JP2002285458A - 炭素繊維フェルトの製造方法 - Google Patents

炭素繊維フェルトの製造方法

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JP2002285458A
JP2002285458A JP2001088629A JP2001088629A JP2002285458A JP 2002285458 A JP2002285458 A JP 2002285458A JP 2001088629 A JP2001088629 A JP 2001088629A JP 2001088629 A JP2001088629 A JP 2001088629A JP 2002285458 A JP2002285458 A JP 2002285458A
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Fumikazu Machino
史和 町野
Susumu Mitsuta
進 光田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 極細炭素繊維であっても、簡便に効率よく炭
素繊維フェルトを製造する。 【解決手段】 平均繊維径0.3〜10μmの極細炭素
繊維に対して、バインダー樹脂溶液を平均液滴径1〜3
0μmで噴霧して炭素繊維フェルトを製造する。前記バ
インダー樹脂噴霧液の平均液滴径は2〜20μm程度で
ある。前記極細炭素繊維の平均繊維径と、前記バインダ
ー樹脂噴霧液の平均液滴径との割合は、前者/後者=1
/20程度である。前記方法においては、極細炭素繊維
集合体を開繊して集綿部に供給しつつ、前記集綿部にバ
インダー樹脂溶液を噴霧しながら、前記炭素繊維を綿状
に堆積させてもよい。前記極細炭素繊維と前記バインダ
ー樹脂との割合は、極細炭素繊維100重量部に対して
バインダー樹脂0.1〜30重量部程度である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、極細炭素繊維フェ
ルトの製造方法、この製造方法で得られた炭素繊維フェ
ルトに関する。
【0002】
【従来の技術】炭素繊維フェルトは、通常、図2に示す
ような工程を経て製造されている。すなわち、短繊維で
構成されたマット状炭素繊維を解きほぐして(粗開繊し
て)得られた炭素繊維集合体を、リザーブトランク1に
収容し、炭素繊維集合体を、開繊機2のガーネットシリ
ンダー2a(鋸刃状ワイヤーを捲いたシリンダー)で開
繊した後、集綿部3に供給し、サクションフード4によ
って吸引されたコンベア上に吸引落下させ、堆積させ
る。堆積した綿状炭素繊維5はコンベアで噴霧チャンバ
ー6に搬送され、噴霧チャンバー内で噴霧機7によりバ
インダー液を噴霧される。さらに、バインダー樹脂が付
着した綿状炭素繊維5は、加工工程に供され、所望の厚
みに折り畳まれた後、加熱成形される。
【0003】WO98/38140号公報には、綿状炭
素繊維集合体を熱硬化性樹脂で接合した吸音断熱材の製
造方法として、ネット等で捕集した炭素繊維を、空気を
吹きつける方法等で開繊し、これを落下させ熱硬化性樹
脂液を噴霧しながら堆積する方法(噴霧堆積法)、及び
開繊した炭素繊維を平面状に落下し堆積して粗な綿状集
合体を形成し、この集合体に熱硬化性樹脂液を噴霧する
方法(堆積−噴霧法)が開示されている。
【0004】しかし、これらの方法を極細炭素繊維に適
用すると、バインダー樹脂溶液が、綿状炭素繊維の内部
まで浸透し難い。特に、フェルトの厚みが大きくなる
と、バインダー樹脂の内部への浸透が損なわれる。従っ
て、厚みが大きなフェルトにおいて、均一性を向上でき
ない。厚みの大きな成形品を得るためには、複数枚の綿
状炭素繊維を折り畳んで成形する必要があるものの、こ
のような方法は工程数が増加するとともに、作業が複雑
化する。さらに、不良品が発生しやすく、得られたフェ
ルトも層状であるため剥離しやすい。また、綿状炭素繊
維の内部まで均一にバインダー樹脂が浸透せず、表層部
に多くのバインダー樹脂が残存する。そのため、加熱成
形工程でバインダー樹脂が加熱又は圧着板に付着して作
業が煩雑化し、樹脂の付着を防止するためには、予備硬
化の必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、極細炭素繊維であっても簡便に効率よく炭素繊維フ
ェルトを製造する方法を提供することにある。
【0006】本発明の他の目的は、厚みが大きくても均
一性及び接合強度に優れる極細炭素繊維フェルトを製造
する方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するため鋭意検討を重ねた結果、極細炭素繊維フ
ェルトに対して液滴径の小さいバインダー樹脂溶液を噴
霧すると、厚みが大きくても均一性及び接合強度に優れ
る極細炭素繊維フェルトを簡便に効率よく製造できるこ
とを見出した。
【0008】すなわち、本発明の極細炭素繊維フェルト
の製造方法は、平均繊維径0.3〜10μmの極細炭素
繊維をバインダー樹脂で接合して炭素繊維フェルトを製
造する方法であって、極細炭素繊維に対してバインダー
樹脂溶液を平均液滴径1〜30μmで噴霧する。前記極
細炭素繊維の平均繊維径は0.5〜5μm(特に1〜3
μm)程度であってもよく、前記バインダー樹脂噴霧液
の平均液滴径は2〜20μm(特に3〜15μm)程度
である。前記極細炭素繊維の平均繊維径と、前記バイン
ダー樹脂噴霧液の平均液滴径との割合は、前者/後者=
1/20程度である。前記方法においては、極細炭素繊
維集合体を開繊して集綿部に供給しつつ、前記集綿部に
バインダー樹脂溶液を噴霧しながら、前記炭素繊維を綿
状に堆積させてもよい。前記極細炭素繊維と前記バイン
ダー樹脂との割合は、極細炭素繊維100重量部に対し
てバインダー樹脂0.1〜30重量部程度である。
【0009】本発明には、前記方法で得られた炭素繊維
フェルトも含まれる。
【0010】
【発明の実施の形態】[極細炭素繊維フェルトの製造方
法]以下に、必要に応じて添付図面を参照しつつ本発明
の極細炭素繊維フェルトの製造方法を詳細に説明する。
【0011】図1は、本発明の炭素繊維フェルトの製造
方法における製造工程の一例を示す概略図である。
【0012】マット状極細炭素繊維を解きほぐして得ら
れた極細炭素繊維集合体を、リザーブトランク1に収容
し、炭素繊維集合体を開繊機2のガーネットシリンダー
2aでさらに開繊した後、集綿部3に供給する。集綿部
3では、開繊された炭素繊維を供給しつつ、噴霧機7で
バインダー樹脂溶液を噴霧しながら、炭素繊維を綿状に
コンベア上に堆積させている。コンベアは、サクション
フード4によって下方から吸引されている。堆積した綿
状炭素繊維5は、コンベアで搬送され、加熱硬化して成
形される。
【0013】極細炭素繊維の種類としては、例えば、ピ
ッチ系炭素繊維、ポリアクリロニトリル(PAN)系炭
素繊維、フェノール樹脂系炭素繊維、再生セルロース系
炭素繊維(例えばレーヨン系炭素繊維、ポリノジック系
炭素繊維等)、セルロース系炭素繊維、ポリビニルアル
コール系炭素繊維等が例示できる。
【0014】極細炭素繊維は、等方性炭素繊維であって
もよいが、通常、異方性炭素繊維である。極細炭素繊維
は、例えば、異方性ピッチ系炭素繊維であってもよい。
このような異方性ピッチ系炭素繊維は、例えば、縮合多
環炭化水素(例えば、ナフタレン、アントラセン、フェ
ナントレン、アセナフテン、アセナフチレン、ピレン
等)を重合して得られた異方性ピッチを加熱溶融し、こ
の溶融物を紡糸ノズルから吐出するとともに、前記紡糸
ノズルの周囲から前記溶融物の吐出方向に加熱ガスを吐
出させるメルトブロー紡糸法によって極細ピッチ系繊維
を生成させ、この極細炭素繊維を不融化した後、650
℃以上の温度で炭化処理して得ることができる(特開昭
63−146920号公報参照)。そのため、本発明の
方法は、繊維の種類に応じて、極細繊維を生成させるた
めの紡糸工程、繊維の融着を防止するための不融化又は
耐炎化工程、及び不融化又は耐炎化処理された極細繊維
を炭化処理する焼成工程、焼成により生成した極細炭素
繊維をフェルト化する工程を半連続的に経てフェルトを
製造してもよい。
【0015】紡糸工程では、慣用の紡糸方法が使用で
き、例えば、加熱溶融した異方性ピッチを紡糸ノズルか
ら吐出させるとともに、紡糸ノズルの周囲から加熱ガス
を噴出させるメルトブロー法を用いることができる。
【0016】不融化又は耐炎化工程では、例えば、不融
化炉において、150〜350℃、好ましくは160〜
340℃程度の酸化性気体(例えば、空気)を供給して
加熱することができる。
【0017】焼成工程では、例えば、焼成炉において、
不活性雰囲気又は真空下、400〜4000℃、好まし
くは500〜3000℃、さらに好ましくは800〜2
500℃程度で加熱する方法を使用できる。焼成工程で
は、温度2000〜4000℃(好ましくは2300〜
3300℃)程度で黒鉛化(グラファイト化)してもよ
い。
【0018】極細炭素繊維は、活性炭素繊維であっても
よい。これらの炭素繊維は、単独で又は二種以上組合わ
せて使用できる。
【0019】炭素繊維は、平均繊維径0.3〜10μ
m、好ましくは0.5〜5μm、さらに好ましくは1〜
3μm程度の極細炭素繊維である。また、前記炭素繊維
は、平均繊維長1〜200mm、好ましくは1〜100
mm、さらに好ましくは3〜50μm程度の短繊維であ
る。繊維径は、例えば、紡糸ノズル径を制御することに
より調整でき、通常、目的の炭素繊維径よりも小さめの
径の紡糸ノズルを用いる。極細繊維は例えば、紡糸ノズ
ルの吐出口の直径を0.2〜0.5mm程度とし、ピッ
チの加熱溶融温度や吐出速度、加熱ガスの温度や噴出速
度を調整することにより得られる。
【0020】短繊維で構成された極細炭素繊維は、通
常、マット状の形態であり、不融化又は耐炎、炭化処理
での焼き縮により絡まっている場合が多い。そのため、
極細炭素繊維は、開繊して噴霧工程に供される。なお、
マット状炭素繊維は、単一の開繊によりフェルト化して
もよいが、粗開繊して炭素繊維集合体とした後、さらに
開繊して噴霧工程に供してもよい。開繊方法としては、
慣用の方法を使用でき、回転ドラムを備えた開繊機、特
に爪状突起部を有する回転ドラムを備えた開繊機(例え
ば、鋸刃状ワイヤーを巻いたシリンダー)を用いて開繊
するのが好ましい。
【0021】集綿部3において、極細炭素繊維を落下さ
せる方法は、自然落下でもよいし、空気流を利用して落
下させてもよい。極細炭素繊維は軽量であるため、好ま
しくは空気流を利用した方法(例えば、吸引装置を用い
て吸引させることにより落下させる方法)を用いること
ができる。
【0022】集綿部3における極細炭素繊維の供給量
は、コンベア速度やバインダー樹脂溶液の濃度等によっ
て異なり、特に限定されないが、炭素繊維の供給量は1
0〜1000g/分、好ましくは30〜500g/分、
さらに好ましくは50〜300g/分程度である。
【0023】本発明の方法では、噴霧工程において、バ
インダー樹脂溶液の液滴径は特に制限されないが、例え
ば、極細炭素繊維に対して小さな液滴径のバインダー樹
脂溶液を噴霧して、バインダー樹脂溶液を極細炭素繊維
に対して均一に付着させる。バインダー樹脂噴霧液の平
均液滴径は、例えば、1〜30μm、好ましくは2〜2
0μm、さらに好ましくは3〜15μm(特に5〜15
μm)程度である。極細炭素繊維の平均繊維径と、バイ
ンダー樹脂噴霧液の平均液滴径との割合は、前者/後者
=1/20、好ましくは1/10、さらに好ましくは1
/7程度である。バインダー樹脂溶液を前記液滴径で極
細炭素繊維に対して噴霧することにより、極細炭素繊維
であっても、バインダー樹脂溶液が炭素繊維(例えば、
綿状炭素繊維)の隅々にまで浸透し、少量のバインダー
樹脂溶液であっても、均一かつ接合強度の高いフェルト
を得ることができる。
【0024】このような液滴径でバインダー樹脂溶液を
噴霧するためには、例えば、超音波(超音波振動子な
ど)や高速攪拌等によって溶液を微細化して噴霧しても
よい。バインダー樹脂溶液の噴霧方法は、特に限定され
ず、慣用のスプレー(噴霧機)によって噴霧してもよい
し、手動のスプレーで噴霧してもよい。連続生産が可能
でかつ定量性に優れるため、通常、超音波振動子などの
液滴微細化装置と連動した噴霧機で噴霧される。
【0025】バインダー樹脂溶液を構成するバインダー
樹脂としては、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂等の接着剤
が使用できる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ビニル
系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステ
ル系樹脂、熱可塑性ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系
樹脂、熱可塑性エラストマー等が例示でき、特に軟性の
熱可塑性樹脂(例えば、熱可塑性ポリウレタン系樹脂、
アクリル系樹脂、熱可塑性エラストマー等)が好まし
い。熱硬化性樹脂としては、例えば、ポリウレタン系樹
脂、アミノ系樹脂、フェノール系樹脂(レゾール型、ノ
ボラック型フェノール樹脂等)、エポキシ系樹脂(ビス
フェノールA型エポキシ樹脂など)、ビニルエステル系
樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、熱硬化性アクリル系
樹脂、ポリイミド系樹脂、シリコーン系樹脂等が例示で
きる。熱硬化性樹脂には、慣用の硬化剤を使用してもよ
い。
【0026】これらのバインダー樹脂のうち、熱硬化性
樹脂(例えば、ポリウレタン系樹脂、フェノール系樹
脂、エポキシ系樹脂等)、特にフェノール系樹脂が好ま
しい。
【0027】バインダー樹脂溶液を構成する溶媒として
は、用いるバインダー樹脂の種類によって異なるが、慣
用の溶媒を用いることができ、例えば、水、アルコール
類(例えば、エタノール、イソプロパノール等)、ハロ
ゲン化炭化水素類(例えば、塩化メチレンなど)、ケト
ン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン等)、エ
ステル類(酢酸エチルなど)、エーテル類(例えば、ジ
エチルエーテル、テトラヒドロフラン等)、セロソルブ
類(例えば、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ
等)、芳香族炭化水素類(トルエンなど)、脂肪族炭化
水素類(ヘキサンなど)、脂環族炭化水素類(シクロヘ
キサンなど)等やこれらの混合溶媒が例示できる。
【0028】前記液滴径でバインダー樹脂溶液を噴霧す
るためには、溶液の粘度は低い方が好ましく、例えば、
温度20℃において、1〜1000cps、好ましくは
2〜500cps、さらに好ましくは3〜100cps
程度である。
【0029】バインダー樹脂溶液において、バインダー
樹脂と溶媒の割合(重量比)は、溶媒/バインダー樹脂
=99/1〜50/50、好ましくは95/5〜60/
40、さらに好ましくは90/10〜70/30程度で
ある。
【0030】噴霧工程では、慣用の方法により、集綿部
で極細炭素繊維を堆積させた後、噴霧チャンバーでバイ
ンダー樹脂溶液を噴霧してもよいが、図1に示すよう
に、開繊された極細炭素繊維の集綿部(又は集綿チャン
バー)3への供給と、集綿部3にバインダー樹脂溶液を
噴霧機7での噴霧とを併行して行ってもよい。すなわ
ち、極細炭素繊維集合体を開繊して集綿部3に供給しな
がら、前記集綿部にバインダー樹脂溶液を噴霧してもよ
く、前記集綿部3にバインダー樹脂溶液を噴霧しなが
ら、前記集綿部3に開繊した極細炭素繊維集合体を供給
してもよい。従って、集綿部3では、極細炭素繊維が浮
遊し、コンベア上にまで落下する行程で、噴霧されたバ
インダー樹脂溶液が極細炭素繊維に付着するため、全て
の極細炭素繊維に略均一にバインダー樹脂溶液を付着す
ることができる。このように、極細炭素繊維の集綿部へ
の供給とバインダー樹脂溶液の噴霧とを併行して行うこ
とにより堆積させた綿状極細炭素繊維は、厚みが大きく
ても、表層から内部まで均一にバインダー樹脂が浸透し
ている。噴霧は、極細炭素繊維がコンベア上にまで落下
する行程で行えばよく、噴霧する方向も特に限定され
ず、極細炭素繊維の供給方向に対していずれの方向でも
よいが、極細炭素繊維とバインダー樹脂溶液との接触効
率を高めるためには、極細炭素繊維の供給方向に対して
交差方向(図中、上方、下方や斜め方向等)、特に対向
方向(向流として)から噴霧するのが好ましい。
【0031】バインダー樹脂溶液の噴霧量は、濃度や炭
素繊維の量、コンベア速度等によって異なり、特に限定
されないが、目付量で300g/m2以下(例えば、5
0〜300g/m2程度)の極細炭素繊維に対して、1
2当り、5〜500g/分、好ましくは10〜300
g/分、さらに好ましくは20〜100g/分程度であ
り、固形分換算で、1〜100g/分、好ましくは2〜
50g/分、さらに好ましくは3〜20g/分程度であ
る。
【0032】極細炭素繊維とバインダー樹脂との割合
は、固形分換算で、極細炭素繊維100重量部に対して
バインダー樹脂0.1〜30重量部、好ましくは0.5
〜20重量部、さらに好ましくは1〜10重量部程度で
ある。
【0033】バインダー樹脂が熱硬化性樹脂の場合、樹
脂を熱硬化させるための温度は、熱硬化性樹脂の種類に
よって異なるが、通常、50〜400℃、好ましくは7
0〜300℃、さらに好ましくは100〜300℃程度
あり、硬化時間は、通常、1分間〜24時間、さらに好
ましくは1分間〜10時間、さらに好ましくは3分間〜
1時間程度である。熱硬化性樹脂としてフェノール樹脂
を用いた場合、例えば、150〜300℃(特に180
〜270℃)程度の温度で、1〜10分間(3〜7分
間)程度硬化させてもよい。
【0034】[炭素繊維フェルト及び成形品]前記方法
で製造された炭素繊維フェルトは、厚みの如何に拘わら
ず高い均一性を有している。そのため、炭素繊維フェル
トの厚みは、特に制限されず、例えば、1〜100m
m、好ましくは5〜50mm、さらに好ましくは10〜
30mm程度であり、嵩密度は0.1〜30kg/
3、好ましくは0.5〜20kg/m3、さらに好まし
くは1〜10kg/m3程度である。
【0035】前記炭素繊維フェルトは、厚みが大きくて
も、バインダー樹脂が内部まで均一に浸透しているとと
もに、成形工程で必ずしも折り畳む必要がないため、剥
離強度などの機械的特性に優れる。従って、この炭素繊
維フェルトで形成された成形品は、断熱材、吸音材、緩
衝材等、特に、断熱性や吸音性とともに、機械的な強度
も要求される用途(例えば、航空機、高速鉄道車両、宇
宙船等の高速輸送機用吸音断熱材など)に適している。
【0036】
【発明の効果】本発明では、極細炭素繊維であっても、
簡便に効率よく炭素繊維フェルトを製造できる。また、
厚みが大きくても均一性及び接合強度に優れた極細炭素
繊維フェルトを製造できる。従って、本発明では、機械
的特性に優れた炭素繊維フェルトを簡便な方法で連続的
に製造できるので、炭素繊維の工業的な製造に有利であ
る。さらに、本発明の方法で得られた炭素繊維フェルト
で形成された成形品は、各種の断熱材や吸音材等として
有用である。
【0037】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示し、本発明を詳
細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。
【0038】実施例1 熱硬化性樹脂溶液の噴霧しながら極細炭素繊維を堆積す
る以外は図1と同様の装置を用いて、コンベア速度1m
/分で、15重量%フェノール樹脂溶液(溶媒:水)を
超音波微粒子製造装置で平均液滴径10μmとして、5
0g/分で噴霧しながら、平均繊維径2μmの極細炭素
繊維を100g/分の供給量で綿状に堆積させた後、2
50℃で5分間硬化処理して炭素繊維フェルトを製造し
た。得られた炭素繊維フェルト(厚み25mm)は、極
細炭素繊維フェルトに樹脂が均一に付着し、密度5kg
/m3、フェルト強度180g/cm2であった。
【0039】比較例1熱硬化性樹脂溶液の噴霧しながら
極細炭素繊維を堆積する以外は図1と同様の装置を用い
て、コンベア速度1m/分で、15重量%フェノール樹
脂溶液(溶媒:水)を噴霧ノズルより平均液滴径50μ
mとして、50g/分で噴霧しながら、平均繊維径2μ
mの極細炭素繊維を100g/分の供給量で綿状に堆積
させた後、250℃で5分間硬化処理して炭素繊維フェ
ルトを製造した。得られた炭素繊維フェルトは、密度5
kg/m3、フェルト強度80g/cm2であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の極細炭素繊維フェルトの製造
工程を示す概略図である。
【図2】図2は、従来の極細炭素繊維フェルトの製造工
程を示す概略図である。
【符号の説明】
1…リザーブトランク 2…開繊機 2a…ガーネットシリンダ 3…集綿部 5…綿状炭素繊維 7…噴霧機
フロントページの続き Fターム(参考) 4L037 AT03 AT05 CS03 FA02 FA03 FA17 PF07 PP02 PP03 UA07 UA20 4L047 AA03 AB08 BA17 BC07 BC10 BC11 BC12 BC14 CB01 CB03 CB06 EA07 EA09

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均繊維径0.3〜10μmの極細炭素
    繊維をバインダー樹脂で接合して炭素繊維フェルトを製
    造する方法であって、極細炭素繊維に対してバインダー
    樹脂溶液を平均液滴径1〜30μmで噴霧する炭素繊維
    フェルトの製造方法。
  2. 【請求項2】 極細炭素繊維の平均繊維径が0.5〜5
    μmであり、バインダー樹脂噴霧液の平均液滴径が2〜
    20μmである請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 極細炭素繊維の平均繊維径と、バインダ
    ー樹脂噴霧液の平均液滴径との割合が、前者/後者=1
    /20である請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 極細炭素繊維集合体を開繊して集綿部に
    供給しつつ、前記集綿部にバインダー樹脂溶液を噴霧し
    ながら、前記炭素繊維を綿状に堆積させる請求項1記載
    の方法。
  5. 【請求項5】 極細炭素繊維とバインダー樹脂との割合
    が、極細炭素繊維100重量部に対してバインダー樹脂
    0.1〜30重量部である請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 極細炭素繊維が異方性ピッチから得られ
    た炭素繊維である請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 平均繊維径1〜3μmの極細炭素繊維集
    合体を開繊して集綿部に供給しつつ、前記集綿部に、極
    細炭素繊維に対して平均液滴径3〜15μmでバインダ
    ー樹脂溶液を噴霧しながら、前記炭素繊維を綿状に堆積
    させる炭素繊維フェルトの製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の方法で得られた炭素繊維
    フェルト。
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