だけでなく、保守料及び保険料の低
減につながる。また、機械設備の製造元であるメーカー
(機械設備保守料設定システムの場合、以下同じ)及び
機械設備の保険を担当する保険会社(機械設備保険料設
定システムの場合、以下同じ)としては、保守及び保険
の対象となる機械設備の故障等による保守費(機械設備
保守料設定システムの場合、以下同じ)及び保険金(機
械設備保険料設定システムの場合、以下同じ)の支払の
発生のリスクを低減することが出来る。すなわち、機械
設備ユーザー及びメーカーあるいは保険会社双方に利益
がある保険料設定方法となる。
【0049】次に、本発明である機械設備保守料設定シ
ステム及び機械設備保険料設定システムに用いられるR
BM法を考慮した保守料及び保険料の第一の設定の基本
的な考え方を、図21、図2、図3〜図4を参照して説
明する。
【0050】本機械設備保守料設定システム及び機械設
備保険料設定システムでは、機械設備の保全状況に応じ
て保守料(機械設備保守料設定システムの場合、以下同
じ)及び保険料(機械設備保険料設定システムの場合、
以下同じ)を変動させる点が、従来の保守料及び保険料
の設定方法と異なる。機械設備の製造元であるメーカー
(機械設備保守料設定システムの場合、以下同じ)及び
機械設備の保険を担当する保険会社(機械設備保険料設
定システムの場合、以下同じ)が機械設備の保全状況を
調べるのに、機械設備ユーザーから保全状況の情報を取
得する事で行なう。そして、その情報に基づいて、以下
のような保守料及び保険料計算プロセスA(〜)に
よる処理を行ない、保険料を決定する。
【0051】まず、機械設備の故障率λの算定を行な
う。機械設備の故障率は、機械設備に固有の故障率λm
と、機械設備の使用経過年数補正係数Kyとに基づい
て、以下の数1で算定される。ここで、RBM法に基づ
く保全計画及びその実施によるリスク低減に伴い、機械
設備に固有の故障率は従来の場合(λmc)から低下し
て、故障率λmとなる。すなわち、従来の故障率λmc
>RBM法の故障率λmである(ただし、保全計画等が
適切なもので無い場合には、λmc<λmの場合もあり
える)。この場合、RBM法の故障率λmが保守料及び
保険料の変更に関する情報である。これにより、λも従
来の場合に比べて低くなる。
【数1】 ただし、使用経過年数と使用経過年数補正係数Kyとの
関係を図16に示す。横軸は使用経過年数(年)であ
り、縦軸が使用経過年数補正係数Kyである。未使用時
を1.0とし、使用経過年数が多くなるに連れてKyは
上昇する、すなわち故障発生率が上昇することを示して
いる。 次に、修繕時間Tの算出を行なう。故障発生から故障
箇所修理完了までの時間である修繕時間Tは、機械設備
の故障発生から検知に要する時間Tdと、機械設備の故
障の復旧に要する時間Trとに基づいて、以下の数2で
算定される。
【数2】 また、修復率μは、修繕時間Tを用いて、以下の数3で
算定される。
【数3】 ただし、機械設備が常時遠隔監視されている場合には、
事故の発生を極めて短時間で検知できる。従って、Td
は非常に短くなり、Trに対して無視することが出来
る。つまり、修繕時間Tを短縮することが可能である。
それは、修復率μの向上につながることが分かる。 次に、稼働率予測値Aの算出を行なう。上記故障率を
考慮した機械設備の稼働率予測値Aは、で算出した故
障率λと、で算出した修復率μとに基づいて、以下の
数4で算出される。
【数4】 そして、損失額Dの算定を行なう。機械設備の故障に
よる損失は、稼働率1%あたりの損失額を表す機械設備
に固有な損失係数Kgと、で算出した稼働率予測値A
とに基づいて、以下の数5で算出される。
【数5】 図2及び図21において、機械設備の故障による損失額
Dと稼働率予測値Aとの関係を示す。横軸は、稼働率予
測値A(%)であり、縦軸は損失額Dである。稼働率予
測値100%の場合には、損失額D=0となるが、稼働
率予測値Aが下がるに連れて、損失額Dは増加する。ま
た、RBM法を考慮した上記計算の結果である損失額D
は、従来の方法による損失額D(数1で、機械設備に
固有の故障率としてλmcを用いたもの)と比較する
と、低い値になっている。すなわち、RBM法を採用し
ているので、故障発生率λが低下し、損失額が低下(D
<D)している。
【0052】上記の結果に基づき、次回の保守料E
(機械設備保守料設定システムの場合、以下同じ)及び
保険料C(機械設備保険料設定システムの場合、以下同
じ)の算定を行なう。機械設備の次回の保守料及び保険
料の算定は、で求めた損失額Dに基づいて決定され
る。図2及び図21において、機械設備の、従来の方法
で計算される損失額D、保守料E及び保険料C
本発明により計算される損失額D、保守料E及び保険料
Cと稼働率予測値Aとの関係を示す。横軸は、稼働率予
測値A(%)であり、縦軸は本発明及び従来の保険料及
び損失額である。
【0053】保守料Eは、原則的に、保守にかかる費用
(=損失額D)と、保守事業の経営のための経費である
保守経費(e>0)とから成り立っていることから、図
2に示す保守料Eのグラフのようになる。また、保険料
Cは、原則的には、保険金支払の為の経費である純保険
料(=損失額D)と、保険事業経営のための経費である
付加保険料(d>0)とから成り立っていることから、
図21に示す保険料Cのグラフのようになる。ここで、
RBM法に基づき適切な保全計画を有し、それに基づき
保全が実施されている機械設備は、図3に示すようにリ
スクが低減するので、損失額Dが、従来の方法で算定し
た損失額D(数1で、機械設備に固有の故障率として
λmcを用いたもの)に比較して低くなる。従って、損
失額に基づいて計算される保険料が安く設定されること
になる。すなわち、同じ稼働率予測値Aに対して、本発
明である機械設備保守料設定システムによる保守料E及
び機械設備保険料設定システムによる保険料Cが、従来
方法による保守料E及び保険料Cに比べて低くし
(E>E、C>C)、両者の間に相違があるように
設定される。
【0054】本発明においては、RBM法による保全計
画の立案及び実施を行なっている機械設備ユーザーを対
象としている。そして、RBM法の適切かつ有効に実施
しているほど、機械設備に固有の故障率λmが低下する
ことによる保守料及び保険料の減少量が高くなり、保守
料及び保険料の設定がより安くなる。このようなインセ
ンティブにより、機械設備ユーザーのRBM法の導入意
欲の増加及び導入後の適切な実施が図られる。これは、
前述のように、メーカーあるいは保険会社及び機械設備
ユーザー双方に利益のある保守料設定システム及び保険
料設定システムであるといえる。
【0055】また、λmと同様に、KyもRBM法の導
入により低くなるように設定することも可能である。す
なわち、図16において、未使用時はKy=1.0であ
るが、使用経過年数の増加に伴うKyの上昇の割合を少
なくするように設定する。そうすることで、λmの低下
させる設定と同様な効果が得られる。
【0056】なお、図2の保守料E及び図21の保険料
Cと稼働率予測値Aとの関係を示すグラフは、稼働率予
測値Aの値の範囲により、保守料E及び保険料Cが5つ
の値を取るが、必ずしも、5つに限定されるものではな
い。(a)保守料=保守にかかる費用(=損失額)+保
守経費、保険料=純保険料(=損失額)+付加保険料を
原則とし、(b)Aが0%の場合に最高の保守料及び保
険料の値を取り、Aが100%のときに最低の保守料及
び保険料となる、(c)A=A1の時の保守料及び保険
料をS1、A=A2の時の保守料及び保険料をS2とす
ると、A1<A2のとき、S1≧S2となる、の2つの
条件を満たすように、決定されていれば良い。(b)の
条件は、機械設備の故障の可能性が高く予測稼働率Aは
0%に近いとき最高の保守料及び保険料となり、予測稼
動率100%が予想されるなら最低の保守料及び保険料
となる、という原則に基づいている。(c)の条件は、
予測稼働率Aが低いほど保守料及び保険料は同じか高く
なる、という原則に基づいている。そして、(a)〜
(c)の条件を満たすグラフは、機械設備の機種、大き
さ等により設定される。
【0057】以上のようなRBM法を用いた保守料及び
保険料の決定方法を用いることが、機械設備保守料設定
システム及び機械設備保険料設定システムの第一の設定
の基本的な考え方である。
【0058】次に、本発明である機械設備保険料設定シ
ステム及び機械設備保険料設定システムに用いられる保
守料及び保険料の第二の設定の基本的な考え方を、図1
3〜図15、図27、図19を参照して説明する。本機
械設備保険料設定システム及び機械設備保険料設定シス
テムでは、機械設備の普段の運用状況及び前述の保全状
況に応じて保守料(機械設備保守料設定システムの場
合、以下同じ)及び保険料(機械設備保険料設定システ
ムの場合、以下同じ)を変動させる点が、従来の保守料
及び保険料の設定方法と異なる。機械設備の製造元であ
るメーカー(機械設備保守料設定システムの場合、以下
同じ)及び機械設備の保険を担当する保険会社(機械設
備保険料設定システムの場合、以下同じ)が機械設備の
普段の運用状況を調べるのに、運用状況の項目として、
機械設備における、運用時の出力、発停回数、単位時間
当たりの出力変化率を利用する。また、機械設備の保全
状況を調べるのには、機械設備についての全部品のリス
ク評価情報、保全計画情報、再評価リスク情報等の保全
状況の情報を利用する。それぞれの情報について、メー
カー及び保険会社から機械設備を使用する機械設備ユー
ザーへ問合せてデータを収集する。そして、以下のよう
な保守料及び保険料計算プロセスB((1)〜(9))
による処理を行ない、最終的な保守料E及び保険料C
を決定する。
【0059】まず、運用状況を保守料及び保険料に反映
させるための、運用実態を考慮した故障率λの計算を行
なう。 (1)最初に出力補正係数Kpの算出を行なう。Kpは
機械設備の運用時の出力を故障率に反映させる係数であ
る。図13は、機器設備(ガスタービン)の出力と補正
係数Kpとの関係を示す。横軸が、ガスタービンの出力
(%)であり、最高出力で規格化した値である。縦軸
は、故障率算定のための出力補正係数Kpである。出力
=定格値のとき補正係数=1(補正無し)である。出力
が定格値よりも低い場合には、Kpは1.0未満になっ
ており、故障率が定格値での運用の場合よりも低くなる
可能性を示している。出力が定格値(図6における定格
値に相当)よりも大きい場合には、Kpは1.0よりも
大きくなっており、故障率が定格値での運用の場合より
も高くなる可能性を示している。Kpの決定は、予め設
定された期間(例えば1ヶ月)内での最高出力値を検出
し、その出力値でのKpの値を図13で示す出力と補正
係数Kpとの関係から算出する事で行なう。
【0060】(2)次に、発停回数補正係数Ksの算出
を行なう。Ksは機械設備の運用時の発停回数を故障率
に反映させる係数である。図14は、機器設備(ガスタ
ービン)の発停回数と補正係数Ksとの関係を示す。横
軸は、ガスタービンの発停回数(起動と停止の回数、回
/期間)であり、縦軸は、故障率算定のための発停回数
補正係数Ksである。発停回数=設計基準値のとき補正
係数=1(補正無し)である。発停回数が設計基準値
(図7における設計上限値に相当)よりも低い場合に
は、Ksは1.0未満になっており、故障率が設計基準
値での運用の場合よりも低くなる可能性を示している。
発停回数が設計基準値よりも大きい場合には、Ksは
1.0よりも大きくなっており、故障率が設計基準値で
の運用の場合よりも高くなる可能性を示している。Ks
の決定は、予め設定された期間内での発停回数を検出
し、その発停回数でのKsの値を図14で示す発停回数
と補正係数Ksとの関係から算出する事で行なう。
【0061】(3)次に、出力変化率補正係数Krの算
出を行なう。Krは機械設備の運用時の出力変動率を故
障率に反映させる係数である。図15は、機器設備(ガ
スタービン)の出力変化率と補正係数Krとの関係を示
す。横軸は、ガスタービンの出力変化率(単位時間(例
えば時間)当たりの出力の変化の割合、%)である。縦
軸は、故障率算定のための出力変動率補正係数Krであ
る。出力変動率=設計基準値のとき補正係数=1(補正
無し)である。出力変動率が設計基準値(図8における
設計上限値に相当)よりも低い場合には、Krは1.0
未満になっており、故障率が設計基準値での運用の場合
よりも低くなる可能性を示している。発停回数が設計基
準値よりも大きい場合には、Krは1.0よりも大きく
なっており、故障率が設計基準値での運用の場合よりも
高くなる可能性を示している。Krの決定は、予め設定
された期間内での最高出力変動率を検出し、その出力変
動率でのKrの値を図15で示す出力変動率と補正係数
Krとの関係から算出する事で行なう。
【0062】(4)機械設備の故障率λの算定を行な
う。機械設備(ガスタービン)の故障率は、上記3つの
補正係数(出力補正係数Kp、発停回数補正係数Ks、
出力変動率補正係数Kr)と、機械設備に固有の故障率
λmと、機械設備の使用経過年数補正係数Ky(図1
6)と、予め設定された係数a(実際の故障率の数値と
λとの差を補正する)とに基づいて、以下の数6で算定
される。
【数6】 すなわち、この故障率λは、機器設備固有の故障率λm
及び使用経過年数(使用経過年数補正係数Ky)だけで
なく、機器設備の運用状況を加味しており、運用実態を
正確に反映した故障率となっている。ただし、使用経過
年数と使用経過年数補正係数Kyとの関係を図16に示
す。横軸は使用経過年数(年)、縦軸は使用経過年数補
正係数Kyである。未使用時を1.0とし、使用経過年
数が多くなるに連れてKyは上昇する、すなわち故障発
生率が上昇することを示している。
【0063】次に、運用実態を正確に反映した故障率λ
を用いて、仮保守料E及び保守料E 、仮保険料C及び
保険料Cを計算する。 (5)まず、修繕時間Tの算出を行なう。故障発生から
故障箇所修理完了までの時間である修繕時間Tは、機械
設備(ガスタービン)の故障発生から検知に要する時間
Tdと、機械設備の故障の復旧に要する時間Trとに基
づいて、以下の数7で算定される。
【数7】 また、修復率μは、修繕時間Tを用いて、以下の数8で
算定される。
【数8】 すなわち、修繕時間Tとして、通常Trだけでなく、T
dの値も無視することは出来ない。しかし、機械設備
は、常時遠隔監視を行なっているれば、事故の発生を極
めて短時間で検知できる。従って、Tdは非常に短くな
り、Trに対して無視することが出来る。つまり、修繕
時間Tを短縮することが可能である。それは、修復率μ
の向上につながることが分かる。
【0064】(6)次に、稼働率予測値Aの算出を行な
う。上記故障率を考慮した機械設備の稼働率予測値A
は、(4)で算出した故障率λと、(5)で算出した修
復率μとに基づいて、以下の数9で算出される。
【数9】 すなわち、稼働率予測値Aは、機械設備の運用状況を正
確に反映した故障率λを反映した値となっている。つま
り、機械設備の運用実態をより正確に反映した稼働率予
想がなされていることが分かる。
【0065】(7)次に、損失額Dの算定を行なう。機
械設備の故障による損失は、稼働率1%あたりの損失額
を表す機械設備に固有な損失係数Kgと、(6)で算出
した稼働率予測値Aとに基づいて、以下の数10で算出
される。
【数10】 図27及び図19において、機械設備9の故障による損
失額Dと稼働率予測値Aとの関係を示す。横軸は、稼働
率予測値A(%)であり、縦軸は損失額Dである。稼働
率予測値100%の場合には、損失額D=0となるが、
稼働率予測値Aが下がるに連れて、損失額Dは増加す
る。また、機械設備の運用実態をより正確に反映した上
記計算の結果である損失額Dは、従来の方法による損失
額D(数6で、Kp、Ks,Krを考慮しない)と比
較すると、低い値になっている。すなわち、機械設備の
運用状況の情報を反映させているので、故障発生率λが
低下し、損失額が低下(D<D)している。
【0066】(8)上記の結果に基づき、次回の保守料
E(機械設備保守料設定システムの場合、以下同じ)及
び保険料C(機械設備保険料設定システムの場合、以下
同じ)の算定を行なう。機械設備の次回の保守料及び保
険料の算定は、(7)で求めた損失額Dに基づいて設定
された保守料E及び保険料Cと稼働率予測値Aとの関係
により、決定される。
【0067】図27及び図19において、機械設備の、
従来の方法で計算される損失額D、保守料E及び保
険料Cと上記の運用状況の情報を反映させた方法によ
り計算される損失額D、保守料E及び保険料Cと稼働率
予測値Aとの関係を示す。横軸は、稼働率予測値A
(%)であり、縦軸は本発明及び従来の保険料及び損失
額である。保守料Eは、原則的に、保守にかかる費用で
ある保守費(=損失額D)と、保守事業の経営のための
経費である保守経費(e>0)とから成り立っているこ
とから、図19に示す保守料Eのグラフのようになる。
すなわち、保守料料=保守費(=損失額)+保守経費
である。また、保険料Cは、原則的に、保険金支払の為
の経費である純保険料(=損失額D)と、保険事業経営
のための経費である付加保険料(d>0)とから成り立
っていることから、図27に示す保険料Cのグラフのよ
うになる。すなわち、保険料=純保険料(=損失額)+
付加保険料 である。
【0068】ここで、機械設備の運用状況が、定格値や
設計上限値を遵守した良好な運用であればリスクが低減
するので、損失額Dが、従来の方法で算定した損失額D
に比較して低くなる。従って、損失額に基づいて計算
される保守料及び保険料が安く設定されることになる。
すなわち、同じ稼働率予測値Aに対して、本発明である
機械設備保守料設定システムによる保守料E及び機械設
備保険料設定システムによる保険料Cを、従来方法によ
る保守料E及び保険料Cに比べて低くし(E
E、C>C)、両者の間に差があるように設定され
る。
【0069】(9)一方、運用状況が良好であって、尚
且つ、機械設備に対して、RBM法に基づき適切な保全
計画を有し、それに基づき保全が適正に実施されている
場合を考える。RBM法に基づき適切な保全計画を有
し、それに基づき保全が適正に実施されている場合、図
3で示されるように、機械設備の故障によるリスクが低
減する。従って、そのような場合には、機器設備に固有
の故障率λmは低下することになる。それを反映させる
為に、(4)の数6において使用するλmを、元の固有
の故障率(λmcとする)及び保全状況の情報等に基づ
いて変更して、故障率λmを適切な大きさに減少させ
る。そして変更したλmでλを計算し、そのλを用い
て、数7〜数10により損失額(Dとする)を計算す
る。そうすると、図27及び図19で示されるDとな
る。すなわち、RBM法を更に実施している場合の損失
額Dが、運用状況だけを考慮した場合の損失額Dに比
較して、更に減少している。従って、損失額に基づいて
計算される保守料及び保険料が安く設定されることにな
る。すなわち、同じ稼働率予測値Aに対して、RBM法
の保全情報+運用情報により保守料及び保険料を決定す
る本発明である機械設備保守料設定システム及び機械設
備保険料設定システムによる保守料E及び保険料C
が、従来方法による保守料E及び保険料C及び運用
情報により決定される保守料E及び保険料Cに比べて低
くし(E>E>E、C>C>C)、相違がある
ように設定される。
【0070】本発明においては、機械設備の運用状況を
開示し、かつ、RBM法による保全計画の立案及び実施
を行なっている機械設備ユーザーを対象としている。そ
して、運用状況が良好であって、RBM法の適切かつ有
効な実施がなされている場合には、その機械設備ユーザ
ーに対して保守料及び保険料の割引を多くし、保守料及
び保険料をより安くなるように設定する。このようなイ
ンセンティブにより、機械設備ユーザーの運用方法の改
善、RBM法の導入実績の向上及び導入後の適切な実施
が図られる。これは、前述のように、メーカー及び保険
会社と機械設備ユーザー双方に利益のある保守料及び保
険料設定システムであるといえる。また、λmと同様
に、KyもRBM法の導入により低くなるように設定す
ることも可能である。すなわち、図16において、未使
用時はKy=1.0であるが、使用経過年数の増加に伴
うKyの上昇の割合を少なくするように設定する。そう
することで、λmの低下させる設定と同様な効果が得ら
れる。
【0071】なお、図27及び図19の保守料E及び
保険料Cと稼働率予測値Aとの関係を示すグラフは、
稼働率予測値Aの値の範囲により、保守料E及び保険
料C が5つの値を取るが、必ずしも、5つに限定され
るものではない。(a)保守料料=保守費(=損失額)
+保守経費、保険料=純保険料(=損失額)+付加保険
料を原則とし、(b)Aが0%の場合に最高の保守料及
び保険料の値を取り、Aが100%のときに最低の保守
料及び保険料となる、(c)稼働率予測値A=A1の時
の保守料及び保険料をS1、稼働率予測値A=A2の時
の保守料及び保険料をS2とすると、A1<A2のと
き、S1≧S2となる、の2つの条件を満たすように、
決定されていれば良い。(b)の条件は、機械設備の故
障の可能性が高く稼働率予測値Aは0%に近いとき最高
の保守料及び保険料となり、稼働率予測値100%が予
想されるなら最低の保守料及び保険料となる、という原
則に基づいている。(c)の条件は、稼働率予測値Aが
低いほど保守料及び保険料は同じか高くなる、という原
則に基づいている。そして、(a)〜(c)の条件を満
たすグラフは、機械設備の機種、大きさ等により設定さ
れる。
【0072】使用経過年数による故障発生率の増加はK
yにより故障率に反映されるので、Kp,Ks,Krを
算定するデータ(図13〜図15のグラフに相当)に
は、使用経過年数は考慮する必要は必ずしもない。しか
し、機械設備の種類によっては、経過年数により、出
力、発停回数、出力変化率のうちの一つ又は複数の項目
について、より敏感な可能性もある。それが予め分かっ
ている場合や、途中で判明した場合には、対応する補正
係数(Kp,Ks,Kr)を算定するデータについて、
経過年数に基づいて変化させることも可能である。ま
た、出力の定格値や、発停回数及び出力変化率の設計基
準値を著しく逸脱した場合には、別の系列の補正係数
(Kp,Ks,Kr)のデータを使用するようにするこ
とも可能である。例えば、逸脱の程度に応じて、補正係
数を1割増、2割増、3割増というように増加させる。
また、逆に、逸脱の程度がごく僅かな場合に、逸脱の程
度に応じて補正係数を少し減らして、補正の基準が厳し
くなりすぎないようにする事も可能である。
【0073】以上のような機械設備の運用状況を考慮
し、かつ、RBM法を用いた保守料及び保険料の決定方
法を用いることが、機械設備保守料設定システム及び機
械設備保険料設定システムの第二の設定の基本的な考え
方である。
【0074】(実施例1)では、本発明である機械設備
保守料設定システムの第一の実施の形態の構成に関し
て、図を参照して説明する。本実施例では、機械設備保
守料設定システム及び機械設備保険料設定システムの第
一の設定の基本的な考え方を利用している。図1は、本
発明である機械設備保守料設定システムの第一の実施の
形態に関する構成図であり、メーカー局としてのメーカ
ー28、機械設備ユーザー局としての機械設備ユーザー
12、金融仲介局13、通信回線I29、通信回線L3
2、通信回線K31、通信回線J30を具備する。メー
カー28は、保全評価サーバーとしての保全評価サーバ
ーB35及び保全評価情報データベースとしての保全評
価情報データベースB36を備える保全評価システムと
しての保全評価システムB33と、費用管理サーバー3
7及び費用情報データベース38を備える費用管理シス
テム34とを具備する。また、機械設備ユーザー12
は、保全サーバー8、機械設備9及び保全データベース
10を備える設備運用システム3と経理サーバー14と
を具備する。
【0075】通常、機械設備9の購入に際して、機械設
備ユーザー12は、メーカー28と機械設備9の保守の
ための保守契約を締結する。そして、ある期間毎(例え
ば機械設備9の定期修理毎)の保守料が決定され、機械
設備ユーザー12はメーカー28に対して、その期間毎
に保守料を支払う。一方、機械設備ユーザー12の機械
設備9を有する設備運用システム3は、機械設備9のR
BM法に基づく保全に関する情報(機械設備9の各部品
等の損傷状況、リスク評価結果、定期修理時の損傷等に
対する修理、取替え等の対応状況、将来の保全計画等)
を保持している。メーカー28の保全評価システムB3
3は、予め設定された期間(例えば機械設備9の定期修
理毎)の上記の情報を取得し、その期間での保全の情報
を分析する。そして分析の結果に基づいて、メーカー2
8は、次の期間での保守料である次回保守料を決定し、
機械設備ユーザーへ通知することとする。このプロセス
は、予め定められた期間毎に行なうので、次の期間に
は、また、再度保全状況の測定、および、保守料の計算
を行なう。
【0076】次回保守料は、機械設備9の保全状況及び
保全計画が、RBM法に基づいて行なわれ、かつ、良好
であれば、従来の保守料よりも安くなるように設定され
ている。これにより、機械設備ユーザー12は、機械設
備9の保全の取り組みが適切に行なわれれば、保守料の
出費が低減でき、設備稼働率も向上する。メーカー28
も機械設備9の故障発生率を低下できるので、機械設備
9が故障した場合に機械設備9を補修する為の保守費の
出費を低減できる。従って、機器設備ユーザー12及び
メーカー28の双方に利益をもたらす保守料設定方法と
なる。
【0077】次に、以下に各部の構成について詳細に説
明する。まず、メーカー局としてのメーカー28につい
て説明する。保全評価システムとしての保全評価システ
ムB33は、保全評価サーバーB35及び保全評価情報
データベースB36を備える。これらは、必ずしも、機
械設備ユーザー12の設備運用システム3の専用である
必要は無く、他の機械設備ユーザーの設備運用システム
(図示せず)の情報に関しても取り扱うことが可能であ
る。保全評価サーバーとしての保全評価サーバーB35
は、通信回線I29を介して、機械設備ユーザー12の
設備運用システム3の保全サーバー8と通信が可能であ
る。そして、予め設定された期間(例えば機械設備9の
定期修理)毎に、設備運用システム3での保全状況に関
する情報を受け取り、それらの情報について分析を行な
う。それと共に、その結果に基づいて、設備運用システ
ム3の次の予め設定された期間における保守料を設定す
る。設定した保守料に関する情報は、保守料支払指示と
して費用管理システム34へ出力する。また、受け取っ
た情報及び設定された保守料に関する情報は、保全評価
情報データベースB36に保存しておく。なお、保全状
況に関する情報は、必要に応じて保全サーバー8に要求
することにより取得することも可能である。
【0078】保全評価情報データベースとしての保全評
価情報データベースB36は、保全評価サーバーB35
に接続され、保全評価サーバーB35が取得した機械設
備9の保全状況に関する情報、メーカー28と機械設備
ユーザー12との間の保守契約に基づきメーカー28に
送られる保全計画に関する情報、保守料の設定に必要な
情報及び設定された保守料に関する情報等を保持する。
そして、それらの情報は、保全評価サーバーB35の要
求に応じて、何時でも取出し可能である。
【0079】費用管理システム34は、費用管理サーバ
ー37及び費用情報データベース38を具備する。これ
らは、必ずしも、保全評価システムB33の専用である
必要は無く、他の保全評価システム(図示せず)や、他
の保守の管理が必要なプロセスとの兼用も可能である。
また、機械設備ユーザー12の設備運用システム3の専
用である必要は無く、他の機械設備ユーザーの機械設備
(図示せず)の保守管理に関しても取り扱うことが可能
である。また、費用管理システム34は、保全評価シス
テムB33とは別の、経理又は会計部門等の費用の取り
扱いを行なう部門により管理されている。
【0080】費用管理サーバー37は、保全評価サーバ
ーB35と接続しているサーバーである。そして、機械
設備ユーザー12からの保守料の受け取りに関する手続
きを行なう他、保全評価サーバーB35が設定した保守
料に関する情報(保守料支払指示)に応答して、その情
報及び費用情報データベース38に保持された契約内容
に基づき保守料に関する手続きを行なう。
【0081】費用情報データベース38は、費用管理サ
ーバー37と接続されている。そして、前記機械設備ユ
ーザー12の機械設備3に対して設定した保守料に関す
る情報、保守料手続きに関する情報、保守契約に基づい
て設定された各種費用の出納手続きに関する情報を保持
する。それらの情報は、費用管理サーバー37の要求に
応じて、何時でも取出し可能である。
【0082】通信回線I29は、メーカー28と機械設
備ユーザー12とを接続する通信回線である。公衆回
線、インターネット回線あるいは専用回線などである。
また、無線による通信によって行なうことも可能であ
る。保全評価システムB33と設備運用システム3とに
よる保全に関する情報の通信の為に用いる。
【0083】次に機械設備ユーザー局としての機械設備
ユーザー12について説明する。設備運用システム3
は、保全サーバー8、機械設備9、保全データベース1
0を具備する。そして、機械設備9の保全に関して管理
している。保全サーバー8は、保全評価システムB33
の保全評価サーバーB35と接続すると共に、機械設備
9及び保全データベース10と接続し、機械設備9の保
全に関する管理を行なう。それと共に、機械設備9の保
全状況等に関するデータを機械設備9あるいは設備運用
システム3の外部から取得し、保全データベース10へ
格納する。そして、メーカー28の保全評価サーバーB
35の要求に従って、運用状況に関するデータを定期的
あるいは適宜送信する。
【0084】機械設備9は、保全サーバー8に接続し、
ガスタービンや、ボイラ、発電機等の、機械設備ユーザ
ー12によって運用されている実際に稼動している機械
設備本体及び周辺機器である。本実施例では、ガスター
ビンである。
【0085】保全データベース10は、保全サーバー8
に接続し、保全サーバー8が機械設備9あるいは設備運
用システム3の外部から取得した機械設備9の運用状況
に関するデータを内部に保持する。
【0086】経理サーバー14は、機械設備ユーザー1
2にあり、通信回線K31を介して、金融仲介局13と
接続されている経理関係のサーバーである。メーカー2
8への保守料の支払い及びそれに関連する手続き等を行
なう。経理又は会計部門等の費用の取り扱いを行なう部
門により管理されている。また、メーカー28の費用管
理システム34と通信回線L32で接続している。
【0087】通信回線J30は、メーカー28と金融仲
介局13を結ぶ通信回線である。公衆回線、インターネ
ット回線あるいは専用回線などである。また、無線によ
る通信によって行なうことも可能である。メーカー28
と金融仲介局13との電子商取引の為の通信に用いる。
【0088】通信回線K31は、機械設備ユーザー12
と金融仲介局13を結ぶ通信回線である。公衆回線、イ
ンターネット回線あるいは専用回線などである。また、
無線による通信によって行なうことも可能である。機械
設備ユーザー12と金融仲介局13との電子商取引の為
の通信に用いる。
【0089】通信回線L32は、メーカー28と機械設
備ユーザー12とを結ぶ通信回線である。インターネッ
ト回線あるいは専用回線などである。また、無線による
通信によって行なうことも可能である。メーカー28と
機械設備ユーザー12との保守関連の情報の通信や電子
商取引等の為の通信に用いる。
【0090】金融仲介局13は、メーカー28及び機械
設備ユーザー12と取引関係のある銀行、各種金融業社
等、である。サーバー(図示せず)を備え、メーカー2
8と機械設備ユーザー12とが取引のための口座を開く
ことが出来る。そして、メーカー28及び機械設備ユー
ザー12が通信回線を利用した電子商取引、振替処理等
の各種費用の授受を行う場合に、金融仲介局13は、取
引を仲介する処理を行う。
【0091】では、本発明である機械設備保守料設定シ
ステムの第一の実施の形態の動作について、図1、図
2、図4〜図5を用いて詳細に説明する。図1及び図5
を参照して、図5は、本発明である機械設備保守料設定
システムの動作の内、保守料(及び保険料)決定のプロ
セスフローを示している。まず、開始(S101)の前
の段階において、メーカー28及び機械設備ユーザー1
2は、本発明の機械設備保守料設定システムに関する保
守契約を行なっている。その中には、保守料の設定期間
(予め設定する保守料計算及び保守対象期間)、保守料
計算方法(前述の保守料(及び保険料)計算プロセスA
〜)、機械設備Aの稼働率と保守料との関係(図2
に相当)等、機械設備9のRBM法を適用した保全計画
策定に関する契約も含まれる。また、保守契約での設備
運用システム3での保全状況の情報取得に関する契約に
より、機械設備ユーザー12の設備運用システム3は、
メーカー28の保全評価システムB33と通信回線I2
9により接続されている。そして、保全評価システムB
33は、その要求により、設備運用システム3のデータ
を通信回線I29を介して取得できるようになってい
る。
【0092】機械設備9(ガスタービン)の運用開始
後、予め設定された期間毎(本実施例では、ガスタービ
ンの定期修理毎とし、2年とする)に、保全評価サーバ
ーB35は、設備運用システム3から保全状況に関する
情報を取得する(図5、S102)。保全状況に関する
情報とは、以下の情報である。ガスタービンの定期修理
では、RBM法による機械設備9のリスク評価が行なわ
れる。すなわち、ガスタービンを構成する全ての部品の
損傷状況を定期的に把握し、亀裂の発生状況や腐食状況
等から部品単位での余寿命と破損が起こる確率である損
失発生率を評価する。次に、各部品の破損による損失額
である損失を推算し、損失発生率(破損確率)×損失
(損失額)をリスクとする個々の部品のリスク情報を生
成する(図4で例示される情報を個々の部品で行なった
もの)。そして、全部品のリスク評価の結果に基づい
て、一定の保守費の範囲内で、前述のリスクを最小化す
る保全計画を策定する。その保全計画により、図4にお
ける許容不可が許容可又は条件付許容可へ、また、要計
画変更が次回定期点検までに許容可又は条件付許容可へ
移行するかどうかを確認する為にリスクの再評価を行い
再評価リスク情報を生成する。リスクの再評価により、
問題が無くなった時点で、定期修理が終了する。保全評
価サーバーB35が設備運用システム3から受け取る保
全状況に関する情報とは、前述のリスク評価情報、保全
計画、リスク再評価情報である。取得した情報は、保全
評価情報データベースB36に記憶しておく。
【0093】なお、RBA法は定期点検の場合だけでは
なく、その他の点検時のときにも行なわれるので、保全
評価サーバーB35は、必要に応じて設備運用システム
3から保全状況に関する情報を取得する(その場合、必
要に応じて適宜、本実施例に示す保守料改定作業を行な
う)。
【0094】次に、それらのデータに基づいて、保全評
価サーバーB35は、保全状況を評価する(S10
3)。評価は、(I)全部品のリスク評価により、各部
品が許容可、条件付許容可、要計画変更、許容不可のど
の状態にあるか、(II)全部品のリスク評価(I)に
対する保守作業及び保全計画等の処理によりリスク再評
価を行なった結果、リスクがどこまで下がったか、 に
ついて図4で例示されるリスクのマトリックスに基づい
て行なう。そして、そのリスク再評価の結果の情報に基
づいて、RBM法を用いない通常の保全による故障発生
率(一般的な方法)との比較によりガスタービンの固有
の故障率の低下量を決定する。その低下量に基づいて、
新たなガスタービンの固有の故障率λmを算出する。故
障率λmの低下量は、リスクが小さくなるほど、大きく
なるように設定する。なお、元となるガスタービン固有
の故障率は、保全評価情報データベースB36内に保持
されている。ただし、他のRBM法に関わる保全情報の
内容を利用して、保守料の割引を行なうように設定する
事も可能である。
【0095】つづいて、保全評価サーバーB35は、上
述の全部品のリスクの評価及びガスタービンの固有の故
障率λmの算定等を行なった後、保守料Eの算出(S1
04)を行なう。すなわち、まず、保全評価サーバーB
35は、保全評価情報データベースB36内に保持され
ている、使用経過年数補正係数Ky、故障時の復旧時間
Tr、故障の検知時間Td(予測値)を取得する。得ら
れたKy及び算出されたλmに基づいて、前述の保守料
(及び保険料)計算プロセスの数1:λ=Ky・λm
により、ガスタービンの故障率λを算出する。次に、故
障が発生したとき修理等の為にガスタービンを停止しな
ければならない修繕時間Tを、前述の保守料(及び保険
料)計算プロセスの数2:T=Td+Tr により算
出する。ただしTd:故障発生から検知に要する時間、
Tr:故障の復旧に要する時間である。
【0096】次に、ガスタービンの次の定期修理までの
稼働率の予測値である稼働率予測値Aを、前述の保守料
(及び保険料)計算プロセスの数4:A=μ/(λ+
μ)により算出する。ただし、修復率μは、数3:μ=
1/T である。求められた稼働率予測値Aの値に基づ
いて、前述の保守料(及び保険料)計算プロセス及び
のプロセスにより、次の期間の保守料Eが算出され
る。
【0097】機械設備ユーザー12とメーカー28との
保守契約に基づいて、ガスタービンと保全評価システム
B33との間の保全状況に関する情報交換により、前述
のように、保守料Eが決定される。その情報は、保全評
価情報データベースB36に保持される。そして、その
保守料Eに基づいて、保全評価サーバーB35は、保守
料支払指示を費用管理システム34の費用管理サーバー
37へ出力し(S105)、保守料決定の処理が終了す
る(S106)。
【0098】費用管理サーバー37は、機械設備ユーザ
ー12の経理サーバー14へ、通信回線L32を介し
て、メーカー28と機械設備ユーザー12との契約に基
づいて設定された支払方法による次回分の保守料支払依
頼通知を送付する。経理サーバー14は、その通知に応
答して、メーカー28へ、次回分の保守料を支払う。支
払方法としては、支払周期について、例えば、年毎の支
払、定期修理毎の支払、等契約に応じて支払う。また、
保守料の送付に関しては、メーカー28、機械設備ユー
ザー12及び金融仲介局13の三者が、事前に通信回線
を利用した電子商取引の契約を交わして、それに基づい
て金融仲介局13での電子的手続きにより容易に進行す
るようにする。例えば、メーカー28及び機械設備ユー
ザー12が、共に金融仲介局13に口座を開設する。そ
して、通信回線K31を利用して、機械設備ユーザー1
2の経理サーバー14が金融仲介局13へ支払指示を出
し、メーカー28の金融仲介局の口座へ保守料を振り込
む。金融仲介局13は、通信回線J30を介して、入金
情報をメーカー22の費用管理サーバー37へ通知す
る。
【0099】以上の動作を保守契約により予め設定され
たガスタービンの定期修理の間隔である2年毎に行な
い、機械設備ユーザー12はメーカー28に保守料を支
払うようにする。この保守料の支払は、保守契約に基づ
いた保守期間内において継続して行なう。ただし、契約
等により、期間について変更することは可能である。
【0100】以上の本発明の動作により、メーカー28
及び機械設備ユーザー12双方にとって利益のある保守
料の設定が可能となる。すなわち、機械設備ユーザー1
2は、ガスタービンなどの機械設備9についてRBM法
に基づくリスク評価及び保全計画の策定等を遂行するこ
とにより、機械設備9の稼働率は向上し、また、保守料
も割り引かれる可能性があり、保守料支出の削減が可能
というコストメリットがある。加えて、機械設備ユーザ
ー12が、保守料支出の削減の為に、機械設備9をその
メーカーの設計時の想定通りに使用しようと努めるの
で、機械設備9の故障の発生が非常に低くなる。それに
伴い、メーカー28は、保守費の支払の発生確率を大幅
に低減する事が可能となり、保守事業をより健全に遂行
できる。
【0101】本実施例においては、保守料Eは、保守料
を保全状況に応じて割り引いて算出していた。しか
し、事前に保全状況に対応した保守料Eのテーブルある
いは、図2の保守料Eのグラフで示されるデータを保全
評価情報データベースB36に保持し、それらテーブル
又はデータと、稼働率予測値Aと保全状況とに基づい
て、保守料Eを決定するようにする事も可能である。
【0102】本実施例においては、メーカー28、機械
設備ユーザー12の双方が金融仲介局13に口座を開設
している。しかし、金融仲介局13に口座を開設しなく
ても、通常のインターネットバンキング等の電子商取引
を使用して、金融仲介局13経由で送金手続きを行なう
ことも可能である。
【0103】また、本実施例において、保守料に関する
手続きは、費用管理サーバー37が行なっている。これ
はメーカー28における保守料関連の手続きを行なう部
門が、保全評価システムB33を管理する部門と別であ
ることを想定しているためである。しかし、メーカー2
8内の事情により、保全評価サーバーB35が、費用管
理サーバー37が行なっている保守料に関する手続きも
遂行することとしても良い。すなわち、本実施例におけ
る保全評価サーバーB35=費用管理サーバー37、保
全評価情報データベースB36=費用情報データベース
38とする。その場合には、費用管理サーバー37及び
費用情報データベース38を無くすことが出来、サーバ
ーの節約によるコストのメリットがある。
【0104】また、本実施例における金融仲介局13の
役割をメーカー28が行なうことも可能である。その場
合、例えば、費用管理システム34が、金融仲介局13
の機能を併せ持つようにすれば良い。それを示したのが
図9であり、金融仲介局13を介在させないで、費用管
理サーバー37及び経理サーバー14を通信回線L32
で直結させている。そして、メーカー28が、機械設備
ユーザー12の資金を預かり、資金運用を行ないなが
ら、必要に応じて保守料を引き出すようにする。この場
合には、金融仲介局等に対する手数料の支払が発生せ
ず、双方のコスト削減につながる。
【0105】更に、図9の状態において、保全評価シス
テムB33による機械設備9の保全評価は、メーカー2
8に属しているが、図10に示すように、別の機器設備
の保全評価を行なう会社である管理担当会社39に委託
することも可能である。例えば、メーカー28の関連会
社である保守専門会社が保全評価を行なっていれば、そ
の会社が、図10における管理担当会社21となる。す
なわち、管理担当会社39に、機械設備9の保全状況に
関する情報収集及び保守料支払計算に関わる業務を委託
することで、メーカー28は、保全評価システムB33
を所有する必要が無くなり、コスト削減につながる。そ
の場合において、保全評価システムB33では、機械設
備9の保全状況に関する情報収集のみを行なわせ、その
情報に基づく保守料支払計算に関わる業務はメーカー2
8の費用管理システム34に行なわせることにする事も
可能である。
【0106】更に、本実施例において、費用管理システ
ム34は、メーカー28に属しているが、図11に示す
ように、金融仲介局13に属していても良い。すなわ
ち、金融仲介局13に、保守料支払に関わる業務を委託
することで、メーカー28は、費用管理システム34を
所有する必要が無くなり、コスト削減につながる。その
場合には、メーカー28では、保全評価システムB33
が、機器設備9の保全状況に関する保全情報を取得し、
その保全状況と保守契約とから、前述の実施例中の方法
により保守料を決定する。そして、保守料支払指示を、
金融仲介局13の費用管理システム34へ出力する。金
融仲介局13の費用管理システム34は、保守料支払指
示に基づき、経理サーバー14へ保守料を出力する。経
理サーバー14は、口座振替や電子商取引等の手法によ
り保守料を金融仲介局13を介して機械設備ユーザー1
2(又はその口座)へ送付する。
【0107】また、本実施例において、使用している各
係数(λm、Tr,Kg)の値は、機械設備3の種類や
大きさ、その月の使用状態等により原則的に予め設定さ
れる値であり、保全評価情報データベースB36内に保
持されている。それらの値は、通常、過去の運用状況や
に基づいて、変化させる事も可能である。運用状況に基
づいて変化させるとは、過酷な運用を行なった場合に
は、継続的に良好な運用を行っている場合に比べて故障
の可能性が上がることから、過酷な運用の回数に基づい
て、各係数の値を保守料が増加するように変化させると
いうことである。そのようにする事により、保守料の値
が、より機械設備9の運用状況に合った形となり、機械
設備ユーザー12が、良好な運用を心がけるより強力な
インセンティブとなり、機械設備ユーザー12の保守料
及びメーカー28の保守費の削減効果を、より大きくす
ることが可能となる。
【0108】また、本実施例において、図2では、本発
明での保守料Eは、稼働率予測値Aの値に依らず、従来
の方法による保守料Eよりも安くなっている。しか
し、稼働率予測値Aの値によっては、保守料E=E
しても良い。例えば、稼働率予測値Aが低い場合(例え
ば30%以下)には、RBM法を利用しても保全の効果
が低く、稼働率予測値Aが低くなったと考えられるから
である。そのことを考慮すると、従来の方法の保守料E
と本発明での保守料Eとの差は、稼働率予測値Aが1
00%において最高であり、稼働率予測値Aが0%にお
いて最低であって、かつ、稼働率予測値Aが低い値(例
えば30%)でE=Eという決め方も可能である。
【0109】(実施例2)では、本発明である機械設備
保険料設定システムの第一の実施の形態の構成に関し
て、図20、図21、図3〜図4を参照して説明する。
本実施例では、機械設備保守料設定システム及び機械設
備保険料設定システムの第一の設定の基本的な考え方を
利用している。図20は、本発明である機械設備保険料
設定システムの第一の実施の形態に関する構成図であ
り、保険会社局としての保険会社11、機械設備ユーザ
ー局としての機械設備ユーザー12、金融仲介局13、
通信回線A15、通信回線B16、通信回線C17、通
信回線D17を具備する。保険会社11は、保全評価サ
ーバー4及び保全評価情報データベース5を備える保全
評価システム1と保険料管理サーバー6及び保険情報デ
ータベース7を備える保険管理システム2とを具備す
る。また、機械設備ユーザー12は、保全サーバー8、
機械設備9及び保全データベース10を備える設備運用
システム3と経理サーバー14とを具備する。
【0110】通常、機械設備9の購入に際して、機械設
備ユーザー12は、保険会社11と損失の発生に備えて
保険の保険契約を締結する。そして、ある期間毎(例え
ば機械設備9の定期修理毎)の保険料が決定され、機械
設備ユーザー12は保険会社11に対して、その期間毎
に保険料を支払う。一方、機械設備ユーザー12の機械
設備9を有する設備運用システム3は、機械設備9のR
BM法に基づく保全に関する情報(機械設備9の各部品
等の損傷状況、リスク評価結果、定期修理時の損傷等に
対する修理、取替え等の対応状況、将来の保全計画等)
を保持している。保険会社11の保全評価システム1
は、予め設定された期間(例えば機械設備9の定期修理
毎)の上記の情報を取得し、その期間での保全の情報を
分析する。そして分析の結果に基づいて、保険会社11
は、次の期間での保険料である次回保険料を決定し、機
械設備ユーザーへ通知することとする。このプロセス
は、予め定められた期間毎に行なうので、次の期間に
は、また、再度保全状況の測定、および、保険料の計算
を行なう。
【0111】次回保険料は、機械設備9の保全状況及び
保全計画が、RBM法に基づいて行なわれ、かつ、良好
であれば、従来の保険料よりも安くなるように設定され
ている。これにより、機械設備ユーザー12は、機械設
備9の保全の取り組みが適切に行なわれれば、保険料の
出費が低減でき、設備稼働率も向上する。保険会社11
も機械設備9の故障発生率を低下できるので、保険金の
出費を低減できる。従って、機器設備ユーザー12及び
保険会社11の双方に利益をもたらす保険料設定方法と
なる。
【0112】次に、以下に各部の構成について詳細に説
明する。まず、保険会社局としての保険会社11につい
て説明する。保全評価システム1は、保全評価サーバー
4及び保全評価情報データベース5を備える。これら
は、必ずしも、機械設備ユーザー12の設備運用システ
ム3の専用である必要は無く、他の機械設備ユーザーの
設備運用システム(図示せず)の情報に関しても取り扱
うことが可能である。保全評価サーバー4は、通信回線
A15を介して、機械設備ユーザー12の設備運用シス
テム3の保全サーバー8と通信が可能である。そして、
予め設定された期間(例えば機械設備9の定期修理)毎
に、設備運用システム3での保全状況に関する情報を受
け取り、それらの情報について分析を行なう。それと共
に、その結果に基づいて、設備運用システム3の次の予
め設定された期間における保険料を設定する。設定した
保険料に関する情報は、保険料支払指示として保険管理
システム2へ出力する。また、受け取った情報及び設定
された保険料に関する情報は、保全評価情報データベー
ス5に保存しておく。なお、保全状況に関する情報は、
必要に応じて保全サーバー8に要求することにより取得
することも可能である。
【0113】保全評価情報データベース5は、保全評価
サーバー4に接続され、保全評価サーバー4が取得した
機械設備9の保全状況に関する情報、保険会社11と機
械設備ユーザー12との間の保険契約に基づき保険会社
に送られる保全計画に関する情報、保険料の設定に必要
な情報及び設定された保険料に関する情報等を保持す
る。そして、それらの情報は、保全評価サーバー4の要
求に応じて、何時でも取出し可能である。
【0114】保険管理システム2は、保険料管理サーバ
ー6及び保険情報データベース7を具備する。これら
は、必ずしも、保全評価システム1の専用である必要は
無く、他の保全評価システム(図示せず)や、他の保険
の管理が必要なプロセスとの兼用も可能である。また、
機械設備ユーザー12の設備運用システム3の専用であ
る必要は無く、他の機械設備ユーザーの機械設備(図示
せず)の保険管理に関しても取り扱うことが可能であ
る。また、保険管理システム2は、保全評価システム1
とは別の、経理又は会計部門等の費用の取り扱いを行な
う部門により管理されている。
【0115】保険料管理サーバー6は、保全評価サーバ
ー4と接続しているサーバーである。そして、機械設備
ユーザー12からの保険料の受け取りに関する手続きを
行なう他、保全評価サーバー4が設定した保険料に関す
る情報(保険料支払指示)に応答して、その情報及び保
険情報データベース7に保持された契約内容に基づき保
険料に関する手続きを行なう。
【0116】保険情報データベース7は、保険料管理サ
ーバー6と接続されている。そして、前記機械設備ユー
ザー12の機械設備3に対して設定した保険料に関する
情報、保険料手続きに関する情報、保険契約に基づいて
設定された各種費用の出納手続きに関する情報を保持す
る。それらの情報は、保険料管理サーバー6の要求に応
じて、何時でも取出し可能である。
【0117】通信回線A15は、保険会社11と機械設
備ユーザー12とを接続する通信回線である。公衆回
線、インターネット回線あるいは専用回線などである。
また、無線による通信によって行なうことも可能であ
る。保全評価システム1が、設備運用システム3から保
全に関する情報を通信する為に用いる。
【0118】次に機械設備ユーザー局としての機械設備
ユーザー12について説明する。設備運用システム3
は、保全サーバー8、機械設備9、保全データベース1
0を具備する。そして、機械設備9の保全に関して管理
している。保全サーバー8は、保全評価システム1の保
全評価サーバー4と接続すると共に、機械設備9及び保
全データベース10と接続し、機械設備9の保全に関す
る管理を行なう。それと共に、機械設備9の保全状況等
に関するデータを機械設備9あるいは設備運用システム
3の外部から取得し、保全データベース10へ格納す
る。そして、保険会社11の保全評価サーバー4の要求
に従って、運用状況に関するデータを定期的あるいは適
宜送信する。
【0119】機械設備9は、保全サーバー8に接続し、
ガスタービンや、ボイラ、発電機等の、機械設備ユーザ
ー12によって運用されている実際に稼動している機械
設備本体及び周辺機器である。本実施例では、ガスター
ビンである。
【0120】保全データベース10は、保全サーバー8
に接続し、保全サーバー8が機械設備9あるいは設備運
用システム3の外部から取得した機械設備9の運用状況
に関するデータを内部に保持する。
【0121】経理サーバー14は、機械設備ユーザー1
2にあり、通信回線C17を介して、金融仲介局13と
接続されている経理関係のサーバーである。保険会社1
1への保険料の支払い及びそれに関連する手続き等を行
なう。経理又は会計部門等の費用の取り扱いを行なう部
門により管理されている。
【0122】通信回線B16は、保険会社11と金融仲
介局13を結ぶ通信回線である。公衆回線、インターネ
ット回線あるいは専用回線などである。また、無線によ
る通信によって行なうことも可能である。保険会社11
と金融仲介局13との電子商取引の為の通信に用いる。
【0123】通信回線C17は、機械設備ユーザー12
と金融仲介局13を結ぶ通信回線である。公衆回線、イ
ンターネット回線あるいは専用回線などである。また、
無線による通信によって行なうことも可能である。機械
設備ユーザー12と金融仲介局13との電子商取引の為
の通信に用いる。
【0124】通信回線D18は、保険会社11と機械設
備ユーザー12とを結ぶ通信回線である。インターネッ
ト回線あるいは専用回線などである。また、無線による
通信によって行なうことも可能である。保険会社11と
機械設備ユーザー12との保険関連の情報の通信や電子
商取引等の為の通信に用いる。
【0125】金融仲介局13は、保険会社11及び機械
設備ユーザー12と取引関係のある銀行、各種金融業社
等、である。サーバー(図示せず)を備え、保険会社1
1と機械設備ユーザー12とが取引のための口座を開く
ことが出来る。そして、保険会社11及び機械設備ユー
ザー12が通信回線を利用した電子商取引、振替処理等
の各種費用の授受を行う場合に、金融仲介局13は、取
引を仲介する処理を行う。
【0126】では、本発明である機械設備保険料設定シ
ステムの第一の実施の形態の動作について、図20、図
21、図4〜図5を用いて詳細に説明する。図20及び
図5を参照して、図5は、本発明である機械設備保険料
設定システムの動作の内、保険料決定のプロセスフロー
を示している。まず、開始(S101)の前の段階にお
いて、保険会社11及び機械設備ユーザー12は、本発
明の機械設備保険料設定システムに関する保険契約を行
なっている。その中には、保険料の設定期間(予め設定
する保険料計算及び保険対象期間)、保険料計算方法
(前述の(保守料及び)保険料計算プロセスA〜
)、機械設備Aの稼働率と保険料との関係(図21に
相当)等、機械設備9のRBM法を適用した保全計画策
定に関する契約も含まれる。また、保険契約での設備運
用システム3での保全状況の情報取得に関する契約によ
り、機械設備ユーザー12の設備運用システム3は、保
険会社11の保全評価システム1と通信回線A15によ
り接続されている。そして、保全評価システム1は、そ
の要求により、設備運用システム3のデータを通信回線
A15を介して取得できるようになっている。
【0127】機械設備9(ガスタービン)の運用開始
後、予め設定された期間毎(本実施例では、ガスタービ
ンの定期修理毎とし、2年とする)に、保全評価サーバ
ー4は、設備運用システム3から保全状況に関する情報
を取得する(図5、S102)。保全状況に関する情報
とは、以下の情報である。ガスタービンの定期修理で
は、RBM法による機械設備9のリスク評価が行なわれ
る。すなわち、ガスタービンを構成する全ての部品の損
傷状況を定期的に把握し、亀裂の発生状況や腐食状況等
から部品単位での余寿命と破損が起こる確率である損失
発生率を評価する。次に、各部品の破損による損失額で
ある損失を推算し、損失発生率(破損確率)×損失(損
失額)をリスクとする個々の部品のリスク情報を生成す
る(図4で例示される情報を個々の部品で行なったも
の)。そして、全部品のリスク評価の結果に基づいて、
一定の保守費の範囲内で、前述のリスクを最小化する保
全計画を策定する。その保全計画により、図4における
許容不可が許容可又は条件付許容可へ、また、要計画変
更が次回定期点検までに許容可又は条件付許容可へ移行
するかどうかを確認する為にリスクの再評価を行い再評
価リスク情報を生成する。リスクの再評価により、問題
が無くなった時点で、定期修理が終了する。保全評価サ
ーバー4が設備運用システム3から受け取る保全状況に
関する情報とは、前述のリスク評価情報、保全計画、リ
スク再評価情報である。取得した情報は、保全評価情報
データベース5に記憶しておく。
【0128】なお、RBA法は定期点検の場合だけでは
なく、その他の点検時のときにも行なわれるので、保全
評価サーバー4は、必要に応じて設備運用システム3か
ら保全状況に関する情報を取得する(その場合、必要に
応じて適宜、本実施例に示す保険料改定作業を行な
う)。
【0129】次に、それらのデータに基づいて、保全評
価サーバー4は、保全状況を評価する(S103)。評
価は、(I)全部品のリスク評価により、各部品が許容
可、条件付許容可、要計画変更、許容不可のどの状態に
あるか、(II)全部品のリスク評価(I)に対する保
守作業及び保全計画等の処理によりリスク再評価を行な
った結果、リスクがどこまで下がったか、 について図
4で例示されるリスクのマトリックス基づいて行な
う。そして、そのリスク再評価の結果の情報に基づい
て、RBM法を用いない通常の保全による故障発生率
(一般的な方法)との比較によりガスタービンの固有の
故障率の低下量を決定する。その低下量に基づいて、新
たなガスタービンの固有の故障率λmを算出する。故障
率λmの低下量は、リスクが小さくなるほど、大きくな
るように設定する。なお、元となるガスタービン固有の
故障率は、保全評価情報データベース5内に保持されて
いる。ただし、他のRBM法に関わる保全情報の内容を
利用して、保険の割引を行なうように設定する事も可能
である。
【0130】つづいて、保全評価サーバー4は、上述の
全部品のリスクの評価及びガスタービンの固有の故障率
λmの算定等を行なった後、保険料Cの算出(S10
4)を行なう。すなわち、まず、保全評価サーバー4
は、保全評価情報データベース5内に保持されている、
使用経過年数補正係数Ky、故障時の復旧時間Tr、故
障の検知時間Td(予測値)を取得する。得られたKy
及び算出されたλmに基づいて、前述の(保守料及び)
保険料計算プロセスの数1:λ=Ky・λm によ
り、ガスタービンの故障率λを算出する。次に、故障が
発生したとき修理等の為にガスタービンを停止しなけれ
ばならない修繕時間Tを、前述の(保守料及び)保険料
計算プロセスの数2:T=Td+Tr により算出す
る。ただしTd:故障発生から検知に要する時間、T
r:故障の復旧に要する時間である。
【0131】次に、ガスタービンの次の定期修理までの
稼働率の予測値である稼働率予測値Aを、前述の(保守
料及び)保険料計算プロセスの数4:A=μ/(λ+
μ)により算出する。ただし、修復率μは、数3:μ=
1/T である。求められた稼働率予測値Aの値に基づ
いて、前述の(保守料及び)保険料計算プロセス及び
のプロセスにより、次の期間の保険料Cが算出され
る。
【0132】機械設備ユーザー12と保険会社11との
保険契約に基づいて、ガスタービンと保全評価システム
1との間の保全状況に関する情報交換により、前述のよ
うに、保険料Cが決定される。その情報は、保全評価情
報データベース5に保持される。そして、その保険料C
に基づいて、保全評価サーバー4は、保険料支払指示を
保険管理システム2の保険料管理サーバー6へ出力し
(S105)、保険料決定の処理が終了する(S10
6)。
【0133】保険料管理サーバー6は、機械設備ユーザ
ー12の経理サーバー14へ、通信回線D18を介し
て、保険会社11と機械設備ユーザー12との契約に基
づいて設定された支払方法による次回分の保険料支払依
頼通知を送付する。経理サーバー14は、その通知に応
答して、保険会社11へ、次回分の保険料を支払う。支
払方法としては、支払周期について、例えば、年毎の支
払、定期修理毎の支払、等契約に応じて支払う。また、
保険料の送付に関しては、保険会社11、機械設備ユー
ザー12及び金融仲介局13の三者が、事前に通信回線
を利用した電子商取引の契約を交わして、それに基づい
て金融仲介局13での電子的手続きにより容易に進行す
るようにする。例えば、保険会社11及び機械設備ユー
ザー12が、共に金融仲介局13に口座を開設する。そ
して、通信回線C17を利用して、機械設備ユーザー1
2の経理サーバー14が金融仲介局13へ支払指示を出
し、保険会社11の金融仲介局の口座へ保険料を振り込
む。金融仲介局13は、通信回線B16を介して、入金
情報を保険会社11の保険料管理サーバー6へ通知す
る。
【0134】以上の動作を保険契約により予め設定され
たガスタービンの定期修理の間隔である2年毎に行な
い、機械設備ユーザー12は保険会社に保険料を支払う
ようにする。この保険料の支払は、保険契約に基づいた
保険期間内において継続して行なう。ただし、契約等に
より、期間について変更することは可能である。
【0135】以上の本発明の動作により、保険会社11
及び機械設備ユーザー12双方にとって利益のある保険
料の設定が可能となる。すなわち、機械設備ユーザー1
2は、ガスタービンなどの機械設備9についてRBM法
に基づくリスク評価及び保全計画の策定等を遂行するこ
とにより、機械設備9の稼働率は向上し、また、保険料
も割り引かれる可能性があり、保険料支出の削減が可能
というコストメリットがある。加えて、機械設備ユーザ
ー12が、保険料支出の削減の為に、機械設備9をその
メーカーの設計時の想定通りに使用しようと努めるの
で、機械設備9の故障の発生が非常に低くなる。それに
伴い、保険会社11は、保険金の支払の発生確率を大幅
に低減する事が可能となり、保険事業をより健全に遂行
できる。
【0136】本実施例においては、保険料Cは、保険料
を保全状況に応じて割り引いて算出していた。しか
し、事前に保全状況に対応した保険料Cのテーブルある
いは、図21の保険料Cのグラフで示されるデータを保
全評価情報データベース5に保持し、それらテーブル又
はデータと、稼働率予測値Aと保全状況とに基づいて、
保険料Cを決定するようにする事も可能である。
【0137】本実施例においては、保険会社11、機械
設備ユーザー12の双方が金融仲介局13に口座を開設
している。しかし、金融仲介局13に口座を開設しなく
ても、通常のインターネットバンキング等の電子商取引
を使用して、金融仲介局13経由で送金手続きを行なう
ことも可能である。
【0138】また、本実施例において、保険料に関する
手続きは、保険料管理サーバー6が行なっている。これ
は保険会社11における保険料関連の手続きを行なう部
門が、保全評価システム1を管理する部門と別であるこ
とを想定しているためである。しかし、保険会社11内
の事情により、保全評価サーバー4が、保険料管理サー
バー6が行なっている保険料に関する手続きも遂行する
こととしても良い。すなわち、本実施例における保全評
価サーバ4=保険料管理サーバー6、保全評価情報デー
タベース5=保険情報データベース7とする。その場合
には、保険料管理サーバー6及び保険情報データベース
7を無くすことが出来、サーバーの節約によるコストの
メリットがある。
【0139】また、本実施例における金融仲介局13の
役割を保険会社11が行なうことも可能である。その場
合、例えば、保険管理システム2が、金融仲介局13の
機能を併せ持つようにすれば良い。それを示したのが図
22であり、金融仲介局13を介在させないで、保険料
管理サーバー6及び経理サーバー14を通信回線E19
で直結させている。そして、保険会社11が、機械設備
ユーザー12の資金を預かり、資金運用を行ないなが
ら、必要に応じて保険料を引き出すようにする。この場
合には、金融仲介局等に対する手数料の支払が発生せ
ず、双方のコスト削減につながる。
【0140】更に、図22の状態において、保全評価シ
ステム1による機械設備9の保全評価は、保険会社11
に属しているが、図23に示すように、別の機器設備の
保全評価を行なう会社である管理担当会社21に委託す
ることも可能である。例えば、機械設備9のメーカー
(図示せず)が保全評価を行なっていれば、メーカー、
保険会社11、機械設備ユーザー12の三者間契約等に
より、メーカーの保全評価を行なう部門が、図23にお
ける管理担当会社21となる。すなわち、メーカーに、
機械設備9の保全状況に関する情報収集及び保険料支払
計算に関わる業務を委託することで、保険会社11は、
保全評価システム1を所有する必要が無くなり、コスト
削減につながる。その場合において、保全評価システム
1では、機械設備9の保全状況に関する情報収集のみを
行なわせ、その情報に基づく保険料支払計算に関わる業
務は保険会社11の保険管理システム2に行なわせるこ
とにする事も可能である。
【0141】更に、本実施例において、保険管理システ
ム2は、保険会社11に属しているが、図24に示すよ
うに、金融仲介局13に属していても良い。すなわち、
金融仲介局13に、保険料支払に関わる業務を委託する
ことで、保険会社11は、保険管理システム2を所有す
る必要が無くなり、コスト削減につながる。その場合に
は、保険会社11では、保全評価システム1が、機器設
備9の保全状況に関する保全情報を取得し、その保全状
況と保険契約とから、前述の実施例中の方法により保険
料を決定する。そして、保険料支払指示を、金融仲介局
13の保険管理システム2へ出力する。金融仲介局13
の保険管理システム2は、保険料支払指示に基づき、経
理サーバー14へ、保険料を送信する。経理サーバー1
4は、口座振替や電子商取引等の手法により保険料を金
融仲介局13を介して機械設備ユーザー12(又はその
口座)へ送付する。
【0142】また、本実施例において、使用している各
係数(λm、Tr,Kg)の値は、機械設備3の種類や
大きさ、その月の使用状態等により原則的に予め設定さ
れる値であり、保全評価情報データベース5内に保持さ
れている。それらの値は、通常、過去の運用状況やに基
づいて、変化させる事も可能である。運用状況に基づい
て変化させるとは、過酷な運用を行なった場合には、継
続的に良好な運用を行っている場合に比べて故障の可能
性が上がることから、過酷な運用の回数に基づいて、各
係数の値を保険料が増加するように変化させるというこ
とである。そのようにする事により、保険料の値が、よ
り機械設備9の運用状況に合った形となり、機械設備ユ
ーザー12が、良好な運用を心がけるより強力なインセ
ンティブとなり、機械設備ユーザー12の保険料及び保
険会社11の保険金の削減効果を、より大きくすること
が可能となる。
【0143】また、本実施例において、図21では、本
発明での保険料Cは、稼働率予測値Aの値に依らず、従
来の方法による保険料Cよりも安くなっている。しか
し、稼働率予測値Aの値によっては、保険料C=C
しても良い。例えば、稼働率予測値Aが低い場合(例え
ば30%以下)には、RBM法を利用しても保全の効果
が低く、稼働率予測値Aが低くなったと考えられるから
である。そのことを考慮すると、従来の方法の保険料C
と本発明での保険料Cとの差は、稼働率予測値Aが1
00%において最高であり、稼働率予測値Aが0%にお
いて最低であって、かつ、稼働率予測値Aが低い値(例
えば30%)でC=Cという決め方も可能である。
【0144】(実施例3)本発明である機械設備保守料
設定システムの第二の実施の形態について、添付図面を
参照して説明する。本実施例では、機械設備保守料設定
システム及び機械設備保守料設定システムの第二の設定
の基本的な考え方を利用している。
【0145】まず、本発明である機械設備保守料設定シ
ステムの第二の実施の形態の構成に関して説明する。図
12は、本発明である機械設備保守料設定システムの第
二の実施の形態に関する構成図であり、メーカー局とし
てのメーカー28、機械設備ユーザー局としての機械設
備ユーザー12、金融仲介局13、通信回線I29、通
信回線J30、通信回線K31、通信回線L32を具備
する。
【0146】メーカー局としてのメーカー28は、遠隔
監視サーバー22及び機器情報データベース23を備え
る遠隔監視システム25と、保全評価サーバーとしての
保全評価サーバーB35及び保全評価情報データベース
としての保全評価情報データベースB36を備える保全
評価システムとしての保全評価システムB33と、費用
管理サーバー37及び費用情報データベース38を備え
る費用管理システム34と、通信インターフェースB4
2とを具備する。機械設備に関わる保守を取り扱うと共
に、機械設備の運用状況に関する情報及び保全に関連す
る情報の取得、分析等を行なう。また、機械設備ユーザ
ー局としての機械設備ユーザー12は、保全サーバー
8、機械設備9及び保全データベース10を備える設備
運用システム3と、経理サーバー14とを具備する。機
械設備9の使用に際し、メーカー28と保守契約を締結
すると共に、機械設備9の運用情報及びその保全に関す
る情報を適宜メーカー28へ送信する。
【0147】通常、機械設備9の購入に際して、機械設
備ユーザー12は、メーカー28と機械設備9の保守に
関する保守契約を締結する。そして、ある期間毎の保守
料が決定され、機械設備ユーザー12はメーカー28に
対して、その期間毎に保守料を支払う。
【0148】機械設備ユーザー12の機械設備9は、出
力、発停回数、出力変化率等の運用状況に関する情報を
保持している。メーカー28の遠隔監視システム25
は、予め設定された期間の上記の運用状況に関する情報
に基づいて、その期間での機械設備9の運用状況を分析
する。そして分析の結果に基づいて、メーカー28は、
保守料の補正に関わる補正係数を決定し、運用情報の一
部と共に保全評価システムに出力する。
【0149】一方、機械設備ユーザー12の保全データ
ベース10は、機械設備9のリスクベースメインテナン
ス法に基づく保全に関する情報を保持している。メーカ
ー28の保全評価システムB33は、前記の保全に関す
る情報を分析し、その分析結果と前述の補正係数と運用
情報の一部とに基づいて、機械設備9に関する次回の保
守料を決定する。そして、費用管理サーバー37へ次回
保守支払指示として出力する。
【0150】費用管理サーバー37は、その情報を機械
設備ユーザー12へ通知することとする。このプロセス
は、予め設定された期間毎に行なうので、次の期間に
は、また、再度運用状況の測定、および、計算を行な
う。
【0151】次回の保守料は、機械設備9の運用状況
が、定格値や設計上限値を遵守した良好な運用であれ
ば、そうでない場合と比較して減額されるように設定す
る方法を導入する。これにより、機械設備ユーザー12
は、機械設備の運用を適正に行ない、過酷な運用を行な
わなければ、保守料の出費が低減でき、設備稼働率も向
上する。メーカー28も機械設備の故障発生率を低下で
きるので、保守費の出費を低減できる。
【0152】更に、実施例1で説明した、RBM法の考
え方も合わせて導入する。機械設備ユーザー12側とし
ては、RBM法による保全を行なうことで機械設備での
損失のリスクを効率良く低減して、損失を低下させるこ
とが、機械設備の稼働率の向上だけでなく、保守料の低
減につながる。また、メーカー28としては、保守の対
象となる機械設備の故障等による保守費支払の発生のリ
スクを低減することが出来る。
【0153】以上2つの方法を組み合わせた機械設備保
守料設定システム及び機械設備保守料設定システムの第
二の設定の基本的な考え方の導入により、機器設備ユー
ザー12及びメーカー28の双方に、より一層利益をも
たらす保守料設定方法が可能となる。
【0154】次に、以下に各部の構成について図12を
参照して、詳細に説明する。まず、メーカー局としての
メーカー28について説明する。遠隔監視システム25
は、遠隔監視サーバー22及び機器情報データベース2
3を備える。これらは、必ずしも、機械設備ユーザー1
2の設備運用システム3の専用である必要は無く、他の
機械設備ユーザーの設備運用システム(図示せず)の情
報に関しても取り扱うことが可能である。
【0155】遠隔監視サーバー22は、通信インターフ
ェースB42及び通信回線I29を介して、機械設備ユ
ーザー12の設備運用システム3の機械設備9と通信が
可能である。そして、予め設定された運用情報を取得す
る期間(例えば1ヶ月、以下「運用情報取得期間」とい
う)毎に、機械設備9の運用状況に関する情報を受け取
り、その運用状況について分析を行なう。それと共に、
その結果に基づいて、機械設備9の次の運用情報取得期
間における補正係数を決定する。決定した補正係数に関
する情報及び運用情報の一部は、保全評価システムB3
3へ出力する。また、受け取った情報及び決定した補正
係数に関する情報は、機器情報データベース23に保存
しておく。なお、運用状況に関する情報は、必要に応じ
て機械設備9に要求することにより取得することも可能
である。
【0156】機器情報データベース23は、遠隔監視サ
ーバー22に接続され、遠隔監視サーバー22が取得し
た機械設備9の運用状況に関する情報、保守契約に基づ
き予め設定された機械設備9の運用条件に関する情報、
補正係数の決定に必要な情報及び設定された補正係数に
関する情報等を保持する。そして、それらの情報は、遠
隔監視サーバー22の要求に応じて、何時でも取出し可
能である。
【0157】保全評価システムとしての保全評価システ
ムB33は、保全評価サーバーB35及び保全評価情報
データベースB36を備える。これらは、必ずしも、機
械設備ユーザー12の設備運用システム3の専用である
必要は無く、他の機械設備ユーザーの設備運用システム
(図示せず)の情報に関しても取り扱うことが可能であ
る。
【0158】保全評価サーバーB35は、通信インター
フェースB42及び通信回線I29を介して、機械設備
ユーザー12の設備運用システム3の保全サーバー8と
通信が可能である。そして、予め設定された保全情報を
取得する期間(例えば機械設備9の定期修理間隔で2年
間、以下「保全情報取得期間」という)毎に、設備運用
システム3での保全状況に関する情報を受け取り、その
保全状況について分析を行なう。一方、遠隔監視サーバ
ー22から、機械設備9の運用状況から算出された補正
係数等の情報が出力される。その補正係数等の情報と、
前述の保全状況の分析結果から、設備運用システム3の
然るべき期間における機械設備9の保守料が設定され
る。設定した保守料に関する情報は、保守料支払指示と
して費用管理システム34へ出力する。また、受け取っ
た情報及び設定された保守料に関する情報は、保全評価
情報データベースB36に保存しておく。なお、保全状
況に関する情報は、必要に応じて保全サーバー8に要求
することにより取得することも可能である。
【0159】保全評価システムとしての保全評価システ
ムB36は、保全評価サーバーB35に接続され、保全
評価サーバーB35が取得した機械設備9の保全状況に
関する情報、メーカー28と機械設備ユーザー12との
間の保守契約に基づきメーカーに送られる保全計画に関
する情報、保守料の設定に必要な情報、設定した保守料
あるいは保守料の割引に関する情報等を保持する。そし
て、それらの情報は、保全評価サーバーB35の要求に
応じて、何時でも取出し可能である。
【0160】費用管理システム34は、費用管理サーバ
ー37及び費用情報データベース38を具備する。これ
らは、必ずしも、遠隔監視システム25あるいは保全評
価システムB33の専用である必要は無く、他の保全評
価システム(図示せず)や遠隔監視システム(図示せ
ず)、他の保守の管理が必要なプロセス等との兼用も可
能である。また、機械設備ユーザー12の設備運用シス
テム3の専用である必要は無く、他の機械設備ユーザー
の機械設備(図示せず)の保守管理に関しても取り扱う
ことが可能である。また、費用管理システム34は、遠
隔監視システム25や保全評価システムB33とは別
の、経理又は会計部門等の費用の取り扱いを行なう部門
により管理されている。
【0161】費用管理サーバー37は、保全評価サーバ
ーB35と接続しているサーバーである。そして、機械
設備ユーザー12からの保守料の受け取りに関する手続
きを行なう他、保全評価サーバーB35が設定した保守
料に関する情報(保守料支払指示)に応答して、その情
報及び費用情報データベース38に保持された契約内容
に基づき保守料に関する手続きを行なう。
【0162】費用情報データベース38は、費用管理サ
ーバー37と接続されている。そして、前記機械設備ユ
ーザー12の機械設備9に対して設定した保守料に関す
る情報、保守料手続きに関する情報、保守契約に基づい
て設定された各種費用の出納手続きに関する情報を保持
する。それらの情報は、費用管理サーバー37の要求に
応じて、何時でも取出し可能である。
【0163】通信回線I29は、メーカー28と機械設
備ユーザー12とを接続する通信回線である。公衆回
線、インターネット回線あるいは専用回線などである。
また、無線による通信によって行なうことも可能であ
る。遠隔監視システム25及び保全評価システムB33
が、設備運用システム3から運用に関する情報や保全に
関する情報を通信する為に用いる。
【0164】通信インターフェースB42は、遠隔監視
システム25及び保全評価システムB33が、設備運用
システム3と、通信回線I29を介して通信を行なう際
に使用する、通信のためのインターフェースである。
【0165】次に、機械設備ユーザー局としての機械設
備ユーザー12について説明する。設備運用システム3
は、保全サーバー8、機械設備9、保全データベース1
0を具備する。そして、機械設備9の保全に関して管理
する他、保守の対象となる機械設備での運転状況の情報
を保持する。そして、その運転状況は、機械設備ユーザ
ー12に関連する然るべき設備により遠隔監視され、事
故や異常の発生あるいはその予兆に対して迅速に対処で
きる。
【0166】保全サーバー8は、保全評価システムB3
3の保全評価サーバーB35と接続すると共に、機械設
備9及び保全データベース10と接続し、機械設備9の
保全に関する管理を行なう。それと共に、機械設備9の
保全状況に関する情報を機械設備9あるいは設備運用シ
ステム3の外部から取得し、保全データベース10へ格
納する。そして、メーカー28の保全評価サーバーB3
5の要求に従って、保全状況に関する情報を定期的ある
いは適宜送信する。また、機械設備9が、メーカー28
の要求に従って、運用状況に関する情報を送信する際
に、そのサポートを行なう。
【0167】機械設備9は、保全サーバー8に接続し、
ガスタービンや、ボイラ、発電機等の、機械設備ユーザ
ー12によって運用されている実際に稼動している機械
設備本体及び周辺機器である。本実施例では、ガスター
ビンである。そして、内部に機械設備9自身の運用状況
に関する情報を保持し、メーカー28の要求に従って、
その情報を保全サーバー8を介して送信する。
【0168】経理サーバー14、通信回線J30、通信
回線K31、通信回線L32、金融仲介局13は、実施
例1と同様であるので、説明を省略する。
【0169】では、本発明である機械設備保守料設定シ
ステムの第二の実施の形態の動作について、図5、図1
3〜図16、図17、図12、図19を用いて詳細に説
明する。本実施例においては、まず、最初の保守契約の
段階で、メーカーは、機械設備ユーザー12の機械設備
9(ガスタービン)のRBM法に基づく保全状況及び運
用状況による保守料の改定の契約を行なう。なお、最初
の時点での保守料は、基準となる基準保守料として従来
の方法による保守料Eを用いる。次に、ガスタービン
(機械設備9)の運用が開始されると、メーカー28
は、保守契約により運用情報取得期間毎に、ガスタービ
ンの運用状況の情報を取得して分析する。また、保全情
報取得期間毎に保全状況の情報を取得して分析する。そ
して、それらの結果に基づいて、前述の保守料(及び保
険料)計算プロセスBにより、保守料Eを求める。だ
たし、運用情報取得期間は、保全情報取得期間よりも長
くても短くても良いし、同じであっても良く、保守契約
によって決定される。
【0170】この本発明により、機械設備ユーザー12
は、運用状況を過酷な運転をすることなく良好にし、か
つ、保全計画及びその実施を適切かつ効率的に行なうこ
とで、保守料が大幅に割り引かれる可能性があるため、
保守料の削減及びガスタービンの稼働率向上と長寿命化
につなげることが可能となる。また、メーカー28にと
っては、ガスタービンの故障率が大幅に低下する為、保
守費の支出を大幅に低下させることが可能となる。
【0171】図12、図5及び図17を参照して、本発
明の機械設備保守料設定システムの動作の内、保守料決
定のプロセスフローを説明する。ここで、保全情報取得
期間をT2とし、本実施例では、2年とする。また、運
用情報取得期間をT1とし、本実施例では1ヶ月とす
る。
【0172】まず、図17の開始(S201)の前の段
階において、メーカー28及び機械設備ユーザー12
は、本発明の機械設備保守料設定システムに関する保守
契約を行なっている。その中には、保守料の設定期間
(予め設定する保守料計算及び保守対象期間)、保守料
計算方法(前述の保守料(及び保険料)計算プロセスB
(1)〜(9)など)、ガスタービンの稼働率予測値A
と保守料との関係(図19に相当)、ガスタービンのR
BM法を適用した保全計画策定及びメーカー28による
保全情報の取得、メーカー28によるガスタービンの運
用情報の取得、等の契約も含まれる。また、保守契約で
の保全情報及び運用情報の取得に関する契約により、機
械設備ユーザー12の設備運用システム3と、メーカー
28の保全評価システムB33及び遠隔監視システム2
5とは、通信回線I29により接続されている。そし
て、保全評価システムB33及び遠隔監視システム25
は、その要求により、設備運用システム3から上記情報
を通信回線I29を介して取得できるようになってい
る。この段階(最初の時点)での保守料は、基準となる
基準保守料として従来の方法による保守料Eを用い
る。
【0173】図17を参照して、ガスタービンの運用開
始後、運用情報取得期間T1(本実施例では、1ヶ月)
毎に、遠隔監視サーバー22は、ガスタービンから運用
状況に関するデータを取得する(図17、S202)。
運用状況に関するデータとは、ガスタービンにおける、
運用時の出力、発停回数、単位時間当たりの出力変化率
である。本実施例の場合には、1ヶ月分の情報を取得す
る。取得した情報は、機器情報データベース23に記憶
しておく。
【0174】次に、それらのデータに基づいて、遠隔監
視サーバー22は、前述の補正係数(Kp,Ks,K
r)を決定する(S203)。決定に当たっては、それ
ぞれ前述の保守料(及び保険料)計算プロセスBの
(1)、(2)、(3)のプロセスで行なう。なお、図
13〜図15に関するデータは、機器情報データベース
23内に保持されている。
【0175】遠隔監視サーバー22は、上述のように補
正係数(Kp,Ks,Kr)を算出し決定すると共に、
機器情報データベース23内に保持されているガスター
ビン固有の故障率λmc、使用経過年数補正係数Ky、
故障時の復旧時間Trを取得する(S203)。それら
の情報を、保全評価サーバーB35へ出力する。なお、
算出した情報は、機器情報データベース23に記憶して
おく。
【0176】保全評価サーバーB35は、ガスタービン
固有の故障率λmcを、保全状況に関する情報に基づい
て、λmに変換する(ただし、保全に関する情報が無い
場合にはλm=λmc)。得られたKp、Ks、Kr、
λm、Kyに基づいて、前述の保守料(及び保険料)計
算プロセスB(4)の数6:λ=a・Ky・Kp・Ks
・Kr・λm により、ガスタービンの故障率λを算出
する(S204)。
【0177】一方、故障が発生したとき修理等の為にガ
スタービンを停止しなければならない修繕時間Tは、前
述の保守料(及び保険料)計算プロセスB(5)の数
7:T=Td+Tr により算出される(S205)。
ただしTd:故障発生から検知に要する時間、Tr:故
障の復旧に要する時間である。ここで、Tdは、機器設
備ユーザー12によるガスタービンの遠隔監視により、
極めて短時間であるので、Trに対して無視できる。
【0178】次に、ガスタービンの翌月の稼働率の予測
値である稼働率予測値Aを、前述の保守料(及び保険
料)計算プロセスB(6)の数9:A=μ/(λ+μ)
により算出する(S206)。ただし、修復率μは、
数8:μ=1/T である。
【0179】最後に、保全評価サーバーB35は、運用
状況に基づいた保守料Eの決定を行なう。前述のように
算出された稼働率予測値Aに基づいて損失額Dを、前述
の保守料(及び保険料)計算プロセスB(7)の数1
0:D=Kg(1−A) により算出する。この値か
ら、保守料Eが算出される(保守料(及び保険料)計算
プロセスB(8)参照)。なお、図19に関するデータ
は、保全評価情報データベースB36内に保持されてい
る。
【0180】ここで、運転開始から最初の保全情報取得
期間T2(本実施例では、2年間)経過後までは、保全
状況の情報が無い為、運転状況の情報のみに基づく保守
料Eを、正式の保守料として用いる(このときλm=λ
mc:補正無し)。すなわち、保全評価サーバーB35
は、前記保守料Eを次回(翌月)の保守料として決定す
る(S207)。そして、保守料計算のためのプロセス
が終了する(S208)。決定された次回の保守料は、
保守料支払指示として、費用管理サーバー37へ出力す
る。
【0181】一方、最初の保全情報取得期間T2経過後
は、保全状況に関する情報も取得可能となるため、保守
料Eを算出する。すなわち、遠隔監視サーバー22か
ら出力された補正係数(Kp,Ks,Kr)、ガスター
ビン固有の故障率λm(補正済み)、使用経過年数補正
係数Ky、故障時の復旧時間Trに基づいて、保全情報
を反映させた保守料Eを算出する(保守料(及び保険
料)計算プロセスB(9)参照)。そして、保全評価サ
ーバーB35は、前記保守料Eを次回の保守料として
決定する(S207)。そして、保守料計算のためのプ
ロセスが終了する(S208)。決定された次回の保守
料は、保守料支払指示として、費用管理サーバー37へ
出力する。
【0182】保全状況の情報に基づく部分の保守料の改
定は、基本的に保全情報取得期間T2毎に行なう。すな
わち、保守料Eを算定するための事故率λmの改定は
T2毎に行なう。その間は、同じλmを用いるため、運
用状況の情報(補正係数Kp,Ks,Kr)により保守
料Eは変動する。
【0183】費用管理サーバー37は、機械設備ユーザ
ー12の経理サーバー14へ、通信回線L32を介し
て、メーカー28と機械設備ユーザー12との契約に基
づいて設定された支払方法による翌月分の保守料支払依
頼通知を送付する。この支払に関わるプロセス及び関連
事項は、実施例1と同様であるので省略する。
【0184】以上の動作を保守契約により予め設定され
た期間(運用情報取得期間T1及び保全情報取得期間T
2)毎に行ない、機械設備ユーザー12はメーカーに保
守料を支払うようにする。この保守料の支払は、保守契
約に基づいた保守期間内において継続して行なう。ただ
し、契約等により、期間について変更することは可能で
ある。
【0185】以上の本発明の動作により、メーカー28
及び機械設備ユーザー12双方にとって利益のある保守
料の設定が可能となる。すなわち、機械設備ユーザー1
2は、機械設備9(ガスタービン)について過酷な運用
を行なわず、かつ、RBM法に基づく適切な保全計画の
策定とその実施得を行なえば、機械設備9の故障が減少
し、稼働率は向上し、保守料も減少する可能性があり、
機械設備9の運用に関わる費用や保守料支出の減少とい
うコストメリットがある。加えて、機械設備9の故障の
発生が非常に低くなることに伴い、メーカー28は、保
守費の支払の発生確率を大幅に低減する事が可能とな
り、保守事業をより健全に遂行できる。
【0186】本実施例では、運用時の出力、発停回数、
単位時間当たりの出力変化率に関わる3種類の補正係数
(Kp.Ks,Kr)を全て使用している。しかし、そ
れらの値を全て使用しない場合でも、3種類のうちの少
なくとも1種類の値を使用すれば、本実施例と同様に行
なうことが出来る。例えば、機械設備9の種類によって
は、発停回数が他の場合よりも故障率λに対して非常に
強い影響をもらすことが判明している場合には、Kp、
Krを用いず(又は、Kp=Kr=1)として、故障率
λを計算し、使用することも可能である。出力、出力変
動率についても同様である。
【0187】また、本実施例において、機械設備9の運
用状況を計測するために、出力、発停回数、出力変動率
を参照しているが、これは、ガスタービンを例にしてい
るからである。機械設備9の種類に応じて、他の適切な
パラメーターを利用することにより、機械設備9の故障
率をより正確に把握することが可能である。例えば、化
学反応装置であれば、運転温度やその変化率、運転圧力
やその変化率、シャットダウン回数等である。その機械
設備の運用状況を示す各種パラメーターの中で、故障の
発生に大きく影響があるものを選択することが重要な点
である。
【0188】また、本実施例において、保守料に関する
手続きは、費用管理サーバー37が行なっている。これ
はメーカー28における保守料関連の手続きを行なう部
門が、遠隔監視システム25及び保全評価システムB3
3を管理する部門と別であることを想定しているためで
ある。しかし、メーカー28内の事情により、遠隔監視
サーバー22、保全評価サーバーB35、費用管理サー
バー37の3つのサーバーが、2つ又は1つに統合され
ていても本発明を実施することは可能である。それに伴
い、機器情報データベース23、保全評価情報データベ
ースB36、費用情報データベース38も、サーバーの
状況に合わせて、必要に応じて適切に統合を行なえば良
い。その場合には、サーバーの節約によるコストのメリ
ットがある。
【0189】また、本実施例における金融仲介局13の
役割をメーカー28が行なうことも可能である。その場
合、例えば、費用管理システム34が、金融仲介局13
の機能を併せ持つようにすれば良い。金融仲介局13を
介在させないで、費用管理サーバー37及び経理サーバ
ー14を通信回線で直結させる。そして、メーカー28
が、機械設備ユーザー12の資金を預かり、資金運用を
行ないながら、必要に応じて保守料を引き出すようにす
る。この場合には、金融仲介局等に対する手数料の支払
が発生せず、双方のコスト削減につながる。
【0190】更に、図12の状態において、遠隔監視シ
ステム25による機械設備9の運用状況に関する情報の
取得は、メーカー28に属しているが、図18に示すよ
うに、別の機器設備の遠隔監視を行なう会社である管理
担当会社21に委託することも可能である。例えば、機
械設備9の保守関連業務を専門に行なう関連企業が遠隔
監視を行なっていれば、関連企業、メーカー28、機械
設備ユーザー12の三者間契約等により、当該関連企業
が、図26における管理担当会社21となる。すなわ
ち、管理担当会社21に、機械設備9の運用状況に関す
る情報収集及び保守料支払計算の一部に関わる業務を委
託することで、メーカー28は、遠隔監視システム25
を所有する必要が無くなり、コスト削減につながる。そ
の場合において、遠隔監視システム25では、機械設備
9の運用状況に関する情報収集のみを行なわせ、その情
報に基づく保守料支払計算に関わる業務はメーカー28
の保全評価システムB33に行なわせることにすること
も可能である。
【0191】更に、本実施例において、費用管理システ
ム34は、メーカー28に属しているが、金融仲介局1
3に属していても良い。すなわち、金融仲介局13に、
保守料支払に関わる業務を委託することで、メーカー2
8は、費用管理システム34を所有する必要が無くな
り、コスト削減につながる。
【0192】その場合には、メーカー28では、遠隔監
視システム25が機器設備3の運用状況に関する運用情
報を取得し、保全評価システムB33が保全状況に関す
る情報を取得し、その運用状況と保全状況と保守契約と
から、前述の実施例中の方法により保守料を決定する。
そして、保守料支払指示を、金融仲介局13の保守管理
システムへ出力する。金融仲介局13の費用管理システ
ム34は、保守料支払指示に基づき、口座振替や電子商
取引等の手法により保守替費を機械設備ユーザー12
(又はその口座)から取得し、メーカー28(又はその
口座)へ送金する。
【0193】また、本実施例において、使用している各
係数(Kp,Ks、Kr,λm、Tr,Kg)の値は、
機械設備9の種類や大きさ、その月の使用状態等により
原則的に予め設定される値であり、機器情報データベー
ス5内に保持されている。それらの値は、過去の運用状
況や保全状況に基づいて、変化させる事も可能である。
そのようにする事により、保守料の値が、より機械設備
9の運用状況に合った形となり、機械設備ユーザー12
が、良好な運用を心がけるより強力なインセンティブと
なり、機械設備ユーザー12の保守料及びメーカー28
の保守費の削減効果を、より大きくすることが可能とな
る。
【0194】本発明において、保全状況に関する情報
は、保守料計算プロセスA及びBにおいて、故障率λm
に反映されている。しかし、保守料を計算した後に、保
全状況に関する情報に基づき、割引を行なうという方法
を取ることも可能である。すなわち、保守料の変更に関
する情報として、保守料の割引率を用いることとする。
例えば、保全状況が良好な場合には、その度合いに応じ
て保守料を10%、20%、30%割り引く、というよ
うにする。それにより、上述のようなメーカー及び機械
設備ユーザー双方に利益が得られる。
【0195】また、本発明の各実施例の説明の中で、運
用状況及び保全状況が良好な場合には保守料が低下する
としている(図2及び図19)。しかし、運用状況及び
保全状況が好ましい状態ではない場合、通常の保守料に
比較して高い金額を支払わねばならなくなる可能性が当
然にあることも、本発明である機械設備保守料設定シス
テムの内容の一つである。運用状況及び保全状況が好ま
しい状態ではない場合、機械設備ユーザーは、一種のペ
ナルティーを科せられると考えても良い。すなわち、運
用状況が悪ければ、保守料計算での補正係数(Kp、K
s、Kr)が1.0を超えるので、損失額が増え保守料
も増加する。また、保全状況が悪ければ、保守料計算で
の故障率λmが増加するので、損失額が増え保守料も増
加する。
【0196】(実施例4)本発明である機械設備保険料
設定システムの第二の実施の形態について、添付図面を
参照して説明する。本実施例では、機械設備保守料設定
システム及び機械設備保険料設定システムの第二の設定
の基本的な考え方を利用している。
【0197】まず、本発明である機械設備保険料設定シ
ステムの第二の実施の形態の構成に関して説明する。図
25は、本発明の第二の実施の形態に関する構成図であ
り、保険会社局としての保険会社11、機械設備ユーザ
ー局としての機械設備ユーザー12、金融仲介局13、
通信回線A15、通信回線B16、通信回線C17、通
信回線D18を具備する。
【0198】保険会社局としての保険会社11は、遠隔
監視サーバー22及び機器情報データベース23を備え
る遠隔監視システム25と、保全評価サーバー4及び保
全評価情報データベース5を備える保全評価システム1
と、保険料管理サーバー6及び保険情報データベース7
を備える保険管理システム2と、通信インターフェース
A24とを具備する。機械設備に関わる保険を取り扱う
と共に、機械設備の運用状況に関する情報及び保全に関
連する情報の取得、分析等を行なう。また、機械設備ユ
ーザー局としての機械設備ユーザー12は、保全サーバ
ー8、機械設備9及び保全データベース10を備える設
備運用システム3と、経理サーバー14とを具備する。
機械設備9の使用に際し、保険会社11と保険契約を締
結すると共に、機械設備9の運用情報及びその保全に関
する情報を適宜保険会社11へ送信する。
【0199】通常、機械設備9の購入に際して、機械設
備ユーザー12は、保険会社11と機械設備9の損害に
関する保険の保険契約を締結する。そして、ある期間毎
の保険料が決定され、機械設備ユーザー12は保険会社
11に対して、その期間毎に保険料を支払う。
【0200】機械設備ユーザー12の機械設備9は、出
力、発停回数、出力変化率等の運用状況に関する情報を
保持している。保険会社11の遠隔監視システム25
は、予め設定された期間の上記の運用状況に関する情報
に基づいて、その期間での機械設備9の運用状況を分析
する。そして分析の結果に基づいて、保険会社11は、
保険料の補正に関わる補正係数を決定し、運用情報の一
部と共に保全評価システムに出力する。
【0201】一方、機械設備ユーザー12の保全データ
ベース10は、機械設備9のリスクベースメインテナン
ス法に基づく保全に関する情報を保持している。保険会
社11の保全評価システム1は、前記の保全に関する情
報を分析し、その分析結果と前述の補正係数と運用情報
の一部とに基づいて、機械設備9に関する次回の保険料
を決定する。そして、保険料管理サーバー6へ次回保険
支払指示として出力する。
【0202】保険料管理サーバー6は、その情報を機械
設備ユーザー12へ通知することとする。このプロセス
は、予め設定された期間毎に行なうので、次の期間に
は、また、再度運用状況の測定、および、計算を行な
う。
【0203】次回の保険料は、機械設備の運用状況が、
定格値や設計上限値を遵守した良好な運用であれば、そ
うでない場合と比較して減額されるように設定する方法
を導入する。これにより、機械設備ユーザー12は、機
械設備の運用を適正に行ない、過酷な運用を行なわなけ
れば、保険料の出費が低減でき、設備稼働率も向上す
る。保険会社11も機械設備の故障発生率を低下できる
ので、保険金の出費を低減できる。更に、実施例2で説
明した、RBM法の考え方も合わせて導入する。機械設
備ユーザー12側としては、RBM法による保全を行な
うことで機械設備での損失のリスクを効率良く低減し
て、損失を低下させることが、機械設備の稼働率の向上
だけでなく、保険料の低減につながる。また、保険会社
11としては、保険の対象となる機械設備の故障等によ
る保険金支払の発生のリスクを低減することが出来る。
以上2つの方法を組み合わせた機械設備保守料設定シス
テム及び機械設備保守料設定システムの第二の設定の基
本的な考え方の導入により、機器設備ユーザー12及び
保険会社11の双方に、より一層利益をもたらす保険料
設定方法が可能となる。
【0204】次に、以下に各部の構成について図25を
参照して、詳細に説明する。まず、保険会社局としての
保険会社11について説明する。遠隔監視システム25
は、遠隔監視サーバー22及び機器情報データベース2
3を備える。これらは、必ずしも、機械設備ユーザー1
2の設備運用システム3の専用である必要は無く、他の
機械設備ユーザーの設備運用システム(図示せず)の情
報に関しても取り扱うことが可能である。
【0205】遠隔監視サーバー22は、通信インターフ
ェースA24及び通信回線A15を介して、機械設備ユ
ーザー12の設備運用システム3の機械設備9と通信が
可能である。そして、予め設定された運用情報を取得す
る期間(例えば1ヶ月、以下「運用情報取得期間」とい
う)毎に、機械設備9の運用状況に関する情報を受け取
り、その運用状況について分析を行なう。それと共に、
その結果に基づいて、機械設備9の次の運用情報取得期
間における補正係数を決定する。決定した補正係数に関
する情報及び運用情報の一部は、保全評価システム1へ
出力する。また、受け取った情報及び決定した補正係数
に関する情報は、機器情報データベース23に保存して
おく。なお、運用状況に関する情報は、必要に応じて機
械設備9に要求することにより取得することも可能であ
る。
【0206】機器情報データベース23は、遠隔監視サ
ーバー22に接続され、遠隔監視サーバー22が取得し
た機械設備9の運用状況に関する情報、保険契約に基づ
き予め設定された機械設備9の運用条件に関する情報、
補正係数の決定に必要な情報及び設定された補正係数に
関する情報等を保持する。そして、それらの情報は、遠
隔監視サーバー22の要求に応じて、何時でも取出し可
能である。
【0207】保全評価システム1は、保全評価サーバー
4及び保全評価情報データベース5を備える。これら
は、必ずしも、機械設備ユーザー12の設備運用システ
ム3の専用である必要は無く、他の機械設備ユーザーの
設備運用システム(図示せず)の情報に関しても取り扱
うことが可能である。
【0208】保全評価サーバー4は、通信インターフェ
ースA24及び通信回線A15を介して、機械設備ユー
ザー12の設備運用システム3の保全サーバー8と通信
が可能である。そして、予め設定された保全情報を取得
する期間(例えば機械設備9の定期修理間隔で2年間、
以下「保全情報取得期間」という)毎に、設備運用シス
テム3での保全状況に関する情報を受け取り、その保全
状況について分析を行なう。一方、遠隔監視サーバー2
2から、機械設備9の運用状況から算出された補正係数
等の情報が出力される。その補正係数等の情報と、前述
の保全状況の分析結果から、設備運用システム3の然る
べき期間における機械設備9の保険料が設定される。設
定した保険料に関する情報は、保険料支払指示として保
険管理システム2へ出力する。また、受け取った情報及
び設定された保険料に関する情報は、保全評価情報デー
タベース5に保存しておく。なお、保全状況に関する情
報は、必要に応じて保全サーバー8に要求することによ
り取得することも可能である。
【0209】保全評価情報データベース5は、保全評価
サーバー4に接続され、保全評価サーバー4が取得した
機械設備9の保全状況に関する情報、保険会社11と機
械設備ユーザー12との間の保険契約に基づき保険会社
に送られる保全計画に関する情報、保険料の設定に必要
な情報、設定した保険料あるいは保険料の割引に関する
情報等を保持する。そして、それらの情報は、保全評価
サーバー4の要求に応じて、何時でも取出し可能であ
る。
【0210】保険管理システム2は、保険料管理サーバ
ー6及び保険情報データベース7を具備する。これら
は、必ずしも、遠隔監視システム25あるいは保全評価
システム1の専用である必要は無く、他の保全評価シス
テム(図示せず)や遠隔監視システム(図示せず)、他
の保険の管理が必要なプロセス等との兼用も可能であ
る。また、機械設備ユーザー12の設備運用システム3
の専用である必要は無く、他の機械設備ユーザーの機械
設備(図示せず)の保険管理に関しても取り扱うことが
可能である。また、保険管理システム2は、遠隔監視シ
ステム25や保全評価システム1とは別の、経理又は会
計部門等の費用の取り扱いを行なう部門により管理され
ている。
【0211】保険料管理サーバー6は、保全評価サーバ
ー4と接続しているサーバーである。そして、機械設備
ユーザー12からの保険料の受け取りに関する手続きを
行なう他、保全評価サーバー4が設定した保険料に関す
る情報(保険料支払指示)に応答して、その情報及び保
険情報データベース7に保持された契約内容に基づき保
険料に関する手続きを行なう。
【0212】保険情報データベース7は、保険料管理サ
ーバー6と接続されている。そして、前記機械設備ユー
ザー12の機械設備9に対して設定した保険料に関する
情報、保険料手続きに関する情報、保険契約に基づいて
設定された各種費用の出納手続きに関する情報を保持す
る。それらの情報は、保険料管理サーバー6の要求に応
じて、何時でも取出し可能である。
【0213】通信回線A15は、保険会社11と機械設
備ユーザー12とを接続する通信回線である。公衆回
線、インターネット回線あるいは専用回線などである。
また、無線による通信によって行なうことも可能であ
る。遠隔監視システム25及び保全評価システム1が、
設備運用システム3から運用に関する情報や保全に関す
る情報を通信する為に用いる。
【0214】通信インターフェースA24は、遠隔監視
システム25及び保全評価システム1が、設備運用シス
テム3と、通信回線Aを介して通信を行なう際に使用す
る、通信のためのインターフェースである。
【0215】次に、機械設備ユーザー局としての機械設
備ユーザー12について説明する。設備運用システム3
は、保全サーバー8、機械設備9、保全データベース1
0を具備する。そして、機械設備9の保全に関して管理
する他、保険の対象となる機械設備での運転状況の情報
を保持する。そして、その運転状況は、機械設備ユーザ
ー12に関連する然るべき設備により遠隔監視され、事
故や異常の発生あるいはその予兆に対して迅速に対処で
きる。
【0216】保全サーバー8は、保全評価システム1の
保全評価サーバー4と接続すると共に、機械設備9及び
保全データベース10と接続し、機械設備9の保全に関
する管理を行なう。それと共に、機械設備9の保全状況
に関する情報を機械設備9あるいは設備運用システム3
の外部から取得し、保全データベース10へ格納する。
そして、保険会社11の保全評価サーバー4の要求に従
って、保全状況に関する情報を定期的あるいは適宜送信
する。また、機械設備9が、保険会社11の要求に従っ
て、運用状況に関する情報を送信する際に、そのサポー
トを行なう。
【0217】機械設備9は、保全サーバー8に接続し、
ガスタービンや、ボイラ、発電機等の、機械設備ユーザ
ー12によって運用されている実際に稼動している機械
設備本体及び周辺機器である。本実施例では、ガスター
ビンである。そして、内部に機械設備9自身の運用状況
に関する情報を保持し、保険会社11の要求に従って、
その情報を保全サーバー8を介して送信する。
【0218】経理サーバー14、通信回線B16、通信
回線C17、通信回線D18、金融仲介局13は、実施
例2と同様であるので、説明を省略する。
【0219】では、本発明である機械設備保険料設定シ
ステムの第2の実施の形態の動作について、図5、図2
5、図13〜図16、図17、図27を用いて詳細に説
明する。本実施例においては、まず、最初の保険契約の
段階で、保険会社は、機械設備ユーザー12の機械設備
9(ガスタービン)のRBM法に基づく保全状況及び運
用状況による保険料の改定の契約を行なう。なお、最初
の時点での保険料は、基準となる基準保険料として従来
の方法による保険料Cを用いる。次に、ガスタービン
(機械設備9)の運用が開始されると、保険会社11
は、保険契約により運用情報取得期間毎に、ガスタービ
ンの運用状況の情報を取得して分析する。また、保全情
報取得期間毎に保全状況の情報を取得して分析する。そ
して、それらの結果に基づいて、保険料計算プロセスB
により、保険料Cを求める。だたし、運用情報取得期
間は、保全情報取得期間よりも長くても短くても良い
し、同じであっても良く、保険契約によって決定され
る。
【0220】この本発明により、機械設備ユーザー12
は、運用状況を過酷な運転をすることなく良好にし、か
つ、保全計画及びその実施を適切かつ効率的に行なうこ
とで、保険料が大幅に割り引かれる可能性があるため、
保険料の削減及びガスタービンの稼働率向上と長寿命化
につなげることが可能となる。また、保険会社11にと
っては、ガスタービンの故障率が大幅に低下する為、保
険金の支出を大幅に低下させることが可能となる。
【0221】図25、図5及び図17を参照して、本発
明の機械設備保険料設定システムの動作の内、保険料決
定のプロセスフローを説明する。ここで、保全情報取得
期間をT2とし、本実施例では、2年とする。また、運
用情報取得期間をT1とし、本実施例では1ヶ月とす
る。
【0222】まず、図17の開始(S201)の前の段
階において、保険会社11及び機械設備ユーザー12
は、本発明の機械設備保険料設定システムに関する保険
契約を行なっている。その中には、保険料の設定期間
(予め設定する保険料計算及び保険対象期間)、保険料
計算方法(前述の保険料計算プロセスB(1)〜(9)
など)、ガスタービンの稼働率予測値Aと保険料との関
係(図27に相当)、ガスタービンのRBM法を適用し
た保全計画策定及び保険会社11による保全情報の取
得、保険会社11によるガスタービンの運用情報の取
得、等の契約も含まれる。また、保険契約での保全情報
及び運用情報の取得に関する契約により、機械設備ユー
ザー12の設備運用システム3と、保険会社11の保全
評価システム1及び遠隔監視システム25とは、通信回
線A15により接続されている。そして、保全評価シス
テム1及び遠隔監視システム25は、その要求により、
設備運用システム3から上記情報を通信回線A15を介
して取得できるようになっている。この段階(最初の時
点)での保険料は、基準となる基準保険料として従来の
方法による保険料Cを用いる。
【0223】図17を参照して、ガスタービンの運用開
始後、運用情報取得期間T1(本実施例では、1ヶ月)
毎に、遠隔監視サーバー22は、ガスタービンから運用
状況に関するデータを取得する(図17、S202)。
運用状況に関するデータとは、ガスタービンにおける、
運用時の出力、発停回数、単位時間当たりの出力変化率
である。本実施例の場合には、1ヶ月分の情報を取得す
る。取得した情報は、機器情報データベース23に記憶
しておく。
【0224】次に、それらのデータに基づいて、遠隔監
視サーバー22は、前述の補正係数(Kp,Ks,K
r)を決定する(S203)。決定に当たっては、それ
ぞれ前述の(保守料及び)保険料計算プロセスBの
(1)、(2)、(3)のプロセスで行なう。なお、図
13〜図15に関するデータは、機器情報データベース
23内に保持されている。
【0225】遠隔監視サーバー22は、上述のように補
正係数(Kp,Ks,Kr)を算出し決定すると共に、
機器情報データベース23内に保持されているガスター
ビン固有の故障率λmc、使用経過年数補正係数Ky、
故障時の復旧時間Trを取得する(S203)。それら
の情報を、保全評価サーバー4へ出力する。なお、算出
した情報は、機器情報データベース23に記憶してお
く。
【0226】保全評価サーバー4は、ガスタービン固有
の故障率λmcを、保全状況に関する情報に基づいて、
λmに変換する(ただし、保全に関する情報が無い場合
にはλm=λmc)。得られたKp、Ks、Kr、λ
m、Kyに基づいて、前述の(保守料及び)保険料計算
プロセスB(4)の数6:λ=a・Ky・Kp・Ks・
Kr・λm により、ガスタービンの故障率λを算出す
る(S204)。
【0227】一方、故障が発生したとき修理等の為にガ
スタービンを停止しなければならない修繕時間Tは、前
述の(保守料及び)保険料計算プロセスB(5)の数
7:T=Td+Tr により算出される(S205)。
ただしTd:故障発生から検知に要する時間、Tr:故
障の復旧に要する時間である。ここで、Tdは、機器設
備ユーザー12によるガスタービンの遠隔監視により、
極めて短時間であるので、Trに対して無視できる。
【0228】次に、ガスタービンの翌月の稼働率の予測
値である稼働率予測値Aを、前述の(保守料及び)保険
料計算プロセスB(6)の数9:A=μ/(λ+μ)
により算出する(S206)。ただし、修復率μは、数
8:μ=1/T である。
【0229】最後に、保全評価サーバー4は、運用状況
に基づいた保険料Cの決定を行なう。前述のように算出
された稼働率予測値Aに基づいて損失額Dを、前述の
(保守料及び)保険料計算プロセスB(7)の数10:
D=Kg(1−A) により算出する。この値から、保
険料Cが算出される((保守料及び)保険料計算プロセ
スB(8)参照)。なお、図27に関するデータは、保
全評価情報データベース5内に保持されている。
【0230】ここで、運転開始から最初の保全情報取得
期間T2(本実施例では、2年間)経過後までは、保全
状況の情報が無い為、運転状況の情報のみに基づく保険
料Cを、正式の保険料として用いる(このときλm=λ
mc:補正無し)。すなわち、保全評価サーバー4は、
前記保険料Cを次回(翌月)の保険料として決定する
(S207)。そして、保険料計算のためのプロセスが
終了する(S208)。決定された次回の保険料は、保
険料支払指示として、保険料管理サーバー6へ出力す
る。
【0231】一方、最初の保全情報取得期間T2経過後
は、保全状況に関する情報も取得可能となるため、保険
料Cを算出する。すなわち、遠隔監視サーバー22か
ら出力された補正係数(Kp,Ks,Kr)、ガスター
ビン固有の故障率λm(補正済み)、使用経過年数補正
係数Ky、故障時の復旧時間Trに基づいて、保全情報
を反映させた保険料Cを算出する((保守料及び)保
険料計算プロセスB(9)参照)。そして、保全評価サ
ーバー4は、前記保険料Cを次回の保険料として決定
する(S207)。そして、保険料計算のためのプロセ
スが終了する(S208)。決定された次回の保険料
は、保険料支払指示として、保険料管理サーバー6へ出
力する。
【0232】保全状況の情報に基づく部分の保険料の改
定は、基本的に保全情報取得期間T2毎に行なう。すな
わち、保険料Cを算定するための事故率λmの改定は
T2毎に行なう。その間は、同じλmを用いるため、運
用状況の情報(補正係数Kp,Ks,Kr)により保険
料Cは変動する。
【0233】保険料管理サーバー6は、機械設備ユーザ
ー12の経理サーバー14へ、通信回線D18を介し
て、保険会社11と機械設備ユーザー12との契約に基
づいて設定された支払方法による翌月分の保険料支払依
頼通知を送付する。この支払に関わるプロセス及び関連
事項は、実施例2と同様であるので省略する。
【0234】以上の動作を保険契約により予め設定され
た期間(運用情報取得期間T1及び保全情報取得期間T
2)毎に行ない、機械設備ユーザー12は保険会社に保
険料を支払うようにする。この保険料の支払は、保険契
約に基づいた保険期間内において継続して行なう。ただ
し、契約等により、期間について変更することは可能で
ある。
【0235】以上の本発明の動作により、保険会社11
及び機械設備ユーザー12双方にとって利益のある保険
料の設定が可能となる。すなわち、機械設備ユーザー1
2は、機械設備9(ガスタービン)について過酷な運用
を行なわず、かつ、RBM法に基づく適切な保全計画の
策定とその実施得を行なえば、機械設備9の故障が減少
し、稼働率は向上し、保険料も減少する可能性があり、
機械設備9の運用に関わる費用や保険料支出の減少とい
うコストメリットがある。加えて、機械設備9の故障の
発生が非常に低くなることに伴い、保険会社11は、保
険金の支払の発生確率を大幅に低減する事が可能とな
り、保険事業をより健全に遂行できる。
【0236】本実施例では、運用時の出力、発停回数、
単位時間当たりの出力変化率に関わる3種類の補正係数
(Kp.Ks,Kr)を全て使用している。しかし、そ
れらの値を全て使用しない場合でも、3種類のうちの少
なくとも1種類の値を使用すれば、本実施例と同様に行
なうことが出来る。例えば、機械設備9の種類によって
は、発停回数が他の場合よりも故障率λに対して非常に
強い影響をもらすことが判明している場合には、Kp、
Krを用いず(又は、Kp=Kr=1)として、故障率
λを計算し、使用することも可能である。出力、出力変
動率についても同様である。
【0237】また、本実施例において、機械設備9の運
用状況を計測するために、出力、発停回数、出力変動率
を参照しているが、これは、ガスタービンを例にしてい
るからである。機械設備9の種類に応じて、他の適切な
パラメーターを利用することにより、機械設備9の故障
率をより正確に把握することが可能である。例えば、化
学反応装置であれば、運転温度やその変化率、運転圧力
やその変化率、シャットダウン回数等である。その機械
設備の運用状況を示す各種パラメーターの中で、故障の
発生に大きく影響があるものを選択することが重要な点
である。
【0238】また、本実施例において、保険料に関する
手続きは、保険料管理サーバー6が行なっている。これ
は保険会社11における保険料関連の手続きを行なう部
門が、遠隔監視システム25及び保全評価システム1を
管理する部門と別であることを想定しているためであ
る。しかし、保険会社11内の事情により、遠隔監視サ
ーバー22、保全評価サーバー4、保険料管理サーバー
6の3つのサーバーが、2つ又は1つに統合されていて
も本発明を実施することは可能である。それに伴い、機
器情報データベース23、保全評価情報データベース
5、保険情報データベース7も、サーバーの状況に合わ
せて、必要に応じて適切に統合を行なえば良い。その場
合には、サーバーの節約によるコストのメリットがあ
る。
【0239】また、本実施例における金融仲介局13の
役割を保険会社11が行なうことも可能である。その場
合、例えば、保険管理システム2が、金融仲介局13の
機能を併せ持つようにすれば良い。金融仲介局13を介
在させないで、保険料管理サーバー6及び経理サーバー
14を通信回線で直結させる。そして、保険会社11
が、機械設備ユーザー12の資金を預かり、資金運用を
行ないながら、必要に応じて保険料を引き出すようにす
る。この場合には、金融仲介局等に対する手数料の支払
が発生せず、双方のコスト削減につながる。
【0240】更に、図25の状態において、遠隔監視シ
ステム25による機械設備9の運用状況に関する情報の
取得は、保険会社11に属しているが、図26に示すよ
うに、別の機器設備の遠隔監視を行なう会社である管理
担当会社21に委託することも可能である。例えば、機
械設備9のメーカーが遠隔監視を行なっていれば、メー
カー、保険会社11、機械設備ユーザー12の三者間契
約等により、メーカーの遠隔監視を行なう部門が、図2
6における管理担当会社21となる。すなわち、メーカ
ーに、機械設備9の運用状況に関する情報収集及び保険
料支払計算の一部に関わる業務を委託することで、保険
会社11は、遠隔監視システム25を所有する必要が無
くなり、コスト削減につながる。その場合において、遠
隔監視システム25では、機械設備9の運用状況に関す
る情報収集のみを行なわせ、その情報に基づく保険料支
払計算に関わる業務は保険会社11の保全評価システム
1に行なわせることにすることも可能である。
【0241】更に、本実施例において、保険管理システ
ム2は、保険会社11に属しているが、金融仲介局13
に属していても良い。すなわち、金融仲介局13に、保
険料支払に関わる業務を委託することで、保険会社11
は、保険管理システム2を所有する必要が無くなり、コ
スト削減につながる。
【0242】その場合には、保険会社11では、遠隔監
視システム25が機器設備3の運用状況に関する運用情
報を取得し、保全評価システム1が保全状況に関する情
報を取得し、その運用状況と保全状況と保険契約とか
ら、前述の実施例中の方法により保険料を決定する。そ
して、保険料支払指示を、金融仲介局13の保険管理シ
ステムへ出力する。金融仲介局13の保険管理システム
2は、保険料支払指示に基づき、口座振替や電子商取引
等の手法により保険料を機械設備ユーザー12(又はそ
の口座)から取得し、保険会社11(又はその口座)へ
送金する。
【0243】また、本実施例において、使用している各
係数(Kp,Ks、Kr,λm、Tr,Kg)の値は、
機械設備9の種類や大きさ、その月の使用状態等により
原則的に予め設定される値であり、機器情報データベー
ス5内に保持されている。それらの値は、過去の運用状
況や保全状況に基づいて、変化させる事も可能である。
そのようにする事により、保険料の値が、より機械設備
9の運用状況に合った形となり、機械設備ユーザー12
が、良好な運用を心がけるより強力なインセンティブと
なり、機械設備ユーザー12の保険料及び保険会社11
の保険金の削減効果を、より大きくすることが可能とな
る。
【0244】本発明において、保全状況に関する情報
は、保険料計算プロセスA及びBにおいて、故障率λm
に反映されている。しかし、保険料を計算した後に、保
全状況に関する情報に基づき、割引を行なうという方法
を取ることも可能である。すなわち、保険料の変更に関
する情報として、保険料の割引率を用いることとする。
例えば、保全状況が良好な場合には、その度合いに応じ
て保険料を10%、20%、30%割り引く、というよ
うにする。それにより、上述のような保険会社及び機械
設備ユーザー双方に利益が得られる。
【0245】また、本発明の各実施例の説明の中で、運
用状況及び保全状況が良好な場合には保険料が低下する
としている(図21及び図27)。しかし、運用状況及
び保全状況が好ましい状態ではない場合、通常の保険料
に比較して高い金額を支払わねばならなくなる可能性が
当然にあることも、本発明である機械設備保険料設定シ
ステムの内容の一つである。運用状況及び保全状況が好
ましい状態ではない場合、機械設備ユーザーは、一種の
ペナルティーを科せられると考えても良い。すなわち、
運用状況が悪ければ、保険料計算での補正係数(Kp、
Ks、Kr)が1.0を超えるので、損失額が増え保険
料も増加する。また、保全状況が悪ければ、保険料計算
での故障率λmが増加するので、損失額が増え保険料も
増加する。
【0246】
【発明の効果】本発明により、機械設備ユーザーは、機
械設備の保全方法次第で保守料及び保険料の支払を削減
することが可能となり、メーカーは保守費の支払いの可
能性を低減することでき、保険会社も保険金支払の可能
性を低減することができ、機械設備ユーザーとメーカー
及び保険会社との双方に利益をもたらすことが可能とな
る。
【0247】また、本発明により、機械設備の保全状況
又は運用状況を正確に反映した、精度の高い保守料及び
保険料の設定を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の機械設備保守料設定システムの第一の
実施の形態を示す構成図である。
【図2】本発明の機械設備保守料設定システムの第一の
実施の形態における損失額と保守料設定との関係を示す
グラフである。
【図3】本発明の機械設備保守料設定システム及び機械
設備保険料設定システムに関わるリスクベースアセスメ
ントの効果を説明する図である。
【図4】本発明の機械設備保守料設定システム及び機械
設備保険料設定システムに関わるリスクベースアセスメ
ントの方法を説明する図である。
【図5】本発明の機械設備保守料設定システム及び機械
設備保険料設定システムの実施の形態の動作に関わるフ
ロー図である。
【図6】機械設備の出力と故障発生率との関係を示すグ
ラフである。
【図7】機械設備の発停回数と故障発生率との関係を示
すグラフである。
【図8】機械設備の出力変化率と故障発生率との関係を
示すグラフである。
【図9】本発明の機械設備保守料設定システムの第一の
実施の形態を示す他の構成図である。
【図10】本発明の機械設備保守料設定システムの第一
の実施の形態を示す更に他の構成図である。
【図11】本発明の機械設備保守料設定システムの第一
の実施の形態を示す別の構成図である。
【図12】本発明の機械設備保守料設定システムの第二
の実施の形態を示す構成図である。
【図13】本発明の機械設備保守料設定システム及び機
械設備保険料設定システムに関わる補正係数と出力との
関係を示すグラフである。
【図14】本発明の機械設備保守料設定システム及び機
械設備保険料設定システムに関わる補正係数と発停回数
との関係を示すグラフである。
【図15】本発明の機械設備保守料設定システム及び機
械設備保険料設定システムに関わる補正係数と出力変化
率との関係を示すグラフである。
【図16】本発明の機械設備保守料設定システム及び機
械設備保険料設定システムに関わる補正係数と使用経過
年数との関係を示すグラフである。
【図17】本発明の本発明の機械設備保守料設定システ
ム及び機械設備保険料設定システムに関わる他の実施の
形態の動作に関わるフロー図である。
【図18】本発明の機械設備保守料設定システムの第二
の実施の形態を示す他の構成図である。
【図19】本発明の機械設備保守料設定システムの第二
の実施の形態における損失額と保守料設定との関係を示
すグラフである。
【図20】本発明の機械設備保険料設定システムの第一
の実施の形態を示す構成図である。
【図21】本発明の機械設備保険料設定システムの第一
の実施の形態における損失額と保険料設定との関係を示
すグラフである。
【図22】本発明の機械設備保険料設定システムの第一
の実施の形態を示す他の構成図である。
【図23】本発明の機械設備保険料設定システムの第一
の実施の形態を示す更に他の構成図である。
【図24】本発明の機械設備保険料設定システムの第一
の実施の形態を示す別の構成図である。
【図25】本発明の機械設備保険料設定システムの第二
の実施の形態を示す構成図である。
【図26】本発明の機械設備保険料設定システムの第二
の実施の形態を示す他の構成図である。
【図27】本発明の機械設備保険料設定システムにおけ
る損失額と保険料設定との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 保全評価システム 2 保険管理システム 3 設備運用システム 4 保全評価サーバー 5 保全評価情報データベース 6 保険料管理サーバー 7 保険情報データベース 8 保全サーバー 9 機械設備 10 保全データベース 11 保険会社 12 機械設備ユーザー 13 金融仲介局 14 経理サーバー 15 通信回線A 16 通信回線B 17 通信回線C 18 通信回線D 19 通信回線E 20 通信回線F 21 管理担当会社 22 遠隔監視サーバー 23 機器情報データベース 24 通信インターフェースA 25 遠隔監視システム 26 通信回線G 27 通信回線H 28 メーカー 29 通信回線I 30 通信回線J 31 通信回線K 32 通信回線L 33 保全評価システムB 34 費用管理システム 35 保全評価サーバーB 36 保全評価情報データベースB 37 費用管理サーバー 38 費用情報データベース 39 管理担当会社 40 通信回線M 41 通信回線N 42 通信インターフェースB 43 通信回線O 44 通信回線P
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G06F 17/60 306 G06F 17/60 306 406 406

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】機械設備を有する設備運用システムと、経
    理サーバーとを備える機械設備ユーザー局と、 保全評価システムと、費用管理サーバーとを備えるメー
    カー局と、 金融仲介局と、 を具備し、 前記保全評価システムが、前記機械設備ユーザー局と前
    記メーカー局との間の前期機械設備に関する保守契約に
    基づいて、通信回線を通じて前記設備運用システムから
    前記機械設備に関する保全情報を取得し、前記保守契約
    と前記保全情報とに基づいて保守料を決定し、前記費用
    管理サーバーへ次回保守料支払指示を出力し、 前記費用管理サーバーが、前記次回保守料支払指示に基
    づいて、通信回線を通じて、前記経理サーバーへ前記次
    回保守料の通知を行ない、 前記経理サーバーが、前記通知に応答して、前記金融仲
    介局において、前記メーカー局の口座へ前記次回保守料
    を振り込む、 機械設備保守料設定システム。
  2. 【請求項2】機械設備を有する設備運用システムと、経
    理サーバーとを備える機械設備ユーザー局と、 遠隔監視システムと、保全評価システムと、費用管理サ
    ーバーとを備えるメーカー局と、 金融仲介局と、 を具備し、 前記遠隔監視システムが、前記機械設備ユーザー局と前
    記メーカー局との間の前期機械設備に関する保守険契約
    に基づいて、通信回線を通じて前記機械設備から前記機
    械設備の運用状況に関する運用情報を取得し、 前記保全評価システムが、前記保守契約に基づいて、通
    信回線を通じて前記設備運用システムから前記機械設備
    に関する保全情報を取得し、前記保守契約と前記運用情
    報と前記保全情報とに基づいて保守料を決定し、前記費
    用管理サーバーへ次回保守料支払指示を出力し、 前記費用管理サーバーが、前記次回保守料支払指示に基
    づいて、通信回線を通じて、前記経理サーバーへ前記次
    回保守料の通知を行ない、 前記経理サーバーが、前記通知に応答して、前記金融仲
    介局において、前記メーカー局の口座へ前記次回保守料
    を振り込む、 機械設備保守料設定システム。
  3. 【請求項3】前記保全評価システムは、 前記設備運用システムから前記保全情報を取得する保全
    評価サーバーと、 前記保全情報及び前記保守契約に基づき予め設定された
    前記保守料の変更に関する情報を保持する保全評価情報
    データベースと、 を具備し、 前記保全評価サーバーは、前記保全評価情報データベー
    スが保持する前記保全情報と前記変更に関する情報とに
    基づいて前記保守料を決定し、前記次回保守料支払指示
    を前記費用管理サーバーへ出力する、 請求項1に記載の機械設備保守料設定システム。
  4. 【請求項4】前記保全情報は、 リスクベースメインテナンス法に基づいて得られる前記
    機械設備の保全に関わる情報である、 請求項1又は3に記載の機械設備保守料設定システム。
  5. 【請求項5】前記遠隔監視システムは、 前記機械設備から前記運用情報を取得する遠隔監視サー
    バーと、 前記運用情報及び前記保守契約に基づき予め設定された
    前記機械設備の運用条件に関する補正係数情報を保持す
    る機器情報データベースと、 を具備し、 前記保全評価システムは、 前記設備運用システムから前記保全情報を取得する保全
    評価サーバーと、 前記保全情報及び前記保守険契約に基づき予め設定され
    た前記保守料の変更に関する情報を保持する保全評価情
    報データベースと、 を具備し、 前記遠隔監視サーバーは、前記機器情報データベースが
    保持する前記運用情報と前記補正係数情報とに基づいて
    補正係数を決定し、前記補正係数と前記運用情報の一部
    とを前記保全評価サーバーへ出力し、 前記保全評価サーバーは、前記保全評価情報データベー
    スが保持する前記保全情報と前記変更に関する情報と前
    記補正係数と前記運用情報の一部に基づいて前記保守料
    を決定し、前記次回保守料支払指示を前記費用管理サー
    バーへ出力する、 請求項2に記載の機械設備保守料設定システム。
  6. 【請求項6】前記運用条件は、 前記機械設備の出力、発停回数、出力変動率の内の少な
    くとも一つに基づいて設定され、 前記保全情報は、 リスクベースメインテナンス法に基づいて得られる前記
    機械設備の保全に関わる情報である、 請求項5に記載の機械設備保守料設定システム。
  7. 【請求項7】前記遠隔監視システムが前記保全評価シス
    テムに含まれている、 請求項2、請求項5及び請求項6のいずれか一項に記載
    の機械設備保守料設定システム。
  8. 【請求項8】前記費用管理サーバーが前記保全評価シス
    テムに含まれている、 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の機械設備保守料
    設定システム。
  9. 【請求項9】機械設備を有する設備運用システムと、経
    理サーバーとを備える機械設備ユーザー局と、 保全評価システムと、保険料管理サーバーとを備える保
    険会社局と、 金融仲介局と、 を具備し、 前記保全評価システムが、前記機械設備ユーザー局と前
    記保険会社局との間の前期機械設備に関する保険契約に
    基づいて、通信回線を通じて前記設備運用システムから
    前記機械設備に関する保全情報を取得し、前記保険契約
    と前記保全情報とに基づいて保険料を決定し、前記保険
    料管理サーバーへ次回保険料支払指示を出力し、 前記保険料管理サーバーが、前記次回保険料支払指示に
    基づいて、通信回線を通じて、前記経理サーバーへ前記
    次回保険料の通知を行ない、 前記経理サーバーが、前記通知に応答して、前記金融仲
    介局において、前記保険会社局の口座へ前記次回保険料
    を振り込む、 機械設備保険料設定システム。
  10. 【請求項10】機械設備を有する設備運用システムと、
    経理サーバーとを備える機械設備ユーザー局と、 遠隔監視システムと、保全評価システムと、保険料管理
    サーバーとを備える保険会社局と、 金融仲介局と、 を具備し、 前記遠隔監視システムが、前記機械設備ユーザー局と前
    記保険会社局との間の前期機械設備に関する保険契約に
    基づいて、通信回線を通じて前記機械設備から前記機械
    設備の運用状況に関する運用情報を取得し、 前記保全評価システムが、前記保険契約に基づいて、通
    信回線を通じて前記設備運用システムから前記機械設備
    に関する保全情報を取得し、前記保険契約と前記運用情
    報と前記保全情報とに基づいて保険料を決定し、前記保
    険料管理サーバーへ次回保険料支払指示を出力し、 前記保険料管理サーバーが、前記次回保険料支払指示に
    基づいて、通信回線を通じて、前記経理サーバーへ前記
    次回保険料の通知を行ない、 前記経理サーバーが、前記通知に応答して、前記金融仲
    介局において、前記保険会社局の口座へ前記次回保険料
    を振り込む、 機械設備保険料設定システム。
  11. 【請求項11】前記保全評価システムは、 前記設備運用システムから前記保全情報を取得する保全
    評価サーバーと、 前記保全情報及び前記保険契約に基づき予め設定された
    前記保険料の変更に関する情報を保持する保全評価情報
    データベースと、 を具備し、 前記保全評価サーバーは、前記保全評価情報データベー
    スが保持する前記保全情報と前記変更に関する情報とに
    基づいて前記保険料を決定し、前記次回保険料支払指示
    を前記保険料管理サーバーへ出力する、 請求項9に記載の機械設備保険料設定システム。
  12. 【請求項12】前記保全情報は、 リスクベースメインテナンス法に基づいて得られる前記
    機械設備の保全に関わる情報である、 請求項9又は11に記載の機械設備保険料設定システ
    ム。
  13. 【請求項13】前記遠隔監視システムは、 前記機械設備から前記運用情報を取得する遠隔監視サー
    バーと、 前記運用情報及び前記保険契約に基づき予め設定された
    前記機械設備の運用条件に関する補正係数情報を保持す
    る機器情報データベースと、 を具備し、 前記保全評価システムは、 前記設備運用システムから前記保全情報を取得する保全
    評価サーバーと、 前記保全情報及び前記保険契約に基づき予め設定された
    前記保険料の変更に関する情報を保持する保全評価情報
    データベースと、 を具備し、 前記遠隔監視サーバーは、前記機器情報データベースが
    保持する前記運用情報と前記補正係数情報とに基づいて
    補正係数を決定し、前記補正係数と前記運用情報の一部
    とを前記保全評価サーバーへ出力し、 前記保全評価サーバーは、前記保全評価情報データベー
    スが保持する前記保全情報と前記変更に関する情報と前
    記補正係数と前記運用情報の一部に基づいて前記保険料
    を決定し、前記次回保険料支払指示を前記保険料管理サ
    ーバーへ出力する、 請求項10に記載の機械設備保険料設定システム。
  14. 【請求項14】前記運用条件は、 前記機械設備の出力、発停回数、出力変動率の内の少な
    くとも一つに基づいて設定され、 前記保全情報は、 リスクベースメインテナンス法に基づいて得られる前記
    機械設備の保全に関わる情報である、 請求項13に記載の機械設備保険料設定システム。
  15. 【請求項15】前記遠隔監視システムが前記保全評価シ
    ステムに含まれている、 請求項10、請求項13及び請求項14のいずれか一項
    に記載の機械設備保険料設定システム。
  16. 【請求項16】前記保険料管理サーバーが前記保全評価
    システムに含まれている、 請求項9乃至15のいずれか一項に記載の機械設備保険
    料設定システム。
  17. 【請求項17】機械設備ユーザー局とメーカー局との間
    の機械設備に関する保守契約に基づいて、前記機械設備
    ユーザー局が、通信回線を通じて、金融仲介局におい
    て、前記メーカー局に保守料を支払うステップと、 前記メーカー局が、前記保守契約に基づいて、通信回線
    を通じて前記機械設備ユーザー局から前記機械設備の保
    全状況に関する保全情報を取得するステップと、 前記メーカー局が、前記保守契約と前記保全情報とに基
    づいて保守料を決定し、次回保守料支払指示を出力する
    ステップと、 前記メーカー局が、前記次回保守料指示に基づいて、通
    信回線を通じて、前記機械設備ユーザー局へ前記次回保
    守料の通知を行なうステップと、 前記機械設備ユーザー局が、前記通知に応答して、通信
    回線を通じて、前記金融仲介局において、前記メーカー
    局の口座へ前記次回保守料を振り込むステップと、 を具備する機械設備保守料設定方法。
  18. 【請求項18】機械設備ユーザー局とメーカー局との間
    の機械設備に関する保守契約に基づいて、前記機械設備
    ユーザー局が、通信回線を通じて、金融仲介局におい
    て、前記メーカー局に保守料を支払うステップと、 前記メーカー局が、前保守契約に基づいて、通信回線を
    通じて前記機械設備ユーザー局から前記機械設備の運用
    状況に関する運用情報を取得するステップと、 前記メーカー局が、前記保守契約に基づいて、通信回線
    を通じて前記機械設備ユーザー局から前記機械設備の保
    全状況に関する保全情報を取得するステップと、 前記メーカー局が、前記保守契約と前記運用情報と前記
    保全情報とに基づいて保守料を決定し、次回保守料支払
    指示を出力するステップと、 前記メーカー局が、前記次回保守料指示に基づいて、通
    信回線を通じて、前記機械設備ユーザー局へ前記次回保
    守料の通知を行なうステップと、 前記機械設備ユーザー局が、前記通知に応答して、通信
    回線を通じて、前記金融仲介局において、前記メーカー
    局の口座へ前記次回保守料を振り込むステップと、 を具備する機械設備保守料設定方法。
  19. 【請求項19】機械設備ユーザー局と保険会社局との間
    の機械設備に関する保険契約に基づいて、前記機械設備
    ユーザー局が、通信回線を通じて、金融仲介局におい
    て、前記保険会社局に保険料を支払うステップと、 前記保険会社局が、前記保険契約に基づいて、通信回線
    を通じて前記機械設備ユーザー局から前記機械設備の保
    全状況に関する保全情報を取得するステップと、 前記保険会社局が、前記保険契約と前記保全情報とに基
    づいて保険料を決定し、次回保険料支払指示を出力する
    ステップと、 前記保険会社局が、前記次回保険料指示に基づいて、通
    信回線を通じて、前記機械設備ユーザー局へ前記次回保
    険料の通知を行なうステップと、 前記機械設備ユーザー局が、前記通知に応答して、通信
    回線を通じて、前記金融仲介局において、前記保険会社
    局の口座へ前記次回保険料を振り込むステップと、 を具備する機械設備保険料設定方法。
  20. 【請求項20】機械設備ユーザー局と保険会社局との間
    の機械設備に関する保険契約に基づいて、前記機械設備
    ユーザー局が、通信回線を通じて、金融仲介局におい
    て、前記保険会社局に保険料を支払うステップと、 前記保険会社局が、前記保険契約に基づいて、通信回線
    を通じて前記機械設備ユーザー局から前記機械設備の運
    用状況に関する運用情報を取得するステップと、 前記保険会社局が、前記保険契約に基づいて、通信回線
    を通じて前記機械設備ユーザー局から前記機械設備の保
    全状況に関する保全情報を取得するステップと、 前記保険会社局が、前記保険契約と前記運用情報と前記
    保全情報とに基づいて保険料を決定し、次回保険料支払
    指示を出力するステップと、 前記保険会社局が、前記次回保険料指示に基づいて、通
    信回線を通じて、前記機械設備ユーザー局へ前記次回保
    険料の通知を行なうステップと、 前記機械設備ユーザー局が、前記通知に応答して、通信
    回線を通じて、前記金融仲介局において、前記保険会社
    局の口座へ前記次回保険料を振り込むステップと、 を具備する機械設備保険料設定方法。
  21. 【請求項21】機械設備ユーザー局とメーカー局との機
    械設備に関する保守契約に基づいて、前記機械設備ユー
    ザー局からの保守料の入金を確認するステップと、 前記機械設備の保全状況に関する保全情報と前記保守契
    約とに基づいて発生される次回保守料支払指示に応答し
    て、通信回線を通じて、前記機械設備ユーザー局へ前記
    次回保守料の通知を行なうステップと、 を実行するためのプログラム。
  22. 【請求項22】機械設備ユーザー局とメーカー局との機
    械設備に関する保守契約に基づいて、前記機械設備ユー
    ザー局からの保守料の入金を確認するステップと、 前記機械設備の運用状況に関する運用情報と保全情報に
    関する保全情報と前記保守契約とに基づいて発生される
    次回保守料支払指示に応答して、通信回線を通じて、前
    記機械設備ユーザー局へ前記次回保守料の通知を行なう
    ステップと、 を実行するためのプログラム。
  23. 【請求項23】機械設備ユーザー局と保険会社局との機
    械設備に関する保険契約に基づいて、前記機械設備ユー
    ザー局からの保険料の入金を確認するステップと、 前記機械設備の保全状況に関する保全情報と前記保険契
    約とに基づいて発生される次回保険料支払指示に応答し
    て、通信回線を通じて、前記機械設備ユーザー局へ前記
    次回保険料の通知を行なうステップと、 を実行するためのプログラム。
  24. 【請求項24】機械設備ユーザー局と保険会社局との機
    械設備に関する保険契約に基づいて、前記機械設備ユー
    ザー局からの保険料の入金を確認するステップと、 前記機械設備の運用状況に関する運用情報と保全情報に
    関する保全情報と前記保険契約とに基づいて発生される
    次回保険料支払指示に応答して、通信回線を通じて、前
    記機械設備ユーザー局へ前記次回保険料の通知を行なう
    ステップと、 を実行するためのプログラム。
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