JP2002286127A - 変速機のシフト操作装置 - Google Patents

変速機のシフト操作装置

Info

Publication number
JP2002286127A
JP2002286127A JP2001090287A JP2001090287A JP2002286127A JP 2002286127 A JP2002286127 A JP 2002286127A JP 2001090287 A JP2001090287 A JP 2001090287A JP 2001090287 A JP2001090287 A JP 2001090287A JP 2002286127 A JP2002286127 A JP 2002286127A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
shift
rotation speed
transmission
pair
electromagnetic solenoid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001090287A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4140207B2 (ja
Inventor
Yasushi Yamamoto
康 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Isuzu Motors Ltd
Original Assignee
Isuzu Motors Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Isuzu Motors Ltd filed Critical Isuzu Motors Ltd
Priority to JP2001090287A priority Critical patent/JP4140207B2/ja
Publication of JP2002286127A publication Critical patent/JP2002286127A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4140207B2 publication Critical patent/JP4140207B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジンから変速機への駆動力の伝達を断・
接する摩擦クラッチに引きずりトルクが発生しても、シ
フト動作を円滑に行うことができる各変速クラッチ部に
同期機構を備えていない変速機のシフト操作装置を提供
する。 【解決手段】 変速歯車のドッグ歯と適宜噛合するクラ
ッチスリーブを作動するシフトレバーをシフト方向に作
動せしめるシフト操作装置であって、シフトアクチュエ
ータに電力を供給してギヤイン操作を実行する際に、シ
フトストローク位置が少なくともドッグ歯のチャンファ
前端から後端に達するまでの間はシフトアクチュエータ
に供給する電力をパルス状に制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両に搭載された
変速機、更に詳しくは各変速クラッチ部に同期機構を具
備していない変速機のシフト操作装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両に搭載される変速機は、一般に各変
速クラッチ部に同期機構を備えている。各変速クラッチ
部にそれぞれ同期機構を設けると、変速機の軸方向長さ
および重量が増大する原因となる。このような問題を解
消するために各変速クラッチ部の同期機構を除去し、カ
ウンターシャフトに同期機構を設けた変速機が実用化さ
れている。このようなカウンターシャフトに同期機構を
設けた変速機においては、変速機とエンジンとの間に配
設された摩擦クラッチを断した状態で同期回転速度差を
が所定値以下になったらニュートラル位置からシフト動
作を開始する。
【0003】上述したシフト操作時において上記摩擦ク
ラッチを断することによりエンジン側から変速機側への
動力伝達が遮断されるが、摩擦クラッチとして湿式多板
クラッチを用いると断状態においても引きずりトルクが
発生し、この引きずりトルクが円滑なシフト操作を妨げ
る原因となる。即ち、摩擦クラッチに生ずる引きずりト
ルクがが大きいと、クラッチスリーブのスプラインが変
速歯車のドッグ歯のチャンファと係合した状態から更に
ギヤイン方向に進むことが困難となる。
【0004】一方、上記クラッチスリーブを操作するシ
フトレバーを作動せしめるシフトアクチュエータとして
は、一般に空気圧や油圧等の流体圧を作動源とした流体
圧シリンダが用いられている。また近年、圧縮空気源や
油圧源を具備していない車両に搭載する変速機のシフト
アクチュエータとして、電動モータ式のアクチュエータ
が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】而して、上記シフトア
クチュエータは、シフト作動時にはクラッチスリーブが
ドッグ歯と係合するギヤイン位置に達するまで作動され
るが、上記のように摩擦クラッチに発生する引きずりト
ルクが大きいとクラッチスリーブのスプラインを変速歯
車のドッグ歯のチャンファと係合した状態から更にギヤ
イン方向に進むことが困難となるため、シフト動作が完
了しないという問題がある。
【0006】本発明は上記事実に鑑みてなされたもの
で、その主たる技術的課題は、エンジンから変速機への
駆動力の伝達を断・接する摩擦クラッチに引きずりトル
クが発生しても、シフト動作を円滑に行うことができる
各変速クラッチ部に同期機構を具備していない変速機の
シフト操作装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記主たる技術的課題を
解決するために、本発明によれば、変速歯車のドッグ歯
と適宜噛合するクラッチスリーブを作動するシフトレバ
ーをシフト方向に作動せしめるシフト操作装置であっ
て、該シフトレバーに連結した作動部材と係合するシフ
トプランジャと、該シフトプランジャの外周面に配設さ
れた磁石可動体と、該磁石可動体を包囲して配設された
筒状の固定ヨークと、該固定ヨークの内側に軸方向に併
設された一対のコイルとを具備するシフトアクチュエー
タと、該シフトレバーのシフトストローク位置を検出す
るシフトストロークセンサーと、該変速機の入力軸の回
転速度を検出する入力軸回転速度検出センサーと、該変
速機の出力軸の回転速度を検出する出力軸回転速度検出
センサーと、該シフトストロークセンサーと該入力軸回
転速度検出センサーおよび該出力軸回転速度検出センサ
ーからの信号に基づいて該シフトアクチュエータの該一
対のコイルに供給する電力を制御する制御手段と、を具
備し、該制御手段は、ギヤイン操作時においては入力軸
回転速度と出力軸回転速度に基づいて同期回転速度差を
演算し、該同期回転速度差が所定値以下に達したら該一
対のコイルに電力を供給するとともに、シフトストロー
ク位置が少なくとも該ドッグ歯のチャンファ前端から後
端に達するまでの間は該一対のコイルに供給する電力を
パルス状に制御する、ことを特徴とする変速機のシフト
操作装置が提供される。
【0008】また、本発明によれば、変速歯車のドッグ
歯と適宜噛合するクラッチスリーブを作動するシフトレ
バーをシフト方向に作動せしめるシフト操作装置であっ
て、該シフトレバーに連結した作動部材と係合するシフ
トプランジャと、該シフトプランジャの外周面に配設さ
れた磁石可動体と、該磁石可動体を包囲して配設された
筒状の固定ヨークと、該固定ヨークの内側に軸方向に併
設された一対のコイルとを具備するシフトアクチュエー
タと、該変速機の入力軸の回転速度を検出する入力軸回
転速度検出センサーと、該変速機の出力軸の回転速度を
検出する出力軸回転速度検出センサーと、該入力軸回転
速度検出センサーおよび該出力軸回転速度検出センサー
からの信号に基づいて該シフトアクチュエータの該一対
のコイルに供給する電力を制御する制御手段と、を具備
し、該制御手段は、ギヤイン操作時においては入力軸回
転速度と出力軸回転速度に基づいて同期回転速度差を演
算し、該同期回転速度差が所定値以下に達したら該一対
のコイルに電力を供給するとともに、該電力をパルス状
に制御する、ことを特徴とする変速機のシフト操作装置
が提供される。
【0009】更に、本発明によれば、変速歯車のドッグ
歯と適宜噛合するクラッチスリーブを作動するシフトレ
バーをシフト方向に作動せしめるシフト操作装置であっ
て、該シフトレバーに連結した作動部材を互いに反対方
向に作動する第1の電磁ソレノイドと第2の電磁ソレノ
イドとを具備するシフトアクチュエータと、該シフトレ
バーのシフトストローク位置を検出するシフトストロー
クセンサーと、該変速機の入力軸の回転速度を検出する
入力軸回転速度検出センサーと、該変速機の出力軸の回
転速度を検出する出力軸回転速度検出センサーと、該シ
フトストロークセンサーと該入力軸回転速度検出センサ
ーおよび該出力軸回転速度検出センサーからの信号に基
づいて該シフトアクチュエータの該第1の電磁ソレノイ
ドおよび該第2の電磁ソレノイドに供給する電力を制御
する制御手段と、を具備し、該制御手段は、ギヤイン操
作時においては入力軸回転速度と出力軸回転速度に基づ
いて同期回転速度差を演算し、該同期回転速度差が所定
値以下に達したら該第1の電磁ソレノイドおよび該第2
の電磁ソレノイドに電力を供給するとともに、シフトス
トローク位置が少なくとも該ドッグ歯のチャンファ前端
から後端に達するまでの間は該第1の電磁ソレノイドお
よび該第2の電磁ソレノイドに供給する電力をパルス状
に制御する、ことを特徴とする変速機のシフト操作装置
が提供される。
【0010】また、本発明によれば、変速歯車のドッグ
歯と適宜噛合するクラッチスリーブを作動するシフトレ
バーをシフト方向に作動せしめるシフト操作装置であっ
て、該シフトレバーに連結した作動部材を互いに反対方
向に作動する第1の電磁ソレノイドと第2の電磁ソレノ
イドとを具備するシフトアクチュエータと、該変速機の
入力軸の回転速度を検出する入力軸回転速度検出センサ
ーと、該変速機の出力軸の回転速度を検出する出力軸回
転速度検出センサーと、該入力軸回転速度検出センサー
および該出力軸回転速度検出センサーからの信号に基づ
いて該シフトアクチュエータの該第1の電磁ソレノイド
および該第2の電磁ソレノイドに供給する電力を制御す
る制御手段と、を具備し、該制御手段は、ギヤイン操作
時においては入力軸回転速度と出力軸回転速度に基づい
て同期回転速度差を演算し、該同期回転速度差が所定値
以下に達したら該第1の電磁ソレノイドおよび該第2の
電磁ソレノイドに電力を供給するとともに、該電力をパ
ルス状に制御する、ことを特徴とする変速機のシフト操
作装置が提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明に従って構成された
変速機のシフト操作装置の好適実施形態を図示している
添付図面を参照して、更に詳細に説明する。
【0012】図1は本発明に従って構成された変速機の
シフト操作装置を装備した車両用駆動装置の概略構成ブ
ロック図である。図示の車両用駆動装置1は、原動機と
してのディーゼルエンジン11と、流体継手(フルード
カップリング)12と、摩擦クラッチとしての湿式多板
クラッチ13(CLT)および変速機14とを具備し、
これらは直列に配設されている。変速機14は、カウン
ターシャフト143に装着された同期機構145(S
M)を具備している。なお、この同期機構145として
はカウンターシャフト143に制動力を作用せしめる電
磁ブレーキ等のブレーキ機構や、カウンターシャフト1
43を制動または増速させる発電/電動機等を用いるこ
とができる。
【0013】上記変速機14は、変速操作装置2によっ
て変速操作されるようになっている。この変速操作装置
2について、図2乃至図8を参照して説明する図示の実
施形態における変速操作装置2は、セレクトアクチュエ
ータ3とシフト操作装置を構成するシフトアクチュエー
タ5とからなっている。セレクトアクチュエータ3は、
円筒状に形成された3個のケーシング31a、31b、
31cを具備している。この3個のケーシング31a、
31b、31c内にはコントロールシャフト32が配設
されており、該コントロールシャフト32の両端部が両
側のケーシング31aおよび31cに軸受33aおよび
33bを介して回転可能に支持されている。コントロー
ルシャフト32の中間部にはスプライン321が形成さ
れており、該スプライン321部にシフトレバー34と
一体的に構成された筒状のシフトスリーブ35が軸方向
に摺動可能にスプライン嵌合している。このシフトレバ
ー34およびシフトスリーブ35はステンレス鋼等の非
磁性材によって構成されており、シフトレバー34は中
央のケーシング31bの下部に形成された開口311b
を挿通して配設されている。シフトレバー34の先端部
は、第1のセレクト位置SP1(1速−後進セレクト位
置)、第2のセレクト位置SP2(3速−2速セレクト
位置)、第3のセレクト位置SP3(5速−4速セレク
ト位置)、第4のセレクト位置SP4(6速セレクト位
置)に配設された変速機14の変速クラッチを作動する
ためのシフト機構を構成するシフトブロック301、3
02、303、304と適宜係合するようになってい
る。
【0014】上記シフトスリーブ35の外周面には、磁
石可動体36が配設されている。この磁石可動体36
は、シフトスリーブ35の外周面に装着され軸方向両端
面に磁極を備えた環状の永久磁石361と、該永久磁石
361の軸方向外側に配設された一対の可動ヨーク36
2、363とによって構成されている。図示の実施形態
における永久磁石361は、図1および図2において右
端面がN極に着磁され、図1および図2において左端面
がS極に着磁されている。上記一対の可動ヨーク36
2、363は、磁性材によって環状に形成されている。
このように構成された磁石可動体36は、一方(図1お
よび図2において右側)の可動ヨーク362の図1およ
び図2において右端がシフトスリーブ35に形成された
段部351に位置決めされ、他方(図1および図2にお
いて左側)の可動ヨーク363の図1および図2におい
て左端がシフトスリーブ35に装着されたスナップリン
グ37によって位置決めされて、軸方向の移動が規制さ
れている。磁石可動体36の外周側には、磁石可動体3
6を包囲して固定ヨーク39が配設されている。この固
定ヨーク39は、磁性材によって筒状に形成されてお
り、上記中央のケーシング31bの内周面に装着されて
いる。固定ヨーク39の内側には、一対のコイル40
(MC1)、41(MC2)が配設されている。この一
対のコイル40(MC1)、41(MC2)は、合成樹
脂等の非磁性材によって形成され上記固定ヨーク39の
内周面に装着されたボビン42に捲回されている。な
お、一対のコイル40(MC1)、41(MC2)は、
図示しない電源回路に接続され後述する制御手段100
によって電力の供給が制御されるようになっている。ま
た、一対のコイル40(MC1)、41(MC2)の軸
方向長さは、上記第1のセレクト位置SP1から第4の
セレクト位置SP4までのセレクト長さに略対応した長
さに設定されている。上記固定ヨーク39の両側には、
それぞれ端壁43、44が装着されている。この端壁4
3、44の内周部には、上記シフトスリーブ35の外周
面に接触するシール部材45、46がそれぞれ装着され
ている。
【0015】セレクトアクチュエータ3は以上のように
構成されており、上記シフトスリーブ35に配設された
磁石可動体36と固定ヨーク39および一対のコイル4
0、41とによって構成されるリニアモータの原理によ
って作動する。以下その作動について図4を参照して説
明する。図示の実施形態におけるセレクトアクチュエー
タ3においては、図4の(a)および図4の(b)に示
すように永久磁石361のN極、一方の可動ヨーク36
2、一方のコイル40(MC1)、固定ヨーク39、他
方のコイル41(MC2)、他方の可動側ヨーク36
3、永久磁石361のS極を通る磁気回路368が形成
される。このような状態において、一対のコイル40
(MC1)、41(MC2)に図4の(a)で示す方向
にそれぞれ反対方向の電流を流すと、フレミングの左手
の法則に従って永久磁石361即ちシフトスリーブ35
には図4の(a)において矢印で示すように右方に推力
が発生する。一方、一対のコイル40(MC1)、41
(MC2)に図4の(b)で示すように図4の(a)と
反対方向に電流を流すと、フレミングの左手の法則に従
って永久磁石361即ちシフトスリーブ35には図4の
(b)において矢印で示すように左方に推力が発生す
る。上記永久磁石361即ちシフトスリーブ35に発生
する推力の大きさは、一対のコイル40(MC1)、4
1(MC2)に供給する電力量によって決まる。
【0016】図示の実施形態におけるセレクトアクチュ
エータ3は、上記永久磁石361即ちシフトスリーブ3
5に作用する推力の大きさと協働してシフトレバー34
を上記第1のセレクト位置SP1、第2のセレクト位置
SP2、第3のセレクト位置SP3、第4のセレクト位
置SP4に位置規制するための第1のセレクト位置規制
手段47および第2のセレクト位置規制手段48を具備
している。第1のセレクト位置規制手段47は、中央の
ケーシング31bの図2および図3において右端部に所
定の間隔を置いて装着されたスナップリング471、4
72と、該スナップリング471と472との間に配設
された圧縮コイルばね473と、該圧縮コイルばね47
3と一方のスナップリング471との間に配設された移
動リング474と、該移動リング474が図2および図
3において右方に所定量移動したとき当接して移動リン
グ474の移動を規制するストッパ475とからなって
いる。
【0017】以上のように構成された第1のセレクト位
置規制手段47は、図2および図3に示す状態から上記
一対のコイル40(MC1)、41(MC2)に例えば
2.4Vの電圧で図4の(a)に示すように電流を流す
と、永久磁石361即ちシフトスリーブ35が図2およ
び図2において右方に移動し、シフトスリーブ35の図
2および図3において右端が移動リング474に当接し
て位置規制される。この状態においては、永久磁石36
1即ちシフトスリーブ35に作用する推力よりコイルば
ね473のばね力の方が大きくなるように設定されてお
り、このため、移動リング474に当接したシフトスリ
ーブ35は移動リング474が一方のスナップリング4
71に当接した位置に停止せしめられる。このとき、シ
フトスリーブ35と一体に構成されたシフトレバー34
は、第2のセレクト位置SP2に位置付けされる。次
に、上記一対のコイル40(MC1)、41(MC2)
に例えば4.8Vの電圧で図4の(a)に示すように電
流を流すと、ヨーク36即ちシフトスリーブ35に作用
する推力がコイルばね473のばね力より大きくなるよ
うに設定されており、このため、シフトスリーブ35は
移動リング474と当接した後にコイルばね473のば
ね力に抗して図2および図3において右方に移動し、移
動リング474がストッパ475に当接した位置で停止
される。このとき、シフトスリーブ35と一体に構成さ
れたシフトレバー34は、第1のセレクト位置SP1に
位置付けされる。
【0018】次に、上記第2のセレクト位置規制手段4
8について説明する。第2のセレクト位置規制手段48
は、中央のケーシング31bの図2および図3において
左端部に所定の間隔を置いて装着されたスナップリング
481、482と、該スナップリング481と482と
の間に配設されたコイルばね483と、該コイルばね4
83と一方のスナップリング481との間に配設された
移動リング484と、該移動リング484が図2および
図3において左方に所定量移動したとき当接して移動リ
ング484の移動を規制するストッパ485とからなっ
ている。
【0019】以上のように構成された第2のセレクト位
置規制手段48は、図1および図2に示す状態から上記
一対のコイル40(MC1)、41(MC2)に例えば
2.4Vの電圧で図4の(b)に示すように電流を流す
と、永久磁石361即ちシフトスリーブ35が図2およ
び図3において左方に移動し、シフトスリーブ35の図
2および図3において左端が移動リング484に当接し
て位置規制される。この状態においては、永久磁石36
1即ちシフトスリーブ35に作用する推力よりコイルば
ね483のばね力の方が大きくなるように設定されてお
り、このため、移動リング484に当接したシフトスリ
ーブ35は移動リング484が一方のスナップリング4
81に当接した位置に停止せしめられる。このとき、シ
フトスリーブ35と一体に構成されたシフトレバー34
は、第3のセレクト位置SP3に位置付けされる。次
に、上記一対のコイル40(MC1)、41(MC2)
に例えば4.8Vの電圧で図4の(b)に示すように電
流を流すと、永久磁石361即ちシフトスリーブ35に
作用する推力がコイルばね483のばね力より大きくな
るように設定されており、このため、シフトスリーブ3
5は移動リング484と当接した後にコイルばね483
のばね力に抗して図2および図3において左方に移動
し、移動リング484がストッパ485に当接した位置
で停止される。このとき、シフトスリーブ35と一体に
構成されたシフトレバー34は、第4のセレクト位置S
P4に位置付けされる。以上のように、図示の実施形態
においては第1のセレクト位置規制手段47および第2
のセレクト位置規制手段48を設けたので、一対のコイ
ル40(MC1)、41(MC2)に供給する電力量を
制御することにより、位置制御することなくシフトレバ
ー34を所定のセレクト位置に位置付けることが可能と
なる。
【0020】図示の実施形態における変速操作装置は、
上記シフトレバー34と一体に構成されたシフトスリー
ブ35の位置、即ちセレクト方向の位置を検出するため
のセレクト位置検出センサ8(SES)を具備してい
る。このセレクト位置検出センサ8(SES)はポテン
ショメータからなり、その回動軸81にレバー82の一
端部が取り付けられており、このレバー82の他端部に
取り付けられた係合ピン83が上記シフトスリーブ35
に設けられた係合溝352に係合している。従って、シ
フトスリーブ35が図2において左右に移動すると、レ
バー82が回動軸81を中心として揺動するため、回動
軸81が回動してシフトスリーブ35の作動位置、即ち
セレクト方向位置を検出することができる。このセレク
ト位置検出センサ8(SES)からの信号に基づいて、
後述する制御手段100により上記セレクトアクチュエ
ータ3のコイル40(MC1)、41(MC2)に印加
する電圧および電流の方向を制御することによって、上
記シフトレバー34を所望のセレクト位置に位置付ける
ことができる。
【0021】また、図示の実施形態における変速操作装
置2は、上記シフトレバー34と一体に構成されたシフ
トスリーブ35を装着したコントロールシャフト32の
回動位置、即ちシフトストローク位置を検出するシフト
ストローク位置検出センサ9(SIS)を具備してい
る。このシフトストローク位置検出センサ9(SIS)
はポテンショメータからなり、その回動軸91が上記コ
ントロールシャフト32に連結されている。従って、コ
ントロールシャフト32が回動すると回動軸91が回動
してコントロールシャフト32の回動位置、即ちシフト
ストローク位置を検出することができる。
【0022】次に、本発明に従って構成されたシフトア
クチュエータの第1の実施形態について、主に図5を参
照して説明する。図5は、図2におけるB−B線断面図
である。図5に示す第1の実施形態におけるシフトアク
チュエータ5は、ケーシング51と、該ケーシング51
の中心部に配設され上記セレクトアクチュエータ3のケ
ーシング31a、31b、31c内に配設されたコント
ロールシャフト32に装着された作動レバー50と係合
するシフトプランジャ52と、該シフトプランジャ52
の外周面に配設された磁石可動体53と、該磁石可動体
53を包囲してケーシング51の内側に配設された筒状
の固定ヨーク54と、該固定ヨーク54の内側に軸方向
に併設された一対のコイル55(MC3)、56(MC
4)とを具備している。なお、上記シフトプランジャ5
2と係合する作動レバー50は、その基部にコントロー
ルシャフト32と嵌合する穴501を備えており、該穴
501の内周面に形成されたキー溝502とコントロー
ルシャフト32の外周面に形成されたキー溝322にキ
ー503を嵌合することによりコントロールシャフト3
2と一体的に回動するように構成されている。この作動
レバー50は、コントロールシャフト32および上記シ
フトスリーブ35を介してシフトレバー34に連結した
作動部材として機能し、図2および図3において左側の
ケーシング31aの下部に形成された開口311aを挿
通して配設されている。
【0023】ケーシング51は、図示の実施形態におい
てはステンレス鋼やアルミニウム合金等の非磁性材によ
って円筒状に形成されている。シフトプランジャ52
は、ステンレス鋼等の非磁性材によって構成され、その
図4において左端部には切欠溝521が形成されてお
り、この切欠溝521に作動レバー50先端部が係合す
るように構成されている。
【0024】磁石可動体53は、上記シフトプランジャ
52の外周面に装着された可動ヨーク531と、該可動
ヨーク531の外周面に上記一対のコイル55(MC
3)、56(MC4)の内周面と対向して配設された環
状の永久磁石532とを具備している。上記可動側ヨー
ク531は磁性材によって形成され、永久磁石532が
装着される筒状部531aと、該筒状部531aの両端
にそれぞれ設けられた環状の鍔部531b、531cと
を有しており、鍔部531b、531cの外周面が上記
固定ヨーク54の内周面に近接して構成されている。鍔
部531b、531cの外周面と固定ヨーク54の内周
面との隙間は小さいほど望ましいが、製作誤差等を考慮
して図示の実施形態においては0.5mmに設定されて
いる。このように構成された可動ヨーク531は、その
両側にそれぞれ配設されシフトプランジャ52に装着さ
れたスナップリング535、536によって軸方向移動
が規制されている。上記永久磁石532は、外周面およ
び内周面に磁極を備えており、図示の実施形態において
は外周面にN極が内周面にS極が形成されている。この
ように形成された永久磁石532は、可動ヨーク531
の筒状部531aの外周面に装着されており、その両側
にそれぞれ配設され可動側ヨーク531の筒状部531
aに装着されたスナップリング533、534によって
軸方向移動が規制されている。
【0025】上記固定ヨーク54は、磁性材によって形
成されケーシング51の内周面に装着されている。上記
一対のコイル55(MC3)、56(MC4)は、合成
樹脂等の非磁性材によって形成され上記固定ヨーク54
の内周面に装着されたボビン57に捲回されている。こ
の一対のコイル55(MC3)、56(MC4)は、図
示しない電源回路に接続され後述する制御手段100に
よって電力の供給が制御されるようになっている。な
お、一対のコイル55(MC3)、56(MC4)の軸
方向長さは、シフトアクチュエータ5の作動ストローク
によって適宜設定される。
【0026】上記ケーシング51の両側には、それぞれ
端壁61、62が装着されている。この端壁61、62
は、ステンレス鋼やアルミニウム合金或いは適宜の合成
樹脂等の非磁性材によって形成されており、それぞれ中
心部に上記シフトプランジャ52が挿通する穴611、
621が設けられている。この穴611、621を挿通
して配設されるシフトプランジャ52は、穴611、6
21の内周面によって軸方向に摺動可能に支持される。
なお、端壁61、62のそれぞれ外側内周部には切欠部
612、622が形成されており、この切欠部612、
622にそれぞれシール部材63、64が装着されてい
る。
【0027】第1の実施形態におけるシフトアクチュエ
ータ5は以上のように構成されており、以下その作動に
ついて図6を参照して説明する。シフトアクチュエータ
5においては、図6の(a)乃至図6の(d)に示すよ
うに永久磁石532による第1の磁束回路537および
第2の磁束回路538が形成される。即ち、図示の実施
形態におけるシフトアクチュエータ5においては、永久
磁石532のN極、一対のコイルの一方コイル55(M
C3)、固定ヨーク54、可動側ヨーク531の鍔部5
31b、可動ヨーク531の筒状部531a、永久磁石
532のS極を通る第1の磁気回路537と、永久磁石
532のN極、一対のコイルの他方コイル56(MC
4)、固定ヨーク54、可動側ヨーク531の鍔部53
1c、可動ヨーク531の筒状部531a、永久磁石5
32のS極を通る第2の磁気回路538が形成される。
【0028】シフトプランジャ52の作動位置が図6の
(a)に示すニュートラル位置(中立位置)にある状態
で、一対のコイルの55(MC3)、56(MC4)に
図6の(a)に示すように互いに反対方向に電流を流す
と、フレミングの左手の法則に従って、磁石可動体53
即ちシフトプランジャ52には矢印で示すように互いに
打ち消し合う方向に推力が発生する。従って、シフトプ
ランジャ52は図5および図6の(a)で示すニュート
ラル位置(中立位置)に維持される。
【0029】次に、シフトプランジャ52の作動位置が
ニュートラル位置(中立位置)にある状態で、一対のコ
イルの55(MC3)、56(MC4)に図6の(b)
に示すように同じ方向に電流を流すと、磁石可動体53
即ちシフトプランジャ52には図6の(b)において矢
印で示すように左方に推力が発生する。この結果、シフ
トプランジャ52が図5において左方に移動し、シフト
プランジャ52に先端部が係合している作動レバー50
を介してコントロールシャフト32が図5において時計
方向に回動する。これにより、コントロールシャフト3
2に装着されたシフトスリーブ35と一体に構成された
シフトレバー34が一方向にシフト作動せしめられる。
【0030】また、シフトプランジャ52の作動位置が
ニュートラル位置(中立位置)にある状態で、一対のコ
イルの55(MC3)、56(MC4)に図6の(c)
に示すように上記図6の(b)と反対方向に電流を流す
と、磁石可動体53即ちシフトプランジャ52には図6
の(c)において矢印で示すように右方に推力が発生す
る。この結果、シフトプランジャ52が図5において右
方に移動し、作動レバー50を介してコントロールシャ
フト32が図5において反時計方向に回動する。これに
より、コントロールシャフト32に装着されたシフトス
リーブ35と一体に構成されたシフトレバー34が他方
向にシフト作動せしめられる。
【0031】一方、シフトプランジャ52が図5におい
て左方に移動せしめられた状態で、一対のコイルの55
(MC3)、56(MC4)に図6の(d)に示すよう
に互いに反対方向に電流を流すと、磁石可動体53即ち
シフトプランジャ52には矢印で示すように互いに打ち
消し合う方向に推力が発生する。このとき、シフトプラ
ンジャ52即ち磁石可動体53が左方に移動せしめられ
た状態では、永久磁石532によってによって形成され
る第1の磁束回路537と第2の磁束回路538により
コイルを通る磁束が生じるが、コイル56(MC4)を
通る磁束量の方がコイル55(MC3)を通る磁束量よ
り多くなる。従って、他方のコイルの56(MC3)に
図6の(d)に示す方向に電流を流すことによって磁石
可動体53即ちシフトプランジャ52に発生する右方へ
の推力は、一方のコイル55(MC3)に図6の(d)
に示す方向に電流を流すことによって磁石可動体53即
ちシフトプランジャ52に発生する左方への推力より大
きくなる。この結果、シフトプランジャ52は、図6の
(d)において右方向に移動する。このようにして、シ
フトプランジャ52が図6の(d)において右方向に移
動すると、ニュートラル位置(中立位置)に近づくに従
って、コイル56(MC4)を通る磁束量が低下し、コ
イル55(MC3)を通る磁束量が増加する。そして、
シフトプランジャ52がニュートラル位置(中立位置)
に達すると、コイル55(MC3)とコイル56(MC
4)を通る磁束量が同等となり、この結果、シフトプラ
ンジャ52に発生する左方への推力と右方への推力が等
しくなって、シフトプランジャ52はニュートラル位置
(中立位置)で停止する。
【0032】以上のように、第1の実施形態におけるシ
フトアクチュエータ5は、シフトプランジャ52が磁石
可動体53と固定ヨーク54および一対のコイル55
(MC3)、56(MC4)とによって構成されるリニ
アモータの原理によって作動するので、回転機構がなく
耐久性が向上するとともに、電動モータを用いたアクチ
ュエータのようにボールネジ機構や歯車機構からなる減
速機構が不要となるので、コンパクトに構成することが
できるとともに、作動速度を速くすることができる。ま
た、第1の実施形態におけるシフトアクチュエータ5
は、磁石可動体53を構成する可動ヨーク531の鍔部
531bおよび531cの外周面が固定ヨーク54の内
周面と近接して構成されているので、磁束に対する大き
なエアーギャップがコイル55(MC3)、56(MC
4)部のみとなるため、永久磁石532による第1の磁
束回路537および第2の磁束回路538中のエアーギ
ャップを可及的に小さくすることができ、大きな推力を
得ることができる。
【0033】次に、本発明に従って構成されたシフトア
クチュエータの第2の実施形態について、図7および図
8を参照して説明する。図7に示す第2の実施形態にお
けるシフトアクチュエータ5aは、シフトプランジャ5
2に配設される磁石可動体53aが上記第1の実施形態
におけるシフトアクチュエータ5の磁石可動体53と相
違するが、その他の構成部材は上記第1の実施形態にお
けるシフトアクチュエータ5と実質的に同一でよい。従
って、図7には第1の実施形態におけるシフトアクチュ
エータ5を構成する各構成部材と同一部材には同一符号
を付してある。
【0034】第2の実施形態におけるシフトアクチュエ
ータ5aを構成する磁石可動体53aは、シフトプラン
ジャ52の外周面に上記一対のコイル55(MC3)、
56(MC4)の内周面と対向して配設された中間ヨー
ク530aと、該中間ヨーク530aを挟んで両側にそ
れぞれ配設された一対の永久磁石532a、533a
と、該一対の永久磁石532a、533aのそれぞれ軸
方向外側にそれぞれ配設された一対の可動ヨーク534
a、535aとを具備している。中間ヨーク530a
は、磁性材によって環状に形成されている。上記一対の
永久磁石532a、533aは、軸方向両端面に磁極を
備えており、図示の実施形態においては互いに対向する
端面にN極が形成され、互いに軸方向外側端面にS極が
形成されている。上記一対の可動ヨーク534a、53
5aはそれぞれ磁性材によって形成され、それぞれ筒状
部534c、535cと、該筒状部534c、535c
のそれぞれ軸方向外側端に設けられた環状の鍔部534
d、535dとを有しており、鍔部534d、535d
の外周面が上記固定ヨーク54の内周面に近接して構成
されている。鍔部534d、535dの外周面と固定ヨ
ーク54の内周面との隙間は、上記第1の実施形態おけ
るシフトアクチュエータ5と同様に0.5mmに設定さ
れている。なお、上記一対の可動ヨーク534a、53
5aは、図示の実施形態においてはそれぞれ筒状部53
4c、535cと鍔部534d、535dとによって構
成した例を示したが、外周面が上記固定ヨーク54の内
周面に近接する鍔部のみによって構成してもよい。この
ように構成された一対の可動ヨーク534a、535a
は、その軸方向外側にそれぞれ配設されシフトプランジ
ャ52に装着されたスナップリング58a、59aによ
って軸方向移動が規制されている。
【0035】第2の実施形態におけるシフトアクチュエ
ータ5aは以上のように構成されており、以下その作動
について図8を参照して説明する。第2の実施形態にお
けるシフトアクチュエータ5aにおいては、図8の
(a)乃至図8の(d)に示すように一対の永久磁石5
32a、533aによる第1の磁束回路537aおよび
第2の磁束回路538aが形成される。シフトプランジ
ャ52の作動位置が図8の(a)に示すニュートラル位
置(中立位置)にある状態で、一対のコイルの55(M
C3)、56(MC4)に図8の(a)に示すように互
いに反対方向に電流を流すと、フレミングの左手の法則
に従って、磁石可動体53a即ちシフトプランジャ52
には矢印で示すように互いに打ち消し合う方向に推力が
発生する。従って、シフトプランジャ52は図7および
図8の(a)で示すニュートラル位置(中立位置)に維
持される。
【0036】次に、シフトプランジャ52の作動位置が
ニュートラル位置(中立位置)にある状態で、一対のコ
イルの55(MC3)、56(MC4)に図8の(b)
に示すように同じ方向に電流を流すと、磁石可動体53
a即ちシフトプランジャ52には図8の(b)において
矢印で示すように左方に推力が発生する。この結果、シ
フトプランジャ52が図8の(b)において左方に移動
せしめられる。
【0037】また、シフトプランジャ52の作動位置が
ニュートラル位置(中立位置)にある状態で、一対のコ
イルの55(MC3)、56(MC4)に図8の(c)
に示すように上記図8の(b)と反対方向に電流を流す
と、磁石可動体53a即ちシフトプランジャ52には図
8の(c)において矢印で示すように右方に推力が発生
する。この結果、シフトプランジャ52が図8の(c)
において右方に移動せしめられる。
【0038】一方、シフトプランジャ52が図8におい
て左方に移動せしめられた状態で、一対のコイルの55
(MC3)、56(MC4)に図8の(d)に示すよう
に互いに反対方向に電流を流すと、第1の磁束回路53
7および第2の磁束回路538とも他方のコイルの56
(MC4)を通っているので、他方のコイルの56(M
C4)に流れる電流によって磁石可動体53a即ちシフ
トプランジャ52には図8の(d)において矢印で示す
ように右方に推力が発生する。このようにして、シフト
プランジャ52が図8の(d)において右方向に移動す
ると、ニュートラル位置(中立位置)に近づくに従っ
て、一方の永久磁石532aによって形成される第1の
磁束回路537aが一方のコイルの55(MC3)を通
過するようになるため、一方のコイルの55(MC3)
に流れる電流によって磁石可動体53a即ちシフトプラ
ンジャ52には図8の(d)において左方に推力が作用
する。この一方のコイルの55(MC3)に流れる電流
による左方への推力は、磁石可動体53a即ちシフトプ
ランジャ52がニュートラル位置(中立位置)に近づく
に従って増加する。そして、磁石可動体53a即ちシフ
トプランジャ52がニュートラル位置(中立位置)に達
すると、一方のコイルの55(MC3)に流れる電流に
よる左方への推力と他方のコイルの56(MC4)に流
れる電流による右方への推力とが同等となり、この結
果、磁石可動体53a即ちシフトプランジャ52はニュ
ートラル位置(中立位置)で停止する。
【0039】以上のように、第2の実施形態におけるシ
フトアクチュエータ5aは、磁石可動体53aを構成す
る一対の永久磁石532a、533aが中間ヨーク53
0aを挟んで配設され、この一対の永久磁石532a、
533aの互いに対向する端面にN極が形成されている
ので、両永久磁石532a、533aから出た磁束は互
いに反発しつつ一対のコイルの55(MC3)、56
(MC4)に向かう。従って、第2の実施形態における
シフトアクチュエータ5aにおいては、磁束が一対のコ
イルの55(MC3)、56(MC4)を直交する状態
で通過するため、磁石可動体53a即ちシフトプランジ
ャ52に発生する推力を大きくすることができる。な
お、一対の永久磁石532a、533aの互いに対向す
る端面にはS極を形成してもよい。即ち、一対の永久磁
石532a、533aの互いに対向する端面が同極に形
成されていることが望ましい。また、第2の実施形態に
おけるシフトアクチュエータ5aにおいては、固定ヨー
ク54の内周面と磁石可動体53aを構成する一対の可
動ヨーク534a、535aの鍔部534d、535d
の外周面とが近接して構成されているので、磁束に対す
る大きなエアーギャップが一対のコイルの55(MC
3)、56(MC4)のみとなる。従って、第2の実施
形態におけるシフトアクチュエータ5aは、一対の永久
磁石532a、533aによる磁束回路中のエアーギャ
ップを可及的に小さくすることができ、大きな推力を得
ることができる。
【0040】次に、図1に戻って説明する。図示の実施
形態においては、上記変速機14の入力軸141の回転
速度を検出する入力軸回転速度検出手段111(IS
S)と、上記変速機14の出力軸142の回転速度を検
出する出力軸回転速度検出手段112(OSS)を具備
している。入力軸回転速度検出手段111(ISS)
は、変速機14の入力軸141に対向して配設されたパ
ルス発生器からなり、その検出信号を制御手段100に
送出する。また、出力軸回転速度検出手段112(OS
S)は、変速機14の出力軸142に対向して配設され
たパルス発生器からなり、その検出信号を制御手段10
0に送出する。更に、図示の実施形態においては、目標
変速段を指示する目標変速段指示手段113(GCS)
を備えており、この目標変速段指示手段113(GC
S)はその変速指示信号を制御手段100に送出する。
【0041】制御手段100は、マイクロコンピュータ
によって構成されており、制御プログラムに従って演算
処理する中央処理装置(CPU)101と、制御プログ
ラムを格納するリードオンリメモリ(ROM)102
と、演算結果等を格納する読み書き可能なランダムアク
セスメモリ(RAM)103と、タイマー(T)104
と、入力インターフェース105および出力インターフ
ェース106とを備えている。このように構成された制
御手段100の入力インターフェース105には、上記
セレクト位置検出センサ8(SES)、シフトストロー
ク位置検出センサ9(SIS)、入力軸回転速度検出手
段111(ISS)、出力軸回転速度検出手段112
(OSS)、目標変速段指示手段113(GCS)等か
らの信号が入力される。また、出力インターフェース1
06からは、上記セレクトアクチュエータ3の一対のコ
イル40(MC1)、41(MC2)およびシフトアク
チュエータ5の一対のコイルの55(MC3)、56
(MC4)、上記湿式多板クラッチ13(CLT)の図
示しない制御弁、カウンターシャフト143に装着され
た同期機構145(SM)等に制御信号を出力する。
【0042】次に、上記変速機14の変速クラッチにお
けるクラッチスリーブのスプラインと、変速歯車のドッ
グ歯との関係を図9を参照して説明する。図9におい
て、151は変速クラッチにおけるクラッチスリーブ1
5のスプライン、161aはクラッチスリーブ15と係
合する一方の変速歯車161のドッグ歯、162aはク
ラッチスリーブ15と係合する他方の変速歯車162の
ドッグ歯である。図9においては、ニュートラル状態で
のクラッチスリーブ15のシフトストローク位置をP4
としている。このニュートラル状態から一方の変速歯車
161側(図9において左側)へクラッチスリーブ15
を移動し、一方の変速歯車161用のドッグ歯161a
のチャンファ前端に達する位置のシフトストローク位置
がP3、ドッグ歯161aのチャンファ後端に達する位
置のシフトストローク位置がP2、クラッチスリーブ1
5のスプライン151のチャンファの後端がドッグ歯1
61aのチャンファ後端に達する位置のシフトストロー
ク位置がP2a、ドッグ歯161aの後端に達する位置
のシフトストローク位置がP1とされている。
【0043】一方、ニュートラル状態から他方の変速歯
車162側(図9において右側)へクラッチスリーブ1
5を移動し、他方の変速歯車162用のドッグ歯162
aのチャンファ前端に達する位置のシフトストローク位
置がP5、ドッグ歯162aのチャンファ後端に達する
位置のシフトストローク位置がP6、クラッチスリーブ
15のスプライン151のチャンファの後端がドッグ歯
162aのチャンファ後端に達する位置のシフトストロ
ーク位置がP6a、ドッグ歯162aの後端に達する位
置のシフトストローク位置がP7とされている。このシ
フトストローク位置は、上記シフトストロークセンサー
9(SIS)によって検出される。なお、シフトストロ
ークセンサー9(SIS)は、図示の実施形態において
はシフトストローク位置がP1のときに最も小さい値の
電圧信号を出力し、シフトストローク位置がP7側に行
くに従い出力電圧が漸次増大しP7のときに最も大きい
値の電圧信号を出力するように構成されている。
【0044】図示の実施形態における変速機のシフト操
作装置は以上のように構成されており、以下上記制御手
段100のシフト制御の動作手順を図11および図12
に示すフローチャートを参照して説明する。制御手段1
00は、先ずステップS1において目標変速段指示手段
113(GCS)によって指示された目標変速段とセレ
クト位置検出センサ8(SES)およびシフトストロー
ク位置検出センサ9(SIS)からの検出信号に基づい
て判定される現変速段が一致していないか否かをチェッ
クする。目標変速段と現変速段が一致していれば、変速
操作する必要がないので本ルーチンは終了する。ステッ
プS1において目標変速段と現変速段が一致していなけ
れば、制御手段100はステップS2に進んで、湿式多
板クラッチ13(CLT)の断制御を実行する。そし
て、制御手段100はステップS3に進んで、シフトス
トローク位置Pがニュートラル範囲(P3<P<P5)
に有るか否かをチェックする。シフトストローク位置P
がニュートラル範囲(P3<P<P5)でない場合に
は、制御手段100はステップS4に進んで上記シフト
アクチュエータ5の一対のコイル55(MC3)、56
(MC4)に所定の電圧を印加する。このとき、一方の
コイル55(MC3)には図6の(a)および図7の
(a)に示すように一方向に電流が流れるように制御
し、他方のコイル56(MC4)には図6の(a)およ
び図7の(a)に示すように他方向に電流が流れるよう
に制御する。この結果、シフトアクチュエータ5は、上
述したようにニュートラル位置(中立位置)に向けて作
動せしめられる。ステップS4において一対のコイルの
55(MC3)、56(MC4)に所定の電圧を印加し
たならば、制御手段100は上記ステップS3に移行し
てシフトストローク位置Pがニュートラル範囲(P3<
P<P5)となったか否かをチェックする。シフトスト
ローク位置Pが未だニュートラル範囲(P3<P<P
5)に達しない場合には、ステップS3およびステップ
S4を繰り返し実行する。
【0045】上記ステップS3においてシフトストロー
ク位置Pがニュートラル範囲(P3<P<P5)になっ
たならば、制御手段100はステップS5に進んでセレ
クト制御を実行する。このセレクト制御は、指示された
目標変速段のセレクト位置に対応して上述したようにセ
レクトアクチュエータ3の一対のコイル40(MC1)
または41(MC2)に印加する電圧を制御することに
よって行うことができる。
【0046】次に、制御手段100はステップS6に進
んで同期制御を実行する。この同期制御は、変速機のカ
ウンターシャフト143に装着された同期機構145
(SM)の種類に対応して行われる。同期機構145と
してカウンターシャフト143に制動力を作用せしめる
電磁ブレーキ等のブレーキ機構が装着されている場合、
指示された目標変速段がシフトアップ時にはブレーキ機
構を作動し、目標変速段指示手段113(GCS)によ
って指示された目標変速段がシフトダウン時には湿式多
板クラッチ13(CLT)の接・断制御、所謂ダブルク
ラッチ制御を実行する。また、同期機構145としてカ
ウンターシャフト143を制動または増速させる発電/
電動機が装着されている場合、目標変速段指示手段11
3(GCS)によって指示された指示された目標変速段
がシフトアップ時には発電/電動機を発電機として作動
し、指示された目標変速段がシフトダウン時には発電機
/電動機を電動機として作動せしめる。
【0047】上記ステップS6において同期制御を実行
したならば、制御手段100はステップS7に進んで同
期回転速度差(|ND|)が所定値(N1)(図示の実
施形態においては100rpm)以下(|ND|≦10
0rpm)か否かをチェックする。なお、同期回転速度
差(|ND|)は入力軸回転速度検出手段111(IS
S)によって検出された入力軸141の回転速度(N
A)と目標変速断の変速比(ギヤ比)を乗算した値と出
力軸回転速度検出手段112(OSS)によって検出さ
れた出力軸142の回転速度(NB)との差の絶対値で
ある。同期回転速度差(|ND|)が所定値(N1)よ
り大きい場合は、ステップS6に戻ってステップS6お
よびステップS7を繰り返し実行する。ステップS7に
おいて同期回転速度差(|ND|)が所定値(N1)以
下になったならば、制御手段100は目標変速段指示手
段113(GCS)によって指示された変速歯車の回転
速度と出力軸142の回転速度(NB)が略同期したと
判断し、ステップS8に進んで目標変速段が第1速、第
3速、第5速のいずれかであるか否かをチェックする。
目標変速段が第1速、第3速、第5速のいずれかでない
場合には、制御手段100はステップS9に進んで目標
変速段指示手段113(GCS)によって指示された目
標変速段が後進(R)、第2速、第4速、第6速のいず
れかであるか否かをチェックする。目標変速段が後進
(R)、第2速、第4速、第6速のいずれかでない場合
は、制御手段100は目標変速段がニュートラルである
と判断し、変速操作する必要がないので本ルーチンは終
了する。
【0048】上記ステップS8において目標変速段が第
1速、第3速、第5速のいずれかであると判定した場合
には、制御手段100はステップS10に進んでシフト
アクチュエータ5の一対のコイル55(MC3)、56
(MC4)に例えば第1の設定電圧(V1)を印加す
る。このとき、一対のコイル55(MC3)、56(M
C4)には図6の(b)および図7の(b)に示すよう
に一方向に電流が流れるように制御する。この結果、シ
フトアクチュエータ5は、上述したように一方の変速歯
車161側に向けて作動せしめられる。次に、制御手段
100はステップS11に進んで、シフトストローク位
置Pがドッグ歯161aのチャンファ前端P3とチャン
ファ後端P2の間に達したか否か(P2≦P≦P3)を
チェックする。シフトストローク位置Pがドッグ歯16
1aのチャンファ前端P3とチャンファ後端P2の間に
達していなければ、制御手段100はステップS10に
戻ってステップS10およびステップS11を繰り返し
実行する。ステップS11においてシフトストローク位
置Pがドッグ歯161aのチャンファ前端P3とチャン
ファ後端P2の間に達したならば、制御手段100はス
テップS12に進んでシフトアクチュエータ5の一対の
コイル55(MC3)、56(MC4)に印加する電圧
(図示に実施形態においては第1の設定電圧(V1))
をパルス制御する。なお、パルス制御におけるパルス幅
(S)は、図示の実施形態においては50msecに設
定されている。
【0049】このようにして、一対のコイル55(MC
3)、56(MC4)に印加する電圧をパルス制御した
ならば、制御手段100はステップS13に進んでクラ
ッチスリーブ15のスプライン151のチャンファの後
端がドッグ歯161aのチャンファ後端に達する位置の
シフトストローク位置がP2aを越えた(P<P2a)
か否かをチェックする。シフトストローク位置PがP2
aを越えない場合には、制御手段100はステップS1
2およびステップS13を繰り返し実行する。ステップ
S13においてシフトストローク位置PがP2aを越え
た(P<P2a)場合には、制御手段100はステップ
S14に進んでシフトアクチュエータ5の一対のコイル
55(MC3)、56(MC4)に上記第1の設定電圧
(V1)より低い第2の設定電圧(V2)を印加する。
このときも、一対のコイル55(MC3)、56(MC
4)には図6の(b)および図7の(b)に示すように
一方向に電流が流れるように制御する。
【0050】次に、制御手段100はステップS15に
進んでシフトストローク位置Pがドッグ歯161aの後
端に達する位置P1(シフトストロークエンド)に達し
たか否かをチェックする。シフトストローク位置Pがシ
フトストロークエンドP1に達しない場合には、制御手
段100はステップS14およびステップS15を繰り
返し実行する。ステップS15においてシフトストロー
ク位置PがシフトストロークエンドP1に達した場合に
は、制御手段100はクラッチスリーブ15のスプライ
ン151と一方の変速歯車161のドッグ歯161aと
が噛合しギヤイン動作が終了したものと判断し、ステッ
プS16に進んでシフトアクチュエータ5の一対のコイ
ル55(MC3)、56(MC4)を除勢(OFF)す
る。そして、制御手段100はステップS17に進ん
で、湿式多板クラッチ13(CLT)の接制御を実行す
る。
【0051】ここで、上記ギヤインシフト動作における
クラッチスリーブ15のスプライン151と、一方の変
速歯車161のドッグ歯161aとの関係について、図
10を参照して説明する。図10の(a)はクラッチス
リーブ15が一方の変速歯車161側に作動せしめら
れ、クラッチスリーブ15のスプライン151のチャン
ファとドッグ歯161aのチャンファが係合している状
態を示すものである。このとき、クラッチスリーブ15
には矢印181で示す方向に推力が作用し、ドッグ歯1
61aには湿式多板クラッチ13(CLT)の引きずり
トルクによる矢印182で示す回転力が作用する。摩擦
クラッチが一般に用いられている乾式単板クラッチの場
合には引きずりトルクが無いか極めて小さいため、クラ
ッチスリーブ15は推力181によって一方の変速歯車
161に向けて移動ことができ、ドッグ歯161aと噛
合する。しかるに、図示の実施形態のように摩擦クラッ
チとして湿式多板クラッチ13(CLT)を用いた場合
には、引きずりトルクによる矢印182で示す回転力が
大きいため、クラッチスリーブ15と一方の変速歯車1
61の回転速度が同期しているにも拘らず、図10の
(a)に示すクラッチスリーブ15のスプライン151
のチャンファとドッグ歯161aのチャンファが係合し
ている状態では、クラッチスリーブ15は推力181に
よって一方の変速歯車161に向けて移動ことが困難と
なる。即ち、クラッチスリーブ15には湿式多板クラッ
チ13(CLT)の引きずりトルクによる矢印182で
示す回転力が作用するために、一方の変速歯車161側
に移動することができず、シフト動作が完了しない。
【0052】そこで、本発明においては、上述したよう
にシフトストローク位置Pがドッグ歯161aのチャン
ファ前端P2とチャンファ後端P3の間に達したなら
ば、シフトアクチュエータ5の一対のコイル55(MC
3)、56(MC4)に印加する電圧をパルス制御す
る。このパルス制御によって一対のコイル55(MC
3)、56(MC4)が除勢される期間(図示の実施形
態においては50msec)においては、クラッチスリ
ーブ15には推力が作用せず、しかも一対のコイル55
(MC3)、56(MC4)が除勢されるとシフトアク
チュエータのシフトプランジャ52に作用する抵抗力が
除去されるため、クラッチスリーブ15は図10の
(b)に示すようにドッグ歯161aのチャンファとの
係合によって矢印184で示す方向に押し戻される。こ
のように、クラッチスリーブ15が矢印184で示す方
向に押し戻されると、上記引きずりトルクによる矢印1
82で示す回転力によってドッグ歯161aが矢印18
2で示す方向にクラッチスリーブ15に対して相対的に
回動する。
【0053】そして、シフトアクチュエータ5の一対の
コイル55(MC3)、56(MC4)にパルス状の電
圧が印加されると、図10の(c)に示すようにクラッ
チスリーブ15には再度推力が発生し、このときドッグ
歯161aが矢印182で示す方向に回動しているの
で、クラッチスリーブ15のスプライン151はドッグ
歯161aにおける図10の(a)の状態とは反対側の
チャンファと係合する。この結果、クラッチスリーブ1
5はドッグ歯161aを矢印182で示す方向に回動し
て一方の変速歯車161側に移動し、隣のドッグ歯16
1aを噛み合う。なお、クラッチスリーブ15のスプラ
イン151がドッグ歯161aと当接した場合でも、上
記のようなパルス状の動作を複数回繰り返し実行するこ
とにより、同期作用後のギヤイン動作が容易に実施され
る。
【0054】上述した実施形態においては、シフトスト
ローク位置Pがドッグ歯161aのチャンファ前端P3
とチャンファ後端P2の間に達したならば、クラッチス
リーブ15のスプライン151のチャンファの後端がド
ッグ歯161aのチャンファ後端に達する位置P2aを
越える(P<P2a)までの間、シフトアクチュエータ
5の一対のコイル55(MC3)、56(MC4)に印
加する電圧をパルス制御する例を示したが、パルス制御
をストロークエンド(P1)まで実施してもよい。ま
た、上述した実施形態においては、一対のコイル55
(MC3)、56(MC4)に印加する電圧をパルス制
御した後ストロークエンド(P1)まで、上記第1の設
定電圧(V1)より低い第2の設定電圧(V2)を印加
する例を示したが、ストロークエンド(P1)に近づく
に従って印加電圧を徐々に低下するように制御すること
により、シフト動作終了時の衝撃を減少することができ
る。
【0055】次に、図11および図12のフローチャー
トに戻って説明を続ける。上記ステップS9において目
標変速段指示手段113(GCS)によって指示された
目標変速段が後進(R)、第2速、第4速、第6速のい
ずれかである場合について説明する。上記ステップS9
において目標変速段が後進(R)、第2速、第4速、第
6速のいずれかであると判定した場合には、制御手段1
00はステップS18に進んでシフトアクチュエータ5
の一対のコイル55(MC3)、56(MC4)に例え
ば第1の設定電圧(V1)を印加するとともに、一対の
コイル55(MC3)、56(MC4)に図6の(c)
および図7の(c)に示すように他方向に電流が流れる
ように制御する。この結果、シフトアクチュエータ5
は、上述したように他方の変速歯車162側に向けて作
動せしめられる。次に、制御手段100はステップS1
9に進んで、シフトストローク位置Pがドッグ歯162
aのチャンファ前端P5とチャンファ後端P6の間に達
したか否か(P5≦P≦P6)をチェックする。シフト
ストローク位置Pがドッグ歯161aのチャンファ前端
P5とチャンファ後端P6の間に達していなければ、制
御手段100はステップS18に戻ってステップS18
およびステップS19を繰り返し実行する。ステップS
19においてシフトストローク位置Pがドッグ歯162
aのチャンファ前端P5とチャンファ後端P6の間に達
したならば、制御手段100はステップS20に進んで
シフトアクチュエータ5の一対のコイル55(MC
3)、56(MC4)に印加する電圧(図示に実施形態
においては第1の設定電圧(V1))をパルス制御す
る。なお、パルス制御におけるパルス幅(S)は、上記
ステップS12と同様に50msecに設定されてい
る。
【0056】ステップS20において一対のコイル55
(MC3)、56(MC4)に印加する電圧をパルス制
御したならば、制御手段100はステップS21に進ん
でクラッチスリーブ15のスプライン151のチャンフ
ァの後端がドッグ歯162aのチャンファ後端に達する
位置のシフトストローク位置がP6aを越えた(P>P
6a)か否かをチェックする。シフトストローク位置P
がP6aを越えない場合には、制御手段100はステッ
プS20およびステップS21を繰り返し実行する。ス
テップS21においてシフトストローク位置PがP6a
を越えた(P>P6a)場合には、制御手段100はス
テップS22に進んでシフトアクチュエータ5の一対の
コイル55(MC3)、56(MC4)に上記第1の設
定電圧(V1)より低い第2の設定電圧(V2)を印加
する。このときも、一対のコイル55(MC3)、56
(MC4)には図6の(c)および図7の(c)に示す
ように他方向に電流が流れるように制御する。
【0057】次に、制御手段100はステップS23に
進んでシフトストローク位置Pがドッグ歯162aの後
端に達する位置P7(シフトストロークエンド)に達し
たか否かをチェックする。シフトストローク位置Pがシ
フトストロークエンドP7に達しない場合には、制御手
段100はステップS22およびステップS23を繰り
返し実行する。ステップS23においてシフトストロー
ク位置PがシフトストロークエンドP7に達した場合に
は、制御手段100はクラッチスリーブ15のスプライ
ン151と他方の変速歯車162のドッグ歯162aと
が噛合しギヤイン動作が終了したものと判断し、ステッ
プS24に進んでシフトアクチュエータ5の一対のコイ
ル55(MC3)、56(MC4)を除勢(OFF)す
る。そして、制御手段100は上記ステップS17に進
んで、湿式多板クラッチ13(CLT)の接制御を実行
する。
【0058】以上のように、他方の変速歯車162側へ
のギヤインシフト動作時においても、シフトストローク
位置Pがドッグ歯161aのチャンファ前端P5とチャ
ンファ後端P6の間はシフトアクチュエータ5の一対の
コイル55(MC3)、56(MC4)に印加する電圧
をパルス制御するので、上記一方の変速歯車161側へ
のギヤインシフト動作時と同様に、同期作用後のギヤイ
ン動作を容易に実施することができる。
【0059】次に、ギヤインシフト制御の他の実施形態
について説明する。上記図11および図12のフローチ
ャートに示す実施形態においては、シフトストローク位
置Pがドッグ歯161aのチャンファ前端P3とチャン
ファ後端P2の間に達したならば、クラッチスリーブ1
5のスプライン151のチャンファの後端がドッグ歯1
61aのチャンファ後端に達する位置のシフトストロー
ク位置がP2aを越える(P<P2a)までの間、シフ
トアクチュエータ5の一対のコイル55(MC3)、5
6(MC4)に印加する電圧をパルス制御したが、本実
施形態においては図9において破線で示すようにギヤイ
ンシフト時においてはシフトストロークエンドまでシフ
トアクチュエータ5の一対のコイル55(MC3)、5
6(MC4)に印加する電圧をパルス制御する。即ち、
本実施形態においてはギヤインシフト時に同期回転速度
差(|ND|)が所定値(N1)(図示の実施形態にお
いては100rpm)以下(|ND|≦100rpm)
に達したら、制御手段100はシフトアクチュエータ5
の一対のコイル55(MC3)、56(MC4)に印加
する電圧をパルス制御する。そして、シフトストローク
位置がシフトストロークエンドに達したら、制御手段1
00はギヤイン動作が終了したものと判断し、シフトア
クチュエータ5の一対のコイル55(MC3)、56
(MC4)を除勢(OFF)する。このようにギヤイン
シフト制御を実行することにより、シフトストロークエ
ンドを検出するポジションスイッチを設けるだけで、シ
フトストロークセンサーが不要となる。
【0060】次に、変速機のシフト操作装置の他の実施
形態について図13乃至図15を参照して説明する。図
13には図2におけるB−B線断面図に相当する第3の
実施形態におけるシフトアクチュエータの断面図が示さ
れている。図13に示す実施形態におけるシフトアクチ
ュエータ5bは、上記セレクトアクチュエータ3のケー
シング31a、31b、31c内に配設されたコントロ
ールシャフト32に装着された作動レバー50を互いに
反対方向に作動せしめる第1の電磁ソレノイド6と第2
の電磁ソレノイド7を具備している。なお、作動レバー
50は、その基部にコントロールシャフト32と嵌合す
る穴501を備えており、該穴501の内周面に形成さ
れたキー溝502とコントロールシャフト32の外周面
に形成されたキー溝322にキー503を嵌合すること
によりコントロールシャフト32と一体的に回動するよ
うに構成されている。この作動レバー50は、コントロ
ールシャフト32および上記シフトスリーブ35を介し
てシフトレバー34に連結した作動部材として機能し、
上記図1および図2において左側のケーシング31aの
下部に形成された開口311aを挿通して配設されてい
る。
【0061】次に、第1の電磁ソレノイド6について説
明する。第1の電磁ソレノイド6は、ケーシング61
と、該ケーシング61内に配設された磁性材からなる固
定鉄心62と、該固定鉄心62の中心部に形成された貫
通穴621を挿通して配設されたステンレス鋼等の非磁
性材からなるプランジャ63と、該プランジャ63に装
着され固定鉄心62に対して接離可能に配設された磁性
材からなる可動鉄心64と、該可動鉄心64および上記
固定鉄心62とケーシング61との間に配設され合成樹
脂等の非磁性材からなるボビン65に捲回された電磁コ
イル66(MC5)とからなっている。このように構成
された第1の電磁ソレノイド6は、電磁コイル66(M
C5)に通電されると、可動鉄心64が固定鉄心62に
吸引される。この結果、可動鉄心64を装着したプラン
ジャ63が図13において左方に移動し、その先端が上
記作動レバー50に作用して、コントロールシャフト3
2を中心として時計方向に回動する。これにより、コン
トロールシャフト32に装着されたシフトスリーブ35
と一体に構成されたシフトレバー34が一方向にシフト
作動せしめられる。
【0062】次に、第2の電磁ソレノイド7について説
明する。第2の電磁ソレノイド7は、上記第1の電磁ソ
レノイド6と対向して配設されている。第2の電磁ソレ
ノイド7も第1の電磁ソレノイド6と同様に、ケーシン
グ71と、該ケーシング71内に配設された磁性材から
なる固定鉄心72と、該固定鉄心72の中心部に形成さ
れた貫通穴721を挿通して配設されたステンレス鋼等
の非磁性材からなるプランジャ73と、該プランジャ7
3に装着され固定鉄心72に対して接離可能に配設され
た磁性材からなる可動鉄心74と、該可動鉄心74およ
び上記固定鉄心72とケーシング71との間に配設され
合成樹脂等の非磁性材からなるボビン75に捲回された
電磁コイル76(MC6)とからなっている。このよう
に構成された第2の電磁ソレノイド7は、電磁コイル7
6(MC6)に通電されると、可動鉄心74が固定鉄心
72に吸引される。この結果、可動鉄心74を装着した
プランジャ73が図13において右方に移動し、その先
端が上記作動レバー50に作用して、コントロールシャ
フト32を中心として反時計方向に回動する。これによ
り、コントロールシャフト32に装着されたシフトスリ
ーブ35と一体に構成されたシフトレバー34が他方向
にシフト作動せしめられる。
【0063】以上のように、図13に示す実施形態にお
けるシフトアクチュエータ5bは、シフトレバー34に
連結した作動レバー50(作動部材)を互いに反対方向
に作動する第1の電磁ソレノイドと第2の電磁ソレノイ
ドとからなり、回転機構がないため耐久性が向上すると
ともに、電動モータを用いたアクチュエータのようにボ
ールネジ機構や歯車機構からなる減速機構が不要となる
ので、コンパクトに構成することがで、かつ、作動速度
が速くすることができる。
【0064】次に、図13に示す実施形態におけるシフ
トアクチュエータ5bを用いたシフト制御について、図
14および図15に示すフローチャートを参照して説明
する。ステップQ1乃至ステップQ3は、上記図11お
よび図12のフローチャートにおけるステップS1乃至
ステップS3と同一であるので、説明は省略する。ステ
ップQ1乃至ステップQ3を実行し、ステップQ3おい
てシフトストローク位置Pがニュートラル範囲(P3<
P<P5)でない場合には、制御手段100はステップ
Q4に進んでニュートラル制御を実行する。即ち、現在
のシフトストローク位置Pがニュートラル範囲(P3<
P<P5)より他方の歯車162側(図9において右
側)第1の電磁ソレノイド6の電磁コイル66(MC
5)を付勢(ON)し、現在のシフトストローク位置P
がニュートラル範囲(P3<P<P5)より一方の歯車
161側(図9において左側)第2の電磁ソレノイド7
の電磁コイル76(MC6)を付勢(ON)する。そし
て、シフトストローク位置Pがニュートラル範囲(P3
<P<P5)に達したら、電磁コイル66(MC5)ま
たは電磁コイル76(MC6)を除勢(OFF)するこ
とによってニュートラル制御を実施することができる。
このようにして、ニュートラル制御を実行したならば、
制御手段100は上記ステップQ3に戻ってシフトスト
ローク位置Pがニュートラル範囲(P3<P<P5)に
なったか否かをチェックする。シフトストローク位置P
が未だニュートラル範囲(P3<P<P5)に達しない
場合には、ステップQ3およびステップQ4を繰り返し
実行する。
【0065】上記ステップQ3においてシフトストロー
ク位置Pがニュートラル範囲(P3<P<P5)になっ
たならば、制御手段100はステップQ5乃至ステップ
Q9を実行する。なお、ステップQ5乃至ステップQ9
は、上記図11および図12のフローチャートにおける
ステップS5乃至ステップSと同一であるので、説明は
省略する。
【0066】上記ステップQ5においてセレクト制御を
実行し、ステップQ6およびステップQ7において同期
制御を実行して目標変速歯車の回転速度と出力軸の回転
速度が同期した後に、ステップQ8において目標変速段
指示手段113(GCS)によって指示された目標変速
段が第1速、第3速、第5速のいずれかであると判定し
た場合には、制御手段100はステップQ10に進んで
シフトアクチュエータ5bを構成する第1の電磁ソレノ
イド6の電磁コイル66(MC5)を付勢(ON)し、
例えば第1の設定電圧(V1)を印加する。この結果、
シフトアクチュエータ5bは、上述したように一方の変
速歯車161側に向けて作動せしめられる。次に、制御
手段100はステップQ11に進んで、シフトストロー
ク位置Pがドッグ歯161aのチャンファ前端P3とチ
ャンファ後端P2の間に達したか否か(P2≦P≦P
3)をチェックする。シフトストローク位置Pがドッグ
歯161aのチャンファ前端P3とチャンファ後端P2
の間に達していなければ、制御手段100はステップQ
10に戻ってステップQ10およびステップQ11を繰
り返し実行する。ステップQ11においてシフトストロ
ーク位置Pがドッグ歯161aのチャンファ前端P3と
チャンファ後端P2の間に達したならば、制御手段10
0はステップQ12に進んでシフトアクチュエータ5b
を構成する第1の電磁ソレノイド6の電磁コイル66
(MC5)に印加する電圧(図示に実施形態においては
第1の設定電圧(V1))をパルス制御する。なお、パ
ルス制御におけるパルス幅(S)は、上記実施形態と同
様に50msecに設定されている。
【0067】このようにして、第1の電磁ソレノイド6
の電磁コイル66(MC5)に印加する電圧をパルス制
御したならば、制御手段100はステップQ13に進ん
でクラッチスリーブ15のスプライン151のチャンフ
ァの後端がドッグ歯161aのチャンファ後端に達する
位置のシフトストローク位置がP2aを越えた(P<P
2a)か否かをチェックする。シフトストローク位置P
がP2aを越えない場合には、制御手段100はステッ
プQ12およびステップQ13を繰り返し実行する。ス
テップQ13においてシフトストローク位置PがP2a
を越えた(P<P2a)場合には、制御手段100はス
テップQ14に進んで第1の電磁ソレノイド6の電磁コ
イル66(MC5)に上記第1の設定電圧(V1)より
低い第2の設定電圧(V2)を印加する。
【0068】次に、制御手段100はステップQ15に
進んでシフトストローク位置Pがドッグ歯161aの後
端に達する位置P1(シフトストロークエンド)に達し
たか否かをチェックする。シフトストローク位置Pがシ
フトストロークエンドP1に達しない場合には、制御手
段100はステップQ14およびステップQ15を繰り
返し実行する。ステップQ15においてシフトストロー
ク位置PがシフトストロークエンドP1に達した場合に
は、制御手段100はクラッチスリーブ15のスプライ
ン151と一方の変速歯車161のドッグ歯161aと
が噛合しギヤイン動作が終了したものと判断し、ステッ
プQ16に進んでシフトアクチュエータ5の一対のコイ
ル55(MC3)、56(MC4)を除勢(OFF)す
る。そして、制御手段100はステップQ17に進ん
で、湿式多板クラッチ13(CLT)の接制御を実行す
る。
【0069】上記ステップQ9において目標変速段指示
手段113(GCS)によって指示された目標変速段が
後進(R)、第2速、第4速、第6速のいずれかである
場合について説明する。上記ステップQ9において目標
変速段が後進(R)、第2速、第4速、第6速のいずれ
かであると判定した場合には、制御手段100はステッ
プQ18に進んでシフトアクチュエータ5bを構成する
第2の電磁ソレノイド7の電磁コイル76(MC6)を
付勢(ON)し、例えば第1の設定電圧(V1)を印加
する。この結果、シフトアクチュエータ5bは、上述し
たように他方の変速歯車162側に向けて作動せしめら
れる。次に、制御手段100はステップQ19に進ん
で、シフトストローク位置Pがドッグ歯162aのチャ
ンファ前端P5とチャンファ後端P6の間に達したか否
か(P5≦P≦P6)をチェックする。シフトストロー
ク位置Pがドッグ歯161aのチャンファ前端P5とチ
ャンファ後端P6の間に達していなければ、制御手段1
00はステップQ18に戻ってステップQ18およびス
テップQ19を繰り返し実行する。ステップQ19にお
いてシフトストローク位置Pがドッグ歯162aのチャ
ンファ前端P5とチャンファ後端P6の間に達したなら
ば、制御手段100はステップQ20に進んで第2の電
磁ソレノイド7の電磁コイル76(MC6)に印加する
電圧(図示に実施形態においては第1の設定電圧(V
1))をパルス制御する。なお、パルス制御におけるパ
ルス幅(S)は、上記ステップQ12と同様に50ms
ecに設定されている。
【0070】このようにして、第2の電磁ソレノイド7
の電磁コイル76(MC6)に印加する電圧をパルス制
御したならば、制御手段100はステップQ21に進ん
でクラッチスリーブ15のスプライン151のチャンフ
ァの後端がドッグ歯162aのチャンファ後端に達する
位置のシフトストローク位置がP6aを越えた(P>P
6a)か否かをチェックする。シフトストローク位置P
がP6aを越えない場合には、制御手段100はステッ
プQ20およびステップQ21を繰り返し実行する。ス
テップQ21においてシフトストローク位置PがP6a
を越えた(P>P6a)場合には、制御手段100はス
テップQ22に進んで第2の電磁ソレノイド7の電磁コ
イル76(MC6)に上記第1の設定電圧(V1)より
低い第2の設定電圧(V2)を印加する。
【0071】次に、制御手段100はステップQ23に
進んでシフトストローク位置Pがドッグ歯162aの後
端に達する位置P7(シフトストロークエンド)に達し
たか否かをチェックする。シフトストローク位置Pがシ
フトストロークエンドP7に達しない場合には、制御手
段100はステップQ22およびステップQ23を繰り
返し実行する。ステップQ23においてシフトストロー
ク位置PがシフトストロークエンドP7に達した場合に
は、制御手段100はクラッチスリーブ15のスプライ
ン151と他方の変速歯車162のドッグ歯162aと
が噛合しギヤイン動作が終了したものと判断し、ステッ
プQ24に進んで第2の電磁ソレノイド7の電磁コイル
76(MC6)を除勢(OFF)する。そして、制御手
段100は上記ステップQ17に進んで、湿式多板クラ
ッチ13(CLT)の接制御を実行する。
【0072】以上のように、図14乃至図15に示す実
施形態においても、ギヤインシフト動作時にはシフトス
トローク位置Pがドッグ歯のチャンファ前端とチャンフ
ァ後端の間はシフトアクチュエータ5bを構成する第1
の電磁ソレノイド6の電磁コイル66(MC5)または
第2の電磁ソレノイド7の電磁コイル76(MC6)に
印加する電圧をパルス制御するので、上述した実施形態
と同様に同期作用後のギヤイン動作を容易に実施するこ
とができる。
【0073】なお、図13に示すシフトアクチュエータ
5bを用いた場合にも、ギヤインシフト時においては図
9において破線で示すようにシフトストロークエンドま
でシフトアクチュエータ5bを構成する第1の電磁ソレ
ノイド6の電磁コイル66(MC5)または第2の電磁
ソレノイド7の電磁コイル76(MC6)に印加する電
圧をパルス制御することができる。即ち、ギヤインシフ
ト時に同期回転速度差(|ND|)が所定値(N1)
(図示の実施形態においては100rpm)以下(|N
D|≦100rpm)に達したら、制御手段100は第
1の電磁ソレノイド6の電磁コイル66(MC5)また
は第2の電磁ソレノイド7の電磁コイル76(MC6)
に印加する電圧をパルス制御する。そして、シフトスト
ローク位置がシフトストロークエンドに達したら、制御
手段100はギヤイン動作が終了したものと判断し、第
1の電磁ソレノイド6の電磁コイル66(MC5)また
は第2の電磁ソレノイド7の電磁コイル76(MC6)
を除勢(OFF)する。このようにギヤインシフト制御
を実行することにより、シフトストロークエンドを検出
するポジションスイッチを設けるだけで、シフトストロ
ークセンサーが不要となる。
【0074】
【発明の効果】本発明による変速機のシフト操作装置は
以上のように構成されているので、以下に述べる作用効
果を奏する。
【0075】即ち、本発明によれば、シフトアクチュエ
ータに電力を供給してギヤイン操作を実行する際に、シ
フトストローク位置が少なくともドッグ歯のチャンファ
前端から後端に達するまでの間はシフトアクチュエータ
に供給する電力をパルス状に制御するようにしたので、
エンジンから変速機への駆動力の伝達を断・接する摩擦
クラッチに引きずりトルクが発生しても、シフト動作を
円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従って構成された変速機のシフト操作
装置を装備した車両用駆動装置の概略構成ブロック図。
【図2】本発明によるシフト操作装置を構成するシフト
アクチュエータを備えた変速操作装置を示す断面図。
【図3】図2におけるA−A線断面図。
【図4】図2に示す変速操作装置を構成するセレクトア
クチュエータの作動説明図。
【図5】図2におけるB−B線断面図。
【図6】図5に示す第1の実施形態におけるシフトアク
チュエータの各作動状態を示す説明図。
【図7】シフトアクチュエータの第2の実施形態を示す
断面図。
【図8】図7に示す第2の実施形態におけるシフトアク
チュエータの各作動状態を示す説明図。
【図9】図1に示す車両用駆動装置を構成する変速機に
装備された同期装置のクラッチスリーブのシフトストロ
ーク位置とギヤインシフト時にシフトアクチュエータの
一対のコイルに印加する電圧との関係を示す説明図。
【図10】ギヤインシフト動作におけるクラッチスリー
ブのスプラインと、シンクロナイザーリングの歯および
変速歯車のドッグ歯との関係を示す説明図。
【図11】本発明に従って構成された変速機のシフト操
作装置を構成する制御手段の動作手順の一実施形態を示
す一部フローチャート。
【図12】本発明に従って構成された変速機のシフト操
作装置を構成する制御手段の動作手順の一実施形態を示
す一部フローチャート。
【図13】シフトアクチュエータの第3の実施形態を示
す断面図。
【図14】本発明に従って構成された変速機のシフト操
作装置を構成する制御手段の動作手順の他の実施形態を
示す一部フローチャート。
【図15】本発明に従って構成された変速機のシフト操
作装置を構成する制御手段の動作手順の他の実施形態を
示す一部フローチャート。
【符号の説明】
1:車両用駆動装置 11:ディーゼルエンジン 12:流体継手(フルードカップリング) 13:湿式多板クラッチ(CLT) 14:変速機 145:同期機構(SM) 2:変速操作装置 3:セレクトアクチュエータ 31a、31b、31c:ケーシング 32:コントロールシャフト 34:シフトレバー 35:シフトスリーブ 36:磁石可動体 361:永久磁石 362、363:可動ヨーク 39:固定ヨーク 40、41:コイル 42:ボビン 47:第1のセレクト位置規制手段 48:第2のセレクト位置規制手段 5:シフトアクチュエータ(第1の実施形態) 5a:シフトアクチュエータ(第2の実施形態) 50:作動レバー 51:ケーシング 52:シフトプランジャ 53:磁石可動体 54:固定ヨーク 55、56:一対のコイル 531:可動ヨーク 532:永久磁石 53a:磁石可動体 530a:中間ヨーク 532a、533a:一対の永久磁石 534a、535a:一対の可動ヨーク 8:セレクト位置検出センサ(SES) 9:シフトストローク位置検出センサ(SIS) 100:制御手段 111:入力軸回転速度検出手段(ISS) 112:出力軸回転速度検出手段(OSS) 113:目標変速段指示手段(GCS)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3J067 AA21 AB22 AC05 BA51 CA07 CA08 CA40 DB33 EA04 FB42 FB90 GA01 3J552 MA04 MA13 NA01 NB01 PA02 PA07 QB08 RA02 SA26 SA30 SB36 TB12 VA32W VA37W VA62W

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 変速歯車のドッグ歯と適宜噛合するクラ
    ッチスリーブを作動するシフトレバーをシフト方向に作
    動せしめるシフト操作装置であって、 該シフトレバーに連結した作動部材と係合するシフトプ
    ランジャと、該シフトプランジャの外周面に配設された
    磁石可動体と、該磁石可動体を包囲して配設された筒状
    の固定ヨークと、該固定ヨークの内側に軸方向に併設さ
    れた一対のコイルとを具備するシフトアクチュエータ
    と、 該シフトレバーのシフトストローク位置を検出するシフ
    トストロークセンサーと、 該変速機の入力軸の回転速度を検出する入力軸回転速度
    検出センサーと、 該変速機の出力軸の回転速度を検出する出力軸回転速度
    検出センサーと、 該シフトストロークセンサーと該入力軸回転速度検出セ
    ンサーおよび該出力軸回転速度検出センサーからの信号
    に基づいて該シフトアクチュエータの該一対のコイルに
    供給する電力を制御する制御手段と、を具備し、 該制御手段は、ギヤイン操作時においては入力軸回転速
    度と出力軸回転速度に基づいて同期回転速度差を演算
    し、該同期回転速度差が所定値以下に達したら該一対の
    コイルに電力を供給するとともに、シフトストローク位
    置が少なくとも該ドッグ歯のチャンファ前端から後端に
    達するまでの間は該一対のコイルに供給する電力をパル
    ス状に制御する、 ことを特徴とする変速機のシフト操作装置。
  2. 【請求項2】 変速歯車のドッグ歯と適宜噛合するクラ
    ッチスリーブを作動するシフトレバーをシフト方向に作
    動せしめるシフト操作装置であって、 該シフトレバーに連結した作動部材と係合するシフトプ
    ランジャと、該シフトプランジャの外周面に配設された
    磁石可動体と、該磁石可動体を包囲して配設された筒状
    の固定ヨークと、該固定ヨークの内側に軸方向に併設さ
    れた一対のコイルとを具備するシフトアクチュエータ
    と、 該変速機の入力軸の回転速度を検出する入力軸回転速度
    検出センサーと、 該変速機の出力軸の回転速度を検出する出力軸回転速度
    検出センサーと、 該入力軸回転速度検出センサーおよび該出力軸回転速度
    検出センサーからの信号に基づいて該シフトアクチュエ
    ータの該一対のコイルに供給する電力を制御する制御手
    段と、を具備し、 該制御手段は、ギヤイン操作時においては入力軸回転速
    度と出力軸回転速度に基づいて同期回転速度差を演算
    し、該同期回転速度差が所定値以下に達したら該一対の
    コイルに電力を供給するとともに、該電力をパルス状に
    制御する、 ことを特徴とする変速機のシフト操作装置。
  3. 【請求項3】 変速歯車のドッグ歯と適宜噛合するクラ
    ッチスリーブを作動するシフトレバーをシフト方向に作
    動せしめるシフト操作装置であって、 該シフトレバーに連結した作動部材を互いに反対方向に
    作動する第1の電磁ソレノイドと第2の電磁ソレノイド
    とを具備するシフトアクチュエータと、 該シフトレバーのシフトストローク位置を検出するシフ
    トストロークセンサーと、 該変速機の入力軸の回転速度を検出する入力軸回転速度
    検出センサーと、 該変速機の出力軸の回転速度を検出する出力軸回転速度
    検出センサーと、 該シフトストロークセンサーと該入力軸回転速度検出セ
    ンサーおよび該出力軸回転速度検出センサーからの信号
    に基づいて該シフトアクチュエータの該第1の電磁ソレ
    ノイドおよび該第2の電磁ソレノイドに供給する電力を
    制御する制御手段と、を具備し、 該制御手段は、ギヤイン操作時においては入力軸回転速
    度と出力軸回転速度に基づいて同期回転速度差を演算
    し、該同期回転速度差が所定値以下に達したら該第1の
    電磁ソレノイドおよび該第2の電磁ソレノイドに電力を
    供給するとともに、シフトストローク位置が少なくとも
    該ドッグ歯のチャンファ前端から後端に達するまでの間
    は該第1の電磁ソレノイドおよび該第2の電磁ソレノイ
    ドに供給する電力をパルス状に制御する、 ことを特徴とする変速機のシフト操作装置。
  4. 【請求項4】 変速歯車のドッグ歯と適宜噛合するクラ
    ッチスリーブを作動するシフトレバーをシフト方向に作
    動せしめるシフト操作装置であって、 該シフトレバーに連結した作動部材を互いに反対方向に
    作動する第1の電磁ソレノイドと第2の電磁ソレノイド
    とを具備するシフトアクチュエータと、 該変速機の入力軸の回転速度を検出する入力軸回転速度
    検出センサーと、 該変速機の出力軸の回転速度を検出する出力軸回転速度
    検出センサーと、 該入力軸回転速度検出センサーおよび該出力軸回転速度
    検出センサーからの信号に基づいて該シフトアクチュエ
    ータの該第1の電磁ソレノイドおよび該第2の電磁ソレ
    ノイドに供給する電力を制御する制御手段と、を具備
    し、 該制御手段は、ギヤイン操作時においては入力軸回転速
    度と出力軸回転速度に基づいて同期回転速度差を演算
    し、該同期回転速度差が所定値以下に達したら該第1の
    電磁ソレノイドおよび該第2の電磁ソレノイドに電力を
    供給するとともに、該電力をパルス状に制御する、 ことを特徴とする変速機のシフト操作装置。
JP2001090287A 2001-03-27 2001-03-27 変速機のシフト操作装置 Expired - Fee Related JP4140207B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001090287A JP4140207B2 (ja) 2001-03-27 2001-03-27 変速機のシフト操作装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001090287A JP4140207B2 (ja) 2001-03-27 2001-03-27 変速機のシフト操作装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002286127A true JP2002286127A (ja) 2002-10-03
JP4140207B2 JP4140207B2 (ja) 2008-08-27

Family

ID=18945091

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001090287A Expired - Fee Related JP4140207B2 (ja) 2001-03-27 2001-03-27 変速機のシフト操作装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4140207B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009127852A (ja) * 2007-11-28 2009-06-11 Toyota Motor Corp ドグクラッチシステム
CN104343954A (zh) * 2013-07-30 2015-02-11 爱信精机株式会社 自动变速器用爪形离合器控制装置
JP2015229447A (ja) * 2014-06-06 2015-12-21 アイシン・エーアイ株式会社 車両の動力伝達制御装置
JP2017198247A (ja) * 2016-04-26 2017-11-02 本田技研工業株式会社 変速機の制御装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009127852A (ja) * 2007-11-28 2009-06-11 Toyota Motor Corp ドグクラッチシステム
CN104343954A (zh) * 2013-07-30 2015-02-11 爱信精机株式会社 自动变速器用爪形离合器控制装置
JP2015028359A (ja) * 2013-07-30 2015-02-12 アイシン精機株式会社 自動変速機用ドグクラッチ制御装置
JP2015229447A (ja) * 2014-06-06 2015-12-21 アイシン・エーアイ株式会社 車両の動力伝達制御装置
JP2017198247A (ja) * 2016-04-26 2017-11-02 本田技研工業株式会社 変速機の制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4140207B2 (ja) 2008-08-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4788084B2 (ja) 変速機のシフト操作装置
JP4877905B2 (ja) 自動マニュアルトランスミッションのシフト位置検出装置
US20070216402A1 (en) Sensor arrangement and shift arrangement
EP1754907B1 (en) Electromagnetic actuator, clutch device using it, and power transmission device for automobile
US6634249B2 (en) Shift actuator for a transmission
CN104455367B (zh) 电动接合套式换挡机构
JP3687549B2 (ja) 変速機のシフトアクチュエータ
JP2002372147A (ja) 変速操作装置
EP1607660B1 (en) Shift actuator for a transmission
JP2002286127A (ja) 変速機のシフト操作装置
JP2002286133A (ja) 変速操作装置
JP4320512B2 (ja) 変速機のシフト操作装置
JPH10213221A (ja) 変速操作装置
JP4120201B2 (ja) 変速機のシフトアクチュエータ
JP4228543B2 (ja) 変速機のシフトアクチュエータ
JP4258982B2 (ja) 変速操作装置
JP2005121219A (ja) 車両用変速機
JP2002243035A (ja) 電磁ソレノイドおよびこれを用いた変速機のシフトアクチュエータ
JP4250872B2 (ja) 変速操作装置
JP2002286132A (ja) 変速機のシフトアシスト装置
JP4304880B2 (ja) 変速操作装置
JP2005188626A (ja) 変速操作装置
JP4784021B2 (ja) 変速操作装置
JP2005164029A (ja) 車両用変速機
JP2002257233A (ja) シフトアクチュエータの駆動装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051025

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080515

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080520

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080602

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110620

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110620

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120620

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130620

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees