JP2002286956A - 光集積回路基板 - Google Patents

光集積回路基板

Info

Publication number
JP2002286956A
JP2002286956A JP2001089753A JP2001089753A JP2002286956A JP 2002286956 A JP2002286956 A JP 2002286956A JP 2001089753 A JP2001089753 A JP 2001089753A JP 2001089753 A JP2001089753 A JP 2001089753A JP 2002286956 A JP2002286956 A JP 2002286956A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
refractive index
light receiving
receiving element
semiconductor light
optical waveguide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001089753A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3898457B2 (ja
Inventor
Yuriko Ueno
由里子 上野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP2001089753A priority Critical patent/JP3898457B2/ja
Publication of JP2002286956A publication Critical patent/JP2002286956A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3898457B2 publication Critical patent/JP3898457B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Light Receiving Elements (AREA)
  • Optical Couplings Of Light Guides (AREA)
  • Optical Integrated Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光導波路を伝搬する光に対する半導体受光素
子による受光効率を高めた光集積回路基板を提供する。 【解決手段】 基板1上に配設された半導体受光素子2
と、下部クラッド部3およびコア部4を有し、半導体受
光素子2の近傍に光伝搬方向をその受光面に平行として
形成された光導波路と、半導体受光素子2の光導波路に
よる光伝搬方向の入力側に位置して受光面の端面および
コア部4に対向するように配置された、屈折率がコア部
4より大きく受光面より小さく、かつ実効屈折率が受光
面の端面に向かって徐々に高くなっている中間屈折率体
6とを具備して成る光集積回路基板である。中間屈折率
体6の厚みを受光面の端面に向かって徐々に厚く、ある
いは屈折率を受光面の端面に向かって徐々に高くすると
よい。中間屈折率体6を介して光導波路と半導体受光素
子2との高い結合効率が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光導波路と半導体
受光素子とを同一基板に集積する光集積回路基板に関
し、例えばWDM(Wavelength Division Multiplex:
波長分割多重伝送方式)用受光回路基板のように同一基
板上に複数の半導体受光素子およびその他のデバイスを
搭載するような場合に好適に利用され、光導波路と半導
体受光素子とを同一基板に集積して基板サイズの小型化
と受光効率の増加を実現できる光集積回路基板に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、WDM用受光回路基板等のような
光集積回路基板における半導体受光素子と光導波路との
接続は、光導波路層の上方に半導体受光素子を実装し、
光導波路からの光は、光導波路に作り込んだミラーやグ
レーティングを通して光路変更することによって半導体
受光素子の受光部に入力させるのが一般的であった。
【0003】この方法では、半導体受光素子を実装する
際の光導波路と半導体受光素子の受光部との光学的な結
合を行なうための位置合わせが半導体受光素子の相対的
な位置を直交する3軸方向において最適に設定する必要
があった。また、光導波路に作り込むミラーやグレーテ
ィングの作製プロセスも煩雑であった。
【0004】そこで、例えば特開平7−128531号公報で
は、光結合を用いて高分子導波路から光半導体素子へ高
効率に結合を行なう構造が提案されている。図4に特開
平7−128531号公報に提案された光集積回路基板の例の
断面図を示す。これによれば、光導波路が高分子導波路
で形成され、クラッド部33中に形成された光導波路のコ
ア部34が半導体層35と光吸収層32とから成る半導体受光
素子の上面に乗り上げるように屈曲し、半導体受光素子
の端面とコア部34との間はクラッド部33で埋め込まれて
いる構造を有している。この構造は、屈曲部において屈
曲部の外側、すなわち半導体受光素子側へ伝搬光の電界
分布が偏ることによって、半導体受光素子の光吸収層32
に取り込まれやすくなり、光導波路と半導体受光素子と
の結合効率を高くしている。
【0005】しかしながら、特開平7−128531号公報に
提案された光集積回路基板に関しては、図4に示すよう
に高分子導波路が半導体受光素子の上面に乗り上げるよ
うに屈曲しているため、屈曲部の曲率半径が小さい場合
において光が放射してしまい、高分子導波路を伝搬して
きた光は、半導体受光素子と結合せずに、一部が基板や
上部クラッド部33へ散乱してしまうという問題点があっ
た。
【0006】さらに、半導体受光素子の受光部である光
吸収層32と半導体受光素子の入力側の端面の境界部にお
いて下部クラッド部33との屈折率差が大きいため、光吸
収層32に端面側から入射する伝搬光が高分子導波路の伝
搬方向に対して垂直な半導体受光素子の端面で反射され
てしまうという問題点があった。
【0007】また、半導体受光素子の受光部である光吸
収層32と半導体受光素子の入力側の端面の境界部に位置
する下部クラッド層33との屈折率差が大きいため、光吸
収層32に端面側から入射する伝搬光が高分子導波路の伝
搬方向に対して垂直な半導体受光素子の端面で反射され
てしまうという問題点もあった。
【0008】これに対し、本発明者は特願2001−20622
号において、図5に断面図で示すように、基板1上に配
設された半導体受光素子2と、少なくとも下部クラッド
部3およびコア部4を有し、半導体受光素子2の近傍に
光伝搬方向を受光面に平行として形成された光導波路
と、半導体受光素子2の光導波路による光伝搬方向の入
力側に位置して半導体受光素子2の受光面の端面および
光導波路のコア部4に対向するように配置された、屈折
率がコア部4より大きく受光面より小さい中間屈折率体
6とを具備して成る光集積回路基板を提案した。この光
集積回路基板によれば、コア部4を伝搬してきた光が中
間屈折率体6にモード結合により移行し、半導体受光素
子2の受光面におけるフィールドとの整合をとることに
よって、スムーズに半導体受光素子2へ光を結合させて
いる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この中
間屈折率体6を具備して成る光集積回路基板において
は、図7の線図に横軸を中間屈折率体6の光伝搬方向の
長さLff(単位:μm)、縦軸を結合効率Coupling eff
iciency(単位:%)とし、中間屈折率体6の光伝搬方
向の断面形状を長方形としたときの結合効率の変化を破
線の特性曲線で示すように、この中間屈折率体6は光伝
搬方向の長さLffの変化に対して半導体受光素子2との
結合効率の変化が大きく、中間屈折率体6の加工に高精
度が要求されるため、製作が容易とは言い難かったとい
う改善すべき点があった。
【0010】また、この光集積回路基板の用途によって
は、より高効率な結合効率を要求されるシステム回路が
あることから、それに応え得る、しかも製作が容易な光
集積回路基板が求められていた。
【0011】本発明は上記従来技術における問題点や要
求に鑑みてなされたものであり、その目的は、光導波路
と半導体受光素子との結合効率を高め、光導波路を伝搬
する光に対する半導体受光素子による受光効率をより高
効率なものとし、しかも加工精度に大きく影響されずに
安定して製作し供給することができる光集積回路基板を
提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の光集積回路基板
は、基板上に配設された半導体受光素子と、少なくとも
下部クラッド部およびコア部を有し、前記半導体受光素
子の近傍に光伝搬方向をその受光面に平行として形成さ
れた光導波路と、前記半導体受光素子の前記光導波路に
よる前記光伝搬方向の入力側に位置して前記受光面の端
面および前記コア部に対向するように配置された、屈折
率が前記コア部より大きく前記受光面より小さく、かつ
実効屈折率が前記受光面の端面に向かって徐々に高くな
っている中間屈折率体とを具備して成ることを特徴とす
るものである。
【0013】また、本発明の光集積回路基板は、上記構
成において、前記中間屈折率体の厚みが前記受光面の端
面に向かって徐々に厚くなっていることを特徴とするも
のである。
【0014】また、本発明の光集積回路基板は、上記構
成において、前記中間屈折率体の屈折率が前記受光面の
端面に向かって徐々に高くなっていることを特徴とする
ものである。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の光集積回路基板によれ
ば、基板上に例えば実装されあるいは形成されて配設さ
れた面受光型の半導体受光素子に対して、その上に光導
波路を積層するように形成することにより、半導体受光
素子と光導波路とを同一基板に効率的に集積することが
でき、従来のように基板上に光導波路を形成した後で半
導体受光素子を実装した光集積回路基板と比較して小型
化・低背化できるとともに、この光導波路上にさらに別
の光電子デバイス等を搭載実装することができるので、
特に基板上に半導体受光素子および光電子デバイスをそ
れぞれ複数個搭載するような光集積回路基板について
も、光集積回路基板の小型化を実現することができるも
のとなる。
【0016】また、本発明の光集積回路基板によれば、
基板には半導体受光素子を形成することができる基板や
半導体受光素子を搭載実装することができる基板であれ
ば各種の基板を用いることができ、電気的特性の良いセ
ラミック基板等、信号処理の高速化および光電子デバイ
スの高集積化に対してより好適な基板を使用することが
できる。
【0017】また、本発明の光集積回路基板によれば、
半導体受光素子の受光面に対して、光導波路による光伝
搬方向の入力側の端面の手前に、この端面に対向させ
て、屈折率が光導波路のコア部より大きく半導体受光素
子の受光面より小さく、かつ実効屈折率が受光面の端面
に向かって徐々に高くなっている中間屈折率体を配置し
たことによって、モード結合理論から、光導波路のコア
部を伝搬してきた光が中間屈折率体にモード結合により
移行し、この中間屈折率体から出力された光が半導体受
光素子の端面から受光面ヘ結合することができ、これに
ついて半導体受光素子におけるフィールドとの整合をと
ることによって、スムーズに半導体受光素子へ光を結合
させることができ、結合効率を高めることができる。
【0018】また、図5に示すような中間屈折率体6を
用いた構造では、前述のように、モード結合理論の原理
から中間屈折率体6の光伝搬方向の長さLffを変化させ
ると光導波路のコア部4と中間屈折率体6との間で相互
に光が移行して結合効率について大きな変化をもたらし
ていたが、本発明の光集積回路基板によれば、中間屈折
率体の実効屈折率が、半導体受光素子の受光面の端面に
向かって徐々に高くなっていることから、コア部から中
間屈折率体へ移行してきた光は完全に光導波路のコア部
へ戻ることがない。このことから、中間屈折率体の光伝
搬方向の長さを長くすると、結合効率が徐々に増加する
こととなり、より高い結合効率が得られるものとなる。
さらに、本発明の光集積回路基板によれば、中間屈折率
体の光伝搬方向の長さを一定以上にすると結合効率が最
大値に近づき、中間屈折率体の加工精度によらず安定し
た結合効率を得ることができるものとなるので、作製が
容易である。
【0019】以下、本発明の光集積回路基板について図
面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の光集積回路
基板の実施の形態の一例を示す光集積回路基板の断面図
である。
【0020】本発明の光集積回路基板は、図1に示すよ
うに、基板1上に配設された面受光型の半導体受光素子
2と、この基板1上の半導体受光素子2上に形成され
た、下部クラッド部3・コア部4・上部クラッド部5か
ら成る光導波路と、半導体受光素子2の光導波路による
光伝搬方向の入力側に位置する半導体受光素子2の受光
面の端面、通常は光伝搬方向に垂直に配置される端面の
手前に、半導体受光素子2の受光面の端面および光導波
路のコア部4の下面に対向するように配置された、屈折
率がコア部4より大きく半導体受光素子2の受光面より
小さく、かつ実効屈折率が受光面の端面に向かって徐々
に高くなっている中間屈折率体6とを具備して成るもの
である。なお、上部クラッド部5は必ずしも必要なもの
ではなく、上部クラッド部5を形成せず、コア部4の上
部を空気(屈折率は約1)としておくことによっても、
光導波路による良好な光伝送および半導体受光素子2へ
の良好な光接続を行なうことができる。
【0021】本発明の光集積回路基板において、半導体
受光素子2および中間屈折率体6が配設され、その上に
光導波路が形成される基板1には、光集積回路基板や光
電子混在基板の光信号を扱う基板として使用される種々
の基板、例えば、シリコン基板やアルミナ基板・ガラス
セラミック基板・多層セラミック基板等が使用できる。
【0022】基板1上に配設される面受光型の半導体受
光素子2には、例えば、フォトダイオード(PNフォト
ダイオード・PINフォトダイオードあるいはアバラン
シェフォトダイオード・MSM(Metal-Semiconductor-
Metal)フォトダイオード)等が用いられ、これらが基
板1上に搭載実装されあるいは形成されて配設される。
半導体受光素子2の受光面は、基本的には基板1の上面
とほぼ平行にその半導体受光素子2の上部に位置するも
のであるが、このような位置に限定されるものではな
く、半導体受光素子2のどこに位置していてもよい。た
だし、受光面の位置によっては、最大受光効率を得るこ
とができる最適設計を行ない、その最適設計に見合った
光導波路および中間屈折率体6を形成する必要がある。
【0023】基板1および半導体受光素子2上に形成さ
れる光導波路は、少なくとも下部クラッド部3とコア部
4とを有しており、好ましくはこれに上部クラッド部5
を有する3層から成る3次元導波路形状の光導波路であ
る。その形成材料としては基板1上に3次元導波路形状
の光導波路を形成できる光学材料であれば種々のものが
使用できるが、中でも有機系の光学材料、特にシロキサ
ン系ポリマを用いることが望ましい。シロキサン系ポリ
マによる光導波路とすれば、例えばコア部4のみあるい
はコア部4ならびに下部および上部クラッド部3・5に
チタン(Ti)等の金属を含有したシロキサン系ポリマ
を用いることにより、チタン含有量の制御によってコア
部4と下部および上部クラッド部3・5とで所望の屈折
率差を有する光導波路を容易に作製することができ、半
導体受光素子2との受光効率が最大となる構造のものを
設計することが容易となる。
【0024】このようなシロキサン系ポリマとしては、
ポリマの骨格にシロキサン結合が含まれている樹脂であ
ればよく、例えばポリフェニルシルセスキオキサン・ポ
リメチルフェニルシルセスキオキサン・ポリジフェニル
シルセスキオキサン等がある。
【0025】また、コア部4およびクラッド部3・5に
含有させる金属としてはチタンに限られるものではな
く、ゲルマニウム(Ge)・アルミニウム(Al)・エ
ルビウム(Er)等も使用できる。これらの金属を含有
したコア部4を形成するには、その金属アルコキシドを
添加したシロキサン系ポリマ層を形成し、これを所望の
形状・寸法に加工すればよい。
【0026】また、光導波路の材料としては、この他に
も低損失で光を伝搬させることができる透明性があり、
また所望の屈折率差を得ることができるコア部材とクラ
ッド部材との組合せであれば各種の材料を用いることが
できる。有機系の光学材料としては、シロキサン系ポリ
マ以外に、例えばフッ素化ポリイミド・ポリメチルメタ
クリレート(PMMA)・ポリカーボネート(PC)等
の溶液状態で塗布可能な光学材料が好適に用いられる。
【0027】半導体受光素子2の端面に対し、光導波路
による光伝搬方向の入力側に位置して、受光面の端面お
よび光導波路のコア部4の下面に対向するようにして半
導体受光素子2の端面の手前に配置される中間屈折率体
6は、光集積回路を構成する光導波路および半導体受光
素子2の屈折率および形状に応じて適切な屈折率および
形状を有するものとすればよく、特に上下クラッド部3
・5とコア部4との3層で構成される光導波路の実効屈
折率と、下部クラッド部3および半導体受光素子2の受
光面で構成される部分の実効屈折率との範囲内で、半導
体受光素子2の受光面の端面に近くなるにつれて徐々に
実効屈折率が高くなるような実効屈折率分布となる屈折
率と形状との組合せとするとよい。
【0028】例えば、一定の屈折率で構成される中間屈
折率体6の形状を、その厚みが受光面の端面に向かって
徐々に厚くなるような、例えばくさび形あるいは台形等
の断面形状のものにして、半導体受光素子2の受光面側
に最も厚みが厚くなった部分(くさび形であればその底
部)を配置するとよい。このように中間屈折率体6の厚
みを受光面の端面に向かって徐々に厚くなっているもの
としたときは、添加剤の導入および制御が困難であるよ
うな屈折率制御が難しい材料においても、安定して得ら
れる初期の屈折率を利用して中間屈折率体6の形状を設
計することで、高効率な結合効率を得ることができる。
【0029】あるいは、直方体(断面形状が長方形)の
中間屈折率体6について、半導体受光素子2の受光面の
端面に向かって徐々に高い屈折率を有するような屈折率
分布を与えたものとしてもよい。このように中間屈折率
体6の屈折率を受光面の端面に向かって徐々に高くなっ
ているものとしたときは、加工精度に関わらず、任意の
実効屈折率分布を得ることができる。
【0030】さらに、以上のような厚みの変化と屈折率
の変化とを組み合わせてもよく、光集積回路基板の仕様
や構成材料の特性等に応じて、好適な設計を行なえばよ
い。
【0031】中間屈折率体6の形成材料としては、例え
ば、シロキサン系ポリマから成る光導波路に対しては、
PMMAのように光集積回路を構成する光導波路のコア
部4の屈折率より大きく、かつ半導体受光素子2の受光
面の屈折率より小さい屈折率を有し、さらに光吸収等の
光損失が少ない材料であればよい。従って、金属を含有
した樹脂材料および金属等は光の吸収損失があるため、
中間屈折率体6を形成する材料としては必ずしも好適で
はないが、この場合はその形状を最適設計することによ
って、効果的に半導体受光素子2の受光面に伝搬光を結
合することができる。そのような形状としては、例えば
金属を含有した樹脂材料を使用して、光導波路に平行に
配置した中間屈折率体6の光導波路側と反対側に金属の
含有率を高くした構造を有する形状とするとよい。
【0032】半導体受光素子2が配設された基板1上に
光伝搬方向を半導体受光素子2の受光面に平行として形
成される光導波路は、下部クラッド部3の厚み、つまり
基板1からこの基板1にほぼ平行に形成されたコア部4
までの厚みは、形成材料について基板1との相互作用に
より放射損失が発生しないような厚みをあらかじめ実験
で調べた結果等に基づいて、その厚み以上に形成する。
【0033】そのように設計した光集積回路基板の構造
を実現するためには、例えば、基板1上にまず下部クラ
ッド部3の材料となるシロキサン系ポリマの溶液を基板
1上に滴下・塗布することが可能なスピンコーターやバ
ーコーター等の装置を使用して下部クラッド部3を成膜
し、その上に中間屈折率体6を形成する材料をスピンコ
ーターやバーコーター等で塗布して、エッチングによっ
て中間屈折率体6をパターニング加工する。このエッチ
ングに使用する装置には、例えばECR(電子サイクロ
トロン共鳴)・RIE(反応性イオンエッチング)・レ
ーザ等を採用でき、それぞれエッチング条件を最適化す
ることによって、設計したパターン形状を加工すること
ができる。
【0034】この際、光導波路による光伝搬方向に沿っ
た中間屈折率体6の断面形状としては、その厚みが半導
体受光素子2の受光面の端面に向かって徐々に厚くなる
ような形状として、例えば図1に示すような半導体受光
素子2の受光面の端面および光導波路のコア部4の下面
に対向する面を直交する2辺としこれらを結ぶ斜辺を有
する、いわゆるくさび形の形状とするとよい。これによ
り、屈折率が一様な材料を用いた場合であっても、中間
屈折率体6の実効屈折率を受光面の端面に向かって徐々
に高くなっているものとすることができる。
【0035】またこの他に、図2に図1と同様の断面図
で示すような、長方形の形状としてもよく、この場合に
は、半導体受光素子2の受光面の端面に向かって屈折率
が徐々に高くなるような屈折率分布を持たせることによ
り、中間屈折率体6の実効屈折率を受光面の端面に向か
って徐々に高くなっているものとすることができる。
【0036】中でも、図1に示すように中間屈折率体6
の断面形状をくさび形とすることにより、中間屈折率体
の実効屈折率が、半導体受光素子の受光面の端面に向か
って徐々に高くなっているため、中間屈折率体6へ移行
してきた光が完全に光導波路のコア部4へ戻ることがな
くなり、極めて高い結合効率を得ることができる。
【0037】次いで、半導体受光素子2が実装される部
分を上記と同様のエッチングによって加工する。その
後、半導体受光素子2を基板1上に実装し、再び下部ク
ラッド部3を成膜して光導波路のコア部4と半導体受光
素子2との間に所定のギャップを設ける。そして、この
上にコア部4を成膜し、同様にエッチングによって所望
の形状にパターニング加工して光導波路を形成する。
【0038】以上の図1および図2に示すような本発明
の光集積回路基板は、例えば図3に斜視図で示すよう
な、基板11上に多数の半導体受光素子14が配設されると
ともにその上にそれぞれの半導体受光素子14と光結合さ
れる光導波路のコア部13が形成され、さらに多数の光増
幅器15等の光電子デバイスが搭載された光集積回路モジ
ュール等に使用され、それにより、この光集積回路モジ
ュールは、光導波路13と半導体受光素子14とを高い受光
効率で光結合させつつ、そのモジュールのサイズの小型
化を図ることができるものとなる。
【0039】なお、図3において、12は外部との光信号
のやりとりを行なうための光ファイバであり、16は光増
幅器15を駆動するために基板11上に形成された電極部で
ある。また、半導体受光素子14の光導波路13による光伝
搬方向の入力側(光ファイバ12側)の光導波路13の部分
に4本の平行な直線で示した部分は、中間屈折率体が設
けられている場所であることを示している。
【0040】
【実施例】次に、本発明の光集積回路基板について具体
例を説明する。
【0041】[例1]まず、アルミナ基板1上に、下部
クラッド部3を形成し、その上に中間屈折率体6を成膜
し、その一部を加工して中間屈折率体6を形成した。そ
の後、面受光型の半導体受光素子2を実装し、下部およ
び上部クラッド部3・5がシロキサン系ポリマ、コア部
4がチタン含有シロキサン系ポリマから成るステップイ
ンデックス型光導波路を具備した、図1に示した例と同
様な構成の光集積回路基板を作製した。このときコア部
4およびクラッド部3・5の屈折率をそれぞれ1.450お
よび1.445として、コア部4の幅を6μm、高さを6μ
mとし、下部クラッド部3の厚み(基板1から基板1上
面に平行に形成されたコア部4までの厚み)を10μm、
上部クラッド部5の厚みを10μmとした。なお、半導体
受光素子2には、厚みが1μmで、受光面の面積が200
μm径のものを用いた。中間屈折率体6には屈折率1.48
3を有する感光性シロキサンポリマを用いて、幅を200μ
m、半導体受光素子2の受光面の端面側の厚さを1μ
m、光伝搬方向への長さを50μmに加工した。この中間
屈折率体6の端面と半導体受光素子2の受光面の端面と
は、接しているものとした。
【0042】さらに、コア部4の上には、下部クラッド
部3と同様の材料を用いて上部クラッド部5を形成し
た。
【0043】このようにして作製した本発明の光集積回
路基板において、光導波路と半導体受光素子2との結合
効率を測定したところ、断面形状が長方形でしかも実効
屈折率の分布を持たない中間屈折率体を具備した光集積
回路基板に比べて、約1.3倍である約18%の結合効率を
有していることが確認できた。
【0044】この結果につき、図6に光集積回路基板に
おける中間屈折率体6の屈折率および光伝搬方向の長さ
に対する結合効率の変化を線図で示す。図6において、
横軸は中間屈折率体6の屈折率nffを、縦軸は結合効率
Coupling efficiency(単位:%)を表わし、実線は断
面形状がくさび形の中間屈折率体6における特性曲線
を、破線は断面形状が長方形で屈折率分布を持たない中
間屈折率体における特性曲線を示している。結合効率は
中間屈折率体6の屈折率に対して最大値を有しており、
断面形状が直方形の中間屈折率体6の特性曲線は最大値
をとる屈折率付近で急峻なピークを有しているが、断面
形状がくさび形の中間屈折率体6の特性曲線は最大値を
とる屈折率から徐々に結合効率が減少している。つま
り、高結合効率を有する屈折率の制御許容範囲が広が
り、中間屈折率体6として利用する材料の屈折率コント
ロールを緩くすることができることが分かる。
【0045】また、図7に光集積回路基板における中間
屈折率体6の光伝搬方向の長さに対する結合効率の変化
を線図で示す。実線で断面形状がくさび形の中間屈折率
体6による特性曲線を示している。これらの結果より、
断面形状がくさび形をした、半導体受光素子2の受光面
の端面に向かって徐々に高くなっている実効屈折率分布
を有する中間屈折率体6を具備した本発明の光集積回路
基板の方が高結合効率を得られることが分かった。ま
た、断面形状が直方形の中間屈折率体6においては、モ
ード結合によって、光が光導波路と中間屈折率体6を交
互に移行する。このため、中間屈折率体6の光伝搬方向
の長さに対して結合効率の変化が大きく、高い加工精度
が必要であった。断面形状がくさび形の中間屈折率体6
の場合においても、光伝搬方向の長さに対して結合効率
は周期的に変化するが、その変化は断面形状が直方形の
中間屈折率体6の結合効率の変化に対して小さく、ま
た、全体的に増加しながら最大値へ飽和するので、中間
屈折率体6の光伝搬方向の長さを結合効率が最大値をと
るように設計した場合、安定した結合効率を得ることが
できる。
【0046】なお、この例では基板1にアルミナ基板を
使用したが、この他に窒化アルミニウム基板やシリコン
基板・ガラスセラミックス基板等を用いても、同様に良
好な結合効率を有していた。
【0047】ここで、この例における光集積回路基板の
作製方法を図10(a)に工程毎の断面図で示す。
【0048】まず、アルミナ基板1上に下部クラッド部
3をスピンコーターで塗布する(工程)。
【0049】次に、その上から中間屈折率体6を形成す
る感光性シロキサンポリマ6aを成膜し、グレイスケー
ルフォトマスクを使用して感光性シロキサンポリマ6a
を露光すると、感光性シロキサンポリマは照射量に応じ
て屈折率が低く変化するため、光の当たった部分だけ、
露光量に応じてシロキサンポリマ6aの屈折率が変化す
る(工程)。
【0050】ここで、グレイスケールフォトマスクを使
用しているため、シロキサンポリマ6aの屈折率が変化
する領域は、断面形状が工程に示すようなくさび形を
呈し、これにより中間屈折率体6を形成することができ
る(工程)。
【0051】次に、半導体受光素子を実装する部分10を
RIEを利用したエッチングにより形成する(工程
)。
【0052】次に、半導体受光素子実装部分10に半導体
受光素子2を実装する(工程)。
【0053】次に、光導波路のコア部4と半導体受光素
子2の間の厚み分だけクラッド部を成膜し、その後、コ
ア部4を成膜し、フォトリソグラフィ工程を経てコア部
4をパターニングし、最後に上部クラッド部5を成膜し
て光集積回路基板を作製する(工程)。
【0054】なお、中間屈折率体6の厚みを半導体受光
素子2の受光面の端面に向かって徐々に厚くするため
に、断面形状をくさび形にする場合は、図1に示すよう
な断面形状に限られることはなく、例えば図8(a)お
よび(b)にそれぞれ断面図で示すように、二等辺三角
形(図8(a)の形状)の断面形状を有するものであっ
てもよく、上辺がコア部4に平行な直角三角形(図8
(b)の形状)の断面形状を有するものであってもよ
い。
【0055】図9に、図1ならびに図8(a)および
(b)に示す構成で、中間屈折率体6の光伝搬方向の長
さLffを変えて光集積回路基板を作製し、Lff(μm)
に対する結合効率Coupling efficiency(%)の変化を
調べた結果を線図で示す。これらの特性曲線から分かる
ように、中間屈折率体6の光伝搬方向の長さLffを1000
μm以上にすると、結合効率は最大値へ飽和していくこ
とが分かる。これに基づき、中間屈折率体6の光伝搬方
向の長さLffを1000μm以上にすると、加工精度によら
ない安定した結合効率を得ることができた。さらに、最
大の結合効率は、くさび形の断面形状にも特に依存しな
いことが分かった。上記の例において中間屈折率体6の
光伝搬方向の長さLffを1000μmにしたところ、結合効
率は約60%となり、断面形状が長方形で実効屈折率分布
を持たない中間屈折率体を用いた場合に比べて約4倍も
の高結合効率を得ることができた。
【0056】ここで、中間屈折率体6の作製方法の他の
例として、図8(b)に示す光集積回路基板の作製方法
を図10(b)に工程毎の断面図で示す。
【0057】まず、アルミナ基板1上に下部クラッド部
3をスピンコーターで塗布する(工程)。
【0058】次に、その上から屈折率が1.504のフッ素
化ポリイミド6を成膜し、その上にフォトレジスト膜8
を成膜し、グレイスケールフォトマスク7を用いてフォ
トレジスト膜8を露光する(工程)。
【0059】ここで、グレイスケールフォトマスク7を
使用しているため、フォトレジスト膜8の照射量に差が
できて、工程に示すような傾斜構造を有するフォトレ
ジストパターンが形成できる(工程)。
【0060】次に、フォトレジスト膜8をマスクとして
RIEでエッチングを行ない、断面形状がくさび形の中
間屈折率体6を形成する(工程)。
【0061】次に、この中間屈折率体6の端面に受光面
の端面を突き当てるようにして半導体受光素子2を実装
する(工程)。
【0062】次に、光導波路のコア部4と半導体受光素
子2の間の厚み分だけクラッド部を成膜し、その後、コ
ア部4を成膜し、フォトリソグラフィ工程を経てコア部
4をパターニングし、最後に上部クラッド部5を成膜し
て光集積回路基板を作製する(工程)。
【0063】[例2]図10(c)に工程毎の断面図で示
す光集積回路基板作製方法により、図2に示す構造の本
発明の光集積回路基板を作製した。
【0064】まず、アルミナ基板1上に、下部クラッド
部3を成膜した(工程)。
【0065】次に、中間屈折率体6を形成する膜6bを
成膜し、RIEで断面が長方形の直方体6bに加工した
(工程)。
【0066】次に、直方体6bの半導体受光素子2が搭
載される側の端面に金属層9を形成した(工程)。
【0067】次に、直方体6bと金属層9とに電圧を印
加して、金属を直方体6bに拡散させ、直方体6bの半
導体受光素子2が搭載される側の端面における屈折率が
最も高く、その端面から離れるにつれて屈折率が徐々に
低くなるような屈折率分布を持たせた中間屈折率体6を
形成した(工程)。
【0068】その後、面受光型の半導体受光素子2を実
装し(工程)、下部および上部クラッド部3・5がシ
ロキサン系ポリマ、コア部4がチタン含有シロキサン系
ポリマから成るステップインデックス型光導波路を具備
した、図2に示した構成の光集積回路基板を作製した
(工程)。
【0069】このとき、コア部4およびクラッド部3・
5の屈折率をそれぞれ1.450および1.445として、コア部
4の幅を6μm、高さを6μmとし、下部クラッド部3
の厚み(基板1から基板1上面に平行に形成されたコア
部4までの厚み)を10μm、上部クラッド部5の厚みを
10μmとした。なお、半導体受光素子2には、受光面の
厚みが1μmで、受光面の面積が200μm径のものを用
いた。
【0070】また、中間屈折率体6には屈折率が1.504
のフッ素化ポリイミドに金属を添加して屈折率を調整し
た材料を用い、金属の添加量を調節して、1.494〜1.514
の範囲で半導体受光素子2の受光面の端面に向かって徐
々に屈折率が高くなるような屈折率分布を持たせた。こ
の中間屈折率体6の形状は、幅を200μm、半導体受光
素子2の受光面の端面側の厚みを1μm、光伝搬方向の
長さを540μmとし、図2に示すような断面形状が長方
形のものに加工し、この中間屈折率体6の端面と半導体
受光素子2の端面とは、接しているものとした。
【0071】このようにして作製した本発明の光集積回
路基板について、光導波路と半導体受光素子2との結合
効率を測定したところ、結合効率は約50%となり、断面
形状が長方形で実効屈折率分布を持たない中間屈折率体
を用いた構造に比べて約3.5倍もの高結合効率を得るこ
とが確認できた。
【0072】なお、この例でも基板1にアルミナ基板を
使用したが、この他に窒化アルミニウム基板やシリコン
基板・ガラスセラミックス基板等を用いても、同様に良
好な結合効率を有していた。
【0073】なお、以上はあくまで本発明の実施の形態
の例示であって、本発明はこれらに限定されるものでは
なく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更や改
良を加えることは何ら差し支えない。例えば、図1およ
び図2に示す例においては半導体受光素子2が光導波路
の下に位置する場合について示しているが、以下に述べ
るような構造としてもよい。
【0074】まず、基板上に下部クラッド部を形成し、
その上にコア部を形成する。その上に薄いクラッド部を
形成し、これを利用して中間屈折率体を加工した後に、
光導波路に受光面が平行になるように受光面を下向きに
して半導体受光素子を実装する。中間屈折率体は、半導
体受光素子の光導波路による光伝搬方向の入力側に位置
して、半導体受光素子の受光面の端面および光導波路の
コア部の上面に対向するように配置する。これら中間屈
折率体と半導体受光素子を覆うようにして上部クラッド
部を形成する。ただし、上部クラッド部は必ずしも形成
する必要はなく、中間屈折率体と半導体受光素子とを上
部クラッド部で覆うことなく空気にさらした構造をとっ
てもよい。
【0075】また、光導波路と半導体受光素子と中間屈
折率体とが基板に対して平面的に配置されている構造と
してもよい。この場合は、まず基板上に下部クラッド部
を形成し、その上にコア部を形成する。中間屈折率体
は、半導体受光素子の光導波路による光伝搬方向の入力
側に位置して、半導体受光素子の受光面の端面および光
導波路のコア部の側面に対向するように配置する。中間
屈折率体は、コア部の側に任意の形状にフォトリソグラ
フィ技術を用いて形成してもよいし、別の基板上で作製
したものを貼り付けるようにしてもよい。これらコア部
および中間屈折率体を覆うようにして上部クラッド部を
形成する。半導体受光素子は、前述した実装位置にRI
E等のエッチングにより実装穴を形成し、受光面が光導
波路側へ向くように基板に垂直に実装する。半導体受光
素子の電極部は基板上に露出した部分をワイヤボンディ
ング等で電気配線に接続できるようにするとよい。
【0076】
【発明の効果】本発明の光集積回路基板によれば、基板
上に配設された面受光型の半導体受光素子に対して、そ
の上に光導波路を積層するように形成することにより、
半導体受光素子と光導波路とを同一基板に効率的に集積
することができ、従来のように基板上に光導波路を形成
した後で半導体受光素子を実装した光集積回路基板と比
較して小型化・低背化できるとともに、この光導波路上
にさらに別の光電子デバイス等を搭載実装することがで
きるので、特に基板上に半導体受光素子および光電子デ
バイスをそれぞれ複数個搭載するような光集積回路基板
についても、光集積回路基板の小型化を実現することが
できるものとなる。
【0077】また、本発明の光集積回路基板によれば、
基板には電気的特性の良いセラミック基板等、信号処理
の高速化および光電子デバイスの高集積化に対してより
好適な基板を使用することができる。
【0078】また、本発明の光集積回路基板によれば、
半導体受光素子の受光面に対して、光導波路による光伝
搬方向の入力側の端面の手前に、この端面に対向させ
て、屈折率が光導波路のコア部より大きく半導体受光素
子の受光面より小さく、かつ実効屈折率が受光面の端面
に向かって徐々に高くなっている中間屈折率体を配置し
たことによって、受光面の端面に入射するコア部からの
漏れ出した伝搬光に対して、半導体受光素子の端面にお
ける大きな屈折率変化が緩和されるため、受光面の端面
における入射光の反射を抑制することができ、光導波路
による伝搬光を効率的に半導体受光素子に光結合するこ
とができる。
【0079】さらに、光導波路のコア部を伝搬してきた
光が中間屈折率体に光結合により移行し、この中間屈折
率体から出力された光が半導体受光素子の端面から受光
面ヘ結合することができ、これについて半導体受光素子
におけるフィールドとの整合をとることによって、スム
ーズに半導体受光素子へ光を結合させることができ、結
合効率を高めることができる。
【0080】また、本発明の光集積回路基板によれば、
中間屈折率体の実効屈折率が、半導体受光素子の受光面
の端面に向かって徐々に高くなっていることから、コア
部から中間屈折率体へ移行してきた光は完全に光導波路
のコア部へ戻ることがなく、中間屈折率体の光伝搬方向
の長さを長くすると、結合効率が徐々に増加することと
なり、より高い結合効率が得られるものとなる。さら
に、中間屈折率体の光伝搬方向の長さを一定以上にする
と結合効率が最大値に近づき、中間屈折率体の加工精度
によらず安定した結合効率を得ることができるものとな
るので、作製が容易である。
【0081】以上により、本発明によれば、光導波路と
半導体受光素子との結合効率を高め、光導波路を伝搬す
る光に対する半導体受光素子による受光効率をより高効
率なものとし、しかも加工精度に大きく影響されずに安
定して製作し供給することができる光集積回路基板を提
供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光集積回路基板の実施の形態の一例を
示す断面図である。
【図2】本発明の光集積回路基板の実施の形態の他の例
を示す断面図である。
【図3】本発明の光集積回路基板を使用した光集積回路
モジュールの例を示す斜視図である。
【図4】従来の光集積回路基板の例を示す断面図であ
る。
【図5】本発明者が先に提案した光集積回路基板の例を
示す断面図である。
【図6】本発明の光集積回路基板の実施例における中間
屈折率体の屈折率に対する結合効率の変化を示す線図で
ある。
【図7】本発明の光集積回路基板の実施例における中間
屈折率体の光伝搬方向の長さに対する結合効率の変化を
示す線図である。
【図8】(a)および(b)は、それぞれ本発明の光集
積回路基板の実施の形態の他の例を示す断面図である。
【図9】本発明の光集積回路基板の実施例における中間
屈折率体の光伝搬方向の長さに対する結合効率の変化を
示す線図である。
【図10】(a)〜(c)は、それぞれ本発明の光集積
回路基板の作製工程の例を示す工程毎の断面図である。
【符号の説明】
1・・・・・基板 2・・・・・半導体受光素子 3・・・・・光導波路の下部クラッド部 4・・・・・光導波路のコア部 5・・・・・光導波路の上部クラッド部 6・・・・・中間屈折率体

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に配設された半導体受光素子と、
    少なくとも下部クラッド部およびコア部を有し、前記半
    導体受光素子の近傍に光伝搬方向をその受光面に平行と
    して形成された光導波路と、前記半導体受光素子の前記
    光導波路による前記光伝搬方向の入力側に位置して前記
    受光面の端面および前記コア部に対向するように配置さ
    れた、屈折率が前記コア部より大きく前記受光面より小
    さく、かつ実効屈折率が前記受光面の端面に向かって徐
    々に高くなっている中間屈折率体とを具備して成ること
    を特徴とする光集積回路基板。
  2. 【請求項2】 前記中間屈折率体の厚みが前記受光面の
    端面に向かって徐々に厚くなっていることを特徴とする
    請求項1記載の光集積回路基板。
  3. 【請求項3】 前記中間屈折率体の屈折率が前記受光面
    の端面に向かって徐々に高くなっていることを特徴とす
    る請求項1記載の光集積回路基板。
JP2001089753A 2001-03-27 2001-03-27 光集積回路基板 Expired - Fee Related JP3898457B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001089753A JP3898457B2 (ja) 2001-03-27 2001-03-27 光集積回路基板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001089753A JP3898457B2 (ja) 2001-03-27 2001-03-27 光集積回路基板

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002286956A true JP2002286956A (ja) 2002-10-03
JP3898457B2 JP3898457B2 (ja) 2007-03-28

Family

ID=18944636

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001089753A Expired - Fee Related JP3898457B2 (ja) 2001-03-27 2001-03-27 光集積回路基板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3898457B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021063782A (ja) * 2019-10-17 2021-04-22 株式会社日本マイクロニクス 検査プローブ、検査プローブの製造方法および検査装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021063782A (ja) * 2019-10-17 2021-04-22 株式会社日本マイクロニクス 検査プローブ、検査プローブの製造方法および検査装置
JP7443017B2 (ja) 2019-10-17 2024-03-05 株式会社日本マイクロニクス 検査プローブ、検査プローブの製造方法および検査装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3898457B2 (ja) 2007-03-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7218809B2 (en) Integrated planar composite coupling structures for bi-directional light beam transformation between a small mode size waveguide and a large mode size waveguide
JP3302458B2 (ja) 集積化光装置及び製造方法
US10082625B2 (en) Optical component with angled-facet waveguide
EP2932320A1 (en) Fiber optic coupler array
JP2004191564A (ja) 光路変換コネクタ
US6477296B1 (en) Optical waveguide device, optical transmitting and receiving device, method of manufacturing optical waveguide device and method of manufacturing optical transmitting and receiving device
CN112166355B (zh) 具有扇出中介层的绝热耦合光子系统
JP6543200B2 (ja) 光導波路
JP2009198804A (ja) 光モジュール及び光導波路
JPS63191111A (ja) 光結合器
JP3748528B2 (ja) 光路変換デバイスおよびその製造方法
US9897761B2 (en) Optical fiber mounted photonic integrated circuit device for single mode optical fibers
JP2000039530A (ja) 光信号伝送システムおよびその製造方法
JP2007025382A (ja) 光導波路、光導波路の製造方法及び光導波路モジュール
JP2008102283A (ja) 光導波路、光モジュール及び光導波路の製造方法
Li et al. 4× 20 GHz silica-based AWG hybrid integrated receiver optical sub-assemblies
JP2006011046A (ja) 光導波路及びその光導波モジュール、並びに光伝送モジュール
JP5395042B2 (ja) 光路変換デバイスの製造方法
JPH1152198A (ja) 光接続構造
JP2007183467A (ja) ミラー付光導波路及びその製造方法
JP2007178950A (ja) 光配線基板および光配線モジュール
JP3898457B2 (ja) 光集積回路基板
JP3898448B2 (ja) 光集積回路基板
JP4607063B2 (ja) 光路変換コネクタの製造方法
JP2008032931A (ja) 光結合素子

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040212

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040511

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040709

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051004

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051205

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060829

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20061207

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20061221

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110105

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120105

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120105

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130105

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees