JP2002288295A - 流通在庫シミュレーション装置、記録媒体、及びプログラム - Google Patents

流通在庫シミュレーション装置、記録媒体、及びプログラム

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JP2002288295A
JP2002288295A JP2001090272A JP2001090272A JP2002288295A JP 2002288295 A JP2002288295 A JP 2002288295A JP 2001090272 A JP2001090272 A JP 2001090272A JP 2001090272 A JP2001090272 A JP 2001090272A JP 2002288295 A JP2002288295 A JP 2002288295A
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simulation
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JP2001090272A
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English (en)
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Masamichi Someno
正道 染野
Sadamu Nakayama
定 中山
Koichi Yokota
耕一 横田
Yoshihiro Kuwasawa
嘉宏 桑澤
Norio Hori
宣男 堀
Katsuya Mimuro
克哉 三室
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIGICUBE CO Ltd
Nomura Research Institute Ltd
Original Assignee
DIGICUBE CO Ltd
Nomura Research Institute Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の課題は、販売条件を任意に設定する
ことで適正在庫を求めることが可能な流通在庫シミュレ
ーション装置、そのシミュレーションプログラムを記憶
する記録媒体、及びそのプログラムを提供することであ
る。 【解決手段】 CPU2は、記憶装置8内に記憶された
流通在庫シミュレーションプログラムに基づいて、UI
モジュールAに基づく処理として、後述する過去の商品
データ蓄積処理、及び過去商品の分析処理を実行し、コ
アモジュールCに基づく処理として、販売予定商品の流
通在庫シミュレーション処理を実行する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、販売前商品の流通
在庫をシミュレーションする流通在庫シミュレーション
装置、そのシミュレーションプログラムを記録する記録
媒体、及びそのプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ゲーム、ビデオやCD等のパッケ
ージ商品は、例えば、全国に展開するコンビニエンスス
トア等の販売店網を通じて販売されている。このような
販売店網にパッケージ商品を供給する供給者にとって
は、各販売店の販売状況と在庫状況を常に把握して、欠
品が発生しないようにして販売機会を失わないように管
理することが重要な日常業務である。
【0003】また、供給者にとっては、各販売店の過去
のパッケージ商品の売上実績を把握して、売れ残りが発
生しないように各販売店の適正な在庫数を管理すること
も重要な日常業務である。供給者は、例えば、各販売店
から定期的(例えば、毎日)に送信されるパッケージ商
品毎の販売データを一週間単位で集計し、その販売実績
に基づいて各販売店をランキングして、各販売店の適正
在庫数を設定していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の供給者におけるパッケージ商品の在庫管理業
務にあっては、各販売店から定期的(例えば、毎日)に
送信されるパッケージ商品毎の販売データを一週間単位
で集計し、その販売実績に基づいて各販売店をランキン
グして、各販売店の適正在庫数を設定していたため、人
手に頼る作業が多くシステムの運用コストが高くなると
いう問題があった。
【0005】また、各販売店への商品配送数と在庫数
は、過去の販売実績に基づいて担当者により決定される
ため、配品数や流通在庫数の設定ミスが起こり易いとい
う問題もあった。このため、店毎に欠品や在庫過剰が発
生して販売機会損失を招く原因となっていた。
【0006】本発明の課題は、販売条件を任意に設定す
ることで適正在庫を求めることが可能な流通在庫シミュ
レーション装置、そのシミュレーションプログラムを記
憶する記録媒体、及びそのプログラムを提供することで
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1記載の発明の流通在庫シミュレーション装
置(例えば、図1の流通在庫シミュレーション装置1)
は、過去に販売した商品別に流通実績情報を記憶する流
通実績記憶手段(例えば、図1の記憶装置8、図5の商
品データ蓄積処理)と、この流通実績記憶手段から過去
の流通実績情報を選択するとともに、販売前商品の流通
在庫業務に関わる各種情報を設定する設定手段(例え
ば、図1のCPU2)と、前記選択された過去の流通実
績情報及び前記設定された流通在庫業務に関わる各種情
報に基づいて販売前商品の流通在庫シミュレーションを
実行するシミュレーション手段(例えば、図1のCPU
2)と、を備えたことを特徴としている。
【0008】この請求項1記載の発明の流通在庫シミュ
レーション装置によれば、過去に販売した商品別に流通
実績情報を記憶する流通実績記憶手段と、この流通実績
記憶手段から過去の流通実績情報を選択するとともに、
販売前商品の流通在庫業務に関わる各種情報を設定する
設定手段と、前記選択された過去の流通実績情報及び前
記設定された流通在庫業務に関わる各種情報に基づいて
販売前商品の流通在庫シミュレーションを実行するシミ
ュレーション手段と、を備えたため、販売前商品の流通
在庫シミュレーションを容易に実行でき、流通在庫業務
の作業効率と信頼性を向上できる。
【0009】請求項2記載の発明の流通在庫シミュレー
ション装置(例えば、図1の流通在庫シミュレーション
装置1)は、過去に販売した商品別に日別販売パター
ン、店別販売構成等の流通実績情報を記憶する流通実績
記憶手段(例えば、図1の記憶装置8、図5の商品デー
タ蓄積処理)と、この流通実績記憶手段から過去の日別
販売パターンと店別販売構成とを選択するとともに、販
売前商品の需要予測数に基づいて店別適正在庫を設定す
る設定手段(例えば、図1のCPU2、図7の販売パ
ターンの選択、及び適正在庫の設定)と、前記選択さ
れた過去の日別販売パターン、店別販売構成、及び前記
設定された店別適正在庫に基づいて前記販売前商品の流
通在庫シミュレーションを実行して、初回納品数を算出
する初回納品数算出手段(例えば、図1のCPU2、図
7のシミュレーション実行)と、この初回納品数算出
手段により算出された初回納品数に基づいて、前記設定
された店別適正在庫を検証する適正在庫検証手段(例え
ば、図1のCPU2、図7の結果の検証)と、前記適
正在庫の検証結果に基づいて前記販売前商品の販売シミ
ュレーションを実行して総販売数を算出する総販売数算
出手段(例えば、図1のCPU2、図7の結果の検
証)と、この総販売数算出手段により算出された総販売
数に基づいて初回発注数を算出する初回発注数算出手段
(例えば、図1のCPU2、図7の初回発注数の決
定)と、を備えたことを特徴としている。
【0010】この請求項2記載の発明の流通在庫シミュ
レーション装置によれば、過去に販売した商品別に日別
販売パターン、店別販売構成等の流通実績情報を記憶す
る流通実績記憶手段と、この流通実績記憶手段から過去
の日別販売パターンと店別販売構成とを選択するととも
に、販売前商品の需要予測数に基づいて店別適正在庫を
設定する設定手段と、前記選択された過去の日別販売パ
ターン、店別販売構成、及び前記設定された店別適正在
庫に基づいて前記販売前商品の流通在庫シミュレーショ
ンを実行して、初回納品数を算出する初回納品数算出手
段と、この初回納品数算出手段により算出された初回納
品数に基づいて、前記設定された店別適正在庫を検証す
る適正在庫検証手段と、前記適正在庫の検証結果に基づ
いて前記販売前商品の販売シミュレーションを実行して
総販売数を算出する総販売数算出手段と、この総販売数
算出手段により算出された総販売数に基づいて初回発注
数を算出する初回発注数算出手段と、を備えたため、販
売前商品の流通在庫シミュレーションを容易に実行で
き、過去に販売した商品の流通実績に基づいた初回発注
数及び初回納品数を予測検証でき、流通在庫業務の作業
効率と信頼性を向上できる。
【0011】また、請求項3に記載する発明のように、
請求項2記載の流通在庫シミュレーション装置におい
て、前記設定手段は、前記販売前商品の需要予測数に基
づいて前記流通実績記憶手段に記憶された類似商品の日
別販売パターンと店別販売構成とを選択することが有効
である。
【0012】この請求項3記載の発明の流通在庫シミュ
レーション装置によれば、前記設定手段は、前記販売前
商品の需要予測数に基づいて前記流通実績記憶手段に記
憶された類似商品の日別販売パターンと店別販売構成と
を選択することにより、過去に販売した類似商品の流通
実績に基づいた初回発注数及び初回納品数を予測検証で
き、作業者による設定ミスの発生を低減でき、シミュレ
ーションの信頼性を更に向上できる。
【0013】また、請求項4に記載する発明のように、
請求項2記載の流通在庫シミュレーション装置におい
て、前記適正在庫検証手段の検証結果に基づいて前記店
別適正在庫を補正する適正在庫補正手段(例えば、図1
のCPU2、図10の適正在庫の設定及び結果の検
証)を更に備えることが有効である。
【0014】この請求項4記載の発明の流通在庫シミュ
レーション装置によれば、前記適正在庫検証手段の検証
結果に基づいて前記店別適正在庫を補正する適正在庫補
正手段を更に備えることにより、商品販売後も店別適正
在庫を容易に補正できると共に、商品販売後も流通在庫
業務の効率化を図ることができ、販売機会損失の発生を
低減できる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図を参照して本発明の実施
の形態を詳細に説明する。図1〜図10は、本発明を適
用した流通在庫シミュレーション装置の一実施の形態を
示す図である。まず、構成を説明する。図1は、本実施
の形態における流通在庫シミュレーション装置1のシス
テム構成を示す図であり、流通在庫シミュレーション装
置1は、CPU2、入力部3、RAM4、通信制御部
5、表示部6、印刷部7、記憶部8、及び記録媒体9に
より構成され、記録媒体9を除く各部はバス10に接続
される。
【0016】まず、本流通在庫シミュレーション装置1
が実現する流通在庫シミュレーション機能の論理構造を
図2に示す。流通在庫シミュレーション装置1は、論理
的にUIモジュールA、モデルモジュールB、及びコア
モジュールCにより構成される。各モジュール間は、イ
ンターフェイス経由で通信するため、各モジュールは独
立的に変更可能である。
【0017】UI(User Interface )モジュールA
は、大別して下記の3つの機能を有する。 A−1:過去商品データ蓄積機能 過去に販売した(以下、過去商品という)の販売実績デ
ータ等から、過去商品の販売シミュレーション、予測商
品の販売シミュレーションに必要なデータ蓄積を行う。 A−2:過去商品分析機能 過去商品データ蓄積機能により作成されたデータに基づ
いて、過去に販売した商品の販売シミュレーションを行
い、そのシミュレーション結果を確認する。 A−3:予測商品分析機能 商品の販売推移を予測したい商品(以下、予測商品とい
う)と系統、売れ方の類似する過去の商品(以下、類似
商品という)を選択する。過去商品データ蓄積機能によ
り作成された類似商品のデータに基づいて、予測商品の
販売シミュレーションを行い、そのシミュレーション結
果を確認する。
【0018】モデルモジュールBは、大別して下記の5
つの機能を有する。 B−1:店舗グループ作成機能 販売実績データファイルを入力とし全店舗を指定のラン
ク数(例えば、通常は100とする)に分類しランク表
を作成する。 B−2:平均購買率表作成機能 販売実績データファイルとランク表を入力としランク別
の平均購買率表を作成する。 B−3:予測商品店舗グループ作成機能 過去商品のランク表と現在の店マスタを入力とし現状の
店舗状態に見合うランク表を作成する。現状に店舗が存
在しない場合は、ランク表より削除し、増えている店舗
に関しては、例えば、ランク数100の場合にランク4
0〜60に分散させる。 B−4:予測商品平均購買率表作成機能 過去商品の平均購買率表と予測商品の推定総販売数を入
力とし予測商品の平均購買率表を作成する。 B−5:予測商品適正在庫制御表作成機能 予測商品の平均購買率表を入力とし適正在庫制御表を作
成する。
【0019】コアモジュールCは、大別して下記の5つ
の機能を有する。 C−1:階層型流通販売組織作成機能 オブジェクト指向技術を用い、店舗、倉庫などのオブジ
ェクトを展開し、仮想的な仮想型流通販売組織を作成す
る。 C−2:発注数設定機能 店舗、倉庫の適正在庫、店舗の返品数、メイン倉庫の発
注数を設定する。 C−3:ビジネスルール設定機能 店舗、倉庫、仕入先の間に、商品が発送地から目的地ま
でに移動する時にかかる時間などのビジネスルール(リ
ードタイムなど)を設定する。 C−4:顧客購買事象模擬機能 ポアソン法を使用し、店舗にランダムな購買事象を与
え、現実世界で生じる顧客購買事象を模擬する機能(シ
ミュレーション)を提供する(グルーピングし、グルー
プ単位でランダム購買事象を生起する)。 C−5:データ取得機能 購買事象が停止後(シミュレーション終了)、店舗に購
買数、要求数、機会損失数、売り残り数(在庫)などの
データが残り、外部から取得する。 C−6:購買率補正機能 商品の見かけ購買率から、真の購買率を求める。
【0020】次いで、図2の論理構造を流通在庫シミュ
レーション装置1上で実現するためのアーキテクチャを
図3を参照して説明する。図3に示すアーキテクチャ
は、オブジェクト指向技術を用いて、流通在庫シミュレ
ーション装置1上のプログラム内に店舗オブジェクト、
メーカー(CDC)オブジェクト、及び倉庫(LDC)
オブジェクト等を生成する。図中の「オブジェクト」枠
内に示す各オブジェクトには、「ルール」と「パラメー
タ」を設定する。
【0021】「ルール」とは、図中の「ルール」枠内に
示すように、発注リードタイム、自動補充リードタイ
ム、返品リードタイム、許容変数などである。「パラメ
ータ」とは、図中の「パラメータ」枠内に示すように、
モデルや仮説から、適正在庫数、指定返品対象店舗な
ど、各店舗オブジェクトに設定するものである。
【0022】また、店舗オブジェクトに対しては、モデ
ルをベースにして店舗カテゴリ単位に購入事象生起率を
時系列で設定する。「購入事象生起率」とは、図3中の
「購入事象生起率」枠内に示すように、過去のデータ
や、商品別店舗グループ売上時系列予測から、購入事象
生起率を算出して、店舗オブジェクトに与えるものであ
り、単位は、個/日である。この購入事象生起率は、時
系列で値が変化し、この設定により購買事象をランダム
(例えば、ポアソン分布)に生起させる。また、一部返
品については、過去の実績データから、返品の割合を確
率分布として扱い、これもシミュレート可能とする。こ
れらのパラメータを適宜変更することで、売り減らしの
タイミング効果や返品のタイミング効果、適正在庫数の
自動設定の有効性などを検証可能とする。
【0023】次いで、図1に示した流通在庫シミュレー
ション装置1の各構成について説明する。図1におい
て、CPU(Central Processing Unit)2は、記憶装
置8内に記憶された流通在庫シミュレーションプログラ
ムに基づいて、図2のUIモジュールAに基づく処理と
して、後述する過去の商品データ蓄積処理(図5参
照)、及び過去商品の分析処理(図7参照)を実行し、
図2のコアモジュールCに基づく処理として、販売予定
商品の流通在庫シミュレーション処理(図7〜図10参
照)を実行する。
【0024】また、CPU2は、記憶装置8内に記憶さ
れた流通在庫シミュレーションプログラムに基づいて、
図2のモデルモジュールBに基づく処理として、店舗グ
ループ作成処理、平均購買率作成処理、予測商品店舗グ
ループ作成処理、予測商品平均購買率表作成処理、及び
予測商品適正在庫制御表作成処理を実行する。
【0025】さらに、CPU2は、記憶装置8内に記憶
された流通在庫シミュレーションプログラムに基づい
て、図2のコアモジュールCに基づく処理として、仮想
的な階層型流通販売組織作成処理、適正在庫数設定処
理、返品数設定処理、発注数設定処理、リードタイム設
定処理、顧客購買事象シミュレーション処理、顧客購買
事象シミュレーション結果からのデータ取得処理、及び
購買率補正処理を実行する。
【0026】入力部3は、カーソルキー、数字入力キー
及び各種機能キー等を備えたキーボードと、ポインティ
ングデバイスであるマウスとを備え、キーボードで押下
されたキーの押下信号をCPU2に出力するとともに、
マウスによる操作信号をCPU2に出力する。
【0027】RAM(Random Access Memory)4は、C
PU2により実行されるプログラムを一時的に格納する
とともに、入力指示、入力データ及び処理結果等を一時
的に格納するワークエリアを有する。
【0028】通信制御部5は、通信回線を介して店舗の
POS端末装置と接続されており、例えば、一日のパッ
ケージ商品の売り上げデータや在庫データ等を受信して
CPU2に出力する。
【0029】表示部6は、CRT(Cathode Ray Tube)
や、液晶表示装置等により構成され、CPU2から入力
される表示データに基づいて画面表示を行う。印刷部7
は、CPU2から入力される印刷データ(各種シミュレ
ーション結果など)に基づいて印刷処理を行う。
【0030】記憶装置8は、プログラムやデータ等が予
め記憶されている記録媒体9を有しており、この記憶媒
体9は磁気的、光学的記録媒体、若しくは半導体メモリ
で構成されている。この記録媒体9は記憶装置8に固定
的に設けたもの、若しくは着脱自在に装着するものであ
り、この記録媒体9には流通在庫シミュレーション装置
1に対応する流通在庫シミュレーションプログラム、及
び各処理プログラムで処理されたデータ等を記憶する。
【0031】次に、本実施の形態の動作を説明する。ま
ず、流通在庫シミュレーション装置1を利用する際の全
体処理の流れについて、図4に示す図を参照して説明す
る。図4は、本流通在庫シミュレーション装置1を利用
して実行される仮説検証業務と商品発売期間中業務の全
体処理の流れを示した図である。図中の「仮説検証の業
務(非定型)」は、過去に販売した商品の販売実績デー
タを利用して、流通在庫シミュレーション装置1におい
て商品販売の仮説検証シミュレーションを実行する業務
である。この業務では、以下に示す過去の商品データ蓄
積処理、過去の商品分析処理を行って、「機会損失推定
と適正在庫の設定方法」、「販売パターンの修正方
法」、「売り減らしや返品制御による効果」等を検証す
る。
【0032】次いで、流通在庫シミュレーション装置1
において実行される過去の商品データ蓄積処理の詳細に
ついて、図5に示すフローチャートに基づいて説明す
る。図5において、例えば、表示部4に流通在庫シミュ
レーション機能を選択するための機能選択ボタンを複数
配置したメイン画面(図示せず)を表示する。
【0033】そして、「過去商品データ蓄積処理」ボタ
ンが指示操作されると(ステップS41)、さらに、デ
ータ蓄積処理対象となる過去商品の選択画面を表示する
(ステップS42)。ここで、選択対象となるのは、販
売期間が終了した過去の商品であり、販売データ、適正
在庫データ、店頭在庫データが揃っている商品の一覧を
選択画面に表示する。
【0034】過去の商品が選択画面において選択される
と、その選択商品のデータ蓄積処理を実施する(ステッ
プS43)。このデータ蓄積処理では、販売期間が終了
した商品において、店舗グループ表(店舗ランク表)、
平均購買率表、生起率が補正計算された平均購買率表、
適正在庫制御表を算出する処理を実行する。
【0035】そして、データ蓄積処理が終了すると、終
了指示の有無を判別し(ステップS44)、終了指示が
無ければステップS42に戻って他の商品を選択させ、
データ蓄積処理を再度実行し、終了指示が有れば本処理
を終了して、上記メイン画面に戻る。
【0036】次いで、メイン画面において、「過去の商
品分析処理」ボタンが操作された場合に実行される過去
の商品分析処理の詳細について、図6に示すフローチャ
ートに基づいて説明する。図6において、上記メイン画
面において「過去の商品分析処理」ボタンが指示操作さ
れると(ステップS51)、さらに、過去商品の選択画
面を表示する(ステップS52)。
【0037】次いで、過去商品が選択され、その選択さ
れた過去商品の適正在庫設定を修正する場合は、予め当
該過去商品の適正在庫データにより作成された適正在庫
制御表を修正し、または、データ蓄積処理で作成された
適正在庫制御表を修正する(ステップS53)。
【0038】次いで、選択した過去商品の自動発注間隔
を設定する発注制御表を修正し(ステップS54)、返
品制御表を修正し(ステップS55)、個別のリードタ
イムを変更した後(ステップS56)、選択した過去商
品の販売シミュレーション処理を実行する(ステップS
57)。
【0039】この販売シミュレーション処理では、シミ
ュレーション期間を設定し、選択した過去商品の総販売
数、平均購買率表、適正在庫制御表、発注制御表、返品
制御表により、ランク別時系列機会損失数、販売数、要
求数、店頭在庫数をシミュレーション結果として作成す
る。
【0040】次いで、選択した過去商品のシミュレーシ
ョン処理結果として、ランク別時系列機会損失数、販売
数、要求数、店頭在庫数を、表計算ソフト等を利用して
グラフ化して確認する(ステップS58)。
【0041】次いで、分析条件の変更指示の有無を判別
し(ステップS59)、変更指示が無ければステップS
60に移行し、変更指示が有ればステップS53に戻
り、ステップS53〜ステップS58に示した過去商品
の販売シミュレーション処理を再度実行する。
【0042】また、変更指示が無ければ、終了指示の有
無を判別し(ステップS60)、終了指示が無ければス
テップS52に戻り、他の過去商品を選択させて、ステ
ップS53〜ステップS58に示した過去商品の販売シ
ミュレーション処理を再度実行する。また、終了指示が
有れば本処理を終了して、上記処理選択画面に戻る。以
上の処理が、「仮説検証の業務(非定型)」に関わる主
な処理内容である。
【0043】次に、図4において、「商品発売期間中の
業務(定型)」は、図中に示すように、販売予定商品の
「1.全体需要の予測」に基づいて、「2.初回発注数
の決定」処理、「3.10日前発注数の決定」処理、
「4.初回在庫配分の決定」処理、及び「5.予実績デ
ータの比較」処理を、流通在庫シミュレーション装置1
において順次シミュレーションし、更に、発売後の実績
データに基づいてシミュレーション結果を補正する
「6.店舗配分の補正」処理を実行する業務である。
【0044】これら1〜6の各処理の概要を以下に説明
する。「1.全体需要の予測」では、例えば、発売日の
2ヶ月前に商品の全体需要を予測する。「2.初回発注
数の決定」処理では、全体需要予測に基づいて最終納品
数と販売パターン(日別販売パターンと店別販売構成の
選択)を決定し、これらの決定事項によりシミュレーシ
ョンを実行して初回発注数を決定するとともに、初回配
布に間に合う追加発注数も決定する。
【0045】「3.10日前発注数の決定」処理では、
商品の予約実績による需要予測数の修正と、最終納品数
と販売パターンの修正と、発売日初日に納品可能な追加
発注数を決定する。「4.初回在庫配分の決定」処理で
は、商品の予約実績による需要予測数の再修正と、最終
納品数と販売パターンの再修正と、過去商品で検証した
仮説ルール(適正在庫)を決定する。この初回在庫配分
の決定処理は、商品の販売前日まで随時行う。
【0046】「5.予実績データの比較」処理では、商
品発売数日後、シミュレーション結果と販売実績とを比
較し、日別販売パターンや店別販売パターンの乖離具合
をチェックする。「6.店舗配分の補正」処理では、適
正在庫、販売パターンの補正、過去商品で検証した仮説
ルール(追加発注、売り減らし、返品処理)を実行し、
返品枠内に在庫数が収まり、かつ、利益が最大になるよ
うに効果的なアクションを機動的に実行する。
【0047】次に、「1.全体需要の予測」に基づいて
実行される「2.初回発注数の決定」処理の詳細を図7
に基づいて説明する。まず、図中の「最終納品数の決
定」において、販売予定の商品に関するモニタデータや
メーカー情報から市場の需要予測数(VM)を算出し、
当該商品の商品性から市場シェアを予測して販売予測数
を算出する。そして、図中に示すように、算出した需要
予測数(VM)に返品枠とαを加算したものを最終納品
数(LD)として設定する。通常は、α=0であるが、
商品の仕入れ値が安い場合等は、利益率を考慮してα>
0となる。
【0048】次いで、図中の「販売パターンの選択」
において、上記需要予測数(VM)と当該商品のジャン
ル(例えば、商品がテレビゲームである場合は、ゲーム
のジャンルとしてロールプレイングゲームやシミュレー
ションゲーム等である)から、日別販売パターンと店別
販売構成を選択する。本流通在庫シミュレーション装置
1では、商品の販売前に需要量の店別日別の配分をシミ
ュレーションすることを目的とするため、店別に日別販
売パターンと店別販売構成とを設定する必要がある。
【0049】日別販売パターンは、1日毎の各商品の販
売割合をパターンとして捉えるものであり、店別販売構
成は、店別の各商品の販売割合をパターンとして捉える
ものである。
【0050】本流通在庫シミュレーション装置1では、
日別販売パターンと店別販売構成という2つの情報を利
用して、これらの情報に類似性がある商品をグループ化
する。すなわち、過去に販売された商品は、上記「過去
の商品分析処理」の処理結果に基づいて、日別販売パタ
ーンと店別販売構成という2つの情報に基づいてグルー
プ化され、データベースとして蓄積される。
【0051】したがって、「販売パターンの選択」に
おいて、新規に販売する商品がどのグループに属するか
をデータベースを参照して、オペレータが日別販売パタ
ーンと店別販売構成とを選択可能となる。なお、商品を
グループ化する際に、全体需要量を考慮する必要はな
い。
【0052】次いで、「販売パターンの選択」では、
選択された日別販売パターンと店別販売構成とに基づい
て販売生起率表を作成する。
【0053】次いで、図7中の「適正在庫の設定」に
おいて、店舗の安全在庫日数(欠品にならない日数)を
設定する。通常は、販売日から2日目途中で欠品になら
ないようにするため、店舗の安全在庫日数は3日が適当
である。
【0054】また、再納品最短日数(A)も考慮して、
倉庫在庫の安全在庫日数を設定する。倉庫在庫の安全在
庫日数は、上記「過去の商品分析処理」の処理結果に基
づいて、過去商品の仮説検証において得たルール(リー
ドタイムなど)を考慮して設定する。そして、店舗の安
全在庫日数と販売生起率表とから店別の適正在庫を設定
する。
【0055】次いで、図7中の「シミュレーション実
行」において、店別の適正在庫と販売生起率表、類似商
品(例えば、商品がテレビゲームである場合は、過去に
販売されたゲームの続作等である)の予約実績とから、
シミュレーションを実行し、そのシミュレーション結果
として初回納品数(SFD)と最終納品数(LD)とを
得る。ここで、初回納品数(SFD)は、初回納品数
(SFD)=初日の適正在庫+初日の倉庫在庫+適正在
庫を超えた店別予約数、である。
【0056】次いで、図7中の「検証結果−初回納品
数」において、シミュレーション結果の初回納品数(S
FD)と最終納品数(LD)とを比較し、図中のa)S
FD≦LDの場合は、図中の「結果の検証」に移行
し、図中のb)SFD>LDの場合は、「適正在庫の
設定」に戻り、図中の〜の処理を繰り返し実行す
る。そして、初回納品数(SFD)が最終納品数(L
D)を越える場合は、当該商品の販売を断念する。
【0057】次いで、SFD≦LDの場合、「結果の
検証」に移行し、通常販売期間(例えば、90日)の販
売シミュレーションを実行する。この販売シミュレーシ
ョンの結果、需要予測数(VM)と累計販売数(SS)
の関係が、図中のa)VM≦SS、かつ、欠品店舗が制
約期間内にある一定数以下の場合は、図中の「初回発
注数の決定」に移行する。
【0058】また、図7中のb)VM>SS、または、
欠品店舗が販売初期に多かった場合は、需要予測数(V
M)の販売を達成できないため、「適正在庫の設定」
に戻り、図中の〜の処理を繰り返し実行する。そし
て、上記a)VM≦SS、かつ、欠品店舗が制約期間内
にある一定数以下の条件が満たせない場合は、当該商品
の販売を断念する。
【0059】次いで、図7中の「初回発注数の決定」
において、で求めた初回納品数(SFD)は、理想的
な初回納品数であり、図中に示すように、理想的な初回
納品数(SFD)=初回発注数(FO)+10日前発注
数(TO)(但し、0.2FO>=TO)である。
【0060】また、初回発注を最大限に発売10日前に
発注した場合は、1.2FO=SFDとなるので、FO
=0.833SFDとなる。したがって、初回発注数
は、最低でも0.833SFD分とすべきである。例え
ば、初回納品数(SFD)=3万本の場合、初回発注数
(FO)=2.5万本となる。
【0061】以上の「2.初回発注数の決定」処理によ
り、初回発注数が決定される。次に、図6に示した
「3.10日前発注数の決定」処理の詳細を図8に基づ
いて説明する。
【0062】まず、図中の「最終納品数の再決定」に
おいて、販売予定の商品に関する予約実績が4日分ある
ため、予約推移分析を行い、全予約数を推測する。この
全予約数により、販売予測数(HM)を再算出する。そ
して、図中に示すように、再算出した需要予測数(V
M)に返品枠とαを加算したものを最終納品数(LD)
として再設定する。通常は、α=0であるが、商品の仕
入れ値が安い場合等は、利益率を考慮してα>0とな
る。
【0063】次いで、図8中の「販売パターンの修
正」において、上記需要予測数(VM)と当該商品のジ
ャンル、予約推移分析からの全予約数とを得て、日別販
売パターンや店別販売構成を変更する。
【0064】次いで、図8中の「適正在庫の設定」に
おいて、店舗の安全在庫日数(欠品にならない日数)を
設定する。通常は、販売日から2日目途中で欠品になら
ないようにするため、店舗の安全在庫日数は3日が適当
である。
【0065】また、再納品最短日数(A)も考慮して、
倉庫在庫の安全在庫日数を設定する。倉庫在庫の安全在
庫日数は、上記「過去の商品分析処理」の処理結果に基
づいて、過去商品の仮説検証において得たルール(リー
ドタイムなど)を考慮して設定する。そして、店舗の安
全在庫日数と販売生起率表とから店別の適正在庫を設定
する。
【0066】次いで、図8中の「シミュレーション実
行」において、店別の適正在庫と販売生起率表、当該商
品の予約実績とから、シミュレーションを実行し、その
シミュレーション結果として初回納品数(SFD)と最
終納品数(LD)とを得る。ここで、初回納品数(SF
D)は、初回納品数(SFD)=初日の適正在庫+初日
の倉庫在庫+適正在庫を超えた店別予約数、である。
【0067】次いで、図8中の「検証結果−初回納品
数」において、シミュレーション結果の初回納品数(S
FD)と初回発注数(FO)、最終納品数(LD)とを
比較し、「結果の検証」に移行する。
【0068】図8中の「結果の検証」において、通常
販売期間(例えば、90日)の販売シミュレーションを
実行する。この販売シミュレーションの結果、需要予測
数(VM)と累計販売数(SS)の関係が、図中のa)
VM≦SS、かつ、欠品店舗が制約期間内にある一定数
以下の場合は、図中の「初回発注数の決定」に移行す
る。
【0069】また、図8中のb)VM>SS、または、
欠品店舗が販売初期に多かった場合は、需要予測数(V
M)の販売を達成できないため、「適正在庫の設定」
に戻り、図中の〜の処理を繰り返し実行する。
【0070】次いで、図8中の「10日前初回発注数
の決定」において、で求めた初回納品数(SFD)
が、最終的な初回発注数(FO)となる。図中に示すよ
うに、初回納品数(SFD)=初回発注数(FO)+1
0日前発注数(TO)(但し、0.2FO>=TO)で
ある。
【0071】更に、図中に示すように、10日前発注数
(TO)=初回納品数(SFD)−初回発注数(FO)
により、10日前発注数(TO)を決定する。また、1
0日前発注数(TO)の納品が発売日当日となる場合
は、初回納品数(SFD)=初回発注数(FO)であ
る。
【0072】以上の「3.10日前発注数の決定」処理
により、10日前発注数が決定される。次に、図6に示
した「4.初回在庫配分の決定」処理の詳細を図9に基
づいて説明する。この処理は、商品を発売する1週間〜
5日前に実行される。
【0073】まず、図中の「最終納品数の再決定」に
おいて、販売予定の商品に関する予約実績が7〜9日分
あるため、予約推移分析を行い、全予約数を推測する。
この全予約数により、販売予測数(HM)を再算出す
る。そして、図中に示すように、再算出した需要予測数
(VM)に返品枠とαを加算したものを最終納品数(L
D)として再設定する。通常は、α=0であるが、商品
の仕入れ値が安い場合等は、利益率を考慮してα>0と
なる。
【0074】次いで、図9中の「販売パターンの修
正」において、上記需要予測数(VM)と当該商品のジ
ャンル、予約推移分析からの全予約数とを得て、日別販
売パターンや店別販売構成を変更する。
【0075】次いで、図9中の「適正在庫の設定」に
おいて、店舗の安全在庫日数(欠品にならない日数)を
設定する。通常は、販売日から2日目途中で欠品になら
ないようにするため、店舗の安全在庫日数は3日が適当
である。
【0076】また、再納品最短日数(A)も考慮して、
倉庫在庫の安全在庫日数を設定する。倉庫在庫の安全在
庫日数は、上記「過去の商品分析処理」の処理結果に基
づいて、過去商品の仮説検証において得たルール(リー
ドタイムなど)を考慮して設定する。そして、店舗の安
全在庫日数と販売生起率表とから店別の適正在庫を設定
する。
【0077】次いで、図9中の「シミュレーション実
行」において、店別の適正在庫と販売生起率表、類似商
品の予約実績とから、シミュレーションを実行する。次
いで、図9中の「検証結果−初回納品数」において、
シミュレーション結果の初回発注数(FO)と初回納品
数(SFD)とを比較する。
【0078】図中のa)SFD<FOの場合は、図中の
「適正在庫の設定」に戻り、図中の〜の処理を繰
り返し実行し、図中のb)SFD=FOの場合は、「
結果の検証」に移行する。また、図中のFO>SFDの
場合は、初回納品数(SFD)を初回発注数(FO)ま
で下げて、図中の「適正在庫の設定」に戻り、図中の
〜の処理を繰り返し実行する。
【0079】次いで、図9中の「結果の検証」におい
て、通常販売期間(例えば、90日)の販売シミュレー
ションを実行する。この販売シミュレーションの結果、
需要予測数(VM)と累計販売数(SS)の関係が、図
中のa)VM≦SS、かつ、欠品店舗が制約期間内にあ
る一定数以下の場合は、図中の「初回発注数の決定」
に移行する。
【0080】また、図9中のb)VM>SS、または、
欠品店舗が販売初期に多かった場合は、需要予測数(V
M)の販売を達成できないため、「適正在庫の設定」
に戻り、図中の〜の処理を繰り返し実行する。
【0081】次いで、図9中の「初回在庫配分の決
定」において、「適正在庫の設定」で設定した店舗の
安全在庫日数を有効とし、全予約数が入った販売前日
に、初回在庫配分を決定する。
【0082】以上の「4.初回在庫配分の決定」処理に
より、初回在庫配分が決定される。次に、図6に示した
「5.予実績データの比較」処理、及び「6.店舗配分
の補正」処理の詳細を図10に基づいて説明する。この
処理は、商品販売後に実行される。
【0083】まず、図中の「販売推移の予実績比較」
において、販売された商品の販売X日後の販売実績、シ
ミュレーション予想との予実績比較を行う。次いで、図
10中の「個店別の予実績比較」において、欠品店舗
や過剰在庫店舗を抽出し、販売生起率を修正する。ま
た、販売生起率の修正により、適正在庫を増減し、個店
単位での在庫異常を解消させる。
【0084】次いで、図10中の「適正在庫の設定」
において、店舗の安全在庫日数(欠品にならない日数)
を設定する。通常は、販売日から2日目途中で欠品にな
らないようにするため、店舗の安全在庫日数は3日が適
当である。
【0085】また、再納品最短日数(A)も考慮して、
倉庫在庫の安全在庫日数を設定する。倉庫在庫の安全在
庫日数は、上記「過去の商品分析処理」の処理結果に基
づいて、過去商品の仮説検証において得たルール(リー
ドタイムなど)を考慮して設定する。そして、店舗の安
全在庫日数と販売生起率表とから店別の適正在庫を設定
する。さらに、「個店別の予実績比較」から得た追加
発注、売り減らし、返品制御の設定も行う。
【0086】次いで、図10中の「シミュレーション
実行」において、販売開始日数での販売数、店頭在庫、
倉庫在庫、積送在庫、予約在庫を得て、これら実績デー
タと、店別の適正在庫と販売生起率表とから販売シミュ
レーションを実行する。
【0087】次いで、図10中の「結果の検証」にお
いて、販売開始日数(X日)から、通常販売期間(90
日)までの販売シミュレーションを実行する。この販売
シミュレーションの結果、図中のa)最終的な返品枠+
αに満たす販売を達成可能な場合は、「適正在庫や種
々の制御の決定」に移行する。
【0088】また、販売シミュレーションの結果、図中
のb)返品枠+α内に在庫を抑えることができない場合
は、「適正在庫の設定」に戻り、図中の〜の処理
を繰り返し実行する。そして、返品枠+αを守れない場
合、返品枠+αを最小にする適正在庫の設定になるまで
処理を繰り返す。
【0089】次いで、図10中の「適正在庫や種々の
制御の決定」において、「適正在庫の設定」で設定し
た適正在庫、追加発注、売り減らし、返品制御の各設定
を有効とする。
【0090】以上の「5.予実績データの比較」処理、
及び「6.店舗配分の補正」処理により、商品販売後の
店舗配分の補正や種々の制御が決定される。
【0091】以上のように、本実施の形態の流通在庫シ
ミュレーション装置1によれば、商品の販売前に、過去
に販売した類似商品の販売実績(店別に日別販売パター
ンと店別販売構成とを設定可能)に基づく販売シミュレ
ーション機能を備えた。
【0092】この販売シミュレーション機能により、図
4に示した「仮説検証の業務(非定型)」として、過去
に販売した商品の販売実績データを利用して、販売前の
商品販売の仮説検証シミュレーションを実行することを
可能とし、「機会損失推定と適正在庫の設定方法」、
「販売パターンの修正方法」、「売り減らしや返品制御
による効果」等を検証することを可能とした。
【0093】また、販売シミュレーション機能により、
図4に示した「商品発売期間中の業務(定型)」とし
て、販売予定商品の「1.全体需要の予測」に基づい
て、「2.初回発注数の決定」処理、「3.10日前発
注数の決定」処理、「4.初回在庫配分の決定」処理、
及び「5.予実績データの比較」処理を、順次シミュレ
ーション可能とし、更に、発売後の実績データに基づい
てシミュレーション結果を補正する「6.店舗配分の補
正」処理を可能とした。
【0094】したがって、従来は、担当者が販売実績に
基づいて各販売店をランキングして、各販売店の適正在
庫数を設定していたため、人手に頼る作業が多くシステ
ムの運用コストが高くなるという問題があったが、本実
施の形態の流通在庫シミュレーション装置1を利用する
ことにより、作業の自動化を進めることができ、担当者
の作業負担を低減でき、流通在庫業務全般の運用コスト
の低減を図ることができる。
【0095】また、従来は、各販売店への商品配送数と
在庫数は、過去の販売実績に基づいて担当者により決定
されるため、配品数や流通在庫数の設定ミスが起こり易
いという問題もあったが、本実施の形態の流通在庫シミ
ュレーション装置1を利用することにより、過去の類似
商品に基づくシミュレーション結果から各店舗の適正在
庫、追加発注、売り減らし、返品制御の各設定及び補正
を容易にでき、担当者による設定ミスの発生頻度を低減
でき、販売機会損失の発生を低減できる。
【0096】また、本実施の形態の流通在庫シミュレー
ション装置1を利用することにより、商品販売後の販売
実績に基づく各店舗の適正在庫、追加発注、売り減ら
し、返品制御の各設定及び補正に係る日常業務も自動化
を進めることができ、その業務手順も平準化できる。
【0097】さらに、本実施の形態の流通在庫シミュレ
ーション装置1は、図2に示したように、流通在庫シミ
ュレーション機能の論理構造として、UIモジュール
A、モデルモジュールB、及びコアモジュールCにより
構成され、各モジュールは独立的に変更可能であるるた
め、種々の流通業務に対して柔軟にシステムを構築する
ことができる。
【0098】なお、上記実施の形態に示した流通在庫シ
ミュレーション処理の結果として求められる初回納品数
(SFD)、初回発注数(FO)等は、シミュレーショ
ン実行前に設定される販売前商品の需要予測数(V
M)、過去の類似商品の日別販売パターン及び店別販売
構成、適正在庫の設定内容に応じて変化し、作業者の恣
意的要素も含まれるが、商品販売後の販売実績に基づく
補正が容易にであるため、その恣意的要素も排除可能で
ある。
【0099】
【発明の効果】請求項1記載の流通在庫シミュレーショ
ン装置、請求項5記載の記録媒体、及び請求項7記載の
プログラムによれば、販売前商品の流通在庫シミュレー
ションを容易に実行でき、流通在庫業務の作業効率と信
頼性を向上できる。
【0100】請求項2記載の流通在庫シミュレーション
装置、請求項6記載の記録媒体、及び請求項8記載のプ
ログラムによれば、販売前商品の流通在庫シミュレーシ
ョンを容易に実行でき、過去に販売した商品の流通実績
に基づいた初回発注数及び初回納品数を予測検証でき、
流通在庫業務の作業効率と信頼性を向上できる。
【0101】請求項3記載の流通在庫シミュレーション
装置によれば、過去に販売した類似商品の流通実績に基
づいた初回発注数及び初回納品数を予測検証でき、作業
者による設定ミスの発生を低減でき、シミュレーション
の信頼性を更に向上できる。
【0102】請求項4記載の流通在庫シミュレーション
装置によれば、商品販売後も店別適正在庫を容易に補正
でき、商品販売後も流通在庫業務の効率化を図ることが
でき、販売機会損失の発生を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した一実施の形態における流通在
庫シミュレーション装置1の構成を示すブロック図であ
る。
【図2】図1の流通在庫シミュレーション装置1の論理
的モジュール構成を示す図である。
【図3】本流通在庫シミュレーションの論理構造を図1
の流通在庫シミュレーション装置1上で実現するための
アーキテクチャを示す図である。
【図4】本流通在庫シミュレーション装置1を利用する
際の全体処理の流れを示す図である。
【図5】図1のCPU2により実行される商品データ蓄
積処理を示すフローチャートである。
【図6】図1のCPU2により実行される過去商品分析
処理を示すフローチャートである。
【図7】図4の「2.初回発注数の決定」処理の詳細を
示す図である。
【図8】図4の「3.10日前発注数の決定」処理の詳
細を示す図である。
【図9】図4の「4.初回在庫配分の決定」処理の詳細
を示す図である。
【図10】図4の「5.予実績データの比較」処理、及
び「6.店舗配分の補正」処理の詳細を示す図である。
【符号の説明】
1 流通在庫シミュレーション装置 2 CPU 3 入力部 4 RAM 5 通信制御部 6 表示部 7 印刷部 8 記憶装置 9 記憶媒体 10 バス A UIモジュール B モデルモジュール C コアモジュール
フロントページの続き (72)発明者 中山 定 東京都渋谷区広尾1丁目13番7号 株式会 社デジキューブ内 (72)発明者 横田 耕一 東京都渋谷区広尾1丁目13番7号 株式会 社デジキューブ内 (72)発明者 桑澤 嘉宏 東京都千代田区大手町二丁目2番1号 株 式会社野村総合研究所内 (72)発明者 堀 宣男 東京都千代田区大手町二丁目2番1号 株 式会社野村総合研究所内 (72)発明者 三室 克哉 東京都千代田区大手町二丁目2番1号 株 式会社野村総合研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】過去に販売した商品別に流通実績情報を記
    憶する流通実績記憶手段と、 この流通実績記憶手段から過去の流通実績情報を選択す
    るとともに、販売前商品の流通在庫業務に関わる各種情
    報を設定する設定手段と、 前記選択された過去の流通実績情報及び前記設定された
    流通在庫業務に関わる各種情報に基づいて販売前商品の
    流通在庫シミュレーションを実行するシミュレーション
    手段と、 を備えたことを特徴とする流通在庫シミュレーション装
    置。
  2. 【請求項2】過去に販売した商品別に日別販売パター
    ン、店別販売構成等の流通実績情報を記憶する流通実績
    記憶手段と、 この流通実績記憶手段から過去の日別販売パターンと店
    別販売構成とを選択するとともに、販売前商品の需要予
    測数に基づいて店別適正在庫を設定する設定手段と、 前記選択された過去の日別販売パターン、店別販売構
    成、及び前記設定された店別適正在庫に基づいて前記販
    売前商品の流通在庫シミュレーションを実行して、初回
    納品数を算出する初回納品数算出手段と、 この初回納品数算出手段により算出された初回納品数に
    基づいて、前記設定された店別適正在庫を検証する適正
    在庫検証手段と、 前記適正在庫の検証結果に基づいて前記販売前商品の販
    売シミュレーションを実行して総販売数を算出する総販
    売数算出手段と、 この総販売数算出手段により算出された総販売数に基づ
    いて初回発注数を算出する初回発注数算出手段と、 を備えたことを特徴とする流通在庫シミュレーション装
    置。
  3. 【請求項3】前記設定手段は、前記販売前商品の需要予
    測数に基づいて前記流通実績記憶手段に記憶された類似
    商品の日別販売パターンと店別販売構成とを選択するこ
    とを特徴とする請求項2記載の流通在庫シミュレーショ
    ン装置。
  4. 【請求項4】前記適正在庫検証手段の検証結果に基づい
    て前記店別適正在庫を補正する適正在庫補正手段を更に
    備えたことを特徴とする請求項2記載の流通在庫シミュ
    レーション装置。
  5. 【請求項5】コンピュータに、 過去に販売した商品別に流通実績情報を記憶する流通実
    績記憶機能と、 前記記憶された過去の流通実績情報を選択するととも
    に、販売前商品の流通在庫業務に関わる各種情報を設定
    する設定機能と、 前記選択された過去の流通実績情報及び前記設定された
    流通在庫業務に関わる各種情報に基づいて販売前商品の
    流通在庫シミュレーションを実行するシミュレーション
    機能と、 を実現させるためのプログラムを記録したコンピュータ
    読み取り可能な記録媒体。
  6. 【請求項6】コンピュータに、 過去に販売した商品別に日別販売パターン、店別販売構
    成等の流通実績情報を記憶する流通実績記憶機能と、 前記記憶された過去の日別販売パターンと店別販売構成
    とを選択するとともに、販売前商品の需要予測数に基づ
    いて店別適正在庫を設定する設定機能と、 前記選択された過去の日別販売パターン、店別販売構
    成、及び前記設定された店別適正在庫に基づいて前記販
    売前商品の流通在庫シミュレーションを実行して、初回
    納品数を算出する初回納品数算出機能と、 この算出された初回納品数に基づいて、前記設定された
    店別適正在庫を検証する適正在庫検証機能と、 前記適正在庫の検証結果に基づいて前記販売前商品の販
    売シミュレーションを実行して総販売数を算出する総販
    売数算出機能と、 この算出された総販売数に基づいて初回発注数を算出す
    る初回発注数算出機能と、 を実現させるためのプログラムを記録したコンピュータ
    読み取り可能な記録媒体。
  7. 【請求項7】コンピュータに、 過去に販売した商品別に流通実績情報を記憶する流通実
    績記憶機能と、 前記記憶された過去の流通実績情報を選択するととも
    に、販売前商品の流通在庫業務に関わる各種情報を設定
    する設定機能と、 前記選択された過去の流通実績情報及び前記設定された
    流通在庫業務に関わる各種情報に基づいて販売前商品の
    流通在庫シミュレーションを実行するシミュレーション
    機能と、 を実現させるためのプログラム。
  8. 【請求項8】コンピュータに、 過去に販売した商品別に日別販売パターン、店別販売構
    成等の流通実績情報を記憶する流通実績記憶機能と、 前記記憶された過去の日別販売パターンと店別販売構成
    とを選択するとともに、販売前商品の需要予測数に基づ
    いて店別適正在庫を設定する設定機能と、 前記選択された過去の日別販売パターン、店別販売構
    成、及び前記設定された店別適正在庫に基づいて前記販
    売前商品の流通在庫シミュレーションを実行して、初回
    納品数を算出する初回納品数算出機能と、 この算出された初回納品数に基づいて、前記設定された
    店別適正在庫を検証する適正在庫検証機能と、 前記適正在庫の検証結果に基づいて前記販売前商品の販
    売シミュレーションを実行して総販売数を算出する総販
    売数算出機能と、 この算出された総販売数に基づいて初回発注数を算出す
    る初回発注数算出機能と、 を実現させるためのプログラム。
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