JP3898448B2 - 光集積回路基板 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光導波路と半導体受光素子とを同一基板に集積する光集積回路基板に関し、例えばWDM(Wavelength Division Multiplex:波長分割多重伝送方式)用受光回路基板のように同一基板上に複数の半導体受光素子およびその他のデバイスを搭載するような場合に好適に利用され、光導波路と半導体受光素子とを同一基板に集積して基板サイズの小型化と受光効率の増加を実現できる光集積回路基板に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、WDM用受光回路基板等のような光集積回路基板における半導体受光素子と光導波路との接続は、光導波路層の上方に半導体受光素子を実装し、光導波路からの光は、光導波路に作り込んだミラーやグレーティングを通して光路変更することによって半導体受光素子の受光部に入力させるのが一般的であった。
【0003】
この方法では、半導体受光素子を実装する際の光導波路と半導体受光素子の受光部との光学的な結合を行なうための位置合わせが半導体受光素子の相対的な位置を直交する3軸方向において最適に設定する必要があった。また、光導波路に作り込むミラーやグレーティングの作製プロセスも煩雑であった。
【0004】
そこで、特開平7−128531号公報では、光結合を用いて高分子導波路から光半導体素子へ高効率に結合を行なう構造が提案されている。図4に特開平7−128531号公報に提案された光集積回路基板の例の断面図を示す。これによれば、光導波路が高分子導波路で形成され、クラッド部33中に形成された光導波路のコア部34が半導体層35と光吸収層32とから成る半導体受光素子の上面に乗り上げるように屈曲し、半導体受光素子の端面とコア部34との間は下部のクラッド部33で埋め込まれている構造を有している。この構造は、屈曲部において屈曲部の外側、即ち半導体受光素子側へ伝搬光の電界分布が偏ることによって、半導体受光素子の光吸収層32に取り込まれやすくなり、光導波路と半導体受光素子との結合効率を高くしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平7−128531号公報に提案された光集積回路基板に関しては、図4に示すように高分子導波路が半導体受光素子の上面に乗り上げるように屈曲しているため、屈曲部の曲率半径が小さい場合において、光が放射することによって高分子導波路を伝搬してきた光は半導体受光素子と結合せずに、一部が基板や上部クラッド層33へ散乱してしまうという問題点があった。
【0006】
また、この例においても、半導体受光素子の受光部である光吸収層32と半導体受光素子の入力側の端面の境界部に位置する下部クラッド33との屈折率差が大きいため、光吸収層32に端面側から入射する伝搬光が高分子導波路の伝搬方向に対して垂直な半導体受光素子の端面で反射されてしまうという問題点があった。
【0007】
本発明は上記従来技術における問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、光導波路を伝搬する光に対する半導体受光素子による受光効率を高めた光集積回路基板を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の光集積回路基板は、前記基板の上面と平行に位置する大面積の受光面と、前記大面積の受光面に垂直な受光面を有し、前記大面積の受光面を上向きにして配設された面受光型の半導体受光素子と、前記基板上に、少なくとも下部クラッド部およびコア部を有し、前記半導体受光素子の上に、前記下部クラッド部の一部を介して、前記コア部を前記大面積の受光面に平行として形成された光導波路と、前記半導体受光素子の前記光導波路による前記光伝搬方向の入力側に位置して前記半導体受光素子の前記大面積の受光面に垂直な受光面に対向するとともに、前記下部クラッド部の一部を介して前記光導波路の前記コア部の下面に対向するように配置された、屈折率が前記コア部より大きく前記大面積の受光面に垂直な受光面より小さい中間屈折率体とを具備して成ることを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の光集積回路基板によれば、基板上に例えば実装されあるいは形成されて、基板の上面と平行に位置する大面積の受光面と、大面積の受光面に垂直な受光面を有し、大面積の受光面を上向きにして配設された面受光型の半導体受光素子に対して、その上に、下部クラッド部の一部を介して、コア部を大面積の受光面に平行として光導波路を積層するように形成していることから、半導体受光素子と光導波路とを同一基板に効率的に集積することができ、従来のように基板上に光導波路を形成した後で半導体受光素子を実装した光集積回路基板と比較して小型化・低背化できるとともに、この光導波路上にさらに別の光電子デバイス等を搭載実装することができるので、特に基板上に半導体受光素子および光電子デバイスをそれぞれ複数個搭載するような光集積回路基板についても、光集積回路基板の小型化を実現することができるものとなる。
【0010】
また、本発明の光集積回路基板によれば、基板には半導体受光素子を形成することができる基板や半導体受光素子を搭載実装することができる基板であれば各種の基板を用いることができ、電気的特性の良いセラミック基板等、信号処理の高速化および光電子デバイスの高集積化に対してより好適な基板を使用することができる。
【0011】
また、本発明の光集積回路基板によれば、半導体受光素子の光導波路による光伝搬方向の入力側の端面の手前に、この端面と下部クラッド部の一部を介して光導波路のコア部の下面とに対向させて、屈折率が光導波路のコア部より大きく半導体受光素子の大面積の受光面に垂直な受光面より小さい中間屈折率体を配置したことによって、大面積の受光面に垂直な受光面に入射するコア部の下面からの漏れ出した伝搬光に対して、半導体受光素子の端面における例えばクラッド部と受光面との間の大きな屈折率変化が緩和されるため、大面積の受光面に垂直な受光面における入射光の反射を抑制することができ、光導波路による伝搬光を効率的に半導体受光素子へ光結合することができる。
【0012】
さらに、中間屈折率体を第2の光導波路としてとらえた場合、光結合の原理から、光導波路を伝搬する光が中間屈折率体に結合して、この中間屈折率体から出力された光が半導体受光素子の端面から受光部へ結合することができ、従来の光導波路と半導体受光素子との関係に比較して結合効率を高めることができる。
【0013】
以下、本発明の光集積回路基板について図面を参照しつつ説明する。
【0014】
図1は、本発明の光集積回路基板の実施の形態の一例を示す光集積回路基板の断面図である。
【0015】
本発明の光集積回路基板は、図1に示すように、基板1上に配設された面受光型の半導体受光素子2と、この基板1上の半導体受光素子2上に形成された、下部クラッド部3・コア部4・上部クラッド部5から成る光導波路と、半導体受光素子2の光導波路による光伝搬方向の入力側に位置する受光面、通常は光伝搬方向に垂直に配置される大面積の受光面に垂直な受光面の手前に、半導体受光素子2の大面積の受光面に垂直な受光面に対向するとともに、下部クラッド部の一部を介して光導波路のコア部4の下面に対向するように配置された、屈折率がコア部4より大きく半導体受光素子2の受光面より小さい中間屈折率体6とを具備して成るものである。なお、上部クラッド部5は必ずしも必要なものではなく、上部クラッド部5を形成せず、コア部4の上部を空気(屈折率は約1)としておくことによっても、光導波路による良好な光伝送および半導体受光素子2への良好な光接続を行なうことができる。
【0016】
本発明の光集積回路基板において、半導体受光素子2および中間屈折率体6が配設され、その上に光導波路が形成される基板1には、光集積回路基板や光電子混在基板の光信号を扱う基板として使用される種々の基板、例えば、シリコン基板やアルミナ基板・ガラスセラミック基板・多層セラミック基板等が使用できる。
【0017】
基板1上に配設される面受光型の半導体受光素子2には、例えば、フォトダイオード(PNフォトダイオード・PINフォトダイオードあるいはアバランシェフォトダイオード・MSM(Metal-Semiconductor-Metal)フォトダイオード等が用いられ、これらが基板1上に搭載実装されあるいは形成されて配設される。半導体受光素子2の大面積の受光面は、基本的には基板1の上面とほぼ平行にその素子2の上部に位置するものであるが、このような位置に限定されるものではなく、半導体受光素子2のどこに位置していてもよい。ただし、大面積の受光面の位置によっては、最大受光効率を得ることができる最適設計を行ない、その最適設計に見合った光導波路および中間屈折率体6を形成する必要がある。
【0018】
基板1および半導体受光素子2上に形成される光導波路は、少なくとも下部クラッド部3とコア部4とを有しており、好ましくはこれに上部クラッド部5を有する3層から成る3次元導波路形状の光導波路である。その形成材料としては基板1上に3次元導波路形状の光導波路を形成できる光学材料であれば種々のものが使用できるが、中でも有機系の光学材料、特にシロキサン系ポリマを用いることが望ましい。シロキサン系ポリマによる光導波路とすれば、例えばコア部4のみあるいはコア部4および下部および上部クラッド部3・5にチタン(Ti)等の金属を含有したシロキサン系ポリマを用いることにより、チタン含有量の制御によってコア部4と下部および上部クラッド部3・5とで所望の屈折率差を有する光導波路を容易に作製することができ、半導体受光素子2との受光効率が最大となる構造のものを設計することが容易となる。
【0019】
このようなシロキサン系ポリマとしては、ポリマの骨格にシロキサン結合が含まれている樹脂であればよく、例えばポリフェニルシルセスキオキサン・ポリメチルフェニルシルセスキオキサン・ポリジフェニルシルセスキオキサン等がある。
【0020】
また、コア部4およびクラッド部3・5に含有させる金属としてはチタンに限られるものではなく、ゲルマニウム(Ge)・アルミニウム(Al)・エルビウム(Er)等も使用できる。これらの金属を含有したコア部4を形成するには、その金属アルコキシドを添加したシロキサン系ポリマ層を形成し、これを所望の形状・寸法に加工すればよい。
【0021】
また、光導波路の材料としては、この他にも低損失で光を伝搬させることができる透明性があり、また所望の屈折率差を得ることができるコア部材とクラッド部材との組合せであれば各種の材料を用いることができる。有機系の光学材料としては、シロキサン系ポリマ以外に、例えばフッ素化ポリイミド・ポリメチルメタクリレート(PMMA)・ポリカーボネート(PC)等の溶液状態で塗布可能な光学材料が好適に用いられる。
【0022】
半導体受光素子2の大面積の受光面に垂直な受光面に対し、光導波路による光伝搬方向の入力側に位置して、大面積の受光面に垂直な受光面に対向するとともに、下部クラッド部の一部を介して光導波路のコア部4の下面に対向するようにして半導体受光素子2の端面の手前に配置される中間屈折率体6は、光集積回路を構成する光導波路および半導体受光素子2の屈折率および形状に応じて適切な屈折率および形状を有するものすればよく、好適には下部および上部クラッド部3・5とコア部4との3層で構成される光導波路の実効屈折率と等しい実効屈折率を有する屈折率と形状との組合せとするとよい。例えば、中間屈折率体6の屈折率が大きい場合はその厚みを薄くし、中間屈折率体6の屈折率が小さい場合はその厚みを厚くすると良い。
【0023】
その形成材料としては、例えば、シロキサン系ポリマから成る光導波路に対しては、PMMAのように光集積回路を構成する光導波路のコア部4の屈折率より大きく、かつ半導体受光素子2の大面積の受光面に垂直な受光面の屈折率より小さい屈折率を有し、さらに光吸収等の光損失が少ない材料であればよい。従って、金属を含有した樹脂材料および金属等は光の吸収損失があるため、中間屈折率体6を形成する材料としては必ずしも好適ではないが、この場合はその形状を最適設計することによって、効果的に半導体受光素子2の受光面に伝搬光を結合することができる。そのような形状としては、例えば金属を含有した樹脂材料を使用して、光導波路に平行に配置した中間屈折率体6の光導波路側と反対側に金属の含有率を高くした構造を有する形状とするとよい。
を薄くし、中間屈折率体6の屈折率が小さい場合はその厚みを厚くすると良い。
【0024】
半導体受光素子2が配設された基板1上に光伝搬方向を半導体受光素子の大面積の受光面に平行として形成される光導波路は、下部クラッド部3の厚み、つまり基板1からこの基板1にほぼ平行に形成されたコア部4までの厚みは、形成材料について基板1との相互作用により放射損失が発生しないような厚みをあらかじめ実験で調べた結果等に基づいて、その厚み以上に形成する。
【0025】
そのように設計した光集積回路基板の構造を実現するためには、例えば、基板1上にまず下部クラッド部3の材料となるシロキサン系ポリマの溶液を光学材料溶液を基板1上に滴下・塗布することが可能なスピンコーターやバーコーター等の装置を使用して下部クラッド部3を成膜し、その上に中間屈折率体6を形成する材料をスピンコーターやバーコーター等で塗布して、エッチングによって中間屈折率体6をパターニング加工する。このエッチングに使用する装置には、例えばECR(電子サイクロトロン共鳴)・RIE(反応性イオンエッチング)・レーザ等を採用でき、それぞれエッチング条件を最適化することによって、設計したパターン形状を加工することができる。
【0026】
この際、光導波路による光伝搬方向に沿った中間屈折率体6の断面形状としては、図1に示すような略四角形状の他に、図2に図1と同様の断面図で示すような、半導体受光素子2の大面積の受光面に垂直な受光面に対向する面と、下部クラッド部を介して光導波路のコア部4の下面に対向する面を直交する2辺としこれらを結ぶ斜辺を有する、略三角形状としてもよい。図2に示すように中間屈折率体6の断面形状を略三角形状とすることにより、中間屈折率体6とそれを取り巻くクラッド部3とからなる第2の光導波路として考えた場合の実効屈折率が、半導体受光素子2が有する実効屈折率に徐々に近くなるために、結合の効果をさらに大きくすることができる。
【0027】
さらに、半導体受光素子2が実装される部分を同様にエッチングによって加工する。その後、半導体受光素子2を基板1上に実装し、再び下部クラッド部3を成膜して光導波路のコア部4と半導体受光素子2との間に所定のギャップを設ける。そして、この上にコア部4を成膜し、同様にエッチングによって所望の形状にパターニング加工して光導波路を形成する。
【0028】
以上の図1および図2に示すような本発明の光集積回路基板は、例えば図3に斜視図で示すような、基板11上に多数の半導体受光素子14が配設されるとともにその上にそれぞれの半導体受光素子14と光結合される光導波路のコア部13が形成され、さらに多数の光増幅器15等の光電子デバイスが搭載された光集積回路モジュール等に使用され、それにより、この光集積回路モジュールは、光導波路13と半導体受光素子14とを高い受光効率で光結合させつつ、そのモジュールのサイズの小型化を図ることができるものとなる。
【0029】
なお、図3において、12は外部との光信号のやりとりを行なうための光ファイバであり、16は光増幅器15を駆動するために基板11上に形成された電極部である。また、半導体受光素子14の光導波路13による光伝搬方向の入力側(光ファイバ12側)の光導波路13の部分に4本の平行な直線で示した部分は、中間屈折率体が設けられている場所であることを示している。
【0030】
【実施例】
次に、本発明の光集積回路基板について具体例を説明する。
【0031】
[例1]まず、アルミナ基板1上に、下部クラッド部3を形成し、その一部を加工して中間屈折率体6を形成した。その後、面受光型の半導体受光素子2を実装し、下部および上部クラッド部3・5がシロキサン系ポリマ、コア部4がチタン含有シロキサン系ポリマから成るステップインデックス型光導波路を具備した、図1に示した例と同様な構成の光集積回路基板を作製した。このときコア部4およびクラッド部3・5の屈折率をそれぞれ1.450および1.445として、コア部4の幅を6μm、高さを6μmとし、下部クラッド部3の厚み(基板1から基板1上面に平行に形成されたコア部4までの厚み)を10μm、上部クラッド部5の厚みを10μmとした。なお、半導体受光素子2には、厚みが1μmで、大面積の受光面の面積が200μm径のものを用いた。中間屈折率体6には、屈折率1.492を有するフッ素化ポリイミドを用いて、幅を200μm、高さを1μm、光伝搬方向への長さを60μmに加工した。この中間屈折率体6の端面と半導体受光素子2の大面積の受光面に垂直な受光面とは、接しているものとした。
【0032】
さらに、コア部4の上には、下部クラッド部3と同様の材料を用いて上部クラッド部5を形成した。
【0033】
このようにして作製した本発明の光集積回路基板において、光導波路と半導体受光素子2との結合効率を測定したところ、従来技術による光集積回路基板の約2倍である約17%の結合効率を有していることが確認できた。
【0034】
なお、この実施例では基板1にアルミナ基板を使用したが、この他に窒化アルミニウム基板やシリコン基板・ガラスセラミックス基板等を用いても、同様に良好な結合効率を有していた。
【0035】
[例2]まず、アルミナ基板1上に、下部クラッド部3を形成し、一部を加工して中間屈折率体6を形成した。その後、面受光型の半導体受光素子2を実装し、下部および上部クラッド部3・5がシロキサン系ポリマ、コア部4がチタン含有シロキサン系ポリマから成るステップインデックス型光導波路を具備した、図2に示した例と同様な構成の光集積回路基板を作製した。このときコア部4およびクラッド部3・5の屈折率をそれぞれ1.450および1.445として、コア部4の幅を6μm、高さを6μmとし、下部クラッド部3の厚み(基板1から基板1上面に平行に形成されたコア部4までの厚み)を10μm、上部クラッド部5の厚みを10μmとした。なお、半導体受光素子2には、厚みが1μmで、大面積の受光面の面積が200μm径のものを用いた。中間屈折率体6には屈折率1.504を有するフッ素化ポリイミドに金属を添加した材料を用いて、幅を200μm、高さを1μm、光伝搬方向への長さを540μmとした、図2に示すような断面が略三角形状のものに加工した。この中間屈折率体6の端面と半導体受光素子2の大面積の受光面に垂直な受光面とは、接しているものとした。
【0036】
さらに、コア部4の上には、下部クラッド部3と同様の材料を用いて上部クラッド部5を形成した。
【0037】
このようにして作製した本発明の光集積回路基板において、光導波路と半導体受光素子2との結合効率を測定したところ、従来技術による光集積回路基板の約50%も高い結合効率を有していることが確認できた。
【0038】
半導体受光素子2への結合効率は、中間屈折率体6の屈折率および形状を変化させることによって、任意に設計することができる。
【0039】
光導波路と半導体受光素子2を2つの平行した導波路と考えた場合の、中間屈折率体6の屈折率を変化させた場合の結合効率の変化と中間屈折率体6の光伝搬方向の長さを変化させた場合の結合効率の変化を、図5および図6にそれぞれ線図で示す。図5の横軸は中間屈折率体6の屈折率nを、図6の横軸は中間屈折率体6の光伝搬方向の長さL(μm)を表わし、両図の縦軸は結合効率Coupling efficiencyを表わし、両図の凡例の「square」は例1の光集積回路基板における挙動を示し、「taper」は例2の光集積回路基板における挙動を示している。
【0040】
図5および図6に示す結果から、屈折率は最適値を有し、最適値を有する場合にコア部4と下部および上部クラッド部3・5とから構成される光導波路の実効屈折率と、中間屈折率体6および下部クラッド部3から構成される第2の光導波路の実効屈折率とがほぼ等しくなることが分かる。また、中間屈折率体6の光伝搬方向の長さLについては、中間屈折率体6の断面形状が略四角形状を示している場合は、長さLに対して結合効率は周期的に変化し、最大結合効率を有する長さLが存在することから、加工精度に合わせて長さを選択することができる。一方、中間屈折率体6の断面形状が略三角形状を示している場合は、長さLに対して結合効率は周期的に変化しながら増加する傾向にあり、用途に合わせて必要な結合効率を調整することができることが分かる。
【0041】
なお、この実施例でも基板1にアルミナ基板を使用したが、この他に窒化アルミニウム基板やシリコン基板・ガラスセラミックス基板等を用いても、同様に良好な結合効率を有していた。
【0042】
なお、以上はあくまで本発明の実施の形態の例示であって、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更や改良を加えることは何ら差し支えない。例えば、中間屈折率体6の断面が略三角形状を示す場合の実効屈折率の変化と同様の効果を有するように、光導波路の入力側から半導体受光素子2へ徐々に屈折率を変化させてもよい。この場合の屈折率変化は、例えば、中間屈折率体6のフッ素化ポリイミドのフッ素含有量を、光導波路の入力側から半導体受光素子2側へ徐々に屈折率が高くなるように調整してもよい。また、中間屈折率体6の加工において、中間屈折率体6を別の基板上で作製した後に、これを下部クラッド部3上に貼り付けて形成してもよい。
【0043】
また、図1および図2は半導体受光素子が光導波路の下に位置する場合について示しているが、以下に述べるような構造としてもよい。
【0044】
まず、基板上に下部クラッド部を形成しその上にコア部を形成する。その上に薄いクラッド部を形成し、中間屈折率体を加工した後に、光導波路に受光面が平行になるように受光面を下向きにして半導体受光素子を実装する。この中間屈折率体は、半導体受光素子の光導波路による伝搬方向の入力側に位置して、半導体受光素子の受光面の端面および光導波路のコア部の上面に対向するように配置される。そして、中間屈折率体と半導体受光素子とを覆うようにして上部クラッド部を形成する。なお、上部クラッド部は必ずしも形成する必要はなく、中間屈折率体と半導体受光素子を上部クラッド部で覆うことなく空気にさらされた構造をとってもよい。
【0046】
【発明の効果】
以上のように、本発明の光集積回路基板によれば、基板上に、基板の上面と平行に位置する大面積の受光面と、大面積の受光面に垂直な受光面を有し、大面積の受光面を上向きにして配設された面受光型の半導体受光素子に対して、その上に、下部クラッド部の一部を介して、コア部を大面積の受光面に平行として光導波路を積層するように形成していることから、半導体受光素子と光導波路とを同一基板に効率的に集積することができ、従来のように基板上に光導波路を形成した後で半導体受光素子を実装した光集積回路基板と比較して小型化・低背化できるとともに、この光導波路上にさらに別の光電子デバイス等を搭載実装することができるので、特に基板上に半導体受光素子および光電子デバイスをそれぞれ複数個搭載するような光集積回路基板についても、光集積回路基板の小型化を実現することができるものとなる。
【0047】
また、本発明の光集積回路基板によれば、基板には半導体受光素子を形成することができる基板や半導体受光素子を搭載実装することができる基板であれば各種の基板を用いることができ、電気的特性の良いセラミック基板等、信号処理の高速化および光電子デバイスの高集積化に対してより好適な基板を使用することができる。
【0048】
また、本発明の光集積回路基板によれば、半導体受光素子の光導波路による光伝搬方向の入力側の端面の手前に、この端面と下部クラッド部の一部を介して光導波路のコア部の下面とに対向させて、屈折率が光導波路のコア部より大きく半導体受光素子の大面積の受光面に垂直な受光面より小さい中間屈折率体を配置したことによって、大面積の受光面に垂直な受光面に入射するコア部の下面からの漏れ出した伝搬光に対して、半導体受光素子の端面における例えばクラッド部と受光面との間の大きな屈折率変化が緩和されるため、大面積の受光面に垂直な受光面における入射光の反射を抑制することができ、光導波路による伝搬光を効率的に半導体受光素子へ光結合することができる、光導波路と半導体受光素子との光結合の結合効率が高い光集積回路基板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光集積回路基板の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図2】本発明の光集積回路基板の実施の形態の他の例を示す断面図である。
【図3】本発明の光集積回路基板を使用した光集積回路モジュールの例を示す斜視図である。
【図4】従来の光集積回路基板の例を示す断面図である。
【図5】本発明の光集積回路基板の実施例における中間屈折率体の屈折率に対する結合効率の変化を示す線図である。
【図6】本発明の光集積回路基板の実施例における中間屈折率体の光伝搬方向の長さ中間屈折率体の光伝搬方向の長さに対する結合効率の変化を示す線図である。
【符号の説明】
1・・・・・基板
2・・・・・半導体受光素子
3・・・・・光導波路の下部クラッド部
4・・・・・光導波路のコア部
5・・・・・光導波路の上部クラッド部
6・・・・・中間屈折率体

Claims (1)

  1. 基板上に、前記基板の上面と平行に位置する大面積の受光面と、前記大面積の受光面に垂直な受光面を有し、前記大面積の受光面を上向きにして配設された面受光型の半導体受光素子と、前記基板上に、少なくとも下部クラッド部およびコア部を有し、前記半導体受光素子の上に、前記下部クラッド部の一部を介して、前記コア部を前記大面積の受光面に平行として形成された光導波路と、前記半導体受光素子の前記光導波路による前記光伝搬方向の入力側に位置して前記半導体受光素子の前記大面積の受光面に垂直な受光面に対向するとともに、前記下部クラッド部の一部を介して前記光導波路の前記コア部の下面に対向するように配置された、屈折率が前記コア部より大きく前記大面積の受光面に垂直な受光面より小さい中間屈折率体とを具備して成ることを特徴とする光集積回路基板。
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